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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】電子裝置及びそのアンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/52 20060101AFI20230428BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20230428BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q21/28
H01Q1/22 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021060633
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2021184593
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】109116968
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508024599
【氏名又は名称】▲啓▼碁科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】陳 崇軒
(72)【発明者】
【氏名】李 振銘
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-098919(JP,A)
【文献】特開2008-283464(JP,A)
【文献】特開2014-197811(JP,A)
【文献】特表2016-523491(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0097751(US,A1)
【文献】国際公開第2017/159184(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205159508(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-13/28
H01Q 21/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、第1のアンテナ、及び第2のアンテナを備えるアンテナモジュールであって、
前記基板は、基板本体、第1のグランド層、及び第2のグランド層を含み、前記基板本体は、第1の表面、及び前記第1の表面に対応する第2の表面を有し、前記第1のグランド層は前記第1の表面に設置され、前記第2のグランド層は前記第2の表面に設置され、前記第1のグランド層は前記第2のグランド層に電気的に接続され、前記第1のグランド層は第1のスリットを含み、前記第2のグランド層は第2のスリットを含み、前記基板本体において、前記第1のスリットの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、
前記第1のアンテナは前記基板に設置され、
前記第2のアンテナは前記基板に設置され、
前記第1のスリット及び前記第2のスリットは前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは第2のアンテナよりも前記第1のスリット及び前記第2のスリットに近接し、
前記第1のグランド層は、第1のグランド部及び第2のグランド部をさらに含み、前記第1のスリットは、前記第1のグランド部と前記第2のグランド部との間に位置し、前記第2のグランド層は、第3のグランド部及び第4のグランド部をさらに含み、前記第2のスリットは、前記第3のグランド部と前記第4のグランド部との間に位置し、前記基板本体において、前記第1のグランド部の垂直投影と、前記第3のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2のグランド部の垂直投影と、前記第4のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、
前記第1のアンテナは、第1の本体部、前記第1の本体部に電気的に接続される第1のフィード部、及び前記第1の本体部と前記第1のグランド層との間に電気的に接続される第1のグランド導電部を含み、前記第2のアンテナは第2の本体部、前記第2の本体部に電気的に接続される第2のフィード部、及び前記第2の本体部と前記第1のグランド層との間に電気的に接続される第2のグランド導電部を含み、前記基板本体において、前記第1の本体部の垂直投影と、前記第1のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2の本体部の垂直投影と、前記第2のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、
前記第1のアンテナは前記基板本体に当接される第1の当接部をさらに含み、前記第2のアンテナは前記基板本体に当接される第2の当接部をさらに含み、前記第1のグランド層は、前記第1のフィード部に対応する第1の空き領域、及び前記第1の当接部に対応する第2の空き領域をさらに含み、前記第2のグランド層は、前記第1のフィード部に対応する第3の空き領域、及び前記第1の当接部に対応する第4の空き領域をさらに含み、前記基板本体において、前記第1の空き領域の垂直投影と、前記第3の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2の空き領域の垂直投影と、前記第4の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第1のグランド層は、前記第2のフィード部に対応する第5の空き領域、及び前記第2の当接部に対応する第6の空き領域をさらに含み、前記第2のグランド層は、前記第2のフィード部に対応する第7の空き領域、及び前記第2の当接部に対応する第8の空き領域をさらに含み、前記基板本体において、前記第5の空き領域の垂直投影と、前記第7の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第6の空き領域の垂直投影と、前記第8の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、ことを特徴とするアンテナモジュール。
【請求項2】
前記基板本体において、前記第1のアンテナの垂直投影と、前記第1のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2のアンテナの垂直投影と、前記第2のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記第1のスリットは第1の所定広さを含み、前記第2のスリットは第2の所定広さを含み、前記第1の所定広さ及び前記第2の所定広さは0.2mm~5mmであり、前記基板本体は所定厚さを含み、前記所定厚さは0.2mm~5mmである、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記第1のスリットは第1の所定長さを含み、前記第2のスリットは第2の所定長さを含み、前記第1の所定長さは、前記第1のアンテナが生成する動作周波数帯域における最低周波数の1/4波長以上であり、前記第2の所定長さは、前記第1のアンテナが生成する動作周波数帯域における最低周波数の1/4波長以上である、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記第1のグランド層は接続部をさらに含み、前記第1のスリットは第1のセグメント及び第2のセグメントを有し、前記接続部は前記基板本体に設置され、前記接続部は前記第1のグランド部と前記第2のグランド部との間に電気的に接続されると共に、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に設置され、前記基板本体において、前記接続部の垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記基板本体において、前記第1のスリットにおける前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは完全に重なり、前記接続部の垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは完全に重なる、請求項5に記載の
アンテナモジュール。
【請求項7】
