(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】ゲーミングマシン、ゲーミングシステム、表示方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20230501BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230501BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20230501BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/53
A63F13/80 H
A63F5/04 603A
A63F5/04 511D
A63F5/04 672
(21)【出願番号】P 2018190135
(22)【出願日】2018-10-05
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501405122
【氏名又は名称】コナミゲーミング インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】風間 成実
(72)【発明者】
【氏名】林 宏信
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-066183(JP,A)
【文献】国際公開第2017/213821(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンであって、
前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示するディスプレイと、
前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子、
前記ゲーミングマシン群をなすゲーミングマシンの総数、前記所定のコンピュータグラフィックスを表示するための共通グラフィックスデータ、および、前記ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標を格納する記憶装置と、
前記ディスプレイおよび前記記憶装置に接続されたコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および前記記憶装置に格納された前記共通グラフィックスデータに基づいて前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築し、
前記ゲーミングマシン群をなすゲーミングマシンの総数と対応して構成された、前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記仮想カメラ座標を視点として
、前記三次元モデルを透視変換することにより前記所定のコンピュータグラフィックスを構成して前記ディスプレイに表示させる、ゲーミングマシン。
【請求項2】
前記ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標は三次元空間において同一直線上に位置する請求項1に記載のゲーミングマシン。
【請求項3】
前記ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標は前記同一直線上において等間隔に位置する請求項2に記載のゲーミングマシン。
【請求項4】
前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記仮想カメラ座標を視点とした投影面は、前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記仮想カメラ座標を視点とした投影面と三次元空間において隣接する請求項1~3の何れか一項に記載のゲーミングマシン。
【請求項5】
前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記
仮想カメラ座標は、前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記仮想カメラ座標と所定の位置関係を維持しつつ移動する請求項1~4の何れか一項に記載のゲーミングマシン。
【請求項6】
前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスは、オブジェクトが動くアニメーションである請求項1~5の何れか一項に記載のゲーミングマシン。
【請求項7】
前記ゲーム画面は、グリッド状に配置された複数のセルを含み、
前記コントローラは、前記複数のセルに配置されるシンボルをランダムに決定し、前記ディスプレイに表示される前記シンボルの組合せにより入賞判定を行う請求項1~6の何れか一項に記載のゲーミングマシン。
【請求項8】
互いに通信可能に接続された複数のゲーミングマシンからなるゲーミングシステムであって、
前記複数のゲーミングマシンのそれぞれは、
前記ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示するディスプレイと、
前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子、
前記ゲーミングシステムをなすゲーミングマシンの総数、前記所定のコンピュータグラフィックスを表示するための共通グラフィックスデータ、および、前記ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標を格納する記憶装置と、
前記ディスプレイおよび前記記憶装置に接続されたコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および前記記憶装置に格納された前記共通グラフィックスデータに基づいて前記ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築し、
前記ゲーミングシステムをなすゲーミングマシンの総数と対応して構成された、前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記仮想カメラ座標を視点として
、前記三次元モデルを透視変換することにより前記所定のコンピュータグラフィックスを構成して前記ディスプレイに表示させる、ゲーミングシステム。
【請求項9】
互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンにおける表示方法であって、
ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および予め取得された共通グラフィックスデータに基づいて前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築するステップと、
前記ゲーミングマシン群をなすゲーミングマシンの総数と対応して構成された、前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として前記三次元モデルを透視変換することにより、前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを構成してディスプレイに表示させるステップと、
を含む、表示方法。
【請求項10】
互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンを動作させるプログラムであって、
前記ゲーミングマシンは、
前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示するディスプレイと、
前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子、
前記ゲーミングマシン群をなすゲーミングマシンの総数、前記所定のコンピュータグラフィックスを表示するための共通グラフィックスデータ、および、前記ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標を格納する記憶装置と、
前記ディスプレイおよび前記記憶装置に接続されたコントローラとを備え、
前記プログラムは、前記コントローラを、
前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および前記記憶装置に格納された前記共通グラフィックスデータに基づいて前記ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築し、
前記ゲーミングマシン群をなすゲーミングマシンの総数と対応して構成された、前記ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた前記仮想カメラ座標を視点として
、前記三次元モデルを透視変換することにより前記所定のコンピュータグラフィックスを構成して前記ディスプレイに表示させる、
