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特許7271040免疫データ治療法提供システム、免疫状態データ予測方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】免疫データ治療法提供システム、免疫状態データ予測方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20230501BHJP
【FI】
G16H50/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022578578
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2022035389
【審査請求日】2022-12-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522325908
【氏名又は名称】Edgewater株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】福澤 雅彦
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-067151(JP,A)
【文献】特開2021-039683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供する免疫データ治療法提供システムであって、
免疫データおよび治療ガイドラインデータを取得する第1取得部と、
取得した前記免疫データおよび前記治療ガイドラインデータを関連付けた学習データセットを作成する作成部と、
作成した前記学習データセットを学習する学習部と、
学習の結果に基づいて、学習済みモデルを生成する生成部と、
新規患者の新規免疫データを取得する第2取得部と、
生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する判断部と、
判断した前記治療ガイドラインデータの部分に含まれる治療法を抽出する抽出部と、
抽出した前記治療法を医師または医療機関に提供する提供部と、
を備える免疫データ治療法提供システム。
【請求項2】
企業から広告を受け付けて、治療法に関連する広告がどれなのか判断して、判断した広告を抽出した治療法とセットにして医師に提供する請求項1に記載の免疫データ治療法提供システム。
【請求項3】
前記第1取得部は、更に、健康診断データおよび生活習慣データ、を取得し、
前記作成部は、更に、前記健康診断データおよび前記生活習慣データ、を関連付けて、前記学習データセットを作成し、
前記第2取得部は、更に、新規患者の新規健康診断データおよび新規生活習慣データを取得し、
前記判断部は、生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データ、新規健康診断データ、および新規生活習慣データ、に対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する請求項1に記載の免疫データ治療法提供システム。
【請求項4】
前記第1取得部は、更に、医療機関から治療データを取得し、
前記作成部は、更に、治療データを関連付けて、学習データセットを作成し、
前記第2取得部は、更に、新規患者の新規治療データを取得し、
前記判断部は、生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データおよび新規治療データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する請求項1に記載の免疫データ治療法提供システム。
【請求項5】
免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供する免疫データ治療法提供方法であって、
免疫データおよび治療ガイドラインデータを取得するステップと、
取得した前記免疫データおよび前記治療ガイドラインデータを関連付けた学習データセットを作成するステップと、
作成した前記学習データセットを学習するステップと、
学習の結果に基づいて、学習済みモデルを生成するステップと、
新規患者の新規免疫データを取得するステップと、
生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断するステップと、
判断した前記治療ガイドラインデータの部分に含まれる治療法を抽出するステップと、
抽出した前記治療法を医師または医療機関に提供するステップと、
を備えるコンピュータシステムで実行する免疫データ治療法提供方法。
【請求項6】
免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供するコンピュータシステムに、
免疫データおよび治療ガイドラインデータを取得するステップ、
取得した前記免疫データおよび前記治療ガイドラインデータを関連付けた学習データセットを作成するステップ、
作成した前記学習データセットを学習するステップ、
学習の結果に基づいて、学習済みモデルを生成するステップ、
新規患者の新規免疫データを取得するステップ、
生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断するステップ、
判断した前記治療ガイドラインデータの部分に含まれる治療法を抽出するステップ、
抽出した前記治療法を医師または医療機関に提供するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫データ治療法提供システム、免疫状態データ予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Covid-19や癌(悪性新生物)の罹患・回復において、免疫力が重要であることが分かっている。近年、所謂コロナ禍において免疫力の注目度は高まり、免疫機能性表示のある機能性表示食品等も増加している。そのため、医師が患者の最適な治療法を判断するには、患者の免疫状態がどうなっているか把握した上で、治療法を判断することが期待されている。
