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特許7271053窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0562 20100101AFI20230501BHJP
   C01B 25/14 20060101ALI20230501BHJP
   H01B 1/06 20060101ALI20230501BHJP
   H01B 1/10 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H01M10/0562
C01B25/14
H01B1/06 A
H01B1/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018201231
(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公開番号】P2019117788
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】10-2017-0181114
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】506087336
【氏名又は名称】漢陽大学校産学協力団
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成 柱 詠
(72)【発明者】
【氏名】張 容 準
(72)【発明者】
【氏名】閔 泓 錫
(72)【発明者】
【氏名】金 思 欽
(72)【発明者】
【氏名】尹 龍 燮
(72)【発明者】
【氏名】呉 必 建
(72)【発明者】
【氏名】申 東 ウク
(72)【発明者】
【氏名】朴 チャン 輝
(72)【発明者】
【氏名】孫 ジン オ
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-160572(JP,A)
【文献】国際公開第2016/009768(WO,A1)
【文献】特開2017-168449(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0028104(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103560267(CN,A)
【文献】特開2018-156735(JP,A)
【文献】特開2018-190658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0562
C01B 25/14
H01B 1/06
H01B 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造の下記式1で表わされる化合物を含むことを特徴とする窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質。
LiPS・・・・・・・式1
ここで、6≦w≦7、3<x<6、0.25≦y≦1、0.25≦z≦2であり、
前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項2】
前記化合物は、下記式2で表わされるものであることを特徴とする請求項1に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質。
Li6+aPS5-aX・・・・・・・式2
ここで、0.25≦a≦1であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項3】
前記化合物は、下記式3で表わされるものであることを特徴とする請求項1に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質。
LiPS5-1.5bX・・・・・・・式3
ここで、0.25≦b≦0.75であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項4】
前記化合物は、下記式4で表わされるものであることを特徴とする請求項1に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質。
LiPS6-2c・・・・・・・式4
ここで、0.25≦c≦1であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項5】
前記化合物は、下記式5で表わされるものであることを特徴とする請求項1に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質。
LiPS5-2d1+d・・・・・・・式5
ここで、0.25≦d≦1であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項6】
LiS、P、LiX及びLiNが混合された混合物を提供する段階と、
前記混合物を粉砕する段階と、
熱処理する段階と、を含み、
前記LiXは、塩化リチウム(LiCl)であり、
硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造の下記式1で表わされる化合物を製造することを特徴とする窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質の製造方法。
LiPS・・・・・・・式1
ここで、6≦w≦7、3<x<6、0.25≦y≦1、0.25≦z≦2であり、
Xは塩素(Cl)である。
【請求項7】
前記化合物は、下記式2で表わされるものであることを特徴とする請求項に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質の製造方法。
