(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ドローンクラスタシステム、離陸制御方法、装置、システム及び読取可能な媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20230428BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20230428BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20230428BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20230428BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20230428BHJP
B64C 13/18 20060101ALI20230428BHJP
B64C 19/02 20060101ALI20230428BHJP
G16Y 10/65 20200101ALI20230428BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20230428BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G01C21/34
G05D1/10
B64C27/08
B64C39/02
B64C13/18 Z
B64C19/02
G16Y10/65
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2021552740
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2020071995
(87)【国際公開番号】W WO2020186919
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-07
(31)【優先権主張番号】201910207380.9
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 波
(72)【発明者】
【氏名】巴 航
(72)【発明者】
【氏名】沙 承賢
(72)【発明者】
【氏名】鄭 龍飛
(72)【発明者】
【氏名】陳 宇楠
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-206443(JP,A)
【文献】特開2017-056899(JP,A)
【文献】特開2019-040309(JP,A)
【文献】特開2018-095049(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108508911(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0054009(KR,A)
【文献】特開2017-052389(JP,A)
【文献】特開2019-196047(JP,A)
【文献】特開2022-075273(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110262543(CN,A)
【文献】国際公開第2020/162583(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G05D 1/00 - 1/12
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 - 99/00
B64D 1/00 - 47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 - 99/00
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離陸領域に位置する複数のドローンを含むドローンクラスタの離陸制御方法であって、
前記離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を取得することと、
前記離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することと、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することと、
前記複数のドローンの各ドローンの離陸位置および前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記複数のドローンの離陸を制御することと、を含
み、
前記複数のドローンの各ドローンの離陸位置および前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記複数のドローンの離陸を制御することは、
前記各ドローンの離陸位置および前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記各ドローンの飛行軌跡を特定することと、
前記複数のドローンの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、前記任意の2つのドローンの第1の距離を特定することと、
前記任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、前記各ドローンの離陸時間を特定することと、
前記各ドローンの離陸時間および前記各ドローンの飛行軌跡に基づいて、前記各ドローンの離陸を制御することと、を含み、
前記任意の2つのドローンの第1の距離は、前記任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である
ことを特徴とするドローンクラスタの離陸制御方法。
【請求項2】
前記任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、前記各ドローンの離陸時間を特定することは、
前記任意の2つのドローンの第1の距離に従って、前記複数のドローンをN個の飛行組に区画し、Nが1より大きい整数であることと、
前記N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定することと、を含み、
各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、前記N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、前記いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む前記少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記任意の2つのドローンの第1の距離に従って、前記複数のドローンをN個の飛行組に区画することは、
i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと、
前記i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1より大きい場合、前記i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が前記予定の距離より小さいか否かを特定することと、
前記i番目の飛行組に、第1の距離が前記予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの一方のドローンをi+1番目の飛行組に区画することと、
前記i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも前記予定の距離より小さくない場合、前記iをi+1とすることと、
を周期的に実行することを含み、
上記操作を周期的に実行する前に、前記複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである
ことを特徴とする請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することは、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて二分図を構築することと、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数の目標位置に対する前記各ドローンの飛行距離を特定することと、
前記複数の目標位置に対する前記各ドローンの飛行距離に基づいて、前記二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得することと、
前記計算結果に基づいて、前記各ドローンの目標位置を特定することと、を含み、
前記計算結果は、特定された目標位置に対する前記複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化させるために使用される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を取得することは、
前記離陸領域における前記複数のドローンの測位情報を取得することと、
前記離陸領域における座標原点を特定することと、
変換規則に従って、前記離陸領域における前記複数のドローンの測位情報を、前記座標原点に対する、前記離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を表す相対位置情報に変換することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
離陸領域に位置する複数のドローンを含むドローンクラスタの離陸制御装置であって、
前記離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を取得するための離陸位置取得モジュールと、
前記離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得するための集結領域取得モジュールと、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定するための目標位置特定モジュールと、
前記複数のドローンの各ドローンの離陸位置および前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記複数のドローンの離陸を制御するための離陸制御モジュールと、を含
み、
前記離陸制御モジュールは、
前記各ドローンの離陸位置および前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記各ドローンの飛行軌跡を特定するための飛行軌跡特定サブモジュールと、
前記複数のドローンの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、前記任意の2つのドローンの第1の距離を特定するための第1の距離特定サブモジュールと、
前記任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、前記各ドローンの離陸時間を特定するための離陸時間特定サブモジュールと、
前記各ドローンの離陸時間および前記各ドローンの飛行軌跡に基づいて、前記各ドローンの離陸を制御するための離陸制御サブモジュールと、を含み、
前記任意の2つのドローンの第1の距離は、前記任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である
ことを特徴とするドローンクラスタの離陸制御装置。
【請求項7】
前記離陸時間特定サブモジュールは、
前記任意の2つのドローンの第1の距離に従って、前記複数のドローンをN(Nが1より大きい整数である)の飛行組に区画するための区画ユニットと、
前記N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定するために特定ユニットと、を含み、
各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、前記N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、前記いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む前記少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである
ことを特徴とする請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記区画ユニットは、
i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと、
前記i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1より大きい場合、前記i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が前記予定の距離より小さいか否かを特定することと、
前記i番目の飛行組に、第1の距離が前記予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの一方のドローンをi+1番目の飛行組に区画することと、