【0003】
様々な治療方法が確立される中で、膨大な治療法を網羅することは非常に困難である。そのため、医療従事者に対しAI等を用いて症状の診断案や治療法案を提示する医療支援技術が注目されている。
【0004】
例えば、医療画像と医療レポート(治療ガイドライン)から医療画像における異常の記述を生成して患者の治療順序を判定する技術(特許文献1)や、再生医療を対象とする対象動物象の品種情報と当該品種の治療実績情報とから治療方針を提供する支援システムが開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020―149682号公報
【文献】特開2020―101843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術では、免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供することはできない。
【0007】
従って、本発明は、免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、
免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供する免疫データ治療法提供システムであって、
免疫データおよび治療ガイドラインデータを取得する第1取得部と、
取得した前記免疫データおよび前記治療ガイドラインデータを関連付けた学習データセットを作成する作成部と、
作成した前記学習データセットを学習する学習部と、
学習の結果に基づいて、学習済みモデルを生成する生成部と、
新規患者の新規免疫データを取得する第2取得部と、
生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する判断部と、
判断した前記治療ガイドラインデータの部分に含まれる治療法を抽出する抽出部と、
抽出した前記治療法を医師または医療機関に提供する提供部と、
を備える免疫データ治療法提供システムを提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明によれば、取得した免疫データと治療ガイドラインとから、前記免疫データおよび前記治療ガイドラインデータを関連付けた学習データセットを作成し、作成した前記学習データセットを学習して学習済みモデルを生成し、生成した前記学習済みモデルに基づいて、新たに取得した免疫データから当該免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断して、治療法を抽出し、当該治療法を医師または医療機関に提供することが可能である。
【0011】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に掛かる発明であって、
企業から広告を受け付けて、治療法に関連する広告がどれなのか判断して、判断した広告を抽出した治療法とセットにして医師に提供する免疫データ治療法提供システムを提供する。
【0012】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である免疫データ治療法提供システムは、前記取得した新規免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分から、関連する広告データを判断し、判断された前記広告データを抽出し、抽出された当該広告データを、抽出された前記治療法と共に前記医師または前記医療機関に提供することが可能である。
【0013】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に掛かる発明であって、
前記第1取得部は、更に、健康診断データおよび生活習慣データ、を取得し、
前記作成部は、更に、前記健康診断データおよび前記生活習慣データ、を関連付けて、前記学習データセットを作成し、
前記第2取得部は、更に、新規患者の新規健康診断データおよび新規生活習慣データを取得し、
前記判断部は、生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データ、新規健康診断データ、および新規生活習慣データ、に対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する免疫データ治療法提供システムを提供する。
【0014】
第3の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である免疫データ治療法提供システムは、前記免疫データに加え、取得した前記健康診断データと、前記生活習慣データと、前記治療ガイドラインデータとを関連付けて学習データセットを作成し、作成した前記学習データセットを学習して学習済みモデルを生成することにより、治療法の判断精度を向上することが可能である。
【0015】
更に、取得した、新規患者の新規免疫データ、新規健康診断データ、新規生活習慣データから前記学習済みモデルに基づいて、前記新規免疫データ、前記新規健康診断データ、前記新規生活習慣データ、に対応する治療ガイドラインデータの部分を判断することが可能である。
【0016】
前記第1取得部は、更に、医療機関から治療データを取得し、
前記作成部は、更に、治療データを関連付けて、学習データセットを作成し、
前記第2取得部は、更に、新規患者の新規治療データを取得し、
前記判断部は、生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データおよび新規治療データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する免疫データ治療法提供システムを提供する。
【0017】
