(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】未硬化ゴムのための接着性混合物
(51)【国際特許分類】
C09J 161/12 20060101AFI20230428BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20230428BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20230428BHJP
C09J 121/00 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
C09J161/12
C09J11/06
C09J11/04
C09J121/00
(21)【出願番号】P 2021504461
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2019069631
(87)【国際公開番号】W WO2020020807
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-26
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505422707
【氏名又は名称】ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン-ヨーゼフ・ヴァイデンハウプト
(72)【発明者】
【氏名】メラニー・ヴィーデマイヤー-ヤラト
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・メーゼ
(72)【発明者】
【氏名】イェンス-ヘンドリック・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ネレ・デ・スメット
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02960278(EP,A1)
【文献】特開2008-308632(JP,A)
【文献】特開2009-215515(JP,A)
【文献】K.ABHITHA et al.,Non-regulated Accelerator (DCBS/DBBS) Incorporated Natural Rubber Formulations - Cure Characteristics and Mechanical Properties,International Journal of Research and Scientific Innovation,2017年06月,pp.1-6,URL: https://www.rsisinternational.org/IJRSI/Issue42/01-06.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
C08L 7/00,9/00,
11/00,13/00,
15/00,17/00,
19/00,21/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- レゾルシノール及び/又は式(I):
【化1】
[式中、
全ての基R
1は、ステアリルを表す]
のレゾルシノールエステル、
及び、
- 少なくとも1種の、式(II):
【化2】
[式中、
全ての基R
2は、同一であるか又は異なり、水素、又は直鎖状若しくは分岐状のC
1~C
4-アルキル基、又はフェニル
基を表し、ここで、5個以
下の基R
2が水素を表す]
のメラミンホルムアルデヒドエーテル、及び/又は、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテルのポリマー、
- 少なくとも1種の、式(III):
【化3】
[式中、x=
0、及びz
=2であり
、y=1~4である]
のスルフェンアミド、
- 少なくとも1種のシリカベースの充填剤
、
を含む、接着性混合物。
【請求項2】
前記の式(III)のスルフェンアミドが、式中、x=0、y=1、及びz=2である化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の接着性混合物。
【請求項3】
接着性混合物の合計量を基準にして、レゾルシノール及び/若しくは式(I)のレゾルシノールエステル、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はポリマーを合計した比率が、20~80質量
%であり、式(III)のスルフェンアミドの比率が、0.1~10質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接着性混合物。
【請求項4】
接着性混合物がさらに、天然及び/又は合成ゴ
ムを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着性混合物。
【請求項5】
請求項4に記載の接着性混合物を製造するためのプロセスであって、
- シリカベースの充填剤を、最初に、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーで処理し、次いでレゾルシノール及び/又は式(I)のレゾルシノールエステルで処理するか、又は
