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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021093527
(22)【出願日】2021-06-03
(65)【公開番号】P2022014884
(43)【公開日】2022-01-20
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】63/048,865
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/173,469
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 光宇
(72)【発明者】
【氏名】楊 文斐
(72)【発明者】
【氏名】陳 皇任
(72)【発明者】
【氏名】陳 浩民
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-028241(JP,A)
【文献】特開2014-225667(JP,A)
【文献】国際公開第2011/142065(WO,A1)
【文献】特表2011-508457(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109860219(CN,A)
【文献】特開2016-096323(JP,A)
【文献】特開2019-087659(JP,A)
【文献】特開2005-294647(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0130002(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、
前記基板上に配置された複数のカラーフィルタユニット、
前記基板上に配置され、前記カラーフィルタユニットの各々を囲むグリッド構造、および
前記グリッド構造内に埋め込まれた遮光構造を含み、前記グリッド構造は、
前記基板上に配置され、前記カラーフィルタユニットの間に配置された第1の隔壁、
前記第1の隔壁上に直接配置され、前記カラーフィルタユニットの間に配置された第2の隔壁、
前記第2の隔壁上に直接配置され、前記カラーフィルタユニットの間に配置された第3の隔壁、を含み、
前記第1の隔壁の断面は長方形であり、前記第2の隔壁の断面は台形であり、
前記第1の隔壁はベース幅を有し、前記第2の隔壁は第1の底部幅と第1の上部幅を有し、前記第3の隔壁は第2の底部幅を有し、前記ベース幅、前記第1の底部幅、前記第1の上部幅、および前記第2の底部幅は、前記基板に平行な横方向で測定され、前記ベース幅は前記第1の底部幅と等しく、前記第1の上部幅は前記第2の底部幅と等しく、前記第2の底部幅は、前記ベース幅より20%~60%小さいメージセンサ。
【請求項2】
前記基板内に形成された複数の感知ユニット、および
前記カラーフィルタユニット上にそれぞれ配置された複数のマイクロレンズをさらに含み、
前記グリッド構造の第1の屈折率は1~1.5の範囲である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第3の隔壁の断面は長方形である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第1の隔壁の第1の高さは、前記グリッド構造の全高より60%~80%低く、前記第2の隔壁の側面は、前記基板に対して20°~75°の内角θを有する請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第3の隔壁の断面は半楕円形であり、前記第3の隔壁の断面は、丸みを帯びた側面および尖った上部を有し、前記尖った上部の頂角は、前記第2の隔壁の内角より小さい請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記グリッド構造は、さらに1つ以上の長方形の隔壁と1つ以上の台形の隔壁をさらに含み、前記長方形の隔壁と前記台形の隔壁は、前記基板の上と前記カラーフィルタユニットの間に交互に配置され、前記台形の隔壁のそれぞれは、底部幅と前記底部幅より20%~60%小さい上部幅を有する請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
基板、
前記基板上に配置された複数のカラーフィルタユニット、
前記基板上に配置され、前記カラーフィルタユニットの各々を囲むグリッド構造、および
前記グリッド構造内に埋め込まれた遮光構造を含み、
前記グリッド構造は、
ベース幅を有する前記基板に対して垂直な側面を有し、前記基板上に配置され、前記カラーフィルタユニットの間に配置された第1の隔壁、
前記基板に対して傾斜した側面を有し、前記第1の隔壁上に直接配置され、前記カラーフィルタユニットの間に配置された第2の隔壁、および
前記第2の隔壁上に直接配置され、前記カラーフィルタユニットの間に配置された第3の隔壁を含み、前記第2の隔壁の底部幅は前記ベース幅と等しく、前記第2の隔壁の上部幅は前記第3の隔壁の底部幅と等しく、前記第3の隔壁の底部幅は前記ベース幅より20%~60%小さいイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1の隔壁は第1の屈折率を有し、前記第3の隔壁は第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率は異なり、前記第2の隔壁は前記第1の屈折率または前記第2の屈折率を有し、前記第1の隔壁と前記第3の隔壁の断面は長方形であり、前記第2の隔壁の断面は台形である請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第3の隔壁の断面は半楕円形であり、前記第3の隔壁の断面は、丸みを帯びた側面および尖った上部を有する請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記グリッド構造は、さらに1つ以上の長方形の隔壁と1つ以上の台形の隔壁をさらに含み、前記長方形の隔壁と前記台形の隔壁は、前記基板の上と前記カラーフィルタユニットの間に交互に配置され、前記長方形の隔壁および前記台形の隔壁は、前記第1の屈折率および前記第2の屈折率と異なる1つ以上の屈折率をさらに含み、前記台形の隔壁のそれぞれは、底部幅と前記底部幅より20%~60%小さい上部幅を有する請求項に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関するものであり、特に、イメージセンサのグリッド構造の設計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CISとしても知られている)などのイメージセンサは、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラなどの様々な撮像装置で広く用いられている。