(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】キャップ付き自動注射装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20230428BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
A61M5/20 572
A61M5/20 550
A61M5/20 500
A61M5/20 510
A61M5/32 510K
(21)【出願番号】P 2021550000
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2020055008
(87)【国際公開番号】W WO2020173995
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-10-14
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ベッソン
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン プルヴィエ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0144132(US,A1)
【文献】特表2014-503282(JP,A)
【文献】特表2017-508548(JP,A)
【文献】特表2016-538058(JP,A)
【文献】特表2018-535052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0007765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置(10)であって、
ハウジング(26、28、46)と、
バレル(52)、ストッパー(54)、カニューレ(56)、および、前記カニューレ(56)の少なくとも一部を受容する、剛性針シールド(58)を含む、注射器アセンブリ(16)であって、前記注射器アセンブリ(16)の少なくとも一部は、前記ハウジング(26、28、46)内に配置された、前記注射器アセンブリ(16)と、
駆動アセンブリ(40)の作動で、前記バレル(52)内で、前記ストッパー(54)を移動させるように構成された、前記駆動アセンブリ(40)であって、前記駆動アセンブリ(40)の少なくとも一部は、前記ハウジング(26、28、46)内に配置された、前記駆動アセンブリ(40)と、
ハウジング(26、28、46)に固定されたキャップ(18)であって、前記キャップ(18)は、内部空間(118)を画定する外側部分(20)と、除去突起(164)を備える本体(162)を含むリテーナ(160)とを含み、前記除去突起(164)は、前記キャップ(18)の前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動で、前記剛性針シールド(58)を取り外すように構成された、前記キャップ(18)と、
前記カニューレ(56)が針カバー(22)内に配置される使用前位置、前記駆動アセンブリ(40)が作動させられる作動位置、および、前記カニューレ(56)が前記針カバー(22)内に配置される使用後位置を有する、前記針カバー(22)であって、前記外側部分(20)は前記針カバー(22)の一部を受容し、前記外側部分(20)は、前記針カバー(22)の、前記使用前位置から前記作動位置への移動を防止するように構成される、前記針カバー(22)と、
を含
み、
前記リテーナ(318)は、前記リテーナ(318)の前記本体から半径方向外向きに延びる、一対の翼部(382)を含み、各翼部(382)は、前記キャップ(316)の前記外側部分から半径方向内向きに延びるリブ(380)、又は、リテーナクリップ(378)と係合するように構成されることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の薬物送達装置(10)であって、前記外側部分(20)が、前記針カバー(22)によって画定されるキャップ開口部(122)によって受容される突出部(120)を含み、
前記外側部分(20)の前記突出部(120)は、前記針カバー(22)
が、前記使用前位置から前記作動位置へ
と移動
する場合、前記針カバー(22)と係合するように構成されることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の薬物送達装置(10)であって、前記リテーナ(160)の一部は、前記キャップ(18)の前記外側部分(20)の前記内部空間(118)内に受容され、前記リテーナ(160)は、前記外側部分(20)に
対して半径方向に固定され、前記外側部分(20)に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項4】
請求項3に記載の薬物送達装置(10)であって、前記外側部分(20)は、前記リテーナ(160)の前記本体(162)によって画定された、リテーナ開口部(168)によって受容される保持タブ(166)を含み、前記保持タブ(166)は、前記外側部分(20)が前記ハウジング(26、28、46)に固定されるとき、前記リテーナ(160)の前記本体(162)から外れ、前記外側部分(20)の前記保持タブ(166)は、前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動、および、前記リテーナ(160)に対する前記外側部分(20)の軸方向の移動で、前記リテーナ(160)と係合するように構成されることを特徴とする薬物送達装置(10)
。
【請求項5】
請求項4に記載の薬物送達装置(10)であって、前記保持タブ(166)は、前記リテーナ(160)の前記リテーナ開口部(168)を通って、半径方向外向きに延びることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項6】
請求項4に記載の薬物送達装置(10)であって、前記外側部分(20)の前記保持タブ(166)は、延長アーム(174)を介して、前記外側部分(20)の前記本体(116)に固定され、前記保持タブ(166)は、前記延長アーム(174)を介して、半径方向内向きに移動可能であることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項7】
請求項1-
6のいずれか一項に記載の薬物送達装置(10)であって、前記リテーナ(160)は、前記外側部分(20)が前記ハウジング(26、28、46)に固定されるとき、前記外側部分(20)と係合するフランジ(176)を含むことを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項8】
請求項
7に記載の薬物送達装置(10)であって、前記リテーナ(160)のフランジ(176)は、前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動で、前記外側部分(20)から離間させられることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項9】
請求項1-
8のいずれか一項に記載の薬物送達装置(10)であって、前記除去突起(164)の表面(184)は、平面であり、前記剛性針シールド(58)の対応する表面(186)は、平面であることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項10】
請求項1-
9のいずれか一項に記載の薬物送達装置(10)であって、前記リテーナ(160)の前記本体(162)は、第1の端部(178)、および、前記第1の端部に対向して配置された第2の端部(180)を含み、除去突起(164)が、除去アーム(182)を介して、前記リテーナ(160)の前記本体(162)から、半径方向内向きに延び、前記除去アーム(182)は、半径方向内向きに、前記本体(162)の前記第2の端部(180)から前記本体(162)の前記第1の端部(178)に延びる方向に延びることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項11】
請求項1
0に記載の薬物送達装置(10)であって、前記除去突起(164)は、前記除去アーム(182)を介して、前記リテーナ(160)の前記本体(162)に対して移動可能であることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項12】
請求項1-1
1のいずれか一項に記載の薬物送達装置(10)であって、さらに、前記ハウジング(26、28、46)内に配置された注射器ホルダー(24)を含み、前記注射器ホルダー(24)は、前記注射器アセンブリ(16)を受容し、前記注射器ホルダー(24)は、前記ハウジング(26、28、46)に対して移動可能であり、前記外側部分(20)が、前記ハウジング(26、28、46)に固定されるとき、前記注射器ホルダー(24)は、前記駆動アセンブリ(40)から外れ、前記注射器ホルダー(24)は、前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動で、前記駆動アセンブリ(40)と係合することを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項13】
