IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ワンダフルライフの特許一覧

特許7270943チャット管理プログラム、チャット処理プログラム、チャット管理装置、チャットシステム、及びチャット処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】チャット管理プログラム、チャット処理プログラム、チャット管理装置、チャットシステム、及びチャット処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230501BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022125969
(22)【出願日】2022-08-06
【審査請求日】2022-08-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年9月7日、令和3年12月16日 株式会社ワンダフルライフのウエッブサイトhttps://service.minna-de-cara.com/(みんなでケア)において公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519108279
【氏名又は名称】株式会社ワンダフルライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇耶
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-009426(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113794628(CN,A)
【文献】特開2002-133166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを示す画面であって、メッセージごとの選択が可能な状態にするための選択要求ボタンを含むチャット画面を情報端末の表示部に表示させ、前記選択要求ボタンに対する操作に応じて前記表示部におけるメッセージを個々に選択可能な状態とし、そこで選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を生成する表示処理手段、として前記情報端末に搭載されたコンピュータを機能させ、
前記選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段、としてチャット管理装置に搭載されたコンピュータを機能させるための、チャット管理プログラム。
【請求項2】
複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを示す画面であって、メッセージごとの選択が可能な状態にするための選択要求ボタンを含むチャット画面を情報端末の表示部に表示させ、前記選択要求ボタンに対する操作に応じて前記表示部におけるメッセージを個々に選択可能な状態とし、そこで選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を生成する表示処理手段、
及び前記選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段、として前記情報端末に搭載されたコンピュータを機能させるための、チャット処理プログラム。
【請求項3】
複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを示す画面であって、メッセージごとの選択が可能な状態にするための選択要求ボタンを含むチャット画面を情報端末の表示部に表示させ、前記選択要求ボタンに対する操作に応じて前記表示部におけるメッセージを個々に選択可能な状態とし、そこで選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を生成する表示処理手段と、
前記選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段と、を有する、チャットシステム。
【請求項4】
前記表示処理手段は、
前記記録データに基づく情報であり、メッセージごとに送信日時と送信者と該メッセージの内容とが整理された一覧データを含む記録画像を前記表示部に表示させ、前記一覧データにおいてメッセージの内容を示す内容欄を指定する操作を受け付けた場合に前記内容欄の情報編集が可能な状態とするものであり、
前記データ生成処理手段は、
編集された前記内容欄の情報を前記記録データに反映させるものである、請求項3に記載のチャットシステム。
【請求項5】
前記表示処理手段は、
前記一覧データと共に、任意の事項を記入するための備考欄を含む前記記録画像を前記表示部に表示させるものである、請求項4に記載のチャットシステム。
【請求項6】
前記データ生成処理手段は、
前記記録データの保存を指示する操作を受け付けたとき、該記録データを読み出し可能な状態で保存するものである、請求項4又は5に記載のチャットシステム。
【請求項7】
複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを示す画面であって、メッセージごとの選択が可能な状態にするための選択要求ボタンを含むチャット画面を情報端末が表示部に表示させ、
前記選択要求ボタンに対する操作に応じて前記情報端末が前記表示部におけるメッセージを個々に選択可能な状態とし、
そこで選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を前記情報端末が生成し、
前記選択情報をもとにチャット管理装置が、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する、チャット処理方法。
【請求項8】
需要者と供給者との間を仲介する仲介者、及び前記仲介者により招待された1又は複数の前記供給者が属し、前記需要者に紐付けられた供給チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した前記選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて、前記需要者に対する支援の経過を示す記録データを生成する手段、
前記記録データに基づく情報であり、メッセージごとに送信日時と送信者と該メッセージの内容とが整理された一覧データを含む記録画像を情報端末の表示部に表示させる手段、
前記記録データの保存を指示する操作を受け付けたとき、該記録データを前記供給チャットルームに属するユーザが読み出し可能な状態で保存する手段、としてコンピュータを機能させるための、チャット管理プログラム。
【請求項9】
需要者と供給者との間を仲介する仲介者、及び前記仲介者により招待された1又は複数の前記供給者が属し、前記需要者に紐付けられた供給チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した前記選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて、前記需要者に対する支援の経過を示す記録データを生成するデータ生成処理手段と、
前記記録データに基づく情報であり、メッセージごとに送信日時と送信者と該メッセージの内容とが整理された一覧データを含む記録画像を情報端末の表示部に表示させる表示処理手段と、を有し、
前記データ生成処理手段は、
前記記録データの保存を指示する操作を受け付けたとき、該記録データを前記供給チャットルームに属するユーザが読み出し可能な状態で保存するものである、チャットシステム
【請求項10】
前記表示処理手段は、
前記一覧データにおいてメッセージの内容を示す内容欄を指定する操作を受け付けた場合に前記内容欄の情報編集が可能な状態とし、
前記データ生成処理手段は、
編集された前記内容欄の情報を前記記録データに反映させるものである、請求項9に記載のチャットシステム。
【請求項11】
前記表示処理手段は、
前記一覧データと共に、任意の事項を記入するための備考欄を含む前記記録画像を前記表示部に表示させるものである、請求項10に記載のチャットシステム。
【請求項12】
需要者と供給者との間を仲介する仲介者、及び前記仲介者により招待された1又は複数の前記供給者が属し、前記需要者に紐付けられた供給チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報をチャット管理装置が取得し、
取得した前記選択情報をもとに前記チャット管理装置が、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて、前記需要者に対する支援の経過を示す記録データを生成し、
前記記録データに基づく情報であり、メッセージごとに送信日時と送信者と該メッセージの内容とが整理された一覧データを含む記録画像を、情報端末が表示部に表示させ、
前記記録データの保存を指示する操作を受け付けた前記チャット管理装置が、該記録データを前記供給チャットルームに属するユーザが読み出し可能な状態で保存する、チャット処理方法。
【請求項13】
需要者と供給者との間を仲介する仲介者、及び前記仲介者により招待された1又は複数の前記供給者が属し、前記需要者に紐付けられた供給チャットルームでのメッセージのやり取りを示す画面であって、選択対象となるメッセージの抽出期間を指定するための期間指定部、及びメッセージごとの選択が可能な状態にするための選択要求ボタンを含むチャット画面を情報端末の表示部に表示させる表示処理手段と、
前記選択要求ボタンに対する操作に応じて、前記期間指定部を介して指定された期間内のメッセージの中で有用なものと推定される有用メッセージを選択処理用データを用いて抽出し、抽出した前記有用メッセージをもとに有用推定データを生成するデータ生成処理手段と、を有し、
前記表示処理手段は、
前記有用推定データに基づく情報であり、前記有用メッセージごとに送信日時と送信者と該メッセージの内容とが整理され、かつ前記有用メッセージが個々に選択可能な状態にある一覧データを含む確認画像を前記表示部に表示させ、そこで選択された1又は複数の前記有用メッセージに係る選択情報を生成するものであり、
前記データ生成処理手段は、
前記選択情報をもとに、選択された1又は複数の前記有用メッセージを該有用メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて、前記需要者に対する支援の経過を示す記録データを生成するものである、チャットシステム
【請求項14】
前記表示処理手段は、
前記一覧データにおいて有用メッセージの内容を示す内容欄を指定する操作を受け付けた場合に前記内容欄の情報編集が可能な状態とし、
前記データ生成処理手段は、
編集された前記内容欄の情報を前記記録データに反映させるものである、請求項13に記載のチャットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザ間でのメッセージのやり取りが可能なチャットルームを提供するチャット管理プログラム、チャット処理プログラム、チャット管理装置、チャットシステム、及びチャット処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数人のグループ内でのメッセージのやり取りを実現させるチャットシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。チャットシステムでは、複数のユーザが参加しているグループごとにチャットルームが形成され、チャットルーム内ではユーザ間においてメッセージが交わされる。こうしたチャットシステムは、友人-知人間での情報交換ツール、会社内でのコミュニケーションツール、企業とクライアントとの間の連絡ツールなどとして、幅広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-188125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チャットルーム内でやり取りされるメッセージには、保存しておきたい情報もあれば、挨拶などの消去しても差し障りのない定型的な情報もある。しかしながら、過去のやり取りを振り返る必要が生じた場合、ユーザは、チャットルームをスクロールする等により、やり取り全体の中から必要事項を抽出しなければならないため、作業が煩雑となり、手間がかかる。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させるチャット管理プログラム、チャット処理プログラム、チャット管理装置、チャットシステム、及びチャット処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るチャット管理プログラムは、複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するチャット管理装置に搭載されたコンピュータを、チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段、として機能させるためのものである。
【0007】
本発明の一態様に係るチャット処理プログラムは、チャットルームに属するユーザが使用する情報端末に搭載されたコンピュータを、チャットルームにおける1又は複数のメッセージが選択された状態でメッセージの整理を指示する操作を受け付けたとき、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段、記録データに基づく記録画像を表示部に表示させる表示処理手段、として機能させるためのものである。
【0008】
本発明の一態様に係るチャット管理装置は、複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するチャット管理装置であって、チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する制御部を有するものである。
【0009】
本発明の一態様に係るチャットシステムは、複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するチャット管理装置と、複数のユーザ各々が使用する情報端末と、を有し、情報端末は、1又は複数のメッセージを選択する操作を受け付けた後、選択された1又は複数のメッセージの整理を指示する操作に応じて、その選択に係る選択情報をチャット管理装置へ送信する情報処理部を有し、チャット管理装置は、情報処理部から送信された選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けた記録データを生成し、生成した記録データを情報端末へ送信する制御部を有し、制御部は、情報処理部から送信された記録データに基づく記録画像を表示部に表示させるものである。
