(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】バスバーアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230501BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20230501BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20230501BHJP
H01L 23/04 20060101ALI20230501BHJP
H01L 23/08 20060101ALI20230501BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20230501BHJP
H01B 5/02 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/48
H01L23/02 F
H01L23/04 E
H01L23/08 A
H01L23/28 K
H01B5/02 Z
(21)【出願番号】P 2018199259
(22)【出願日】2018-10-23
【審査請求日】2021-10-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】足立 佑介
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-159837(JP,A)
【文献】特開2012-195430(JP,A)
【文献】特開2013-045888(JP,A)
【文献】特開2014-225512(JP,A)
【文献】特開2013-062491(JP,A)
【文献】特開2013-149866(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0032869(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
H01L 23/02 - 23/31
H01B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填され前記複数のバスバーを電気的には絶縁状態で機械的に連結する連結部、前記複数のバスバーが前記連結部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の第1端面に設けられた周壁部、前記バスバー連結体の外側面を囲繞する側壁部及び前記バスバー連結体の板厚方向他方側の第2端面の周縁に設けられた第2端面部を一体的に含む絶縁性樹脂層とを備え、
前記周壁部は、平面視において前記バスバー連結体の中央に前記複数のバスバーの第1端面が露出されたバスバー露出領域を形成するように前記バスバー連結体の第1端面の周縁に設けられ、
前記連結部の第2端面は、前記複数のバスバーの第2端面と面一とされ、
前記バスバー連結体の第2端面は、前記第2端面部が設けられる第2端面側周縁領域と、前記第2端面側周縁領域によって囲まれ、前記複数のバスバーの第2端面
及び前記連結部の第2端面を露出させる第2端面側中央領域とを有し、
前記第2端面側中央領域の外表面は、前記第2端面側周縁領域に設けられた前記第2端面部の外表面より板厚方向他方側に位置していることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項2】
前記複数のバスバーには、一端側が第1端面のうち前記周壁部が位置する部位に開く係入溝が設けられ、
前記係入溝は、少なくとも一部が前記一端側とは板面方向に関し異なる位置に位置されており、
前記絶縁性樹脂層は、前記周壁部に一体形成された状態で前記係入溝内に充填された抜け止め部を有していることを特徴とする請求項1に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項3】
前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1端面から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延び、前記バスバーの板厚内で終焉する第1端面側板厚方向延在部位と、前記第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向他方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びる板面方向延在部位と、前記板面方向延在部位の前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向に沿って板厚方向他方側へ延び、第2端面に到達する第2端面側板厚方向延在部位とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項4】
前記絶縁性樹脂層は、前記連結部に一体形成された状態で前記バスバー連結体の第1端面上に設けられた第1端面側中央部を有し、
前記第1端面側中央部は、隣接するバスバーの一方の第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向一方側端部から隣接するバスバーの他方とは反対側へ所定距離だけ離間された位置と、隣接するバスバーの他方の第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向一方側端部から隣接するバスバーの一方とは反対側へ所定距離だけ離間された位置との間に亘って設けられていることを特徴とする請求項3に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項5】
前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1端面から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延びる第1端面側板厚方向延在部位と、前記第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向他方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーに近接する側へ延びる第1端面側板面方向延在部位と、前記第1端面側板面方向延在部位の前記他のバスバーに近接する側の端部から板厚方向に沿って板厚方向他方側へ延びる中央板厚方向延在部位と、前記中央板厚方向延在部位の板厚方向他端側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びる第2端面側板面方向延在部位と、前記第2端面側板面方向延在部位の前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延び、第2端面に到達する第2端面側板厚方向延在部位とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項6】
