(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】エネルギー回収装置及びそれを備えたプレス装置
(51)【国際特許分類】
B30B 15/00 20060101AFI20230501BHJP
H02K 7/10 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B30B15/00 F
H02K7/10 C
(21)【出願番号】P 2023501096
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2022040022
【審査請求日】2023-01-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594076887
【氏名又は名称】株式会社中谷製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【氏名又は名称】荒井 滋人
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 孝芳
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-083782(JP,A)
【文献】実開平06-034036(JP,U)
【文献】特開2017-113845(JP,A)
【文献】特開2016-025672(JP,A)
【文献】特開2018-107902(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113500143(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/00
H02K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下往復動するスライドを有するプレス装置に適用されるエネルギー回収装置であって、
発電モータと、
前記スライドの上下往復動を回転動に変換して、当該回転動を前記発電モータの回転軸に伝達させるギア装置と、を有し、
前記ギア装置は、
前記スライドの上下往復動に同期して上下往復動するラックギアと、
前記ラックギアに噛み合って、当該ラックギアの下降動に伴って正回転し、当該ラックギアの上昇動に伴って逆回転する変換ギアと、
前記発電モータの回転軸に結合する駆動ギアと、
前記変換ギアの逆回転を前記駆動ギアに伝達させることなく、前記変換ギアの正回転を前記駆動ギアに一方向の回転として伝達させる第1回転伝達ギア部と、
前記変換ギアの正回転を前記駆動ギアに伝達させることなく、前記変換ギアの逆回転を前記駆動ギアに前記一方向の回転として伝達させる第2回転伝達ギア部と、を含み、
前記第1回転伝達ギア部は、第1ワンウェイクラッチを含み、
前記第2回転伝達ギア部は、第2ワンウェイクラッチを含み、
前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部は、共通の複数のギアにて構成される共通ギア列を含み、
前記第1回転伝達ギア部は、前記第1ワンウェイクラッチを含むとともに前記共通ギア列から前記駆動ギアまで続く第1ギア列を含み、
前記第2回転
伝達ギア部は、前記第2ワンウェイクラッチを含むとともに前記共通ギア列から前記駆動ギアまで続く第2ギア列を含み、
前記発電モータにより生じる電気エネルギーを回収するエネルギー回収装置。
【請求項2】
前記共通ギア列のギアの数は、前記第1ギア列のギアの数及び前記第2ギア列のギアの数のいずれよりも多い、請求項1記載のエネルギー回収装置。
【請求項3】
前記変換ギアが逆回転する際における前記第2回転伝達ギア部の当該変換ギアに対する負荷が、前記変換ギアが正回転する際における前記第1回転伝達ギア部の当該変換ギアに対する負荷より小さくなるように、前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部が構成された、請求項1記載のエネルギー回収装置。
【請求項4】
前記変換ギアの逆回転が前記第2回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転が、前記変換ギアの正回転が前記第1回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転より遅くなるように、前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部が構成された、請求項1記載のエネルギー回収装置。
【請求項5】
前記変換ギアが逆回転する際における前記第2ギア列の当該変換ギアに対する負荷が、前記変換ギアが正回転する際における前記第1ギア列の前記変換ギアに対する負荷より小さくなるように、前記第1ギア列および前記第2ギア列が構成された、請求項1記載のエネルギー回収装置。
【請求項6】
