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特許7270832インペラアセンブリ及び当該インペラアセンブリを使用した固体と液体の混合装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】インペラアセンブリ及び当該インペラアセンブリを使用した固体と液体の混合装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/111 20220101AFI20230428BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20230428BHJP
   B01F 27/96 20220101ALI20230428BHJP
   B01F 27/94 20220101ALI20230428BHJP
【FI】
B01F27/111
B01F23/53
B01F27/96
B01F27/94
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022503453
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2020099635
(87)【国際公開番号】W WO2021017740
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】201910711339.5
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522022018
【氏名又は名称】深▲セン▼市尚水智能股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋
(72)【発明者】
【氏名】白淑絹
(72)【発明者】
【氏名】欧全勲
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-063724(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108465388(CN,A)
【文献】特開2017-159259(JP,A)
【文献】特開2012-210621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F21/00-27/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体と液体の混合装置用のインペラアセンブリであって、前記インペラアセンブリが、インペラ(1)を含み、前記インペラ(1)は、円錐台形の本体(2)を含み、前記本体(2)の傾斜表面に、上から下に複数の混合ブレード(4)が形成され、前記インペラアセンブリはさらに、前記本体(2)下部外側に設置された少なくとも2層のバッフル(5)を含み、前記バッフル(5)のうちの少なくとも1つは、前記インペラアセンブリの前記インペラ(1)に固定され、前記バッフル(5)のうちの、他の少なくとも1つは、前記混合装置のシェル(14)に固定され、
前記インペラアセンブリがさらに、ほぼ半径方向に沿って、最も外側層のバッフル(5)の外側に設置された複数の排出ブレード(6)をさらに含み、前記排出ブレード(6)は前記インペラ(1)と固定接続され、且つ前記インペラ(1)と一緒に回転する
ことを特徴とする固体と液体の混合装置用インペラアセンブリ。
【請求項2】
記バッフル(5)のうちの少なくとも1つに孔(25)が設置されていることを特徴とする請求項に記載のインペラアセンブリ。
【請求項3】
前記バッフル(5)のうちの少なくとも1つは孔(25)を備えていない、請求項2に記載のインペラアセンブリ。
【請求項4】
前記バッフル(5)の間の隙間、前記孔(25)、前記バッフル(5)と前記シェル(14)の間の隙間、前記バッフル(5)と前記インペラ(1)の間の隙間とともに懸濁液の流路(8)を形成することを特徴とする請求項に記載のインペラアセンブリ。
【請求項5】
前記バッフル(5)の上端面或は下端面とシェル(14)或はインペラ(1)との隙間が2~5mmであり、隣接する2つの前記バッフル(5)の間の隙間が1~5mmであることを特徴とする請求項に記載のインペラアセンブリ。
【請求項6】
隣接する2つの層の前記バッフル(5)の間における前記孔(25)が軸方向に互いずれていることを特徴とする請求項2に記載のインペラアセンブリ。
【請求項7】
前記排出ブレード(6)が、前記混合ブレード(4)とほぼ同じ方向に曲げられ、前記排出ブレード(6)に第2の孔(27)が形成されている、請求項1に記載のインペラアセンブリ。
【請求項8】
前記混合ブレード(4)が、前記本体(2)の下部で水平方向に一定の距離で延び、前記排出ブレード(6)が、前記本体(2)の下部において水平方向に延びる前記混合ブレード(4)の部分と全体として接続されている、請求項7に記載のインペラアセンブリ。
【請求項9】
前記バッフル(5)が溝又はローレット付きである、請求項1に記載のインペラアセンブリ。
【請求項10】
シェル(14)と、
前記固体を固体輸送室(10)によって混合室(11)に輸送する少なくとも1つの固体供給装置(9)と、
前記液体を液体分配室(13)によって混合室(11)に輸送する少なくとも一つの液体供給装置(12)と、
前記本体(2)と前記シェル(14)の対応する部分によって限定され、前記インペラ(1)の回転によって、前記固体と前記液体を混合して懸濁液を形成する混合室(11)と、