前記第1のグランド層は接続部をさらに含み、前記接続部は前記基板本体に設置され、前記接続部は前記第1のグランド部と前記第2のグランド部との間に電気的に接続され、前記基板本体において、前記接続部の垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記基板は第3のグランド層をさらに含み、前記第3のグランド層は前記第2のグランド層に電気的に接続され、前記第3のグランド層は前記基板本体に設置されると共に、前記第1のグランド層と前記第2のグランド層との間に位置し、前記第3のグランド層は、前記第3のグランド部に電気的に接続される第5のグランド部、前記第4のグランド部に電気的に接続される第6のグランド部、及び前記第5のグランド部と前記第6のグランド部との間に位置する第3のスリットを含み、前記基板本体において、前記第3のスリットの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第5のグランド部の垂直投影と、前記第3のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第6のグランド部の垂直投影と、前記第4のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記基板は第4のグランド層をさらに含み、前記第4のグランド層は前記第1のグランド層に電気的に接続され、前記第4のグランド層は前記基板本体に設置されると共に、前記第1のグランド層と前記第3のグランド層との間に位置し、前記第4のグランド層は、前記第1のグランド部に電気的に接続される第7のグランド部、前記第2のグランド部に電気的に接続される第8のグランド部、及び前記第7のグランド部と前記第8のグランド部との間に位置する第4のスリットを含み、前記基板本体において、前記第4のスリットの垂直投影と、前記第1のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第7のグランド部の垂直投影と、前記第1のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的
に重なり、前記第8のグランド部の垂直投影と、前記第2のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、請求項8に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記第4のグランド層は接続部をさらに含み、前記第4のスリットは第1のセグメント及び第2のセグメントを有し、前記接続部は前記基板本体に設置され、前記接続部は、前記第7のグランド部と前記第8のグランド部との間に電気的に接続されると共に、前記第1のセグメントと、前記第2のセグメントとの間に設置され、前記基板本体において、前記接続部の垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、請求項9に記載のアンテナモジュール。
【請求項11】
第3のアンテナをさらに含み、前記第3のアンテナは前記基板に設置され、前記第3のアンテナは、第3のフィード部、及び前記第1のグランド層に電気的に接続される第3のグランド導電部を含み、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、前記第1のアンテナと前記第3のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは、前記第3のアンテナよりも前記第1のスリット及び前記第2のスリットに近接する、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項12】
信号処理回路、第1のフィード部材、及び第2のフィード部材をさらに含み、前記信号処理回路は前記基板に設置され、前記第1のアンテナは前記信号処理回路に電気的に接続され、前記第2のアンテナは前記信号処理回路に電気的に接続され、前記第1のフィード部材は前記第1のアンテナと前記信号処理回路との間に電気的に接続され、前記第2のフィード部材は前記第2のアンテナと前記信号処理回路との間に電気的に接続され、前記第1のアンテナはブルートゥース(登録商標)アンテナであり、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナはWi-Fi(登録商標)アンテナであり、前記第1のアンテナは周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成でき、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナは、それぞれ、周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成できる、請求項11に記載のアンテナモジュール。
【請求項13】
前記基板はロック固定孔をさらに含み、前記ロック固定孔は、前記基板本体、前記第1のグランド層、及び前記第2のグランド層を貫通して設置され、前記ロック固定孔は前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第2のアンテナは、前記第1のアンテナよりも前記ロック固定孔に近接する、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項14】
回路板、アンテナモジュール、導電性金属板、及び導電性ロック固定部材を備える電子裝置であって、
前記アンテナモジュールは前記回路板に電気的に接続され、前記アンテナモジュールは基板、第1のアンテナ、及び第2のアンテナを含み、前記基板は基板本体、第1のグランド層、第2のグランド層、及びロック固定孔を含み、前記基板本体は、第1の表面、及び前記第1の表面に対応する第2の表面を有し、前記第1のグランド層は前記第1の表面に設置され、前記第2のグランド層は前記第2の表面に設置され、前記第1のグランド層は前記第2のグランド層に電気的に接続され、前記ロック固定孔は、前記基板本体、前記第1のグランド層、及び前記第2のグランド層を貫通して設置され、前記第1のグランド層は第1のスリットを含み、前記第2のグランド層は第2のスリットを含み、前記基板本体において、前記第1のスリットの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、前記基板に設置され、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、前記第1のアンテナと、前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは、前記第2のアンテナよりも前記第1のスリット及び前記第2のスリットに近接し、
前記導電性金属板は前記ロック固定孔に対応する位置決め孔を含み、
前記導電性ロック固定部材は前記ロック固定孔を通過して前記位置決め孔に固定され、
前記導電性ロック固定部材は前記第1のグランド層及び前記導電性金属板に電気的に接続され、前記第1のグランド層は、第1のグランド部及び第2のグランド部をさらに含み、前記第1のスリットは、前記第1のグランド部と前記第2のグランド部との間に位置し、前記第2のグランド層は、第3のグランド部及び第4のグランド部をさらに含み、前記第2のスリットは、前記第3のグランド部と前記第4のグランド部との間に位置し、前記基板本体において、前記第1のグランド部の垂直投影と、前記第3のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2のグランド部の垂直投影と、前記第4のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、
前記第1のアンテナは、第1の本体部、前記第1の本体部に電気的に接続される第1のフィード部、及び前記第1の本体部と前記第1のグランド層との間に電気的に接続される第1のグランド導電部を含み、前記第2のアンテナは第2の本体部、前記第2の本体部に電気的に接続される第2のフィード部、及び前記第2の本体部と前記第1のグランド層との間に電気的に接続される第2のグランド導電部を含み、前記基板本体において、前記第1の本体部の垂直投影と、前記第1のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2の本体部の垂直投影と、前記第2のグランド部の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、
前記第1のアンテナは前記基板本体に当接される第1の当接部をさらに含み、前記第2のアンテナは前記基板本体に当接される第2の当接部をさらに含み、前記第1のグランド層は、前記第1のフィード部に対応する第1の空き領域、及び前記第1の当接部に対応する第2の空き領域をさらに含み、前記第2のグランド層は、前記第1のフィード部に対応する第3の空き領域、及び前記第1の当接部に対応する第4の空き領域をさらに含み、前記基板本体において、前記第1の空き領域の垂直投影と、前記第3の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第2の空き領域の垂直投影と、前記第4の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第1のグランド層は、前記第2のフィード部に対応する第5の空き領域、及び前記第2の当接部に対応する第6の空き領域をさらに含み、前記第2のグランド層は、前記第2のフィード部に対応する第7の空き領域、及び前記第2の当接部に対応する第8の空き領域をさらに含み、前記基板本体において、前記第5の空き領域の垂直投影と、前記第7の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、前記第6の空き領域の垂直投影と、前記第8の空き領域の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる、ことを特徴とする電子裝置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子裝置及びそのアンテナモジュールに関し、特に、少なくとも二つのアンテナを有する電子裝置、及びそのアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
