(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ブラインド用駆動装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/322 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
E06B9/322
(21)【出願番号】P 2019079530
(22)【出願日】2019-04-18
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/137786(WO,A1)
【文献】特開2016-027225(JP,A)
【文献】特開昭51-119142(JP,A)
【文献】特開2005-061139(JP,A)
【文献】実開昭58-069695(JP,U)
【文献】特開2016-037836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材から開閉可能に吊り下げられる遮蔽材と、
前記支持部材の長手方向における軸方向に対して左右いずれの向きでも前記支持部材に装着可能なケースと、
前記ケースに内蔵されると共に、前記遮蔽材を開閉するための駆動力を前記遮蔽材に伝達可能な駆動部材と、を備えたブラインド用駆動装置であって、
前記駆動部材は、
それぞれ識別可能に構成され、前記支持部材に対して一方の向きに配置されたときに選択される第1の部品と、前記支持部材に対して他方の向きに配置されたときに選択される第2の部品とのいずれか一方の部品を含み、
支持部材に対して前記ケースが配置される向きに応じて、いずれか一方の前記部品が選択されて前記ケースに内蔵され、
前記ケースは、外部から内部を視認可能な可視部を有し、
前記可視部を介して外部から前記駆動部材を視認
し、選択された部品が第1の部品であるか第2の部品であるかを識別できる、ブラインド用駆動装置。
【請求項2】
前記ケースは、少なくとも一部を透明部材からなる光透過性部材で構成し、
前記可視部は、前記光透過性部材からなる、請求項1記載のブラインド用駆動装置。
【請求項3】
前記可視部は、前記ケースの外周の一部を切り欠いた切り欠き部からなる、請求項1記載のブラインド用駆動装置。
【請求項4】
前記第1の部品と前記第2の部品は、鏡像対称性を有している、請求項1から3のいずれかに記載のブラインド用駆動装置。
【請求項5】
支持部材から開閉可能に吊り下げられる遮蔽材と、
前記支持部材の長手方向における軸方向に対して左右いずれの向きでも前記支持部材に装着可能なケースと、
前記ケースに内蔵されると共に、前記遮蔽材を開閉するための駆動力を前記遮蔽材に伝達可能な駆動部材と、を備えたブラインド用駆動装置であって、
前記駆動部材は、
前記支持部材に対して一方の向きに配置されたときに選択される第1の部品と、
前記支持部材に対して他方の向きに配置されたときに選択される第2の部品と、を有し、
支持部材に対して前記ケースが配置される向きに応じて、前記第1の部品と前記第2の部品の配列を入れ替えて前記ケースに内蔵され、
前記ケースは、外部から内部を視認可能な可視部を有し、
前記可視部を介して外部から前記駆動部材を視認できる、ブラインド用駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド用駆動装置に関する。特に、複数の遮蔽材を吊り下げたブラインドに好適な駆動装置であって、操作コードを操作することで複数の遮蔽材を開閉できるブラインド用駆動装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、遮蔽材となるスラットの昇降操作及び傾動操作を簡便、かつ、迅速に実行するために、ヘッドボックスの一端部から垂下された操作コードを操作することで、スラットの昇降操作及び傾動操作を可能とした横型ブラインドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11は、従来技術によるブラインドの構成を示す正面図である。
図12は、従来技術によるブラインドに備わる駆動装置の構成を示す斜視図である。
【0005】
図11を参照すると、従来技術によるブラインドBdは、支持部材となるC形チャンネル状のヘッドボックスBhを上部に取り付けている。ヘッドボックスBhは、複数のラダーコードCeを介して、複数のスラットStを吊り下げている。又、ヘッドボックスBhは、ループ状の操作コードChを介して、スラットStを昇降又は角度調整するためのメカニズムを内部に配置している。ブラケットBrを用いて、ヘッドボックスBhを二点以上支持すると共に、ブラケットBrを窓枠の上面又は天井に固定することで、ブラインドBdを窓の内側に配置できる。
【0006】
図11を参照すると、ヘッドボックスBhは、複数のドラム台Sd・Sdを内部に備えている。ドラム台Sdは、回転ドラムDt及び巻取ドラムDrを回転自在に支持している。回転ドラムDtと巻取ドラムDrは、同軸上に配置されている。
【0007】
図11を参照すると、ラダーコードCeは、その一端部を回転ドラムDtに係留している。回転ドラムDtを所定角度、回動することで、複数のスラットStの傾斜角度を一斉に調整できる。昇降コードCrは、その一端部を巻取ドラムDrに係留している。巻取ドラムDrを一方又は他方の方向に回転することで、複数のスラットStを鉛直方向に開閉できる。
