(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】組立式テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 3/12 20060101AFI20230501BHJP
A47B 37/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A47B3/12 B
A47B37/00 502C
(21)【出願番号】P 2019024027
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】519050897
【氏名又は名称】鈴木 助
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【氏名又は名称】橋本 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100226713
【氏名又は名称】橋本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 助
(72)【発明者】
【氏名】西森 裕伸
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特許第6334794(JP,B1)
【文献】特表2002-520548(JP,A)
【文献】実開昭60-013030(JP,U)
【文献】実開昭51-096702(JP,U)
【文献】特開2013-221638(JP,A)
【文献】実開昭59-187331(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0205180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状部材からなる4枚の脚板を挿込溝同士の噛み合せにより平面視井桁状に連結した脚部と該脚部で下面側を支持される天板からなる組立・分解自在の組立式テーブルにおいて、前記脚板は、天板支持片と脚片からなる逆L字状の部材であり、前記天板支持片が水平の状態で載置された前記天板を支持するとともに、前記脚片が鉛直の状態で先端側を設置面に接して配置され、前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の前記天板支持片に発熱手段を保持する保持構造を備え
ており、前記発熱手段は本体部の外周縁が水平方向に所定幅で延長された鍔部を有し、前記鍔部を前記保持構造により保持する、ことを特徴とする組立式テーブル。
【請求項2】
前記保持構造が前記天板支持片の上面または側面に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載した組立式テーブル。
【請求項3】
前記天板の底面に前記天板支持片の上端側が嵌まる溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載した組立式テーブル。
【請求項4】
前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の4本の天板支持片上面を他の上面部分よりも所定の深さだけ低くして掛止部が各々形成されており
、前記鍔部の
形状が平面視方形状であって、その4つの角部分が前記4本の天板支持片上面の前記掛止部に各々掛止された状態で保持する、ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載した組立式テーブル。
【請求項5】
前記天板支持片上面には、上面側から所定幅・所定深さで形成した掛止用凹部が設けられており
、前記鍔部の
形状が平面視方形状であって、その4つの角部分
が4本の天板支持片上面に形成された前記掛止用凹部に各々掛止された状態で保持する、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載した組立式テーブル。
【請求項6】
前記掛止用凹部は、所定幅で切欠いた凹部の底面中央部分をそれよりも幅狭の凹部にさらに切欠いてなる階段構造とされており、異なる横幅の切欠部分により径のサイズが異なる前記
発熱手段の鍔部の角部分を掛止しながら保持可能とされている、ことを特徴とする請求項5に記載した組立式テーブル。
【請求項7】
前記天板が複数の分割体から構成され、前記分割体の周辺側に持ち手用孔が形成され、前記逆L字状の脚板2対を全体略長方形となるよう向きを逆さに組み合わせて前記複数の分割体と重ね、バンドを前記持ち手用孔に挿通するとともに前記脚板の前記天板支持片上面に形成された前記掛止用凹部に掛止して、全体を結束することを特徴とする請求項5又は6に記載した組立式テーブル。
