(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】株価予測装置、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20230501BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230501BHJP
【FI】
G06Q40/04
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2020082760
(22)【出願日】2020-05-08
【審査請求日】2022-07-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512215956
【氏名又は名称】パラディ有限会社
(73)【特許権者】
【識別番号】310012029
【氏名又は名称】株式会社エム・データ
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】梅田 仁
(72)【発明者】
【氏名】薄井 司
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-044701(JP,A)
【文献】特開2017-117023(JP,A)
【文献】特開2005-141354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
株価を予測する対象となる予測対象の露出データに基づいて前記予測対象の株価を予測するための株価予測装置であって、
所定の演算期間において前記露出データを演算する露出データ演算部を有
し、
前記露出データは、放送により露出した回数のデータや露出した時間のデータとし、
前記露出データ演算部は、前記所定の演算期間における前記露出データの平均値を演算し、
前記所定の演算期間は、前記演算期間の単位となる単位演算期間を含むとともに、前記露出データ演算部は、前記所定の演算期間において前記単位演算期間に対応する単位露出データを積算した積算値を演算することにより前記演算期間に対応する前記露出データを演算し、
前記露出データ演算部は、前記単位露出データを積算した積算値を前記演算期間における前記単位演算期間の数で除して平均化処理することにより前記演算期間における前記単位演算期間に対応する前記露出データを演算し、
前記単位露出データを演算する単位露出データ演算部を有し、
前記単位露出データ演算部は、当該単位演算期間における所定の単位露出データに1に所定数を加えて得た第1の係数を乗じて得た値と当該単位演算期間の直前の単位演算期間における単位露出データに前記単位演算期間の数から所定数を減じて得た第2の係数を乗じて得た値と、を足し合わせて、更に、前記足し合わせた値を前記単位演算期間の数に所定数を足し合わせて得た値で除して平均化処理することにより当該単位演算期間における単位露出データを演算し、
前記演算期間は、相対的に期間の短い第1の演算期間と相対的に期間の長い第2の演算期間を有し、
前記露出データは、前記第1の演算期間における露出データである第1の演算期間露出データを含むとともに、前記第2の演算期間における露出データである第2の演算期間露出データを含み、
前記露出データ演算部は、前記第1の演算期間露出データと前記第2の演算期間露出データの前記単位演算期間に対応する差分データを演算する露出データ差分演算部を有し、
前記露出データは、第1の露出データとするとともに、前記露出データ演算部は、前記第1の露出データを演算する第1の露出データ演算部とし、
前記露出データは、第2の露出データを含むとともに、所定の演算期間において前記第2の露出データを演算する第2の露出データ演算部を有し、
前記第2の露出データを演算する所定の演算期間は、前記第1の演算期間と同一の演算期間とするとともに、前記第2の露出データは、前記第1の演算期間と同一の演算期間における露出データとし、
前記露出データ差分演算部により演算された差分データと前記第2の露出データ演算部により演算された第2の露出データの大小関係を比較する比較部を有し、
前記差分データの増減を演算する増減演算部を有し、
前記比較部による比較結果により前記差分データと前記第2の露出データの大小関係が逆転し、前記差分データが第2の露出データよりも大きく、かつ、前記増減演算部の演算結果により前記差分データが増加傾向にあると判断される場合は、買いタイミングを示す情報を表示し、
前記買いタイミングに転じた後、前記差分データおよび前記第2の露出データがともに負の値から正の値に転じた場合は、更に買いタイミングを示す情報を表示し、
前記比較部による比較結果により前記差分データと前記第2の露出データの大小関係が逆転し、前記差分データが前記第2の露出データよりも小さく、かつ、前記増減演算部の演算結果により前記差分データが減少傾向にあると判断される場合は、売りタイミングを示す情報を表示し、
前記売りタイミングに転じた後、前記差分データおよび前記第2の露出データがともに正の値から負の値に転じた場合は、更に売りタイミングを示す情報を表示する表示部を有することを特徴とする株価予測装置。
【請求項2】
株価を予測する対象となる予測対象の露出データに基づいて前記予測対象の株価を予測するための株価予測装置のコンピュータを、
所定の演算期間において前記露出データを演算する露出データ演算部として機能させ、
前記露出データは、放送により露出したデータとし、
前記露出したデータは、前記露出した回数のデータや前記露出した時間のデータとし、
前記露出データ演算部を、前記所定の演算期間における前記露出データの平均値を演算するように機能させ、
前記所定の演算期間は、前記演算期間の単位となる単位演算期間を含むとともに、前記露出データ演算部を、前記所定の演算期間において前記単位演算期間に対応する単位露出データを積算した積算値を演算することにより前記演算期間に対応する前記露出データを演算するように機能させ、
前記露出データ演算部を、前記単位露出データを積算した積算値を前記演算期間における前記単位演算期間の数で除して平均化処理することにより前記演算期間における前記単位演算期間に対応する前記露出データを演算するように機能させ、
前記単位露出データを演算する単位露出データ演算部として機能させ、
前記単位露出データ演算部を、当該単位演算期間における所定の単位露出データに1に所定数を加えて得た第1の係数を乗じて得た値と当該単位演算期間の直前の単位演算期間における単位露出データに前記単位演算期間の数から所定数を減じて得た第2の係数を乗じて得た値と、を足し合わせて、更に、前記足し合わせた値を前記単位演算期間の数に所定数を足し合わせて得た値で除して平均化処理することにより当該単位演算期間における単位露出データを演算するように機能させ、
