(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】自動車
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20230428BHJP
H01B 7/04 20060101ALI20230428BHJP
H01B 7/08 20060101ALI20230428BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B60R16/02 620Z
H01B7/04
H01B7/08
H02G3/30
(21)【出願番号】P 2019524238
(86)(22)【出願日】2017-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2017107578
(87)【国際公開番号】W WO2018095178
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2019-07-02
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】201621267142.5
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519157831
【氏名又は名称】吉林省中贏高科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】王超
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】藤井 昇
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014011180(DE,A1)
【文献】特開平5-58230(JP,A)
【文献】特開2007-28842(JP,A)
【文献】特表2000-512430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0179074(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00- 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディシェルと、電源と、車内のプラグ又は配線裝置とを含み、前記電源と車内のプラグ又は配線装置とは一部又は全部がフラットケーブルで接続され、前記フラットケーブルは前記ボディシェルに沿って延び、前記フラットケーブルは、同フラットケーブルの折り曲げ部分が、前記フラットケーブルの固定部分に対してx、y、z軸線方向に折り曲げられるような折り曲げ特性を有し、少なくとも1つの前記フラットケーブルは、
当該フラットケーブルの長手方向軸回りに曲げられた折り曲げ部と、当該フラットケーブルの幅方向軸回りに曲げられた折り曲げ部と、を有し、前記フラットケーブルと前記ボディシェルとの間の距離は300mm以下であることを特徴とする自動車。
【請求項2】
前記フラットケーブルと前記ボディシェルとの間の距離は2~100mmであることを特徴とする請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記フラットケーブルは断面が平らな構造を有する中実アルミニウムリードコアと、前記中実アルミニウムリードコアを包む可撓性絶縁層とを含むことを特徴とする請求項1に記載の自動車。
【請求項4】
前記中実アルミニウムリードコアの断面は波形構造を有することを特徴とする請求項3に記載の自動車。
【請求項5】
前記中実アルミニウムリードコアの断面はオーバル形状を有することを特徴とする請求項3に記載の自動車。
【請求項6】
前記中実アルミニウムリードコアの断面は多角形形状を有することを特徴とする請求項3に記載の自動車。
【請求項7】
前記多角形は四角形であることを特徴とする請求項6に記載の自動車。
【請求項8】
前記
四角形は長方形であり、前記長方形の高さの範囲は3.4mm~4.0mmであり、幅の範囲は29.7mm~30.3mmであることを特徴とする請求項7に記載の自動車。
【請求項9】
前記多角形は五角形又は六角形又は八角形であることを特徴とする請求項6に記載の自動車。