請求項1-1
2のいずれか一項に記載の薬物送達装置(10)であって、前記除去突起(164)の表面(184)は、前記剛性針シールド(58)の対応する表面(186)と係合するように構成されて、前記キャップ(18)の前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動で、前記剛性針シールド(58)を取り除き、前記除去突起(164)の前記表面(184)は、前記外側部分(20)が前記ハウジング(26、28、46)に固定されるとき、前記剛性針シールド(58)の前記対応する表面(186)から外れることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項14】
請求項1
3に記載の薬物送達装置(10)であって、
前記外側部分(20)が、前記針カバー(22)によって画定されるキャップ開口部(122)によって受容される突出部(120)を含み、
前記外側部分(20)の前記突出部(120)は、前記針カバー(22)が、前記使用前位置から前記作動位置へと移動する場合、前記キャップ開口部(122)と係合するように構成され、
前記除去突起(164)の前記表面(184)が、前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動で、前記剛性針シールド(58)の前記対応する表面(186)と係合する前に、
前記突出部(120)が、
前記キャップ開口部(122)から取り除かれるように構成されることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【請求項15】
請求項1-1
4のいずれか一項に記載の薬物送達装置(10)であって、前記外側部分(20)が、ロック突起(112)およびロック凹部(114)のうちの1つを含み、前記ハウジング(26、28、46)が、前記ロック突起(112)および前記ロック凹部(114)の他の1つを含み、前記ロック突起(112)は、前記ロック凹部(114)によって受容されて、前記外側部分(20)を前記ハウジング(26、28、46)に固定し、前記ロック突起(112)は、前記外側部分(20)の、前記ハウジング(26、28、46)から離れる、軸方向の移動で、前記除去突起(164)の表面(184)が、前記剛性針シールド(58)の対応する表面(186)と係合する前に、前記ロック凹部(114)から分離されることを特徴とする薬物送達装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬物送達装置、より具体的には、自動注射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの自動注射装置が開発され、薬液や他の液体治療製剤が、訓練を受けていない人によって投与されること、または、自己注射されることを可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、これらの装置は、液体治療製剤を事前充填されたリザーバーと、使用者によってトリガーされ得る、ある種の自動針注射メカニズムを含む。自動注射器などのこれらの装置の多くは、事前充填されたシリンジなどのリザーバーが、装置の組み立て中に、装置に組み付けられるように設計される。針注入メカニズムを自動的に展開することに加えて、多くの薬物送達装置は、また、装置の使用後に、針を自動的に遮蔽して、針とのいかなる意図されない接触をも防止する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、薬物送達装置は、ハウジングと、バレル、ストッパー、カニューレ、および、カニューレの少なくとも一部を受容する剛性の針シールドを含む注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部は、ハウジング内に配置される、注射器アセンブリと、駆動アセンブリの作動で、バレル内のストッパーを移動させるように構成された、駆動アセンブリであって、駆動アセンブリの少なくとも一部がハウジング内に配置された、駆動アセンブリと、ハウジングに固定されたキャップであって、内部空間を画定する外側部分と、キャップの外側部分の、ハウジングから離れる軸方向の移動で、剛性の針シールドを除去するように構成された除去突起を備えた、本体を含むリテーナを含む、キャップと、カニューレが針カバー内に配置される使用前位置と、駆動アセンブリが作動させられる作動位置と、カニューレが針カバー内に配置される使用後位置とを有する、針カバーとを含む。外側部分は、針カバーの一部を受容し、外側部分は、針カバーの使用前位置から作動位置への移動を防止するように構成される。
【0005】
外側部分は、針カバーによって画定されるキャップ開口部によって受容される突起を含み、外側部分の突起は、使用前位置から作動位置への針カバーの移動で、針カバーと係合するように構成される。
【0006】
リテーナの一部は、外側部分の内部空間内に受容され得、リテーナは、外側部分に固定され、外側部分に対して、軸方向に移動可能である。外側部分は、リテーナの本体によって画定されるリテーナ開口部によって受容される保持タブを含み得、保持タブは、外側部分がハウジングに固定されるときに、リテーナの本体から外れ、外側部分の保持タブは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動、および、リテーナに対する外側部分の軸方向の移動で、リテーナと係合するように構成される。リテーナは、リテーナの本体から半径方向外側に延びる一対の翼部を含み得、各翼部は、外側部分の本体から半径方向内側に延びるリブと係合するように構成される。
【0007】
保持タブは、リテーナのリテーナ開口部を通って半径方向外向きに延び得る。外側部分の保持タブは、延長アームを介して、キャップの本体に固定され得、保持タブは、延長アームを介して、半径方向内側に移動可能である。リテーナは、外側部分がハウジングに固定されるときに、外側部分と係合するフランジを含み得る。リテーナのフランジは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、外側部分から離間させられ得る。除去突起の表面は、平面であり得、剛性針シールドの対応する表面は、平面であり得る。
【0008】
リテーナの本体は、第1の端部と、第1の端部に対向して配置された第2の端部を含み得、除去突起は、除去アームを介して、リテーナの本体から半径方向内向きに延び、除去アームは、半径方向内向きに、本体の第2の端部から第1の端部に延びる方向に延びる。除去突起は、除去アームを介して、リテーナの本体に対して移動可能であり得る。
【0009】
装置は、さらに、ハウジング内に配置された注射器ホルダーを含み得、注射器ホルダーは注射器アセンブリを受容し、注射器ホルダーはハウジングに対して移動可能である。注射器ホルダーは、外側部分がハウジングに固定されるときに、駆動アセンブリから外れ、注射器ホルダーは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、駆動アセンブリと係合する。
【0010】
除去突起の表面は、剛性針シールドの対応する表面と係合して、キャップの外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、剛性針シールドを除去するように構成され得、除去突起の表面は、外側部分がハウジングに固定されるとき、剛性針シールドの対応する表面から外れる。突出部は、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、除去突起の表面が、剛性針シールドの対応する表面と係合する前に、キャップ開口部から外れるように構成され得る。
【0011】
外側部分は、ロック突起およびロック凹部の一方を含み得、ハウジングは、ロック突起およびロック凹部の他方を含み得、ロック突起は、ロック凹部によって受容されて、外側部分をハウジングに固定し、ロック突起は、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、除去突起の表面が、剛性針シールドの対応する表面と係合する前に、ロック凹部から分離させられる。
【0012】
装置は、個別に採用される、または、技術的に可能なすべての組み合わせに従った、以下の態様の1つまたは複数を含み得る。
-薬物送達装置は、
ハウジングと、
バレル、ストッパー、カニューレ、および、カニューレの少なくとも一部を受容する剛性針シールドを含む注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部が、ハウジング内に配置される、注射器アセンブリと、
駆動アセンブリの作動で、バレル内でストッパーを移動させるように構成された駆動アセンブリであって、駆動アセンブリの少なくとも一部が、ハウジング内に配置される、駆動アセンブリと、
ハウジングに固定されるキャップであって、キャップが、内部空間を画定する外側部分と、除去突起を備える本体を含むリテーナを含み、除去突起が、キャップの外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、剛性針シールドを除去するように構成される、キャップと、
