(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】モータビークルの回転ハンドルを検出するためのモジュール
(51)【国際特許分類】
G01B 7/30 20060101AFI20230428BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20230428BHJP
B62J 45/413 20200101ALI20230428BHJP
B62J 45/422 20200101ALI20230428BHJP
B62K 23/04 20060101ALI20230428BHJP
B60L 15/00 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
G01B7/30 H
G01D5/245 110L
B62J45/413
B62J45/422
B62K23/04
B60L15/00 K
(21)【出願番号】P 2020517101
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 FR2018052179
(87)【国際公開番号】W WO2019058044
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-10
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501377391
【氏名又は名称】ムービング マグネット テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デルバエル,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ロナ,ヤニック
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-047624(JP,A)
【文献】特表2013-513092(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001640(WO,A1)
【文献】特表2015-537207(JP,A)
【文献】特開2002-303535(JP,A)
【文献】特開2001-201365(JP,A)
【文献】特開平08-201008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/30
G01D 5/245
B62J 45/413
B62J 45/422
B62K 23/04
B60L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル(2)に隣接する、車両のハンドルバー(1)の管(3)に取り付けられるように意図され、
円筒形の磁石(8)、前記磁石(8)によって生成される磁場を検出するためのプローブ(9)、前記プローブのための支持体(7)、前記プローブ(9)が固定されるプリント回路基板(14)、前記磁石のための支持体(11)、および、モジュールのためのハウジングとして使用されるフランジ(4)、を備え、
前記感磁プローブ(9)は、前記磁石(8)によって放出される磁場の回転を検出し、かつ前記ハンドルバー(1)に固定され、前記磁石ホルダ(11)および磁石(8)は、前記ハンドル(2)に固定され、前記磁石ホルダ(11)および磁石(8)は、磁石(8)の内周面が前記感磁プローブ(9)の外側かつ反対側に位置するように空洞を形成しており、
前記磁石(8)は、前記ハンドル(2)の120°未満の機械的回転が、測定点において前記磁石(8)によって生成される磁場の角度の180°を超える全回転をもたらすように、連続的に
変化する磁化方向を有することを特徴とする、
回転ハンドル(2)の角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項2】
前記磁石(8)は、ハンドルバー(1)の中心から見て、前記ハンドル(2)の角度移動に実質的に等しい角度幅を有することを特徴とする請求項1に記載の、回転ハンドル(2)の角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項3】
前記磁石(8)は、ハンドルバー(1)の中心から見て実質的に360°に等しい角度幅を有することを特徴とする請求項1に記載の、回転ハンドル(2)の角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項4】
前記磁場の角度の前記回転は、前記ハンドル(2)の前記完全な機械的回転の3倍に実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の、回転ハンドル(2)の角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項5】