前記変換ギアの逆回転が前記第2回転伝達ギア部によって前記駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転が、前記変換ギアの正回転が前記第1回転伝達ギア部によって前記駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転より遅くなるように、前記第1ギア列及び前記第2ギア列が構成された、請求項1記載のエネルギー回収装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のエネルギー回収装置を備えたプレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス装置に適用されるエネルギー回収装置、及びそのエネルギー回収装置を備えたプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載される金型を用いたプレス機(プレス装置)が知られている。このプレス機は、ボルスタプレートに固定された下金型と上下動(上昇、下降)するスライドに固定された上金型とがワークを挟んで加圧することにより当該ワークをプレス加工する。このプレス機は、プレス加工の実行時におけるスライド(上金型)の上下動によって発電を行う発電装置(エネルギー回収装置)を有している。そして、この発電装置は、前記スライドの上下動に同期して上下動するラックギアと、該ラックギアによって回転されるギア群で構成される減速機と、該減速機によって回転される回転軸を有する発電用モータと、を備えている。
【0003】
このようなプレス装置では、スライドの下降とともに上金型が下降する際に、その下降運動がラックギア及び減速機を構成するギア群により回転動に変換され、発電用モータの回転軸が回転される。そして、このように回転軸が回転する発電用モータによって生じる電気エネルギーを回収する(例えば、蓄電する)ことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のプレス機に設けられた発電装置(エネルギー回収装置)では、スライド(上金型)が上昇する際に電気エネルギーを回収することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プレス装置のスライドの上下往復動から電気エネルギーの有効な回収を行うことのできるエネルギー回収装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上下往復動するスライドを有するプレス装置に適用されるエネルギー回収装置であって、
発電モータと、前記スライドの上下往復動を回転動に変換して、当該回転動を前記発電モータの回転軸に伝達させるギア装置と、を有し、前記ギア装置は、前記スライドの上下往復動に同期して上下往復動するラックギアと、前記ラックギアに噛み合って、当該ラックギアの下降動に伴って正回転し、当該ラックギアの上昇動に伴って逆回転する変換ギアと、前記発電モータの回転軸に結合する駆動ギアと、前記変換ギアの逆回転を前記駆動ギアに伝達させることなく、前記変換ギアの正回転を前記駆動ギアに一方向の回転として伝達させる第1回転伝達ギア部と、前記変換ギアの正回転を前記駆動ギアに伝達させることなく、前記変換ギアの逆回転を前記駆動ギアに前記一方向の回転として伝達させる第2回転伝達ギア部と、を含み、前記発電モータにより生じる電気エネルギーを回収する構成となる。
【0008】
このような構成によれば、プレス装置のスライドが下降する際には、ラックギアが下降し、そのラックギアに噛み合う変換ギアが正回転する。変換ギアの正回転は、第2回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達されることなく、第1回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達され、駆動ギアが一方向に回転する。一方、プレス装置のスライドが上昇する際には、ラックギアが上昇し、そのラックギアに噛み合う変換ギアが逆回転する。変換ギアの逆回転は、第1回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達されることなく、第2回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達され、駆動ギアが前記一方向に回転する。このようにプレス装置のスライドが上下往復動する際に駆動ギアは常に一方向に回転し、その一方向に回転する駆動ギアとともに発電モータの回転軸が常に一方向に回転する。よって、プレス装置のスライドが上下往復動する際に回転軸が常に一方向に回転する発電モータから電気エネルギーが生じ、その電気エネルギーが回収される。
【0009】
本発明に係るエネルギー回収装置において、前記第1回転伝達ギア部は、第1ワンウェイクラッチを含み、前記第2回転伝達ギア部は、第2ワンウェイクラッチを含む、構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、プレス装置のスライドが下降する際における変換ギアの正回転は、第1ワンウェイクラッチを含む第1回転伝達ギア部を介して駆動ギアに一方向の回転として伝達される。そのとき、前記変換ギアの正回転は、第2ワンウェイクラッチによって第2回転伝達ギアを介しては駆動ギアに伝達されない。
【0011】
一方、プレス装置のスライドが上昇する際における変換ギアの逆回転は、第2ワンウェイクラッチを含む第2回転伝達ギア部を介して駆動ギアに一方向の回転として伝達される。そのとき、前記変換ギアの逆回転は、第1ワンウェイクラッチによって第1回転伝達ギア部を介しては駆動ギアに伝達されない。