第4の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である免疫データ治療法提供システムは、前記免疫データに加え、医療機関から取得した前記治療データと、前記治療ガイドラインデータとを関連付けて学習データセットを作成し、作成した前記学習データセットを学習して学習済みモデルを生成することにより、治療法の判断精度を向上することが可能である。
【0018】
更に、取得した新規患者の新規免疫データ、新規治療データ、から前記学習済みモデルに基づいて、前記新規免疫データ、前記治療データ、に対応する治療ガイドラインデータの部分を判断することが可能である。
【0019】
第1の特徴に係る発明は、システムのカテゴリであるが、方法、プログラムのカテゴリにおいても実現し、各々のカテゴリにおける構成、作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、免疫データ治療法提供システム、方法、プログラムにより、医師が免疫データを利用して、患者に適した治療法を判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、免疫データ治療法提供システムの基本概要図である。
図2図2は、免疫データ治療法提供システムの基本構成図である。
図3図3は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する学習済みモデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
図4図4は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する治療法抽出提供処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、ユーザ端末が表示する新規免疫データ表示画面の一例である。
図6図6は、ユーザ端末が表示するコンピュータが作成した治療法データおよび広告データ表示画面の一例である。
図7図7は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する広告抽出提供処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用学習済みモデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用治療法抽出提供処理の手順を示すフローチャートである。
図10図10は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する治療データ活用学習済みモデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
図11図11は、免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する治療データ活用治療法抽出提供処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これらは一例であって、本発明の技術的範囲は、これに限られるものではない。
【0023】
[基本概要/基本構成]
図1は、免疫データ治療法提供システム1の基本概要を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1の基本概要について、図1に基づいて説明する。
【0024】
図1に示すように、免疫データ治療法提供システム1は、コンピュータ2とユーザ端末3から構成される免疫データを活用した治療法提供に利用するためのコンピュータシステムである。
【0025】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2は、オンプレミスサーバやオンプレミスコンピューティングシステム、またはクラウドサーバやクラウドコンピューティングシステムであって、本実施形態では、クラウドコンピューティングシステムである。
【0026】
免疫データ治療法提供システム1のユーザ端末3は、ユーザ4、企業5、医師6、医療機関7、がコンピュータ2に、免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、新規患者の新規免疫データ105、などを送受信するための端末であって、パソコンやノートパソコン、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等であってもよい。
【0027】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2は、ユーザ端末3と、公衆回線網等のネットワーク10を介して、データ通信可能に接続し、必要なデータや情報の送受信を実行してもよい。
【0028】
また、ユーザ端末3、ユーザ4、企業5、医師6、医療機関7、は複数存在してもよいものとする。
【0029】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2は、ユーザ端末3から免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102とを少なくとも取得する第1取得部201と、
取得した免疫データ101と治療ガイドラインデータ102とを関連付けた学習データセットを作成する学習データセット103と、
作成した学習データセット103を学習する学習部203と、
学習の結果に基づいて、学習済みモデル104を生成する生成部204と、
新規患者の新規免疫データ105を少なくとも取得する第2取得部205と、
学習済みモデル104に基づいて、取得した新規免疫データ105に対応する治療ガイドラインデータ102の部分を判断する判断部206と、
判断した治療ガイドラインデータ102の部分に含まれる治療法を治療法データ106として抽出する抽出部207と、
抽出した治療法データを医師6または医療機関7に提供する提供部208と、が各々実行する処理により、医師が免疫データを利用して、患者に適した治療法を判断することを可能とする。
【0030】