Li6+aPS5-aX・・・・・・・式2
ここで、0.25≦a≦1であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項8】
前記化合物は、下記式3で表わされるものであることを特徴とする請求項に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質の製造方法。
LiPS5-1.5bX・・・・・・・式3
ここで、0.25≦b≦0.75であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項9】
前記化合物は、下記式4で表わされるものであることを特徴とする請求項に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質の製造方法。
LiPS6-2c・・・・・・・式4
ここで、0.25≦c≦1であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【請求項10】
前記化合物は、下記式5で表わされるものであることを特徴とする請求項に記載の窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質の製造方法。
LiPS5-2d1+d・・・・・・・式5
ここで、0.25≦d≦1であり、前記Xは塩素(Cl)である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質に係り、より詳細には、イオン伝導度を阻害せずに電気化学的安全性が向上した、窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池は、自動車、電力蓄積システムなどの大型器機を始めとして、携帯電話、カムコーダ、ノートブック型コンピュータなどの小型器機まで広く使われている。
二次電池の適用分野が広くなるにつれて、電池の安全性向上及び高性能化に対する要求が高くなっている。
二次電池の一つであるリチウム二次電池は、ニッケル-マンガン電池又はニッケル-カドミウム電池に比べてエネルギー密度が高く単位容積当たりの容量が大きいという利点がある。
二次電池の一つであるリチウム二次電池は、ニッケル-マンガン電池又はニッケル-カドミウム電池に比べてエネルギー密度が高く単位面積当たり容量が大きいという利点がある。
【0003】
しかし、従来のリチウム二次電池に使われる電解質は、大部分が有機溶媒などの液体電解質であった。したがって、電解質の涙液及びこれによる火事の危険性などの安全性問題が絶えず提起されていた。
【0004】
これにより、近年には、リチウム二次電池の安全性を高めるために使われる電解質を、液体電解質ではなく、固体電解質を用いる全固体電池に対する関心が高くなっている。
固体電解質は、不燃性又は難燃性なので、液体電解質に比べて安全性が高い。
固体電解質は、酸化物界と硫化物界とに分類される。硫化物界固体電解質の方が、酸化物界固体電解質に比べて、高いリチウムイオン伝導度を有し広い電圧範囲で安定であるところから、硫化物界固体電解質を主に使用される。しかし、硫化物界固体電解質は、酸化物界固体電解質に比べて化学的安全性が相対的に低いから、電池の作動が安定しないという欠点を有している。
【0005】
したがって、硫化物界固体電解質の電気化学的安全性を改善するための多様な研究が行なわれている。しかし、硫化物界固体電解質の安全性を高めようとすれば、固体電解質のイオン伝導度のような必須な物性が大きく低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2016-009768号
【非特許文献】
【0007】
【文献】フクシマ等、Solid State Ionics、304,2017、P85~89.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためのものである。
本発明の目的は、硫化物界固体電解質の電気化学的安全性を向上させることである。
また、本発明の目的は、硫化物界固体電解質のイオン伝導度を阻害せずに、その電気化学的安全性を向上させることである。
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されない。本発明の目的は、以下の説明によってより明らかになり、特許請求範囲に記載した手段及びその組合せによって実施可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質は、硫銀ゲルマニウム型結晶構造の下記式1で表わされる化合物を含む。
LiPS・・・・・・・式1
ここで、6≦w≦7、3<x<6、0<y≦1、0<z≦2であり、
Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0010】
前記化合物は、下記式2で表わされるものであってもよい。
Li6+aPS5-aX・・・・・・・式2
ここで、0<a≦1であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0011】
前記化合物は下記式3で表わされるものであってもよい。
LiPS5-1.5bX・・・・・・・式3
ここで、0<b≦0.75であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0012】
前記化合物は下記式4で表わされるものであってもよい。
[化4]
LiPS6-2c・・・・・・・式4
ここで、0<c≦1であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である
【0013】
前記化合物は下記式5で表わされるものであってもよい。
