(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】3次元造形用組成物及び歯科用物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/314 20170101AFI20230428BHJP
A61C 13/00 20060101ALI20230428BHJP
A61K 6/30 20200101ALI20230428BHJP
A61K 6/60 20200101ALI20230428BHJP
A61K 6/62 20200101ALI20230428BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20230428BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20230428BHJP
C08G 18/64 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B29C64/314
A61C13/00 A
A61K6/30
A61K6/60
A61K6/62
B29C64/124
C08F290/06
C08G18/64 015
(21)【出願番号】P 2021163884
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2020530901の分割
【原出願日】2019-04-19
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2018136108
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515279946
【氏名又は名称】株式会社ジーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】苅谷 周司
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-079925(JP,A)
【文献】国際公開第2018/119026(WO,A1)
【文献】特表2020-514111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/00
A61K 6/30,6/60,6/62
B29C 64/10,64/124,64/20,64/30,
64/314,64/40
B33Y 10/00,30/00,40/00,50/00,70/00,
80/00
C08F 290/06
C08G 18/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、ポリウレタン粉末と、光重合開始剤を含有し、
前記ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの含有量が10~80質量%であり、
前記ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートの含有量が10~80質量%であり、
前記ポリウレタン粉末の含有量が3~30質量%である、3次元造形用組成物。
【請求項2】
前記ポリウレタン粉末の体積平均粒子径が1~20μmである、請求項1に記載の3次元造形用組成物。
【請求項3】
前記光重合開始剤の含有量が0.01~10質量%である、請求項1又は2に記載の3次元造形用組成物。
【請求項4】
歯列矯正用アライナーの3次元造形に用いられる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の3次元造形用組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の3次元造形用組成物を用いて、歯科用物品を3次元造形する工程を含む、歯科用物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元造形用組成物及び歯科用物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オブジェクトを3次元造形する技術が発展しており、歯科分野においても、義歯床、人工歯等の歯科用物品が3次元造形することにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、歯列を矯正するために、透明樹脂製のアライナー(マウスピース)が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、歯列矯正用アライナーを3次元造形すると、着脱時に割れが発生しやすいという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、歯列矯正用アライナーを3次元造形しても、着脱時の割れの発生を抑制することが可能な3次元造形用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、3次元造形用組成物において、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、ポリウレタン粉末と、光重合開始剤を含有し、前記ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの含有量が10~80質量%であり、前記ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートの含有量が10~80質量%であり、前記ポリウレタン粉末の含有量が3~30質量%である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、歯列矯正用アライナーを3次元造形しても、着脱時の割れの発生を抑制することが可能な3次元造形用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
【0010】
[3次元造形用組成物]
本実施形態の3次元造形用組成物は、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、ポリウレタン粉末と、光重合開始剤を含有する。
【0011】
(メタ)アクリレートとは、メタクリロイルオキシ基及び/又はアクリロイルオキシ基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基という)を有する化合物(例えば、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等)を意味する。
