IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東美的制冷設備有限公司の特許一覧 ▶ 美的集団股▲フン▼有限公司の特許一覧

特許7270778エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体
<>
  • 特許-エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体 図1
  • 特許-エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体 図2
  • 特許-エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体 図3
  • 特許-エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20230428BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20230428BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20230428BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20230428BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20230428BHJP
   F24F 120/20 20180101ALN20230428BHJP
【FI】
F24F11/70
F24F11/64
F24F11/61
F24F11/89
F24F110:10
F24F120:20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021570967
(86)(22)【出願日】2019-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2019109157
(87)【国際公開番号】W WO2020258574
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】201910565549.8
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鄭偉鋭
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-189293(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154060(WO,A1)
【文献】特開2019-074288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/70
F24F 11/64
F24F 11/61
F24F 11/89
F24F 110/10
F24F 120/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得するステップと、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、前記ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するステップと、を含み、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する前記ステップは、
前記変化情報に対応する第1の時間を取得するステップであって、前記変化情報が大きいほど、前記第1の時間が短いステップと、
前記第1の時間を用いて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新するステップと、
を含むエアコンの制御方法。
【請求項2】
前記第1の時間を用いて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する前記ステップは、
前記変化情報と前記第1の時間との対応関係を取得するステップと、
前記対応関係及び前記第1の時間に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新するステップと、
を含む請求項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項3】
前記室内環境パラメータの変化情報は、前記室内環境パラメータの変化率と既定時間内の前記室内環境パラメータの変化値とのうちの少なくとも一つを含む
請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項4】
室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得するステップと、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、前記ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するステップと、を含み、
室内環境パラメータの変化情報を取得する前記ステップの後に、さらに、
前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新するステップを含み、室内環境パラメータの変化情報は前記第2の時間間隔おきに取得される
アコンの制御方法。
【請求項5】
前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新する前記ステップは、
前記変化情報と第2の時間との対応関係を取得するステップと、
前記変化情報及び前記対応関係に基づいて、第2の時間を取得するステップと、