前記混合室(11)の下部流出路と排出機構(26)の間に配置され、前記インペラアセンブリの前記本体(2)以外の部分と前記シェル(14)の対応する部分によって限定され、前記混合室(11)から流出した懸濁液を、前記バッフル(5)の剪断作用により分散させる分散室(15)と、をさらに含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の前記インペラアセンブリを使用した固体と液体の混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体と液体の混合装置の分野に関し、特に超微粉末と液体を混合して高粘度又は高濃度の懸濁液を生成するための装置に関し、本発明はまた、固体と液体の混合装置用のインペラアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
工業分野では、多くの液体原料は粉末と液体の混合によって作られ、特にナノサイズの粉末等の超微粉末は、少量の液体に混合及び分散されたり、又は高粘度混合液に混合及び分散したりして、リチウムイオン電池の正極及び負極の分野でスラリーとして使用されている。一般的には、混合プロセス全体は、分解、浸透、分散の3つの段階に分けられる。分散段階では、粉末は大きな塊からブレードや他の構造物によって攪拌されて、ほぼ粉末の状態になる。浸透段階では、粉末状の粉末は液体と接触するが、粉末技術とナノテクノロジーの発展により、粉末の比表面積は明らかに増加する傾向があり、その表面は大量のガスを吸着でき、超微粉を少量の液体に分散させて高粘度のスラリーを形成する過程では、粉末粒子が液体に完全に浸透することは非常に困難であり、液体中の粉末粒子の分布は非常に不均一になり、さらには凝集が発生することもあり、もちろん、この段階においても粉末粒子が液体に入るので、固体と液体の予備混合段階と見なすこともできる。分散段階では、浸漬又は予備混合された懸濁液が更に分散されるため、懸濁液中の粉末粒子の分布の均一性が製造要件を満たすことができる。この段階では、主に強力なせん断力を使用して、懸濁液に存在可能な塊と凝集物等を分散させ、混合に関与するすべての液体に粉末粒子を均一に打ち込む。しかしながら、浸透プロセスと分散プロセスの混合装置に対する要件が一致しないため、この場合、単一の混合方法では良好な混合効果を達成できないため、従来の技術では、より良好な混合効果を達成するために、粉末と液体の浸透プロセス及び粉末の液体における分散プロセスは、それぞれ、特別な装置によって完了することになっている。
【0003】
CN109173815Aは、固体と液体を混合するための装置を開示し、図1に示すように、固体供給装置101と、液体供給装置102と、供給された液体が所定の流量で分配される液体分配室103と、固体供給装置からスクリュー送り装置1041を介して前記固体を混合室105に輸送する固体輸送室104と、供給された固体を前記液体と混合して懸濁液を形成するための混合室と、及びローター室106を備え、前記懸濁液は該ローター室内で回転し、前記ローター室の出口から送り出され、当該作業エリアで真空状態が形成され、それによって前記ローター室の入口エリアで吸引効果が生成され、当該吸引効果は固体表面の空気を排出でき、粉末が液体に接触する前に、粉末表面の空気が粉末から離れ、粉末が液体に接触して、粉末と液体の十分且つ迅速な浸透を実現した。しかし、この装置は、粉末の浸透プロセスと予備分散を完了することしかできず、粉末内の大量のガスが吸い取られ、粉末の浸透を助長するが、攪拌効果が弱く、懸濁液に対するせん断力が弱いため、粉末の一部が液体の中に完全に分散されないという問題があり、得られた懸濁液を実際の生産に直接使用できない場合が多く、粉末における塊の粉末粒子を懸濁液中に均一に分散させるために、高速分散プロセスを再度実行する必要がある。
【0004】
CN105148766Bは、高速分散装置を開示し、図2に示すように、下端に供給入り口を備えた分散バレル、分散バレル内に配置された分散ホイール、及び分散ホイールを駆動するメインシャフトを含み、メインシャフトは分散バレルの上側に伸び、且つ駆動源が伝動接続され、分散バレルの上端にはバッフルプレートが設置され、バッフルプレートの上には、排出室を備えた排出バレルを備え、供給入り口の上側に配置されたガイドプレートを備え、ガイドプレートは分散バレルの下端に位置する。前記方法は、分散する材料は、供給入り口からガイドプレートの遮断と分流効果によって、高速回転の分散ホイールと固定された分散バレルの間の隙間に送られ、分散され、分散ホイールの上側に移動され、分散後の材料は、円筒形フィルター構造でろ過された後、排出室に流れ、排出口から流出し、円筒形フィルター構造を通過できなかった材料は、分散ホイールの内部キャビティにブロックされて、再び分散される。この種の高速分散装置は、分散時間が長く、効果が良いという利点があり、独立した装置であるため、スラリーの分散しかできず、固液予備混合作業が完成できず、さらに粉末表面からの空気を除去して液体と粉末の高効率浸透を実現できず、粉末の液体への分散が困難になり、分散に時間がかかり、粉末の液体における分散に必要なエネルギー消費量が大きくなる。モータは高速でエネルギー消費が高く、体積が大きく、別々の送りと排出の機構が必要であり、構造が複雑で、コストが大幅に上昇する。
【0005】