LiPS5-2d1+d・・・・・・・式5
ここで、0<d≦1であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0014】
本発明による全固体電池は正極と、負極と、正極及び負極の間に介在された固体電解質層と、を含み、正極、負極、及び固体電解質層の中の少なくとも一つに請求項1に記載の硫化物界固体電解質が含まれたものであり得る。
【0015】
本発明による窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質の製造方法は、LiS、P、LiX及びLiNが混合された混合物を提供する段階と、混合物を粉砕する段階と、熱処理する段階と、を含み、
LiXは、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)、及びこれらの組合せからなる群から選択されたものであり、
前記式1~式5で表される硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造を有する硫化物界固体電解質の中のいずれか一つ以上を製造するものであり得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、硫化物界固体電解質のイオン伝導度が維持されるとともに電気化学的安全性が向上する。よって、全固体電池に適用したとき、電池の安全性を大きく高めることができる。
本発明の効果は以上で言及した効果に限定されず。本発明の効果は以下の説明から推論可能な全ての効果を含むものとして理解されなければならないであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの3成分系のモル比で表わした図である。
図2】本発明の実施例1による硫化物界固体電解質に対するXRD(X-ray diffraction spectroscopy)分析結果を示した図である。
図3】本発明の実施例に2よる硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの3成分系のモル比で表わした図である。
図4】本発明の実施例2による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
図5】本発明の実施例3による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの成分系のモル比で表わした図である。
図6】本発明の実施例3による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
図7】本発明の実施例4による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの3成分系のモル比で表わした図である。
図8】本発明の実施例4による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
図9】本発明による硫化物界固体電解質のうち1.0mS/cm以上のイオン伝導度を見せる組成の領域を示す図である。
図10】本発明による硫化物界固体電解質のうち1.5mS/cm以上のイオン伝導度を見せる組成の領域を示す図である。
図11】本発明による硫化物界固体電解質のうち2.0mS/cm以上のイオン伝導度を見せる組成の領域を示す図である。
図12】本発明による硫化物界固体電解質(LiPS4.250.5Cl)に対するサイクリックボルタモグラム(Cyclic voltammogram)試験を実施した結果を示した図である。
図13】本発明による硫化物界固体電解質(Li6.5PS4.50.5Cl)に対する充放電実験を実施した結果を示した図である。
図14】本発明による硫化物界固体電解質(LiPS4.250.5Cl)に対する充放電実験を実施した結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以上の本発明の目的、他の目的、特徴及び利点は、添付図面に基づく以下の好適な実施例によって易しく理解可能であろう。しかし、本発明は、ここで説明する実施例に限定されず、他の形態に具体化することもできる。むしろ、ここで紹介する実施例は、開示の内容が徹底的で完全になるように、かつ通常の技術者に本発明の思想が充分に伝達されるようにするために提供するものである。
【0019】
各図の説明において、類似の構成要素に類似の参照符号を付けた。添付図面において、構造物の寸法は、本発明の明確性のために実際より誇張して示すものである。第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使うことができるが、構成要素は用語に限定されてはいけない。第1構成要素、第2構成要素などという用語は、一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範疇内で第1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と名付けることができる。単数の表現は、文脈上明らかに他に指示しない限り、複数の表現を含む。
【0020】
本明細書で、“含む”又は“有する”などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又は、これらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“上に”あると言う場合、これは他の部分の“すぐ上に”ある場合だけではなく、その中間に他の部分がある場合も含む。反対に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“下に”あると言う場合、これは他の部分の“すぐ下に”ある場合だけではなく、その中間に他の部分がある場合も含む。