ここで、免疫データ101および新規免疫データ105とは、ユーザや患者の免疫状態に係るデータであって、例えば、B細胞量やNK細胞量、T細胞量、総蛋白量、白血球量などの免疫データを少なくとも含むデータを示す。
【0031】
治療ガイドラインデータ102とは、疾病やその治療および対処に係るデータであって、例えば、学会、医療機関、研究機関、企業等が科学的知見をもとに発行した論文や診療ガイドラインなどを少なくとも含むデータを示す。
【0032】
治療法データ106とは、治療ガイドラインデータ102に含まれる新規免疫データ105に対応する治療法の部分を少なくとも含むデータを示す。
【0033】
免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、学習データセット103,学習済みモデル104、新規免疫データ105、治療法データ106は、それぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0034】
図2は、免疫データ治療法提供システム1の基本構成を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1の基本構成について図2に基づいて説明する。
【0035】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2は、制御部300として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、等と、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、Wi―Fi対応デバイス等と、を少なくとも備え、記憶部310として、半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。ストレージ部はネットワーク通信可能な外部に存在してもよい。
【0036】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2は、上述した制御部300と記憶部310に加え、第1取得部201と、作成部202と、学習部203と、生成部204と、第2取得部205と、判断部206と、抽出部207と、提供部208とを備える。
【0037】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2において、制御部300が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部310と協働して、第1取得部201、作成部202、学習部203、生成部204、第2取得部205、判断部206、抽出部207、提供部208を実現する。
【0038】
ユーザ端末3は、入力部320として、コンピュータ2を操作するために必要な機能を備えるものとする。入力を実現するための例として、タッチパネル機能を実現する液晶ディスプレイ、キーボード、マウス、ペンタブレット、装置上のハードウェアボタン、音声認識を行うためのマイク等を備えることが可能である。入力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0039】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2と、ユーザ端末3とは少なくともネットワーク10を介して通信可能に接続されている。
【0040】
このような免疫データ治療法提供システム1によれば、医師6が免疫データを利用して、患者に適した治療法を判断することが可能となる。
【0041】
以上が、免疫データ治療法提供システム1の基本概要および基本構成である。
【0042】
図3は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する学習済みモデル生成処理を説明するための図である。図4は、コンピュータ2が実行する治療法抽出提供処理を説明するための図である。図5は、ユーザ端末3が表示するコンピュータ2が取得した免疫データ101の表示画面の一例である。図6は、ユーザ端末3が表示するコンピュータ2が抽出した治療法データ106の表示画面の一例である。免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する免疫データ治療法提供について図3乃至図6に基づいて説明する。
【0043】
[学習済みモデル生成処理]
コンピュータ2の第1取得部201は、免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102とを少なくとも取得する(ステップS11)。
【0044】
なお、免疫データ101とは、上述したユーザや患者の免疫に係るデータであって、例えば、B細胞量やNK細胞量、T細胞量、総蛋白量、白血球量、アルブミン量、グロブリン量などの免疫情報を少なくとも含むデータであり、治療ガイドラインデータ102とは、疾病やその治療に係るデータであって、例えば、学会、医療機関、研究機関、企業等が科学的知見をもとに発行した論文や診療ガイドラインなどを少なくとも含むデータである。
【0045】
免疫データ101および治療ガイドラインデータ102のデータの形式としては、画像、表、数値、テキストなどのあらゆる形式を含むがこれに限定されない。また、免疫データ101および治療ガイドラインデータ102の取得方法についてはユーザ端末3に限定することはなく、他の端末装置から公衆回線等を介して取得しても良い。さらに、免疫データ101および治療ガイドラインデータ102の取得タイミングについては限定されない。
【0046】
コンピュータ2の作成部202は、取得した免疫データ101と治療ガイドラインデータ102とから学習データセット103を作成する(ステップS12)。このとき作成された学習データセット103は後述する学習済みモデル104の生成におけるアノテーションデータとして用いる。アノテーションデータとは、機械学習のモデルに学習させるための教師データであり、データに意味付けや紐付けをして互いに組み合わせるために、免疫データに関連する情報として付与される。
