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特許7270599粘弾性プラスチックスペーサのためのハイブリッドポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】粘弾性プラスチックスペーサのためのハイブリッドポリマー
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20230428BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20230428BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
C03C27/12 Z
C03C27/12 D
C03C27/12 F
B60J1/00 H
B32B17/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020503309
(86)(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 FR2018051887
(87)【国際公開番号】W WO2019020923
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】1757020
(32)【優先日】2017-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ブイエ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シャックルフォード
(72)【発明者】
【氏名】ジョスラン ルビュア
【審査官】須藤 英輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-177390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0028687(US,A1)
【文献】特開2008-201667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/00-29/00
B32B 1/00-43/00
B60J 1/00-1/20
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動音響減衰特性を付与するためにグレージングの2枚のガラス板(1,2)の間に配置することを意図した粘弾性プラスチック中間層であって、以下のものを含む粘弾性プラスチック中間層:
熱可塑性接着剤の2つの外側層(4,5)、
・2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、1.6以上の損失係数tanδを有する、前記2つの外側層(4,5)の間に配置され、かつ相互侵入網目構造を有する少なくとも2種のポリマーの水性エマルジョンから得られる、内側層(3)、
・粘弾性プラスチック材料で構成され、前記外側層(4,5)と前記内側層(3)の間にそれぞれ配置された、第1及び第2のバリア層(6,7)。
【請求項2】
前記内側層(3)の損失係数tanδが、2以上であることを特徴とする、請求項1に記載の粘弾性プラスチック中間層。
【請求項3】
前記内側層(3)が、2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4.3×10Pa/mと4.5×1010Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有し、G’は前記内側層の剪断弾性率、eは前記内側層の厚さである、請求項1又は2に記載の中間層。
【請求項4】
2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4.8×10Pa/mと5.1×1010Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有し、G’は前記中間層の剪断弾性率、eは前記中間層の厚さであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項5】
前記内側層(3)が、0.5μmと50μmの間の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項6】
前記内側層(3)の前記中間層に対する体積分率が、0.2%と8%の間である、請求項1~5のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項7】
前記第1及び第2のバリア層(6,7)のおのおのが、1μmと50μmの間の厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項8】
表面の一部において全体として着色されており、かつ/又は前記中間層を配置することを意図した積層グレージングの上端から下端に向けてくさび状にしだいに薄くなる断面を有しており、かつ/又は赤外線をフィルタリングする機能を有する粒子を含んでいる、請求項1~7のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項9】
