(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】分光測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20230428BHJP
G01N 21/85 20060101ALI20230428BHJP
G01N 21/89 20060101ALI20230428BHJP
G01J 3/18 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
G01N21/27 Z
G01N21/85 A
G01N21/89 Z
G01J3/18
(21)【出願番号】P 2020123777
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】新井 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】谷口 英治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴志
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-180650(JP,A)
【文献】特開平06-058872(JP,A)
【文献】国際公開第2020/075440(WO,A1)
【文献】特公昭61-010773(JP,B2)
【文献】特開2020-085467(JP,A)
【文献】特表2016-521851(JP,A)
【文献】特開平11-037931(JP,A)
【文献】特開昭61-160048(JP,A)
【文献】米国特許第06104853(US,A)
【文献】特開2011-191129(JP,A)
【文献】特表2009-536317(JP,A)
【文献】特開2016-153774(JP,A)
【文献】特開2012-132861(JP,A)
【文献】特開2012-242245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
G01J 3/00 - G01J 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物(W)を載置する載置部(2)と、
前記被測定物が載置された載置面に対し広帯域の光を照射する光照射部(3)と、
前記被測定物を透過した光が光ファイバ(4a)を介して分光器(4b)に入射され、該分光器にて分光特性を測定する光検出部(4)と、
前記被測定物を透過した光を受ける受光部となる前記光ファイバの入射面から該入射面に対向する前記被測定物の表面に向かって広がる形状で、前記被測定物を透過した光を前記被測定物の表面へ反射させる反射面(5a)を有する反射カバー(5)と、を備えたことを特徴とする分光測定装置。
【請求項2】
前記被測定物(W)を搬送する搬送部(6)を備え、
前記光検出部(4)は、前記搬送部の所定の測定位置において、前記被測定物が前記載置面に載置された状態で分光特性を測定することを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項3】
前記光ファイバ(4a)は、入射面側の開口が出射面側の開口よりも大きいテーパ光ファイバであることを特徴とする請求項1または2に記載の分光測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物に広帯域の光を照射し、この光の照射に伴って被測定物を透過した光の分光特性を測定する分光測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の良否を検査する物品検査装置としては、例えば下記特許文献1に開示されるように、被測定物としての錠剤を透過した分光スペクトルの波長ごとの吸光度から異物を判定する検査装置を製造装置に組み込んだ構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の構成において、分散型分光計を検出器に用いた場合には、錠剤の透過光の大半が検出器に入力できないという問題がある。これは検出器の入力端が錠剤に比べて口径および開口数(NA)が極めて小さいためである。具体的な数値を示すと、錠剤の口径がφ7mm、NA≒1であるのに対し、検出器の入射端の口径がφ0.6mm、NA=0.22である。
【0005】
また、錠剤と検出器との間に集光レンズなどを入れたとしても、像の大きさ×光束の広がり角は不変(ヘルムホルツ-ラグランジェの法則)であるため、検出器の入射光量が増えることはない。
【0006】
さらに、干渉分光計を検出器に用いた場合には、分散型分光計を検出器に用いた場合よりも口径および開口数が大きいため、検出器への入射光量を増加させることはできるが、分散型分光計の検出器のように1測定当たり数ミリ秒というような高速測定を行うことができないという問題がある。
【0007】