- 前記シリカベースの充填剤を、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーと、式(I)のレゾルシノールエステルで同時に処理するか、又は
- 前記シリカベースの充填剤を、最初に、式(I)のレゾルシノールエステルと共に仕込み、次いで式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーで処理するか、又は
- 前記シリカベースの充填剤を、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーと、式(I)のレゾルシノールエステルとの混合物で処理するか、又は
- 式(I)のレゾルシノールエステルと、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーとを、それぞれ別個に前記シリカベースの充填剤と混合し、次いで前記混合物を組み合せ、
次いで前記充填剤を、式(III)のスルフェンアミドと共にゴムに添加する、
ことを特徴とする、プロセス。
【請求項6】
ゴム混合物中
の接着促進剤としての、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着性混合物の使用。
【請求項7】
請求項4に記載の接着性混合物を、100℃~200℃のブレンド温
度で加硫させることによって得られる加硫物。
【請求項8】
請求項7に記載の加硫物を製造するためのプロセスであって、請求項4に記載の接着性混合物を、100℃~200℃のブレンド温
度で加硫させることを特徴とするプロセス。
【請求項9】
請求項7に記載の加硫物を含む複合材料物品。
【請求項10】
タイヤ、コンベヤベルト、あらゆるタイプのベルト、Vベルト、強化ホース、消防ホース、又はコーテッドファブリックから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の複合材料物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムにおいて使用するための、レゾルシノール及び/又はレゾルシノールエステル、メラミンホルムアルデヒドエーテル、及びスルフェンアミド誘導体、及びさらにはシリカを含む接着性混合物、それらの製造、それらから製造される加硫物及び複合材料物品、並びにそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料物品たとえば、タイヤ、コンベヤベルト、あらゆるタイプのベルトたとえばVベルト、強化ホース、消防ホース、又はコーテッドファブリックは、弾性を有すると共に、引張応力又は圧縮応力にも耐えなければならない。エラストマーは、応力下で変形を受けるので、力を伝達させるためには、強度部材(strength member)が必要とされる。その応力に合わせて、そのような強度部材は、1層又は複数層の織物又はスチールコードからなっているが、いくつかの場合においては、前記コードのタイプは、相互に組み合わされている。
【0003】
エラストマーのそれぞれの強度部材に対する結合/接着を達成させるためには、いわゆる接着システムをその強度部材に直接適用してもよいし、或いはその接着システムをゴムの中に導入してもよいし、或いはその両方の方法を相互に組み合わせてもよい。
【0004】
強度部材のコーティングのために用いられる接着システムは、レゾルシノール-ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)システム及びレゾルシノール-ホルムアルデヒド・シリカ(RFS)システムと呼ばれている。いずれもが、分散系である。それら二つのシステムの主な相違点は、その媒質の極性にある。RFLシステムは、極性の媒質である水の中の分散体であるのに対して、RFSシステムは、非極性の媒質であるゴム混合物の中の分散体であると考えてよい。第三の成分、たとえばシリカベースの充填剤は、キャリヤーの機能を有していると考えられる。
【0005】
市販されている接着促進剤システムは多くの場合、レゾルシノール/レゾルシノール樹脂(いわゆるRFS接着システム)を使用しているが、それらは、タイヤ作成の際に、ファブリックインサート又はスチールコードとゴム化合物との間で採用される。ゴム混合物の中にはさらに、ホルムアルデヒド供与体とシリカも含まれている。その混合物を熱処理すると、レゾルシノールとホルムアルデヒド供与体とから、レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂が形成され、それが、ゴムと強度部材との間の結合を強化させる。
【0006】
(特許文献1)には、ゴム中、さらにはゴムベースの接着性混合物の中でジシクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド(DCBS)を使用することが開示されている。
【0007】
本発明は、ゴム加工産業のための、改良された性能プロファイルを有するゴム-ファブリック及びゴム-金属両方の接着を与えることを可能とし、しかも、そのような調製法を用いて製造された加硫物の品質を維持するのに有効な促進剤を見出すことをその目的としている。具体的には、それらのゴムの実用性能(technical properties)や、それらのインサート又はスーパーストレート(superstrate)と加硫物との間の良好な接着性能のいずれもが損なわれないようにするべきである。さらに、加工性はシンプルであるべきであるし、したがって、プロセスは低コストであるべきである。
