(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】生産ラインの自動交換システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20230428BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/02 Z
(21)【出願番号】P 2021546171
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 JP2019037117
(87)【国際公開番号】W WO2021053832
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】蓑島 伸明
(72)【発明者】
【氏名】原 賢志
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/173204(WO,A1)
【文献】特開2015-188423(JP,A)
【文献】特開2012-223847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の機械を配列して構成した生産ラインの前面に沿って移動する自動交換ロボットと、前記複数台の機械の生産を管理する生産管理装置とを備え、前記自動交換ロボットは、前記複数台の機械のうちの前記生産管理装置が指示する機械の前面側へ移動して当該機械が必要とする装置を自動交換する生産ラインの自動交換システムにおいて、
前記機械で前記装置の自動交換が必要になったときに、前記自動交換ロボットが移動を開始する前に前記自動交換ロボットの移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報を作業者に予告するように構成されている、生産ラインの自動交換システム。
【請求項2】
前記生産管理装置が、前記自動交換ロボットに対して前記装置の自動交換が必要な前記機械を指示する前に前記自動交換ロボットの移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報を出力して、前記自動交換ロボットが移動を開始する前に前記移動開始時間情報を作業者に予告するように構成されている、請求項1に記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項3】
前記自動交換ロボットの移動開始時間情報の予告は、表示、音声、音、発光色、点灯・点滅パターンの少なくとも1つで行われる、請求項1
又は2に記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項4】
前記自動交換ロボットの移動開始時間情報の予告は、前記生産管理装置、前記複数台の機械、前記自動交換ロボットの少なくとも1つに設けられた表示装置、音発生装置、発光装置の少なくとも1つ、及び/又は、作業者が携帯する携帯端末を使用して行われる、請求項
3に記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項5】
前記自動交換ロボットの移動中に前記自動交換ロボットの移動を停止するまでの時間に関する移動停止時間情報を作業者に予告するように構成されている、請求項1乃至
4のいずれかに記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項6】
前記自動交換ロボットの移動停止時間情報の予告は、表示、音声、音、発光色、点灯・点滅パターンの少なくとも1つで行われる、請求項
5に記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項7】
前記自動交換ロボットの移動停止時間情報の予告は、前記生産管理装置、前記複数台の機械、前記自動交換ロボットの少なくとも1つに設けられた表示装置、音発生装置、発光装置の少なくとも1つ、及び/又は、作業者が携帯する携帯端末を使用して行われる、請求項
6に記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項8】
前記自動交換ロボットには、その周辺の監視エリア内にいる人や障害物の有無を監視する周辺監視装置が設けられ、
前記自動交換ロボットは、前記周辺監視装置が前記監視エリア内にいる人や障害物を検出したときに非常停止するように構成されている、請求項1乃至
7のいずれかに記載の生産ラインの自動交換システム。
【請求項9】
前記生産ラインは、前記複数台の機械である複数台の部品実装機を配列して構成され、 前記自動交換ロボットは、前記複数台の部品実装機のうちの前記生産管理装置が指示する部品実装機の前面側へ移動して当該部品実装機が必要とする装置であるフィーダを自動交換する、請求項1乃至