【請求項10】
前記多角形の各角は面取りであることを特徴とする請求項6に記載の自動車。
【請求項11】
前記フラットケーブルは、間隔を置いて配置された複数のバックル装置によって前記ボディシェルに固定され、隣接するバックル装置同士の間隔は10~200cmであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車は、一般的にボディシェルと、ボディシェルの前端部および後端部にそれぞれ配置されたプラグおよび電源と、前記電源と前記プラグとを接続するための給電ケーブルとを含む。自動車の技術分野において、使用されている電源ケーブルは基本的に円形の断面を有する。給電ケーブルの断面は円形であるため、同一円周上の各点にかかる力は等方的であり、外力を受けたときに変形しにくくなり、給電ケーブルが曲がりにくく、設置の困難性が高い。また、運転中にバンプや衝突が起こった時に電源ケーブルが車体から外れることを防ぎ、さらに漏電事故を起こさないようにするためには、円形断面の給電ケーブルは大量のバックル装置を装着して車体に固定する必要がある。従って、通常の状況下では、給電ケーブルの長さに沿って、5~9cmごとに、給電ケーブルを固定するためのバックル装置を取り付ける必要がある。これは設置作業量を増加させるだけでなく、設置コストの削減に不利になる。
【0003】
また、従来の自動車の給電ケーブルは一般にボディシェルに沿って延びる。しかしながら、従来の自動車の給電ケーブルは、設置時にケーブルとボディシェルとの間の距離を制限しないので、ケーブルワイヤが無駄に使われやすく、ワイヤが無駄になり、設置コストが不利になる。また、給電ケーブルとボディシェルとの間の距離が大きくなりすぎると、給電ケーブルの設置安定性が大きく影響を受ける。
【0004】
さらに、従来の給電ケーブルのコアは銅であり、価格が高いだけでなく品質も高いため、材料費および輸送費を節約することに不利になるだけでなく、車両の軽量化の要求を満たすこともできない。
【0005】
それゆえに、好適な自動車では、その車の中で電源と車内プラグ又は配線装置とが接続される方法は組立てが簡単で、コスト削減に有利である。前記自動車はケーブルやワイヤ材料が多用される可能性を低減し、ワイヤの合理的な利用を確保し、設置コストを低減するだけでなく、ケーブルの設置安定性を効果的に確保する。同時に、ケーブル設置の困難性を低減し、設置作業を減少し、ケーブルの材料コストと輸送コストを削減するにも役に立ち、自動車の軽量化需要に対する人々のニーズを満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の欠点を克服するために、本発明の目的は自動車を提供することにある。前記自動車はケーブルやワイヤ材料が多用される可能性を低減し、ワイヤの合理的な利用を確保し、設置コストを低減するだけでなく、ケーブル設置安定性を効果的に確保する。同時に、ケーブル設置の困難性を低減し、設置作業を減少し、ケーブルの材料コストと輸送コストを削減するにも役に立ち、自動車の軽量化需要に対する人々のニーズを満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明が採用する技術的解決法は以下の通りである:
ボディシェルと、電源と、車内のプラグ又は配線裝置とを含む自動車であって、前記電源とプラグ又は配線装置とは一部又は全部がフラットケーブルで接続され、前記フラットケーブルは前記ボディシェルに沿って延び、前記フラットケーブルと前記ボディシェルとの間の距離は300mm以下である。
前記フラットケーブルと前記ボディシェルとの間の距離は2~100mm以下であることが好適なのである。前記フラットケーブルは断面が平らな構造を有する中実アルミニウムリードコアと、前記中実アルミニウムリードコアを包む可撓性絶縁層とを含むことが好適なのである。さらに、前記中実アルミニウムリードコアの断面は波形構造を有する。或いは、前記中実アルミニウムリードコアの断面はオーバル形状を有する。また、前記中実アルミニウムリードコアの断面は多角形形状を有する。更に、前記多角形は四角形である。また、前記四辺形は長方形であり、前記長方形の高さの範囲は3.4mm~4.0mm、幅の範囲は29.7mm~30.3mmであることが好適なのである。或いは、前記多角形は五角形又は六角形又は八角形である。更に、前記多角形の各角は面取りである。また、前記フラットケーブルは、間隔を置いて配置された複数のバックル装置によってボディシェルに固定され、隣接するバックル装置同士の間隔は10~200cmであることが好適なのである。