【0008】
図11を参照すると、昇降コードCrは、複数のスラットStに沿って垂下すると共に、下端部にボトムレールRbを取り付けている。後述する駆動装置9に内蔵したクラッチユニットが解除されることで、ボトムレールRbの自重により、複数のスラットStを閉じる(下降する)ことができる。
【0009】
図11を参照すると、ブラインドBdは、巻取ドラムDrの中心部を長尺の昇降軸Seに固定又は嵌合している。又、昇降軸Seは、回転ドラムDtを挿通するとともに一端が駆動装置9に連結している。駆動装置9は、プーリ9pを昇降軸Seと反対側に取り付けている。
【0010】
図11又は
図12を参照すると、プーリ9pには、操作コードChを巻き掛けしている。駆動装置9は、プーリ9pを介して、操作コードChの操作による回転を昇降軸Seに伝動できるが、昇降軸Seからの回転が阻止されるように構成している。
【0011】
図12を参照すると、駆動装置9は、内部の空洞を有するケース9cを有している。ケース9cは、第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース93c、及び、第4ケース94cで構成している。第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース93c、及び、第4ケース94cが相互に着脱自在に嵌合及び結合することで、駆動装置9の外殻を構成している。
【0012】
図12を参照すると、第1ケース91cは、図示しない歯車列を内部に備えている。
図11~
図13を参照して、操作コードChを操作してプーリ9pを回転すると、その回転が図示しない歯車列を介して、図示しないクラッチユニットの入力軸9eに伝動される。
【0013】
又、
図11又は
図12を参照して、操作コードChを操作してプーリ9pを回転すると、その回転が図示しない歯車列を介して、スラット回転軸Saに伝動される(
図11参照)。そして、スラット回転軸Saの回転が回転ドラムDtに伝動することで、複数のスラットStを一斉に傾動できる。
【0014】
図12及び
図13を参照すると、第3ケース93cは、クラッチユニットを内部に備えている。クラッチユニットは、円筒状の第1カム軸81と円盤状の第1クラッチ板82を備えている。
図13を参照すると、第1カム軸81は、入力軸9eと回り止めされた状態で連結している。第1カム軸81には、入力軸9eの回転が伝動される。又、第1カム軸81は、入力軸9eに対して、軸方向にスライド自在に連結している。
【0015】
図13を参照すると、第1カム軸81は、カム溝81dを外周面に穿設している。
図13を参照すると、第2ケース92cは、カム溝81dを相対的に案内するボール(図示せず)を内部の底面に保持している。
図13を参照して、入力軸9eから第1カム軸81に回転が伝動されると、図示しないボールに案内されて、第1カム軸81は、軸方向に規定された範囲内で移動できる。
【0016】
又、
図13を参照すると、第1カム軸81は、複数のラチェット歯81tを一方の面に形成している。一方、第1クラッチ板82は、複数のラチェット歯82tを他方の面に形成している。
【0017】
図12及び
図13を参照して、第3ケース93cは、第1カム軸81の一方の面と第1クラッチ板82の他方の面を内部で対向配置している。
図13を参照して、図示しないボールに案内されて、第1カム軸81が第1クラッチ板82に近づくと、ラチェット歯81tとラチェット歯81tが噛み合うことで、第1カム軸81の一方の方向の回転のみを第1クラッチ板82に伝動できる。なお、
図13に示した圧縮コイルばね1sは、第1クラッチ板82を第1カム軸81の一方の面に向かう力を付勢している。
【0018】
図13を参照して、図示しないボールに案内されて、第1カム軸81が第1クラッチ板82から離れると、ラチェット歯81tとラチェット歯82tが噛み合うことなく、第1カム軸81と第1クラッチ板82が非連結状態となる。つまり、第1カム軸81の回転は、第1クラッチ板82に伝動されない状態になる。
【0019】
図13を参照すると、第1クラッチ板82は、図示しない出力軸が中心部に嵌合している。図示しない出力軸は、第4ケース94cから延出すると共に、図示しない出力軸の延出部には、シャフト止め9sが固定されている。これにより、第4ケース94cに対して、図示しない出力軸の軸方向の移動が規制されている。又、図示しない出力軸には、昇降軸Seの一端部が回り止め可能に嵌合している(
図11参照)。
【0020】
図11~
図13を参照すると、従来技術によるブラインドBdは、操作コードChの操作によって、入力軸9eを一方の方向に回転すると、第1カム軸81が回転しながら、図示しない出力軸に接近する方向に移動する。そして、第1カム軸81と第1クラッチ板82が噛み合うと、入力軸9eの回転が昇降軸Se→巻取ドラムDrに伝動することで、複数のスラットStを上昇する(開く)ことができる。
【0021】
一方、
図11~
図13を参照すると、従来技術によるブラインドBdは、操作コードChの操作によって、入力軸9eを他方の方向に回転すると、第1カム軸81が回転しながら、図示しない出力軸から離間する方向に移動する。そして、第1カム軸81と第1クラッチ板82の噛み合いが解除されると、昇降軸Seが自由回転可能な状態になる。これにより、ボトムレールRbの自重により、複数のスラットStを下降する(閉じる)ことができる(