また、分散型分光計や干渉分光計を検出器に用いた場合、錠剤に光を照射した際、錠剤を透過した光が検出器の受光部へ到達するまでの距離が長いと、光が分散されて受光部における受光量が落ちてしまう。その結果、分光特性の測定を精度良く行うためには、光源のパワーも必要となる。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、検出器における受光量の低減を抑制することができる分光測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された分光測定装置は、被測定物Wを載置する載置部2と、
前記被測定物が載置された載置面に対し広帯域の光を照射する光照射部3と、
前記被測定物を透過した光が光ファイバ4aを介して分光器4bに入射され、該分光器にて分光特性を測定する光検出部4と、
前記被測定物を透過した光を受ける受光部となる前記光ファイバの入射面から該入射面に対向する前記被測定物の表面に向かって広がる形状で、前記被測定物を透過した光を前記被測定物の表面へ反射させる反射面5aを有する反射カバー5と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載された分光測定装置は、請求項1の分光測定装置において、
前記被測定物Wを搬送する搬送部6を備え、
前記光検出部4は、前記搬送部の所定の測定位置において、前記被測定物が前記載置面に載置された状態で分光特性を測定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載された分光測定装置は、請求項1または2の分光測定装置において、
前記光ファイバ4aは、入射面側の開口が出射面側の開口よりも大きいテーパ光ファイバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検出器における受光量の低減を抑制し、透過光の分光特性を効率よく測定することができる。また、被測定物を搬送させながら測定する場合などのように、被測定物への光の照射時間(露光時間)が短くても、光源のパワーを抑えて分光特性を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明に係る分光測定装置に採用される反射カバーの一例を示す部分拡大図である。
【
図3】本発明に係る分光測定装置に採用される反射カバーの他の例を示す部分拡大図である。
【
図4】
図2や
図3の反射カバーが無い場合の部分拡大図である。
【
図5】本発明に係る分光測定装置に採用される反射カバーの有無に伴って分光器が測定した光強度の一例を示す図である。
【
図6】本発明に係る分光測定装置に採用される搬送部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る分光測定装置は、測定対象の被測定物に広帯域の光(可視光、近赤外~テラヘルツ光(テラヘルツ波))を照射し、この光の照射に伴って被測定物を透過した光の分光特性を測定するものである。
【0016】
なお、測定対象の物品は、光の照射領域が測定対象の物品に光を照射する照射口の径に比較的近い小径の物品であり、非包装で単品搬送が可能な外径φ:数十mmの物品、一口サイズの物品の他、既存の製造設備や検査機能を持たない製造設備で製造された所定形状の物品や成形品(搬送過程で形が変化しない物品)を含む。該当する物品としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、ドロップ剤などの製剤、飴、チョコレートなどがある。以下、測定対象の物品として円形の錠剤を例にとって説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態の分光測定装置1は、載置部2、光照射部3、光検出部4、反射カバー5を備えて構成される。
【0018】
載置部2は、測定対象の単品の錠剤Wを載置して保持するものである。
図1の載置部2は、段差2aを有する円筒状の孔2bが例えば矩形状の測定ブロック2cに形成され、測定対象の錠剤Wを段差2aに載置し、錠剤Wの略下半部が孔2bに収容保持されるようになっている。
【0019】
なお、載置部2は、錠剤Wの外形状に合わせて単品の錠剤Wを載置して保持し、透過光を測定するのに十分な光路が確保できる構成であれば、
図1の構成に限定されるものではない。
【0020】
光照射部3は、
図1に示すように、光源3a、ライトガイド3b、集光レンズ3cを備えて構成される。
【0021】
光源3aは、測定対象の錠剤Wに広帯域の光を照射するため、例えばハロゲンランプに代表される広帯域光源で構成される。広帯域の光とは、可視光、近赤外~テラヘルツ光(テラヘルツ波)を含む光である。なお、照射する光の波長はこのすべてをカバーする必要はなく、例えば400-2500nmの波長帯であれば錠剤などの被測定物を透過しやすく、かつ、紫外線によるダメージを与えにくいため、この波長帯に限定してもよい。また、測定したい成分の吸収スペクトルが既知であれば、吸収スペクトルに対応した波長帯のみでもよい。
【0022】
ライトガイド3bは、ガラス光ファイバを多数束ねて構成され、光源3aからの光を集光レンズ3cに導く。本実施の形態で用いられるライトガイド3bの具体的な仕様例を示すと、ファイバの一本当たりのコア径:0.05mm、ライトガイド全体のハンドル径:12mm、コア占有率:80%、本数:約46000本である。
