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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018210755
(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公開番号】P2020074980
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 崇雅
(72)【発明者】
【氏名】藤原 海
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】平口 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴晶
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 慎也
(72)【発明者】
【氏名】河邉 法広
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-124118(JP,A)
【文献】特開2014-193268(JP,A)
【文献】特開2017-148377(JP,A)
【文献】特開2015-139644(JP,A)
【文献】特開2017-064366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定結果を示す図柄の変動に対応して実行されて遊技者に操作部の操作を促す操作演出のたびに、遊技者が前記操作部を操作したタイミングに応じた演出用変数を累積していく累積演出を行い、
前記操作演出には、通常操作演出と、対応する前記図柄が示す前記当否判定結果に関わらず前記通常操作演出よりも出現する可能性が低く、かつ前記通常操作演出よりも比較的大きい前記演出用変数を取得可能な特別操作演出と、が含まれ、
累積された前記演出用変数を所定の数ずつ減算表示する累積変数消化演出が行われる遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、当否判定の結果の報知とともに演出を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-132975号公報(段落[0111])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の遊技機では、従来の演出に慣れてしまった遊技者のために斬新な演出を提供する遊技機の開発が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の遊技機は、当否判定結果を示す図柄の変動に対応して実行されて遊技者に操作部の操作を促す操作演出のたびに、遊技者が前記操作部を操作したタイミングに応じた演出用変数を累積していく累積演出を行い、前記操作演出には、通常操作演出と、対応する前記図柄が示す前記当否判定結果に関わらず前記通常操作演出よりも出現する可能性が低く、かつ前記通常操作演出よりも比較的大きい前記演出用変数を取得可能な特別操作演出と、が含まれ、累積された前記演出用変数を所定の数ずつ減算表示する累積変数消化演出が行われる遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、斬新な演出を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技板の正面図
図3】操作演出のイメージ図
図4】操作演出のイメージ図
図5】特別演出のイメージ図
図6】特別操作演出のイメージ図
図7】演出選択処理のフローチャート
図8】演出選択処理のフローチャート
図9】演出選択処理のフローチャート
図10】累積時間処理のフローチャート
図11】演出テーブルの概念図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から図11には、本実施形態のパチンコ遊技機10(以下、「遊技機10」という)が示されている。図1に示すように、遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、図2に示す遊技板11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0009】
図1に示すように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、操作ハンドル28が備えられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1(図2参照)に向けて弾き出される。また、上皿26の上方には、演出に用いられ、遊技者が押圧可能な演出用操作部29が備えられている。
【0010】
図2に示すように、遊技領域R1は遊技板11の前面から突出したガイドレール12に包囲されている。遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されており、その表示開口11Hに遊技板11の裏面側から表示装置13の表示画面13Gが対向している。遊技板11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面から突出していて、遊技領域R1を流下する遊技球を表示装飾枠23の内側に進入させないように構成されている。