図11参照)。
【0022】
図11を参照すると、ブラインドBdは、操作コードChをヘッドボックスBhの右側に配置している。しかし、ブラインドが設置される環境によっては、操作コードChをヘッドボックスBhの左側に配置する必要もある。又、ブラインドは、設置される環境に応じて、操作コードChの配置が選択されることが好ましい。
【0023】
図11に示した例では、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる。
図11に示したヘッドボックスBhを左右反転させて、操作コードChをヘッドボックスBhの左側に配置することはできるが、手前側に配置された操作コードChを引くと、ブラインドが下降するので、操作方法が異なることは好ましくない。
【0024】
図11を参照して、ヘッドボックスBhに対して操作コードChを左右のいずれか一方に配置しても、ブラインドの操作方法が異ならないようにするためには、第1カム軸81及び第1クラッチ板82(
図13参照)と、これらと鏡像対称性を有するカム軸及びクラッチ板を別々に用意し、駆動装置9に組み込む必要がある。これらの部品以外は、ヘッドボックスBhに対して、駆動装置9を左右反転しても、ケースを含めて共用できる(例えば、特許文献1参照)。
【0025】
しかしながら、ブラインド用駆動装置のケースに内蔵されるクラッチユニットの部品は、操作側の配置によって形状が異なるが、ケースの外観から視認できない構造になっているため、左右どちらかの操作側に使用されるクラッチユニットの部品であるか何らかの識別手段が必要であった。例えば、ケースを着色することによる識別、マーキングの付与、又は機能に影響しない程度にケースの形状を変える必要があった。
【0026】
ブラインド用駆動装置のケースに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できるブラインド用駆動装置が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0027】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ブラインド用駆動装置のケースに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できるブラインド用駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明者は、外部から内部を視認可能な可視部をケースに設け、可視部を介して外部から駆動部材を視認できるようにケースを構成することで、駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できると考え、以下のような新たなブラインド用駆動装置を発明するに至った。
【0029】
(1)本発明によるブラインド用駆動装置は、支持部材から開閉可能に吊り下げられる遮蔽材と、前記支持部材の長手方向における軸方向に対して左右いずれの向きでも前記支持部材に装着可能なケースと、前記ケースに内蔵されると共に、前記遮蔽材を開閉するための駆動力を前記遮蔽材に伝達可能な駆動部材と、を備えたブラインド用駆動装置であって、前記駆動部材は、それぞれ識別可能に構成され、前記支持部材に対して一方の向きに配置されたときに選択される第1の部品と、前記支持部材に対して他方の向きに配置されたときに選択される第2の部品とのいずれか一方の部品を含み、支持部材に対して前記ケースが配置される向きに応じて、いずれか一方の前記部品が選択されて前記ケースに内蔵され、前記ケースは、外部から内部を視認可能な可視部を有し、前記可視部を介して外部から前記駆動部材を視認し、選択された部品が第1の部品であるか第2の部品であるかを識別できる。
【0030】
(2)前記ケースは、少なくとも一部を透明部材からなる光透過性部材で構成し、
前記可視部は、前記光透過性部材からなってもよい。
【0031】
(3)前記可視部は、前記ケースの外周の一部を切り欠いた切り欠き部からなってもよい。
【0032】
(4)前記第1の部品と前記第2の部品は、鏡像対称性を有していることが好ましい。
【0033】
(5)本発明によるブラインド用駆動装置は、支持部材から開閉可能に吊り下げられる遮蔽材と、前記支持部材の長手方向における軸方向に対して左右いずれの向きでも前記支持部材に装着可能なケースと、前記ケースに内蔵されると共に、前記遮蔽材を開閉するための駆動力を前記遮蔽材に伝達可能な駆動部材と、を備えたブラインド用駆動装置であって、前記駆動部材は、前記支持部材に対して一方の向きに配置されたときに選択される第1の部品と、前記支持部材に対して他方の向きに配置されたときに選択される第2の部品と、を有し、支持部材に対して前記ケースが配置される向きに応じて、前記第1の部品と前記第2の部品の配列を入れ替えて前記ケースに内蔵され、前記ケースは、外部から内部を視認可能な可視部を有し、前記可視部を介して外部から前記駆動部材を視認できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によるブラインド用駆動装置は、ケースが外部から内部を視認可能な可視部を有し、可視部を介して外部から駆動部材を視認できるように構成することで、ケースの外側から駆動部材の種類を直接的に判別でき、駆動部材の種類の内蔵部品にて把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の第1実施形態によるブラインドの構成を示す正面図であり、操作コード及びブラインド用駆動装置を支持部材の右側に配置した図である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の右側に配置した図であり、