【0012】
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有することが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有することが特に好ましい。
【0013】
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5-トリス[1,3-ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}-2-プロポキシカルボニルアミノヘキサン]-1,3,5-(1H,3H,5H)トリアジン-2,4,6-トリオン、2,2'-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2-オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを原料とするウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを原料とするウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0014】
本実施形態の3次元造形用組成物中のウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの含有量は、10~80質量%であり、25~75質量%であることが好ましい。3次元造形用組成物中のウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの含有量が10質量%未満であると、ポリウレタン粉末が沈殿しやすくなって、3次元造形用組成物の保存安定性が低下し、80質量%を超えると、3次元造形用組成物の粘度が高くなって、歯科用物品を3次元造形しにくくなる。
【0015】
ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有することが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有することが特に好ましい。
【0016】
ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロキシプロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0017】
本実施形態の3次元造形用組成物中のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートの含有量は、10~80質量%であり、25~75質量%であることが好ましい。3次元造形用組成物中のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートの含有量が10質量%未満であると、3次元造形用組成物の粘度が高くなって、歯科用物品を3次元造形しにくくなり、80質量%を超えると、ポリウレタン粉末が沈殿しやすくなって、3次元造形用組成物の保存安定性が低下する。
【0018】
ポリウレタン粉末の体積平均粒子径は、1~20μmであることが好ましく、3~15μmであることがより好ましい。ポリウレタン粉末の体積平均粒子径が1μm以上であると、本実施形態の3次元造形用組成物の粘度がさらに低くなって、歯科用物品をさらに3次元造形しやすくなり、20μm以下であると、ポリウレタン粉末がさらに沈殿しにくくなって、本実施形態の3次元造形用組成物の保存安定性が向上する。
【0019】
本実施形態の3次元造形用組成物中のポリウレタン粉末の含有量は、3~30質量%であり、4~25質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。3次元造形用組成物中のポリウレタン粉末の含有量が3質量%未満であると、歯列矯正用アライナーを3次元造形しても、着脱時に割れが発生しやすくなり、30質量%を超えると、3次元造形用組成物の粘度が高くなって、3次元造形しにくくなる。
【0020】
光重合開始剤としては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2-メトキシエチル)ケタール、4,4'-ジメチル(ベンジルジメチルケタール)、アントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノン、1-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-ブロモアントラキノン、チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-ニトロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロ-7-トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン-10,10-ジオキシド、チオキサントン-10-オキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキサイド(TPO)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0021】
本実施形態の3次元造形用組成物中の光重合開始剤の含有量は、0.01~10質量%であり、0.1~5質量%であることが好ましい。3次元造形用組成物中の光重合開始剤の含有量が0.01質量%未満であると、3次元造形用組成物が光硬化しにくくなり、10質量%を超えると、歯科用物品を3次元造形物しても、変色しやすくなる。
【0022】
本実施形態の3次元造形用組成物は、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、重合禁止剤、安定化剤、粘度調整剤等をさらに含有していてもよい。
【0023】
本実施形態の3次元造形用組成物の形態としては、例えば、液体、ペースト等が挙げられる。
【0024】
本実施形態の3次元造形用組成物の粘度は、200~3000mPa・sであり、300~2000mPa・sであることが好ましい。3次元造形用組成物の粘度が200mPa・s未満である場合、又は、3000mPa・sを超える場合は、3次元造形しにくくなる。
【0025】
歯科用物品としては、例えば、歯科用補綴物、歯列矯正用アライナー、歯列矯正用リテーナー、サージカルガイド、スプリント(マウスピース)、インダイレクトボンディング用トレー、歯科用模型等が挙げられる。これらの中でも、歯列矯正用アライナーが好ましい。
【0026】
[歯科用物品の製造方法]