前記演算期間は、相対的に期間の短い第1の演算期間と相対的に期間の長い第2の演算期間を有し、
前記露出データは、前記第1の演算期間における露出データである第1の演算期間露出データを含むとともに、前記第2の演算期間における露出データである第2の演算期間露出データを含み、
前記露出データ演算部を、前記第1の演算期間露出データと前記第2の演算期間露出データの前記単位演算期間に対応する差分データを演算する露出データ差分演算部を有するように機能させ、
前記露出データは、第1の露出データとするとともに、前記露出データ演算部を、前記第1の露出データを演算する第1の露出データ演算部として機能させ、
前記露出データは、第2の露出データを含むとともに、所定の演算期間において前記第2の露出データを演算する第2の露出データ演算部として機能させ、
前記第2の露出データを演算する所定の演算期間は、前記第1の演算期間と同一の演算期間とするとともに、前記第2の露出データは、前記第1の演算期間と同一の演算期間における露出データとし、前記第2の露出データ演算部を、前記第2の露出データを演算するように機能させ、
前記露出データ差分演算部により演算された差分データと前記第2の露出データ演算部により演算された第2の露出データの大小関係を比較する比較部として機能させ、
前記差分データの増減を演算する増減演算部として機能させ、
前記比較部による比較結果により前記差分データと前記第2の露出データの大小関係が逆転し、前記差分データが第2の露出データよりも大きく、かつ、前記増減演算部の演算結果により前記差分データが増加傾向にあると判断される場合は、買いタイミングを示す情報を表示し、
前記買いタイミングに転じた後、前記差分データおよび前記第2の露出データがともに負の値から正の値に転じた場合は、更に買いタイミングを示す情報を表示し、
前記比較部による比較結果により前記差分データと前記第2の露出データの大小関係が逆転し、前記差分データが前記第2の露出データよりも小さく、かつ、前記増減演算部の演算結果により前記差分データが減少傾向にあると判断される場合は、売りタイミングを示す情報を表示し、
前記売りタイミングに転じた後、前記差分データおよび前記第2の露出データがともに正の値から負の値に転じた場合は、更に売りタイミングを示す情報を表示する表示部として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、株価予測装置、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、特に、株価を予測する対象となる予測対象の露出データに基づいて予測対象の株価を予測する株価予測装置、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から株価を予測する株価予測装置が知られている。例えば、特許文献1においては、株価予測サーバ3に、期日の翌日以降の予測株価終値を設定するための予測プログラム27を格納し、予測プログラム27の実行により、期日を基準として制度信用取引決済期限だけさかのぼった約定日から期日までの各日付の制度信用取引残高数を用いて、期日の翌日以降の各予測対象日付の予測信用取引残高数を算出し、算出した各予測対象日の予測信用取引残高数と対応する制度信用取引残高数の日付の実績株価終値に基づき、予測対象日付の予測株価終値を算出する株価予測装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の株価予測装置においては、実績株価終値に基づいて予測株価終値を算出することとしており、過去の株価データに基づいた株価の予測となっている。
【0005】
しかしながら、実際の株価は過去の株価データに基づいて定まるものではなく、市場原理から見れば、単に買い手が多ければ株価は上がり、売り手が多ければ株価は下がるというものに過ぎないと考えられる。
【0006】
すなわち、過去の株価データから予測するよりも買い手が多くなるか否かの観点つまりその銘柄が人気が出るか否かの観点から予測した方が市場原理にも合致し予測精度が上がるものと考えられる。本発明者らは、その銘柄が人気が出るか否かの判断は、例えば有線テレビジョン放送の放送データ等の露出データを把握することにより可能となると考えた。
【0007】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、露出データを演算することができる株価予測装置、プログラム、およびコンピュータが読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る株価予測装置は、株価を予測する対象となる予測対象の露出データに基づいて前記予測対象の株価を予測するための株価予測装置であって、前記露出データを演算する露出データ演算部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、株価予測装置において、前記露出データを演算する露出データ演算部を有することとしたので、所定の演算期間において露出データを演算することができ、引いてはその銘柄が人気が出るか否かの観点から株価を予測することが可能となる。
【0010】
前記露出データは、放送により露出したデータとすることができ、前記放送により露出したデータは、テレビジョン放送により露出したデータおよび/またはラジオ放送により露出したデータとすることができ、前記テレビジョン放送により露出したデータは、有線テレビジョン放送により露出したデータとすることができる。
【0011】
更に、前記放送データは、前記テレビジョン放送および/または前記ラジオ放送により露出したデータのみとすることができる。すなわち、前記露出データは、放送により露出したデータとすることにより、株価の予測を精度よく行うことが可能となる。
【0012】
前記露出データ演算部は、前記所定の演算期間における前記露出データの平均値を演算することができる。
【0013】
前記所定の演算期間は、前記演算期間の単位となる単位演算期間を含むとともに、前記露出データ演算部は、前記所定の演算期間において前記単位演算期間に対応する単位露出データを積算した積算値を演算することにより前記演算期間に対応する前記露出データを演算することができる。
【0014】
前記露出データ演算部は、前記単位露出データを積算した積算値を前記演算期間における前記単位演算期間の数で除して平均化処理することにより前記演算期間における前記単位演算期間に対応する前記露出データを演算することができる。
【0015】
前記単位露出データを演算する単位露出データ演算部を有し、前記単位露出データ演算部は、例えば、当該単位演算期間における所定の単位露出データと当該単位演算期間の直前の単位露出データとに基づいて平均化処理することにより当該単位演算期間における単位露出データを演算することができる。