カニューレが針カバー内に配置される使用前位置、駆動アセンブリが作動させられる作動位置、および、カニューレが針カバー内に配置される使用後位置を有する、針カバーと、
を含み、
外側部分は、針カバーの一部を受容し、外側部分は、針カバーの、使用前位置から作動位置への移動を防止するように構成される、
-外側部分は、針カバーによって画定されるキャップ開口部によって受容される突出部を含み得、外側部分の突出部は、針カバーの使用前位置から作動位置への移動で、針カバーと係合するように構成される、
-リテーナの一部は、キャップの外側部分の内部空間内に受容され得、リテーナは、外側部分に固定され、外側部分に対して軸方向に移動可能である、
-外側部分は、リテーナの本体によって画定されるリテーナ開口部によって受容される保持タブを含み得、保持タブは、外側部分がハウジングに固定されると、リテーナの本体から外れ、外側部分の保持タブは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、および、外側部分の、リテーナに対する軸方向の動きで、リテーナと係合するように構成される、
-リテーナは、リテーナの本体から半径方向外向きに延びる一対の翼部を含み得、各翼部は、外側部分の本体から半径方向内向きに延びるリブと係合するように構成される、
-保持タブは、リテーナのリテーナ開口部を通って半径方向外向きに延び得る、
-外側部分の保持タブは、延長アームを介して、外側部分の本体に固定され得、保持タブは、延長アームを介して、半径方向内向きに移動可能である、
-リテーナは、外側部分がハウジングに固定されるときに、外側部分と係合するフランジを含み得る、
-リテーナのフランジは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、外側部分から離間させられ得る、
-除去突起の表面は平面であり得、剛性針シールドの対応する表面は平面である、
-リテーナの本体は、第1の端部と、第1の端部に対向して配置された第2の端部を含み得、除去突起は、除去アームを介して、リテーナの本体から半径方向内向きに延び、除去アームは、半径方向内向きに、本体の第2の端部から本体の第1の端部に延びる方向に延びる、
-除去突起は、除去アームを介して、リテーナの本体に対して移動可能である、
-注射器ホルダーは、ハウジング内に配置され得、注射器ホルダーは、注射器アセンブリを受容し、注射器ホルダーは、ハウジングに対して移動可能であり、外側部分がハウジングに固定されると、注射器ホルダーは、駆動アセンブリから外れ、注射器ホルダーは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、駆動アセンブリと係合する、
-除去突起の表面は、キャップの外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、剛性針シールドの対応する表面と係合して、剛性針シールドを除去するように構成され得、除去突起の表面は、外側部分がハウジングに固定されるとき、剛性針シールドの対応する表面から外れる、
-外側部分は、ロック突起およびロック凹部のうちの1つを含み得、ハウジングは、ロック突起およびロック凹部のうちの他方を含み、ロック突起は、ロック凹部によって受容されて、外側部分をハウジングに固定し、ロック突起は、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、除去突起の表面が、剛性針シールドの対応する表面と係合する前に、ロック凹部から分離させられる、
-薬物送達装置は、
ハウジングと、
バレル、ストッパー、カニューレ、および、カニューレの少なくとも一部を受容する剛性針シールドを含む、注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部が、ハウジング内に配置される、注射器アセンブリと、
駆動アセンブリの作動で、バレル内のストッパーを移動させるように構成された、駆動アセンブリであって、駆動アセンブリの少なくとも一部が、ハウジング内に配置される、駆動アセンブリと、
ハウジングに固定されるキャップであって、キャップが、内部空間を画定する外側部分と、除去突起を備えた本体を含むリテーナを含み、除去突起の表面は、キャップの外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、剛性針シールドの対応する表面と係合して、剛性針シールド除去するように構成され、除去突起の表面は、外側部分がハウジングに固定されると、剛性針シールドの対応する表面から外れる、キャップと、
を含み得る、
-薬物送達装置は、
ハウジングと、
バレル、ストッパー、カニューレ、および、カニューレの少なくとも一部を受容する、剛性の針シールドを含む、注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部がハウジング内に配置される、注射器アセンブリと、
駆動アセンブリの作動で、バレル内でストッパーを移動させるように構成された、駆動アセンブリであって、駆動アセンブリの少なくとも一部が、ハウジング内に配置される、駆動アセンブリと、
ハウジングに固定されたキャップであって、キャップは、内部空間を画定する外側部分と、除去突起を備えた本体を含むリテーナを含み、リテーナの一部は、キャップの外側部分の内部空間内に受容され、リテーナは、外側部分に固定され、外側部分に対して軸方向に移動可能であり、外側部分は、リテーナの本体によって画定されるリテーナ開口部によって受容される保持タブを含み、保持タブは、外側部分がハウジングに固定されるとき、リテーナの本体から外れ、外側部分の保持タブは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、および、外側部分の、リテーナに対する軸方向の移動で、リテーナと係合するように構成される、キャップと、
を含み得る、
-薬物送達装置は、
ハウジングと、
バレル、ストッパー、カニューレ、および、カニューレの少なくとも一部を受容する剛性の針シールドを含む、注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部がハウジング内に配置される、注射器アセンブリと、
駆動アセンブリの作動で、バレル内でストッパーを移動させるように構成された、駆動アセンブリであって、駆動アセンブリの少なくとも一部が、ハウジング内に配置される、駆動アセンブリと、
ハウジングに固定されるキャップであって、キャップは、内部空間を画定する外側部分と、除去突起を備えた本体を含むリテーナを含む、キャップと、
ハウジング内に配置された注射器ホルダーであって、注射器ホルダーは、注射器アセンブリを受容し、注射器ホルダーは、ハウジングに対して移動可能であり、注射器ホルダーは、外側部分がハウジングに固定されるとき、駆動アセンブリから外れ、注射器ホルダーは、外側部分の、ハウジングから離れる、軸方向の移動で、駆動アセンブリと係合する、注射器ホルダーと、を含み得る。
【0013】
この開示の上記した、および、他の特徴および利点、ならびに、それらを達成する方法は、添付の図面と併せてなされる、本開示の実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかになり、本開示自体がよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本出願の一態様による薬物送達装置の斜視図であり、装置の保管位置を示す図である。
【
図1B】
図1の薬物送達装置の斜視図であり、装置の使用前位置を示す図である。
【
図2A】
図1の薬物送達装置の断面図であり、装置の保管位置を示す図である。
【
図2B】
図1の薬物送達装置の断面図であり、装置の使用前位置を示す図である。
【
図3】
図1の薬物送達装置の斜視図であり、装置の作動位置を示す図である。
【
図4】
図1の薬物送達装置の断面図であり、装置の作動位置を示す図である。
【
図5】
図1の薬物送達装置の斜視図であり、装置の注入位置を示す図である。
【
図6】
図1の薬物送達装置の断面図であり、装置の注入位置を示す図である。
【
図7】
図1の薬物送達装置の斜視図であり、装置の使用後位置を示す図である。
【
図8】
図1の薬物送達装置の断面図であり、装置の使用後位置を示す図である。
【
図9】
図1の薬物送達装置の斜視図であり、ロッキングクリップを示す図である。
【
図10】
図1の薬物送達装置の分解斜視図であり、ロッキングクリップを示す図である。
【
図11A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、カセット本体のロックアームを示す図である。
【
図12】
図1の薬物送達装置の断面図であり、薬剤の完全な送達前の装置の使用後位置を示す図である。
【
図13A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置のキャップを示す図樽である。
【
図14】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置が保管位置にあるレバー作動部材を示す図である。
【
