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▶ ルメンタム オペレーションズ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】光増幅器用内蔵コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20230501BHJP
   H01S 5/02251 20210101ALI20230501BHJP
   H01S 5/02253 20210101ALI20230501BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S5/02251
H01S5/02253
H01S3/067
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019005097
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2019140383
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】15/889,736
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】ジアミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】バリー ピー キーワース
(72)【発明者】
【氏名】ポール カルバン
(72)【発明者】
【氏名】ダノーム プラムウォングロット
(72)【発明者】
【氏名】ガレス ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】シェルダン マクラフリン
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0276797(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0190934(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0181920(US,A1)
【文献】特表2018-508997(JP,A)
【文献】特開平04-223447(JP,A)
【文献】特開平08-088430(JP,A)
【文献】特開平06-260711(JP,A)
【文献】特開平10-084154(JP,A)
【文献】特開2002-082321(JP,A)
【文献】特表2007-500438(JP,A)
【文献】特開2003-188444(JP,A)
【文献】特開2015-133519(JP,A)
【文献】特開平05-224158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
H01S 5/00-5/50
G02B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光を受光する第1のポートと、
ポンプ光を供給する光学パッケージ内の光源であって、レーザダイオードを備える光源と、
前記信号光と前記ポンプ光を合波された光に合波するコンバイナと、
光学パッケージの外部の能動利得媒体に前記合波された光を送出する第2のポートと、
前記能動利得媒体からの増幅された光を受光する第3のポートと、
前記増幅された光から増幅された信号光をフィルタリングするフリースペース光学系と、
前記フィルタリング後に前記増幅された信号光を送出する第4のポートと、
を有する光学パッケージを備え、
前記フリースペース光学系は、フィルタ及びビーム成形光学系を含み、前記ビーム成形光学系は、前記第3のポートと前記第4のポートとの間において前記フィルタより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するように配置され、
前記フィルタより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するように配置された前記ビーム成形光学系は、前記フィルタの後で前記増幅された光のビームサイズを縮小するようにも配置され、
前記増幅された信号光は、前記第3のポートと前記第4のポートとの間において光ファイバを通過しない、光学装置。
【請求項2】
前記フリースペース光学系は一つのコンポーネントを含み、前記コンポーネントは複数の光路上に、前記コンポーネントが前記複数の光路を伝搬するそれぞれの光ビームに共用されるように配置されている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記コンポーネントは前記信号光と前記増幅された光を分離するアイソレータであり、
前記複数の光路は前記信号光が伝搬する光路と、前記増幅された光が伝搬する光路とを含む、
請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記フリースペース光学系は前記光学パッケージの密閉された部分に収容された一つ以上のコンポーネントを含む、請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記光源及び前記コンバイナが前記光学パッケージの密閉された部分に収容されている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記光学パッケージ光学ベンチ上に前記第1のポート、前記第2のポート、前記第3のポート、前記第4のポート、前記光源、前記コンバイナ、及び前記フリースペース光学系が配置されている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
前記信号光、前記ポンプ光、前記増幅された光、又は前記増幅された信号光のうちの少なくとも1つが前記光学装置内の折り畳まれた光路を伝搬する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記フィルタは前記増幅された光から前記増幅された信号光をフィルタリングするチューナブルフィルタを備える、請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記チューナブルフィルタはマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)ミラー及び回折格子を備える、請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
前記フリースペース光学系は前記増幅された信号光を更にフィルタリングする空間フィルタを含む、請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
前記第1のポート、前記第2のポート、前記第3のポート、前記第4のポート、前記光源、前記コンバイナ、又は前記フリースペース光学系の1つ以上のコンポーネントが高い感熱性を有するコンポーネントが性能に影響を与えないように前記光源から十分離れるように配置される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項12】
前記光学パッケージは1立方センチメートル未満のサイズを有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項13】
信号光を受光する第1のポートと、光学パッケージの外部の能動利得媒体に合波された光を送出する第2のポートと、前記能動利得媒体からの増幅された光を受光する第3のポートと、増幅された信号光を送出する第4のポートとを含む複数のポートと、
ポンプ光を供給する光学パッケージ内の光源であって、レーザダイオードを備える光源と、
前記信号光と前記ポンプ光を前記合波された光に合波するコンバイナと、
前記増幅された信号光が前記第4のポートによって送出される前に前記増幅された光から前記増幅された信号光をフィルタリングするフリースペース光学系と、
を備え、
前記フリースペース光学系は、フィルタ及びビーム成形光学系を含み、前記ビーム成形光学系は、前記第3のポートと前記第4のポートとの間において前記フィルタより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するように配置され、
前記フィルタより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するように配置された前記ビーム成形光学系は、前記フィルタの後で前記増幅された光のビームサイズを縮小するようにも配置され、
前記増幅された信号光は、前記第3のポートと前記第4のポートとの間において光ファイバを通過しない、光学パッケージ
【請求項14】
前記フリースペース光学系は一つのコンポーネントを含み、前記コンポーネントは複数の光路上に、前記コンポーネントが前記複数の光路を伝搬するそれぞれの光ビームに共用されるように配置されている、請求項13に記載の光学パッケージ
【請求項15】