前記i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも前記予定の距離より小さくない場合、前記iをi+1とすることと、
を周期的に実行することを含み、
上記操作を周期的に実行する前に、前記複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである
ことを特徴とする請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記目標位置特定モジュールは、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて二分図を構築するための二分図構築サブモジュールと、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数の目標位置に対する前記各ドローンの飛行距離を特定するための飛行距離特定サブモジュールと、
前記複数の目標位置に対する前記各ドローンの飛行距離に基づいて、前記二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得するための計算サブモジュールと、
前記計算結果に基づいて、前記各ドローンの目標位置を特定するための目標位置特定サブモジュールと、を含み、
前記計算結果は、特定された目標位置に対する前記複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化させるために使用される
ことを特徴とする請求項
6に記載の装置。
【請求項10】
前記離陸位置取得モジュールは、
前記離陸領域における前記複数のドローンの測位情報を取得するための測位情報取得サブモジュールと、
前記離陸領域における座標原点を特定するための座標原点特定サブモジュールと、
変換規則に従って、前記離陸領域における前記複数のドローンの測位情報を、前記座標原点に対する、前記離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を表す相対位置情報に変換するための変換サブモジュールと、を含む
ことを特徴とする請求項
6に記載の装置。
【請求項11】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、
前記1つ又は複数のプログラムがそれぞれ前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法を実行させる
ことを特徴とするドローンクラスタの離陸制御システム。
【請求項12】
プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法を実行させる実行可能な命令を記憶した
ことを特徴とするコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項13】
複数のドローンと制御装置とを含むドローンクラスタシステムであって、
各ドローンは、
所在するドローンの測位情報を取得するためのセンサと、
飛行信号に基づいて、所在するドローンの飛行を制御するコントローラと、を含み、
制御装置は、
1つまたは複数のプログラム命令を記憶するメモリと、
前記1つまたは複数のプログラム命令に従って、
前記複数のドローンの測位情報に基づいて、離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を特定することと、
前記離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することと、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することと、
前記各ドローンの離陸位置及び前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記各ドローンのコントローラに飛行信号を送信すること、を実行するプロセッサと、を含
み、
前記プロセッサは、
前記各ドローンの離陸位置および前記各ドローンの目標位置に基づいて、前記各ドローンの飛行軌跡を特定することと、
前記複数のドローンの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、前記任意の2つのドローンの第1の距離を特定することと、
前記任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、前記各ドローンの離陸時間を特定することと、
前記各ドローンの離陸時間および前記各ドローンの飛行軌跡に基づいて、前記各ドローンに飛行信号を送信することと、を実行することによって、前記飛行信号を送信し、
前記任意の2つのドローンの第1の距離は、前記任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である
ことを特徴とするドローンクラスタシステム。
【請求項14】
前記任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、前記各ドローンの離陸時間を特定することは、
前記任意の2つのドローンの第1の距離に従って、前記複数のドローンをN個の飛行組に区画し、Nが1より大きい整数であることと、
前記N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定することと、を含み、
各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、前記N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、前記いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む前記少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである
ことを特徴とする請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記任意の2つのドローンの第1の距離に従って、前記複数のドローンをN個の飛行組に区画することは、
i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと、
前記i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1より大きい場合、前記i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が前記予定の距離より小さいか否かを特定することと、
前記i番目の飛行組に、第1の距離が前記予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの一方のドローンをi+1番目の飛行組に区画することと、
前記i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも前記予定の距離より小さくない場合、前記iをi+1とすることと、
を周期的に実行することを含み、
上記操作を周期的に実行する前に、前記複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである
ことを特徴とする請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することは、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて二分図を構築することと、
前記複数のドローンの離陸位置および前記複数の目標位置に基づいて、前記複数の目標位置に対する前記各ドローンの飛行距離を特定することと、
前記複数の目標位置に対する前記各ドローンの飛行距離に基づいて、前記二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得することと、
前記計算結果に基づいて、前記各ドローンの目標位置を特定することと、を含み、
前記計算結果は、特定された目標位置に対する前記複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化させるために使用される
ことを特徴とする請求項
13に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のドローンの測位情報に基づいて、離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を取得することは、
前記離陸領域における座標原点を特定することと、
変換規則に従って、前記複数のドローンの測位情報を、前記座標原点に対する、前記離陸領域における前記複数のドローンの離陸位置を表す相対位置情報に変換することと、を含む
ことを特徴とする請求項
13に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御装置は、前記複数のドローンのうちのいずれかのドローンに設けられる
ことを特徴とする請求項
13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子技術の分野に関し、より具体的には、ドローンクラスタシステム、離陸制御方法、装置、システム、及び読取可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、単一のドローンの使用(例えば、航空写真、巡回検査、物流などに用いられる)が比較的成熟している。しかしながら、多回転翼ドローンの測位精度、位置追跡の柔軟性、及びホバリングの可能性という長所を考慮し、複数のドローンを用いて編隊に編成してタスクを実施することは、もちろん近年のドローンの発展の重要な傾向である。
【0003】
本開示の概念を実現する過程において、発明者は、従来技術において、少なくとも、ドローン編隊を用いてタスクを実行する際、通常、ドローンを指定位置から離陸させ、指定の編隊のフォーメーションを集結して編成し、後続のタスクを実行する必要があるという問題があることを発見した。コストの制御及び技術的制限により、通常、ドローンは、予め設定されたシナリオの軌跡の形態で編隊飛行を実現する。離陸環境が複雑で干渉が多いことを考慮すると、ドローンが離陸する際に、まず、可能な限り衝突事態の発生を回避するという問題を先に解決すべきである。現在、衝突の問題を解決するために、通常、ドローンの地面の初期の据える位置の観点から考慮されている。具体的には、ドローンを所定の番号順に、集結時の相対位置に合わせて地面に並べることにより、衝突問題を解決する。そして、ドローンの離陸時に十分な安全空間を確保するために、隣り合う2つのドローン間の距離を適切に長くする必要がある。
【0004】
このような衝突対策の方法では、ドローン毎に人的に番号を指定する必要があるという問題がある。このため、編隊ドローンの数が多い場合には、人手によって1機ずつ番号を割り当てる作業に時間がかかり、あるドローンに故障が発生して交換が必要な場合には、交換されたドローンにも引き続き番号を割り当てる必要がある。さらに、ドローンの姿勢制限が多い。一方、指定された番号のドローンを指定された位置に据える必要があり、置き間違いがあると、ドローン同士の衝突が起こり、編隊離陸タスクの失敗を招く可能性がある。一方、ドローンの据えは、地上の敷地空間、環境等の制限要因の影響が大きく、したがって、ドローンの据えは、フォーメーションを集結する要求を満たすことが困難な場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、人工的な時間の消費を効果的に低減し、敷地の要求を低減することができるドローンクラスタ及び離陸制御方法、装置、システム、および読取可能な媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、離陸領域に位置する複数のドローンを含むドローンクラスタの離陸制御方法であって、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を取得することと、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することと、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することと、複数のドローンの各ドローンの離陸位置および各ドローンの目標位置に基づいて、複数のドローンの離陸を制御することと、を含むドローンクラスタの離陸制御方法を提供している。
【0007】
本開示の実施例によれば、上記した複数のドローンの各ドローンの離陸位置および各ドローンの目標位置に基づいて、複数のドローンの離陸を制御することは、各ドローンの離陸位置および各ドローンの目標位置に基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定することと、複数のドローンの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、任意の2つのドローンの第1の距離を特定することと、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定することと、各ドローンの離陸時間および各ドローンの飛行軌跡に基づいて、各ドローンの離陸を制御することと、を含み、任意の2つのドローンの第1の距離は、任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である。
【0008】