【請求項8】
前記脚板で構成される平面視方形の1辺が、前記発熱手段の本体部
の外周縁が水平方向に所定幅で延長されて形成された平面視方形状の鍔部の1辺よりも長く形成されている、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載した組立式テーブル。
【請求項9】
前記天板支持片の側面には、所定幅・所定深さで水平方向に形成した掛止用スリットが設けられており
、前記鍔部の
形状が平面視方形状であって1辺が前記脚板で構成された平面視方形の1辺よりも短く形成されており、その4つの角部分が前記4本の天板支持片側面に形成された前記掛止用スリットに各々掛止された状態で保持する、ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載した組立式テーブル。
【請求項10】
前記天板が複数の分割体から構成され、前記分割体の周辺側に持ち手用孔が形成され、前記逆L字状の脚板2対を全体略長方形となるよう向きを逆さに組み合わせて前記複数の分割体と重ね、バンドを前記持ち手用孔および前記掛止用スリットに挿通して、全体を結束することを特徴とする請求項9に記載した組立式テーブル。
【請求項11】
前記天板には、上面中央部を所定形状・所定サイズで切欠いた開口部が設けられており、前記開口部を開閉自在の状態で閉鎖する蓋部材を備えている、ことを特徴とする請求項1,2,3、4,5,6,7,8,9又は10に記載した組立式テーブル。
【請求項12】
前記発熱手段は前記保持構造の上方から挿入して保持される、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11に記載した組立式テーブル。
【請求項13】
前記発熱手段は前記保持構造の下方から挿入して保持される、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11に記載した組立式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状部材の組合せで構成され収納・運搬時にコンパクトな状態に収まる組立式テーブルであって、殊に、天板の下面側に発熱手段を保持するための保持構造を備えたアウトドア用コタツに適した組立式テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプや屋外においては、複数のパーツから短時間でテーブルに組み立てられる組立式テーブルが汎用されている。このような組立式テーブルとしては、実開平5-48727号公報や特開平10-80325号公報に記載されているように、2枚の脚板を挿込溝で平面視十字形に組みながらその上に天板を置いて使用する方式のものが一般的である。
【0003】
かかる組立式テーブルは、2枚の平板状の脚板と1枚の平板状の天板を、接着剤や釘を使用することなく嵌め合わせるだけで容易に組み立てられることに加え、平板状部材の組合せのみで構成されていることから、使用しないときには分解して重ねることにより薄くコンパクトな状態に収めることができるため、極めて収納性・可搬性にも優れたものであり、アウトドア目的のテーブルとしては好適である。
【0004】
一方、近年においては、アウトドアであっても屋内と同様の環境が望まれ、寒さ対策もその一つであり、例えばアウトドア用のコタツがあれば快適である。これに対し例えばテーブルにこたつ布団を掛け、中にあんかなどの暖房具を入れることも考えられるが、人の足が当たるなどの問題があり、また特に、組立式テーブルでは上記のような2枚の脚板を天板の下側の中央部で十字状に組んでいるものが多く、発熱手段を天板の中央下方位置に配置することが困難であるばかりか、足を入れることも困難である。
【0005】
これに対し、天板の中央部下方位置に発熱手段を保持できるものとして、特許第6334794号公報に、側面視が門型である4枚の脚板を平面視井桁状に組合せたものの上に天板を連結するとともに、脚板により形成された井桁の内側空間内の所定高さ位置に設置した横架材上に加熱手段であるコンロなどを載置する方式の組立式バーベキューテーブルが提案されている。
【0006】
しかしながら、この組立式バーベキューテーブルにおいては、側面が門型である4枚の脚板の下部両端側に地面に接する脚片が各々設けられており、天板下方に配置された8本の脚板で天板を支える構成であるため強固である可能性はあるが、各脚板が重く組み立て、設置作業が困難であるとともにキャンプ場のような不整地では多数の脚板の先端を均等に接地させることができず却って不安定になってしまうという問題があり、また、不使用時にテーブルを分解して収納・運搬する場合にも脚板が重く、全体が高く積み重なって嵩張りやすいものとなる。