【0012】
本発明に係るエネルギー回収装置において、前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部は、共通の複数のギアにて構成される共通ギア列を含み、前記第1回転伝達ギア部は、前記第1ワンウェイクラッチを含むとともに前記共通ギア列から前記駆動ギアまで続く第1ギア列を含み、前記第2回転伝達ギア部は、前記第2ワンウェイクラッチを含むとともに前記共通ギア列から前記駆動ギアまで続く第2ギア列を含む、構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、第1回転伝達ギア部と第2回転伝達ギア部とが共通の複数のギアにて構成される共通ギア列を含むので、第1回転伝達ギア部と第2回転伝達ギア部とが別々のギア群で構成される場合に較べて、ギアの数を減らすことができ、ギア装置全体の構成を単純化することができる。
【0014】
そして、このような構成のエネルギー回収装置では、プレス装置のスライドが下降する際における変換ギアの正回転は、共通ギア列を伝達して第1ギア列および第2ギア列に達する。第1ワンウェイクラッチを含む第1ギア列は、前記共通ギア列により伝達される回転を更に駆動ギアに一方向の回転として伝達させる。このとき、第2ワンウェイクラッチを含む第2ギア列は、前記共通ギアにより伝達された回転を駆動ギアに伝達させない。
【0015】
一方、プレス装置のスライドが上昇する際における変換ギアの逆回転は、共通ギアを伝達して第1ギア列および第2ギア列に伝達する。第2ワンウェイクラッチを含む第2ギア列は、前記共通ギア列により伝達される回転を更に駆動ギアに前記一方向の回転として伝達させる。このとき、第1ワンウェイクラッチを含む第1ギア列は、前記共通ギア列により伝達された回転を駆動ギアに伝達させない。
【0016】
本発明に係るエネルギー回収装置において、前記共通ギア列のギアの数は、前記第1ギア列のギアの数及び前記第2ギア列のギアの数のいずれよりも多い、構成とすることができる。
【0017】
このような構成により、第1回転伝達ギア部と第2回転伝達ギア部とにおける共通ギアを構成するギアの数をより多くして、ギア装置全体の構成をより単純化することができる。
【0018】
また、本発明に係るエネルギー回収装置において、前記変換ギアが逆回転する際における前記第2回転伝達ギア部の当該変換ギアに対する負荷が、前記変換ギアが正回転する際における前記第1回転伝達ギア部の当該変換ギアに対する負荷より小さくなるように、前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部が構成された、構成とすることができる。
【0019】
このような構成により、重力に抗するスライドの上昇動に連動して変換ギアが逆回転する際に駆動ギアを回転させる第2回転伝達ギア部の前記変換ギアに対する負荷が、そのスライドの下降動に連動して変換ギアが正回転する際に駆動ギアを回転させる第1回転伝達ギア部の前記変換ギアに対する負荷よりも小さいので、重力に抗してスライドが上昇する際における当該スライドの駆動源に対する負荷を極力抑えることができ、発電モータによる電気エネルギーの発生状態を維持しつつスライドをよりスムーズに上昇動させることができる。
【0020】
本発明に係るエネルギー回収装置において、前記変換ギアの逆回転が前記第2回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転が、前記変換ギアの正回転が前記第1回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転より遅くなるように、前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部が構成された、構成とすることができる。
【0021】
このような構成により、重力に抗するスライドの上昇動に連動した変換ギアの逆回転が第2回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転が、スライドの下降動に連動した変換ギアの正回転が第1回転伝達ギア部によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転より遅くなるので、重力に抗してスライドが上昇する際に、より大きな力で駆動ギアの回転を維持させることができ、発電モータによる電気エネルギーの発生状態を維持させることができる。
【0022】
本発明に係るエネルギー回収装置において、前記変換ギアが逆回転する際における前記第2ギア列の当該変換ギアに対する負荷が、前記変換ギアが正回転する際における前記第1ギア列の前記変換ギアに対する負荷より小さくなるように、前記第1ギア列および前記第2ギア列が構成された、構成とすることができる。
【0023】
このような構成により、重力に抗するスライドの上昇動に連動して変換ギアが逆回転する際に駆動ギアを回転させる第2回転伝達ギア部における共通ギア列を除いた第2ギア列の前記変換ギアに対する負荷が、そのスライドの下降動に連動して変換ギアが正回転する際に駆動ギアを回転させる第1回転伝達ギア部における共通ギア列を除いた第1ギア列の前記変換ギアに対する負荷よりも小さいので、重力に抗してスライドが上昇する際における当該スライドの駆動源に対する負荷を極力抑えることができ、発電モータによる電気エネルギーの発生状態を維持しつつスライドをよりスムーズに上昇動させることができる。