【0011】
表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄の当否判定が行われる。
【0012】
表示装飾枠23の下方中央には、第1の始動入賞口14Aと第2の始動入賞口14Bとが上下2段に並べて配置され、その右方に大入賞口15が設けられている。始動入賞口14A,14Bの左方や大入賞口15の右方には、一般入賞口20が複数配されている。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。この一般入賞口20に遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき10個の賞球が上皿26に払い出される。
【0013】
第1の始動入賞口14Aは、ポケット構造をなして遊技球が1つずつ入球可能な大きさで上方に開口している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさで前方に開口し、回動扉14Tによって開閉される。回動扉14Tは、通常は、閉状態となっていて、上述した普通図柄の当否判定が当りになると、開状態となる。第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき4個の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄の当否判定(以下、「特図判定」という)が行われる。その当否判定の結果は、表示画面13Gにおいて、変動表示されたのち停止表示される特別図柄13A,13B,13Cの組合せによって報知される。そして、特図判定が当りになると、通常の遊技状態から大当り遊技状態へ移行し、大当り遊技が実行される。
【0014】
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技状態が大当り遊技状態となって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が上皿26に払い出される。なお、各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技級は、遊技領域R1の下端部に配されたアウト口16から排出される。
【0015】
なお、表示画面13Gにおいて変動表示又は「大当り遊技」の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権利、即ち、変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、停止表示又は「大当り遊技」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び変動表示が行われる。
【0016】
特図判定は以下のように行われる。即ち、第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、特図判定用の乱数が取得され、この乱数が予め設定された当り乱数と一致するか否かによって当否を判定する。
【0017】
ここで、特図判定の当りには、「特典無し当り」と「特典付き当り」との2種類があり、当り乱数もそれぞれに対応して特典付き当り乱数と、特典無し当り乱数とが設定されている。本実施形態では、特図判定において、特典無し当りになる確率と特典付き当りになる確率は、それぞれ4/200、1/200に設定されている。
【0018】
特典付き当りになると、大当り遊技において、大入賞口15が、例えば、1秒間の開放を複数回繰り返し、普通に打っていれば大入賞口15に遊技級が入球する一方、特典無し当りでは、大入賞口15が、例えば、0.1秒間の開放を1回行うだけで、遊技球が大入賞口15に入球することは実質的にはない設定になっている。また、特典付き当りになると、大当り遊技の実行後に、特図判定で当りになる確率が高い確変状態になるという特典が付与される。以降、適宜、「特典付き当り」を「大当たり」といい、「特典無し当り」を「小当たり」という。
【0019】
次に、表示画面13Gの特別図柄13A,13B,13Cによる特図判定の結果の報知について説明する。図2に示すように、表示画面13Gには、例えば、0~9の範囲でそれぞれ変化する3桁の数字である特別図柄13A,13B,13Cが表示されている。第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、これら特別図柄13A,13B,13Cがスクロール表示(変動表示)されたのち、例えば、左、右、中の順に停止し、この特別図柄13A,13B,13Cの図柄組み合わせによって、特図判定の判定結果を報知する。具体的には、特典付き当りの場合には、特別図柄13A,13B,13Cを「777」のぞろ目にして確定停止表示し、特典無し当りの場合には、特別図柄13A,13B,13Cを「777」以外のぞろ目にして確定停止表示し、外れの場合には、特別図柄13A,13B,13Cをぞろ目以外にして確定停止表示する。
【0020】
また、各特別図柄13A,13B,13Cのうち、先に2つの図柄(例えば左右の特別図柄13A,13C)が同一の数字になって停止表示された状態で、残り1つの図柄(例えば中央の特別図柄13B)がスクロール表示されている状態を「リーチ」という。特図判定用の乱数が取得される際には、特別図柄13A,13B,13Cの判定報知の途中でリーチ状態にするか否かを決定するための乱数と特別図柄13A,13B,13Cの変動時間を決定するための乱数も併せて取得される。