前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1端面から板厚方向他方側へ行くに従って前記他のバスバーに近接又は離間するように傾斜された第1端面側傾斜部位と、第2端面から板厚方向一方側へ行くに従って前記他のバスバーに近接又は離間するように傾斜された第2端面側傾斜部位とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項7】
前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1及び第2端面の一方から他方へ進むに従って前記間隙が幅狭となるように傾斜された部位を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバーアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバスバーが電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されてなるバスバーアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
互いに対して電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されている複数のバスバーを備えたバスバーアッセンブリが提案され、種々の分野において利用されている(下記特許文献1及び2参照)。
【0003】
例えば、一の平板状バスバーと他の平板状バスバーとが互いに対して平行状態で上下に積層されてなる積層型のバスバーアッセンブリが提案されている(下記特許文献1及び2参照)。
【0004】
この積層型のバスバーアッセンブリは、一の平板状バスバーの対向平面と他の平板状バスバーの対向平面とが絶縁性樹脂層を挟んで全面的に対向配置されている為、絶縁性に関する信頼性を十分には確保し難いという問題がある。
特に、上下方向に関し小型化を図る為に前記一の平板状バスバーと前記他の平板状バスバーとの間の絶縁性樹脂層の厚みを薄くすると、両バスバー間にリーク電流が流れる恐れがある。
【0005】
また、バスバーアッセンブリは、その表面にLED等の発光素子が装着されて、光源ユニットとして用いられる場合があり、このような場合には、LED等の発光素子を保護する為に前記バスバーアッセンブリの表面に封止樹脂が設けられる。
【0006】
例えば、下記特許文献3には、メタルコア基板の上面に、LEDが載置されたサブマウント基板及び前記LEDへの電力供給用の配線が設けられた配線基板が固着された光源モジュールであって、前記サブマウント基板のLEDや配線を取り囲む開口部を有するリング状板材が前記メタルコア基板及び前記配線基板上に固着され、前記リング状板材の開口部内が封止樹脂層によって充填された光源モジュールが開示されている。
【0007】
前記リング状板材を備えることにより、前記封止樹脂層を形成する封止樹脂材をせき止めて当該封止樹脂材が硬化前に流出することを有効に防止することができる。
【0008】
しかしながら、前記メタルコア基板、前記サブマウント基板及び前記配線基板とは別に前記リング状板材を用意し、さらに、前記リング状板材を前記メタルコア基板及び前記配線基板に固着させる必要があり、製造コストの低減を図り難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第4432913号公報
【文献】特開2016-216766号公報
【文献】特開2006-269079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、複数のバスバー間の電気的絶縁性を確保しつつ、上下方向に関し小型化を図ることができ、さらに、装着されるLED等の半導体素子用封止樹脂の堰き止め構造を備えた安価なバスバーアッセンブリの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填され前記複数のバスバーを電気的には絶縁状態で機械的に連結する連結部、前記複数のバスバーが前記連結部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の第1端面に設けられた周壁部、前記バスバー連結体の外側面を囲繞する側壁部及び前記バスバー連結体の板厚方向他方側の第2端面の周縁に設けられた第2端面部を一体的に含む絶縁性樹脂層とを備え、前記周壁部は、平面視において前記バスバー連結体の中央に前記複数のバスバーの第1端面が露出されたバスバー露出領域を形成するように前記バスバー連結体の第1端面の周縁に設けられ、前記連結部の第2端面は、前記複数のバスバーの第2端面と面一とされ、前記バスバー連結体の第2端面は、前記第2端面部が設けられる第2端面側周縁領域と、前記第2端面側周縁領域によって囲まれ、前記複数のバスバーの第2端面及び前記連結部の第2端面を露出させる第2端面側中央領域とを有し、前記第2端面側中央領域の外表面は、前記第2端面側周縁領域に設けられた前記第2端面部の外表面より板厚方向他方側に位置しているバスバーアッセンブリを提供する。
【0012】
好ましくは、前記複数のバスバーには、一端側が第1端面のうち前記周壁部が位置する部位に開く係入溝が設けられる。前記係入溝は、少なくとも一部が前記一端側とは板面方向に関し異なる位置に位置される。
前記絶縁性樹脂層は、前記周壁部に一体形成された状態で前記係入溝内に充填された抜け止め部を有するものとされる。
【0013】
第1の好ましい形態においては、前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1端面から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延び、前記バスバーの板厚内で終焉する第1端面側板厚方向延在部位と、前記第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向他方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びる板面方向延在部位と、前記板面方向延在部位の前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向に沿って板厚方向他方側へ延び、第2端面に到達する第2端面側板厚方向延在部位とを有するものとされる。
【0014】
前記第1の好ましい形態において、より好ましくは、前記絶縁性樹脂層は、前記連結部に一体形成された状態で前記バスバー連結体の第1端面上に設けられた第1端面側中央部を有するものとされる。