【発明の効果】
【0008】
従来技術と比較して、本発明の有利な効果は以下の通りである:
1、本発明の自動車の一部又は全部は、既存の丸型ケーブルの代わりにフラットケーブルを使用する。フラットケーブルは平らな断面を有し、ケーブル上の点にかかる力は異方性であるため、ボディシェルに装着されたとき容易に折り曲げることができる。すると、設置の難しさが大幅に減少し、設置プロセスが単純化され、設置作業負荷が減少する。
【0009】
2、さらに、フラットケーブルは、ボディシェルから300mm以下の位置に、かつボディシェルの輪郭に比較的近い位置に設置されるため、フラットケーブルがボディシェルから遠すぎることによるバンプする時のケーブルの揺れの発生を効果的に抑制することができる。また、フラットケーブルの車両への設置安定性を向上させることができる。同時に、その位置がボディシェル上の他の位置に比べてボディシェルに比較的近いため、配線中に使用されるケーブルワイヤは比較的大きくなり過ぎず、これは設置中のケーブルの供給を減らすのに有利である。ケーブルやワイヤ材料が多用される可能性を低減し、ワイヤの合理的な利用を確保し、設置コストを低減する。
【0010】
3、フラットケーブルはボディシェルに沿って延びるため、ボディシェル内でのフラットケーブルの設置スペースを減らすことが有利であり、設置スペースの単純化需要を満たす。
【0011】
4、前記フラットケーブルは、既存の銅コアの代わりに、中実アルミニウムリードコア(ここで、前記中実アルミニウムリードコアはアルミニウムコア又はアルミニウム合金コアである)を採用する。アルミニウムの密度は銅の密度の3分の1であり、導電体の電気抵抗率の差によると、同じ導電率を満たすという前提で、アルミニウムと銅の線径比はただ1.28倍に過ぎず、アルミニウムの重量は同じ電流を流す銅材料の半分に過ぎない。また、材料費が大きく、材料価格が高い銅製のリードコアの代わりに、比重が小さく、材料価格が低い中実アルミニウムリードコアを用いることで、材料費および輸送費を削減でき、自動車の製造コストを節約することに有利であり、自動車の性能を改善することができる。
【0012】
5、前記フラットケーブルの中実アルミニウムリードコアは断面が波形構造を有し、フラットケーブルは設置時にボディシェルの輪郭により密接にフィットすることができるため、組立スペースをさらに減少させ、そして設置コストを減少させるために有利である。
【0013】
6、前記フラットケーブルの中実アルミニウムリードコアは楕円形の断面を有し、これは中実アルミニウムリードコアが可撓性絶縁層を貫通するのを防ぐのを助け、フラットケーブルの寿命を大幅に延ばすことができる。
【0014】
7、前記フラットケーブルの中実アルミニウムリードコアは多角形の断面を有し、これは配線中にボディシェルの輪郭によりよく一致し、配線プロセスを単純化することができる。また、多角形の角部が面取りされているため、一方では鋭い稜線が可撓性絶縁層を貫通することを防止でき、他方では過度の電流が流れるせいでバリが放電を起こして絶縁層の破壊を引き起こすことを防止でき、フラットケーブルを効果的に保護し、フラットケーブルの寿命を延ばす。
【0015】
8、本発明のフラットケーブルの中実アルミニウムリードコアは長方形の断面を有し、長方形の高さは3.4mm~4.0mmの範囲にあり、幅は29.7mm~30.3mmの範囲にあり、フラットケーブルの導電性を確保することを前提として、ボディシェルの輪郭に合わせてフラットケーブルの配線を容易にすることができるだけでなく、フラットケーブルを加工形成することもできる。
【0016】