【0021】
以下の記載で数値範囲を開示する場合、このような範囲は連続的であり、他に指示しない限り、このような範囲の最小値から最大値が含まれた最大値までの全ての値を含む。さらに、このような範囲が整数を指示する場合、他に指示しない限り、最小値から最大値が含まれた最大値までを含む全ての整数が含まれる。
【0022】
本明細書において、範囲を変数に対して記載する場合、変数は、範囲の記載された終了点を含む記載した範囲内の全ての値を含むものと理解されるであろう。例えば、“5~10”の範囲は、5、6、7、8、9、及び10の値だけではなく、6~10、7~10、6~9、7~9などの任意の下位範囲を含み、5.5、6.5、7.5、5.5~8.5及び6.5~9などの記載した範囲の範疇に妥当な整数間の任意の値も含むものと理解されるであろう。また、例えば、“10%~30%”の範囲は、10%、11%、12%、13%などの値と30%までを含む全ての整数だけではなく、10%~15%、12%~18%、20%~30%などの任意の下位範囲を含み、10.5%、15.5%、25.5%などのように記載された範囲の範疇内の妥当な整数間の任意の値も含むものと理解されるであろう。
【0023】
本発明による窒素が添加された全固体電池用硫化物界固体電解質は、下記式1で表わされる化合物を含む。
LiPS・・・・・・・式1
ここで、6≦w≦7、3<x<6、0<y≦1、0<z≦2であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0024】
非特許文献1は、ガラスセラミック(glass-ceramics)の結晶構造を有する75LiS-25Pの製造において、原料物質であるLiSの一部をLiNに置換して固体電解質の特性を向上させたものを報告した。
【0025】
しかし、非特許文献による固体電解質基本構造は非晶質構造体を含むβ-LiPS構造を基にしているが、本発明による固体電解質は、LiPSCl、LiPSの高い結晶性を確保した硫銀ゲルマニウム鉱(Argyrodite)結晶型構造体を基にしている。
【0026】
また、非特許文献の窒素元素は、固体電解質の非晶質ネットワークに優先的に浸透しており、添加量が増加した場合にはβ-LiPSではない新構造を形成する。一方、本発明による固体電解質の結晶構造は、窒素の添加量に関係なく基本的な硫銀ゲルマニウム鉱構造を維持しており、LiNの残留物が発生しないので、固体電解質の結晶構造の内部に窒素元素がドープされていると推正することができる。
【0027】
また、非特許文献の固体電解質は、20mol%以上のLiNの添加時に結晶構造が崩壊する。一方、本発明の固体電解質の組成領域は、高いLiN置換量でも安定した固体電解質結晶構造を維持することができる。
以下、本発明の好適な具現例について具体的に説明する。
【0028】
[実施例1]
本発明の実施例1によると、硫化物界固体電解質は、下記式2で表わされる化合物である。
Li6+aPS5-aX・・・・・・・式2
ここで、0<a≦1であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
硫化物界固体電解質は、LiS、P、LiX、及びLiNが混合された混合物を提供する段階、混合物を粉砕する段階、及び熱処理する段階によって製造することができる。
【0029】
LiXはハロゲン化リチウムを意味し、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)、及びこれらの組合せからなる群から選択されたものであり得る。好ましくは、LiClであり得る。以下、説明の便宜のために、LiClを代表的な出発物質として扱って説明する。ただし、本発明は、LiXがLiClに限定されるものではない。
【0030】
出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比を調節して、前記式2で表わされる化合物を得ることができる。具体的には、添加するLiNのモル数に相当するモル数のLiSを削除して混合物を提供することができる。
また、LiS:P:LiCl:LiNのモル比を37.5~56.25:12.5:25:6.25~25に調節して混合することができる。
【0031】
混合物の粉砕は、ボールミル、ビードミル、均質器などで粉砕する乾式粉砕であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、適切な溶媒に混合物を投入した後、ジルコニアボールなどで粉砕する湿式粉砕であってもよい。粉砕速度、時間などの条件は、製造環境、装置などによって適宜変更して実施することができ、混合物が充分に粉砕されて非晶質化することができればどの条件でも実施することができる。
【0032】
熱処理は、粉砕されて非晶質化した混合物に熱を加えて結晶化するものである。混合物が劣化せずに充分に結晶化することができれば、どの条件でも実施することができる。例えば、400℃~500℃で3時間~5時間実施することができる。
【0033】
<硫化物界固体電解質の製造及びイオン伝導度の測定>
下記表1のような組成を満たすように出発物質であるLiS、P、LiCl及びLiNを秤量して混合し、メカニカルミリング(Mechanical milling)法で300RPM、24時間の条件で粉砕した。その生成物を550℃で5時間熱処理して硫化物界固体電解質を得た。
【0034】
硫化物界固体電解質の組成を、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比で表わして表1に纏めて記載し、LiS、LiCl、及びLiNの3成分系で表わした。
図1は、本発明の第1実施例による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの3成分系のモル比で表現した図である。