本開示の実施例によれば、上記した任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定することは、任意の2つのドローンの第1の距離に従って、複数のドローンをN個の飛行組に区画し、Nが1より大きい整数であることと、N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定することと、を含み、各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである。
【0009】
本開示の実施例によれば、上記した任意の2つのドローンの第1の距離に従って、複数のドローンをN個の飛行組に区画することは、i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1より大きい場合、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離より小さいか否かを特定することと、i番目の飛行組に、第1の距離が予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの一方のドローンをi+1番目の飛行組に区画することと、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも予定の距離より小さくない場合、iをi+1とすることと、を周期的に実行することを含み、上記操作を周期的に実行する前に、複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである。
【0010】
本開示の実施例によれば、上記した複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することは、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて二分図を構築することと、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離を特定することと、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離に基づいて、二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得することと、計算結果に基づいて、各ドローンの目標位置を特定することと、を含み、計算結果は、特定された目標位置に対する複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化させるために使用される。
【0011】
本開示の実施例によれば、上記した離陸領域における複数のドローンの離陸位置を取得することは、離陸領域における複数のドローンの測位情報を取得することと、離陸領域における座標原点を特定することと、変換規則に従って、離陸領域における複数のドローンの測位情報を、座標原点に対する、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を表す相対位置情報に変換することと、を含む。
【0012】
本開示の別の態様は、ドローンクラスタの離陸制御装置を提供し、ドローンクラスタは、離陸領域に位置する複数のドローンを含む。この離陸制御装置は、離陸位置取得モジュール、集結領域取得モジュール、目標位置特定モジュール、及び離陸制御モジュールを含む。離陸位置取得モジュールは、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を取得する。集結領域取得モジュールは、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得する。目標位置特定モジュールは、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定する。離陸制御モジュールは、複数のドローンの各ドローンの離陸位置および各ドローンの目標位置に基づいて、複数のドローンの離陸を制御する。
【0013】
本開示の実施例によれば、上述の離陸制御モジュールは、飛行軌跡特定サブモジュールと、第1の距離特定サブモジュールと、離陸時間特定サブモジュールと、離陸制御サブモジュールとを含む。飛行軌跡特定サブモジュールは、各ドローンの離陸位置及び各ドローンの目標位置に基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定する。第1の距離特定サブモジュールは、複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、任意の2つのドローンの第1の距離を特定する。離陸時間特定サブモジュールは、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定する。離陸制御サブモジュールは、各ドローンの離陸時間および各ドローンの飛行軌跡に基づいて、各ドローンの離陸を制御する。任意の2つのドローンの第1の距離は、任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である。
【0014】
本開示の実施例によれば、上述の離陸時間特定サブモジュールは、区画ユニットと、特定ユニットとを備える。そのうち、区画ユニットは、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、複数のドローンをN個の飛行組に区画することに用いられ、Nは1より大きい整数である。特定ユニットは、N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定する。各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである。
【0015】
本開示の実施例によれば、上記の区画ユニットは、具体的には、区画ユニットは、i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1より大きい場合、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離より小さいか否かを特定することと、i番目の飛行組に、第1の距離が予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの一方のドローンをi+1番目の飛行組に区画することと、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも予定の距離より小さくない場合、iをi+1とすることと、を周期的に実行することを含み、上記操作を周期的に実行する前に、複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである。
【0016】
本開示の実施例によれば、上記目標位置特定モジュールは、二分図構築サブモジュールと、飛行距離特定サブモジュールと、計算サブモジュールと、目標位置特定サブモジュールとを含む。そのうち、二分図構築サブモジュールは、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、二分図を構築する。飛行距離特定サブモジュールは、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離を特定する。計算サブモジュールは、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離に基づいて、二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得する。目標位置特定サブモジュールは、計算結果に基づいて、各ドローンの目標位置を特定する。計算結果は、特定の目標位置に対する複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化させるために使用される。
【0017】
本開示の実施例によれば、上記離陸位置取得モジュールは、測位情報取得サブモジュール、座標原点特定サブモジュール及び変換サブモジュールを含む。測位情報取得サブモジュールは、離陸領域における複数のドローンの測位情報を取得する。座標原点特定サブモジュールは、離陸領域における座標原点を特定する。変換サブモジュールは、変換規則に従って、離陸領域における複数のドローンの測位情報を、座標原点に対する、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を表す相対位置情報に変換する。
【0018】
本開示の別の態様は、複数のドローンと、制御装置とを含むドローンアウトシステムを提供する。各ドローンは、センサとコントローラとを含む。センサは、所在するドローンの測位情報を取得するために使用され、コントローラは、飛行信号に従って、所在するドローンの飛行を制御するために使用される。制御装置は、メモリとプロセッサとを含む。メモリは、1つまたは複数のプログラム命令を記憶する。プロセッサは、1つまたは複数のプログラム命令に従って、複数のドローンの測位情報に基づいて、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を特定することと、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することと、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することと、各ドローンの離陸位置及び各ドローンの目標位置に基づいて、各ドローンのコントローラに飛行信号を送信することと、を実行する。
【0019】
本開示の実施例によれば、上記プロセッサは、各ドローンの離陸位置および各ドローンの目標位置に基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定することと、複数のドローンの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、任意の2つのドローンの第1の距離を特定することと、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定することと、各ドローンの離陸時間および各ドローンの飛行軌跡に基づいて、各ドローンに飛行信号を送信することとを実行することによって、飛行信号を送信する。そのうち、任意の2つのドローンの第1の距離は、任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である。
【0020】
本開示の実施例によれば、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定することは、任意の2つのドローンの第1の距離に従って、複数のドローンをN個の飛行組に区画し、Nが1より大きい整数であることと、N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定することと、を含み、各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである。
【0021】
本開示の実施例によれば、任意の2つのドローンの第1の距離に従って、複数のドローンをN個の飛行組に区画することは、i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1より大きい場合、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離より小さいか否かを特定することと、i番目の飛行組に、第1の距離が予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの一方のドローンをi+1番目の飛行組に区画することと、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも予定の距離より小さくない場合、iをi+1とすることと、を周期的に実行することを含み、上記操作を周期的に実行する前に、複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである。
【0022】
本開示の実施例によれば、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することは、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて二分図を構築することと、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離を特定することと、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離に基づいて、二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得することと、計算結果に基づいて、各ドローンの目標位置を特定することと、を含み、計算結果は、特定された目標位置に対する複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化させるために使用される。
【0023】
本開示の実施例によれば、複数のドローンの測位情報に基づいて、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を取得することは、離陸領域における座標原点を特定することと、変換規則に従って、複数のドローンの測位情報を、座標原点に対する、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を表す相対位置情報に変換することと、を含む。