以下のものを含む、積層グレージング:
・第1のガラス板(1)、
・第2のガラス板(2)、及び
・前記第1及び第2のガラス板(1,2)の間に配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項10】
・前記第1のガラス板(1)が、0.5mmと2.1mmの間の厚さを有し、
・前記第2のガラス板(2)が、0.5mmと2.1mmの間の厚さを有する、
請求項9に記載の積層グレージング。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のグレージングの、乗り物の風防としての使用。
【請求項12】
単一グレージングとしてか又は複層グレージングに取り入れられたグレージングとしての、請求項9又は10に記載のグレージングの建設用グレージングとしての使用。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか一項に記載の中間層を製造するための方法であって、液体コーティング法により、相互侵入網目構造を有する少なくとも2種のポリマーの水性エマルジョンから、前記第1又は第2の不浸透性層(6,7)上に、中間層(3)を堆積させる、少なくとも1つの工程(S2)を含む、中間層製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動手段、特に自動車を対象とした振動音響減衰特性を有する積層グレージングを形成するために2枚のガラス板の間に組み入れることを意図する粘弾性プラスチック中間層に関する。本発明はまた、そのような中間層を、特に液体コーティング法によって製造するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
輸送分野でも建設分野でも、音響防御グレージングが利用されている。音響的な心地よさを向上させるために、エンジン、ベアリング又はサスペンションにより発せられるものなどのノイズは、それらの発生源において少なくされ、且つそれらが空気を介し又は構造物を介して伝播する間に少なくされている。
【0003】
特に輸送分野では、グレージングの厚さ、ひいてはその総重量を制限することが、この上なく重要な問題である。
【0004】
このような状況において、厚さが6mm未満の積層タイプのグレージングを使用することが知られている。これらの積層グレージングは、一般に、積層グレージングを製造するための周知の方法により、例えば熱と圧力の作用下で集成することによって、2枚の外側ガラス板の間に中間層を配置した形をとっている。
【0005】
振動音響減衰特性を有する積層グレージングの場合、この中間層自体は、熱可塑性接着剤の2つの外側層の間に配置された内側層から構成される。周知の方法では、中間層は、比較的薄い層でもノイズを減らす効果を発揮する粘弾性ポリマーで構成される。このポリマーは、目標とする輸送分野における固有の条件の全てを、長期的に、すなわち輸送手段の全有効寿命の間、満足しなければならない。これらの条件には、低い濁り度、高い透明性、及び酸化と腐食に対する好適な耐性が含まれる。更に、このポリマーは、高い品質と、隣接層との耐久性の接合を保証しなければならず、且つその有利なノイズ減衰特性を極端な温度でも保持しなければならない。
【0006】
輸送分野に固有の技術的要件に関し、中間層は、グレージングの安全性に関する特性を損なってはならない、ということも留意すべきである。したがって、風防用途の場合、グレージングは特に、国連規則第43号(規則R43と称する)の強い衝撃に対する機械的耐性の条件の全てを満足させるのに十分な剛性を提供しなくてはならない。
【0007】
これらの種々の技術的要件を満足させるために、標準的なPVBの2つの層の間に配置された軟質PVBの内側層から構成されたPVBの三層式音響用中間層を使用する方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それにもかかわらず、自動車市場における音響的な心地よさを向上させるための絶え間のない要望の点から見て、特にコインシデンス周波数において、空気を介したもの及び構造物を介したものの両方の防音を向上させる一方で、剛性、優美さ及び軽さの点で満足な特性を保持する、積層グレージングのための中間層を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、この必要性を満たすものである。より詳しく言えば、提案する技術は、少なくとも1つの実施形態において、振動音響減衰特性を付与するためにグレージングの2枚のガラス板の間に配置することを意図した粘弾性プラスチック中間層であって、以下のものを含む粘弾性プラスチック中間層に関する:
・厚さが好ましくは0.2mmと0.8mmの間であり、好ましくは標準的ポリビニルブチラール(PVB)の、熱可塑性接着剤の2つの外側層、
