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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】疼痛緩和療法を提供するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
A61N1/36
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019565467
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 IB2018053385
(87)【国際公開番号】W WO2018215879
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/509,108
(32)【優先日】2017-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/614,613
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519416716
【氏名又は名称】セラニカ バイオ-エレクトロニクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アロン アイロニ
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/155773(WO,A1)
【文献】特開2004-283316(JP,A)
【文献】特表2010-500117(JP,A)
【文献】特表2013-544177(JP,A)
【文献】国際公開第2006/022307(WO,A1)
【文献】特開2003-339885(JP,A)
【文献】特表2002-539862(JP,A)
【文献】国際公開第2016/113661(WO,A1)
【文献】特開2010-057804(JP,A)
【文献】国際公開第2017/051412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕、手、脚、足、及び下腹部から選択される、対象の身体の一部分の上に設置するように構成された電極と、
ユーザインタフェースデバイスと、
前記電極を介して前記対象の身体の前記一部分の内部に電気パルスを導入することによって、前記対象に対し神経調節治療を適用し、かつ、
前記神経調節治療が適用される前記対象の身体の前記一部分から前記対象の中枢神経系に向かって伝搬する求心性信号を標示する出力を生成することによって、前記神経調節治療が前記対象の身体に対し及ぼす生理学的効果を前記対象に対して標示する出力を前記ユーザインタフェースデバイス上で生成する、
ように構成された少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を含む、装置。
【請求項2】
腕、手、脚、脚、及び下腹部から選択される、対象の身体の一部分の上に設置するように構成された電極と、
ユーザインタフェースデバイスと、
前記電極を介して前記対象の身体の前記一部分の内部に電気パルスを導入することによって、前記対象に対し神経調節治療を適用し、かつ、
神経調節治療の開始に先立ち前記対象が疼痛を感じる領域を標示する出力を生成し、前記領域のサイズ及び/又は疼痛レベルが前記神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示することによって、前記神経調節治療が前記対象の身体に対し及ぼす生理学的効果を前記対象に対して標示する出力を前記ユーザインタフェースデバイス上で生成する、
ように構成された少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を含む装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記領域のサイズが前記神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示する出力を生成するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記領域の疼痛レベルが前記神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示する出力を生成するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記出力を生成することにより、前記神経調節治療の有効性を強化するように構成されている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、オーディオ出力を生成することによって出力を生成するように構成されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、オーディオ及びグラフィックの組合せ出力を生成することによって出力を生成するように構成されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサがさらに、誘導緩和手順を通して前記対象を誘導するように構成された出力を生成するように構成されている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサがさらに、誘導呼吸手順を通して前記対象を誘導するように構成された出力を生成するように構成されている、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、以下のものからの優先権を主張するものである。
「神経調節及び弛緩を組合せることによる疼痛緩和療法」という名称で2017年5月21日出願のIroniに対する米国仮特許出願第62/502,108号、及び
「誘導電気刺激」という名称で2018年1月08日出願のIroniに対する米国仮特許出願第62/614,613号。
上述の出願は、参照により本明細書に組込まれている。
【0002】
本発明のいくつかの応用は、概して、医療用装置及び方法に関係する。具体的には、本発明のいくつかの応用は、疼痛治療、神経刺激及び心理療法のための装置及び方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
片頭痛は、多くの患者において実質的な機能障害を招く激痛レベルに達し得る頭痛発作の形で出現する一般的な神経血管疾患である。今までのところ、片頭痛の病態生理学は完全に分かっていない。片頭痛治療の現在のアプローチは、大部分が薬理学的なものである。
【0004】
頭痛を含めた急性疼痛の緩和のための考えられる治療として、電気的神経刺激が使用されてきた。臨床研究により、2つのパルス周波数範囲(高周波数と低周波数)が疼痛緩和のために特に有効であることが示されている。
【0005】
テスト刺激、すなわち異なる身体場所で送出される「被条件刺激」又は「一次刺激」と呼ばれる第2の有痛刺激に対する身体の応答に影響を及ぼす目的で「条件刺激」(「二次刺激」とも呼ばれる)が適用される被条件疼痛調節が、疼痛の研究において用いられるパラダイムである。有痛刺激は、被条件疼痛調節を用いて阻害されることが示されてきた。阻害プロセス源は、脳幹内に由来する下行性内因性鎮痛メカニズムであると考えられている。
【0006】
過去20年間に、疼痛を治療するための心理療法を開発し臨床的に認証する研究が多数行なわれてきた。この研究の原動力となっているのは、疼痛が末梢神経系(PNS)によって提供される多数の感覚の、中枢神経系(CNS)内部で行なわれる複雑な解釈であるという理解が強まっていることにある。
【0007】
いくつかのこのような療法は、弛緩に基づくアプローチを取り上げており、このようなアプローチの目的は、交感神経の覚醒を低減させ、身体的弛緩状態を創出することにある。このアプローチは、交感神経覚醒の低減が、気晴らしを通した注意力の調節と共に、末梢感覚入力の中央処理を低減させる一助となり得るという仮定に基づいている。このことは、非特許文献1(Andrasik氏著の(「Behavioral treatment of migraine: current status and future directions」、Expert Rev.Neurother.2004,4:403-13))により実証された。