【0024】
本開示の実施例によれば、上述の制御装置は、複数のドローンのうちのいずれかのドローンに設けられる。
【0025】
本開示の別の態様は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置とを備えるドローンクラスタの離陸制御システムを提供し、前記1つまたは複数のプログラムが1つまたは複数のプロセッサによってそれぞれ実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに、上述のドローンクラスタの離陸制御方法を実行させる。
【0026】
本開示の別の態様は、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、上記のドローンクラスタの離陸制御方法を実行させる実行可能な命令を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0027】
本開示の別の態様は、実行されたときに、上記のドローンクラスタの離陸制御方法を実現するためのコンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本開示の実施例によれば、ドローンクラスタの離陸が、マシンごとに番号を人工的に割り当てることを必要とすることによって、より長い時間を要するという従来技術の欠点を少なくとも部分的に解決することができ、したがって、複数のドローンの離陸位置に従ってドローンの目標位置を特定し、離陸位置および目標位置に従ってドローンの離陸の制御方法を制御し、マシンごとに番号を人工的に割り当てるプロセスを低減し、人工の時間消費を低減し、離陸場所に対する要求を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、以下の発明を実施するための形態とともに本発明を説明するために使用されるが、本発明を限定するものではない。
【
図1】
図1は、本開示の実施例によるドローンクラスタおよび離陸制御方法、装置、システム、および読取可能な媒体の適用シナリオを概略的に示している。
【
図2】
図2は、本開示の実施例によるドローンクラスタの離陸制御方法のフローチャートを概略的に示している。
【
図3】
図3は、本開示の実施例によるドローンの離陸位置を取得するフローチャートを概略的に示している。
【
図4】
図4は、本開示の実施例による各ドローンの目標位置を特定するフローチャートを概略的に示している。
【
図5】
図5は、本開示の実施例によるドローンの離陸を制御するフローチャートを概略的に示している。
【
図6A】
図6Aは、本開示の実施例による複数のドローンの離陸時間を特定するフローチャートを概略的に示している。
【
図6B】
図6Bは、本開示の実施例による複数のドローンをN個の飛行組に区画するフローチャートを概略的に示している。
【
図7】
図7は、本開示の実施例によるドローンが離陸した後に集結領域に集結する効果の概略図を概略的に示している。
【
図8】
図8は、本開示の実施例によるドローンクラスタの離陸制御装置の概略ブロック図を概略的に示している。
【
図9】
図9は、本開示の実施例によるドローンクラスタの離陸制御方法を実現するのに適した離陸制御システムのブロック図を概略的に示している。
【
図10A】
図10Aは、本開示の例示的な実施例一によるドローンクラスタシステムの概略図を概略的に示している。
【
図10B】本開示の例示的な実施例二によるドローンクラスタシステムの概略図を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施例について図面を参照して説明する。これらの説明は例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の詳細な説明では、説明を容易にするために、本開示の実施例の完全な理解を提供するように多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに1つ以上の実施例が実施されてもよいことは明らかである。また、以下の説明において、本発明の概念を不必要に混乱させることを避けるように、周知の構造及び技術に対する説明は省略する。
【0031】
本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図しない。「備える」、「含む」などの本明細書で使用される用語は、前記特徴、ステップ、操作、および/または部品の存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、または部品の存在または追加を除外しない。
【0032】
本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、別途定義されない限り、当業者によって一般的に理解される意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書の文脈と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想的または過度に形式的に解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0033】
「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する表現を使用する場合、その表現の意味が当業者によって一般的に理解されるように解釈されるべきである(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aを単独で有するシステム、Bを単独で有するシステム、Cを単独で有するシステム、A及びBを有するシステム、A及びCを有するシステム、B及びCを有するシステム、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する表現を使用する場合、その表現の意味が当業者によって一般的に理解されるように解釈されるべきである(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aを単独で有するシステム、Bを単独で有するシステム、Cを単独で有するシステム、AとBを有するシステム、AとCを有するシステム、BとCを有するシステム、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。
【0034】
本開示の実施例は、ドローンクラスタの離陸制御方法、装置、システム、および読取可能な媒体を提供する。ドローンクラスタは、離陸領域に位置する複数のドローンを含み、ドローンクラスタの離陸制御方法は、離陸領域内の複数のドローンの離陸位置を取得することと、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することと、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することと、複数のドローンの各ドローンの離陸位置および各ドローンの目標位置に基づいて、複数のドローンの離陸を制御することとを含む。
【0035】
図1は、本開示の実施例によるドローンクラスタおよび離陸制御方法、装置、システム、および読取可能な媒体の適用シナリオを概略的に示している。なお、
図1は、当業者が本開示の技術内容を容易に理解するように、本開示の実施例を適用できる適用シナリオの例示に過ぎず、本開示の実施例が他の機器、システム、環境又はシナリオに適用できないことを意味するものではない。
【0036】
図1に示すように、この適用シナリオには、ドローン101~105からなるドローンクラスタが並べられている離陸領域10が設けられている。
【0037】
ここで、離陸領域10は、具体的には、例えば、ドローンの離陸地として地面上のある平坦な領域であることができる。当該離陸領域10は、その地理位置(例えば、経度、緯度および高度など)に基づいて、ドローンクラスタが離陸した後に集結する空間範囲を限定するための集結領域20に対応している。
【0038】
ここで、ドローンクラスタが編隊を編成してタスクを実行するニーズに応じて、当該集結領域20に予定の目標位置を有してもよく、具体的には、例えば目標位置201~205であってもよい。この目標位置の数は、ドローンクラスタにおけるドローンの数と同じであり、これにより、ドローンクラスタが、集結領域における目標位置に飛行した後、タスクの実行に対応するフォーメーションに据えられることができ、例えば、
図1における「T」字型フォーメーションを参照することができる。ここで、目標位置の設定位置は、集結領域におけるドローンクラスタのフォーメーションに依存する。本開示を容易に理解するように、
図1の目標位置の設定位置、及び、集結領域におけるドローンクラスタのフォーメーションが例示に過ぎず、当該位置およびフォーメーションが、具体的に、具体的なタスクに応じて設定され得ることが理解される。例えば、ドローンクラスターは、集結領域において「D」字型のフォーメーション、「飛鳥状」のフォーメーション、楕円形のフォーメーション、菱形のフォーメーションなどに据えられることもでき、本開示は、これを限定しない。
【0039】
ここで、ドローン101~105は、具体的には、多回転翼ドローン、無人ヘリコプター、または固定翼ドローンとすることができる。そのうち、多回転翼ドローンが位置決め精度、位置追跡の柔軟性、及びホバリングが可能である等の利点を有することを考慮し、本開示の実施例におけるドローン101~105は、多回転翼ドローンであることが好ましい。
【0040】
本開示に提供されるドローンクラスタの離陸制御方法は、具体的には、まず、離陸領域10に基づいて集結領域20を特定し、タスクの需要に応じて集結領域が含む目標位置の個数及び分布を特定し、そして、離陸領域におけるドローンクラスタの離陸位置に応じて、各ドローンに適切な目標位置を割り当て、各ドローンが割り当てられた目標位置に飛行する際にドローンクラスタが集結領域でタスクのニーズに応じた形状に据えられるように、各ドローンの離陸を制御する。
【0041】
ここで、ドローンクラスタの離陸制御を考慮し、予め設定されたスクリプト軌跡の形式を採用するのではなく、リアルタイムでドローンの離陸位置に基づいて飛行軌跡を特定するため、本開示の実施例のドローンクラスタの離陸制御方法を実行する前に、ドローンを据える際に、離陸領域におけるドローンクラスタの据える位置を厳格に制限する必要はなく、ドローンの据えが基本的な離陸条件(例えば、任意の2つのドローン間の間隔が0.5~1m程度であること)を満たすことを保証すればよい。これにより、離陸場所の空間環境に対するドローンクラスタの離陸の要求を低減し、編隊タスクの実行に有利である。
【0042】
図1の離陸領域、集結領域、ドローンクラスタに含まれるドローンの数、離陸領域におけるドローンの据える位置、目標位置の数、及び集結領域における目標位置の分布位置は、単なる例示であることが理解される。実現の需要に応じて、任意の位置の離陸領域、集結領域、任意の個数のドローンおよび目標位置を有してもよい。
【0043】
図2は、本開示の実施例によるドローンクラスタの離陸制御方法のフローチャートを概略的に示している。
【0044】
図2に示すように、本開示の実施例のドローンクラスタの離陸制御方法は、操作S210~S240を含む。
【0045】
そのうち、ドローンクラスタは、離陸領域に位置する複数のドローンを含んでもよく、例えば、
図1の離陸領域10に位置するドローン101~105を含んでもよい。相応的には、操作S210を実行する前に、例えば、従業員がドローンを離陸領域内に据えることもできる。ここで、ドローンを据える場合、具体的には離陸場所の状況に応じて離陸領域を選定し、複数のドローンをこの選定された離陸領域内にできるだけ均一に据えることができる。なお、据えられた隣接する2つのドローンの距離は、ドローンの離陸の最低要求を満たせばよく、例えば、任意の隣接する2つのドローン間の間隔は、0.5m~1mである。
【0046】
操作S210では、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を取得する。
【0047】
本開示の実施例によれば、複数のドローンの離陸位置は、具体的に、手動測定によって求めることができ、当該測定は、具体的には、ある位置を座標原点として、複数のドローンの位置の座標値を測定することができ、i番目のドローンの座標値は、pi(xi,yi,zi)として表すことができる。
【0048】
本開示の実施例によれば、人間の作業にかかる時間をさらに低減するために、複数のドローンの離陸位置は、具体的に、測位システムによって自動的に検出されてもよい。すなわち、この操作S210では、具体的に、まず、複数のドローンをスタートさせて、その複数のドローンを離陸待機状態に保つことができる。そして、ドローンのGPS測位機能により、地上局は通信リンクを利用してドローンの離陸GPS測位情報を取得する。ここで、i番目のドローンの測位情報は、例えば、ドローンの経度、緯度及び高度を含むことができ、具体的には、例えば、pi(loni,lati,hi)として表すことができる。
【0049】
本開示の実施例によれば、その後の処理を容易にするために、ドローンの離陸GPS測位情報が取得された後、例えば、当該測位情報を直交座標表現に変換してもよく、これにより、その後の目標位置の特定を容易にする。具体的には