【0021】
さて、表示画面13Gでは、特別図柄13A,13B,13Cによる判定報知の他に様々な演出が行われる。それらの演出の中には、「操作演出」が含まれている。図3に示される「操作演出」の一例では、特別図柄13A,13B,13Cの変動が始まると、メインキャラクタC1が歩いている映像と共に、「PUSH」という文字からなり、演出用操作部29を操作することを示唆する操作示唆画像13Sが表示される(図3(A)参照)。そして、演出用操作部29が操作されると、メインキャラクタC1が歩いている映像がメインキャラクタC1が車に乗っている映像に切り替わり(図3(C)参照)、その後、特別図柄13A,13B,13Cが確定停止表示される(図3(D)参照)。このように、「操作演出」は、演出用操作部29が操作されると、演出映像に何らかの変化が起こる内容になっている。
【0022】
ところで、本実施形態の遊技機10では、「操作演出」の度に、時間をストックしていくタイムストック演出が行われる。そして、タイムストック演出によって、所定の時間分(例えば、100秒)時間がストックされると、リーチ中の演出として、特別演出が実行可能となる。
【0023】
まず、タイムストック演出について説明する。図3(A)に示すように、「操作演出」が始まると、操作示唆画像13Sとともに、演出用操作部29の操作が有効な有効時間T1(図中では10.00秒)が表示され、その有効時間T1のカウントダウンが開始される。そして、カウントダウン中に演出用操作部29が操作されると、図3(B)に示すように、そのときの残り時間(図中では7.20秒)がストック時間T2として「STOCK」という文字とともに表示される。また、表示画面13Gには、有効時間T1又はストック時間T2の左方に、ストック時間T2の累積である累積時間T3が表示されていて、「操作演出」でストック時間T2が発生するたびに加算されていく。この累積時間T3は、「TOTAL」という文字とともに表示されている。なお、ストック時間T2の表示はメインキャラクタC1の映像が切り替わるときに消えるが(図3(C)参照)、累積時間T3の表示は変動終了まで存続している(図3(D)参照)。
【0024】
その後、再び「操作演出」が実行されると、図4(A)に示すように、有効時間T1と共に、前回の「操作演出」終了時の累積時間T3(7.20秒)が表示される。そして、演出用操作部29が操作されると、今回のストック時間T2(例えば、8.11秒)が累積時間T3に加算されて、累積時間T3が15.31秒と表示される。この操作演出は、累積時間T3が100秒になるまで行われる。なお、図4(C),(D)に示すように、累積時間T3は、最大値が100秒であり、100秒を超えた分は切り捨てされる。
【0025】
上述したように、累積時間が100秒になると、リーチ中に特別演出が実行可能となる。図5に示される特別演出の一例では、まず、図5(A)に示すように、特別図柄13A,13B,13Cの変動が「777」のリーチ状態になると、「タイムストック解放」という文字が表示されるとともに、100秒のカウントダウンが始まり(図5(B)参照)、すぐに、メインキャラクタC1が敵キャラクタC2と戦う映像が表示される(図5(C)参照)。そして、カウントダウンが終了すると、メインキャラクタC1が敵キャラクタC2に勝利するとともに、特別図柄13A,13B,13Cが「777」で確定停止し、大当りが報知される(図5(D)参照)。このように、特別演出は、「操作演出」のたびにストックしていた時間を使用する内容の演出になっている。なお、リーチ外れで特別演出が行われる場合は、メインキャラクタC1が敵キャラクタC2に負ける映像が表示される。
【0026】
ここで、特別演出を実行可能とするために100秒をストックする際に、遊技者によっては、操作示唆画像13Sに気づいてから演出用操作部29を押すまでに手間取ったり、操作示唆画像13Sに気づくのが遅くなる等して、なかなか100秒ストックできず、興ざめしてしまうことが考えられる。これに対して本実施形態の遊技機10では、操作演出として、ストック可能な時間が通常(例えば、最大10秒)よりも長い(例えば、最大20秒)特別操作演出が設定されていて、時間をストックしやすくなっている。
【0027】
図6には、特別操作演出の一例が示されている。特別操作演出では、図6(A)に示すように、特別図柄13A,13B,13Cの変動が開始されると、メインキャラクタC1がヘリコプターに乗っている映像が表示されるとともに、操作示唆画像13S、有効時間T1、累積時間T3が表示される。ここで、通常の操作演出では有効時間T1が10.00秒であったが、特別操作演出では、有効時間T1が20.00秒になっている。そして、通常の操作演出と同様に、演出用操作部29が操作されると、残り時間(図中では14.32秒)がストック時間T2として累積時間T3に加算される(図6(B)参照)。その後、メインキャラクタC1がヘリコプターに乗っている映像が、メインキャラクタC1がロケットに乗っている映像に切り替わったのち(図6(C)参照)、特別図柄13A,13B,13Cが確定停止表示される(図6(D)参照)。
【0028】
本実施形態では、この特別操作演出は、小当たりになった後の4変動でのみ実行される。なお、小当たり後の4変動は、有効時間T1を通常の操作演出よりも長くするために、特別図柄13A,13B,13Cの変動時間も、通常の操作演出を行う場合よりも長くなっている。