【0008】
加硫において、架橋点及び架橋密度が重要な役割を果たしているということは、当業者のよく知るところである。
【0009】
硫黄架橋の一つの利点は、この加硫プロセスの手段によってゴム-金属間の接着を作り出すことができるというオプションである。このためには、黄銅コーティングを用いてその金属表面を被覆して、硫化できるようにする必要がある。金属合金に対するゴムの機械的な固着は、二つの物質の境界層でのCu-Sx-C構造をもたらすが、それは、加硫速度、硫黄含量、ゴムのタイプに依存する。
【0010】
広く知られていることであるが、金属表面での硫化は、加硫速度と競合関係にあり、ゴム鎖の加硫が遅いほど、金属に対するゴムの接着性が高くなり、より多くのポリスルフィド架橋点/架橋ノードが形成され、ゴムと金属との結合がより良好になる。DCBSの遅延効果は、接着にプラスの影響を与える。加硫促進剤としてのDCBSを用いて作られるゴム-金属結合は、CBSベースの結合に比べて、顕著に安定であり、耐久性がある。
【0011】
成形したゴム物品の品質は、特に、硫黄橋架け結合によって影響されるが、その場合、モノ-、ジ-、及びポリ-スルフィド結合の間では違いがある。理想的には、モノスルフィド結合のサイトの比率を、可能な限り低くするべきである。
【0012】
市販されているスルフェンアミド、たとえば、CBS(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)又はDCBS(N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)の架橋構造が、顕著に異なるということは公知である。
【0013】
同一のモル濃度のCBSでは、天然ゴム(NR)の中で、およそ、1/3のモノスルフィド(S1)、1/3のジスルフィド(S2)、及び1/3のポリスルフィド(Sx)架橋点を形成することはよく知られている。
【0014】
それとは対照的に、DCBSは、CBSに比較して、より多くのポリスルフィド架橋点を形成する。このことが、CBSベースの加硫物に比較して、高い引張強度を有する加硫物に反映される。
【0015】
さらに、ゴム接着性混合物における加速を選択して、その流動時間が、その結合が大いに実現できることを目的とした、ホルムアルデヒドの脱離の反応のため、そして樹脂形成のための、十分なマージンを残すようにするべきである。これが、加硫開始の遅延効果を有するDCBSが、時間を有し、そしてそれ自身、特に極めて有利であることを証明している理由である。当業者の知るところであるが、特にゴム-スチールコードの接着では、DCBSの使用が特に推奨されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】欧州特許出願公開第A2960278号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことには、レゾルシノール及び/若しくはレゾルシノールエステル、メラミンホルムアルデヒドエーテル、及び少なくとも1種のモノ-若しくはジ-ベンゾチアジルスルフェンアミド誘導体、そしてさらにはシリカを含む接着性混合物が、優れた接着性能を示すということが今や見出された。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、以下のものを含む接着性混合物を提供する:
- レゾルシノール及び/又は式(I)のレゾルシノールエステル
【化1】
[式中、
すべての基R
1は、同一であるか又は異なっていて、水素(レゾルシノールの場合)、又は直鎖状若しくは分岐状のC
1~C
18-アルキル基、又はフェニル基、好ましくはメチル若しくはステアリルを表す]、
及び、
- 少なくとも1種の式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル
【化2】
[式中、
すべての基R
2は、同一であるか又は異なり、水素、又は直鎖状若しくは分岐状のC
1~C
4-アルキル基、又はフェニル基、好ましくは水素又はメチル、特に好ましくはメチルを表すが、ここで、5個以下、好ましくは4個以下、特に好ましくは3個以下、極めて特に好ましくは2個以下、最も好ましくは1個以下の基R
2が水素を表す]、
及び/又は、ポリマー性の式(III)のメラミンホルムアルデヒドエーテル、
- 少なくとも1種の式(III)のスルフェンアミド
【化3】
[式中、x=0又は1、及びz=1又は2であり、zとxの合計=2であり、y=1~4である]、
- 少なくとも1種のシリカベースの充填剤、好ましくは沈降法シリカ又は熱分解法シリカ、特に好ましくは沈降法シリカ。
【0019】
好ましいレゾルシノールエステルは、式(I)の化合物である:
【化4】
[式中、R
1は、メチル及び/又はステアリルを表す]。レゾルシノールは、たとえばLANXESS Deutschland GmbHから入手可能な、市販されている化合物として用いてもよい。
【0020】