イメージセンサの光感知ユニットは、周囲の色の変化を検出することができ、信号電荷は、光感知ユニットで受光される光の量に応じて生成されることができる。また、光感知ユニットで生成された信号電荷が伝送されて増幅されることにより、画像信号が得られる。
【0003】
産業需要を満たすために、画素サイズは継続的に縮小され、画素の精細度は継続的に強化されてきた。優れた性能を維持するために、入射光線が効果的な受光のために、隣接するカラーフィルタユニットからの光線の干渉なしに、各カラーフィルタユニット内に集光される必要がある。各カラーフィルタユニットは、カラーフィルタユニットの屈折率より低い屈折率を有するグリッド構造で区画化される。光線はより高い屈折率を有する媒体に向かう傾向があるため、グリッド構造は、隣接するカラーフィルタユニットに干渉する可能性のある光線を跳ね返すことができる。しかしながら、縮小し続ける画素に対応するためには、より革新的なグリッド構造を設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イメージセンサのより革新的なグリッド構造の設計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、イメージセンサは、基板、基板上に配置されたカラーフィルタユニット、および基板上に配置され、各カラーフィルタユニットを囲むグリッド構造を含む。グリッド構造は、基板上に配置され、カラーフィルタユニットの間に配置された第1の隔壁、および第1の隔壁上に直接配置され、カラーフィルタユニットの間に配置された第2の隔壁を含む。第2の隔壁の上部幅は、第2の隔壁の底部幅より小さい。
【0006】
もう1つの実施形態では、イメージセンサは、基板、基板上に配置されたカラーフィルタユニット、および基板上に配置され、各カラーフィルタユニットを囲むグリッド構造を含む。グリッド構造は、ベース幅を有する基板に対して垂直な側面を有し、基板上に配置され、カラーフィルタユニットの間に配置された第1の隔壁、基板に対して傾斜した側面を有し、第1の隔壁上に直接配置され、カラーフィルタユニットの間に配置された第2の隔壁、および第1の幅を有し、第2の隔壁上に直接配置され、カラーフィルタユニットの間に配置された第3の隔壁を含み、第1の幅はベース幅より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び例を読むことで、より完全に理解することができる。図面は、業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺通りに描かれていない。実際、さまざまな特徴の寸法は、明確に説明できるようにするために、任意に拡大または縮小されることがある。
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図2図2は、本開示のもう1つの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図3図3は、本開示のさらにもう1つの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのイメージセンサ間の量子効率のプロットの比較である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図6図6は、本開示のもう1つの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。
【0009】
追加のステップが、例示された方法の前、間、または後に実施されてもよく、例示された方法のその他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるか、または省略されてもよい。
【0010】
さらに、以下の詳細な説明において、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と、別の要素と特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0011】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、所定値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0012】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0013】
本開示は、以下の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0014】