当社のCN207667471 U号特許は、高粘度材料に適した固液混合装置を開示し、図3に示すように、シェル内に位置し、且つ混合しようとする粉末を輸送するために使用されるスクリュー供給モジュールと、シェルの上部の円周に位置し、混合しようとする液体をシェルに注入するために使用される液体分配モジュールと、シェル内に位置し、且つスクリュー供給モジュールの下端に位置し、混合しようとする粉末及び混合しようとする液体を分散及び/又は粉砕し、混合するために使用され、分散シリンダーと分散ディスクを含み、分散ディスクは分散シリンダー内に同軸に固定接続され、分散シリンダーと分散ディスクはスクリュー供給モジュールと同軸に回転する混合・分散モジュールとを含み;分散シリンダーとシェルの内壁との間にスリットが配置され、分散シリンダーの外壁に複数の分散孔が均等に配置されている。混合しようとする粉末と液体は、混合・分散モジュールにおける混合ブレード44及び分散ディスク45によって分散及び/又は粉砕し、混合され、分散シリンダー41の外壁に開けられた分散孔42を通ってスリットに到達し、固液混合物は、分散孔42を通過する際に強い剪断作用を受け、凝集した粒子を解いて分散させる。該装置の動作原理は、分散シリンダー41の回転によって、液体供給パイプ31に流れ込む液体を攪拌及び回転させて、分散シリンダーの表面上に液膜を形成し、混合ブレード44を使用して、粉末を分散シリンダー41に「叩き」、懸濁液を形成し、次に、下部の分散シリンダーを通過させて、さらなる混合及び分散をさせることである。しかし、実際の生産の累積検証により、上記の混合装置の混合効果は古い装置よりも高いものの、いくつかの欠点もあり、第一に、通常のブレードを使用して粉末を分散シリンダーに押し込むため、粉末の周りに包むガスを対象とした処理がなく、粉末の浸透効果が悪く、表面に残留ガスが多い。粉末表面の空気が最大限に排出されていない状態では、分散シリンダーが予備混合作業に時期尚早に介入し、十分に浸透されていない粉末の塊が混合ブレード44によって分散シリンダー41上に振り出される原因となり、分散孔42を塞ぎしやすくなり、良好な混合効果を達成できず、その後の分散プロセスに影響を与える。第二に、粉末が攪拌ブレードと分散シリンダーが設置されているエリアに入ったばかりの際、多くの粉末の塊は十分に分散されず、ブレードとシリンダー壁の間の距離が非常に近いため、一部の粉末の塊が分解される前に、直接に分散シリンダーに叩きつけられて、分散孔の詰まりが発生し、装置全体の処理速度や処理能力の低下、さらにはダウンタイムの原因にもなる。第三に、混合ブレード、分散シリンダー、分散ディスクは同じメインシャフトとモータを使用し、且つ円錐台のインペラを使用していないため、インペラの底部周縁の線速度は速くなく、混合と振り出されたの効果が影響を受け、排出口に有効な真空を形成できず、懸濁液の下降流速度が速くなく、処理速度が理想的ではない。
【0006】
当社の別の特許CN108465388Aは、固体と液体を混合するための装置を開示し、液体分配モジュール、粉末分散モジュール、固液混合モジュール、排出モジュールを含み、液体分配モジュールは、混合しようとする液体を混合モジュールに輸送し、粉末分散モジュールは、混合しようとする粉末を分散及び/又は粉砕するために使用された後、固液混合モジュールに入り、混合しようとする液体と混合しようとする粉末は、固液混合モジュール内で混合及び高速回転され、次に排出モジュールによって排出される。該混合装置は、実際には前の特許の技術的解決策に似ており、前の特許に基づいて独立した排出メカニズムを追加することと同等だが、当該排出メカニズムは排出役割を果たすだけであり、前の特許の排出速度における欠陥を克服したが、他の欠点に対する効果的な解決策を提供できず、特に、懸濁液はそれ以上剪断及び分散されず、超微粉末の混合及び分散効果は理想的ではない。
【0007】
したがって、固体(粉末)と液体混合の分野で、特に液体と超微粉を混合して高粘度で高濃度の懸濁液を形成する分野では、粉末の浸透と効率的な分散の統合を実現し、優れた混合と分散効果、シンプルな構造、低エネルギー消費、及び強力な処理能力を実現する混合装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これを考慮して、本発明は、粉末の浸透と効率的な分散の統合を実現し、混合及び分散効果が良好で、構造が簡単で、エネルギー消費量が少なく、処理能力が強い混合装置、詰まりしにくい混合装置、特に超微粉末と液体を混合して高粘度又は高濃度の懸濁液を生成する装置を提供することを目的とする。
【0009】
このために、当社の別の未公開特許出願では、インペラを含み、インペラは、円錐台形の本体を含み、本体の傾斜表面は、上から下に複数の混合ブレードが形成され、インペラアセンブリはさらに本体下部外側に設置された多孔板を含み、多孔板は混合装置のシェル又はインペラアセンブリのインペラに固定されている固体と液体の混合装置のインペラアセンブリを設計した。懸濁液が強く振り出される通路に多孔板を追加することで、懸濁液の高速せん断を実現し、超微粉末と少量の液体を混合して高粘度液体を形成するための分散効果が大幅に向上した。当該出願の特徴は、孔あきバッフルの1つの層のみを設置することであり、これにより、懸濁液のせん断能力はある程度向上する。従来の研究では、一層の多孔板は、せん断強度を高めるのにすでに良い役割を果たしていて、混合装置の内部空間が比較的小さく、バッフル上にかなりの数の貫通孔を設定しない、又は設置した部品が多すぎると、粘性懸濁液の急速な通過を助長せず、処理速度に影響を与えると思われている。同時に、多層の多孔板を設けると、懸濁液の流速が大幅に低下し、二層の多孔板を通過する懸濁液の振り出す速度が遅くなりすぎて、良好なせん断効果を発揮できない。しかしながら、発明者による継続的な実験及びプロセスパラメータの改善を通じて、孔のないバッフルでさえ、適切に設計されていれば、剪断強度も大幅に改善できることが見出された。孔のないバッフルは懸濁液の移動経路を曲がりくねらせるため、複数の部品によってブロックされて圧搾された後、バッフルとシェルの間の隙間によって形成された流路から振り出され、分散効果を高める技術的効果も実現できる。同時に、複数のバッフルの設計は懸濁液の最終的な振り出し速度に大きな影響を与えるが、排出通路の面積は大幅に縮小されていないため、懸濁液全体の処理速度にはほとんど影響せず、いくつかのプロセスパラメータを調整することにより、バッフルに適切な数の孔を設定することで、その悪影響を完全に克服できる。継続的なテスト検証と分析の結果、複数のバッフルが分散室内の懸濁液の移動経路と時間を大幅に延長し、バッフルとシェルの間の回転摩擦によるせん断で、混合と分散の効果が大幅に向上したことが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