【0008】
教育的な介入によって、疼痛制御のための自覚及び自己効力感が改善され得るということが示されてきた。同様に、誘導イメージ療法が、疼痛の感覚を低減させ、疼痛によりひき起こされる身体的制約を低減させる上で有効であり得るということも示されてきている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Andrasik著、「Behavioral treatment of migraine:current status and future directions」、Expert Rev.Neurother.2004,4:403-13
【発明の概要】
【0010】
いくつかの応用に関して、本明細書中に記載の装置及び方法は、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛及び/又は別の形態の疼痛を治療するために使用される。典型的には、対象の身体の一部分の内部に電気パルスを導入することによって、疼痛緩和神経調節治療が対象に対して適用される。いくつかの応用については、片頭痛及び/又は他の形態の頭痛(上述の形態の頭痛)の発生に一般的に寄与する不安の感情を抑制するために、弛緩技術が使用される。例えば、このような弛緩技術は、段階的な筋肉弛緩訓練、横隔膜呼吸、自律訓練法、誘導イメージ療法及び/又は瞑想を含む。
【0011】
いくつかの応用については、疼痛緩和神経調節治療が対象の身体に対して及ぼす生理学的効果を対象に対して標示する出力が生成される。典型的には、生成される出力は、神経調節治療のステージと同期化され、こうして、所与の時間に生成される出力は、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体上の対応する生理学的効果に対応するようになっている。さらに典型的には、出力の生成は、例えば神経調節治療の効果に関して対象を教育すること及び/又は神経調節治療がもたらしている生理学的効果を対象が感じ取るのを補佐することによって、神経調節治療の有効性を強化する。
【0012】
典型的には、出力は、スマートホン、タブレットデバイス及び/又はパーソナルコンピュータを含み得るユーザインタフェースデバイス上でコンピュータプロセッサによって生成される。それぞれの応用に応じて、出力は、オーディオ出力、グラフィック出力及び/又はオーディオ及びグラフィックの組合せ出力(例えばムービーフォーマットの出力)を含み得る。いくつかの応用については、出力は、電気パルスが適用される対象の身体の部分から中枢神経系に向かって(例えば脳に向かって)伝搬する求心性信号の標示を含む。例えば出力は、電気パルスが適用される対象の身体の部分から中枢神経系に向かって移動する求心性神経伝達物質のグラフィック表現を含み得る。代替的に又は付加的に、出力は、中枢神経系から(例えば脳から)、対象が疼痛を感じている場所まで伝搬する遠心性信号の標示を含む。例えば出力は、中枢神経系から(例えば脳から)対象が疼痛を感じている場所まで移動する遠心性神経伝達物質のグラフィック表現を含み得る。いくつかの応用については、神経伝達物質のそれぞれのカテゴリが、例えば以下でさらに詳述される通りのそれぞれの異なるグラフィック表現によって表現される。
【0013】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサは当初、神経調節治療の開始に先立ち、対象が疼痛を感じる領域を標示する出力を生成する。例えば、対象が片頭痛に苦しんでいる場合、コンピュータプロセッサは、対象が片頭痛を感じている頭の内部の領域においてグローを伴って頭の画像を表示するようにユーザインタフェースを駆動することができる。いくつかの応用については、対象が疼痛に見舞われている領域の標示は、対象が見舞われている疼痛のタイプ及び/又は場所を標示する対象からの入力を受信することによって、対話式に生成される。典型的には、コンピュータプロセッサは、領域のサイズ及び/又は疼痛レベルが神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示する出力を生成する。
【0014】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサはさらに、誘導弛緩手順を通して及び/又は誘導呼吸手順を通して対象を誘導するように構成された出力(例えばオーディオ出力、グラフィック出力、及び/又はそれらの組合せ)を生成するように構成されている。
【0015】
いくつかの応用については、概して、共に参照により本明細書に組込まれているIroniに対する米国特許出願公開第2017/0368344号中及び/又は国際公開第18/660997号中に記載の技術に係るものである疼痛緩和神経調節治療が適用される。いくつかの応用については、第1の解剖学的領域内の疼痛に対象が見舞われているのに応えて、(第1の解剖学的領域とは異なる)対象の身体の第2の解剖学的領域上に電極が設置される。神経調節治療は、電極を介して第2の解剖学的領域内に電気パルスを導入することによって適用される。いくつかの応用については、電極は、対象が疼痛に見舞われている場所から25cm超の距離にある場所に設置され、電気パルスは、電極が設置されている場所で適用される。典型的には、第2の解剖学的領域で電気パルスを適用することにより、第1の解剖学的領域における疼痛は、被条件疼痛調節メカニズムを介して軽減される。
【0016】
以上で説明したように、いくつかの応用については、片頭痛及び/又は他の形態の疼痛(例えば上述のものなど)の発生に一般に寄与する不安の感情を抑制するために、弛緩技術が使用される。いくつかの応用について、対象は、筋肉弛緩誘導と組合せて筋肉弛緩神経調節治療を提供することによって、自らの筋肉を弛緩させるように誘導される。例えば、第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中筋肉内の緊張を解除するように対象を誘導する目的で出力が生成され、第1及び第2の周期は交番するサイクルで適用される。同時に、(第1のパラメータセットを用いて信号を適用することによって)第1の時間周期中対象の筋肉を収縮させ、(第1のパラメータセットを用いて信号を適用することによって)第2の時間周期中筋肉内の緊張を解除するように構成されている電気刺激信号が、対象の身体の一部分に適用され得る。このようにして、誘導及び電気刺激は典型的に相乗効果を有し、筋肉の弛緩を増強する。例えば電気刺激信号は、第1の周期中に第1のパルス幅で、そして第2の周期中は第2のパルス幅で、生成された出力と同期的に適用され得、こうして電気刺激に起因して、(a)第2の周期から第1の周期への移行中、対象は収縮の感覚を知覚し、(b)第1の周期から第2の周期への移行中、対象は緊張解除感覚を知覚することになる。
【0017】
したがって、本発明のいくつかの応用によると、対象の身体の一部分の上に設置するように構成された電極と、
ユーザインタフェースデバイスと、
電極を介して対象の身体の部分の内部に電気パルスを導入することによって、対象に対し神経調節治療を適用し、かつ、
神経調節治療が対象の身体に対し及ぼす生理学的効果を対象に対して標示する出力をユーザインタフェースデバイス上で生成する、
ように構成された少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を含む装置が提供されている。
【0018】
いくつかの応用において、コンピュータプロセッサは、対象の身体の部分の内部に電気パルスを導入することにより、内部に電気パルスが導入される対象の身体の部分から25cm超の距離にある対象の身体の場所における疼痛を軽減するように構成されている。
【0019】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、出力を生成することにより神経調節治療の有効性を強化するように構成されている。