・2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、1.6以上の損失係数tanδを有する、上記2つの外側層の間に配置された内側層、
・粘弾性プラスチック材料、好ましくはポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)で構成され、上記外側層と内側層の間にそれぞれ配置された第1及び第2のバリア層。
【0010】
以下の説明において、「粘弾性接着剤」という用語は、使用する中間層のタイプを特徴付けることを可能にする種々の樹脂及び/又はフィルムを指称する。したがって、多層中間層との関連で「スキン」とも称される熱可塑性接着剤は、少なくともポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、イオノプラストポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、及び注型用樹脂を含む群を形成する。
【0011】
酢酸ビニルのラジカル重合、ポリ(ビニルアルコール)(PVOH)を得るためのポリ(酢酸ビニル)の加水分解、及びその後のブチルアルデヒドによるアセタール化により合成されるので、PVBは常に、ビニルアルコール、酢酸ビニル及びビニルブチラール単位から構成されるターポリマーである。
【0012】
本出願では、「標準的PVB」という用語は、ビニルブチラール(VB)単位のモル比が以下の範囲内にあるPVBを指称するものと理解される:
・VBのモル比が、PVBのモノマー単位の総数を基準として、42%より大きく、好ましくは44%より大きく、好ましくは46%より大きく、好ましくは48%より大きく、好ましくは50%より大きく、好ましくは52%より大きく、好ましくは53%より大きく、好ましくは53.5%より大きく、好ましくは54%より大きく、好ましくは54.5%より大きく、好ましくは55%より大きく、好ましくは55.5%より大きく、且つ60%未満、好ましくは59.5%未満、好ましくは59%未満、好ましくは58.5%未満、好ましくは58%未満、好ましくは57.5%未満、好ましくは57%未満、好ましくは56.5%未満であり、
・PVB樹脂100部当たりの部数で表した可塑剤の重量比(phr)が、5phrより大きく、好ましくは10phrより大きく、好ましくは20phrより大きく、好ましくは22.5phrより大きく、好ましくは25phrより大きく、且つ120phr未満、好ましくは110phr未満、好ましくは90phr未満、好ましくは75phr未満、好ましくは60phr未満、好ましくは50phr未満、好ましくは40phr未満、好ましくは35phr未満、好ましくは30phr未満であり、
・100Hzの周波数についてのガラス転移温度が、30℃より高く、好ましくは40℃より高く、且つ60℃未満、好ましくは56℃未満である。
【0013】
本発明の特定の実施形態によれば、熱可塑性接着剤の外側層の厚さは、不十分な剛性が安全性の観点からグレージングの特性を損なうのを防ぐために、0.2mmより大きい。
【0014】
「バリア層」という用語は、その機能が「コア」とも呼ばれる内側層と「スキン」とも呼ばれる外側層の間の化学的拡散を防ぐことである2つの層を指称する。特定の実施形態によれば、これらのバリア層の少なくとも一方は、PETで構成される。上述の有利な特性に加えて、PETの表面特性が、コアを構成している材料と熱可塑性接着剤の層の両方に同等に都合よく結合することを可能にし、それにより本発明による積層グレージングは、必要な技術的要件の全てを、且つ長期の耐性及び安全性に関してさえも、満足する。
【0015】
損失係数tanδは、熱の形態で消散されたエネルギーの、弾性変形のエネルギーに対する比に相当する。したがって、それは、材料の種類に固有の技術的特性に相当し、そして消散エネルギーの量、特に音波のそれを反映する。この損失係数tanδは、温度と入射波の周波数とに応じて変動する。所定の周波数について、損失係数は、ガラス転移温度と呼ばれる温度で最大値に達する。この損失係数tanδは、ビスコアナライザー又はその他の任意の好適な周知の装置を使用して推定することができる。内側層の損失係数tanδが中間層の損失係数tanδを決定し、そしてそれは、内側層の体積分率があまり小さくないことを条件に、実質的に同じ値であるということに留意すべきである。
【0016】
本発明は、空気を介したもの及び構造物を介したものの両方の防音が向上する一方で、剛性、優美さ及び軽さの点で満足な特性を保持する積層グレージングを得ることを可能にする特性のコアを中間層に提供するという、新しく且つ創意に富んだ概念に基礎を置いている。この防音の向上は、人間の耳が最も敏感な2000Hzと8000Hzの間の周波数範囲で、そして特にグレージングが通常それらの防音性能の低下を示すコインシデンス周波数のレベルで、著しいということが見いだされている。
【0017】
本発明の特定の実施形態によれば、内側層の上述の損失係数tanδは、2以上、好ましくは2.5以上、好ましくは3以上、好ましくは3.5以上、好ましくは4以上、好ましくは4.5以上である。損失係数tanδは、一般には5未満である。