【0023】
集光レンズ3cは、ライトガイド3bからの光を測定対象の錠剤Wの集光レンズ3cと対向する面(
図1の例では錠剤Wの下面)に集光する。
【0024】
光照射部3は、光源3aからの広帯域の光を、ライトガイド3bを介して集光レンズ3cに出射し、集光レンズ3cにより測定対象の錠剤Wの下面に集光し、光源3aからの光を効率よく測定対象の錠剤Wに照射する。その際、光源3aからの広帯域の光をライトガイド3bを介して照射するため、光源3aを載置部2から離れた位置に配置でき、載置部2の下方の空間を効率よく利用することができる。
【0025】
光検出部4は、光ファイバ4aと分光器4bを備えて構成され、測定対象の錠剤Wを透過した光が光ファイバ4aの受光部としての入射面のスリット(入射開口部)から入光し、光ファイバ4a内を通過して分光器4bに到達する。
【0026】
分光器4bは、例えば、光の波長による回折角度の差を利用したグレーティングによる分光を行うようになっている。具体的に、分光器4bに入った光は、グレーティング(回折格子)に照射され、各波長成分に分光される。そして、各波長成分に分光された光は、1列に並んだ光検出素子により波長成分ごとに検出される。その後、波長成分ごとの光強度を測定する。
【0027】
グレーティングは、表面に複数の溝が刻まれた光学素子であり、波長λの光がグレーティングに角度iで入射した時、角度θの方向に回折されるとすると、mλ=d(sini±sinθ)(m:次数、d:溝の間隔)が成り立ち、入射光と回折光が回折格子の面の法線に対し、同じ側なら正の符号、異なる側なら負の符号となる。
【0028】
なお、光ファイバ4aとしては、入力(入射面側)が大きい口径で出力(出射面側)が小さい口径とした形状のテーパ光ファイバを用いることができる。具体的な数値例を示すと、例えば測定対象の錠剤W:φ7mmに対し、入力端のコア径:φ1.5mm(出力端のコア径:φ0.6mm…分光器4bの開口部の大きさや分解能に依存する)のテーパ光ファイバが用いられる。これにより、分光器4bに対し、より効率的に透過光を入射することができる。
【0029】
反射カバー5は、錠剤Wを透過した光を受ける受光部となる光ファイバ4aの入射面から入射面に対向する錠剤Wの表面に向かって広がる形状であり、錠剤Wを透過した光を錠剤Wの表面へ反射させる反射面を有するもので、例えば
図2や
図3の構成を採用することができる。なお、
図2および
図3において、同等の機能を有する部分には同一番号を付している。
【0030】
図2の反射カバー5Aは、錠剤Wと略同一の曲率半径からなる半球形状をなし、半球の頂点が光ファイバ4aの入射面(受光部)に近接配置され、半球の内面が光を反射する鏡面(反射面)5aとなっている。また、反射カバー5Aの下端(半球の底面)は、載置部2の載置面に平行に延びて、庇(鍔)5bを形成している。
【0031】
図3の反射カバー5Bは、上面から下方に広がった円錐台形状をなし、底面が錠剤Wと略同一の長さであり、上面が光ファイバ4aの入射面(受光部)に近接配置され、円錐台の内面が光を反射する鏡面(反射面)5aとなっている。また、反射カバー5Bの下端(円錐台の底面)は、反射カバー5Aと同様に、載置部2の載置面に平行に延びて、庇(鍔)5bを形成している。
【0032】
図2の反射カバー5Aの鏡面5aの曲率半径や
図3の反射カバー5Bの鏡面5aの傾斜角度は、鏡面5aの形状を含めて、測定対象の錠剤Wを透過した光が光ファイバ4aの入射開口部により多く到達するように、光ファイバ4aの入射開口部との間の距離、光ファイバ4aの入射開口部の口径や開口数、分光器4bの分解能に応じて最適な値に決定するのが好ましい。
【0033】
なお、
図2の反射カバー5Aや
図3の反射カバー5Bにおける庇5bは、必要不可欠な構成ではなく、省略することもできる。
【0034】
そして、上述した構成からなる分光測定装置1では、載置部2に測定対象の錠剤Wを載置した状態で光照射部3から錠剤Wに広帯域の光を照射すると、この広帯域の光の照射に伴って錠剤Wを透過した光が光検出部4の光ファイバ4aの入射開口部に向かう。このとき、
図2や
図3に示すように、反射カバー5(5A,5B)の内側の鏡面5aと錠剤Wの表面との間で反射を繰り返し、反射カバー5が無い場合に光ファイバ4aの入射開口部に到達されなかった光の一部が入射開口部に到達するようになる。
【0035】
このように反射カバー5によって新たな光路を作りだすことで入射開口部への入射量を増加させることが可能となる。
【0036】
これに対し、
図2や
図3の反射カバー5(5A,5B)が無い場合には、
図4に示すように、測定対象の錠剤Wを透過した光は散乱し、光ファイバ4aの入射開口部に到達する光が入射開口部の大きさに制限される。
【0037】
ここで、
図5は本実施の形態の反射カバー5(
図2の反射カバー5Aまたは
図3の反射カバー5B)の有無に伴って分光器4bが測定した光強度の一例を示す。
【0038】
図5のグラフは横軸が波長、縦軸が光強度であり、実線が反射カバーが有る場合の光強度、点線が反射カバーが無い場合の光強度を示している。