【0047】
コンピュータ2の学習部203は、作成した学習データセット103を教師データとして学習し(ステップS13-1)、学習の結果に基づいて、生成部204が学習済みモデル104を生成する(ステップS13-2)
【0048】
学習済みモデル104の作成は、例えば、特定の疾患に特徴的に見られる、免疫に関与する細胞である白血球の数値に異常が見られかつ蛋白分画のγグロブリンの値にも異常が見られるなどの科学的知見から、免疫データ101に、免疫に関与する値の変化を疾病との関連のアノテーションデータとして付与するなどして行われる。
【0049】
アノテーションデータの付与方法については、特に限定することなく、人手による方法や、アノテーションツールといったタグ付け自動化ツールを使用する方法などでデータを付与してもよい。
【0050】
取得した免疫データ101および治療ガイドラインデータ102、作成した学習データセット103、生成した学習済みモデル104、はそれぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0051】
このように、取得した免疫データ101と治療ガイドラインデータ102とから、関連付けを行うために、学習済みモデルを用いることによって、膨大なパターンの関連付けを機械的に行うことが可能となる。
【0052】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する学習済みモデル生成処理である。
【0053】
[治療法抽出提供処理]
図4は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する治療法抽出提供処理を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する治療法抽出提供処理について図4に基づいて説明する。
【0054】
学習済みモデル生成については、上述した学習済みモデル生成処理と同様の処理であるため、その説明を省略する。
【0055】
コンピュータ2の第2取得部205は、新規患者の免疫データである新規免疫データ105を少なくとも取得する(ステップS14)。
【0056】
ここで、新規免疫データ105とは、図5に示すように、免疫に係るデータであって、例えば、B細胞量やNK細胞量、T細胞量、白血球量、アルブミン量、グロブリン量などの免疫情報を少なくとも含むデータであり、上述した学習済みモデル生成処理にて取得した免疫データ101と異なる或いは同一のユーザおよび患者のものであって良い。
【0057】
新規免疫データ105のデータの形式としては、画像、表、数値、テキストなどのあらゆる形式を含むがこれに限定されない。また、新規免疫データ105の取得タイミングについては限定されない。
【0058】
次にコンピュータ2の判断部206は、上述した学習済みモデル生成処理により生成された学習済みモデル104に基づいて、取得した新規免疫データ105に対応する治療ガイドラインデータ102の部分を判断する(ステップS16)。
【0059】
ここで、コンピュータ2の判断部206が判断する治療ガイドラインデータ102の部分とは、例えば、学習済みモデル104に基づいた新規免疫データ105に対応する一つ乃至複数の、疾病候補や、前記疾病の詳細、前記疾病に関する予防法、前記疾病に関する処置方法や対症療法などを含む治療法、前記治療法に関する医療機器や治療薬の情報、を少なくとも含む部分を示す。
【0060】
次に、コンピュータ2の抽出部207は、判断部206が判断した部分に含まれる治療法を、治療法データ106として抽出する(ステップS16)。
【0061】
ここで、抽出された治療法データ106とは、例えば、図6に示すように、コンピュータ2の判断部206が判断した治療ガイドラインデータ102の部分に含まれる当該疾病に関する処置方法や対症療法などを含む治療法を示す。
【0062】
次に、コンピュータ2の提供部208は、抽出された治療法データ106を医師6または医療機関7に提供する(ステップS16)。
【0063】
ここで、提供部208による治療法データ106の提供方法は限定されず、ネットワーク10を介した通信可能に接続されたユーザ端末3を介して提供して良い。
【0064】
取得した新規免疫データ105および抽出した治療法データ106はそれぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0065】
このように、学習済みモデル104を用いて、取得した新規免疫データ105から治療法データ106を抽出して提供することにより、医師6が免疫データを利用して、患者に適した治療法を判断することが可能となる。
【0066】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する治療法抽出提供処理である。
【0067】
[広告抽出提供処理]
図7は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する広告抽出提供処理を説明するための図である。免疫データ治療法提供システムのコンピュータが実行する広告抽出提供処理について図7に基づいて説明する。
【0068】
免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する広告抽出提供処理は、図7に示すように、上述した治療法抽出提供処理に準じて実行される。
【0069】
コンピュータ2の判断部206は、学習済みモデル生成処理により生成された学習済みモデル104に基づいて、取得した新規免疫データ105に対応する治療ガイドラインデータ102の部分を判断した際に、判断した新規免疫データ105に対応する治療ガイドラインデータ102の部分に関連する一つ乃至複数の広告データ107を判断する(ステップS18-1)。
【0070】
ここで、広告データ107とは、企業5などが発行する一つ乃至複数の広告であって、例えば、検査薬などの試薬、治療薬などの医薬品、医療器具、医療に関するソフトウェア、などの広告を示す。