前記ハンドル(2)の90°未満の機械的回転は、測定点において、前記磁石(8)によって生成される磁場の角度の、180°を超える全回転をもたらすことを特徴とする請求項1に記載の、回転ハンドル(2)の角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項6】
ハンドル(2)に隣接する、モータビークルのハンドルバー(1)の管(3)に取り付けられるように意図され、
円筒形の磁石(8)、前記磁石(8)によって生成される磁場を検出するためのプローブ(9)、前記プローブのための支持体(7)、前記プローブ(9)が固定されるプリント回路基板(14)、前記磁石のための支持体(11)、および、モジュールのためのハウジングとして使用されるフランジ(4)、を備え、
前記感磁プローブ(9)は、前記磁石(8)によって放出される磁場の回転を検出し、かつ前記ハンドルバー(1)に固定されたプリント回路(14)によって担持され、前記磁石ホルダ(11)および磁石(8)は、磁石(8)の内周面が前記感磁プローブ(9)の外側かつ反対側に位置するように空洞を形成し、前記磁石(8)は、ハンドルバー(1)の中心から見て、前記ハンドル(2)の角度移動に実質的に等しい角度幅を有しており、
前記磁石支持体の半径方向外側に配置された弾性の戻しばね(6、16)を有し、
前記磁石(8)は、前記ハンドル(2)の120°未満の機械的回転が、測定点において前記磁石(8)によって生成される磁場の角度の180°を超える全回転をもたらすように、連続的に
変化する磁化方向を有することを特徴とする、
回転ハンドル(2)の角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項7】
前記ばね(6)が磁性材料で作られていることを特徴とする請求項6に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項8】
前記ばね(6)は、戻し磁石(16)と前記磁石(8)との磁気的な協働によって生み出されることを特徴とする請求項6に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項9】
前記磁石ホルダは、その周囲に磁気シールド(13a)を支持することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項10】
磁気遮蔽(13b)が前記ハウジングの内部に位置し、かつ、前記ハウジングに固定されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項11】
前記の遮蔽は、前記磁石のそれと実質的に等しい角度幅を有することを特徴とする請求項9または10に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項12】
前記遮蔽は、360°に実質的に等しい角度幅を有することを特徴とする請求項9または10に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項13】
前記フランジ(4)が磁性材料で作られていることを特徴とする請求項1~12のいずれかに1項に記載の、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュール。
【請求項14】
ハンドルの第1の部分に固定された永久磁石(8)と、前記ハンドルの第2の部分に固定された感磁センサ(9)とを備える車両のハンドルバー(1)の管(3)上における直立状態のためのハンドルであって、
前記各部分は、互いに回転移動可能であり、前記磁石(8)は半円筒形状を有し、検出モジュールは、前記プローブ(9)が固定されたプリント回路基板(14)を有し、前記磁石の支持体(11)およびフランジ(4)は、前記モジュールのためのハウジングとして使用され、前記感磁プローブ(9)は、前記磁石(8)によって放出された磁場の回転を検出し、前記ハンドルバー(1)に固定され、前記磁石ホルダ(11)および磁石(8)は、前記ハンドル(2)に固定され、前記磁石ホルダ(11)および磁石(8)は、前記磁石(8)の内周面が前記感磁プローブ(9)の外側かつ反対側に位置するように空洞を形成し、前記磁石(8)は、前記ハンドル(2)の機械的回転中に測定点で前記磁石(8)によって生成される磁場の角度の全回転が180°よりも大きくなるように、連続的に
変化する磁化方向を有する、ハンドル。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、例えば、加速度(加速度/減速)及び車両速度を管理するために、角度的に回転させることができるハンドルを有するモータビークルに関する。内燃機関自動二輪車の場合、これらのハンドルは、しばしば「ガスハンドル」と呼ばれ、ハンドルを吸気ガス流管理装置に機械的に接続するケーブル(ライド・バイ・ワイヤ)を含まない場合に、角度位置センサを有することがある。
【0002】
より詳細には、本発明は、内燃機関または電気モータによって動力が供給される任意の車両において上述の分野で使用することができる、ハンドルの角度位置を検出するためのモジュールに関する。
【0003】