まず、従来技術では、電子裝置がブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)信号の送受信機能及びWi-Fi(登録商標)信号の送受信機能を同時に有する必要がある場合、通常、ブルートゥースアンテナ及びWi-Fiアンテナを設置する。しかし、ブルートゥースアンテナとWi-Fiアンテナとは、動作周波数帯域が重なるため、互いに干渉しやすい。
【0003】
次いで、従来技術では、ブルートゥースアンテナとWi-Fiアンテナとの間のアイソレーションを高めるために、通常、ブルートゥースアンテナを外付けする方法を採用し、それによって、ブルートゥースアンテナをなるべくWi-Fiアンテナから離れさせる。しかし、このようなブルートゥースアンテナを外付けする方法では、ブルートゥースアンテナとWi-Fiアンテナとの間のアイソレーションを高めることができるが、全体的にコストが増加する。
【0004】
また、従来技術では、ブルートゥースアンテナ及びWi-Fiアンテナは同一の基板に設置されることも多く、ブルートゥースアンテナとWi-Fiアンテナとの間のアイソレーションを高めるために、ブルートゥースアンテナとWi-Fiアンテナとを互いになるべく離れさせて設置する。しかし、この方法ではモジュール全体の体積が増え、軽薄短小な製品に適用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の不足に対し、電子裝置及びそのアンテナモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアンテナモジュールは基板、第1のアンテナ、及び第2のアンテナを備える。前記基板は、基板本体、第1のグランド層、及び第2のグランド層を含み、前記基板本体は、第1の表面、及び前記第1の表面に対応する第2の表面を有し、前記第1のグランド層は前記第1の表面に設置され、前記第2のグランド層は前記第2の表面に設置され、前記第1のグランド層は前記第2のグランド層に電気的に接続され、なかでも、前記第1のグランド層は第1のスリットを含み、前記第2のグランド層は第2のスリットを含み、前記基板本体において、前記第1のスリットの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。前記第1のアンテナは前記基板に設置される。前記第2のアンテナは前記基板に設置される。なかでも、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは第2のアンテナよりも前記第1のスリット及び前記第2のスリットに近接する。
【0007】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段は電子裝置を提供することである。前記電子裝置は、回路板、アンテナモジュール、導電性金属板、及び導電性ロック固定部材を備える。前記アンテナモジュールは前記回路板に電気的に接続され、前記アンテナモジュールは基板、第1のアンテナ、及び第2のアンテナを含み、なかでも、前記基板は基板本体、第1のグランド層、第2のグランド層、及びロック固定孔を含み、前記基板本体は、第1の表面、及び前記第1の表面に対応する第2の表面を有し、前記第1のグランド層は前記第1の表面に設置され、前記第2のグランド層は前記第2の表面に設置され、前記第1のグランド層は前記第2のグランド層に電気的に接続され、前記ロック固定孔は、前記基板本体、前記第1のグランド層、及び前記第2のグランド層を貫通して設置され、前記第1のグランド層は第1のスリットを含み、前記第2のグランド層は第2のスリットを含み、前記基板本体において、前記第1のスリットの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、なかでも、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、前記基板に設置され、なかでも、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、前記第1のアンテナと、前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは、前記第2のアンテナよりも前記第1のスリット及び前記第2のスリットに近接する。前記導電性金属板は前記ロック固定孔に対応する位置決め孔を含む。前記導電性ロック固定部材は前記ロック固定孔を通過して前記位置決め孔に固定され、前記導電性ロック固定部材は前記第1のグランド層及び前記導電性金属板に電気的に接続される。
【0008】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が採用する別の技術的手段はアンテナモジュールを提供することである。前記アンテナモジュールは、基板、第1のアンテナ、及び第2のアンテナを備える。前記基板は基板本体及び多層のグランド層を含み、多層の前記グランド層は前記基板本体に設置され、多層の前記グランド層は互いに平行すると共に、非共平面であり、なかでも、多層の前記グランド層は互いに電気的に接続され、前記グランド層のそれぞれは、スリット、及び二つのグランド部を含み、前記基板本体に、前記グランド層のそれぞれの前記スリットが垂直投影した投影領域が形成され、投影領域同士は少なくとも部分的に重なる。前記第1のアンテナは前記基板に設置される。前記第2のアンテナは前記基板に設置される。なかでも、多層の前記グランド層の複数の前記投影領域は、前記第1のアンテナと、前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは、前記第2のアンテナよりも複数の前記投影領域に近接する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの有利な効果として、本発明が提供する電子裝置及びそのアンテナモジュールは、「前記基板本体において、前記第1のスリットの垂直投影と、前記第2のスリットの垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる」、及び「前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に位置し、前記第1のアンテナは、前記第2のアンテナよりも前記第1のスリット及び前記第2のスリットに近接する」といった技術的手段により、第1のアンテナと第2のアンテナとの間のアイソレーションを高める。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電子裝置を示す機能ブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールの斜視組付模式図である。
図3図2におけるIII部分を示す拡大図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを示す別の斜視組付模式図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを示す他の斜視組付模式図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを示す斜視分解模式図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを示す別の斜視分解模式図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを示す上面模式図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを示す下面模式図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールを電子裝置に適用した配置模式図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールにおける第1のアンテナ及び第2のアンテナの異なる周波数におけるアイソレーションを示す曲線図である。
図12】本発明の第1の実施形態に係るアンテナモジュールにおける第1のアンテナ及び第3のアンテナの異なる周波数のおけるアイソレーションを示す曲線図である。
図13】本発明の第2の実施形態に係るアンテナモジュールを示す斜視組付模式図である。
図14】本発明の第2の実施形態に係るアンテナモジュールを示す斜視分解模式図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係るアンテナモジュールを示す別の斜視分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0012】
