(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】ウイング扉の係止装置
(51)【国際特許分類】
B60J 7/08 20060101AFI20230501BHJP
E05C 19/02 20060101ALI20230501BHJP
B60J 7/185 20060101ALI20230501BHJP
B62D 33/04 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B60J7/08 P
E05C19/02 D
B60J7/185 Z
B62D33/04 C
(21)【出願番号】P 2019160383
(22)【出願日】2019-09-03
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】514026819
【氏名又は名称】小池 勝利
(73)【特許権者】
【識別番号】596103949
【氏名又は名称】株式会社三愛自動車
(74)【代理人】
【識別番号】100149320
【氏名又は名称】井川 浩文
(74)【代理人】
【識別番号】240000235
【氏名又は名称】弁護士法人柴田・中川法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 勝利
(72)【発明者】
【氏名】小池 六法
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-185463(JP,A)
【文献】特開2005-297852(JP,A)
【文献】特開2005-035525(JP,A)
【文献】特開平10-230741(JP,A)
【文献】実開平06-042358(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/08
E05C 19/02
B60J 7/185
B62D 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台基部およびウイング扉を有するトラックの荷台構造に装着され、前記ウイング扉の端縁から突出する被係止部材と、前記荷台基部において前記被係止部材を係止する係止手段とを備えるウイング扉の係止装置であって、
前記係止手段は、前記荷台基部に装着されるベース部と、上部を自由端としつつ所定の回動範囲内において回動可能な係止片と、この係止片に設けられる回動中心部を支持しつつ該回動中心部を昇降させる昇降部材と、この昇降部材によって前記回動中心部が昇降するとき前記係止片の回動状態を制限する制限手段とを備え、
前記係止片は、回動中心部よりも上方かつ外方に重心を有し、自重による傾倒が可能であり、
前記制限手段は、固定された位置において少なくとも前記係止片の外側に摺接され、前記回動中心との相対的な位置関係により該係止片の角度を制限するものであって、前記回動中心部が上昇するとき、自重によって傾倒する前記係止片の傾斜角度を制限し、前記回動中心部が下降するとき、前記係止片の起立状態に案内するものであり、
前記昇降部材は、上端部近傍が前記ベース部に回動自在に軸支される回動部と、この回動部の他端部と前記係止片の回動中心部との間を連結する連結部と、前記回動部の他端部を前記ベース部から突出する方向へ付勢する付勢部とを備え、前記ウイング扉の被係止部材が、前記回動部の他端部近傍を押圧するとき、前記付勢部の付勢に抗しつつ該回動部を回動させるとともに前記回動中心部を強制的に下降させるものであることを特徴とするウイング扉の係止装置。
【請求項2】
前記係止片は、前記被係止部材に当接する当接領域と、前記制限手段による姿勢の変化に供される作動領域と、前記両者の中間に位置する中間領域とに区分されており、
前記回動中心部は、前記作動領域の表面よりも前記荷台基部側に突出して設けられており、
前記制限手段は、前記ベース部から所定間隔を有して設けられ、前記作動領域の外側に摺接する第1の摺接部と、前記係止片よりも前記ベース部の側に配置され、前記作動領域の先端部から内側の所定範囲に摺接する第2の摺接部とを備える請求項1に記載のウイング扉の係止装置。
【請求項3】
前記第2の摺接部は、前記ベース部の表面が隆起する形状に構成され、前記回動中心部が下降するとき、前記係止片の作動領域の末端部分およびその近傍の摺接を許容するものであり、前記第1の摺接部と前記第2の摺接部との間に該作動領域を侵入させることによって該係止片の起立状態を保持するものである請求項2に記載のウイング扉の係止装置。
【請求項4】
前記係止片の当接領域は、該係止片が起立状態となったとき、前記昇降部材の回動部との間に、前記被係止部材が挿入できる間隙を形成するものである請求項2または3に記載のウイング扉の係止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイング扉の係止装置に関し、特に、手動によることなく係止および開放が可能な係止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラックに搭載する箱型の荷台構造には、後部開閉型、幌型またはウイング扉型など種々の構造が存在するが、ウイング扉型の荷台構造は、屋根部分の左右中央において前後方向に沿った屋根フレームを中心に、その左右に開閉するように構成されたものであった。そして、当該開閉個所は屋根部分の半分と片方の側面部分であり、開放状態が鳥の翼に似た形状となるためウイング型と呼ばれ、当該開閉する部分をウイング扉と呼ばれているのである。
