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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】メリ込み防止アンカー金物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20230501BHJP
   E04B 1/26 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
E04B1/58 507L
E04B1/58 505L
E04B1/26 E
E04B1/26 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019211843
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021075980
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504196492
【氏名又は名称】株式会社高橋監理
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲橋▼ 龍夫
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-205066(JP,A)
【文献】特開2000-248776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/58
E04B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造建物の補強に用いる連結金物において、
たて枠(44)に固定するため厚さ3.2mm、巾228mmの長方形の平板鋼板を、巾70mmの側板プレード部(A)(43)と、巾88mmの固定用プレード部(65)と、巾70mmの側板プレード部(B)(45)で構成するように凹形に折り曲げ、前記固定用プレード部(65)に複数の穴を成形した凹形補強柱(67)と、
メリ込み防止アンカー金物(27)を、釘(46)とコーチボルト(47)でたて枠(44)に固定するため、釘(46)を打ち込むための釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)は、釘穴(C)、釘穴(D)、釘穴(E)の3穴を一組として構成し、前記3穴の直径は共に6mmで下部固定部材(53)に対して60度の角度で斜めに成形し、釘穴(C)の中心位置は側面(A)(Q)から27mmの位置に成形し、釘穴(D)の中心 位置は側面(A)(Q)と側面(B)(R)の中心線上に成形し、釘穴(E)の中心位置は側面(B)(R)から27mmの位置に成形し、さらにコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)は、コーチボルト穴(F)、コーチボルト穴(G)、コーチボルト穴(H)の3穴を一組として構成し、前記3穴の直径は共に14mmで下部固定部材(53)に対して60度の角度で斜めに成形し、コーチボルト穴(F)の中心位置は側面(A)(Q)から20mmの位置に成形し、コーチボルト穴(G)の中心位置は側面(A)(Q)と側面(B)(R)の中心線上に成形し、コーチボルト穴(H)の中心位置は側面(B)(R)から20mmの位置に成形した固定用プレート部(65)と、
前記コーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)の内のコーチボルト穴(G)をメリ込み防止アンカー金物(27)の下端(S)と上端(T)の上下中央位置に成形し、前記上下中央位置に成形したコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)の内のコーチボルト穴(G)の位置から、互いに上下方向に150mm間隔を開け、釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)を連続して4組成形し、さらに、互いに上下方向に150mmの位置にコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)を成形し、さらに、互いに上下方向に150mm間隔を開け釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)を連続して2組成形した固定用プレート部(65)と、
前記凹形補強柱(67)の上端に固定し、上階の連結金物と連結するため、厚さ9mm、巾88mm、長さ70mmの長方形の平板鋼板で成形した上部固定部材(39)に、固定部材(右)(62)と固定部材(左)(64)の中心線と固定部材(奥)(61)から固定部材(前)(63)方向に35mm離れた線が交わる位置に直径50mmの上階用ボルト孔(40)を成形した上部固定部材(39)と、