前記第2の時間に応じて、前記第2の時間間隔を更新するステップと、
を含む請求項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項6】
前記変化情報が大きいほど、前記第2の時間が短い
請求項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項7】
室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得するステップと、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、前記ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するステップと、を含み、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する前記ステップの後に、さらに、
エアコンの運転パラメータの前回の調整後の、前記エアコンの継続運転時間を取得するステップと、
前記継続運転時間が更新後の前記第1の時間間隔以上である場合、ユーザの寒暖感値を取得し、かつ前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するステップと、
を含むエアコンの制御方法。
【請求項8】
前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整する前記ステップは、
前記寒暖感値に対応する寒暖感区間を取得するステップと、
前記寒暖感区間に対応する目標運転パラメータを取得するステップと、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップと、
を含む請求項1、4、7の何れか一項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項9】
前記エアコンはアレイ型赤外熱電対センサを含み、前記室内環境パラメータが室内輻射温度であり、室内環境パラメータの変化情報を取得する前記ステップは、
アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得するステップと、
前記室内輻射温度分布から室内輻射温度の平均値を算出するステップと、
前記室内輻射温度の平均値から室内環境パラメータの変化情報を算出するステップと、
を含む請求項1、4、7の何れか一項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項10】
前記室内輻射温度分布から室内輻射温度の平均値を算出する前記ステップは、
前記室内輻射温度分布から熱源領域を特定するステップと、
前記熱源領域以外の室内輻射温度から前記室内輻射温度の平均値を算出するステップと、
を含む請求項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項11】
ユーザの寒暖感値を取得する前記ステップは、
アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得するステップと、
前記室内輻射温度分布に基づいて、ユーザの寒暖感値を確定するステップと、
を含む請求項に記載のエアコンの制御方法。
【請求項12】
前記室内輻射温度分布に基づいて、ユーザの寒暖感値を確定する前記ステップは、
前記室内輻射温度分布に基づいて、熱源の寒暖感値を確定するステップと、
前記熱源の数が複数である場合、各前記寒暖感値の中で絶対値が最も大きい寒暖感値を前記ユーザの寒暖感値とするステップと、
を含む請求項11に記載のエアコンの制御方法。
【請求項13】
エアコンの制御プログラムを記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶された前記エアコンの制御プログラムを実行して、請求項1から12の何れか一項に記載のエアコンの制御方法のステップを実現するように構成されたプロセッサと、
を含むエアコンの制御装置。
【請求項14】
エアコンの制御プログラムを記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶された前記エアコンの制御プログラムを実行して、請求項1から12の何れか一項に記載のエアコンの制御方法のステップを実現するように構成されたプロセッサと、
を含むエアコン。
【請求項15】
エアコンの制御プログラムが記憶されており、前記エアコンの制御プログラムがプロセッサにより実行された時は、請求項1から12の何れか一項に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年06月26日に提出された、出願番号が201910565549.8で、発明名称が「エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全文を参考としてここに援用する。
【0002】
本願はエアコン制御の分野に関し、特にエアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活レベルの向上に伴い、エアコンの普及率も高まりつつあり、空気をスマートに調節できる製品がますます人々から愛されるようになっている。
【0004】
例示的な技術において、寒暖感値に応じてエアコンを制御するのは、従来の一般的なエアコンの制御方式である。寒暖感値によりエアコンを制御する場合、寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整した後、エアコンを一定時間運転させてから、再び寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するのが一般的である。しかし、エアコンの運転時には、室内環境パラメータ(室内環境温度や室内輻射温度)が様々な要因に影響されるため、毎回運転パラメータを調整した後にエアコンが一定時間運転すると過冷や過熱が発生しやすく、制御精度が低くなる。