前記フリースペース光学系は前記光学パッケージの密閉された部分に収容された一つ以上のコンポーネントを含む、請求項13に記載の光学パッケージ
【請求項16】
前記光源及び前記コンバイナが前記光学パッケージの密閉された部分に収容されている、請求項13に記載の光学パッケージ
【請求項17】
前記光学パッケージ内の光学ベンチの上に前記第1のポート、前記第2のポート、前記第3のポート、前記第4のポート、前記光源、前記コンバイナ、又は前記フリースペース光学系が配置されている、請求項13に記載の光学パッケージ
【請求項18】
前記フィルタは前記増幅された光から前記増幅された信号光をフィルタリングするチューナブルフィルタを備える、請求項13に記載の光学パッケージ
【請求項19】
前記フリースペース光学系は前記増幅された信号光を更にフィルタリングする空間フィルタを含む、請求項13に記載の光学パッケージ
【請求項20】
光学装置の第1のポートによって信号光を受光することと、
前記光学装置の光源によってポンプ光を供給することであって、前記光源は、前記光学装置の光学パッケージ内に位置するレーザダイオードを備える、ことと、
前記光学装置のコンバイナによって前記信号光と前記ポンプ光を合波された光に合波することと、
前記合波された光を前記光学装置の第2のポートによって前記光学パッケージの外部の能動利得媒体に送出することと、
前記光学装置の第3のポートによって前記能動利得媒体からの増幅された光を受光することと、
前記光学装置のフリースペース光学系に含まれるビーム成形光学系によって前記増幅された光のビームサイズをサイズ変更することと、
前記光学装置の前記フリースペース光学系によって、前記サイズ変更後に、前記増幅された光から増幅された信号光をフィルタリングすることと、
前記光学装置の第4のポートによって前記フィルタリング後に前記増幅された信号光を送出することと、
を含み、
前記ビーム成形光学系は、前記フィルタリングより前に前記増幅された光の前記ビームサイズをサイズ変更し、前記第3のポートと前記第4のポートとの間にあり、
前記フリースペース光学系は、前記フィルタリングのためのフィルタを含み、
前記ビーム成形光学系は、前記フィルタより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するように配置され、
前記フィルタより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するように配置された前記ビーム成形光学系は、前記フィルタの後で前記増幅された光のビームサイズを縮小するようにも配置され、
前記増幅された信号光は、前記第3のポートと前記第4のポートとの間において光ファイバを通過しない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光増幅器に関し、特に平面光学パッケージ上に組み立てられた小型光増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
光増幅器は、信号光を受光し、増幅した信号光(即ち、比較的高い光パワーを有する信号光)を発生する装置である。典型的には、光増幅器は、ポンプレーザ等の光源によって「ポンピング」される(即ち、エネルギーが供給される)いわゆる利得媒体を用いて光増幅を提供する。いくつかの例では、光増幅器は利得媒体として光ファイバを利用し得る(このような装置はファイバ増幅器と呼ばれることもある)。このような場合には、利得媒体はエルビウム、イットリビウム、プラセオジム等の希土類イオンが添加されたガラスファイバとすることができる。このようなファイバは能動ファイバと呼ばれることもある。動作中、信号光はポンプ光と一緒に能動ファイバ中を伝搬し、能動ファイバは信号光とポンプ光とから生成される増幅された信号光を出力する。一般的に、このような光増幅器は光増幅の制御、有効化及び/又は監視と関連する他の個別のコンポーネントを含む。このような個別コンポーネントは、例えば、1つ以上のアイソレータ、コンバイナ(例えば、波長分割多重装置(WDM)、チューナブルフィルタ、タップ、フォトダイオード等)を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの可能な実施形態による光学装置は、パッケージを含むことができ、該パッケージは、信号光を受光する第1のポートと、ポンプ光を供給する光源と、前記信号光と前記ポンプ光を合波された光に合波するコンバイナと、前記合波された光を送出する第2のポートと、増幅された光を受光する第3のポートと、前記増幅された光から増幅された信号光をフィルタリングするフリースペース光学系であって、前記フィルタリングより前に前記増幅された光のビームサイズを拡大するビーム成形光学素子を含むフリースペース光学系と、前記増幅された信号光を送出する第4のポートと、を有する。
【0004】
いくつかの可能な実施形態による光学パッケージは、信号光を受光する第1のポートと、合波された光を送出する第2のポートと、増幅された光を受光する第3のポートと、増幅された信号光を送出する第4のポートとを含む複数のポートと、ポンプ光を供給する光源と、前記信号光と前記ポンプ光を前記合波された光に合波するコンバイナと、前記増幅された光から前記増幅された信号光をフィルタリングするフリースペース光学系であって、前記フィルタリングより前に、前記増幅された光のビームサイズを拡大するビーム成形光学素子を含む、フリースペース光学系と、を含むことができる。
【0005】
いくつかの可能な実施形態による方法は、光学装置の第1のポートによって信号光を受光するステップと、前記光学装置の光源によってポンプ光を供給するステップと、前記光学装置のコンバイナによって前記信号光と前記ポンプ光を合波された光に合波するステップと、前記合波された光を前記光学装置の第2のポートによって送出するステップと、前記光学装置の第3のポートによって増幅された光を受光するステップと、前記光学装置のフリースペース光学系に含まれるビーム成形光学系によって前記増幅された光のビームサイズをサイズ変更するステップと、前記光学装置のフリースペース光学系によって、前記サイズ変更後に、前記増幅された光から増幅された信号光をフィルタリングするステップと、前記光学装置の第4のポートによって前記増幅された信号光を送出するステップと、を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】従来の光増幅器の図である。
図1B】本明細書に記載の例示的な小型光増幅器の図である。
図2図2A-2Eは小型光増幅器の例示的な実施形態の図である。
図3図3A-3Dは小型光増幅器の別の例示的実施形態と関連する図である。
図4図4A及び4Bは小型光増幅器の追加の例示的な実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明は添付図面を参照するものである。異なる図中の同じ参照番号は同一もしくは類似のコンポーネントを示している。以下に記載する実施形態は単なる例示であって、これらの実施形態を開示の正確な形態に限定することを意図するものではない。それよりむしろ、これらの実施形態は、当業者によるこれらの実施形態の実施を可能にするための説明として選ばれたものである。
【0008】
エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)等の典型的な光増幅器はいくつかの個別のコンポーネント、例えばポンプレーザ、1つ以上のアイソレータ、WDM、能動ファイバ(ドープファイバと呼ばれることもある)、チューナブルフィルタ、タップ、フォトダイオード、及び/又はそれに類するものから構成される。図1Aは、ポンプレーザ、1対のアイソレータ(例えば、能動ファイバの前のアイソレータと能動ファイバの後のアイソレータ)、WDM、チューナブルフィルタ、タップ、及びフォトダイオード等の個別のコンポーネントを含む従来の光増幅器100を示す。
【0009】
図1Aに示すように、光増幅器(例えば、従来の光増幅器100)の個別のコンポーネントは個別のコンポーネントの間に光ファイバを接続することによって相互接続される。しかしながら、これらの個別のコンポーネント、これらの個別のコンポーネントに結合された光ファイバ、及び/又はファイバ接続はかなりの量の物理的空間を必要する(即ち、光増幅器は外形寸法が不所望に大きくなる)可能性があり、及び/又はかなりの量の損失を光増幅器システムに導入する可能性がある。更に、光ファイバの管理及び個別のコンポーネント間の光ファイバの接続のために、このような光増幅器の製造は多大な時間を必要とし、コストがかかり、且つ又自動化に適していない可能性がある。
【0010】