剪断強度をさらに改善するという目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決策を使用し、
固体と液体の混合装置用インペラアセンブリであり、インペラを含み、インペラは、円錐台形の本体を含み、本体の傾斜表面に、上から下に複数の混合ブレードが形成され、インペラアセンブリはさらに、本体下部外側に設置された少なく一層のバッフルを含む。
【0011】
好ましくは、バッフルは少なくとも2層である。
【0012】
好ましくは、バッフルは、混合装置のシェル或はインペラアセンブリのインペラに固定されている。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つのバッフルに孔が設けられている。
【0014】
好ましくは、バッフルの間の隙間、バッフルの孔、バッフルとシェルの隙間、バッフルとインペラの隙間とともに懸濁液の流路を形成する。
【0015】
好ましくは、バッフルの上端面或は下端面とシェル或はインペラの隙間が2~5mmであり、隣接する2つのバッフルの間の隙間が1~5mmである。
【0016】
好ましくは、隣接する2つの層のバッフルの間における孔が軸方向に互いずれている。
【0017】
好ましくは、ほぼ半径方向に沿って、最も外側層のバッフルの外側に設置された複数の排出ブレードをさらに含み、排出ブレードとインペラは固定接続され、且つインペラと一緒に回転する。
【0018】
好ましくは、バッフルが溝又はローレット付きである。
【0019】
さらに、前記インペラアセンブリを使用した固体と液体の混合装置を提供し、シェルと、固体を固体輸送室によって混合室に輸送する少なくとも一つの固体供給装置と、液体を液体配分室によって混合室に輸送する少なくとも一つの液体供給装置と、本体とシェルの対応する部分によって限定され、インペラの回転によって固体と液体を混合して懸濁液を形成する混合室と、混合室の下部流出路と排出機構との間に配置され、インペラアセンブリの本体以外の部分とシェルの対応する部分によって限定され、混合室から流出した懸濁液をバッフルの剪断作用により分散させる分散室と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の混合装置及びインペラアセンブリを実施することは、以下の有益な効果を有する。1、本発明は、通常2台の機械で行われていた機能を1台の既存の機械に統合することで、生産工程を簡素化し、大幅なコスト削減を実現した。2、懸濁液が強く振り出された通路に複層のバッフルを追加し、バッフルの間の隙間、バッフルの孔、バッフルとシェルの間の隙間、及びインペラ底部の底板と排出ブレードの上部プレートとともに懸濁液の流路を形成し、すべてのスラリーが、主にバッフルとシェルの内壁によって形成される湾曲通路を通過することを保障し、スラリーの分散時間が長くなり、スラリーの動きが複雑になり、超微粉末と少量の液体を混合して生成される高粘度液体の分散効果が大幅に向上した。3、固定バッフルと回転バッフルの混合モードを創造的に設計し、バッフル間の相対回転運動を最大限に活用して、狭い通路での懸濁液の高速せん断、摩擦、擦ることを実現し、単層多孔バッフルに比べ、粉末の分散効果がより良い。4、排出ブレードが最も外側のバッフルに追加され、比較的閉じた空間内で負圧が発生するため、懸濁液は分散された後に排出口から迅速に排出され、バッフルによってもたらされる流動性低下が打ち消され、さらに原料の処理速度を向上させた。5、既存の混合装置の構造とプロセス特性を十分に活用し、既存の混合装置に基づいて、既存の構造に大きな変更を加える必要はなく、既存の混合装置のすべての部品が合理的に使用され、消費電力部品を新たに追加することなく、原材料の単位量あたりのエネルギー消費量を大幅に削減し、形状に応じたバッフルを複数追加するだけで、機能向上と性能向上を実現し、大幅なコスト削減を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態又は先行技術の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態又は先行技術の説明に使用する必要のある図面を簡単に紹介するが、以下の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、当技術分野の通常の技術者にとって、他の図面は、創造的な作業なしに、提供された図面に従って得ることができる。
【0022】
図1】従来技術における固体と液体の混合装置の概略図;
図2】従来技術における別の固体と液体の混合装置の概略図;
図3】従来技術における別の固体と液体の混合装置の概略図;
図4】当社の別の未公開出願におけるインペラアセンブリの概略図;
図5】本発明の一実施形態におけるインペラアセンブリの概略図;
図6】本発明の一実施形態におけるインペラアセンブリの概略図;
図7】本発明の一実施形態におけるインペラアセンブリの概略図;
図8】本発明の一実施形態におけるインペラアセンブリの概略図;
図9】本発明の一実施形態におけるインペラアセンブリの概略図;
図10】本発明の一実施形態におけるインペラアセンブリの概略図;
図11】本発明の一実施形態における混合装置の概略断面図;
図12】本発明の一実施形態における混合装置の概略断面図;