【0016】
当該単位演算期間における所定の単位露出データは、当該単位演算期間における所定の積算された露出データとすることができる。
【0017】
当該単位演算期間の直前の単位演算期間における単位露出データは、前記単位露出データ演算部により演算された単位露出データとすることができる。
【0018】
前記平均化処理は、当該単位演算期間における所定の単位露出データに重み付けをして行うこととすれば、直近の露出データを株価の予測に反映することができる。
【0019】
前記演算期間は、第1の演算期間と第2の演算期間を有し、前記露出データは、前記第1の演算期間における露出データである第1の演算期間露出データを含むとともに、前記第2の演算期間における露出データである第2の演算期間露出データを含み、前記露出データ演算部は、前記第1の演算期間露出データと前記第2の演算期間露出データの前記単位演算期間に対応する差分データを演算する露出データ差分演算部を有することができる。
【0020】
前記露出データは、第1の露出データとするとともに、前記露出データ演算部は、前記第1の露出データを演算する第1の露出データ演算部とすることができる。
【0021】
前記露出データは、第2の露出データを含むとともに、所定の演算期間において前記第2の露出データを演算する第2の露出データ演算部を有することができる。
【0022】
前記所定の演算期間は、第3の演算期間とするとともに、前記第2の露出データは、前記第3の演算期間における露出データとし、前記第2の露出データ演算部は、前記第2の露出データを演算することができる。
【0023】
前記第2の露出データ演算部は、前記露出データ差分演算部により演算された前記単位演算期間に対応する差分データの前記第3の演算期間における平均値を演算することにより前記第2の露出データを演算することができる。
【0024】
前記第2の露出データ演算部は、前記露出データ差分演算部により演算された前記単位演算期間に対応する差分データを前記第3の演算期間において積算した積算値を演算することにより前記第3の演算期間に対応する前記第2の露出データを演算することができる。
【0025】
前記第2の露出データ演算部は、前記差分データを積算した積算値を前記第3の演算期間における前記単位演算期間の数で除して平均化処理することにより前記第3の演算期間における前記単位演算期間に対応する前記第2の露出データを演算することができる。
【0026】
前記第1の露出データおよび前記第2の露出データを表示する表示部を有することとすれば、第1の露出データと第2の露出データを表示させて視覚的に比較することができる。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムは、株価を予測する対象となる予測対象の露出データに基づいて前記予測対象の株価を予測するための株価予測装置のコンピュータを、前記露出データを演算する露出データ演算部として機能させることを特徴とする。
【0028】
上記目的を達成するために、本発明に係るコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に係る発明は、上記のプログラムを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、露出データを演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係る株価予測装置の全体構成の概要を示すブロック図である。
【
図2】同株価予測装置の第1の演算部の構成を示すブロック図である。
【
図3】同株価予測装置の第2の演算部の構成を示すブロック図である。
【
図4】同株価予測装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【
図5】同株価予測装置の演算期間設定部の構成を示すブロック図である。
【
図6】同株価予測装置の単位演算期間設定部の構成を示すブロック図である。
【
図7】同株価予測装置の単位数設定部の第1の演算期間における単位演算期間の数の設定方法を説明するための図である。
【
図8】同株価予測装置の単位数設定部の第2の演算期間における単位演算期間の数の設定方法を説明するための図である。
【
図9】同株価予測装置の単位数設定部の第3の演算期間における単位演算期間の数の設定方法を説明するための図である。
【
図10】同株価予測装置の第1の単位露出データ演算部の第1の演算期間における演算方法を説明するための図である。
【
図11】同株価予測装置の第1の単位露出データ演算部の第2の演算期間における演算方法を説明するための図である。
【
図12】同株価予測装置の第1の演算期間露出データ演算部における演算方法を説明するための図である。
【
図13】同株価予測装置の第2の演算期間露出データ演算部における演算方法を説明するための図である。
【
図14】同株価予測装置の第1の露出データ演算部および第2の露出データ演算部における平均化処理の方法を説明するための図である。
【
図15】同株価予測装置の露出データ差分演算部における演算方法を説明するための図である。
【
図16】同株価予測装置の第2の露出データ演算部における演算方法を説明するための図である。
【
図17】同株価予測装置の第1の露出データ演算部および第2の露出データ演算部における演算方法を説明するための図である。
【
図18】同株価予測装置の第1の露出データ演算部および第2の露出データ演算部における演算方法を説明するための
図17に続く図である。
【
図19】同株価予測装置の表示部における表示方法を説明するための図である。
【
図20】同株価予測装置の演算処理フローを説明するためのフローチャートである。
【
図21】同株価予測装置の演算処理フローを説明するための
図20に続くフローチャートである。
【
図22】同株価予測装置の演算処理フローを説明するための
図20に続くフローチャートである。
【
図23】同株価予測装置の演算処理フローを説明するための
図21および
図22に続くフローチャートである。
【
図24】同株価予測装置の演算処理フローを説明するための
図23に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る株価予測装置の全体構成の概要を示すブロック図、
図2は、同株価予測装置の第1の演算部の構成を示すブロック図、
図3は、同株価予測装置の第2の演算部の構成を示すブロック図、
図4は、同株価予測装置のコンピュータの構成を示すブロック図、
図5は、同株価予測装置の演算期間設定部の構成を示すブロック図、
図6は、同株価予測装置の単位演算期間設定部の構成を示すブロック図、
図7は、同株価予測装置の単位数設定部の第1の演算期間における単位演算期間の数の設定方法を説明するための図、
