(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】接着接合された水分離カートリッジモジュール
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20230501BHJP
B01D 61/08 20060101ALI20230501BHJP
B01D 63/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
C02F1/44 A
C02F1/44 D
B01D61/08
B01D63/00 500
(21)【出願番号】P 2022524132
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(86)【国際出願番号】 US2020058574
(87)【国際公開番号】W WO2021087473
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-20
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522164488
【氏名又は名称】ナチュラル オーシャン ウェル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーグストロム、ロバート エー.
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0091629(US,A1)
【文献】特表2010-517772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/44
B01D61/00-71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中
で使用するための水分離膜モジュールであって、
複数の水分離膜カートリッジであって、
i)水分離膜と、
ii)前記水分離膜を取り囲む不浸透性カートリッジ壁と、
iii)第1のカートリッジ端部であって、前記不浸透性カートリッジ壁にシールされ、前記第1のカートリッジ端部を通って、加圧された塩分を含んだ水が前記水分離膜カートリッジに流入し、前記水分離膜によって濃縮液またはブラインと少なくとも部分的に脱塩された水とに分離される、前記第1のカートリッジ端部と、
iv)前記濃縮液または前記ブラインが前記水分離膜カートリッジから出る第2のカートリッジ端部と、
v)生成水収集管であって、前記水分離膜を通過する前記少なくとも部分的に脱塩された生成水を前記水分離膜カートリッジ内部から収集し、前記生成水収集管を通って、前記少なくとも部分的に脱塩された水が前記水分離膜カートリッジから出る、前記生成水収集管と
を有する複数の水分離膜カートリッジと、
前記水分離膜カートリッジ
の並列なアレイであって、前記不浸透性カートリッジ壁または前記第1のカートリッジ端部もしくは前記第2のカートリッジ端部を穿孔が取り囲む有孔仕切り板に取り付けられており、前記有孔仕切り板は、前記第1のカートリッジ端部に流入する塩分を含んだ水と前記水分離膜カートリッジから出る濃縮液またはブラインとを
隔離する、前記水分離膜カートリッジ
の並列なアレイと、
複数の前記生成水収集管と流体連通しており、前記少なくとも部分的に脱塩された水が流入する生成水収集マニホルドと
を備え、
a)前記生成水収集マニホルドは複数の前記生成水収集管に
接着剤によって接着接合されているか、またはb)前記有孔仕切り板は複数の前記不浸透性カートリッジ壁もしくは前記第1のカートリッジ端部
もしくは前記第2のカートリッジ端部に
接着剤によって接着接合されているか、またはa)とb)との両方である、
水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項2】
前記水分離膜が、逆浸透膜である、請求項1に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項3】
前記アレイ内の前記生成水収集管が、前記生成水収集マニホルドに接着接合されている、請求項1または2に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項4】
前記有孔仕切り板が、複数の前記不浸透性カートリッジ壁または前記第1のカートリッジ端部
もしくは前記第2のカートリッジ端部に接着接合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項5】
前記生成水収集管と前記生成水収集マニホルドとの間、または前記有孔仕切り板と前記水分離膜カートリッジとの間に複数のOリングをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項6】
前記水分離膜カートリッジの間に浮力媒体をさらに備え、前記浮力媒体は海水よりも小さい密度を有し、前記アレイが海水に沈められているときに、前記アレイに増加した浮力を付与する、請求項1から5のいずれか一項に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項7】
前記接着剤が、エポキシ樹脂を備え、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびそれらのジグリシジルエーテルを実質的に含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項8】
前記水分離膜カートリッジが圧力容器に封入されていない、請求項1から7のいずれか一項に記載の水中
で使用するための水分離膜モジュール。
【請求項9】
水中
で使用するための水脱塩装置を組み立てるための方法であって、前記方法は、
a.複数の水分離膜カートリッジであって、
i)水分離膜と、
ii)前記水分離膜を取り囲む不浸透性カートリッジ壁と、
iii)第1のカートリッジ端部であって、前記不浸透性カートリッジ壁にシールされ、前記第1のカートリッジ端部を通って、加圧された塩分を含んだ水が前記水分離膜カートリッジに流入し、前記水分離膜によって濃縮液またはブラインと少なくとも部分的に脱塩された水とに分離される、前記第1のカートリッジ端部と、
iv)前記濃縮液または前記ブラインが前記水分離膜カートリッジから出る第2のカートリッジ端部と、
v)生成水収集管であって、前記水分離膜を通過する前記少なくとも部分的に脱塩された生成水を前記水分離膜カートリッジ内部から収集し、前記生成水収集管を通って、前記少なくとも部分的に脱塩された水が前記水分離膜カートリッジから出る、前記生成水収集管と
を有する複数の水分離膜カートリッジを提供する段階と、
b.前記水分離膜カートリッジ
の並列なアレイを、前記不浸透性カートリッジ壁または前記第1のカートリッジ端部もしくは前記第2のカートリッジ端部を穿孔が取り囲む有孔仕切り板に取り付ける段階であって、前記有孔仕切り板は、前記第1のカートリッジ端部に流入する塩分を含んだ水と前記水分離膜カートリッジから出る濃縮液またはブラインとを
隔離する、段階と、
c.生成水収集マニホルドを、複数の前記生成水収集管と流体連通させて固定する段階と
を含み、
a)前記生成水収集マニホルドは複数の前記生成水収集管に
接着剤によって接着接合されているか、b)前記有孔仕切り板は複数の前記不浸透性カートリッジ壁もしくは前記第1のカートリッジ端部
もしくは前記第2のカートリッジ端部に
接着剤によって接着接合されているか、またはa)とb)との両方である、方法。
【請求項10】
前記水分離膜が、逆浸透膜である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アレイ内の前記生成水収集管が、前記生成水収集マニホルドに接着接合されている、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記有孔仕切り板が、複数の前記不浸透性カートリッジ壁または前記第1のカートリッジ端部
もしくは前記第2のカートリッジ端部に接着接合されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記生成水収集管と前記生成水収集マニホルドとの間、または前記有孔仕切り板と前記水分離膜カートリッジとの間に複数のOリングをさらに備える、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記水分離膜カートリッジの間に浮力媒体をさらに備え、前記浮力媒体は海水よりも小さい密度を有し、前記アレイが海水に沈められているときに、前記アレイに増加した浮力を付与する、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記接着剤が、エポキシ樹脂を備え、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびそれらのジグリシジルエーテルを実質的に含まない、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記接着剤を剥離し、少なくとも1つのカートリッジを取り外して交換し、前記生成水収集マニホルドを交換用カートリッジの前記生成水収集管に接着接合するか、または前記有孔仕切り板をこのような交換用カートリッジに接着接合する段階をさらに含む、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記水分離膜カートリッジが圧力容器に封入されていない、請求項9から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水脱塩に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブライン(例えば、海水)脱塩の発展は、脱塩された水の比較的高いコストによって制限されてきた。この高いコストは、現在の脱塩システムに関連するエネルギーおよび資本支出に一部起因している。このようなシステムは、典型的には、耐腐食性の高圧ハウジングに収容された逆浸透(RO)脱塩膜を含む陸上施設を利用し、海中の取水システムから海水を供給している。RO膜に水を通すには、典型的には、非常に高い圧力が必要である。例えば、広く使用されているFILMTEC(商標)SW30ファミリーの逆浸透膜エレメント(DuPont Water Solutions社製)は、設計要件を満たすために膜全体で約800psi(55バール)の圧力差を必要とする。このような高い圧力に加えて、陸上型ROユニットは、主に給水を膜の作動圧力まで加圧するための電力需要が高いという問題を抱え、陸上型ROユニットでは、生成される真水千ガロン当たりのこれらの電力需要が典型的には平均約13.5kWhとなる。一般的な陸上型ROユニットで生成される海水流および濃縮ブライン流は腐食を起こす可能性が高く、その結果、特殊合金製の圧力容器および導管を含む高価な構成要素や設備が必要になる。また、高圧の水流により、保守費用もかさむ。また、陸上型ROユニットは、典型的には、高価な海辺の土地建物も大量に必要とする。さらに、陸上ベースの脱塩は、取水における海洋生物の巻き込み、必要とされるエネルギーの生成に伴う温室効果ガスの発生、海洋生物に害を与える可能性のある強いブライン流の排出、海洋に入る可能性のある処理化学物質の使用、高価であることが多く、地域の生態系に害を与える可能性がある陸上の土地使用を含む様々な環境への影響で批判されてきた。ROユニットとしては、米国特許第4,334,992号明細書(Boninら)、同第5,192,434号明細書(Moller)、同第5,620,605号明細書(Mollerら)、同第5,788,858号明細書(Acernaseら(858))、同第5,972,216号明細書(Acernaseら(216))、同第8,282,823(B2)号明細書(Acernaseら(823))および同第9,227,159(B2)号明細書(DuFresneら)に記載されているものが挙げられる。