図13】本発明の一実施形態における混合装置の全体の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、原理、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下は、図面及び実施形態を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の内容に記載されているように、本明細書に記載の特定の実施形態は、本発明を説明するために使用されるが、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0024】
なお、本明細書のテキスト又は技術的内容により決定できる接続又は位置関係は、図面の簡略化のために部分的に省略し、又はすべての位置変更の図を描かれず、本明細書は、省略又は、描かれていない位置変更の図を明確に説明していないが、説明がないと考えることはできなく、簡略に説明するために、具体的な説明では、1つずつ説明せずに、ここで纏めて説明した。
【0025】
従来の混合装置に関しては、攪拌ブレードは通常同径であり、即ち、水平方向に強い回転衝撃やせん断力が発生できるため、従来技術では、同径混合ブレードの側面に円筒形のバッフル等、混合効果を高めることができるいくつかの構造を追加するが、バッフルの詰まりや固液混合物の垂直方向における輸送速度の低下等の設計の欠点も明らかであり、これらは技術背景の部分で詳細に説明されているので、ここでは繰り返さないことにする。
【0026】
これらの問題に対応して、本発明者たちは、円錐台インペラと直径が変わるブレードを使用し、懸濁液の線速度はインペラ通過後に大幅に増加し、混合効果と排出速度のバランスが良い固体と液体の混合装置用インペラアセンブリを設計した。ただし、この混合装置の分散一致性は、ある原材料を使用する場合に生産要件を満たすことができないため、この混合装置の元の構造と作業モードを使用し、孔のないバッフルを少なくとも1つ追加することだけで、2つの別々の装置を簡単に1つの大きな装置に接続するだけではなく、混合機能と分散機能の有機的な統合が完了される。
【0027】
図5~10に示すように、本発明は固体と液体の混合装置において改良されたインペラアセンブリを使用し、インペラ1を含み、インペラ1は、円錐台形の本体2を含み、本体2の傾斜表面は、上から下に複数の混合ブレード4が形成され、インペラアセンブリはさらに、本体2下部外側に設置された少なく一層のバッフル5を含む。少なくとも2つの層のバッフル5を設置した場合、バッフル5は、混合装置のシェル14及びインペラアセンブリのインペラ1にそれぞれ固定される。さらに、少なくとも1つのバッフル5には、孔25が設けられている。バッフル5間の隙間、孔25、バッフル5とシェル14の間の隙間、バッフル5とインペラ1の隙間とともに懸濁液の流路8を形成する。
【0028】
本発明では、少なくとも1つの層のバッフル5が設置され、バッフル5は、混合装置のシェル14又はインペラアセンブリのインペラ1に固定でき、バッフル5とシェル14或はインパラ1との間に流路とする一定の隙間を残す必要があることに留意されたい。2つの層のバッフル5を設置した場合、少なくとも1つの層が固定され、少なくとも1つの層が回転し、もちろん、図7に示すように、内側と外側の2つの層のバッフル5がインペラ1と一緒に回転し、中間層のバッフル5が固定する3層のバッフル5を設置してもよく、作業中に強い回転せん断効果が生じ、細長い懸濁液流路8で懸濁液を繰り返し剪断、摩擦、圧搾できるため、懸濁液中の塊が十分に分散され、最終的に状態が良好なスラリーが形成される。バッフル5は通常滑らかで平らであるが、剪断効果を高める効果を達成するために、滑らかなバッフル5上にいくつかの溝またはローレットを加工できる。別の実施形態では、半径方向の剪断効果を増大させると同時に、懸濁液の流動性をある程度増大させるために、バッフル5にいくつかの孔25を設定でき、孔25を設定したバッフルの数には制限がなく、一つ又は二つ、又はすべてのバッフルであってもよい。隣接する2つの層のバッフル5の間の孔25の位置は、軸方向において可能な限り互いにずらし、孔25は通常、高さ方向に1層ずつ配置されているから、いわゆる軸方向においてずらすとは、隣接する2つの層のバッフル5の各層の孔25は、軸(即ち高さ)方向にずらして配置されていることを意味し、懸濁液が十分にせん断されずに最外周のバッフル5から振り出されないようになっている。また、多層バッフルを設けることで、シェル14や底板3等の助けを借りて、懸濁液がバッフル5の間を上下に流れるようにし、バッフル5の間に懸濁液が上下に動くことができる流路8が形成されるのを保証する。例えば、懸濁液は、内層のバッフル5の上端の流路8から内層と中間層バッフル5との間の流路8に入り、下端までに移動し、中間層バッフルと外層のバッフルの間の流路8に流れ込み、最後に外層バッフル5の上端の流路8から振り出され、バッフルのせん断と摩擦を十分に受ける。さらに、バッフル5間の隙間、孔25、バッフル5とシェル14の間の隙間、バッフル5と底板3の間の隙間のすべてが懸濁液の流路8を形成できる。しかし、上記の隙間は大きすぎてはいけなく、大き過ぎると剪断効果が影響されるため、好ましくは、バッフル5の上端面或は下端面とシェル14或はインパラ1との隙間が2~5mmであり、隣接する2つの層のバッフルの間の隙間が1~5mmである。
【0029】