【0005】
上記内容は本願の技術案の理解を助けるために用いられるものであって、上記内容が先行技術だと認めたわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の主な目的は、エアコンの、毎回運転パラメータを調整した後に固定時間で運転すると過冷や過熱が発生しやすく、制御精度が低いという技術的課題を解決するための、エアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本願はエアコンの制御方法を提供し、前記エアコンの制御方法は、
室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得するステップと、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、前記ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する前記ステップは、
前記変化情報に対応する第1の時間を取得するステップであって、前記変化情報が大きいほど、前記第1の時間が短いステップと、
前記第1の時間を用いて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新するステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、室内環境パラメータの変化情報を取得する前記ステップの後に、
前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新するステップを含み、室内環境パラメータの変化情報は前記第2の時間間隔おきに取得される。
【0010】
好ましくは、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する前記ステップの後に、
エアコンの運転パラメータの前回の調整後の、前記エアコンの継続運転時間を取得するステップと、
前記継続運転時間が更新後の前記第1の時間間隔以上である場合、ユーザの寒暖感値を取得し、かつ前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整する前記ステップは
前記寒暖感値に対応する寒暖感区間を取得するステップと、
前記寒暖感区間に対応する目標運転パラメータを取得するステップと、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記エアコンはアレイ型赤外熱電対センサを含み、前記室内環境パラメータが室内輻射温度であり、室内環境パラメータの変化情報を取得する前記ステップは、
アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得するステップと、
前記室内輻射温度分布から室内輻射温度の平均値を算出するステップと、
前記室内輻射温度の平均値から室内輻射温度の変化情報を算出するステップと、を含む。
【0013】
好ましくは、ユーザの寒暖感値を取得する前記ステップは、
アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得するステップと、
前記輻射温度分布に基づいて、ユーザの寒暖感値を確定するステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記輻射温度分布に基づいて、ユーザの寒暖感値を確定する前記ステップは、
前記輻射温度分布に基づいて、熱源の寒暖感値を確定するステップと、
前記熱源の数が複数である場合には、各前記寒暖感値のうち絶対値が最も大きい寒暖感値を前記ユーザの寒暖感値とするステップと、を含む。
【0015】
また、上記目的を実現するために、本願はさらにエアコンの制御装置を提案する。前記エアコンの制御装置は、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサ上で実行できるエアコンの制御プログラムを含み、前記エアコンの制御プログラムが前記プロセッサにより実行された時、上記の何れか一項に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する。
【0016】
また、上記目的を実現するために、本願はさらにエアコンを提案する。前記エアコンは、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサ上で実行できるエアコンの制御プログラムを含み、前記エアコンの制御プログラムが前記プロセッサにより実行された時、上記の何れか一項に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する。
【0017】
また、上記目的を実現するために、本願の実施例はさらに記憶媒体を提案する。前記記憶媒体にはエアコンの制御プログラムが記憶されており、前記エアコンの制御プログラムがプロセッサにより実行された時、上記の何れか一項に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する。
【0018】
本願の実施例が提案するエアコンの制御方法、装置、エアコン及び記憶媒体によれば、室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得し、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整し、室内環境パラメータの変化に応じて、エアコンが運転パラメータを調整する間隔時間を更新できるので、エアコンの制御がより正確になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願の実施例の案に係るハードウェア運転環境の端末構造模式図である。