グリッド構造(またはパーティショングリッド構造(partition grid structure))は、従来、各カラーフィルタユニット(対応するセンサユニットの)を他から分離し、入射光が隣接するセンサユニットの影響を受けることなく、各センサユニットの所望の色に変換され得るようにする。しかしながら、市場は、より小さい画素サイズのイメージセンサを求めており、これは各カラーフィルタユニット内の入射光線が隣接するカラーフィルタユニットに入射する可能性を間接的に高め、望ましくない。光線が各カラーフィルタユニットの下にある感知ユニットにより十分に受光されないとき、イメージセンサの量子効率が損なわれる。さらに、カラーフィルタユニット間の光の干渉は、クロストークも増加させ、イメージセンサ全体の性能を低下させる可能性がある。本開示は、上記の問題に対処するためのグリッド構造のいくつかの革新的な設計を提供する。本開示のグリッド構造は、各カラーフィルタユニット内の入射光線を対応する感知ユニットに集光させることができるため、量子効率を向上させ、クロストークを排除し、より優れたパフォーマンスを有するイメージセンサとなる。
【0015】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。イメージセンサは、実際には数百万のセンサユニットを含み得る。図1は実際のイメージセンサの一部のみを表示している。本開示のいくつかの実施形態によれば、イメージセンサ10は、基板100、複数の感知ユニット102、反射防止層104、カラーフィルタユニット106、遮光構造108、グリッド構造110、および複数のマイクロレンズ120を含む。本実施形態では、グリッド構造110は、第1の隔壁(partition wall)112、第2の隔壁114、および第3の隔壁116を含み、これらは順次に積層される。いくつかの実施形態では、第1の隔壁112および第3の隔壁116は長方形の断面を有し、第2の隔壁114は台形の断面を有する。第1の隔壁112はベース幅Wを有し、第3の隔壁116は第1の幅Wを有する。ベース幅Wは、第1の幅Wより大きい。さらに、第2の隔壁114の底部幅は、ベース幅Wと等しく、第2の隔壁114の上部幅は、第1の幅Wと等しい。
【0016】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、イメージセンサ10は、基板100を含む。いくつかの実施形態では、基板100は、例えば、ウェハまたはチップであり得るが、本開示は、それに限定されない。いくつかの実施形態では、基板100は、半導体基板、例えばシリコン基板であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半導体基板は、ゲルマニウムを含む元素半導体、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ素化インジウム(InAs)、および/またはアンチモン化インジウム(InSb)を含む化合物半導体、シリコンゲルマニウム(SiGe)合金、リン化ガリウム砒素(GaAsP)合金、リン化アルミニウムインジウム(AlInAs)合金、リン化アルミニウムガリウム(AlGaAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInP)合金、および/またはリン化ガリウムインジウム砒素(GaInAsP)合金、或いはそれらの組み合わせを含む合金半導体であってもよい。
【0017】
もう1つの実施形態では、基板100は、半導体オンインシュレータ(SOI)基板であってもよい。半導体オンインシュレータ基板は、ベースプレート、ベースプレート上に配置された埋め込み酸化物層、および埋め込み酸化物層上に配置された半導体層を含み得る。さらに、基板100は、N型またはP型の導電型であってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、基板100は、活性領域を規定し、基板100内または基板100上の活性領域要素を電気的に分離する様々な分離要素(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、分離要素は、シャロートレンチアイソレーション(STI)要素、シリコン局所酸化(LOCOS)要素、他の適切な分離要素、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、分離要素の形成は、例えば、基板100上に絶縁層を形成し、絶縁層および基板100を選択的にエッチングして、基板100内にトレンチを形成し、トレンチ内に豊富な窒素含有(例えば、酸窒化ケイ素)ライナーを成長させ、次いで絶縁材料(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素)を堆積プロセスでトレンチ内に充填し、その後、アニーリングプロセスがトレンチ内の絶縁材料に実行され、次いで基板100上に平坦化プロセスが実行されて過剰な絶縁材料を除去し、トレンチ内の絶縁材料が基板100の上面と同一平面になるようにすることを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、基板100は、例えば、イオン注入および/または拡散プロセスによって形成された様々なP型ドープ領域および/またはN型ドープ領域(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタ、フォトダイオードなどが、アイソレーション素子によって規定された活性領域に形成されてもよい。
【0020】
複数の感知ユニット102は、基板100に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、複数の感知ユニット102はフォトダイオードである。各感知ユニット102は、光を感知し、その上に当たる光の強度に応じて強度信号を生成するように構成される。画像信号は強度信号によって形成される。
【0021】