9、本発明に係る車両は、フラットケーブルを一部又は全部使用するため、断面が円形の給電ケーブルを使用する車両に比べて、本発明に係る車両内フラットケーブルは、ボディシェルへの取り付け安定性が良好である。したがって、フラットケーブルが、間隔を置いて配置された複数のバックル裝置によってボディシェルに固定される時、隣接するバックル裝置同士の間隔は10~200cmである。すなわち、バックル裝置はフラットケーブルの長さに沿って10~200cm毎に設けられる。円形の断面での同じ長さの既存の電力ケーブルと比較して、フラットケーブルをボディシェルにしっかりと固定することができるだけでなく、バックル裝置の使用数量が大幅に削減され、設置作業が著しく削減され、そして自動車の設置コストおよび製造コストも削減される。
【0017】
以上の説明は本発明の概要に過ぎず、本発明の技術的手段をさらに理解するために明細書の記載内容に基づいて実施することができる。本発明の前記および他の目的、特徴および利点をより明白かつ理解しやすくするために、以下は添付の図面および以下の詳細な説明とともに、好ましい実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1-1】は本発明の自動車の配線構造を示す図その1である。
【
図1-2】は本発明の自動車の配線構造を示す図その2である。
【
図1-3】は本発明の自動車の配線構造を示す図その3である。
【
図2】は本発明のフラットケーブルの第1種の断面の構造を示す図である。
【
図3】は本発明のフラットケーブルの第2種の断面の構造を示す図である。
【
図4】は本発明のフラットケーブルの第3種の断面の構造を示す図である。
【
図5】は本発明のフラットケーブルがx軸に向かって折り曲げられている構造を示す図である。
【
図6】は本発明のフラットケーブルがy軸に向かって折り曲げられている構造を示す図である。
【
図7】は本発明のフラットケーブルがz軸に向かって折り曲げられている構造を示す図である。
【
図9】は本発明のフラットケーブルをy軸とz軸に向かって連続的に折り曲げた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術的手段および有効性をさらに説明するため、以下に好ましい実施形態と共に、本発明に係る具体的な実施形態、構造、特徴および機能の詳細を説明する。
【0020】
図1-1に概略的に示されるように、本発明の自動車の配線構造は、車体1、電源3、
車内のプラグ又は配線装置2、および電源3とプラグ又は配線装置2との一部又は全部を接続するフラットケーブル4を含む。前記プラグ2および電源3はそれぞれボディシェル1の前端部および後端部に配置され、前記フラットケーブル4はボディシェル1に沿って延び、前記フラットケーブル4とボディシェル1との間の距離Hは300mm以下である。
【0021】
本発明に係る自動車は、従来の丸形ケーブルを部分的に又は全体的にフラットケーブル4に置き換え、フラットケーブル4は平らな断面を有し、点にかかる力が異方性であるため、ボディシェル1に設置する時に容易に折り曲げることができ、そして設置プロセスも非常に簡単である。
【0022】
また、フラットケーブルはボディシェル1から300mm以下の位置に設置され、ボディシェルの輪郭に比較的近い位置にあるため、フラットケーブルとボディシェル1との距離が長過ぎることで起きるバンプでケーブルが揺れることを効果的に抑制することができる。したがって、フラットケーブルの車両への設置安定性を向上させることができる。同時に、前記位置はボディシェル1上の他の位置に対してボディシェル1に比較的近い位置であるため、配線時に使用されるケーブル線が比較的多くなり過ぎず、設置量を少なくするのに有利であり、ケーブルワイヤが無駄に使われる可能性を減らし、ケーブルワイヤが適切に利用されることを確実にし、そして設置のコストを減らす。また、フラットケーブルはボディシェル1に沿って延在するため、フラットケーブルのボディシェル1内への設置スペースを小さくし、かつ設置スペースの簡素化要求を満たすことに有利である。
【0023】
この実施形態の変形として、前記フラットケーブル4は、間隔を置いて配置された複数のバックル装置7によってボディシェル1に固定され、隣接するバックル装置7同士の間隔は10~200cmである。
【0024】