図15A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置の保管位置および針カバーの移動を示す図である。
【
図16】本出願の一態様によるレバー作動部材の斜視図である。
【
図17A】
図1の薬物送達装置の断面図であり、装置の保管位置を示す図である。
【
図18A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置のキャップの最初の取り外しを示す図である。
【
図19A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置のキャップの取り外しを示す図である。
【
図20A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置のキャップの取り外しを示す図である。
【
図21A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置のキャップの取り外しを示す図である。
【
図22A】
図1の薬物送達装置の部分断面図であり、装置のキャップの取り外しを示す図である。
【
図23】本出願の一態様による、キャップ、リテーナ、および、剛性針シールドの斜視図である。
【
図24】本出願の一態様による、リテーナの斜視図である。
【
図25】本出願のさらなる態様による、薬物送達装置の斜視図であり、装置の保管位置を示す図である。
【
図26】
図25に示される線26-26に沿った断面図である。
【
図27】
図25の薬物送達装置のモータ本体の上面斜視図である。
【
図29】
図25の薬物送達装置のプランジャ本体の正面斜視図である。
【
図31】
図25の薬物送達装置のプランジャロッド部分の正面斜視図である。
【
図33】
図25の薬物送達装置のレバー作動部材の上面斜視図である。
【
図34】
図33の薬物送達装置のレバー作動部材の底面斜視図である。
【
図35】
図25の薬物送達装置の注射器ホルダーの正面斜視図である。
【
図36】
図35の薬物送達装置の注射器ホルダーの背面斜視図である。
【
図37】
図25の薬物送達装置の針カバーの正面斜視図である。
【
図38】
図37の薬物送達装置の針カバーの背面斜視図である。
【
図39】
図25の薬物送達装置のカセット本体の上面斜視図である。
【
図40】
図39の薬物送達装置のカセット本体の底面斜視図である。
【
図44】
図25の薬物送達装置の上部ハウジングシェルの断面図である。
【
図45】
図25の薬物送達装置の下部ハウジングシェルの斜視図である。
【
図47】
図25の薬物送達装置の断面図であり、装置の注入位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの図面を通して、対応する参照文字は、対応する部分を示す。本明細書に記載の例示は、本開示の例示的な態様を示し、そのような例示は、いかなる方法においても、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0016】
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために考えられた、記載された実施形態を作成および使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、均等物、変形、および、代替物が、当業者には容易に後に残るであろう。そのような修正、変形、均等物、および、代替物の、一切は、本発明の精神および範囲内に入ることを意図される。
【0017】
以下の説明のために、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横」、「縦」、およびその派生語は、本発明が図面の図において方向づけられるときに、本発明に関連するであろう。しかしながら、本発明は、そうでないと明示的に特定される場合を除いて、様々な代替の変形を想定し得ることが理解されるべきである。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載されている特定の装置は、本発明の単なる例示的な実施形態であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的であると見なされるべきではない。
【0018】
図1A-10を参照すると、本発明の一態様による薬物送達装置10は、第1のサブアセンブリ12、第2のサブアセンブリ14、および、注射器アセンブリ16を含む。第1のサブアセンブリ12は、外側部分20を有するキャップ18、針カバー22、注射器ホルダー24、カセット本体26、および、下部ハウジングシェル28を含む。第2のサブアセンブリ14は、駆動アセンブリ40、モータ本体42、レバー作動部材44、および、上部ハウジングシェル46を含む。注射器アセンブリ16は、注射器ホルダー24によって受容され、バレル52、ストッパー54、カニューレ56、および、剛性針シールド(RNS)58を含む。RNSが利用されるが、他の適切な針シールド構成が利用され得る。下部ハウジングシェル28、カセット本体26、および、上部ハウジングシェル46は、一般に、装置10の様々な構成要素を受容するためのハウジングを形成するが、他の適切なハウジング構成が利用され得る。以下でより詳細に論じられるように、第1のサブアセンブリ12および第2のサブアセンブリ14は、組み立て中に、ロッキングクリップ64によって互いに固定されるが、他の適切な構成が利用され得る。薬物送達装置10は、自動注射装置であり得るが、本明細書に記載される態様は、他の適切な薬物送達装置に組み込まれ得る。
【0019】
薬物送達装置10は、装置10の作動により、注射器アセンブリ16から、患者に、ある用量の薬物を自動的に送達するように構成される。より具体的には、薬物送達装置10の作動により、駆動アセンブリ40は、注射器アセンブリ16のストッパー54に係合し、カニューレ56が患者の皮膚を穿刺するように注射器アセンブリ16を変位させ、注射器アセンブリ16のバレル52内でストッパー54を変位させて、バレル52内の薬剤を送達するように構成される。薬物送達装置10は、保管位置(
図1Aおよび
図2A)、使用前位置(
図1Bおよび
図2B)、作動位置(
図3および
図4)、注入位置(
図5および
図6)、および、使用後位置(
図7および
図8)を含む。以下でより詳細に論じられるように、針カバー22は、装置10が使用前および使用後位置にあるときに、注射器アセンブリ16のカニューレ56を患者から遮蔽するように構成される。特に、針カバー22は、使用前位置、作動位置、および、使用後位置の間で移動可能であり、ばね68は、針カバー22を使用前位置および使用後位置に向けて偏向させる。ばね68は、針カバー22と注射器ホルダー24との間に配置されるが、他の適切な構成が利用され得る。レバー作動部材44は、駆動アセンブリ40の移動が防止されるロック位置と、駆動アセンブリ40の移動が許容される解放位置との間で移動可能である。より具体的には、レバー作動部材44は、ロック位置と解放位置との間で、回転軸70の周りに回転可能である。レバー作動部材44がロック位置にあるとき、レバー作動部材44は、モータ本体42および駆動アセンブリ40と係合し、駆動アセンブリ40の移動を防止する。レバー作動部材44が解放位置にあるとき、レバー作動部材44はモータ本体42から外れ、それにより、駆動アセンブリ40の注射器アセンブリ16に向かう移動を許容する。レバー作動部材44の回転軸70は、装置10の長手方向軸に垂直に延びるが、他の適切な構成が利用され得る。
【0020】
再び、
図1~
図10を参照すると、駆動アセンブリ40は、プランジャロッド部分82および駆動部材84を有する、プランジャ本体80を含む。駆動部材84は、プランジャ本体80によって画定される駆動開口部86内に受容される圧縮ばねであるが、圧縮ガス、電気モータ、油圧、他のタイプのばね等を含むが、これらに限定されない、他の適切な駆動部材が利用され得る。駆動部材84は、プランジャ本体80およびモータ本体42と係合し、プランジャ本体80を、第2のサブアセンブリ14から第1のサブアセンブリ12に向かって延びる方向に偏向させる。プランジャ本体80は、レバー作動部材44を受容し、レバー作動部材44の回転軸70を画定する、レバー開口部88を画定する。レバー作動部材44は、レバー作動部材44がロック位置にあるとき、レバー作動部材44のモータ本体42との係合によって、プランジャ本体80の移動を防止する。レバー作動部材44のロック位置から解放位置への回転により、レバー作動部材44がモータ本体42から外れ、それにより、駆動部材84が、プランジャ本体80およびプランジャロッド部分82を、第1のサブアセンブリ12に向けて移動させることを可能にする。プランジャロッド部分82および駆動部材84は、互いに間隔を置いて平行に配置され、装置10の長手方向に延びる。
【0021】
駆動アセンブリ40は、さらに、上部ハウジングシェル46に固定され、プランジャ本体80の駆動開口部86内に受容される、ばねガイド部材90を含む。駆動部材84は、ばねガイド部材90によって受容され、駆動部材84は、プランジャ本体80とばねガイド部材90との間に配置される。駆動アセンブリ40は、また、プランジャ本体80のプランジャロッド部分82を受容するプランジャロッドカバー92を含む。プランジャロッドカバー92は、プランジャロッド部分82の、注射器アセンブリ16のバレル52への挿入を案内し、注射器アセンブリ16のストッパー54と係合して、注射器アセンブリ16のバレル52から薬剤を分配するように構成される。プランジャロッドカバー92およびプランジャロッド部分82は、一体的に形成されるか、または、別個の構成要素として形成され得る。