【0007】
しかも、この組立式バーベキューテーブルにおいては、対面する脚板に孔を形成し、その対向する孔に挿通して脚板間に水平に横架させた横架材の上部にコンロが載置される構造であるが、横架材が対向する孔に挿通されているため、例えば横架材の下方に足を挿入して足を動かせば横架材に当たって位置をずらしてしまい容易に横架材が抜脱し、また脚板が多いため人の足を入れるスペースが少なく、更に、コンロの載置や交換は必ず上方からであるため、こたつ布団や天板を載せて数人が足を入れて比較的長時間使用するコタツとして使用するには不具合が多く、全く適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実開平5-48727号公報
【文献】特開平10-80325号公報
【文献】特許第6334794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、天板中央部の下方位置に発熱手段の保持構造を備えた組立式テーブルについて、座ったときの足の挿入しやすさや動かし易さを確保しながら、発熱手段の確実な保持と交換のし易さ、および収納性・可搬性に優れたものとすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、平板状部材からなる4枚の脚板を挿込溝同士の噛み合せにより平面視井桁状に連結した脚部と該脚部で下面側を支持される天板からなる組立・分解自在の組立式テーブルにおいて、前記脚板は、天板支持片と脚片からなる逆L字状の部材であり、前記天板支持片が水平の状態で載置された前記天板を支持するとともに、前記脚片が鉛直の状態で先端側を設置面に接して配置され、前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の前記天板支持片に発熱手段を保持する保持構造を備えており、前記発熱手段は本体部の外周縁が水平方向に所定幅で延長された鍔部を有し、前記鍔部を前記保持構造により保持することを特徴とする。
【0011】
このように、井桁状に連結されて天板を支持する4枚の脚板を逆L字状の平板状部材からなるものとし、各脚板の天板支持片で天板を支持しながら発熱手段を天板支持片に備えた保持構造により保持する構成であるため、天板の裏面に近接した中央部下方位置に発熱手段を保持することができ、その下方に広い空間を確保可能となって、特に、コタツとして使用する場合には足を入れて動かし易い状態となり、万一下から足が発熱手段を押し上げても、天板により抑えられて抜脱し難く、かつ、4枚の脚板が挿込溝同士の噛み合せにより平面視井桁状に連結した構成であるため容易に外れることなく強固なテーブルとなり、さらに1対ずつ逆L字状の脚板を同一平面上に重ねて向きを逆に組合せることで全体が略長方形になるため、コンパクトな状態に収まり可搬性にも優れたものとなる。
【0012】
前記保持構造が前記天板支持片の上面または側面に形成されていることを特徴とする。
【0013】
前記天板の底面に前記天板支持片の上端側が嵌まる溝が形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の4本の天板支持片上面を他の上面部分よりも所定の深さだけ低くして掛止部が各々形成されており、前記発熱手段は本体部の上面外周縁が水平方向に所定幅で延長されて平面視方形状の鍔部を有し、前記鍔部の4つの角部分が前記4本の天板支持片上面の前記掛止部に各々掛止された状態で保持する、ことを特徴としたものとすれば、鍔部を有した発熱手段を簡易な構成で安定的に保持することができる。
【0015】
この場合は、発熱手段本体部が脚板で構成される平面視方形内に配置されるとともに、発熱手段の平面視方形状の鍔部の4つの角部分が、脚板の4本の天板支持片上面に形成した掛止部に掛止された状態で発熱手段が保持される構成であるため、天板の無い状態で上方から発熱手段を前記平面視方形内へ配置して各々の鍔部における角部分を掛止部に各々掛止させることが可能となる。
【0016】
さらに、前記天板支持片上面には、上面側から所定幅・所定深さで形成した掛止用凹部が設けられており、前記発熱手段は本体部の上面外周縁が水平方向に所定幅で延長されて平面視方形状の鍔部を有し、前記鍔部の4つの角部分が前記4本の天板支持片上面に形成された前記掛止用凹部に各々掛止された状態で保持する、ことを特徴としたものとすれば、鍔部を有した発熱手段を簡易な構成で安定的に保持することができる。