本発明において、インペラ1は、円錐台形の本体2を含み、これはインペラ1がローターとして存在するからであり、そのため、軸方向に必然的にメインシャフトと接続され、接続構造の存在は一定の体積を占めるため、本体2は通常円錐台形状で存在するが、もちろん円錐台形状とも呼ばれる。また、図7から明らかに見えるように、インペラ1の上部に円筒形の接続部16が存在するが、接続部16は必要な部品ではなく、メインシャフト21との接続部は円錐台型本体2の内部に設計でき、本発明では、接続部16の設置は自由に選択できる。また、本体2の底部は、プロセス要件のために比較的小さな下端を備えていてもよいが、それはインペラの全体の形状にほとんど影響を及ぼさず、必要に応じて取り外すこともできる。混合ブレード4は、接続部16から設置でき、本体2からも設置できる。しかしながら、設計に関わらず、本体2に対する混合ブレード4の高さは、ほぼ同じである必要があり、同時にシェル14の形状をインペラ1の傾斜形状に合わせて、本発明で強調された吸引効果を達成きる。ここで、下部とはおおよその位置を表す用語であり、インペラ1全体を上から下に3つの部分に分割すると、下部の意味がよくわかる。もちろん、実際の設計におけるバッフル5の形状は、必ずしも標準的な円筒形状である必要はなく、インペラ本体2、底板3、さらにはシェル14の形状に応じて、ある程度変更できる。
【0030】
環状底板3は、懸濁液の運動方向を案内する役割を果たすことができ、懸濁液が混合室から排出された後、比較的に高速で傾斜し、且つシェル14のボトム部分に向かって運動し、バッフル5は通常垂直に配置されているため、懸濁液はバッフル5に直接突入できなく、同時に、懸濁液の一部は隙間を通って分散室から直接排出される。したがって、懸濁液の無秩序な流れを回避し、すべての懸濁液がバッフル5を適切な角度で高速に通過するか、又はバッフル5の間の流路8に入るのを保障するために、我々はシェル14の底面の役割を最大限に活用し、又は、インペラ1の底部に水平に外側に延びる底板3を追加することを検討している。また、環状底板3は、バッフル5を固定又は配置する役割を果たすこともでき、少なくとも1層のバッフル5は、環状取り付けフランジによって環状底板3に固定することもでき、もちろん、環状底板3に直接溶接もできる。
【0031】
本発明は、懸濁液が流れる通路に正常の流れを遮断する部品(バッフル5)を追加することで、これは明らかに懸濁液の流れる速度をある程度低下させるが、混合室11の処理速度は、その後の通路が遮断されることで低下しない。したがって、混合装置全体の処理速度を維持するために、図5~10を参照すると、本発明は、ほぼ半径方向に最も外側のバッフル5の外側に、いくつかの排出ブレード6を設置し、排出ブレード6は最外層の回転バッフル5に直接固定でき、環状底板3に固定してもよく、もちろん、複数の排出ブレード6を本体2下端面の、ほぼ半径方向に直接固定することも実行可能な解決策である。本発明において、機能を実現する観点から、一般に、最も外側のバッフル5の外側のいくつかのブレードは、排出ブレード6として理解でき、内側のブレードは、混合ブレード4として理解できる。図7に示すように、排出ブレード6の上側に環状トッププレート7が固定され、排出ブレード6は、トッププレート7と底板3との間に配置されるので、トッププレート7は底板3とともに懸濁液排出路を限定する。排出ブレード6は一定の高さと半径方向の長さを有し、トッププレート7は底板3にほぼ平行であり、底板3の外側に接近する部分と組み合わせて、バッフル5の外側にほぼ密閉の環状懸濁液流路を形成し、バッフル5を通った懸濁液はすべてがトッププレート7と底板3が一緒に限定された排出通路に入る。場合によっては、排出ブレード6は、トッププレート7を介してインペラ1に固定接続きる。排出ブレード6の導入は、インペラ1の底部のブレードの直径を増加したことに相当し、排出ブレード6は、底板3の駆動下で、高速回転するため、シェル14と合わせて、遠心ポンプと類似した機能を発揮し、それによって生成された遠心効果は、バッフル5の外側に負圧を形成し、バッフル5の内側の液体を外側に加速して流れるように促し、懸濁液がバッフル5を通過するプロセスを迅速且つ簡単にする。このようにして、バッフル5の追加によって引き起こされる運動エネルギー損失は、排出ブレード6によって効果的に補われる。バッフル5が排出ブレード6の内側に配置されている場合、排出ブレード6の外縁は、シェル14の内壁に非常に近くなるように設計でき、すべての懸濁液がバッフル5を通過することを保障でき、また、十分の負圧が分散室に生成されることを保障して、高い処理速度を維持させる。
【0032】
好ましくは、排出ブレード6と混合ブレード4の曲げ方向は、ほぼ同じであり、排出ブレード6には孔27が設けられている。本発明は、混合ブレード4と排出ブレード6の数を特に制限しないが、排出ブレード6と混合ブレード4の曲げ方向がほぼ同じである場合、懸濁液の流れの妨げが少なくなり、速度損失が少なくなる。また、処理される材料は通常高粘度のスラリーであるため、排出ブレード6に孔27が設けられ、これにより、追加の円周方向の剪断力を提供でき、分散室15内の装置に不利な高圧及び高負荷の発生を回避し、高粘度スラリーのスムーズな排出を助けることができる。
【0033】
図6及び図8を参照すると、混合ブレード4は、本体2の下部で水平方向に一定の距離を延び、排出ブレード6は混合ブレード4の本体2の下部に水平方向に延びているこの部分と全体として接続されている。この固定接続設計により、混合ブレード4の周縁と内部層のバッフル5の間の距離が最小限に抑えられ、懸濁液の攪拌、ガイド、加速に良い役割を果たすことができ、延長されたブレードを使用すると、懸濁液をより高速で流路に振り出すことができるため、バッフル5の剪断効果を増幅できる。同時に、混合ブレード4と排出ブレード6は、接続リブの短いセクションを介して全体として接続することができ、底板3又はトッププレート7を使用せずにインペラアセンブリの全体的な構造を簡素化した。
【0034】
バッフル5の高さは、混合ブレード4の底板3上における水平延長部分の高さと基本的に同じであり、これは、主に、周囲の部品と調和できるようにバッフル5の高さを大まかに制限し、最後に、バッフル5の間の隙間、孔25、バッフル5とシェル14との間の隙間、およびバッフル5と底板3との間の隙間はともに、懸濁液の流路8を形成する。