【0003】
そこで、従来のウイング扉は、その開閉のための動力源(油圧等)が用意され、シリンダ操作等によって開閉されていた。しかし、係止機構にあっては、ウイング扉の閉塞後に複数の係止装置を手動により操作していた。そのため、係止装置の操作が未了または不十分である場合には、運送途中においてウイング扉と荷台基部とが離れ、両者に隙間を生じさせることとなるため、荷物落下の可能性があった。また、横転事故が発生した場合には、ウイング扉が容易に開放して荷物が路上に散乱することも考えられ得るものであった。
【0004】
そのため、本願の出願人らは、ウイング扉を自動で係止できる係止装置を開発した(特許文献1参照)。この技術は、荷台基部の設けられる係止手段を構成している係止片が、回動可能かつ昇降可能に設けられるとともに、ウイング扉の端縁に回動可能な被係止部材が装着されたものであった。そして、この被係止部材はウイング扉の表面に対して内側に向かって有角的に傾斜するように付勢されており、当該被係止部材の先端が荷台基部に到達するとき、当該被係止部材が上記付勢に抗して回動し、被係止部材の突出方向がウイング扉の表面に近くなり傾斜角度が小さくなるものであった。このような被係止部材の回動により、ウイング扉の端縁からの突出長が実質的に長くなり、当該被係止部材の先端を係止手段のハウジング内部に大きく侵入することとなるため、係止片の回動を促進させる構成としたものであった。
【0005】
ところが、一般的なウイング扉は、荷台の前後二個所に設けられた逆L字状のウイングフレームによって支持されているため、当該ウイングフレームの近傍においては、当該フレームの傾倒に応じて、このフレームに近い移動軌跡を描く作動態様となるものの、上記ウイングフレームから離れた場所においては、その自重によって撓みが生じ、その撓みの程度によって被係止部材と係止手段との位置関係が変化する(フレーム付近とは異なる)こととなり、安定的な係止状態を確保することが困難な場合もあり得た。
【0006】
そこで、本願の出願人らは、被係止部材が荷台基部に到達しない場合、すなわち、係止手段を構成する係止片に到達した場合であっても、当該係止片が下方に移動することに加えて、突出片を後退できるような構成とする係止装置を開発した(特許文献2参照)。
【0007】
上記の特許文献2に記載の技術は、係止片の案内によって、被係止部材の先端が係止片と荷台基部表面との間隙部分に移動することができることとなり、また、被係止部材の先端が荷台基部の表面に到達したときには、当該被係止部材が回動し、係止手段のハウジング内部に侵入することを可能とするものであった。
【0008】
しかしながら、係止手段を構成する係止片の回動により被係止部材を挟持した状態から、ウイング扉を開放しようとする場合、やはり前述のウイングフレームとの距離等に応じてウイング扉の端縁部の回動軌跡に差違を生じ、ウイング扉の開放動作の際にも複雑な軌道を描くことがあった。そのため、係止片による被係止部材の係止の前後において、被係止部材が係止片との距離を最適な状態に維持できず、場合によっては係止が不十分となり、また、場合によっては係止状態からの解除が難しくなることがあり得た。これは、係止片による被係止部材の係止に必要な動作を得るため、当該係止片の機械的可動領域を制限していることから、可動領域の範囲を逸脱するような外力に対しては、係止片が移動(作動)できないこと(いわゆる噛み込み)によることが原因であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2005-60982号公報
【文献】特開2008-87556号公報
【文献】特開2013-209057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本願の出願人らは、被係止部材を係止する係止片の可動領域を良好にし、ウイング扉の開閉を円滑にし得る係止装置を提供するため、特許文献3に開示される構成の係止装置を開発した。この技術は、係止片が枢軸によって回動可能であり、この枢軸から基端までを短尺部とし、また枢軸から自由端までを長尺部として、短尺部によって被係止部材を挟持させるとともに、長尺部によってウイング扉の被係止装置を押圧して開放させない状態とするものである。
【0011】
ところが、前掲の各特許文献に開示される技術は、いずれも荷台基部に係止手段を設置するほかに、ウイング扉の端縁にも被係止部材を設置する構成であり、標準的なウイング扉型の荷台構造に設置される係止装置を大幅に変更するため、交換すべき装置が複数となるものであった。また、固定側である荷台基部と、可動側であるウイング扉との双方における装置交換を伴うため、相互の設置位置の調整も必要となるものであった。