反射防止層104は、基板100上に配置される。いくつかの実施形態では、反射防止層104は、複数の感知ユニット102に送信される光の反射を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、反射防止層104は、感知ユニット102のアレイに対応して(またはそれと平行して)水平に配置される。いくつかの実施形態では、反射防止層104の材料は、SiO(ここでは、xおよびyは、0~1の範囲にある)を含み得る。反射防止層104は、任意の適切な堆積プロセスによって形成されることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、イメージセンサ10は、反射防止層104および基板100上に配置され、感知ユニット102のアレイに対応するカラーフィルタユニット106を含み得る。いくつかの実施形態では、カラーフィルタユニット106の高さは、約0.3μm~2.0μmの間であり得る。いくつかの実施形態では、カラーフィルタユニット106は、赤、緑、青、白、または赤外線に着色され得る。各カラーフィルタユニット106のそれぞれは、イメージセンサ10の各それぞれの感知ユニット102に対応することができ、ユニットの色は、イメージセンサ10の要件によって決まる。フォトダイオードなどのそれぞれの感知ユニット102は、受信した光信号を電気信号に変換することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタユニット106のそれぞれは、光の波長の所定の範囲が通過するようにさせる。例えば、赤色カラーフィルタユニットは、620nm~750nmの範囲の光(赤色光)の波長が対応する感知ユニット102に透過することを可能にし、緑色のカラーフィルタユニットは、495nm~570nmの範囲の光(緑色光)の波長が対応する感知ユニット102に透過することを可能にし、且つ青色のカラーフィルタユニットは、450nm~495nmの範囲の光(青色光)の波長が対応する感知ユニット102に透過することを可能にする。
【0024】
図1に示すように、グリッド構造110は、カラーフィルタユニット106の間に配置される。いくつかの実施形態では、グリッド構造110は、カラーフィルタユニット106のそれぞれに接続され、その周りにある。さらに、グリッド構造110は、反射防止層104および基板100上に配置され、感知ユニット102のアレイの真上の領域を露出またはアレイを区画化する。本開示のいくつかの実施形態によれば、グリッド構造110は、カラーフィルタユニット106より低い屈折率を有し得る。屈折率は、光速を変化させる物質の特性であり、真空中の光速を物質中の光速で割った値である。光が2つの異なる材料間をある角度で進むとき、その屈折率が光の透過(屈折)の角度を決める。本開示のいくつかの実施形態によれば、グリッド構造110の屈折率は、約1.0~約1.5の間であり、カラーフィルタユニット106の屈折率は、約1.3~約2.0の間である。光はより高い屈折率を有する媒体に向かう傾向があるため、カラーフィルタユニット106およびグリッド構造110は、光パイプ構造を形成して、光を複数の感知ユニット102に導くことができる。言い換えれば、入射光線がカラーフィルタユニット106に入射したとき、グリッド構造110は、特定のカラーフィルタユニット106内の入射光線を分離し、光閉じ込め機能となることができる。
【0025】
グリッド構造110の材料は、透明誘電体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、グリッド構造110の材料は、シリカボールおよび気泡(無機材料でドープされた材料)、またはポリシロキサンを含み得る。まず、グリッド材料層が反射防止層104上にコーティングされる。次に、マスク層(図示せず)がグリッド材料層上にコーティングされる。いくつかの実施形態では、マスク層の材料はフォトレジストである。フォトリソグラフィプロセスがマスク層上で行なわれ、パターニングする。次に、エッチングプロセスがパターニングされたハードマスク層を用いて、グリッド材料層に行なわれる。エッチングプロセスは、ドライエッチングであり得る。エッチングプロセスの後、反射防止層104においてグリッド材料層の一部が除去され、複数の開口がその中に形成される。続いて、開口はカラーフィルタユニット106で充填される。本開示のいくつかの実施形態によれば、複数のフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスが実施され、異なる幅を有する長方形の隔壁(第1の隔壁112および第3の隔壁116)を形成することができる。さらに、異なる炭素結合を有する材料層を堆積した後、異なるフッ素イオン濃度のエッチングガスでエッチングすることで、台形の隔壁(第2の隔壁114)となることができる。
【0026】
前述のように、本実施形態は、グリッド構造110を設計する革新的な方法を提供する。本開示のいくつかの実施形態によれば、第3の隔壁116の第1の幅Wは、第1の隔壁112のベース幅Wより約20%~60%、例えば、約20%~50%小さい。本開示のいくつかの実施形態によれば、ベース幅Wおよび第1の幅Wは、基板100に平行な横方向で測定される。第2の隔壁114は、第1の隔壁112と第3の隔壁116の間に配置される。例えば、第1の隔壁112は、第2の隔壁114の底部に隣接し、第3の隔壁116は、第2の隔壁114の上部に隣接する。本開示のいくつかの実施形態によれば、第2の隔壁114の上部幅は、第3の隔壁116の第1の幅Wと等しく、第2の隔壁114の底部幅は、第1の隔壁112のベース幅Wと等しい。第3の隔壁116の第1の幅Wは、第1の隔壁112のベース幅Wより小さいことにより、第2の隔壁114の上部幅は、第2の隔壁114の底部幅より小さくなる。従って、第2の隔壁114は、基板100に対して傾斜した側面を有し、それにより、第2の隔壁114の断面は台形に見える。本開示の結果として得られるグリッド構造110は、基板100に対して垂直な側面と傾斜した側面の両方を含む側壁を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、遮光構造108は、グリッド構造110内に埋め込まれることができ、その詳細は、後述する。従来のグリッド構造は、単一の長方形の断面を有する。アプリケーション(用途)要件により、遮光構造がシフトされることがある。遮光構造のシフト設計に対応するために、グリッド構造には十分な幅が必要である。しかしながら、グリッド構造が広くなりすぎると、すでに縮小されているカラーフィルタユニットの寸法がさらに圧縮される可能性がある。カラーフィルタユニットの寸法が小さすぎると、イメージセンサ全体の性能に深刻な影響を与える可能性がある。グリッド構造110が異なる幅の様々な部分を有するように設計することで、遮光構造のシフト設計のためのプロセスウィンドウを改善することができるだけでなく、カラーフィルタユニットの寸法は、イメージセンサの性能を維持するのに十分な大きさを保つことができる。さらに、本開示のグリッド構造110は、カラーフィルタユニット106のそれぞれを漏斗状に形成させる。入射光がカラーフィルタユニット106に「漏斗(funnel)」されるように送り込まれたとき、光線は、それぞれの感知ユニット102に向かって徐々に集光されることができる。