図3の説明を参照する。
【0050】
操作S220では、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得する。
【0051】
本開示の実施例によれば、通常、統合管理を容易にし、集結をスムーズに行うように、各離陸場所は、予め設定された集結領域に対応付けられる。具体的には、当該集結領域は、離陸領域から上方に所定の高さだけ離れた領域で、離陸領域から一定の水平オフセットがある領域であることができる。従って、離陸場所が決まれば、その集結領域が決まる。上記操作S220は、具体的には、離陸領域が存在する位置(例えば経度、緯度及び高度等の当該離陸領域を唯一に表す位置情報)に基づいて、対応する集結領域を特定するものである。
【0052】
本開示の実施例によれば、上記集結領域には、複数の目標位置が含まれる。ドローンクラスタの離陸を制御する前に、編隊タスクが予め特定されており、かつ、特定された編隊タスクに対して、適切な集結形状が予め設定されていることを考慮し、そのため、上記の操作S220は、編隊タスクによって集結形状を特定し、集結形状によって集結領域における複数の目標位置を特定する操作をさらに含むことができる。
【0053】
本開示の実施例によれば、複数の目標位置のうちのi番目の目標位置は、具体的には符号Riによって表すことができ、i番目の目標位置の座標値は、具体的には、例えば、地面のある点を原点として表すことができる。より具体的には、その後の離陸制御を容易にするために、当該目標位置は、例えば、ドローンの離陸位置と同じ座標系で表されてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0054】
操作S230において、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定する。
【0055】
本開示の実施例によれば、編隊タスクの実行に条件を提供するために、複数のドローンが集結領域に飛行する際に、複数のドローンの各ドローンが複数の目標位置における1つの目標位置に唯一に対応するべきであり、これにより、複数のドローンが集結領域に適切な集結形状に据えられることができる。したがって、操作S230により、離陸位置と目標位置とを1対1に対応付けることができ、すなわち、各ドローンの唯一的な目標位置を特定することができる。
【0056】
本開示の実施例によれば、複数のドローンが離陸中に衝突を起こし得る状況が考慮される。したがって、上記操作S230において各ドローンの目標位置を特定する際、複数のドローンの離陸位置と対応的な目標位置との接続線が交差しないようにすべきである。
【0057】
本開示の実施例によれば、飛行中にドローンによって使用され得るエネルギーは一定であることを考慮し、編隊タスクがスムーズに行うために、上記操作S230において各ドローンの目標位置を特定する際に、複数のドローンの離陸位置から目標位置まで飛行するときの飛行経路の全長ができるだけ大きく相違しないようにすべきである。当該複数のドローンの離陸位置から目標位置まで飛行するときの飛行経路の平均長さをできるだけ小さくすべきである。
【0058】
本発明の実施例によれば、上述操作S230は、ドローンの目標位置を特定する際に、具体的には、実際の要求に応じて異なる要因を考慮することができ、異なる方法を用いて目標位置を特定することができ、本開示はこれを限定しない。例えば、上述操作S230は、具体的に
図4に説明する方法を採用することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0059】
操作S240において、複数のドローンの各ドローンの離陸位置及び各ドローンの目標位置に基づいて、複数のドローンの離陸を制御する。
【0060】
ドローンの離陸位置及び目標位置が特定された後に、各ドローンの飛行軌跡及び離陸時間が設定され、ドローンが設定された離陸時間で飛行軌跡に基づいて飛行するように制御される。したがって、上記の操作S240は、具体的には、まず、各ドローンの離陸位置及び目標位置に基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定することができる。
【0061】
本開示の実施例によれば、飛行軌跡が交差していなくても、2つのドローンが離陸する過程に、距離が近すぎて相互作用力により軌跡から外れて衝突する可能性があると考えられる。したがって、操作S240では、飛行軌跡を特定した後、飛行軌跡に基づいて離陸時間を特定することもでき、これにより、衝突の可能性がある2つのドローンが異なる時点で離陸することができる。最後に、特定された離陸時間及び飛行軌跡に基づいて、複数のドローンが集結領域で集結し、所定の形状に据えられるように、複数のドローンの離陸を制御する。本開示の実施例によれば、上述の操作S240の具体的な実現方式は、例えば
図5~
図6Bの説明を参照することができ、ここでは詳述しない。
【0062】
以上のことから、本開示の実施例のドローンクラスタの離陸制御方法は、ドローンを予め設定されたスクリプト軌跡に基づいて予定の目標位置に離陸させるものではない。リアルタイムでドローンの離陸位置に基づいて目標位置を特定し、特定した目標位置に基づいてドローンの離陸を制御する。これにより、ドローンの据えに関する制約条件を少なくすることができ、たとえば、ドローンを予定の位置に予め据える必要がなく、ドローンに番号を予め割り当てる必要もない。作業者の作業にかかる手間を効果的に低減することができ、ドローンの据えミスによる2台のドローンの衝突を回避することができる。したがって、編隊タスクの円滑な実行を効果的に保証することができる。さらに、ドローンの据えの制約条件が低減したので、離陸場所の空間、環境等の条件に対する要求をある程度に低減でき、編隊タスクの実行困難度を低減できる。
【0063】
図3は、本開示の実施例によるドローンの離陸位置を取得するフローチャートを概略的に示している。
【0064】
図3に示すように、操作S210におけるドローンの離陸位置を取得するフローは、具体的には、操作S311~操作S313を含むことができる。
【0065】
操作S311では、離陸領域における複数のドローンの測位情報を取得する。
【0066】
本開示の実施例によれば、操作S311で取得されるドローンの離陸領域内の測位情報は、具体的に、地上局によって通信リンクを用いて取得されるGPS測位情報であることができる。GPS測位情報は、ドローンの経度、緯度、及び高度を含む。複数のドローンの個数をM個とすると、操作S211は、全部でM組の異なる測位情報を収集することができ、i番目の測位情報はpi(loni,lati,hi)として表すことができ、loniは経度値を表し、latiは緯度値を表し、hiは高度値を表す。
【0067】
本開示の実施例によれば、測位情報の取得を容易にするために、操作S311を実行する前に、例えば、まず複数のドローンをスタートさせて、その複数のドローンを離陸待機状態に保つことができ、これにより、ドローンのGPS測位機能をオンにすることもできる。
【0068】
操作S312では、離陸領域における座標原点を特定する。操作S313では、変換規則に従って、離陸領域内の複数のドローンの測位情報を、座標原点に対する相対位置情報に変換する。当該相対位置情報は、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を示すことができる。
【0069】
本開示の実施例によれば、操作S312~S313によって、測位情報pi(loni,lati,hi)は、例えば、pi(xi,yi,zi)に変換され得る。すなわち、操作S312~操作S313によって、ドローンのグローバル位置座標を、座標原点に対するローカル座標に変換して、操作S230におけるドローンの目標位置の特定を容易にすることができる。
【0070】
本発明の実施例によれば、操作S230における変換規則は、具体的には、グローバル座標を直交座標に変換する変換規則であってもよい。この変換規則は、具体的には、例えば、以下の式(1)~式(3)で表すことができる:
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【0071】
図4は、本開示の実施例による各ドローンの目標位置を特定するフローチャートを概略的に示している。
【0072】
図4に示すように、操作S230におけるドローンの目標位置を特定するフローは、具体的には、操作S431~操作S434を含む。
【0073】
操作S431では、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、二分図を作成する。
【0074】
本開示の実施例によれば、操作S431は、具体的には、複数の離陸位置を1つのポイントセットとし、複数の目標位置を1つのポイントセットとして、2つのポイントセット間に二分図を構築し、これにより、各辺の2つの端点のうちの一方が離陸位置であり、他方が目標位置である。具体的には、複数の離陸位置の座標値からなる集合をSとし、複数の目標位置の座標値からなる集合をRとすると、構築された二分図において、i番目の離陸位置とj番目の目標位置とを結ぶ辺をVijとして表すことができる。
【0075】
本開示の実施例によれば、複数のドローンの飛行距離の合計が最小値であり、各ドローンが1つの目標位置に唯一に対応することを保証するために、操作S431で作成される二分図は、具体的に、重み付完全二分図であることができ、重みが離陸位置と目標位置との間の距離の逆数であり、具体的には辺Vijの長さの逆数である。
【0076】
操作S432において、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離が特定される。
【0077】
本開示の実施例によれば、この操作S432は、具体的には、離陸位置ごとに、各離陸位置と複数の目標位置の各目標位置との間の距離を計算し、複数の距離値を取得することであってもよい。離陸位置と目標位置がどちらもM個であるとすると、計算される距離値の個数はM2個となる。
【0078】
本開示の実施例によれば、飛行距離の計算を容易にするために、ここでの離陸位置の座標値と目標位置の座標値は、例えば、同じ座標系に基づいて表され得る。例えば、離陸位置の座標値が
図3の操作S313を参照して変換されたローカル座標である場合、操作S220で取得された複数の目標位置の座標値も操作S312における座標原点に対するローカル座標である。
【0079】
操作S433において、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離に基づいて、二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を取得する;操作S434において、その計算結果に基づいて各ドローンの目標位置を特定する。
【0080】
本開示の実施例によれば、操作S433は、具体的には、例えば、完全マッチングにおいて二分図の最大重みがマッチングし、全てのマッチング辺の重み総和が最大値であるように、KMアルゴリズム(Kuhn-Munkresアルゴリズム)を用いることができる。また、重みが辺Vijの長さの逆数であることを考慮し、KMアルゴリズムを用いて最大重みのマッチング計算を行うことにより、得られる計算結果が距離和が最小となる結果であり、すなわち、当該計算結果により、特定の目標位置に対する複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計が最小となることができる。
【0081】
本開示の実施例によれば、完全マッチングでの二分図の最大重みマッチングを求めることによって得られる計算結果は、集合Sの各点に対して集合Rに対応点を割り当てることができるので、計算結果は、離陸位置と目標位置との対応関係を特定することができる。また、離陸位置が一つのドローンを唯一に表すものであるから、当該計算結果に基づいて、各ドローンの目標位置を直接的に特定することができる。
【0082】
以上のように、上記操作S431~操作S434により、複数のドローンの離陸位置から対応目標位置までの距離和を最小にすることができ、これにより、ドローンが蓄える電力量を節約できる。また、KMアルゴリズムを用いて最大重みマッチング計算を行うので、複数のドローンの離陸位置から目標位置までの接続線が交差しないことを保証でき、ドローンの離陸中の衝突をある程度に回避することができる。
【0083】
図5は、本開示の実施例によるドローンの離陸を制御するフローチャートを概略的に示している。
【0084】
図5に示すように、操作S240における複数のドローンの離陸を制御するフローは、具体的には、操作S541~操作S544を含み得る。
【0085】
操作S541では、各ドローンの離陸位置と各ドローンの目標位置とに基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定する。
【0086】
本開示の実施例によれば、離陸位置から目標位置まで各ドローンが飛行するための総消費エネルギーを最小にするために、操作S541で特定される各ドローンの飛行軌跡は、具体的には、例えば、各ドローンの離陸位置と目標位置との接続線であってもよい。
【0087】