【0018】
コアが比較的大きい損失係数tanδを有する中間層の実施は、中間層及びそれを備えたグレージングの防音性能を更に向上させることを可能にする。
【0019】
一実施形態によれば、内側層は、2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4.3×10Pa/mと4.50×1010Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有し、G’は内側層の剪断弾性率、eは内側層の厚さである。
【0020】
このような機械的剪断特性を有する内側層は、それを含んでいる中間層に満足な剛性と防音性能を付与する。
【0021】
本発明の特定の実施形態によれば、中間層は、2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4.8×10Pa/mと5.1×1010Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有し、G’は中間層の剪断弾性率、eは中間層の厚さである。
【0022】
このような機械的剪断特性を備えた中間層は、満足な剛性と防音性能を示す。
【0023】
本発明の特定の実施形態によれば、内側層は、少なくとも1種のポリマーのコロイドから、好ましくはエマルジョンから、好ましくは水性エマルジョンから得られる。
【0024】
以下の説明において、「コロイド」という用語は、1種又は複数種の物質が2つの別個の相を有する系を形成する別の物質に通常の方法で分散された懸濁液を指称する。流体中で、このコロイドは、nmサイズからμmサイズまでの粒子の均一分散系を形成する。エマルジョンは、これらの物質が液体状態にあるコロイドである。科学文献では、水性ポリマーエマルジョンが「ポリマーラテックス」とも称され、これらの2つの表現は同意義である。
【0025】
市場で入手可能なコロイド、特にポリマーエマルジョンは、乳状の外観を有することが特徴である。この少なくとも部分的な不透明性は、2枚の透明ガラス板の間での実施を妨げる致命的欠陥となるように見えよう。更に、コロイドは、減少した厚さの層の形での適用に常に適しているとは限らない。したがって、コロイドをコア材料として含む中間層の製造は不可能なように、且つ工業的規模ではなおさら不可能なように見えよう。コロイドが積層ガラスの分野で通常使用されていないのは、何よりもこのためである。
【0026】
しかしながら、意外なことに、発明者らは、特定のタイプのコロイドが、本発明に従って中間層に組み込まれると、顕著な音響減衰特性を示す一方で、同時にコア材料の期待される他の技術的要件を満足するということを見いだした。この結果を得るために、発明者らは、いろいろな技術的先入観を克服した。例えば、最初に、コロイドは、厚さを減少させたμmオーダーの厚さの層の形で適用されると、乾燥する間にその乳状の外観を失い、光学装置にそれを組み入れるのを可能にするのに十分な程度まで透明性を獲得するということを見いだした。更に、発明者らは、そのようなコロイドから得られるコアを中間層へ堆積させそれに組み込むのを可能にするために、下記で説明する液体コーティング法を開発した。
【0027】
本発明の特定の実施形態によれば、内側層は、相互侵入網目構造を有する少なくとも2種のポリマーの水性エマルジョンから得られ、前記2種のポリマーは、好ましくはアクリレートとアクリルである。
【0028】
この実施形態によると、相互侵入網目構造を有する2種のポリマーが、水中に懸濁した単一粒子を形成する。
【0029】
本発明の特定の実施形態によれば、内側層は、33重量%と65重量%の間のアクリレートポリマーと25重量%と40重量%の間の水を含む。
【0030】
このような内側層は、3以上の損失係数tanδを特徴とし、したがって優れた防音性能を示す。
【0031】
本発明の特定の実施形態によれば、上述の内側層は、0.5μmと50μmの間、好ましくは10μmと40μmの間、好ましくは20μmと30μmの間の厚さを有する。
【0032】
μmオーダーの厚さのコアを使用することは、この厚さでの剪断力が伝統的な音響用PVBのための中間層のものと同じであるので、それを堆積させる際にコアを構成する材料が流出するリスクを低減することを可能にする。したがって、このような厚さを使用することが、コア材料を形成するためにそのようなエマルジョンを使用することを先験的に妨げるように見える技術的難点を克服することを可能にする。
【0033】
本発明の特定の実施形態によれば、内側層は、0.2%と8%の間、好ましくは0.5%と6%の間、好ましくは2.5%と4%の間の中間層の体積分率を占める。
【0034】
中間層に対する内側層のこのような体積分率の選択は、一方では剛性の要件と、他方では防音性能の要件の間の満足な歩み寄りをもたらす。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、上述の第1及び第2のバリア層のおのおのは、1μmと50μmの間、好ましくは1μmと30μmの間、好ましくは5μmと15μmの間の厚さを有する。