【0028】
前述のように、本開示のグリッド構造110は、量子効率を向上させ、クロストークを排除することができる。いくつかの実施形態では、量子効率は、光電変換(photoelectrical transferring)効率であり、これは、入射光がどれだけ効率よく電気信号に変換されることができるかを示す指標である。クロストークは、異なる光の色の信号の読み出しが所望の光の色に干渉することである。つまり、量子効率の低下やクロストークの増加は、イメージセンサの性能に影響を与える可能性があるため、好ましくない特性ということである。グリッド構造110は、上述の問題に効果的に対処し、量子効率の向上とクロストークの低減につながることができる。
【0029】
しかしながら、グリッド構造110が、共に積層された異なる幅の複数の長方形の隔壁のみを含む場合、グリッド構造は、階段状であってもよい。入射光が水平の階差面に透過されたとき、光線は、下にある感知ユニット102から離れて反射され得る。このような反射によりクロストークを排除することができても、量子効率は大幅に改善されない可能性がある。従って、図1に示されるように、傾斜した側面を用いて、異なる位置の2つの垂直な側面を接続することで、光漏れの問題を軽減することができ、カラーフィルタユニット106の導波路効果およびカラーフィルタユニット106を通過する光の量が向上する。さらに、垂直な側面と傾斜した側面の両方を統合することにより、イメージセンサ10の設計の自由度を高め、業界におけるより多くのアプリケーション要求に適合させることができる。
【0030】
図1に示すように、グリッド構造110は全高Hを有し、第1の隔壁112は第1の高さHを有する。本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の隔壁112の第1の高さHは、クロストークを排除するために、グリッド構造110の全高Hより約60%~80%低いが、これはクロストーク効果が、アクティブ領域のエッジで大幅に増加する可能性があるためである。本開示のいくつかの実施形態によれば、第2の隔壁114の傾斜した側面は、光漏れの問題を軽減するために、基板100に対して約20°~75°の内角θを有する。定義されたパラメータ(例えば、ベース幅W、第1の幅W、および内角θ)に基づいて、第2の隔壁114の高さ(本明細書ではH_114と略す)は、以下の式で求められることができる。
【0031】
【数1】
【0032】
式(1)では、ベース幅Wと第1の幅Wとの間の差は、第1の隔壁112が第3の隔壁116の対向する側壁を超えて横方向にどれだけ突出するかを定義する。次に、その差の半分は、第1の隔壁112が第3の隔壁116の片側から横方向にどれだけ突出するかを定義する。三角法(trigonometric rules)に基づいて、片側の突出寸法に内角θの接線を掛けることにより、第2の隔壁114の高さが得られることができる。
【0033】
式(1)より、第3の隔壁116の高さ(本明細書ではH_116と略す)は、以下の式で求められることができる。
【0034】
【数2】
【0035】
式(2)では、第3の隔壁116の高さは、グリッド構造110の全高Hから第1の高さHと第2の隔壁114の高さを差し引くことで簡単に計算することができる。
【0036】
傾斜面を有する第2の隔壁114を形成するために、本発明者は、異なる材料と異なるエッチングガス間の化学反応に関する様々な特性を利用する。最初に隔壁材料層は、異なる炭素結合を有する様々な層を含むようにコーティングされることができるが、これらの層の材料は異なっていてもよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、フッ素イオンは、強力な活性ガスとしてエッチャーチャンバーに導入されることができ、その際、フッ素イオン濃度は、エッチングプロセス全体を通して常に調整されることができる。いくつかの実施形態では、フッ素イオンが炭素結合と接触すると、化学反応が起こり、エッチングされにくい硬化した炭素材料が生成される。
【0037】
例えば、隔壁材料層の炭素結合は、底部に最大量を有し、上部に向かって徐々に減少するように配置されることができ、これは、炭素結合の次数が減少した材料層を連続的に堆積することにより実現されることができる。エッチングの際、活性ガス内のフッ素イオンは、最も高い濃度で開始し、炭素結合量が最も少ない最上部の材料層をエッチングすることができる。炭素結合が増加した下部の材料層のエッチングが進むにつれて、活性ガス内のフッ素イオンはそれに応じて低下されることができる。これらの条件では、硬化した炭素材料の生成が少なくなるため、グリッド材料のより大きい領域が最初に(上から)エッチングされる可能性がある。しかしながら、グリッド材料の最小領域は、より硬化した炭素材料が生成されるため、端部(底部)に向かってエッチングされる可能性がある。フッ素イオン濃度と炭素結合を正確に計算し、材料のエッチング速度を用いてエッチング時間を正確に制御することにより、第2の隔壁114の傾斜した側面が形成されることができる。炭素結合の量は、第2の隔壁114の材料の屈折率に影響を及ぼさないことに留意されたい。
【0038】
