(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】連結具及び連結具の係止方法
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
A45C13/30 K
(21)【出願番号】P 2019004322
(22)【出願日】2019-01-15
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 奨
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-103425(JP,U)
【文献】特開2015-007679(JP,A)
【文献】特開2008-309216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0251769(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結体と、
前記連結体の第一端部に球状に形成される被係止部と、
前記連結体の第二端部に形成される係止部と、
を備え、
前記係止部は、環状に形成される係止本体と、該係止本体の環状内部に、前記被係止部が挿通可能な挿通孔部と、前記被係止部を受ける球面状の球受部と、該挿通孔部と該球受部を連通する連通部と、を有し、
前記球受部は、前記被係止部の外径よりも幅狭なスリット部であって、前記連結体が挿通可能なスリット部を有
し、
前記連結体には、前記被係止部から所定の間隔を有して前記スリット部の幅よりも大きい外形の規制突起部が形成され、
前記係止本体は、長孔状に形成されて、長手方向第一方向側の外周壁に前記連結体が接続され、長手方向の第二方向側の外周壁に前記スリット部が形成されて、
前記被係止部と前記規制突起部との間の前記所定の間隔は、前記スリット部が形成される箇所の前記係止本体の肉厚と同じに形成される、
ことを特徴とする連結具。
【請求項2】
前記連通部は、前記連結体を挿通可能な程度に前記係止本体の内面から対向して突出するガイド突起を有し、
前記ガイド突起は、前記球受部と対面する外周面が球面状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記規制突起部は、少なくとも一方側を半球面状に形成され、
前記連通部には、前記規制突起部を受ける規制突起受面が形成されることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の連結具。
【請求項4】
連結体の第一端に形成される被係止部及び該被係止部から所定の間隔をもって該連結体に形成される規制突起部を、該連結体の第ニ端に形成される係止部であって、環状かつ長孔状の係止本体、該係止本体の環状内側に挿通孔部、球受部、該挿通孔部と該球受部とを連通する連通部を有する係止部の該挿通孔部に挿入する挿入工程と、
前記被係止部と前記規制突起部との間の前記連結体を、前記連通部を介して、前記規制突起部が前記球受部の第一方向側の端に当接するまで前記挿通孔部から移動させる移動工程と、
前記球受部に形成されるスリット部に前記被係止部と前記規制突起部との間の前記連結体を挿入して前記被係止部を前記球受部に着座させる着座工程と、
着座した前記被係止部を回動中心として前記規制突起部を外方向に回動させる回動移動工程と、
を備えることを特徴とする連結具の係止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結具及び連結具の係止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アクセサリや飾り物を携帯電話機やカバンに取り付けるためのストラップや金属製のボールチェーン等の連結具が提供されている。特許文献1には、平面視略C字状の連結環を有し、連結環の一端に被嵌込部が形成され、他端には被嵌込部が嵌め込まれる嵌込溝が形成される合成樹脂製の連結具が開示される。被嵌込部は、嵌込溝よりも下方に位置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の連結具では、嵌込溝が開放され、嵌込溝が形成される大径部は端部方向から見るとC字状に形成される。従って、連結具の使用状況によっては、連結環の横ブレ等により嵌込溝が開きやすく、被嵌込部と嵌込溝との接続が外れてしまうことがあった。一方で、嵌込溝と被嵌込部との嵌合に乗り越え嵌合を形成することもできるが、頻繁な取り外しで馴染んで外れやすくなり、また、子供や高齢者では扱いにくい場合があった。