【0017】
さらにまた、前記掛止用凹部は、所定幅で切欠いた凹部の底面中央部分をそれよりも幅狭の凹部にさらに切欠いてなる階段構造とされており、異なる横幅の切欠部分により径のサイズが異なる前記加熱手段の鍔部の角部分を掛止しながら保持可能とされていることを特徴とするものにすれば、異なるサイズの発熱手段の鍔部の角部分を掛止して保持することが可能となる。
【0018】
さらに、前記天板が複数の分割体から構成され、前記分割体の周辺側に持ち手用孔が形成され、前記逆L字状の脚板2対を全体略長方形となるよう向きを逆さに組み合わせて前記複数の分割体と重ね、バンドを前記持ち手用孔に挿通するとともに前記脚板の前記天板支持片上面に形成された前記掛止用凹部に掛止して、全体を結束することを特徴としたものとすれば、バンドの位置がずれることなく強固に結束でき、また2枚の脚板を略長方形状に組合せたものの外形と近似した形状・サイズにて重ね合わせることで重畳後の平面視面積をコンパクトに抑えやすいものとなるため、一層収納性・可搬性に優れたものとなる。
【0019】
加えて、前記脚板で構成される平面視方形の1辺が、前記発熱手段の本体部の上面外周縁が水平方向に所定幅で延長されて形成された平面視方形状の鍔部の1辺よりも長く形成されている場合には、天板を載置するまで組み立てた後でもあるいは脚板を井桁状に組み立て、その上にこたつ布団を掛け、その上に天板を載置した状態のままでも、天板の下側から押し上げて水平方向に回転させることで発熱手段を設置し、あるいは交換することができる。
【0020】
また、前記天板支持片の側面には、所定幅・所定深さで水平方向に形成した掛止用スリットが設けられており、前記発熱手段は本体部の上面外周縁が水平方向に所定幅で延長されて平面視方形状で1辺が前記脚板で構成された平面視方形の1辺よりも短く形成されている鍔部を有し、前記鍔部の4つの角部分が前記4本の天板支持片側面に形成された前記掛止用スリットに各々掛止された状態で保持することを特徴としたものとすれば、天板を載置するまで組み立てた後でもあるいは脚板を井桁状に組み立て、その上にこたつ布団を掛け、その上に天板を載置した状態のままでも、天板の下側から押し上げて水平方向に回転させることで発熱手段を設置し、あるいは交換することができるばかりか、鍔部が掛止用スリットに上下方向に保持されて使用時に外れる心配がない。
【0021】
さらに、前記天板が複数の分割体から構成され、前記分割体の周辺側に持ち手用孔が形成され、前記逆L字状の脚板2対を全体略長方形となるよう向きを逆さに組み合わせて前記複数の分割体と重ね、バンドを前記持ち手用孔および前記掛止用スリットに挿通して、全体を結束することを特徴としたものとすれば、バンドの位置がずれることなく強固に結束でき、また2枚の脚板を略長方形状に組合せたものの外形と近似した形状・サイズにて重ね合わせることで重畳後の平面視面積をコンパクトに抑えやすいものとなるため、一層収納性・可搬性に優れたものとなる。
【0022】
また、前記天板には上面中央部を所定形状・所定サイズで切欠いた開口部が設けられており、前記開口部を開閉自在の状態で閉鎖する蓋部材を備えている、ことを特徴としたものとすれば、発熱手段を、上方が開放した状態と閉鎖した状態の両方で使用できることから、コンロとしての使用と通常のテーブル又はコタツとしての使用と、複数の用途に対応可能なものとなる。
【0023】
前記発熱手段は前記保持構造の上方または下方から挿入して保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
天板を支持する4枚の脚板を逆L字状の平板状部材で各々構成し、発熱手段を保持する保持構造を備えた本発明によると、簡単な組立式でありながら発熱手段を交換容易に保持可能で、座ったときの足の挿入しやすさを確保しながら収納性・可搬性に優れた組立式テーブルとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施の形態である組立式テーブルの斜視図であり、(a)は組立前の状態を示し、(b)は組み立てた状態を示す。
【
図2】
図1の組立式テーブルの側面図であり、(a)は組立前の状態を示し、(b)は組み立てた状態を示す。
【
図3】
図1の組立式テーブルの脚板の構成を示す拡大した正面図である。
【
図4】
図1の組立式テーブルの脚部の構成を示す平面図である。
【
図5】
図1の組立式テーブルの天板の構成を示す底面図である。
【
図6】
図1の組立式テーブルを分解して纏めた状態を示す斜視図である。
【