前記第1端面側中央部は、隣接するバスバーの一方の第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向一方側端部から隣接するバスバーの他方とは反対側へ所定距離だけ離間された位置と、隣接するバスバーの他方の第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向一方側端部から隣接するバスバーの一方とは反対側へ所定距離だけ離間された位置との間に亘って設けられる。
【0015】
第2の好ましい形態においては、前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1端面から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延びる第1端面側板厚方向延在部位と、前記第1端面側板厚方向延在部位の板厚方向他方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーに近接する側へ延びる第1端面側板面方向延在部位と、前記第1端面側板面方向延在部位の前記他のバスバーに近接する側の端部から板厚方向に沿って板厚方向他方側へ延びる中央板厚方向延在部位と、前記中央板厚方向延在部位の板厚方向他端側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びる第2端面側板面方向延在部位と、前記第2端面側板面方向延在部位の前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延び、第2端面に到達する第2端面側板厚方向延在部位とを有するものとされる。
【0016】
第3の好ましい形態においては、前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1端面から板厚方向他方側へ行くに従って前記他のバスバーに近接又は離間するように傾斜された第1端面側傾斜部位と、第2端面から板厚方向一方側へ行くに従って前記他のバスバーに近接又は離間するように傾斜された第2端面側傾斜部位とを有するものとされる。
【0017】
第4の好ましい形態においては、前記バスバーの外表面のうち、前記間隙を挟んで隣接する他のバスバーに対向する内側面は、第1及び第2端面の一方から他方へ進むに従って前記間隙が幅狭となるように傾斜された部位を有するものとされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るバスバーアッセンブリによれば、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填され前記複数のバスバーを電気的には絶縁状態で機械的に連結する連結部、前記複数のバスバーが前記連結部によって連結されてなるバスバー連結体の板厚方向一方側の第1端面に設けられた周壁部、前記バスバー連結体の外側面を囲繞する側壁部及び前記バスバー連結体の板厚方向他方側の第2端面の周縁に設けられた第2端面部を一体的に含む絶縁性樹脂層とを備え、前記周壁部は、平面視において前記バスバー連結体の中央に前記複数のバスバーの第1端面が露出されたバスバー露出領域を形成するように前記バスバー連結体の第1端面の周縁に設けられ、前記連結部の第2端面は、前記複数のバスバーの第2端面と面一とされ、前記バスバー連結体の第2端面は、前記第2端面部が設けられる第2端面側周縁領域と、前記第2端面側周縁領域によって囲まれ、前記複数のバスバーの第2端面及び前記連結部の第2端面を露出させる第2端面側中央領域とを有し、前記第2端面側中央領域の外表面は、前記第2端面側周縁領域に設けられた前記第2端面部の外表面より板厚方向他方側に位置しているので、前記複数のバスバー間の電気的絶縁性を確保しつつ、上下方向に関し小型化を図ることができ、さらに、バスバー露出領域に装着される半導体素子を封止する為の封止樹脂の堰き止め構造を前記周壁部によって安価に得ることができると共に、前記バスバーアッセンブリの姿勢安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係るバスバーアッセンブリの平面図である。
【
図2】
図2は、前記バスバーアッセンブリの正面図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるIII-III線に沿った縦断面図である。
【
図4】
図4は、前記バスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの一例の縦断面図である。
【
図5】
図5は、前記バスバーアッセンブリの底面図である。
【
図6】
図6は、前記実施の形態の第1変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図7】
図7は、前記実施の形態の第2変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図8】
図8は、前記実施の形態の第3変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図9】
図9は、前記実施の形態の第4変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図10】
図10は、前記実施の形態の第5変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図11】
図11は、前記実施の形態の第6変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図12】
図12は、前記実施の形態の第7変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
【
図13】
図13は、前記実施の形態に係るバスバーアッセンブリの製造方法の一例において用いる導電性金属平板の平面図である。
【
図14】
図14は、前記製造方法におけるスリット形成工程後の前記導電性金属平板の平面図である。
【
図16】
図16は、前記製造方法における金型設置工程後の前記導電性金属平板の平面図である。
【
図22】
図22は、前記製造方法における金型の変形例を用いた場合の縦断面図である。
【
図23】
図23は、前記製造方法における樹脂硬化工程後の縦断面図である。
【
図24】
図24は、前記製造方法における分解工程後の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び
図2に、それぞれ、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1の平面図及び正面図を示す。