前記凹形補強柱(67)の下端に固定し、下階の連結金物と連結するため、厚さ9mm、巾88mm、長さ70mmの長方形の平板鋼板で成形した下部固定部材(53)に、固定部材(右)(70)と固定部材(左)(72)の中心線と固定部材(奥)(69)から固定部材(前)(71)方向に35mm離れた線が交わる位置に直径50mmの下階用ボルト孔(50)を成形した下部固定部材(53)で構成したことを特徴とするメリ込み防止アンカー金物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木造建築において、建物のコンクリート製の基礎と1階部分、その上階の2階、3階、さらにそれ以上の上階を強固に連結し、建物の引抜力(引張力)と圧縮力(めり込み力)の両方を高めることを目的として使用するアンカー金物(連結金物)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木造建築においては、図1図1aで示すようにコンクリート製の基礎9にホールダウン専用アンカーボルト10を埋め込み、コンクリート製の基礎9の上面に土台8を固定し、土台8の上に側根太7を取り付け、その側根太7の上に構造用合板5を取り付け、その構造用合板5の上に下枠6を取り付け、その下枠6の上にたて枠2を取り付けていた。
【0003】
このように構成したコンクリート製の基礎9とたて枠2を連結するため、たて枠2にホールダウン金物1をビス3により取り付け、ホールダウン専用アンカーボルト10とホールダウン金物1をナット4により固定していた。
【0004】
さらに、建物の1階と2階、その上階の2階と3階を連結するため、図1bで示すように下階のたて枠24の上部にビス23でホールダウン金物22を逆さにして取り付けると共に、その上階のたて枠11の下部にもビス12でホールダウン金物13を取り付け、上階のホールダウン金物13と下階のホールダウン金物22を連結ボルト15とナット14、21で固定していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の技術では、地震、強風(台風)等による引抜力(引張力)に対して、たて枠にホールダウン金物を取り付け地震、強風から建物が浮遊・転倒するのを防いでいたが、建物にかかる圧縮力(めり込み力)に対しては無力であった。
【0006】
しかしながら地震、強風(台風)等より建物が揺れた場合、建物には引抜力(引張力)以外にも圧縮力(めり込み力)が発生する。
【0007】
本発明では、地震、強風(台風)等の引抜力(引張力)と圧縮力(めり込み力)の両方の地震力に耐えられるアンカー金物(連結金物)を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、木造建物の補強に用いる連結金物において、たて枠(44)に固定するため厚さ3.2mm、巾228mmの長方形の平板鋼板を、巾70mmの側板プレード部(A)(43)と、巾88mmの固定用プレード部(65)と、巾70mmの側板プレード部(B)(45)で構成するように凹形に折り曲げ、前記固定用プレード部(65)に複数の穴を成形した凹形補強柱(67)と、メリ込み防止アンカー金物(27)を、釘(46)とコーチボルト(47)でたて枠(44)に固定するため、釘(46)を打ち込むための釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)は、釘穴(C)、釘穴(D)、釘穴(E)の3穴を一組として構成し、前記3穴の直径は共に6mmで下部固定部材(53)に対して60度の角度で斜めに成形し、釘穴(C)の中心位置は側面(A)(Q)から27mmの位置に成形し、釘穴(D)の中心位置は側面(A)(Q)と側面(B)(R)の中心線上に成形し、釘穴(E)の中心位置は側面(B)(R)から27mmの位置に成形し、さらにコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)は、コーチボルト穴(F)、コーチボルト穴(G)、コーチボルト穴(H)の3穴を一組として構成し、前記3穴の直径は共に14mmで下部固定部材(53)に対して60度の角度で斜めに成形し、コーチボルト穴(F)の中心位置は側面(A)(Q)から20mmの位置に成形し、コーチボルト穴(G)の中心位置は側面(A)(Q)と側面(B)(R)の中心線上に成形し、コーチボルト穴(H)の中心位置は側面(B)(R)から20mmの位置に成形した固定用プレート部(65)と、前記コーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)の内のコーチボルト穴(G)をメリ込み防止アンカー金物(27)の下端(S)と上端(T)の上下中央位置に成形し、前記上下中央位置に成形したコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)の内のコーチボルト穴(G)の位置から、互いに上下方向に150mm間隔を開け、釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