【0010】
本発明の一態様に係るチャット処理方法は、複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するチャット管理方法であって、チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を制御部が取得し、取得した選択情報をもとに制御部が、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する、という手法を採っている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報に基づき、選択されたメッセージ各々と送信日時及び送信者とを紐付けて記録データを生成するため、チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1に係るチャットシステムを例示した構成図である。
図2図1のチャット管理装置の機能的構成を例示したブロック図である。
図3図1の運営端末の機能的構成を例示したブロック図である。
図4図1の情報端末の機能的構成を例示したブロック図である。
図5図4の表示部に表示されるログイン画面を例示した説明図である。
図6図4の表示部に表示されるチャット画面を例示した説明図である。
図7図6のチャット画面中の各メッセージそれぞれに対応づけてチェックボックスが表示された例を示す説明図である。
図8図7のチャット画面中の幾つかのチェックボックスが選択状態となっている例を示す説明図である。
図9図8のように選択されたメッセージが整理された一覧データを含む記録画像の一例を示す説明図である。
図10図4の表示部に表示されるグループ作成画像を例示した説明図である。
図11図6のチャット画面における管理キーが操作された状態を例示した説明図である。
図12】本発明の実施の形態1に係るチャット処理方法のうち、チャット機能に関する情報端末側での基本的な動作例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施の形態1に係るチャット処理方法のうち、メッセージの送信に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施の形態1に係るチャット処理方法のうち、複数の情報端末相互間での、チャット管理装置を介してのメッセージの送受信に係る動作を例示したシーケンスチャートである。
図15】本発明の実施の形態1に係るチャット処理方法のうち、情報端末における、記録データの生成のためのメッセージの選択処理に係る動作の流れを例示したフローチャートである。
図16】本発明の実施の形態1に係るチャット処理方法のうち、チャット管理装置と情報端末とが連携して記録データを生成し、又は編集する動作を例示したシーケンスチャートである。
図17】本発明の実施の形態1の変形例1に係る、期間指定部を含むチャット画面を例示した説明図である。
図18】本発明の実施の形態1の変形例1に係る、自動選択後の確認画像を例示した説明図である。
図19】本発明の実施の形態1の変形例1に係るチャット処理方法のうち、チャット管理装置と情報端末とが連携して記録データを生成し、又は編集する動作を例示したシーケンスチャートである。
図20】本発明の実施の形態1の変形例2に係る情報端末の機能的構成を例示したブロック図である。
図21】本発明の実施の形態1の変形例2に係るチャット処理方法のうち、チャット管理装置と情報端末とが連携して記録データを生成する動作を例示したシーケンスチャートである。
図22】本発明の実施の形態2に係るチャットシステムを例示した構成図である。
図23】本発明の実施の形態2に係るチャットシステムでの、ユーザ間の繋がりを概念的に例示した説明図である。
図24】本発明の実施の形態2に係るチャット画面を例示した説明図である。
図25図24のチャット画面中の各メッセージそれぞれに対応づけてチェックボックスが表示された例を示す説明図である。
図26図25のように選択されたメッセージが整理された一覧データを含み、支援経過記録の作成を支援する記録画像を例示した説明図である。
図27図26の記録画像に必須事項が入力された状態を例示した説明図である。
図28図24のチャット画面を介してファイルを添付する際に表示される添付用画像を例示した説明図である。
図29】本発明の実施の形態2に係る管理者画面のうち、スタッフ招待タグが選択されている状態を例示した説明図である。
図30】本発明の実施の形態2に係る管理者画面のうち、スタッフ追加タグが選択されている状態を例示した説明図である。
図31】本発明の実施の形態2に係るチャットシステムにおいて、管理者が自己の所属外のグループにスタッフを参加させる際の動作例を示すシーケンスチャートである。
図32】本発明の実施の形態2に係るチャットシステムの、Wチャット機能におけるシングルモードの表示例である。
図33】本発明の実施の形態2に係るチャットシステムの、Wチャット機能におけるダブルモードの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1を参照し、実施の形態1におけるチャットシステム100の全体的な構成例について説明する。図1に示すように、チャットシステム100は、チャット管理装置10と、運営端末20と、複数の情報端末30と、を有している。チャット管理装置10と、運営端末20と、複数の情報端末30とは、インターネットなどのネットワークNを介して、有線又は無線による通信が可能に接続されている。
【0014】
運営端末20は、チャット管理装置10によって管理され提供されるチャットに関するシステム(以下、運営システムという。)の運営側が使用するPC(Personal Computer)等である。PCには、デスクトップ型PC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォンなどが含まれる。運営側のオペレータは、運営端末20を介して、チャット管理装置10が管理するソフトウェア及びデータベースの情報などを追加・編集し、運営システムの保持及び更新などを行うことができる。
【0015】
情報端末30は、運営システムにおける個人チャット又はグループチャットに参加するユーザが使用するPC等である。ここで、個人チャットとは、ユーザ同士が1対1でメッセージのやり取りを行うチャットのことある。グループチャットとは、複数のユーザが相互にメッセージのやり取りを行うチャットのことである。個人チャットは、2人のユーザが相互にメッセージの送受信を行えるチャットルームで実現される。グループチャットは、複数のユーザを含むグループ内で相互にメッセージの送受信を行えるチャットルームで実現される。グループチャットに係るチャットルームは、任意の情報端末30に対するユーザの操作により作成される。
【0016】
ユーザは、情報端末30を介して、氏名(ニックネームやフリガナなども含む)、固有の識別情報(ID又はメールアドレス等)、固有のパスワードなどのユーザ情報を運営システムに登録する。ユーザは、例えば、チャット管理装置10から提供されるログイン画面に、識別情報とパスワードとを入力することにより、運営システムによるサービスを使用することができる。
【0017】
チャット管理装置10は、複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するものである。チャット管理装置10は、複数の情報端末30それぞれのユーザ間でのメッセージの送受信を仲介する機能を有している。すなわち、チャット管理装置10は、ログイン処理後の情報端末30に、他のシステム利用者との間でメッセージのやり取りを行うチャット機能を提供する。チャット管理装置10は、ユーザのユーザ情報の登録を受け付け、内部又は外部のデータベースにおいてこれを管理する。
【0018】
チャット管理装置10は、クラウドコンピューティングに基づくクラウドサーバ、もしくはオンプレミス型の物理サーバ、又はこれらを組み合わせたシステムなどにより構成される。図1では、1つのチャットルームを破線により概念的に例示しているが、運営システムでは、複数のチャットルームを形成することができる。チャット管理装置10は、チャットルームごとに、ユーザ間でのメッセージのやり取りを管理する。
【0019】
次に、図2を参照し、チャット管理装置10の機能的な構成例について説明する。図2に示すように、チャット管理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、を有している。通信部11は、運営端末20及び情報端末30などの外部機器との間で制御部12が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部13には、チャット管理プログラム13pを含む制御部12の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部13は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、eMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。
【0020】
制御部12は、チャットルームでのユーザ間のやり取りの情報をチャットデータベースに逐次記録する。チャットデータベースは、記憶部13等に格納される。制御部12は、チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するものである。選択情報は、メッセージに紐づけられたIDなどの識別情報であってもよく、識別情報の他に、送信日時、送信者、及びメッセージの内容のうちの少なくとも1つの情報を含んでいてもよい。記録データは、メッセージごとに送信日時と送信者とその内容とが整理された情報を含む記録画像G2を情報端末30に表示させるためものである。すなわち、制御部12は、記録データに基づく記録画像G2を、記録データの提供先となる情報端末30に表示させるものである。
【0021】
より具体的に、制御部12は、情報処理手段12aと、データ生成処理手段12bと、を含む。情報処理手段12aは、情報端末30などの外部機器に対し、運営システムに係るウェブサイトのサービスを提供するものである。データ生成処理手段12bは、情報端末30などの外部機器からの要求に応じて、種々のデータを生成するものである。制御部12の具体的な機能例についての詳細は、後述の動作説明において説明する。
【0022】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記又は下記の各種機能を実現させるソフトウェア(チャット管理プログラム13pを含む)とにより構成することができる。チャット管理プログラム13pは、チャット管理装置10に搭載されたコンピュータを、情報処理手段12a、及びデータ生成処理手段12bとして機能させるためのプログラムである。記憶部13は、チャット管理プログラム13pを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。もっとも、制御部12における各種機能のうちの一部は、ハードウェアにより実現してもよい。
【0023】
次いで、図3を参照し、運営端末20の機能的な構成例について説明する。図3に示すように、運営端末20は、通信部21と、端末制御部22と、記憶部23と、入力部24と、表示部25と、を有している。通信部21は、チャット管理装置10などの外部機器との間で端末制御部22が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部23には、端末制御部22の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部23は、RAM及びROM、フラッシュメモリ、eMMC、SSD、又はHDDなどにより構成される。入力部24は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた操作の内容に応じた操作信号を端末制御部22へ出力する。入力部24は、例えば、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスと、を含んで構成される。表示部25は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、端末制御部22からの指示により種々の情報を表示する。
【0024】
例えば、端末制御部22は、ユーザの入力部24に対する操作等に応じて、表示部25に種々の情報を表示させる。また、端末制御部22は、ユーザの入力部24に対する操作等に応じて、チャット管理装置10における制御部12の動作プログラムの更新処理や、記憶部13内外の種々のデータベースの更新処理などを実行する。端末制御部22は、CPU又はGPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるソフトウェアとにより構成することができる。運営端末20は、入力部24及び表示部25の代わりに、文字又は画像等の表示を行う表示パネルと、該表示パネルに積層されてタッチ操作を検出する検出手段とを含むタッチパネルを有していてもよい。もっとも、運営端末20は、入力部24及び表示部25のうちの少なくとも一方とタッチパネルとを併せ持つものであってもよい。
【0025】
次いで、図4を参照し、情報端末30の機能的な構成例について説明する。図4に示すように、情報端末30は、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33と、入力部34と、表示部35と、を有している。通信部31は、チャット管理装置10などの外部機器との間で情報処理部32が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部33には、情報処理部32の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部33は、RAM及びROM、フラッシュメモリ、eMMC、SSD、又はHDDなどにより構成される。入力部34は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた操作の内容に応じた操作信号を情報処理部32へ出力する。入力部34は、例えば、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスと、を含んで構成される。表示部35は、例えば液晶ディスプレイからなり、情報処理部32からの指示により種々の情報を表示する。