【0036】
この厚さは、内側層3と外側層(4,5)の間での化学種のマイグレーションを防止するのに十分大きくなければならない。他方において、外側層(4,5)の特定の厚さの値からは、中間層の剛性の増加が大きくなりすぎ、中間層の付形の際に問題を引き起こす。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、中間層は、その表面の一部が全体として着色され、及び/又はそれを配置することを意図した積層グレージングの上端から下端に向けてくさび状にしだいに薄くなる減少断面を有し、及び/又は赤外線をフィルタリングする機能を有する粒子を含む。
【0038】
本発明は、以下のものを含む積層グレージングにも関する。
・第1のガラス板、
・第2のガラス板、及び
・第1のガラス板と第2のガラス板の間に配置された、上述のとおりの中間層。
【0039】
本書で説明している、本発明による中間層により提供される技術的利点は、そのような中間層を含む積層グレージングにも関係する。
【0040】
本発明の特定の実施形態によれば、上述の第1のガラス板は、0.5mmと2.1mmの間、好ましくは1.4mmと2.1mmの間の厚さを有し、上述の第2のガラス板は、0.5mmと2.1mmの間、好ましくは1.1mmと1.6mmの間の厚さを有する。
【0041】
本発明は、上述のグレージングを乗り物の風防として使用することにも関する。
【0042】
本発明は、上述のグレージングを、単一のグレージングとしてか又は複層グレージングに取り込んだものとして、建設用グレージングとして使用することにも関する。
【0043】
本発明は、第1又は第2のバリア層上に、液体コーティング法を用いて、少なくとも1種のポリマーの水性エマルジョンから内側層を堆積させる少なくとも1つの工程を含む、上述の中間層を製造するための方法にも関する。
【0044】
最初にそれ自体の体積の1.5倍以上の体積の水で希釈された水性エマルジョンを液体コーティング法により堆積させることが、混合物の粘度を低下させることを可能にし、ひいてはその後それを減少した厚さの層の形でもって堆積させるのを可能にする。
【0045】
本発明のこのほかの特徴と利点を、以下において図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の特定の実施形態によるグレージングの模式断面図である。
図2】本発明による積層グレージング及び周知の積層グレージングについて空気を介した音の防音特性(STL、音響透過損失(sound transmission loss))の評価を周波数の関数として示すグラフである。
図3】本発明の実施形態による中間層を製造するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
各種の図面において同一である参照符号は、同様の又は同一の構成要素を表している。
【0048】
「……と……の間の」という表現は、その範囲の境界値を含むことに留意されたい。
【0049】
本発明は、グレージングに振動音響減衰特性を付与するためにグレージングの2枚のガラス板(1,2)の間に配置することを意図した粘弾性プラスチック中間層であって、以下のものを含む中間層に関する:
・熱可塑性接着剤の2つの外側層(4,5)、
・2つの外側層(4,5)の間に配置された、2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、1.6以上の損失係数tanδを有する内側層3、及び
・外側層(4,5)と内側層3との間にそれぞれ配置され、粘弾性プラスチック材料で構成された、第1及び第2のバリア層(6,7)。
【0050】
したがって、中間層は、内側層3と外側層(4,5)の間での化学的拡散を防ぐ機能のバリア層により互いに分離された防音のための全部で3つの能動的な層を含むと見なすことができる。この中間層の構造、特により剛質で減衰性の少ない層と剛性がより小さくてより減衰性の層とが交互になったこの構造は、特に2000Hzと8000Hzの間の周波数範囲内での、向上した防音性能をグレージングに与える。
【0051】
本発明による中間層は、2枚のガラス板(1,2)の間に取り込んで積層グレージングを形成することを意図している。
【0052】
図1は、本発明の第1の実施形態によるグレージングの断面図を示している。
【0053】
このグレージングは、2枚のガラス板(1,2)を含み、それらの間に本発明による中間層が挿入されている。こうして、外側層(4,5)が、それぞれガラス板(1,2)と接触している。コア3がこれらの外側層(4,5)の間に挿入されており、中間層のガラス板との接合が、例えば周知の手段によって、例えばガラス板と中間層を重ねそしてこの集成体にオートクレーブを通過させることによってなされる。
【0054】
各ガラス板(1,2)の厚さは、例えば、自動車グレージング用については、例えば風防用には、0.5mmと2.1mmの間であり、建設グレージング用については0.5mmと15.0mmの間である。
【0055】
