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特許7270712ブレスレットを取り付けるためのデバイス
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  • 特許-ブレスレットを取り付けるためのデバイス 図1
  • 特許-ブレスレットを取り付けるためのデバイス 図2a
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  • 特許-ブレスレットを取り付けるためのデバイス 図3a
  • 特許-ブレスレットを取り付けるためのデバイス 図3b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ブレスレットを取り付けるためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/14 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
A44C5/14 Z
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021199814
(22)【出願日】2021-12-09
(65)【公開番号】P2022104877
(43)【公開日】2022-07-12
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】20217855.4
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507276380
【氏名又は名称】オメガ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・シルヴァン
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-136811(JP,U)
【文献】特開2019-076701(JP,A)
【文献】特開2016-010571(JP,A)
【文献】特表2005-539233(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0197400(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/14
G04B 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレスレットストランド(2)を携行型時計ケース(1)に取り付けるためのデバイスであって、
前記デバイスは、前記携行型時計ケース(1)と前記ブレスレットストランド(2)を備え、
前記ブレスレットストランドは、少なくとも1つの中央ホーン(10)及びブレスレットの端と一体的となっている少なくとも1つのインサート(20)を用いて前記携行型時計ケース(1)に固定され、
前記インサート(20)には、前記ホーン(10)に対して相補的な形の空欠部(3)があり、これによって、クリップされて一緒になることによって連係して、前記ブレスレットストランド(2)を交換可能にすることができる取り外し可能なアセンブリー手段を形成し、
前記インサート(20)には、前記インサート(20)に取り付けられた少なくとも1つの可動ピボット(23)があり、
前記可動ピボット(23)は、前記ホーン(10)の対応する穴(11)に係合するように構成しており、
前記デバイスは、前記可動ピボット(23)と一体的となっている取り扱い手段を備え、これによって、前記可動ピボット(23)が自由に動くことができ前記ブレスレットストランド(2)を組み付けること及び/又は取り外すことができる取り扱い位置と呼ばれる第1の位置から、前記可動ピボット(23)の並進運動が固定されており前記ブレスレットストランドが前記携行型時計ケース上にロックされる載置位置と呼ばれる第2の位置へと動くことができ、
前記取り扱い手段は、回転するように構成しており、円筒状本体(21)と、前記円筒状本体(21)と一体的となっている取り扱いループ(22)とを備え、
前記円筒状本体(21)は、前記インサート(20)の通路に収容され、前記取り扱いループ(22)は、前記インサート(20)のエッジに当たる
ことを特徴とする取り付けデバイス。
【請求項2】
前記円筒状本体(21)は、中空であり、前記少なくとも1つの可動ピボット(23)を受けるように構成している
ことを特徴とする請求項に記載の取り付けデバイス。
【請求項3】
前記円筒状本体(21)には、順に、第1の直径D1を有する第1のボア穴(24)、直径D2を有する第2のボア穴(25)、及び直径D3を有する第3のボア穴(26)があり、直径D1及びD3は、直径D2よりも大きい
ことを特徴とする請求項またはに記載の取り付けデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの可動ピボット(23)には、シャフト(231)と頭部(230)があり、