【0003】
半透過型RO膜の発明から50年、このような膜を水中に沈め、自然の静水圧を利用して海水の脱塩に役立つ様々なコンセプトが提案されてきた。代表的な例としては、米国特許第3,171,808号明細書(Todd)、同第3,456,802号明細書(Cole)、同第4,125,463号明細書(Chenowith)、同第5,229,005号明細書(Fokら)、同第5,366,635明細書(Watkins)、同第5,914,041号明細書(Chancellor(041))、同第5,944,999号明細書(Chancellor(999))、同第5,980,751号明細書(Chancellor(751))、同第6,149,393号明細書(Chancellor(393))、同第6,348,148(B1)号明細書(Bosley)および同第8,685,252(B2)号明細書(Vuongら)、米国特許出願公開第2008/0190849号(A1)明細書(Vuong)、米国特許出願公開第2010/0270236(A1)号明細書(Scialdone)、米国特許出願公開第2010/0276369(A1)号明細書(Haag)および米国特許出願公開第2018/0001263(A1)号明細書(Johnsonら)、英国特許第2,068,774号明細書(Mesple)、国際公開第00/41971(A1)号(Gu)、国際公開第2009/086587(A1)号(Haag Family Trust)、国際公開第2018/148528(A1)号(Bergstromら)、国際公開第2018/148542(A1)号(Bergstrom)およびPacentiら(Submarine seawater reverse osmosis desalination system, Desalination 126,pp.213-18(November,1999))に示されるシステムが挙げられる。
【0004】
また、他の水脱塩技術も提案されており、精密ろ過、ナノろ過、限外ろ過およびアクアポリンを利用したシステムが挙げられる。これらも同様に様々な欠点を有している。一般に、水中水脱塩システムは、脱塩された水を非常に深い部分から水面にポンプ輸送するエネルギーコストおよび構成部品を深部で保守する困難さなどの要因に一部起因して、広く使用されていないようである。
【0005】
陸上型ROシステムでは、RO膜カートリッジが通常直列に配置され、直列の最初の透過液管の入口端をシールするプラグ、連続する個々のカートリッジの透過液収集管を結合する管状インタコネクタ、および直列の最後の透過液管を生成水接続マニホルドに結合するエンドコネクタが使用される。プラグ、インタコネクタおよびエンドコネクタは、通常、1つまたは複数のOリングを備えている。これらおよび他の例示的なプラグ、インタコネクタおよびエンドコネクタは、米国特許第3,928,204号明細書(Thomas)、同第4,296,951号明細書(Zimmerly)、同第4,517,085号明細書(Driscollら)および同第5,851,267号明細書(Schwartz)に示されている。
【0006】
以上のことから、当該技術分野において依然として必要とされているのは、より低いエネルギーコスト、より低い資本コスト、より低い運転または保守コスト、またはより低減された環境影響のうちの1つまたは複数を特徴とする水脱塩のための改良されたシステムであることが理解されよう。このようなシステムは、本明細書において開示され特許請求される。
【発明の概要】
【0007】
地上での水分離と比較して、水中水分離システムは、いくつかの重要な利点を提供することができる。例えば、水中運転は、静水圧により脱塩に必要な駆動力の多くまたは全てを提供することができ、脱塩された水のみを陸上でポンプ輸送する必要があるので、ポンプ電力要件を大幅に低減することができる。しかしながら、構成部品の修理または交換は、特にシステムが相当の深さで水中にある場合には困難であり、修理または交換を実施できるように、水中システム全体を停止させるか、場合によっては浮上させることが必要となることがある。そのため、システム故障の可能性がある箇所を最小限にするか、または排除することが重要である。
【0008】
ROカートリッジを利用する水中システムにおいて、例えば、上述のJohnsonらおよびBergstromらの出願で論じられているように、直列カートリッジ配置よりも並列配置を採用してもよい。純粋な並列配置では、インタコネクタは必要ないが、エンドプラグおよびエンドコネクタは通常必要である。このようなプラグおよびエンドコネクタにはOリングが採用されることがあるが、システムの漏れおよび故障につながることもある。このような故障は、例えば、圧縮状態のまま低温に長期間さらされた後にOリングおよび他のゴム系シールが受ける可能性のある「圧縮永久ひずみ」(弾力性の喪失)により生じる可能性がある。
【0009】
さらに、並列ROカートリッジ配置は、カートリッジを取り付けて水中システムの高圧入口側をシステムの低圧生成水側から分離するために、有孔仕切り板を利用することができる。カートリッジを仕切り板にシールするためにOリングを使用してもよいが、やはりシステムの漏れおよび故障につながる可能性がある。
【0010】
開示された発明は、一態様において、
複数の水分離膜カートリッジであって、
i)水分離膜と、
ii)膜を取り囲む不浸透性カートリッジ壁と、
iii)第1のカートリッジ端部であって、壁にシールされ、当該第1のカートリッジ端部を通って、加圧された塩分を含んだ水がカートリッジに流入し、膜によって濃縮液またはブラインと少なくとも部分的に脱塩された水とに分離される、第1のカートリッジ端部と、
iv)濃縮液またはブラインがカートリッジから出る第2のカートリッジ端部と、
v)生成水収集管であって、膜を通過する少なくとも部分的に脱塩された生成水をカートリッジ内部から収集し、当該管を通って、少なくとも部分的に脱塩された水がカートリッジから出る、生成水収集管と
を有し、
カートリッジの略並列なアレイが、カートリッジ壁または第1もしくは第2のカートリッジ端部を穿孔が取り囲む有孔仕切り板に取り付けられており、当該仕切り板は、第1のカートリッジ端部に流入する塩分を含んだ水とカートリッジから出る濃縮液またはブラインとを分離する、複数の水分離膜カートリッジと、
複数の生成水収集管と流体連通しており、少なくとも部分的に脱塩された水が流入する生成水収集マニホルドと
を備える、水中用水分離膜モジュールであって、
a)マニホルドは複数の収集管に接着接合されているか、またはb)仕切り板は複数のカートリッジ壁もしくは端部に接着接合されているか、またはa)とb)との両方である、
水中用水分離膜モジュールを提供する。
【0011】
開示された発明は、別の態様において、水中用水脱塩装置を組み立てるための方法を提供し、当該方法は、
a.複数の水分離膜カートリッジであって、
i)水分離膜と、
ii)膜を取り囲む不浸透性カートリッジ壁と、
iii)第1のカートリッジ端部であって、壁にシールされ、当該第1のカートリッジ端部を通って、加圧された塩分を含んだ水がカートリッジに流入し、膜によって濃縮液またはブラインと少なくとも部分的に脱塩された水とに分離される、第1のカートリッジ端部と、
iv)濃縮液またはブラインがカートリッジから出る第2のカートリッジ端部と、
v)生成水収集管であって、膜を通過する少なくとも部分的に脱塩された生成水をカートリッジ内部から収集し、当該管を通って、少なくとも部分的に脱塩された水がカートリッジから出る、生成水収集管と
を有する複数の水分離膜カートリッジを提供する段階と、
b.カートリッジの略並列なアレイを、カートリッジ壁または第1もしくは第2のカートリッジ端部を穿孔が取り囲む有孔仕切り板に取り付ける段階であって、当該仕切り板は、第1のカートリッジ端部に流入する塩分を含んだ水とカートリッジから出る濃縮液またはブラインとを分離する、段階と、
c.生成水収集マニホルドを、複数の生成水収集管と流体連通させて固定する段階と
を含み、
a)マニホルドは複数の収集管に接着接合されているか、またはb)仕切り板は複数のカートリッジ壁もしくは端部に接着接合されているか、またはa)とb)との両方である。
【0012】
開示された装置は、地上でのROシステムと比較して、低減されたコストで信頼性が向上し、既存の水中逆浸透(SRO)システムと比較して、特に遠隔操作型の無人潜水艇(ROV)を使用して交換を行う場合に、RO膜の保守および交換を改善し、脱塩水を提供することができる水中「天然海洋井戸(Natural Ocean Well)」を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】開示された装置の一実施形態の概略的な側面図である。
【
図2】開示された装置の一実施形態の概略的な側面図である。
【0014】
【
図3】従来のRO水分離カートリッジの透過液収集管に使用するための従来のプラグ、インタコネクタおよびエンドコネクタデバイスの透視図である。
【0015】
【
図4】水分離カートリッジの透過液収集管との接続部での漏れを防ぐために接着接合を利用したエンドプラグおよびエンドコネクタの一部を切り取った透視図である。
【0016】
【
図5】水分離カートリッジの透過液収集管との接続部での漏れを防ぐのを助けるために接着接合とOリングとの両方を採用した別のエンドプラグおよびエンドコネクタの透視図である。
【0017】
【
図6】開示された水脱塩システムの連結アレイによって形成される水ファームの透視図である。
【0018】
【