【0005】
本発明は、取り付け、取外しが容易で、かつ、外れにくい連結具及び連結具の係止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る連結具は、連結体と、前記連結体の第一端部に球状に形成される被係止部と、前記連結体の第二端部に形成される係止部と、を備え、前記係止部は、環状に形成される係止本体と、該係止本体の環状内部に、前記被係止部が挿通可能に形成される挿通孔部と、前記被係止部を受ける球面状の球受部と、該挿通孔部と該球受部を連通する連通部と、を有し、前記球受部は、前記被係止部の外径よりも幅狭なスリット部であって、前記連結体が挿通可能なスリット部を有し、前記連結体には、前記被係止部から所定の間隔を有して前記スリット部の幅よりも大きい外形の規制突起部が形成され、前記係止本体は、長孔状に形成されて、長手方向第一方向側の外周壁に前記連結体が接続され、長手方向の第二方向側の外周壁に前記スリット部が形成されて、前記被係止部と前記規制突起部との間の前記所定の間隔は、前記スリット部が形成される箇所の前記係止本体の肉厚と同じに形成される、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る連結具の係止方法は、連結体の第一端に形成される被係止部及び該被係止部から所定の間隔をもって該連結体に形成される規制突起部を、該連結体の第ニ端に形成される係止部であって、環状かつ長孔状の係止本体、該係止本体の環状内側に形成される挿通孔部、球受部、該挿通孔部と該球受部とを連通する連通部を有する係止部の該挿通孔部に挿入する挿入工程と、前記被係止部と前記規制突起部との間の前記連結体を、前記連通部を介して、前記規制突起部が前記球受部の第一方向側の端に当接するまで前記挿通孔部から移動させる移動工程と、前記球受部に形成されるスリット部に前記被係止部と前記規制突起部との間の前記連結体を挿入して前記被係止部を前記球受部に着座させる着座工程と、着座した前記被係止部を回動中心として前記規制突起部を外方向に回動させる回動移動工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、取付、取外しが容易で、かつ、外れにくい連結具及び連結具の係止方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る連結具の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る連結具の係止部を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は底面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る連結具の係止部を示す図であり、(a)は係止部の長手方向から見た側面図であり、(b)は係止部の短手方向のスリット部が形成される側から見た側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る連結具の係止部周辺を示す、
図1のIV-IV断面斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る連結具を
図4に相当する断面と共に被係止部周辺を示して連結具の係止方法を説明するための図であり、(a)は挿入工程を示し、(b)は移動工程を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係る連結具を
図4に相当する断面と共に被係止部周辺を示して連結具の係止方法を説明するための図であり、(a)は着座工程を示し、(b)は回動移動工程を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る連結具の
図3(a)のVII-VII断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1に示す本実施形態に係る連結具1は、樹脂材料を用いた射出成形により一体に形成される。なお、樹脂材料は、材料の種類を適宜選択できるが、可撓性や製造コストを考慮すると、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)が好適である。
【0011】