ように動作させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ゲーミングマシン、ゲーミングシステム、表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を開示する。このゲーミングマシン群は、マスタのゲーミングマシンと、マスタ以外のゲーミングマシンであるスレーブのゲーミングマシンを含んでいる。各ゲーミングマシンは、マスタのゲーミングマシンを先頭に直列に接続されている。マスタのゲーミングマシンは、スレーブのゲーミングマシンに対してタイマーのリセット信号を出力する。スレーブのゲーミングマシンは、取得されたリセット信号を用いて自身のタイマーをリセットする。このようなゲーミングマシン群に含まれるゲーミングマシンにおいては、リセットにより同期したタイマー(共通タイマー)を用いて、ゲーミングマシン間で同期した動作を行うことが可能である。例えば、ゲーミングマシンにLEDを用いたイルミネーションを使用している場合には、複数のゲーミングマシンでイルミネーションを同期して発光させることができる。
【0003】
また、ゲーミングマシン群を構成する各ゲーミングマシンには、自身の筐体が先頭から数えて何番目に位置するかを判別するマシンIDを割り振ることができる。ゲーミングマシン群に含まれるゲーミングマシンは、このマシンIDおよび前述の共通タイマーを用いて、ゲーミングマシン間で時間差を付けた動作を行うことも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のゲーミングマシン間で同期した動作、または、さらにゲーミングマシン間で時間差を設けた動作によれば、ゲーミングマシンを個別に動作させた場合と比べてプレイヤーに対する訴求力が高い形態を提供することができる。しかしながら、プレイヤーに対する訴求力がより高い形態を提供するという観点からは改善の余地がある。
【0006】
本開示は、複数のゲーミングマシンが連携して一体的な動作を行うための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様においては、互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンが提供される。ゲーミングマシンは、ディスプレイ、記憶装置、およびコントローラを備える。ディスプレイは、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示する。記憶装置は、ゲーミングマシンに割り振られた識別子、所定のコンピュータグラフィックスを表示するための共通グラフィックスデータ、および、ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標を格納する。コントローラは、ディスプレイおよび記憶装置に接続される。コントローラは、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および記憶装置に格納された共通グラフィックスデータに基づいてゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築する。コントローラは、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより所定のコンピュータグラフィックスを構成してディスプレイに表示させる。
【0008】
本開示の一態様に係るゲーミングマシンによれば、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および記憶装置に格納された共通グラフィックスデータに基づいて、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルが構築される。そして、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスが、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより構成され、ディスプレイに表示される。このように、他のゲーミングマシンによりディスプレイに表示されるシーンと同一のシーンが、他のゲーミングマシンとは異なる視点から他のゲーミングマシンと時間的・空間的に連携して表示される。つまり、ゲーミングマシンのディスプレイと他のゲーミングマシンとのディスプレイとがあたかも繋がっているかのように表示させることができる。このため、ゲーミングマシンのディスプレイと他のゲーミングマシンとのディスプレイとに跨がった迫力あるシーンを表示させることができる。よって、本開示の一態様に係るゲーミングマシンは、複数のゲーミングマシンと連携して一体的な動作を行うことができる。
【0009】
一実施形態においては、ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標は三次元空間において同一直線上に位置してもよい。この構成によれば、三次元空間において同一直線と平行に移動するオブジェクトを描画する場合、ゲーミングマシンの視点からオブジェクトまでの距離と他のゲーミングマシンの視点からオブジェクトまでの距離とを同一とすることができる。このため、ゲーミングマシンは、同一直線と平行に移動するオブジェクトを複数のゲーミングマシンと連携して表示することができる。
【0010】
一実施形態においては、ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標は同一直線上において等間隔に位置してもよい。この構成によれば、同一直線と平行に移動するオブジェクトを描画する場合、ゲーミングマシンの視点と他のゲーミングマシンの視点とを等間隔に位置させることができる。ゲーミングマシンは、一般的には等間隔で並べて配置される。このため、ゲーミングマシンの並び間隔と、三次元空間における視点の並び間隔とを対応させることができる。よって、ゲーミングマシンは、同一直線と平行に移動するオブジェクトを複数のゲーミングマシンと連携して表示する際に、より自然にオブジェクトを表示することができる。
【0011】
一実施形態においては、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点とした投影面は、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点とした投影面と三次元空間において隣接してもよい。この構成によれば、ゲーミングマシンのディスプレイと他のゲーミングマシンのディスプレイとがあたかも1つのディスプレイであるかのように表示することができる。これにより、ゲーミングマシンのディスプレイと他のゲーミングマシンとのディスプレイとに跨がった迫力あるオブジェクトを表示させることができる。
【0012】
一実施形態においては、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられたカメラ座標は、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標と所定の位置関係を維持しつつ移動してもよい。この構成によれば、複数の仮想カメラの相対位置関係を維持しながら所望のカメラワークでオブジェクトを撮影することができるので、ゲーミングマシンのディスプレイと他のゲーミングマシンとのディスプレイとに跨がった躍動感のあるシーンを表示させることができる。
【0013】
一実施形態においては、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスは、オブジェクトが動くアニメーションであってもよい。この構成によれば、ゲーミングシステムのディスプレイと他のゲーミングマシンのディスプレイとに跨がって移動するオブジェクトを表示することができる。
【0014】
一実施形態においては、ゲーム画面は、グリッド状に配置された複数のセルを含み、コントローラは、複数のセルに配置されるシンボルをランダムに決定し、ディスプレイに表示されるシンボルの組合せにより入賞判定を行ってもよい。この場合、スロットゲームとともに他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスをゲーム画面に表示させることができる。
【0015】
本開示の他の態様においては、互いに通信可能に接続された複数のゲーミングマシンからなるゲーミングシステムが提供される。複数のゲーミングマシンのそれぞれは、ディスプレイと、記憶装置と、コントローラとを備える。ディスプレイは、ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示する。記憶装置は、ゲーミングマシンに割り振られた識別子、所定のコンピュータグラフィックスを表示するための共通グラフィックスデータ、および、ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標を格納する。コントローラは、ディスプレイおよび記憶装置に接続される。コントローラは、ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および記憶装置に格納された共通グラフィックスデータに基づいてゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築する。コントローラは、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより所定のコンピュータグラフィックスを構成してディスプレイに表示させる。