図7A】開示された装置の、特定の構成要素がある場合とない場合との透視下面図である。
【
図7B】開示された装置の、特定の構成要素がある場合とない場合との透視下面図である。
【
図7C】開示された装置の、特定の構成要素がある場合とない場合との透視下面図である。
【0019】
【
図8A】個々のホットスワップ対応の水分離膜モジュールの、いくつかの観察角度からの透視上面図を示す。
【
図8B】個々のホットスワップ対応の水分離膜モジュールの、いくつかの観察角度からの透視上面図を示す。
【
図8C】個々のホットスワップ対応の水分離膜モジュールの、いくつかの観察角度からの透視下面図を示す。
【
図8D】個々のホットスワップ対応の水分離膜モジュールの、いくつかの観察角度からの透視下面図を示す。
【
図8E】個々のホットスワップ対応の水分離膜モジュールの、いくつかの観察角度からの透視下面図を示す。
【0020】
【
図8F】水分離膜モジュールにおける水分離カートリッジを接合およびシールするための接着剤の使用を示す横断面図を示す。
【
図8G】水分離膜モジュールにおける水分離カートリッジを接合およびシールするための接着剤の使用を示す横断面図を示す。
【0021】
【
図9】開示されたモジュールの略多角形のアレイの平面図であり、モジュールが装着されていない状態を示す。
【0022】
図面の様々な図における同様の参照符号は、同様の要素を示している。図面中の各要素は、縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
端点を用いた数値範囲の表記は、その範囲に含まれる全ての数値を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0024】
「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ(at least one」、「1つまたは複数(one or more)」という用語は、互換的に使用される。したがって、例えば、「a」逆浸透膜を収容する装置は、「1つまたは複数の」このような膜を含む。
【0025】
「ブライン」という用語は、一般的な塩水において見出されるよりも実質的に高い塩化ナトリウム濃度を含有する水溶液、すなわち、約3.5%超の塩化ナトリウムに相当する塩分濃度を指す。管轄区域が異なれば、「ブライン」という用語に異なる定義が適用される場合や、塩分の排出に異なる制限が設定される場合があることに留意されたい。例えば、現在のカリフォルニア州の規制では、排出地点から水平方向に100メートル以内で測定された自然のバックグラウンド塩分濃度よりも1日当たり最大2.0ppt(千分率)の排出量を超えてはならないとされている。他の管轄区域では、塩分濃度の制限値は、例えば、周囲よりも1ppt高い、周囲よりも5%高い、または絶対値で40pptなどのレベルに設定される場合がある。
【0026】
「濃縮液」という用語は、周辺環境の海水と比較して高められた塩分濃度レベルを有するRO装置の排出流を指すが、このような流が生成される該当する管轄区域においてブラインとして認定されるのに十分な塩分濃度を必ずしも含んでいない。
【0027】
「導管」という用語は、このような導管を利用する装置の運転中に液体が流れるパイプまたは他の中空構造(例えば、ボア、チャネル、ダクト、ホース、ライン、開口部、通路、上昇管、管またはウェルボア)を指す。導管は、横断面が円形であってもよいが、そうである必要はなく、例えば、楕円形または他の丸いもしくは丸みを帯びた形状、三角形、正方形、長方形または他の規則的もしくは不規則的な形状を含む他の横断面形状を有していてもよい。導管はまた、その長さに沿って直線状または均一であってもよいが、その必要はなく、例えば、テーパ状、コイル状または分岐状(例えば、中心ハブから外側に半径方向に広がる分岐)を含む他の形状を有していてもよい。
【0028】
水中水脱塩装置またはその構成要素に関して使用されるときの「深さ」という用語は、装置または構成要素が水中に沈められている水域の自由表面から装置への海水導入点または構成要素の位置までの垂直距離、すなわち、水柱の高さを指す。
【0029】
「脱塩水」、「真水」および「生成水」という用語は、1000重量ppm(百万分率)未満、より好ましくは500重量ppm未満の溶存無機塩類を含有する水を意味する。このような塩類の例としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
【0030】
SROシステムまたはSRO装置に関して使用される場合の「回収率」という用語は、システムまたは装置で生成される生成水(透過液)の、システムまたは装置に導入される給水に対する体積比を意味する。
【0031】
遠隔操作型の無人潜水艇および「ROV」という用語は、水面下での操縦および水中物体の操作が可能な無人潜水艇を指す。
【0032】
「ブライン」および「海水」という用語は、溶存無機塩類を0.5重量pptよりも多く含む水を指し、ひいては汽水(溶存有機塩類0.5~3.0重量pptを含む水)と溶存有機塩類が3.0重量pptよりも多く含む水との両方を包含する。海洋では、溶存無機塩類は、典型的には、総溶解固形物(TDS)に基づいて測定され、通常、TDSは、約35,000ppm(百万分率)が平均であるが、地域の条件により塩分濃度のレベルが高くなったり低くなったりする場合がある。
【0033】
「水中」という用語は、水面下にあることを意味する。
【0034】
「水中用」という用語は、水中にある間での使用に適し、主に使用されることを意味する。
【0035】
以下の議論では、水分離を実施するための水中RO(SRO)装置におけるRO膜の使用に重点を置いているが、当業者であれば、この開示を読んだ後に、開示されたRO膜を他のタイプの水分離膜と置き換えることができることを理解されたい。例示的なこのような他の水分離膜としては、精密ろ過、ナノろ過および限外ろ過、アクアポリンならびに現在知られているかまたは今後開発される、当業者によく知られている他の水分離技術に基づくものが挙げられる。
【0036】
まず、
図1および
図2を参照すると、SRO装置100が概略的な側面図で示されている。海水原水102は、プレフィルタスクリーン104を介して装置100に入り、RO膜モジュール106によって生成水透過液流108と濃縮液またはブライン排出流110とに分離される。透過液流108は、透過液収集器112に入り、その結果として、透過液導管113、水中ポンプ114および送出導管116を通って、後処理、搬送またはその後の使用のための貯蔵用に船上または陸上の収集地点(
図1または
図2に示されていない)に送られる。このような用途としては、飲料水、浴用水、灌漑用水、加工用水、貯水、地下水面補充、冷却または熱交換、および当業者には明らかであろう他の様々な目的を含む地方自治体、民間または工業用の目的を挙げることができる。例えば、このような生成水の潜在的な冷却または熱交換用途としては、海水空調(SWAC)システムを含む空調システムの提供または効率改善、海洋温度差発電(OTEC)システムの作動または効率改善(本明細書で論じられているものに加えて)、ランキンサイクル熱エンジンの作動または効率改善(ここでも、本明細書で論じられているものに加えて)が挙げられる。
【0037】
図3は、従来のRO水分離カートリッジの透過液収集管と共に使用するための従来のプラグ302、インタコネクタ304、エンドコネクタ306およびOリング308を示す。構成要素302、304および306は、典型的には、NORYL(商標)樹脂またはアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)コポリマーなどの成形可能な熱可塑性プラスチックから作られており、Oリング308は、典型的には、エチルプロピルゴム(EPR)またはフルオロエラストマーから作られている。Oリング308は、通常、構成要素302、304および306の溝312、314および316に留まる。
【0038】
図4は、本発明で使用するためにROカートリッジ408に装着することができるエンドプラグ402およびエンドコネクタ404を示す。カートリッジ408は、渦巻き形膜410が透過液管422を取り囲む方法を描写するために、部分切欠き図で示されている。塩分を含んだ水は、入口オリフィス411を介して、(
図4に描写されているように)その左側端部でカートリッジ408に入る。生成水は、透過液管422を介して、(
図4に描写されているように)その右側端部でカートリッジ408を出て、濃縮液またはブラインが、開口部(
図4に示されていない)を介して、カートリッジ408の同じ右側端部でカートリッジ408を出る。エンドプラグ402およびエンドコネクタ404は各々、縮経管状部分412および414のそれぞれの長さに沿って配置された、未硬化接着剤406の1つまたは複数のビーズを含む。一実施形態では、接着剤406は、エンドプラグ402の縮経部分412と増経部分416との間の接合部に位置決めされたフィレット(
図4では見えない)を含む。別の実施形態では、接着剤406は、エンドコネクタ404の縮経部分414と増経部分418との間の接合部に位置決めされたフィレット406aを含む。また、接着剤406は、縮経部分412および414にビーズ406bおよび406cなどの接着剤のビーズとして配置されてもよい。一実施形態では、ビーズ406bまたは406cは、部分412および414の1つまたは複数の適切な接着剤凹部(例えば、溝)に配置されてもよい。別の実施形態(
図4に示されていない)では、接着剤406は、縮経部分412または414上に薄膜として配置される。接着剤406の硬化前に、エンドプラグ402およびエンドコネクタ404は、透過液管422の入口端420および出口端424にそれぞれ挿入され、接着剤406は、硬化または他の方法での硬化を許容または引き起こす。追加の実施形態では、エンドプラグ402およびエンドコネクタ404の一方または両方は、管422の端部の内側ではなく上に適合するように拡大および再形成されてもよく、接着剤ビーズ(および使用される場合は凹部)または接着剤薄膜は、エンドプラグ402およびエンドコネクタ404と、透過液管422上のそれらの対応する合わせ面との間のギャップに適合するように必要に応じて再配置されてもよい。接着剤406の硬化後、エンドプラグ402およびエンドコネクタ404は、望ましくは、透過液管422の各端部に漏れ止めシールを提供する。従来、RO膜カートリッジの他の部品を組み立てるのに、例えば、分離膜を透過液収集管に固定するのに接着剤が使用されていたが、カートリッジを相互接続するのに、または集水マニホルドをカートリッジに接続するのに接着剤は使用されていないようである。そうすることで、従来のシリアル配列のカートリッジアレイでは、使用済みカートリッジの交換がはるかに困難になる可能性がある。