場合によっては、一般的に個別のコンポーネントにより提供される複数の機能は所謂「ハイブリッド」コンポーネント(例えば、複数の機能を実行する単一のコンポーネント)に統合することができる。例えば、図1Aに一点鎖線で示すように、場合によりポンプレーザとWDMを統合して単一のハイブリッドコンポーネントを形成することができる。別の例として、図1Aに点線の長方形で示すように、場合によりアイソレータとWDMを統合して単一のハイブリッドコンポーネントを形成することができる。図1Aに示されていないが、実際には、ハイブリッドコンポーネントは互いに物理的に付着された(間に光ファイバのない)2つ以上の個別のコンポーネントを含む。このようなハイブリッドコンポーネントの使用は、ポンプレーザの達成可能なサイズ縮小、高濃度の能動ファイバの使用、及び他のこのような改善とともに光増幅器の全体サイズの縮小(例えば、数百ミリメートルの寸法から数十ミリメートルの寸法への縮小)及び/又は(例えば所要ファイバ接続の減少による)光増幅器の損失の低減をもたらすが、ハイブリッドコンポーネントの使用に起因していくつかの問題が生じる。
【0011】
1つの問題は、(例えば、個別のコンポーネントのみを含む光増幅器と比較して)1つ以上のハイブリッドコンポーネントを使用すると、光ファイバ及び/又はファイバ接続の数を減少させることができるが、いくつかのハイブリッドコンポーネント(及び個別のコンポーネント)は依然として光ファイバを用いて相互接続する必要があることにある。従って、ハイブリッドコンポーネントの使用は上述した製造可能性の問題を完全に解消することはできない。
【0012】
別の問題は、ハイブリッドコンポーネントの使用は、(例えば、フリースペース光学系-ファイバ結合及び/又はファイバ-フリースペース光学系結合が必要とされるとき)光学アライメント問題を光増幅器に導入することにある。例えば、個別のコンポーネントは一般的に光増幅器のアライメント要素と関連する6つの自由度に対して操作することができ、所定の個別のコンポーネントは別の個別のコンポーネントのミスアライメントを考慮して操作することができる。しかしながら、所定のハイブリッドコンポーネントは2つ以上の物理的に接続された個別のコンポーネントを含むため、(例えば、各コンポーネントを個別にアライメントすることができないために)1つ以上の自由度が失われる。更に、所定のハイブリッドコンポーネントの各コンポーネントからのミスアライメントが積み重なる可能性があるため(例えば、ハイブリッドコンポーネントの1つのコンポーネントのミスアライメントが該ハイブリッドコンポーネントの別のコンポーネントのミスアライメントにより悪化される可能性があり)、その結果として光増幅器の別のコンポーネントにより容易に補正し得ないミスアライメントを生じうる。従って、1つ以上のハイブリッドコンポーネントを使用する従来の光増幅器では、ハイブリッドコンポーネントの使用のために光アライメントがより困難及び/又は不可能になり、よって損失の増加及び/又は製造可能性の低下が生じる。
【0013】
(向上した性能を有する又は少なくとも性能を維持する)サイズの縮小を要求する傾向が続いているため、光増幅器の更なるサイズ及び損失の低減が要求されている。しかしながら、必要とされるサイズ及び損失の低減は上述した従来の光増幅器(例えば、従来の光増幅器100、ハイブリッドコンポーネント及び/又はそれに類するものを使用する従来の光増幅器)によって達成することはできない。例えば、光増幅器をスタンドアロン型のプラグ接続可能な光増幅器モジュール(例えば、スタンドアロン型のプラグ接続可能なEDFA)内部に収容可能にするためには、又は送信機及び/又は受信機を含むプラグ接続可能なモジュール内に光増幅器を組み込み可能にするためには、光増幅器の寸法、特に厚さを更に縮小する(例えば、約10ミリメートル未満にする)必要がある。一般的に、上述した従来の光増幅器は(両端にファイバビグテイルを有する)円筒状のプラットフォームを共有する。従って、光増幅器の厚さの低減は(例えば、円筒状プラットフォームの断面が回転対称であるために)制限される。更に、上述したように、ハイブリッドコンポーネントの使用により若干のサイズ低減が可能であったとしても、そのサイズ低減は装置の損失の増加及び/又は製造可能性の低減という犠牲を払って成り立つものである。
【0014】
本明細書に記載するいくつかの実施形態は光学ベンチのような平面光学パッケージの上に組み立てられたコンポーネントを使用する小型光増幅器を提供する。以下で説明するように、この小型光増幅器は(上述した従来の光増幅器と比較して)高さ、長さ及び/又は幅が減少した寸法を有する。加えて、この小型光増幅器は(上述した従来の光増幅器と比較して)光を光増幅器システムを通して伝搬させるためのフリースペース光学系-ファイバ結合及び/又はファイバ-フリースペース光学系結合を少数にすることによって損失を減少する。更に、この小型光増幅器は、以下で説明するように、以前のハイブリッドコンポーネントが提供できなかった他の特徴を含める能力も提供する。
【0015】
図1Bは例示的な小型光増幅器150の概略図である。図1Bに示すように、小型光増幅器150は1組のポート(例えば、ポート110-1~ポート110-4)と、ビーム成形光学系(本明細書ではビーム成形器と称することもある)を含むフリースペース光学系115と、コンバイナ118と、能動利得媒体120と、光源122とを含む。
【0016】
図1Bに示すように、ポート110-1は信号光を受光し、その信号光をコンバイナへ出力するポートであり、コンバイナはその信号光を光源122により供給されるポンプ光と合波して合波された光を生成することができる。更に示すように、ポート110-2は合波された光を能動利得媒体120へ送出するポートであり、能動利得媒体120は合波された光から増幅された光を生成することができる。更に示すように、ポート110-3は能動利得媒体120からの増幅された光を受光し、その増幅された光をフリースペース光学系115に供給するポートであり、フリースペース光学系115はその増幅された光から増幅された信号光をフィルタリングすることができる。いくつかの実施形態では、フリースペース光学系115に含まれるビーム成形器は、(例えば、フリースペース光学系に含まれるフィルタと関連する分解能を向上させるため、フリースペース光学系115に含まれる1つ以上のコンポーネントの性能要件を満足させるため、及び/又はそれに類する目的のために)フィルタリング前に増幅された信号光のビームサイズを拡大する一組のコンポーネント(例えば、1つ以上のレンズ、プリズム、及び/又はそれに類するもの)を含んでよい。いくつかの実施形態では、フィルタリング後に、ビーム成形器は(例えば、ビームサイズを以前のビームサイズに戻すために)増幅された信号光のビームサイズを縮小してよい。更に示すように、ポート110-4は増幅された信号光を送出するための光を含んでよい。小型光増幅器のコンポーネントに関する更なる詳細は以下の実施形態で説明される。
【0017】
図1Bに示されるように、いくつかの実施形態では、小型光増幅器150のコンポーネントは平面光学パッケージ上に組み立てることができる。特に、本明細書に記載する実施形態は光学パッケージと関連して説明するが、他の実施形態、例えば光学素子を光学ベンチ又は担体上に組み立てた実施形態も可能である。
【0018】
いくつかの実施形態では、平面光学パッケージの使用は小型光増幅器150の製造可能性を(例えば、上述した従来の光増幅器と比較して)向上させる。例えば、小型光増幅器150のコンポーネントは(光ファイバの接続によらずに)フリースペースを介して結合するため、ファイバの管理及び接続を不要にすることができる。従って、小型光増幅器150の組立ては自動化(例えば、自動化されたピック・アンド・プレースプロセス)に適しており、製造コストを低減することができる。
【0019】
更に、平面光学パッケージの使用は(例えば、上述した従来の光増幅器と比較して)小型光増幅器150のサイズの縮小を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、小型光増幅器150は従来の光増幅器で一般的に使用される円筒状のプラットフォームと比較して縮小した高さ(例えば、約4ミリメートル(mm)未満)にすることができる。
【0020】
更に、このサイズの縮小は性能の犠牲なしに達成することができる。例えば、小型光増幅器150のコンポーネントは、平面光学パッケージ上に組み立てられ、フリースペースを介して結合された本質的に個別のコンポーネントであり、各コンポーネントは光学アライメントを最適にするために任意の自由度に関して個別に操作することができる(例えば、ハイブリッドコンポーネントを使用する場合のように自由度を失うことはない)。従って、小型光増幅器150の光学アライメントは(上述した従来の光増幅器に比較して)容易に達成可能であり、それにより小型光増幅器150のコストを低減すること及び/又は性能を向上させることができる。
【0021】
加えて、平面光学パッケージ及びフリースペースを介するコンポーネントの結合の使用は、従来の光増幅器内に存在しない追加のコンポーネントを光学パッケージ内に組み込むことを可能にする。例えば、平面光学パッケージ(及びその上に組み立てられたコンポーネントのフリースペース結合)の使用によって、1つ以上のコンポーネントを光学パッケージ内に組み込むことができる。このようなコンポーネントの例には、チューナブルフィルタ、可変減衰器、ミラーのアレイ(例えば、MEMSアレイ)、分散コンポーネント(例えば回折格子)、クロストークを緩和する1つ以上のコンポーネント(例えば、バッフル、空間フィルタ等)及び/又はこれに類するものが含まれる。