本実施形態の歯科用物品の製造方法は、本実施形態の3次元造形用組成物を用いて、3次元造形する工程を含む。
【0027】
本実施形態の3次元造形用組成物を用いて、歯科用物品を3次元造形する際に、公知の3Dプリンタを用いることができる。
【0028】
3Dプリンタの方式としては、例えば、ステレオリソグラフィー(SLA)方式、デジタルライトプロセッシング(DLP)方式等が挙げられるが、DLP方式が好ましい。
【0029】
DLP方式の3Dプリンタの市販品としては、例えば、MAX385(Asiga製)等が挙げられる。
【0030】
本実施形態の3次元造形用組成物を用いて、歯科用物品を3次元造形する方法としては、例えば、3次元造形用組成物が収容されている容器に対して、上面から光を照射する方法(自由液面法)、下面から光を照射する方法(規制液面法)等が挙げられるが、規制液面法が好ましい。
【0031】
規制液面法を用いて、3次元造形する場合、容器の下面は、光透過性を有し、容器の下方から発射された光が、容器の下面を透過して、3次元造形用組成物に照射される。
【0032】
本実施形態の3次元造形用組成物を用いて、歯科用物品を3次元造形する際に、3次元造形用組成物に照射される光としては、例えば、波長が380~450nmの紫外線、可視光線等が挙げられる。
【0033】
3次元造形用組成物に照射される光の光源としては、例えば、LEDレーザー、LEDランプ、LEDプロジェクター等が挙げられる。
【0034】
なお、本実施形態の歯科用物品の製造方法は、3次元造形物を洗浄する工程、3次元造形物を後重合する工程等をさらに含んでいてもよい。
【0035】
本実施形態の3次元造形用組成物を用いて、3次元造形することにより製造されている歯科用物品は、3点曲げ強度が10~80MPaであり、弾性率が0.2~1.8GPaであり、歪みが12~20%であることが好ましい。
【実施例】
【0036】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1~6、比較例1~4)
表1に示す配合量[質量%]で、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート、ポリウレタン粉末、光重合開始剤、重合禁止剤を混合し、3次元造形用ペーストを作製した。
【0038】
なお、表1における略号は、以下の通りである。
【0039】
UDMA:ビス(2-メタクリロイルオキシエチル)-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート(ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート)
Biss MEPP 1:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートBPE-100(新中村化学工業製)(ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート)
Biss MEPP 2:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートBPE-500(新中村化学工業製)(ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート(ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート)
TPO:(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキサイド(光重合開始剤)
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤)
ポリウレタン粉末(C-400):体積平均粒子径15μmのウレタンビーズC-400(根上工業製)
ポリウレタン粉末(C-1000):体積平均粒子径3μmのウレタンビーズC-1000(根上工業製)
【0040】
(粘度)
B型粘度計を用いて、3次元造形用ペーストの23℃における粘度を測定した。
【0041】
(歯列矯正用アライナーの作製)
CADソフトウェア Composer(Asiga製)を用いて、歯列模型に適合する歯列矯正用アライナーの形状を設計した後、DLP方式の3DプリンタMAX385(Asiga製)及び3次元造形用ペーストを用いて、歯列矯正用アライナーを3次元造形した。次に、3次元造形物をイソプロパノールで十分に洗浄した後、歯科用光重合器を用いて、3次元造形物を後重合し、歯列矯正用アライナーを作製した。
【0042】
(歯列矯正用アライナーの割れ試験)
歯列矯正用アライナーを、歯列模型に着脱させ、割れの有無を目視で確認した。なお、割れ試験は、以下の判定基準で判定した。
【0043】
優:割れが無い場合
不可:割れがある場合
【0044】
(試験片の3点曲げ試験)
CADソフトウェア Composer(Asiga製)を用いて、2×2×25mmの試験片を設計した後、DLP方式の3DプリンタMAX385(Asiga製)及び3次元造形用ペーストを用いて、試験片を3次元造形した。3次元造形物をイソプロパノールで十分に洗浄した後、歯科用光重合器を用いて、3次元造形物を後重合し、試験片を作製した。
【0045】
耐水研磨紙を用いて、試験片を研磨した後、37℃の水中で24時間保管した。次に、小型卓上試験機EZ test(Shimadzu製)を用いて、クロスヘッドスピード1mm/minで、試験片の3点曲げ試験を実施し、3点曲げ強度を測定した。また、3点曲げ強度の結果より、弾性率及び歪みを算出した。
【0046】
表1に、アライナーの割れ試験及び試験片の3点曲げ試験の結果を示す。
【0047】
【0048】
表1から、実施例1~6の3次元造形用ペーストを用いて、歯列矯正用アライナーを3次元造形すると、着脱時の割れの発生を抑制できることがわかる。
【0049】
これに対して、比較例1、2の3次元造形用ペーストは、ポリウレタン粉末を含有しないため、歯列矯正用アライナーを3次元造形すると、着脱時に割れが発生した。
【0050】
比較例3の3次元造形用ペーストは、ポリウレタン粉末の含有量が2.4質量%であるため、歯列矯正用アライナーを3次元造形すると、着脱時に割れが発生した。
【0051】
比較例4の3次元造形用ペーストは、粘度が3550mPa・sであるため、歯列矯正用アライナーを3次元造形することができなかった。
【0052】
本願は、日本特許庁に2018年7月19日に出願された基礎出願2018-136108号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。