【0026】
情報処理部32は、通信処理手段32aと、入力処理手段32bと、表示処理手段32cと、を有している。入力処理手段32bは、入力部34を介してのユーザの操作を受け付け、操作の内容を示す操作信号を通信処理手段32a又は表示処理手段32cへ出力する。また、入力処理手段32bは、ユーザの入力内容に応じて、記憶部33に新たな情報を記憶させ、記憶部33内の情報を修正し、更新する。
【0027】
通信処理手段32aは、入力した操作信号に応じて、チャット管理装置10とのデータ
通信を行う。通信処理手段32aは、チャット管理装置10から送信された情報に基づき、表示部35の表示内容の変更を指示する信号等を表示処理手段32cへ出力する。通信処理手段32aは、必要に応じてチャット管理装置10から取得した情報を記憶部33に記憶させる。通信処理手段32aは、運営システムにおける種々の機能を実現するためのチャット処理プログラム33pをチャット管理装置10から取得し、記憶部33に格納する。通信処理手段32aは、ログイン時などのタイミングにおいて、チャット処理プログラム33pの全体を一括で取得してもよく、該プログラムを構成する複数の分割プログラムを、それぞれ、各処理に応じた所定のタイミングで個別に取得してもよい。表示処理手段32cは、入力した操作信号に応じて、記憶部33から必要な情報を読み出し、読み出した情報に基づく種々の画面、画像、サブウィンドウなどを表示部35に表示させる。情報処理部32の具体的な機能例についての詳細は、後述の動作説明において説明する。
【0028】
情報処理部32は、CPU又はGPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるソフトウェア(チャット処理プログラム33pを含む)とにより構成することができる。チャット処理プログラム33pは、情報端末30に搭載されたコンピュータを、通信処理手段32a、入力処理手段32b、及び表示処理手段32cとして機能させるためのプログラムである。記憶部33は、チャット処理プログラム33pを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。もっとも、情報処理部32における各種機能のうちの一部は、ハードウェアにより実現してもよい。情報端末30は、入力部34及び表示部35の代わりに、文字又は画像等の表示を行う表示パネルと、該表示パネルに積層されてタッチ操作を検出する検出手段と、を含むタッチパネルを有していてもよい。もっとも、情報端末30は、入力部34及び表示部35のうちの少なくとも一方とタッチパネルとを併せ持つものであってもよい。
【0029】
次に、図5図9を参照し、本実施の形態1の運営システムにおける、記録データの生成に関連する表示画面について説明する。各表示画面及び各表示画像は、チャット管理装置10から提供される画像データをもとに、情報処理部32が表示部35に表示させる。各図に共通する構成については同一の符号を用いて説明は省略する。なお、図面の煩雑化を避けるため、適宜符号を省略することがある。
【0030】
まず、図5を参照し、ユーザのログイン処理について説明する。例えば、表示処理手段32cは、チャット管理装置10から送信される画像データに基づいてログイン画像Lを表示部35に表示させる。図5に例示するログイン画像Lは、標題部Loと、ログインタブL1と、新規登録タブL2と、アドレス入力欄L3と、パスワード入力欄L4と、ログインボタンL5と、再設定誘導部L6と、を有している。表示処理手段32cは、ログイン画像Lを表示部35の画面全体に表示させてもよく、表示部35の一部に表示させてもよい。
【0031】
標題部Loには、運営システムの名称などが表記される。ログインタブL1は、図5のようなログイン画像Lに対応し、新規登録タブL2は、ユーザが運営システムに新規登録するための新規登録画面(図示せず)に対応する。表示処理手段32cは、マウスクリックなどにより各タブが指定されると、指定されたタブに対応する画像を表示部35に表示させる。
【0032】
本実施の形態1において、ユーザは、新規登録画面を介して事前に、少なくともメールアドレス及び固有のパスワードを登録し、ログイン可能な状態になっているものとする。したがって、ユーザは、アドレス入力欄L3にメールアドレスを入力すると共に、パスワード入力欄L4にパスワードを入力した上で、ログインボタンL5を押下すれば、運営システムにログインすることができる。なお、再設定誘導部L6は、一部又は全体に、パスワードの再設定用のサイトへのリンクが貼られている。
【0033】
次いで、図6に基づき、複数のユーザによるメッセージのやり取りを示すチャット画面Goについて説明する。表示処理手段32cは、チャット管理装置10から送信されるチャットデータに基づき、表示部35にチャット画面Goを表示させる。図6に例示するチャット画面Goは、名称検索部1と、名称選択部2と、名称表示部3と、選択要求ボタン4Aと、閲覧ボタン4Bと、チャット表示部5と、を有している。名称選択部2は、チャット切替部2aと、一覧表示部2bと、を有している。
【0034】
チャット切替部2aは、個人チャットのタグ2cを一覧表示部2bに表示させる状態と、グループチャットのタグ2cを一覧表示部2bに表示させる状態と、全てのグループチャットのタグ2cを一覧表示部2bに表示させる状態と、の切替を行うためのものである。チャット切替部2aは、マウスカーソルを配置する等の操作に応じて、3つの状態それぞれに対応する選択キーが、例えばドロップダウン形式で表示されるようになっている。
【0035】
図6では、一覧表示部2bにおいてグループチャットが選択されているため、一覧表示部2bには、グループチャットのタグ2cが一覧表示されている。各タグ2cは選択可能に構成されており、図6では、グループBのタグ2cが選択されているため、名称表示部3には、グループBと表示されている。情報処理部32は、名称検索部1にメンバー名やグループチャット名が入力されると、予めチャット管理装置10から送信された情報をもとに、あるいはチャット管理装置10との連携により、チャット切替部2aに対応する特定のチャットルームのタグ2cを表示させる。グループ作成ボタン3gは、ユーザがグループチャットに係るチャットルームを作成するためのボタンである。
【0036】
チャット表示部5は、メッセージ入力欄5Cを有している。ユーザが、メッセージ入力欄5Cに文字等を入力し、送信ボタン5sを押下する操作、あるいは送信準備操作と共に送信トリガー操作を行う。すると、情報処理部32は、チャット管理装置10との連携により、入力されたメッセージを含む送信メッセージ5Aをチャット表示部5に表示させる。チャット表示部5には、メッセージ入力欄5Cに入力され送信されたメッセージを含む送信メッセージ5Aや、外部の情報端末30から送信され、チャット管理装置10を介して受信したメッセージを含む受信メッセージ5Bなどが表示される。添付ボタン5pは、メッセージに電子データを紐付けて送信するためのボタンである。以降では、送信メッセージ5Aと受信メッセージ5Bとを区別しない場合、これらを総称して「メッセージ欄」ともいう。なお、図6では、チャット表示部5にメッセージ欄が表示しきれないため、スクロール操作により全体を視認するためのスクロールバー5rが表示されている。
【0037】
情報処理部32は、メッセージ入力欄5Cに入力されたメッセージなどと共に、該メッセージの送信日時及び送信者情報をチャット管理装置10へ送信する。送信者情報とは、送信者を識別するための情報であり、例えばユーザIDやユーザ名などがこれに相当する。チャット管理装置10は、新たに受信したメッセージに、該メッセージの送信日時及び送信者情報を紐付けて、チャット画面Goを構成するチャットデータを生成し又は更新する。したがって、情報処理部32は、図6のように、ユーザ名及び送信日時を含む送信メッセージ5A及び受信メッセージ5Bを表示させることができる。
【0038】
情報処理部32は、送信メッセージ5Aと受信メッセージ5Bの配置及び態様のうちの少なくとも一方が異なるようにし、一見してこれらの区別がつくようにするとよい。すなわち、情報処理部32は、図6のように、送信メッセージ5Aを右寄せ表示し、受信メッセージ5Bを左寄せ表示する、といったように、各メッセージ欄を配置で区別させてもよい。情報処理部32は、色彩、形状、柄などにより各メッセージ欄を区別させてもよい。チャット画面Goは、送信メッセージ5Aに係るユーザを示すアイコン4jと、受信メッセージ5Bに係るユーザを示すアイコン5tと、を有している。アイコン5tは、対応する受信メッセージ5Bに隣接する位置に表示される。
【0039】
選択要求ボタン4Aは、任意のメッセージの選択が可能な状態にするためのボタンである。すなわち、選択要求ボタン4Aは、記録データに含めるメッセージを選択させる選択画像G1の表示を指示するためのボタンである。ここで、記録データは、ユーザにより選択されたメッセージが表示用あるいは出力用に整理された情報である。閲覧ボタン4Bは、チャット管理装置10又はその管轄下のデータベースに格納された、グループ内での共有データを確認させるためのボタンである。ユーザは、記録データなどの編集可能な情報を、閲覧ボタン4Bに対する操作経由で編集することができる。
【0040】
図7及び図8に例示する選択画像G1は、チャット表示部5の各メッセージ欄に紐付く位置に、チェックボックス5xが表示されている。チェックボックス5xは、マウスクリック等の操作により、選択状態と非選択状態とを切り替えることができる。また、選択画像G1は、キャンセルボタン5kと、生成指示ボタン5mと、を有している。キャンセルボタン5kは、直前の画面、つまりチャット画面Goへ遷移させるためのボタンである。生成指示ボタン5mは、チャット管理装置10に記録データの生成を要求するためのボタンである。なお、図7及び図8の例では、チャット画面Goを暗転表示させた画像を背景として選択画像G1が表示されている。以降、遷移前の画面を暗転表示させた背景の箇所を暗転領域BLとする。
【0041】
チェックボックス5xが1つも選択されていない図7のような状態から、チェックボックス5xのうちの少なくとも1つが選択された図8のような状態となり、生成指示ボタン5mが押下されると、情報処理部32は、表示部35の画面を記録画像G2を含む画面へ遷移させる。図9に例示する記録画像G2は、タイトル表示部6aと、メモ記入欄6bと、作成者表示部6cと、期間表示部6dと、一覧データ6eと、備考欄6vと、を有している。タイトル表示部6aには、予め設定された文字等、あるいはチャットの用途などに応じた文字等が表示される。タイトル表示部6aは、編集可能な構成を採ってもよい。メモ記入欄6bは、選択したチャットに関する簡易メモの記入が可能となっている。作成者表示部6cには、生成指示ボタン5mを押下したユーザの名前等が表示される。期間表示部6dには、例えば、ユーザに選択されたメッセージのうちで、最初に送信されたメッセージの送信日から、最後に送信されたメッセージの送信日までの期間が表示される。
【0042】
一覧データ6eは、メッセージごとに、送信日時と送信者とその内容とを関連付けて整理した情報が表示される部分である。一覧データ6eは、メッセージごとの送信日時を示す日時欄6xと、メッセージごとの送信者を示す送信者欄6yと、メッセージの内容を示す内容欄6zと、により構成されている。本実施の形態1において、一覧データ6eは、送信日ごとに区分けされるよう構成されており、内容欄6zの文字等が編集可能となっている。図9では、内容欄6zに対するマウスクリックなどにより、内容欄6zの指定を受け付けたときに、情報処理部32が、該内容欄6zに編集枠6wを表示させ、文字等の編集を受け付ける例を示している。情報処理部32は、一覧データ6eが表示部35の画面上に入りきらない場合、一覧データ6eをスクロール表示する機能を有している。よう構成されている。備考欄6vは、ユーザにより選択されたメッセージに関する事項など、任意の事項を記入するために利用することができる。
【0043】
また、記録画像G2は、キャンセルボタン6kと、印刷ボタン6pと、保存ボタン6mと、を有している。キャンセルボタン6kは、例えば選択画像G1を含む画面又はチャット画面Goなどの、以前に表示されていた画面へ遷移させるためのボタンである。印刷ボタン6pは、ブラウザ等の機能により、紙媒体でのプリントアウト、あるいはPDFによる出力などを行うためのボタンである。保存ボタン6mは、記録画像G2を含む画面への遷移直後の記録データ、または記録画像G2において編集された記録データを、種々のデータ形式で保存するためのボタンである。このようにして保存された記録データは、閲覧ボタン4Bに対する操作などを契機として、事後的に編集することもできる。
【0044】
次いで、図10及び図11に基づき、グループチャットの作成及び編集に関する表示画面について説明する。図6のチャット画面Goにおけるグループ作成ボタン3gが押下されると、情報処理部32は、チャット管理装置10との連携により、グループチャットを作成するためのグループ作成画像G3を表示部35に表示させる。図10では、暗転表示されたチャット画面Goの前にグループ作成画像G3が表示された例を示している。
【0045】
グループ作成画像G3は、標題部7aと、作成ボタン7bと、メンバー検索部7cと、メンバー選択部7dと、チャット名入力欄7eと、コメント入力欄7fと、を有している。標題部7aには、グループ作成画像G3に関連する情報が表示される。情報処理部32は、運営システムにおいてユーザとコンタクトを取れる状態にある他のユーザを示すユーザラベルDを、メンバー選択部7dに表示させる。本実施の形態1におけるユーザラベルDは、ユーザの氏名等の情報と共に、メンバーの属性の情報である属性データ7yを含んでいる。属性データ7yは、ユーザの職業などを示す情報である。ユーザラベルDは、属性データ7yを含めずに構成してもよい。図10では、ユーザラベルD内にチェックボックス7xが表示されている。
【0046】
新しくチャットグループを作成する場合、ユーザが、少なくとも1つのチェックボックス7xにチェックを入れると共に、少なくともチャット名入力欄7eに文字等を入力して作成ボタン7bを押下する。すると、運営システムでは、情報端末30とチャット管理装置10との連携により、グループチャットに係る新たなチャットルームが形成される。チャット名入力欄7eに入力されたチャット名、及びコメント入力欄7fに入力されたコメントは、図6等の名称表示部3に表示される。
【0047】