【0022】
更に、平面光学パッケージ及びフリースペースを介するコンポーネントの結合の使用は熱問題の抑制をもたらし得る。例えば、小型光増幅器のコンポーネントは、高い感熱性を有するコンポーネントが性能に影響を与えないように光源等の熱源から十分離れて位置するように配置される。
【0023】
図1Bと関連して示され、説明されたコンポーネントの数及び配置は一例として与えられている。実際には、小型光増幅器150は、図1Bに示すコンポーネントより多くのコンポーネント、少数のコンポーネント、異なるコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、及び/又は異なる配置のコンポーネントを含んでよい。更に、小型光増幅器150は小型光増幅器の例示的な機能及び能力の概要として与えられており、いくつかの実施形態では、小型光増幅器は1つ以上の他の機能又は能力を含んでもよく、そのいくつかの実施形態を以下で説明する。
【0024】
図2A-2Eは、小型光増幅器150の例示的な実施形態200(本明細書では小型光増幅器200と称する)の図である。図2Aに示されるように、小型光増幅器200は、一組のポート210(例えば、ポート210-1~ポート210-4)、一組のレンズ212(例えば、レンズ212-1~レンズ212-6)、アイソレータ214、一組のミラー216(例えば、ミラー216-1~ミラー216-5)、コンバイナ218、能動利得媒体220、光源222、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226、及びフォトダイオード(PD)228を含み得る。ポート210-1,210-2,210-3及び210-4は図1Bに示す小型光増幅器150のポート110-1,110-2,110-3及び110-4にそれぞれ対応し得る。同様に、コンバイナ218、能動利得媒体220、及び光源222は図1Bに示す小型光増幅器150のコンバイナ118、能動利得媒体120、及び光源122に対応し得る。小型光増幅器200の1つ以上の他のコンポーネント(例えば、アイソレータ214、ミラー216-1~216-5、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226、PD228、及び/又はそれに類するもの)は図1Bの小型光増幅器150のフリースペース光学系に対応し得る。
【0025】
図2Aにより示され、以下で更に詳細に説明されるように、小型光増幅器200は信号光250を受信し、信号光250とポンプ光252から増幅された光254を生成し、増幅された光を増幅された光の所望の波長部分又はそれに近い波長部分が小型光増幅器200により出力されるようにフィルタリングする。小型光増幅器200のコンポーネントが以下で説明され、その後に小型光増幅器200の例示的な動作が説明される。
【0026】
ポート210-1は光を小型光増幅器200の光路に送出(発射)するポートを含む。例えば、図2Aに示され、以下で更に詳しく説明されるように、ポート210-1は信号光250をポート210-2に向けて光路に発射することができる。いくつかの実施形態では、ポート210-1は小型光増幅器200により増幅する信号光250を供給する入力ファイバに結合される。
【0027】
いくつかの実施形態では、小型光増幅器200の場合のように、ポート210-1は信号光250をポート210-1から特定の角度(例えば、ポート210-4が増幅された光254を発射する角度と異なる角度)で発射するポートとしてよい。いくつかの実施形態では、ポート210-1とポート210-4は、レンズ212-1及びアイソレータ214等の共通コンポーネントを有利に共用しながら、ポート210-1により第1の角度で発射される信号光250とポート210-4により第2の角度で発射される増幅された光がミラー216-1により異なる光路に向けられるように、間隔をあけることができ、これは(例えば、異なる光路に別個の重複するコンポーネントを含めずに同じコンポーネントを異なる光路で使用できるために)小型光増幅器200のコスト及び/又はサイズの低減を容易にする。概して、小型光増幅器200の1つ以上のコンポーネントは複数の光路に(例えば、1つ以上のコンポーネントが複数の光路を伝搬するビームにより共用されるように)配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、単一のアイソレータ214が信号光250と増幅された信号光254により共用され得る。小型光増幅器200で示されていないが、小型光増幅器内で共用し得るコンポーネントの他の例として、レンズ212、ミラー216、タップフィルタ(例えば、小型光増幅器300と関連して以下で説明するタップフィルタ232)、及び/又は類似のものが含まれる。
【0028】
いくつかの実施形態では、別々のポート210-1を用いて信号光250と増幅された光を発射することにより小型光増幅器200内における信号光250と増幅された光254との間のクロストークを低減することができる。
【0029】
ポート210-2は信号光250とポンプ光252を受光し、小型光増幅器200の能動利得媒体220に入力するポートを含む。例えば、図2Aに示され、以下で更に詳しく説明されるように、ポート210-2は信号光250とポンプ光252を受光することができ、両光はコンバイナ218によりポート210-2に向けることができる。いくつかの実施形態では、ポート210-2は能動利得媒体220の入力端に結合され、従って能動利得媒体220と関連する入力端(即ち、能動利得媒体入力端)として動作する。
【0030】
ポート210-3は小型光増幅器200の光路上の増幅された信号光256(即ち増幅された光254の所望の波長部分又はその近くの波長部分)を受信するポートを含む。例えば、図2Aに示され、以下で更に詳しく説明されるように、ポート210-3は小型光増幅器200の光路上の増幅された信号光256を受光することができる。いくつかの実施形態では、ポート210-3は小型光増幅器200により生成された増幅された信号光256を出力する出力ファイバに結合される。
【0031】
ポート210-4は増幅された光254を別の光路に反射コンポーネント226へ向けて発射するポートを含む。いくつかの実施形態では、ポート210-4は能動利得媒体220の出力端に結合され、従って能動利得媒体220と関連する出力端(即ち、能動利得媒体出力端)として動作する。
【0032】
レンズ212-1は、ポート210-1によりポート210-2に向かう光路に発射される信号光250をコリメートするとともに、ポート210-4により反射コンポーネント226に向かう光路に発射される増幅された光をコリメートするレンズ(例えば、円形レンズ)を含んでよい。
【0033】
レンズ212-2は、信号光250とポンプ光252をポート210-2に収束するレンズ(例えば、円形レンズ)を含む。レンズ212-3は光源222によってポート210-2に向かう光路に発射されるポンプ光252をコリメートするレンズ(例えば、円形レンズ)を含む。いくつかの実施形態では、レンズ212-2及びレンズ212-3は共同してポンプ光252をサイズ変更(例えば、拡大)するよう動作する。例えば、光源222により発射されるポンプ光252のビームサイズはポート210-2で与えられるポンプ光252のビームサイズと異ならせてよい(例えば、それより小さくしてよい)。このような場合には、レンズ212-2及びレンズ212-3は、レンズ212-2及びレンズ212-3を通過した後にポンプ光がポート210-2で必要とされる(例えば、より大きい)ビームサイズにサイズ変更されるように配置してよい。
【0034】