図2】本願のエアコンの制御方法の第一実施例の流れ模式図である。
図3】本願のエアコンの制御方法の第二実施例の流れ模式図である。
図4】本願のエアコンの制御方法の第三実施例の流れ模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
ここで説明する具体的な実施例は本願を解釈するためだけに使われるものであって、本願を限定するために使われるものではないことは、理解しておくべきである。
【0021】
本願の実施例の主な解決案は以下になる。
室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得し、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータが調整される。
【0022】
従来技術において、毎回運転パラメータを調整した後にエアコンが固定時間運転すると過冷や過熱が発生しやすいため、制御精度が低い。
【0023】
本願は、室内環境パラメータの変化に応じて、エアコンが運転パラメータを調整する間隔時間を更新できるようにし、エアコンの制御をより正確にする解決案を提供することを目的とする。
【0024】
図1に示すように、図1は本願の実施例の案に係るハードウェア運転環境の端末構造模式図である。
【0025】
図1に示すように、当該端末は、プロセッサ1001(例えばCPU)、ネットワークインターフェース1004、ユーザインターフェース1003、メモリ1005、通信バス1002を含んでもよい。通信バス1002はこれらの部品間の接続や通信を実現するためのものである。ユーザインターフェース1003はディスプレイ(Display)、入力手段(例えばキーボード(Keyboard))を含んでもよく、好ましくは、ユーザインターフェース1003はさらに標準の有線インターフェース、無線インターフェースを含んでもよい。好ましくは、ネットワークインターフェース1004は標準の有線インターフェース、無線インターフェース(例えばWI-FIインターフェース)を含んでもよい。メモリ1005としては高速RAMメモリであってもよく、安定したメモリ(non-volatile memory)、例えば磁気ディスクメモリでもよい。好ましくは、メモリ1005は前記プロセッサ1001とは独立した記憶装置としてもよい。
【0026】
当業者にとっては、図1に示す端末の構造は端末に対する限定を構成せず、図示より多い或いは少ない部品を含んでもよく、或いは一部の部品を組み合わせて、異なる部品の配置をしてもよいことは、理解できるであろう。
【0027】
図1に示すように、一種の計算機記憶媒体としてのメモリ1005の中には、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュール、ユーザインターフェースモジュール及びエアコンの制御プログラムを含んでも良い。
【0028】
図1に示す端末において、ネットワークインターフェース1004は主にバックエンドサーバーと接続され、バックエンドサーバーとのデータ通信に利用される。ユーザインターフェース1003は主にクライアント側(ユーザ側)と接続され、クライアント側とのデータ通信に利用される。そしてプロセッサ1001はメモリ1005の中に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下の操作を実行するために利用できる。室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得し、
前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータが調整される。
【0029】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
前記変化情報に対応する第1の時間を取得し、前記変化情報が大きいほど、前記第1の時間が短く、
前記第1の時間を用いて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する。
【0030】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新し、室内環境パラメータの変化情報は前記第2の時間間隔おきに取得される。
【0031】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
エアコンの運転パラメータの前回の調整後の、前記エアコンの継続運転時間を取得し、
前記継続運転時間が更新後の前記第1の時間間隔以上である場合、ユーザの寒暖感値を取得し、かつ前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整する。
【0032】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
前記寒暖感値に対応する寒暖感区間を取得し、
前記寒暖感区間に対応する目標運転パラメータを取得し、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御する。
【0033】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得し、
前記室内輻射温度分布から室内輻射温度の平均値を算出し、
前記室内輻射温度の平均値から室内輻射温度の変化情報を算出する。
【0034】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得し、
前記輻射温度分布に基づいて、ユーザの寒暖感値を確定する。
【0035】
さらに、プロセッサ1001はメモリ1005内に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、さらに以下の操作を実行できる。