図8は、同株価予測装置の単位数設定部の第2の演算期間における単位演算期間の数の設定方法を説明するための図、
図9は、同株価予測装置の単位数設定部の第3の演算期間における単位演算期間の数の設定方法を説明するための図、
図10は、同株価予測装置の第1の単位露出データ演算部の第1の演算期間における演算方法を説明するための図、
図11は、同株価予測装置の第1の単位露出データ演算部の第2の演算期間における演算方法を説明するための図、
図12は、同株価予測装置の第1の演算期間露出データ演算部における演算方法を説明するための図、
図13は、同株価予測装置の第2の演算期間露出データ演算部における演算方法を説明するための図、
図14は、同株価予測装置の第1の露出データ演算部および第2の露出データ演算部における平均化処理の方法を説明するための図、
図15は、同株価予測装置の露出データ差分演算部における演算方法を説明するための図、
図16は、同株価予測装置の第2の露出データ演算部における演算方法を説明するための図、
図17は、同株価予測装置の第1の露出データ演算部および第2の露出データ演算部における演算方法を説明するための図、
図18は、同株価予測装置の第1の露出データ演算部および第2の露出データ演算部における演算方法を説明するための
図17に続く図、
図19は、同株価予測装置の表示部における表示方法を説明するための図である。
【0032】
図1乃至
図3を参照して本発明の株価予測装置1の概要を説明すると、同株価予測装置1は、株価の傾向を予測する対象となる予測対象の露出データ52a1,52b1,62aに基づいて予測対象の株価の傾向を予測するための装置である。
【0033】
本実施形態においては、予測対象には、例えば株式を店頭公開している株式会社が含まれるものとする。また、露出データ52a1,52b1,62aは、放送により露出したデータとし、放送により露出したデータは、テレビジョン放送の放送により露出したデータとすることができる。
【0034】
更に、テレビジョン放送の放送により露出したデータは、有線テレビジョン放送の放送により露出したデータとすることができ、放送により露出したデータは、テレビジョン放送より詳しくは有線テレビジョン放送の放送により露出したデータのみとすることができる。更にまた放送により露出したデータは、情報番組、バラエティー番組、ドラマ、ニュース等の所定の番組内やCMでの映像や音声、或いはテキスト(SI字幕等)での露出を含むものとする。また更に、露出データ52a1,52b1,62aは、露出した回数のデータや露出した時間のデータ等の露出の頻度を表すデータとすることができる。
【0035】
株価予測装置1は、演算期間設定部10、単位演算期間設定部20、単位数設定部30、第1の演算部50、第2の演算部60、比較部70、増減演算部80、正負判断部85、および表示部90の各機能部を有している。
【0036】
本実施形態の株価予測装置1は、
図4に示すように、コンピュータとしての一般的な構成を備えている。すなわち、株価予測装置1は、
図4に示すように、相互にバス1Aを介して接続された中央処理装置(CPU、GPU、DSP)1B、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク、キャッシュメモリ)1C、入力装置(キーボード、タッチパネル、マウス)1D、表示装置(液晶ディスプレー)1E等を有している。記憶装置1Cは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体として機能する。記憶装置1Cは、株価予測装置1の各機能部を機能させるためのプログラム100が記憶されている。
【0037】
演算期間設定部10は、演算期間11,12,13を設定することができ、演算期間11,12,13は、第1の演算部50および第2の演算部60による露出データ52a1,52b1,62aの演算を行うための演算期間11,12,13である。演算期間設定部10により設定される演算期間11,12,13は、
図5に示すように、第1の演算期間11、第2の演算期間12、および第3の演算期間13を含む。第1の演算期間11は、相対的に期間の短い短期演算期間であり、第2の演算期間12は、相対的に期間の長い長期演算期間であり、第3の演算期間13は、本実施形態にあっては、第1の演算期間11と同じ演算期間となっている。
演算期間11,12,13は、例えば、3日、3週間、3ケ月の如く日単位、週単位、月単位で設定することができる。相対的に期間の短い第1の演算期間11および第3の演算期間13は、例えば3週間の如く設定され、相対的に期間の長い第2の演算期間12は例えば5週間の如く設定される。なお、演算期間11,12,13は、該演算期間11,12,13の単位となる後述する単位演算期間21を含んでいる。
【0038】
単位演算期間設定部20は、
図6に示すように、単位演算期間21を設定することができ、単位演算期間21は、第1の演算部50および第2の演算部60による露出データ52a1,52b1,62a(露出データ52a1,52b1,62aは、第1の露出データ52a1,52b1および第2の露出データ62aを含む、つまり、第1の演算部50により演算された露出データを第1の露出データ52a1,52b1とし、第2の演算部50により演算された露出データを第2の露出データ62aとする場合がある)の演算を行うための演算期間11,12,13の単位となる演算期間である。単位演算期間21は、演算期間11,12,13よりも短い期間であり、1日、1週間、1ケ月の如く日単位、週単位、月単位で設定することができる。
【0039】
なお、演算期間設定部10および単位演算期間設定部20による期間の設定は、例えば、ユーザが入力装置1Dを介して演算期間11,12,13、単位演算期間21を入力して行うことができる。また、演算期間設定部10および単位演算期間設定部20による期間の設定は、予め記憶装置1Cに記憶された演算期間11,12,13、単位演算期間21を中央処理装置1Bが所要に読み出して行うこともできる。
【0040】
単位数設定部30は、演算期間11,12,13における単位演算期間21の数m,n,oを演算して設定することができる。単位数設定部30は、
図7乃至
図9および以下の数1に示すように、演算期間11,12,13より詳しくは第1の演算期間11、第2の演算期間12、および第3の演算期間13を単位演算期間21で除して単位演算期間21の数m,n,oを得ることができる。
【0041】
本実施形態にあっては、
図7に示すように、第1の演算期間11の単位演算期間21の数はmの如く表され、
図8に示すように、第2の演算期間12の単位演算期間21の数はnの如く表され、