[背景技術]
ハンドルの内部に一体化され、ハンドルの端部に配置されたこのような位置センサを有する文書実開平03-50905号公報は、従来技術から既に知られている。感知素子は、ポテンショメータである。
【0004】
この実施形態は、いくつかの欠点を有する:ポテンショメータが摩擦要素を使用し、ハンドルバーの端部における位置決めは、電力および信号フィードバック有線を延ばす必要があるため、センサの設置には実用的ではない。
【0005】
文書欧州特許出願公開第2610585号明細書は、ハンドルバーの上流側におけるより小型の統合による原理の大幅な改良、および、放射状に磁化された環状体によって放出される磁場を検出するホール効果プローブを使用することを提示している。この文書は、回転磁石によって画定される容積内における位置戻しばねの統合も提案している。
【0006】
それにもかかわらず、この実施形態は欠陥を有する:使用される磁石の体積が大きい、ホール効果プローブは磁石の内部に配置されるが、一体化された遮蔽構造の欠如のために外部の妨害磁場に敏感である。
【0007】
文書欧州特許出願公開第2716891号明細書も知られており、これは先の文書と同様の構成を有するが、別の位置における戻しばねの一体化を有し、磁化の向きが特定されていない磁石を担持する強磁性シリンダヘッドを有し、これにより、部分的な磁気遮蔽がホール効果プローブに対する起こり得る外部磁場の影響を低減することを可能にする。
【0008】
この実施形態は、軸方向のコンパクトさが悪く、シリンダヘッドにもかかわらず外部磁場にある程度敏感である。
【0009】
最後に、文書米国特許第6879150号明細書は、加速器ハンドルに一体化することができ、双極分極磁石からの場強度検出を使用することができる幾つかの構成の磁気位置センサを提示していることが知られている。場の振幅のみが測定され、それが外部の磁気外乱に直接感応するという事実に加えて、測定点における磁場の回転は鉄の存在により、いかなる場合にも常に180°未満であり、この値を決して超えることができないため、2つの離散値、90°および-90°しかとらない。
【0010】
[発明の概要]
本発明は、回転磁石に関連し、軸方向にコンパクトであり、外部磁場に対するより良い不感受性を提供する、内部磁場検出プローブを使用する位置検出モジュールを提案することによって、従来技術の解決策の欠点を克服することを目的とする。
【0011】
この目的のために、本発明は、特に、場の振幅ではなく、径方向に磁化された磁石を使用して許容される角度振幅よりも大きい角度振幅にわたって、場の方向を測定する感磁プローブのレベルで、機械的移動に沿った磁場の角度の大きな回転を達成するように、検出の円周方向に従って変化する磁化方向を有する磁石を使用する加速器ハンドル用に意図された角度位置検出モジュールを提案する。感磁性プローブは、磁場の角度を計算するので、角度偏位に対するこの磁場の角度の全回転の増加は、外部磁場の影響を低減する。
【0012】
本発明はまた、磁気遮蔽の異なる層の統合を可能にし、外部磁場に対するこの不感性をさらに強化することを目的とする。
【0013】
より具体的には、本発明は、ハンドルバーに隣接して車両のハンドルバーの管に取り付けられるように意図され、円筒形磁石と、前記磁石によって生成される磁場を検出するためのプローブを検出するためのプローブと、前記プローブのための支持体と、前記プローブが取り付けられるプリント回路基板と、前記磁石のための支持体と、前記モジュールのためのハウジングとして使用されるフランジとを備え、前記感磁プローブが前記ハンドルバーに固定され、かつ前記磁石によって放出される磁場の回転を検出し、前記磁石および磁石ホルダが前記ハンドルに固定され、前記磁石および磁石ホルダが磁石の内側半径方向表面が前記感磁プローブの外側かつ反対側に位置するようにキャビティを形成し、前記磁石がハンドルの機械的回転中に測定点において前記磁石によって生成される磁場角度の全回転が180°よりも大きいように、連続的に可変の磁化方向を有することを特徴とする、回転ハンドルバーのための検出モジュールを提案する。
【0014】
好ましくは、前記磁石がハンドルバーの中心から見て、前記ハンドルバーの角度移動に実質的に等しい角度幅を有するが、この幅は、ハンドルバーの中心から見て、360°に実質的に等しいと見なすこともできる。
【0015】
本発明によって目的とする効果を最大にするために、磁場角度の回転は、前記ハンドルの完全な機械的回転の3倍に実質的に等しくすることができる。
【0016】
本発明の別の態様によれば、外部磁場に対する検出モジュールの感度を低減することを常に目的として、本発明は、前記ハンドルに隣接する、車両のハンドルバーの管に取り付けられるように意図され、そして、円筒形の磁石、前記磁石によって生成される磁場を検出するためのプローブ、前記プローブのための支持体、前記プローブが固定されるプリント回路基板、前記磁石のための支持体、および、前記モジュールのためのハウジングとして使用されるフランジを備え、前記感磁プローブ(9)は、前記磁石(8)によって放出される磁場の回転を検出し、かつ前記ハンドルバー(1)に固定され、前記磁石および磁石ホルダが前記ハンドルに固定され、前記磁石および磁石ホルダ(11)が磁石(8)の内周面が前記感磁プローブ(9)外側かつ反対側に位置するように空洞を形成し、前記磁石支持体の半径方向外側に配置された弾性の戻しばね(6、16)を有することを特徴とする、回転ハンドルの角度位置を検出するためのモジュールに関する。