図7】(a)及び(b)は、
図4の脚部による保持構造で発熱手段を保持した状態を示す平面図である。
【
図8】(a)及び(b)は、発熱体を示す斜視図である。
【
図9】
図6の分解した組立式テーブルをバンドで締結した状態を示す斜視図である。
【
図10】
図1の組立式テーブルの応用例を示す斜視図である。
【
図11】本発明の異なる実施の形態を示す組立式テーブルの脚板の構成を示す拡大した正面図である。
【
図12】
図10に示した実施の形態の脚部による保持構造で発熱手段を保持した状態を示す平面図であり、(a)は幅広のスリットを用いた場合を、(b)は幅狭のスリットを用いた場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0027】
図1及び
図2は、本実施の形態である組立式テーブル1Aを示している。この組立式テーブル1Aは、木材で作成した平板状部材からなる4枚の脚板21,21,21,21を、交差部分の挿込溝同士の噛み合せにより平面視井桁状に連結した脚部20とこの脚部20で下面側を支持される天板10からなる、組立・分解が自在な組立式のテーブルであり、屋外におけるテーブルやコタツとしての使用を想定したものである。
【0028】
その4枚の脚板21は、
図3に示すように天板支持片212と脚片211からなる逆L字状の部材であり、天板支持片212が水平の状態で天板10を下から支持するとともに脚片211が鉛直の状態で先端側を設置面に接する脚を構成している。また、天板10を外した脚部20の平面視である
図4に示すように、4本の天板支持片212に各々形成した挿込溝212a,212bの部分を互いに挿し込んで噛み合わせることで、平面視井桁状に連結することができる。
【0029】
このように、井桁状に組み合わされた4枚の逆L字状の脚板21において、その脚片211の1本の脚で各々片持ち式に支持しながら、合計4本の脚で天板10を支持する方式を採用したものであるが、これにより天板10下方に広い空間を確保可能として、椅子を使用する場合とコタツとして使用する場合の両方において足の挿入しやすさを確保したものであり、この点が本発明における特徴の一つとなっている。
【0030】
一方、
図5に底面図で示すように、その天板10は、同一形状の1組の分割体11,11の組合せからなり、その底面には連結用の溝113a,113b,113c,113dが各々形成されており、これらの溝が全体として
方形部分を除いた井桁状を形成するようになっている。
なお、前記溝は、方形部分を含んだ通常の井桁状を形成するものとしてもよい(図示せず)。また、
図4の脚部20に上から被せて各天板支持片212の上端側を溝113a,113b,113c,113dに各々嵌め込むことにより、脚部20と天板10は着脱自在な状態で連結されて、
図1に示した組立式テーブル1Aとなる。
【0031】
斯かる天板10は、これを構成する分割体11の外縁側中央部に持ち手用孔111が形成され、接続側中央部に持ち手用凹部112(パラソルの挿入孔にもなる)が形成されている。また、
図3に示した脚板21は、図のように逆L字状に形成されていることで、2枚の脚板21,21を同一平面上で点対称にして組合せることで外縁形状が略長方形になるところ、天板支持片212の先端側下部に設けた切欠212fに脚片211の先端側を嵌め合わせることで、
図6に示すように一層小さな長方形に収まるようになっている。
【0032】
以上のことから、本実施の形態の組立式テーブル1Aは、接着剤や釘・ネジ等を使用することなく短時間で容易に組み立てられるとともに、短時間で分解することができ、且つ、
図6に示したように、極めてコンパクトな状態に纏まるという特徴も有しているため、収納性・可搬性の点においても極めて優れたものとなっている。
【0033】
さらに、この組立式テーブル1Aにおいては、
図4に示したように、4本の天板支持片212を井桁状に組むことで形成された平面視方形状の部分が、その内側空間に収納室23を形成し、炬燵やコンロ等の発熱手段の保持構造を構成するようになっており、この点も本発明における重要な特徴部分となっている。
【0034】
殊に、即ち、
図3及び
図7に示したように、本実施の形態では、前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の4本の天板支持片212の上面部分を他の上面部分よりも所定の深さだけ低くして掛止部212c,212c,212c,212cが各々形成されており、さらに、前記各掛止部212cの中央部分には、掛止用凹部212d,212eを備えて上面側から大中小の横幅にて所定の深さで掛止部212c,掛止用凹部212d,212eが階段状に形成されており、本実施の形態では、