図2(A)は、第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す斜視分解組立図、
図2(B)は、第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の左側に配置した図であり、
図3(A)は、第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す斜視分解組立図、
図3(B)は、第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す斜視図であり、
図2(B)又は
図3(B)と異なる方向からブラインド用駆動装置を観た状態図である。
【
図5】第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す平面図であり、第1実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の右側に配置した図である。
【
図6】第1実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す平面図であり、第1実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の左側に配置した図である。
【
図7】本発明の第2実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す斜視図である。
【
図8】第2実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す平面図であり、第2実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の右側に配置した図である。
【
図9】第2実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す平面図であり、第2実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の左側に配置した図である。
【
図10】本発明の第3実施形態によるブラインド用駆動装置の構成を示す平面図であり、
図10(A)は、第3実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の右側に配置した図であり、
図10(B)は、第3実施形態によるブラインド用駆動装置を支持部材の左側に配置した図である。
【
図11】従来技術によるブラインドの構成を示す正面図である。
【
図12】従来技術によるブラインドに備わる駆動装置の構成を示す斜視図である。
【
図13】従来技術によるブラインドに備わる駆動装置の構成を示す斜視分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0037】
[第1実施形態]
(ブラインド及びブラインド用駆動装置の構成)
最初に、本発明の一実施形態によるブラインドの全体構成を説明する。なお、従来技術で付した符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同じにするので、以下、説明を省略することがある。
【0038】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態によるブラインド100は、支持部材となるC形チャンネル状のヘッドボックスBhを上部に取り付けている。ヘッドボックスBhは、複数のラダーコードCeを介して、複数の遮蔽部材となるスラットStを吊り下げている。又、ヘッドボックスBhは、複数の昇降コードCrを垂下している。昇降コードCrの下端部には、ボトムレールRbを取り付けている。
【0039】
図1を参照すると、ヘッドボックスBhは、複数の遮蔽部材となるスラットStを傾動させる、及び、複数の遮蔽部材となるスラットStを開閉する(昇降する)メカニズムを内部に備えている。そして、操作コードChを操作することで、複数の遮蔽部材となるスラットStを少なくとも開閉する(昇降する)ことができる。
【0040】
図1に示した実施形態では、ブラインド100は、本発明の第1実施形態によるブラインド用駆動装置(以下、駆動装置と略称する)10をヘッドボックスBhの右側に装着している。又、ブラインド100は、操作コードChをヘッドボックスBhの右側に配置している。
【0041】
一方、ヘッドボックスBhを左右反転させて、駆動装置10をヘッドボックスBhの左側に装着でき、操作コードChをヘッドボックスBhの左側に配置することもできる。この場合、ヘッドボックスBhに対して駆動装置10が配置される向きに応じて、第1の部品となる第1カム軸11及び第1クラッチ板12(
図2参照)と、第2の部品となる第2カム軸21及び第2クラッチ板22(
図3参照)のいずれか一方の部品が選択されて、駆動装置10に内蔵している。
【0042】
図2から