【0039】
図5は、プラグ402およびコネクタ404と同様のエンドプラグ502およびエンドコネクタ504を示すが、これらは各々が未硬化接着剤506の2つのビーズを採用し、また、Oリング510を収容するOリング溝507および508も採用する。プラグ402およびコネクタ404上の接着剤406の場合と同様に、プラグ502およびコネクタ504上の接着剤506は、縮経部分512と増径部分516との間の接合部、またはエンドコネクタ504の縮経部分514と増径部分518との間の接合部に位置決めされたフィレットの形態であってもよく、または部分512および514における1もしくは複数の適切な接着剤凹部(例えば、溝)に配置されてもよく、または縮経部分512もしくは514上に薄膜として配置されてもよい。接着剤506の硬化前に、Oリング510は、溝507および508に設置され、エンドプラグ502およびエンドコネクタ504は、透過液管422の入口端420および出口端424にそれぞれ挿入される。代替的な実施形態では、エンドプラグ502およびエンドコネクタ504の一方または両方は、管422の端部の内側ではなく上に適合するように拡大および再形成されてもよく、接着剤ビーズ(および、使用される場合は凹部)または接着剤薄膜およびOリングは、エンドプラグ502およびエンドコネクタ504と、透過液管422上のそれらの対応する合わせ面との間のギャップに適合するように必要に応じて再配置されてもよい。接着剤506およびOリング510は、望ましくは、RO膜カートリッジ408の透過液管422の各端部に漏れ止めシールを提供する。シリコーンゴムまたはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などの低温耐性エラストマー材料から作られたOリング510を使用することで、シール耐久性を促進することができる。接着剤506を、1つまたは複数のOリング510に接触する構成要素(例えば、構成要素502および504)に塗布する場合、硬化した接着剤がOリングが正しく機能するのを妨げる可能性があるので、構成要素の組み立ての前または後に接着剤がいかなるOリングまたはOリング溝にも接触しないようにすることが重要である。したがって、接着剤506が管422に接触する前にOリング510が管422に滑り込むように、接着剤506および任意の関連する接着剤凹部をエンドプラグ502上に配置することが好ましい。同様の理由で、接着剤506が管422に接触する前にOリング510が管422に滑り込むように、接着剤506および任意の関連する接着剤凹部をエンドコネクタ504上に配置することが好ましい。プラグ502またはコネクタ504が管422の端部の内側ではなく上に適合する実施形態の場合、接着剤506を配置および設置する際に、組み立て中にOリング510または溝507および508との接触および汚染を回避するために同様の注意が必要となる場合がある。いずれにせよ、このような汚染を阻止するように、接着剤とOリングとは十分に空間的に互いに離れている必要がある。
【0040】
必要に応じて、開示された接着剤は、生成水収集管をマニホルドに固定するために他のシーリングまたは固定技術と共に使用してもよい。このような他の技術としては、ネジ式接続、バヨネット式接続およびOceaneering社製のGRALOC(商標)コネクタが挙げられる。接着剤をこのような他の技術と組み合わせることで、全体的な接続信頼性を向上させることができ、接続不良の可能性を低減させることができる。このような場合、接着剤をこのような他のシーリングまたは固定技術から空間的に離れている必要はない可能性がある。例えば、接着剤は、ネジ式またはバヨネット式の接続に容易に使用することができ、必要に応じて、以下により詳しく論じられるメカニズムを使用して後で剥離させることができる。
【0041】
開示された装置では、海水原水、生成水および濃縮液またはブラインは各々、様々な方向、例えば、上方、下方、水平方向、斜め方向、またはそれらの任意の組み合わせに流れることができる。
図2に示す実施形態では、膜モジュール106内の逆浸透膜は、濃縮液またはブライン110がモジュール106から略上方に排出され、フード118によって捕捉および収集されるように配向される。このようなモジュールに関する更なる詳細は、本出願と同日付けで出願され、「SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM WITH REPLACEABLE DOCKABLE MEMBRANE MODULES」と題する同時係属国際出願番号(代理人案件番号4924.04WO01)に見出すことができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。上昇管122の下端に位置する軸流ポンプ120は、更なる使用または分散のために、上昇管122を通して捕捉された濃縮液またはブライン110を水面124に向けて送る。
【0042】
図2に示す実施形態では、濃縮液またはブライン110は上昇管122を出て、そこで周辺海水において分散および希釈が行われる。追加の実施形態(
図2に示されていない)では、濃縮液またはブライン110は、装置100から相当の距離(例えば、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500メートル)を離れて分散(および好ましくは広域分散)を受けるために、または装置100から流されるために持続的な水面下の流れ130に、更なる導管を通して輸送される。更なる実施形態(
図2にも示されていない)では、濃縮液またはブライン110は、更なる使用または分散のために、さらに大きな距離(例えば、水面124までのまたはほぼ表面までの全ての行程)で、更なる導管を通して輸送される。必要に応じて、濃縮液またはブラインは、その代わりに、好ましくは依然として装置100から十分に離れた広域分散を受けながら、下方または水平方向などの別の方向に排出されてもよい。
【0043】
濃縮液またはブラインは、排出前に様々な目的に使用することができる。一実施形態では、濃縮液またはブラインは、本出願と同日付けで出願され、「OCEAN THERMAL ENERGY CONVERSION SUBMERGED REVERSE OSMOSIS DESALINATION SYSTEM」と題する同時係属国際出願番号(代理人案件番号4924.03US01P2)において論じられているように、OTECシステムを運転させて運転または余剰電力を提供するのに使用することができる望ましい体積および熱効用を有しており、その開示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0044】
図2に示す実施形態では、リングフロート126と、フード128の表面の下に位置するフォーム層、例えば、人工シンタクチックフォーム層(
図2に示されていない)によって提供される浮力が、装置100を水面124の下の適切な深さDに維持するのに役立つ。海底136のアンカー134に取り付けられたカテナリー係留ライン132は、装置100を、水面124よりも下の適切な深さD、海底136よりも上の適切な高さH、およびポンプ114の入口よりも上の適切な高さH'に維持するに役立つ。深さDは、好ましくは、深さDにおける海水の静水圧が、膜モジュール106の入口側で海水102を加圧するための追加のポンプまたは他の手段を必要とせずに、膜モジュール106に海水102を通し、所望の全体量および回収率で生成水108および濃縮液またはブライン110を生成するのに十分なものである。
【0045】
開示された装置100の深さ、高さH'およびポンプ114の入口の直径は、ポンプ114の起動および運転時に入口側キャビテーションを回避するのに十分な少なくとも正味正吸込ヘッド(NPSH)またはそれよりも大きい圧力(すなわち、膜モジュール106とポンプ114の入口側との間の透過液導管113および透過液収集器112内の生成水108の管柱高さに起因する圧力)を提供するように望ましくはサイズ決定される。起動および運転中のこのようなキャビテーション回避に関する更なる詳細は、本出願と同日付けで出願され、「SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM WITH REMOTE PUMP」と題する同時係属国際出願番号(代理人案件番号4924.07WO01)に見出すことができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0046】
いくつかの実施形態では、ポンプ114は、ポンプ運転中のRO膜の入口側キャビテーションおよび付随する応力または他の障害を制限または回避するように、ポンプに動力を与える電気モータとポンプインペラとの間に1つもしくは複数のセンサ、コントローラまたはトルク制限結合(例えば、磁気クラッチ、油圧トルク変換器、それらの組み合わせまたは他のこのようなデバイス)を含む。このような運転中のキャビテーション回避に関する更なる詳細は、本出願と同日付けで出願され、「SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM WITH PRODUCT WATER PUMP CAVITATION PROTECTION」と題する同時係属国際出願番号(代理人案件番号4924.05WO01)に論じられており、その開示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0047】
一実施形態では、ポンプ114は、ポンプ、ポンプモータ、またはモータとポンプとの間の結合部の1つまたは複数のものを通して導かれる潤滑または冷却流体として使用するために、生成水108の少なくとも一部を分流させる。そうすることで、ポンプの寿命を改善しつつ、潤滑または冷却のために海水、作動液または腐食性もしくは毒性の可能性がある他の流体を使用する必要性を回避することができる。このような潤滑および冷却のための生成水の使用に関する更なる詳細は、本出願と同日付けで出願され、「SUBMERGED WATER DESALINATION SYSTEM PUMP LUBRICATED WITH PRODUCT WATER」と題する同時係属国際出願番号(代理人案件番号4924.06WO01)に論じられており、その開示は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0048】
電力および適切な制御信号138は、多導体ケーブル140を介してポンプ114および装置100の他の構成要素に供給されてよもよい。供給された電力は、ポンプ114および120、ならびに必要に応じて装置100の他の構成要素、例えばプレフィルタクリーニングブラシシステムを作動させる。所望のプレフィルタクリーニングブラシの実施形態に関する更なる詳細は、上述の同時係属国際出願番号(代理人案件番号4924.04WO01)により詳しく論じられている。