本開示の実施例によれば、ドローンの実際の離陸が、一般的に、予定の高度まで上昇した後、目標位置に向かって飛行することを考慮する。操作S541で特定される各ドローンの飛行軌跡は、具体的には、離陸位置から上方に予定の高さで離れた所定の位置まで飛行する接続線と、予定位置から目標位置までの接続線との組み合わせによって形成される軌跡であってもよい。この場合、ドローンに特定された目標位置の正確性を保証するために、当該予定位置を、
図4の操作S431で説明された離陸位置としてもよく、ここでは贅言しない。
【0088】
操作S542において、複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、任意の2つのドローンの第1の距離を特定する。第1の距離は、具体的には、任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である。
【0089】
操作S543において、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定する。
【0090】
本開示の実施例によれば、当該操作S543は、具体的には、2つのドローンの第1の距離が予定の距離未満である場合、2つのドローンが目標位置に向かって飛行する過程に衝突することを避けるように、当該2つのドローンに異なる離陸時間を設定することができる。2つのドローンの第1の距離が予定の距離より小さくない場合、複数のドローンの集結効率を高めるように、当該2つのドローンに同じ離陸時間を設定することができる。
【0091】
本開示の実施例によれば、この操作S543の具体的な実施例は、例えば、
図6A~
図6Bを参照して以下に説明する方法を採用することもでき、ここでは詳述しない。
【0092】
操作S544では、各ドローンの離陸時間および各ドローンの飛行軌跡に基づいて各ドローンの離陸を制御し、これにより、複数のドローンの各ドローンが離陸時間で飛行軌跡に従って離陸して飛行する。これにより、複数のドローンが対応目標位置まで飛行することができ、集結領域内で所望の形状に据えられることができる。
【0093】
図6Aは、本開示の実施例による複数のドローンの離陸時間を特定するフローチャートを概略的に示している。
図6Bは、本開示の実施例による複数のドローンをN個の飛行組に区画するフローチャートを概略的に示している。
【0094】
図6Aに示したように、
図5の操作S543は、具体的に、操作S6431と操作S6432とをさらに含むことができる。
【0095】
操作S6431において、任意の2つのドローンの第1の距離に従って、複数のドローンをN個の飛行組に区画し、Nは1より大きい整数である。操作S6432では、N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定する。
【0096】
本開示の実施例によれば、2つのドローンの第1の距離が予定の距離よりも小さい場合、目標位置への飛行中に2つのドローンが衝突する可能性があることを考慮して、2つのドローンを異なる飛行組に区画することができ、最終的にN個の飛行組を区画して取得する。N個の飛行組に異なる離陸時間を割り当てることにより、飛行中にドローンが衝突する状況の発生を効果的に回避する。各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含む。
【0097】
本開示の実施例によれば、同じ離陸時間を有するドローンが衝突しないことを保証するために、同じ飛行組に属する複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの第1の距離が、予定の距離よりも小さくならないようにする。本開示の実施例によれば、この予定の距離は、具体的には、例えば、2つのドローンが衝突しないことを保証する最小距離であることができる。
【0098】
本開示の実施例によれば、具体的には、例えば、N個の飛行組のうちの1番目の飛行組に離陸時間t1を設定し、その後の2番目の飛行組に離陸時間t2=t1+Tdelayを設定し、ここでTdelayは、1番目の飛行組の離陸時間に対する2番目の飛行組の離陸時間の遅延時間であり、以下同様に、i番目の飛行組の離陸時間はti=t1+(i-1)Tdelayとして表すことができる。具体的には、ここでTdelayの値は、実際のニーズに応じて設定することができる。例えば、Tdelayの初期値を1sとして、理論推定により、設定された離陸時間で離陸すれば衝突の可能性があるか否かを特定することができる。もし、衝突する場合があれば、適宜Tdelayの値を大きくして、例えばTdelayを1.5sに大きくして、さらに理論推定により、まだ衝突の場合があるか否かを特定する。もし、衝突がまだ存在する場合は、Tdelayの値を再び大きくする。このように、Tdelayの値により衝突状況が存在しなくなることを保証できるまで、逐次類推される。したがって、当該Tdelayは、具体的に、ドローンクラスタの離陸に衝突状況がないことを保証する最小値であり、それにより、ドローンクラスタの離陸効率を効果的に保証する。
【0099】
本開示の実施例によれば、
図6Bに記載されたように、上述の操作S6431が複数のドローンをN個の飛行組に区画することは、具体的には、周期的に実施される操作S6431A~操作S6431Eを含むことができる。
【0100】
操作S6431Aでは、i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定する。操作S6431Bでは、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1よりも大きいかどうかを判定する。ここで、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1以下である場合には、当該i番目の飛行組に含まれるドローンが同じ時間で離陸しても衝突のおそれがないので、このループを終了する。i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1よりも大きい場合、i番目の飛行組に含まれた複数のドローンが同じ時間で離陸する場合に衝突する可能性があるかどうかを判断する必要があるので、i番目の飛行組中の任意の2つのドローンの第1の距離が前記予定の距離よりも小さいかどうかを判定する操作S6431Cを実行する。当該i番目の飛行組に第1の距離が予定の距離未満である2つのドローンが存在しない場合、当該i番目の飛行組における複数のドローンが同じ時間に離陸しても衝突する可能性がなく、i+1番目の飛行組の判定を継続し、すなわち、操作S6431Eを実行し、iをi+1にし、S6431Fを実行し、i番目の飛行組にドローンが含まれるか否かを判定する。含まれる場合、操作S6431Aに戻って実行する。含まれなければ、複数のドローンの区画が完了する。i番目の飛行組に第1の距離が予定の距離未満である2つのドローンが存在する場合には、操作S6431Dを実行し、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離がいずれも予定の距離小さくなくなるまで、第1の距離が予定の距離未満である2つのドローンのうちの1つをi+1番目の飛行組に区画し、そして、i+1番目の飛行組の判定を続ける。すなわち、操作S6431Eを実行し、iをi+1として、操作S6431Fを実行し、i番目の飛行組にドローンが含まれるかどうかを判定する。含まれていなければ、複数のドローンの区画を終了し、含まれていれば、操作S6431Aに戻って実行する。
【0101】
本開示の実施例によれば、複数のドローンのうちのm番目のドローンとn番目のドローンとの間の第1の距離はDnmであり、予定の距離はDminである。前記操作S6431は、具体的には、DnmがDminより小さいか否かを判定し、Dnm<Dminであれば、該m番目のドローンとn番目のドローンの集結過程に衝突するリスクがあり、該2つのドローンの番号を2つの離陸組I1及びI2にそれぞれ記録するステップ1と、mおよびnの値の変更後、離陸組I1の任意の2つドローンが衝突するリスクがなくなるまで、ステップ1を繰り返すステップ2と、離陸組I2のドローンに対して再度の判断および割り当てを行って、離陸組I2およびI3を形成し、離陸組I2の任意の2つのドローン間に衝突するリスクがなくなるまで、ステップ1~ステップ2を繰り返すステップ3と、をさらに含むことができる。逐次類推されると、上記のステップ1~3を繰り返すことにより、離陸組I1~INを形成し、かつ、このN個の離陸組の任意の2つのドローンも衝突するリスクがない。
【0102】
なお、上記のiは、1以上N以下であるべきである。操作S6431を実行する前に、すなわち
図6Bにおけるループ操作を実行する前に、離陸領域内の複数のドローンは、いずれも第1の飛行組に属するべきである。複数のドローンの総数をMとすると、上記mおよびnは、いずれも1以上M以下の自然数であり、かつm≠nであるべきである。
【0103】
以上のように、本開示の実施例は、
図6A~
図6Bに説明された複数のドローンの離陸時間を特定する方法によって、衝突の可能性がある2つのドローンを異なる時間に離陸させることができる。したがって、ドローンクラスタの離陸集結過程における衝突事故の発生を効果的に回避することができ、これにより、ドローンクラスタの円滑な集結及びその後の編隊タスクの円滑な進行を保証することができる。
【0104】
図7は、本開示の実施例によるドローンが離陸した後に集結領域に集結する効果の概略図を概略的に示している。
【0105】
本開示の実施例は、
図2~
図6Bに説明された方法を用いて、ドローンクラスタの離陸制御に対してシミュレーションをさらに行い、シミュレーションの結果が
図7に示されるようなものであり、複数のドローン710が対応的な目標位置720まで飛行し、複数の目標位置720を含む集結区域に
図7に示すような「JD」の文字を形成するように制御することができる。
【0106】
シミュレーションにより、本開示の実施例におけるドローンクラスタの離陸制御方法は、まずドローン目標位置の割り当て問題を二分図マッチング問題に変換して求め、そして実際の飛行過程における衝突回避条件に基づいて、離陸を遅延させる方式により離陸戦略を最適化し、離陸効率を保証しながら衝突発生のリスクを効果的に低減することができることが分かる。これにより、後続の編隊タスクの円滑な実行に寄与する。
【0107】
図8は、本開示の実施例によるドローンクラスタの離陸制御装置の構成ブロック図を概略的に示している。
【0108】
図8に示すように、本開示の実施例のドローンクラスタの離陸制御装置800は、離陸位置取得モジュール810、集結領域取得モジュール820、目標位置特定モジュール830、及び離陸制御モジュール840を含む。ここで、ドローンクラスタは、離陸領域に位置する複数のドローンを含み、具体的には、例えば、
図1の離陸領域10に位置するドローン101~105を含むことができる。
【0109】
離陸位置取得モジュール810は、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を取得するために使用される。本開示の実施例によれば、この離陸位置取得モジュール810は、例えば、ドローン101~105に設置される位置センサにより離陸位置を取得することができる。当該離陸位置取得モジュール810は、例えば、
図2に説明された操作S210を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0110】
そのうち、集結領域取得モジュール820は、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することに用いられる。本開示の実施例によれば、当該集結領域取得モジュール820は、例えば、サーバ又はクラウドシステムとの通信を介して、例えば離陸領域と1対1に対応し得る集結領域を取得してもよい。当該集結領域取得モジュール820は、例えば、
図2に説明された操作S220を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0111】
ここで、目標位置特定モジュール830は、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することに用いられる。本開示の実施例によれば、当該目標位置特定モジュール830は、例えば、プロセッサによって実行されることにより目標位置を特定して得る予め記憶されたプログラム命令であることができる。当該目標位置特定モジュール830は、例えば、
図2に説明された操作S230を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0112】
ここで、離陸制御モジュール840は、複数のドローンの各ドローンの離陸位置及び各ドローンの目標位置に基づいて、複数のドローンの離陸を制御することに用いられる。本開示の実施例によれば、当該離陸制御モジュール840は、例えば、複数のドローンとの通信を介して、複数のドローンの離陸を制御することができる。当該離陸制御モジュール840は、例えば、
図2に説明された操作S240を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0113】
本開示の実施例によれば、