8のいずれかに記載の生産ラインの自動交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、複数台の機械を配列して構成した生産ラインの前面に沿って移動する自動交換ロボットを備えた生産ラインの自動交換システムに関する技術を開示したものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば部品実装ラインにおいては、特許文献1(国際公開WO2019/087392号公報)に記載されているように、部品実装ラインを構成する複数台の部品実装機の配列に沿って設けられた移動レーンにフィーダ自動交換ロボットを移動可能に設け、部品実装ラインの生産管理装置が複数台の部品実装機の生産を管理してフィーダ自動交換ロボットに対してフィーダの自動交換が必要な部品実装機を指示し、フィーダ自動交換ロボットが指示された部品実装機の前面側へ移動して、当該部品実装機に対してフィーダを自動交換するようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィーダ自動交換ロボットを備えた部品実装ラインにおいても、部品実装ラインの稼働中にいずれかの部品実装機でエラー等が発生した場合には、作業者が当該部品実装機の前面側へ行って点検や調整等の作業を行う場合がある。この場合、フィーダ自動交換ロボットには、その周辺の監視エリア内に人や障害物が入っていないか否かを監視する周辺監視装置が設けられ、この周辺監視装置がフィーダ自動交換ロボット周辺の監視エリア内にいる人や障害物を検出したときにフィーダ自動交換ロボットの動作が非常停止するように構成されているため、部品実装ラインの稼働中には、作業者はフィーダ自動交換ロボット周辺の監視エリア内に不用意に立ち入らないように注意を払う必要がある。
【0005】
そのため、作業者は、部品実装ラインの稼働中に部品実装機の点検や調整等の作業を行う必要が生じた場合には、フィーダ自動交換ロボットが移動を停止している期間を見計らってフィーダ自動交換ロボットに近付かないように注意を払いながら当該部品実装機の点検や調整等の作業を行うようにしている。
【0006】
しかしながら、フィーダ自動交換ロボットの移動は、作業者の意思とは関係なく、自動制御され、作業者はフィーダ自動交換ロボットが移動停止状態からいつ移動を開始するか分からないため、作業者の作業中に突然フィーダ自動交換ロボットが移動を開始してしまうことがある。その結果、移動を開始したフィーダ自動交換ロボットが作業者に近付いてきてフィーダ自動交換ロボットの動作が非常停止してしまい、作業者がフィーダ自動交換ロボットのフィーダ自動交換動作を妨げてしまう。
【0007】
以上説明した課題は、フィーダ自動交換ロボットを備えた部品実装ラインに限らず、複数台の機械を配列して構成した生産ラインの前面に沿って移動する自動交換ロボットを備えた生産ラインに共通する課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、複数台の機械を配列して構成した生産ラインの前面に沿って移動する自動交換ロボットと、前記複数台の機械の生産を管理する生産管理装置とを備え、前記自動交換ロボットは、前記複数台の機械のうちの前記生産管理装置が指示する機械の前面側へ移動して当該機械が必要とする装置を自動交換する生産ラインの自動交換システムにおいて、前記機械で前記装置の自動交換が必要になったときに、前記自動交換ロボットが移動を開始する前に前記自動交換ロボットの移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報を作業者に予告するように構成されている。
【0009】
この構成では、前記機械で前記装置の自動交換が必要になったときに、自動交換ロボットが移動を開始する前に自動交換ロボットの移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報が作業者に予告されるため、作業者は、自動交換ロボットの移動停止中に生産ラインのいずれかの機械に対して点検や調整等の作業を行っているときに、作業者は、予告される移動開始時間情報に基づいて自動交換ロボットが移動を開始するまでの時間を知ることができ、その時間内に点検や調整等の作業を済ませてその位置から離れることができる。これにより、作業者が自動交換ロボットの自動交換動作を妨げることを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は一実施例における部品実装ライン全体の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2はフィーダ自動交換ロボットと部品実装機の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図3はフィーダ自動交換ロボット付きの部品実装ラインの制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は移動開始時間情報と移動停止時間情報の予告の表示例を示す表示装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をフィーダ自動交換ロボット26を備えた部品実装ライン10に適用して具体化した一実施例を説明する。