前記輻射温度分布に基づいて、熱源の寒暖感値を確定し、
前記熱源の数が複数である場合には、各前記寒暖感値のうち絶対値が最も大きい寒暖感値を前記ユーザの寒暖感値とする。
【0036】
上記の案によれば、室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得し、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータが調整され、室内環境パラメータの変化に応じて、エアコンが運転パラメータを調整する間隔時間を更新できるので、エアコンの制御がより正確になる。
【0037】
図2を参照し、図2は本願のエアコンの制御方法の第一実施例の流れ模式図であり、前記エアコンの制御方法は以下のステップを含む。
ステップS10、室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得する。
【0038】
本実施例において、実施例の実施主体は、エアコンであってもよいし、サーバ、又は前記エアコンに関連する端末であってもよい。以下、エアコンを実施主体として本実施例の案を説明する。
【0039】
エアコンが寒暖感モードに入ってから、室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得する。前記環境パラメータが室内環境温度である場合、前記室内環境温度は、例えば、エアコンに設置された室内温度センサや、ユーザが装着したウェアラブルデバイスに設置された温度センサなど、室内に設置された温度センサによって取得することができる。前記環境パラメータが室内輻射温度である場合、前記室内輻射温度は、室内に設置された赤外温度センサにより取得することができる。
【0040】
本実施例では、前記室内環境パラメータの変化情報は、室内環境の変化状況を表示するためのものであり、前記室内環境パラメータの変化情報は、室内環境パラメータの変化率であってもよく、エアコンは、室内環境パラメータを取得してから、前回の室内環境パラメータと、2回の室内環境パラメータ取得の時間間隔とを取得すれば、前記室内環境パラメータの変化率を算出して得ることができる。あるいは、前記室内環境パラメータの変化情報は、既定時間内の室内環境パラメータの変化値であってもよく、エアコンは、既定時間毎に室内環境パラメータを取得し、室内環境パラメータの毎回の取得後に、さらに前回の室内環境パラメータを取得し、2回の室内環境パラメータ間の差分値を算出すれば、室内環境パラメータの変化値が得られる。
【0041】
ステップS20、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータが調整される。
【0042】
ユーザの寒暖感は、ユーザの周囲の環境温度に対する感覚を反映し、ユーザの寒暖感に応じてエアコンの運転パラメータを調整することで、エアコンの運転にユーザのニーズをさらに満足させることができる。現在では、寒暖感によるエアコン運転の制御は一般的に、エアコンが寒暖感モードに入った後、固定時間おきにユーザの寒暖感を取得してから、前記寒暖感に応じてエアコンの運転パラメータを調整するものであり、即ち、毎回エアコンの運転パラメータを調整した後に、エアコンが前記固定時間だけ継続運転し、そして次回の調節を行う。しかし、エアコンの運転中の段階によって、室内環境パラメータの変化速度は異なる。例えば、エアコンの起動の初期段階では、室内環境パラメータの変化が速いが、エアコンが一定時間運転した後、室内環境パラメータが徐々に安定する。エアコンは、毎回寒暖感に応じて運転パラメータを調整した後に、固定の既定時間だけ運転すると、過冷や過熱などの不快な状況が発生しやすい。
【0043】
本実施例において、エアコンは室内環境パラメータの変化情報を取得し、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新することができ、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータが調整される。
【0044】
具体的には、エアコンには、室内環境パラメータの変化情報と第1の時間との対応関係が記憶されており、エアコンは、室内環境パラメータの変化情報を取得した後、前記対応関係に基づいて、前記室内環境の変化情報に対応する第1の時間を取得し、そして、取得した第1の時間を用いて、前記ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する。
【0045】
本実施例では、室内環境パラメータの変化情報と第1の時間との対応関係は、実際の状況に応じて自ら設定可能である。現実では、室内環境パラメータの変化情報が大きい場合、すなわち、室内環境パラメータの変化が速い場合には、前記エアコンの運転パラメータを迅速に調整する必要があるが、室内環境パラメータの変化情報が小さい場合、すなわち室内環境パラメータの変化が遅い場合には、室内環境パラメータが安定しているため、その場合、エアコンの運転パラメータの調整をその分遅くすることができる。このため、好ましくは、環境パラメータの変化情報と第1の時間との対応関係を、環境パラメータの変化情報が大きいほど第1の時間が短く、環境パラメータの変化情報が小さいほど第1の時間が長くなるように設定することができる。前記室内環境パラメータを室内輻射温度とし、前記変化情報を変化率とする場合を例とすると、前記室内輻射温度の変化率と前記第1の時間との対応関係は、表1に示すようにすることができる。
【0046】
【表1】
【0047】