)を連続して4組成形し、さらに、互いに上下方向に150mmの位置にコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)を成形し、さらに、互いに上下方向に150mm間隔を開け釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)を連続して2組成形した固定用プレート部(65)と、前記凹形補強柱(67)の上端に固定し、上階の連結金物と連結するため、厚さ9mm、巾88mm、長さ70mmの長方形の平板鋼板で成形した上部固定部材(39)に、固定部材(右)(62)と固定部材(左)(64)の中心線と固定部材(奥)(61)から固定部材(前)(63)方向に35mm離れた線が交わる位置に直径50mmの上階用ボルト孔(40)を成形した上部固定部材(39)と、前記凹形補強柱(67)の下端に固定し、下階の連結金物と連結するため、厚さ9mm、巾88mm、長さ70mmの長方形の平板鋼板で成形した下部固定部材(53)に、固定部材(右)(70)と固定部材(左)(72)の中心線と固定部材(奥)(69)から固定部材(前)(71)方向に35mm離れた線が交わる位置に直径50mmの下階用ボルト孔(50)を成形した下部固定部材(53)で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、木造建物の補強に用いる連結金物において、たて枠(44)に固定するため厚さ3.2mm、巾228mmの長方形の平板鋼板を、巾70mmの側板プレード部(A)(43)と、巾88mmの固定用プレード部(65)と、巾70mmの側板プレード部(B)(45)で構成するように凹形に折り曲げ、前記固定用プレード部(65)に複数の穴を成形した凹形補強柱(67)と、メリ込み防止アンカー金物(27)を、釘(46)とコーチボルト(47)でたて枠(44)に固定するため、釘(46)を打ち込むための釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)は、釘穴(C)、釘穴(D)、釘穴(E)の3穴を一組として構成し、前記3穴の直径は共に6mmで下部固定部材(53)に対して60度の角度で斜めに成形し、釘穴(C)の中心位置は側面(A)(Q)から27mmの位置に成形し、釘穴(D)の中心位置は側面(A)(Q)と側面(B)(R)の中心線上に成形し、釘穴(E)の中心位置は側面(B)(R)から27mmの位置に成形し、さらにコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)は、コーチボルト穴(F)、コーチボルト穴(G)、コーチボルト穴(H)の3穴を一組として構 成し、前記3穴の直径は共に14mmで下部固定部材(53)に対して60度の角度で斜めに成形し、コーチボルト穴(F)の中心位置は側面(A)(Q)から20mmの位置に成形し、コーチボルト穴(G)の中心位置は側面(A)(Q)と側面(B)(R)の中心線上に成形し、コーチボルト穴(H)の中心位置は側面(B)(R)から20mmの位置に成形した固定用プレート部(65)と、前記コーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)の内のコーチボルト穴(G)をメリ込み防止アンカー金物(27)の下端(S)と上端(T)の上下中央位置に成形し、前記上下中央位置に成形したコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)の内のコーチボルト穴(G)の位置から、互いに上下方向に150mm間隔を開け、釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)を連続して4組成形し、さらに、互いに上下方向に150mmの位置にコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)(B)を成形し、さらに、互いに上下方向に150mm間隔を開け釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)(A)を連続して2組成形した固定用プレート部(65)と、前記凹形補強柱(67)の上端に固定し、上階の連結金物と連結するため、厚さ9mm、巾88mm、長さ70mmの長方形の平板鋼板で成形した上部固定部材(39)に、固定部材(右)(62)と固定部材(左)(64)の中心線と固定部材(奥)(61)から固定部材(前)(63)方向に35mm離れた線が交わる位置に直径50mmの上階用ボルト孔(40)を成形した上部固定部材(39)と、前記凹形補強柱(67)の下端に固定し、下階の連結金物と連結するため、厚さ9mm、巾88mm、長さ70mmの長方形の平板鋼板で成形した下部固定部材(53)に、固定部材(右)(70)と固定部材(左)(72)の中心線と固定部材(奥)(69)から固定部材(前)(71)方向に35mm離れた線が交わる位置に直径50mmの下階用ボルト孔(50)を成形した下部固定部材(53)で構成したことにより、簡単な構造で引抜力(引張力)と圧縮力(めり込み力)の両方の地震力に耐えることが可能となった。