【0017】
この場合、前記ばねは、有利には磁性材料で作ることができ、または戻し磁石と前記磁石との磁気的な協働によって生み出され得る。
【0018】
いずれの場合も、前記磁石ホルダは、その周囲に磁気遮蔽を支持することができ、また、磁気遮蔽は、前記ハウジングの内側に位置し、前記ハウジングに固定され得る。
【0019】
この遮蔽は、磁石の角度幅に実質的に等しい角度幅、または360°に実質的に等しい角度幅を有していてもよい。
【0020】
磁気遮蔽効果を最大にするために、フランジは磁性材料で作ることができる。
【0021】
本発明は、前記ハンドルの第1の部分に固定された永久磁石と、前記ハンドルの第2の部分に固定された感磁センサとを備え、前記部分は、互いに回転移動可能であって、前記磁石は半円筒形状を有し、前記検出モジュールは、前記プローブ(9)が固定されたプリント回路基板を有し、前記磁石の支持体およびフランジは、前記モジュールのためのハウジングとして使用され、前記感磁プローブは、前記磁石によって放出された磁場の回転を検出し、前記ハンドルバーに固定され、前記磁石および磁石ホルダは、前記ハンドルに固定され、前記磁石および磁石ホルダは、前記磁石の内周面が前記感磁プローブ外側かつ反対側に位置するように空洞を形成し、前記磁石は、前記磁気感応プローブ(9)の内側に反対して配置され、前記磁石は前記ハンドルの機械的回転中に測定点で前記磁石によって生成される磁場の角度の全回転が180°よりも大きくなるように、連続的に可変の磁化方向を有することを特徴とする、車両のハンドルバーの管に装着されるべきハンドルへのより好ましい適用に至ることができる。
【0022】
[図面の簡単な説明]
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な実施形態の例の説明から明らかになるのであろう。
【0023】
図1は、本発明に係る検出モジュールを収容することができるモータビークルハンドルバーの2つの別々の外観を示す。
【0024】
図2a、2bおよび2cはそれぞれ、
図1に示すようなハンドルバーの正面図、断面平面に沿った図(A)および縦断面平面に沿った図(B)を示す。
【0025】
図3aおよび3bは、可変方向磁化の2つの異なる実施形態に係る検出モジュールの2つの断面図を示す。
【0026】
図4は、本発明に係る検出モジュールを用いて典型的に得られる、機械的移動に沿った場の回転および非線形性の様子のグラフを示す。
【0027】
図5、
図6および
図7は、本発明に係る検出モジュールに組み込まれた磁気遮蔽の異なる実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【0028】
図8a、8b、9a、9b、9bは、磁気シリンダヘッドを有する代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【0029】
図10aおよび10bは、それぞれ、機械的スプリングを使用する遮蔽の1つの特定の実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【0030】
図11aおよび11bは、それぞれ、磁気ばね効果を有する代替実施形態の断面および長手方向の図(D)を示す。
【0031】
図12aおよび12bは、それぞれ、検出プローブが前の場合とは異なる配向を有する代替実施形態の断面および長手方向の図(E)を示す。
【0032】
図13aおよび13bは、それぞれ、2つの検出プローブを有する代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【0033】
図14aおよび14bは、それぞれ、磁石が平行六面体の形状である代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【0034】
図15は、磁石が他の実施形態に示されるものとは異なる角度幅を有する代替実施形態の断面図を示す。
【0035】
図16は、制御ジョイスティックのための本発明に係るモジュールの使用の図の2つの斜視図を示す。
【0036】
[発明を実施するための形態]
図1は、本発明に係る検出モジュールを受け入れ可能なモータビークルの同じ例示的なハンドルバー1の2つの異なる外観を示す。このハンドルバー1は、ハンドルバー管3に対して回転し、車両の加速度を制御するために使用されるハンドルバー2、本発明で記載されているような検出モジュールを収容するハウジングとして機能するフランジ4、および、前記検出モジュールに給電し、前記検出モジュールによって与えられる情報信号を出力するように意図された電気ケーブルの束5、からなる。図示された要素の形状、位置、および方位は伝達のためだけのものであり、車両に応じて変更することができる。