【0071】
広告データ107の取得方法については限定されず、取得した広告データ107は、コンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0072】
次に、コンピュータ2の抽出部207は、判断部206が、判断した治療ガイドラインデータ102の部分に対応する広告データがある場合(ステップS18-2YES)、
判断した一つ乃至複数の広告データ107を抽出する(ステップS19)。
【0073】
また、コンピュータ2の抽出部207は、判断部206が、判断した治療ガイドラインデータ102の部分に対応する広告データがない場合(ステップS18-2NO)、広告データ107の抽出を行わない。
【0074】
次に、コンピュータ2の提供部208は、抽出した一つ乃至複数の広告データ107を、上述した治療法抽出提供処理で抽出された治療法データ106と共に医師6または医療機関7に提供する(ステップS20)。
【0075】
ここで、治療法データ106と共に提供された広告データ107は、図6に示すように
【0076】
このように、抽出した治療法データ106に対応した広告データ107を判断して抽出し、治療法データ106と共に医師6および医療機関7に提供することにより、当該治療法に関係する広告だけを提供することが可能となる。
【0077】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する広告抽出提供処理である。
【0078】
図8は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用学習済みモデル生成処理を説明するための図である。図9は、コンピュータ2が実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用治療法抽出提供処理を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する免疫データ治療法提供について図8および図9に基づいて説明する。
【0079】
[健康診断データおよび生活習慣データ活用学習済みモデル生成処理]
コンピュータ2の第1取得部201は、免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102と、健康診断データ108と、生活習慣データ109と、を少なくとも取得する(ステップS21)。
【0080】
なお、健康診断データ108とは、上述したユーザや患者が行った、例えば、学校健診検診、職場健診、特定健診、人間ドックなどの所謂健康診断の結果を少なくとも含むデータである。また、生活習慣データ109とは、当該ユーザや患者の所定期間の睡眠時間、睡眠の深さ、睡眠中に起床する頻度、歩数、運動頻度、運動時間、喫煙頻度、飲酒頻度、飲酒量、活動時間帯、就寝時間帯、労働時間、労働内容、食事内容、間食頻度、摂取カロリー、栄養バランスなどの生活習慣に関わるデータを少なくとも含むデータである。
【0081】
免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、健康診断データ108、生活習慣データ109のデータの形式としては、画像、表、数値、テキストなどのあらゆる形式を含むがこれに限定されない。また、免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、健康診断データ108、生活習慣データ109の取得方法についてはユーザ端末3に限定することはなく、他の端末装置から公衆回線等を介して取得しても良い。さらに、免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、健康診断データ108、生活習慣データ109の取得タイミングについては限定されない。
【0082】
コンピュータ2の作成部202は、取得した免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102と、健康診断データ108と、生活習慣データ109とから学習データセット114を作成する(ステップS22)。このとき作成された学習データセット114は後述する学習済みモデル115の生成におけるアノテーションデータとして用いる。アノテーションデータとは、機械学習のモデルに学習させるための教師データであり、データに意味付けや紐付けをして互いに組み合わせるために、免疫データや健康診断データや生活習慣データに関連する情報として付与される。
【0083】
アノテーションデータの付与方法については、特に限定することなく、人手による方法や、アノテーションツールといったタグ付け自動化ツールを使用する方法などでデータを付与してもよい。
【0084】
コンピュータ2の学習部203は、作成した学習データセット114を教師データとして学習し(ステップS23-1)、学習の結果に基づいて、生成部204が学習済みモデル115を生成する(ステップS23-2)。
【0085】
取得した免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、健康診断データ108、生活習慣データ109、作成した学習データセット114、生成した学習済みモデル115、はそれぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0086】
このように、取得した免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102と、健康診断データ108と、生活習慣データ109とから、関連付けを行うために、学習済みモデルを用いることによって、膨大なパターンの関連付けを機械的に行うことが可能となる。
【0087】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用学習済みモデル生成処理である。
【0088】
[健康診断データおよび生活習慣データ活用治療法抽出提供処理]