図9に示すように、第3の演算期間13の単位演算期間21の数はoの如く表される。なお、単位数設定部30による単位演算期間21の数m,n,oの設定は、例えば、ユーザが入力装置1Dを介してを入力して行うこともでき、また予め記憶装置1Cに記憶された単位演算期間21の数m,n,oを中央処理装置1Bが所要に読み出して行うこともできる。
[数1]
単位演算期間21の数m,n,o=演算期間11,12,13/単位演算期間21
【0042】
第1の演算部50は、
図2に戻り、第1の単位露出データ演算部51および第1の露出データ演算部52の各機能部を有している。
【0043】
第1の単位露出データ演算部51は、演算期間11,12において単位演算期間21ごとに第1の露出データ52a1,52b1の単位となる第1の単位露出データ51aを演算することができる。
【0044】
すなわち、第1の単位露出データ演算部51は、
図10、
図11、および数2乃至数4に示すように、当該単位演算期間21(当該単位演算期間21は、
図10および
図11では単位演算期間2としている)における所定の単位露出データと、当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21(当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21は、
図10および
図11では単位演算期間1としている)における所定の第1の単位露出データ51aと、に基づいて(当該単位演算期間21における所定の単位露出データと当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21における所定の第1の単位露出データ51aとを足し合わせて)平均化処理することにより当該単位演算期間21における単位露出データ51aを演算することができる。第1の単位露出データ演算部51の平均化処理は、当該単位演算期間21における所定の単位露出データに重み付けをして行うことができる。
【0045】
ここで、当該単位演算期間21における所定の単位露出データは、当該単位演算期間21における所定の積算された露出データとすることができる(当該単位演算期間21における所定の積算された露出データとは、例えば単位演算期間21が1週間とした場合、その1週間における予測対象の露出した回数のデータや露出した時間のデータ等の露出の頻度を積算した積算値となる)。
【0046】
また、当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21における所定の第1の単位露出データ51aは、数2乃至数4の如く第1の単位露出データ演算部51により演算された直前の単位演算期間21における第1の単位露出データ51aとすることができる(当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21については、第1の単位露出データ演算部51により演算された第1の単位露出データ51aは存在するが、当該単位演算期間21においては、第1の単位露出データ演算部51による演算が未だされていないため、所定の単位露出データとして当該単位演算期間21における露出データの積算値を使用する)。
【0047】
第1の単位露出データ演算部51による第1の単位露出データ51aの演算は、より詳しくは、当該単位演算期間21における所定の単位露出量データ(当該単位演算期間21の露出データの積算値)に対し所定の第1の係数を乗じて得た値と、当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21における所定の第1の単位露出データ51a(第1の単位露出データ演算部51による第1の単位露出データ51aの演算値)に所定の第2の係数を乗じて得た値とを足し合わせて平均化処理することにより当該単位演算期間21における第1の単位露出データ51aを演算することができる。
【0048】
更に詳しくは、第1の係数は、1に所定数を加えて得た値とし、第2の係数は、単位数設定部30により設定された単位演算期間21の数m,nから所定数を減じて得た値とする。
【0049】
すなわち、第1の単位露出データ演算部51は、当該単位演算期間21における所定の単位露出データに対し1に所定数を加えて得た値(第1の係数)を乗じて得た値と、当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21における第1の単位露出データ演算部51により演算された第1の単位露出データ51aに単位数設定部30により設定された単位演算期間21の数m,nから所定数を減じて得た値(第2の係数)を乗じて得た値と、を足し合わせて、更に、足し合わせた値を単位数設定部30により設定された単位演算期間21の数m,nに所定数を足し合わせて得た値で除して平均化処理することにより当該単位演算期間21における第1の単位露出データ51aを演算することができる(当該単位演算期間21における所定の単位露出データに対し1に所定数を加えて得た値(第1の係数)を乗じて値を得ることにより、当該単位演算期間21における所定の単位露出データは重み付けされている)。所定数は、例えば1とすることができる。
【0050】
なお、演算期間11,12における最初の単位演算期間21(
図10および
図11の単位演算期間1)における第1の単位露出データ51aの演算においては、当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21における単位露出データ51aは、数2乃至数4の如く第1の単位露出データ演算部51により演算された直前の単位演算期間21における第1の単位露出データ51aとする他、直前の単位演算期間21における露出データの積算値や移動平均を用いることとしてもよい。
【0051】
[数2]
第1の単位露出データ51a=(当該単位演算期間21における所定の単位露出データ×第1の係数+当該単位演算期間21の直前の単位演算期間21における第1の単位露出データ51a×第2の係数)/単位演算期間21の数m,nに所定数を足し合わせて得た値
[数3]
第1の係数=1+所定数
[数4]
第2の係数=単位演算期間の数m,n-所定数
【0052】
第1の露出データ演算部52は、第1の露出データ52a1,52b1を演算することができる。すなわち、第1の露出データ演算部52は、所定の演算期間11,12における露出データの平均値を演算することができる。
【0053】
より詳しくは、第1の露出データ演算部52は、所定の演算期間11,12において第1の単位露出データ演算部51により演算して得られる単位演算期間21に対応する第1の単位露出データ51aを積算した積算値を演算することにより演算期間11,12に対応する第1の露出データ52a1,52b1を演算することができる。
【0054】