【0020】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、オーディオ出力を生成することによって出力を生成するように構成されている。
【0021】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、オーディオ及びグラフィックの組合せ出力を生成することによって出力を生成するように構成されている。
【0022】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、対象の身体の部分から対象の中枢神経系に向かって伝搬する求心性信号を標示する出力を生成することによって出力を生成するように構成されている。
【0023】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、対象の中枢神経系から対象が疼痛を感じている場所まで伝搬する遠心性信号を標示する出力を生成することによって出力を生成するように構成されている。
【0024】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、神経調節治療の開始に先立ち対象が疼痛を感じる領域を標示する出力を生成し、領域のサイズが神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示することによって、出力を生成するように構成されている。
【0025】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、誘導緩和手順を通して対象を誘導するように構成された出力を生成するように構成されている。
【0026】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、誘導呼吸手順を通して対象を誘導するように構成された出力を生成するように構成されている。
【0027】
いくつかの応用において、少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、それぞれの神経伝達物質カテゴリがそれぞれの異なるグラフィック表現によって表現されているグラフィック出力を生成することによって出力を生成するように構成されている。
【0028】
さらに、本発明のいくつかの応用によると、
対象の身体の一部分の内部に電気パルスを導入することによって、対象に対して神経調節治療を適用するステップと、
神経調節治療が対象の身体に対し及ぼす生理学的効果を対象に対して標示する出力を生成するステップと、
を含む方法が提供されている。
【0029】
さらに、本発明のいくつかの応用によると、
対象の身体の一部分の上に設置するように構成された1つ以上の電極と、
ユーザインタフェースデバイスと、
第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中筋肉における緊張を解除するように対象を誘導する目的で出力を生成するようにユーザインタフェースデバイスを駆動し、ここで第1及び第2の周期が交番するサイクルで適用され、
電極を介して対象の身体の部分内へ電気刺激信号を導入し、ここで電気刺激信号は、第1の周期中第1のパラメータセットを用いて、第2の周期中第2のパラメータセットを用いて、生成された出力と同期的に適用され、こうして電気刺激に起因して、
第2の周期から第1の周期までの移行において対象が収縮の感覚を知覚し、
第1の周期から第2の周期までの移行において対象が緊張解除の感覚を知覚する、
ことになる、
ように構成されている少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を含む装置が提供されている。
【0030】
いくつかの応用において、コンピュータプロセッサは、第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中筋肉における緊張を解除するように対象を誘導する目的で出力を生成するようにユーザインタフェースデバイスを駆動することによって出力を生成するようにユーザインタフェースデバイスを駆動するように構成されており、第1の周期対第2の周期の比は2:3~1:3である。
【0031】
いくつかの応用において、コンピュータプロセッサは、電極を介して対象の身体の部分の内部に電気刺激信号を導入することにより、電気刺激が適用される対象の身体の部分から25cm超の距離にある対象の身体の場所における疼痛を軽減するように構成されている。
【0032】
いくつかの応用において、コンピュータプロセッサは、第1の周期中第1のパルス幅を用い第2の周期中第2のパルス幅を用いて電極を介して対象の身体の部分の内部に電気刺激信号を導入するように構成されており、第1及び第2のパルス幅が互いに異なるものである。
【0033】
いくつかの応用において、コンピュータプロセッサは、第1の周期中160マイクロ秒~240マイクロ秒のパルス幅を用い第2の周期中60マイクロ秒~140マイクロ秒のパルス幅を用いて電極を介して対象の身体の部分内に電気刺激信号を導入するように構成されている。
【0034】
いくつかの応用において、コンピュータプロセッサは、第1の周期中180マイクロ秒~220マイクロ秒のパルス幅を用い、第2の周期中80マイクロ秒~120マイクロ秒のパルス幅を用いて電極を介して対象の身体の部分内に電気刺激信号を導入するように構成されている。
【0035】
さらに、本発明のいくつかの応用によると、
片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、及び疼痛からなる群から選択された病状を患っているものとして対象を識別するステップと、
それに応答して、
第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中筋肉における緊張を解除するように対象を誘導する目的で出力を生成するステップであって、第1及び第2の周期が交番するサイクルで適用されるステップと、
対象の身体の部分に対して電気刺激信号を適用するステップであって、電気刺激信号が、第1の周期中第1のパラメータセットを用いて、第2の周期中第2のパラメータセットを用いて、生成された出力と同期的に適用され、こうして電気刺激に起因して、
第2の周期から第1の周期までの移行において対象が収縮の感覚を知覚し、
第1の周期から第2の周期までの移行において対象が緊張解除の感覚を知覚する、
ことになるステップと、を含む方法が提供されている。
【0036】
本発明は、図面と併せて本発明の実施形態についての以下の詳細な説明から、より完全に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明のいくつかの応用に係る、上に配置された電極を有するパッチ、コンピュータプロセッサ及びユーザインタフェースの概略的例示である。
図2A】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例の概略的例示である。
図2B】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例の概略的例示である。
図2C】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例の概略的例示である。
図3A】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例を提供するタイムラインを示す。
図3B】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例を提供するタイムラインを示す。
図3C】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例を提供するタイムラインを示す。
図3D】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例を提供するタイムラインを示す。