風防用途の場合には、グレージングは、機械的な耐性を確保するために、国連規則第43号(規則R43と称する)の強い衝撃に対する耐性の条件の全てを満足する。
【0056】
自動車グレージングの用途については、グレージングのガラス板1は、車両の外側に向けようとするものであり、その一方でガラス板2は、車両の内側に向けようとするものである。例えば、ガラス板1はガラス板2よりも厚く、そのためグレージングは、有害な外部からの影響(悪天候、跳ね返った砂利など)からの向上した保護を可能にする。既存の自動車グレージングでは、ガラス板2の厚さは一般に2.1mm、ガラス板2の厚さは一般に1.6mmである。
【0057】
図1の例では、外側層(4,5)は標準的なPVBから構成される。これらの外側層(4,5)は、1×10Pa以上の剪断弾性率G’と、1kHzと10kHzの間の周波数範囲について20℃で、0.4未満の損失係数tanδを有する。
【0058】
中間層のコア3は、厚さが25μmであり、その体積は、中間層の全体積の約3%を占める。中間層に対する内側層3の体積分率についてのこの値の選択が、一方で剛性の要件と、他方で防音性能との、満足な歩み寄りをもたらす。
【0059】
例えば、コア3は、米国特許出願公開第2005/0050846号明細書に記載されている、QuietGlue(商標)と称されるアクリレートとアクリルの水性エマルジョンから構成される。別の実施形態によれば、コア3は、GreenGlue(商標)から構成することもできる。
【0060】
公知の用途では、外観が乳状で黄色である、工業用接着剤のQuietGlue(商標)は、大容量のチューブ又は容器に詰められて上市されている。このような接着剤は、建設作業員が木材、金属、プラスチック及び/又はしっくいから構成された建設材料のシートの間に適用することを意図している。これらの材料の共通の特徴は、それらが完全に不透明であることである。適用後に、QuietGlue(商標)の層は一般に約1.6mmの厚さを有する。
【0061】
QuietGlue(商標)の黄色と不透明性は、透明であることを求められる2枚の透明ガラス板の間での実施を妨げる致命的欠点となると思われよう。更に、その名称が示すように、QuietGlue(商標)は、厚さの減少した層の形での適用を不可能にするように思われる強い接着強度を示す。最後に、この接着剤の適用については、24時間と48時間の間というかなりの乾燥時間が、製造メーカーにより推奨されている。したがって、QuietGlue(商標)をコア材料として含む中間層の製造は、不可能であるように思われよう。
【0062】
しかしながら、意外にも、発明者らは、新たな堆積方法によって中間層に厚さの減少した層の形でもって取り込むと、QuietGlue(商標)は、顕著な音響減衰特性を示す一方で、同時にコア材料の期待されるその他の技術的要件を満足するということを見いだした。
【0063】
この結果を得るために、発明者らは、いろいろな技術的先入観を克服した。例えば、最初に、QuietGlue(商標)は、厚さを減少させたμmオーダーの厚さの層の形で適用されると、乾燥する間にその乳状の外観を失い、中間層にそれを組み入れるのを可能にするのに十分な程度まで透明性を獲得するということを見いだした。更に、発明者らは、QuietGlue(商標)から構成された得られたコアを中間層へ堆積させそれに組み込むのを可能にするために、下記で説明する液体コーティング法を開発した。
【0064】
フィルム中間層の動的解析を、Metravibタイプのビスコアナライザーにより、下記に示す指定の測定条件下で行う:
・正弦波応力、
・次の寸法を有する2つの直方体で構成されたいわゆる二重剪断試験片:
・厚さ=3.31mm
・幅 =10.38mm
・高さ=6.44mm
・動的振幅:静止位置の周囲±5mm、
・周波数範囲:2000~8000Hz、
・温度:20℃。
【0065】
ビスコアナライザーは、材料のサンプルを温度及び周波数の厳密な条件下で応力変形にさらし、こうして材料全体の特性を示すレオロジーパラメーターを得るとともに処理することを可能にする。各温度での周波数の関数としての力、変位及び位相シフトの測定についての生データを使用することが、特に弾性成分(又は剪断弾性率)G’及び損失係数tanδを計算することを可能にする。
【0066】
この実験用の手順によって、測定から、QuietGlue(商標)の厚さ25μmの減少させた厚さの層が、2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4という値の損失係数tanδとともに、4.3×10Pa/mと4.5×1010Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有することが示された。
【0067】
図2は、標準規格NF EN ISO 10140に従い、0.8×0.5mのサンプル寸法の2つの積層グレージング、すなわち本発明による積層グレージングと周知の積層グレージングについて評価した、周波数の関数としての空気中を伝わる音の防音(STL)性能の推定曲線を示している。
【0068】
第1の積層グレージング(「周知」と称する)は、次のものを含んでいる:
・厚さがそれぞれ2.1mmと1.6mmの2枚のガラス板、及び
・標準的PVBの2つの外側層と向上した振動音響減衰特性を有する粘弾性プラスチックの内側層とを含む音響用PVBの中間層。
【0069】
この第1の積層グレージングは、周知の音響減衰特性を有する中間層を備えた伝統的なガラスの風防の構成に相当している。中間層は、例えば、クラレ社により上市されている中間層Trosifol VG+SC、Solutia社により上市されている中間層Saflex(商標) Vanceva Quiet QC41、又は積水社により上市されている中間層S-Lec Acoustic Film HI-RZN12と取り替えることもできる。これは、「周知」と称される積層グレージングである。この音響用PVBの音響減衰特性は、一般に2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、1.2未満の損失係数tanδを有するポリマーの性質そのものによって制限されたままになっている。
【0070】
この第1の積層グレージングの空気中を伝わるノイズの防音曲線は、菱形で示されている。
【0071】
第2の積層グレージング(「本発明による」と称する)は、次のものを含んでいる:
・厚さがそれぞれ2.1mmと1.6mmの2枚のガラス板、及び
・標準的PVBの2つの外側層とQuietGlue(商標)の厚さ25μmの内側層とを含む、本発明による中間層。
【0072】
この第2の積層グレージングは、本発明による積層グレージングに相当している。
【0073】
この第2の積層グレージングの空気中を伝わるノイズの防音曲線は、正方形で示されている。
【0074】
第2の積層グレージングの空気中を伝わるノイズの防音曲線(正方形で示されている)は、対照として採用された第1の積層グレージングと比較して、周波数の全範囲にわたり、すなわち2000Hzと8000Hzの間で、空気中を伝わるノイズの防音が向上していることを示している。音響減衰度がはっきりと一層上昇しているのは、境界値を含めた約2000Hzと8000Hzの間の範囲においてであり、特に、約6300Hzのコインシデンス周波数の範囲においてであって、そこでは、従来の積層グレージングの事例においてグレージングの減衰曲線は最大の落ち込みを示している。このように、このコインシデンス周波数で、音響用PVBについては37.7dB及び本発明による中間層については41.2dBというそれぞれの値の間で3.4dBの防音の増加が認められる。したがって、全体的に見て防音のかなりの向上が達成される。
【0075】
したがって、増大した減衰を示す一方で、同時に伝統的な音響用PVBの剛性に等しいか又は更にそれを上回る剛性を示す新型の防音中間層を一緒になって形成する、異なる属性と性質(減衰及び機械的剛性の点から見て)の粘弾性材料の複数層の集成体から得られる顕著な効果を観測することができる。
【0076】
本発明は、次のものを含む積層グレージングにも関する:
・厚さがそれぞれ2.1mmと1.6mmの2枚のガラス板、及び
・本発明による、例えばQuietGlue(商標)の厚さ25μmのコアを含む、中間層。
【0077】
本発明による技術は、構造物を伝わるノイズの有利な減衰を示す中間層フィルムを含む乗り物のための積層グレージングを提案する。この減衰も、空気力学的及び外部からのノイズに対する防音の要件を満たすことができる。このように、本発明によるグレージングは、全体的に有利な音響上の防御を達成することを可能にする。
【0078】
更に、本発明による中間層は:
・乗り物の内部の人のプライバシーを守るのを可能にし、乗り物の運転者を日光のまぶしさから保護するために、あるいは単純に美的効果のために、その表面の一部を全体として着色してもよく、及び/又は、
・グレージングをヘッドアップディスプレイ(HUD)システムのためのスクリーンとして使用することを可能にするために、積層グレージングの上端から下端に向けてくさび状に次第に薄くなる減少断面を有してもよく、及び/又は、
・太陽赤外線のために乗り物の内部温度が上昇するのを制限し、それにより搭乗者の心地よさを向上させるために、赤外光をフィルタリングする機能を有する粒子を含んでもよい。
【0079】
本発明は、上述の中間層を製造するための方法にも関する。
【0080】
最初に、少なくとも1種のポリマーの所定量の水性エマルジョン、例えばQuietGlue(商標)を、それ自体の体積の少なくとも1.5倍、又は更には3倍の体積の水で希釈(工程S1)して、それにより特に混合物の粘度を低下させ、ひいてはそれを減少させた厚さの層の形でもってその後堆積するのを可能にする。
【0081】
次いで、PETのバリア層6で覆われた伝統的なPVBの第1の外側層4の上に液体コーティング法により集成体を堆積させる(工程S2)。
【0082】
その後、全体を80℃の温度で1時間乾燥させる(工程S3)。コア3の極端に小さい厚さの点から見て、QuietGlue(商標)のために普通に推奨される乾燥時間は、有意に短縮され、それをコア材料として使用することを工業的に実現可能にする。QuietGlue(商標)の透明性も、光学デバイスでの使用を可能にするところまで大幅に増加する。代替実施形態により、本発明の範囲から逸脱することなしに、QuietGlue(商標)の乾燥時間及び/又は温度を変えることが可能である、ということに注目すべきである。