連結具1は、略紐状の長尺状に形成される連結体10を備える。連結体10は、断面円形に形成され可撓性を有する。連結体10の第一端部には、球状の被係止部20が形成される。連結体10には、被係止部20から所定の間隔を有した位置に規制突起部40が形成される。規制突起部40は、被係止部20と同じ大きさの球状に形成される。なお、被係止部20及び規制突起部40は、後述のスリット部の幅よりも大きい外形(直径)とされる。
【0012】
連結体10の第二端部には、係止部30が形成される。係止部30は、環状の係止本体31が形成される。係止本体31は、環状内側が長孔状に形成されて、環状内側と略同形状の周壁を備える。係止本体31の上面及び下面の内外の周縁は、それぞれC面取が施されている。係止本体31は、長手方向の第一方向(以後の説明では
図2における右側を第一方向、左側を第二方向として説明する。)側の外周壁(第一外周壁31a)に連結体10の第二端部側が接続される。
【0013】
係止本体31の長孔状の第一方向側寄りの環状内部には、被係止部20及び規制突起部40が共に挿通可能な挿通孔部32が形成される。挿通孔部32は、球状の被係止部20及び規制突起部40の直径よりも若干大きい直径の丸穴とされる。係止本体31の長孔状の第二方向側寄りの環状内部における下方側(以後の説明では
図4における上側を上、下側を下として説明する。)には、球受部33が形成される。
図4~
図7の断面図に特に表されるように、球受部33は球面状に形成される。球受部33を形成する球面半径は、球状の被係止部20の半径よりも若干大きく形成される。従って、球受部33は、被係止部20を摺動自在に受けることができる。球受部33の第一方向側端部と後述のガイド突起36の第二方向側端部は、平面視において重なっておらず、所定の間隔をもって配置される。
【0014】
挿通孔部32と球受部33は、連通部35を介して連通する。連通部35は、連結体10を挿通可能に形成される。連通部35には、係止本体31の環状の内面から対向して突出するガイド突起36が形成される。各ガイド突起36の頂部36aは、平坦状に形成される。各ガイド突起36は、係止本体31の内面から隆起する山状に形成される。そして、係止本体31の内面から頂部36aまで至る斜面、すなわち、ガイド突起36の外周面は、複数の球状面で構成される。具体的には、複数の球状面として、ガイド突起36の外周面は、球受部33に対向する外周面36b1や、規制突起受面とされる
図4下側の外周面36b2、挿通孔部32に対向する外周面36b3を有する。外周面36b1,36b2,36b3の球面の半径は、球状の被係止部20又は規制突起部40の半径よりも若干大きく設定され、被係止部20又は規制突起部40を受けることができる。
【0015】
また、ガイド突起36の外周面において、球受部33側の上側は、側面視においてC面取り状に面取部36cが形成される。
【0016】
また、球受部33には、スリット部34が形成される。スリット部34の幅寸法は、被係止部20及び規制突起部40の外径(直径)よりも幅狭であって、連結体10の外形(直径)よりも若干大きく設定される。さらに具体的には、スリット部34の幅寸法は、被係止部20と規制突起部40との間(所定の間隔)における連結体10の外形(直径)よりも若干大きく設定されていればよい。このようにして、スリット部34は、外部と連通するようにして形成されて、被係止部20の規制突起部40側近傍の連結体10の箇所(すなわち、被係止部20と規制突起部40との間(所定の間隔)における連結体10)がスリット部34を挿通可能に形成される。
【0017】
従って、本実施形態では連結体10を一様な断面円形に形成したが、これに限られず、被係止部20の規制突起部40側近傍の連結体10の箇所(被係止部20と規制突起部40との間(所定の間隔)における連結体10)がスリット部34を挿通可能であれば、連結体10の形状は限定されない。
【0018】
また、スリット部34は、係止本体31の長手方向の第二方向側の第二外周壁31bの一部まで形成される。そして、被係止部20と規制突起部40との間の所定の間隔s(
図1参照)は、スリット部34が形成される箇所の係止本体31の第二外周壁31bの肉厚t(
図4参照)と略同じに設定される。また、第二外周壁31bにおけるスリット部34は、上側縁を円弧状に形成されて、連結体10に対応する。さらに、第二外周壁31bにおけるスリット部34の上縁周りの第二外周壁31bには、規制突起部40の球面と対応して凹球面状の面取部31b1が形成される(
図3(b)参照)。
【0019】
次に、
図5、
図6に基づいて、被係止部20の係止部30への係止(連結具1の係止方法)について説明する。