図3E】本発明のいくつかの応用の内の一つに係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例を提供するタイムラインを示す。
図4】本発明のいくつかの応用に係る、行なわれる筋肉弛緩方法のステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで、本発明のいくつかの応用に係る、対象の腕の上に配置された電極22を支持するパッチ20、コンピュータプロセッサ24及びユーザインタフェース26の概略的例示である図1を参照する。いくつかの応用については、本明細書中に記載の装置及び方法は、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛及び/又は別の形態の疼痛を治療するために使用される。
【0039】
いくつかの応用については、概して、共に参照により本明細書に組込まれているIroniに対する米国特許出願公開第2017/0368344号中及び/又は国際公開第18/660997号中に記載の技術に係るものである疼痛緩和神経調節治療が適用される。いくつかの応用については、第1の解剖学的領域内の疼痛に対象が見舞われているのに応えて、(第1の解剖学的領域とは異なる)対象の身体の第2の解剖学的領域上に電極が設置される。第2の解剖学的領域内に電気パルスを導入することによって、疼痛緩和神経調節治療が適用される。いくつかの応用については、電極は、対象が疼痛に見舞われている場所から25cm超の距離にある場所に設置され、電気パルスは、電極が設置されている場所で対象の身体内に導入される。典型的には、第2の解剖学的領域で電気パルスを適用することにより、第1の解剖学的領域における疼痛は、被条件疼痛調節メカニズムを介して軽減される。
【0040】
いくつかの応用については、パッチ20上に配置された電極22を用いて、経皮的電気エネルギが適用される。いくつかの応用については、片頭痛又は頭痛に見舞われた時点で、対象は、図1に示されているように、自らの上腕といった対象の身体の一部の上にパッチ20を設置する。いくつかの応用については、パッチを対象の上に設置するのではなくむしろ、対象は、複数の電極22が結合されたカフ、袖、又はラップを着用する。いくつかの応用については、電極は、対象の腕、対象の手、脚、足及び/又は下腹部(例えば月経困難症について対象を治療する目的で)の上の異なる場所などの、対象の身体の異なる部分上に設置される。典型的には、電極は対象の皮膚と電気的に接触した状態で設置される。さらに典型的には、パッチの内部に格納された電子モジュール28が、典型的にはコンピュータプロセッサから受信される制御信号に応答して、電極を制御する。
【0041】
いくつかの応用については、ユーザインタフェース26は、スマートホン30、タブレットデバイス32及び/又はパーソナルコンピュータ34などの1つ以上のデバイスのユーザインタフェース構成要素を含む。典型的には、このような応用については、コンピュータプロセッサ24はデバイスのコンピュータプロセッサである。図1は、ユーザがユーザインタフェース及びコンピュータプロセッサとしてスマートホンを用いているところが示されているが、本出願の範囲には、この目的で他のデバイス、例えばタブレットデバイス32又はパーソナルコンピュータ34を使用することも含まれる、ということが指摘される。いくつかの応用については、電子モジュール28は、本明細書中で説明されているコンピュータプロセッサの機能性のいくつかを行なう。代替的又は付加的には、電子モジュールは、典型的にはWifi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は任意の近距離無線通信(NFC)プロトコルなどの公知のプロトコルを使用して、外部デバイス(例えばスマートホン30、タブレットデバイス32及び/又はパーソナルコンピュータ34)のコンピュータプロセッサと電極の間の通信を容易にするために用いられる。
【0042】
電子モジュール28は典型的には、電源、電極を制御する典型的にはマイクロコードでプログラミングされた中央処理ユニット(CPU)、刺激中に刺激シーケンスを記憶するための1つ以上のメモリ、インパルス発生器、及び無線通信のための構成要素を含む。いくつかの応用については、電子モジュールは、集積システムオンチップ(SoC)である。
【0043】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサは、対象が頭痛、片頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛及び/又は別の形態の疼痛に見舞われていることを標示する入力を、コンピュータプロセッサ上で実行されるプログラム又はアプリケーション(例えばスマートホン30、タブレットデバイス32及び/又はパーソナルコンピュータ34上で実行されるプログラム又はアプリケーション)を介して対象から受信する。この入力に応答して、コンピュータプロセッサは、電子モジュールに制御信号を通信する。典型的には、制御信号の受信に応答して、電子モジュールは、対象の体内に(例えば図1に示されているように対象の上腕内に)電気パルスを導入することによって神経調節治療を開始するように電極を駆動する。いくつかの応用については、コンピュータプロセッサは、提供されるべき特定の治療プログラム及び/又は制御刺激パラメータ(例えば刺激の強度)を標示する入力を対象から受信する。
【0044】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサは、神経調節治療が対象の身体に対して及ぼす生理学的効果を対象に対して標示する出力を生成するように構成されている。典型的には、出力は、神経調節治療のステージと同期化され、こうして、所与の時間に生成される出力は、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体上の対応する生理学的効果に対応するようになっている。さらに典型的には、出力の生成は、例えば、神経調節治療の効果に関して対象を教育すること及び/又は神経調節治療がもたらしている生理学的効果を対象が感じるのを補佐することによって、神経調節治療の有効性を強化する。
【0045】
ここで、本発明のいくつかの応用に係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対する対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例の概略的例示である図2A、2B及び2Cを参照する。典型的には、出力は、上述のようにスマートホン30、タブレットデバイス32及び/又はパーソナルコンピュータ34を含み得るユーザインタフェース26上で生成される。それぞれの応用によると、出力は、オーディオ出力、グラフィック出力、及び/又はオーディオ及びグラフィックの組合せ出力(例えばムービーフォーマットの出力)を含むことができる。
【0046】
図2Aに示されているように、いくつかの応用について、出力は、電気パルスが適用される対象の身体の部分から中枢神経系に向かって(例えば脳に向かって)伝搬する求心性信号の標示を含む。例えば出力は、電気パルスが適用される対象の身体の部分(図示されている実施例においては上腕)から中枢神経系に向かって(例えば脳に向かって)移動する求心性神経伝達物質40のグラフィック表現を含み得る。代替的に又は付加的に、図2Bに示されているように、出力は、中枢神経系から(例えば脳から)、対象が疼痛を感じている場所まで伝搬する遠心性信号の標示を含む。例えば出力は、中枢神経系から(例えば脳幹から)対象が疼痛を感じている場所(対象が片頭痛に見舞われている事例については、脳の末梢)まで移動する遠心性神経伝達物質42、44のグラフィック表現を含み得る。いくつかの応用については、神経伝達物質のそれぞれのカテゴリが、例えば以下でさらに詳述される通りのそれぞれの異なるグラフィック表現によって表現される。例えば、図2Bはセロトニン/ノルアドレナリンのグラフィック表現42ならびにエンドルフィンのグラフィック表現44を示す。