前記シャフト(231)は、直径D2よりもわずかに小さい直径を有し、順に第3のボア穴(26)、第2のボア穴(25)及び第1のボア穴(24)を通過し、
前記頭部(230)は、直径D3よりもわずかに小さい直径を有し、これによって、前記第3のボア穴(26)内にて載置される
ことを特徴とする請求項に記載の取り付けデバイス。
【請求項5】
前記第1のボア穴(24)は、戻し手段(4)を受けるように構成しており、
前記戻し手段(4)は、前記シャフト(231)のまわりに取り付けられ、前記シャフトに取り付けられたキー(5)を用いて前記第1のボア穴(24)内に保持され、これによって、前記戻し手段を圧縮して前記ピボットの頭部(230)を前記第3のボア穴(26)内に保持する
ことを特徴とする請求項に記載の取り付けデバイス。
【請求項6】
前記キー(5)は、前記第1のボア穴(24)の直径D1よりも小さい寸法構成を有し、これによって、前記戻し手段(4)は、前記ピボットが並進運動をしているときに圧縮されることができる
ことを特徴とする請求項に記載の取り付けデバイス。
【請求項7】
前記インサート(20)には、前記円筒状本体(21)の外側に形成される周部溝(28)と連係するように構成しているピン(27)があり、これによって、前記取り扱い手段を前記インサート内にロックする
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の取り付けデバイス。
【請求項8】
前記円筒状本体(21)には、前記周部溝(28)のすぐ近くに平らな部分(29)があり、これによって、前記平らな部分と前記ピンが整列したときに前記円筒状本体を並進運動させることができる
ことを特徴とする請求項に記載の取り付けデバイス。
【請求項9】
前記インサート(20)には、少なくとも1つのボールキャッチ(6)があり、このボールキャッチ(6)は、前記取り扱いループ(22)と連係して、前記取り扱いループ(22)を載置位置にロックするように構成している
ことを特徴とする請求項に記載の取り付けデバイス。
【請求項10】
前記取り扱いループ(22)は、載置位置において前記インサート(20)に対して平行であり、取り扱い位置において前記インサート(20)に対して垂直であり、
取り扱いループ(22)は、90度回転して1つの位置から別の位置へと動く
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の取り付けデバイス。
【請求項11】
前記インサート(20)には、U字型の空欠部(3)がある
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の取り付けデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器又は宝飾品の分野に関する。本発明は、より詳細には、ストラップ又はブレスレットを物、特に、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)のケース、に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、皮革又は金属製のストラップ又はブレスレットは、管によって形成される棒体を用いて、携行型時計ケースのホーンに取り付けられ、その管の内部には、並進運動する2つのピストンと、それらのピストンの間に配置される弾性メンバーが取り付けられ、この弾性メンバーが2つのピストンを管の外側の方へと押す。前記棒体は、ブレスレットの一端においてこの目的のために形成されるハウジングの内側に取り付けられ、前記ピストンは、ケースのホーンにおいて互いに向き合うように形成された非貫通ボア穴内にて係合する。
【0003】
このようにしてケースに取り付けられたストラップやブレスレットを取り外すには、弾性メンバーの応力に対抗してピストンを管内に押し戻してボア穴からピストンを取り外すように設計されている道具が必要である。携行型時計の着用者はこのような道具を恒久的に携帯しているわけではなく、また、このような道具を用いるのは不便であることがある。このために、このような取り付けデバイスを備えるブレスレットが一般的にはケースに恒久的に固定される。
【0004】
道具を使わずにブレスレットをケースから取り外すことができる取り付けデバイスもある。このような取り付けデバイスは、通常、ピストンをアクチュエートさせるためのメンバーが管を通して取り付けられた上記のタイプの棒体を備える。前記アクチュエートメンバーは、例えば、スイス特許文献CH327838に記載されているような、ピストンの1つと一体的となっているラジアルフィンガーである。このフィンガーは、管に形成された軸方向の溝を通して摺動可能に取り付けられ、溝に沿って動くことによってピストンの1つを管の内側に押し戻す。
【0005】
スイス特許文献CH614589は、ストラップをケースに取り付けるためのデバイスを備える携行型時計ケースを開示している。中央ホーンには、ストラップを取り付けるための棒体を挿入することができるように、ホーンの全長にわたって縦方向の円筒状の通路スリットがある。この棒体は、全長にわたって平らな部分がある円筒状であり、これによって、通路に挿入されたときに棒体が通過できるようにし、棒体が所定の角位置を占めるときに棒体を適切な位置に保持する。