図7(a)に示すように、略直方体状の発熱体250a(発熱手段)が、その上面外周縁が水平方向に所定幅で延長されて形成された平面視方形状の鍔部251を、その鍔部251の4つの角部分が4本の天板支持片212上面の掛止用凹部212dの上に各々掛止された状態で保持されている。
【0035】
前記発熱体250aとしては、内部に豆炭、練炭等の燃料を収納したアンカ、温水、電気ヒーター等をケーシングに収装してなるものが想定され、その平面視方形状の鍔部251の辺を、4本の天板支持片212で内側に形成された方形の収納室23の辺よりも僅かに小さいものとすることで、方形の辺同士を平行にした状態で発熱体250aを収納室23の内部で上下に挿通可能なものとなる。
【0036】
そして、この発熱体250aを、収納室23の上方又は下方から挿入し、その鍔部251が天板10の裏面に近接する位置となる回転用凹部を兼ねる掛止部212cの高さにて、
図7(a)のように45度水平方向に回転させて、その鍔部251における4つの角部分を掛止用凹部212dの上に嵌め合わせることにより、これを安定的に保持できるようになっている。
【0037】
すなわち、発熱体250aを天板10の裏面近傍で45度水平方向に回転させて掛止するため、例えば足で下から突き上げるようなことがあっても発熱体250aが容易に抜脱することがない。
【0038】
なお、発熱体250aを水平方向に回転させる角度は各掛止用凹部212dに鍔部251が掛止される角度であればよく、45度に限られるものではない(図示せず)。
【0039】
また、天板を載置して、あるいはこたつ布団をかぶせた後に天板を載置して、天板の上に飲食物などを並べたままでも、発熱体250aを、収納室23の下方から取り外し、あ
るいは挿入して設置できるため、急に暖房が必要な時、あるいは設置してある発熱体250aの燃料切れによる交換などが極めて容易に実施できる。
【0040】
また、
図7(b)に示すように、発熱体250aよりもサイズの小さな発熱体250bの場合は、その鍔部252の角部分をそれよりも横幅を小さく形成した掛止用凹部212eに嵌め合わせることにより、これを安定的に保持することができる。したがって、本実施の形態の組立式テーブル1Aは、異なるサイズによる複数種類の発熱体250aを安定的に保持できるという特徴も有している。
【0041】
図8(a),(b)は本実施の形態における発熱体250aおよび発熱体250bを示す図である。発熱体250a(250b)は上面の外周に鍔部251(252)が形成されているとともに、上面又は側面に開口部(図示せず)が形成されており、この開口部から、籠状に形成された発熱部254内に豆炭、練炭等の熱源(図示せず)を出し入れすることができるものである。
【0042】
さらに、上述したように、脚板21において天板支持片212の中央位置に掛止用凹部212d,212eを形成したことに加え、天板10を構成する分割体11において持ち手用孔111を形成したことにより、
図6のように各部材を重ねた状態において、上下の掛止用凹部212d,212dの部分と持ち手用孔111の部分を使用して、さらに
図9に示すようにバンド300を巻回して掛けながら両面ファスナ等の固定手段310で固定すれば、総ての部材を横ずれすることなく堅固な状態で一体的に締結することが可能となり、持ち手用孔111に手をかけて持ち運びができるため、さらに収納性・可搬性に優れたものとなっている。
【0043】
さらにまた、本実施の形態では天板10を構成する分割体11において持ち手用凹部112を形成したことにより、ベルト300がこの持ち手用凹部112内に保持されるため、脚板21の上下の掛止用凹部212d,212dの部分および天板10を構成する分割体11の上方の持ち手用孔111と下方の持ち手用凹部112の部分にベルト300を巻回すことができ、より強固に総ての部材を横ずれすることなく堅固な状態で一体的に締結することを可能としたものである。
【0044】
また、本実施の形態では、前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の4本の天板支持片212の上面部分に形成した掛止部212cの中央部分に形成した掛止用凹部212d又は212eに方体状の発熱体250a(発熱手段)の鍔部251の4つの角部分が各々掛止された状態で保持されていることから極めて安定した状態で発熱体250a(発熱手段)を保持することができるが、掛止部212cに掛止用凹部212d及び212eを形成しない場合(図示せず)であっても、方体状の発熱体250a(発熱手段)の鍔部251の4つの角部分を各々掛止された状態で保持させることが可能であり、この場合にはより簡単な加工で製作が可能である。