表1において、|Ra|は室内輻射温度の変化率(Ra)の絶対値であり、|Ra|が大きいほど室内輻射温度の変化が速く、|Ra|が小さいほど室内輻射温度の変化が遅い。エアコンは、室内環境パラメータの変化率Raを取得してから、変化率Raの絶対値|Ra|が属する区間範囲を取得し、対応する第1の時間を取得し、さらに取得した第1の時間に応じて、前記ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新する。例えば、室内輻射温度の変化率を1.3℃/minとして取得した場合、室内輻射温度の変化率の絶対値が属する区間に対応する第1の時間が60sであれば、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を60sに更新する。
【0048】
本実施形態では、エアコンが室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を、実際の状況に応じて自ら設定することができる。好ましくは、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を、前記ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔と同じになるように設定してもよい。すなわち、エアコンは毎回、ユーザの寒暖感を取得し、前記寒暖感に応じてエアコンの運転パラメータを調整しながら、室内環境パラメータの変化情報を取得し、前記変化に応じて前記第1の時間間隔を更新する。その後、エアコンは、調整後の運転パラメータに従って、更新後の第1の時間間隔だけ運転し、ユーザの寒暖感及び室内環境パラメータの変化情報を再度取得し、エアコンの運転パラメータを調整しかつ前記第1の時間間隔を更新する。あるいは、好ましくは、エアコンは、前記第1の時間間隔よりも短い既定時間おきに室内環境パラメータの変化情報を取得するようにしてもよい。エアコンは、前記既定時間おきに室内環境パラメータの変化情報を取得し、そして、前記変化情報に応じて、エアコンがユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新した後、エアコンの運転パラメータの前回の調整後の、前記エアコンの継続運転時間を取得し、前記継続運転時間が更新後の前記第1の時間間隔よりも小さい場合、エアコンが引き続き前回の調整後の運転パラメータで運転し、前記継続運転時間が更新後の前記第1の時間間隔以上である場合、エアコンの運転パラメータを調整する必要があることになり、エアコンは、ユーザの寒暖感値を取得し、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整し、そして、調整後の運転パラメータ及び調整後の前記第1の時間間隔で運転するようにエアコンが制御される。例えば、エアコンが取得する室内環境パラメータの変化率が0.4℃/minで、対応する第1の時間間隔が180sとすると、そして、エアコンは、10sおきに環境パラメータの変化率を取得し、環境輻射温度の変化率が1.3℃/minであると取得した場合、変化率の絶対値が属する区間に対応する第1の時間間隔は60sであれば、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を180sから60sに更新する。エアコンが前記第1の時間間隔を60sに更新した後、エアコンは、エアコンの運転パラメータの前回の調整後の、前記エアコンの継続運転時間を取得し、エアコンが取得した前記継続運転時間が40sで、60sより小さければ、エアコンは引き続き前回の調整後の運転パラメータで運転し、エアコンが取得した前記継続運転時間が70sで、60sより大きければ、エアコンがユーザの寒暖感値を取得し、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整してから、今回調整後の運転パラメータ及び今回更新後の第1の時間間隔60sで運転する。
【0049】
なお、本実施例において、ユーザの寒暖感値の取得方法は、ユーザの寒暖感値を取得する方法のいずれであってもよく、ここでは具体的に限定されない。例えば、ユーザの体温及び/又は室内環境温度に基づいて算出してもよいし、あるいは、ユーザの体温及び/又は室内輻射温度に基づいて算出してもよい。エアコンには、異なる寒暖感区間に対応するエアコンの運転パラメータが記憶されており、エアコンは、ユーザの寒暖感を取得した後、前記寒暖感値に対応する寒暖感区間を取得し、そして前記寒暖感区間に対応する目標運転パラメータを取得し、前記目標運転パラメータに応じてエアコンの運転パラメータを調整し、かつ前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御する。寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータを調整する方法は、ここでは具体的に制限されることなく、実際の状況に応じて自ら設定することも可能である。
【0050】
本実施例において、室内環境温度または室内輻射温度を含む室内環境パラメータの変化情報を取得し、前記変化情報に応じて、ユーザの寒暖感を取得する第1の時間間隔を更新し、ユーザの寒暖感値は前記第1の時間間隔おきに取得され、前記寒暖感値に応じてエアコンの運転パラメータが調整され、室内環境パラメータの変化に応じて、エアコンが運転パラメータを調整する間隔時間を更新できるので、エアコンの制御がより正確になる。
【0051】
さらに、図3を参照し、図3は本願のエアコンの制御方法の第一実施例の流れ模式図であり、第一実施例に基づいて、前記ステップS10の後に、さらに以下のステップが含まれる。ステップS30、前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新し、室内環境パラメータの変化情報は前記第2の時間間隔おきに取得される。
【0052】