【0047】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサは当初、神経調節治療の開始に先立ち、対象が疼痛を感じる領域を標示する出力を生成する。例えば、図2Cに示されているように、対象が片頭痛に苦しんでいる場合、コンピュータプロセッサは、対象が片頭痛を感じている頭の内部の領域においてグロー46を伴って頭の画像を表示するようにユーザインタフェースを駆動することができる。いくつかの応用については、対象が疼痛に見舞われている領域の標示は、対象が見舞われている疼痛のタイプ及び/又は場所を標示する対象からの入力を受信することによって、対話式に生成される。典型的には、神経調節治療の持続時間全体にわたり、コンピュータプロセッサは、領域のサイズ及び/又は疼痛レベルが減少していることを標示する出力を生成する。
【0048】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサはさらに、誘導弛緩手順を通して及び/又は誘導呼吸手順を通して対象を誘導するように構成された出力(例えばオーディオ出力、グラフィック出力、及び/又はそれらの組合せ)を生成するように構成されている。
【0049】
いくつかの応用については、上述の技術に係る疼痛の神経調節治療と併せて生成される出力の中に、以下の要素の1つ以上が包含される。
・ 疼痛グロー46(例えば図2Cに示されているもの)- いくつかの応用については、グローは、頭の画像内部に図形的に描かれ、脳内の頭痛の感覚を象徴している。例えば、グローは、脳幹を中心におき、頭の左右及び/又は中心に対し放射状に示すことができる。典型的には、グローのサイズ及び色は、治療の間に、例えば大きく赤い状態から中サイズでオレンジ色、小さくピンク色の状態を経て、消失するなるまで縮小していく。いくつかの応用については、頭の内部のグローの位置は、対象が自らの頭痛の場所に関する質問にどのように答えるか、例えば左、右又は両側などの答えによって左右される。いくつかの応用については、疼痛グローは、例えばその場所に疼痛を感じていることを標示する対象からの入力に基づいて、身体の内部の異なる場所に描かれる。
・ セロトニン/ノルアドレナリンのグラフィック表現42(例えば図2Bに示されているもの)- いくつかの応用については、丸又は点(又は異なる形状)が図形的に描かれ、鎮痛物質として作用する神経伝達物質セロトニン及びノルアドレナリンの放出を象徴している。丸又は点のサイズは、治療の間に、例えば小から中、そして大へと変わり得る。典型的には、これらの神経伝達物質は、脳幹から外向きに移動するものとして、かつ定常流として流れるものとして描かれる。
・ エンドルフィンのグラフィック表現44(例えば図2Bに示されているもの)- いくつかの応用については、丸又は点(又は異なる形状)が図形的に描かれ、幸福感全般に関係する神経伝達物質エンドルフィンの放出を象徴している。典型的には、これらの神経伝達物質は、脳幹から外向きに移動するものとして、かつ細流として流れるものとして描かれる。さらに典型的には、エンドルフィンのグラフィック表現のサイズは、治療の持続時間全体にわたり恒常にとどまるが、脳から流れるものとして描かれている神経伝達物質の細流の内部で、グラフィック表現の頻度及び/又は密度は、治療の持続時間全体にわたり増大する。
・ 電気刺激パルスのグラフィック表現40(例えば図2Aに示されているもの)- いくつかの応用については、丸又は点(又は異なる形状)が図形的に描かれ、神経調節場所に由来し神経(例えば、上腕神経)を通り、骨格を通って脳幹まで伝搬する電気刺激パルスを象徴している。いくつかの応用については、例えば以下のパラメータにしたがって、ユーザにより選択された治療の強度に応じて異なるサイズの刺激パルスのグラフィック表現が存在する。
極小サイズ:(最大強度の)20パーセント未満の強度
小サイズ:20~25パーセントの強度
中サイズ:26~35パーセントの強度
大サイズ:35パーセント超の強度
【0050】
ここで、本発明のいくつかの応用に係る、神経調節治療の現在のステージ及び対象の身体に対応する生理学的効果と対応するように生成される出力の実施例を標示するタイムラインを示す図3A、3B、3C、3D及び3Eを参照する。限定ではなく例示を目的として、タイムラインは、本発明のいくつかの応用に係る、片頭痛に苦しむ対象に対して適用される上述の技術の実装の実施例を標示している。いくつかの応用については、ビジュアル構成要素、オーディオ(例えば音声)構成要素及び/又は音楽的構成要素を含む出力が生成される。いくつかの応用については、オーディオ出力内で、NTMが(視覚化を目的として)所与の外観を有するものとして描写される。典型的には、このような応用について、ビジュアル出力内の神経伝達物質の対応するグラフィック表現は、描写された外観を有する。さらに、いくつかの応用については、出力は、治療前、治療中及び治療後に対象がどのように感じるかを表現するための比喩(例えば、以下で説明するような「嵐」の比喩)を含む。例えば、図3A-Eに描かれているタイムラインは、以下の表にしたがって進み得る。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0051】
ここで、本発明のいくつかの応用に係る、行なわれている筋肉弛緩方法のステップを示す流れ図である図4を参照する。図4中に示された流れ図の左右の部分は典型的に、互いに同時に行なわれ、左側部分内の囲みの各々は、流れ図の右側部分内のそれぞれの対応する囲みと同時に行なわれる。いくつかの応用については、弛緩技術は、一般に片頭痛及び/又は他の形態の疼痛(例えば以下に説明されている通り)の発生に寄与する不安感情を抑制するために使用される。いくつかの応用については、対象は、筋肉弛緩誘導と組合わせて、筋肉弛緩神経調節治療を提供することによって自らの筋肉を弛緩させるように誘導される。
【0052】
例えば、図4に示されているように、第1の時間周期中に筋肉を収縮させ、第2の時間周期中に緊張を解除する目的で、出力が生成され、ここで第1及び第2の時間周期は交番するサイクルで適用される。同時に、第1の時間周期中対象の筋肉を収縮させ第2の時間周期中筋肉内の緊張を解除するように構成されている電気刺激信号を、対象の身体の一部分に適用することができる。こうして、典型的には、電気刺激に起因して、第2の周期から第2の周期までの移行において、対象は収縮感覚を知覚し、(b)第1の周期から第2の周期までの移行において、対象は緊張解除感覚を知覚する。このようにして、誘導及び電気刺激は典型的に相乗効果を有し、筋肉弛緩を増強させる。例えば第1の周期中は第1のパルス幅(例えば160~240マイクロ秒(例えば180~220マイクロ秒、例えばおよそ200マイクロ秒)のパルス幅)で、そして第2の周期中は第2のパルス幅(例えば60~140マイクロ秒(例えば80~120マイクロ秒、例えばおよそ100マイクロ秒)のパルス幅)で、生成された出力と同期的に電気刺激信号を適用して、電気刺激に起因して、(a)第2の周期から第1の周期までの移行においては、対象が収縮感覚を知覚し、(b)第1の周期から第2の周期までは、対象が緊張解除感覚を知覚するようにすることができる。
【0053】
いくつかの応用については、第1の時間周期(この間、出力は、筋肉を収縮させるようにユーザを誘導する)は、第2の時間周期(この間、出力は、筋肉内の緊張を解除するようにユーザを誘導する)よりも短かい。例えば、第1の時間周期と第2の時間周期の比は、2:3~1:3、例えばおよそ1:2である。例えば、第1の時間周期は10秒であり得、第2の時間周期は20秒であり得る。
【0054】
いくつかの応用については、第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中筋肉内の緊張を解除するように構成された出力は、上述のようにスマートホン30、タブレットデバイス32及び/又はパーソナルコンピュータ34を含み得るユーザインタフェース26上で生成される。それぞれの応用にしたがって、出力は、オーディオ出力、グラフィック出力及び/又はオーディオ及びグラフィックの組合せ出力(例えばムービーフォーマットの出力)を含むことができる。
【0055】