【0035】
硫化物界固体電解質のイオン伝導度を測定した。具体的には、各硫化物界固体電解質を圧縮成形して測定用成形体(直径13mm、厚さ1~1.5mm)を生成した。成形体に10mVの交流電位を印加した後、1×10~1Hzの周波数スイープを実施してインピーダンス値を測定することによってイオン伝導度を求めた。その結果を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、比較例に示す従来の硫化物界固体電解質に比べてイオン伝導度が向上したことが分かる。成形体A-4の場合は、イオン伝導度が僅かに低下したが、その低下幅は大きくなく、イオン伝導度がほぼ維持されたと言える。
【0038】
<X線回折分析(XRD)>
硫化物界固体電解質に対するXRD分析を行って結晶構造を分析した。
図2は、本発明の第1実施例による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
図2に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造を有することが分かる。また、LiNの添加量が多くなってもLiNのピークが検出されなかった。これは、硫化物界固体電解質の硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造に窒素が全部ドープされてその残留物がないからである。
また、LiNの添加量が多くなるほどLiSの残存量が多くなり、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造の結晶性が弱化することが分かる。
【0039】
[実施例2]
本発明の実施例2によると、硫化物界固体電解質は、下記式3で表わされる化合物である。
LiPS5-1.5bX・・・・・・・式3
ここで、0<b≦0.75であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0040】
硫化物界固体電解質は、LiS、P、LiCl、及びLiNが混合された混合物を提供する段階、混合物を粉砕する段階、及び熱処理する段階によって製造することができる。
【0041】
ここで、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比を調節して、式3で表わされる化合物を得ることができる。具体的には、2モルのLiN(添加されるモル数)と3モルのLiS(除かれるモル数)とを置換して混合物を提供することができる。
【0042】
また、LiS:P:LiCl:LiNのモル比を、37.93~54.84:12.9~13.79:25.81~27.59:6.45~20.69に調節して混合することができる。
製造方法のその他の各段階は、第1実施例と同一であるので、重複説明を避けるために以下では省略する。
【0043】
<硫化物界固体電解質の製造及びイオン伝導度の測定>
下記表2のような組成を満たすように出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNを秤量して混合し、メカニカルミリング法で330RPM、24時間の条件で粉砕した。その生成物を550℃で5時間熱処理して硫化物界固体電解質を得た。
【0044】
硫化物界固体電解質の組成を、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比で表わして表2にまとめて記載し、LiS、LiCl、及びLiNの3成分系で表現した。
図3は、本発明の第2実施例による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの3成分系のモル比で表現した図である。
【0045】
更に、硫化物界固体電解質のイオン伝導度を測定した。具体的には、各硫化物界固体電解質を圧縮成形して測定用成形体(直径13mm、厚さ1~1.5mm)を作成した。成形体に10mVの交流電位を印加した後、1×10~1Hzの周波数スイープを実施してインピーダンス値を測定することによってイオン伝導度を求めた。その結果を以下の表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】
表2に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、比較例として示す従来の硫化物界固体電解質に比べて、そのイオン伝導度が向上したことが分かる。比較例1の、LiNが多量に添加されたLiPS3.5NClの場合は、イオン伝導度が大きく低下した。したがって、提示された実施例の組成範囲が適切であることを確認することができた。
【0048】
X線回折分析(XRD)
前記硫化物界固体電解質に対するXRD分析を行って結晶構造を分析した。図4は、本発明の実施例2による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
【0049】
図4に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造を有することが分かる。また、LiNの添加量が多くなってもLiNのピークが検出されなかった。これは、硫化物界固体電解質の硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造に窒素が全部ドープされてその残留物がないからである。
また、LiNの添加量が多くなるほどLiSの残存量が多くなり、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造の結晶性が弱化していることが分かる。
【0050】
[実施例3]