【0024】
本発明に係るエネルギー回収装置において、前記変換ギアの逆回転が前記第2回転伝達ギア部によって前記駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転が、前記変換ギアの正回転が前記第1回転伝達ギア部によって前記駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転より遅くなるように、前記第1ギア列及び前記第2ギア列が構成された、構成とすることができる。
【0025】
このような構成により、重力に抗するスライドの上昇動に連動した変換ギアの逆回転が第2回転伝達ギア部(第2ギア列を含む)によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転が、上金型の下降動に連動した変換ギアの正回転が第1回転伝達ギア部(第1ギア列を含む)によって駆動ギアに伝達される際の当該駆動ギアの回転より遅くなるので、重力に抗してスライドが上昇する際に、より大きな力で駆動ギアの回転を維持させることができ、発電モータによる電気エネルギーの発生状態を維持させることができる。
【0026】
本発明に係るプレス装置は、上述したいずれかのエネルギー回収装置を備えた、構成となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るエネルギー回収装置によれば、プレス装置のスライドが下降動する際、及び当該スライダが上昇動する際のいずれにおいても、発電モータの回転軸に結合する駆動ギアが一方向(一定方向)に回転するので、プレス装置のスライダの上下往復動において発電モータにより電気エネルギーを有効に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るエネルギー回収装置が適用されるプレス装置の外観を示す正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係るエネルギー回収装置が適用されるプレス装置の外観を示す側面図である。平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係るエネルギー回収装置におけるギア装置及び発電モータの外観を示す正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係るエネルギー回収装置におけるギア装置及び発電モータの外観を示す側面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係るエネルギー回収装置におけるギア装置の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、ギア装置の動作(その1)を示す図である。
【
図7】
図7は、ギア装置の動作(その2)を示す図である。
【
図8】
図8は、ギア装置の他の構成例を部分的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0030】
本発明の実施の形態に係るエネルギー回収装置が適用されるプレス装置は、
図1及び
図2 に示すように構成される。なお、
図1は、そのプレス装置の外観を示す正面図であり、
図2は、そのプレス装置の外観を示す側面図である。
【0031】
図1及び
図2において、プレス装置100は、筐体内においてサーボモータや油圧シリンダ等の駆動源及びフライホイールを含む駆動機構により上下動(往復動)するスライド11を有している。スライド11には上金型(図示略)が固定され、スライド11に対向したボルスタプレート12に下金型(図示略)が固定される。スライド11を上下に往復動させることにより、ワーク(例えば、鋼板)が上金型と下金型とに挟まれて加工(せん断加工、折り曲げ加工、穴あけ(パンチング)加工等)される。
【0032】
プレス装置100は、スタートスイッチや、停止スイッチが設けられたスイッチ台13、及びスライド11の下降タイミング、上昇タイミング、加圧時間等の調整を行う調整スイッチや、各種指示ランプ等が設けられた操作パネル14を有している。作業者は、操作パネル14の調整スイッチを操作することによりスライド11の上下動のタイミングや加圧時間等のプレス加工の各種条件を設定することができる。ワークが下金型上にセットされた状態で、スイッチ台13のスタートスイッチを操作することにより、スライド11が下降し、ワークが上金型と下金型とに挟まれて加工される。そして、スライド11が上昇した状態で、下金型上に残った加工済みのワークを取り出すことができる。
【0033】
上述した構造のプレス装置100には、エネルギー回収装置が設けられる。このエネルギー回収装置は、ギア装置20及び発電モータ22を備えるとともに、制御ボックス15及び蓄電池装置30を備えている。発電モータ22(例えば、エムリンク社製 REGシリーズ発電モータ)は、
図1及び
図2とともに
図3及び