また、
図3に、
図1におけるIII-III線に沿った縦断面図を示す。
【0021】
図1~
図3に示すように、前記バスバーアッセンブリ1は、導電性平板状部材によって形成された複数のバスバー10であって、互いの内側面13の間に間隙19が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバー10と、前記間隙19内に充填されて前記複数のバスバー10を電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結する連結部31を含む絶縁性樹脂層30とを有している。
【0022】
図1~
図3に示すように、前記バスバーアッセンブリ1は、前記複数のバスバー10として、第1及び第2バスバー10a、10bの2つのバスバーを有している。
【0023】
図3に示すように、前記第1及び第2バスバー10a、10bは、板厚方向に沿った縦断面視において、板厚方向一方側の第1端面11と、板厚方向他方側の第2端面12と、互いに対して対向する内側面13と、互いに対して反対方向を向く外側面14とを有している。
前記第1及び第2バスバー10a、10bは、Cu等の導電性金属平板によって形成される。
なお、前記複数のバスバー10(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー10a、10b)は、仕様に応じて、互いに対して同一形状を有するものとされる場合もあるし、異なる形状を有するものとされる場合もある。
即ち、例えば、同一平面内に3つのバスバー10が並列配置されている場合においては、仕様に応じて、3つのバスバー10が同一形状とされる場合もあるし、中央に配置されたバスバー10の幅が両側に配置されたバスバー10の幅とは異なるものとされる場合もある。また、3つのバスバーが互いに対して異なる形状とされる場合もある。
【0024】
前記絶縁性樹脂層30は、耐熱性及び絶縁性を有する樹脂によって形成され、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等が好適に利用される。
【0025】
図1~
図3に示すように、前記絶縁性樹脂層30は、前記連結部31に加えて、前記複数のバスバー10a、10bが前記連結部31によって連結されてなるバスバー連結体20の板厚方向一方側の第1端面21に設けられた周壁部35を有している。
【0026】
前記周壁部35は、平面視において前記バスバー連結体20の第1端面21の中央に前記複数のバスバー10a、10bの第1端面11が露出されたバスバー露出領域25を形成するように前記バスバー連結体20の第1端面21の周縁に設けられている。
【0027】
前記バスバー露出領域25は、LED等の半導体素子300の装着面として作用する。
図4に、前記バスバー露出領域25にLED等の半導体素子300が装着されてなる半導体モジュールの一例の縦断面図を示す。
【0028】
前記バスバー露出領域25は、前記第1バスバー10aの第1端面11が露出された第1バスバー露出領域25aと、前記第2バスバー10bの第1端面11が露出された第2バスバー露出領域25bとを含んでいる。
【0029】
図4に示すように、前記半導体素子300は、前記第1バスバー露出領域25a及び前記第2バスバー露出領域25bの一方(例えば第1バスバー露出領域25a)に装着される。
【0030】
詳しくは、前記半導体素子300は、厚み方向一方側の下面及び厚み方向他方側の上面にそれぞれ第1及び第2電極層301、302を有し、前記第1及び第2電極層301、302の間に素子本体305を有している。
【0031】
前記半導体素子300は、第1電極層301が前記第1バスバー露出領域25a及び前記第2バスバー露出領域25bの一方(例えば第1バスバー露出領域25a)に電気的に接続状態で固着され、第2電極層302がワイヤボンディング等の電気接続部材310を介して前記第1バスバー露出領域25a及び前記第2バスバー露出領域25bの他方(例えば第2バスバー露出領域25b)に電気的に接続される。
【0032】
好ましくは、前記第1及び第2バスバー10a、10bの第1端面11にはメッキ層(図示せず)が設けられる。
この場合、前記半導体素子300は、前記第1電極層301が前記第1バスバー露出領域25a及び前記第2バスバー露出領域25bの一方(例えば第1バスバー露出領域25a)を介して露出するメッキ層に電気的に接続されるようにダイボンディングされ、且つ、前記第2電極層302が前記第1バスバー露出領域25a及び前記第2バスバー露出領域25bの他方(例えば第2バスバー露出領域25b)を介して露出するメッキ層にワイヤボンディング310を介して電気的に接続される。
【0033】
前記周壁部35は、前記バスバー露出領域25に装着された前記半導体素子300を封止する為の封止樹脂層350(
図4参照)が流れ出ることを防止する堰き止め構造として作用する。
【0034】
即ち、第1及び第2バスバーを有し、前記第1及び第2バスバーの一方に半導体素子が装着されるバスバーアッセンブリにおいては、前記半導体素子封止する封止樹脂層を形成する樹脂材を塗布して硬化させる際に当該樹脂材が流れ出ることを防止する堰き止め構造を備える必要がある。
【0035】
例えば、装着されるべき半導体素子を平面視において囲むような形状の枠体を第1及び第2バスバーとは別体で作成し、前記枠体を前記第1及び第2バスバーによって形成されるバスバー連結体の周縁部に固着させて堰き止め構造を形成することも可能である。
【0036】
しかしながら、この構成においては、前記第1及び第2バスバーとは別に前記枠体を用意しなければならず、さらに、前記枠体を前記第1及び第2バスバーに固着させる作業も必要となる。
【0037】
これに対し、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1においては、前記枠体を別途に備えることなく、前記封止樹脂層350を形成する樹脂材が硬化前に流れ出ることを防止する堰き止め構造を前記周壁部35によって容易に得ることができる。
【0038】
図3及び
図4に示すように、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、前記絶縁性樹脂層30は、さらに、前記バスバー連結体20の外側面を囲繞する側壁部37と、前記バスバー連結体20の板厚方向他方側の第2端面22の周縁に設けられた第2端面部39とを有している。
【0039】
前記周壁部35、前記側壁部37及び前記第2端面部39は一体形成されており、前記バスバー連結体20の周縁を狭持するように断面コの字状とされている。
斯かる構成によれば、前記周壁部35が前記バスバー連結体20から脱離することを有効に防止することができる。
【0040】
図5に、前記バスバーアッセンブリ1の底面図を示す。
図3~