本発明に係る車両において使われたのは一部又は全部がフラットケーブル4であるから、円形断面の電力ケーブルを使用する従来の自動車と比較して、本発明に係る車ケーブルはより良好な設置安定性を有する。したがって、フラットケーブル4は間隔をあけて複数のバックル装置7を介してボディシェル1に固定する時、隣接するバックル装置同士の間の距離は10~200cmとすることができる。すなわち、フラットケーブル4の長手方向に沿ってバックル装置7が10~200cm毎に設けられる。円形断面の従来の給電ケーブルと同じ長さの場合、フラットケーブル4をボディシェル1にしっかりと固定することができ、フラットケーブル4のボディシェル1への設置安定性がさらに向上する。また、バックル装置7の使用数量が減少し、設置作業も大幅に減り、設置コストも削減する。
【0025】
本実施形態のさらなる改良として、前記フラットケーブル4とボディシェル1との間の距離は2~100mmである。この数値範囲内であれば、フラットケーブル4の折り曲げ回数の削減、設置工数の短縮、フラットケーブル4の消耗材料の削減、ボディシェル1へのフラットケーブル4の装着安定性の向上に効果がある。
【0026】
図1―2および
図1―3は、それぞれ本発明の自動車の配線構造を示す図その2および図その3であり、すなわち
図1-1の平面構造を示す図である。
図1―2は本発明の自動車の配線の全てにフラットケーブルが使用される構造を示す図である。また、
図1―3は本発明の自動車の配線の一部にフラットケーブルが使用される構造を示す図である。
【0027】
自動車のコストおよび車両の全重量を低減し、車両の軽量化に有利にするために、前記フラットケーブル4は、扁平構造の中実アルミニウムリードコア41と、この中実アルミニウムリードコア41を包む可撓性絶縁層42とを備えている。
【0028】
本発明のフラットケーブル4は、従来の銅芯を中実アルミニウムリードコア41に置き換えたものである(本実施形態では、前記中実アルミニウムリードコア41はアルミニウム芯又はアルミニウム合金芯である)。アルミニウムの密度は銅の密度の3分の1のみであり、導電体の電気抵抗率の差によると、同じ導電率を満たすという前提では、アルミニウムと銅の線径比はわずか1.28倍である。アルミニウムの重量は、同じ電流を流している銅の半分に過ぎず、これによってワイヤの重量を大幅に減らすことができるため、車体軽量化に役立つ。また、比重が大きい銅製のリードコアの代わりに、比重が小さく、材料価格が低い中実のアルミニウム製のリードコア41を用いるため、材料費と輸送費を削減でき、製造コストをさらに節約し、ユーザーのニーズを満たすことができる。
【0029】
省エネルギーおよび環境保護の目的を達成するために、前記電源3は再利用できる蓄電池である。
【0030】
前記可撓性絶縁層42は、後のケーブル全体の加工時に可撓性絶縁層42が損傷を受けないため、その絶縁性を確保する上で、防水性とある程度の弾力性、耐摩耗性、硬度を有する。
【0031】
可撓性絶縁層42を保護するため、
図2に示すように、中実アルミニウムリードコア41は楕円形断面を有し、それは中実アルミニウムリードコア41が可撓性絶縁層42を貫通するのを防止する。
【0032】
配線時にボディシェル1の輪郭をより一致させるために、前記中実アルミニウムリードコア41の断面も多角形とすることができる。前記多角形は、四角形、五角形、六角形、八角形などとすることができる。
【0033】
多角形が四辺形である場合、前記フラットケーブル4のさらなる改良として、
図3に示すように、四辺形は長方形である。フラットケーブル4の導電性を確保する場合、ボディシェル1の外形に合わせてフラットケーブル4を折り曲げやすくするために、前記長方形の高さは2~4.5mmとし、幅は15~33mmとする。さらに、前記フラットケーブル4の加工を容易にするために、前記長方形の高さの範囲は3.4mm~4.0mmであり、幅の範囲は29.7mm~30.3mmであることがより好ましい。
【0034】
また、
図4に示すように、前記中実アルミコアは、波紋状の断面を有し、前記フラットケーブル4は設置される時にボディシェル1の外形によりフィットし、さらに組み立てスペースを減らすのに役立つ。そして、前記断面形状の中実アルミコアからなるフラットケーブルは波状構造を有する。
【0035】
中実アルミニウムリードコア41の断面が多角形の場合は、