図8に示すように、上記離陸位置取得モジュール810は、例えば、測位情報取得サブモジュール811、座標原点特定サブモジュール812及び変換サブモジュール813を含むことができる。そのうち、測位情報取得サブモジュール811は、離陸領域における複数のドローンの測位情報を取得するためのものであり、該測位情報取得サブモジュール811は、例えば、複数のドローンの各ドローンに設けられる位置センサ等として実現されることができる。座標原点特定サブモジュール812は、離陸領域における座標原点を特定するために使用される。変換サブモジュール813は、変換規則に基づいて、離陸領域における複数のドローンの測位情報を、座標原点に対する相対位置情報に変換するためのものである。当該相対位置情報は、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を表すために用いられる。本発明の実施例によれば、座標原点特定サブモジュール812及び変換サブモジュール813は、例えば、2つの異なるプログラム命令または同一のプログラム命令として実現することができ、当該プログラム命令は、プロセッサによって実行されることにより上述の機能を実現する。測位情報取得サブモジュール811、座標原点特定サブモジュール812及び変換サブモジュール813は、例えば、
図3に説明された操作S311~操作S313を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0114】
本開示の実施例によれば、
図8に示すように、上記目標位置特定モジュール830は、例えば、二分図構築サブモジュール831、飛行距離特定サブモジュール832、計算サブモジュール833、および目標位置特定サブモジュール834を含むことができる。そのうち、二分図構築サブモジュール831は、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、二分図を建築することに用いられる。飛行距離特定サブモジュール832は、複数のドローンの離陸位置および複数の目標位置に基づいて、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離を特定するために使用される。計算サブモジュール833は、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離に基づいて、二分図に対して最大重みマッチング計算を行い、計算結果を得るためのものである。目標位置特定サブモジュール834は、計算結果に基づいて、各ドローンの目標位置を特定するために使用される。前記計算結果は、特定の目標位置に対する複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化するために使用される。本開示の実施例によれば、二分図構築サブモジュール831、飛行距離特定サブモジュール832、計算サブモジュール833および目標位置特定サブモジュール834は、例えば、プロセッサによって呼び出されることによって、上述の機能を実現するプログラム命令としてそれぞれ実現されることができる。二分図構築サブモジュール831、飛行距離特定サブモジュール832、計算サブモジュール833および目標位置特定サブモジュール834は、例えば、
図4に説明された操作S431~操作S434を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0115】
本発明の実施例によれば、
図8に示すように、上述離陸制御モジュール840は、例えば、飛行軌跡特定サブモジュール841、第1の距離特定サブモジュール842、離陸時間特定サブモジュール843及び離陸制御サブモジュール844を含むことができる。そのうち、飛行軌跡特定サブモジュール841は、各ドローンの離陸位置及び各ドローンの目標位置に基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定することに用いられる。第1の距離特定サブモジュール842は、複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、任意の2つのドローンの第1の距離を特定するために使用される。離陸時間特定サブモジュール843は、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定するために用いられる。離陸制御サブモジュール844は、各ドローンの離陸時間および各ドローンの飛行軌跡に基づいて、各ドローンの離陸を制御するために使用される。任意の2つのドローンの第1の距離は、任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である。本開示の実施例によれば、飛行軌跡特定サブモジュール841、第1の距離特定サブモジュール842、離陸時間特定サブモジュール843は、プログラム命令として実現されてもよく、離陸制御サブモジュール844は、例えば、プログラム命令及び複数のドローンと通信する通信モジュールとして実現されてもよく、複数のドローンとの通信によって複数のドローンの離陸を制御する。飛行軌跡特定サブモジュール841、第1の距離特定サブモジュール842、離陸時間特定サブモジュール843、及び離陸制御サブモジュール844は、例えば、
図5に説明された操作S541~操作S544を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0116】
本開示の実施例によれば、
図8に示すように、上述離陸時間特定サブモジュール843は、区画ユニット8431と特定ユニット8432とを含むことができる。そのうち、区画ユニット8431は、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、複数のドローンをN個の飛行組に区画することに用いられ、Nは1より大きい整数である。特定ユニット8432は、N個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定するために用いられる。各飛行組は、少なくとも1つのドローンを含み、N個の飛行組のいずれかが複数のドローンを含む場合、いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである。本開示の実施例によれば、区画ユニット8431および特定ユニット8432は、プログラム命令として実現され得る。区画ユニット8431と特定ユニット8432は、例えば、
図6Aに説明された操作S6431~操作S6432を実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0117】
本開示の実施例によれば、上記の区画ユニット8431は、具体的には、以下の操作を周期的に実行することができる。i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定し、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1よりも大きい場合、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離よりも小さいかどうかを特定し、i番目の飛行組に、第1の距離が予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの1つのドローンをi+1番目の飛行組に区画し、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離よりも小さくない場合、iをi+1にする。ここで、以上の操作を周期的に実行する前、複数のドローンは全て1番目の飛行組に属し、1≦i≦Nである。本開示の実施例によれば、この区画ユニット8431は、具体的には、例えば、
図6Bに説明された操作S6431A~操作S6431Eを実行するために使用されることができ、ここでは贅言しない。
【0118】
本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの任意の複数、または任意の複数の少なくとも一部の機能は、1つのモジュールに実現されることができる。本発明の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか1つまたは複数のは、複数のモジュールに分割して実現することができる。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの任意の1つまたは複数は、少なくとも部分的にハードウェア回路として実現することができ、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上システム、パッケージ上システム、特定用途向け集積回路(ASIC)であり、または、回路を集積またはパッケージ化する他の合理的な任意の方式のハードウェアもしくはファームウェアによって、またはソフトウェア、ハードウェアおよびファームウェアの3つの実装形態のうちの任意の1つもしくはそれらの任意の適切な組み合わせによって実現されてもよい。あるいは、本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの1つまたは複数は、少なくとも部分的に、実行されたときに相応的な機能を実行することができるコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよい。
【0119】
例えば、離陸位置取得モジュール810、集結領域取得モジュール820、目標位置特定モジュール830、離陸制御モジュール840、測位情報取得サブモジュール811、座標原点特定サブモジュール812、変換サブモジュール813、二分図構築サブモジュール831、飛行距離特定サブモジュール832、計算サブモジュール833、目標位置特定サブモジュール834、飛行軌跡特定サブモジュール841、第1の距離特定サブモジュール842、離陸時間特定サブモジュール843、離陸制御サブモジュール844、区画ユニット8431、及び特定ユニット8432のうちの任意の複数が1つのモジュールに統合されて実現することもよいし、任意の1つのモジュールが複数のモジュールに分割されてもよい。あるいは、これらのモジュールのうちの1つまたは複数のモジュールの機能の少なくとも一部は、他のモジュールの機能の少なくとも一部と組み合わされて、1つのモジュール内に実現され得る。本開示の実施例によれば、離陸位置取得モジュール810、集中領域取得モジュール820、目標位置特定モジュール830、離陸制御モジュール840、測位情報取得サブモジュール811、座標原点特定サブモジュール812、変換サブモジュール813、二分図構築サブモジュール831、飛行距離特定サブモジュール832、計算サブモジュール833、目標位置特定サブモジュール834、飛行軌跡特定サブモジュール841、第1の距離特定サブモジュール842、離陸時間特定サブモジュール843、離陸制御サブモジュール844、区画ユニット8431、及び特定ユニット8432のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にハードウェア回路として実現することができ、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上システム、パッケージ上システム、特定用途向け集積回路(ASIC)であり、または、回路を集積またはパッケージ化する他の合理的な任意の方式のハードウェアもしくはファームウェアによって、またはソフトウェア、ハードウェアおよびファームウェアの3つの実装形態のうちの任意の1つもしくはそれらの任意の適切な組み合わせによって実現されてもよい。あるいは、離陸位置取得モジュール810、集中領域取得モジュール820、目標位置特定モジュール830、離陸制御モジュール840、測位情報取得サブモジュール811、座標原点特定サブモジュール812、変換サブモジュール813、二分図構築サブモジュール831、飛行距離特定サブモジュール832、計算サブモジュール833、目標位置特定サブモジュール834、飛行軌跡特定サブモジュール841、第1の距離特定サブモジュール842、離陸時間特定サブモジュール843、離陸制御サブモジュール844、区画ユニット8431及び特定ユニット8432のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、コンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、当該コンピュータプログラムモジュールが実行されると、相応的な機能を実行することができる。
【0120】
図9は、本開示の実施例による、ドローンクラスタの離陸制御方法を実現するのに適した離陸制御システムのブロック図を概略的に示している。
図9に示す離陸制御システムは、単なる一例であり、本開示の実施例の機能及び使用範囲に何ら制限を行うべきではない。
【0121】
図9に示すように、本開示の実施例による離陸制御システム900は、リードオンリーメモリ(ROM)902に格納されたプログラム、又は記憶部分908からランダムアクセスメモリ(RAM)903にロードされたプログラムに従って、様々な適切な動作及び処理を実行することができるプロセッサ901を含む。プロセッサ901は、例えば、汎用マイクロプロセッサ(例えば、CPU)、命令セットプロセッサ、および/または関連チップセット、および/または特定用途向けマイクロプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))などを含み得る。プロセッサ901は、キャッシュ用途のためのオンボードメモリも含み得る。プロセッサ901は、本開示の実施例による方法フローの異なる動作を実行するための単一の処理ユニット又は複数の処理ユニットを含んでもよい。
【0122】