【0012】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、少なくともウイング扉側の被係止部材については、手動で係止するタイプのものを使用することができ、荷台基部における係止手段を簡易に変更すれば、ウイング扉の係止機構を可能とする係止装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明は、荷台基部およびウイング扉を有するトラックの荷台構造に装着され、前記ウイング扉の端縁から突出する被係止部材と、前記荷台基部において前記被係止部材を係止する係止手段とを備えるウイング扉の係止装置であって、前記係止手段は、前記荷台基部に装着されるベース部と、上部を自由端としつつ所定の回動範囲内において回動可能な係止片と、この係止片に設けられる回動中心部を支持しつつ該回動中心部を昇降させる昇降部材と、この昇降部材によって前記回動中心部が昇降するとき前記係止片の回動状態を制限する制限手段とを備え、前記係止片は、回動中心部よりも上方かつ外方に重心を有し、自重による傾倒が可能であり、前記制限手段は、固定された位置において少なくとも前記係止片の外側に摺接され、前記回動中心との相対的な位置関係により該係止片の角度を制限するものであって、前記回動中心部が上昇するとき、自重によって傾倒する前記係止片の傾斜角度を制限し、前記回動中心部が下降するとき、前記係止片の起立状態に案内するものであり、前記昇降部材は、上端部近傍が前記ベース部に回動自在に軸支される回動部と、この回動部の他端部と前記係止片の回動中心部との間を連結する連結部と、前記回動部の他端部を前記ベース部から突出する方向へ付勢する付勢部とを備え、前記ウイング扉の被係止部材が、前記回動部の他端部近傍を押圧するとき、前記付勢部の付勢に抗しつつ該回動部を回動させるとともに前記回動中心部を強制的に下降させるものであることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、昇降部材を構成する回動部の回動により、この回動部の他端(回動する自由端)の位置が変動することとなるから、この他端の位置の変動に伴って、連結部が全体として昇降することとなる。この連結部の昇降は、結果として係止手段の回動中心部を昇降させることとなり、さらに係止片を全体として昇降させることとなる。
【0015】
また、係止片は、その重心が回動中心部よりも上方かつ外方に設けられて、自重による傾倒が可能であるが、その係止片の外側に制限手段が摺接されることにより、回動中心部との相対的な位置関係から、係止片の角度が制限される。すなわち、制限手段は、固定された位置において係止片の外側に摺接されるものであるため、回動中心部(係止片全体)が上昇すると、係止片の外側のうち制限手段に摺接する位置が下位に移動し、摺接位置よりも上方部分が延長され、傾倒できる範囲を拡大させることとなる。これとは逆に、回動中心部(係止片全体)が下降すると、係止片の外側のうち制限手段に摺接する位置が上位に移動し、摺接位置よりも上方部分が短くなり、傾倒できる範囲が縮小することとなる。
【0016】
ここで、傾倒状態とは、係止片の自由端側がベース部から離れた状態であり、回動中心部を軸として回動する結果、所定の角度を有して傾斜し、被係止部材が回動部に接近できる領域を形成する状態となっていることを意味する。また、起立状態とは、係止片の自由端側がベース部と略平行となるような状態であり、傾倒状態の角度が著しく小さい状態を意味する。なお、係止片の重心の位置について、回動中心部より外方とは、係止片の傾倒・起立を一種の開閉と想定した場合、開放する方向を外向き、閉鎖する方向を内向きとみなして表現したものである。
【0017】
上記構成の発明において、前記係止片は、前記被係止部材に当接する当接領域と、前記制限手段による姿勢の変化に供される作動領域と、前記両者の中間に位置する中間領域とに区分されており、前記回動中心部は、前記作動領域の表面よりも前記荷台基部側に突出して設けられており、前記制限手段は、前記ベース部から所定間隔を有して設けられ、前記作動領域の外側に摺接する第1の摺接部と、前記係止片よりも前記ベース部の側に配置され、前記作動領域の先端部から内側の所定範囲に摺接する第2の摺接部とを備える構成とすることができる。
【0018】
上記構成によれば、係止片は、その一部を形成する作動領域が制限手段に摺接されることにより、傾倒状態から起立状態に至る範囲で変化されることとなる。このとき、制限手段は、第1の摺接部と第2の摺接部により、係止片(作動領域)の外側と、内側(先端部を含む)との両側から摺接されることとなり、係止片の状態を所望の状態に保持させることができる。
【0019】
そして、この場合、前記第2の摺接部は、前記ベース部の表面が隆起する形状に構成され、前記回動中心部が下降するとき、前記係止片の作動領域の末端部分およびその近傍の摺接を許容するものであり、前記第1の摺接部と前記第2の摺接部との間に該作動領域を侵入させることによって該係止片の起立状態を保持するものとすることができる。
【0020】
このような構成の場合には、第2の摺接部が、ベース部の表面から隆起した形状となっているため、第1の摺接部との間隔を縮小させることができ、その狭い間隔に作動領域を挿入することにより、起立させた状態の係止片の姿勢を安定化させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ウイング扉側に設けられている被係止部材については、好適な形状・大きさのものに変更してもよいが、手動で係止するタイプの被係止部材を変更することなく、そのまま使用しつつ当該被係止部材を挟持させることができる。これにより、荷台基部における係止手段を変更することにより、容易にウイング扉の係止機構を形成することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ウイング扉を有するトラックの荷台構造を示す説明図である。