ここで、例えばマウスクリック等により、図6のタグ2cにおける管理キー2hを操作すると、図11のようなプルダウン形式等により、複数のサブキーを含む編集メニューが表示される。操作中のユーザがオーナー権限をもつグループであれば、図11のように、グループチャットの編集を行うためのサブキーである編集キーh1が表示される。図11では、他のサブキーとして、グループ内で共有されているファイルを見るための閲覧キーh2と、グループチャットの削除を行うための削除キーh3と、グループチャットを休眠状態にし、又はその休眠状態を解除するための休眠キーh4と、を例示している。そして、編集キーh1が押下されると、情報端末30は、チャット管理装置10との連携により、メンバー表示部7gを含むグループ作成画像G3を表示部35に表示させる。なお、操作中のユーザがオーナー権限をもっていなければ、編集キーh1及び削除キーh3は表示されない。
【0048】
図10のメンバー表示部7gは、編集中のグループに属するメンバーの氏名等の情報を含むメンバーラベルEを有している。図10のメンバーラベルEは、メンバーの権限を示す権限タグ7zを有している。権限タグ7zは、オーナー権限を有するメンバーであるか、オーナー権限を有しない一般メンバーであるか、を示すものである。オーナー権限を有するメンバーは、権限タグ7zを介して、一般メンバーにオーナー権限を付与することができる。メンバーの追加処理については、上述した説明と同様である。なお、グループチャットを新規作成する際のグループ作成画像G3、すなわち、グループ作成ボタン3gの押下に起因して表示されるグループ作成画像G3のメンバー表示部7gは空欄となる。
【0049】
続いて、図12のフローチャートに基づき、本実施の形態1におけるチャット処理方法のうち、チャット機能に関する情報端末30側での基本的な動作例について説明する。ここでは、情報端末30に図6のようなチャット画面Goが表示され、ユーザがメッセージ入力欄5Cに文字等を入力する場面を想定する。
【0050】
ユーザがメッセージ入力欄5Cに文字等を入力すると(ステップS101/Yes)、情報処理部32は、入力された文字等を表示部35に表示させる。このとき、情報処理部32は、送信ボタン5sを、操作不可の状態から操作可能な状態に切り替える。その際、情報処理部32は、送信ボタン5sの表示態様を変化させてもよい(ステップS102)。
【0051】
送信ボタン5sが押下される等により、メッセージの送信が指示されると(ステップS103/Yes)、情報処理部32は、メッセージ入力欄5Cに入力された文字等の情報を、ユーザの個別情報と共にチャット管理装置10へ送信する。ここで、メッセージ入力欄5Cに入力された文字等の情報のことを、入力データともいい、チャット管理装置10に送信される入力データは、メッセージに相当する。ユーザの固有情報は、運営システム上でユーザを管理している情報であり、ユーザの識別情報などと共通のものであってもよい(ステップS104)。送信したメッセージが反映されたチャットデータをチャット管理装置10から受信すると(ステップS105)、情報処理部32は、チャットデータに基づくチャット画面Goを表示部35に表示させる(ステップS106)。
【0052】
ステップS103において送信の指示がなく(No)、メッセージ入力欄5Cに追加で文字等が入力された場合(ステップS107/Yes)、情報処理部32は、入力された文字等を表示部35に表示させ(ステップS108)、ステップS103の処理へ移行する。ステップS103において送信の指示がなく(No)、かつ追加で文字等が入力されず(ステップS107/No)、選択要求ボタン4Aが押下される等により、記録データの生成指示を受け付けた場合(ステップS109/Yes)、図15に例示する記録データの生成処理のフローへ移行する。
【0053】
ステップS103において送信の指示がなく(No)、追加で文字等が入力されず(ステップS107/No)、記録データの生成指示もなく、かつ別画面への遷移の指示もなければ(ステップS110/No)、情報処理部32は、ユーザが何らかの操作を行うまで待機する。一方、別画面への遷移の指示があれば(ステップS110/Yes)、情報処理部32は、後述するステップS113の処理へ移行する。
【0054】
ユーザがメッセージ入力欄5Cに文字等を入力することなく(ステップS101/No)、選択要求ボタン4Aが押下される等により、記録データの生成指示を受け付けた場合にも(ステップS111/Yes)、情報処理部32は、図15に例示する記録データの生成処理のフローへ移行する。なお、ユーザが文字等の入力も、記録データの生成指示も、別画面への遷移の指示も行っていない状態にあっては(ステップS101/No、ステップS111/No、ステップS112/No)、情報処理部32は、ユーザが何らかの操作を行うまで待機する。
【0055】
一方、ユーザが別画面への遷移を指示すると(ステップS112/Yes)、情報処理部32は、遷移先の画面データの送信をチャット管理装置10に要求する(ステップS113)。チャット管理装置10から遷移先の画面データを取得すると(ステップS114)、情報処理部32は、遷移先の画面を表示部35に表示させる(ステップS115)。情報処理部32は、チャット画面Goへの遷移の指示を受け付けるまで、他の画面での処理を継続的に実行する(ステップS116/No)。情報処理部32は、チャット画面Goへの遷移の指示を受けると(ステップS116/Yes)、ステップS101の処理へ移行する。
【0056】
次いで、図13のフローチャートに基づき、本実施の形態1におけるチャット処理方法のうち、文字等を入力する際の改行処理と、送信ボタン5sを用いずに行うメッセージの送信処理について説明する。
【0057】
上述した図12の例と同様、情報処理部32は、ユーザがメッセージ入力欄5Cに文字等を入力すると(ステップS201/Yes)、入力された文字等を表示部35に表示させる(ステップS202)。情報処理部32は、改行を指示する操作を受け付けると(ステップS203/Yes)、メッセージ入力欄5Cのカーソルの位置に改行を加える(ステップS204)。情報処理部32は、ユーザが文字等を入力することなく(ステップS201/No)、改行を指示する操作を行った場合にも(ステップS203/Yes)、メッセージ入力欄5Cのカーソルの位置に改行を加える(ステップS204)。本実施の形態1において、改行を指示する操作は、キーボード等の「enterボタン」を押下する操作に設定されている。
【0058】
情報処理部32は、送信準備操作を受け付けている状態で(ステップS205/Yes)、送信トリガー操作を受け付けると(ステップS206/Yes)、メッセージ入力欄5Cに文字等が入力されていれば(ステップS207/Yes)、図12のステップS104へ移行する。本実施の形態1において、送信準備操作は、キーボード等の「shiftボタン」を押下する操作に設定され、送信トリガー操作は、キーボード等の「enterボタン」を押下する操作に設定されている。もっとも、情報処理部32は、改行を指示する操作を受け付けていなくても(ステップS203/No)、「shiftボタン」が押下された状態で(ステップS205/Yes)、「enterボタン」が押下されると(ステップS206/Yes)、メッセージ入力欄5Cに文字等が入力されていれば(ステップS207/Yes)、図12のステップS104の処理へ移行する。
【0059】
情報処理部32は、送信準備操作を受け付けていない状態であれば(ステップS205/No)、送信トリガー操作に相当する操作を受け付けたとしても、メッセージの送信処理を行うことはない。本実施の形態1では、送信トリガー操作と改行を指示する操作とが同じ操作に設定されているため、情報処理部32は、送信トリガー操作が単独で行われた場合に改行処理を実行する。情報処理部32は、送信準備操作を受け付けたとしても(ステップS205/Yes)、送信トリガー操作を受け付けなければ、メッセージの送信処理を行うことはない。
【0060】
送信準備操作と送信トリガー操作との組み合わせは、上記の例に限らず、1又は複数の送信準備操作と、送信トリガー操作とに、それぞれ、任意のキー操作を採用してもよい。ここで、従来のチャットシステムは、「enterボタン」の押下など、1の操作を行うだけでメッセージが送信されるように構成されているので、文章の作成途中での誤送が頻繁に発生する。そのため、送信したメッセージを削除し、再度打ち直すといった手間がユーザに課されたり、一連のメッセージが複数に分割され、読みにくさ等による不快感を相手に与えたりすることがある。この点、本実施の形態1の運営システムは、複数の操作が組み合わされたき、はじめて、メッセージの送信を行うようになっているため、ユーザビリティーの向上を図ることができる。なお、改行を指示する操作と送信準備操作とは、同じ操作に設定してもよく、別々の操作に設定してもよい。
【0061】
続いて、図14のシーケンスチャートに基づき、本実施の形態1におけるチャット処理方法のうち、複数の情報端末30の相互間での、チャット管理装置10を介してのメッセージの送受信について説明する。
【0062】
上述した図12及び図13の例と同様、情報端末30は、メッセージ入力欄5Cへの文字等の入力を受け付けると(ステップS301)、入力された文字等を表示する(ステップS302)。そして、情報端末30は、メッセージの送信が指示されると(ステップS303)、入力データと共にユーザの個別情報をチャット管理装置10へ送信する。その際、情報端末30は、メッセージとしての入力データと共に、送信日時の情報を送信してもよい(ステップS304)。
【0063】
チャット管理装置10は、情報端末30から入力データ等を受信すると(ステップS305)、情報処理部32などの外部機器での表示用のチャットデータを生成する。チャット管理装置10は、既にメッセージのやり取りが行われているチャットルームについては、チャットデータベースに新たなメッセージを格納し、既存のチャットデータを更新することによりチャットデータを生成する(ステップS306)。
【0064】
チャット管理装置10は、生成したチャットデータを、チャットルームに属する全てのユーザそれぞれが使用している情報端末30へ送信する(ステップS307)。各情報端末30は、それぞれ、チャットデータを受信すると(ステップS308)、受信したチャットデータに基づくチャット画面Goを表示する(ステップS309)。チャットルームに属するユーザが情報端末30を介してメッセージの送信を指示すると、上記ステップS304~S309の一連の処理が、チャット管理装置10と情報端末30との間で逐次行われ、各情報端末30では、チャット画面Goが逐次更新される。
【0065】
続いて、図15のフローチャートに基づき、本実施の形態1におけるチャット処理方法のうち、情報端末30における、記録データの生成のためのメッセージの選択処理に係る動作の流れの一例について説明する。
【0066】
図12のステップS109又はステップS111において、情報処理部32は、記録データの生成指示を受け付けると、例えば図7のように、チャット画面Go中の各メッセージそれぞれに対応づけてチェックボックス5xを表示させる。すなわち、情報処理部32は、表示部35に選択画像G1を表示させる。本実施の形態1において、情報処理部32は、ユーザが運営システムにログインし、チャット機能の使用を開始する際、チャット管理装置10から選択処理プログラム(チャット処理プログラム33pを構成する分割プログラム)を取得するようになっている。そのため、情報処理部32は、選択画像G1を表示させる処理を、チャット管理装置10との間の通信なしで行うことができる(ステップS401)。
【0067】
キャンセルボタン5kが押下される等により、情報処理部32がキャンセル操作を受け付けると(ステップS402/Yes)、図12のステップS101又はステップS103の処理へ移行する。一方、情報処理部32は、キャンセル操作を受け付けることなく(ステップS402/No)、チェックボックス5xを選択する操作を受け付けると(ステップS403/Yes)、該チェックボックス5xの表示状態を変化させる。すなわち、情報処理部32は、チェックボックス5xの表示状態が図7のような非選択状態となっている場合、チェックボックス5xの表示状態を図8のような選択状態に変化させる。一方、情報処理部32は、チェックボックス5xの表示状態が選択状態であれば、これを非選択状態に変化させる。より具体的に、情報処理部32は、チェックボックス5xを選択する操作を受け付けたとき、チェックボックス5xが非選択状態であれば選択フラグを立て、選択状態であれば選択フラグを解除する(ステップS404)。なお、チェックボックス5xを選択する操作を受け付けなければ(ステップS403/No)、情報処理部32は、ユーザが何らかの操作を行うまで待機する。
【0068】
情報処理部32は、生成指示ボタン5mが押下される等により、記録データの生成を指示する操作を受け付けると(ステップS405/Yes)、チャットルームから選択された1又は複数のメッセージに紐付く選択情報をチャット管理装置10へ送信する。これにより、チャット管理装置10では記録データが生成される(ステップS406)。
【0069】
情報処理部32は、チャット管理装置10から記録データを受信すると(ステップS407)、記録データに基づく記録画像G2を表示部35に表示させる。記録画像G2は、選択された1又は複数のメッセージと、該メッセージの送信日時と、該メッセージの送信者の情報とが紐づけられて整理された一覧データ6eを含む。図18に例示する一覧データ6eは、時系列に沿って並べられ、表形式で整理されている(ステップS408)。
【0070】
キャンセルボタン6kの押下などにより、キャンセル操作を受け付けると(ステップS409/Yes)、情報処理部32は、例えば図8のように、選択状態のチェックボックス5xを含む選択画像G1の表示に戻す。
【0071】
情報処理部32は、キャンセル操作を受け付けることなく(ステップS409/No)、記録データ中の文字等の修正・追記を受け付けると(ステップS410/Yes)、修正等の内容を記録画像G2に反映させる(ステップS411)。本実施の形態1において、情報処理部32は、記録データを取得する際、併せて記録データの編集処理を実現する編集処理プログラム(チャット処理プログラム33pを構成する分割プログラム)を取得している。そのため、情報処理部32は、ユーザの操作に応じて、チャット管理装置10との通信を行うことなく、記録データの内容の編集処理を行うことができる。
【0072】