【実施例
【0020】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態]
【0021】
図2乃至図6には、この発明の実施の形態を示す。
【0022】
図2は、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の建物のコンクリート製の基礎56の上に設置した土台55の上に側根太54をのせ、その側根太54の上に1階床用の構造用合板51を取り付け、構造用合板51の上面に下枠52とたて枠44と上枠38で構成した1階壁パネルを取り付け、さらに1階壁パネルの上部に2階を構築するための頭つなぎ37を取り付け、その頭つなぎ37の上に床枠組36を取り付け、その床枠組36の上に2階床用の構造用合板33を取り付け、構造用合板33の上面に下枠34とたて枠35と上枠(図示せず)で構成した2階壁パネルを取り付け、このように構成した1階壁パネルのたて枠44にメリ込み防止アンカー金物27を配置し、メリ込み防止アンカー金物27の下端に固定した下部固定部材53をコンクリート製の基礎56に設置したホールダウン専用アンカーボルト57に固定するためのワッシャー49と固定ナット48と、さらに2階壁パネルのたて枠35に設置したメリ込み防止アンカー金物27の下部固定部材32の下階用ボルト孔31と1階壁パネルのたて枠44に設置したメリ込み防止アンカー金物27の上部固定部材39の上階用ボルト孔40に挿入して下部固定部材32と上部固定部材39を固定するための連結ボルト28と、その連結ボルト28と2階の下部固定部材32を固定するための固定ナット29とワッシャー30と、前記連結ボルト28と1階の上部固定部材39を固定するための固定ナット42とワッシャー41と、さらにメリ込み防止アンカー金物27の凹形補強柱67(図3で説明する)をたて枠44に取り付けるための釘46とコーチボルト47を配置した状態を斜視図で示す。
【0023】
図3は、図2で説明したメリ込み防止アンカー金物27を図3aの立体分解図と図3bの立体組立図で示す。メリ込み防止アンカー金物27は凹形の凹形補強柱67と、長方形の上部固定部材39と、前記上部固定部材39と同一形状の下部固定部材53で構成され、前記凹形補強柱67は、長方形で厚さ3.2mm、巾228mm、長さ(建物の室内高さにより異なる)の平板鋼板を曲げ加工機(ベンダー機等)で凹形(側板プレート部(A)43は巾約70mm、固定用プレート部65は巾約88mm、側板プレート部(B)45は巾約70mm)に折り曲げ形成される。
【0024】
上部固定部材39は、図3aで示すように厚さ約9mm、巾約88mm、長さ約70mmの長方形をした平板鋼板で成形され、固定部材(右)62と固定部材(左)64の中心線と固定部材(奥)61から固定部材(前)63方向に約35mm離れた線が交わる位置に直径約50mmの穴を開け、固定部材(奥)61の下面を凹形補強柱75の柱上端(奥)58に溶接で固定すると共に、固定部材(左)64の下面を凹形補強柱75の柱上端(左)59に溶接で固定し、さらに固定部材(右)62の下面を凹形補強柱75の柱上端(右)60に溶接で固定することにより上部固定部材39が凹形補強柱75の上端に溶接で固定される。同様に、下部固定部材53は図3aで示すように厚さ約9mm、巾約88mm、長さ約70mmの長方形をした平板鋼板の固定部材(右)70と固定部材(左)72の中心線と固定部材(奥)69から固定部材(前)71方向に約35mm離れた線が交わる位置に直径約50mmの穴を開け、固定部材(奥)69の上面を凹形補強柱75の柱下端(奥)(図示せず)に溶接で固定すると共に、固定部材(左)72の上面を凹形補強柱75の柱下端(左)68に溶接で固定し、さらに固定部材(右)70の上面を凹形補強柱75の柱下端(右)66に固定することにより下部固定部材53が凹形補強柱75の下端に溶接で固定される。
【0025】
図4図5では、図3で説明したメリ込み防止アンカー金物27を、図2で説明したたて枠60に固定するための釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aと、コーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bについて説明する。メリ込み防止アンカー金物27をたて枠44に固定するため図2で示した釘46を打ち込むための釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aは、図5aで示すように釘穴C、釘穴D、釘穴Eの3穴の直径は共に約6mmで、前記3穴は下部固定部材53に対して約60度の角度で斜めに配置させると共に、釘穴Cの中心位置はエア釘打機の先端が側面(Q)と接触しないように側面(A)Qから約27mm離し、釘穴Dの中心位置は側面(A)Qと側面(B)Rの中心線上に位置し、釘穴Eの中心位置はエア釘打機の先端が側面(B)Rと接触しないように側面(B)Rから約27mm離れた位置に成形される。