図4に示すように、ギア装置20と一体的に設けられている。ギア装置20は、スライド11の上下の往復動を回転動に変換して、その回転動を発電モータ22の回転軸に伝達させる。制御ボックス15は、蓄電コントローラ15aを有し、蓄電コントローラ15aの制御のもと発電モータ22にて発生する電気エネルギー(電力)が蓄電池装置30に蓄えられる。
【0034】
ギア装置20は、具体的には、
図5に示すように構成される。
【0035】
図5において、ギア装置20は、一端がスライド11に結合され(
図1、
図2参照)、スライド11の上下往復動に同期して上下動往復動するラックギア200を有している。ギア装置20は、また、ラックギア200に噛み合ってラックギア200の下降動に伴って正回転し、ラックギア200の上昇動に伴って逆回転する変換ギア201と、発電モータ22の回転軸に結合する駆動ギア250とを含む。
【0036】
ギア装置20は、更に、それぞれ小径ギア及び大径ギアが同軸にセットされた4つのギアセット202、203、204、205を有している。各ギアセット202~205は、小径ギアと大径ギアが一体となった二段ギアで構成することもできる。ギアセット202の小径ギアが変換ギア201に噛み合い、ギアセット203の小径ギアがギアセット202の大径ギアに噛み合い、ギアセット204の小径ギアがギアセット203の大径ギアに噛み合っている。更に、ギアセット205の小径ギアがギアセット204の大径ギアに噛み合っている。
【0037】
ギア装置20は、小径ギア211a、大径ギア211b、及び第1ワンウェイクラッチ211cが同軸にセットされる第1ワンウェイギアセット211と、小径ギア212a、大径ギア212b、及び第2ワンウェイクラッチ212cが同軸にセットされた第2ワンウェイギアセット212と、を有している。第1ワンウェイギアセット211では、第1ワンウェイクラッチ211cが、小径ギア211aの一方向の回転を大径ギア211bに伝達する一方、小径ギア211aの他方向の回転を大径ギア211bに伝達させない。第2ワンウェイギアセット212では、第2ワンウェイクラッチ212cが、第1ワンウェイクラッチ211cとは逆に、小径ギア212aの前記他方向の回転を大径ギア212bに伝達する一方、小径ギア212aの前記一方向の回転を大径ギア212bに伝達させない。
【0038】
第1ワンウェイギアセット211の大径ギア211bは、発電モータ22の回転軸に結合する駆動ギア250に噛み合っている。また、ギア装置20は、第2ワンウェイギアセット212の大径ギア212bと駆動ギア250との双方に噛み合うギア213を含んでいる。ギア213は、駆動ギア250と同じ歯数(同径)を有している。
【0039】
ギア装置20において、4つのギアセット202~205及び第1ワンウェイギアセット211(大径ギア211a、小径ギア211b、第1ワンウェイクラッチ211c)は、変換ギア201の逆回転を駆動ギア250に伝達させることなく、変換ギア201の正回転を駆動ギア250に一方向の回転として伝達させる第1回転伝達ギア部として構成される。また、4つのギアセット202~205、第2ワンウェイギアセット212(大径ギア212a、小径ギア212b、第2ワンウェイクラッチ212c)、及びギア213は、変換ギア201の正回転を駆動ギア250に伝達させることなく、変換ギア201の逆回転を駆動ギア250に前記一方向の回転として伝達させる第2回転伝達ギア部として構成される。そして、4つのギアセット202~205は、前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部の共通ギア列として構成される。
【0040】
また、第1ワンウェイギアセット211における小径ギア211a及び大径ギア211bは、4つのギアセット202~205(共通ギア列)から駆動ギア250まで続く第1ギア列を構成する。第2ワンウェイギアセット212における小径ギア212a及び大径ギア212bとギア213とは、4つのギアセット202~205(共通ギア列)から駆動ギア250まで続く第2ギア列を構成する。
【0041】
上述したプレス装置100において、スライド11が下降動する際には、ギア装置20は次のように動作する。
【0042】
ギア装置20において、
図6に示すように、スライド11の下降に伴ってラックギア200が下降し、ラックギア200に噛み合う変換ギア201が回転する。例えば、この場合の変換ギア201の回転方向(
図6における反時計回り方向)を正回転の回転方向と定義し、その回転方向と逆の回転方向(
図6における時計回り方向)を逆回転の回転方向と定義する(
図7及び
図8において同様)。このように変換ギア201が正回転すると、その回転は、
図6における点線矢印のように伝達する。
【0043】
図6において、変換ギア201の正回転は、4つのギアセット202~205(共通ギア列)を通して伝達する。その際、その回転は、ギアセット202から、大径ギアと小径ギアとのギア比に応じて順次高速化されつつ、ギアセット205に正回転として伝達する。ギアセット205の正回転は、第1ワンウェイギアセット211の小径ギア211aに逆回転として伝達され、第1ワンウェイクラッチ211cによって、その小径ギア211aの逆回転が大径ギア211bに伝達される。そして、第1ワンウェイギアセット211の大径ギア211bの逆回転は、駆動ギア250に正回転として伝達される。