【0037】
図2aは、ハンドルバーの、2つの平面AおよびBと交差する側面図を示し、これらの平面は、それぞれ
図2bおよび2cに与えられている。これらの図は、本発明によって説明されるような角度位置検出モジュールを構成する様々な主要要素およびそれらの相対的な位置決めを理解することを可能にする。これらの要素は、フランジ4の内側に配置されている。
【0038】
これらの要素は、最も内側から最も外側まで、プローブホルダ7を担持するハンドルバー1であり、前記ホルダ7は、永久磁石8によって放出される磁場の方位を検出するためのプローブ9が載置されるプリント回路14を支持する。この磁石の磁化は重要であり、以下に説明する。この磁石8は、ここではある角度の扇形として提供され、その角度幅はここでは120°に近く、この幅は例えば、磁石が80°の角度幅を有する
図15に記載されるように、限定されない。
【0039】
磁石8は、連続的に可変する磁化方向を有するタイル形状を有し、ハンドル2の機械的回転中に測定点で前記磁石8によって生成される磁場の角度の全回転は、180°よりも大きい。この解決策は、小さな振幅、例えば80°の機械的回転を、より大きな振幅、例えば180°又は270°の磁気回転に変換することによって、検出モジュールの分解能を高めることを可能にする。
【0040】
連続的に可変な磁化は、磁化ヘッドによって公知の方法で行われる。磁石内の磁化方向の回転は、例えば、IEEE科学刊行物におけるLaure Arbenz et al.による「永久磁石磁化の特性」に記載されている技術の教訓を適用することによって、分極磁石から当業者によって決定することができる。
【0041】
有利には、この角度幅は、ハンドル2の移動にほぼ対応する。磁石8は、非磁性または磁性材料で作ることができ、かつ移動の両端でプローブホルダ7と接触するハンドル2の角度移動を制限する2つのストッパ12a、12bを有する磁石ホルダ11によって支持される。これらのストップの存在は、本発明にとって必須ではなく、ハンドルまたはハンドルバーの別の部分に配置されてもよい。同様に、プローブホルダ7は、ストッパ12a、12bと協働する要素である必要はない。磁石8の内周面は、管3に対するハンドル2の回転中に、プローブ9に面している。
【0042】
図2bを参照して説明される例示的な実施形態において、回転位置検出モジュールを一体化するハンドルは、ハンドルバー管の外側部分に合致する内面7aを有するプラスチック材料で作られた円筒状の支持体7からなり、ハンドルバー管3へのスライド取り付けと、クランプのような既知のシステムによるその後の取り付けとを可能にする。この円筒状の支持体7は、ハンドルバー管3を、それに対して回転できないように取り囲んでいる。この支持体7は、ハウジング7cを規定する領域を除いて円筒形の外面7bを有し、ハウジング7cの底部は、半径方向に対して垂直である。このハウジング7cは、ホールプローブ9が搭載されたプリント基板14が搭載されたハンドルバー管3と反対方向に開口している。ハウジング7cの部分は、プリント回路基板14の部分に対応し、その深さは、磁石8の内面と同一平面になるように、ホールプローブを備えたプリント回路基板の高さの関数である。ハウジング7cの側部7d、7eは、半管状の磁石8が取り付けられるスリーブ11の表面まで半径方向に延びる肩部12a、12bに当接する。この機械的停止構造は、一例として与えられる。
【0043】
このように、側面7d、7eは、これらの肩部12a、12bと相互作用して、75°から85°の間の値、一般的には80°までの回転移動を区切る。
【0044】
戻しばね6は、ハンドルの回転部分を公知の方法で休止位置に戻す。
【0045】
好ましい代替の実施形態では、プローブ9が磁石8の内側半径方向の表面に面するその最大表面積を有する。しかし、この方位は限定的なものではなく、
図12aおよび12bで説明するように異なっていてもよい。
【0046】
この第1の例示的な実施形態では、磁石ホルダ11がその外周に、任意の磁場を検知モジュールの外部に導くために使用される磁石ホルダ11に巻かれた、またはスタンプされた薄い強磁性シートの形態の第1の磁気シールド13aを有する。この第1の遮蔽13aは、検出モジュールに外部磁場に対する一定の耐性を与えるが、フランジ4の内側に装着される第2の磁気遮蔽13bを使用することによって性能を改善することができる。この第2遮蔽13bも、薄肉圧延の強磁性シートの形態である。これらの遮蔽13a、13bの効率を改善するために、それらは、磁石8を取り囲むように軸方向および半径方向の延長部を有していてよいが、磁石をプローブ9に対向させたままにするために、内側開口部を残してもよい。
【0047】
シールド13aおよび13bを半径方向に分離する空間には、機械的なスプリング6が配置されていることが有利であり、これにより、ハンドル2は、ユーザによってひとたび解放されると、その位置に戻ることができる。この機械的なスプリング6の巻き数は、包括的ではなく、単に例示の目的で示されている。