【0012】
まず、
図1及び
図2に基づいて部品実装ライン10の構成を説明する。
部品実装ライン10(生産ライン)は、回路基板11の搬送方向(X方向)に沿って複数台の部品実装機12(機械)を1列に配列して構成され、該部品実装ライン10の基板搬入側には、回路基板11に半田を印刷する半田印刷機(図示せず)やカセット式のフィーダ14を保管するフィーダ保管装置19等が設置されている。
【0013】
図2に示すように、各部品実装機12には、回路基板11を搬送する2本のコンベア13と、複数のカセット式のフィーダ14を交換可能にセットするフィーダセット台24(
図1参照)と、このフィーダセット台24にセットしたカセット式のフィーダ14から供給される部品を吸着して回路基板11に実装する吸着ノズル(図示せず)を保持する実装ヘッド15と、この実装ヘッド15をXY方向(左右前後方向)に移動させるヘッド移動装置16と、吸着ノズルに吸着した部品をその下方から撮像する部品撮像用カメラ17(
図3参照)等が設けられている。ヘッド移動装置16には、回路基板11の基準マーク(図示せず)を撮像するマーク撮像用カメラ18(
図3参照)が実装ヘッド15と一体的にXY方向に移動するように取り付けられている。
【0014】
その他、
図3に示すように、部品実装機12の制御装置20には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置21と、制御用の各種プログラムや各種データ等を記憶するHDD、SSD、ROM、RAM等の記憶装置22と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置23等が設けられている。各部品実装機12の制御装置20は、部品実装ライン10全体の生産を管理する生産管理コンピュータ70(生産管理装置)とネットワークで接続され、該生産管理コンピュータ70によって部品実装ライン10の各部品実装機12の生産が管理される。
【0015】
部品実装ライン10の各部品実装機12は、上流側の部品実装機12から搬送されてくる回路基板11をコンベア13によって所定位置まで搬送してクランプ機構(図示せず)で該回路基板11をクランプして、該回路基板11の基準マークをマーク撮像用カメラ18で撮像して該基準マークの位置(該回路基板11の基準位置)を認識すると共に、各フィーダ14から供給される部品を、実装ヘッド15の吸着ノズルで吸着して、その吸着位置から撮像位置へ移動させて、該部品をその下面側から部品撮像用カメラ17で撮像して該部品の吸着位置ずれ量等を判定した後、その吸着位置ずれ量を補正するように実装ヘッド15を移動させて該部品をコンベア13上の回路基板11の所定位置に実装して部品実装基板を生産する。
【0016】
図1に示すように、部品実装ライン10の前面側には、各部品実装機12のフィーダセット台24へのフィーダ14のセット及び/又は取り外し(以下「自動交換」という)を行うフィーダ自動交換ロボット26(自動交換ロボット)が設置されている。各部品実装機12のフィーダセット台24の下方には、当該フィーダセット台24にセットする複数のフィーダ14を収納するストック部71が設けられている。
【0017】
生産管理コンピュータ70は、部品実装ライン10の各部品実装機12の生産(フィーダ14の配置や部品切れ等)を管理して、いずれかの部品実装機12でフィーダ14の自動交換が必要になったときに、フィーダ自動交換ロボット26の制御装置90に対してフィーダ14の自動交換が必要な部品実装機12を指示し、フィーダ自動交換ロボット26が指示された部品実装機12の前面側へ移動して当該部品実装機12のフィーダセット台24から交換対象のフィーダ14を取り出してストック部71に回収すると共に、ストック部71から必要なフィーダ14を取り出して当該フィーダセット台24にセットするようにしている。尚、フィーダ自動交換ロボット26は、自動交換指示に応じて、フィーダセット台24から取り出したフィーダ14をストック部71に回収するだけの作業を行う場合もあり、その反対に、ストック部71から取り出したフィーダ14をフィーダセット台24の空きスロットにセットするだけの作業を行う場合もある。
【0018】