【
図2】ウイング扉の係止装置の実施形態における係止手段を示す説明図である。
【
図3】
図2の係止手段を部分的に分解した状態を示す説明図である。
【
図4】(a)は係止片が起立状態となった係止手段の斜視図であり、(b)はIVB-IVB断面図である。
【
図5】ウイング扉における被係止部材の移動軌跡を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は、荷台基部およびウイング扉により構成されるトラックの荷台構造に装着される係止装置であるため、まずは、当該トラックの荷台構造について概略説明する。
図1にトラックの荷台構造の概略を示している。この図に示されているように、この種のトラックTRの荷台部分1は、前後の壁面部11,12に対し、側面部分は、荷台基部13,14と、ウイング扉15,16の一部で構成されるものである。このウイング扉15,16は、断面L字状とするものであり、側面部分の一部を構成するとともに、屋根部分を同時に構成するものである。
【0024】
ウイング扉15,16の開閉は、前後の壁面部11,12の上部中央に懸架される屋根フレーム17を中心に回動することによるものであり、この前後の壁面部11,12に内蔵されるシリンダ18,19によって駆動されるものである。また、シリンダ18,19は、ウイング扉15,16の屋根構成部分に対して作用するため、ウイング扉15,16の側面構成部分は、当該屋根構成部分によって吊下されるように支持された状態となるものである。このように、屋根構成部分と側面造成部分とが一体化し、同時に開放するとき、当該扉が翼(ウイング)のような形状を呈することから、この種の扉をウイング扉と称する。
【0025】
上記構成において、ウイング扉15,16を閉塞するとき、荷台基部の端縁とウイング扉の端縁とが連続することにより、一体的な側面部が形成されることから、両者を係止することが必要となる。そこで、ウイング扉15,16の端縁には、複数の被係止部材2が適宜間隔に設けられ、荷台基部13,14の端縁近傍には、この被係止部材2を個別に係止するための係止手段3が複数設けられるものである。
<実施形態>
【0026】
そこで、本発明の係止装置の実施形態について、係止手段3の構造を中心に説明する。
図2~
図4は、係止手段3の全体を示す図である。なお、
図2は全体の構成を示し、
図3は部分的に分解した図であり、
図4は、係止片を回動させた(起立させた)状態を示した図である。
【0027】
まず、
図2および
図3に示されているように、本実施形態の係止手段3は、荷台基部13,14(
図1)に設置するためのベースを形成するベース部4が設けられ、このベース部4に支持される昇降部材5と、係止片6とを備えるものである。係止片6には、回動中心部7が設けられ、この回動中心部7を中心に回動自在に構成されている。また、昇降部材5は、回動部51、連結部52および付勢部53を備えており、回動部51の回動によって回動中心部7を昇降させるため、この回動部51の自由端(他端)51bと回動中心部7との間を連結部52によって連結している。なお、ベース部4は、開放領域41,42と、収容領域43とに区分されており、開放領域41,42を上下方向に配置しつつ、荷台基部13,14(
図1)に設置することにより、その中間に収容領域43が配置されるものである。この収容領域43は、係止片6の基端側が収容できるような空間が形成されているものである。
【0028】
ベース部4は、荷台基部13,14(
図1)に装着するための底部壁面44を備えており、開放領域41,42においては、側部壁面45,46とともに断面略コ字状を形成し、収容領域43においては、さらに外部壁面47を有する中空の筒状を形成するものである。この収容領域43を形成するための外部壁面47の上端縁47aは、後述するように、係止片6の外側が摺接する部分となるため、第1の摺接部として機能するものである。このように、ベース部4には、底部壁面44が設けられていることから、この底部壁面44に装着孔(長孔)48,49を設けることにより、荷台基部13,14(
図1)への装着を可能にしている。すなわち、ベース部4の開放側から、装着孔(長孔)48,49に対し、平皿ネジなどを挿通させることができ、挿通位置を調整しつつ荷台基部13,14(
図1)の固定用ネジ溝に皿ネジ等を締着させることによって、固定的に装着させることができるものである。また、連結部52の本体部分にも同様の長孔52cを設けることにより、係止手段3(特に昇降部材5)を分解することなく、皿ネジ等を使用することができることとなる。
【0029】