つまり、第1の露出データ52a1,52b1は、第1の演算期間11における露出データ52a1である第1の演算期間露出データ52a1を含むとともに、第2の演算期間12における露出データ52b1である第2の演算期間露出データ52b1を含んでいる。
【0055】
そして、第1の露出データ演算部52は、
図12および数5に示すように、第1の演算期間露出データ52a1を演算する第1の演算期間露出データ演算部52aを有しており、第1の演算期間露出データ演算部52aは、第1の演算期間11において第1の単位露出データ演算部51により演算して得られる第1の単位露出データ52a1を積算した積算値を演算することにより第1の演算期間11における露出データ52a1を演算することができる。
【0056】
また、第1の露出データ演算部52は、
図13および数6に示すように、第2の演算期間露出データ52b1を演算する第2の演算期間露出データ演算部52bを有しており、第2の演算期間露出データ演算部52bは、第2の演算期間12において第1の単位露出データ演算部51により演算して得られる第1の単位露出データ51aを積算した積算値を演算することにより第2の演算期間12における露出データ52b1を演算することができる(第1の露出データ演算部52により演算された第1の単位露出データ51aの積算値は、第1の露出データ52a1,52b1の平均値の概念に含まれるものとする)。
【0057】
更に、第1の露出データ演算部52より詳しくは第1の演算期間露出データ演算部52aおよび第2の演算期間露出データ演算部52bは、同じく
図12、
図13、数5、および数6に示すように、第1の単位露出データ演算部51により演算して得られる第1の単位露出データ51aを積算した積算値を単位数設定部30で設定された演算期間11,12における単位演算期間21の数m,nで除して平均化処理することにより第1の演算期間11および第2の演算期間12における単位演算期間21に対応する平均化された露出データ52a1,52b1を演算することができる。
【0058】
なお、第1の露出データ演算部52は、
図14に示すように、単位演算期間21を移動単位として単位演算期間21ずつずらしながら演算期間11,12を順次移動させて演算処理すなわち露出データ52a1,52b1の平均化処理を行うこととしている。つまり、第1の露出データ演算部52は、第1の演算期間11および第2の演算期間12に基づく移動平均を行いながら露出データ52a1,52b1の演算を行っている。
【0059】
[数5]
第1の演算期間露出データ52a1=(単位演算期間1の第1の単位露出データ51a+単位演算期間2の第1の単位露出データ51a+・・・+単位演算期間m-1の第1の単位露出データ51a+単位演算期間mの第1の単位露出データ51a)/m
[数6]
第2の演算期間露出データ=52b1(単位演算期間1の第1の単位露出データ51a+単位演算期間2の第1の単位露出データ51a+・・・+単位演算期間n-1の第1の単位露出データ51a+単位演算期間nの第1の単位露出データ51a)/n
【0060】
また、第1の露出データ演算部52は、露出データ差分演算部52cを有している。露出データ差分演算部52cは、
図15および数7に示すように、第1の演算期間露出データ演算部52aにより演算された第1の演算期間露出データ52a1から第2の演算期間露出データ演算部52bにより演算された第2の演算期間露出データ52b1を減ずることにより第1の演算期間露出データ52a1と第2の演算期間露出データ52b1の単位演算期間21に対応する差分データ52c1を演算することができる。
【0061】
[数7]
差分データ52c1=第1の演算期間露出データ52a1-第2の演算期間露出データ52b1
【0062】
第2の演算部60は、
図3に戻り第2の露出データ演算部62を機能部として有している。
【0063】
第2の露出データ演算部62は、第2の露出データ62aを演算することができる。すなわち、第2の露出データ演算部62は、露出データ差分演算部52cにより演算された単位演算期間21に対応する差分データ52c1の演算期間13つまり第3の演算期間13における平均値を演算することにより第2の露出データ62aを演算することができる(第3の演算期間13は、本実施形態にあっては、上述した第1の演算期間11と同一の演算期間としている)。
【0064】
より詳しくは、第2の露出データ演算部62は、数8および
図16に示すように、露出データ差分演算部52cにより演算された単位演算期間21に対応する差分データ52c1を第3の演算期間13において積算した積算値を演算することにより第3の演算期間13に対応する第2の露出データ62aを演算することができる(第2の露出データ演算部62により演算された差分データ52c1の積算値は、第2の露出データ62aの平均値の概念に含まれるものとする)。
【0065】
つまり、第2の露出データ演算部62は、差分データ52c1を積算した積算値を第3の演算期間13における単位演算期間21の数oで除して平均化処理することにより第3の演算期間13における単位演算期間21に対応する第2の露出データ62aを演算することができる。
【0066】
なお、第2の露出データ演算部は、
図14に示すように、単位演算期間21を移動単位として単位演算期間21ずつずらしながら演算期間13を順次移動させて演算処理すなわち第2の露出データ62aの平均化処理を行うこととしている。
【0067】
ここで、第1の演算期間露出データ演算部52a、第2の演算期間露出データ演算部52b、および第2の露出データ演算部62は、
図17および
図18に示すように、演算における先頭の単位演算期間21aを一致させながら単位演算期間21ずつずらしつつそれぞれの演算期間11,12,13を順次移動させて演算処理を行っている(つまり、第1の演算期間露出データ演算部52a、第2の演算期間露出データ演算部52b、および第2の露出データ演算部62は、先頭の単位演算期間21aを一致させつつ移動平均を行いながら第1の演算期間露出データ52a1、第2の演算期間露出データ52b1、および第2の露出データ62aの演算を行っており、露出データ差分演算部52cは、差分データ52c1を、単位演算期間21を移動単位として単位演算期間21ずつずらしながら移動する演算期間11,12,13に対応するように演算される)。
【0068】
[数8]
第2の露出データ62a=(単位演算期間1の差分データ52c1+単位演算期間2の差分データ52c1+・・・+単位演算期間o-1の差分データ52c1+単位演算期間oの差分データ52c1)/o
【0069】
図1に戻り、比較部70は、露出データ差分演算部52cにより演算された差分データ52c1と第2の露出データ演算部62により演算された第2の露出データ62aの大小関係を比較することができる。
【0070】