いくつかの応用については、図4に関して説明した技術は、上述の疼痛緩和神経調節技術と組合される。いくつかの応用については、パッチ20の電極22を介して適用される(そして上述の疼痛緩和神経調節治療のために使用される)電気刺激パルスは、収縮解除サイクルの身体的感覚を創出することによって、随伴する弛緩セッションを増強させるように調節される。典型的には、これは、互いに交番する電気刺激の第1及び第2の周期の間、電気刺激がそれぞれのパルス幅を用いて適用されるように、電気刺激パルスのパルス幅を調節することによって行なわれる。例えば、第1の時間周期については、160~240マイクロ秒(例えば180~220マイクロ秒、例えばおよそ200マイクロ秒)の第1のパルス幅を使用することができる。その後、第2の時間周期については、60~140マイクロ秒(例えば80~120マイクロ秒、例えばおよそ100マイクロ秒)の第2のパルス幅を使用することができる。上述のように、第1及び第2の時間周期は典型的に、交番するサイクルで適用される。第1のパルス幅から第2のパルス幅までの移行は典型的に、対象の体内で緊張解除感覚を生成し、一方、第2のパルス幅から第1のパルス幅までの移行は典型的に、対象の体内で収縮感覚を生成する。典型的には、使用されるパルス幅は両方共、疼痛緩和療法を提供するために有効である。さらに典型的には、電気刺激周期のサイクルは、上述のように筋肉の収縮とそれに続く解除のサイクルを行なうよう対象を誘導するためにコンピュータプロセッサによって生成される出力と同期化されている。このようにして、典型的には、対象に対し適用される刺激のサイクルと誘導されたエクササイズの間には相乗効果が存在する。
【0056】
いくつかの応用については、図4に関して説明された電気刺激信号は、電極22から異なる電極セットを介して対象に適用される。例えば、対象の筋肉を弛緩させるように構成された電気刺激信号を、図1に示されたパッチ52上の電極50を介して対象の肩の筋肉に対し適用することができる。代替的に又は付加的には、対象の筋肉を弛緩させるように構成された電気刺激信号を、準用して、例えば顔、前腕、手、脚、足などの筋肉などの他の筋肉に適用することができる。いくつかの応用については、対象の筋肉を弛緩させるように構成された電気刺激信号及び自らの筋肉を弛緩させるように対象を誘導するように構成された対応する出力は、パッチ20の電極22を介して疼痛緩和神経調節治療(例えば上述のものなど)の適用と同時に適用される。いくつかの応用については、対象の筋肉を弛緩させるように構成された電気刺激信号及び自らの筋肉を弛緩させるように対象を誘導するように構成された対応する出力は、パッチ20の電極22を介して適用されている疼痛緩和神経調節治療(例えば上述のものなど)の不在下で適用される。
【0057】
いくつかの応用については、コンピュータプロセッサは、頭痛、片頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、及び/又は別の形態の疼痛の発症を、このような事象が対象によって知覚される前に防止するべく対象に対して刺激を提供するために電極を駆動するように構成されている。例えば、本明細書中に記載の疼痛緩和神経調節治療及び/又は筋肉弛緩治療を、規則的間隔で、例えば一日に一回送出することができる。それぞれの応用にしたがって、コンピュータプロセッサは(プロセッサ上で実行するプログラム又はアプリケーションを介して)このような治療のスケジューリングを容易にすることができ、かつ/又は、治療スケジュールとのコンプライアンスを促す目的で、対象に自動的にアラートすることができる。
【0058】
いくつかの応用については、上述の疼痛緩和神経調節治療及び/又は筋肉弛緩治療は、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症又は疼痛以外の身体条件を患う対象に対して電気刺激を提供するために使用される。さらに、本出願の範囲には、本明細書中に記載の信号特性を有する電気刺激信号を、上述のものとは異なるタイプの電極を介して対象に適用するステップが含まれる。例えば、刺激は、対象を電気的に刺激するように構成された移植電極、皮下電極及び/又は他の任意のタイプの電極を介して適用され得る。
【0059】
本明細書中に記載の本発明の応用は、コンピュータ又は任意の命令実行システム、例えばコンピュータプロセッサ24によってか又はそれらと関連して使用するためのプログラムコードを提供するコンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体(例えば非一時的コンピュータ可読媒体)からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態をとることができる。本明細書に関しては、コンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによる又はそれらに関連する使用のためのプログラムを含む、記憶する、通信する、伝搬する又は輸送することのできるあらゆる装置であり得る。媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線又は半導体システム(装置又はデバイス)又は伝搬媒体であり得る。典型的には、コンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可使又はコンピュータ可読媒体である。
【0060】
コンピュータ可読媒体の例としては、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、取外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び光ディスクが含まれる。光ディスクの現行例としては、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク読取り/書込み(CD-R/W)及びDVDが含まれる。いくつかの応用については、クラウド記憶装置、及び/又は遠隔サーバ内の記憶装置が使用される。
【0061】
プログラムコードを記憶しかつ/又は実行するのに好適なデータ処理システムは、システムバスを通してメモリ素子に間接的に又は直接的に結合された少なくとも1つのプロセッサ(例えばコンピュータプロセッサ24)を含むものである。メモリ素子は、プログラムコードの実際の実行中に利用されるローカルメモリ、大容量記憶装置、及び実行中に大容量記憶装置からコードを検索すべき回数を削減する目的で少なくともいくつかのプログラムコードの一時的記憶を提供するキャッシュメモリを含むことができる。システムは、プログラム記憶デバイス上の発明力ある命令を読み取り、これらの命令にしたがって本発明の実施形態の方法を実行することができる。
【0062】
介在するプライベート又はパブリックネットワークを通してプロセッサが他のプロセッサ又は遠隔プリンタ又は記憶デバイスに結合された状態になることを可能にするため、プロセッサにネットワークアダプタを結合することができる。モデム、ケーブルモデム及びイーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能なタイプのネットワークアダプタのうちのほんの数例にすぎない。
【0063】
本発明のオペレーションを実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語及びCプログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含めた1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書込まれ得る。
【0064】