【0029】
次に、上記タイムストック演出及び特別演出を実行するためにサブ制御基板が実行する処理を、図7から図11に基づいて説明する。図7に示す演出選択処理(S1)では、第1フラグがONかOFFかを判定し(S2)、OFFの場合(S2でNO)、第2フラグがONかOFFかを判定する(S3)。第2フラグもOFFの場合(S3でNO)、特図判定の結果が大当りであるか(S4)、小当りであるか(S7)、リーチ外れであるか、リーチ無し外れであるか(S10)、を判定し、その結果に応じた演出テーブルから演出を選択する(S5,S8,S11,S12)。また、特図判定の結果が小当りである場合(S7でYES)、演出の選択(S8)後に第2フラグをONにする(S9)。ステップS5,S9,S11,S12の実行後、その他の処理(S6)を行って、この処理(S1)を抜ける。
【0030】
ステップS3において、第2フラグがONの場合(S3でYES)、図8に示すように、特図判定の結果が大当りであるか(S20)、小当りであるか(S22)、リーチ外れであるか、リーチ無し外れであるか(S24)、を判定し、その結果に応じた演出テーブルから演出を選択する(S21,S23,S25,S26)。その後、第2フラグカウンタに1追加し(S27)、第2フラグカウンタが4になったか否かを判定する(S28)。第2フラグカウンタが4になった(つまり、小当り後の変動が4回行われた)場合(S28でYES)、第2フラグをOFFし(S29)、第2フラグカウンタをリセットし(S30)、その他の処理(S31)を行った後、この処理(S1)を抜ける。第2フラグカウンタが4になっていない場合(S28でNO)、その他の処理(S31)を行った後、この処理(S1)を抜ける。
【0031】
ステップS2において、第1フラグがONの場合(S2でYES)、図9に示すように、特図判定の結果が大当りであるか(S40)、小当りであるか(S42)、リーチ外れであるか、リーチ無し外れであるか(S44)、を判定し、その結果に応じた演出テーブルから演出を選択する(S41,S43,S45,S46)。次いで、選択された演出が特別演出か否かを判定する(S47)。特別演出であった場合(S47でYES)、第1フラグをOFFし(S48)、その他の処理(S49)を行ってから、この処理(S1)を抜ける。特別演出でない場合(S47でNO)、その他の処理(S49)を行ってから、この処理(S1)を抜ける。以上が、演出選択処理(S1)の説明である。
【0032】
サブ制御基板は、演出選択処理(S1)に次いで、図10に示す累積時間処理(S60)を行う。累積時間処理(S60)では、まず、操作演出中であるか否かが判定され(S61)、操作演出中でない場合(S61でNO)、その他の処理(S67)を行って、この処理(S60)を抜ける。一方、操作演出中である場合(S61でYES)、演出用操作部29が操作されたか否かを判定する(S62)。
【0033】
演出用操作部29が操作されていない場合(S62でNO)、その他の処理(S67)を行って、この処理(S60)を抜ける。演出用操作部29が操作された場合(S62でYES)、そのときの有効時間T1の残り時間をストック時間T2として累積時間T3に加算し(S63)、累積時間T3が100秒に到達したか否かを判定する(S64)。累積時間T3が100秒に到達していない場合(S64でNO)、その他の処理(S67)を行って、この処理(S60)を抜ける。累積時間T3が100秒に到達した場合(S64でYES)、第1フラグをONにする(S65)とともに、累積時間T3をリセットした(S66)のち、その他の処理(S67)を行って、この処理(S60)を抜ける。以上が累積時間処理(S60)の説明である。
【0034】
上述したように、第1フラグは、累積時間が100秒になるとONになるフラグである。この第1フラグがONになると、操作演出が選択されなくなるとともに、大当たり又はリーチ外れのときに、特別演出が選択されるようになる。また、第2フラグは、特図判定の結果が小当りであるとONになるフラグである。この第2フラグがONになると、4変動だけ、ストック可能な時間が長い特別操作演出が実行される。
【0035】
次に、演出選択処理(S1)で演出を選択するための演出テーブルについて、図11に基づいて説明する。まず、累積時間が100秒になっておらず、小当り後の4変動でもないときに選択される演出テーブル1~4(図11(A)参照)では、有効時間T1が10.00秒の操作演出が25%の確率で選択されるようになっている。次に、累積時間が100秒になっておらず、小当り後の4変動において選択される演出テーブル5~8(図11(B)参照)では、必ず有効時間T1が20.00秒の特別操作演出が選択されるように設定されている。
【0036】
図11(C)~(E)に示すように、累積時間が100秒に到達した後の演出テーブル9~12には、操作演出は含まれておらず、また、これら演出テーブル9~12では、特図判定の結果によって特別演出が含まれているか否かが異なっている。即ち、特図判定の結果が小当りのときの演出テーブル10及びリーチ無し外れのときの演出テーブル12(図11(C)参照)には、特別演出が含まれておらず、特図判定の結果が大当りのときの演出テーブル9(図11(D)参照)及びリーチ外れのときの演出テーブル12(図11(E)参照)には、特別演出が含まれている。また、特別演出の選択確率は、大当りのときは55%である一方、リーチ外れのときは10%となっていて、大当りのときの方がリーチ外れのときよりも特別演出が実行されやすくなっている。これにより、特別演出は期待度の高い演出になっている。なお、各演出テーブル中の演出は、内容が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0037】