【0049】
十分な深さで運転される場合、装置100のRO膜は、圧力容器に封入する必要はなく、代わりに、耐腐食性金属、適切なプラスチック、繊維強化(例えば、ガラス繊維強化もしくは炭素繊維強化)プラスチックもしくは他の複合材、または他の様々な非強化もしくはエンジニアリングプラスチックなどの比較的安価で適切な耐腐食性材料から作られた有孔仕切り板に取り付けられてもよく、その選択は当業者によって理解されるだろう。水分離カートリッジと仕切り板との開示された接着接合は、開示されたモジュール106の剛性および全体的な強度を大幅に強化することができる。また、圧力容器の必要性が回避されることで、陸上ベースのROユニットの建設コストと比較して、装置100の建設に必要な資本支出(CAPEX)が大幅に削減される。RO膜が個々のユニット(例えば、渦巻き形膜を収容するカートリッジ)である場合、圧力容器の回避により、陸上ベースのROユニットで通常採用され得る数よりも著しく多数のカートリッジを収容する並列なアレイを用いてモジュール106を経済的に設計し、個々のカートリッジを通常よりも低い個々の処理量で運転することができるようにもなる。例えば、カートリッジの数は、陸上型ROユニットで通常採用され得る数よりも、少なくとも10%以上、少なくとも15%以上、少なくとも20%以上、または少なくとも25%以上多くてもよい。そうすることで、個々の膜カートリッジの寿命を延ばすのを助けつつ、所望される1日当たりの生成水の量を依然として提供することができる。
図1および
図2に示す実施形態では、そして以下でより詳しく論じられているように、モジュール106は、好ましくは、このような低い個々の処理量だけでなく、低下した回収率でも作動する並列円筒形ROカートリッジの大きなアレイを含む。そうすることでまた、低下した濃縮液の塩分濃度、ファウリングの可能性の低減を提供することができ、好ましい実施形態では、該当する管轄区域においてブラインとして認定されず、OTECシステムを冷却するためのかなりの冷熱エネルギー潜在力を有する、大量の濃縮液が生じることになる。例えば、透過液流108は、
図1において、ブライン排出流110よりも実質的に小さい体積を有するものとして描写されており、これは低い回収率に対応している。例示的な回収率は、例えば、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、8%以下、または6%以下であってよく、例えば、3%未満、少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%であってよい。回収率は、選択されるRO膜、SRO装置が作動する深さおよび該当する管轄区域を含む要因に依存することになる。また、回収率の選択は、ポンプのサイズおよびエネルギーコストにも影響する。例として、Dow FILMTEC膜カートリッジを採用して平均塩分濃度34,000ppmの海水を8%の回収率で処理するSROの実施形態では、海水入口流の約8%が塩分濃度500ppm未満を有する生成水に変換され、海水入口流の約92%が塩分濃度約37,000ppmを有する低圧または非加圧のブライン流に変換されることになる。更なる例として、約500mの深さおよび回収率5%で運転されるNitto Hydranautics膜カートリッジを採用するSRO装置を使用して、現在のカリフォルニア水質管理計画下ではブラインとして認定されない濃縮液を生成することができる。
【0050】
好ましい一実施形態では、開示されたSRO装置は、少なくとも約425mの深さで作動し、RO膜入口側に海水ポンプを採用せず、RO膜の出口側に生成(真)水ポンプを採用して、膜全体で少なくとも50バールの圧力降下を維持し、生成水をこのような膜に通して引き込む。このような構成の利点としては、ポンプを膜の入口ではなく出口で作動させた場合のエネルギーがはるかに少なく、また、膜を収容する任意の圧力容器が不要になるか、はるかに低い要件が課せられることが挙げられる。必要な圧力差が小さい膜を使用することで、より浅い深さでの運転またはより小型のポンプを使用することが可能になる。現在好ましいこのような膜としては、Nitto Hydranautics SWC6-LD膜(差圧40バール)およびLG Chem LG-SW-400-ES膜(差圧38バール)が挙げられる。
【0051】
図6を参照すると、携帯型洋上脱塩システム(「ポッド」)600のアレイを含む「水ファーム」が透視図で示されている。生成水は、モジュール600から導管602を通って下方に、ポンプ604を通って水平に、中央に位置するハブ606に流れ、次に、送出導管608を通って水面に向かってポンプ輸送される。濃縮液またはブラインは、ポッド600から離れて分散させるため、または上述したようなOTECシステムで使用するために、導管610を通って海流に上方にポンプ輸送される。導管610は、必要に応じて、互いに分離したままでも、一緒に束ねたままでも、単一のより大きな直径の導管に接続してもよく、必要に応じて、ホットスワップ水コネクタ(
図6に示されていない)を備えることによって、個々のポッド600の切断、保守または交換を容易にすることができる。
【0052】
図6に描写されているように、4つのポッド600が採用されている。しかしながら、必要に応じて、より少ないまたはより多い数のポッド、例えば、2、3、5、6、7、8、10、20またはそれよりも多いポッドを使用することができる。複数の接続されたポッドを使用することで、冗長性を提供し、当初のまたは増加する水の需要を満たす開示されたSRO装置のスケールアップを即座に可能にする。開示された装置の運転および保守は、各導管602とその関連するポンプ604との間、または各ポンプ604とハブ606との間、または各ポンプ604の入口および出口端の両方に複数のホットスワップ水コネクタ(
図6に示されていない)を提供することによって容易にすることが可能である。開示された装置のスケールアップは、ハブ606上または別の都合の良い場所に1つまたは複数の追加のホットスワップ水コネクタ(
図6に示されていない)を提供し、後日、追加のポッドまたは水ファームアレイを送出導管608に接続できるようにすることによって促進することができる。例えば、
図6に示す個々のポッド600が各々1日当たり500万ガロンの生成水能力を有する場合、そして5つの追加のホットスワップコネクタがハブ606に含まれる場合、
図6の水ファームは、最初に設置した状態で1日当たり2000万ガロンの生成水を提供することができ、最大5つの同様のサイズの追加のポッド600が1日当たり500万ガロンずつ追加されて1日当たり最大で合計4500万ガロンの生成水を提供することが可能になる。別の実施形態では、複数のこのようなアレイを互いに近くに設置して、
図6に示す1日当たり2000万ガロンのアレイの複数の事例を提供し、それによって、個々の構成要素の容量増加、冗長性およびスケールの多重性を提供することができる。さらに別の実施形態では、ポッドは、
図6に描写されているように一緒にグループ化されておらず、代わりに、例えば、海底景観の地形変化、係船索の位置または他の海底の特徴に対応するように、海底全体に間隔を置いて配置されている。
【0053】
図7Aは、プレフィルタシステム104が取り外された状態で、フード118の下に取り付けられた開示された水中RO膜モジュール106の多角形アレイ700の透視下面図を示し、多角形(すなわち、12角形)アレイ700における12個のモジュール106のうちの4個には
図7Aにおいて(モジュール106A、106B、106Kおよび106Lとして)番号が付けられており、残りの8個のモジュールに番号は付けられていない。モジュール106は、中央に位置する生成水(すなわち、透過液)収集器112および生成水収集導管113に向かって収束する略テーパ状のモジュール側面を有している。モジュール106は、収集器112に取り付けられたホットスワップ生成水用弁706を介して収集器112および導管113と流体連通しており、アレイ700および導管113に接続された12個の弁のうちの3個は
図7Aにおいて(弁706A、706Bおよび706Kとして)番号が付けられており、残りの9個の弁に番号は付けられていない。各モジュール106の収束する側面(そのうちの2個は側面702Cおよび側面704Cとして番号が付けられている)は、水面下でのドッキングおよびホットスワップ生成水用弁706への取り外されたモジュール106の再装着を補助する。モジュール106の中央レール(そのうちの1個はレール703Cとして番号が付けられている)は、モジュール106の更なる支持を提供する。モジュール106が作動しているとき、生成水は、透過液収集器112および透過液導管113を通って下方に流れ、
図2のポンプ114などのポンプによって運び出される。
【0054】
開示されたホットスワップ生成水用弁および関連する構成要素は、いわゆる「ホットスタブ」チェック弁ならびに作動油を取り扱う海底油およびガス設備で使用されるもののようなレセプタクルを含む、様々な設計を利用することができる。このような適切な弁およびレセプタクルは、Blue Logic、FES Subsea Engineering Products、James Fisher Offshore、OceaneeringおよびTotal Marine TechnologyおよびUnitechを含む様々な供給元から入手可能である。例として、Oceaneering社のM5 ROV Flyable Full Bore Connectorは、このようなホットスタブ弁およびレセプタクルの有用な組み合わせの1つである。ホットスタブデバイスは、典型的には、海底油およびガス産業で使用するために設計されており、相当の圧力で硫化水素および他の腐食性成分の取り扱いに耐えなければならないため、開示されたSRO装置に存在する非腐食性または低腐食性の流体とはるかに低い圧力を取り扱うために使用される場合は、定格出力を下げることが可能であり、その設計を簡略化してより安価にすることが可能である。
【0055】
図7Bは、アレイ700およびそのモジュール106がない、
図7Aの開示されたSRO装置の透視下面図を示す。フード118は、傾斜ストラット708、クロスバー710A、710Bおよび710C、下部周方向リムサポート712、下部半径方向レール714、下部内側アンカーリング716およびフード118と上昇管122との接合部に位置する(ただし、