【0035】
図11~13に示すように、シェル14に取り付ける必要がある場合等、特定の取り付け条件では、バッフル5には通常リング状の取り付けフランジ周縁があり、フランジ周縁を設置することは、適切な選択肢であり、安定性の要件を満たすことができる。もちろん、フランジ周縁を使用して回転が必要なバッフル5を底板3に取り付けることもでき、バッフル5をシェル14、底板3、又はトッププレート7、さらに混合ブレート4に直接溶接すると比べて、この方法は、より柔軟で、交換やメンテナンスに便利である。
【0036】
インペラ1の底板3が設けられていない場合、混合ブレード4は、本体2の下端面の上で水平方向に一定の距離を延びることができ、同様に混合効果を高め、流量を増加し、懸濁液を流路に導くことができる。設計者は、混合ブレード4の位置と数を柔軟に設定できる。また、実際のニーズに応じて長さ、形状、曲率等のパラメータを柔軟に調整できるので、設計者により多くのデザインスペースを与えることができる。また、本発明は、本体2の傾斜表面に前記混合ブレード4が設けられていない実施形態も有しており、インペラ1の回転による混合作用のみを使用するだけで、特定のスラリー製造の要件を満たし、装置の構造を簡素化し、装置の耐久性を向上できる。もちろん、この設計では、本体2の下端面に固定し、半径方向に延びる混合ブレード4を別個に導入することにより、懸濁液の排出速度を大幅に向上させることができ、インペラの中部と上部に混合ブレードがなく、インペラの排出速度が不十分である欠陥をある程度補うことができる。
【0037】
図11~13に示すように、本発明は固体と液体の混合装置であって、シェル14と、固体を固体輸送室10によって混合室11に輸送する少なくとも一つの固体供給装置9と、液体を液体配分室13によって混合室11に輸送する少なくとも一つの液体供給装置12と、本体2とシェル14の対応する部分によって限定され、インペラ1の回転によって固体と液体を混合して懸濁液を形成する混合室11と、前記混合室11の下部流出路と排出機構26との間に配置され、インペラアセンブリの本体2以外の部分とシェル14の対応する部分によって限定され、混合室11から流出された懸濁液を、少なくとも2つのバッフルの摩擦、剪断作用により分散させる分散室15と、を含む。バッフル5は、混合装置のシェル14及びインペラの底板3にそれぞれ固定されている。
【0038】
混合装置のシェル14は、主に支持及び室のシェルとして機能し、例えば、モータ20、メインシャフト21、固体供給装置9、液体供給装置12等をサポートし、取り付けるのに使用され、インペラ1、バッフル5、メインシャフト21等の部品をシェル14の内部に設置される必要があるため、シェル14は通常、いくつかの部品を接合することによって形成される。混合装置が組み立てられた後、シェル14及びその上に設置された各部品は、固体輸送室10、液体分配室13、混合室11、及び分散室15のいくつかのコア室を上から下に大まかに限定した。ただし、このような制限は、主に機能を完了するという観点から、人為的な分割を表すだけである。実際の混合装置では、これらの室の特定の分割線が明確でない場合があり、特定の形状を使用して分散室等を限定できないが、これらの室の位置関係や、構成部品及び実現される機能から見ると、これらの室はまた非常に明確である。重要なことに、混合室11は、インペラ1の本体2及び本体2を取り囲むシェルの部分を大まかに含み、この2つの部分は、大まかに円錐台の空間を限定し、この空間では、噴霧された液体と分散された粉末が互いに接触し、混合ブレード4の回転及び攪拌で予備混合が完了する。分散室15は、底板3、バッフル5、及び排出ブレード6等のインペラアセンブリの他の部品、並びにこれらの部分を取り囲むシェルを含み、これらの2つの部分は、おおまかに円筒形の空間を限定し、この空間において、混合室11から振り出した懸濁液は、底板3、シェル14、バッフル5、トッププレート7等からなるチャネルを通過し、排出ブレード6の作用下で、回転されて排出機構26に運ばれ、懸濁液の更なるせん断及び分散を完成する。
【0039】
固体供給装置9は、混合する必要のある固体を供給位置から混合室11に輸送するために使用される。固体供給装置9は、固体原料(通常は様々な粉末原料)をホッパー又はサイロから、スクリュー供給装置22によって固体輸送室10を介して混合室11に輸送する。スクリュー供給装置22は固体と液体が混合室11内で接触しているときに固体が多過ぎたり少な過ぎたりする状況を回避するために、固体を混合室11に連続的且つ均一に供給でき、固体が多すぎると、固体の凝集と詰りが起こりやすくなり、固体と液体の浸透及び均一な混合が困難になり;固体が少な過ぎると、同じバッチ内のすべての固体と液体の均一な混合が困難になり、同じバッチですべての固体と液体の均一な混合を達成するために、循環及び混合回数を増やす必要がある。本発明は、スクリュー供給装置22を使用して固体の輸送に対して、一方では、固体の吸引に対する混合室11の吸引効果の影響を回避でき、固体を連続的且つ均一に混合室11に運んで液体と混合させて、同じバッチで固体と液体の均一な混合を実現し、サイクル数を減らした。
【0040】
本発明において、固体供給装置9は、ただのスクリュー供給装置として解釈されるべきでなく、固体の均一及び連続な輸送を実現できる供給装置であれば、すべてが本発明に適用できることに留意されたい。また、浸透及び混合が必要な固体が複数種類ある場合、本発明の固体供給装置は、複数種類の固体をそれぞれ輸送するために複数のスクリュー供給装置を使用しており、これも本発明の保護範囲内の技術的解決策である。
【0041】