【0083】
乾燥工程S3後に、QuietGlue(商標)はその最初の組成を以前と同じように有している。その後、それをPETの第2のバリア層7、次いで標準的PVBの第2の外側層5で被覆する(工程S4)ことができる。このようにして、本発明による中間層が得られる。
本開示は更に以下の態様を含んでいる:
《態様1》
振動音響減衰特性を付与するためにグレージングの2枚のガラス板(1,2)の間に配置することを意図した粘弾性プラスチック中間層であって、以下のものを含む粘弾性プラスチック中間層:
・厚さが好ましくは0.2mmと0.8mmの間であり、好ましくは標準的ポリビニルブチラール(PVB)の、熱可塑性接着剤の2つの外側層(4,5)、
・2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、1.6以上の損失係数tanδを有する、前記2つの外側層(4,5)の間に配置された、内側層(3)、
・粘弾性プラスチック材料、好ましくはポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)で構成され、前記外側層(4,5)と前記内側層(3)の間にそれぞれ配置された、第1及び第2のバリア層(6,7)。
《態様2》
前記内側層(3)の損失係数tanδが、2以上、好ましくは2.5以上、好ましくは3以上、好ましくは3.5以上、好ましくは4以上、好ましくは4.5以上であることを特徴とする、態様1に記載の粘弾性プラスチック中間層。
《態様3》
前記内側層(3)が、2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4.3×10 Pa/mと4.5×10 10 Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有し、G’は前記内側層の剪断弾性率、eは前記内側層の厚さである、態様1又は2に記載の中間層。
《態様4》
2kHzと8kHzの間の周波数範囲について20℃で、4.8×10 Pa/mと5.1×10 10 Pa/mの間の剪断パラメーターg=G’/eを有し、G’は前記中間層の剪断弾性率、eは前記中間層の厚さであることを特徴とする、態様1~3のいずれか一つに記載の中間層。
《態様5》
前記内側層(3)が、少なくとも1種のポリマーのコロイド、好ましくはエマルジョン、好ましくは水性エマルジョンから得られている、態様1~4のいずれか一つに記載の中間層。
《態様6》
前記内側層(3)が、相互侵入網目構造を有する少なくとも2種のポリマーの水性エマルジョンから得られており、前記2種のポリマーは好ましくはアクリレートとアクリルである、態様5に記載の中間層。
《態様7》
前記内側層(3)が、0.5μmと50μmの間、好ましくは10μmと40μmの間、好ましくは20μmと30μmの間の厚さを有する、態様1~6のいずれか一つに記載の中間層。
《態様8》
前記内側層(3)の前記中間層に対する体積分率が、0.2%と8%の間、好ましくは0.5%と6%の間、好ましくは2.5%と4%の間である、態様1~7のいずれか一つに記載の中間層。
《態様9》
前記第1及び第2のバリア層(6,7)のおのおのが、1μmと50μmの間、好ましくは1μmと30μmの間、好ましくは5μmと15μmの間の厚さを有する、態様1~8のいずれか一つに記載の中間層。
《態様10》
表面の一部において全体として着色されており、かつ/又は前記中間層を配置することを意図した積層グレージングの上端から下端に向けてくさび状にしだいに薄くなる断面を有しており、かつ/又は赤外線をフィルタリングする機能を有する粒子を含んでいる、態様1~9のいずれか一つに記載の中間層。
《態様11》
以下のものを含む、積層グレージング:
・第1のガラス板(1)、
・第2のガラス板(2)、及び
・前記第1及び第2のガラス板(1,2)の間に配置されている、態様1~10のいずれか一つに記載の中間層。
《態様12》
・前記第1のガラス板(1)が、0.5mmと2.1mmの間、好ましくは1.4mmと2,1mmの間の厚さを有し、
・前記第2のガラス板(2)が、0.5mmと2.1mmの間、好ましくは1.1mmと1.6mmの間の厚さを有する、
態様11に記載の積層グレージング。
《態様13》
態様11又は12に記載のグレージングの、乗り物の風防としての使用。
《態様14》
単一グレージングとしてか又は複層グレージングに取り入れられたグレージングとしての、態様11又は12に記載のグレージングの建設用グレージングとしての使用。
《態様15》
態様1~10のいずれか一つに記載の中間層を製造するための方法であって、液体コーティング法により、少なくとも1種のポリマーの水性エマルジョンから、前記第1又は第2の不浸透性層(6,7)上に、中間層(3)を堆積させる、少なくとも1つの工程(S2)を含む、中間層製造方法。
図1
図2
図3