図5に示すように、前記第2端面部39は、前記バスバー連結体20の第2端面22の中央部分を露出させるように配置されている。
【0041】
詳しくは、前記第2端面部39は、前記バスバー連結体20の第2端面22の第2端面側周縁領域27にのみ設けられており、前記第2端面側周縁領域27によって囲まれた第2端面側中央領域29においては、前記バスバー連結体20の第2端面22が露出されている。
【0042】
図3等に示すように、本実施の形態においては、前記第2端面側周縁領域27の外表面は前記第2端面側中央領域29の外表面より前記第2端面部39の厚み分だけ板厚方向一方側に位置されている。
即ち、前記第2端面部39の外表面と前記第2端面側中央領域29の外表面とが面一とされている。
【0043】
斯かる構成によれば、前記バスバーアッセンブリ1の姿勢安定化を図ることができ、例えば、前記ワイヤボンディング310等を超音波溶着で取り付ける際に超音波溶着治具を前記第1及び第2バスバー10a、10bの第2端面12に確実に密着させることができ、超音波溶着を効率良く行うことができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、前記第2端面側周縁領域27の外表面が前記第2端面側中央領域29の外表面より前記第2端面部39の厚み分だけ板厚方向一方側に位置されているが、これに代えて、前記第2端面側周縁領域27の外表面が前記第2端面側中央領域29の外表面より前記第2端面部39の厚みより大きく板厚方向一方側に位置するように変形することも可能である。
【0045】
図6に、このように変形された第1変形例2Aの縦断面図を示す。
前記第1変形例2Aにおいては、前記第2端面側中央領域29が前記第2端面部39よりも外方へ延在されることになる。
斯かる構成のバスバーアッセンブリ2Aによっても姿勢安定化を図ることができる。
【0046】
図7に、本実施の形態の第2変形例に係るバスバーアッセンブリ2Bの縦断面図を示す。
前記第2変形例2Bは、本実施の形態1に比して、前記絶縁性樹脂層30に代えて絶縁性樹脂層30Bを有している。
【0047】
前記絶縁性樹脂層30Bは、前記絶縁性樹脂層30に比して、前記側壁部37及び前記第2端面部39に代えて、抜け止め部36を有している。
【0048】
詳しくは、
図7に示すように、前記第2変形例2Bにおいては、前記第1及び第2バスバー10a、10bには、一端側が第1端面11のうち前記周壁部35が設けられる位置に開く係入溝15が形成されている。
【0049】
前記係入溝15は、少なくとも一部が前記一端側とは板面方向に関し異なる位置に位置するように形成されている。
前記第2変形例2Bにおいては、前記係入溝15は、一端部が前記一端側を形成し、前記一端部から垂直に延びる垂直溝部15aと、前記垂直溝部15aの他端部から板面方向に延びる水平溝部15bとを有している。
【0050】
前記抜け止め部36は、前記周壁部35に一体形成された状態で前記係入溝15内に充填されている。
前記第2変形例2Bにおいても、前記周壁部35が前記バスバー連結体20から脱離することを有効に防止することができる。
【0051】
図2~
図4に示すように、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、前記内側面13は、第1端面11から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延び、前記バスバー10a、10bの板厚内で終焉する第1端面側板厚方向延在部位13aと、前記第1端面側板厚方向延在部位13aの板厚方向他方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びる板面方向延在部位13bと、前記板面方向延在部位13bの前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向に沿って板厚方向他方側へ延び、第2端面12に到達する第2端面側板厚方向延在部位13cとを有している。
【0052】
斯かる構成を備えることにより、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ1から板厚方向一方側へ脱離することを有効に防止することができる。
なお、当然ながら、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ1から板厚方向他方側へ脱離することを有効に防止するように本実施の形態を変形することも可能である。
この変形例においては、前記第2端面側板厚方向延在部位13cは第2端面12から板厚方向一方側へ板厚方向に沿って延び、前記バスバー10a、10bの板厚内で終焉するものとされ、前記板面方向延在部位13bは前記第2端面側板厚方向延在部位13cの板厚方向一方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びるものとされ、前記第1端面側板厚方向延在部位13aは前記板面方向延在部位13bの前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向に沿って板厚方向一方側へ延び、第1端面11に到達するものとされる。従って、この変形例においては、前記連結部31は縦断面視においてT字状とされる。
【0053】
図8に、本実施の形態の第3変形例に係るバスバーアッセンブリ2Cの縦断面図を示す。
前記第3変形例2Cは、本実施の形態1に比して、前記絶縁性樹脂層30に代えて絶縁性樹脂層30Cを有している。
【0054】
前記絶縁性樹脂層30Cは、前記絶縁性樹脂層30に比して、さらに、前記連結部31に一体形成された状態で前記バスバー連結体20の第1端面21上に設けられた第1端面側中央部33を有している。
【0055】
前記第1端面側中央部33は、隣接するバスバーの一方10aの第1端面側板厚方向延在部位13aの板厚方向一方側端部から隣接するバスバーの他方10bとは反対側へ所定距離だけ離間された位置33aと、隣接するバスバーの他方10bの第1端面側板厚方向延在部位13aの板厚方向一方側端部から隣接するバスバーの一方10aとは反対側へ所定距離だけ離間された位置33bとの間に亘って設けられている。
【0056】
斯かる構成の前記第3変形例2Cによれば、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ2Cから板厚方向一方側及び他方側の何れにも脱離することを有効に防止することができる。
【0057】
図9に、本実施の形態の第4変形例に係るバスバーアッセンブリ2Dの縦断面図を示す。
前記第4変形例2Dは、本実施の形態1に比して、前記第1及び第2バスバー10a、10bに代えて、第1及び第2バスバー10Da、10Dbを有している。
前記バスバー10Dは、前記バスバー10に比して、内側面13が内側面13Dに変更されている。
