(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
B08B 1/04 20060101AFI20230501BHJP
A47L 25/00 20060101ALI20230501BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B08B1/04
A47L25/00 E
A47L13/20 B
(21)【出願番号】P 2021199972
(22)【出願日】2021-12-09
(62)【分割の表示】P 2017166280の分割
【原出願日】2017-08-30
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】596024426
【氏名又は名称】槌屋ティスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162341
【氏名又は名称】瀬崎 幸典
(72)【発明者】
【氏名】大原 康之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 禎浩
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-110157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/04
A47L 25/00
A47L 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホワイトボードをクリーニングする清掃具であって、
筒状をなす中空の芯体の外周面に毛長が2~5mmで斜毛して起毛された毛羽体が、前記清掃具が
進行方向に押された際には
前記進行方向に向かって逆目となるように倒れて当接することにより前記ホワイトボードと相対移動し、前記清掃具が前記
進行方向と逆方向に引っ張られた際には
前記進行方向に向かって順目となるように倒れて当接することにより前記ホワイトボードと転がり接触するように斜毛処理され、ホワイトボードマーカのインク成分を拭き取るクリーニングブラシと、
前記クリーニングブラシを前記芯体の長さ方向の中心軸線を回転軸として回転させるための回転用保持手段と、を備えた、
ことを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記毛羽体は、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
前記毛羽体は、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなる第1毛羽体と前記マルチフィラメント糸よりも太い0.1mm~0.25mmの繊維径を有する複数のモノフィラメント糸からなる第2毛羽体からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項4】
前記毛羽体は、耐水処理されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
第1ブラシと開口部を有した本体と、第2ブラシを少なくとも1つ有した補助部材と、を備え、かつ、補助部材は出し入れ自在に本体に収納され、かつ出した状態または入れた状態で一時的に本体に固定されるホワイトボードイレイサーが知られている(特許文献1)。
【0003】
ブラシ部材及び取手付き本体を備え、ブラシ部材が、長さ方向に沿って立毛を設けた立毛線状体から形成された所定長を有するブラシ部材の所定の長さにわたって外方に立毛が突出している有毛部材であり、取手付き本体が、ブラシ部材をブラシ部材の長さ方向の中心線を回転軸として回転させるための回転用保持手段を有し、ブラシ部材が、取手付き本体の回転用保持手段によって、ブラシ部材の長さ方向の中心線を回転軸にして回転可能に取手付き本体に保持されている網戸清掃具も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-172409号公報
【文献】特開2008-93238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ホワイトボードに対して素材全面を押し付けて拭き取る構成に比べて、使用者の手への負担を軽減することができる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の清掃具は、
ホワイトボードをクリーニングする清掃具であって、
筒状をなす中空の芯体の外周面に毛長が2~5mmで斜毛して起毛された毛羽体が、前記清掃具が進行方向に押された際には前記進行方向に向かって逆目となるように倒れて当接することにより前記ホワイトボードと相対移動し、前記清掃具が前記進行方向と逆方向に引っ張られた際には前記進行方向に向かって順目となるように倒れて当接することにより前記ホワイトボードと転がり接触するように斜毛処理され、ホワイトボードマーカのインク成分を拭き取るクリーニングブラシと、
前記クリーニングブラシを前記芯体の長さ方向の中心軸線を回転軸として回転させるための回転用保持手段と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の清掃具において、