液体供給装置12は、液体を貯蔵及び供給するために使用され、その中で前記液体は懸濁液である場合を含み、前記懸濁液とは、液体と固体を混合して得られた液体のことである。液体供給装置12は複数であってもよく、液体供給装置の一部は液体を供給し、液体供給装置の一部は、液体が懸濁液になった後の懸濁液を供給するために使用できる。液体分配室13は、液体供給装置12によって供給された液体を所定の流量で分配するために使用され、液体分配室13内の液体流量が十分且つ均一に分配されることを保証し、例えば、液体分配室13の入口ノズルの数によって調整したり、液体供給装置12に接続された液体輸送ポンプ(図示せず)の回転速度をそれぞれ変更したり、又は両方を組み合わせて変更することで、液体流量の分配を実現できる。したがって、液体が液体分配室13内でキャビテーション損傷を生じないことが保証され、それによって装置への損傷を回避し、液体が混合室11に入り、固体と接触するときにキャビテーションが発生しないことも実現し、固体が液体キャビティに入り、塊を形成して装置の詰まりを引き起こすのを大幅に防ぐ。もちろん、液体の流れ方向は、入口ノズルの角度を調整することによっても制御できる。
【0042】
混合室11は、入ってくる固体と液体を混合して懸濁液を形成するために使用される。本発明において、混合装置の固体輸送室10及び混合室11を外気から隔離するために、固体供給装置9に弁を設ける形態で装置の外気との隔離が実現される。固体は、スクリュー供給装置22を介して混合室11に連続的且つ均一に供給され、液体分配室13は、所定の流量で十分な量の液体を混合室11に連続的且つ均一に供給する。スクリュー供給装置22とその入力ポートの密閉により、混合室11が回転して液体が加速して混合室11を通り、そして排出されると、混合室11は吸引効果を生み出し、固体輸送室10及び混合室11の前部の空気は、混合室11の後部に迅速に入り、そして排出され、輸送室10と混合室11の前部が負圧状態になって、固体輸送室10内の固体表面の空気は、真空環境において固体表面から分離されるので、固体が液体と接触する前に表面上の空気が部分的に除去され、液体は固体に浸透しやすくなる。
【0043】
混合室11は、環状隙間23を含み、当該環状隙間23は円錐台形のインペラ本体2及びそれと対応するシェル14の一部の環状壁によって限定及び構成される。円錐台形本体2の断面直径は、混合室11の入口から排出口に向かう方向に沿って徐々に大きくなり、メインシャフトの駆動下で、断面直径の小さい上部の円周方向の線速度は、断面直径の大きい下部の線速度よりも小さく、円錐台形本体2はメインシャフトにより駆動され、その表面の懸濁液は上から下への加速運動を実現し、この加速された動きの間に、一方では、混合室11の出口エリアの吸引効果が生成されて懸濁液中の固体の表面上の空気は、固体をさらに離れて、固体と液体のより均一な浸透と混合を実現した。
【0044】
混合装置のスクリュー供給装置22のアウトプット端にある固体輸送室10は、分散コーン、スクリーン、粉末分散ディスク、スクリュー又は分散ピン等の分散装置24をさらに含む。スクリュー供給装置22は、固体を上記の分散装置24に通過させて、固体の分散を実現し、また、固体輸送室10における固体表面の空気の固体からの分離を容易にし、混合室における固体と液体の均一な混合を助長する。
【0045】
分散室15は、インペラアセンブリの本体2以外の部分と対応するシェル14の一部によって限定され、混合室11の下部流出路と排出機構26との間に設置される。本発明の動作プロセス及び動作原理から分かるように、固体輸送室10、液体分配室13、混合室11及び分散室15は、独立した室ではなく、互いに接続されていて、プロセスの必要性のために、液体と固体は、混合装置に入る時点から始めて、順番に上記の異なる室に入り、対応する処理を完了し、対応する処理効果を得る。分散室15は、混合室11及び排出機構26に接続されており、それらの間の構造的境界は明らかではないが、それらの機能は完全に異なっている。混合室11の出口で、固体はすでに液体と浸透し、ある程度混合して、粉末粒子を有する懸濁液を形成した。インペラ1の下部周縁の線速度は上部の線速度よりも遥かに速いので、混合室11から懸濁液を排出する速度も非常に速い。下流位置に2つ以上の層のバッフル5を設置し、バッフル5間の回転・剪断作用により、混合室11から流出した高速移動懸濁液を分散させることは、従来技術における独立した高速分散機器を使用した効果を完全に達成できることが確認された。さらに、本発明のバッフル5は、混合装置のシェル14及びインペラアセンブリの底板3にそれぞれ固定できる。バッフル5の一方の層は回転せず、バッフル5のもう一方の層はインペラと一緒に回転するため、強いせん断力が形成され、懸濁液の分散効果は非常に理想的である。もちろん、バッフル5を固定する方法は多様であり、上記の方法に限定されるものではなく、少なくとも1つのバッフル5の固定及び少なくとも1つのバッフル5の回転が保障できる限り、システムの通常の動作を維持できる。
【0046】
上記の実施形態では、含まれる各モジュールは、機能の論理に従って分割されるだけであり、対応する機能が実現可能である限り、上記の分割に限定されないことに留意されたい;また各機能ユニットの特定名称もまた、互いに区別するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するために使用されるものではない。
【0047】
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の精神及び原理の範囲内で行われるいかなる修正、同等の置換及び改善も、本発明の保護範囲に含まれるものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13