【0006】
上記の取り付けデバイスは、一般的には、ユーザーが必要に応じて交換することができる交換可能なブレスレット又はストラップに用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これらの取り付けデバイスには課題がある。具体的には、上記の取り付けデバイスは、棒体の構造を大きく変えることを必要とする。例えば、管に開口を形成したり、ピストンを変形させたりする。これらの変化には、かなり大きい追加の製造コストがかかる。また、これらの取り付けデバイスには、突出要素、すなわち、アクチュエートメンバー、があり、これは、携行型時計の着用者に引っ掛かったり傷つけたりする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ブレスレットストランドを携行型時計ケースに取り付けるためのデバイスを提案することによって、前記課題を解決することを可能にする。このデバイスは、前記携行型時計ケースと前記ブレスレットを備え、前記ブレスレットは、少なくとも1つの中央ホーン及びブレスレットの端と一体的となっている少なくとも1つのインサートを用いて前記携行型時計ケースに固定され、前記インサートには、前記ホーンに対して相補的な形の凹部があり、これによって、互いにロックすることによって連係して、前記ブレスレットストランドを交換可能にすることができる取り外し可能なアセンブリー手段を形成する。
【0009】
本発明によると、前記インサートには、前記インサートに取り付けられ前記インサートにおいて前記空欠部内へと部分的に突き出ている少なくとも1つの可動ピボットがあり、前記可動ピボットは、前記ホーンの対応する穴に係合するように構成しており、前記デバイスは、前記可動ピボットと一体的となっている取り扱い手段を備え、これによって、前記可動ピボットが自由に動くことができ前記ストランドを組み付けること及び/又は取り外すことができる取り扱い位置と呼ばれる第1の位置から、前記可動ピボットの並進運動が固定されており前記ブレスレットストランドが前記携行型時計ケース上にロックされる載置位置と呼ばれる第2の位置へと動くことができる。
【0010】
本発明の他の有利な変異形態においては以下の特徴がある。
- 前記取り扱い手段は、回転するように構成しており、円筒状本体と、前記円筒状本体と一体的となっている取り扱いループとを備え、前記円筒状本体は、前記インサートの通路に収容され、前記取り扱いループは、前記インサートのエッジに当たる。
- 前記円筒状本体は、中空であり、前記少なくとも1つの可動ピボットを受けるように構成している。
- 中空である前記円筒状本体には、順に、第1の直径D1を有する第1のハウジング、直径D2を有する第2のハウジング、及び直径D3を有する第3のハウジングがあり、直径D1及びD3は、直径D2よりも大きい。
- 前記少なくとも1つの可動ピボットには、シャフトと頭部があり、前記シャフトは、直径D2よりもわずかに小さい直径を有し、第3、第2及び第1のハウジングを順に通過し、前記頭部は、直径D3よりもわずかに小さい直径を有し、これによって、前記第3のハウジング内にて載置される。
- 前記第1のハウジングは、戻し手段、例えば、らせんばね、を受けるように構成しており、前記戻し手段は、前記シャフトのまわりに取り付けられ、前記ピボットシャフトに取り付けられたキーを用いて前記第1のハウジング内に保持され、これによって、前記ピボットの頭部を前記第3のハウジング内に保持する。
- 前記キーは、前記第1のハウジングの直径D1よりも小さい寸法構成を有し、これによって、前記戻し手段は、前記ピボットが並進運動をしているときに圧縮されることができる。
- 前記インサートには、前記円筒状本体の外側に形成される周部溝と連係するように構成しているピンがあり、これによって、前記取り扱い手段を前記インサート内に保持する。
- 前記円筒状本体には、前記周部溝のすぐ近くに平らな部分があり、これによって、前記円筒状本体を並進運動させることができる。
- 前記インサートには、少なくとも1つのボールキャッチがあり、このボールキャッチは、前記取り扱いループと連係して、前記取り扱いループを第2の位置にロックするように構成している。
- 前記取り扱いループは、載置位置において前記インサートに対して平行であり、取り扱い位置において前記インサートに対して垂直であり、取り扱いループは、90度回転して1つの位置から別の位置へと動く。
- 前記インサートには、U字型の空欠部がある。
【0011】
添付の図面を参照しながら本発明に係るブレスレット取り付けデバイスの例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点が明らかになる。この例は、説明のためにのみ与えられ、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る取り付けデバイスを備える携行型時計ケースの斜視図である。