第2の隔壁114を形成するための本開示の特定の実施形態によれば、グリッド材料層の約10%~30%が順次に堆積されることができる。最下部の材料層は、炭素結合濃度が約40%~80%の間の空気シリカボール(無機材料がドープされた材料)を含み得る。最上部の材料層は、炭素結合濃度が約20%~60%の間のポリシロキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノールを含み得る。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、エッチングガスが約15%~30%の間のフッ素イオン濃度を含んでいる間、最上部の材料層をエッチングすることから開始することができる。もう1つの実施形態では、CH、CHF、CHF、CO、O、H、Arなどのエッチングガス、またはそれらの組み合わせも用いることができる。最上部の材料層の真下にある材料層をエッチングするとき、フッ素イオン濃度は約30%~50%減少されることができる。最下部の材料層をエッチングするとき、フッ素イオン濃度はゼロに調整されることができる。
【0039】
図1に示すように、遮光構造108は、カラーフィルタユニット106の間、反射防止層104と基板100の上に配置されている。本開示のいくつかの実施形態では、遮光構造108は、カラーフィルタユニット106のそれぞれを区画化するグリッド形態である。いくつかの実施形態では、遮光構造108は、グリッド構造110内に埋め込まれている。言い換えれば、遮光構造108もグリッド構造110に対応するグリッド形態である。いくつかの実施形態では、グリッド構造110の高さは、イメージセンサ10の設計要件に応じて、遮光構造108の高さより高いか、または同じであってもよい。遮光構造108の配置は、対応するカラーフィルタユニット106の下の感知ユニット102の1つが、受信される信号の精度に影響を及ぼす可能性がある、異なる色の隣接するカラーフィルタユニット106から追加の光を受光するのを防ぐことができる。本開示のいくつかの実施形態では、遮光構造108の高さは、約0.005μm~2.000μmの間であり得る。いくつかの実施形態では、遮光構造108の材料は、不透明な金属(タングステン(W)、アルミニウム(Al)など)、不透明な金属窒化物(窒化チタン(TiN)など)、不透明な金属酸化物(酸化チタン(TiO)など)、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれに限定されない。遮光構造108は、基板100上に金属層を堆積し、次にフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて金属層をパターン化することによって形成されることができるが、本開示はそれに限定されない。本開示の特定の実施形態では、遮光構造108は、アルミニウムで包まれたタングステン金属を含む埋設カラーフィルタアレイ(BCFA)であり得る。
【0040】
図1に示すように、複数のマイクロレンズ120がカラーフィルタユニット106およびグリッド構造110上に配置されている。本開示のいくつかの実施形態によれば、複数のマイクロレンズ120は、複数の感知ユニット102にそれぞれ対応し得る。本実施形態では、複数のマイクロレンズ120は基板100と平行するアレイ状に配置されることができる。いくつかの実施形態では、複数のマイクロレンズ120は、入射光を、カラーフィルタユニット106を介して基板100内の複数の感知ユニット102に集光させるように機能する。いくつかの実施形態では、複数のマイクロレンズ120の材料は、透明な材料であり得る。例えば、材料は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、他の任意の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、複数のマイクロレンズ120は、フォトレジストリフロー法、ホットエンボス法、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成され得る。いくつかの実施形態では、複数のマイクロレンズ120を形成するステップは、スピンオンコーティングプロセス、リソグラフィプロセス、エッチングプロセス、任意の他の適用可能なプロセス、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。
【0041】
図1に示されるように、いくつかの実施形態によれば、本開示のイメージセンサ10は、基板100、基板100上に配置されたカラーフィルタユニット106、および基板100上に配置され、カラーフィルタユニット106のそれぞれを囲むグリッド構造110を含む。グリッド構造110は、基板100上に配置され、カラーフィルタユニット106の間に位置する第1の隔壁112と、第1の隔壁112上に直接配置され、カラーフィルタユニット106の間に位置する第2の隔壁114と、第2の隔壁114上に直接配置され、カラーフィルタユニット106の間に位置する第3の隔壁116とを含む。第1の隔壁112の断面は長方形であり、第2の隔壁114の断面は上部幅が底部幅より小さい台形である。
【0042】
図2は、本開示のもう1つの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。図1と比較して、図2は、イメージセンサ10の代替的な実施形態を示している。基板100、複数の感知ユニット102、反射防止層104、カラーフィルタユニット106、遮光構造108、グリッド構造110、および複数のマイクロレンズ120の特徴は、図1に図示したものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。図2の遮光構造108は、グリッド構造110と完全には対応していない。例えば、遮光構造108は、グリッド構造110のいくつかの部分に埋め込まれてもよく、遮光構造108は、グリッド構造110の他の部分に存在しなくてもよい。いくつかの実施形態では、遮光構造108は、設計要件に応じて、グリッド構造の一部のみに埋め込まれてもよく、またはイメージセンサ10から完全になくなってもよい。図2に示されるように、2つ以上の隣接するカラーフィルタユニット106が同じ色である場合、または1つの感知ユニット102が隣接する感知ユニット102よりも大幅に大きい領域をカバーし得る場合、遮光構造108は、グリッド構造110の一部において、省略されてもよい。
【0043】