本発明の実施例3によると、硫化物界固体電解質は、下記の式4で表わされる化合物である。
LiPS6-2c・・・・・・・式4
ここで、0<c≦1であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0051】
硫化物界固体電解質は、LiS、P、LiCl、及びLiNが混合された混合物を提供する段階、混合物を粉砕する段階、及び熱処理する段階によって製造することができる。
【0052】
ここで、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比を調節して式4で表わされる化合物を得ることができる。具体的には、LiPSを合成することができるLiSとPのモル比を基準に、添加するLiN及びLiClのモル数の和だけLiSのモル数を削除して混合物を提供することができる。
【0053】
また、LiS:P:LiCl:LiNのモル比を37.5~75:12.5:6.25~25:6.25~25に調節して混合することができる。
製造方法の上記以外の各段階は第1実施例と同一であるので、重複説明を避けるために以下では省略する。
【0054】
<硫化物界固体電解質の製造及びイオン伝導度の測定>
下記表3のような組成を満たすように、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNを秤量して混合し、メカニカルミリング法で330RPM、24時間の条件で粉砕した。その結果の生成物を550℃で5時間熱処理して硫化物界固体電解質を得た。
【0055】
硫化物界固体電解質の組成を出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNの比率を、モル比で表わして表3にまとめて記載し、LiS、LiCl、及びLiNの3成分系で表わして図5に示した。
図5は、本発明の実施例3による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの成分系のモル比で表現した図である。
【0056】
硫化物界固体電解質のイオン伝導度を測定した。具体的には、各硫化物界固体電解質を圧縮成形して測定用成形体(直径13mm、厚さ1~1.5mm)を作成した。成形体に10mVの交流電位を印加した後、1×10~1Hzの周波数スイープを実施してインピーダンス値を測定することによってイオン伝導度を求めた。その結果を以下の表3に示す。
【0057】
【表3】
*各硫化物界固体電解質の組成を出発物質であるLiS、P、LiCl、LiNのモル比で表現する。
【0058】
表3に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、比較例に示す従来の硫化物界固体電解質に比べてそのイオン伝導度が向上したことが分かる。C-4の場合は、イオン伝導度がやや低下したが、その低下幅が大きくなくて、イオン伝導度がほぼ維持されたと言える。
【0059】
<X線回折分析(XRD)>
硫化物界固体電解質に対するXRD分析を行って結晶構造を分析した。
図6は、本発明の実施例3による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
【0060】
図6に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造を有することが分かる。また、LiNの添加量が多くなってもLiNのピークが検出されなかった。これは、硫化物界固体電解質の硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造に窒素が全部ドープされてその残留物がないからである。
また、LiNの添加量が多くなるほどLiS及びLiClの残存量が多くなり、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造の結晶性が弱化したことが分かる。
【0061】
[実施例4]
本発明の実施例4による硫化物界固体電解質は、下記式5で表わされる化合物である。
LiPS5-2d1+d・・・・・・・式5
ここで、0<d≦1であり、Xは塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びこれらの組合せからなる群から選択されたハロゲン元素である。
【0062】
硫化物界固体電解質は、LiS、P、LiCl、及びLiNが混合された混合物を提供する段階、混合物を粉砕する段階、及び熱処理する段階によって製造することができる。
【0063】
ここで、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比を調節して式5で表わされる化合物を得ることができる。具体的には、LiPSClを合成することができるLiS、P、LiClのモル比を基準に、これに添加するLiN及びLiClのモル数の和だけLiSのモル数を削減して目的の混合物を提供することができる。
【0064】
また、LiS:P:LiCl:LiNのモル比を12.5~50:12.5:31.25~50:6.25~25に調節して混合することができる。
製造方法の上記以外の各段階は、第1実施例と同一であるので、重複説明を避けるために以下では省略する。
【0065】
<硫化物界固体電解質の製造及びイオン伝導度の測定>
下記の表4のような組成を満たすように、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNを秤量して混合し、メカニカルミリング法で330RPM、24時間の条件で粉砕した。その生成物を550℃で5時間熱処理して硫化物界固体電解質を得た。
【0066】
得られた硫化物界固体電解質の組成を、出発物質であるLiS、P、LiCl、及びLiNのモル比で表わして表4にまとめて記載し、LiS、LiCl、及びLiNの3成分系で表現した。