図7Bに示されていない)上部内側アンカーリングによって形成される支持フレームワークを含む。開示されたフレームワークはまた、好ましくは、開示されたモジュールおよびアレイを受け取り、捕捉し、支持する。各周方向リムサポート712は、各モジュール106の上部にあるハンガーを捕捉し、以下でより詳しく論じられるスロット付き受け開口部718を含む。開示されたフレームワークは、例えば、絶縁または非絶縁の耐海水性テキスタイル、プラスチックまたは金属カバー材料から作られてもよい、上に置かれるフードカバー128を支持する。好ましい実施形態では、フードカバー128の内側720は、例えば、人工シンタクチックフォームなどの浮力付与材料から作られている。フードカバー128は、好ましくは、フードによって収集された内部の濃縮液またはブラインと外部環境との間のわずかな圧力差(例えば、最大50psiまたはその程度)を維持するのに役立つ保護カバーを提供しつつ、フードの内部を浸透液から隔離する。インデント722および生成水用弁結合部724は、リング716のすぐ下、導管113の上部付近に見ることができる。レール714、開口部718およびインデント722は、アレイ700が設置されるときにモジュール106を誘導、支持および配置するのに役立ち、結合部724は、モジュール106のホットスワップ着脱を補助する。必要に応じて、耐腐食性磁石または電磁石を使用して、モジュール106をアレイ700および装置100内の所定の位置に誘導、保持、または誘導および保持の両方を行うことができる。
【0056】
図7Cは、プレフィルタ104が設置された状態の
図7Aの開示されたSRO装置の透視下面図を示す。
図7Cに示す実施形態では、各プレフィルタ104は略三角形の形状を有し、下部取り付リング730付近のピボット点728に取り付けられた振動ブラシアーム726によって定期的にゴミを掃き出す。ブラシアーム726は、繰り返し(例えば、断続的、周期的、または連続的に、そして所定の時間、1つもしくは複数のセンサからの信号、または外部から供給される制御信号に基づいて)中央ストラット732に向かって各プレフィルタ104の入口面にわたって掃引し、次いで停止し、
図7Cに示す位置に戻り、または別の掃引移動を開始させる。クロスバー734は、各プレフィルタ104を補強および支持するのに役立ち、ブラシアーム726を支持するガイドレールとして機能することができる。別の実施形態では、組み立てられたプレフィルタは、曲面、略円錐形の全体形状、およびプレフィルタの上を掃引するように、またはその周りを回転するように構成されたブラシアームを有していてもよい。
【0057】
図8Aおよび
図8Bは、複数のRO膜カートリッジ802が、有孔の、略三角形の仕切り板806の開口部804に懸架およびシールされていることを示すモジュール106の透視上面図である。描写されているように、カートリッジ802は、略円筒形であるが、必要に応じて他の形状を有していてもよい。同じく描写されているように、モジュール106は142個のカートリッジを収容するが、他のより多いまたはより少ない数のカートリッジを、必要に応じて各モジュールに採用してもよく、例えば、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個または少なくとも100個のカートリッジかつ最大200個、最大190個、最大180個、最大170個、最大160個または最大150個のカートリッジの数である。同じく描写されているように、全てのカートリッジは略並列で、単一平面を占有する単層になっており、そうすることで、開示された装置を通って効率的な流れが促進される。しかしながら、必要に応じて、モジュール内のカートリッジは互いに略並列である必要はなく、また、必要に応じて、モジュール内に複数のカートリッジの層を採用することも可能である。
【0058】
各モジュールに上述のHydranautics社製カートリッジを140個使用すると、開示されたSRO装置は、5%の回収率で運転される12個のこのようなモジュールから1日当たり約500万ガロンを生成することができる。カートリッジを使用することができる他のRO膜供給元は、当業者には明らかであり、Aquatech International、Axeon Water Technologies、DuPont Water Solutions(上述のDOW FILMTECカートリッジのメーカー)、Evoqua Water Technologies、GE Water and Process Technologies、Koch Membrane Systems、Inc.およびLG Chemが挙げられる。必要に応じて、変更された特徴(例えば、層間ギャップの拡大、スペーサーの変更、メンブレンロールの緩み、ハウジングの変更または端部の変更)を有するカスタマイズされたカートリッジも採用することができる。
【0059】
描写されているように、カートリッジ802は、モジュール106がアレイ700に設置され、使用されているとき、実質的に垂直に整列され、各カートリッジ802における濃縮液またはブライン端出口804はフード118に向かって上向きであり、生成水出口(
図8Cと関連して後述する)は下向きである。しかしながら、例えば、出口804が下向き、水平方向または斜め方向を向き、生成水出口が上向き、水平方向または斜め方向を向くように、他の配向とそれに伴う流れ方向とが採用されてもよい。
【0060】
カートリッジ802は、好ましくは、有孔仕切り板806の穴にカートリッジを接着接合し、シーリングすることによって、開示されたモジュール106に取り付けられる。
図8Aおよび
図8Bに描写された実施形態では、接着接合は、濃縮液またはブライン出口804の近くのカートリッジ802の上端部であってもよい。しかしながら、
図8Gに描写されているように、1つより多くの仕切り板806を採用してもよく、仕切り板と、仕切り板806の穿孔842にカートリッジ802を接合しシールする接着剤840とは、カートリッジ802の長さに沿ったいずれか一方または両方の端部または任意の場所に配置されてもよい。
図8Gはまた、上述したように、マニホルド828を透過液出口827に接合するための接着剤840の使用を示している。より大きな浮力(および望ましくは意図された操作深さでの中性浮力)を提供するために、そして
図8Fに示されるように、カートリッジ802間のスペースは、望ましくは海水よりも小さい密度を有する適切な浮力媒体850で満たされるか、または少なくとも部分的に満たされる。好ましいこのような媒体としては、Engineered Syntactic Systems社を含む供給元から入手可能な人工シンタクチックフォームが挙げられる。媒体850は、カートリッジ802の設置前または設置後にモジュール106に挿入され得る成形ブロックの形態で、カートリッジ802の設置前にモジュール106に挿入される予め成形された有孔スラブとして、またはカートリッジがモジュール106に加えられた後にカートリッジ間のスペースに(例えば、噴霧または他の形態の注入によって)置かれ得るin situ硬化材料として提供されてもよい。一実施形態では、接着剤840のビーズは省略されてもよく、媒体850は、代わりに、仕切り板806の穿孔842にカートリッジ802を接合およびシールする接着剤として機能することができる。媒体850の使用は、各モジュール106が開示されたアレイの所定の位置に取り外されるか、または流し込まれるときに、特にこのような取り外しおよび設置がモジュール106の外縁を把持するROVを使用して行われる場合に、各モジュール106の質量の片持ち効果を低減することによって、モジュール106の水面下での取り外しおよび設置を大幅に補助することができる。開示された接着剤は、必要に応じて、開示されたモジュールの他の構成要素のいずれかを一緒に固定するために使用することができる。
【0061】
有孔仕切り板806は、様々な形状、例えば、略三角形の外周または略台形の外周などの略多角形の外周を有していてもよい。プレート806およびカートリッジ802を支持し包絡する(すなわち、フレームを提供する)モジュール106の残りの構成要素は、ステンレス鋼またはチタンなどの耐腐食性金属、繊維強化ポリマーまたは充填複合材を含む様々な材料から作られてもよい。好ましくは、このような材料の混合物を採用し、モジュール全体の重量を減らすために低密度の構成要素を適切な場所に使用し、より高い強度またはより高い耐久性の材料が、このような強度または耐久性を必要とし得るモジュール内の他の適切な位置で使用される。仕切り板806、生成水収集管およびマニホルド(および必要に応じてモジュール106内の残りの接着接合された構成要素のいずれかまたは全て)は、開示された接着剤による改善された接着を必要とし得る場所において関連する表面積を増加させるためだけでなく、生物付着を阻止または抵抗するために、必要に応じて表面処理されてもよい。
【0062】
モジュール内のカートリッジの接合およびシールには、様々な接着剤を使用することができる。例示的な接着剤としては、上述の人工シンタクチックフォームのほか、エポキシ、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル、シリコーンおよびフッ素樹脂も挙げられる。好ましい一実施形態では、接着剤は、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびそれらのジグリシジルエーテルを実質的に含まないか、または完全に含まないものである。別の好ましい実施形態では、カートリッジと仕切り板との間にガスケット、Oリングまたは他の予め形成されたシールがなく、接着剤は、カートリッジ802をモジュール106内に保持するために主にまたは排他的に当てにされる。適切な接着剤は、喫水線より低い使用に適した船舶用接着剤またはシーラントとして分類されるものが含まれ、Dow Chemical Company、Loctite、Sikaおよび3Mを含む様々な供給元から入手可能である。特に好ましい実施形態では、カートリッジは、開示された仕切り板に接着接合されるが、圧力容器には封入されない。開示された接着剤はまた、ガスケット、Oリングおよびネジ式またはバヨネット式接続などの技術を含む、開示されたモジュールのカートリッジを固定またはシールするための他のシーリングまたは固定技術と組み合わせることもできる。
【0063】