情報処理部32は、出力処理の指示を受け付けていない状態では(ステップS412/No)、ユーザが何らかの操作を行うまで待機する。情報処理部32は、出力処理の指示を受け付けると(ステップS412/Yes)、該指示に応じた出力処理を実行する。出力処理の指示とは、印刷ボタン6pを押下する操作、もしくは保存ボタン6mを押下する操作等である。すなわち、出力処理とは、印刷ボタン6pの押下に起因した記録データのプリントアウト又はPDF形式でのデータ出力、保存ボタン6mの押下に起因した種々のデータ形式での記録データの保存等のことである(ステップS413)。情報処理部32は、記録データ中の文字等の修正・追記を受け付けずに(ステップS410/No)、ステップS412の処理へ移行した場合も、上記同様の処理を実行する。
【0073】
続いて、図16のシーケンスチャートに基づき、本実施の形態1におけるチャット処理方法のうち、記録データの生成に関するチャット管理装置10と情報端末30とのやり取りの流れの一例について説明する。図16のシーケンスチャートは、図15のステップS405~S408、S410~S413の処理に対応する。
【0074】
情報端末30は、記録データの生成指示を受け付けると(ステップS109/Yes、ステップS111/Yes)、チャット管理装置10へ選択情報を送信する(ステップS406)。チャット管理装置10は、情報端末30から選択情報を受信すると(S501)、受信した選択情報をもとに記録データを生成し(ステップS502)、生成した記録データを情報端末30へ送信する(ステップS503)。
【0075】
情報端末30は、記録データを受信すると(ステップS407)、受信した記録データに基づく記録画像G2を表示する(ステップS408)。情報端末30は、記録データ中の文字等の修正・追記を受け付けた場合(ステップS410)、受け付けた修正・追記を記録画像G2の該当箇所に反映させる(ステップS411)。
【0076】
情報端末30は、図9の保存ボタン6mが押下される等により、記録データの保存指示を受け付けると(ステップS504)、データ保存要求をチャット管理装置10へ送信する(ステップS505)。チャット管理装置10は、データ保存要求を受信すると(ステップS506)、受信したデータ保存要求に紐付く記録データを、指定された形式で保存する(ステップS507)。
【0077】
本実施の形態1の運営システムにおいて、ユーザは、情報端末30を介して、チャット管理装置10等に保存された記録データを適時に読み出し、編集及び出力処理などを行うことができる。すなわち、情報端末30は、閲覧ボタン4Bを介しての操作等により、記録データの読出指示を受け付けると(ステップS508)、チャット管理装置10へデータ読出要求を送信する(ステップS509)。チャット管理装置10は、データ読出要求に紐付く記録データを読み出し(ステップS510)、読み出した記録データを情報端末30へ送信する(ステップS511)。以降の処理は、図15及び図16のステップS407以降の一連の流れと同様である。上記の各動作説明は、各図に付したステップ番号の順に説明したが、各工程の順序等は、チャット処理方法の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
【0078】
以上のように、本実施の形態1におけるチャット管理装置10は、複数のユーザが属するチャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する制御部12を有している。ここで、記録データには、予め選択されたメッセージだけが含まれる。そのため、ユーザは、記録データを確認することで、チャットルームでのやり取り全体を見るよりも、迅速かつ効率的に過去のやり取りを振り返ることができる。すなわち、チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させることができる。
【0079】
また、制御部12は、記録データに基づく記録画像G2を、記録データの提供先の情報端末30に表示させる。より具体的に、記録画像G2は、選択された1又は複数のメッセージと、該メッセージの送信日時と、該メッセージの送信者の情報とが紐づけられて整理された一覧データ6eを含んでいる。そのため、ユーザは、記録画像G2を視認することで、迅速に過去のやり取りを確認することができる。さらに、ユーザは、記録画像G2を印刷することにより、PC環境の整っていない場所での再確認や、他のグループメンバー等とのシェアに用いることができる。ユーザが記録画像G2を種々のファイル形式で保存し、他のグループメンバー等と共有すれば、データ活用の場面を拡張することができる。
【0080】
本実施の形態1のチャット管理装置10、チャットシステム100、チャット管理プログラム13p、及びチャット処理方法を、お客様対応の場面で利用されるチャットに適用すれば、以前のやり取りを迅速に確認することができ、問い合わせ等の効率化につながるため、企業等の担当者とクライアントとの双方にメリットをもたらすことができる。記録データ又はこれに基づく記録画像G2を、印刷し又は保存しておけば、休暇中の担当者に代わって代理の者が対応する場合でも、サービスの質の低下を抑制することができる。さらに、記録データ等の印刷・保存により、担当者の部署変更や退職などが起こっても、円滑な引き継ぎを行うことができ、お客様の安心と信頼を維持することができる。また、チャットシステム100は、記録画像G2に備考欄6vを含めることができる。そのため、ユーザは、申し送り事項などを備考欄6vに記入しておくことで、より円滑な引き継ぎ等を行うことができる。また、ユーザは、備考欄6vに簡易メモなどを残しておくことにより、前回の対応から期間があいた場合の備忘録としても活用することができる。もっとも、空白となっている内容欄6zを備考欄6vの代わりに使用してもよい。
【0081】
同様に、本実施の形態1における運営システムは、工場などの生産現場での不具合等に関する情報共有にも利用することができる。すなわち、本実施の形態1における運営システムは、友人-知人間、会社内、企業-クライアント間など、様々な場面でのチャットに適用することができ、議事録などに役立てることができる。ところで、チャットでは、正確性よりも迅速性が優先される傾向にあり、その分誤記等が混ざることもある。この点、チャットシステム100は、表示部35に表示させた記録画像G2に含まれるメッセージの編集操作を受け付け、受け付けた編集操作に応じて記録画像G2を更新する機能を有している。すなわち、記録データ等の出力の際に文章の体裁を整えることができるため、保管資料としての質の向上を図ることができる。もっとも、メッセージには、クレームや苦情、バイタルの情報など、適用場面に応じた重要な情報が含まれることがあり、こうした情報が改変されると不都合が生じることもある。そのため、チャットシステム100は、メッセージの編集操作ができないように構成してもよく、一部のユーザにのみ編集権限を与えるように構成してもよい。
【0082】
<変形例1>
図17図19を参照して、実施の形態1の変形例1に係るチャットシステム100について説明する。前述した実施の形態1の本編(以下、単に本編ともいう。)では、メッセージの選択処理をユーザが行うようになっているが、本変形例1に係るチャットシステム100は、メッセージの選択処理を自動的に行う機能を有している。
【0083】
すなわち、チャットルーム内でやり取りされるメッセージには、ユーザが保存しておきたいと考える有用なメッセージもあれば、挨拶などの消去しても差し障りのない定型的な情報等を主とする不要なメッセージ(以下、不要メッセージという。)もある。ユーザが記録データの生成用にメッセージを選択する際、事前に不要データが除かれていれば、選択対象のメッセージの数が減るため、選択時におけるユーザの作業負担が軽減される。
【0084】
そこで、本変形例1のチャット管理装置10は、チャットルーム内でやり取りされたメッセージの中から有用であると推定されるメッセージ(以下、有用メッセージという。)を抽出し、抽出した有用メッセージをもとに有用推定データを生成する、という構成を採っている。以下、有用メッセージの抽出及び有用推定データの生成に係る一連の処理を「自動選択処理」という。チャット管理装置10は、自動選択処理として、選択対象のメッセージから有用メッセージを直接的に抽出する処理を行ってもよく、選択対象のメッセージから不要メッセージを除外することにより有用メッセージを抽出する処理を行ってもよい。本変形例1におけるチャットシステム100の全体的構成及び機能的構成は本編と同様である。したがって、本編と同様の構成部材については同一の符号を用いて重複する説明は省略する。
【0085】
図17に例示するチャット画面Goは、選択対象となるメッセージの抽出期間を指定するための期間指定部4Cを有している。この場合、チャット管理装置10は、期間指定部4Cを含むチャット画面Goの表示用のチャットデータを情報端末30へ送信し、情報端末30は、チャット画面Goの表示が指示されたとき、チャットデータに基づいて期間指定部4Cを含むチャット画面Goを表示する。情報処理部32は、選択要求ボタン4Aが押下される等により、記録データの生成指示を受け付けると、チャット管理装置10へ自動選択要求を送信する。
【0086】
本変形例1のチャット管理装置10における記憶部13には、制御部12のデータ生成処理手段12bが自動選定処理の際に参照する選択処理用データが格納されている。選択処理用データは、チャットルーム内でやり取りされたメッセージの中で有用なものと推定される有用メッセージを抽出するための情報である。選択処理用データは、運営システムを採用する業界などに応じて予め設定された複数のキーワード(有用ワード)を格納するデータベース等であってもよい。この場合、データ生成処理手段12bは、例えば、期間指定部4Cを介して指定された期間内のメッセージを選択処理用データ内の有用ワードと照合する。すなわち、データ生成処理手段12bは、選択対象のメッセージに対し、有用ワードを用いた検索処理を行う。そして、データ生成処理手段12bは、有用ワードを所定数以上含むメッセージを有用メッセージとして抽出し、有用推定データを生成する。所定数は1以上の任意の自然数に設定することができる。複数の有用データは、有用度等に応じた重み付けが施されていてもよい。
【0087】
選択処理用データは、予め設定された複数の不要ワードを格納するデータベース等であってもよい。この場合、データ生成処理手段12bは、例えば、期間指定部4Cを介して指定された期間内のメッセージなどを選択処理用データ内の不要ワードと照合する。すなわち、データ生成処理手段12bは、選択対象のメッセージに対し、不要ワードを用いた検索処理を行う。そして、データ生成処理手段12bは、不要ワードを所定数以上含むメッセージを除外して有用メッセージを抽出することにより有用推定データを生成してもよい。所定数は、任意の自然数に設定することができる。データ生成処理手段12bは、不要ワードがメッセージ全体に占める割合をもとにメッセージを削除するようにしてもよい。データ生成処理手段12bは、不要ワードを所定数以上含む文章をメッセージ中から削除し、他の有用と推定される文章だけを残したメッセージの一部を有用メッセージとして抽出してもよい。
【0088】
選択処理用データは、記録データの要素として有用と推定される複数の文章(以下、元データという。)に基づく機械学習により生成され、メッセージの全体又は一部が有用であるか否かを推定するための推定モデルであってもよい。この場合、データ生成処理手段12bは、選択対象のメッセージを推定モデルの入力として、各メッセージそれぞれが有用であるか否かを判定してもよい。そして、データ生成処理手段12bは、有用であると判定したメッセージ、つまり有用メッセージを用いて有用推定データを作成してもよい。あるいは、データ生成処理手段12bは、選択対象のメッセージごとに、該メッセージに含まれる文章を推定モデルの入力として、文章単位での有用性を判定してもよい。すなわち、データ生成処理手段12bは、メッセージごとに、有用ではないと判定した文章があれば、それを除外したものを有用メッセージとし、有用ではないと判定した文章がなければ、そのまま有用メッセージとしてもよい。もっとも、データ生成処理手段12bは、メッセージを構成する文章全てについて有用ではないと判定した場合、そのメッセージを除外する。
【0089】
推定モデルの構築は、チャット管理装置10の内部で行ってもよく、外部で行ってもよいが、元データには、形態素解析などの自然言語処理を施すとよい。形態素解析とは、自然言語で書かれた文章を、言語上の最小単位である形態素に分割し(分かち書きし)、各形態素のそれぞれの品詞や変化などを判別することである。すなわち、元データを分割した各形態素のそれぞれに、動詞、名詞、形容詞などの品詞の情報を付して分散表現に変換することにより学習用データを生成し、生成した学習用データを用いた機械学習により推定モデルを構築してもよい。この場合、データ生成処理手段12bは、選択対象のメッセージに対し、学習用データの生成時と同様の自然言語処理を施すことで、推定モデルへの入力用のデータを生成するとよい。
【0090】
選択処理用データは、複数の元データのそれぞれを自然言語解析によりベクトル化した有用ベクトルを格納するデータベース等であってもよい。有用ベクトルは、いわゆる意味ベクトルである。この場合、データ生成処理手段12bは、選択対象のメッセージそれぞれを自然言語解析によりベクトル化し、意味ベクトルである対象ベクトルを生成するとよい。そして、データ生成処理手段12bは、生成した対象ベクトルと、選択処理用データ内の有用ベクトルとの間の類似度を求め、求めた類似度に応じて有用メッセージを選択することにより有用推定データを生成してもよい。
【0091】
情報端末30の情報処理部32は、チャット管理装置10において生成された有用推定データに基づき、自動選択処理が反映された確認画像H2を表示部35に表示させる。図18に例示する確認画像H2は、生成指示ボタン5mと、一覧データ6Eと、を有している。一覧データ6Eは、日時欄6x、送信者欄6y、及び内容欄6zと共に、メッセージ各々に対応づけられたチェックボックス6fを含むチェック欄6gを有している。
【0092】
すなわち、本変形例1のチャットシステム100では、チャット管理装置10によるメッセージの自動選択処理の後、ユーザがメッセージの更なる絞り込みを行えるように構成されている。より具体的に、生成指示ボタン5mが押下される操作は、本編同様、記録データの生成を指示する操作に相当し、該操作に応じて情報端末30は、チャット管理装置10との連携により、図9のような記録画像G2を表示部35に表示させる。他の構成は、図9に例示する記録画像G2と同様である。情報端末30は、図6のようなチャット画面Goにおいて選択要求ボタン4Aが押下されたとき、チャット管理装置10との連携により、自動選択処理で抜粋されたメッセージを含む選択画像G1(図9参照)を表示してもよい。すなわち、チャット管理装置10による自動選択処理後に、情報端末30に表示される画像は、各図の態様に限定されない。
【0093】