昇降部材5は、回動部51および連結部52を備え、これらがリンクして作動する構成になっている。回動部51は、上部51aがベース部4に支持(側部壁面45,46において枢軸54によって軸支)され、回動自在となっており、下部51bは自由端となっている。連結部52は、上部52aが、回動部51の下部51bとの間で回動自在な状態に連結されるとともに、下部52bが係止片6の回動中心部7に回動自在に連結(枢軸55によって軸支)されている。そして、回動部51が回動することにより、連結部52を揺動させ、結果的に、係止片6の回動中心部7を昇降させることができるものである。
【0030】
この回動部51は、適度な面積の平面によって構成される本体部51cが、ベース部4の底部壁面44に平行な状態(開放領域41の開口を塞ぐ状態)から、当該底部壁面44に対して有角状となって下部51bを突出させた状態(連結部52とともに山形を形成する状態)までの範囲で回動するものである。ベース部4の底部壁面44と下部51b(下端近傍)との間には、圧縮バネ部材(付勢部)53が配置されており、下部51bがベース部4から突出するように回動部51の回動方向を付勢させるものとなっている。従って、昇降部材5(特に回動部51)に外力が作用しない状態においては、回動部51に対する付勢部53の付勢により、その下部51bが突出した状態となり、この状態から係止片6によって押圧されることによって、付勢部53の付勢に抗して回動部51が回動することとなる。
【0031】
なお、回動部51の上部51aには、回動中心よりもさらに上方に突出する先端部分51dが形成されている。これは、回動部51が、付勢部53の付勢によって下部51bを突出させるように回動するとき、その回動位置を安定させる(一定にする)ためのものであって、ベース部4の底部壁面44に当接することで回動を制限するストッパとして機能させるものである。すなわち、付勢部53の付勢に基づく回動は、当該先端部分(ストッパ)51dがベース部4の底部壁面44に当接する範囲内で許容されるものである。
【0032】
このように、昇降部材5は、二つの部材(回動部51および連結部52)によって形成される山形の頂点の角度を変化させることによって、回動部51の上部51aから連結部52の下部52bまでの距離が長短変化することとなり、結果として、連結部52の下部52bすなわち係止片6の回動中心部7を昇降させるものとなっている。
【0033】
係止片6は、長尺な板状部材で構成され、回動中心部7を軸として回動することにより、長手方向をベース部4の底部壁面44に対して斜状となる状態(傾倒状態)から、当該底部壁面44に略平行な状態(立設状態)の範囲で角度を変化させることができるものである。ここで、係止片6の角度の変化は、傾倒状態と立設状態との間で状態変化を示すこととなるが、この状態変化は開閉動作に類似している。そのため、以下において、係止片6の状態変化を開閉動作とみなし、開側を外側といい、閉側を内側と称することとする。なお、この係止片6は、回動中心部7から離れた自由端近傍が被係止部材2に当接する領域であるため、この領域を当接領域61とし、回動中心部7の近傍は、開閉動作の作動状態に影響を与える領域であるため、作動領域62としている。両者61,62の中間に位置する領域は中間領域63であり、当接領域61と作動領域62と間で相互に異なる幅や角度を調整するための領域として設けられている。中間領域63において、延出角度が調整されることにより、当接領域61が被係止部材2に当接する状態を好適とし、また係止片6の全体の重心位置を外側に位置させることができる。この係止片6は一体的に構成されていることから、各領域61~63は分離されるものではなく、各領域61~63の機能に基づく説明の都合上区分したものである。そのため、明確な状態で各領域61~63が区分されていることは重要ではない。
【0034】
上述の当接領域61は、被係止部材2(
図1)を係止する際に、その表面に当接する部分であり、適宜な面積を有する当接面を有するように構成されている。当接面は、係止片6の内側に設けられるものであり、外側は平坦に構成する必要はなく、強度確保のためにリブを構成してもよく、または部分的に厚肉構造としてもよい。作動領域62は、係止片6の状態変化を作動させるため供される領域であって、作動領域62には、回動中心部7を構成するための(連結部52に連結するための)回動中心構成部64,65が形成されている。この回動中心構成部64,65は、作動領域62の表面から突出して(または作動領域62の一部において)構成されていれば、係止片6の作動に供することができるものであり、本実施形態では、作動領域62の内側表面から突出する状態で構成されている。この回動中心構成部64,65は、連結部52との連結のための枢軸55の挿入を許容するものであって、この枢軸55によって回動中心部7を構成する。また、作動領域62の外側は、ベース部4の収容領域43を構成する外部壁面47の上端縁47aに摺接されることとなる。なお、回動中心構成部64,65が作動領域62の内側に配置されることにより、係止片6の重心は、回動中心部7よりも外側となり、係止片6が回動中心部7のみによって支持される状態の場合、その自重により、当該係止片6は傾倒方向(開閉動作の場合は開放する方向)に強制されることとなる。中間領域63は、当接領域61を作動領域62よりも外側に配置するように角度調整する構成とする場合、上記のような係止片6の重心は一層外側に配置されることとなり、係止片6の傾倒方向への強制力を増大させることができる。
【0035】