図3は、本開示のさらにもう1つの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。図1と比較して、図3は、イメージセンサ10の代替的な実施形態を示している。基板100、複数の感知ユニット102、反射防止層104、カラーフィルタユニット106、遮光構造108、グリッド構造110、および複数のマイクロレンズ120の特徴は、図1に図示したものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。図1および図2では、グリッド構造110全体が同じ屈折率の材料で形成されている。図3に示されたイメージセンサ10は、グリッド構造110が1つ以上の屈折率を有する材料を含み得ることを示している。本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の隔壁112は、第1の屈折率nを有し、第3の隔壁116は、第2の屈折率nを有する。本実施形態では、第2の隔壁114は、第1の屈折率n(第1の隔壁112と同じ)を有してもよく、または第2の隔壁114は、第2の屈折率n(第3の隔壁116と同じ)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第2の隔壁114は、第1の屈折率nおよび第2の屈折率nとは異なるさらに別の屈折率を有してもよいが、本開示はそれに限定されない。屈折率の違いは材料によるものではないことに留意されたい。例えば、第1の隔壁112、第2の隔壁114、および第3の隔壁116は、異なる材料で形成されても同じ屈折率を有することができる。
【0044】
図3に示されるように、いくつかの実施形態によれば、本開示のイメージセンサ10は、基板100、基板100上に配置されたカラーフィルタユニット106、および基板100上に配置され、カラーフィルタユニット106のそれぞれを囲むグリッド構造110を含む。グリッド構造110は、基板100上に配置され、カラーフィルタユニット106の間に位置した、ベース幅Wを有する基板100に対して垂直な側面を有する第1の隔壁112と、第1の隔壁112上に直接配置され、カラーフィルタユニット106の間に位置した、基板100に対して傾斜した側面を有する第2の隔壁114と、第2の隔壁114上に直接配置され、カラーフィルタユニット106の間に位置した、第1の幅Wを有する第3の隔壁116とを含み、最初の幅Wはベース幅Wより小さい。第1の隔壁112は、第1の屈折率nを有し、第3の隔壁116は、第2の屈折率nを有し、第1の屈折率nおよび第2の屈折率nは異なる。
【0045】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、従来のイメージセンサと図3に示されたイメージセンサ10との量子効率のプロットの比較である。いくつかの実施形態では、従来のイメージセンサは、同じ材料の単一の長方形の隔壁を有するグリッド構造を含む。前述のように、赤色光は620nm~750nmの波長、緑色光は495nm~570nmの波長、青色光は450nm~495nmの波長を有する。図4に示されるように、プロットは、本開示の図3に示されたイメージセンサ10の感度およびクロストークが、量子効率スペクトルに従って大幅に改善されることを示している。本開示の特定の実施形態では、イメージセンサ10の赤色光のピークは、従来のイメージセンサと比較して約2%増加され、イメージセンサ10の緑色光のピークは、従来のイメージセンサと比較して約1%増加され、イメージセンサ10の青色光のピークは、従来のイメージセンサと比較して約1%増加される。また、イメージセンサ10のクロストークは、従来のイメージセンサと比較して約0.6%減少している。シミュレーションから得られた比較データの概要は表1に示されている。
【0046】
【表1】
【0047】
表1では、項目1~3は、それぞれ赤色光、緑色光、青色光の量子効率のピークデータである。項目4~6はクロストークのデータであり、イメージセンサ10は従来のイメージセンサと比較してクロストークが大幅に減少されていることを示している。項目5では、青色光クロストークと赤色光クロストークの比率が530nmで測定されている。530nmは緑色光が属する波長域にあるため、理想的な状況では、青色光と赤色光の測定値が存在しないことに留意されたい。項目6では、青色光のクロストークと緑色光のクロストークの比率が650nmで測定されている。650nmは赤色光が属する波長域にあるため、理想的な状況では、青色光と緑色光の測定値が存在しないことに留意されたい。従って、クロストークが低減されると、イメージセンサ10が示すように、全体の性能を向上させることができる。緑色のカラーフィルタユニットはイメージセンサ全体の約50%を占めることが多く、赤色のカラーフィルタユニットと青色のカラーフィルタユニットはイメージセンサ全体の約25%をそれぞれ占めることに留意されたい。その上で、表1の項目5に示されるように、緑色のカラーフィルタユニットは、赤色光のクロストークと青色光のクロストークの影響を最も受ける可能性がある。
【0048】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。図1と比較して、図5は、イメージセンサ10の代替的な実施形態を示している。基板100、複数の感知ユニット102、反射防止層104、カラーフィルタユニット106、遮光構造108、グリッド構造110、および複数のマイクロレンズ120の特徴は、図1に図示したものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。図5に示されたイメージセンサ10のグリッド構造110の第3の隔壁116は長方形ではない。例えば、第3の隔壁116は、丸みを帯びた側面を有し得る。第3の隔壁116の上部は、丸みを帯びている(丸みを帯びた側面から続く)または尖っている(三角形状)ことができるが、本開示はそれらに限定されない。
【0049】