同様にたて枠44にコーチボルト47を打ち込むためのコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bは、コーチボルト穴F、コーチボルト穴G、コーチボルト穴Hの3穴の直径は共に約14mmで、前記3穴は下部固定部材53に対して約60度の角度で斜めに配置させると共に、コーチボルト穴Fの中心位置は側面(A)Qから約20mm、コーチボルト穴Gの中心位置は側面(A)Qと側面(B)Rの中心線上に位置し、コーチボルト穴Hの中心位置は側面(B)Rから約20mmに位置するように構成される。
【0026】
さらに図5bで示すように、メリ込み防止アンカー金物27の下端Sと上端Tの上下中央位置にコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bのコーチボルト穴Gを成形し、コーチボルト穴Gの位置から下方向に約150mm間隔を開け、釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aを連続して4組成形し、さらに下方向に約150mmの位置にコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bを成形し、さらに下方向に約150mm間隔を開け釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aを連続して2組成形させると共に、同様に下端Sと上端Tの上下中央位置に成形したコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bのコーチボルト穴Gの位置から上方向に約150mm間隔を開け、釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aを連続して4組成形し、さらに上方向に約150mmの位置にコーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bを成形し、さらに上方向に約150mm間隔を開け釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aを連続して2組成形させた状態を示す。このようにメリ込み防止アンカー金物27の固定プレート部65に釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組として構成)Aと、コーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組として構成)Bを成形し、たて枠に対して釘46とコーチボルト47でメリ込み防止アンカー金物27を固定することにより、建物が地震等で大きく揺れた場合においても建物は地震力に耐えることが可能となった。
【0027】
図6は、図2で説明したメリ込み防止アンカー金物27を木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の建物に取り付けた状態を斜視図で示す。コンクリート製の基礎106の上に設置した土台105の上に側根太104をのせ、その側根太104の上に1階床用の構造用合板102を取り付け、前記構造用合板102の上面に下枠103とたて枠83と上枠99で構成した1階壁パネルを取り付け、さらに1階壁パネルの上部に2階を構築するための頭つなぎ98を取り付け、その頭つなぎ98の上に床枠組97を取り付け、その床枠組97の上に2階床用の構造用合板94を取り付け、前記構造用合板94の上面に下枠95とたて枠82と上枠91で構成した2階壁パネルを取り付け、さらに2階壁パネルの上部に3階を構築するための頭つなぎ90を取り付け、その頭つなぎ90の上に床枠組89を取り付け、その床枠組89の上に3階床用の構造用合板86を取り付け、構造用合板86の上面に下枠87とたて枠81と上枠(図示せず)で構成した3階壁パネルを取り付け、このように構成した1階壁パネルのたて枠83にメリ込み防止アンカー金物27を取り付け、メリ込み防止アンカー金物27の下部に成形した下部固定部材53(図2で説明した)をコンクリート製の基礎106に埋設したホールダウン専用アンカーボルト107にワッシャー101と固定ナット100で固定すると共に、さらに1階のたて枠83に設置したメリ込み防止アンカー金物27の上部固定部材39(図2で説明した)と、2階壁パネルのたて枠82に設置したメリ込み防止アンカー金物27の下部固定部材53(図2で説明した)を連結ボルト96を用いてワッシャー93、110と固定ナット92、111で固定し、さらに2階のメリ込み防止アンカー金物27の上部固定部材39(図2で説明した)と、3階のメリ込み防止アンカー金物27の下部固定部材53(図2で説明した)を連結ボルト88を用いてワッシャー85、108と固定ナット84、109で固定した状態を示す。このようにメリ込み防止アンカー金物27を上階の壁パネルのたて枠と下階の壁パネルの下枠に取り付け連結ボルトで固定することにより木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)で高層建物を建築することが可能になった。