モジュール106が、開示されたアレイからカートリッジ802のうちの1つまたは複数のものと交換するために取り外されるとき、ある場合には、カートリッジの特定のものだけを取り外して交換することが望ましく、他の場合には、それらの全てを取り外して交換することが最も経済的となる。取り外しは、典型的には、関連するカートリッジ802が仕切り板806から抜き取られ得るように、影響を受けた接着剤接合部を剥離することが必要である。選択された接着剤に応じて、様々な技術を用いて剥離を実施することができる。例示的な技術としては、接着接合を破壊するための機械的な力、モジュールの接合部分を除去するための研削もしくは他の研磨技術、化学的剥離(例えば、溶剤、加水分解、もしくは他の手段を使用)、低温剥離(例えば、液体窒素もしくは他の低温源を使用して接着剤を脆化し破壊を促進)、電気的剥離(例えば、接着剤中の導電性フィラーを加熱するためのアーク溶接機もしくは他の電源からの電流の使用)または熱的剥離(例えば、炎もしくは他の熱源の使用)、それによって破壊、除去、溶解、軟化、溶融、またはその他の方法で接着剤もしくはカートリッジおよび仕切り板へのその接合を排除、弱化もしくは劣化させることが挙げられる。接着接合が十分に排除され、弱化し、または劣化したら、カートリッジを押す、引っ張る、捻る、またはそれらの組み合わせによってモジュールから取り外すことができる。
【0064】
開示された接着剤の使用は、多くの利点を提供する。水分離膜カートリッジは、通常、ガスケットまたはOリングを用いて水脱塩装置における他の構成要素とシールされている。ガスケットおよびOリングは、特にガスケットまたはOリングが水面下の低い温度にさらされたときに著しい圧縮永久ひずみを受けた場合、アレイの漏れが発生する可能性がある箇所である。膜カートリッジを有孔仕切り板に接着接合することで、この漏れの箇所が発生する可能性を排除しつつ、一方、組み立てられたモジュールの梁の強度および剛性が高まる。
【0065】
再び
図7Bおよび
図8Aを参照すると、フード118の下縁は、好ましくはモジュール106の上縁と重なり、これとガスケット接続され、または他の方法でシーリング係合され、それによって、収集された濃縮液またはブラインをモジュール100を取り囲む塩分を含んだ水から隔離する。仕切り板806は、望ましくは、収束する側板702および704、外側エンドプレート812および内側エンドプレート814にその周縁を固定およびシールし、それによって、収集された濃縮液またはブラインを周辺の塩分を含んだ水からさらに隔離する。
【0066】
図8A~
図8Cに描写されているように、懸架用フック816および818は、モジュール106の上部および外縁の近くに固定され、モジュール106の内縁に向かって尖っている。フック816および818は、
図7Bに示すスロット付き受け開口部718と嵌合し、モジュール106がアレイ700内の利用可能な空きスペースに押し込まれたときにモジュール106を適切な位置に支持および誘導するのに役立つ。ガイドレール820および822は、モジュール106をアレイ700に挿入する際に、フード118の下の半径方向レール714に係合する。略くさび形の突出タング824はまた、モジュール106をアレイ700の所定位置に誘導して適切に取り付けるのに役立ち、ホットスワップ対応の生成水用弁706の透過液収集器112への適切な接続を確保するのに役立つ。このような接続が完了したら、ホットスワップ弁706が開き、生成水が透過液収集器112および透過液導管113に流れ込むことを可能にする。
【0067】
図8C、
図8Dおよび
図8Eは、モジュール106の透視下面図である。各カートリッジ802の下端にある円形の塩分を含んだ水用の入口826は、塩分を含んだ水がカートリッジ802に入り込むこと可能にする。脱塩された生成水は、カートリッジマニホルド828、分岐マニホルド830A~830I(アレイ中心線の両側に2つまたはそれよりも多いカートリッジを収容する開示されたカートリッジアレイの9つの描写された列について)、およびアレイ中心線の両側に位置する一対の半径方向に延びる生成水収集マニホルド832を介して各カートリッジ802の典型的には中心に位置する出口827から出る。内側エンドプレート814付近のアレイ中心線の両側に位置する3つの単一カートリッジ802は、個々のカートリッジマニホルド828によって生成水収集マニホルド832に直接接続されている。
【0068】
図7Cに示すプレフィルタスクリーン104、側面702、704、812および814、ならびに有孔仕切り板806の下面は、プレフィルタスクリーン104を通過するろ過水をモジュール100を取り囲む塩分を含んだ水ら隔離し、カートリッジ802を取り囲むモジュール106の内側部分がスクリーン104を通過したろ過水のみを含むように協働している。
【0069】
図7A~
図8Eに描写される実施形態では、モジュール106は、ほぼくさび形または台形状の横断面を有し、透過液収集器112および開示されたSRO装置の垂直中心軸に向かってテーパ状になるかまたは収束する側面702および704を有する。開示されたモジュールは、任意の所望のサイズであってよく、好ましい実施形態では、例えば、長さ約5~8メートル、幅約4~5m、厚さ約0.5~1.5mであってよく、以下でより詳しく論じられるように、標準の輸送容器にモジュールを効率的に詰めることを容易にする形状および寸法を有していてもよい。開示されたモジュールは、好ましくは、意図された操作深さにおいて中性浮力を有する。
【0070】
図9に描写される実施形態では、12個のモジュールが示されており、組み立てられた形で、描写されたモジュールは、平面視で12角形の外周を有するアレイを提供する。他のモジュール形状、モジュールの数(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、13、14、15または16個)、アレイ形状(例えば、三角形、正方形、五角形、六角形、十六角形、および上述のモジュールの数から作られる他の多角形、円形または他の曲線形状)を、必要に応じて採用することができる。
【0071】
図9に示すように、欠陥があるか、旧式であるか、またはその他の効果のないモジュールを収容するアレイ900の保守は、アレイからこのようなモジュールを引き出し、それによって、以前は引き出されたモジュールによって占有されていたギャップを残し、引き出されたモジュールを新しいまたは再構築されたモジュール906Lと置き換えることによって実施することができる。このような交換は、SRO装置が水中にある間に実施されるため、視界不良、水面下の潮流、またはROVもしくはモジュール交換を実施もしくは補助するために使用される可能性のある他のデバイスの操作の困難さなどの潜在的な悪条件にも関わらず、生成水の中断を最小限に抑え、モジュール取り外しとモジュール交換との両方の手順を迅速かつ効率的に進めることが望ましい。モジュールの保守は、例えば、装置を流れる生成水、濃縮液もしくはブラインの流量もしくは塩分濃度、または装置内への水の流れを監視する1つまたは複数のセンサからの信号に基づいて予定または実施することができる。このようなセンサは、個々のカートリッジ、個々のモジュール、またはアレイ全体を監視することができる。モジュールの保守は、事前設定または調整可能なスケジュール、予測アルゴリズム、改良型RO膜またはカートリッジの利用可能性、および本開示を読めば当業者に明らかになる他の手段に基づいて、追加でまたは代わりに行うことができる。
【0072】
欠陥があるかまたは効果のないモジュールの取り外しは、モジュール取り外し中に開示された装置の残りの部分の作動を継続し、開示されたホットスワップ弁706の透過液収集器112に接続されたままの部分に頼って、透過液収集器112を周辺の塩分を含んだ水から閉じてシールしながら促進することが可能である。このような弁閉鎖は、適切な電気的コマンド、機械的スイッチに応答すること、またはホットスワップ弁706内の透過液収集器112および分離構成要素から離れるモジュール106の外向きの動きに応答することを含む、様々な方法で開始されることができる。それに応じて、ホットスワップ弁706は、望ましくは、モジュール交換中に塩分を含んだ水が透過液収集器112に入り込むことを防ぐ。取り外されたモジュール106に残っているホットスワップ弁706の部分は、取り外されたモジュール106の生成水出口側に脱塩水が入り込むことを防ぐために、取り外し時に任意に閉じてもよい。しかしながら、取り外されたモジュール106は、通常、修理または再構築手順の一部として水面に出され、真水で洗浄されるので、一般にそうすることは必要ではないだろう。
【0073】
モジュール106の取り外しにより、開示されたアレイ700のプレフィルタ104とモジュール106との間の他の方法で通常隔離されたチャンバに、ろ過されていない塩分を含んだ水が入り込む可能性がある。しかしながら、典型的には、このようなろ過されていない水の侵入は、交換用モジュールまたは一時的なブランキングプレートがアレイに挿入され得るまでの比較的短い期間に行われ、その結果、このようなチャンバに大きな有害な量のゴミまたは他の固形物を取り込む可能性は低い。
【0074】
交換モジュール906Lの挿入中、収束側面908および910ならびにハンガー916および918は、モジュール906Lを隣接モジュール906Aと906Kとの間の三次元体積内の適切な向きおよび位置に整列および誘導するのを助けることによって、ならびにホットスワップ弁体920を、透過液収集器112に取り付けられたままの弁体706の部分との適切な位置合わせおよび係合に整列および誘導するのを助けることによって、水面下でのドッキングおよびモジュール906Lのアレイ900への装着を補助する。ハンガー916および918は、好ましくは、内向きに尖ったテーパ端(すなわち、開示されたアレイの長手方向中心軸の方を向いており、平面図、側面図または平面図と側面図との両方でくさび形のプロファイルを有する端部)を有する。このようなテーパ端は、開示されたSRO装置へのモジュール906Lのドッキングを大幅に補助する。モジュール906Lのアレイ900への挿入中、ハンガー916および918は、
図7Bに示すスロット付き受け開口部718に入り、
図8Aおよび
図8Bに示すレール820および822のようなレールが
図7Bに示す半径方向レール714と係合する。交換モジュール906の再装着時に、弁体706および920によって形成されたホットスワップ弁は、次いで、開示されたアレイの影響を受けた部分からの生成水収集の再開を可能にするために開放することができる。このような弁の開放は、適切な電気的コマンド、機械的スイッチ、ROVによる物理的操作に応答すること、またはモジュール906Lの内向きの動きならびに弁体706および920の結合に応答することを含む、様々な方法で開始されることができる。このようにして、開示されたSRO装置を停止させずに、個々のモジュール106の取り外しと検査または交換とを行うことができ、それによって、残りの影響を受けていないモジュール106から生成水および濃縮液またはブラインの生成を継続することが可能になる。
【0075】