続いて、図19のシーケンスチャートに基づき、本変形例1におけるチャット処理方法のうち、記録データの生成に関するチャット管理装置10と情報端末30とのやり取りの流れの一例について説明する。図19の処理は、図16のステップS406、S501~S503に対応する。
【0094】
情報端末30は、メッセージの自動選択を指示する操作を受け付けると(図12のステップS109/Yes、及びステップS111/Yesに対応)、チャット管理装置10へ自動選択要求を送信する(ステップS601)。チャット管理装置10は、自動選択要求を受信すると(ステップS602)、上述したような自動選択処理を実行し(ステップS603)、記録データの元となる有用推定データを生成する(ステップS604)。そして、チャット管理装置10は、生成した有用推定データを情報端末30へ送信する(ステップS605)。
【0095】
情報端末30は、有用推定データを受信すると(ステップS606)、有用推定データに基づく確認画像H2を表示部35に表示する(ステップS607)。情報端末30は、チェックボックス6fに対する操作を受け付けると(ステップS608)、チェックボックス6fの表示状態を、チェックボックス5xと同様に変更する(ステップS609)。情報端末30は、記録データ中の文字等の修正・追記を受け付けた場合(ステップS610)、受け付けた修正・追記を記録画像G2の該当箇所に反映させる(ステップS611)。
【0096】
情報端末30は、生成指示ボタン5mが押下される等により、記録データの生成を指示する操作を受け付けると(ステップS612)、選択された1又は複数のメッセージに紐付く選択情報をチャット管理装置10へ送信する(ステップS613)。チャット管理装置10は、受信した選択情報に基づいて(ステップS614)、一覧データ6Eを含む画像の元となる記録データを生成する(ステップS615)。そして、チャット管理装置10が、生成した記録データを情報端末30へ送信し(ステップS503)、図16におけるステップS407の処理へ移行する。上記の動作説明は、各図に付したステップ番号の順に説明したが、各工程の順序等は、チャット処理方法の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。例えば、ステップS608及びS609の処理と、ステップS610及びS611の処理とは、当然に入れ替わることがある。
【0097】
以上のように、本変形例1におけるチャット管理装置10は、ネットワークNを介して通信可能な情報端末30から自動選択要求が送信されたとき、チャットルーム内でやり取りされたメッセージの中で有用なものと推定される有用メッセージを選択処理用データを用いて抽出し、抽出した有用メッセージをもとに有用推定データを生成する制御部12を有している。制御部12は、有用推定データから選択された有用メッセージに係る選択情報が情報端末30から送信されたとき、送信された選択情報をもとに、選択された1又は複数の有用メッセージを該有用メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する。したがって、チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させることができる。そして、チャット管理装置10は、自動選択処理を行うことから、ユーザによるメッセージの選択操作の前段階で、既にメッセージの絞り込みが行われている。よって、ユーザの作業負担を軽減することができる。他の効果等は、実施の形態1と同様である。
【0098】
ところで、情報端末30は、チャット管理装置10による自動選択処理後の有用推定データを記録データとして用い、確認画像H2を表示することなく、つまりユーザに選択の機会を与えずに記録画像G2を表示し、本編と同様の処理を行ってもよい。換言すれば、情報端末30は、図6のようなチャット画面Goにおいて選択要求ボタン4Aが押下されたとき、チャット管理装置10との連携により、自動選択処理で抜粋されたメッセージを含む記録画像G2(図9参照)を表示してもよい。
【0099】
すなわち、チャット管理装置10は、ネットワークNを介して通信可能な情報端末30から自動選択要求が送信されたとき、チャットルーム内でやり取りされたメッセージの中で有用なものと推定される有用メッセージを選択処理用データを用いて抽出し、抽出した1又は複数の有用メッセージを該有用メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する。よって、ユーザは、自動的に選択された1又は複数のメッセージをそのまま、あるいは編集を加えた上で活用することができるため、さらにユーザの負担を軽減することができる。
【0100】
なお、チャット画面Goは、期間指定部4Cを有しない構成としてもよい。ただし、かかる構成を採り、常に全てのメッセージを選定対象にすると、ユーザの選択作業が煩雑になることも想定される。よって、例えば、データ生成処理手段12bは、記録データの要素として過去に抽出されたメッセージを選択対象から除外してもよい。また例えば、データ生成処理手段12bは、過去に抽出されたメッセージのうちで相対的に新しい所定数又は所定期間のメッセージだけを残し、それ以前のものを除外してもよい。
【0101】
<変形例2>
図20及び図21を参照して、実施の形態1の変形例2におけるチャットシステム100について説明する。上述した本編及び変形例1では、チャット管理装置10が記録データの生成を行う例を示したが、本変形例2におけるチャットシステム100は、情報端末30が記録データを生成するよう構成されている。本変形例2におけるチャットシステム100の全体的構成及び機能的構成は本編又は変形例1と同様である。したがって、本編及び変形例1と同様の構成部材については同一の符号を用いて重複する説明は省略する。
【0102】
図20に例示するように、本変形例2の情報端末30における情報処理部32は、上述した本編及び変形例1におけるデータ生成処理手段12bと同様に機能するデータ生成処理手段32dを有している。したがって、図示は省略するが、本変形例2のチャット管理装置10における制御部12は、データ生成処理手段12bを有していない。本変形例2におけるチャット処理プログラム33pは、情報端末30に搭載されたコンピュータを、チャットルームにおける1又は複数のメッセージが選択された状態で、選択されたメッセージの整理を指示する操作を受け付けたとき、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段32d、及び記録データに基づく記録画像G2を表示部35に表示させる表示処理手段32c、として機能させるためのものである。ここで、選択されたメッセージの整理を指示する操作とは、生成指示ボタン5mが押下される操作に対応し、すなわち、記録データの生成を指示する操作に対応する。
【0103】
続いて、図21のシーケンスチャートに基づき、本変形例2におけるチャット処理方法のうち、チャット管理装置10と情報端末30とが連携して記録データを生成する動作例を簡潔に説明する。図16と同様の工程については同一のステップ番号を付して説明は省略する。すなわち、情報端末30は、生成指示ボタン5mが押下される等により、メッセージの整理を指示する操作を受け付けると(ステップS405/Yes)、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する(ステップS701)。そして、チャットシステム100は、図16の場合と同様、ステップS408以降の一連の処理を実行する。
【0104】
以上のように、本変形例2における情報端末30は、チャットルームにおける1又は複数のメッセージが選択された状態でメッセージの整理を指示する操作を受け付けたとき、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する。したがって、チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させることができる。また、本変形例2では、情報端末30が、チャット管理装置10との通信で取得したチャット処理プログラム33p、もしくは、予めダウンロードされインストールされたアプリケーションプログラムとしてのチャット処理プログラム33pによって記録データを生成し、記録画像G2の表示・出力等を行うことができる。よって、ネットワーク環境が不安定な状況下でも処理を円滑に行い、完結することができる。
【0105】
実施の形態2.
実施の形態1は、グループを作成したユーザと、該グループに招待された1又は複数のユーザとが、各々の情報端末30を用いてメッセージのやり取りを行う前提で説明した。これに対し、本実施の形態2の運営システムは、ユーザのステータスをより細かく区別して管理することができる。
【0106】
運営システムに登録するユーザのステータスとしては、需要者と供給者と仲介者とがある。これらのステータス名は、それぞれを区別するための便宜的な表現に過ぎない。需要者は、供給者が提供するサービス・商品・環境・労働力等を必要とする(潜在的なニーズも含む)個人又は法人の従業者等であり、供給者は、需要者に対してサービス・商品・環境・労働力等を提供する個人又は法人の従業者等である。そして、仲介者は、需要者と供給者とを仲介する個人又は法人の従業者等である。従業者等には法人の役員等も含まれる。以下、個人又は法人の従業者等のことを個人等ともいう。
【0107】
運営システムを介護関連事業に採り入れる場合、例えば、需要者としては要介護者又はその家族等(後見人を含む)が想定され、供給者としては介護福祉士やホームヘルパーなどの個人事業者又は介護に関連する企業の従業者等が想定され、仲介者としてはケアマネージャー等が想定される。運営システムを職業紹介事業に採り入れる場合、需要者としては求職者等が想定され、供給者としては人材募集中の企業の従業者等が想定され、仲介者としては人材紹介会社の従業者等が想定される。あるいは同場合、人材募集中の企業の従業者等が需要者として登録し、求職者等が供給者として登録する構成を採ってもよい。
【0108】
運営システムを広く売買仲介業に採り入れる場合、需要者としては商品又はサービスを購入したい個人等が想定され、供給者としては商品又はサービスを販売したい個人等が想定され、仲介者としては売買仲介業者等が想定される。運営システムを不動産仲介業に採り入れる場合、需要者としては家を借りたい個人等・買いたい個人等が想定され、供給者としては家を貸したい個人等・売りたい個人等が想定され、仲介者としては不動産仲介業者等が想定される。運営システムを建築・リフォーム業に採り入れる場合、需要者としては新築・増改築等を検討中の個人等が想定され、供給者としては工務店の従業者等・内装業者・外装業者・塗装業者・大工などが想定され、仲介者としては施行管理業者等が想定される。もちろん、需要者と供給者とが協業先になるケースもある。運営システムをブライダル事業に採り入れる場合、需要者としては新郎・新婦等が想定され、仲介者としてはホテル・結婚式場等が想定され、供給者としてはホテル・結婚式場等の出入り業者(イベント設営会社、カメラマン、花屋など)が想定される。このように、本実施の形態2の運営システムは、多様な業種における需要者-供給者間でのマッチングの場面に広く適用することができる。
【0109】
ここで、需要者・供給者・仲介者は、それぞれ、予め運営システムにユーザ情報を登録し、運営システムにログイン可能な状態になっているものとする。需要者と供給者と仲介者との間では、運営システムに登録する情報の数や質などが異なっていてもよい。特に仲介者は、需要者と供給者との間に立つ重要な役割を担うため、相対的に多くの情報や質の高い情報の登録を課してもよい。質の高い情報としては、写真付き身分証明書の提示や生体認証情報などが考えられる。なお、仲介者と需要者とが運営システムで繋がっている場合は、個人チャットにおいて、実施の形態1と同様のサービスを使用することができる。仲介者と供給者とが運営システムで繋がっている場合も同様である。
【0110】
本実施の形態2において、仲介者は、需要者に紐付く2つのチャットルームを作成することができる。一方のチャットルームは、仲介者と1又は複数の需要者とをグループメンバーとする(以下、需要チャットルームともいう。)。需要チャットルームは、仲介者が1又は複数の需要者をグループへ招待することにより作成される。他方のチャットルームは、仲介者と1又は複数の供給者とをグループメンバーとする(以下、供給チャットルームという。)。供給チャットルームは、仲介者が1又は複数の供給者をグループへ招待することにより作成される。もっとも、ステータス上の仲介者が1つのチャットルームに複数人所属することも可能である。
【0111】
さらに供給者は、役割等の面から、管理者と従業者等に区別できる場合がある。管理者としては、例えば、企業において従業者等の業務を管理する者が考えられる。なお、管理者が供給者としての業務も並行して行う場合、管理者は運営システム上の供給者に該当するが、供給者としての業務を行わない管理者は、運営システム上の供給者には該当しない。
【0112】
図22を参照して、実施の形態2におけるチャットシステム200の全体的な構成例について説明する。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を用いて重複する説明は省略する。図22では、運営システム上の供給者となり得る者として、企業の従業者等と、該企業において従業者等の業務管理を行う管理者とが存在する想定となっている。
【0113】
図22の例において、チャットシステム200は、チャット管理装置110と、運営端末20と、仲介者端末40と、管理者端末50と、1又は複数の供給者端末60と、需要者端末70と、を有している。チャット管理装置110と、運営端末20と、仲介者端末40と、管理者端末50と、1又は複数の供給者端末60と、需要者端末70とは、インターネットなどのネットワークNを介して、有線又は無線による通信が可能に接続されている。
【0114】
図22では、1人の需要者に紐付けて、需要チャットルームと供給チャットルームとが作成される場合を例示している。もっとも、図22は便宜的な例示であり、運営システムの適用場面によっては、仲介者端末40、管理者端末50、及び需要者端末70のうちの少なくとも1つが複数台存在することもある。また、上述したとおり、管理者は運営システムにおける供給者に該当することもあり、つまり、管理者端末50を使用するユーザは、供給チャットルームに所属することがある。チャット管理装置110は、実施の形態1のチャット管理装置10と同様の機能的構成を有しているため、図2を参照することとし、図示は省略する。すなわち、チャット管理装置110は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、を有している(図2参照)。なお、変形例2を適用する場合、制御部12は、データ生成処理手段12bを有しない。