いくつかの実施形態(例えば、小型光増幅器200、図3Aと関連する小型光増幅器300)では、レンズ212-4及びレンズ212-5は反射コンポーネント226に向かう光路上の増幅された光254をサイズ変更するとともにポート210-3に向かう光路上の増幅された信号光256をサイズ変更するビーム成形光学系として働く。いくつかの実施形態では、小型光増幅器200のチューナブルフィルタ(例えば、分散コンポーネント224と反射コンポーネント226とにより形成されるチューナブルフィルタ)と関連する分解能を向上させるために及び/又は小型光増幅器200の別のコンポーネント(例えば、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226及び/又はそれに類するもの)の性能要件を満足させるために、増幅された光254のサイズ変更(例えば、ビームサイズの拡大)が必要とされ得る。このような場合には、レンズ212-4及びレンズ212-5は、レンズ212-4及びレンズ212-5を通過した後に増幅された光254が分散コンポーネント224及び/又は反射コンポーネントにおいて必要とされる(例えば、より大きい)ビームサイズにサイズ変更されるように配置することができる。同様に、レンズ212-4及び212-5は信号光256をポート212-3に結合するために(例えば、ビームサイズが以前のサイズに戻るようにサイズ変更することができる。レンズ212-4及びレンズ212-5はまとめて小型光増幅器200のビーム成形光学系と称してよい。更に、いくつかの実施形態では、このビーム成形光学系は、例えば所定のコンポーネントを入射するビームのサイズと相対的な大きさにすることを可能にするため(例えば、比較的小さいサイズのビームに対して比較的小さいコンポーネントを使用することを可能にするため)、小型光増幅器200のサイズ縮小を促進することができる。特に、いくつかの実施形態では、このビーム成形光学系は小型光増幅器200に示されるコンポーネント以外の1つ以上の他のコンポーネント(例えば、異なる数のレンズ、異なるタイプのレンズ、一組のプリズム、等)により形成することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、レンズ212-4及び/又はレンズ212-5は、(例えば、レンズ212-4及び/又はレンズ212-5を通過するビームが円形を維持するように)円形レンズとしてよい。代わりに、レンズ212-4及び/又はレンズ212-5は、増幅された光254及び増幅された信号光256を一方向(例えば、図2Aの紙面に平行な方向)にのみサイズ変更する円柱レンズとしてもよい。いくつかの実施形態では、ビーム成形光学系はレンズ212-4及びレンズ212-5よりはむしろアナモルフィックプリズムを用いて形成してもよく、その例は図4A及び4Bに関して以下で説明される。
【0036】
いくつかの実施形態では、レンズ212-4及びレンズ212-5は分散コンポーネント224及び/又は反射コンポーネント226とともに、増幅された光254の光路と増幅された信号光256の光路との間にオフセットが生成されるように配置することができる。言い換えれば、レンズ212-4及びレンズ212-5は分散コンポーネント224及び/又は反射コンポーネント226とともに、増幅された信号光256の光路が増幅された光254の光路と異なるように配置することができる。いくつかの実施形態では、このオフセットは増幅された光254と増幅された信号光256を以下で述べるようにミラー216-2の同一表面で異なる方向に向けることができる。
【0037】
レンズ212-6は増幅された信号光256を小型光増幅器200により出力するためにポート210-3に収束するレンズ(例えば円形レンズ)を含む。
【0038】
アイソレータ214は光のビームが光路に沿って不所望の方向に伝搬するのを阻止(即ちブロック)するコンポーネントを含む。例えば、アイソレータ214は、反射された信号光250及び/又は反射された増幅された光254(例えば、信号光250の一部分及び/又は増幅された光254の一部分)がポート210-1及び/又はポート210-4に受光されるのを阻止又はブロックするように配置することができる。図2Aに示されるように、アイソレータ214はポート210-1とミラー216-1との間の光路及びポート210-4とミラー216-1との間の光路に配置することができる。
【0039】
特に、小型光増幅器200は単一のアイソレータ214(例えば、これを通して信号光250と増幅された光254が伝搬する)を含むが、いくつかの実施形態では、小型光増幅器200は複数のアイソレータ214を含んでもよい。例えば、信号光250と増幅された光254との間のクロストークを低減するために、(例えば、信号光250と増幅された光254を実質的に異なる角度で発射させるなどして)信号光250と増幅された光254の光路を実質的に非平行に設計してもよい。いくつかの実施形態では、小型光増幅器200は1対のアイソレータ214(例えば、信号光250を伝搬するアイソレータ214と増幅された光254を伝搬するアイソレータ214)を含んでもよい。
【0040】
ミラー216は伝搬するビームの折り畳み光路を生成するミラーを含む。特に、ミラー216-1及びミラー216-2(例えば、図2Aに“L”で示すプリズムミラー216-2の左面)は信号光250の折り畳み光路を生成するように配置することができる。ミラー216-3はポンプ光252の折り畳み光路を生成するように配置することができる。ミラー216-1、ミラー216-2(例えば、図2Aに“R”で示すプリズムミラー216-2の右面)及びミラー216-5は増幅された光254の折り畳み光路を生成するように配置することができる。ミラー216-5、ミラー216-2(例えば、図2Aに“R”で示すプリズムミラー216-2の右面)及びミラー216-4は増幅された信号光256の折り畳み光路を生成するように配置することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、小型光増幅器200のミラー216により生成される折り畳み光路は、(例えば、上述した従来の光増幅器などの、一般的に直線的配置を使用し、畳み光路を実装しない光増幅器と比較して)小型光増幅器200のサイズ(例えば長さ及び/又は幅)を縮小することができる。いくつかの実施形態では、小型光増幅器200の1つ以上のミラー216は図2Aに示すように平面ミラーとしてよい。加えて又は代わりに、小型光増幅器200の1つ以上のミラー216は折り畳み光路の生成に加えてビーム成形機能も提供する曲面ミラーとしてもよい。いくつかの実施形態では、小型光増幅器200の1つ以上のミラー216は固定ミラー又は駆動ミラー(例えば、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)ミラー)としてもよい。
【0042】
コンバイナ218は、光ビームを合波する、例えば第1の光ビーム(例えば、信号光250)を透過し(即ち、通し)、第2の光ビーム(ポンプ光252)を光ビームの波長、光ビームの方向、光ビームの光源又はそれに類するものに基づいて反射して合波するコンポーネントを含む。例えば、コンバイナ218は波長分割多重(WDM)フィルタ、低域通過フィルタ、ビームコンバイナ、又はそれに類するものを含んでよい。いくつかの実施形態では、コンバイナ218は約980ナノメートル(nm)の波長の光(例えば、ポンプ光252)を反射し、約1550nmの波長の光(例えば、信号光)を透過することができる。しかしながら、他の例も可能であり、コンバイナ218は1つ以上の他の波長の光を透過又は反射してよい。図2Aに示すように、いくつかの実施形態では、コンバイナ218は信号光250を受光し、信号光250をポート210-2へ(例えばレンズ212-2を介して)送出(透過)するように配置してよい。更に示すように、コンバイナ218はポンプ光252を受光し、ポンプ光252をポート210-2へ反射するように配置してよい。
【0043】
能動利得媒体220はポンプ光252を用いて信号光250を増幅する利得媒体(例えば、エルビウム、ネオジム、イットリウム、プラセドジム、ツリウム等の希土類イオンが添加されたファイバ)を含む。例えば、能動利得媒体220がエルビウム添加ファイバである場合には、約980nmの波長を有するポンプ光252で能動利得媒体220のエルビウムイオンを励起することによって約1550nmの波長を有する信号光250を誘導放出により増幅することができる。いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、能動利得媒体220は、能動利得媒体220の入力端がコンバイナ218からの信号光250及びポンプ光252を(例えば、レンズ212-2を介して)受光するように、ポンプ210-2に結合することができる。更に示されるように、能動利得媒体220は、能動利得媒体220の出力(即ち、増幅された光254)がポート210-4から発射されるようにポート210-4に結合することができる。いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、能動利得媒体220は小型光増幅器200の平面光学パッケージの上に配置することができる。代わりに、いくつかの実施形態において、能動利得媒体220は小型光増幅器200の平面光学パッケージに外付けにしてもよい。いくつかの実施形態では、能動利得媒体220は、(上述のような)ドープファイバ、ドープガラスロッド、ドープ平面導波路、及び/又はそれに類するもの(例えば、ドープ光ファイバ以外のもの)としてもよい。
【0044】
光源222はポンプ光252をポート210-2に向かう光路に放出するレーザダイオードである。例えば、いくつかの実施形態では、光源222は、レーザ波長を制御する内蔵分布ブラッグ反射器(DBR)を含む分布帰還型(DFB)レーザダイオード、ファブリペロ(FP)レーザダイオード、レーザ波長を制御するファイバブラッグ格子を有するダイオードレーザ、レーザ波長を制御する反射型狭帯域デバイス(例えば、DBR、ブラッグ格子、狭帯域反射器、及び/又はそれに類するもの)を有するダイオードレーザ、及び/又はそれに類するものとすることができる。
【0045】