好ましい式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテルは、
【化5】
であって、式中、R
2がメチルを表しているもの、又は基R
2の2~4個がメチルを表しているものである。
【0021】
本発明の一つの実施形態においては、式(II)の化合物に代えるか又はそれに加えて、それらのポリマー、特に、二量体、三量体、又は四量体を用いることも可能であるが、それらは、それぞれの場合において、基CH2ORq(ここで、q=3、4、5、6、7又は8)に代えて、式(II)の化合物のアミノ官能基の1個又は複数を、-CH2-基及び/又は-CH2-O-CH2-基を介して、さらなる式(II)に対応する化合物に結合させた化合物を意味していると理解されたい。以下に続く本発明の各種の実施形態の記述において、「式(II)の化合物」という用語には、それらの化合物のポリマー、特に、二量体、三量体、又は四量体も含まれていると理解されたい。上述のこれらのポリマーは、市販もされている。
【0022】
式(III)の好ましい化合物は、
【化6】
であって、x=0、y=1、及びz=2である、すなわち、N,N-ジベンジル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(DBzBS)である。
【0023】
本発明において用いられる式(III)の化合物は、市販されている化合物である。代わりに、それらを、欧州特許出願公開第A721946号明細書に記載されているプロセスにより製造してもよく、たとえば、x=0、y=1、及びz=2である式(III)の好ましい化合物は、2,2’-ジベンゾチアゾリルジスルフィドをジベンジルアミンと無水アルコール中で反応させることにより得られる。
【0024】
好適に採用されるシリカベースの充填剤としては、以下のものが挙げられる:
- シリカ、特に沈降法シリカ又はヒュームドシリカ、好ましくはケイ酸塩の溶液を沈降させるか、又はハロゲン化ケイ素を火炎加水分解させて製造し、5~1000、好ましくは20~400m2/g(BET表面積)の比表面積と、10~400nmの一次粒径とを有するもの。それらのシリカは、任意選択により、他の金属酸化物たとえば、Al、Mg、Ca、Ba、Zn、Zr、Tiの酸化物との混合酸化物の形態であってもよい。
- 合成ケイ酸塩、たとえばケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルカリ土類金属、たとえば、ケイ酸マグネシウム又はケイ酸カルシウムで、20~400m2/gのBET表面積及び10~400nmの一次粒子サイズを有するもの。及び/又は
- 天然のケイ酸塩たとえば、カオリン及びその他の天然産のシリカ。
【0025】
本発明の好ましい実施形態においては、本発明における接着性混合物にはさらに、レゾルシノール及び/若しくはレゾルシノールエステル及び/又はメラミンホルムアルデヒドエーテルがそれに適用された形態の1種又は複数のシリカベースの充填剤が含まれる。
【0026】
レゾルシノール及び/又は式(I)のレゾルシノールエステル、並びに式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテルは、一般的には、相互にいかなる比率で用いてもよい。
【0027】
好ましい実施形態においては、式(I)のレゾルシノールエステルと式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテルの合計は、少なくとも20質量%である。
【0028】
特に好ましいのは、その中で、式(I)のレゾルシノール/そのレゾルシノールのエステル、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はポリマー、並びにスルフェンアミドの合計の比率が、全接着性混合物を基準にして、20~80重量%、特には25~55質量%であって、式(III)の化合物の比率が、0.1%~10質量%、好ましくは0.15%~1.5質量%である接着性混合物である。レゾルシノール/式(I)のレゾルシノールのエステル及び式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテルは、理想的には、キャリヤーとしてのシリカに適用される。
【0029】
本発明における接着性混合物においては、シリカを含む全接着性混合物を基準にして、式(I)のレゾルシノールエステル、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はポリマーを合計した比率が、好ましくは20~80質量%、特に25~55質量%であり、そして式(III)のスルフェンアミドの比率が、0.1~10質量%である。
【0030】
本発明のさらなる実施形態においては、本発明における接着性混合物にはさらに、カーボンブラック、特に、ランプブラック法、ファーネスブラック法、及び/又はガスブラック法により製造されたカーボンブラックが含まれる。
【0031】
追加の充填剤をさらに使用してもよいことが理解されよう。この目的に特に適しているのは、ランプブラック法、ファーネスブラック法、又はガスブラック法によって製造され、20~200m2/gのBET表面積を有するカーボンブラック、たとえばSAF、ISAF、IISAF、HAF、FEF、又はGPFカーボンブラックである。