図9は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用治療法抽出提供処理を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する治療法抽出提供処理について図9に基づいて説明する。
【0089】
学習済みモデル生成については、上述した健康診断データおよび生活習慣データ活用学習済みモデル生成処理と同様の処理であるため、その説明を省略する。
【0090】
コンピュータ2の第2取得部205は、新規患者の免疫データである新規免疫データ105、新規治療データ113を少なくとも取得する(ステップS24)。
【0091】
ここで、新規免疫データ105、新規治療データ113とは、それぞれ免疫データ101、健康診断データ108、生活習慣データ109に係るデータであって、上述した健康診断データおよび生活習慣データ活用学習済みモデル生成処理にて取得した、免疫データ101、健康診断データ108、生活習慣データ109と異なる或いは同一の、ユーザおよび患者のものであって良い。
【0092】
新規免疫データ105、新規治療データ113のデータの形式としては、画像、表、数値、テキストなどのあらゆる形式を含むがこれに限定されない。また、新規免疫データ105、新規治療データ113の取得タイミングについては限定されない。
【0093】
次にコンピュータ2の判断部206は、上述した学習済みモデル生成処理により生成された学習済みモデル115に基づいて、取得した新規免疫データ105、新規治療データ113のデータに対応する治療ガイドラインデータ102の部分を判断する(ステップS25)。
【0094】
ここで、コンピュータ2の判断部206が判断する治療ガイドラインデータ102の部分とは、例えば、学習済みモデル115に基づいた、新規免疫データ105、新規治療データ113のデータそれぞれに対応する一つ乃至複数の、疾病候補や、前記疾病の詳細、前記疾病に関する予防法、前記疾病に関する処置方法や対症療法などを含む治療法、前記治療法に関する医療機器や治療薬の情報、を少なくとも含む部分を示す。
【0095】
次に、コンピュータ2の抽出部207は、判断部206が判断した部分に含まれる治療法を、治療法データ106として抽出する(ステップS26)。
【0096】
ここで、抽出された治療法データ106とは、例えば、コンピュータ2の判断部206が判断した治療ガイドラインデータ102の部分に含まれる当該疾病に関する処置方法や対症療法などを含む治療法を示す。
【0097】
次に、コンピュータ2の提供部208は、抽出された治療法データ106を医師6または医療機関7に提供する(ステップS27)。
【0098】
ここで、提供部208による治療法データ106の提供方法は限定されず、ネットワーク10を介した通信可能に接続されたユーザ端末3を介して提供して良い。
【0099】
取得した新規免疫データ105および抽出した治療法データ106はそれぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0100】
このように、学習済みモデル115を用いて、取得した新規免疫データ105、新規治療データ113から治療法データ106を抽出して提供することにより、医師6が免疫データを利用して、患者に適した治療法を、精度を上げて判断することが可能となる。
【0101】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する健康診断データおよび生活習慣データ活用治療法抽出提供処理である。
【0102】
図10は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する治療データ活用学習済みモデル生成処理を説明するための図である。図11は、コンピュータ2が実行する治療データ活用治療法抽出提供処理を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する免疫データ治療法提供について図10および図11に基づいて説明する。
【0103】
[治療データ活用学習済みモデル生成処理]
コンピュータ2の第1取得部201は、免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102と、治療データ112と、を少なくとも取得する(ステップS31)。
【0104】
なお、治療データ112とは、上述したユーザや患者の、例えば、診察経過、手術記録、検査記録、看護記録、既往歴などを含めた診察記録、所謂カルテの情報を少なくとも含むデータであり、医療機関から取得する。
【0105】
免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、治療データ112のデータの形式としては、画像、表、数値、テキストなどのあらゆる形式を含むがこれに限定されない。また、免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、治療データ112の取得方法についてはユーザ端末3に限定することはなく、他の端末装置から公衆回線等を介して取得しても良い。さらに、免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、治療データ112の取得タイミングについては限定されない。
【0106】
コンピュータ2の作成部202は、取得した免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102と、治療データ112とから学習データセット116を作成する(ステップS32)。このとき作成された学習データセット116は後述する学習済みモデル117の生成におけるアノテーションデータとして用いる。アノテーションデータとは、機械学習のモデルに学習させるための教師データであり、データに意味付けや紐付けをして互いに組み合わせるために、免疫データや治療データに関連する情報として付与される。
【0107】