図6を参照すると、第1実施形態による駆動装置10は、内部に配置された特定の駆動部材の種類によって、ヘッドボックスBhの右側に装着した右操作用の駆動装置10Rと、ヘッドボックスBhの左側に装着した左操作用の駆動装置10Lとに区別するが、説明の便宜上、これら駆動装置10R・10Lに共通のものは、駆動装置10として説明する。
【0043】
又、本発明で用いる駆動部材とは、複数の遮蔽部材となるスラットStを開閉するための駆動力を複数の遮蔽部材となるスラットStに伝達可能な部品をいう。
【0044】
図2から
図6を参照すると、駆動装置10は、内部に空洞を有するケース1cを有している。ケース1cは、第1ケース91c、第2ケース12c、第3ケース13c、及び、第4ケース94cで構成している。第1ケース91c、第2ケース12c、第3ケース13c、及び、第4ケース94cが相互に着脱自在に嵌合及び結合することで、駆動装置10の外殻を構成している。
【0045】
図2から
図6を参照すると、第2ケース12cと第3ケース13cは、透明部材からなる光透過性部材で構成している。このように、ケース1cは、一部を透明部材からなる光透過性部材で構成している。
【0046】
図12を参照して、従来技術によるケース9cは、第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース93c、及び、第4ケース94cを不透明部材で構成しているのに対し、第1実施形態によるケース1cは、第2ケース12cと第3ケース13cを透明部材で構成した点が異なっている(
図2から
図6参照)。
【0047】
図1から
図6を参照すると、ケース1cの一部を光透過性部材で構成することで、ヘッドボックスBhに対して駆動装置10Rが右側に配置されたときに選択される第1の部品である第1カム軸11及び第1クラッチ板12を外部から直接視認できる(
図2又は
図4及び
図5参照)。
【0048】
一方、
図1から
図6を参照すると、ケース1cの一部を光透過性部材で構成することで、ヘッドボックスBhに対して駆動装置10Lが左側に配置されたときに選択される第2の部品である第2カム軸21及び第2クラッチ板22を外部から直接視認できる(
図3又は
図6参照)。
【0049】
このように、
図2から
図6を参照すると、ケース1cは、外部から内部を視認可能な光透過性部材で構成した可視部を有しているので、ケース1cに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できる。
【0050】
(右操作用の駆動装置の構成)
次に、右操作用の駆動装置10Rの構成を説明する。
図2又は
図4及び
図5を参照すると、駆動装置10Rは、円筒状の第1カム軸11と円盤状の第1クラッチ板12を備えている。第1カム軸11と第1クラッチ板12は、クラッチユニットを構成している。
【0051】
図2を参照すると、第1カム軸11は、入力軸9eと回り止めされた状態で連結している。第1カム軸11には、入力軸9eの回転が伝動される。又、第1カム軸11は、入力軸9eに対して、軸方向にスライド自在に連結している。
【0052】
図2(A)又は
図5を参照すると、第1カム軸11は、カム溝11dを外周面に穿設している。第2ケース12cは、カム溝11dを相対的に案内するボール(図示せず)を内部の底面に保持している。
図2(A)を参照して、入力軸9eから第1カム軸11に回転が伝動されると、図示しないボールに案内されて、第1カム軸11は、軸方向に規定された範囲内で移動できる。
【0053】
又、
図2(A)又は
図5を参照すると、第1カム軸11は、複数のラチェット歯11tを一方の面に形成している。一方、第1クラッチ板12は、複数のラチェット歯12tを他方の面に形成している。
【0054】
図5を参照して、第3ケース13cは、第1カム軸11の一方の面と第1クラッチ板12の他方の面を内部で対向配置している。
図2を参照して、図示しないボールに案内されて、第1カム軸11が第1クラッチ板12に近づくと、ラチェット歯11tとラチェット歯12tが噛み合うことで、第1カム軸11の他方の方向の回転のみを第1クラッチ板12に伝動できる。なお、
図2(A)に示した圧縮コイルばね1sは、第1クラッチ板12を第1カム軸11の一方の面に向かう力を付勢している。
【0055】
図2(A)を参照すると、第1クラッチ板12は、図示しない出力軸が中心部に嵌合している。図示しない出力軸には、昇降軸Seの一端部が回り止め可能に嵌合できる(
図1参照)。
【0056】
図2又は
図4及び
図5に示した駆動装置10RをヘッドボックスBhの右側に装着した例では(
図1参照)、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる(
図1参照)。
【0057】
(左操作用の駆動装置の構成)
次に、左操作用の駆動装置10Lの構成を説明する。
図3又は
図6を参照すると、駆動装置10Lは、円筒状の第2カム軸21と円盤状の第2クラッチ板22を備えている。第2カム軸21と第2クラッチ板22は、クラッチユニットを構成している。
【0058】
図3を参照すると、第2カム軸21は、入力軸9eと回り止めされた状態で連結している。第2カム軸21には、入力軸9eの回転が伝動される。又、第2カム軸21は、入力軸9eに対して、軸方向にスライド自在に連結している。
【0059】
図3(A)又は