【0115】
本実施の形態2では、運営システム上の仲介者が使用する情報端末を仲介者端末40とし、管理者が使用する情報端末を管理者端末50とし、供給者が使用する情報端末を供給者端末60とし、需要者が使用する情報端末を需要者端末70とする。仲介者端末40、管理者端末50、供給者端末60、及び需要者端末70は、何れも、実施の形態1の情報端末30と同様の機能的構成を有しているため、図4を参照することとし、図示は省略する。すなわち、仲介者端末40、管理者端末50、供給者端末60、及び需要者端末70は、それぞれ、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33と、入力部34と、表示部35と、を有している。以降では、仲介者端末40と管理者端末50と供給者端末60と需要者端末70とを区別せずに指す場合、情報端末と総称する。変形例2の構成を適用する場合、各情報端末の機能的構成は、図20の例と同様になる。
【0116】
ここで、図23図33を参照し、本実施の形態2の運営システムを介護関連事業に採り入れた場合の具体例について説明する。図23は、かかる場合の仲介者と需要者及び供給者との関係性を概略的に例示したものである。要介護者はPC等の操作が不得手又は困難であることも想定されるため、運営システム上は通常、要介護者の家族等が、需要者として、仲介者としてのケアマネージャーと繋がることになる。また、図23では、介護関連企業に属する管理者の招待操作により、該企業のスタッフが供給者として運営システムに登録する、という流れを想定している。すなわち、図23の実線(太)は、一般的なケースにおける、需要チャットルームでの繋がりと、供給チャットルームでの繋がりとを例示したものである。なお、ケアマネージャーが複数の要介護者を担当している場合、図23のような関係が複数存在することになる。
【0117】
図24図27の流れは、実施の形態1における図6図9の流れに対応している。特にケアマネージャーと介護関連企業に属するスタッフとのメッセージのやり取りは、実施の形態1と同様の処理により、要介護者に対する支援の経過を示す「支援経過記録」として活用することができる。そこで、図24図27を参照し、支援経過記録の作成に関する構成及び動作について説明する。図6図9と同様の構成については同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0118】
図24に例示するチャット画面Goは、機能表示部8Aと、ファイル管理部8Bと、記録管理部8Cと、を有している。機能表示部8Aは、運営システムに種々の機能を発揮させるための複数の機能ボタン8nを含む。図24に例示する機能表示部8Aは、機能ボタン8nとして、コンタクトボタンと、チャットボタンと、スケジュールボタンと、プロフィールボタンと、ファイルボタンと、本人認証ボタンと、その他ボタンと、を有している。なお、図24の例において、コンタクトボタンの上部に表示される画像は、運営システムの名称等を示すものであり、機能ボタン8nに相当するものではない。
【0119】
コンタクトボタンは、運営システムを使用している他のユーザに連絡をとるためのアイコンである。チャットボタンは、チャット機能を使用するためのアイコンである。図24は、ユーザがグループチャット機能を使用している状態を例示している。スケジュールボタンは、スケジュールを入力し、管理するためのアイコンである。プロフィールボタンは、プロフールを確認し、修正するためのアイコンである。ファイルボタンは、チャットグループにおいて共有されているファイルを確認し、ダウンロード等するためのボタンである。
【0120】
本人認証ボタンは、顔写真や生体認証などにより、サービス提供を受ける資格を持つユーザであることの確認をとるためのアイコンである。本実施の形態2において、本人認証ボタンは、仲介者として登録されたユーザにのみ表示される。ユーザは、本人認証ボタンへの操作で遷移した本人認証画面(不図示)を通じて、本人確認のためのファイル等をアップロードし、運営システム側での承認が得られれば、仲介者に提供される全ての機能・サービスを使用することができる。本具体例では、ケアマネージャーに「介護支援専門員証」及び「顔写真」のアップロードが義務づけられている。もっとも、仲介者としての登録用の必要書類等は、適宜設定し、変更することができる。
【0121】
その他ボタンは、利用規約などを確認する際に使用される。なお、各機能ボタン8nが押下されると、押下された機能ボタン8nの態様が指定状態に変化すると共に、機能表示部8A以外の領域が、該機能ボタン8nに対応する画像に切り替わる。図24では、指定状態の機能ボタン8nが反転表示される例を示している。もっとも、機能表示部8Aに配置される機能ボタン8nの数及び種類は、任意に設定し、変更することができる。
【0122】
ファイル管理部8Bは、後述する図28の添付用画像G4におけるタグ選択部9eに対応する複数の仮想ボタンを有している。図24では、アイコンと文字とが隣接する複数の仮想ボタンを例示しており、これらを操作することで、種々のタグに紐づけられたファイルなどを閲覧することができる。記録管理部8Cは、要介護者に関する重要な記録を確認するための1又は複数のアイコンを有している。図24では、緊急対応記録のアイコンと、入退院記録のアイコンと、を例示している。
【0123】
また、チャット画面Goは、2つのチャットルームの表示が可能なWチャット機能を使用するための切替ボタン4Fを有している。切替ボタン4Fは、仲介者として登録されているユーザのチャット画面Go等に表示される。切替ボタン4Fは、需要者(要介護者の家族等)に紐付く、仲介者と供給者とが属する供給チャットルームの画面と、該需要者と該仲介者とが属する需要チャットルームの画面(図31及び図32参照)との表示切替を行うためのボタンである。
【0124】
本実施の形態2の具体例において、選択要求ボタン4Aは、支援経過記録に含めるメッセージを選択させる選択画像G1を表示させるためのボタンである。すなわち、仲介者端末40又は供給者端末60等は、選択要求ボタン4Aが押下される等により、記録データの生成指示を受け付けると、図25のように、チェックボックス5xを含む選択画像G1を表示部35に表示させる。
【0125】
仲介者端末40又は供給者端末60等は、少なくとも1つのチェックボックス5xが選択状態のとき、記録データの生成を指示する操作を受け付けると、選択された1又は複数のメッセージに紐付く選択情報をチャット管理装置10へ送信する。そして、チャット管理装置10から記録データが返送されると、仲介者端末40又は供給者端末60等は、記録データに基づき、支援経過記録の元となる記録画像G2を表示部35に表示させる。
【0126】
図26に例示する記録画像G2は、該画像の説明文などが表示される説明部6sと、支援経過記録で重要事項となる要介護者の氏名記入用の氏名欄6hと、を含む。本具体例において、氏名欄6hは、必須入力欄に設定されている。すなわち、仲介者端末40又は供給者端末60等は、図26のように、氏名欄6hに文字が入力されていない状態では、印刷ボタン6pへの操作を受け付けない。一方、仲介者端末40又は供給者端末60等は、図27のように、氏名欄6hに文字が入力されると、印刷ボタン6pへの操作を受け付ける。
【0127】
次に、図28を参照し、メッセージにファイルを添付する際に表示される添付用画像G4の構成例と、これに関連する処理内容について説明する。図24のようなチャット画面Goにおいて、添付ボタン5pが押下されると、情報端末は、図28のような添付用画像G4を表示部35に表示させる。図28に例示する添付用画像G4は、題目表示部9aと、ファイル名入力欄9bと、添付ファイル表示部9cと、添付メッセージ入力欄9dと、タグ選択部9eと、キャンセルボタン9kと、送信ボタン9sと、を有している。
【0128】
添付ファイル表示部9cには、添付したメッセージを示す画像が表示される。タグ選択部9eには、選択可能な複数のタグが表示される。複数のタグには、それぞれ、固有の識別情報であるタグデータが割り当てられている。添付メッセージ入力欄9dは、添付ファイルに紐付けて送信する文字等の入力欄である。キャンセルボタン9kは、直前の画面などへ遷移させるためのボタンである。ユーザが、添付ボタン5pへの操作を経てファイルを添付した後、ファイル名入力欄9bにファイル名を入力し、タグ選択部9eから1つのタグを選択して送信ボタンを押下する。すると、情報端末は、添付ファイルに、少なくともファイル名とタグデータとを紐付けてチャット管理装置110へ送信する。
【0129】
チャット管理装置110は、タグデータごとに、添付ファイル及びこれに紐付けられた情報を整理して記憶部13等に格納する。これにより、ユーザは、ファイル管理部8B等を介して、タグごとの添付ファイルを迅速に確認することができる。チャットシステム200では、ファイルをメッセージに添付して送信するだけで、添付ファイルがタグごとに整理されるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。印刷ボタン6p又は保存ボタン6mを用い、ファイルとして保存した支援経過記録についても、メッセージに添付して送信するだけで、グループ内の共有ファイルとして適時に確認することができる。
【0130】
次いで、図29図31を参照して、運営システム上の管理者として登録されているユーザが使用する管理者端末50に係る構成及び処理内容等について説明する。まず、図29を参照して、管理者によるスタッフの招待に係る構成及び処理内容について説明する。管理者端末50のチャット画面Go等には、図29と同様、機能ボタン8nの1つとして、管理者画面K1への表示切替を指示する管理者ボタンが表示される。ユーザが管理者ボタンを押下すると、例えば図29のような管理者画面K1が表示される。図29に例示する管理者画面K1は、3つの管理タグを含む選択部8Eを有しており、選択された管理タグに応じて、表示される内容が切り替わる。
【0131】
図29には、管理タグとしてのスタッフ招待タグが選択された状態の管理者画面K1を例示しており、この管理者画面K1は、標題部8aと、入力補助部8cと、入力欄8dと、招待ボタン8sと、招待管理部8vと、を有している。ユーザが管理者端末50において、運営システムに招待したいスタッフのメールアドレス(以下、スタッフアドレスという。)を入力欄8dに入力し、招待ボタン8sを押下すると、スタッフアドレスがチャット管理装置110へ送信される。
【0132】
チャット管理装置110は、スタッフアドレス宛てに、運営システムへの登録用のサイトの情報を含むメールを送信する。以下、運営システムへの登録用のサイトのことを登録サイトともいい、登録サイトの情報のことをサイト情報ともいう。サイト情報は、登録サイトを示すURL又は二次元バーコード等である。これにより、スタッフは、供給者端末60等からサイト情報経由で登録サイトにアクセスし、ユーザ情報の入力などの登録処理を行うことで、運営システムが提供するサービスを利用することができる。なお、招待管理部8vには、サイト情報を送信済みのスタッフの情報が、招待日時及びステータスと共に表示される。
【0133】
次に、図30及び図31を参照して、管理者によるスタッフの招待に係る構成及び処理内容について説明する。図30に例示する管理者画面K2は、4つの管理タグを含む選択部8Eを有しており、管理タグとしてのスタッフ追加タグが選択されている。この管理者画面K2は、スタッフ検索欄8kと、スタッフ表示部8Fと、チャット指定欄8pと、コメント欄8rと、参加表示部8Gと、追加ボタン8tと、を有している。
【0134】
スタッフ表示部8Fは、管理者の管轄下にあるスタッフが一覧表示され、一覧表示中のスタッフタグは選定可能に構成されている。図30では、スタッフタグにチェックボックス8xが表示され、これにより、スタッフタグの選定が可能となっている。スタッフ表示部8Fの表示内容は、スタッフ検索欄8kへの入力内容に応じて切り替わる。チャット指定欄8pは、供給チャットルームの名称又は識別情報等であるルーム情報を入力し、スタッフを参加させたい供給チャットルームを特定するための入力欄である。コメント欄8rは、供給チャットルームのオーナーである仲介者(ケアマネージャー)に、追加するスタッフの情報や挨拶文などを送付するための入力欄である。
【0135】
参加表示部8Gには、管理者の管轄するスタッフが参加しているグループの情報が一覧表示される。図30の例では、グループの情報が、グループ名の情報(例示は「要介護者の氏名+様+支援」)と、参加中のスタッフの人数を示す人数タグ8mと、詳細ボタン8zと、を有している。詳細ボタン8zを押下すると、例えば、参加中のスタッフの情報が表示される。人数タグ8mの代わりに、参加中のスタッフの氏名などを表示させてもよく、この場合、詳細ボタン8zは表示させなくてもよい。もっとも、参加表示部8Gは、人数タグ8mを有しなくてもよい。
【0136】
図31のシーケンスチャートを参照して、本実施の形態2におけるチャット処理方法のうち、管理者による、供給チャットルームへのスタッフの追加処理の動作例について説明する。管理者端末50は、管理者画面K2を介してスタッフの選定操作、及びルーム情報などの入力操作を受け付けた後(ステップS801)、追加ボタン8tが押下される等により送信指示を受け付ける(ステップS802)。すると、管理者端末50は、選定されたスタッフの情報と入力された情報とを含む追加要求をチャット管理装置110へ送信する(ステップS803)。
【0137】
チャット管理装置110は、追加要求を受信すると(ステップS804)、追加要求に含まれるルーム情報をもとに、送信対象の仲介者を特定し、特定した仲介者に向けて仲介情報を送信する(ステップS805)。仲介情報には、スタッフの情報及びコメント欄8rに入力された情報などが含まれる。仲介者端末40は、仲介情報を受信すると、受信した旨を仲介者へ報知する(ステップS806)。仲介者が仲介情報を確認するための操作を行うと(ステップS807)、仲介者端末40は、供給チャットルームへのスタッフ追加の承認用の承認画面(不図示)を表示させる(ステップS808)。仲介者が、承認画面を介して加入の承認を指示すると(ステップS809)、仲介者端末40は、承認を受けた旨の承認情報をチャット管理装置110へ送信する(ステップS810)。
【0138】