【0016】
本開示の一態様に係るゲーミングシステムによれば、複数のゲーミングマシンのそれぞれにおいて、ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および記憶装置に格納された共通グラフィックスデータに基づいて、ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルが構築される。そして、ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスが、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより構成され、ディスプレイに表示される。このように、同一のシーンが、複数のゲーミングマシンそれぞれ異なる視点から時間的・空間的に連携して表示される。つまり、複数のゲーミングマシンのディスプレイがあたかも繋がっているかのように表示させることができる。これにより、複数のゲーミングマシンのディスプレイに跨がった迫力あるシーンを表示させることができる。よって、本開示の一態様に係るゲーミングシステムは、複数のゲーミングマシンが連携して一体的な動作を行うことができる。
【0017】
本開示の他の態様においては、互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンにおける表示方法が提供される。表示方法は、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および予め取得された共通グラフィックスデータに基づいてゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築するステップと、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを構成してディスプレイに表示させるステップと、を含む。この表示方法によれば、上述したゲーミングマシンと同一の効果を奏する。
【0018】
本開示の他の態様においては、互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンを動作させるプログラムが提供される。ゲーミングマシンは、ディスプレイ、記憶装置、およびコントローラを備える。ディスプレイは、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示する。記憶装置は、ゲーミングマシンに割り振られた識別子、所定のコンピュータグラフィックスを表示するための共通グラフィックスデータ、および、ゲーミングマシンに割り振られ得る識別子のそれぞれと関連付けられた複数の仮想カメラ座標を格納する。コントローラは、ディスプレイおよび記憶装置に接続される。プログラムは、コントローラを、ゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値および記憶装置に格納された共通グラフィックスデータに基づいてゲーミングマシン群に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築するように動作させる。プログラムは、コントローラを、ゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより所定のコンピュータグラフィックスを構成してディスプレイに表示させるように動作させる。このプログラムによれば、上述したゲーミングマシンと同一の効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、複数のゲーミングマシンが連携して一体的な動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ゲーミングマシン群の一例を示す正面図である。
【
図2】実施形態に係るゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。
【
図3】ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】ゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンの接続の一例を示す構成図である。
【
図5】
図2のゲーミングマシンのゲーム画面の一例を示す概略図である。
【
図6】表示領域に表示されるシンボルの序列を示しているシンボル配列を含む仮想リールストリップの一例を示す図である。
【
図7】表示領域に表示されるシンボルの一例を示す図である。
【
図8】
図5の表示領域で設定されるペイラインの一例を示す図である。
【
図9】ゲーミングマシンのソフトウェアおよびデータの一例を示すブロック図である。
【
図10】共通グラフィックスデータの一例を示すブロック図である。
【
図11】ゲーミングマシンの動作時に使用されるアルゴリズム(方法)を説明するフローチャートである。
【
図12】仮想空間に配置された三次元モデルの一例である。
【
図13】三次元モデルと各ゲーミングマシンに対応する投影面との関係を示す図である。
【
図14】一体的な動作にかかる画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しつつ実施形態を詳細に説明する。各図において同一または相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面および動作において示されるように、本開示は、ゲーミングシステム、ゲーミングマシン、表示方法、およびゲーミングマシンのプログラムを対象にする。
【0022】
図1は、ゲーミングマシン群の一例を示す正面図である。
図1に示されるように、ゲーミングマシン群1は、複数のゲーミングマシン10で構成される。複数のゲーミングマシン10は、カジノフロアなどに隣接して配置され、例えば一列のバンクとして設置される。複数のゲーミングマシン10は、例えば等間隔に配置される。なお、
図1では4台のゲーミングマシン10が1つのゲーミングマシン群1を構成している例を示しているが、ゲーミングマシンの台数は4台に限定されず、4台以上または4台未満の複数台であっても構わない。
【0023】
図2は、実施形態に係るゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。
図2に示されるゲーミングマシン10は、所定のゲーム価値をプレイヤーから受け付け、ゲーム結果を生成し、ゲーム結果およびペイテーブルに応じてプレイヤーに配当を提供し得る。
【0024】
図2に示されるように、ゲーミングマシン10は、ディスプレイ16およびキャビネット12を備える。キャビネット12は、ゲーミングマシン10の構成要素を制御するコントローラ22(
図3参照)も収容する。
【0025】
ディスプレイ16は、液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置などの平面パネルディスプレイ装置である。ディスプレイ16は、コントローラ22を介して制御されることによって、ゲーム画面をプレイヤーへ提供する。後述のとおり、ディスプレイ16は、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを含むゲーム画面を表示する。ディスプレイ16の周囲には、装飾的な照明を提供するイルミネーション36が設けられてもよい。
【0026】
キャビネット12は、ディスプレイ16の下側に配置される。キャビネット12には、その前面に前方へ張り出すようにしてコントロールパネル18が設けられる。コントロールパネル18には、プレイヤートラッキングユニット20、スピーカ26、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、および、操作部32が設けられる。
【0027】
プレイヤートラッキングユニット20は、プレイヤー識別カードを認識するカードリーダー、データをプレイヤーに提示するディスプレイ、およびプレイヤーによる入力を受け付けるキーパッドを含む。プレイヤートラッキングユニット20は、コントローラ22または外部システムと共に協調動作することによって、プレイヤーによってカードリーダーに挿入されたプレイヤー識別カードに記録された情報を読み取り、その情報および/または外部システムと通信することによって取得された情報をディスプレイ上に表示する。さらに、プレイヤーからの入力がキーパッドによって受け付けられ、ディスプレイがその入力に従って変更され、必要に応じて外部システムとの通信が実行される。
【0028】
スピーカ26は、コントロールパネル18の左右に設けられる。スピーカ26は、コントローラ22を介して制御されることによってサウンドをプレイヤーに提供する。
【0029】