【0048】
このように構成された検出モジュールの全体は、ハンドル2の延長された形状に比べて、軸方向に非常にコンパクトであり、一方の端部にハンドル2を配置し、他方の端部に制御ボタンモジュールを追加するための大きな利用可能性を維持すること、または、検出モジュールを覆うために設計者に大きな自由度を残すことを可能にし、同時に、外部の磁気的外乱に応じる遮蔽を与えること、を可能にする。
【0049】
この磁気的外乱に対する不感性は、磁石8の回転磁化方向を達成して磁場を発生させる本発明の主な特徴によって改善され、この磁場の回転はプローブ9の測定点で重要である。半径方向の磁化方向を有する磁石の場合、プローブ9における測定点における磁場は、エッジ効果を除いてハンドルの回転と実質的に同様の回転を受ける。反対に、磁石8内の磁化の方向を回転させることによって、プローブ9の当該点における磁場がハンドルの回転よりもはるかに多く回転することに気付くことができる。したがって、ハンドルを回転させるときにこの磁気回転角度を測定することによって、プローブ9は、ハンドルよりも高い回転を検出する。ハンドルの有効回転を推定するスケーリングは、任意の外部磁場の影響をうまく低減する。これらのデバイスが磁気擾乱全体を吸収するのに十分でない場合、プローブの2つの測定点で測定された残留擾乱磁場の同相モードを相殺することを可能にする差分測定プローブを使用することを検討することができる。
【0050】
上述の要素の一部が見出される
図3aおよび3bの例では、磁石8aおよび8bの磁化方向が実線の矢印を使用して磁石内の各位置で示され、それぞれ400°および240°に近く、値は例として与えられる。なお、その中央部において、磁石は、必ずしもここに示すような接線の磁化ベクトルを有するとは限らない。磁化方向の回転は、円周において磁石に沿って連続的であり、形成された円筒の高さに応じて、すなわちハンドルバー1の軸に平行に、同一である。磁化方向の回転値の選択は、主に、所望の外部磁場に対する耐性のレベル、および、所望の信号の非線形性、によって決定される。磁化方向の高い回転(典型的には360°より大きい)は、外部磁気擾乱に対する良好な不感受性を意味する。本発明によれば、磁化方向の全回転は、測定点において前記磁石8によって生成される磁場の角度の全回転が180°よりも大きくなる。場合によっては、ハンドルの実際の回転の3倍以上(例えば、80°のハンドル移動に対して240°以上)であることが有利である。
【0051】
図4の例では、測定点における磁場の回転変化は、220°の全ての場回転および80°の機械的ハンドル回転角度(中心位置の周りで+/-40°)にわたる信号の非線形性についてプロットされている。この事例は、与えられた完全な回転に対して、測定点での磁場がほぼ3倍回転することを示している。これは、信号の非線形性への影響を最小限に抑えるため、外部磁場に対する利点である。実際、3の法則を使用すると、実際に検出されたこれらの220°の回転は、80°の移動に低減される。また、いかなる破壊もスケーリングされ、このように低減される。
【0052】
適用され得る外部場に対する検出モジュールの非感度を調整するために、遮蔽は、異なる方法で構成され得る。
図2bおよび
図2cは、遮蔽に対する第1のアプローチを示し、
図5、
図6および
図7は、さらなる例を示す。
図5では、第2の遮蔽13bがハンドルに向かって検出モジュールの上流の部分に軸方向に位置するだけである。
図6において、第1および第2の遮蔽13a、13bは、プローブ9および磁石8が配置される軸方向レベルで半径方向に重なる。
図7において、第2の遮蔽13bは、唯一の遮蔽要素である。
【0053】
なお、上述した遮蔽13a、13bと併用して、磁石8の背後に強磁性シリンダヘッド15を一体化して支持することも考えられる。例えば、このシリンダヘッド15は、先に説明した磁石ホルダ11に加えて、
図8a及び8bに示すように、磁石8の支持体として使用することができる。このケースでは、シリンダヘッドは、管3を完全に取り囲み、磁石ホルダ11は、このシリンダヘッド15を一体化している。このシリンダヘッド15は、
図9aおよび9bに示すように、磁石8の角度幅と等しいか、または磁石8の角度幅よりもわずかに大きい角度幅を有することもできる。このシリンダヘッド15は、2つの利点を有する:それはプローブ9で検出される磁気誘導束を増加させ、外部擾乱から生じる得る磁束密度を遮蔽することに寄与する。
【0054】
図10a及び10bは、追加の遮蔽が存在しないが、機械的なばね6が完全な螺旋形状を有し、検出モジュールに沿って軸方向に延在される特定の実施形態を示す。このばね6の構造のために強磁性材料を選択することによって、起こり得る外部磁場に対する効果的な磁気遮蔽から、またハンドルをその初期位置に戻す弾性の戻し要素から、利益を得ることが可能である。
【0055】
前述の機械的なばね6の使用の代替として、