実際の使用では、室内環境パラメータの変化情報はセンサが収集した室内環境パラメータにより計算する必要があり、仮に室内環境パラメータの変化情報の時間間隔が短すぎると、センサのリフレッシュと運転時間が長くなり、センサの寿命に影響するだけではなく、システムの計算資源を過度に占用することになる。一方、室内環境パラメータの変化情報の時間間隔が長すぎると、前記第1の時間間隔の更新間隔が長すぎて、制御が不正確になる可能性がある。そこで、本実施例では、エアコンが室内環境パラメータの変化情報を取得した後、さらに前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新し、室内環境パラメータの変化情報は前記第2の時間間隔おきに取得される。
【0053】
具体的には、エアコンには、室内環境パラメータの変化情報と第2の時間との対応関係が記憶されており、エアコンは、室内環境パラメータの変化情報を取得した後、前記対応関係に基づいて、前記室内環境の変化情報に対応する第2の時間を取得し、そして、取得した第2の時間を用いて、前記室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新する。なお、本実施例では、ステップS20とステップS30とは前後関係がなく、図3は本実施例の一実施形態の流れ模式図に過ぎないことが理解される。
【0054】
本実施例では、室内環境パラメータの変化情報と第2の時間との対応関係は、実際の状況に応じて自ら設定可能である。現実では、室内環境パラメータの変化情報が大きい場合、すなわち、室内環境パラメータの変化が速い場合には、前記第1の時間間隔を迅速に更新する必要があるが、室内環境パラメータの変化情報が小さい場合、すなわち室内環境パラメータの変化が遅い場合には、室内環境パラメータが安定しているため、その場合、前記第1の時間間隔の更新をその分遅くすることができる。このため、好ましくは、環境パラメータの変化情報と第2の時間との対応関係を、環境パラメータの変化情報が大きいほど第2の時間が短く、環境パラメータの変化情報が小さいほど第2の時間が長くなるように設定することができる。前記室内環境パラメータを室内輻射温度とし、前記変化情報を変化率とする場合を例とすると、前記室内輻射温度の変化率と前記第2の時間との対応関係は、表2に示すようにすることができる。
【0055】
【表2】
【0056】
上記表2において、|Ra|は室内輻射温度の変化率(Ra)の絶対値であり、|Ra|が大きいほど室内輻射温度の変化が速く、|Ra|が小さいほど室内輻射温度の変化が遅い。エアコンは、室内環境パラメータの変化率Raを取得してから、変化率Raの絶対値|Ra|が属する区間範囲を取得し、対応する第2の時間を取得し、さらに取得した第2の時間に応じて、前記室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新する。例えば、室内輻射温度の変化率を1.3℃/minとして取得した場合、変化率の絶対値が属する区間に対応する第2の時間が30sであれば、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を30sに更新する。即ち、更新後、次回室内環境パラメータの変化情報を取得する時点と現在の時点との時間間隔は30sである。
【0057】
本実施例では、室内環境パラメータの変化情報を取得した後、さらに前記変化情報に応じて、室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を更新し、室内環境パラメータの変化情報は前記第2の時間間隔おきに取得される。室内環境パラメータの変化情報を取得する第2の時間間隔を室内環境パラメータの変化に応じて更新できるので、エアコンの制御精度をより向上させるとともに、システムの計算資源を効果的に節約することができる。
【0058】
図4を参照し、図4は、本願のエアコンの制御方法の第一実施例の流れ模式図であり、第一又は第二実施例に基づいて、前記エアコンはアレイ型赤外熱電対センサを含み、前記室内環境パラメータが室内輻射温度であり、前記ステップS10は以下のステップを含む。ステップS11、アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布を取得する。
【0059】
ステップS12、前記室内輻射温度分布から室内輻射温度の平均値を算出する。
【0060】
ステップS13、前記室内輻射温度の平均値から室内輻射温度の変化情報を算出する。
【0061】
実際の使用では、室内環境輻射温度を遠距離測定できるため、検知センサの設置が便利で、そのため室内環境輻射温度をエアコンの運転パラメータの調節に利用するのは、操作が簡単で便利であるという利点がある。
【0062】
本実施例では、エアコンは、アレイ型赤外熱電対センサを備え、前記アレイ型赤外熱電対センサによりエアコンが置かれている室内の輻射温度を検出して取得し、アレイ型赤外熱電対センサにより放射温度の検出を行う際に、検出される室内空間を数多くの検出領域に分割し、検出領域の数はアレイ型赤外熱電対センサの種類に応じて決まる。例えば32*24のアレイ型赤外熱電対センサは室内空間を32*24=786個の検出領域に分割する。物体が常に赤外エネルギーを外部へ放射しているので、アレイ型赤外熱電対センサにより室内環境に対して検出し、室内輻射温度分布を検出して得る。本実施例では、室内輻射温度の変化情報は、室内放射温度の平均値から算出され、エアコンは、アレイ型赤外熱電対センサにより検出された室内輻射温度分布を取得した後、前記室内輻射温度分布に基づいて室内輻射温度の平均値を算出し、その後、前記室内輻射温度の平均値に基づいて室内輻射温度の変化情報を算出する。例えば、前記変化情報が変化率である場合には、エアコンは、前回の室内輻射温度の平均値と、検出された室内輻射温度の第2の時間間隔とを取得し、そして、前回の室内輻射温度の平均値と、今回取得された室内輻射温度の平均値と、前記第2の時間間隔とに基づいて、室内輻射温度の変化率を算出する。前記変化情報が変化量である場合には、エアコンは、前回の室内輻射温度の平均値を取得し、そして、前回の室内輻射温度の平均値と今回取得された室内輻射温度の平均値とに基づいて、室内輻射温度の変化値を算出する。