【0032】
本発明におけるこれらの接着性混合物は、その混合物の個々の成分を合わせて混合することにより製造するのが好ましいが、ここで、レゾルシノール及び/又は式(I)のレゾルシノールエステル、及びメラミンホルムアルデヒドエーテルを、シリカに適用する場合が好ましい。
【0033】
本発明のさらなる実施形態においては、本発明における接着性混合物は、ゴム、架橋剤、充填剤を含み、任意選択によりさらなる添加剤を含んでもよい。
【0034】
本発明との関連において使用可能なゴムとしては、天然ゴム(NR)及び/又は合成ゴムが挙げられる。好ましい合成ゴムは、たとえば以下のものである:
BR:ポリブタジエン
ABR:ブタジエン/アクリル酸C1~C4-アルキルコポリマー
CR:ポリクロロプレン
IR:ポリイソプレン
SBR:スチレン/ブタジエンコポリマー(スチレン含量が、1~60質量%、好ましくは20~50質量%)
IIR:イソブチレン/イソプレンコポリマー
NBR:ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(アクリロニトリル含量が5~60質量%、好ましくは10~50質量%)
HNBR:部分水素化又は完全水素化NBRゴム
EPDM:エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー。
【0035】
これらのゴムは、市販されているゴムの形態で使用してもよい。
【0036】
本発明はさらに、本発明における接着性混合物を製造するためのプロセスも提供するが、そこでは:
- シリカベースの充填剤を、最初に、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーで、次いで式(I)のレゾルシノールエステルで処理するか、又は
- シリカベースの充填剤を、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマー、及び式(I)のレゾルシノールエステルで同時に処理するか、又は
- シリカベースの充填剤を、最初に、式(I)のレゾルシノールエステルで、次いで式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーで処理するか、又は
- シリカベースの充填剤を、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーと、式(I)のレゾルシノールエステルとの混合物で処理するか、又は
- 式(I)のレゾルシノールエステルと、式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテル及び/又はそれらのポリマーを、別個にそれぞれシリカベースの充填剤と混合し、次いでそれらの混合物を組み合わせる、そして
次いで、前記の充填剤を式(III)のスルフェンアミドと共にゴムに添加する。
【0037】
その混合物の中にさらなる添加剤、たとえば追加の充填剤、架橋剤、加硫促進剤、及びゴム助剤、或いはそれ以外の、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、抗酸化剤、特に、オゾン劣化防止剤、難燃剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、粘着付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、エキステンダー、有機酸、リターダー、金属酸化物、及び活性化剤、特にトリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、シラン、及び加硫戻り防止剤を用いる場合には、それらを、上述の成分と共に、ゴムの中に混ぜ込む。
【0038】
さらには、その混合プロセスにおいて、以下で説明する添加剤、たとえば追加の充填剤、架橋剤、加硫促進剤、及びゴム助剤などは、個別に添加してもよいし、或いは、各種所望の混合物の形で添加してもよい。
【0039】
接着性混合物は、インターナルミキサーと、その下流の練りロール機(mixing mill)とを用いて製造するのが好ましい。練りロール機単独で、110℃未満、好ましくは20~90℃の間の混合温度で接着性混合物を製造することも同様に可能である。
【0040】
その接着性混合物が、1種又は複数の架橋剤をさらに含んでいてもよい。そのためには、硫黄ベース又はペルオキシド系架橋剤が特に好適であり、特に好ましいのは硫黄ベースの架橋剤である。
【0041】
硫黄は、元素状の可溶性若しくは不溶性の形態、又は硫黄供与体の形態で、架橋剤として使用することができる。使用可能な硫黄供与体としては、以下のものが挙げられる:ジモルホリルジスルフィド(DTDM)、2-モルホリノジチオベンゾチアゾール(MBSS)、カプロラクタムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、及びテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)。
【0042】