本明細書中に記載の方法は、コンピュータプログラム命令により実装可能であるということが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータのプロセッサ(例えばコンピュータプロセッサ24)又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行する命令が本出願中に記載の方法内で規定された機能/行為を実装するための手段を創出するように機械を作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに対して提供され得る。これらのコンピュータプログラム命令は同様に、コンピュータ可読媒体内に記憶された命令が本出願中に記載の方法の中で規定されている機能/行為を実装する命令手段を含む製品を作り出すように、特別なやり方で機能するようコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に指図することのできるコンピュータ可読媒体(例えば非一時的コンピュータ可読媒体)中に記憶されてもよい。コンピュータプログラム命令は同様に、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行する命令が、本出願中に記載の方法の中で規定されている機能/行為を実装するためのプロセスを提供するようにコンピュータ実装されたプロセスを生成するべく一連の動作ステップをコンピュータ又は他のプログラマブル装置上で行なわせるために、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上にロードされてもよい。
【0065】
コンピュータプロセッサ24及び本明細書中に記載の他のコンピュータプロセッサは典型的には、専用コンピュータを作り出すためにコンピュータプログラム命令を用いてプログラミングされたハードウェアデバイスである。例えば、本明細書中に記載の方法を行なうようにプログラミングされた場合、コンピュータプロセッサは典型的に、専用電気刺激コンピュータプロセッサとして作用する。典型的には、コンピュータプロセッサにより行なわれる本明細書に記載のオペレーションは、実際の物理的物品であるメモリの物理的状態を、使用されるメモリの技術に応じて異なる磁気極性、電荷などを有するように変換する。
【0066】
当業者であれば、本発明が、以上で詳細に示され説明されてきたものに限定されないということを認識するものである。むしろ、本発明の範囲は、上述のさまざまな特徴の組合せ及び下位組合せの両方、ならびに先行技術中には存在せず以上の説明を読んだ時点で当業者が思いつくその変形形態及び修正を含むものである。
また、本発明は以下の発明も含む。
本発明の第1の態様は、
対象の身体の一部分の上に設置するように構成された電極と、
ユーザインタフェースデバイスと、
前記電極を介して前記対象の身体の前記部分の内部に電気パルスを導入することによって、前記対象に対し神経調節治療を適用し、かつ、
前記神経調節治療が前記対象の身体に対し及ぼす生理学的効果を前記対象に対して標示する出力を前記ユーザインタフェースデバイス上で生成する、
ように構成された少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を含む装置である。
本発明の第2の態様は、
前記コンピュータプロセッサが、前記対象の身体の前記部分の内部に電気パルスを導入することにより、内部に前記電気パルスが導入される前記対象の身体の前記部分から25cm超の距離にある前記対象の身体の場所における疼痛を軽減するように構成されている、第1の態様における装置である。
本発明の第3の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記出力を生成することにより、前記神経調節治療の有効性を強化するように構成されている、第1の態様又は第2の態様における装置である。
本発明の第4の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、オーディオ出力を生成することによって出力を生成するように構成されている、第1の態様~第3の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第5の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、オーディオ及びグラフィックの組合せ出力を生成することによって出力を生成するように構成されている、第1の態様~第4の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第6の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記対象の身体の前記部分から前記対象の中枢神経系に向かって伝搬する求心性信号を標示する出力を生成することによって前記出力を生成するように構成されている、第1の態様~第5の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第7の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記対象の中枢神経系から対象が疼痛を感じている場所まで伝搬する遠心性信号を標示する出力を生成することによって前記出力を生成するように構成されている、第1の態様~第6の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第8の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、神経調節治療の開始に先立ち前記対象が疼痛を感じる領域を標示する出力を生成し、前記領域のサイズが前記神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示することによって、前記出力を生成するように構成されている、第1の態様~第7の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第9の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサがさらに、誘導緩和手順を通して前記対象を誘導するように構成された出力を生成するように構成されている、第1の態様~第8の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第10の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサがさらに、誘導呼吸手順を通して前記対象を誘導するように構成された出力を生成するように構成されている、第1の態様~第9の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第11の態様は、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、それぞれの神経伝達物質カテゴリがそれぞれの異なるグラフィック表現によって表現されているグラフィック出力を生成することによって前記出力を生成するように構成されている、第1の態様~第10の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第12の態様は、
対象の身体の一部分の内部に電気パルスを導入することによって、前記対象に対して神経調節治療を適用するステップと、
前記神経調節治療が前記対象の身体に対し及ぼす生理学的効果を前記対象に対して標示する出力を生成するステップと、
を含む方法である。
本発明の第13の態様は、
前記対象の身体の前記部分の内部に電気パルスを導入するステップが、内部に前記電気パルスが導入される前記対象の身体の前記部分から25cm超の距離にある前記対象の身体の場所における疼痛を軽減するステップを含む、第12の態様における方法である。
本発明の第14の態様は、
前記出力を生成するステップが、前記出力を生成することによって、前記神経調節治療の有効性を強化するステップを含む、第12の態様又は第13の態様における方法である。
本発明の第15の態様は、
前記出力を生成するステップが、オーディオ出力を生成するステップを含む、第12の態様~第14の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第16の態様は、