【0044】
この場合、ギアセット205の前記正回転は、第2ワンウェイギアセット212の小径ギア212aには伝達するものの、第2ワンウェイクラッチ212cによって、大径ギア212bには伝達しない。したがって、変換ギア201の正回転は、第2ワンウェイギアセット212(第2回転伝達ギア部)を通して駆動ギア250に伝達されない。
【0045】
次に、スライド11が上昇動する際には、ギア装置20は、次のように動作する。
【0046】
ギア装置20において、
図7に示すように、スライド11の上昇に伴ってラックギア200が上昇し、ラックギア200に噛み合う変換ギア201が逆回転する(
図7において時計回り方向)。この変換ギア201の逆回転は、
図7における点線矢印のように伝達する。
【0047】
図7において、変換ギア201の逆回転は、4つのギアセット202~205(共通ギア列)における初段のギアセット202に伝達され、更に、ギアセット202から順次高速化されつつ、ギアセット205に逆回転として伝達される。ギアセット205のこの逆回転は、第2ワンウェイギアセット212の小径ギア212aに正回転として伝達され、更に、第2ワンウェイクラッチ212cによって、その小径ギア212aの正回転が大径ギア212bに伝達される。そして、第2ワンウェイギアセット212の大径ギア212bの正回転は、更にギア213を介して駆動ギア250に正回転として伝達される。
【0048】
この場合、ギアセット205の前記逆回転は、第1ワンウェイギアセット211の小径ギア211aには伝達するものの、第1ワンウェイクラッチ211cによって、大径ギア211bには伝達しない。したがって、変換ギア201の逆回転は、第1ワンウェイギアセット211(第1回転伝達ギア部)を通して駆動ギア250に伝達されない。
【0049】
プレス装置100において、スライダ11が上下動(往復動)を繰り返し、ワークを上金型と下金型とで挟んで加圧する処理が繰り返し実行される過程で、ギア装置100では、
図6に示す動作と
図7に示す動作が交互に繰り返される。それにより、駆動ギア250は常に正回転する状態に維持される。その結果、発電モータ22の回転軸が一方向(一定方向)に回転され続け、発電モータ22から電気エネルギーが生じる。発電モータ22から生じた電気エネルギー(電力)は、制御ボックス15における蓄電コントローラ15aの制御のもと蓄電池装置30に蓄えられる。このようにして、スライド11の上下動に基づいた運動エネルギーの一部が電気エネルギーとして回収される。
【0050】
蓄電池装置30に蓄えられた電気エネルギーは、このプレス装置100において利用できるとともに、他の電気装置に利用することができる。
【0051】
上述したようなエネルギー回収装置(プレス装置100)によれば、スライダ11が下降動する際、及びスライダ11が上昇動する際のいずれでも、発電モータ22の回転軸に結合する駆動ギア250が一方向(一定方向)に回転(正回転)するので、スライダ11の上下往復動において電気エネルギーを有効に回収することができる。
【0052】
また、ギア装置20において、変換ギア201の正回転(スライダ11の下降時)を駆動ギア250に正回転として伝達させるギア部(第1回転伝達ギア部)と、変換ギア201の逆回転(スライダ11の上昇時)を駆動ギア250に正回転として伝達させるギア部(第2伝達ギア部)とが、4つのギアセット202~205にて構成される共通ギア列を含むので、それぞれのギア部(第1回転伝達ギア部、第2回転伝達ギア部)を別々のギア群で構成する場合に比べて、ギアの数を減らすことができる。よって、ギア装置20全体の構成をより単純化することができる。
【0053】
また、変換ギア201の正回転(スライダ11の下降時)を駆動ギア250に正回転として伝達させるギア部(第1回転伝達ギア部)と、変換ギア201の逆回転(スライダ11の上昇時)を駆動ギア250に正回転として伝達させるギア部(第2回転伝達ギア部)とにおいて、共通ギア列としての4つのギアセット202~205のギア数(4つ)が、第1ギア列としての第1ワンウェイギアセット211(小径ギア211a、大径ギア211bの数(2つ)及び第2ギア列としての第2ワンウェイギアセット212(小径ギア212a、大径ギア212b)及びギア213の数(3つ)のいずれよりも多い。このように変換ギア201の正回転(スライダ11下降時)を駆動ギア250に正回転として伝達させるギア部(第1回転伝達ギア部)と、変換ギア201の逆回転(スライダ11上昇時)を駆動ギア250に正回転として伝達させるギア部(第2回転伝達ギア部)とにおいて、共通の部分のギアの数が多いので、ギア装置20全体の構成をより単純化することができる。
【0054】
ところで、プレス装置100では、フライホイールの慣性を利用して上金型等が装着されるスライド11をスムーズに上下往復動するようにしている。しかし、ギア装置20及び発電モータ22が負荷になるために、重力に抗するスライド11の上昇動に支障をきたす可能性がある。このような事情を考慮して、このエネルギー回収装置(プレス装置100)では、ギア装置20において次のように工夫されている。
【0055】
変換ギア201が逆回転する(スライド11が上昇する:
図7参照)際における、4つのギアセット202~205、第2ワンウェイギアセット212及びギア213(第2回転伝達ギア部)の変換ギア201に対する負荷が、変換ギア201が正回転する(スライド11が下降する:
図6参照)際における、4つのギアセット202~205及び第1ワンウェイギアセット211(第1回転伝達ギア部)の変換ギア201に対する負荷より小さくなるように、ギア装置20(前記第1回転伝達ギア部及び前記第2回転伝達ギア部を含む)が構成されている。具体的には、例えば、第2ワンウェイギアセット212の大径ギア212bの歯数が、第1ワンウェイギアセット211の大径ギア211bの歯数より少ない値に設定されている。
【0056】
このような構成により、重力に抗するスライド11の上昇動に連動して変換ギア201が逆回転する際(
図7参照)に、駆動ギア250を回転させる第2ワンウェイギアセット212及びギア213(第2回転伝達ギア部における第2ギア列)の変換ギア201に対する負荷が、そのスライド11の下降動に連動して変換ギア201が正回転する際(
図6参照)に駆動ギア250を回転させる第1ワンウェイギアセット211(第1回転伝達ギア部における第1ギア列)の変換ギア201に対する負荷より小さくなる。このように、重力に抗してスライド11が上昇する際における駆動源に対する負荷を極力抑えることができので、発電モータ22(回転軸)の回転を維持して当該発電モータ22によるエネルギーの発生状態を維持しつつスライド11をよりスムーズに上昇動させることができる。
【0057】
上述したように、第2ワンウェイギアセット212の大径ギア212bの歯数が、第1ワンウェイギアセット211の大径ギア211bの歯数より少ない値に設定されると、変換ギア201の逆回転(スライド11が上昇動する)が4つのギアセット202~205、第2ワンウェイギアセット212及びギア213(第2回転伝達ギア部)によって駆動ギア250に伝達される際の当該駆動ギア250の回転が、変換ギアの正回転(スライド11が下降動する)が4つのギアセット202~205及び第1ワンウェイギアセット211(第1回転伝達ギア部)によって駆動ギア250に伝達される際の当該駆動ギア250回転より遅くなる。したがって、このような設定では、重力に抗してスライド11が上昇する際に、より大きな力で駆動ギア250の回転(発電モータ22の回転)を維持させることができ、発電モータ22による電気エネルギーの発生状態を維持させることができる、ともいい得る。
【0058】
上述したよう重力に抗してスライド11が上昇動する際に、発電モータ22の回転が維持されるようになるので、発電モータ22のロータがフライホイールとして機能し続けるようになって、発電モータ22が益々スムーズに回転するようになる。
【0059】
なお、ギア装置20において、変換ギア201から駆動ギア250に続くギア部は、前述したもの(
図5、
図6、
図7参照)に限定されず、変換ギア201の逆回転を駆動ギア250に伝達させることなく、変換ギア201の正回転を駆動ギア250に一方向の回転として伝達させる第1回転伝達ギア部と、変換ギア201の正回転を駆動ギア250に伝達させることなく、変換ギア201の逆回転を駆動ギア250に前記一方向の回転として伝達させる第2回転伝達ギア部と、を備えるものであればよい。
【0060】
また、共通ギア列も、前述した4つのギアセット202~205にて構成されるものでなくても、他のギア構成であってもよい。
【0061】
更に、共通ギア列としての4つのギアセット202~205から駆動ギア250に続く第1ギア列(第1ワンウェイギアセット211)及び第2ギア列(第2ワンウェイギアセット212、ギア213)は、前述したもの(
図5、
図6、
図7参照)に限定されない。前記第2ギア列は、例えば、
図8に示すように構成することができる。なお、
図8において、3つのギアセット202~204を図示することが省略されているが、これら3つのギアセット202~204は、
図5~
図7に示すのと同様に設けられている。
【0062】
図8において、4つのギアセット202~205における最終段のギアセット205から駆動ギア250に続く第1ギア列は、前述した実施の形態の場合と同様に、小径ギア211a、大径ギア211b及び第1ワンウェイクラッチ211cを備える構造の第1ワンウェイギアセット211によって構成される。一方、4つのギアセット202~205における最終段のギアセット205から駆動ギア250に続く第2ギア列は、ギア215及び第2ワンウェイギアセット214によって構成される。第2ワンウェイギアセット214は、小径ギア214a、大径ギア214b及び第2ワンウェイクラッチ214cを備えている。
【0063】
前述したギア装置20(
図5、
図6、
図7参照)では、第1ワンウェイギアセット211に含まれる第1ワンウェイクラッチ211cと、第2ワンウェイギアセット212に含まれる第2ワンウェイクラッチ212cとは、小径ギアから大径ギアに伝達させる回転方向が逆であった。しかし、
図8に示す構成例では、第1ワンウェイギアセット211に含まれる第1ワンウェイクラッチ211cと、第2ワンウェイギアセット214に含まれる第2ワンウェイクラッチ214cとは、小径ギアから大径ギアに伝達させる回転方向が同じである。すなわち、第1ワンウェイクラッチ211cと第2ワンウェイクラッチ214cとして、同種のワンウェイクラッチが用いられる。