分散コンポーネント224は増幅された光254を波長に基づいて分散された波長のサブビームに分離するコンポーネントを含む。例えば、分散コンポーネント224は回折格子、プリズム、エショエル格子、グリズム、及び/又はそれに類するものを含んでよい。いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、分散コンポーネント224はレンズ212-5と反射コンポーネント226との間の増幅された光の光路に配置してよい。いくつかの実施形態では、分散コンポーネント224と反射コンポーネント226は、以下で説明されるように、ポート210-3へ向かう光路への増幅された信号光256の送出と関連するチューナブルフィルタを共同で形成し得る。
【0046】
反射コンポーネント226は増幅された光254を受光し、増幅された光254の一部分(即ち、増幅された光254の所望の波長部分又はそれに近い波長部分であり、増幅された信号光とも称される)を(小型光増幅器200により出力するために)ポート210-3に向かう光路へ送出(反射)するコンポーネントを含む。例えば、反射コンポーネント226は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)ミラー、LOCOS(Liquid Crystal on Silicon)、及び/又はそれに類するものを含んでよい。いくつかの実施形態では、反射コンポーネント226は上述した分散機能を与えるために反射コンポーネント226の表面に格子を含んでもよい。このような場合には、小型光増幅器200は分散コンポーネント224を含まなくてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、分散コンポーネント224及び反射コンポーネント226は共同してチューナブルフィルタを形成し得る。例えば、分散コンポーネント224は増幅された光254を(例えば、図2Aの紙面に平行な方向に分散された波長のサブビームに分離するため、各波長のサブビームは分散コンポーネント224から異なる角度で射出する。従って、増幅された光254の分散された波長のサブビームは反射コンポーネント226の表面上の異なる位置に入射する。ここで、反射コンポーネント226は、特定の波長チャネルのサブビーム(例えば、増幅された信号光256と称される、増幅された光254の所望の波長部分又はそれに近い波長部分)がポート210-3に結合する光路に送出されるように特定の角度に調整することができる。小型光インタフェース増幅器200において、増幅された光254の他の波長のサブビームはミスアライメントであるため、これらの他の波長のサブビームはポート210-3に結合しない。いくつかの実施形態では、分散コンポーネント224と反射コンポーネント226とにより構成されるチューナブルフィルタは(例えば、反射コンポーネント226に供給される電圧量を調整することによって)反射コンポーネント226の角度を所望の波長又はそれに近い波長の部分がポート210-3に向かう光路に出力されるように調整することで所望の波長に調整することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、小型光学増幅器200のチューナブルフィルタは上述したように分散コンポーネント224を含んでよい。加えて又は代わりに、チューナブルフィルタは1つ以上の他のコンポーネント、例えば薄膜フィルタ、エタロン、及び/又はそれに類するもの、を含んでもよい。一般的に、小型光増幅器200のチューナブルフィルタは小型光増幅器200の光路上の増幅信号254を受光し、小型光増幅器200のポート210-3と結合する別の光路に増幅された信号光256(即ち、増幅された信号光の所望の波長又はそれに近い波長の部分)を送出する。いくつかの実施形態において、小型光増幅器200が分散コンポーネント224を含まない場合には、伝送パワー又は反射パワーをPD228へ引き出すために部分パワー反射フィルタを(分散コンポーネント224の配置と同様に)配置してもよい。
【0049】
PD228は増幅された信号光256の出力パワーをモニタする任意のフォトダイオード(又はフォトダイオードアレイ)を含む。いくつかの実施形態では、PD228は増幅された信号光256のゼロ次伝送パワーを受光することができ、その場合には増幅された信号光256のゼロ次の伝送パワーがポート210-3に向かう光路に沿って伝搬している間に分散コンポーネント224によりPD228に向けられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、小型光増幅器200のコンポーネントは平面光学パッケージ内に配置される。いくつかの実施形態では、平面光学パッケージは約4mm未満、例えば3.5mm、の厚さとしてよい。いくつかの実施形態では、平面光学パッケージは約12mm未満、例えば8mm、の幅としてよい。いくつかの実施形態では、平面光学パッケージは約22mm未満、例えば18mm、の長さとしてよい。いくつかの実施形態では、小型光増幅器200の平面光学パッケージは約1立方センチメートル未満のサイズとしてよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、小型光増幅器200の1つ以上のコンポーネントは平面光学パッケージの密閉された部分内に配置してよい。例えば、小型光増幅器100の光学窓(例えば、図2Aに網掛け矩形で示されている)の右側のコンポーネント、例えば光源222、反射コンポーネント226、及び小型光増幅器200のビーム成形光学系(例えばレンズ212-4及びレンズ212-5)は平面光学パッケージの密閉された部分内に配置してよい。特に、いくつかの実施形態では、1つ以上のコンポーネント(例えば、ミラー216-3)は密閉された部分の外部に配置してよく、よって密閉部分が密閉された後でのアライメント調整が可能になる。
【0052】
小型光増幅器220の一動作例において、図2Bを参照すると、ポート210-1(例えば、入力ファイバに結合されている)が信号光250をポート210-1からポート210-2に向かう光路(第1の光路と呼ばれることもある)に発射する。図2Bに示すように、信号光250はアイソレータ241中を伝搬し、ミラー216-1及びミラー216-2の左面によりコンバイナ218に向けられる。コンバイナ218は信号光250をレンズ212-2を介してポート210-2に送出(透過)する。
【0053】
図2Cを参照すると、光源222がポンプ光252を光源222からポート210-2に向かう光路(第2の光路と呼ばれることもある)に発射する。図2Cに示すように、ポンプ光252はミラー216-3によりコンバイナ218に向けられる。コンバイナ218はポンプ光252をレンズ212-2を介してポート210-2に送出(反射)する。いくつかの実施形態では、上述したように、レンズ212-3及びレンズ212-2はポンプ光252をサイズ変更するよう機能する。能動利得媒体220は信号光250とポンプ光252から増幅された光254を生成する。
【0054】
図2Dを参照すると、ポート210-4(能動利得媒体220の出力端に結合されている)は増幅された光254をポート210-4から反射コンポーネント226に向かう光路(第3の光路と呼ばれることもある)に発射する。図2Dに示すように、増幅された光254はアイソレータ214中を伝搬し、ミラー216-1及びミラー216-2の右面により小型光増幅器200のビーム成形光学系(例えばレンズ212-4及びレンズ212-5)に向けられる。上述したように、小型光増幅器200のビーム成形光学系は、(分散コンポーネント224及び/又は反射コンポーネント226により形成されるチューナブルフィルタと関連する分解能を向上させる、分散コンポーネント224及び/又は反射コンポーネント226の要件を満足させる、等のために、増幅された光254をサイズ変更する(例えば、そのビームサイズを拡大する)。更に示すように、増幅された光254はミラー216-5により小型光増幅器200のチューナブルフィルタ(例えば、分散コンポーネント224及び反射コンポーネント226)に向けられる。
【0055】
上述したように、図2Eを参照するに、小型光増幅器200のチューナブルフィルタ(例えば、分散コンポーネント224及び反射コンポーネント226を含む)は増幅された信号光256(即ち、所望の波長部分又はその近くの波長部分)を反射コンポーネント226からポート210-3に向かう光路(第4の光路と呼ばれることもある)に向ける。上述したように、増幅された信号光256のゼロ次の送信パワーはPD228に透過され得る。小型光増幅器200のビーム成形光学系は(例えば、増幅された信号光256を以前のビームサイズにサイズ変更するために)増幅された信号光256をサイズ変更することができる。図2Eに更に示されるように、ミラー216-5.ミラー216-2の右面、及びミラー216-4は増幅された信号光256をレンズ212-6を介してポート210-3に向け、小型光増幅器200から出力する。
【0056】
図2A-2Eと関連して示され、説明されたコンポーネントの数及び配置は例として与えられている。実際には、小型光増幅器200は図2A-2Eに示すものより多くのコンポーネント、少ないコンポーネント、異なるコンポーネント、異なる大きさのコンポーネント、及び/又は異なる配置のコンポーネントを含んでよい。