紙幣/チケット識別ユニット28は、紙幣/チケットが挿入される挿入開口部を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。挿入口の内側には各種センサで紙幣/チケットを識別する識別部が設けられる。識別部の出力口側には紙幣/チケット貯留部が設けられる。紙幣/チケット識別ユニット28は、ゲーム価値である紙幣/チケット(バウチャーおよびクーポンを含む)を受け付けて、ゲーム価値として識別し、コントローラ22に通知する。
【0030】
プリンタユニット30は、チケットが出力されるチケット出力口を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。チケット出力口の内側には所定情報を印刷用紙に印刷する印刷部が設けられ、印刷部の用紙入口側には印刷用紙を収容する収容部が設けられる。プリンタユニット30は、コントローラ22の制御下で、情報を用紙に印刷し、クレジット払い出し処理に従ってゲーミングマシン10からチケットを出力する。出力されたチケットは、別のゲーミングマシンの紙幣/チケット識別ユニット28に挿入されることによって、払い出されたクレジットをゲームプレイに利用することも可能であり、または、カジノ内のキオスク端末またはカジノケージで換金され得る。
【0031】
操作部32は、プレイヤーの操作を受け付ける。操作部32は、ゲーミングマシン10のプレイヤーから種々の指示を受け付けるボタンのグループを含む。例えば、操作部32は、スピンボタンおよび設定ボタンのグループを含んでもよい。スピンボタンは、ゲームのインスタンスを開始する(リールの回転を開始する)ための指示を受け付ける。設定ボタンのグループは、ベットボタンのグループ、ライン指定ボタンのグループ、マックスベットボタン、およびペイアウトボタンなどを含む。ベットボタンのグループは、プレイヤーからのベットのクレジット額(ベット額)に関する指示操作を受け付ける。ライン指定ボタンのグループは、プレイヤーから、後述するライン判定に係るペイラインを指定する指示操作を受け付ける。マックスベットボタンは、プレイヤーが一度にベットすることができる最大クレジット額に関する指示操作を受け付ける。ペイアウトボタンは、ゲーミングマシン10に蓄積されたクレジットの払い出しを指示する指示操作を受け付ける。
【0032】
図3は、ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。ゲーミングマシン10は、コントローラ22を含む。コントローラ22は、CPUなどのプロセッサ38、インターフェイスユニット40、メモリ42(記憶装置の一例)、およびストレージ44(記憶装置の一例)などを備える。コントローラ22は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。コントローラ22は、インターフェイスユニット40を介して各部と通信可能に構成され、プロセッサ38のメモリ42またはストレージ44に記録されたプログラムを実行することによって各部の動作を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。
【0033】
インターフェイスユニット40は、プロセッサ38に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USBインターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのプロセッサ38の通信機能を提供するチップセットを含む。
【0034】
メモリ42は、揮発性の記憶媒体であるRAM、不揮発性の記憶媒体であるROM、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROMを含む構成とすることができる。ストレージ44は、外部記憶装置としての機能をコントローラ22に提供し、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカードおよび光磁気ディスクなどの読み取り装置を使用することができ、ハードディスクを利用することも可能である。
【0035】
インターフェイスユニット40には、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、プレイヤートラッキングユニット20、グラフィックコントローラ(GPU)50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、イルミネーションコントローラ54、およびI/Oコントローラ55が接続される。グラフィックコントローラ50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、イルミネーションコントローラ54、およびI/Oコントローラ55は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。
【0036】
コントローラ22は、グラフィックコントローラ50を介してディスプレイ16に接続される。コントローラ22は、入力コントローラ52を介して操作部32に接続される。コントローラ22は、イルミネーションコントローラ54を介してイルミネーション36に接続される。
【0037】
コントローラ22は、メモリ42およびストレージ44に格納されたプログラムを実行することによって各部を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。ここで、例えば、コントローラ22の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムおよびデータをメモリ42のEEPROMに格納し、ゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータをストレージ44に格納するように構成されてもよい。そのような構成によれば、ストレージ44を交換することによってゲームを簡単に変更または更新することができる。さらに、コントローラ22は、複数のCPUを含むマルチプロセッサ構成としてもよい。
【0038】
以下、コントローラ22に接続された各ブロックについて説明する。紙幣/チケット識別ユニット28は、挿入口で紙幣/チケットを受け付け、紙幣種別またはクレジットの払い出し処理に対応する識別情報をコントローラ22に通知する。コントローラ22は通知された内容に応じてゲーム内で使用可能なクレジット額を増加させる。プリンタユニット30は、操作部32に含まれるペイアウトボタンの操作を受け付けるコントローラ22の制御下で、ゲーミングマシン10からのクレジット払い出し処理に対応した情報を、チケットに印刷されて出力される。
【0039】
プレイヤートラッキングユニット20は、コントローラ22と協調動作し、プレイヤーの情報などをカジノ管理システムとの間で送受信する。グラフィックコントローラ50は、コントローラ22の制御下でディスプレイ16を制御し、各種グラフィックスデータを含むディスプレイイメージを表示する。サウンドコントローラ53は、コントローラ22の制御下でスピーカ26を駆動し、アナウンス、効果音、BGMなどの各種サウンドを提供する。イルミネーションコントローラ54は、コントローラ22の制御下でイルミネーション36の点灯制御を行う。
【0040】
I/Oコントローラ55は、コントローラ22と協調動作し、他のゲーミングマシンとの通信可能な接続を実現する。
図4は、ゲーミングマシン群を構成するゲーミングマシンの接続の一例を示す構成図である。
図4に示されるように、ゲーミングマシン10それぞれがI/Oコントローラ55によってデイジーチェーン(数珠つなぎ)で接続される。デイジーチェーン接続の先頭のゲーミングマシン10はマスタに設定され、その他のゲーミングマシン10はスレーブに設定される。
【0041】
ゲーミングマシン群1を構成する複数のゲーミングマシン10は、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと通信することによりタイマー値を同期させる。マスタのコントローラ22は、I/Oコントローラ55を介して直近のスレーブのI/Oコントローラ55へリセット信号を出力する。リセット信号は、ゲーミングマシン群1内で同期するための信号であり、例えばパルス信号を用いることができる。出力されたリセット信号を受け付けたスレーブのI/Oコントローラ55は、次に下流に位置するスレーブのI/Oコントローラ55へとリセット信号を出力する。このように、マスタで発行されたリセット信号は全てのスレーブを順に伝搬する。ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10それぞれは、リセット信号に基づいてタイマー値をリセットする。これにより、ゲーミングマシン10それぞれが有するタイマー値は同期する。以下、同期されたタイマー値を共通タイマーともいう。複数のゲーミングマシン10は、それぞれが有する共通タイマーを用いることで、同期して動作することができる。
【0042】
スレーブのI/Oコントローラ55それぞれは、リセット信号に基づいてマシンIDを生成してもよい。マシンIDは、ゲーミングマシン10それぞれに割り振られた識別子であり、ゲーミングマシン群1において自身がマスタ(先頭)から数えて何番目に位置するかを判別するための識別子である。例えば、マスタのマシンIDは「0」であり、最初にリセット信号を入力したスレーブのマシンIDは「1」、その次にリセット信号を入力したスレーブのマシンIDは「2」、その次にリセット信号を入力したスレーブのマシンIDは「3」となる。なお、マシンIDは、ゲーミングマシン10に予め付与された固定の識別子であってもよい。