原理的には、そのエラストマー混合物の架橋は、硫黄又は硫黄供与体単独で実施するか、又はさらなる加硫促進剤を併用して実施することができ、加硫促進剤の好適な代表例としては、以下のものが特に挙げられる:ジチオカルバメート、チウラム、チアゾール、キサントゲネート、ビ-若しくはポリ-環状アミン、グアニジン誘導体、ジチオホスフェート、カプロラクタム、及びチオ尿素誘導体。好適なものとしてはさらに、亜鉛ジアミンジイソシアネート、ヘキサメチレンテトラミン、1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、及び環状ジスルファンがある。本発明におけるゴム混合物に、硫黄ベースの架橋剤及び加硫促進剤が含まれているのが好ましい。
【0043】
好適に使用されるペルオキシド系架橋剤としては、以下のもの挙げられる:ビス(2,4-ジクロロベンジル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス(4-クロロベンゾイル)ペルオキシド、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、tert-ブチルペルベンゾエート、2,2-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、4,4-ジ-tert-ブチルペルオキシノニルバレレート、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルクミルペルオキシド、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ-tert-ブチルペルオキシド、及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシン。
【0044】
これらのペルオキシド系架橋剤に加えて、架橋収率を向上させるのに役立つ可能性のあるさらなる添加物を使用するのも有利となりうる:好適な例としては、以下のものが挙げられる:トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリメリテート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛ジメタクリレート、1,2-ポリブタジエン、又はN,N’-m-フェニレンジマレイミド。
【0045】
使用するのに特に好ましい架橋剤は、硫黄、酸化マグネシウム、及び/又は酸化亜鉛である。
【0046】
架橋剤及び加硫促進剤は、好ましくは0.1~10phr、特に好ましくは0.1~5phrの量で使用する。
【0047】
その接着性混合物は、さらなる添加剤たとえば以下のようなものを含んでいてもよい:反応促進剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、抗酸化剤、特にオゾン劣化防止剤、難燃剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、粘着付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、増量剤、有機酸、遅延剤、金属酸化物、及び活性化剤、特にトリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、シラン、及び加硫戻り防止剤。
【0048】
これらの添加剤は、慣用される量で使用されるが、その量は、特に、その加硫物が意図されている目的に左右される。慣用される量は、0.1~30phrである。
【0049】
特に使用される老化防止剤としては、以下のものが挙げられる:アルキル化フェノール、スチレン化フェノール、立体障害フェノール、好ましくは2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(BHT)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、エステル基を含む立体障害フェノール、チオエーテルを含む立体障害フェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)(BPH)、及びさらには立体障害チオビスフェノール。
【0050】
ゴムの変色がさほど重要でない場合には、たとえば以下のようなアミン系の老化防止剤を使用することも可能である:ジアリール-p-フェニレンジアミン(DTPD)の混合物、オクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、フェニル-α-ナフチルアミン(PAN)、フェニル-β-ナフチルアミン(PBN)、好ましくはフェニレンジアミンをベースとするもの、たとえば、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)、N-1,4-ジメチルペンチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(7PPD)、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン(77PD)。
【0051】