係止片6の作動領域62の外側を上記外部壁面47(特に上端縁47a)に摺接可能な状態としつつ、当該作動領域62を上記収容領域43の内部または上方付近に収容させることにより、当該収容領域43が制限手段として機能することとなる。すなわち、係止片6(作動領域62)は、回動中心部7が連結部52の下部において連結され、連結部52の状態に応じて回動中心部7が昇降する。この回動中心部7の昇降により、固定的な収容領域43(外部壁面47の上端縁)に対する相対的な位置関係は変化する。また、係止片6が傾倒方向に強制されることから、回動中心部7よりも上方に位置する係止片6(作動領域62)の外側は、外部壁面47に当接する状態に傾倒する(立設状態であっても僅かに傾倒する)こととなる。なお、係止片6(作動領域62)の肉厚に応じて、回動中心部7から外部壁面47の上端縁47aに摺接する部分までの距離も異なることから、係止片6の状態は、当該肉厚も含めた状態における相対的な位置関係によって決せられることとなる。
【0036】
このように、ベース部4の収容領域43を構成する外部壁面47の上端縁47aに対する回動中心部7の相対的な位置が比較的下位である場合には、係止片6は立設状態(または立設に似た状態)となり、この相対的な位置が上昇することに伴って、係止片6は傾倒状態へ徐々に変化することとなるのである。このような係止片6の状態変化に際して、係止片6(作動領域62)の外側が、ベース部4の収容領域43における外部壁面47(特に上端縁47a)に摺接することとなるため、当該外側壁面47(特に上端縁47a)が摺接部(第1の摺接部)として機能することとなる。
【0037】
なお、本実施形態の係止装置は、係止手段3が被係止部材2(
図1)を係止するための装置であるが、具体的には、係止片6が昇降部材5(特に回動部51)との間で当該被係止部材2を挟持することによって、その係止状態を維持することとなる。そして、係止状態(挟持状態)を維持させるためには、係止片6の立設状態が安定していることが要求され得る。そこで、本実施形態にあっては、係止片6の下端(作動領域62の末端)67およびその近傍の状態を規制することとしている。
【0038】
図4に係止片6の立設状態を示している。なお、
図4の(a)は、斜視図であり、(b)はIVB-IVB線による断面図である。ただし、図の明確にためにハッチングを省略している。この図に示されているように、係止片6の作動領域62は、回動中心部7よりも末端67の側に大きく延出させた形状で構成されており、また、ベース部4の底部壁面44には、表面を隆起させた形状の摺接部(第2の摺接部)8を構成させている。
【0039】
この摺接部8の隆起形状は、最も隆起させた頂上部分81と、その頂上部分81に至るまでの傾斜部分82とを有しており、係止片6が傾倒状態から起立状態に変化する過程において、係止片6の下端(作動領域62の末端)67およびその近傍が摺接され得る構成となっている。従って、係止片6の状態変化の過程における姿勢を好適な状態に制御(案内)する機能を発揮させている。
【0040】
また、摺接部8の頂上部分81は、同じ隆起状態による領域が適度な長さで構成されており、この領域は、ベース部4の収容領域43を構成する外部壁面47の内側表面と頂上部分81とが狭い間隔を維持しつつ平行な状態となっている。従って、係止片6が十分に立設した状態において、昇降部材5が回動中心部7を下降させる場合、係止片6の下端(作動領域62の末端)67は、この平行な領域に侵入し、係止片6の自由な傾倒を制限することとなる。すなわち、被係止部材2(
図2)が荷台基部13,14(
図1)から離れる(係止装置から離脱する)ように作用しても、係止片6が自在に傾倒できないことで係止状態が維持されるのである。なお、この摺接部8は、必ずしも図示のような隆起形状とする必要はなく、係止片6が起立状態において下端67が保持される頂上部分81が設けられていればよく、この頂上部分81はベース部4の底部壁面44によって構成してもよい。つまり、係止片6の状態変化の途中においては格別に下端67の位置が案内されなくても、作動領域62が収容領域43の内部を移動する範囲で係止片6は徐々に状態を変化させることができるものである。
<第1の実施形態の作動態様>
【0041】
次に、本実施形態の作動態様について説明する。まず、被係止部材2を係止する場合について説明する。
図5は、係止手段3に対して被係止部材2が接近する際の軌跡を示す図である。
図5(a)に示すように、被係止部材2は、ウイング扉の端縁(側面構成部分の端縁)に設けられていることから(
図1参照)、屋根構成部分に吊下される状態の側面構成部分は、閉塞される直前において、既に自重により十分に撓んでおり、その端縁はほぼ横向きに移動することとなる。上記のような被係止部材2の軌道により、通常状態において、被係止部材2は、その下端を係止手段3の昇降部材5の突出部分(回動部51の下部51b)よりも下位に到達する状態でほぼ横向きに(僅かに曲線的に)接近することとなるのである。
【0042】
上記のような通常状態に対し、荷台に積載される荷物の重量バランスによってウイング扉が多少変形する場合や、ウイング扉が比較的小型である場合などの種々の要因が作用する場合には軌道が異なる。例えば、