図2図2a及び2bは、携行型時計ケースに取り付けられた本発明に係る取り付けデバイスについての組み付けの前と後における断面図である。
図3図3a~3cは、本発明に係る取り付けデバイスの透過斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、腕時計と、本発明の好ましい実施形態に係る、ブレスレットを携行型時計ケース1に取り付けるためのデバイスについての詳細図である。このブレスレットストランド2を携行型時計ケース1に取り付けるためのデバイスは、一方において、ケースと一体的となっている少なくとも1つのホーンを用いて携行型時計ケース1に固定されるホーン10を備え、他方において、ブレスレットストランド2の端と一体的となっているインサート20を備え、ホーン10とインサート10は、一方を他方の内側にインターロック又はクリップするように相補的になっており、これによって、ブレスレット2を交換可能にすることができる取り外し可能なアセンブリー手段を形成する。
【0014】
図2a及び2bに示しているように、インサート20には、このインサート20内にて形成された通路に取り付けられる少なくとも1つの可動ピボット23がある。この通路はこのインサート20の自由端に近い。好ましいことに、ピボット23は、インサートの空欠部3内へと部分的に突き出て、可動ピボット23は、ホーン10における対応する穴11内にて係合するように構成している。
【0015】
本発明に係るデバイスは、可動ピボット23と一体的となっている取り扱い手段を備え、これによって、前記可動ピボット23が自由に動きストランド2を組み付けること及び/又は分解することができる取り扱い位置と呼ばれる第1の位置から、前記可動ピボット23の並進運動が固定されておりブレスレットストランドが携行型時計ケース上にてロックされている載置位置と呼ばれる第2の位置へと動く。
【0016】
図2a~2bに示しているように、携行型時計ケース1は、中央ホーン10を備え、この中央ホーン10には、両側に穴11が形成されており、この中央ホーン10の直径は、ピボット23が穴内にて自由に回転することができるようにピボット23の直径に対応している。穴11内への前記少なくとも1つのピボット23の挿入を容易にするために、中央ホーンには、ピボットを穴11に導く傾斜12がある。
【0017】
本発明によると、インサート20には、少なくとも1つのピボットがあり、このピボットは、らせん状のばねのような戻し手段4によって拘束されている。図示しているように、インサート20には、両側に配置される2つの可動ピボットがあり、これによって、各ピボットがインサート20の空欠部3に現れる。図示しているように、空欠部3はU字型であるが、もちろん空欠部3は、携行型時計ケースのホーンの形に適合するような、平行六面体、半球形、さらには楕円形のような他のタイプの形であることができる。
【0018】
また、インサート20は、当業者の要件に応じて、金属又は金属合金、工業用セラミックス、複合材料、又はプラスチック材料によって作ることができる。
【0019】
本発明によると、前記取り扱い手段は、載置位置から取り扱い位置へと回転するように構成しており、円筒状本体21と、この円筒状本体21と一体的となっている取り扱いループ22を備える。この円筒状本体21はインサート20内に形成される通路内に収容され、取り扱いループ22はインサート20のエッジに載置され、これによって、前記取り扱い手段を手動で取り扱うことができる。
【0020】
取り扱いループ22は、載置位置においてインサート20に対して平行であり、取り扱い位置においてインサート20に対して垂直であり、取り扱いループ22が90度の回転によって一方の位置から他方の位置へと動く。この回転角によって、取り扱いループ22を指で容易に取り扱うことができる。
【0021】
好ましいことに、インサート20には、少なくとも1つのボールキャッチ6があり、このボールキャッチ6は、取り扱いループ22のオリフィス220と連係し、携行型時計が着用されているとき又はブレスレットが用いられていないときに、取り扱いループ22を載置位置にロックするように構成している。
【0022】
図2a及び2bに示しているように、円筒状本体21は中空となっており、可動ピボット23を受けるように構成しており、この可動ピボット23は円筒状本体21内にて自由に回転することができる。円筒状本体21には、順に、第1の直径D1を有する第1のボア穴24、直径D2を有する第2のボア穴25、及び直径D3を有する第3のボア穴26があり、直径D1及びD3は直径D2よりも大きい。したがって、これらの3つのボア穴は、中央部分にて径が小さくなっている貫通穴を形成する。
【0023】