【0058】
図9に示すように、前記内側面13Dは、第1端面11から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延びる第1端面側板厚方向延在部位13Daと、前記第1端面側板厚方向延在部位13Daの板厚方向他方側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバー10bに近接する側へ延びる第1端面側板面方向延在部位13Dbと、前記第1端面側板面方向延在部位13Dbの前記他のバスバーに近接する側の端部から板厚方向に沿って板厚方向他方側へ延びる中央板厚方向延在部位13Dcと、前記中央板厚方向延在部位13Dcの板厚方向他端側の端部から板面方向に沿って前記他のバスバーとは反対側へ延びる第2端面側板面方向延在部位13Deと、前記第2端面側板面方向延在部位13Deの前記他のバスバーとは反対側の端部から板厚方向他方側へ板厚方向に沿って延び、第2端面12に到達する第2端面側板厚方向延在部位13Dfとを有している。
【0059】
斯かる構成の前記第4変形例2Dによっても、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ2Dから板厚方向一方側及び他方側の何れにも脱離することを有効に防止することができる。
【0060】
図10に、本実施の形態の第5変形例に係るバスバーアッセンブリ2Eの縦断面図を示す。
前記第5変形例2Eは、本実施の形態1に比して、前記第1及び第2バスバー10a、10bに代えて、第1及び第2バスバー10Ea、10Ebを有している。
前記バスバー10Eは、前記バスバー10に比して、内側面13が内側面13Eに変更されている。
【0061】
図10に示すように、前記内側面13Eは、第1端面11から板厚方向他方側へ行くに従って前記他のバスバーに近接するように傾斜された第1端面側傾斜部位13Eaと、第2端面12から板厚方向一方側へ行くに従って前記他のバスバーに近接するように傾斜された第2端面側傾斜部位13Ebとを有している。
【0062】
斯かる構成の前記第5変形例2Eによっても、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ2Eから板厚方向一方側及び他方側の何れにも脱離することを有効に防止することができる。
【0063】
なお、前記第5変形例2Eにおいては、前記第1端面側傾斜部位13Ea及び前記第2端面側傾斜部位13Ebは直接連結されているが、両者の間に板厚方向に沿って延びる中間部位を有することも可能である。
また、前記第1端面側傾斜部位13Eaを第1端面11から板厚方向他方側へ行くに従って前記他のバスバーから離間するように傾斜させ、前記第2端面側傾斜部位13Ebを第2端面12から板厚方向一方側へ行くに従って前記他のバスバーから離間するように傾斜させることも可能である。
【0064】
図11に、本実施の形態の第6変形例に係るバスバーアッセンブリ2Fの縦断面図を示す。
前記第6変形例2Fは、本実施の形態1に比して、前記第1及び第2バスバー10a、10bに代えて、第1及び第2バスバー10Fa、10Fbを有している。
前記バスバー10Fは、前記バスバー10に比して、内側面13が内側面13Fに変更されている。
【0065】
図11に示すように、前記内側面13Fは、少なくとも一部に、第1端面11から第2端面12へ進むに従って前記間隙19が幅狭となるように傾斜された傾斜部位を有している。
なお、
図11に示す構成においては、前記内側面13Fの全体が傾斜されている。
【0066】
斯かる構成の前記第6変形例2Fによれば、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ2Fから板厚方向他方側に脱離することを有効に防止することができる。
【0067】
図12に、本実施の形態の第7変形例に係るバスバーアッセンブリ2Gの縦断面図を示す。
前記第7変形例2Gは、本実施の形態1に比して、前記第1及び第2バスバー10a、10bに代えて、第1及び第2バスバー10Ga、10Gbを有している。
前記バスバー10Gは、前記バスバー10に比して、内側面13が内側面13Gに変更されている。
【0068】
図12に示すように、前記内側面13Gは、少なくとも一部に、第2端面12から第1端面11へ進むに従って前記間隙19が幅狭となるように傾斜された傾斜部位を有している。
なお、
図12に示す構成においては、前記内側面13Gの全体が傾斜されている。
【0069】
斯かる構成の前記第7変形例2Gによれば、前記連結部31が前記バスバーアッセンブリ2Gから板厚方向一方側に脱離することを有効に防止することができる。
【0070】
次に、前記バスバーアッセンブリ1の製造方法の一例について説明する。
前記製造方法は、前記複数のバスバー10のそれぞれと同一材質、同一形状及び同一厚みを有する複数のバスバー形成体130を用意し、前記複数のバスバー形成体130を前記間隙19を存しつつ同一平面内に設置させるバスバー形成体130の設置工程と、前記複数のバスバー形成体130を覆うように金型200を設置する工程と、前記金型200内に前記絶縁性樹脂層30を形成する絶縁性樹脂材を注入する注入工程と、前記絶縁性樹脂材を硬化させる樹脂硬化工程と、前記金型200を分解させる分解工程と、前記バスバーアッセンブリ1を取り出す取出工程とを有している。
なお、前記複数のバスバー10のそれぞれと同一材質、同一形状及び同一厚みを有する複数のバスバー形成体を用意するとは、前記複数のバスバー10が第1及び第2バスバー10a、10bを有する場合には、前記第1バスバー10aと同一材質、同一形状及び同一厚みを有する第1バスバー形成体、並びに、前記第2バスバー10bと同一材質、同一形状及び同一厚みを有する第2バスバー形成体を用意することを意味する。
【0071】
本実施の形態においては、前記バスバー形成体130の設置工程は、前記バスバー10と同一材料で且つ同一厚みとされたCu等の導電性金属平板100であって、前記バスバーアッセンブリ1と同一幅のバスバーアッセンブリ形成領域120を有する導電性金属平板100を用意する工程と、前記バスバーアッセンブリ形成領域120に、板厚方向一方側の第1端面121及び板厚方向他方側の第2端面122の間を貫通し且つ前記間隙19と同一形状で同一幅の一又は複数のスリット125を形成することで、前記複数のバスバー形成体130が前記間隙19を存しつつ同一平面内に設置された状態を現出させるスリット形成工程とを含むものとされている。
【0072】
前記バスバーアッセンブリ形成領域120は、前記複数のバスバー10の幅と前記間隙19の幅との和によって画される幅を有するものとされる。