図5に示すように、第3の隔壁116が丸みを帯びた側面および丸みを帯びた上面を含むとき、その断面は、縦方向の楕円半径Rを有する半楕円形に類似して見えることがある。本開示のいくつかの実施形態によれば、図5に示された縦方向の楕円半径Rは、第3の隔壁116の高さと同じか、またはそれより低くてもよく、その寸法は、式(2)で測定される。第1の幅Wおよびエッチング条件に応じて、第3の隔壁116は、丸みを帯びた側面および頂角θtopを有する尖った上部を含み得る。いくつかの実施形態では、頂角θtopは、第2の隔壁114の内角θより小さい。本開示のいくつかの実施形態によれば、頂角θtopは、以下の式によって決定され得る。
【0050】
【数3】
【0051】
式(3)では、逆正接括弧内の中括弧(「{}」と表示)の式は、実際には式(2)の内容、または第3の隔壁116の高さの計算であることに留意されたい。第1の幅Wの半分と第3の隔壁116の高さの比の逆正接に2を乗算すると、頂角θtopの上限値、または頂角θtopより大きい最終値となることがある。
【0052】
図6は、本開示のもう1つの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。図1と比較して、図6は、イメージセンサ10の代替的な実施形態を示している。基板100、複数の感知ユニット102、反射防止層104、カラーフィルタユニット106、遮光構造108、グリッド構造110、および複数のマイクロレンズ120の特徴は、図1に図示したものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。図6に示されたイメージセンサ10のグリッド構造110は、3つ以上の隔壁を含むことに留意されたい。図示のように、遮光構造108がグリッド構造110の底部の隔壁内に配置されていても、遮光構造108は、1つ以上の隔壁に延在することもあることに留意されたい。言い換えれば、遮光構造108の構成は、遮光構造108がグリッド構造110内に埋め込まれている限り、グリッド構造110の構成から独立している。図3に示されたイメージセンサ10のように、グリッド構造110は、異なる屈折率を有する隔壁を含み得ることにも留意されたい。本開示のいくつかの実施形態によれば、グリッド構造110は、第1の屈折率nおよび第2の屈折率nの他に、最大10の異なる屈折率、または最大8つ以上の屈折率の材料を含み得る(例えば、n、n、n…n10)。本開示のいくつかの実施形態によれば、グリッド構造110の全ての屈折率は、約1.0~約1.5の間である。
【0053】
図6に示すように、グリッド構造110は、図1に示されているものよりも高度化されているように見えても、それらは両方ともいくつかの基本原理で結びつけられている。例えば、長方形の隔壁および台形の隔壁は、基板100上、且つカラーフィルタユニット106の間に交互に配置される。本開示のいくつかの実施形態によれば、全ての台形の隔壁は、下から隣接した長方形の隔壁の幅と同じ底部幅、および上から隣接した長方形の隔壁の幅と同じ上部幅を有する。全ての台形の隔壁では、上部幅は底部幅より約20%~60%、例えば、約20%~50%小さい。換言すれば、各台形の隔壁の上の長方形の隔壁は、その台形の隔壁の下の長方形の隔壁よりも約20%~60%、例えば、約20%~50%狭い。例えば、図6に示されるように、第1の幅Wはベース幅Wより約20%~60%(例えば、約20%~50%)小さく、第2の幅Wは、第1の幅Wより約20%~60%(例えば、約20%~50%)小さく、第3の幅Wは、第2の幅Wより約20%~60%(例えば、約20%~50%)小さい。本開示のいくつかの実施形態によれば、グリッド構造110は、その間に台形の隔壁が交互に配置された、11個もの長方形の隔壁(例えば、幅W、W、W、W…W10)を含み得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、各長方形の隔壁の高さは、グリッド構造110の全高Hより約60%~80%低い。
【0054】
図6に示すように、グリッド構造110内に合計11個までの長方形の隔壁があることができるため、これらの長方形の隔壁の間に10個もの台形の隔壁が交互に配置され得る。台形の隔壁は、約20°~75°の内角θ(例えば、θ、θ、θ…θ10)をそれぞれ有することができる。定義されたパラメータ(例えば、各台形の隔壁の上部幅と底部幅、および内角θ)に基づいて、対応する台形の隔壁の高さが式(1)を参照に決定されることができる。ベース幅Wから第1の幅Wへ、第1の幅Wから第2の幅Wへ、または第2の幅Wから第3の幅Wへの減少率は同じであっても異なっていてもよく、基板100からの昇順または降順である必要はないことに留意されたい。長方形の隔壁の幅がある程度まで減少されたとき、最上部の長方形の隔壁は、丸みを帯びた上部または尖った上部になることがあることに留意されたい(図5に示されるように)。同様に、台形の隔壁の内角θ、θ、およびθは、同じであっても異なっていてもよく、基板100から昇順または降順である必要はない。長方形の隔壁の高さH、H、およびHは、同じであっても異なっていてもよく、基板100から昇順または降順である必要はない。
【0055】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は請求項を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0056】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0057】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0058】
10 イメージセンサ
100 基板
102 感知ユニット
104 反射防止層
106 カラーフィルタユニット
108 遮光構造
110 グリッド構造
112 第1の隔壁
114 第2の隔壁
116 第3の隔壁116
120 マイクロレンズ
W ベース幅
第1の幅
第2の幅
第3の幅
H 全高
第1の高さ
、H、H 隔壁の高さ
θ、θ、θ、θ…θ10 内角
R 縦方向の楕円半径
θtop 頂角
第1の屈折率
第2の屈折率
、n、n…n10 屈折率


図1
図2
図3
図4
図5
図6