部品実装ライン10の前面側には、フィーダ自動交換ロボット26を部品実装機12の配列に沿ってX方向(左右方向)に移動させるガイドレール75が部品実装ライン10全体にX方向に延びるように設けられている。ガイドレール75の基板搬入側は、フィーダ保管装置19まで延長され、フィーダ自動交換ロボット26がフィーダ保管装置19の前面側へ移動して、フィーダ自動交換ロボット26がフィーダ保管装置19から自動交換に必要なフィーダ14を取り出したり、使用済みのフィーダ14をフィーダ保管装置19内に戻すようにしている。
【0019】
フィーダ自動交換ロボット26には、部品実装ライン10に対するフィーダ自動交換ロボット26の位置を検出する位置検出装置34(
図3参照)が設けられている。フィーダ自動交換ロボット26の制御装置90は、生産管理コンピュータ70によっていずれかの部品実装機12のフィーダ14の自動交換が指示されたときに、位置検出装置34の検出信号によりフィーダ自動交換ロボット26の位置を検出しながらフィーダ14の自動交換が指示された部品実装機12の前面側へ移動してフィーダ14の自動交換を行う動作を制御するようになっている。
【0020】
尚、フィーダ自動交換ロボット26は、フィーダ14の自動交換の他に、図示はしないが、交換用の吸着ノズルを収容したカセット式のノズル交換ユニットや、キャリブレーション用部品を供給するカセット式のキャリブレーション用部品供給ユニット等についてもフィーダセット台24に対して自動交換できるようにしても良い。
【0021】
また、フィーダ自動交換ロボット26には、当該フィーダ自動交換ロボット26の周辺の監視エリアを監視する周辺監視装置80が設けられている。この周辺監視装置80は、フィーダ自動交換ロボット26の前面下部の移動方向両側(X方向とその反対方向)に設置された2つのセーフティレーザスキャナ82,83により構成されている。各セーフティレーザスキャナ82,83は、各監視エリアに照射するレーザ光の照射角度を変化させて各監視エリア内をレーザ光でスキャンし、検出対象に当たって反射したレーザ光を受光することで、各監視エリア内に侵入した検出対象を検出する安全センサである。各セーフティレーザスキャナ82,83の検出エリアである各監視エリアの広さや形状は、ユーザー側で任意に変更可能となっている。
【0022】
各監視エリアは、このエリア内に人や障害物が侵入してきたときに、それらとフィーダ自動交換ロボット26との衝突を回避するためにフィーダ自動交換ロボット26の駆動系の電源である動力電源を遮断してフィーダ自動交換ロボット26の動作を非常停止させるエリアである。セーフティレーザスキャナ82,83のいずれかが監視エリア内への人や障害物の侵入を検出するとフィーダ自動交換ロボット26の動力電源が遮断されるが、この動力電源の遮断中も、周辺監視装置80及びフィーダ自動交換ロボット26の制御系の電源である制御電源が維持され、周辺監視装置80が各監視エリア内への人や障害物の侵入の有無を監視して、監視エリア内に侵入した人や障害物が監視エリアから出ていったときに、直ちにフィーダ自動交換ロボット26の動力電源を復帰させてフィーダ自動交換ロボット26の動作を再開できるようになっている。
【0023】
ところで、部品実装ライン10の稼働中にいずれかの部品実装機12でエラー等が発生して部品実装機12の点検や調整等の作業を行う必要が生じた場合には、作業者は、フィーダ自動交換ロボット26が移動を停止しているときにフィーダ自動交換ロボット26周辺の監視エリア内に不用意に立ち入らないように注意を払いながら当該部品実装機26の点検や調整等の作業を行うようにしている。その際、突然フィーダ自動交換ロボット26が移動を開始すると、フィーダ自動交換ロボット26が作業者に近付いてきてフィーダ自動交換ロボット26の動作が非常停止してしまう可能性がある。
【0024】
そこで、本実施例では、フィーダ自動交換ロボット26が移動を開始する前に、フィーダ自動交換ロボット26の移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報を作業者に予告するように構成している。具体的には、生産管理コンピュータ70は、部品実装ライン10の各部品実装機12の生産(フィーダ14の配置や部品切れ等)を管理して、いずれかの部品実装機12でフィーダ14の自動交換が必要になったときに、フィーダ自動交換ロボット26の制御装置90に対してフィーダ14の自動交換が必要な部品実装機12を指示する前に、フィーダ自動交換ロボット26の移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報を出力して移動開始時間情報を作業者に予告し、その時間経過後にフィーダ自動交換ロボット26の移動を開始するようにしている。更に、生産管理コンピュータ70は、フィーダ自動交換ロボット26の移動中にフィーダ自動交換ロボット26の移動を停止するまでの時間に関する移動停止時間情報を出力して移動停止時間情報を作業者に予告する。