【0043】
図3に戻り、インターフェイスユニット40は、ゲーミングマシン10の外部と通信するための各種通信インターフェイスを含む。インターフェイスユニット40は、一例として、イーサネット58,60、およびシリアルインターフェイス62によって外部ネットワークと通信することができる。
図3においては、公知のサーバサイドのゲーミングネットワーク(サーバベースゲーミング)、G2Sネットワーク(ゲーム-システム間)、およびスロット情報システム(スロットデータシステム)とそれぞれ通信を行う場合の一例が示される。
【0044】
図5は、
図2のゲーミングマシンのゲーム画面の一例を示す概略図である。
図5に示されるように、所定のプログラムを実行しているコントローラ22によって、ディスプレイ16には、スロットゲームを表示する表示領域64を有するゲーム画面が表示される。表示領域64は、一例としてゲーム画面の下方の領域に表示される。表示領域64以外のゲーム画面には、ゲームに関する情報やアニメーションなどの画面表示が行われる。
【0045】
表示領域64は、シンボルを表示するためのグリッド68を含んでいる。このような表示領域を使用することによって、ゲーミングマシン10は、表示領域64に表示されるシンボルの組合せに従って入賞判定を行い、配当を支払うスロットマシンとして動作する。
【0046】
ディスプレイ16は、複数のシンボルをグリッド68に表示する。グリッド68は、複数の行および列を含む。グリッド68は、シンボルの停止位置である複数のセル70によって構成される。
図5は3×5のグリッド状に配置された複数のセルを含むゲーム画面を示す。グリッドの行数や列数は特に限定されず、3-4-4-4-3であってもよい。表示領域64の複数のセル70のそれぞれに、1つのシンボルが停止されて表示される。
【0047】
複数のセル70のそれぞれに配置されるシンボルは、仮想リールストリップを用いて決定される。
図6は、表示領域に表示されるシンボルの序列を示しているシンボル配列を含む仮想リールストリップの一例を示す図である。
図6に示されるように、グリッド68の各セル70には、仮想リールセット82をなす仮想リールストリップ72、74、76、78、および80を含む仮想リール66のシンボル配列に基づいてシンボルが表示される。つまり、グリッド68のセル70は、列ごとに仮想リールストリップ72~80が対応付けられており、各仮想リールストリップ72~80の所定部分に配置されたシンボルが表示される。さらに、仮想リールストリップ72~80のシンボル配列に基づいて列ごとに各シンボルを移動(スクロールまたはスピン)することによってグリッド68のセル70に表示されるシンボルが変動し、列ごとに移動(スクロールまたはスピン)を停止することによってシンボルが停止される。ここで、仮想リールストリップ72~80はデータであり、コントローラ22は、メモリ42またはストレージ44に含まれるプログラム、およびセル列ごとに調整されるシンボル配列(すなわち各リールストリップ上のシンボルの並び順)を表示するデータを使用する。さらに、仮想リールセット82は、このような仮想リールストリップ72~80の総称である。なお、仮想リールセットは、ゲーム内容に応じて複数用意されてもよい。例えば、プライマリゲームで使用される仮想リールセットと、ボーナスゲームやフリーゲームで用いられる仮想リールセットとを別にしてもよい。
【0048】
仮想リールストリップ72~80は、各シンボル位置86にある20個のシンボル84で構成されてもよく、これらのシンボルはリールごとに定義された順に並んでいる。
図7は、
図6に示されたシンボル84の詳細である。各仮想リールストリップ72~80は、
図7に示された種々のシンボル84のシンボルセット88から選択されたシンボルを含んでいる。このシンボルセット88は、標準シンボルとしてトランプを模したカードシンボル(「9」、「10」、「J」、「Q」、「K」、および「A」)、およびパターンを示す画像シンボル(「PicA」、「PicB」、「PicC」、および「PicD」)を含んでいる。さらに、このシンボルセット88は、入賞組み合わせが判定されたときに別のシンボルとして代用されるワイルドシンボル(「Wild」)、およびゲームフィーチャーが提供されるかどうかを判定するために使用されるトリガーシンボル(「Trigger」)を含んでいる。これらの各シンボルは、入賞時のそれらの値に関して互いに相違するランクを有し、それらのランクは、「9」、「10」、「J」、「Q」、「K」、「A」、「PicE」、「PicD」、「PicC」、「PicB」、「PicA」という序列で徐々に上昇する。入賞時にランクの高いシンボルを含んでいるシンボルの組み合わせは、入賞時にランクの低いシンボルの組み合わせと比べて、より大きい入賞配当を獲得することができる。仮想リールセット82は複数のクレジット入賞シンボル85(「Prize」)をさらに含む。各クレジット入賞シンボル85は、ゲーム中にプレイヤーに付与することができる種々のクレジット額を示す。種々のクレジット額は、ゲームごとに10、15、20、30、60、150、350、700、1000、1500、および3000クレジットからランダムに選択されたクレジット数値を含んでもよい。各クレジット数値は、各スピンの開始時に、ラインごとのベットが乗じられてもよい。クレジット額に加えて、クレジット入賞シンボルは、ゲーム中にプレイヤーに付与することができるプログレッシブボーナスおよび/またはボーナスゲームトリガーを示してもよい。
【0049】
図6に戻り、一実施形態においては、シンボル位置の一部は固定シンボルを含み、その他のシンボル位置は、可変シンボル90(「inn」)によって表された可変シンボルを含んでもよい。例示的な実施形態においては、ゲームのプレイごとに、固定シンボル位置はシンボル84のセットからの関連する所定シンボルを含み、可変シンボル90はシンボルセット88からランダムに選択されたシンボルを含む。
【0050】
コントローラ22は、ゲームを開始し、各仮想リールストリップ72~80の停止位置をランダムに決定する。ディスプレイ16に表示される仮想リールストリップ72~80は、現在の位置から移動し、停止位置に基づいて停止して、ゲームの結果を表す。このため、ディスプレイ16またはグリッド68においては、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルは、表示領域64の垂直方向に連続的に移動(スクロールまたはスピン)され、シンボル配列に基づくシンボルの序列で整列された1つのセル70の1つのシンボルが停止されて表示される。
【0051】
コントローラ22は、操作部32によって受け付けられたプレイヤーの操作に従ってディスプレイ16に表示される複数のシンボルを変動および停止し、表示領域64内で停止されたシンボルに従って配当が支払われてもよい。
【0052】
表示領域64では、ペイラインが設定され、入賞が決定されるときに使用される。ペイラインは、左端の列のセルから右端の列に跨がるように設定され、複数のセル70を組み合わせて入賞を決定するラインである。設定されたペイラインのうちの有効ラインの数は、プレイヤー用の操作部32の設定ボタンのグループに含まれるライン指定ボタンのグループの操作によって選択される。コントローラ22は、シンボルの組み合わせであるゲームの結果に関して、設定されたペイライン上で同一シンボルが所定数を超えて揃った場合に入賞を判定し、シンボルのタイプおよび個数に従って配当をプレイヤーに支払う。
図8は、
図5の表示領域64で設定されるペイラインの一例を示す図である。
図8に示されるように、ゲーミングマシン10においては、表示領域64内の3行および5列のセルの、所定数のペイライン(40パターンのライン)が設定され得る。入賞を判定するためのシステムは、設定されたペイライン上で左端の列のセルから所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を決定してもよいし、設定されたペイライン上で右端の列のセルから所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を判定してもよいし、所定のペイライン上の連続した列で所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を判定するものであっても構わない。加えて、所定の数よりも多い「Trigger」は、ペイラインに関わらず、入賞組み合わせまたはトリガー条件を形成する。
【0053】