図6(b)に示すように、被係止部材2の横向き(僅かな曲線)軌道の傾斜が急勾配となる(または曲線の曲率が小さくなる)ことがあり得る。このような場合であっても、被係止部材2の下端は、最終的には係止手段3と係止できる位置まで移動することから、軌道の終点においては、昇降部材5の突出部分(回動部51の下部51b)近傍に到達し得るものである。
【0043】
そこで、被係止部材2と係止手段3との関係とともに、被係止部材2を係止する場合の作動態様について
図6および
図7に基づいて説明する。被係止部材2を係止するためには、前述のウイング扉を閉鎖させる方向へ駆動(シリンダを操作)することにより、係止手段3に接近させるものである。このウイング扉の駆動により、被係止部材2は、係止手段3の昇降部材5に向かって移動することとなる。そこで、まず、
図6(a)に示すように、被係止部材2が昇降部材5に到達するよりも前の状態は、当該昇降部材5は、回動部51の下部51bをベース部4から大きく突出させた状態となっている。これは、付勢部53の付勢力によって回動部51が押し出されるからである。なお、このときの係止片6は、自重により傾倒方向へ回動しており、その自由端(先端)66は被係止部材2の移動に支障がない位置まで下降した状態となっている。
【0044】
被係止部材2がさらに移動することにより、
図6(b)に示すように、被係止部材2が昇降部材5に到達することができ、回動部51と連結部52の境界部分(山形の頂点)を押圧することとなる。この被係止部材2による昇降部材5の押圧は、具体的には、回動部51の下部51bを押圧するものであり、その結果として回動部51がベース部4に向かって回動し、連結部52は全体として下降することとなる。このような連結部52の下降により、回動中心部7も下降することとなり、係止片6を徐々に起立させる方向へ誘導することとなる。また、ウイング扉の状態が異なることにより、被係止部材2の横向き軌道が急激に傾斜する場合であっても、被係止部材2の下端が回動部51の本体部51cに当接する状態であれば、前記と同様に昇降部材5を押圧することとなる。
【0045】
なお、係止片6の下端67は、第2の摺接部8の一部を構成する非隆起部83の表面に摺接している。この非隆起部83は、係止片6の下端67の摺動を傾斜部分82へ誘導するために設けられたものである。本実施形態ではベース部4の底部壁面44に固着したものを例示しているが、係止片6の下端67が底部壁面44の表面から傾斜部分82へ円滑に移動できる場合は、当該底部壁面44の表面に当接させるような構成(非隆起部83を設けない構成)としてもよい。
【0046】
上記において、被係止部材2がさらに移動することにより、
図6(c)に示すように、さらに昇降部材5は被係止部材2による押圧を受け、回動中心部7を一層下方へ移動させることとなる。これにより、係止片6の全体的な姿勢も起立状態へ誘導されることとなる。
【0047】
また、さらに被係止部材2が昇降部材5を押圧することにより、
図7(a)および(b)に示すように、係止片6は、徐々に起立状態となるように角度を変化させることとなる。このとき、係止片6の作動領域62は、外側に位置する部分がベース部の外部壁面47(特に上端縁47a)に摺接し、末端67の近傍が第2の摺接部8の隆起部分(頂上部分81または傾斜部分82)に摺接し、両者の摺接状態と回動中心部7の位置との関係により傾倒状態が決定されることとなる。これにより、係止片6の先端66は被係止部材2に接近することとなり、係止可能な状態に近づけることができる。
【0048】
上記の状態からさらに、被係止部材2が昇降部材5を押圧することにより、
図7(c)に示すように、回動部51はベース部4とほぼ平行な状態まで回動し、連結部52は最大限まで下降することにより、係止片6の回動中心部7も最大限に下降する。このとき、係止片6は全体として起立状態となり、その先端(作動領域62の末端)の近傍は、第2の摺接部8の頂上部分81と収容領域43の外部壁面47との間に侵入し、係止片6の起立状態が維持される。係止片6の先端(作動領域62の末端)の侵入は、回動中心部7の下降に伴い、外部壁面47と摺接部8の頂上部分81によって案内されることとなる。このように係止片6が起立した状態においては、仮に被係止部材2が昇降部材5から離れる方向に作用しても係止片6の下端(作動領域62の末端)が上記の間隙に挟まれて、係止片6は傾倒できず、結果として係止状態が維持されることとなる。
【0049】
なお、係止片6が起立状態となっているとき(
図7(c)の状態のとき)、被係止部材2は昇降部材5と係止片6とで挟持される状態となるのであるが、少なくとも被係止部材2は、両者5,6に密着した状態ではなく、適度なクリアランスを形成した状態となっている。これは、これらの密着状態によって係止させようとする場合、装置全体の動作に高精度が要求されるためである。従って、各部材2,5,6は厳密には当接(密着)してはいないが、緩やかに挟持され、全体としては緩やかに係止された状態となるものである。この状態においても係止片6が傾倒しなければ、係止状態は維持され得るものとなる。
【0050】
次に、係止片6による被係止部材2の係止を解除する場合の作動態様を説明する。
図8および