【0025】
この場合、フィーダ自動交換ロボット26の移動開始/停止時間情報の予告は、表示、音声、ブザー音等の音、発光色、点灯・点滅パターンの少なくとも1つで行われる。この移動開始/停止時間情報の予告は、生産管理コンピュータ70、部品実装機12、フィーダ自動交換ロボット26の少なくとも1つに設けられた表示装置76,23,91、音発生装置(ブザー、スピーカ等)、発光装置(シグナルタワー等)の少なくとも1つ、及び/又は、作業者が携帯する携帯端末(スマートフォン、タブレット等)を使用して行われる。
【0026】
移動開始/停止時間情報の予告を表示で行う場合には、例えば、
図4に示すように、表示装置76,23,91の少なくとも1つに、フィーダ自動交換ロボット26の移動開始までの時間と移動停止までの時間を秒単位で連続的に表示したり、数秒間隔、5秒間隔、10秒間隔等で段階的に表示しても良い。この際、移動開始/停止時間が短くなるに従って表示時間の更新周期を短くするようにしても良い。
【0027】
ブザー音等の音で予告する場合には、移動開始/停止時間が短くなるに従って、音のオン/オフの周期を短くしたり、音量を大きくしたり、音色を変化させたりして、移動開始/停止時間情報を予告するようにすれば良い。
【0028】
発光装置(シグナルタワー等)の発光色や点灯・点滅パターンで移動開始/停止時間情報を予告する場合は、予め発光色や点灯・点滅パターンと時間との関係を決めておき、移動開始/停止時間が短くなるに従って、発光色や点灯・点滅パターンを変化させて移動開始/停止時間情報を予告するようにすれば良い。
【0029】
移動開始/停止時間情報の予告を携帯端末で行う場合には、表示や音声、ブザー音等の音で移動開始/停止時間情報を予告したり、携帯端末のバイブレーション機能を利用して、移動開始/停止時間が短くなるに従って、携帯端末の振動周期を短くして移動開始/停止時間情報を予告するようにしても良い。
【0030】
フィーダ自動交換ロボット26の移動中には、音声、ブザー音等の音、音楽を鳴らして、作業者がフィーダ自動交換ロボット26を見なくても、フィーダ自動交換ロボット26が移動中であるか否かを作業者が容易に分かるようにしても良い。
【0031】
以上説明した本実施例では、フィーダ自動交換ロボット26が移動を開始する前に、フィーダ自動交換ロボット26の移動を開始するまでの時間に関する移動開始時間情報を作業者に予告するように構成されているため、作業者は、フィーダ自動交換ロボット26の移動停止中に部品実装ライン10のいずれかの部品実装機12に対して点検や調整等の作業を行っているときに、作業者は、予告される移動開始時間情報に基づいてフィーダ自動交換ロボット26が移動を開始するまでの時間を知ることができ、その時間内に点検や調整等の作業を済ませてその位置から離れることができる。これにより、作業者がフィーダ自動交換ロボット26の自動交換動作を妨げることを未然に防止できる。
【0032】
しかも、本実施例では、フィーダ自動交換ロボット26の移動中にフィーダ自動交換ロボット26の移動を停止するまでの時間に関する移動停止時間情報を作業者に予告するように構成されているため、作業者は、フィーダ自動交換ロボット26の移動を監視していなくても、予告される移動停止時間情報に基づいてフィーダ自動交換ロボット26が移動を停止するまでの時間を知ることができる。これにより、作業者は、フィーダ自動交換ロボット26の移動停止後に直ちに部品実装機12の点検や調整等の作業を開始することができ、作業性を向上できる。
【0033】
尚、本実施例は、本発明をフィーダ自動交換ロボット26を備えた部品実装ライン10に適用した実施例であるが、これに限定されず、複数台の機械を配列して構成した生産ラインの前面に沿って移動する自動交換ロボットを備えた生産ラインに適用して実施しても良い。
【0034】
その他、本発明は、上記実施例の構成に限定されず、例えば、部品実装ライン10の構成を適宜変更したり、部品実装機12の構成を適宜変更したり、フィーダ自動交換ロボット26の構成を適宜変更して実施しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
10…部品実装ライン(生産ライン)、11…回路基板、12…部品実装機(機械)、14…カセット式のフィーダ(装置)、15…実装ヘッド、20…部品実装機の制御装置、23…表示装置、24…フィーダセット台、26…フィーダ自動交換ロボット(自動交換ロボット)、70…生産管理コンピュータ(生産管理装置)、76…表示装置、80…周辺監視装置、82,83…セーフティレーザスキャナ、90…フィーダ自動交換ロボットの制御装置、91…表示装置