【0022】
駆動アセンブリ40のプランジャ本体80は、また、装置10が使用後位置に移行するときに、使用者に可聴表示を提供するように構成された可聴表示器部材94を含む。以下でより詳細に論じられるように、可聴表示器部材94は、装置10が注入位置にあるときに、カセット本体26の1つまたは複数のリブ96と係合し、それによって、可聴表示器部材94を偏向させるように構成される。薬物送達装置10が注入位置から使用後位置に移行するとき、可聴表示器部材94は、カセット本体26のリブ96(複数可)から外れ、下部ハウジングシェル28に接触して、可聴クリックを提供するが、可聴表示器部材94は、また、可聴表示を提供するために、装置10の他の適切な部分に接触し得る。
【0023】
図1A~
図2Bを参照すると、保管位置において、キャップ18は、下部ハウジングシェル28に固定され、針カバー22と係合する。針カバー22の使用前位置から作動位置への移動は、針カバー22とレバー作動部材44との間の係合をもたらし、それにより、駆動アセンブリ40を作動させる。外側部分20を掴むことによるキャップ18の取り外し後に、針カバー22を患者の皮膚表面に押し付け、装置10を、皮膚表面に、軸方向に押し付けることにより、針カバー22は、使用前位置から作動位置に移動させられ得る。以下に詳述されるように、キャップ18と針カバー22との間の係合は、針カバー22がレバー作動部材44との係合に移動することを防止する。したがって、装置10からのキャップ18の取り外しは、装置10の作動を可能にする。以下でより詳細に論じられるように、装置10からのキャップ18の取り外しは、
図1Bおよび
図2Bに示されるように、また、注射器バレル52からRNS58を除去し、それにより、カニューレ56を露出させ、カニューレ56は、装置10の使用前位置で、針カバー22内に依然として受容される。
【0024】
図3および
図4を参照すると、作動位置において、キャップ18が取り外され、針カバー22は、患者の皮膚表面に係合することによって作動位置に配置され、それは、針カバー22を、装置10内で第2のサブアセンブリ14に向かってさらに移動させる。針カバー22が装置10内で十分な距離を移動すると、針カバー22の一部が、レバー作動部材44と係合し、これは、回転軸70の周りに、レバー作動部材44を、ロック位置から解放位置まで回転させる。
【0025】
図5および
図6を参照すると、注入位置では、レバー作動部材44は解放位置にあり、これは、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80が、第1のサブアセンブリ12に向かって移動することを可能にし、その結果、プランジャ本体80またはプランジャロッドカバー92が、注射器アセンブリ16のストッパーに係合する。駆動アセンブリ40の、注射器アセンブリ16との最初の係合は、注射器ホルダー24がカセット本体26によって画定されるストップ102に当接するまで、注射器アセンブリ16および注射器ホルダー24を、装置10内で、カセット本体26に対して移動させる。針カバー22が患者の皮膚表面に押し付けられた状態での注射器アセンブリ16および注射器ホルダー24のこの最初の動きの間に、注射器アセンブリ16のカニューレ56は、針カバー22を超えて延び、患者の皮膚表面を穿刺する。駆動部材84によって駆動されるプランジャ本体80のさらなる移動は、注射器アセンブリ16のバレル52に対してストッパー54を移動させ、注射器アセンブリ16のバレル52から、カニューレ56を通し、そして、患者に、薬剤を分配する。プランジャ本体80は、ストッパー54が、注射器アセンブリ16のバレル52上で底に達するまで移動を続けるであろう。ストッパー54が底に達するとき、または、ストッパー54が底に達する直前に、可聴表示器部材94は、カセット本体26のリブ96(複数可)から外れ、ほぼ同時に下部ハウジングシェル28に接触して、薬剤の投与量が送達されたとの可聴表示を患者に提供する。可聴表示に加えて、薬物送達装置10は、装置10の状態を患者に通知するための、1つまたは複数の視覚的表示器を提供する。特に、カセット本体26は、透明材料から形成され得、ストッパー54の、および/または、駆動アセンブリ40、注射器ホルダー24、および/または、注射器アセンブリ16によって提供される別の視覚的表示器の、移動の視覚的確認を可能にする。下部ハウジングシェル28は、また、プランジャ本体80が最終位置にあり、薬剤の用量が送達されたとの視覚的表示を提供する、表示器開口部104を画定する。視覚的表示器は、対照的な色、記号、パターン、または、他の適切な視覚的標識を利用して、装置のさまざまな状態を表示し得る。
【0026】
図7、
図8、
図11A、
図11B、および、
図12を参照すると、使用後位置で、針カバー22が患者の皮膚表面から取り除かれるとき、針カバー22は、使用後位置まで延び、カニューレ56を遮蔽する。
図11Bにより明確に示されるように、カセット本体26は、少なくとも1つのロックアーム106を含み、針カバー22は、少なくとも1つのロック突起108を含むが、他の適切な構成が利用され得る。カセット本体26のロックアーム106は、針カバー22のロック突起108と係合して、装置10のいかなる更なる使用をも防止し、注射器アセンブリ16のカニューレ56の露出を防止する。装置10が注射位置から使用後位置に移行する間、カセット本体26のロックアーム106は撓んで、針カバー22のロック突起108がカセット本体26を通過することを可能にし、ロックアーム106は、その元の位置に戻り、針カバー22の、使用前および作動位置に戻る移動を防止する。針カバー22の使用前位置において、針カバー22の一部は、注射器ホルダー24のカバーストップ110と係合して、針カバー22の、第2のサブアセンブリ14から第1のサブアセンブリ12に向かって延びる方向への、軸方向の動きを制限する。装置10の使用後、注射器ホルダー24は、針カバー22に対してカセット本体26内で変位させられ、これは、患者が、針カバー22を皮膚表面から取り除いたときに、針カバー22が、使用後位置まで延びることを可能にする。
図12に示されるように、針カバー22が、患者の皮膚表面から取り除かれると、針カバー22は、注射器アセンブリ16のバレル52内のストッパー54の位置に関係なく、使用後位置に移動するであろう。したがって、薬剤の用量の一部のみが送達された後に、患者が皮膚表面から針カバー22を取り除く場合、針カバー22は、それでもなお、使用後位置に移動し、装置10のさらなる使用を防止するであろう。
【0027】
図1A、
図1B、および、
図13A-
図15Cを参照すると、上記のように、キャップ18と針カバー22との間の係合は、針カバー22が、レバー作動部材44との係合に移動することを防止する。カニューレ56は、針カバー22が、使用前位置および使用後位置にあるときに、針カバー22内に配置される。針カバー22は、針カバー22が、作動位置にあるときに、駆動アセンブリ40を作動させるように構成される。装置10からのキャップ18の取り外しは、装置10の作動を可能にする。より正確には、本出願の一態様では、キャップ18の外側部分20は、装置10が外側部分との保管位置にあり、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定されるときに、針カバー22の一部を受容する内部空間118を画定する本体116を含む。キャップ18の外側部分20は、キャップ18の外側部分20の本体116によって画定される、ロック凹部114によって受容される、ロック突起112を介して下部ハウジングシェル28に固定される。外側部分20は、また、下部ハウジングシェル28からのキャップ18の外側部分20の把持および除去を容易にするための、把持面130を含む。
【0028】
外側部分20は、針カバー22によって画定されるキャップ開口部122によって受容される、一対の突出部120を含むが、1つまたは複数の突出部120、および、1つまたは複数のキャップ開口部122が利用され得る。外側部分20の突出部120は、針カバー22の、使用前位置から作動位置への移動によって、針カバー22と係合するように構成される。例えば、装置10が保管位置にあり、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定される状態で、装置10が落下させられ、または、衝撃を与えられて、針カバー22、レバー作動部材44、および/または、他の構成要素に、力を加える場合、外側部分20の突出部120は、針カバー22の移動を制限し、それは、装置10の意図されない作動を防止する。外側部分20の突出部120は、外側部分20の延長アーム124を介して半径方向に移動可能である。