前記毛羽体は、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなる、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の清掃具において、
前記毛羽体は、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなる第1毛羽体と、前記マルチフィラメント糸よりも太い0.1mm~0.25mmの繊維径を有する複数のモノフィラメント糸からなる第2毛羽体からなる、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の清掃具において、
前記毛羽体は、耐水処理されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、ホワイトボードに対して素材全面を押し付けて拭き取る構成に比べて、使用者の手への負担を軽減することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、ホワイトボードマーカのインク成分を効率的に拭き取ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ホワイトボードマーカのインク成分を砕きながら拭き取ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、毛羽体を水洗して清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】クリーニングブラシを備える清掃具の構成を説明するための斜視図である。
【
図2】基布上にパイル糸を起毛した毛羽体の拡大断面模式図である。
【
図3】清掃具の被クリーニング面における移動を説明する模式図である。
【
図4】(a)は基布上に第1毛羽体と第2毛羽体を撚糸加工で起毛した変形例に係る毛羽体の拡大断面模式図、(b)は第1毛羽体と第2毛羽体を基布上に横方向にパイル織りした変形例に係る毛羽体の模式斜視図である。
【
図5】(a)はホワイトボード表面に相対移動するように接触して付着物をクリーニングする清掃具を示す断面模式図、(b)はホワイトボード表面に回転接触しながら移動する清掃具を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0016】
(1)清掃具の構成
図1は本実施形態に係るクリーニングブラシ1を備える清掃具100の構成を説明するための斜視図、
図2は基布21上にパイル糸を起毛した毛羽体20の拡大断面模式図、
図3は清掃具100の被クリーニング面における移動を説明する模式図、
図4(a)は基布上21に第1毛羽体20Aと第2毛羽体20Bを撚糸加工で起毛した変形例に係る毛羽体20の拡大断面模式図、(b)は第1毛羽体20Aと第2毛羽体20Bを基布21上に横方向にパイル織りした変形例に係る毛羽体20の模式斜視図である。
【0017】
清掃具100は、
図1に示すように、クリーニングブラシ1および取手付き本体3を備えている。クリーニングブラシ1は、クリーニングブラシ1における毛羽体20が被クリーニング面Wに対して相対移動するように接触して被クリーニング面Wに付着している付着物Sを拭き取る。また、取手付き本体3は、クリーニングブラシ1を回転可能に保持する支持シャフト31と、被クリーニング面の清掃者が清掃具100を持って操作し易くするための取手(ハンドル)32を有する。
【0018】
(2)クリーニングブラシ
クリーニングブラシ1は、
図1及び
図2に示すように、芯体10と、芯体10の外周面を覆うように立設された毛羽体20から構成されている。
【0019】
(2.1)芯体の構成
芯体10は、円筒形状の中空シャフトであり、芯体10に用いる材料としては、アルミニウム等の金属や、適度の剛性を有する、ABS、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂成形品を用いることができる。特に、PP製の芯体10は、低コストで軽量という特性を有し、本実施形態に係る清掃具100に装着するクリーニングブラシ1の芯体10として好適である。
【0020】
(2.2)毛羽体の全体構成
図2に示すように、毛羽体20は、基布21と、基布21上に複数のパイル糸22が起毛するように立設されて形成されている。
基布21の裏面には合成樹脂製のコーティング層25が形成されてパイル糸22の根元と基布21とがそれぞれ接合され、毛羽体20のほつれを抑制している。
【0021】
(2.2.1)基布
基布21は、タテ糸21a及びヨコ糸21bを織り上げることにより形成された織布を用いて形成されている。
タテ糸21a及びヨコ糸21bは、耐久性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れ、動摩擦係数が低い繊維からなるフィラメント糸、紡績糸等が使用されている。
このような繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル等から形成される合成繊維等が挙げられる。本実施形態においては、耐久性、柔軟性が高いポリエステル繊維が用いられている。
【0022】
(2.2.2)パイル糸
毛羽体20は、
図2に模式的に示すように、基布21に起毛するようにヨコ糸21bに絡めてU織りされた複数のパイル糸22から構成されている。