図7は、本発明の実施例4による硫化物界固体電解質の組成をLiS、LiCl及びLiNの3成分系のモル比で表現した図である。
【0067】
ここで得られた硫化物界固体電解質のイオン伝導度を測定した。具体的には、各硫化物界固体電解質を圧縮成形して測定用成形体(直径13mm、厚さ1~1.5mm)を作成した。成形体に10mVの交流電位を印加した後、1×10~1Hzの周波数スイープを実施してインピーダンス値を測定することによってイオン伝導度を求めた。その結果を下記表4に示した。
【0068】
【表4】
*各硫化物界固体電解質の組成を出発物質であるLiS、P、LiCl、LiNのモル比で表現する。
【0069】
表4に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、比較例に示す従来の硫化物界固体電解質に比べて、そのイオン伝導度が向上したことが分かる。実施例D-4の場合はイオン電導度がやや低下したが、その低下幅が大きくなく、イオン伝導度がほぼ維持されたと言える。
【0070】
<X線回折分析(XRD)>
硫化物界固体電解質に対するXRD分析を行って結晶構造を分析した。
図8は、本発明の実施例4による硫化物界固体電解質に対するXRD分析結果を示した図である。
図8に示すように、本発明による硫化物界固体電解質は、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造を有することが分かる。また、LiNの添加量が多くなってもLiNのピークが検出されなかった。これは、硫化物界固体電解質の硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造に窒素が全部ドープされてその残留物がないからである。
【0071】
また、LiNの添加量が多くなるほどLiS及びLiClの残存量が多くなり、硫銀ゲルマニウム鉱型結晶構造の結晶性が弱化したことが分かる。
【0072】
[イオン伝導度]
実施例1~実施例4による本発明の化学式1の組成を満たす硫化物界固体電解質のイオン伝導度を分析した。
表1~表4を参照すると、A-1~A-4、B-1~B-3、C-1~C-4、及びD-1~D-3の組成を有する硫化物界固体電解質は1.0mS/cm以上のイオン伝導度を示した。
図9は、本発明による硫化物界固体電解質のうち1.0mS/cm以上のイオン伝導度を見せる組成の領域を示す図である。
【0073】
また、A-1~A-3、B-1~B-3、C-2及びD-1~D-2の組成を有する硫化物界固体電解質は1.5mS/cm以上のイオン伝導度を見せ、それに相応する組成の領域を図10に示した。
また、A-2、B-1~B-2の組成を有する硫化物界固体電解質は2.0mS/cm以上のイオン伝導度を見せ、それに相応する組成の領域を図11に示した。
【0074】
[安全性評価]
本発明による硫化物界固体電解質を全固体電池に適用したときの安全性を評価するために、硫化物界固体電解質に対するサイクリックボルタモグラム(Cyclic voltammogram)試験を行った。
【0075】
具体的には、B-2のような組成の硫化物界固体電解質から試験片を製造し、試験片の一面にリチウム金属を付着した後、20mV/sの電流を流したとき、-0.5V~5Vの電圧区間を測定した。
【0076】
図12は、本発明による硫化物界固体電解質(LiPS4.250.5Cl)に対するサイクリックボルタモグラム試験を実施した結果を示した図である。
図12に示すように、本発明による窒素添加硫化物界固体電解質のサイクリックボルタモグラムは非常にきれいな開形を見せることが分かる。これは、リチウム金属に対する電気化学的安全性が向上して接触面で電気化学的反応が抑制されていることを示すものである。
【0077】
本発明による硫化物界固体電解質はリチウム金属(負極)に対する安全性が高いから、全固体電池に適用したとき、特に負極と接する固体電解質層に適用したとき、安全性を大きく向上させることができる。
【0078】
[セル評価(Cell test)]
本発明による硫化物界固体電解質を実際全固体電池に適用したとき、電池が正常に作動するか否かを評価した。
具体的には、A-2の組成の硫化物界固体電解質0.2gを16φ大きさのモールドでペレット化(Pelletizing)して固体電解質層を形成した。その一面にLiNi0.6Co0.2Mn0.2電極活物質70wt%、硫化物界固体電解質28wt%及び導電材(Super-p)2wt%を混合した粉末0.02gを加圧成形して複合正極を形成した。
【0079】
固体電解質層の他面にインジウムホイル(foil)を付着して負極を形成した。完成した全固体電池に対してLi対比3.0V~4.3V区間で0.1C rateの条件で充放電試験を実施した。
図13は、本発明による硫化物界固体電解質(Li6.5PS4.50.5Cl)に対する充放電実験を実施した結果を示した図である。
【0080】
B-2のような組成の硫化物界固体電解質を使い、同一方法で全固体電池を製造した後、同一試験を実施した。 図14は、本発明による硫化物界固体電解質(LiPS4.250.5Cl)に対する充放電実験を実施した結果を示した図である。
図13及び図14に示すように、本発明による硫化物界固体電解質を適用した全固体電池は正常に充放電されることが分かり、放電容量が約117~118mAh/gと高いことが分かった。
【0081】
以上で本発明の実験例及び実施例について詳細に説明した。本発明の権利範囲は上述した実験例及び実施例に限定されず、次の特許請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の多くの変形及び改良の形態も本発明の権利範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14