図6を参照すると、第2カム軸21は、カム溝21dを外周面に穿設している。第2ケース12cは、カム溝21dを相対的に案内するボール(図示せず)を内部の底面に保持している。
図3(A)を参照して、入力軸9eから第2カム軸21に回転が伝動されると、図示しないボールに案内されて、第2カム軸21は、軸方向に規定された範囲内で移動できる。
【0060】
又、
図3(A)又は
図6を参照すると、第2カム軸21は、複数のラチェット歯21tを一方の面に形成している。一方、第2クラッチ板22は、複数のラチェット歯22tを他方の面に形成している。
【0061】
図6を参照して、第3ケース13cは、第2カム軸21の一方の面と第2クラッチ板22の他方の面を内部で対向配置している。
図3を参照して、図示しないボールに案内されて、第2カム軸21が第2クラッチ板22に近づくと、ラチェット歯21tとラチェット歯22tが噛み合うことで、第2カム軸21の他方の方向の回転のみを第2クラッチ板22に伝動できる。なお、
図3(A)に示した圧縮コイルばね1sは、第2クラッチ板22を第2カム軸21の一方の面に向かう力を付勢している。
【0062】
図3(A)を参照すると、第2クラッチ板22は、図示しない出力軸が中心部に嵌合している。図示しない出力軸には、昇降軸Seの一端部が回り止め可能に嵌合できる(
図1参照)。
【0063】
図3又は
図6に示した駆動装置10LをヘッドボックスBhの左側に装着した例では(
図1参照)、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる(
図1参照)。
【0064】
このように、第1実施形態によるブラインド100は、右操作用の駆動装置10Rと左操作用の駆動装置10Lに内蔵した駆動部材の一部を入れ替えることで、操作方法を同じにできる。
【0065】
図2又は
図4及び
図5を参照すると、第1カム軸11と第1クラッチ板12は、同一の色相で構成することが好ましい。例えば、第1カム軸11と第1クラッチ板12は、緑色で彩色することができる。第1カム軸11と第1クラッチ板12を同一の色相で構成することで、対になる部品であることを容易に認識できる。
【0066】
図3又は
図6を参照すると、第2カム軸21と第2クラッチ板22は、同一の色相で構成することが好ましい。例えば、第2カム軸21と第2クラッチ板22は、白色で彩色することができる。第2カム軸21と第2クラッチ板22を同一の色相で構成することで、対になる部品であることを容易に認識できる。
【0067】
図2から
図6を参照して、第1カム軸11及び第1クラッチ板12と第2カム軸21及び第2クラッチ板22は、異なる色相で構成することが好ましい。右操作用の駆動装置10Rの構成部材と左操作用の駆動装置10Lの構成部材を直接的に識別できる。
【0068】
図2から
図6を参照すると、第1カム軸11と第2カム軸21は、鏡像対称性を有している。同様に、第1クラッチ板12と第2クラッチ板22は、鏡像対称性を有している。このように、右操作用の駆動装置10Rと左操作用の駆動装置10Lは、鏡像対称性を有する第1の部品と前記第2の部品を使用している。
【0069】
(ブラインド用駆動装置の作用)
次に、第1実施形態による駆動装置10の作用及び効果を説明する。
図2から
図6を参照すると、ケース1cは、外部から内部を視認可能な光透過性部材で構成した可視部を有しているので、ケース1cに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できる。
【0070】
図1から
図6を参照すると、ケース1cは、少なくとも一部を光透過性部材で構成し、光透過性部材は、透明部材からなっているので、駆動装置10を組み立てた状態で、内蔵された駆動部材の種類を判別できる。
【0071】
図2から
図6を参照すると、右操作用の駆動装置10Rと左操作用の駆動装置10Lに内蔵される駆動部材が、操作側に対応して選択される鏡像対称性を有する形状であっても、駆動部材以外の構成部品が共通化され、操作側に依らず、ケース部品の共通化を図れる。
【0072】
[第2実施形態]
(ブラインド用駆動装置の構成)
次に、第2実施形態によるブラインド用駆動装置(以下、駆動装置と略称する)20の構成を説明する。
図7から
図9を参照すると、第2実施形態による駆動装置20は、内部に配置された特定の駆動部材の種類によって、ヘッドボックスBhの右側に装着した右操作用の駆動装置20Rと、ヘッドボックスBhの左側に装着した左操作用の駆動装置20Lとに区別するが、説明の便宜上、これら駆動装置20R・20Lに共通のものは、駆動装置20として説明する。
【0073】
図7から
図9を参照すると、駆動装置20は、内部に空洞を有するケース2cを有している。ケース2cは、第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース23c、及び、第4ケース94cで構成している。第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース23c、及び、第4ケース94cが相互に着脱自在に嵌合及び結合することで、駆動装置20の外殻を構成している。
【0074】
図7から
図9を参照すると、第3ケース23cは、外周の一部を切り欠いた切り欠き部231を形成している。
図2から