図11aおよび11bに示すように、この機械的なばね6の代わりに、磁石8と、磁石8の半径方向外側に配置された戻し磁石16との間の磁気作用によるばね効果を組み込んだ代替の実施形態を考えることも可能である。この場合、第2の遮蔽13bを使用することは、常に、起こり得る外部磁場に対する保護を可能にするために好ましい。戻し磁石16の磁化は、所望の復元力に応じて、またプローブ9への影響に応じて、その方位および振幅を変化させることができる。
【0056】
図12aおよび12bは、単に、プローブ9が上に示されたものとは異なる方位を有する場合を例示している。実際、この例では、プローブ9は、その最大表面がハンドル2の軸に垂直になるように配向されている。
【0057】
方位と同様に、使用されるプローブ9の数は変化してもよく、特に、
図13aおよび13bに示されるように、2つのプローブ9aおよび9bが、例えばプローブ9a、9bの一方または他の種類が故障した場合に信号冗長性を提供するために使用されてもよい。図示された例の場合、2つのプローブ9a、9bは、角度が制限されることなく、互いに対して180°に配置され、各プローブは、磁石タイルに対向する。
【0058】
この場合、磁石は、製造を簡単にするために、単一のリングで構成することさえできる。
【0059】
最後に、
図14aおよび
図14bの例では、本発明の範囲を逸脱することなく、平行六面体形状の磁石8を使用することを考えることができる。したがって、磁石の形状は重要ではないが、その角度幅および磁化方向は重要であり、発展および回転磁化方向と上記の説明に従わなければならない。磁石の全体的な形状は、円筒形、すなわち、その発電機が互いに平行であり、ここではハンドルバー軸に平行である調整された表面、として定義される。
【0060】
図16は、本発明による検出モジュール20がジョイスティックに組み込まれて、機械的ボールジョイント22に対するハンドルバー1の相対回転(δ)を制御することもでき、このジョイスティックは、ジョイスティック受けプラットフォーム21に対して、いくつかの角度、例えば(α、β)での回転運動も可能にすること、を示している。後者は、いくつかの例を挙げると、乗用車、資材運搬車両、または娯楽車両を対象とすることができる。
【0061】
上述した全ての図及び例示的な場合において、本発明の範囲を逸脱することなく、特に遮蔽、プローブの数、磁石の大きさ及び形状に関して、各変形例を互いに組み合わせることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明に係る検出モジュールを収容することができるモータビークルハンドルバーの2つの別々の外観を示す。
【
図2】
図2a、2bおよび2cはそれぞれ、
図1に示すようなハンドルバーの正面図、断面平面に沿った図(A)および縦断面平面に沿った図(B)を示す。
【
図3】
図3aおよび3bは、可変方向磁化の2つの異なる実施形態に係る検出モジュールの2つの断面図を示す。
【
図4】本発明に係る検出モジュールを用いて典型的に得られる、機械的移動に沿った場の回転および非線形性の様子のグラフを示す。
【
図5】本発明に係る検出モジュールに組み込まれた磁気遮蔽の異なる実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図6】本発明に係る検出モジュールに組み込まれた磁気遮蔽の異なる実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図7】本発明に係る検出モジュールに組み込まれた磁気遮蔽の異なる実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図8】
図8a、8bは、磁気シリンダヘッドを有する代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図9】9a、9b、9bは、磁気シリンダヘッドを有する代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図10】
図10aおよび10bは、それぞれ、機械的スプリングを使用する遮蔽の1つの特定の実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図11】
図11aおよび11bは、それぞれ、磁気ばね効果を有する代替実施形態の断面および長手方向の図(D)を示す。
【
図12】
図12aおよび12bは、それぞれ、検出プローブが前の場合とは異なる配向を有する代替実施形態の断面および長手方向の図(E)を示す。
【
図13】
図13aおよび13bは、それぞれ、2つの検出プローブを有する代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図14】
図14aおよび14bは、それぞれ、磁石が平行六面体の形状である代替実施形態の断面および長手方向の図を示す。
【
図15】磁石が他の実施形態に示されるものとは異なる角度幅を有する代替実施形態の断面図を示す。
【
図16】制御ジョイスティックのための本発明に係るモジュールの使用の図の2つの斜視図を示す。