図9は、ゲーミングマシンのソフトウェアおよびデータの一例を示すブロック図である。ゲーミングマシン10は、ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108を含む。ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108は、例えばメモリ42に格納される。ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108は、プログラムであり、コンピュータ実行可能命令の一例であるプログラムコード94,110を含む。プログラムコード94,110は、プロセッサ38によって実行された場合、プロセッサ38に、ゲームを生成してゲーミングマシン10のディスプレイ16に表示させる。プロセッサ38によって実行されたときに、ゲームアプリケーション92はゲーム専用/フロントエンド機能を提供し、システムアプリケーション108は汎用/バックエンド機能を提供する。
【0054】
ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108は、同一のオペレーティングシステム130上で実装される。これらのアプリケーションは、互いに異なるオペレーティングシステム上で実装されてもよいし、互いに異なるプロセッサによって実装されてもよい。
【0055】
ゲームアプリケーション92は、ゲーム専用/フロントエンド機能を提供する際に使用するデータを有する。一例として、ゲームアプリケーション92は、リールレイアウトデータ96、ペイテーブルデータ98、2Dグラフィックスデータ100、3Dグラフィックスデータ102、サウンドデータ104、および設定データ106を含む。
【0056】
リールレイアウトデータ96は、仮想リールストリップを含むデータであり、一例として
図6に示される仮想リールセット82を含む。ペイテーブルデータ98は、入賞組合せと入賞とを関連付けたテーブルである。2Dグラフィックスデータ100は、ディスプレイ16に表示させる二次元のグラフィックスデータである。3Dグラフィックスデータ102は、三次元モデルを用いて画像を生成するためのデータである。3Dグラフィックスデータ102は、共通グラフィックスデータ1020を含む。共通グラフィックスデータ1020は、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと連携した所定のコンピュータグラフィックスを表示するためのデータであり、ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10が共通して保有するデータである。共通グラフィックスデータについては後述する。
【0057】
サウンドデータ104は、BGMやイベント用の音楽データである。設定データ106は、ゲームアプリケーション92で使用される設定値である。設定データ106は、ゲーミングマシン10毎に設定されたマシンIDを含む。さらに、設定データ106は、一群のゲーミングマシンを構成するゲーミングマシン10の総数を含んでもよい。設定データ106の内容は、例えば、カジノ施設にゲーミングマシン10を設置する際に作業者が設定する構成とすることができる。カジノ施設内でゲーミングマシン10の配置を変更する場合には、作業者が新しい配置に合わせて設定を変更すればよい。また、図に示すように、本実施形態では設定データ106をゲームアプリケーション92に保持させているが、設定データ106はシステムアプリケーション108に保持させてもよい。ゲーミングマシン10に複数のゲームアプリケーション92をインストールした場合、設定データ106をゲームアプリケーション92側に保持させることでゲームアプリケーション92毎に設定データ106の内容を変化させることができる。これによりゲームアプリケーション92毎に異なる態様で連携動作させることができる。また、逆にシステムアプリケーション108側に保持させた場合には、複数のゲームアプリケーション92で設定データ106を共用してもよい。この場合には、複数のゲームアプリケーション92を同じ態様で連携動作させることができる。
【0058】
システムアプリケーション108は、メーター112、会計ログデータ114、動作ログデータ116、ゲームリコールデータ118を有する。メーター112は、ゲーミングマシン10の現在のクレジット残高を示すためのクレジットメーター、および現在のゲームセッションの入賞総数を示すための入賞メーターを含む。メーター112は、コインの投入、コインの返却、合計ドロップ、接客係が支払うジャックポット、および/または紙幣の投入などの、バックグラウンドメーターをさらに含む。これらのメーターは、不揮発性メモリ上のデータとしてまたはハードウェアメーターとして実装されてもよい。会計ログデータ114は、エラーイベント、紙幣ログ、現金引き出しログ、チケットログなどを含んでいる蓄積データである。動作ログデータ116は、ゲーミングマシン10のログデータである。ゲームリコールデータ118は、プライマリゲームおよびフリーゲームのボーナスの結果を含む蓄積データである。ゲームリコールデータ118は、不揮発性メモリに格納され得る。
【0059】
ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108は、同一のオペレーティングシステム130上に実装することができる。ただし、これらのアプリケーションは、互いに異なるオペレーティングシステム上に実装してもよいし、さらに互いに異なるプロセッサ上に実装してもよい。
【0060】
ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108をオペレーティングシステム130で実行するために、ミドルウェア120を使用してもよい。
図9に示した構成では、ミドルウェア120として、アニメーション122、3Dエンジン124、タイマー126、および、ネットワーク128のソフトウェアモジュールを使用している。アニメーション122および3Dエンジン124は、3Dグラフィックスおよびそのアニメーションを生成する際に利用されるソフトウェアモジュールである。タイマー126は、タイマーを管理するソフトウェアモジュールである。タイマー126によって共通タイマーが生成される。ネットワーク128は、他のゲーミングマシン10などと通信する際に利用されるソフトウェアモジュールである。
【0061】
ゲーミングマシン10に内蔵または外付けされたデバイスをオペレーティングシステム130が認識し、使用するために、デバイスドライバ140を用いることができる。デバイスドライバ140は、オペレーティングシステム130に内蔵されていてもよいし、オペレーティングシステム130に外付けされる形の実装であっても構わない。
【0062】
ゲームアプリケーション92およびシステムアプリケーション108は、上述したプログラムおよびデータに限られることはなく、ゲームの実行、管理などの任意の機能を実装するために追加のプログラムおよびデータを有してもよい。
【0063】
図10は、共通グラフィックスデータの一例を示すブロック図である。
図10に示されるように、共通グラフィックスデータ1020は、オブジェクトデータ1021、アニメーションデータ1022、およびカメラ座標データ1023(複数の仮想カメラ座標の一例)を有する。
【0064】
オブジェクトデータ1021は、三次元モデルであり、ディスプレイ16に表示させるオブジェクトの立体のモデルデータである。オブジェクトデータ1021として格納されるオブジェクトは、ゲームのデザインに沿った所望のものを使用することができ、例えば、動物、人物、ドラゴンなどのキャラクターであってもよいし、車や建物などの構造物、花や木などの植物であってもよい。また、カードゲームテーブル、クラップステーブル、ルーレット、ホイール、カード、ボール、ダイス、チップのようなカジノゲームで使用される物品および付随物のオブジェクトであっても構わない。三次元モデルは、立体の外観となるボリゴンと、その骨格となるリグとを有してもよい。
【0065】
アニメーションデータ1022は、三次元モデルの動きを設定するデータである。アニメーションデータ1022は、例えば、三次元モデルのリグをどのように動かすかを示すデータである。アニメーションデータ1022を参照することにより、キャラクターに動きを与えることができる。
【0066】
コントローラ22は、ゲームアプリケーション92を介して、共通タイマーおよびオブジェクトデータ1021に基づいてゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと共通する三次元モデルを構築する。そして、コントローラ22は、三次元モデルを三次元の仮想空間に配置し、共通タイマーおよびアニメーションデータ1022に基づいて三次元モデルに動きを与える。
【0067】
カメラ座標データ1023は、三次元の仮想空間に配置される仮想カメラの座標データである。カメラ座標データ1023は、ゲーミングマシン10に割り振られ得るマシンIDのそれぞれと関連付けられる。カメラ座標データ1023は、ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10の台数に対応して用意され得る。
図10の例においては、
図1に示されるゲーミングマシン群1を構成する4台のゲーミングマシン10に対応させて、4台のカメラそれぞれのカメラ座標データが格納される。このようなカメラ座標データは、例えばゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10の台数に応じて選択されるカメラ座標データセットとして構成してもよい。また、ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10の台数とマシンIDに基づいて、所定の計算式によりそれぞれのカメラ座標データ1023を算出して使用する構成とすることも可能である。