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成は以上である。次に、本実施形態の効果について説明する。上述したように、本実施形態の遊技機10では、操作演出の度に、遊技者が演出用操作部29を操作したタイミングでの有効時間T1の残り時間をストックしていくという斬新な演出を提供することができる。さらに、そのストック(累積時間)が所定の時間(例えば100秒)に到達したら、特別演出が実行可能になり、より趣向性を向上させることができる。この演出によれば、遊技者自らの操作によって特別演出を実行可能にしたという達成感を遊技者に味わわせることができる。
【0038】
ここで、時間をストックしていく際に、遊技者によっては、操作示唆画像13Sに気づいてから演出用操作部29を押すまでに手間取ったり、操作示唆画像13Sに気づくのが遅くなる等して、なかなか100秒ストックできず、興ざめしてしまうことが考えられる。これに対して本実施形態の遊技機10では、操作演出として、ストック可能な時間が通常よりも長い特別操作演出が設定されているので、時間をストックしやすくなり、上述した事態が防がれる。しかも、その特別操作演出が、小当り後の規定数回(例えば4回)の変動のみで実行されるので、特別操作演出が頻繁に行われてありがたみに欠けてしまうことが防がれる。
【0039】
ところで、時間をストックしやすくするには、単に、操作演出の選択確率を増やすということも考えられる。しかしながら、操作演出の実行回数が多すぎると、他の演出とのバランスが悪くなったり、操作が手間だと思う遊技者に不快感を感じさせてしまうことが懸念される。これに対し、本実施形態のように、1回の操作演出でストックできる時間を長くして対応することで、操作演出の選択確率を大きくすることなく、時間をストックしやすくすることができる。
【0040】
[他の実施形態]
(1)通常の操作演出及び特別操作演出は、有効時間がそれぞれ一律でもよいし、抽選により決定してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、小当り後の4変動で選択される演出が全て特別操作演出であったが、通常の操作演出が含まれていてもよいし、操作演出以外の演出が含まれていてもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では、特別操作演出が小当り後の4変動で実行される構成であったが、通常の変動中に実行される構成であってもよい。この場合、特別操作演出の選択確率を通常の操作演出の選択確率よりも小さくしておくことが好ましい。
【0043】
(4)特別図柄13A,13B,13Cの変動時間と有効時間T1とが同一でなくてもよい。
【0044】
(5)操作演出が変化が起こらない内容であってもよい。
【0045】
(6)累積時間T3は、通常の操作演出又は特別操作演出中のみ表示されていてもよいし、操作演出に係る変動中のみ表示されていてもよいし、常に表示されていてもよい。
【0046】
(7)上記実施形態では、累積時間が所定の時間に到達すると特別演出が行われる構成であったが、特別演出を有さず、単に時間をストックしていく構成であってもよい。
【0047】
(8)上記実施形態では、特別操作演出が、有効時間が長い構成になっていたが、残り時間に定数をかける(例えば、2倍する)構成であってもよい。
【0048】
(9)上記実施形態では、ストック時間が有効時間の残り時間そのものであったが、これに限られるものではなく、例えば、残り時間に定数をかけたものであってもよい。また、有効時間を複数の期間に分けて、どの期間で演出用操作部29が操作されたかによってストック時間が異なるように構成されてもよい。
【0049】
(10)特別操作演出が、特定の操作演出が複数回行われる構成であってもよい。この場合、1回の特別操作演出中に、遊技者に演出用操作部29の操作を複数回行わせることになり、遊技者に遊技に参加しているとより感じさせることができる。また、1回の特定の操作演出の有効時間は、通常の操作演出の有効時間と同じであってもよいし、短くても長くてもよい。
【0050】
(11)上記実施形態では、操作演出が、特別図柄13A,13B,13Cの変動に合わせた演出であったが、これに限られるものではなく、例えば、当否判定の先読み結果の予告に合わせた演出であってもよい。
【0051】
(12)特別操作演出の有効時間T1が変動時間と略一致する一方、通常の操作演出の有効時間T1が変動時間よりも短い構成であってもよい。この場合、特別操作演出の有効時間T1が通常の操作演出の有効時間T1よりも長ければ、特別操作演出が行われる変動の変動時間が、通常の操作演出が行われる変動の変動時間よりも長くなっていてもよいし、短くなっていてもよいし、同じであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 遊技機
13G 表示画面
13S 操作示唆画像
29 演出用操作部
T1 有効時間
T2 ストック時間
T3 累積時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11