【0028】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係るメリ込み防止アンカー金物について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【0029】
図2において、本発明のメリ込み防止アンカー金物27を木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の建物に取り付けると説明したが、木造軸組工法(在来工法)の建物においても同様に上階の横架材と下階の土台又は横架材の間に取り付けることにより地震、強風(台風)等の引抜力(引張力)と圧縮力(めり込み力)の両方の地震力に建物が耐えることが可能となる。
【0030】
図3において、凹形補強柱75は、長方形で厚さ約3.2mmの平板鋼板を曲げて加工機(ベンダー機等)で凹形に折り曲げ形成される、と説明したが。凹形補強柱75を厚さ約4.5mmの平板鋼板で成形することも、もちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施の形態に係る、従来から市販されているホールダウン専用アンカーボルトとホールダウン金物を用いて木造建物を構築した状態を斜視図で示す。
図2】同実施の形態に係る、メリ込み防止アンカー金物を斜視図で示す。
図3】同実施の形態に係る、図2で示したメリ込み防止アンカー金物を立体分解図と立体組立図で示す。
図4】同実施の形態に係る、図3で示したメリ込み防止アンカー金物を正面図と側面図で示す。
図5】同実施の形態に係る、図4で示したメリ込み防止アンカー金物を凹形補強柱に固定するための釘固定穴、コーチボルト固定穴の位置を詳細に示す。
図6】同実施の形態に係る、メリ込み防止アンカー金具を使って構築した建物を斜視図で示す。
【符号の説明】
【0032】
A 釘固定穴(C、D、Eの3穴を一組とする)
B コーチボルト固定穴(F、G、Hの3穴を一組とする)
C 釘穴
D 釘穴
E 釘穴
F コーチボルト穴
G コーチボルト穴
H コーチボルト穴
I 上部固定部材横巾
J 上部固定部材奥行
K 下部固定部材横巾
L 下部固定部材奥行
M 補強柱横巾
N 補強柱奥行
O 側板厚さ(A)
P 側板厚さ(B)
Q 側面(A)
R 側面(B)
S 下端
T 上端
1 ホールダウン金物
2 たて枠
3 ビス
4 ナット
5 構造用合板
6 下枠
7 側根太
8 土台
9 コンクリート製の基礎
10 ホールダウン専用アンカーボルト
11 たて枠
12 ビス
13 ホールダウン金物
14 ナット
15 連結ボルト
16 構造用合板
17 下枠
18 床枠組
19 頭つなぎ
20 上枠
21 ナット
22 ホールダウン金物
23 ビス
24 たて枠
27 メリ込み防止アンカー金物
28 連結ボルト
29 固定ナット
30 ワッシャー
31 下階用ボルト孔
32 下部固定部材
33 構造用合板
34 下枠
35 たて枠
36 床枠組
37 頭つなぎ
38 上枠
39 上部固定部材
40 上階用ボルト孔
41 ワッシャー
42 固定ナット
43 側板プレート部(A)
44 たて枠
45 側板プレート部(B)
46 釘
47 コーチボルト
48 固定ナット
49 ワッシャー
50 下階用ボルト孔
51 構造用合板
52 下枠
53 下部固定部材
54 側根太
55 土台
56 コンクリート製の基礎
57 ホールダウン専用アンカーボルト
58 柱上端(奥)
59 柱上端(左)
60 柱上端(右)
61 固定部材(奥)
62 固定部材(右)
63 固定部材(前)
64 固定部材(左)
65 固定用プレート部
66 柱下端(右)
67 凹形補強柱
68 柱下端(左)
69 固定部材(奥)
70 固定部材(右)
71 固定部材(前)
72 固定部材(左)
81 たて枠
82 たて枠
83 たて枠
84 固定ナット
85 ワッシャー
86 構造用合板
87 下枠
88 連結ボルト
89 床枠組
90 頭つなぎ
91 上枠
92 固定ナット
93 ワッシャー
94 構造用合板
95 下枠
96 連結ボルト
97 床枠組
98 頭つなぎ
99 上枠
100 固定ナット
101 ワッシャー
102 構造用合板
103 下枠
104 側根太
105 土台
106 コンクリート製の基礎
107 ホールダウン専用アンカーボルト
108 ワッシャー
109 固定ナット
110 ワッシャー
111 固定ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6