【0057】
図3A-3Dは別の例示的な小型光増幅器300と関連する図である。図3Aに示すように、小型光増幅器300は、一組のポート210(例えば、ポート210-1~ポート210-4)、一組のレンズ212(例えば、レンズ212-1~レンズ212-6)、アイソレータ214、一組のミラー216(例えば、ミラー216-1~ミラー216-5)、コンバイナ218、能動利得媒体220、光源222、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226、PD228、空間フィルタ230、及びタップフィルタ232を含んでよい。小型光増幅器300の1つ以上の他のコンポーネント(例えば、アイソレータ214、ミラー216-1~216-5、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226、PD228、空間フィルタ230、タップフィルタ232、及び/又はこれに類するもの)は図1Bの小型光増幅器150のフリースペース光学系115に対応してよい。
【0058】
ポート210、アイソレータ214、ミラー216、コンバイナ218、能動利得媒体220、光源222、分散コンポーネント224、及び反射コンポーネント226は図2A-2Eと関連して記載したものと同様に動作し配置されてよい。
【0059】
小型光増幅器300において、PD228は上述したように動作してよい。しかし、図3Aに示すように、PD228は(例えば、小型光増幅器200の場合のように分散コンポーネント224においてゼロ次透過された増幅された信号光256を受光するPD228と異なり)増幅された信号光が空間フィルタ230を通過した後タップフィルタ232によりPD228へ送出(反射)される増幅された信号光256の一部分を受光するように配置してもよい。
【0060】
空間フィルタ230は、増幅された光254の1つ以上の不所望の波長部分(例えば、所望波長又はその近くにない部分、例えば残存ポンプ光252、小型光増幅器300で発生される雑音、及び/又はそれに類するもの)を除去するコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、空間フィルタ230は増幅された光254及び増幅された信号光を方向づける一組の孔(例えば、エッチング加工金属孔)を含んでよい。空間フィルタ230に関する更なる詳細は図3B及び3Cに関して以下で説明される。
【0061】
タップフィルタ232は、増幅された信号光256の一部分をPDに向けるが、増幅された信号光の残りの部分はポート210-3に向かう光路上を進み続けさせることができるコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、タップフィルタ232は増幅された信号光の一部分(約3%以下のパワー)をPD228へ反射するが、増幅された信号光256の残部(例えば約97%を超えるパワー)はポート210-3に向かう光路上を進み続けさせることができる。
【0062】
図3B及び3Cはそれぞれ空間フィルタ230の上面図及び空間フィルタ230の断面図である。図3B及び3Cに示すように、光路上を反射コンポーネント226へ伝搬する増幅された光254は第1のアパーチャを通って空間フィルタ230を通過することができる。更に示すように、光路上をポート210-3へ伝搬する増幅された信号光256は第2のアパーチャを通って空間フィルタを通過する。図3B及び3Cにそれぞれ点線の矢及び点線の円で示すように、増幅された光254の他の部分(例えば、不所望波長の部分、反射コンポーネント226によりポート210-3に光路に沿って送られない増幅された光254の部分)はこれらの部分をブロック又は方向変更する空間フィルタの部分に入射し得る(例えば、その結果これらの部分は吸収されるか、もはやポート210-3への光路付近の光路を伝搬することは許されない)。
【0063】
いくつかの実施形態では、このような空間フィルタリングはPD228の周波数応答を向上させることができる。例えば、図3Dの左側の図を参照すると、空間フィルタ230により提供される空間フィルタリングなしの場合には、PD228はポート210-3を射出する波長範囲より広い波長範囲に応答する。図3Dの右側の図を参照すると、所定の位置に空間フィルタ230を備える場合には、PD228はポート210-3と同様の波長範囲に応答することができ、よってPD228はより正確な出力信号パワー指示を提供することができる。
【0064】
小型光増幅器300の一実施形態では、図3Aを参照すると、ポート210-1(例えば、入力ファイバに結合される)は信号光250をポート210-2に向かう光路(例えば、第1の光路と称することもある)に発射する。信号光250はアイソレータ214中を伝搬し、ミラー216-1及びミラー216-2の左面によりコンバイナ218に向けられる。コンバイナ218は信号光250をレンズ212を介してポート210-2(即ち、能動利得媒体220の入力端)に送出(透過)する。
【0065】
更に示すよう、光源222はポンプ光252を光源222からポート210-2に向かう光路(第2の光路と称することもある)に発射する。ポンプ光252はミラー210-3によりコンバイナ218に向けられる。コンバイナ218はポンプ光252をレンズ212-2を介してポート210-2に送出(反射)する。いくつかの実施形態では、上述したように、レンズ212-3及びレンズ212-2はポンプ光252をサイズ変更するよう機能する。能動利得媒体220は信号光250とポンプ光252から増幅された光254を生成する。
【0066】
更に図3Aに示すように、ポート210-4(例えば、能動利得媒体220の出力端に結合される)は増幅された光254をポート210-4から反射コンポーネント226に向かう光路(第3の光路と称することもある)に発射する。増幅された光254はアイソレータ214中を伝搬し、ミラー216-1及びミラー216-2の右面により小型光増幅器200のビーム成形光学系(例えばレンズ212-4及びレンズ212-5)に向けられる。上述したように、小型光増幅器200のビーム成形光学系は増幅された光254をサイズ変更する(例えば、そのビームサイズを拡大する)。小型光増幅器300では、増幅された光254は空間フィルタ230の第1の孔を通過する。更に示すように、増幅された光254はミラー216-5により小型光増幅器300のチューナブルフィルタ(例えば、分散コンポーネント224及び反射コンポーネント226)に向けられる。
【0067】
小型光増幅器300のチューナブルフィルタは増幅された信号光256(即ち、所望の波長部分又はその近くの波長部分)を反射コンポーネント226からポート210-3に向かう光路(第4の光路と称することもある)に向ける。小型光増幅器300のビーム成形光学系は(例えば、増幅された信号光256を以前のビームサイズにサイズ変更するために)増幅された信号光256をサイズ変更することができる。更に、小型光増幅器300では、増幅された信号光256は空間フィルタ230の第2の開口を通過する(例えば、それと同時に増幅された光256の他の部分は空間フィルタ230によりブロック又は方向変更される。更に示すように、ミラー216-5.ミラー216-2の右面、及びミラー216-4が増幅された信号光256をタップフィルタ232に向ける。タップフィルタ232は増幅された信号光256の一部分をPD228に向け、増幅された信号光256の残部をレンズ212-6を介してポート210-3に向け、小型光増幅器300から出力する。
【0068】
図3A-3Cと関連して示され、説明されたコンポーネントの数及び配置は一例として与えられたものである。実際には、小型光増幅器300は、図3A-3Cに示すコンポーネントより多数のコンポーネント、少数のコンポーネント、異なるコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、及び/又は異なる配置のコンポーネントを含んでよい。更に、図3Dは単に例示を目的として与えられたものであり、他の例も可能である。
【0069】
図4A及び4Bはそれぞれ追加の例示的な小型光増幅器400及び450を示す図である。図4A及び4Bに示すように、小型光増幅器400及び450はそれぞれ、一組のポート210(例えば、ポート210-1~ポート210-4)、一組のレンズ212(例えば、レンズ212-1~レンズ212-3及びレンズ210-6)、アイソレータ214、一組のミラー216(例えば、ミラー216-1~ミラー216-5)、コンバイナ218、能動利得媒体220、光源222、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226、及び一組のアナモルフィックプリズムを含んでよい(例えば、アナモルフィックプリズム234-1及び234-2が小型光増幅器400に含まれ、アナモルフィックプリズム234-1~234-3が小型光増450に含まれる)。小型光増幅器400及び450の1つ以上のコンポーネント(例えば、アイソレータ214、ミラー216-1~216-5、分散コンポーネント224、反射コンポーネント226、アナモルフィックプリズム234-1~234-3、及び/又はそれに類するもの)は図1Bの小型光増幅器150フリースペース光学系115に対応してよい。