開示されたテーパ状の側面、レールおよびハンガーに加えて、開示されたモジュールの再装着手順は、他の誘導機能またはデバイスを採用することによって補助され得る。例示的なこのような他の機能またはデバイスは、本開示を読めば、脱塩技術において通常の知識を有する者には明らかになり、交換モジュールまたは隣接モジュールの側壁、交換モジュールの上面もしくは下面、交換モジュールを受け取るフレームワークの隣接部分、またはホットスワップ弁体920上の適切な形状(例えば、円錐状もしくはテーパ状)の合わせ面もしくは受け面、スナバ、ガイドレールまたは磁石を含む。このような他の誘導機能またはデバイスは、例えば、開示された交換手順の開始、中間、または終了のいずれかまたは全ての間に、交換モジュールまたは隣接モジュールに接触することができる。必要に応じて、モジュール106と、開示されたSRO装置の残りの部分との間のギャップをシーリングするのを補助するために、1つまたは複数のガスケットを、モジュール106、フード118またはプレフィルタ104のアセンブリに採用することもでき、いくつかの実施形態では、このようなガスケットは、モジュール挿入中に補助するための誘導機能を提供することができる。
【0076】
このように本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、当業者であれば、本明細書に見出された教示が、添付の特許請求の範囲の範囲内でさらに他の実施形態に適用できることを容易に理解できるであろう。全ての特許、特許文書、および刊行物の完全な開示は、あたかも個別に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
[他の可能な項目]
[項目1]
水中用水分離膜モジュールであって、
複数の水分離膜カートリッジであって、
i)水分離膜と、
ii)前記膜を取り囲む不浸透性カートリッジ壁と、
iii)第1のカートリッジ端部であって、前記壁にシールされ、前記第1のカートリッジ端部を通って、加圧された塩分を含んだ水が前記カートリッジに流入し、前記膜によって濃縮液またはブラインと少なくとも部分的に脱塩された水とに分離される、第1のカートリッジ端部と、
iv)前記濃縮液または前記ブラインが前記カートリッジから出る第2のカートリッジ端部と、
v)生成水収集管であって、前記膜を通過する前記少なくとも部分的に脱塩された生成水を前記カートリッジ内部から収集し、前記管を通って、前記少なくとも部分的に脱塩された水が前記カートリッジから出る、生成水収集管と
を有する複数の水分離膜カートリッジと、
前記カートリッジの略並列なアレイであって、前記カートリッジ壁または前記第1のカートリッジ端部もしくは前記第2のカートリッジ端部を穿孔が取り囲む有孔仕切り板に取り付けられており、前記仕切り板は、前記第1のカートリッジ端部に流入する塩分を含んだ水と前記カートリッジから出る濃縮液またはブラインとを分離する、前記カートリッジの略並列なアレイと、
複数の前記生成水収集管と流体連通しており、前記少なくとも部分的に脱塩された水が流入する生成水収集マニホルドと
を備え、
a)前記マニホルドは複数の前記収集管に接着接合されているか、またはb)前記仕切り板は複数の前記カートリッジ壁もしくは前記カートリッジ端部に接着接合されているか、またはa)とb)との両方である、
水中用水分離膜モジュール。
[項目2]
水中用水脱塩装置を組み立てるための方法であって、前記方法は、
a.複数の水分離膜カートリッジであって、
i)水分離膜と、
ii)前記膜を取り囲む不浸透性カートリッジ壁と、
iii)第1のカートリッジ端部であって、前記壁にシールされ、前記第1のカートリッジ端部を通って、加圧された塩分を含んだ水が前記カートリッジに流入し、前記膜によって濃縮液またはブラインと少なくとも部分的に脱塩された水とに分離される、第1のカートリッジ端部と、
iv)前記濃縮液または前記ブラインが前記カートリッジから出る第2のカートリッジ端部と、
v)生成水収集管であって、前記膜を通過する前記少なくとも部分的に脱塩された生成水を前記カートリッジ内部から収集し、前記管を通って、前記少なくとも部分的に脱塩された水が前記カートリッジから出る、生成水収集管と
を有する複数の水分離膜カートリッジを提供する段階と、
b.前記カートリッジの略並列なアレイを、前記カートリッジ壁または前記第1のカートリッジ端部もしくは前記第2のカートリッジ端部を穿孔が取り囲む有孔仕切り板に取り付ける段階であって、前記仕切り板は、前記第1のカートリッジ端部に流入する塩分を含んだ水と前記カートリッジから出る濃縮液またはブラインとを分離する、段階と、
c.生成水収集マニホルドを、複数の前記生成水収集管と流体連通させて固定する段階と
を含み、
a)前記マニホルドは複数の前記収集管に接着接合されているか、またはb)前記仕切り板は複数の前記カートリッジ壁もしくは前記カートリッジ端部に接着接合されているか、またはa)とb)の両方で接着接合されている、方法。
[項目3]
前記水分離膜が、逆浸透膜である、項目1に記載の装置または項目2に記載の方法。
[項目4]
前記アレイ内の前記生成水収集管が、前記生成水収集マニホルドに接着接合されている、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目5]
前記仕切り板が、複数の前記カートリッジ壁または前記カートリッジ端部に接着接合されている、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目6]
前記仕切り板が、複数の前記カートリッジ壁に接着接合されている、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目7]
前記生成水収集管が、前記カートリッジ内の略中央に位置している、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目8]
前記カートリッジが、略円筒形の形状を有する、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目9]
前記仕切り板が、略多角形の外周を有する、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目10]
前記仕切り板が、略台形の外周を有する、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目11]
前記仕切り板が、略三角形の外周を有する、項目1~9のいずれか1つに記載の装置または方法。
[項目12]
前記仕切り板が、略円形の外周を有する、項目1~8のいずれか1つに記載の装置または方法。
[項目13]
前記仕切り板が、耐腐食性金属を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目14]
前記仕切り板が、繊維強化ポリマーまたは充填複合材を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目15]
前記生成水収集管または前記マニホルドが、前記収集管に対する前記マニホルドの接着を改善するために表面処理されている、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目16]
前記仕切り板が、前記カートリッジ壁または前記カートリッジ端部に対する前記仕切り板の接着を改善するために表面処理されている、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目17]
前記生成水収集管と前記マニホルドとの間に複数のOリングをさらに備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目18]
前記生成水収集管と前記マニホルドとの間にOリングがない、項目1~16のいずれか1つに記載の装置または方法。
[項目19]
前記仕切り板と前記カートリッジの間に複数のOリングまたはガスケットをさらに備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目20]
前記仕切り板と前記カートリッジの間にOリングまたはガスケットがない、項目1~18のいずれか1つに記載の装置または方法。
[項目21]
前記カートリッジの間に浮力媒体をさらに備え、前記浮力媒体は海水よりも小さい密度を有し、前記アレイが海水に沈められているときに、前記アレイに増加した浮力を付与する、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目22]
前記浮力媒体が、前記アレイが海水に沈められているときに、前記アレイに中性浮力を付与する、項目21に記載の装置または方法、
[項目23]
前記浮力媒体が、人工シンタクチックフォームを備える、項目21または項目22に記載の装置または方法。
[項目24]
前記接着剤が、浮力媒体を備える、項目21~23のいずれか1つに記載の装置または方法。
[項目25]
前記接着剤が、エポキシ樹脂を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目26]
前記接着剤が、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびそれらのジグリシジルエーテルを実質的に含まない、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目27]
前記接着剤が、ポリウレタン樹脂を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目28]
前記接着剤が、ポリエステル樹脂を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目29]
前記接着剤が、アクリル樹脂を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目30]
前記接着剤が、シリコーン樹脂を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目31]
前記接着剤が、フッ素樹脂を備える、任意の先行する項目に記載の装置または方法。
[項目32]
前記接着剤を剥離し、少なくとも1つのカートリッジを取り外して交換し、前記マニホルドを交換用カートリッジの前記収集管に接着接合するか、または前記仕切り板をこのような交換用カートリッジに接着接合する段階をさらに含む、任意の先行する項目に記載の方法。
[項目33]
前記接着剤を化学的に剥離する段階を含む、項目32に記載の方法。
[項目34]
前記接着剤を低温で剥離する段階を含む、項目32に記載の方法。
[項目35]
前記接着剤を熱的に剥離する段階を含む、項目32に記載の方法。
[項目36]
前記接着剤を音波で剥離する段階を含む、項目32に記載の方法。
[項目37]
前記接着剤を電気的に剥離する段階を含む、項目32に記載の方法。
[項目38]
前記カートリッジが圧力容器に封入されていない、任意の先行する項目に記載の装置または方法。