図13Bに示されるように、例えば、延長アーム124と下部ハウジングシェル28との間の係合は、突出部120の半径方向外向きの移動を防止する。より正確には、下部ハウジングシェル28は、外側部分20が下部ハウジングシェル28に取り付けられたときに、外側部分20の延長アーム124を取り囲むように構成されたスカートを含み、それは、外側部分20が下部ハウジングシェル28に取り付けられる限り、突出部120の半径方向外向きの移動を防止する。突出部120は、外側部分20の軸方向の移動により、針カバー22のキャップ開口部122から除去されるように構成される。特に、突出部120は、針カバー22と係合し、キャップ18の外側部分20の軸方向移動によって、半径方向外向きに偏向するように構成される。
【0029】
図13Bに示されるように、突出部120は、それぞれ、第1のカム面126を画定し、針カバー22は、第2のカム面128を画定し、第1のカム面126は、第2のカム面128と係合して、各突出部120を半径方向外向きに偏向させるように構成され、それは、針カバー22からの外側部分20の分離を可能にする。第1および第2のカム面126、128は、相補的な傾斜面であるが、他の適切な配置が利用され得る。
【0030】
図14-
図16に示されるように、針カバー22は、針カバー22が使用前位置にあるときに、レバー作動部材44の、ロック位置から解放位置への移動または回転を防止する。レバー作動部材44は、針カバー22が使用前位置にあるときに、針カバー22と係合し、レバー作動部材44の回転を制限するように構成された、制限面134を有する本体132を含む。装置10が保管位置にあるとき、装置10が落下させられ、または、衝撃を与えられて、レバー作動部材44に力を加えると、レバー作動部材44は、レバー作動部材44の制限面134と針カバー22との間の係合により、駆動アセンブリ40の作動を可能にするための完全な回転を防止される。制限面134は、針カバー22から離間させられ、装置10が保管および使用前位置にあるときにギャップ136を形成し、装置10の意図されない作動を依然として防止しながら、針カバー22の移動におけるいかなる摩擦の増加をも防止する。
【0031】
レバー作動部材の本体132は、また、モータ本体42によって画定されるピン開口部140によって受容される、ロッキングピン(図示せず)と係合するように構成された、アセンブリ表面138を含む。組み立ての前に、第2のサブアセンブリ14は、ピン開口部140を通って延びるロッキングピンを含み得、これは、装置10の組み立て中のレバー作動部材44の回転、および、駆動アセンブリ40の意図されない作動を防止する。レバー作動部材の本体132は、また、針カバー接触面142、モータ本体接触面144を含み、凹陥領域146を画定する。レバー作動部材44の針カバー接触面142は、針カバー22が作動位置に移動させられると、針カバー22のレバー接触部分148と係合し、それにより、レバー作動部材44をロック位置から解放位置に回転させる。レバー作動部材44がロック位置にあるとき、レバー作動部材44のモータ本体接触面144は、モータ本体42の停止面150と係合し、これは、プランジャ本体80の移動を防止する。レバー作動部材44がロック位置から解放位置に回転すると、モータ本体接触面144がモータ本体42の停止面150から外れ、これは、駆動部材84がプランジャ本体80を移動させることを可能にする。
【0032】
レバー作動部材44の凹陥領域146は、針カバー22のレバー接触部分148にクリアランスを提供し、レバー作動部材44の、ロック位置から解放位置への回転を可能にする。レバー作動部材44の制限面134の位置は、針カバー22が使用前の位置にあるとき、および、針カバー22が、作動位置に完全に移動させられるまで、針カバー22のレバー接触部分148と、装置10の軸方向において重なり、これは、上記のように、装置10の意図されない作動を防止する。針カバー22が作動位置に完全に移動させられと、針カバー22のレバー接触部分148は、レバー作動部材の制限面134の位置と、もはや重ならず、代わりに、装置10の軸方向に延びる方向において、凹陥領域146の位置と重なり、針カバー接触面142と係合して、上記のように、レバー作動部材44を回転させる。レバー作動部材44の制限面134は平面であり、針カバー22が使用前位置にあるとき、針カバー接触面142の底部の対応する平面と係合するように構成されるが、他の適切な構成が利用され得る。
【0033】
図17A-
図24を参照すると、本出願の一態様によれば、装置は、さらに、キャップ18の外側部分20の、下部ハウジングシェル28から離れる軸方向の移動により、RNS58を除去するように構成された、除去突起164を備えた本体162を有する、リテーナ160を含む。リテーナ160の一部は、外側部分20の内部空間118内に受容される。外側部分20は、リテーナ160を外側部分20に固定するための、リテーナ160の本体162によって画定されるリテーナ開口部168によって受容される、保持タブ166を含む。以下に詳述されるように、保持タブ166は、下部ハウジングシェル28から離れる、外側部分20の軸方向の移動により、リテーナ160と係合するように構成される。
図23および
図24に、より明確に示されるように、リテーナ160は、さらに、リテーナ160の本体162から半径方向外側に延びる一対の翼部170を含み、各翼部170は、外側部分20の本体162から半径方向内側に延びるリブ172と係合するように構成される。翼部170は、外側部分20、リテーナ160、および、RNS58が取り外されると、外側部分20とリテーナ160との間のぐらつきを防止する。
【0034】
図17Cに示されるように、外側部分20の保持タブ166は、装置10が保管位置にある状態で、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定されると、リテーナ160から外れる。
図20C、
図21C、および、
図22Cに示されるように、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定されると、外側部分20の保持タブ166がリテーナ160から外れる。外側部分20の保持タブ166は、延長アーム174を介して外側部分20の本体116に固定される。保持タブ166は、延長アーム174を介して、半径方向内側に移動可能である。延長アーム174の柔軟性は、保持タブ166がリテーナ160と係合するときに、保持タブ166がリテーナ開口部168内に受容されるまで、保持タブ166が半径方向内側に偏向することを可能にすることによって、リテーナ160の外側部分20への組み付けを容易にする。リテーナ160は、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定されるときに、外側部分20と係合するフランジ176を含む。リテーナ160のフランジ176は、外側部分20の、下部ハウジングシェル28から離れる、軸方向の移動で、外側部分20から離間させられる。
【0035】
図17Eに示されるように、リテーナ160の本体162は、円筒形であり、第1の端部178と、第1の端部178に対向して配置された第2の端部180を含む。除去突起164は、除去アーム182を介してリテーナ160の本体162から半径方向内側に延びる。除去アーム182は、半径方向内側に、本体162の第2の端部180から本体162の第1の端部178に延びる方向に延在し、これは、装置10への、外側部分20およびリテーナ160の組み立て中に、リテーナ160が、RNS58および注射器アセンブリ16上に配置されることを可能にする。除去突起164は、除去アーム182を介してリテーナ160の本体162に対して移動可能である。より具体的には、除去突起164は、リテーナ160のRNS58への組み立て中に半径方向外側に移動可能であり、外側部分20およびリテーナ160の除去中に半径方向内側に移動可能である。除去突起164は、RNS58の相補的な表面186と係合するように構成された表面184を含む。リテーナ160の除去突起164の表面184は、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定されるとき、RNS58の対応する表面186から外れる。除去突起164の表面184は平面であるが、他の適切な形状および構成を利用され得る。RNS58の対応する表面186は平面であるが、他の適切な形状および構成が利用され得る。RNS58の対応する表面186は、RNS58のフランジ部分によって画定される。
【0036】
図17Fを参照すると、注射器ホルダー24は、外側部分20が下部ハウジングシェル28に固定されると、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80から外れる。
図19Fを参照すると、例えば、注射器ホルダー24は、キャップ18の外側部分20の、下部ハウジングシェル28から離れる、軸方向移動により、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80と係合する。より具体的には、一対のアームが注射器ホルダー24から延び、プランジャ本体80の可聴表示器部材94と係合するが、他の適切な構成が利用され得る。注射器ホルダー24と駆動アセンブリ40のプランジャ本体80との間の係合は、外側部分20およびRNS58の除去が、注射器アセンブリ16と注射器ホルダー24との間の摩擦によって、注射器ホルダー24をカセット本体26に対して移動させることを防止する。注射器ホルダー24とプランジャ本体80との間の係合は、また、装置10の移動によって、または、装置が使用前位置にあるときの重力によって引き起こされる、装置10内の注射器ホルダー24の軸方向の移動を制限する。