さらなる老化防止剤としては、たとえば以下のものが挙げられる:ホスファイト、好ましくはトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、重合化2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(TMQ)、2-メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、メチル-2-メルカプトベンズイミダゾール(MMBI)、亜鉛メチルメルカプトベンゾイミダゾール(ZMMBI)。これらは、ほとんどの場合、上述のフェノール性老化防止剤と組み合わせて使用される。ペルオキシドを用いて加硫されるNBRゴムでは主として、TMQ、MBI、及びMMBIが使用される。
【0052】
オゾン抵抗性は、たとえば以下のような抗酸化剤を使用することにより改良することができる:N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)、N-1,4-ジメチルペンチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(7PPD)、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン(77PD)、エノールエーテル、又は環状アセタール。
【0053】
加工助剤は、理想的には、ゴム粒子の間で活性を有するようになるべきであり、混合、可塑化、及び成形の際の摩擦力に抵抗できるべきである。本発明における接着性混合物の中に存在させうる加工助剤としては、プラスチックの加工で慣用されるすべての潤滑剤、たとえば以下のものが挙げられる:炭化水素たとえば、オイル、パラフィン及びPEワックス、6~20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、ケトン、カルボン酸たとえば脂肪酸及びモンタン酸、酸化させたPEワックス、カルボン酸の金属塩、カルボキサミド、及びたとえばアルコールのエタノール、脂肪族アルコール、グリセロール、エタンジオール、ペンタエリスリトールと酸成分としての長鎖カルボン酸とからのカルボン酸エステル。
【0054】
燃焼の際の、燃焼性を低下させ、発煙を抑制する目的で、本発明における接着性混合物の組成は、難燃化剤を含んでいてもよい。この目的のために使用される化合物の例としては、以下のものが挙げられる:三酸化アンチモン、リン酸エステル、クロロパラフィン、水酸化アルミニウム、ホウ素化合物、亜鉛化合物、三酸化モリブデン、フェロセン、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム。
【0055】
架橋の前に、加硫物に対してさらなる熱可塑性樹脂を添加してもよいが、それらは、たとえばポリマー性の加工助剤又は耐衝撃性改良剤として機能する。それらの熱可塑性樹脂は、好ましくは、以下のものからなる群より選択される:エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、分岐状若しくは非分岐状のC1~C10アルコールのアルコール成分を有するアクリレート及びメタクリレートをベースとするホモポリマー及びコポリマー、特に好ましいのは、C4~C8アルコール、特にブタノール、ヘキサノール、オクタノール及び2-エチルヘキサノールの群からの同一又は異なったアルコール残基を有するポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチルコポリマー、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ブチルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、塩素化ポリエチレン、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-プロピレン-ジエンコポリマー。
【0056】
好ましい実施形態においては、そのエラストマー混合物は、0.1~50phrの加硫戻り防止剤である1,6-ビス(N,N-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン(CAS No.151900-44-6)を含む。
【0057】
本発明における接着性混合物は、ゴムと、ポリアミド、ビスコース、ポリエステル、アラミド、又はスチールコードとの間、極めて特に、ゴムと紡織繊維との間の良好な接着をもたらす。
【0058】
本発明はさらに、ゴム混合物中、好ましくは硫黄架橋性ゴム混合物中、特に好ましくは天然ゴム及び/又は合成ゴムを含むゴム混合物中における接着促進剤としての、本発明による混合物の使用も提供する。
【0059】
本発明はさらに、本発明におけるゴム含有接着性混合物を、好ましくは100℃~200℃のブレンド温度、特に好ましくは130℃~180℃のブレンド温度で加硫させることにより得ることが可能な加硫物、並びに、本発明による接着性混合物を、好ましくは100℃~200℃のブレンド温度、特に好ましくは130℃~180℃のブレンド温度で加硫させることにより加硫物を製造するための、対応するプロセスも提供する。
【0060】
本発明はさらに、本発明による加硫物含む複合材料物品、好ましくは、タイヤ、コンベヤベルト、あらゆるタイプのベルト、Vベルト、強化ホース、消防ホース、又はコーティングされあファブリックの形態にあるものも提供する。
【実施例】
【0061】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、本発明を限定するものではない。