【0045】
図10は、上述した組立式テーブル1Aの応用例としての組立式テーブル1Bを示している。この組立式テーブル1Bは、分割体16,16からなる天板15のほかは組立式テーブル1Aと構成が共通したものであるが、コタツとしての使用に加え、コンロをビルドイン式に収装することでバーベキュー用のテーブル又は鍋用テーブルとしての使用に適したものとなる。
【0046】
即ち、天板15の上面中央位置には、その下方に保持しているコンロ等の加熱手段を露出させるための開口部150が設けてあるとともに、その開口部150を開閉するための蓋部材155を備えている点を特徴としており、通常のテーブルやコタツとして使用する場合は、蓋部材155を閉めた状態とし、コンロを収装してバーベキューや鍋料理を行う場合は、その蓋部材155を外した状態とするようになっている。
【0047】
以上、述べたように、本発明は、天板中央部の下方に設置・交換容易な発熱手段の保持構造を備えた組立式テーブルであって、足の挿入しやすさを確保しながら収納性・可搬性に優れたものとなった。
【0048】
図10は、本発明の異なる実施の形態を示すものであり、全体の構成は前記
図1に示した実施の形態とほぼ同様であるが、前記平面視井桁状に連結した状態で平面視方形を構成する部分の4本の天板支持片212における側面に形成した掛止用スリット212g又は212hに発熱体250a(発熱手段)を保持する点が異なる。
【0049】
更に詳細に説明すると、前記各天板支持片212の側面には、所定高さおよび所定幅で水平方向に形成した互いに幅の異なる掛止用スリット212g,212hが設けられており、
図11に示すように、前記発熱体250a(発熱手段)は本体部の上面外周縁が水平方向に所定幅で延長されて平面視方形状で1辺が前記脚板で構成された平面視方形の1辺よりも短く形成されている鍔部251(252)を有し、前記鍔部251(252)の4つの角部分が前記4本の天板支持片内側面に形成された前記掛止用スリット212g又は212hに各々掛止された状態で保持される。
【0050】
殊に、本実施の形態は、幅の異なる複数の掛止用スリット212gおよび212hを備えているので、
図11(a),(b)に示したように、それぞれの幅に合わせた異なる辺の長さを有する鍔部251を有する発熱体250a(発熱手段)に対応可能であるが、掛止用スリットの数は問わず、少なくとも使用する発熱体250a(発熱手段)の鍔部251(252)に合わせた一つが備えられていればよい。
【0051】
本実施の形態では、天板10を載置するまで組み立てた後でもあるいは脚板212を井桁状に組み立てて上側から所定の高さ位置に差し込んで水平方向に回転させることで発熱体250a(発熱手段)の鍔部251(252)を設置する。また、脚板21を井桁状に組み立てて、その上にこたつ布団を掛け、その上に天板を載置した状態のままでも、天板の下側から所定位置に差し込んで水平方向に回転させることで発熱体250a(発熱手段)を設置し、あるいは交換することができるばかりか、殊に、前記実施の形態と異なり鍔部251(252)が掛止用スリット212g(212h)に上下方向に保持されるので使用時に上下方向に外れる心配がない。
【0052】
なお、複数の掛止用スリットを幅が狭い順に下方になるように連接させた階段状の掛止用スリットとしてもよい(図示せず)。
【0053】
さらに、前記
図9と同様に、本実施の形態においても各部材を重ねてバンド300を巻き回して固定手段310で固定すれば、堅固な状態で一体的に締結することが可能となる(図示せず)。このとき、掛止用スリット212g(212h)にバンド300を挿通させることでバンド300が位置ずれや脱落することなく安定して締結が可能となるため特に望ましい。
【0054】
また、本実施の形態では、前記脚板21を平面視井桁状に連結した状態で平面視正方形に構成するとともに平面視正方形の鍔部251(252)を各々掛止された状態で保持されている場合を示したが、それぞれ平面視正方形に限らず方形であれば実施可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1A,1B 組立式テーブル、10,15 天板、11,16 分割体、20 脚部、21 脚板、23 収納室、111 持ち手用孔、112 持ち手用凹部、150 開口部、155 蓋部材、211 脚片、212 天板支持片、212a,212b 挿込溝、212c 掛止部、212d,212e 掛止用凹部、212g,212h 掛止用スリット