図3に示す実施形態を例とすると、可撓性絶縁層42を保護するためには、多角形の角部を面取りする必要がある。すなわち、前記多角形の角が面取り5である。一方では、鋭い稜線が可撓性絶縁層42を突き抜けることを防止することができ、他方では、流れる電流が大きすぎることでバリが放電し、故障の原因となることを防止することができる。フラットケーブル4は効果的に保護され、フラットケーブル4の寿命が延びる。
【0036】
中実アルミニウムリードコア41は、銅コアよりも可撓性があり、良好な折り曲げ特性を有し、そしてより小さい折り曲げ半径を有することによって、この設計ではフラットケーブル4に折り曲げ形状のデザインが施されており、折り曲げ部分はボディシェルの輪郭の凹凸によって決定され、ボディシェルとフィットする方が好ましい。折り曲げ形状は次のとおりである。すなわち、一方の端が固定されている場合、もう一方の端は立体幾何学のx、y、z軸に沿って0~180°で任意の方向に折り曲げられる。曲がった部分は、ある程度の曲率を維持し、および/又は連続的に折り曲げたり、あるいは車本体部材に取り付けたりすることができる。折り曲げた状況に対し、フラットケーブル4の端部に対して垂直であることに限定されず、ケーブルの端部に対してある角度で成形されることもできる。成形方法は、押出し、固定モジュールの巻き取り、ねじりなどから選択することができる。成形後、自動車の組立効果に影響を及ぼさない限り、小さな範囲でのリバウンドが許容される。
【0037】
説明すべきは、本実施形態では前記ボディシェルは、シャーシ、フレームハウジング、ドア等の部材を含む。
【0038】
以下では、中実アルミニウム導体41の断面が矩形状のフラットケーブル4を例に挙げて説明する。3つの具体的な方法で本発明のフラットケーブル4の折り曲げ性能を説明する。
【0039】
ケーブルをx軸方向に折り曲げると、
図5に示すように、フラットケーブル4の上端が固定され、折り曲げ部は図に示す6aであり、折り曲げ角度は図に示すαであり、折り曲げ方向は図中のxの正のx軸であり、必要に応じて連続折り曲げを行うことができる。すなわち、屈曲部6aを含む全体を固定し、他方の屈曲部6bに沿って折り曲げ操作を行い、x軸の正の半軸方向の選択に加えて、x軸の負の半軸方向を選択してもよい。折り曲げ角度は図に示すβであり、それによって図に示すxーz平面内に波状フラットケーブル4を形成することができる。
【0040】
図6に示すように、フラットケーブル4をx軸方向に捩じれる場合、捩じれ部は図に示す6cである。フラットケーブル4の片側を固定し、他端をx軸方向で180°に捩じれる。この時、フラットケーブル4の左右両端部の上下表面は対向しており、フラットケーブル4の扁平面は図に示すxz平面内に位置する。前記捩じれる角度は180°に限定されない。
【0041】
フラットケーブル4をz軸方向に折り曲げる場合、
図7に示すように、折り曲げ部は図に示す6dである。フラットケーブル4の一端を固定し、他端をz軸方向に折り曲げ角度γで折り曲げると、所望の形状が得られ、連続的に折り曲げる必要がある場合には、折り曲げた部分を一体的に固定し、他方を連続的に折り曲げることにより、
図5に示すような形状を得ることができる。
図8は、フラットケーブル4がz軸に対してある角度で折り曲げる時の側面を示す斜視図である。
【0042】
フラットケーブル4は、同一平面に向かって連続的に屈曲することに限定されず、異なる平面に向かって連続的に屈曲することもできる。これにより、より具体的なイメージのフラットケーブル4の構造を得て、車体にフィットするようにできる。
図9に示すように、同じフラットケーブル4においても、まず屈曲部6eをx軸に沿って一定の角度で捻って、屈曲部6fをz軸に沿って一定の角度で連続的に屈曲させて新たな状態のケーブルを得ることができる。
【0043】
前記の実施形態は、本発明の好適な実施の例であり、本発明の範囲を限定するものではない。当業者はこの発明の記述に基づいてなされたわずかな変更および置換は全て本発明保護の範囲に属す。
【符号の説明】
【0044】
1 ボディシェル
2 プラグ
3 電源
4 フラットケーブル
41 中実アルミニウムリードコア
42 可撓性絶縁層
5 面取り
6a 折り曲げ部
6b 折り曲げ部
6c 折り曲げ部
6d 折り曲げ部
6e 折り曲げ部
6f 折り曲げ部
α 折り曲げ角度
β 折り曲げ角度
γ 折り曲げ角度
7 バックル裝置
H フラットケーブルとボディシェルとの間の距離
【図 】