図6を参照して、第1実施形態によるケース1cは、第2ケース12cと第3ケース13cを透明部材からなる光透過性部材で構成しているのに対し、第2実施形態によるケース1cは、第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース23c、及び、第4ケース94cを不透明部材で構成した点が異なっている。しかし、第3ケース23cを透明部材からなる光透過性部材で構成してもよい。
【0075】
図7から
図9を参照すると、ケース2cの一部に切り欠き部231を設けることで、ヘッドボックスBhに対して駆動装置20Rが右側に配置されたときに選択される第1の部品である第1カム軸11及び第1クラッチ板12を外部から直接視認できる(
図7又は
図8参照)。
【0076】
一方、
図9を参照すると、ケース2cの一部に切り欠き部231を設けることで、ヘッドボックスBhに対して駆動装置20Lが左側に配置されたときに選択される第2の部品である第2カム軸21及び第2クラッチ板22を外部から直接視認できる。
【0077】
このように、
図7から
図9を参照すると、ケース2cは、外部から内部を視認可能な切り欠き部231で構成した可視部を有しているので、ケース2cに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できる。
【0078】
図7又は
図8に示した右操作用の駆動装置20Rは、
図2又は
図4及び
図5で示した右操作用の駆動装置10Rの内部構成品が同じである。同様に、
図9に示した左操作用の駆動装置20Lは、
図3又は
図6で示した左操作用の駆動装置10Lの内部構成品が同じである。
【0079】
図7又は
図8に示した駆動装置20RをヘッドボックスBhの右側に装着した例では(
図1参照)、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる(
図1参照)。
【0080】
図9に示した駆動装置20LをヘッドボックスBhの左側に装着した例では(
図1参照)、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる(
図1参照)。
【0081】
このように、第2実施形態によるブラインドは、右操作用の駆動装置20Rと左操作用の駆動装置20Lに内蔵した駆動部材の一部を入れ替えることで、操作方法を同じにできる。
【0082】
(ブラインド用駆動装置の作用)
次に、第2実施形態による駆動装置20の作用及び効果を説明する。第2実施形態による駆動装置20は、第1実施形態による駆動装置10と同様な効果を奏するが、
図7から
図9を参照すると、ケース2cは、外部から内部を視認可能な切り欠き部で構成した可視部を有しているので、ケース2cに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できる。
【0083】
[第3実施形態]
(ブラインド用駆動装置の構成)
次に、第3実施形態によるブラインド用駆動装置(以下、駆動装置と略称する)30の構成を説明する。
図10を参照すると、第3実施形態による駆動装置30は、内部に配置された特定の駆動部材の種類によって、ヘッドボックスBhの右側に装着した右操作用の駆動装置30Rと、ヘッドボックスBhの左側に装着した左操作用の駆動装置30Lとに区別するが、説明の便宜上、これら駆動装置30R・30Lに共通のものは、駆動装置30として説明する。
【0084】
図10を参照すると、駆動装置30は、内部に空洞を有するケース1cを有している。ケース1cは、第1ケース91c、第2ケース12c、第3ケース13c、及び、第4ケース94cで構成している。第1ケース91c、第2ケース12c、第3ケース13c、及び、第4ケース94cが相互に着脱自在に嵌合及び結合することで、駆動装置30の外殻を構成している。
【0085】
図10を参照すると、第2ケース12cと第3ケース13cは、透明部材からなる光透過性部材で構成している。このように、ケース1cは、一部を透明部材からなる光透過性部材で構成している。
【0086】
図12を参照して、従来技術によるケース9cは、第1ケース91c、第2ケース92c、第3ケース93c、及び、第4ケース94cを不透明部材で構成しているのに対し、第3実施形態によるケース1cは、第2ケース12cと第3ケース13cを透明部材で構成した点が異なっている(
図10参照)。
【0087】
図10(A)を参照すると、ケース1cの一部を光透過性部材で構成することで、ヘッドボックスBhに対して駆動装置30Rが右側に配置されたときに選択される第1の部品である第1カム軸31と第2の部品である第2カム軸32を外部から直接視認できる。
【0088】
一方、
図10(B)を参照すると、ケース1cの一部を光透過性部材で構成することで、ヘッドボックスBhに対して駆動装置30Lが左側に配置されたときに選択される第1の部品である第1カム軸31と第2の部品である第2カム軸32を外部から直接視認できる。
【0089】
このように、
図10を参照すると、ケース1cは、外部から内部を視認可能な光透過性部材で構成した可視部を有しているので、ケース1cに内蔵される駆動部材の種類を直接的に判別又は把握できる。
【0090】
図10(A)を参照すると、駆動装置30Rは、円筒状の第1カム軸31と円筒状の第2カム軸32を備えている。第1カム軸31と第2カム軸32は、クラッチユニットを構成している。同様に、