【0068】
コントローラ22は、ゲームアプリケーション92を介して、三次元空間のカメラ座標データ1023で示される位置を視点として三次元モデルを透視変換する。例えば、カメラ座標データ1023で示される位置を視点とし、視点から視線方向に焦点距離だけ離れた位置に投影面が設定される。コントローラ22は、投影面に三次元モデルを透視投影することで所定のコンピュータグラフィックスを構成する。
【0069】
カメラ座標データ1023は、仮想カメラの設定パラメータに関連付けられてもよい。
仮想カメラの設定パラメータは、注視点の位置(視線方向)、焦点距離、出力解像度などを含んでもよい。コントローラ22は、設定パラメータを用いることで、撮影方向や倍率を任意に設定することができる。
【0070】
また、カメラ座標データ1023は、複数の仮想カメラ座標間の相対位置を変更することなく、仮想カメラ座標それぞれの位置を変更するように構成されていてもよい。この場合、ゲーミングマシン10に割り振られた識別子と関連付けられたカメラ座標は、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンに割り振られた識別子と関連付けられた仮想カメラ座標と所定の位置関係を維持しつつ移動する。これにより、コントローラ22は、複数の仮想カメラの動きを同期させた状態で任意のカメラワークを実現することができるので、躍動感のあるシーンを表示させることができる。
【0071】
図11は、ゲーミングマシンの動作時に使用されるアルゴリズム(方法)を説明するフローチャートである。
図11に示される方法MTは、コントローラ22がゲームアプリケーション92を実行することにより、実行される。方法MTは、一例として、ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10がゲームを提供していないときに実行される。以下では、ゲーミングマシン群1が4台のゲーミングマシン10で構成されている場合を例に説明する。方法MTは、ゲーミングマシン群1を構成する4台のゲーミングマシン10それぞれが実行する。
【0072】
図11に示されるように、コントローラ22は、I/Oコントローラ55およびタイマー126を介して、バンク内で同期したタイマー値を取得する(ステップS10)。ゲーミングマシン10がマスタである場合には、タイマー126は、自身が発行したリセット信号を用いてタイマー値をリセットする。ゲーミングマシン10がスレーブである場合には、タイマー126は、マスタで発行されたリセット信号を用いてタイマー値をリセットする。
【0073】
次に、コントローラ22は、設定データ106からマシンIDを読み出す(ステップS12)。ゲーミングマシン10がマスタである場合には、設定データ106はマシンIDとして例えば「0」を格納している。ゲーミングマシン10がスレーブである場合には、設定データ106はマシンIDとして例えば「1」「2」「3」の何れか1つを格納している。
【0074】
次に、コントローラ22は、オブジェクトデータ1021およびステップS12で得られたタイマー値に基づいてバンク内で共通の三次元モデルを構築する(ステップS14)。一例として、コントローラ22は、ドラゴンのキャラクターを三次元モデルとして構築する。コントローラ22は、アニメーションデータ1022およびタイマー値に基づいて三次元モデルに動きを付与してもよい。
【0075】
次に、コントローラ22は、仮想空間内に三次元モデルを配置する(ステップS16)。コントローラ22は、アニメーションデータ1022およびタイマー値に基づいて、三次元モデルの配置位置を特定し、三次元モデルを配置する。
図12は、仮想空間に配置された三次元モデルの一例である。
図12に示されるように、仮想空間SにドラゴンDRが配置される。
【0076】
次に、コントローラ22は、グラフィックコントローラ(GPU)50とともに頂点シェーダ処理を実行する(ステップS18)。コントローラ22は、三次元モデルのオブジェクトを構成する頂点の属性それぞれを座標変換するとともに、陰影を付与する。
【0077】
次に、コントローラ22は、グラフィックコントローラ(GPU)50とともにテッセレーション処理を実行する(ステップS20)。コントローラ22は、オブジェクトまでの距離に応じてポリゴン数を増減させ、解像度を調整する。
【0078】
次に、コントローラ22は、グラフィックコントローラ(GPU)50とともにジオメトリシェーダ処理を実行する(ステップS22)。コントローラ22は、一例としてオブジェクトの頂点の数を増減させる。
【0079】
次に、コントローラ22は、グラフィックコントローラ(GPU)50とともにマシンIDに対応したカメラ座標に基づいて透視変換するとともに、クリッピング処理を実行する(ステップS24)。
図12に示されるように、仮想空間S内にカメラ座標データ1023に対応する投影面PS1~投影面PS4が設定される。
図13は、三次元モデルと各ゲーミングマシンに対応する投影面との関係を示す図である。カメラ座標データ1023として、
図13に示されるように、仮想カメラCA1に対応する座標P1、仮想カメラCA2に対応する座標P2、仮想カメラCA3に対応する座標P3、仮想カメラCA4に対応する座標P4がメモリ42に格納されている。座標P1~座標P4は、仮想空間Sにおいて同一直線L上に位置している。座標P1~座標P4は、同一直線L上において等間隔に位置する。マシンIDと関連付けられた座標P1~座標P4を視点とした投影面PS1~投影面PS4は、仮想空間Sにおいて隣接するように構成されている。なお、上述した仮想カメラの座標および投影面の位置は一例であり、仮想カメラの座標および投影面の位置は任意に設定することができる。
【0080】
ここでは、マシンID「0」には仮想カメラCA1の座標P1、マシンID「1」には仮想カメラCA2の座標P2、マシンID「2」には仮想カメラCA3の座標P3、マシンID「3」には仮想カメラCA4の座標P4がそれぞれ対応付けられているとする。ステップS12で得られたマシンIDが「1」である場合には、コントローラ22は、マシンID「1」に対応する座標P2を視点とし、投影面PS2上に三次元モデルを投影する。コントローラ22は、得られた二次元の投影像を所定の大きさにクリッピングする。
【0081】
次に、コントローラ22は、グラフィックコントローラ(GPU)50とともにラスタライズ処理を実行する(ステップS26)。コントローラ22は、クリッピングされた投影像のポリゴンをピクセルに分解する。
【0082】
最後に、コントローラ22は、グラフィックコントローラ(GPU)50を介して画像イメージを出力する(ステップS28)。
【0083】
以上で一連の処理が終了する。ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10のコントローラ22それぞれが方法MTを実行することにより、同一の3Dオブジェクト(各仮想カメラCA1~4に対する被写体)であるドラゴンDRがゲーミングマシン10それぞれの視点から各ディスプレイ16に表示される。ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10のコントローラ22それぞれは、所定周期で方法MTを繰り返し実行してもよい。これにより、所定周期で画像フレームが生成されることになり、動きのあるドラゴンDRを各ゲーミングマシン10で連携して表示することができる。
図14は、一体的な動作にかかる画面表示の一例を示す図である。
図14に示されるように、4台のゲーミングマシン10によって、左から右へとゲーミングマシン10間を跨がって移動する一匹のドラゴンDRを表示することができる。
【0084】
以上、本実施形態に係るゲーミングマシン10によれば、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと通信することにより同期されたタイマー値およびメモリ42に格納された共通グラフィックスデータ1020に基づいて、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと共通するドラゴンDRが構築される。そして、ゲーミングマシン群1に含まれる他のゲーミングマシンと連携したコンピュータグラフィックスが、ゲーミングマシン10に割り振られたマシンIDと関連付けられた仮想カメラの座標を視点として三次元モデルを透視変換することにより構成され、ディスプレイ16に表示される。このように、他のゲーミングマシンによりディスプレイ16に表示されるシーンと同一のシーンが、他のゲーミングマシンとは異なる視点から他のゲーミングマシンと時間的・空間的に連携して表示される。つまり、ゲーミングマシン10のディスプレイ16と他のゲーミングマシンとのディスプレイとがあたかも繋がっているかのように表示させることができる。このため、ゲーミングマシン10のディスプレイ16と他のゲーミングマシンとのディスプレイとに跨がった迫力あるシーンを表示させることができる。よって、ゲーミングマシン10は、複数のゲーミングマシンと連携して一体的な動作にかかる画面表示を行うことができる。また、ゲーミングマシン10は、複数のゲーミングマシンと連携した一体的な動作を行うことによって、プレイヤーに満足度の高いエクスペリエンスを提供することができる。また、本実施形態によれば、複数のゲーミングマシン10のディスプレイ16を一体的に使用して大画面表示を行うことができる。ゲーミングマシンに大型ディスプレイを外付けするにはコストのみならず機材の搬入搬出・設置にも相応の作業工数を要するが、本実施形態によれば最小限のコストおよび工数で大画面表示が実現される。さらに、カジノ施設内で一列のバンクをなすゲーミングマシンが連携して一体的な動作にかかる画面表示を行うことにより、カジノ施設内で際立った態様をプレイヤーにアピールすることができる。