前述の通り、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1は、前記複数のバスバー10として前記第1及び第2バスバー10a、10bの2つのバスバーを有しており、前記第1及び第2バスバー10a、10bの間に位置する単一の前記間隙19のみを有している。
【0073】
この場合、前記バスバーアッセンブリ形成領域120は、前記第1及び第2バスバー10a、10bの幅と単一の前記間隙19の幅との和によって画される幅を有するものとされる。
【0074】
斯かる構成によれば、前記複数のバスバー形成体130が前記間隙19を存しつつ同一平面内に設置された状態を効率良く現出させることができる。
【0075】
図13に、前記製造方法において用いる前記導電性金属平板100の平面図を示す。
また、
図14に、前記スリット形成工程後の前記導電性金属平板100の平面図を示す。
さらに、
図15に、
図14におけるXV部拡大図を示す。
【0076】
図15に示すように、本実施の形態においては、前記導電性金属平板100は、前記スリット形成工程後の状態において、前記スリット125を介して対向する一対のバスバー形成体130、130が、前記導電性金属平板100のうち前記スリット125より当該スリット125の長手方向一方側に位置する連結部位135及び前記スリット125より当該スリット125の長手方向他方側に位置する連結部位136を介して、互いに対して繋がった状態に維持されるように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記スリット125、即ち、前記間隙19を精度良く形成することができる。
【0077】
図13及び
図14に示すように、本実施の形態においては、前記導電性金属平板100は、当該導電性金属平板100が位置するX-Y平面内のうち、前記スリット125の長手方向に平行なX方向に沿って配列された複数(図示の形態においては5つ)の前記バスバーアッセンブリ形成領域120と、X方向に隣接する前記バスバーアッセンブリ形成領域120を連結する連結領域140とを有するものとされている。
【0078】
斯かる構成を備えることにより、複数のバスバーアッセンブリ形成領域120に対して加工処理を同時に行うことができる。
なお、前記連結領域140は前記連結部位135、136(
図15参照)を形成している。
【0079】
さらに、本実施の形態においては、
図13及び
図14に示すように、X方向に沿って配列された前記複数のバスバーアッセンブリ形成領域120及びX方向に隣接する前記バスバーアッセンブリ形成領域120の間を連結する前記連結領域140がバスバーアッセンブリ形成片110を形成しており、複数のバスバーアッセンブリ形成片110が、X-Y平面内においてX方向とは直交するY方向に並列配置されている。
【0080】
詳しくは、
図13及び
図14に示す形態においては、前記導電性金属平板100は、Y方向に並列配置された複数(図示の形態においては5つ)の前記バスバーアッセンブリ形成片110と、前記複数のバスバーアッセンブリ形成片110のX方向一方側端部同士を連結する第1連結片111と、前記複数のバスバーアッセンブリ形成片110のX方向他方側端部同士を連結する第2連結片112とを有している。
なお、X方向最外方に位置するバスバーアッセンブリ形成領域120は、前記連結領域140を介して前記第1及び第2連結片111、112に連結されている。
【0081】
斯かる構成を備えた前記導電性金属平板100によれば、より多くのバスバーアッセンブリ1を同時に製造することができる。
なお、
図13及び
図14中の符号115は、前記導電性金属平板100の位置合わせ孔である。
【0082】
前記金型200は、前記複数のバスバー形成体130を覆う設置状態及び前記複数のバスバー形成体130の取出を可能とする分解状態を取り得るように構成されている。
【0083】
図16に、前記金型200を設置した状態の前記導電性金属平板100の平面図を示す。
また、
図17に、
図16におけるXVII部拡大図を示す。
さらに、
図18に、
図17の底面図を示す。
さらに、
図19~
図21に、それぞれ、
図17におけるXIX-XIX線、XX-XX線及びXXI-XXI線に沿った断面図を示す。
【0084】
図19~
図21に示すように、前記金型200は、設置状態において、前記周壁部35に相当する周壁部形成空間235を画するように構成されており、前記周壁部形成空間235に連通された周壁部用注入孔236及び前記間隙19を形成する前記スリット125に連通された連結部用注入孔231を有している。
【0085】
本実施の形態においては、
図19~
図21に示すように、前記金型200は、前記バスバー形成体130の板厚方向に沿って分解可能な第1及び第2金型210、220を有している。
【0086】
前記第1金型210は板厚方向一方側から前記複数のバスバー形成体130の板厚方向一方側の第1端面131を覆い、前記第2金型220は板厚方向他方側から前記複数のバスバー形成体130の板厚方向他方側の第2端面132を覆うように構成されている。
【0087】
前述の通り、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、前記絶縁性樹脂層30は、前記連結部31及び前記周壁部35に加えて、前記バスバー連結体20の外側面を囲繞する側壁部37と前記バスバー連結体20の板厚方向他方側の第2端面22の周縁に設けられた第2端面部39とを有するものとされている。
【0088】
従って、前記金型200は、
図19及び
図20に示すように、設置状態において、前記側壁部37に相当する側壁部形成空間237及び前記第2端面部39に相当する第2端面部形成空間239を有しており、前記側壁部形成空間237及び前記第2端面部形成空間239は前記周壁部形成空間235に連通されている。
【0089】
なお、前述の通り、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、前記バスバー10の前記第2端面側周縁領域27の外表面が前記第2端面側中央領域29の外表面よりも前記第2端面部39の厚み分だけ板厚方向一方側に位置されている(
図3参照)。
【0090】
この構成を得る為に、
図19及び
図20に示すように、前記バスバー形成体130は、予め、前記第2端面側周縁領域27に相当する領域が前記第2端面側中央領域29に相当する領域よりも前記第2端面部39の厚み分だけ第2端面132の側から薄肉とされている。
【0091】
本実施の形態においては、
図19~
図21に示すように、前記周壁部用注入孔236は前記第1金型210に設けられているが、当然ながら、前記周壁部用注入孔236を前記第2金型220に設けることも可能であるし、前記第1及び第2金型210、220の双方に設けることも可能である。
【0092】