【0063】
さらに、算出された室内輻射温度をより正確にするために、アレイ型赤外熱電対センサにより検出された室内輻射温度分布から熱源を特定してから、熱源領域を除いた室内輻射温度の平均値を算出し、熱源領域を除いた室内輻射温度の平均値に基づいて室内輻射温度の変化情報を算出してもよい。熱源領域の特定方法は、輻射温度分布から熱源領域を特定する任意の方法であってもよく、ここでは特に限定されず、例えば、周囲温度との差値が既定温度閾値以上の領域を熱源領域としてもよい。
【0064】
本実施例では、アレイ型赤外熱電対センサにより検出された室内輻射温度分布から、ユーザの寒暖感値を取得することができる。具体的には、アレイ型赤外熱電対センサにより検出された室内輻射温度分布において、特定される熱源はユーザと見なすができる。熱源を特定できたら、さらに熱源の温度を特定すればよい。本実施例では、熱源領域の最も高い温度値を熱源の温度値としてもよいし、或いは、熱源領域における温度値の平均値を熱源の温度値としてもよい。熱源温度を取得した後、既定の方法で熱源の寒暖感値を算出してもよい。例えば、熱源の輻射温度及び/又は室内輻射温度からユーザの寒暖感値を算出し、算出された熱源寒暖感値をユーザの輻射寒暖感値とすることができる。
【0065】
さらに、実際の使用では、アレイ型赤外熱電対センサで検出された室内輻射温度分布から複数の熱源が取得され、複数の熱源の寒暖感値が算出される可能性がある。本実施例では、エアコンは、前記輻射温度分布に基づいて熱源の寒暖感値を確定し、前記熱源の数が複数である場合には、各前記寒暖感値の中で絶対値が最も大きい寒暖感値を前記ユーザの寒暖感値とするか、または、複数の熱源の寒暖感値の平均値を求め、寒暖感値の平均値をユーザの寒暖感値とする。
【0066】
本実施例では、前記エアコンは、アレイ型赤外熱電対センサを含み、前記室内環境パラメータは室内輻射温度であり、アレイ型赤外熱電対センサで取得される室内輻射温度分布から算出される室内輻射温度の平均値により室内環境パラメータの変化情報を取得することにより、室内環境パラメータの変化情報の取得が容易になる。
【0067】
また、上記目的を実現するために、本願の実施例はさらにエアコンの制御装置を提案する。前記エアコンの制御装置は、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサ上で実行できるエアコンの制御プログラムを含み、前記エアコンの制御プログラムが前記プロセッサにより実行された時、上記の何れか一つの実施例に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する。
【0068】
また、上記目的を実現するために、本願の実施例はさらにエアコンを提案する。前記エアコンは、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサ上で実行できるエアコンの制御プログラムを含み、前記エアコンの制御プログラムが前記プロセッサにより実行された時、上記の何れか一つの実施例に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する。
【0069】
また、上記目的を実現するために、本願の実施例はさらに記憶媒体を提案する。前記記憶媒体にはエアコンの制御プログラムが記憶されており、前記エアコンの制御プログラムがプロセッサにより実行された時、上記の何れか一つの実施例に記載のエアコンの制御方法のステップを実現する。
【0070】
本文において、「含む」、「含める」といった術語或いは何れの他のバリエーションは非排他的な包含を意味することで、一連の要素の過程、方法、物品或いはシステムがそれらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いはこの種の過程、方法、物品或いはシステムに固有の要素を含むようにする。それ以上の制限がない状況で、「一つの…を含む」という文により限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物品或いはシステムの中に他の同じ要素がさらに存在することを除外しない。
【0071】
上記本願の実施例の番号は説明のためのものだけであって、実施例の優劣を表すものではない。
【0072】
以上の実施態様の説明を通して、当業者は、上記の実施例の方法はソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方法(勿論ハードウェアによることも可能であるが、多くの場合では前者がより良い実施方法)で実現できることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本願の技術案は、本質としては、或いは先行技術に対し貢献する部分は、ソフトウェア製品の形式で体現できる。当該計算機ソフトウェア製品は上記のような記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)の中に記憶でき、一台の端末機器(携帯電話、計算機、サーバ、エアコン、或いはネットワーク機器等でもよい)に本願の各実施例で説明する方法を実行させる幾つかの命令を含む。
【0073】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本願の保護範囲を制限するわけではない。本願の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価構造或いは等価流れ変換、或いは直接または間接的な他の関連する技術分野への応用は、同じ理由で本願の特許の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4