パイル糸22は、絶縁性又は導電性の合成繊維、天然繊維、半合成繊維および再生繊維などが使用できる。合成繊維としては、例えば、ナイロン等のポリアミド類、ポリブチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン類などが挙げられる。
【0023】
また、天然繊維としては、例えば、絹、綿、羊毛、麻、半合成繊維としてはアセテートなど、また再生繊維としては、レーヨン、キュプラなどが挙げられる。本実施形態においては、ナイロンが用いられている。
【0024】
パイル糸22の繊維太さについては、0.005mm~0.1mmの範囲が好ましく、0.03mm~0.07mmの範囲がより好ましい。このような極細繊維としてはマイクロファイバーが好適であり、本実施形態においては、繊維太さを0.045mmとすることで、被クリーニング面Wに付着した細かい粒子状付着物も拭き取ることができる。
繊維太さが0.005mmよりも細い場合は、被クリーニング面Wへの接触圧が低くなり、被クリーニング面Wに付着した付着物Sを拭き取る効果が低減する。繊維太さが0.1mmよりも太い場合は、被クリーニング面Wへの接触圧が高くなりすぎて被クリーニング面Wを傷つける虞がある。
【0025】
パイル糸22の毛長は、通常1mm~10mmの範囲、好ましくは2mm~5mmの範囲である。毛長が1mmを下回ると毛羽体20のコシが強くなり、被クリーニング面Wの表面を傷つけ易く、また、後述する斜毛加工で十分に斜毛させることができない虞がある。毛長が10mmを越えると、毛羽体20自体のコシが弱く被クリーニング面に対して回転する方向で接触したときに、接触力が弱くなり、クリーニングブラシ1の回転が不安定になる虞がある。
【0026】
このようなパイル糸22は、耐水剤により糸に耐水処理を施すことが好ましい。耐水剤としては、特に限定されないが、例えばエポキシ化ポリアミド樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンイミン等が挙げられ、パイル糸22に耐水剤を溶かした溶液を含浸させたり、塗布する方法で耐水処理することができる。
パイル糸22を耐水処理することで、毛羽体20を水洗して毛羽体20に付着した付着物を洗い流すことができる。
【0027】
このように構成される毛羽体20は、芯体10に巻き回して接着される前に、基布21上にパイル織りされた状態で、予め斜毛加工が施される。
この斜毛加工は、毛羽体20の表面、つまりパイル糸22が立設された側の面にヒートローラを圧接させながら、ヒートローラに対して毛羽体20を一方向に移動させることによって行われる。このとき、ヒートローラは80~150℃に加熱される。そして、ヒートローラを使用して斜毛加工が施されたシート材は、
図2に示したように、パイル糸22が、その中間部で湾曲したりすることなく、基端部から先端部まで略直線状に延びるように毛倒しされる。
【0028】
毛羽体20の斜毛加工による毛倒しは、
図3に示すように、毛羽体20が、清掃具100が一方向に押された際(
図3中 矢印A参照)には進行方向に向かって逆目となるように倒れて当接することにより被クリーニング面Wに回転不能に接触し、清掃具100が一方向と逆方向に引っ張られた際(
図3中 矢印B参照)には進行方向に向かって順目となるように倒れて当接することにより被クリーニング面Wに回転可能に接触するように斜毛処理される。
【0029】
これにより、被クリーニング面Wの清掃者が清掃具100を持って清掃者の前方(離れる方向)へ押した場合には、斜毛処理された毛羽体20のパイル糸22が進行方向に対して逆目となって、クリーニングブラシ1は、被クリーニング面Wに対して回転不能となる。その結果、毛羽体20は被クリーニング面Wと相対移動することになり、被クリーニング面Wに付着した付着物Sを拭き取る効果が発揮される。
【0030】
一方、被クリーニング面の清掃者が清掃具100を持って清掃者の側へ引っ張った場合には、斜毛処理された毛羽体20のパイル糸22が進行方向に対して順目となって、クリーニングブラシ1は、被クリーニング面Wに対して回転可能となる。その結果、毛羽体20は被クリーニング面Wと転がり接触することになり、清掃者の手にかかる負担を軽減することができる。
【0031】
「変形例」
毛羽体20は、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなる第1毛羽体20Aとマルチフィラメント糸よりも太い0.1mm~0.25mmの繊維径を有する複数のモノフィラメント糸からなる第2毛羽体20Bから構成されてもよい。
【0032】
具体的には、毛羽体20は、
図4(a)に示すように、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸20Aと、0.1mm~0.25mmの繊維径を有するモノフィラメント糸20Bを撚糸加工したパイル糸を基布21上にパイル織りすることにより得られる。
【0033】
毛羽体20は、
図4(b)に示すように、0.005mm~0.1mmの繊維径を有するマイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸を束ねてなる第1毛羽体20Aと、0.1mm~0.25mmの繊維径を有するモノフィラメント糸なる第2毛羽体20Bを基布21上に横方向にパイル織りして形成してもよい。
尚、