図10(B)を参照すると、駆動装置30Lは、円筒状の第1カム軸31と円筒状の第2カム軸32を備えている。第1カム軸31と第2カム軸32は、クラッチユニットを構成している。
【0091】
図10(A)と
図10(B)を対比すると、駆動装置30Rと駆動装置30Lは、第1カム軸31と第2カム軸32の配列を入れ替えている。
【0092】
図10(A)を参照すると、第1カム軸31は、入力軸9eと回り止めされた状態で連結している(
図2(A)参照)。第1カム軸31には、入力軸9eの回転が伝動される(
図2(A)参照)。又、第1カム軸31は、入力軸9eに対して、軸方向にスライド自在に連結している(
図2(A)参照)。
【0093】
図10(A)を参照すると、第1カム軸31は、カム溝31dを外周面に穿設している。第2ケース12cは、カム溝31dを相対的に案内するボール(図示せず)を内部の底面に保持している。
図2(A)を参照して、入力軸9eから第1カム軸31に回転が伝動されると、図示しないボールに案内されて、第1カム軸31は、軸方向に規定された範囲内で移動できる。
【0094】
又、
図10(A)又は
図10(B)を参照すると、第1カム軸31は、複数の噛み合い歯31tを一方の面に形成している。一方、第2カム軸32は、複数の噛み合い歯32tを他方の面に形成している。
【0095】
図10(A)を参照して、第3ケース13cは、第1カム軸31の一方の面と第2カム軸32の他方の面を内部で対向配置している。図示しないボールに案内されて、第1カム軸31が第2カム軸32に近づくと、噛み合い歯31tと噛み合い歯32tが噛み合うことで、第1カム軸31の一方の方向の回転を第2カム軸32に伝動できる。
【0096】
図10(A)を参照すると、第2カム軸32は、図示しない出力軸が中心部に嵌合している。図示しない出力軸には、昇降軸Seの一端部が回り止め可能に嵌合できる(
図1参照)。
【0097】
図10(A)に示した駆動装置30RをヘッドボックスBhの右側に装着した例では(
図1参照)、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる(
図1参照)。
【0098】
図10(B)を参照すると、第2カム軸32は、入力軸9eと回り止めされた状態で連結している(
図3(A)参照)。第2カム軸32には、入力軸9eの回転が伝動される(
図3(A)参照)。又、第2カム軸32は、入力軸9eに対して、軸方向にスライド自在に連結している(
図3(A)参照)。
【0099】
図10(B)を参照すると、第2カム軸32は、カム溝32dを外周面に穿設している。第2ケース12cは、カム溝32dを相対的に案内するボール(図示せず)を内部の底面に保持している。
図3(A)を参照して、入力軸9eから第2カム軸32に回転が伝動されると、図示しないボールに案内されて、第2カム軸32は、軸方向に規定された範囲内で移動できる。
【0100】
図10(B)を参照して、第3ケース13cは、第1カム軸31の一方の面と第2カム軸32の他方の面を内部で対向配置している。図示しないボールに案内されて、第2カム軸32が第1カム軸31に近づくと、噛み合い歯32tと噛み合い歯31tが噛み合うことで、第2カム軸32の他方の方向の回転を第1カム軸31に伝動できる。
【0101】
図10(B)を参照すると、第1カム軸31は、図示しない出力軸が中心部に嵌合している。図示しない出力軸には、昇降軸Seの一端部が回り止め可能に嵌合できる(
図1参照)。
【0102】
図10(B)に示した駆動装置30LをヘッドボックスBhの左側に装着した例では(
図1参照)、手前側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを上昇する(開く)ことができ、奥側に配置された操作コードChを引くことで、ブラインドを下降する(閉じる)ことができる(
図1参照)。
【0103】
このように、第3実施形態によるブラインドは、右操作用の駆動装置30Rと左操作用の駆動装置30Lに内蔵した駆動部材の配列を入れ替えることで、操作方法を同じにできる。
【0104】
図10を参照すると、第1カム軸31と第2カム軸32は、異なる色相で構成することが好ましい。例えば、第1カム軸31は、緑色で彩色することができ、第2カム軸32は、白色で彩色することができる。第1カム軸31と第2カム軸32を異なる色相で構成することで、異なる部品であることを容易に認識できる。第1カム軸31と第2カム軸32は、鏡像対称性を有している。
【0105】
(ブラインド用駆動装置の作用)
次に、第3実施形態による駆動装置30の作用及び効果を説明する。第3実施形態による駆動装置30は、第1実施形態による駆動装置10と同様な効果を奏するが、右操作用の駆動装置と左操作用の駆動装置を用意するために、第1及び第2実施形態による駆動装置10・20は、四種類の部品を必要としていたが、第3実施形態による駆動装置30は、二種類の部品構成で済むという特別な効果がある。つまり、右用の部品と左用の部品を共用できるという、特別な効果がある。
【符号の説明】
【0106】
1c ケース
10L 駆動装置(右操作用)
10R 駆動装置(左操作用)
11 第1カム軸(第1の部品)
12 第1クラッチ板(第1の部品)
12c 第2ケース(可視部)
13c 第3ケース(可視部)
21 第2カム軸(第2の部品)
22 第2クラッチ板(第2の部品)
100 ブラインド
Bh ヘッドボックス(支持部材)
St スラット(遮蔽部材)