図5からも明らかなように、本実施の形態の反射カバー5が有る場合には、反射カバー5が無い場合と比較して、分光器4bの受光量が2.5倍以上増加し、受光量が改善されていることが判る。このように、本実施の形態の反射カバー5(5A,5B)を設けることにより、分光器4bの受光量が改善され、測定対象の錠剤Wを透過する透過光の分光特性を効率よく測定することができる。
【0039】
ところで、上述した実施の形態では、測定対象の錠剤Wを載置部2に載置して錠剤Wに広帯域の光を照射したときの透過光の分光特性を測定する構成について説明したが、載置部2を備えた
図6の搬送部6を採用することもできる。
【0040】
搬送部6は、
図6に示すように、上流から搬入された単品の錠剤Wを載置部2に載置した状態で所定間隔で搬送し、所定の測定位置で測定が行われ、錠剤Wを下流へと搬送するものである。具体的に、搬送部6は、
図6に示すように、搬送ベルト6aを有するベルトコンベアにより構成され、搬送ベルト6aのベルト表面に錠剤Wを載置する載置部2が所定間隔で設けられる。
【0041】
載置部2は、前述したように、段差2aを有する円筒状の孔2bが例えば矩形状の測定ブロック2cに形成されたものであり、測定対象の錠剤Wを段差2aに載置し、錠剤Wの略下半部が孔2bに収容保持されるようになっている。また、測定ブロック2cが設けられた搬送ベルト6aは、孔2bに対応した部分が開放されており、測定位置において、錠剤Wを透過した光が直接受光部(光ファイバ4aの入射開口部)に届くように、集光レンズ3cから受光部までが貫通した構造となっている。
【0042】
測定ブロック2cは、搬送ベルト6aの移動に伴って所定の速度で移動し、所定の測定位置に到達する度に測定が行われる。
【0043】
また、測定ブロック2cは、特に図示はしないが、幅方向の延びた桟等の突起物で錠剤Wを格納、または支持するようにし、さらに、幅方向の位置ずれを防止するガイドを設けた構成とし、所定の測定位置に搬送するようにしてもよい。
【0044】
なお、光の透過性が高い光透過性ベルトに測定ブロック2cを設ける場合には、光を通過する搬送ベルト6aの開放部分(孔)は特に必要条件ではなくなる。
【0045】
ところで、
図1では、光照射部3にて測定対象の錠剤Wの下方から光を照射し、この光の照射に伴う錠剤Wの表面からの透過光を反射カバー5を介して光検出部4で検出する構成としているが、測定対象の錠剤Wを中心として、錠剤Wの上方に光照射部3を配置し、錠剤Wの下方に反射カバー5と光検出部4を順に配置する構成としてもよい。この配置構成では、光照射部3にて測定対象の錠剤Wの上方から光を照射し、この光の照射に伴う錠剤Wの裏面からの透過光を反射カバー5を介して光検出部4で検出する。
【0046】
また、上述した実施の形態では、反射カバー5の鏡面5aが半球形状と円錐台形状の場合について説明したが、これに限定されるものではない。分光器の受光量は、反射カバー5の形状や測定対象の錠剤Wの成分や表面状態によって変化するので、所望とする分光器の受光量に応じて反射カバー5の鏡面5aの形状を変えることもできる。
【0047】
さらに、上述した実施の形態では、ベルトコンベアで構成される搬送部6を図示して説明したが、これに限定されるものではなく、被測定物Wを載置した状態で測定位置まで単品搬送して搬出できる構成の搬送部6であればよい。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、被測定物Wを透過した光の一部を反射カバー5の鏡面(反射面)5aで被測定物Wの表面に戻し、被測定物Wの表面上の反射光によって受光部(光ファイバ4a)への入射光量を増加させている。これにより、被測定物Wを透過した光が受光部へ到達するまでの距離が長くなっても、反射カバー5による反射光によって受光部における受光量の低減を抑制し、被測定物Wの透過光の分光特性を効率よく測定することができる。
【0049】
しかも、被測定物Wの透過光のような口径および開口数の大きな発光体から口径および開口数の小さい検出器への入射光量を、反射カバー5を設けた簡易な構成で増加させることができる。
【0050】
また、例えば
図6に示すベルトコンベアなどの搬送部6を採用すれば、被測定物Wを搬送させながら測定する場合などのように、被測定物Wへの光の照射時間(露光時間)が短くても、光照射部3の光源3aのパワーを抑えて分光特性を測定することができる。
【0051】
さらに、光検出部4の光ファイバ4aとして、入射面側の開口が出射面側の開口よりも大きいテーパ光ファイバを用いれば、被測定物Wからの透過光を分光器4bに効率よく入射することができる。
【0052】
以上、本発明に係る分光測定装置の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1 分光測定装置
2 載置部
2a 段差
2b 孔
2c 測定ブロック
3 光照射部
3a 光源
3b ライトガイド
3c 集光レンズ
4 光検出部
4a 光ファイバ
4b 分光器
5(5A,5B) 反射カバー
5a 鏡面
5b 庇
6 搬送部
6a 搬送ベルト
W 被測定物(錠剤)