チャット管理装置110は、承認情報を受信すると(ステップS811)、管理者によって選定されたスタッフに向けて、参加要求を送信する(ステップS812)。参加要求には、参加が打診されている供給チャットルームの情報などが含まれる。参加要求は、管理者の情報を含んでいてもよい。供給者端末60は、参加要求を受信すると、受信した旨をスタッフへ報知する(ステップS813)。スタッフが仲介情報を確認するための操作を行うと(ステップS814)、供給者端末60は、供給チャットルームへの参加意思を確認するための参加画面(不図示)を表示する(ステップS815)。スタッフが、参加画面を介して参加承認を行うと(ステップS816)、供給者端末60は、参加承認を受けた旨の参加通知をチャット管理装置110へ送信する(ステップS817)。
【0139】
チャット管理装置110は、供給者端末60からの参加通知を受けて、供給チャットルームにスタッフを参加させるための参加処理を行う。これにより、スタッフは、供給チャットルームに属する仲介者及び他の供給者との間でのメッセージのやり取り等が可能となる(ステップS818)。チャット管理装置110は、スタッフの供給チャットルームへの追加が完了した旨の完了通知を管理者端末50へ送信してもよい(ステップS819)。上記の動作説明は、図31に付したステップ番号の順に説明したが、各工程の順序は、チャット処理方法の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
【0140】
従来のチャットシステムは、チャットルームに属していないユーザが、該チャットルームに他人を追加する機能を有していない。そのため、例えば企業の管理者が、同企業の従業者等を任意のチャットルームに参加させたい場合、従業者等に該チャットルームの運営者や参加者の情報を伝えている。つまり、従業者等は、管理者から取得した情報をもとに、自らチャットルームの運営者等に連絡をとり、該チャットルームへの参加のためのアクションを起こす必要がある。
【0141】
この点、本実施の形態2のチャットシステム200は、管理者が従業者等及びチャットルームを指定すれば、従業者等は、最終的な参加承認を行うだけで、管理者が指定したチャットルームに参加することができる。また、チャットルームの運営者等は、管理者が指定した従業者等の加入を承認するだけで、管理者から打診された従業者等、あるいは自身が希望した人材に当て嵌まる事業者等をチャットルームに招待することができる。したがって、ユーザの手間を省くことができ、利便性の向上を図ることができる。
【0142】
本実施の形態2では、仲介者、管理者、供給者という異なるステータスのユーザ間で、仲介者が作成したチャットグループに所属していない管理者が、該チャットグループに仲介者を参加させる例を示したが、これに限定されない。上記の機能は、同一のステータスのユーザ間、もしくはステータスの区別がないユーザ間にも、具体的には実施の形態1の構成にも適用することができる。すなわち、あるグループに所属していないユーザが、同じくそのグループに所属していない他のユーザを該グループに所属させたいような場合、上記の機能により、これを実現することができる。ただし、ユーザが運営システムに登録していることが前提となる。
【0143】
続いて、図32及び図33を参照し、チャットシステム200が有するWチャット機能におけるシングルモード及びダブルモードと、各モードでの記録データの生成に関連する構成及び処理内容について説明する。本実施の形態2では、需要者に紐付く2つのチャットルーム、すなわち、需要チャットルームと供給チャットルームとが、需要者ごとに生成されている。需要チャットルームは、仲介者と需要者とが属するチャットルームであり、供給チャットルームは、仲介者と供給者が属するチャットルームである。チャット画面Goに表示されているチャットルームは、供給チャットルームに相当する。
【0144】
図24のようなチャット画面Goにおいて、切替ボタン4Fが押下されると、図32のようなシングルモードに切り替わる。シングルモードは、チャット表示部5の代わりに、需要チャットルームを示す需要チャット表示部V2が表示されるモードである。なお、シングルモードのチャット画面には、符号「GW1」を付す。図32では、チャット画面Goにおけるチャット表示部5及びその右側の領域に、供給チャットルームを示す供給チャット表示部V1(図33参照)を暗転表示させた暗転部BWと、需要チャット表示部V2とが並べて表示されている。
【0145】
ユーザが、チャット画面GW1の暗転部BWにクリック操作等を行うと、図33のようなダブルモードに切り替わる。なお、ダブルモードのチャット画面には、符号「GW2」を付す。図33のチャット画面GW2では、チャット画面Goにおけるチャット表示部5及びその右側の領域に、供給チャット表示部V1と、需要チャット表示部V2とが並べて表示されている。
【0146】
チャット画面GW1又はチャット画面GW2において、ユーザが選択要求ボタン4Avを押下すると、仲介者端末40は、例えば需要チャット表示部V2の表示態様を図7のチャット表示部5のような態様に切り替える。すなわち、需要チャット表示部V2のメッセージに対応づけてチェックボックス5xを表示させると共に、生成指示ボタン5mを表示させる。少なくとも1つのメッセージがチェックされた状態で生成指示ボタン5mが押下されると、仲介者端末40は、実施の形態1の図9における記録画像G2と同様の画像を表示部35に表示させる。チャット画面GW2において、ユーザが選択要求ボタン4Aを押下すると、仲介者端末40は、例えば図25のような選択画像G1を表示部35に表示させる。
【0147】
チャット画面GW2において、ユーザが選択要求ボタン4Awを押下すると、仲介者端末40は、例えば、供給チャット表示部V1と需要チャット表示部V2との双方のメッセージを選択可能な状態に切り替え、生成指示ボタン5mを表示させる。供給チャット表示部V1と需要チャット表示部V2との双方のメッセージが少なくとも1つ選択された状態で、生成指示ボタン5mが押下されると、仲介者端末40は、供給チャット表示部V1に対応するメッセージと需要チャット表示部V2に対応するメッセージとを時系列に沿って整理した一覧データ(不図示)を含む記録画像G2を表示部35に表示させる。このように、本実施の形態2のWチャット機能によれば、需要者に紐付く2つのチャットルームでのやり取りを任意に選択し、これらを時系列に沿って整理することができる。そのため、需要者への支援の状況と、需要者の身体的・精神的な状況とを迅速に対比することができ、介護等に活かすことができる。
【0148】
チャットシステム200の他の構成は、実施の形態1のチャットシステム100と同様である。また、本実施の形態2におけるチャット処理方法は、図12及び図13のフローチャート、図14のシーケンスチャート、図15のフローチャート、図16のシーケンスチャートに例示する一連の処理と同様である。もっとも、本実施の形態2には、変形例1の構成及び手法を適用することができ、この場合のチャット処理方法は、図19のシーケンスチャートに例示する一連の処理と同様のものとなる。同様に、本実施の形態2には、変形例2の構成及び手法を適用することができ、この場合のチャット処理方法は、図21のシーケンスチャートに例示する一連の処理と同様のものとなる。
【0149】
以上のように、本実施の形態2におけるチャット管理装置110は、需要者と供給者との間を仲介する仲介者と、供給者とが属し、需要者に紐付けられたチャットルームにおいて選択された、1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する制御部12を備えている。本実施の形態2におけるチャット管理プログラム13pは、仲介者と供給者とが属し、需要者に紐付けられたチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するチャット管理装置110に搭載されたコンピュータを、上記のチャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成するデータ生成処理手段、として機能させるものである。本実施の形態2におけるチャット処理方法は、仲介者と供給者とが属し、需要者に紐付けられたチャットルームにおいて選択された、1又は複数のメッセージに係る選択情報を制御部12が取得し、取得した選択情報をもとに制御部12が、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する、という手法を採っている。したがって、チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させることができる。他の効果等については、実施の形態1と同様である。
【0150】
上述した各実施の形態は、チャット管理プログラム、チャット管理装置、チャットシステム、及びチャット処理方法における具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、実施の形態1のチャットシステム100は、チャット管理装置10と、1又は複数の情報端末30とにより構成し、運営端末20は、チャットシステム100の外部の構成としてもよい。実施の形態2のチャットシステム200は、チャット管理装置110と、仲介者端末40と、管理者端末50、供給者端末60、及び需要者端末70のうちの少なくとも1つと、により構成してもよい。
【0151】
チェックボックス5xがチェックされた状態とチェックされていない状態の表示態様は、各図のものに限らず、種々の態様を採ることができる。さらに、チェックボックス5xを用いたメッセージの選択手法ではなく、他の手法を採用してもよい。例えば、図6のようなチャット画面Goにおいて、メッセージ欄そのものが選択可能となるように構成してもよい。この場合、マウスクリック等の操作によりメッセージ欄の選択ができるように構成し、選択中のメッセージ欄の表示態様と、選択していないメッセージ欄の表示態様とを変化させるようにするとよい。各図に例示した他のチェックボックスについても同様である。
【0152】
タブの文字等、アイコンの文字等、タグの文字等、仮想ボタンとして機能する文字又はボタン等の構成は、各図の態様に限定されず、種々の文字・図形などを採用することができる。チャット画面Go、選択画像G1、記録画像G2、グループ作成画像G3、添付用画像G4、確認画像H2、管理者画面K1、管理者画面K2、チャット画面GW1、チャット画面GW2、供給チャット表示部V1、及び需要チャット表示部V2の全体的な構成、及びこれらに含まれる各オブジェクトは、あくまでも例示である。すなわち、これらの画面や画像等は、適宜変更できると共に、オブジェクトの取捨選択も適宜行うことができる。例えば、一覧データ6e及び一覧データ6Eは、内容欄6zを必須の構成とすればよく、日時欄6x及び送信者欄6yのうちの少なくとも一方を表示しない構成を採ってもよい。これらは、匿名性が必要な意見の集計など、必ずしも必要ではないケースも想定されるからである。また、これらの画面や画像等は、全画面表示にされてもよく、画面の一部に表示されてもよく、サブウィンドウとして表示されてもよい。
【0153】
1 名称検索部、2 名称選択部、2a チャット切替部、2b 一覧表示部、2c タグ、2h 管理キー、3 名称表示部、3g グループ作成ボタン、4A 選択要求ボタン、4Av 選択要求ボタン、4Aw 選択要求ボタン、4B 閲覧ボタン、4C 期間指定部、4F 切替ボタン、4j アイコン、5 チャット表示部、5A 送信メッセージ、5B 受信メッセージ、5C メッセージ入力欄、5k キャンセルボタン、5m 生成指示ボタン、5p 添付ボタン、5r スクロールバー、5s 送信ボタン、5t アイコン、5x チェックボックス、6E 一覧データ、6a タイトル表示部、6b メモ記入欄、6c 作成者表示部、6d 期間表示部、6e 一覧データ、6f チェックボックス、6g チェック欄、6h 氏名欄、6k キャンセルボタン、6m 保存ボタン、6p 印刷ボタン、6s 説明部、6v 備考欄、6w 編集枠、6x 日時欄、6y 送信者欄、6z 内容欄、7a 標題部、7b 作成ボタン、7c メンバー検索部、7d メンバー選択部、7e チャット名入力欄、7f コメント入力欄、7g メンバー表示部、7x チェックボックス、7y 属性データ、7z 権限タグ、8A 機能表示部、8B ファイル管理部、8C 記録管理部、8E 選択部、8F スタッフ表示部、8G 参加表示部、8a 標題部、8c 入力補助部、8d 入力欄、8k スタッフ検索欄、8m 人数タグ、8n 機能ボタン、8p チャット指定欄、8r コメント欄、8s 招待ボタン、8t 追加ボタン、8v 招待管理部、8x チェックボックス、8z 詳細ボタン、9a 題目表示部、9b ファイル名入力欄、9c 添付ファイル表示部、9d 添付メッセージ入力欄、9e タグ選択部、9k キャンセルボタン、9s 送信ボタン、10 チャット管理装置、11 通信部、12 制御部、12a 情報処理手段、12b データ生成処理手段、13 記憶部、13p チャット管理プログラム、20 運営端末、21 通信部、22 端末制御部、23 記憶部、24 入力部、25 表示部、30 情報端末、31 通信部、32 情報処理部、32a 通信処理手段、32b 入力処理手段、32c 表示処理手段、32d データ生成処理手段、33 記憶部、33p チャット処理プログラム、34 入力部、35 表示部、40 仲介者端末、50 管理者端末、60 供給者端末、70 需要者端末、100 チャットシステム、110 チャット管理装置、200 チャットシステム、B グループ、BL 暗転領域、BW 暗転部、D ユーザラベル、E メンバーラベル、G1 選択画像、G2 記録画像、G3 グループ作成画像、G4 添付用画像、GW1 チャット画面、GW2 チャット画面、Go チャット画面、H2 確認画像、K1 管理者画面、K2 管理者画面、L ログイン画像、L1 ログインタブ、L2 新規登録タブ、L3 アドレス入力欄、L4 パスワード入力欄、L5 ログインボタン、L6 再設定誘導部、Lo 標題部、N ネットワーク、V1 供給チャット表示部、V2 需要チャット表示部、h1 編集キー、h2 閲覧キー、h3 削除キー、h4 休眠キー。
【要約】
【課題】チャットルームでの過去のやり取りをユーザに効率よく確認させるチャット管理プログラム、チャット処理プログラム、チャット管理装置、チャットシステム、及びチャット処理方法を提供すること。
【解決手段】複数のユーザが属するチャットルームでのメッセージのやり取りを管理するチャット管理装置。チャット管理装置は、チャットルームにおいて選択された1又は複数のメッセージに係る選択情報を取得したとき、取得した選択情報をもとに、選択された1又は複数のメッセージを該メッセージの送信日時及び送信者と紐付けて記録データを生成する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33