RAM903には、離陸制御システム900の操作に必要な各種プログラムやデータが記憶される。プロセッサ901、ROM902、及びRAM903は、バス904を介して互いに接続されている。プロセッサ901は、ROM902及び/又はRAM903に格納されたプログラムを実行することによって、本発明の実施例による方法のフローの多様な動作を行う。なお、前記プログラムは、ROM902及びRAM903以外の1つまたは複数の記憶装置に格納されていてもよい。プロセッサ901は、前記1つまたは複数のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例による方法フローの各操作を実行することもできる。
【0123】
本開示の実施例によれば、離陸制御システム900は、バス904にも接続された入力/出力(I/O)インタフェース905をさらに含み得る。離陸制御システム900は、I/Oインタフェース905に接続された、キーボード、マウスなどを含む入力部分906、カソード線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などおよびスピーカを含む出力部分907、ハードディスクなどを含む記憶部分908、LANカード、モデムなどのネットワークインタフェースカードなどを含む通信部分909、のうちの1つまたは複数をさらに備えてもよい。通信部分909は、インターネットなどのネットワークを介して通信処理を行う。また、必要に応じてドライブ910がI/Oインタフェース905にも接続されてもよい。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア911が、必要に応じて、ドライブ910に実装されてもよく、これにより、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部分908にインストールされる。
【0124】
本発明の実施例によれば、本発明の実施例による方法のフローは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、当該コンピュータプログラムは、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、当該コンピュータプログラムは、通信部分909を介してネットワークからダウンロードされてインストールされてもよいし、および/またはリムーバブルメディア911からインストールされてもよい。当該コンピュータプログラムがプロセッサ901によって実行されると、本開示の実施例のシステムに限定された上記機能が実行される。本開示の実施例によれば、前述したシステム、デバイス、装置、モジュール、ユニットなどは、コンピュータプログラムモジュールによって実現されることができる。
【0125】
本開示はまた、上記の実施例に記載されたデバイス/装置/システムに含まれることが可能なコンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供しており、デバイス/装置/システムに組み込まれずに単独で存在してもよい。前記コンピュータ読取可能な記録媒体は、1つまたは複数のプログラムを記録し、上記1つまたは複数のプログラムが実行されると、本開示の実施例による方法を実現する。
【0126】
本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ読取可能な記憶媒体であってもよく、例えば、携帯型コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせを含み得るがこれらに限定されない。本開示において、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらと関連して使用され得るプログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であり得る。例えば、本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、上記のROM902及び/又はRAM903、並びに/或いはROM902及びRAM903以外の1つ以上のメモリを含み得る。
【0127】
図10Aは、本開示の例示的な実施例一によるドローンクラスタシステムの概略図を概略的に示し、
図10Bは、本開示の例示的な実施例二によるドローンクラスタシステムの概略図を概略的に示している。
【0128】
図10A~
図10Bに示すように、本開示の実施例のドローンクラスタシステムは、複数のドローンおよび制御装置を含むことができる。この複数のドローンの数は、実際の需要に応じて設定することができる。一実施例において、当該複数のドローンは、例えば、第1のドローン~第MのドローンというM個のドローンを含むことができる。
【0129】
一実施例において、
図10Aに示すように、制御装置1040は、N台のドローンのうちの任意の1台のドローン、例えば、第1のドローン1010に設置されることができる。この場合、第2のドローン~第Mのドローン1030は、いずれも第1のドローン1010と通信的に接続して、この通信接続を介して制御装置1040から送信される飛行信号を受信する。
【0130】
一実施例において、
図10Bに示すように、この制御装置1040は、第1のドローン~第Nのドローンとは独立に、地上制御中心に設置されることができる。この場合、第1のドローン1010'、第2のドローン1020'~第Mのドローン1030'は、すべて、この地上制御中心における制御装置1040と通信的に接続され、当該通信接続を介して制御装置1040から送信される飛行信号を受信する。
【0131】
本開示の実施例によれば、制御装置1040は、例えば、メモリ1041及びプロセッサ1042を含み得る。メモリ1041は、1つ以上のプログラム命令を記憶している。プロセッサ1042は、1つ又は複数のプログラム命令を呼び出すことによって、複数のドローンの測位情報に基づいて、離陸領域内における複数のドローンの離陸位置を特定することと、離陸領域に対応する、複数の目標位置を含む集結領域を取得することと(操作S220)、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することと(操作S230)、各ドローンの離陸位置及び各ドローンの目標位置に基づいて、各ドローンのコントローラに飛行信号を送信することとを、を実行することができる。当該飛行信号は、各ドローンの飛行を制御するために使用される。
【0132】
本開示の実施例によれば、
図10A~
図10Bに示すように、複数のドローンの各ドローンは、センサ1001及びコントローラ1002を備える。ここで、センサ1001は、例えば、位置センサ又は全地球測位システム(GPS)などであってもよく、その所在するドローンの測位情報を取得するために用いられる。コントローラ1002は、例えば、飛行信号に従って、そのドローンの飛行を制御するための飛行制御システム又はマイクロプロセッサなどであってもよい。このセンサ1001は、例えば、制御装置1040におけるプロセッサ1042と接続され、取得したドローンの測位情報をプロセッサ1042に送信することができる。コントローラ1002は、例えば、制御装置1040内のプロセッサ1042と接続され、制御装置1040によって送信された飛行信号を受信し、当該飛行信号に従って、所在するドローンの飛行を制御することができる。
【0133】
本開示の実施例によれば、プロセッサ1042は、例えば、各ドローンの離陸位置及び各ドローン毎の目標位置に基づいて、各ドローンの飛行軌跡を特定することと(操作S541)、複数のドローンのうちの任意の2つのドローンの飛行軌跡に基づいて、任意の2つのドローンの第1の距離を特定することと(操作S542)、任意の2つのドローンの第1の距離に基づいて、各ドローンの離陸時間を特定することと(操作S543)、各ドローンの離陸時間及び各ドローンの飛行軌跡に基づいて、各ドローンに飛行信号を送信することとによって、飛行信号を送信することができる。任意の2つのドローンの第1の距離は、任意の2つのドローンの飛行軌跡間の最短距離である。飛行信号には、この離陸時間と飛行軌跡とが含まれる。
【0134】
本開示の実施例によれば、プロセッサ1042は、例えば、任意の2つのドローンの第1の距離に従って、複数のドローンをN個の飛行組に区画し、Nが1よりも大きい整数であることと(操作S6431)、及びN個の飛行組の各飛行組の離陸時間を特定すること(操作S6432)によって、各ドローンの離陸時間を特定することができる。各飛行組は少なくとも1つのドローンを含み、N個の飛行組のうちのいずれかの飛行組が複数のドローンを含む場合、いずれかの飛行組に含まれる複数のドローンのうちの任意の2つの第1の距離は、予定の距離以上であり、異なる飛行組は、離陸時間が異なり、各飛行組が含む少なくとも1つのドローンの離陸時間は同じである。
【0135】
本開示の実施例によれば、プロセッサ1042は、例えば、i番目の飛行組に含まれるドローンの数を特定することと(操作6431A)、i番目の飛行組に含まれるドローンの数が1よりも大きい場合、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離よりも小さいかどうかを特定することと(操作S6431C)、i番目の飛行組に、第1の距離が予定の距離よりも小さい2つのドローンが存在する場合、当該2つのドローンのうちの1つのドローンをi+1番目の飛行組に区画することと(操作S6431D)、i番目の飛行組における任意の2つのドローンの第1の距離が予定の距離よりも小さくない場合、前記iをi+1とすること(操作S6431E)、という操作を周期的に実行することによって、複数のドローンをN個の飛行組に区画することができる。ここで、以上の操作を周期的に実行する前に、複数のドローンは全て第1の飛行組に属し、1≦i≦Nである。
【0136】
本開示の実施例によれば、プロセッサ1042は、例えば、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、二分図を構築することと(操作S431)、複数のドローンの離陸位置及び複数の目標位置に基づいて、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離を特定することと(操作S432)、複数の目標位置に対する各ドローンの飛行距離に基づいて、二分図に対して最大重みマッチング計算を行って、計算結果を得ることと(操作S433)、計算結果に基づいて、各ドローンの目標位置を特定すること(操作S434)により、複数のドローンの各ドローンの目標位置を特定することができる。この計算結果は、特定の目標位置に対する複数のドローンの各ドローンの飛行距離の合計を最小化するために使用される。
【0137】
本開示の実施例によれば、プロセッサ1042は、例えば、離陸領域における座標原点を特定することと(操作S312)、変換規則に従って、複数のドローンの測位情報を、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を示す、座標原点に対する相対位置情報に変換すること(操作S313)により、離陸領域における複数のドローンの離陸位置を特定することができる。
【0138】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施例による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能および操作を示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができ、上記モジュール、セグメント、又はコードの一部は、特定の論理機能を実施するための1つ又は複数の実行可能命令を含む。なお、いくつかの代替的な実現では、ブロックに記された機能は、図面における順序とは異なる順序で生じてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、関連機能に応じて、基本的に並列に実行されてもよく、逆順に実行されてもよい。なお、ブロック図またはフローチャートの各ブロック、およびブロック図またはフローチャートのブロックの組合せは、所定の機能または操作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実現されてもよく、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せで実現されてもよい。
【0139】
当業者は、本開示の様々な実施例および/または特許請求の範囲に記載された特徴が、本開示に明示的に記載されていなくても、様々に組み合わせまたは結合されてもよい。特に、本開示の様々な実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴は、本開示の精神及び教示から逸脱することなく、様々に組み合わせ及び/又は結合されることができる。これらの組み合わせおよび/または結合は全て本開示の範囲に含まれる。
【0140】
以上、本開示の実施例について説明した。しかしながら、これらの実施例は、説明のみを目的とし、本開示の範囲を限定するものではない。以上、各実施例について個別に説明したが、各実施例における各手段を適宜組み合わせて用いることができないことを意味していない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は、複数の代替および修正を行うことができ、これらの代替および修正は全て本開示の範囲に属すべきである。