また、本実施の形態においては、前記バスバー形成体130の第1端面131のうち絶縁性樹脂層30が不要とされる領域を前記第1金型210とは別体のマスク240によって覆うように構成されているが、前記マスク240に相当する部分を一体的に備えた金型200Bを用いることも可能である。
【0093】
図22に、斯かる変形例に係る金型200Bを用いた場合の縦断面図を示す。
なお、図中、本実施の形態におけると同一部材には同一符号を付している。
【0094】
前記変形例に係る金型200Bは、前記第1金型210に代えて、第1金型210Bを有している。
前記第1金型210Bは、前記第1金型210に比して、前記マスク240に相当する部分240Bを一体的に備えている。
【0095】
また、前記変形例に係る金型200Bにおいては、前記第2金型220に、前記側壁部形成空間237及び前記第2端面部形成空間239に連通された第2端面側注入孔238が設けられている。
【0096】
また、前述の通り、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、前記バスバー10の内側面13は、前記第1端面側板厚方向延在部位13aと、前記板面方向延在部位13bと、前記第2端面側板厚方向延在部位13cとを有するものとされている(
図3参照)。
この構成は、前記バスバー形成体130の内側面133を、予め、前記バスバー10の内側面13に対応した形状とすることによって得ることができる。
【0097】
前記注入工程は、前記周壁部用注入孔236を介して前記周縁部形成空間235、前記側壁部形成空間237及び前記第2端面部形成空間239に絶縁性樹脂材を充填させ、且つ、前記連結部用注入孔231を介して前記スリット125に絶縁性樹脂材を充填させるように構成される。
【0098】
前記樹脂硬化工程は、前記絶縁性樹脂材の材質に応じた硬化処理を行うように構成され、例えば、加熱処理することによって行われる。
【0099】
図23に、前記樹脂硬化工程後の状態の前記金型200及び前記バスバー形成体130の縦断面図を示す。
また、
図24に、前記分解工程後の前記バスバーアッセンブリ形成領域120の平面図を示す。
【0100】
本実施の形態においては、前述の通り、前記スリット125を挟んで対向する前記バスバー形成体130は、前記導電性金属平板100のうち前記スリット125より当該スリット125の長手方向一方側に位置する連結部位135及び前記スリット125より当該スリット125の長手方向他方側に位置する連結部位136を介して、互いに対して繋がっている。
【0101】
この場合、前記製造方法には、前記樹脂硬化工程の後で且つ前記金型200の分解工程の前又は後に、前記バスバーアッセンブリ形成領域120を前記導電性金属平板100から切断する工程が備えられる。
【0102】
前記切断工程は、
図24に示すように、前記スリット125の長手方向一方側において当該スリット125を幅方向に跨ぐように設定された切断線126に沿って前記導電性金属平板100を板厚方向に切断する処理、及び、前記スリット125の長手方向他方側において当該スリット125を幅方向に跨ぐように設定された切断線127に沿って前記導電性金属平板100を板厚方向に切断する処理を含むものとされる。
【0103】
斯かる構成を備えた前記製造方法によれば、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1、即ち、互いの間に間隙19が存する状態で同一平面内に配置された前記第1及び第2バスバー10a、10bと、前記間隙19内に充填され、前記第1及び第2バスバー10a、10bを電気的には絶縁状態で機械的に連結する連結部31及び前記第1及び第2バスバー10a、10bが前記連結部31によって連結されてなるバスバー連結体20の板厚方向一方側の第1端面21に設けられた周壁部35を含む絶縁性樹脂層30とを備え、前記周壁部35は、平面視において前記バスバー連結体20の中央に前記第1及び第2バスバー10a、10bの第1端面11が露出されたバスバー露出領域25を形成するように前記バスバー連結体20の第1端面21の周縁に設けられているバスバーアッセンブリ1を効率良く製造することができる。
【0104】
即ち、前記製造方法においては、前記第1及び第2バスバー10a、10bを形成する一対のバスバー形成体130の相対位置が固定された状態のままで、前記一対のバスバー形成体130の間の前記スリット125内に連結部31を形成する絶縁性樹脂材が充填され、且つ、前記バスバー連結体20の周縁に相当する、一対のバスバー形成体130の第1端面131の周縁に前記周壁部35を形成する絶縁性樹脂材が装着される。そして、前記絶縁性樹脂材が硬化されて前記連結部31及び前記周壁部35を含む絶縁性樹脂層30が形成された後に、前記一対のバスバー形成部位130及び前記絶縁性樹脂層30が前記導電性金属平板100から切断されて、前記バスバーアッセンブリ1が製造される。
【0105】
従って、前記第1及び第2バスバー10a、10b間の電気的絶縁性を確実に確保しつつ、前記第1及び第2バスバー10a、10bが所望相対位置に正確に位置された状態で機械的に連結され、且つ、装着されるLED等の半導体素子300用封止樹脂の堰き止め構造を備えたバスバーアッセンブリ1を効率良く製造することができる。
【0106】
なお、本実施の形態においては、前記第1及び第2バスバー10a、10bの二つのバスバーを備えたバスバーアッセンブリ1を例に説明したが、当然ながら、本発明は、三つ以上のバスバーを備えたバスバーアッセンブリにも適用され得る。
【符号の説明】
【0107】
1、2A~2G バスバーアッセンブリ
10a、10b 第1及び第2バスバー
11 バスバーの第1端面
12 バスバーの第2端面
13、13F、13G バスバーの内側面
13a 第1端面側板厚方向延在部位
13b 板面方向延在部位
13c 第2端面側板厚方向延在部位
13Da 第1端面側板厚方向延在部位
13Db 第1端面側板面方向延在部位
13Dc 中央板厚方向延在部位
13De 第2端面側板面方向延在部位
13Df 第2端面側板厚方向延在部位
13Ea 第1端面側傾斜部位
13Eb 第2端面側傾斜部位
15 係入溝
19 間隙
20 バスバー連結体
21 バスバー連結体の第1端面
22 バスバー連結体の第2端面
25 バスバー露出領域
27 第2端面側周縁領域
29 第2端面側中央領域
30 絶縁性樹脂層
31 連結部
33 第1端面側中央部
35 周壁部
36 抜け止め部
37 側壁部
39 第2端面部
100 導電性金属平板
110 バスバーアッセンブリ形成片
111 第1連結片
112 第2連結片
120 バスバーアッセンブリ形成領域
125 スリット
130 バスバー形成体
140 連結領域
200 金型
231 連結部用注入孔
235 周壁部形成空間
236 周壁部用注入孔
237 側壁部形成空間
239 第2端面部形成空間