増減演算部80は、差分データ52c1の増減を演算することができる。すなわち、増減演算部80は、単位演算期間21を移動単位として単位演算期間21ずつずれながら移動する演算期間11,12,13(
図14参照)に対応する差分データ52c1間の増減を演算することができる。
【0071】
正負判断部85は、差分データ52c1と第2の露出データ62aの正負を判断することができる。より詳しくは、正負判断部85は、差分データ52c1と第2の露出データ62aが正の値に転じたか負の値に転じたかの判断をすることができる。
【0072】
表示部90は、
図19に示すように、露出データ差分演算部52cにより演算された差分データ52c1および第2の露出データ演算部62により演算された第2の露出データ62aの経時変化をグラフ形式で表示することができる。すなわち、表示部90は、単位演算期間21に基づく経時変化として差分データ52c1および第2の露出データ62aを表す曲線をグラフ形式で表示することができる。また、表示部90は、比較部70による比較結果、増減演算部80による演算結果、および正負判断部85による判断結果を反映した情報を表示することができる。
【0073】
つまり、表示部90は、比較部70による比較結果により差分データ52c1と第2の露出データ62aの大小関係が逆転し、差分データ52c1が第2の露出データ62aよりも大きく、かつ、増減演算部80の演算結果により差分データ52c1が増加傾向にあると判断される場合は、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに負の値と判断される場合にあっても、その銘柄が買いタイミングに転じたとして、買いタイミングを示す情報を表示することができる。
【0074】
また、表示部90は、前記買いタイミングに転じた後、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに負の値から正の値に転じた判断される場合は、その銘柄が更に買いタイミングに転じたとして、更に買いタイミングを示す情報を表示することができる。
【0075】
更に、表示部90は、比較部70による比較結果により差分データ52c1と第2の露出データ62aの大小関係が逆転し、差分データ52c1が第2の露出データ62aよりも小さく、かつ、増減演算部80の演算結果により差分データ52c1が減少傾向にあると判断される場合は、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに正の値と判断される場合にあっても、その銘柄が売りタイミングに転じたとして、売りタイミングを示す情報を表示することができる。
【0076】
更にまた、表示部90は、前記売りタイミングに転じた後、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに正の値から負の値に転じた判断される場合は、その銘柄が更に売りタイミングに転じたとして、更に売りタイミングを示す情報を表示することができる。
【0077】
ここで、上記の株価予測装置1における各機能部は、プログラム100を実行することによりその機能を実現することができる。
【0078】
すなわち、プログラム100は、株価予測装置1のコンピュータを、演算期間設定部10、単位演算期間設定部20、単位数設定部30、第1の演算部50、第2の演算部60、比較部70、増減演算部80、正負判断部85、および表示部90として機能させ、更に第1の演算部50を第1の単位露出データ演算部51および第1の露出データ演算部52として機能させ、更にまた第2の演算部60を第2の単位露出データ演算部61および第2の露出データ演算部62として機能させることができる。
【0079】
次に、株価予測装置1による演算処理フローを
図20乃至
図24のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0080】
すなわち、まず
図20に示すように、ステップS10において、演算期間設定部10が演算期間11,12,13より詳しくは第1の演算期間11、第2の演算期間12、および第3の演算期間13の設定を行う。
【0081】
次いで、ステップS20において、単位演算期間設定部20が、単位演算期間21の設定を行う。
【0082】
続いて、ステップS30において、単位数設定部30が、数1に基づいて、第1の演算期間11、第2の演算期間12、および第3の演算期間13における単位演算期間21の数m,n,oを演算して設定する。
【0083】
次に、ステップS40において、第1の演算部50および第2の演算部60が所定の演算を行う。
【0084】
すなわち、
図21に示すように、第1の演算部50による演算として、ステップS41Aにおいて、第1の単位露出データ演算部51が、第1の演算期間11および第2の演算期間12において単位演算期間21ごとに第1の露出データ52a1,52b1の単位となる第1の単位露出データ51aを演算する。第1の単位露出データ51aは、数2乃至数4の如く演算される。
【0085】
次いで、ステップS42Aにおいて、第1の演算期間露出データ演算部52aが、数5に基づいて第1の演算期間露出データ52a1を演算する。
【0086】
続いて、ステップS43Aにおいて、第2の演算期間露出データ演算部52cが、数6に基づいて第2の演算期間露出データ52b1を演算する。
【0087】
次に、ステップS44Aにおいて、露出データ差分演算部52cが、数7に基づいて差分データ52c1を演算する。
【0088】
次いで、
図22に示すように、第2の演算部60による演算として、ステップS41Bにおいて、第2の単位露出データ演算部61が、第2の単位露出データ61aの演算を行う。
【0089】
続いて、ステップS42Bにおいて、第2の露出データ演算部62が、数8に基づいて第2の露出データ62aを演算する。
【0090】
次に、
図23に示すように、ステップS50において、表示部90が差分データ52c1および第2の露出データ62の経時変化をグラフ形式で表示する。
【0091】
次いで、ステップS60において、比較部70が、差分データ52c1と第2の露出データ62aの大小関係を比較して、差分データ52c1と第2の露出データ62aの大小関係が逆転し、差分データ52c1が第2の露出データ62aよりも大きいと判断される場合は、更にステップS70に進む。すなわち、ステップS70において、増減演算部80が、差分データ52c1の増減を演算し、差分データ52c1が増加傾向にあると判断される場合は、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに負の値と判断される場合にあっても、ステップS80において、表示部90が、その銘柄が買いタイミングに転じたとして、買いタイミングを示す情報を表示する。