【0037】
図17A-
図17Fを参照すると、装置10が、外側部分20が下部シェルアセンブリ28に固定された状態で、保管位置にあるとき、リテーナ160のフランジ176は、外側部分20に当接し(
図17B)、外側部分20の保持タブ166は、リテーナ開口部168内に配置され、リテーナ160の本体162の近位部分から離間され(
図17C)、キャップの突出部120は、針カバー22のキャップ開口部122内に受容され、針カバー22から離間させられ(
図17D)、除去突起164の表面184は、RNS58の対応する表面186から離間させられ(
図17E)、注射器ホルダー24は、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80から離間させられる(
図17F)。装置10の保管位置において、リテーナ160は、注射器ホルダー24と係合する。リテーナ160のフランジ176が外側部分20に当接するとき、リテーナ160の除去突起164の表面184は、RNS58の相補表面186に対して適切に配置される。換言すれば、フランジ176の、外側部分20との当接は、以下に説明されるように、リテーナ160が、RNS58の取り外しを可能にするのに十分に、下部ハウジングシェル28に向かって軸方向に配置されることを確実にする。
【0038】
図18A-
図18Fを参照すると、外側部分20が、最初に下部ハウジングシェル28から離れて軸方向に移動させられると(
図18B)、ロック突起112がロック凹部114内に部分的にのみ受容され、リテーナ160のフランジ176は、外側部分20から離間させられ、保持タブ166は、依然としてリテーナ160の本体162から離間させられ(
図18C)、外側部分20の突出部120は、針カバー22と係合し(
図18D)、除去突起164の表面184は、RNS58の対応する表面186から離間させられ(
図18E)、注射器ホルダー24は、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80から離間させられる(
図18F)。
【0039】
図19A-
図19Fを参照すると、外側部分20が下部ハウジングシェル28(
図19B)から離れて軸方向に移動され続けると、ロック突起112がロック凹部114内に部分的にのみ受容され、リテーナ160のフランジ176は、外側部分20から離間させられ、保持タブ166は、依然としてリテーナ160の本体162から離間させられ(
図19C)、外側部分20の突出部120は、針カバー22と係合し(
図19D)、除去突起164の表面184は、RNS58の対応する表面186から離間させられ(
図19E)、注射器ホルダー24は、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80と係合する(
図19F)。
【0040】
図20A-
図20Fを参照すると、外側部分20が、下部ハウジングシェル28(
図20B)から離れて軸方向に移動され続けると、ロック突起112がロック凹部114から分離させられ、リテーナ160のフランジ176は、さらに、外側部分20から離間させられ、保持タブ166は、リテーナ160の本体162と係合し(
図20C)、その結果、外側部分20およびリテーナ160が、一緒に、下部ハウジングシェル28から離れて軸方向に移動し、外側部分20の突出部120は、針カバー22から外れて(
図20D)、キャップ開口部122から除去され、除去突起164の表面184は、RNS58の対応する表面186から離間させられ(
図20E)、および、注射器ホルダー24は、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80と係合する(
図20F)。
【0041】
図21A-
図21Fを参照すると、外側部分20が下部ハウジングシェル28から離れて軸方向に移動され続けると(
図21B)、リテーナ160のフランジ176は外側部分20から離間させられ、保持タブ166は外側部分20の本体162と係合し(
図21C)、その結果、外側部分20とリテーナ160が、一緒に、下部ハウジングシェル28から離れて軸方向に移動し、外側部分20の突出部120が針カバー22から外され続け(
図2ID)、除去突起164の表面184は、RNS58の対応する表面186と係合し(
図21E)、そして、注射器ホルダー24は、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80と係合する(
図21F)。
【0042】
図22A-
図22Fを参照すると、外側部分20が、下部ハウジングシェル28から離れて軸方向に移動され続け、下部ハウジングシェル28から分離されると(
図22B)、リテーナ160のフランジ176は、外側部分20から離間させられ、保持タブ166は、リテーナ160の本体162と係合し(
図22C)、その結果、外側部分20とリテーナ160は、一緒に、下部ハウジングシェル28から離れて軸方向に移動し、外側部分20の突出部120は、針カバー22から外され続け(
図22D)、除去突起164の表面184は、RNS58の対応する表面186と係合し続け、注射器アセンブリ16(
図22E)のバレル52に対してRNS58を軸方向に変位させ、そして、注射器ホルダー24は、駆動アセンブリ40のプランジャ本体80と係合する(
図22F)。
【0043】
図23を参照すると、下部ハウジングシェル28からの外側部分20の完全な除去で、RNS58は、リテーナ160と係合したままであり続け、RNS58は、注射器アセンブリ16のバレル552から完全に分離される。
【0044】
再び、
図17A-
図24を参照すると、上記のように、外側部分20およびリテーナ160は、様々な構成要素を互いから同時に分離するよりむしろ、連続的に分離することにより、装置10から、外側部分20およびリテーナ160を除去するのに必要な力の量を最小化するように構成される。下部ハウジングシェル28からの外側部分20の除去、針カバー22からの外側部分20の突出部120の分離、および、注射器アセンブリ16からのRNS58の除去を、順番に行うことによって、患者は、そのような構成要素を同時に除去するために必要とされるであろう大きな力よりはむしろ、シーケンスの各ステップに対して十分な力を適用することのみを必要とされる。上述されるように、そのような順序付けは、外側部分20とリテーナ160との間の相対的な移動、外側部分20と針カバー22との間の相対的な移動、および、リテーナ160とRNS58との間の相対的な移動を介して提供される。
【0045】
図25-
図49を参照すると、本発明のさらなる態様による薬物送達装置300が示される。薬物送達装置300は、
図1A-
図24に示される薬物送達装置10と同様であり、特定の相違は、以下で詳しく説明される。薬物送達装置300は、他の構成要素の中でも、モータ本体302、プランジャ本体304、プランジャロッド部分306、レバー作動部材308、注射器ホルダー310、針カバー312、カセット本体314、キャップ316、リテーナ318、上部ハウジングシェル320、および、下部ハウジングシェル322を含む。
【0046】
図24-
図28を参照すると、モータ本体302は、
図1A-
図24のモータ本体42と同様であり、同様に機能するが、さらに、長手方向の溝324、補強リブ326(複数可)、および、カセットクリップ328(複数可)を含む。長手方向溝324は、プランジャ本体304の成形分割線を受け入れるように構成され、モータ本体302とプランジャ本体304との間の滑らかな滑りを確実にする。補強リブ326(複数可)は、モータ本体302の一対のアーム260に追加の支持を提供する。カセットクリップ328(複数可)は、モータ本体302をカセット本体314に固定するために、カセット本体314によって画定される開口部330(複数可)によって受容され、これは、以下でより詳細に説明される。カセットクリップ328(複数可)は、角度の付いた面332および平面334を含み、それは、カセットクリップ328(複数可)を、カセット本体314の開口部330(複数可)に挿入することを可能にするが、カセット本体314の開口部330(複数可)に挿入されると、カセットクリップ328(複数可)の容易な取り外しを防止するように構成される。モータ本体302の底面336は、面取りされた部分338を含み、装置300の組み立てを支援する。
【0047】
図26、および、
図29-