図4(b)には、第1毛羽体20Aを第2毛羽体20Bが挟み込むようにパイル織りされ、第1毛羽体20Aの領域が第2毛羽体20Bの領域より広くなるように形成する例を示しているが、第2毛羽体20Bの領域を第1毛羽体20Aの領域より広くなるように形成することもできる。第2毛羽体20Bの領域を第1毛羽体20Aの領域より広くなるように形成した場合には、被クリーニング面Wにこびり付いた付着物Sの砕き効果がより大きくなる。
【0034】
これにより、被クリーニング面Wにこびり付いた付着物Sを第1毛羽体20Aよりも太い繊維径を有する第2毛羽体20Bで砕きながら、被クリーニング面Wに付着した細かい粒子状付着物をマイクロファイバーフィラメント糸からなる第1毛羽体20Aで拭き取ることができる。
【0035】
(3)清掃具の作用効果
図5(a)は被クリーニング面の一例としてのホワイトボード表面WBaに相対移動するように接触して付着物Sをクリーニングする清掃具100を示す断面模式図、(b)はホワイトボード表面WBaに回転接触しながら移動する清掃具100を示す断面模式図である。以下、図面を参照しながら、クリーニングブラシ1を備えた清掃具100の作用について説明する。
【0036】
本実施形態に係る清掃具100は、支持シャフト31に毛羽体20が斜毛処理を施されてクリーニングブラシ1が回転可能に支持されている。
ホワイトボード表面WBaに付着しているマーカのインクを拭き取る場合には、
図5(a)に示すように、清掃者はクリーニングブラシ1をホワイトボード表面WBaに接触させた状態で、取手32を持って清掃具100を清掃者の前方(離れる方向:
図5(a)中 矢印A)へ押す動作を行う。
【0037】
このとき、クリーニングブラシ1は、斜毛処理された毛羽体20のパイル糸22が進行方向に対して逆目となって、ホワイトボード表面WBaに対して回転不能となる(
図5(a)中 破線矢印参照)。その結果、清掃具100の移動に伴って毛羽体20はホワイトボード表面WBaと相対移動することになり、ホワイトボード表面WBaに付着したマーカのインクを拭き取るように作用する。
【0038】
クリーニングブラシ1の毛羽体20は、マイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなるパイル糸22を有し、ホワイトボード表面WBaに付着した細かい粒子付着物の一例としてのマーカのインクを効率的に拭き取ることができる。
また、毛羽体20が、マイクロファイバーを含むマルチフィラメント糸からなる第1毛羽体20Aとマルチフィラメント糸よりも太い複数のモノフィラメント糸からなる第2毛羽体20Bから構成されている場合には、ホワイトボード表面WBaにこびり付いたマーカのインクを第2毛羽体20Bで砕きながら、ホワイトボード表面WBaに付着したマーカのインクを第1毛羽体20Aで拭き取ることができる。
毛羽体20に付着したマーカのインクは、毛羽体20を水洗することで洗い流して清掃することができる。
【0039】
清掃者が清掃具100を清掃者の前方(離れる方向:
図5(a)中 矢印A)へ押す動作をしてホワイトボード表面WBaに付着しているマーカのインクを拭き取った後、
図5(b)に示すように、清掃者が、清掃具100の取手32を持って清掃者の側へ引っ張った場合(
図5(b)中 矢印B)には、斜毛処理された毛羽体20のパイル糸22が進行方向に対して順目となって、クリーニングブラシ1は、ホワイトボード表面WBaに対して回転可能となる。その結果、毛羽体20はホワイトボード表面WBaと転がり接触する(
図5(b)中 矢印R参照)ことになり、清掃者の手にかかる負担を軽減することができる。
【0040】
本実施形態においては、クリーニングブラシ1及びクリーニングブラシ1を装着した清掃具100を、ホワイトボード用イレーサとして説明したが、クリーニングブラシ1及びクリーニングブラシ1を装着した清掃具100は、ホワイトボードマーカを拭き取る用途に限らず、網戸の清掃具としても使用することができる。
【0041】
特に、マイクロファイバーフィラメント糸を含む第1毛羽体20Aとマイクロファイバーフィラメント糸よりも太い繊維径を有する複数のモノフィラメント糸からなる第2毛羽体20Bから構成された毛羽体20を備えたクリーニングブラシ1は、清掃者の側へ引っ張った場合には、斜毛処理された毛羽体20のパイル糸22が進行方向に対して順目となって回転して、太い繊維径を有する複数のモノフィラメント糸が網戸の網目に侵入して、網戸の寄りや損傷を抑制しながら、網戸に付着した汚れを効率よく押し出すことができる。
【0042】
そして、清掃者の前方(離れる方向)へ押す動作を行うと、クリーニングブラシ1は、斜毛処理された毛羽体20が進行方向に対して逆目となって網戸に対して回転不能となることで、毛羽体20は網戸に対して相対移動することになり、モノフィラメント糸で押し出された汚れをマイクロファイバーフィラメント糸で効率よく拭き取ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1・・・クリーニングブラシ
10・・・芯体
20・・・毛羽体
21・・・基布
22・・・パイル糸
20A・・・第1毛羽体
20B・・・第2毛羽体
100・・・清掃具
3・・・取手付き本体
31・・・支持シャフト
32・・・取手
W・・・被クリーニング面
WBa・・・ホワイトボード表面
S・・・付着物