アノテーションデータの付与方法については、特に限定することなく、人手による方法や、アノテーションツールといったタグ付け自動化ツールを使用する方法などでデータを付与してもよい。
【0108】
コンピュータ2の学習部203は、作成した学習データセット116を教師データとして学習し(ステップS23-1)、学習の結果に基づいて、生成部204が学習済みモデル117を生成する(ステップS23-2)。
【0109】
取得した免疫データ101、治療ガイドラインデータ102、治療データ112、作成した学習データセット116、生成した学習済みモデル117、はそれぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0110】
このように、取得した免疫データ101と、治療ガイドラインデータ102と、治療データ112とから、関連付けを行うために、学習済みデータを用いることによって、膨大なパターンの関連付けを機械的に行うことが可能となる。
【0111】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する治療データ活用学習済みモデル生成処理である。
【0112】
[治療データ活用治療法抽出提供処理]
図11は、免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する治療データ活用治療法抽出提供処理を説明するための図である。免疫データ治療法提供システム1のコンピュータ2が実行する治療法抽出提供処理について図11に基づいて説明する。
【0113】
学習済みモデル生成については、上述した治療データ活用学習済みモデル生成処理と同様の処理であるため、その説明を省略する。
【0114】
コンピュータ2の第2取得部205は、新規患者の免疫データである新規免疫データ105、新規治療データ113を少なくとも取得する(ステップS34)。
【0115】
ここで、コンピュータ2の第2取得部205は、新規治療データ113を医療機関7から取得する。
【0116】
新規免疫データ105と新規治療データ113とは、それぞれ免疫データ101、治療データ112に係るデータであって、上述した治療データ活用学習済みモデル生成処理にて取得した、免疫データ101、治療データ112と異なる或いは同一の、ユーザおよび患者のものであって良い。
【0117】
新規免疫データ105、新規治療データ113のデータの形式としては、画像、表、数値、テキストなどのあらゆる形式を含むがこれに限定されない。また、新規免疫データ105、新規治療データ113の取得タイミングについては限定されない。
【0118】
次にコンピュータ2の判断部206は、上述した学習済みモデル生成処理により生成された学習済みモデル117に基づいて、取得した新規免疫データ105、新規治療データ113のデータに対応する治療ガイドラインデータ102の部分を判断する(ステップS35)。
【0119】
ここで、コンピュータ2の判断部206が判断する治療ガイドラインデータ102の部分とは、例えば、学習済みモデル117に基づいた、新規免疫データ105、新規治療データ113のデータそれぞれに対応する一つ乃至複数の、疾病候補や、前記疾病の詳細、前記疾病に関する予防法、前記疾病に関する処置方法や対症療法などを含む治療法、前記治療法に関する医療機器や治療薬の情報、を少なくとも含む部分を示す。
【0120】
次に、コンピュータ2の抽出部207は、判断部206が判断した部分に含まれる治療法を、治療法データ106として抽出する(ステップS36)。
【0121】
ここで、抽出された治療法データ106とは、例えば、コンピュータ2の判断部206が判断した治療ガイドラインデータ102の部分に含まれる当該疾病に関する処置方法や対症療法などを含む治療法を示す。
【0122】
次に、コンピュータ2の提供部208は、抽出された治療法データ106を医師6または医療機関7に提供する(ステップS37)。
【0123】
ここで、提供部208による治療法データ106の提供方法は限定されず、ネットワーク10を介した通信可能に接続されたユーザ端末3を介して提供して良い。
【0124】
取得した新規免疫データ105および抽出した治療法データ106はそれぞれコンピュータ2の内部に格納してもよいし、コンピュータ2の外部に格納してもよい。
【0125】
このように、学習済みモデル117を用いて、取得した新規免疫データ105、新規治療データ113から治療法データ106を抽出して提供することにより、医師6が免疫データを利用して、患者に適した治療法を、精度を上げて判断することが可能となる。
【0126】
以上が、免疫データ治療法提供システム1が実行する治療データ活用治療法抽出提供処理である。
【0127】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0128】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0129】
1 免疫データ治療法提供システム
2 コンピュータ
3 ユーザ端末
4 ユーザ
5 企業
6 医師
7 医療機関
10 ネットワーク
【要約】
【課題】免疫データと治療ガイドラインを関連付けて学習して、患者に適した治療法を抽出して提供する。
【解決手段】免疫データ治療法提供システムは、免疫データおよび治療ガイドラインデータを取得する第1取得部と、取得した前記免疫データおよび前記治療ガイドラインデータを関連付けた学習データセットを作成する作成部と、作成した前記学習データセットを学習する学習部と、学習の結果に基づいて、学習済みモデルを生成する生成部と、新規患者の新規免疫データを取得する第2取得部と、生成した前記学習済みモデルを用いて、取得した新規免疫データに対応する治療ガイドラインデータの部分を判断する判断部と、判断した前記治療ガイドラインデータの部分に含まれる治療法を抽出する抽出部と、抽出した前記治療法を医師または医療機関に提供する提供部とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11