【0092】
次に、ステップS90において、前記買いタイミングに転じた後、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに負の値から正の値に転じた判断される場合は、ステップS100において、表示部90が、その銘柄が更に買いタイミングに転じたとして、更に買いタイミングを示す情報を表示する。
【0093】
続いて、
図24に示すように、ステップS110において、比較部70が、差分データ52c1と第2の露出データ62aの大小関係を比較して、差分データ52c1と第2の露出データ62aの大小関係が逆転し、差分データ52c1が第2の露出データ62aよりも小さいと判断される場合は、更にステップS100に進む。すなわち、ステップS120において、増減演算部80が、差分データ52c1の増減を演算し、差分データ52c1が減少傾向にあると判断される場合は、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに正の値と判断される場合にあっても、ステップS130において、表示部90が、その銘柄が売りタイミングに転じたとして、売りタイミングを示す情報を表示する。
【0094】
次に、ステップS140において、前記売りタイミングに転じた後、正負判断部85の判断結果により差分データ52c1および第2の露出データ62aがともに正の値から負の値に転じた判断される場合は、ステップS150において、表示部90が、その銘柄が更に買いタイミングに転じたとして、更に買いタイミングを示す情報を表示する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態にあっては、株価予測装置1において、露出データ52a1,52b1,62aを演算する露出データ演算部52,62を有することとしたので、露出データ52a1,52b1,62aを演算することができ、引いてはその銘柄が人気が出るか否かの観点から株価の傾向を予測することが可能となる。
【0096】
また、第1の単位露出データ演算部51は、例えば、当該単位演算期間21における所定の単位露出データと当該単位演算期間21の直前の単位露出データ21とに基づいて平均化処理することにより当該単位演算期間21における単位露出データ51aを演算し、平均化処理は、当該単位演算期間21における所定の単位露出データに重み付けをして行うこととしたので、直近の露出データを株価の傾向の予測に反映することができる。
【0097】
更に、第1の露出データ52a1,52b1(より詳しくは差分データ52c)および第2の露出データ,62aを表示する表示部90を有することとしたので、第1の露出データ52a1,52b1と第2の露出データ62aを表示させて視覚的に比較することができる。
【0098】
更に、露出データ52a1,52b1,62aは、テレビジョン放送により露出したデータのみとすることとしたので、株価の傾向の予測を精度よく行うことが可能となる。
【0099】
すなわち、テレビジョン放送は、放送局数や放送時間が有限であり、露出データ52a1,52b1,62aも有限となる。このような有限な露出データ52a1,52b1,62aは信頼性や客観性があると考えられ、テレビジョン放送により露出したデータを用いることで株価の傾向の予測を精度よく行うことが可能となる。
【0100】
つまり、放送局は、総務省の許可を受けなければ開局することができない等所定の行政手続きを行うことが必要であり、本発明においては、そのような露出データ52a1,52b1,62aは有限なデータと解釈するものとする。
【0101】
これに対し、例えばインターネットにおいては、HP(ホームページ)やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等を通じて個人または企業が特段の許可なくデータの露出を行うことができ、本発明においては、有限なデータには含まれないものと解釈される。
【0102】
したがって、「テレビジョン放送により露出したデータのみ」とは、個人または企業が特段の許可なくデータの露出を行うことができるインターネット等の媒介による露出データを排除する意である。
【0103】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形実施や応用実施が可能であることは勿論である。
【0104】
すなわち、上述した実施形態にあっては、放送により露出したデータは、テレビジョン放送により露出したデータとすることとしているが、ラジオ放送により露出したデータとすることとしたり、テレビジョン放送により露出したデータとラジオ放送により露出したデータとを適宜組み合わせることとしてもよい。
【0105】
つまり、放送により露出したデータは、テレビジョン放送により露出したデータおよび/またはラジオ放送により露出したデータとすることができ、放送により露出したデータは、テレビジョン放送および/またはラジオ放送により露出したデータのみとすることができる。本実施形態にあっては、ラジオ放送により露出したデータも上述の有限なデータと解される。
【0106】
更に、上述した実施形態にあっては、第2の露出データ62aを演算するための第3の演算期間13は、第1の演算期間11と同一の演算期間とすることとしているが上述した第2の演算期間12と同一の演算期間とすることとしたり、別の長さの演算期間とすることとしてもよい。
【0107】
更にまた、上述した実施形態にあっては、株価予測装置1は、株価の傾向を予測することとしているが、上述した本実施形態の構成によって株価自体(価格自体)を予測することとしてもよい。すなわち、株価の予測とは、株価の傾向の予測および株価自体(価格自体)の予測のいずれも含むこととしてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1:株価予測装置
m,n,o:単位演算期間の数
1A:バス
1B:中央処理装置
1C:記憶装置
1D:入力装置
10:演算期間設定部
11,12:演算期間
20:単位演算期間設定部
21:単位演算期間
21a:先頭の単位演算期間
30:単位数設定部
50:第1の演算部
51:第1の単位露出データ演算部
51a:第1の単位露出データ
52:第1の露出データ演算部
52a:第1の演算期間露出データ演算部
52a1:第1の演算期間露出データ(第1の露出データ)
52b:第2の演算期間露出データ演算部
52b1:第2の演算期間露出データ(第2の露出データ)
52c:露出データ差分演算部
52c1:差分データ
60:第2の演算部
61:第2の単位露出データ演算部
61a:第2の単位露出データ
62:第2の露出データ演算部
62a:第2の露出データ
70:比較部
80:増減演算部
85:正負判断部
90:表示部
100:プログラム