被係止部20の挿入工程;連結体10を湾曲させて、挿通孔部32に被係止部20及び規制突起部40を下方から挿入する(
図5(a))。
【0020】
被係止部20の移動工程;被係止部20と規制突起部40との間の連結体10がガイド突起36の頂部36a間に挿通するように被係止部20を第二方向側に移動させる(
図5(b))。被係止部20の移動は、規制突起部40が球受部33の第一方向側の端部に当接するまで移動させる。従って、規制突起部40は、ガイド突起36における下側の外周面36b2に受けられた状態で、球受部33の第一方向側の端部に当接する。
【0021】
被係止部20の着座工程;被係止部20を球受部33に着座させる。当該着座工程は、第1の着座工程と、第2の着座工程のうち、何れかを選択できる。第1の着座工程は、規制突起部40を回動中心として被係止部20を回動させる方法である。第2の着座工程は、移動工程終了後、規制突起部40をスリット部34の下方にそのまま滑らせて着座させる方法である。具体的には、以下の通りである。
【0022】
第1の着座工程;移動工程終了後、
図5(b)の二点鎖線に示すように、規制突起部40を回動中心として被係止部20を球受部33に向けて回動させる。このとき、球面状に形成されるガイド突起36の下側の外周面36b2により、少なくとも一方側を球面状に形成される規制突起部40(すなわち、少なくとも上側が半球面状とされる規制突起部40)が摺動自在に保持されるので、スムーズに被係止部20の回動を行うことができる。また、対向するガイド突起36の頂部36aが平坦に形成されることにより、頂部36a間を通る被係止部20と規制突起部40との間の連結体10がスムーズにガイドされる。被係止部20が回動して係止本体31の上側の内周面縁に当接した後、被係止部20と規制突起部40との間の連結体10をスリット部34に挿入しつつ被係止部20(及び規制突起部40)を下方に移動させることで、球受部33に被係止部20を着座させることができる(
図6(a))。
【0023】
第2の着座工程;移動工程終了後の
図5(b)に示す被係止部20と規制突起部40が垂直に位置する状態から、そのまま下方に連結体10を引くようにして、被係止部20と規制突起部40との間の連結体10をスリット部34に挿入して被係止部20を球受部33に着座させることができる(
図6(a))。このとき、ガイド突起36の面取部36cによって被係止部20の下方側がガイドされる。
【0024】
規制突起部40の回動移動工程;上記の着座工程終了後、被係止部20を回動中心として規制突起部40を外方(第二方向側)に向けて回動させる(
図6(b))。被係止部20と規制突起部40との間の連結体10が係止本体31の第二外周壁31bにおけるスリット部34の上縁と当接して、連結具1の被係止部20と係止部30との係止が終了する。被係止部20と係止部30の係止解除は、上記の工程の逆を行えばよい。
【0025】
このようにして係止部30に被係止部20が係止される連結具1は、例えば、連結体10に通し孔を設けたアクセサリを通して、連結体10をカバンや携帯電話等の所定の個所に通し、被係止部20を係止部30に係止すれば、カバンや携帯電話等にアクセサリを容易に取り付けることができる。ここで、規制突起部40は、スリット部34の幅よりも大きい外形であるので、被係止部20の水平方向の移動は規制される。なお、被係止部20と規制突起部40との間の所定の間隔sよりもスリット部34が形成される箇所の係止本体31の第二外周壁31bの肉厚tを厚くして、被係止部20と規制突起部40との間に第二外周壁31bが圧入される関係とすることもできる。この場合、係止部30への被係止部20の係止が強固になるが、高齢者や幼い子供にとっては取り付け、取り外しがし難い場合がある。
【0026】
また、係止本体31の第二外周壁31bにおけるスリット部34の上縁は、環状に形成される係止本体31により接続されている。そのため、係止後(連結具1を用いた連結後)の連結体10の横振れが生じても、スリット部34が開いてしまうことなく、確実に物品同士を連結することができる。
【0027】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の連結具及び連結具の係止方法を提供することができる。
【0028】