【0085】
また、仮想空間Sにおいて同一直線Lと平行に移動するドラゴンDRを描画する場合、ゲーミングマシン10の視点からドラゴンDRまでの距離と他のゲーミングマシンの視点からドラゴンDRまでの距離とを同一とすることができる。このため、ゲーミングマシンは、同一直線Lと平行に移動するドラゴンDRを複数のゲーミングマシン10と連携して表示することができる。
【0086】
また、ゲーミングマシン10は、一般的には等間隔で並べて配置される。このため、ゲーミングマシン10の並び間隔と、仮想空間Sにおける視点の並び間隔とを対応させることができる。よって、ゲーミングマシン10は、同一直線Lと平行に移動するドラゴンDRを複数のゲーミングマシン10と連携して表示する際に、より自然にドラゴンDRを表示することができる。
【0087】
また、ゲーミングマシン10は、ゲーミングマシン10のディスプレイ16と他のゲーミングマシンのディスプレイとがあたかも1つのディスプレイであるかのように表示することができる。これにより、ゲーミングマシン10のディスプレイと他のゲーミングマシンとのディスプレイとに跨がった迫力あるオブジェクトを表示させることができる。
【0088】
以上、ゲーミングマシン、ゲーミングシステム、および表示方法の例示的な実施形態が詳細に説明された。ゲーミングマシン、システム、および方法は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されず、むしろゲーミングマシンおよび/またはシステムの構成要素、ならびに/あるいは方法のステップは、本明細書に記載された他の構成要素および/またはステップから独立して別個に使用されることがある。例えば、ゲーミングマシンは、他のゲーミングシステムおよび方法と組み合わせて使用されてもよく、本明細書に記載されたゲーミングマシンのみを使用する実施に限定されない。むしろ、例示的な実施形態は、他の多くのゲーミングシステムの適用に関連して実施され、利用され得る。
【0089】
例えば、実施形態においてはスロットマシンの形態でゲームを提供するゲーミングマシン10を説明したが、本発明はそれに限定されず、ポーカー、ブラックジャックと呼ばれるビデオカードゲーム、ビンゴ、キノ、ホイールゲームなどの状態でゲームが提供されてもよい。さらに、本発明をパチンコマシンまたはパチンコスロットマシンに適用することができる。
【0090】
また、本明細書におけるコントローラは1つのプロセッサに限定されるものではなく、複数のプロセッサを含み得る。つまり、コントローラは、GPUを含めてコントローラと称してもよい。このため、実施形態において方法MTはコントローラ22が実行したが、ステップS18以降の処理をグラフィックコントローラ50が実行してもよい。この場合であっても、コントローラが方法MTを実行するといえる。
【0091】
また、ゲーミングマシン10同士の接続は、I/Oコントローラ55による接続に限定されず、他の機器によって接続されてもよい。例えば、ゲーミングマシン10間の接続はコントローラ22をシリアルまたはイーサネットにより接続するものであっても構わない。この場合の接続形態はスター型、リング型、バス型、メッシュ型のいずれのトポロジーとしてもよく、リセット信号はマスタのゲーミングマシン10からマルチキャストないしブロードキャストする構成としてもよい。また、ゲーミングマシン10間の接続は既存のゲーミングマシンネットワーク上に仮想的に構成することも可能である。また、各ゲーミングマシン10が互いに通信することで、ゲームアプリケーション92が保有する各種データを同期させる構成としてもよい。
【0092】
また、実施形態においては、ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10がゲームを提供していないときに方法MTが実行される例を示したが、これに限定されず、ゲーミングマシン群1を構成するゲーミングマシン10のうち複数のゲーミングマシン10がゲームを提供していないときに、方法MTを実行してもよい。例えば、4台のゲーミングマシン10のうち、1台のゲーミングマシン10はゲームを提供し、残りの3台のゲーミングマシン10で方法MTが実行されてもよい。
【0093】
本明細書に記載されたようなコントローラ、コンピューティングデバイス、またはコンピュータは、少なくとも1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニットおよびシステムメモリを含む。コントローラは、通常、少なくとも何らかの形態のコンピュータ読み取り可能な媒体も含む。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、コンピュータ記憶媒体および通信媒体が挙げられるが、これらに限定されない。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータなどの情報の格納を可能にする任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性の、脱着可能および脱着不能な媒体を含み得る。通信媒体は、典型的には、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータを、搬送波またはその他の搬送機構などの変調データ信号で具現化し、任意の情報配信媒体を含む。情報が信号にコード化されるように設定または変更された1または複数のその特性を有する変調データ信号については、当業者にはよく理解されているはずである。上記の任意の組み合わせもコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれる。
【0094】
本明細書に例示され説明された本発明の実施形態における動作の実行または実施の順序は、特に指定がない限り必須ではない。すなわち、本明細書に説明された動作は、特に指定がない限り任意の順序で実施されてもよく、本発明の実施形態は、本明細書に開示された動作よりも多いまたは少ない動作を含んでもよい。例えば、特定の動作を、別の動作の前、別の動作と同時、もしくは別の動作の後に実行または実施することは、本発明の態様の範囲内であると考えられる。
【0095】
いくつかの実施形態においては、本明細書に説明されるようなプロセッサには、システムおよびマイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、および本明細書に説明された機能を実行できる任意の他の回路またはプロセッサを含む、任意のプログラマブルシステムが含まれる。上記の例は、例示にすぎず、したがって、プロセッサという用語の定義および/または意味を何ら限定することを意図していない。
【0096】
本明細書は、本発明を開示するために、最良の形態を含む例を使用しており、また、任意の装置またはシステムを作製および使用すること、および任意の組み込まれた方法を実施することを含めて当業者が本発明を実施することを可能にするために、最良の形態を含む例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に思い付く他の例を含むことができる。本発明の他の態様および特徴は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討から得ることができる。本発明は、特に添付の特許請求の範囲内に記載された以外の方法で実施され得る。添付の特許請求の範囲内に列挙されたステップおよび/または機能は、その列挙されたステップおよび/または機能の順序に関わらず、動作の特定の順序に限定されないことにも留意されたい。
【0097】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面に示され他の図面に示されていないことがあるが、これは単に便宜のためである。本発明の原理に従って、図面の任意の特徴が任意の他の図の任意の特徴と組み合わされて参照および/または請求されることがある。
【符号の説明】
【0098】
1…ゲーミングマシン群、10…ゲーミングマシン、16…ディスプレイ、22…コントローラ、42…メモリ、44…ストレージ、50…グラフィックコントローラ、55…I/Oコントローラ、106…設定データ、1020…共通グラフィックスデータ、1023…カメラ座標データ、MT…方法。