前記出力を生成するステップが、オーディオ及びグラフィックの組合せ出力を生成するステップを含む、第12の態様~第15の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第17の態様は、
前記出力を生成するステップが、前記対象の身体の前記部分から前記対象の中枢神経系に向かって伝搬する求心性信号を標示する出力を生成するステップを含む、第12の態様~第16の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第18の態様は、
前記出力を生成するステップが、前記対象の中枢神経系から対象が疼痛を感じている場所まで伝搬する遠心性信号を標示する出力を生成するステップを含む、第12の態様~第17の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第19の態様は、
前記出力を生成するステップが、前記神経調節治療の開始に先立ち前記対象が疼痛を感じる領域を標示する出力を生成するステップと、前記領域のサイズが前記神経調節治療の持続時間全体にわたり減少していることを標示するステップとを含む、第12の態様~第18の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第20の態様は、
誘導弛緩手順を通して前記対象を誘導するように構成された出力を生成するステップをさらに含む、第12の態様~第19の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第21の態様は、
誘導呼吸手順を通して前記対象を誘導するように構成された出力を生成するステップをさらに含む、第12の態様~第20の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第22の態様は、
前記出力を生成するステップが、それぞれの神経伝達物質カテゴリがそれぞれの異なるグラフィック表現によって表現されているグラフィック出力を生成するステップを含む、第12の態様~第21の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第23の態様は、
対象の身体の一部分の上に設置するように構成された1つ以上の電極と、
ユーザインタフェースデバイスと、
第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中前記筋肉における緊張を解除するように前記対象を誘導する目的で出力を生成するように前記ユーザインタフェースデバイスを駆動し、ここで前記第1及び第2の周期が交番するサイクルで適用され、
前記電極を介して前記対象の身体の前記部分内へ電気刺激信号を導入し、ここで前記電気刺激信号は、第1の周期中第1のパラメータセットを用いて、第2の周期中第2のパラメータセットを用いて、前記生成された出力と同期的に適用され、こうして電気刺激に起因して、
前記第2の周期から前記第1の周期までの移行において前記対象が収縮の感覚を知覚し、
前記第1の周期から前記第2の周期までの移行において前記対象が緊張解除の感覚を知覚する、
ことになる、
ように構成されている少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を含む装置である。
本発明の第24の態様は、
前記コンピュータプロセッサが、前記第1の時間周期中前記筋肉を収縮させ前記第2の時間周期中前記筋肉における緊張を解除するように前記対象を誘導する目的で出力を生成するように前記ユーザインタフェースデバイスを駆動することによって前記出力を生成するようにユーザインタフェースデバイスを駆動するように構成されており、前記第1の周期対前記第2の周期の比が2:3~1:3である、第23の態様における装置である。
本発明の第25の態様は、
前記コンピュータプロセッサは、前記電極を介して前記対象の身体の前記部分の内部に電気刺激信号を導入することにより、前記電気刺激が適用される前記対象の身体の前記部分から25cm超の距離にある対象の身体の場所における疼痛を軽減するように構成されている、第23の態様又は第24の態様における装置である。
本発明の第26の態様は、
前記コンピュータプロセッサは、前記第1の周期中第1のパルス幅を用い前記第2の周期中第2のパルス幅を用いて前記電極を介して前記対象の身体の前記部分の内部に前記電気刺激信号を導入するように構成されており、前記第1及び第2のパルス幅が互いに異なるものである、第23の態様~第25の態様のいずれかにおける装置である。
本発明の第27の態様は、
前記コンピュータプロセッサが、前記第1の周期中160マイクロ秒~240マイクロ秒のパルス幅を用い前記第2の周期中60マイクロ秒~140マイクロ秒のパルス幅を用いて電極を介して前記対象の身体の前記部分内に前記電気刺激信号を導入するように構成されている、第26の態様における装置である。
本発明の第28の態様は、
前記コンピュータプロセッサが、前記第1の周期中180マイクロ秒~220マイクロ秒のパルス幅を用い前記第2の周期中80マイクロ秒~120マイクロ秒のパルス幅を用いて前記電極を介して前記対象の身体の前記部分内に前記電気刺激信号を導入するように構成されている、第27の態様における装置である。
本発明の第29の態様は、
片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、及び疼痛からなる群から選択された病状を患っているものとして対象を識別するステップと、
それに応答して、
第1の時間周期中筋肉を収縮させ第2の時間周期中前記筋肉における緊張を解除するように前記対象を誘導する目的で出力を生成するステップであって、前記第1及び第2の周期が交番するサイクルで適用されるステップと、
前記対象の身体の前記部分に対して電気刺激信号を適用するステップであって、前記電気刺激信号が、第1の周期中第1のパラメータセットを用いて、第2の周期中第2のパラメータセットを用いて、前記生成された出力と同期的に適用され、こうして電気刺激に起因して、
前記第2の周期から前記第1の周期までの移行において前記対象が収縮の感覚を知覚し、
前記第1の周期から前記第2の周期までの移行において前記対象が緊張解除の感覚を知覚する、
ことになるステップと、
を含む方法である。
本発明の第30の態様は、
前記第1の時間周期中前記筋肉を収縮させ前記第2の時間周期中前記筋肉における緊張を解除するように前記対象を誘導する目的で前記出力を生成するステップが、前記第1の時間周期中前記筋肉を収縮させ、前記第2の時間周期中筋肉における緊張を解除するように前記対象を誘導する目的で前記出力を生成するステップを含み、ここで前記第1の周期対前記第2の周期の比が2:3~1:3である、第29の態様における方法である。
本発明の第31の態様は、
前記対象の身体の前記部分に対して前記電気刺激信号を適用するステップが、前記電気刺激が適用される前記対象の身体の前記部分から25cm超の距離にある対象の身体の場所における疼痛を軽減するステップを含む、第29の態様又は第30の態様における方法である。
本発明の第32の態様は、
前記対象の身体の前記部分に対して電気刺激信号を適用するステップが、前記第1の周期中第1のパルス幅を用い、前記第2の周期中第2のパルス幅を用いて前記電気刺激信号を適用するステップを含み、前記第1及び第2のパルス幅が互いに異なるものである、第29の態様~第31の態様のいずれかにおける方法である。
本発明の第33の態様は、
前記対象の身体の前記部分に対して前記電気刺激信号を適用するステップが、前記第1の周期中160マイクロ秒~240マイクロ秒のパルス幅を用い、前記第2の周期中60マイクロ秒~140マイクロ秒のパルス幅を用いて前記電気刺激信号を適用するステップを含む、第32の態様における方法である。
本発明の第34の態様は、
前記対象の身体の前記部分に対して電気刺激信号を適用するステップが、前記第1の周期中180マイクロ秒~220マイクロ秒のパルス幅を用い、前記第2の周期中80マイクロ秒~120マイクロ秒のパルス幅を用いて前記電気刺激信号を適用するステップを含む、第27の態様における装置である。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4