以下、特定の具体的な実施形態によって本発明が開示する「電子裝置及びそのアンテナモジュール」に係る実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示される内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施形態によって実行又は応用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際の寸法に基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容は本発明の保護範囲を制限するためのものではない。また、理解すべきことは、本文には、「第1」、「第2」、「第3」という用語を使用して各種の素子又は信号を記述する可能性があるが、これらの素子又は信号は、これらの用語によって制限されない。これらの用語は主に、1つの素子ともう1つの素子、又は1つの信号ともう1つの信号を区別するためのものである。また、本文に使用される「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つ又は複数の組み合わせを含む可能性がある。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、図1を参照されたい。図1に示すように、本発明は電子裝置E及びそのアンテナモジュールUを提供し、電子裝置Eは回路板C、アンテナモジュールU及び表示モジュールDを含んでもよい。一実施形態において、電子裝置Eはディスプレイ又はスマートテレビであってもよく、回路板CはアンテナモジュールUによる信号の送受信を制御でき、表示モジュールDによって映像情報を表示できる。しかし、説明しておきたいことは、本発明は、電子裝置Eの表示モジュールDの有無によって制限されない。
【0014】
次いで、図2図5を参照されたい。図面に示すように、アンテナモジュールUは基板1、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3を含み、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3は、それぞれ、基板1に設置される。また、アンテナモジュールUは、信号処理回路P、第1のフィード部材F1、及び第2のフィード部材F2をさらに含んでもよく、信号処理回路P、第1のフィード部材F1、及び第2のフィード部材F2は基板1に設置されてもよい。第1のアンテナ2は、信号処理回路Pに電気的に接続され、第2のアンテナ3は、信号処理回路Pに電気的に接続され、第1のフィード部材F1は、第1のアンテナ2と、信号処理回路Pとの間に電気的に接続され、第2のフィード部材F2は、第2のアンテナ3と、信号処理回路Pとの間に設置される。好ましくは、アンテナモジュールUは、第3のアンテナ4、及び第3のフィード部材F3をさらに含んでもよく、第3のアンテナ4及び第3のフィード部材F3は基板1に設置される。また、第3のアンテナ4は、信号処理回路Pに電気的に接続され、第3のフィード部材F3は、第3のアンテナ4と、信号処理回路Pとの間に電気的に接続される。また、説明しておきたいことは、本発明で言及される、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び第3のアンテナ4は、それぞれ、基板1に設置されることは、第1のアンテナ2、及び第2のアンテナ3は同一の基板1に設置されることを意味する。
【0015】
また、基板1は基板本体10、第1のグランド層11及び第2のグランド層12を含んでもよく、基板本体10は第1の表面1001及び第1の表面1001に対応する第2の表面1002を有する。第1のグランド層11は第1の表面1001に設置され、第2のグランド層12は第2の表面1002に設置され、第1のグランド層11は第2のグランド層12に電気的に接続される。例えば、一実施形態において、第1のグランド層11と第2のグランド層12とを互いに電気的に接続する方法としては、基板本体10に設置されるビアホール(via hole)における導電体(未図示)を介して、第1のグランド層11と第2のグランド層12とを互いに電気的に接続してもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0016】
次いで、図2図5を参照されたい。図2図5に示すように、さらに言えば、第1のグランド層11は第1のスリット110を含み、第2のグランド層12は第2のスリット120を含み、第1のスリット110の基板本体10における垂直投影と、第2のスリット120の基板本体10における垂直投影とは、部分的に重なる。言い換えれば、第1のスリット110及び第2のスリット120の基板本体10における垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成できる。また、本発明では、第1のスリット110及び第2のスリット120は、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間に位置し、第1のアンテナ2は、第2のアンテナ3よりも、第1のスリット110及び第2のスリット120に近接している。また、特筆に値することは、アンテナモジュールUが第3のアンテナ4をさらに含む場合、第1のスリット110及び第2のスリット120は第1のアンテナ2と第3のアンテナ4との間に位置し、第1のアンテナ2は第3のアンテナ4よりも第1のスリット110及び第2のスリット120に近接する。それによって、第1のスリット110及び第2のスリット120が第1のアンテナ2に緊密に隣接して設置されるため、第2のアンテナ3及び第3のアンテナ4の放射效率を高められる。
【0017】
上記に続いて、例えば、本発明では、第1のアンテナ2はブルートゥースアンテナであってもよく、第2のアンテナ3及び/又は第3のアンテナ4はWi-Fiアンテナであってもよく、第1のアンテナ2は、周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成でき、第2のアンテナ3及び/又は第3のアンテナ4は、周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成できるが、本発明はこれに制限されない。言い換えれば、本発明が提供するアンテナモジュールUは動作周波数帯域が近いブルートゥース信号及びWi-Fi信号を同時に送受信する必要がある電子裝置Eに適用されることができると同時に、第1のスリット110及び第2のスリット120によって、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間のアイソレーション(Isolation)を高めることができ、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とが互いに干渉することを免れることができる。また、特筆に値することは、一実施形態において、第2のアンテナ3、及び/又は第3のアンテナ4は周波数範圍が5GHz~6GHzの動作周波数帯域も生成できるが、本発明はこれに制限されない。
【0018】
次いで、図6図7と共に、図2図5を再度参照されたい。詳しく言えば、第1のグランド層11は、第1のグランド部111及び第2のグランド部112をさらに含み、第1のスリット110は、第1のグランド部111と、第2のグランド部112との間に位置する。第2のグランド層12は、第3のグランド部121及び第4のグランド部122をさらに含み、第2のスリット120は第3のグランド部121と第4のグランド部122との間に位置し、第3のグランド部121と第4のグランド部122とは、第2のスリット120によって完全に分離することができ、それによって、第3のグランド部121と第4のグランド部122とが完全に分離する。また、例えば、基板1は、FR4(Flame Retardant 4)基板、プリント基板(Printed Circuit Board、PCB)又はフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit Board、FPCB)であってもよく、そのため、第1のグランド層11及び第2のグランド層12は、それぞれ、基板本体10の相反する二つの表面に設置される銅箔であってもよく、第1のスリット110及び第2のスリット120は銅箔に設置され、基板本体10の第1の表面1001及び第2の表面1002を露出させる領域を形成し、前記領域は非導電部である。
【0019】
上記に続いて、第1のグランド部111の基板本体10における垂直投影と、第3のグランド部121の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、第2のグランド部112の基板本体10における垂直投影と、第4のグランド部122の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。また、第1のグランド部111と第3のグランド部121とは、基板本体10に設置されるビアホール(via hole)における導電体(未図示)を介して、第1のグランド部111と第3のグランド部121とを互いに電気的に接続することができ、また、第2のグランド部112と第4のグランド部122とは、基板本体10に設置されるビアホール(via hole)における導電体(未図示)を介して、第2のグランド部112と第4のグランド部122とを互いに電気的に接続することができる。
【0020】