第1の態様に係る連結具は、連結体と、前記連結体の第一端部に球状に形成される被係止部と、前記連結体の第二端部に形成される係止部と、を備え、前記係止部は、環状に形成される係止本体と、該係止本体の環状内部に、前記被係止部が挿通可能な挿通孔部と、前記被係止部を受ける球面状の球受部と、該挿通孔部と該球受部を連通する連通部と、を有し、前記球受部は、前記連結体が挿通可能なスリット部を有することを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、樹脂材料による一体成形可能である簡単な構成とすることができる。また、被係止部の係止部への係止及び係止解除は、被係止部を係止本体の球受部に着座させて連結体をスリット部に挿入すればよいので、乗り越え嵌合もなく簡単に連結具を係止及び係止解除することができる。そして、連結体が横ブレしてもスリット部を開き難くできるので係止した連結具は外れ難い。従って、取り付け、取外しが容易で、かつ、外れにくい連結具を提供することができる。
【0030】
第2の態様に係る連結具は、前記連通部は、前記連結体を挿通可能な程度に前記係止本体の内面から対向して突出するガイド突起を有し、前記ガイド突起は、前記球受部と対面する外周面が球面状に形成される。
【0031】
この構成によれば、被係止部を係止本体の挿通孔部から球受部に移動する際にガイド突起により被係止部近傍における連結体をガイドすることができるので、スムーズに被係止部を移動させることができる。そして、球受部に着座した被係止部は、球受部に対面するガイド突起の外周面によっても摺動自在に保持されるので、被係止部の保持をブレ難くすることができる。
【0032】
第3の態様に係る連結具は、前記連結体には、前記被係止部から所定の間隔を有して前記スリット部の幅よりも大きい外形の規制突起部が形成される。
【0033】
この構成によれば、被係止部と規制突起部との所定の間隔をスリット部に挿入できるので、スリット部に規制突起部が当接して被係止部が球受部から離れる方向の移動も規制することができる。
【0034】
第4の態様に係る連結具は、前記規制突起部は、少なくとも一方側を半球面状に形成され、前記連通部には、前記規制突起部を受ける規制突起受面が形成される。
【0035】
この構成によれば、被係止部を係止本体の挿通孔部から球受部に移動する際に、規制突起部を規制突起受面が受けた位置で規制突起部を回動中心として回動させて被係止部を球受部に着座させることができる。従って、被係止部の係止本体への係止及び係止解除を自然な操作で容易に行うことができる。
【0036】
第5の態様に係る連結具は、前記係止本体は、長孔状に形成されて、長手方向の第一方向側の外周壁に前記連結体が接続され、長手方向の第二方向側の外周壁に前記スリット部が形成されて、前記被係止部と前記規制突起部との間の前記所定の間隔は、前記スリット部が形成される箇所の前記係止本体の肉厚と同じに形成される。
【0037】
この構成によれば、被係止部と規制突起部との間の所定の間隔とスリット部が形成される箇所の係止本体の外周壁の肉厚を同じとすることで、連結体を完全に固定することはないが遊嵌されることもなく、被係止部と係止本体の係止及び係止解除を抵抗無く行うことができる。
【0038】
第6の態様に係る連結具は、連結体の第一端に形成される被係止部及び該被係止部から所定の間隔をもって該連結体に形成される規制突起部を、該連結体の第ニ端に形成される係止部であって、環状かつ長孔状の係止本体、該係止本体の環状内側に挿通孔部、球受部、該挿通孔部と該球受部とを連通する連通部を有する係止部の該挿通孔部に挿入する挿入工程と、前記被係止部と前記規制突起部との間の前記連結体を、前記連通部を介して、前記規制突起部が前記球受部の第一方向側の端に当接するまで前記挿通孔部から移動させる移動工程と、前記球受部に形成されるスリット部に前記被係止部と前記規制突起部との間の前記連結体を挿入して前記被係止部を前記球受部に着座させる着座工程と、着座した前記被係止部を回動中心として前記規制突起部を外方向に回動させる回動移動工程と、を備える。
【0039】
この構成によれば、被係止部と係止部との係止及び係止解除について、乗り越え嵌合等の抵抗感が生じる操作の必要が無く、連結体の横ブレにも外れ難く、簡単な操作で容易に連結具の取り付け、取り外しを行うことができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 連結具 10 連結体
20 被係止部 26 ガイド突起
30 係止部 31 係止本体
31a 第一外周壁 31b 第二外周壁
31b1 面取部
32 挿通孔部 33 球受部
34 スリット部 35 連通部
36 ガイド突起 36a 頂部
36b1 外周面 36b2 外周面
36b3 外周面 36c 面取部
40 規制突起部