図9は、係止片6による被係止部材2の係止解除の状態とともに、係止片6の傾倒の状態を示す図である。被係止部材2の係止を解除する場合は、前述のウイング扉を開放させるように駆動するのである。このウイング扉の開放方向への駆動により、被係止部材2は、昇降部材5から離脱する方向へ移動し、実質的には係止状態とは逆の態様となる。すなわち、被係止部材2は、昇降部材5に対する押圧を徐々に解除させ、これに応じて係止片6を傾倒させることとなる。
【0051】
このとき、ウイング扉の開放時における被係止部材2の軌跡は、閉鎖時とは異なり、上方へ移動した後、徐々に昇降部材5から離脱する方向へ移動することとなる。これは、ウイング扉が自重により撓むことによるものであり、開放のために駆動力が作用すると、当初は、ウイング扉の屋根構成部分が側面構成部分を持ち上げる(吊下させる)状態となる結果、末端に配置される被係止部材2は当初は上向きに移動するのである。
【0052】
そこで、
図8(a)~(c)に示すように、被係止部材2が適度に上方へ移動すると、昇降部材5の回動部51が回動できる間隙が形成され、その間隙の程度に応じて、回動部51は徐々に回動し、それに伴って連結部52が上昇し、回動中心部7を解して係止片6を全体的に上昇させることができる。そして、この上昇により、係止片6の下端(作動領域62の末端)67が、外部壁面47と摺接部8の頂上部分81との間から脱することにより、係止片6は、自重により傾倒することが可能となる。この傾倒の程度は、回動中心部7の位置によって必然的に決定されることは閉鎖時と同様である。
【0053】
被係止部材2は、その後、
図8(c)に示すように、昇降部材5から離脱する方向へ徐々に移動することから、その移動の程度に応じて、回動部51が回動し、連結部52が上昇し、回動中心部7が上昇することとなり、徐々に係止片6の傾倒の状態が大きくなるのである。
【0054】
さらに、
図9(a)および(b)に示すように、被係止部材2の移動が進行し、回動部51が大きく回動することにより、係止片6は自重によって傾倒を促進させることとなる。なお、このときの被係止部材2の先端は、係止される場合とはことなり、回動部51の下部51bに当接するのではなく、本体部51cに当接する状態となっている。これは、上述のように、開放作動の開始当初において、被係止部材2が上昇したためであるが、このことは係止片6の傾倒に支障を与えるものではない。重要な点は被係止部材2が移動することにより回動部51が回動できる状態となることである。なお、昇降部材5から完全に離脱することにより、係止片6は、当初の状態まで開放することができることとなるのである(
図9(c))。
【0055】
本実施形態の作動態様は上記のとおりであるから、係止片6による被係止部材2の係止の操作および解除の操作は、いずれもウイング扉の閉鎖および開放の操作によって行うことができる。
【0056】
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、上記実施形態は本発明の一例を示すものであって、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。従って、実施形態において例示した構成要素を変更し、または他の部材を追加することは可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態のベース部4は、開放領域41,42と収容領域43に区別し、開放領域41,42は、底部壁面44および側部壁面45,46によって断面コ字状とし、収容領域43は、さらに外部壁面47を設けて四辺形の筒状としたが、この形状は適宜変更可能である。
【0058】
また、回動部51に対する回動方向の付勢のための付勢部(圧縮バネ部材)53としては、図中においてコイルバネを記載したが、この圧縮バネ部材は、コイルバネでなくてもよく、例えば、板バネであってもよい。さらには、回動部51を軸支する枢軸54にトーションバネを設ける構成でもよい。また、これらのバネによる付勢は、適度な反発力を有するものとし、その結果、図示したような小径のコイルバネでなく、大径のものや円錐コイルバネなどを適宜選択すればよい。
【0059】
それぞれの部材を回動自在に軸支する各軸(枢軸54,55など)は、図中において単純に挿入した状態として描いているが、この両端は抜け落ち防止のピンなどが設けられることは説明するまでもないことであり、上記実施形態では省略している。
【符号の説明】
【0060】
1 荷台部分
2 被係止部材
3 係止手段
4 ベース部
5 昇降部材
6 係止片
7 回動中心部
8 摺接部(第2の摺接部)
11,12 前後の壁面部
13,14 荷台基部
15,16 ウイング扉
17 屋根フレーム
18,19 シリンダ
41,42 開放領域
43 収容領域
44 底部壁面
45,46 側部壁面
47 外部壁面(第1の摺接部)
47a 外部壁面の上端縁(第1の摺接部)
48,49 装着孔
51 回動部
51a 回動部の上部
51b 回動部の下部
51c 回動部の本体部
51d 回動部の先端部分(ストッパ)
52 連結部
52a 連結部の上部
52b 連結部の下部
53 付勢部(圧縮バネ部材)
54,55 枢軸
61 係止片の当接領域
62 係止片の作動領域
63 係止片の中間領域
64,65 回動中心構成部
66 係止片の先端(自由端)
67 係止片の下端(作動領域の末端)
81 頂上部分
82 傾斜部分
TR トラック