上記に続いて、第1のグランド層11は、接続部113をさらに含んでもよく、接続部113は、基板本体10の第1の表面1001に設置され、接続部113は、第1のグランド部111と、第2のグランド部112との間に電気的に接続される。言い換えれば、接続部113は、第1のスリット110を、第1のセグメント1101と第2のセグメント1102とに区分することができ、すなわち、接続部113は、第1のセグメント1101と第2のセグメント1102との間に設置される。また、本発明では、基板本体10において、接続部113の垂直投影と、第2のスリット120の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、好ましくは、接続部113の基板本体10における垂直投影と、第2のスリット120の基板本体10における垂直投影とは完全に重なる。しかし、説明しておきたいことは、他の実施形態において、第1のグランド層1が接続部113をさらに含む場合、第1のスリット110は一つのセグメントのみを有してもよく、すなわち、接続部113は第1のスリット110の縁辺に設置され、第1のスリット110を複数のセグメントに区分しない。また、説明しておきたいことは、第1の実施形態では、第2のグランド層12は第3のグランド部121と第4のグランド部122との間に接続される接続部を含まない。それによって、本発明では、基板本体10において、第1のスリット110の第1のセグメント1101及び第2のセグメント1102の垂直投影と、第2のスリット120の垂直投影とは完全に重なる。
【0021】
上記に続いて、例えば、本発明では、第1のグランド層11は第1の溝G1、第2の溝G2及び第3の溝G3をさらに含んでもよく、第1のフィード部材F1、第2のフィード部材F2及び第3のフィード部材F3は、それぞれ、第1の溝G1、第2の溝G2及び第3の溝G3に形成されてもよく、それによって、第1のフィード部材F1、第2のフィード部材F2、及び第3のフィード部材F3と、第1のグランド層11とを互いに分離させる。言い換えれば、第1のフィード部材F1、第2のフィード部材F2及び第3のフィード部材F3は、それぞれ、第1のグランド層11によって形成されてもよい。また、特筆に値することは、信号処理回路Pは、第1のグランド層11における第2のグランド部112に設置され、第1のアンテナ2は、第1のグランド部111に設置される。そのため、第1の溝G1は第2のグランド部112から接続部113にまで延伸し、それによって、第1の溝G1に設置される第1のフィード部材F1は第1のアンテナ2に電気的に接続される。
【0022】
次いで、図6及び図7を再度参照されたい。図面に示すように、第1のアンテナ2は、第1の本体部21、第1の本体部21に電気的に接続される第1のフィード部22、及び第1の本体部21と第1のグランド層11との間に電気的に接続される第1のグランド導電部23を含む。第2のアンテナ3は、第2の本体部31、第2の本体部31に電気的に接続される第2のフィード部32、及び第2の本体部31と第1のグランド層11との間に電気的に接続される第2のグランド導電部33を含む。第3のアンテナ4は、第3の本体部41、第3の本体部41に電気的に接続される第3のフィード部42、及び第3の本体部41と第1のグランド層11との間に電気的に接続される第3のグランド導電部43を含む。また、第1のフィード部材F1は、第1のアンテナ2における第1のフィード部22と、信号処理回路Pとの間に電気的に接続され、第2のフィード部材F2は、第2のアンテナ3における第2のフィード部32と、信号処理回路Pとの間に電気的に接続され、第3のフィード部材F3は、第3のアンテナ4における第3のフィード部42と、信号処理回路Pとの間に電気的に接続される。また、例えば、第1のグランド導電部23、第2のグランド導電部33及び第3のグランド導電部43は、基板1の第1のグランド層11に溶接されてもよく、それによって第1のグランド層11に電気的に接続される。一実施形態において、基板1は、それぞれ、第1のグランド導電部23、第2のグランド導電部33、及び第3のグランド導電部43に対応する複数の開孔(図面では符号なし)が穿設されてもよく、それによって、第1のグランド導電部23、第2のグランド導電部33及び第3のグランド導電部43の端部が、対応した開孔に挿設され固定される。また、例えば、本発明では、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び/又は第3のアンテナ4は金属アンテナであってもよく、また、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び/又は第3のアンテナ4は板状逆F型アンテナ(Planar inverted-F antenna、PIFA)構成であってもよい。しかし、説明しておきたいことは、本発明は、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び/又は第3のアンテナ4の形態によって制限されない。
【0023】
上記に続いて、特筆に値することは、一実施形態において、第2のアンテナ3及び/又は第3のアンテナ4は、周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域、及び周波数範圍が5GHz~6GHzの動作周波数帯域を生成でき、そのため、第2のアンテナ3における第2の本体部31は、周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成する低周波放射部311、及び周波数範圍が5GHz~6GHzの動作周波数帯域を生成する高周波放射部312を含んでもよく、また、第3のアンテナ4における第3の本体部41は、周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成する低周波放射部411、及び周波数範圍が5GHz~6GHzの動作周波数帯域を生成する高周波放射部412を含んでもよい。
【0024】
上記に続いて、第1のアンテナ2は、基板本体10に当接される第1の当接部24を含んでもよく、第2のアンテナ3は、基板本体10に当接される第2の当接部34を含んでもよく、第3のアンテナ4は、基板本体10に当接される第3の当接部44を含んでもよく、それによって、第1の当接部24、第2の当接部34及び第3の当接部44により、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び第3のアンテナ4の基板1に対する揺れを防止する。
【0025】
上記に続いて、本発明では、第1のグランド層11は、第1のフィード部22に対応する第1の空き領域H1、及び第1の当接部24に対応する第2の空き領域H2をさらに含んでもよく、第2のグランド層12は、第1のフィード部22に対応する第3の空き領域H3、及び第1の当接部24に対応する第4の空き領域H4をさらに含んでもよい。第1の空き領域H1の基板本体10における垂直投影と、第3の空き領域H3の基板本体10における垂直投影とは少なくとも部分的に重なり、第2の空き領域H2の基板本体10における垂直投影と、第4の空き領域H4の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。言い換えれば、基板本体10における、第1の空き領域H1及び第3の空き領域H3の垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成し、基板本体10における、第2の空き領域H2及び第4の空き領域H4の垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成する。しかし、説明しておきたいことは、一実施形態において、第1のグランド層11は、第1のフィード導電部114をさらに含んでもよく、第1のフィード導電部114は、第1の空き領域H1に設置されると共に、第1のフィード部22に電気的に接続されてもよい。また、第1のフィード部22は、第1のフィード導電部114に当接されてもよく、第1のフィード部材F1は、第1のフィード導電部114を介して、第1のフィード部22に電気的に接続されてもよい。
【0026】
さらに言えば、第1のグランド層11は、前記第2のフィード部32に対応する第5の空き領域H5、及び第2の当接部34に対応する第6の空き領域H6をさらに含んでもよく、第2のグランド層12は第2のフィード部32に対応する第7の空き領域H7、及び第2の当接部34に対応する第8の空き領域H8をさらに含んでもよい。基板本体10において、第5の空き領域H5の垂直投影と、第7の空き領域H7の垂直投影とは少なくとも部分的に重なり、第6の空き領域H6の垂直投影と、第8の空き領域H8の垂直投影とは少なくとも部分的に重なる。言い換えれば、基板本体10における、第5の空き領域H5及び第7の空き領域H7の垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成でき、基板本体10における、第6の空き領域H6及び第8の空き領域H8の垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成できる。しかし、説明しておきたいことは、一実施形態において、第1のグランド層11は第2のフィード導電部115をさらに含んでもよく、第2のフィード導電部115は第5の空き領域H5に設置されると共に、第2のフィード部32に電気的に接続されてもよい。また、第2のフィード部32は第2のフィード導電部115に当接されてもよく、第2のフィード部材F2は、第2のフィード導電部115を介して、第2のフィード部32に電気的に接続されてもよい。
【0027】