図32を参照すると、プランジャ本体304は、プランジャロッド部分306と一体的に形成されるよりはむしろ、別個に形成される。さらに、装置300は、プランジャロッドカバー92を含まない。プランジャ本体304は、プランジャロッド部分306のプランジャロッドクリップ342を受容する開口部340を画定する。プランジャロッドクリップ342はバーブ形状であり、プランジャ本体304の開口部340に挿入されるものの、開口部340から容易に取り外されないように構成されるが、他の適切な形状および構成が利用され得る。プランジャロッドクリップ342は、中央開口344を画定し、これは、プランジャロッドクリップ342がプランジャ本体304の開口部340に挿入されるときに、プランジャロッドクリップ342を圧縮し、プランジャ本体304内に受容されると、その元の形状に拡張することを可能にする。プランジャロッド部分306は、プランジャ本体ストップ346(複数可)およびバイアス部材348を含む。1つまたは複数の突起であり得る、プランジャ本体ストップ346は、プランジャロッドクリップ342がプランジャ本体304の開口部340に挿入されるとき、プランジャ本体304に接触する。バイアス部材348は、プランジャロッドクリップ342の、プランジャ本体304の開口部340への挿入の間、プランジャ本体304と係合し、プランジャロッド部分306をプランジャ本体304に向かって偏向させる。バイアス部材348は、組み立て後にプランジャ本体304とプランジャロッド部分306との間に空隙がないことを保証しながら、プランジャロッドクリップ342のプランジャ本体304の開口部340への挿入に対して、追加の許容量を提供する。プランジャロッド部分306のバイアス部材348は環状であるが、他の適切な形状および構成を利用され得る。
【0048】
プランジャロッド部分306は、さらに、ストッパー54によって受容されるストッパーインターフェース350を含む。ストッパーインターフェース350は、十字形の突起であるが、他の適切な形状および構成が利用され得る。プランジャロッド部分306は、注射器アセンブリ16への応力を低減するように構成された円錐形の外形を有するが、他の適切な形状が利用され得る。プランジャ本体304は、プランジャ本体304のレバー開口部88内に延びるレバーリブ352を含む。レバーリブ352は、以下でより詳細に論じられるように、レバー作動部材308によって受容されるように構成される。
【0049】
図33および
図34を参照すると、レバー作動部材308は、上記され、
図1A-
図24に示される、レバー作動部材44と同様であり、同様に機能する。しかしながら、レバー作動部材308は、回転軸70に、プランジャ本体304のレバーリブ352を受容する溝354を画定する。溝354とレバーリブ352との間の係合は、プランジャ本体304とレバー作動部材308との間の相対的な横方向の移動を防止する。レバー作動部材308の針カバー接触面142は、
図1A-
図24のレバー作動部材44の針カバー接触面142と比較して、より大きな表面を含む。
【0050】
図35および
図36を参照すると、注射器ホルダー310は、
図1A-
図24の注射器ホルダー24と同様であり、同様に機能する。しかしながら、注射器ホルダー310は、さらに、注射器ホルダー310の周りに円周方向に延びる複数のリブ356を含む。複数のリブは、ばね68に係合する。注射器ホルダー310の固定リング220は、さらに、半径方向内向きに延びる複数の突起358を含む。複数の突起358は、注射器アセンブリ16と係合して、注射器アセンブリ16の外面と注射器ホルダー310との間のいかなるギャップをも取り除く。複数の突起358は、エラストマーであり、注射器アセンブリ16が注射器ホルダー310内に受容されるとき、圧縮させ得る。
【0051】
図37および
図38を参照すると、針カバー312は、
図1A-
図24の針カバー22と同様であり、同様に機能する。針カバー312は、ばね68と係合して、針カバー312と注射器ホルダー310との間にばね68を保持する、ばねリブ360を含む。針カバー312は、また、カセット本体314に対する針カバー312の移動を案内するためのカセットリブ362を含む。
【0052】
図39、
図40、
図48、および、
図49を参照すると、カセット本体314は、
図1A-
図24のカセット本体26と同様であり、同様に機能する。上記されるように、カセット本体314は、モータ本体302のカセットクリップ328(複数可)を受容する開口部330(複数可)を含む。カセット本体314は、針カバー312のクリップ表面366(複数可)と係合する針カバークリップ364(複数可)を含む。針カバー312のクリップ表面366(複数可)は平面であるが、他の適切な形状および構成が利用され得る。針カバークリップ364(複数可)は、カセット本体314に対する針カバー312の軸方向の動きを制限するように構成される。カセット本体314は、さらに、モータ本体リブ368(複数可)および上部ハウジングシェルリブ370(複数可)を含み、それらは、モータ本体302および上部ハウジングシェル320の対応する部分と係合するように構成されて、装置300の組み立てを支援する。カセット本体314は、また、注射器ホルダー310の一部と係合するように構成され、カセット本体314に対する注射器ホルダー310の軸方向の移動を制限する、注射器ホルダーストップ372(複数可)を含む。
図48には示されないが、ロッキングクリップ64は、また、薬物送達装置300と共に利用され得る。
【0053】
図41-
図46を参照すると、キャップ316は、上記され、
図1A-
図24に示される、キャップ18と同様であり、同様に機能する。キャップ316は、針カバー312によって画定されるキャップ開口部376(複数可)によって受容される突出部374(複数可)を含み、これは、
図1A-
図24のキャップ18のそれらの要素の位置に対して、90度に配置される。キャップ316の突出部374(複数可)は、針カバー312の、使用前位置から作動位置への移動で、針カバー312と係合するように構成される。例えば、装置300が保管位置にあり、キャップ316が下部ハウジングシェル322に固定されている状態で、装置が落下させられ、または、衝撃を与えられて、針カバー312、レバー作動部材308、および/または、他の構成要素に力を加える場合、突出部374(複数可)は、針カバー312の移動を制限し、それは、装置300の意図されない作動を防止する。キャップ316は、さらに、リテーナ318の翼部382(複数可)と係合する、リテーナクリップ378(複数可)およびリブ380(複数可)を含む。リテーナクリップ378(複数可)およびリブ380(複数可)は、リテーナ318をキャップ316に固定し、キャップ316に対するリテーナ318の、いかなる移動またはぐらつきをも防止する。リテーナ318は、キャップ316が下部ハウジングシェル322から取り外されるときに、RNS58を取り外すように構成される。キャップ316は、キャップ316を下部ハウジングシェル322に固定するために、下部ハウジングシェル322と係合する、下部ハウジングシェルクリップ384(複数可)を含む。上部ハウジングシェル320および下部ハウジングシェル322は、上記され、
図1A-
図24に示される、上部ハウジングシェル46および下部ハウジングシェル28と同様であり、同様に機能する。しかしながら、下部ハウジングシェル322は、キャップ316の下部ハウジングシェルクリップ384(複数可)を受容するためのキャップインターフェース386を有する。
【0054】
図47を参照すると、薬物送達装置300は、注射位置に示される。カニューレ56の注入深さは、点Xでの注射器ホルダー310とカセット本体314との間の接触、および、点Yでの針カバー312と注射器ホルダー310との間の接触によって決定される。
【0055】
図47を参照すると、薬物送達装置300は、可聴表示器部材388を含み、これは、上記され、
図1A-
図24に示される、可聴表示器部材94と同様であり、同様に機能する。上記される可聴表示器部材94と同様に、薬物送達装置300の可聴表示器部材388は、装置300が使用後位置に移行するときに、使用者に可聴表示を提供するように構成される。可聴表示器部材388は、装置300が注入位置にあるときに可聴表示器部材388を偏向させる、カセット本体314のリブ390(複数可)と係合するように構成される。可聴表示器部材388は、薬物送達装置300が注射位置から使用後位置に移行するときに、カセット本体314のリブ390(複数可)から外れ、下部ハウジングシェル322に接触して、可聴クリックを提供する。しかしながら、カセット本体314のリブ390(複数可)の遠位端392は、上部ハウジングシェル320に向かって後方に角度が付けられ、これは、
図1A-
図24に関連して上記された、カセット本体のリブ96(複数可)の配置と比較して、より大きな可聴クリックを有益に提供する。
【0056】
一態様または実施形態では、装置300の長手方向軸に垂直に延びる平面に対する、カセット本体314のリブ390(複数可)の遠位端392の角度Zは、5度より大きい。一態様または実施形態では、リブ390(複数可)の遠位端392の角度Zは、10度より大きい。一態様または実施形態では、遠位端392の角度Zは25度である。
【0057】
1つの開示された態様の要素は、1つまたは複数の他の開示された態様の要素と組み合わされて、異なる組み合わせを形成し得、それらの全ては、本発明の範囲内であると見なされる。
【0058】
この開示は例示的な設計を有するものとして説明されたが、本開示は、さらに、本開示の精神および範囲内で、修正され得る。したがって、この出願は、その一般原理を使用する、本開示の任意の変形、使用、または、適応をカバーすることを意図される。さらに、この出願は、この開示が関係し、添付の特許請求の範囲の範囲内にある、当技術分野における既知のまたは慣習的な実施に該当する、本開示からの逸脱をカバーすることを意図される。