可動ピボット23には、シャフト231と頭部230があり、このシャフト231は、直径D2よりもわずかに小さい直径を有し、順に第3のボア穴26、第2のボア穴25及び第1のボア穴24を通過する。頭部230は、直径D3よりもわずかに小さい直径を有し、これによって、頭部230に対する止めとしてはたらく第2のボア穴25に対向するように第3のボア穴26内にて載置される。したがって、ピボット23は、止めまで第3のボア穴26を通って取り扱い手段内に挿入される。好ましいことに、ピボットの頭部230は、当該デバイスを可能なかぎり目立たないようにするために、取り扱いループ22の面と同じ平面上にある。
【0024】
本発明によると、第1のボア穴24は、戻し手段4を受けるように構成している。この戻し手段4は、シャフト231のまわりに取り付けられ、キー5を用いて第1のボア穴24内に保持される。キー5は、前記戻し手段を圧縮しピボットの頭部230を第3のボア穴26内に保持するように、ピボットシャフトに取り付けられる。
【0025】
好ましいことに、キー5は、ピボットが圧縮されたときに第1のボア穴24に入ることができるように、第1のボア穴24の直径D1よりも小さい寸法構成を有する。組み付け時に、ピボットはホーン10の傾斜12に当たり、このことには、シャフト231が穴11に入るまで、シャフト231を押し、ばね4を圧縮する効果がある。次に、ピボットは、ばね4の戻し効果の下で載置位置に戻る。この種のアセンブリーは、一方において、戻し手段によって穴11に挿入されるときにピボットを適切な位置に保持することを可能にし、他方において、第2のボア穴25に対向するように載置される頭部230を用いて取り扱い手段によって必要とされるときに前記可動ピボットを穴10から除去することを可能にする。また、当業者は、シャフトとキーによって構成しているアセンブリーを、ピボット23の頭部230にねじ込まれるねじによって置き換えることを考えることができる。
【0026】
また、本発明に係る取り付けデバイスは、取り扱い手段を保持しロックする手段を備える。この保持しロックする手段は、ブレスレットストランドの方向に対して垂直にインサートに取り付けられたピン27を備える。このピン27は、取り扱いループの近くにて円筒状本体21の外側に形成される周部溝28と連係して、取り扱い手段をインサート内に保持するように構成しており、ピン27と溝28は軸方向の保持手段を形成する。
【0027】
好ましいことに、円筒状本体21には、周部溝28のすぐ近くに平らな部分29があり、これによって、円筒状本体は、平らな部分とピンが整列するときに並進運動をすることができる。平らな部分29は、取り扱い要素を回転させて平らな部分とピンが整列して取り扱い位置となるように、円筒状本体にて角度的に配置される。
【0028】
ブレスレット2をケース1に取り付けるには、図1に示しているように、着用者はインサート20を中央ホーン10の近くに配置し、ピボットの突出部分をホーン10の傾斜12の方へと動かす。次に、着用者は、ガイド手段として機能する傾斜に対抗するようにピボットを動かす。このことによって、2つのピボットを引っ込める効果が発生する。着用者は、ピボットがホーン10の2つの穴11内に係合するまで動きを続け、ピボットは、戻し手段4の作用の下で載置位置に戻る。ピボット3が穴10に係合するときには「クリック」感があるようにブレスレットが配置され、ブレスレットが落下することを防ぎ、圧力をかけずにブレスレットをロックすることを容易にする。そして、ピボット23がホーンの穴10から並進運動して出ることができなくなるので、ブレスレットストランド2が携行型時計ケース1にロックされる。
【0029】
ブレスレットを分解するために、携行型時計の着用者は、90度回転させることによって、取り扱いループ22をその載置位置からその取り扱い位置へと回転させる。この回転には、平坦な部分29をピン27に対向するように配置する効果がある。次に、着用者は取り扱いループ22を引いて取り扱いループ22を並進運動させて動かし、ピボット23のシャフト231をホーンの穴11から取り外し、そして、ブレスレットをホーンから解放することができる。ブレスレットがホーンから解放されると、着用者は取り扱いループ22をインサート20と接触するまで押し戻し、取り扱いループを再び回転させて、取り扱いループをインサート20と平行に配置し、ボールキャッチ6を介して取り扱いループを適切な位置にロックする。
【0030】
上記の実施形態において、インサートは、ブレスレットストランド2に接続され、このブレスレットストランド2は、皮革、合成繊維、プラスチック、金属、セラミックス、又は複合材料によって作られていることができる。
【0031】
本発明の上記の様々な態様のおかげで、ブレスレットを迅速かつ容易に交換することを可能にする確実なブレスレット取り付けデバイスが提供される。
【符号の説明】
【0032】
1 携行型時計ケース
2 ブレスレットストランド
3 空欠部
4 戻し手段
5 キー
6 ボールキャッチ
10 ホーン
11 穴
20 インサート
21 円筒状本体
22 取り扱いループ
23 可動ピボット
24 第1のボア穴
25 第2のボア穴
26 第3のボア穴
27 ピン
28 周部溝
29 平らな部分
230 頭部
231 シャフト
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c