上記に続いて、第1のグランド層11は、前記第3のフィード部42に対応する第9の空き領域H9、及び第3の当接部44に対応する第10の空き領域H10をさらに含んでもよく、第2のグランド層12は、第3のフィード部42に対応する第11の空き領域H11、及び第3の当接部44に対応する第12の空き領域H12をさらに含んでもよい。基板本体10において、第9の空き領域H9の垂直投影と、第11の空き領域H11の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、基板本体10において、第10の空き領域H10の垂直投影と、第12の空き領域H12の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。言い換えれば、基板本体10における、第9の空き領域H9及び第11の空き領域H11の垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成でき、基板本体10における、第10の空き領域H10及び第12の空き領域H12の垂直投影の領域は、基板1に対しクリアランス領域を形成できる。しかし、説明しておきたいことは、一実施形態において、第1のグランド層11は、第3のフィード導電部116をさらに含んでもよく、第3のフィード導電部116は、第9の空き領域H9に設置されると共に、第3のフィード部42に電気的に接続されてもよい。また、第3のフィード部42は、第3のフィード導電部116に当接されてもよく、第3のフィード部材F3は、第3のフィード導電部116を介して第3のフィード部42に電気的に接続されてもよい。
【0028】
上記に続いて、説明しておきたいことは、本発明は、第1のスリット110及び第2のスリット120が、第1のアンテナ2に緊密に隣接して配置される方式を例として説明しており、上記「緊密に隣接」という用語は、基板本体10において、第1のアンテナ2の垂直投影と、第1のスリット110、及び/又は第2のスリット120の垂直投影との間の距離が所定の距離(5mm又は5mm以下が例示されるが、これに制限されない)以下であることを指すことができる。本発明では、基板本体10において、第1のアンテナ2における第1のフィード導電部114の垂直投影と、第1のスリット110、及び/又は第2のスリット120の垂直投影との間の距離は所定の距離以下である。それによって、第1のスリット110及び第2のスリット120が、第1のアンテナ2に緊密に隣接して設置されるため、第2のアンテナ3及び第3のアンテナ4の放射效率を高められる。
【0029】
次いで、図6及び図7を再度参照されたい。図面に示すように、基板本体10において、第1のアンテナ2の垂直投影と、第1のグランド部111の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、第2のアンテナ3の垂直投影と、第2のグランド部112の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。さらに言えば、本発明では、基板本体10において、第1の本体部21の垂直投影と、第1のグランド部111の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、第2の本体部31の垂直投影と、第2のグランド部112の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。言い換えれば、本発明の実施形態が提供するアンテナモジュールUの第1のアンテナ2における第1の本体部21、及び第2のアンテナ3における第2の本体部31は、基板1の非クリアランス領域に設置されてもよい。それによって、本発明が提供するアンテナモジュールUは、金属部材(例えば、導電性金属板M)に設置された場合でも依然として正常に作動し、一定の機能を維持できる。
【0030】
次いで、図8及び図9と共に、図6及び図7を再度参照されたい。図面に示すように、第1のスリット110は第1の所定広さW1を含み、第2のスリット120は第2の所定広さW2を含み、すなわち、第1のグランド部111と第2のグランド部112との間は第1の所定広さW1を有し、第3のグランド部121と第4のグランド部122との間は第2の所定広さW2を有し、本発明では、第1の所定広さW1と、第2の所定広さW2とは同様であってもよい。また、基板本体10は所定厚さTを含む。また、例えば、第1の所定広さW1及び第2の所定広さW2は0.2mm~5mmである。好ましくは、第1の所定広さW1及び第2の所定広さW2は0.5mm~2mmである。また、所定厚さTは0.2mm~5mmであり、好ましくは、所定厚さは0.2mm~2mmである。しかし、説明しておきたいことは、本発明は前述した例示によって制限されない。それによって、本発明では、基板本体10において、第1のスリット110における第1のセグメント1101及び第2のセグメント1102の垂直投影と、第2のスリット120の垂直投影とが完全に重なることは、第1のスリット110の垂直投影と、第2のスリット120の垂直投影とが互いにすれ違って部分的に重ならない状況がないことを意味する。
【0031】
上記に続いて、第1のスリット110は第1の所定長さL1を含み、第2のスリット120は第2の所定長さL2を含む。例えば、第1の所定長さL1は、第1のアンテナ2が生成する動作周波数帯域における最低周波数の1/4波長以上であってもよく、第2の所定長さL2は、第1のアンテナ2が生成する動作周波数帯域における最低周波数の1/4波長以上であってもよく、前記波長は基板1の誘電率に関連してもよい。言い換えれば、本発明が提供する第1のアンテナ2は周波数範圍が2.4GHz~2.5GHzの動作周波数帯域を生成でき、そのため、第1の所定長さL1及び第2の所定長さL2は、2.4GHzの周波数によって計算できる。また、一実施形態において、基板1の誘電率を考慮した場合、公式:λ=C/(f*√ε)で計算してもよい。
【0032】
上記に続いて、上記公式において、λは波長、cは光速、fは周波数、εは基板1の誘電率を表し、本発明は基板1の誘電率を4.3として説明する。それによって、本発明では、第1の所定長さL1及び第2の所定長さL2は16mm以上であるが、本発明はこれに制限されない。また、基板1の広さが35mmである場合、第1のスリット110及び第2のスリット120が基板1に対し完全に空いている状態において、第1の所定長さL1及び第2の所定長さL2は35mmであってもよい。そのため、本発明では、第1の所定長さL1及び第2の所定長さL2は16mm~35mmであってもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0033】
説明しておきたいことは、第1のグランド層11に接続部113が接続された状態において、接続部113が第1のスリット110に設置されるため、第1のスリット110の第1の所定長さL1は短くなる。そのため、接続部113が接続された場合、第1の所定長さL1の計算方法としては、第1のアンテナ2が生成する動作周波数帯域における最低周波数によって計算した後、接続部113の第1のスリット110における長さを引く。言い換えれば、第1のグランド層11に接続部113が設置された状態において、第1の所定長さL1は、第1のセグメント1101、及び第2のセグメント1102の合計長さである。
【0034】
次いで、図10を参照されたい。図面に示すように、本発明では、アンテナモジュールUが電子裝置Eに設置される場合、基板1はロック固定孔100をさらに含んでもよく、ロック固定孔100は、基板本体10、第1のグランド層11、及び第2のグランド層12を貫通して設置される。本発明では、ロック固定孔100は、第1のグランド層11と、第2のグランド層12との間に電気的に接続されてもよく、すなわち、ロック固定孔100は、基板1に設置されると共に、導電性を有するビアホール(via hole)であってもよい。また、ロック固定孔100は、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間に位置し、第2のアンテナ3は、第1のアンテナ2よりもロック固定孔100に近接する。さらに言えば、ロック固定孔100は、基板本体10、第2のグランド部112、及び第4のグランド部122を貫通して設置されることができ、第2のアンテナ3は、第3のアンテナ4よりもロック固定孔100に近接し、ロック固定孔100は、第2のアンテナ3における第2のフィード部32に近接してもよい。
【0035】
次いで、図1及び図10を再度参照されたい。以下にアンテナモジュールUを電子裝置Eに適用する状況を説明する。詳しく言えば、図面に示すように、電子裝置Eは、回路板C、アンテナモジュールU、導電性金属板M、及び導電性ロック固定部材Sを含む。例えば、回路板Cは電子裝置Eのマザーボードであってもよく、導電性金属板Mは電子裝置Eのボディ又はスタンドであってもよく、導電性ロック固定部材Sは金属ネジであってもよいが、本発明はこれに制限されない。また、導電性金属板Mはロック固定孔100に対応する位置決め孔M100を含んでもよく、導電性ロック固定部材Sはロック固定孔100を通過して位置決め孔M100に固定され、それによって、アンテナモジュールUは導電性金属板Mに固定される。また、ロック固定孔100が第1のグランド層11及び第2のグランド層12に電気的に接続されるため、導電性ロック固定部材Sは、第1のグランド層11及び第2のグランド層12と、導電性金属板Mとに電気的に接続され、それによって、導電性金属板MによってアンテナモジュールUの基準グランドの面積を増加させ、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間のアイソレーションを高める。