【0070】
ポート210、レンズ212、アイソレータ214、ミラー216、コンバイナ218、能動利得媒体220、光源222、分散コンポーネント224、及び反射コンポーネント226は図2A-2Eと関連して記載したものと同様に動作し配置されてよい。特に、図4A及び4Bに示されていないが、小型光増幅器400及び/又は小型光増幅器450はPD228、空間フィルタ230、及び/又はタップフィルタ232を含んでよく、それらは上述したものと同様に動作し配置されてもよい。
【0071】
アナモルフィックプリズム234は反射コンポーネント226に向かう光路上の増幅された光254をサイズ変更するとともに、ポート210-3に向かう増幅された信号光256をサイズ変更するプリズムである。しかしながら、円形レンズ(例えば、レンズ212-4及びレンズ212-5)と異なり、アナモルフィックプリズム234は増幅された光254及び増幅された信号光256を一方向(例えば、図4A及び4Bの紙面に平行な方向)にのみサイズ変更する。図4Aは2つのアナモルフィック234を含む例示的な小型光増幅器400を示すが、図4Bは3つのアナモルフィック234を含む(但しミラー216-5は含まない)例示的な小型光増幅器450を示す。
【0072】
いくつかの実施形態では、上述したように、小型光増幅器200のチューナブルフィルタ(例えば、分散コンポーネント224と反射コンポーネント226とにより形成されるチューナブルフィルタ)と関連する分解能を向上させるために及び/又は小型光増幅器400の別のコンポーネント、例えば、分散コンポーネント224及び/又は反射コンポーネント226、の性能要件を満足させるために、増幅された光254のサイズ変更が必要とされ得る。このような場合には、アナモルフィックプリズム234をこのようなサイズ変更を実行するように配置してよい。言い換えれば、(例えば、小型光増幅器200及び小型光増幅器300の場合のように、レンズ212-4及びレンズ212-5によらずに、)一組のアナモルフィックプリズム234によって小型光増幅器400又は小型光増幅器450のビーム成形光学系を形成してよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、小型光増幅器400及び450は信号光250を上述した方法と同様に増幅するように動作することができる。
【0074】
図4A及び4Bと関連して示され、説明されたコンポーネントの数及び配置は一例として与えられたものである。実際には、小型光増幅器400及び/又は450は、図4A及び4Bに示すコンポーネントより多数のコンポーネント、少数のコンポーネント、異なるコンポーネント、異なるサイズのコンポーネント、及び/又は異なる配置のコンポーネントを含んでよい。更に、図3Dは単に例示を目的として与えられたものであり、他の例も可能である。
【0075】
本明細書に記載したいくつかの実施形態は光学ベンチのような平面光学パッケージの上に組み立てられたコンポーネントを使用する小型光増幅器を提供する。この小型光増幅器は(上述した従来の光増幅器と比較して)高さ、長さ及び/又は幅が減少した寸法を有する。加えて、この小型光増幅器は、光増幅器システム中を伝搬する光のためのフリースペース光学系-ファイバ結合及び/又はファイバ-フリースペース光学系結合を(上述した従来の光増幅器と比較して)より少なくすることで損失を減少させている。
【0076】
以上の開示は例証及び説明のために提示されているが、網羅的な説明を意図するものでも、実施形態を開示の正確な形態に限定することを意図するものでもない。様々な変更や変形が以上の開示に照らして可能であり、また実施形態の実施から得ることができる
【0077】
例えば、本明細書に記載した小型光増幅器は単段光増幅器であるが、いくつかの実施形態では多段光増幅器を形成するために複数の光増幅器を結合してもよい。例えば、2段の小型光増幅器を形成するために第1の小型光増幅器を第2の小型光増幅器の上に積み重ねてよい。このような場合には、第1の小型光増幅器及び第2の小型光増幅器200は1つ以上のコンポーネント、例えばミラー216を(例えばミラー216の高さを倍にすることによって)共有してよく、積み重ねたコンポーネント(例えば、積み重ねたレンズ、積み重ねたアイソレータ214、積み重ねた光源222、及び/又はそれに類するもの)を含んでよく、積み重ねたポート210を含んでよく、反射コンポーネント226のアレイ(例えば、MEMSアレイ)、及び/又はそれに類するものを含んでよい。
【0078】
別の実施形態として、小型光増幅器のコンポーネントは、単一の光源222により供給されるポンプ光を用いて2つ以上のビーム信号光250をポンピングする並列光増幅器を構成するように配置してよい。このような場合には、コンポーネント光増幅器は追加のポート210及び/又は1つ以上の他の追加のコンポーネント及び/又は上述の実施形態と異なるコンポーネント又は異なる配置のコンポーネントを含んでよい。
【0079】
別の実施形態として、小型光増幅器のコンポーネントはポンプスイッチング機能を提供するように構成してもよく、それによって光源222により供給されるポンプ光を信号光250の1つ以上の個別のビームの励起と関連して選択的に方向づけることができる。
【0080】
別の実施形態として、小型光増幅器のコンポーネントはポンプ合波機能を提供するように構成してもよく、それによって2つ以上のそれぞれの光源222により供給されるポンプ光の2つ以上のビームが信号光250の励起に使用される。このような場合には、小型光増幅器は追加の光源222及び/又は1つ以上の他の追加の及び/又は異なるコンポーネント又は上述の実施形態と異なる配置のコンポーネントを含んでよい。
【0081】
別の実施形態として、小型光増幅器のコンポーネントは偏光多重ポンプ合波機能を提供するように構成してよく、それによってそれぞれの光源222により供給されるポンプ光のビームが信号光250のビームを異なる偏光で励起するために使用される。このような場合には、小型光増幅器は、追加の光源222、ポート210、及び/又は1つ以上の他の追加の及び/又は異なるコンポーネント又は上述の実施形態と異なる配置のコンポーネントを含んでよい。
【0082】
別の実施形態として、本明細書に記載した小型光増幅器は反射コンポーネント226を分散コンポーネント224とともに用いてチューナブルフィルタを形成するが、いくつかの実施形態では、反射コンポーネント226は(例えば、多段光増幅器内の)可変光減衰器(VOA)のスイッチングエンジンとして、スイッチャブル利得光増幅器の光スイッチとして、及び/又はそれに類するものとして使用することができる
【0083】
別の実施形態として、WDMフィルタの形態のコンバイナ218を含む小型光増幅器の場合には、小型光増幅器はコンバイナ218と関連する光路内に1つ以上の他の光学コンポーネント、例えば利得平坦化フィルタ(GFF)、バンドパスフィルタ(BPF)、及び/又はそれに類するもの、を含み得る。
【0084】
特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載及び/又は明細書に開示されているが、これらの組み合わせは、可能な実施態様の開示を限定することを意図したものではない。実際には、これらの特徴の多くを、具体的に特許請求の範囲に記載及び/又は明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。別記の各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属し得るが、可能な実施態様の開示は、クレームセットの他の全ての請求項と組み合わせた各従属請求項を含む。
【0085】
本明細書で用いられる要素、動作、又は指示はいずれも、その旨の記載がない限り重要なものとも必須なものと解釈すべきでない。また、本明細書で用いられる場合、冠詞「a」及び「an」は、1つ又は複数の項目を含むことが意図され、「1つ又は複数」と交換可能に用いられ得る。さらに、本明細書で用いられる場合、用語「組」は、1つ又は複数の項目(例えば、関連項目、非関連項目、関連項目及び非関連項目の組み合わせ等)を含むことが意図され、「1つ又は複数」と交換可能に用いられ得る。1つの項目のみが意図される場合、用語「1つ」又は同様の文言が用いられる。また、本明細書で用いられる場合、用語「有する」等は、オープンエンドな用語であることが意図される。さらに、語句「に基づく」は、別段の明記がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味するとことが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B