【0062】
実施例:
接着システムの製造例:
参照混合物並びにゴム混合物1及び2を、以下のようにして製造した:
【0063】
【0064】
ゴム混合物1及び2を製造するために、最初にシリカを式(II)のメラミンホルムアルデヒドエーテルと混合し、次いでレゾルシノール及びステアリン酸で処理し、その際の反応原料と使用量は、表1に記載したとおりである。次いで、それらの混合物をそれぞれ、式(III)のスルフェンアミドと混合する。
【0065】
接着性混合物1及び2からのゴム混合物の製造
インターナルミキサー中で、天然ゴムを、接着性混合物1/接着性混合物2、次いでカーボンブラック及び鉱油と、順次混合した。投入物質と使用量は、表2から明らかである。インターナルミキサーの温度は90℃未満、接着剤成分の滞留時間は5分未満だった。
【0066】
次いで、混合物に応じて、参照例の場合にはジシクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド/硫黄、或いはゴム混合物1又は2の場合には式(III)のベンゾチアジルスルフェンアミド(x=0、y=1、及びz=2)、硫黄、及びその他の成分、のいずれかを、表2に記載した量で、練りロール機上で組み込んだ。
【0067】
その練りロール機の温度は40℃未満だった。そのようにして得られた混錬したシートを、引裂き抵抗及び反発弾性の測定のために使用した。
【0068】
インターナルミキサーの温度は90℃未満だった。その接着剤成分の滞留時間は、5分未満であった。
【0069】
それらの混合物のさらなる一部を、電気加熱プレス中で加硫させた。その架橋温度は、T=150℃であり、そのプレス圧は、p=100barだった。架橋時間は、t95の転化率のところで、t=3180秒だった。
【0070】
【0071】
【0072】
ゴム混合物/加硫物の物性を測定するために、以下の測定方法を用いた。
【0073】
スコーチ性能(スコーチ時間t3及びt5):
同一の試験を上述したようにしてさらに行って、混合物のスコーチ性能を測定することができる。選択した温度は130℃だった。ローターは、トルクの値が、最小値を過ぎてから、最小値よりも5ムーニー単位上になるまで運転した(t5)。この値(単位:秒)が大きいほど、その混合物のスコーチは遅い。実務上では、300秒より長いスコーチ時間が通常は有利であるが、加工稠度及びかかる時間の面から1000秒未満であるべきである。
【0074】
引裂き抵抗(DIN 53515に準拠):
切れ目によって損傷をうけた加硫物が引裂の伝播に抵抗する力を、引裂き抵抗という。その力は、N/mmの単位で表され、「Graves angle test」法(DIN 53515)に準拠して引張試験機を使用して測定した。
【0075】
反発弾性の測定は、DIN 53512に準拠して実施した。
上述した混合物についての測定結果を表3にまとめた。
【0076】
【0077】
表4は、天然ゴム中、同一モル濃度の促進剤での架橋ノードの構造分析の結果を示している(tmax、150℃;1.7phrの硫黄)。
【0078】
【0079】
チオール-アミン法(Saville及びWatson;1967)による架橋ノード構造分析は、いろいろな反応薬剤による、様々な硫黄架橋の選択的開裂に基づいている。3つのタイプの架橋ノードを相互に区別するためには、異なる選択性を有する2種のチオールが必要である。ポリスルフィド硫黄架橋のみの開裂は、n-ヘプタン中のi-プロパンチオール及びピペリジンの0.5モル溶液を使用して行った。n-ヘプタン中のn-ヘキサンチオール及びピペリジンの1モル溶液を使用して、ジ-及びポリスルフィド架橋ノードを同時に開裂させた。モノスルフィド結合は、その分解時間内に、使用した反応薬剤とは反応しなかった。
【0080】
100%転化率(tmax)において、本発明による加硫物のためのDCBSシステムの架橋ノード構造分析は、主にポリスルフィド架橋点(58%)と、ジスルフィド架橋ノードについては38%及びモノスルフィド架橋ノードについては4%の割合という結果だった。
【0081】
驚くべきことには、DBzBS(N,N-ジベンジル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)もまた、モノスルフィド架橋点をほとんど形成せず、同程度の多数のジ-及びポリ-スルフィド架橋ノードを形成する。
【0082】
DCBSと比較してDBBSの顕著な、より長いスコーチ時間(表3参照)は加硫を遅くし、従って、個々のゴム鎖間での硫黄の架橋の形成を遅くし、それにより、Cu-Sx-C架橋を介してゴムが金属合金へ容易に固定することができる。このことが、タイヤ製造における加硫促進剤としてのDBBSの安全な使用を保証する。
【0083】
測定の結果は、本発明における接着性混合物がスコーチ性能における顕著な向上を示す(130℃における長いスコーチ時間)ことを示している。このことは、その混合物の流動時間が、結合が実現されるために、ホルムアルデヒドの脱離反応のため/樹脂形成のための十分な時間的余裕を残しているという特に有利な点を有している。
【0084】
さらには、反発弾性及び引裂き抵抗などの物理的性質が改善されると同時に、さらなる物理的パラメーター、たとえば300モジュラス及び引張強度が同程度に維持されていた。