【0036】
上記に続いて、本発明実施形態が提供するアンテナモジュールUの第1のアンテナ2における第1の本体部21及び第2のアンテナ3における第2の本体部31は、基板1の非クリアランス領域に設置されることができる。それによって、第1のアンテナ2の基板1における垂直投影と、導電性金属板Mの基板1における垂直投影とが、少なくとも部分的に重なる(又は完全に重なる)と共に、第2のアンテナ3の基板1における垂直投影と、導電性金属板Mの基板1における垂直投影とが、少なくとも部分的に重なった又は完全に重なった場合でも、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3は依然として正常に作動し、一定の機能を維持できる。
【0037】
上記に続いて、ロック固定孔100と第1のアンテナ2における第1のフィード部22との間は第1の所定距離R1を有し、ロック固定孔100と第2のアンテナ3における第2のフィード部32との間は第2の所定距離R2を有し、第1の所定距離R1は第2の所定距離R2以下である。例えば、第1の所定距離R1は、実質的に、第1のアンテナ2が生成する動作周波数帯域における最低周波数の1/4波長であり、第2の所定距離R2は、実質的に、第2のアンテナ3が生成する動作周波数帯域における最低周波数の1/8波長であるが、本発明はこれに制限されない。
【0038】
次いで、図11及び図12を参照されたい。図11における曲線C11は、基板に第1のスリット110及び第2のスリット120が設置されていない場合の、第1のアンテナ2と、第2のアンテナ3との間の異なる周波数におけるアイソレーションを示す曲線であり、図11における曲線C12は、基板に第1のスリット110及び第2のスリット120が設置されている場合の、第1のアンテナ2と、第2のアンテナ3との間の異なる周波数におけるアイソレーションを示す曲線である。また、図12における曲線C21は基板に第1のスリット110及び第2のスリット120が設置されていない場合の、第1のアンテナ2と第3のアンテナ4との間の異なる周波数におけるアイソレーションを示す曲線であり、図12における曲線C22は基板に第1のスリット110及び第2のスリット120が設置されている場合、第1のアンテナ2と、第3のアンテナ4との間の異なる周波数におけるアイソレーションを示す曲線である。それによって、図11及び図12から分かるように、第1のスリット110及び第2のスリット120が設置されると、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間のアイソレーションが向上すると共に、第1のアンテナ2と第3のアンテナ4との間のアイソレーションが向上する。
【0039】
[第2の実施形態]
次いで、図13図15を参照されたい。図13図15図2図7とを比較して分かるように、第2の実施形態と第1の実施形態との間の差異としては、第2の実施形態が提供するアンテナモジュールUにおける基板1は多層のグランド層を含んでもよく、基板本体10は複数のキャリアから構成されてもよく、多層のグランド層は、それぞれ、対応したキャリアに設置されてもよい。言い換えれば、第2の実施形態が提供するアンテナモジュールUにおける第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3は多層板に設置されてもよい。また、説明しておきたいことは、第2の実施形態が提供するアンテナモジュールUにおけるその他の構成は前述した第1の実施形態と同様のため、ここで説明を省略する。
【0040】
上記に続いて、第2の実施形態では、アンテナモジュールUは基板1、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3を含む。例えば、基板1は多層板であってもよく、基板1は基板本体10、及び多層のグランド層(例えば、第1のグランド層11、第2のグランド層12、第3のグランド層13、及び/又は第4のグランド層14)を含み、基板本体10は複数のキャリア(例えば、第1のキャリア101、第2のキャリア102、及び/又は第3のキャリア103)から構成されてもよい。多層のグランド層は基板本体10に設置され、多層のグランド層は互いに平行すると共に、非共平面である。また、多層のグランド層は互いに電気的に接続され、それぞれのグランド層は二つのグランド部(例えば、第1のグランド部111、第2のグランド部112、第3のグランド部121、第4のグランド部122、第5のグランド部131、第6のグランド部132、第7のグランド部141、及び/又は第8のグランド部142)及び二つのグランド部の間に設置されるスリット(例えば、第1のスリット110、第2のスリット120、第3のスリット130、及び/又は第4のスリット140)を含み、基板本体10において、グランド層のそれぞれのスリットの垂直投影は、投影領域を形成し、投影領域同士は少なくとも部分的に重なってもよいが、好ましくは、投影領域同士は完全に重なるようになる。また、多層のグランド層における複数の投影領域は第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間に位置し、第1のアンテナ2は第2のアンテナ3よりも複数の投影領域に近接する。
【0041】
上記に続いて、詳しく言えば、基板1は第3のグランド層13をさらに含んでもよく、第3のグランド層13は第2のグランド層12に電気的に接続され、第3のグランド層13は基板本体10に設置されると共に、第1のグランド層11と第2のグランド層12との間に位置する。また、第3のグランド層13は、第3のグランド部121に電気的に接続される第5のグランド部131、第4のグランド部122に電気的に接続される第6のグランド部132、及び第5のグランド部131と第6のグランド部132との間に位置する第3のスリット130を含む。第3のスリット130は、第5のグランド部131と第6のグランド部132との間に位置し、第5のグランド部131と第6のグランド部132とは、第3のスリット130によって完全に分離することができ、それによって、第5のグランド部131と第6のグランド部132とが完全に分離する。また、第3のスリット130の基板本体10における垂直投影と、第2のスリット120の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。また、第5のグランド部131の基板本体10における垂直投影と、第3のグランド部121の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、第6のグランド部132の基板本体10における垂直投影と、第4のグランド部122の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。言い換えれば、第3のグランド層13の構成は第2のグランド層12と同様である。
【0042】
上記に続いて、基板1は第4のグランド層14をさらに含んでもよく、第4のグランド層14は、第1のグランド層11に電気的に接続され、第4のグランド層14は基板本体10に設置されると共に、第1のグランド層11と第3のグランド層13との間に位置する。言い換えれば、第3のグランド層13及び第4のグランド層14は第1のグランド層11と第2のグランド層12との間に位置し、第3のグランド層13は第4のグランド層14よりも第2のグランド層12に近接し、第4のグランド層14は第3のグランド層13よりも第1のグランド層11に近接する。また、第4のグランド層14は、第1のグランド部111に電気的に接続される第7のグランド部141、第2のグランド部112に電気的に接続される第8のグランド部142、及び第7のグランド部141と第8のグランド部142との間に位置する第4のスリット140を含み、第4のスリット140の基板本体10における垂直投影と、第1のスリット110の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。また、第7のグランド部141の基板本体10における垂直投影と、第1のグランド部111の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、第8のグランド部142の基板本体10における垂直投影と、第2のグランド部112の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。
【0043】