【0064】
ギア215は、ギアセット205の大径ギアと同じ歯数(同径)を有している。このギア215は、ギアセット205の大径ギアに噛み合うとともに、第2ワンウェイギアセット214の小径ギア214aに噛み合っている。そして、第2ワンウェイギアセット214の大径ギア214bが駆動ギア250に噛み合っている。
【0065】
図8に示すような構造のギア装置20では、スライド11が下降する際には、下降するラックギア200に噛み合う変換ギア201が正回転する。そして、その変換ギア201の正回転は、前述した場合(
図6参照)と同様に、4つのギアセット202~205、第1ワンウェイギアセット211(小径ギア211a、大径ギア211b、第1ワンウェイクラッチ211c)を介して、駆動ギア250に正回転として伝達される。
【0066】
この場合、ギアセット205の前記正回転は、ギア215を介して第2ワンウェイギアセット214の小径ギア214aに逆回転として伝達するものの、その小径ギア214aの逆回転は第2ワンウェイクラッチ214cによって、大径ギア212bには伝達しない。したがって、変換ギア201の正回転は、ギア215及び第2ワンウェイギアセット214(第2回転伝達ギア部)を通して駆動ギア250に伝達されない。
【0067】
一方、スライド11が上昇動する際には、上昇するラックギア200に噛み合う変換ギア201が逆回転する。この変換ギア201のこの逆回転は、4つのギアセット202~205(共通ギア列)における最終段のギアセット205に逆回転として伝達される。このギアセット205の逆回転は、ギア215に正回転として伝達され、ギア215の正回転は、更に、第2ワンウェイギアセット214の小径ギア214aに高速化されて逆回転として伝達される。更に、その小径ギア214aの逆回転が、第2ワンウェイクラッチ214cによって大径ギア214bに伝達される。そして、第2ワンウェイギアセット214の大径ギア212bの逆回転は駆動ギア250に正回転として伝達される。
【0068】
この場合、ギアセット205の前記逆回転は、前述した例(
図7参照)と同様に、第1ワンウェイギアセット211の小径ギア211aには伝達するものの、第1ワンウェイクラッチ211cによって、大径ギア211bには伝達しない。したがって、変換ギア201の逆回転は、第1ワンウェイギアセット211(第1回転伝達ギア部)を通して駆動ギア250に伝達されない。
【0069】
図8に示すような第1ギア列(第1ワンウェイギアセット211)および第2ギア列(ギア215、第2ワンウェイギアセット214)を含むギア装置20を用いた場合であっても、スライダ11が下降する際、及びスライダ11が上昇する際のいずれでも、発電モータ22の回転軸に結合する駆動ギア250が一方向に回転(正回転)するので、スライダ11の往復動において電気エネルギーを有効に回収することができる。
【0070】
なお、蓄電池装置30は、プレス装置100ではなく他の場所に設置するようにしてもよい。また、蓄電池装置30とともに蓄電コントローラ15aについても、プレス装置100以外の場所に設置することができる。プレス装置100に適用されるエネルギー回収装置は、少なくともギア装置20と電気エネルギーを生じさせる発電モータ22とを含む構成であればよい。
【0071】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、各実施の形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上、説明したように、本発明に係るエネルギー回収装置は、スライダの上下往復動において電気エネルギーの有効な回収を行うことのできるという効果を有し、上下往復動するスライダを有するプレス装置に適用するものとして有用である。
【符号の説明】
【0073】
11 スライド
12 ボルスタプレート
13 スイッチ台
14 操作パネル
15 制御ボックス
15a 蓄電コントローラ
20 ギア装置
22 発電モータ
200 ラックギア
201 変換ギア
202~205 ギアセット
211 第1ワンウェイギアセット
211a 小径ギア
211b 大径ギア
211c 第1ワンウェイクラッチ
212 第2ワンウェイギアセット
212a 小径ギア
212b 大径ギア
212c 第2ワンウェイクラッチ
213、215 ギア
214 第2ワンウェイギアセット
214a 小径ギア
214b 大径ギア
214c 第2ワンウェイクラッチ
【要約】
発電モータ22とギア装置20とを有し、ギア装置20は、プレス装置のスライド11の往復動に同期して往復動するラックギア200と、ラックギア200に噛み合う変換ギア201と、発電モータ22の回転軸に結合する駆動ギア250と、変換ギア201の逆回転を駆動ギア250に伝達させることなく、変換ギア201の正回転を駆動ギア250に一方向の回転として伝達させる第1回転伝達ギア部(202~205、211)と、変換ギア201の正回転を駆動ギア250に伝達させることなく、変換ギア201の逆回転を駆動ギア250に前記一方向の回転として伝達させる第2回転伝達ギア部(202~205、212、213)と、を含む構成となる。