上記に続いて、さらに言えば、一実施形態において、第4のグランド層14は接続部143をさらに含み、接続部143は、第7のグランド部141と第8のグランド部142との間に電気的に接続されると共に、第4のスリット140に設置され、第4のグランド層14の接続部143の基板本体10における垂直投影と、第2のスリット120の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、接続部143は、第4のスリット140を、第1のセグメント1401と第2のセグメント1402とに区分することができる。言い換えれば、第4のグランド層14の構成は第1のグランド層11と同様であり、第1のグランド層11及び第4のグランド層14は、それぞれ、接続部(113及び143)を含む。また、第4のグランド層14の接続部143の基板本体10における垂直投影と、第1のグランド層11に設置される第1のフィード部材F1の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。すなわち、第1のグランド層11の接続部113に位置する第1の溝G1における第1のフィード部材F1の基板本体10における垂直投影と、第4のグランド層14の接続部143の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる。それによって、第4のグランド層14における、第7のグランド部141と第8のグランド部142とを接続する接続部143によって、第1のアンテナ2のインピーダンス整合を容易に行うことができる。
【0044】
それによって、好ましくは、本発明では、一実施形態において、基板1が多層板である場合、第1のグランド層11により近接するグランド層(例えば、第4のグランド層14)の構成と、第1のグランド層11の構成とは同様であり、第2のグランド層12により近接するグランド層(例えば、第3のグランド層13)の構成と、第2のグランド層12の構成とは同様である。すなわち、第4のグランド層14における接続部143の基板本体10における垂直投影と、第1のグランド層11における接続部113の基板本体10における垂直投影とは、少なくとも部分的に重なり、好ましくは完全に重なる。また、第2のグランド層12及び第3のグランド層13は、接続部が設置されないため、第3のグランド部121と、第4のグランド部122とは、第2のスリット120によって完全に分離し、第5のグランド部131と、第6のグランド部132とは、第3のスリット130によって完全に分離する。また、説明しておきたいことは、第2の実施形態では基板1を4層板としているが、本発明は多層板の積層数によって制限されない。
【0045】
さらに言えば、本発明では、基板本体10において、第1のスリット110における第1のセグメント1101及び第2のセグメント1102の垂直投影と、第4のスリット140における第1のセグメント1401及び第2のセグメント1402の垂直投影とは完全に重なり、基板本体10において、第4のグランド層14における接続部143の垂直投影と、第1のグランド層11における接続部113の垂直投影とは完全に重なる。また、基板本体10において、第2のスリット120の垂直投影と、第3のスリット130の垂直投影とは完全に重なる。また、基板本体10において、第1のスリット110における第1のセグメント1101及び第2のセグメント1102の垂直投影と、第3のスリット130の垂直投影とは完全に重なり、基板本体10において、第4のスリット140における第1のセグメント1401及び第2のセグメント1402の垂直投影と、第2のスリット120の垂直投影とは完全に重なり、基板本体10において、第4のスリット140における第1のセグメント1401及び第2のセグメント1402の垂直投影と、第3のスリット130の垂直投影とは完全に重なる。また、説明しておきたいことは、前述の「完全に重なる」とは、第1のスリット110、第2のスリット120、第3のスリット130及び第4のスリット140の所定広さ(例えば、第1の所定広さW1及び第2の所定広さW2、第3のスリット130及び第4のスリット140の所定広さは図面では符号なし)が互いに同様であると共に、基板本体10において、それぞれのグランド層におけるスリットの垂直投影によって形成される投影領域同士が互いにすれ違って部分的に重ならない状況がないことを指す。
【0046】
上記に続いて、説明しておきたいことは、本発明では、第3のグランド層13、及び/又は第4のグランド層14は、第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び/又は第3のアンテナ4における第1のフィード部22、第1の当接部24、第2のフィード部32、第2の当接部34、第3のフィード部42、及び第3の当接部44に対応する複数の空き領域Hをさらに含んでもよい。また、本発明の第3のグランド層13及び第4のグランド層14の構成が、それぞれ、第1のグランド層11及び第2のグランド層12の構成と同様のため、第3のグランド層13、及び/又は第4のグランド層14における第1のアンテナ2、第2のアンテナ3、及び/又は第3のアンテナ4にそれぞれ対応する複数の空き領域Hの位置及び特性は対応した前記の記載と同様のため、ここで説明を省略する。
【0047】
[実施形態による有利な效果]
本発明の一つの有利な効果として、本発明が提供する電子裝置E及びそのアンテナモジュールUは、「基板本体10において、前記第1のスリット110の垂直投影と、前記第2のスリット120の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なる」、及び「前記第1のスリット110及び前記第2のスリット120は、前記第1のアンテナ2と前記第2のアンテナ3との間に位置し、前記第1のアンテナ2は、前記第2のアンテナ3よりも前記第1のスリット110及び前記第2のスリット120に近接する」といった技術的手段により、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間のアイソレーションを高める。
【0048】
さらに言えば、本発明は、基板本体10において、第1の本体部21の垂直投影と、第1のグランド部111の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なると共に、第2の本体部31の垂直投影と、第2のグランド部112の垂直投影とは、少なくとも部分的に重なるという技術的手段により、本発明のアンテナモジュールUは、ロック固定孔100及び導電性ロック固定部材Sによって、アンテナモジュールUを導電性金属板Mに直接的に固定することができる。また、アンテナモジュールUを導電性金属板Mに設置した場合でも、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3は依然として正常に作動し、一定の機能を維持できる。
【0049】
さらに言えば、本発明は、導電性ロック固定部材Sによって、第1のグランド層11及び第2のグランド層12と、導電性金属板Mとを電気的に接続することによって、導電性金属板MによってアンテナモジュールUの基準グランドの面積を増加させることができ、それによって第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との間のアイソレーションを向上させる。
【0050】
以上に開示される内容は、好ましい本発明の可能な実施形態に過ぎず、発明の範囲を限定することを意図していない。そのため、本発明の明細書及び図面でなされた均等的な技術的変形は、全て本発明の請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
E:電子裝置
D:表示モジュール
U:アンテナモジュール
1:基板
100:ロック固定孔
10:基板本体
101:第1のキャリア
102:第2のキャリア
103:第3のキャリア
1001:第1の表面
1002:第2の表面
11:第1のグランド層
110:第1のスリット
1101:第1のセグメント
1102:第2のセグメント
111:第1のグランド部
112:第2のグランド部
113:接続部
114:第1のフィード導電部
115:第2のフィード導電部
116:第3のフィード導電部
12:第2のグランド層
120:第2のスリット
121:第3のグランド部
122:第4のグランド部
13:第3のグランド層
130:第3のスリット
131:第5のグランド部
132:第6のグランド部
14:第4のグランド層
140:第4のスリット
1401:第1のセグメント
1402:第2のセグメント
141:第7のグランド部
142:第8のグランド部
143:接続部
2:第1のアンテナ
21:第1の本体部
22:第1のフィード部
23:第1のグランド導電部
24:第1の当接部
3:第2のアンテナ
31:第2の本体部
311:低周波放射部
312:高周波放射部
32:第2のフィード部
33:第2のグランド導電部
34:第2の当接部
4:第3のアンテナ
41:第3の本体部
411:低周波放射部
412:高周波放射部
42:第3のフィード部
43:第3のグランド導電部
44:第3の当接部
F1:第1のフィード部材
F2:第2のフィード部材
F3:第3のフィード部材
P:信号処理回路
C:回路板
M:導電性金属板
M100:位置決め孔
S:導電性ロック固定部材
G1:第1の溝
G2:第2の溝
G3:第3の溝
H:空き領域
H1:第1の空き領域
H2:第2の空き領域
H3:第3の空き領域
H4:第4の空き領域
H5:第5の空き領域
H6:第6の空き領域
H7:第7の空き領域
H8:第8の空き領域
H9:第9の空き領域
H10:第10の空き領域
H11:第10の空き領域
H12:第12の空き領域
W1:第1の所定広さ
W2:第2の所定広さ
L1:第1の所定長さ
L2:第2の所定長さ
R1:第1の所定距離
R2:第2の所定距離
T:所定厚さ
C11、C12、C21、C22:曲線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15