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特許7271214情報通知装置および災害時状況通知システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】情報通知装置および災害時状況通知システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20230501BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 311J
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019024632
(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公開番号】P2020136771
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 昭広
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-087365(JP,A)
【文献】特開2007-280167(JP,A)
【文献】特開2002-104137(JP,A)
【文献】特開2003-244338(JP,A)
【文献】特開2013-109684(JP,A)
【文献】特開2018-129693(JP,A)
【文献】特開2018-138844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
H04Q 9/00- 9/16
F24F11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
G08B19/00-31/00
H03J 9/00- 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機に備えられるセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末に通知する情報通知部を含み、
前記情報通知部は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする情報通知装置。
【請求項2】
空気調和機に備えられるセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末に通知する情報通知部を含み、
前記情報通知部は、前記通信端末から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする情報通知装置。
【請求項3】
空気調和機に備えられるセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末に通知する情報通知部を含み、
前記空気調和機は空気清浄機であり、
前記影響に、前記空気清浄機が設置されている室の窓が開いたかの状態、前記空気清浄機と同室のエアコンが停止したかの状態、前記空気清浄機と同室のものが倒れたかの状態、前記空気清浄機が転倒したかの状態、および前記空気清浄機の近傍に周囲のものが倒れたり落下したりしたかの状態、のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする情報通知装置。
【請求項4】
前記情報通知部は、前記空気調和機との通信が途絶している場合は通知が回復するまで待機し、通信が回復すると、回復後に取得される前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする請求項又はに記載の情報通知装置。
【請求項5】
前記情報通知部は、前記空気調和機との間の通信が所定の期間途絶すると、その回復時に、回復後に取得される前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする請求項に記載の情報通知装置。
【請求項6】
前記情報通知部は、前記メッセージ情報を通知した時点から所定時間経過すると、前記メッセージ情報を通知した後に取得される前記検出情報に基づいて、再度、災害による影響を推定し、推定に応じた続報のメッセージ情報を通知することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報通知装置。
【請求項7】
前記情報通知部は、前記メッセージ情報と共に、前記センサ部に含まれるセンサの最新の検出値、あるいは検出値の変化情報を通知することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報通知装置。
【請求項8】
前記センサ部は、温度センサ、湿度センサ、ほこりセンサ、においセンサ、PM2.5センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報通知装置。
【請求項9】
センサ部を備える空気調和機と、
前記空気調和機と通信可能な通信端末と、
前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部を含むサーバと、を備え
前記情報通知部は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする災害時状況通知システム。
【請求項10】
センサ部を備える空気調和機と、
前記空気調和機と通信可能な通信端末と、
前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部を含むサーバと、を備え
前記情報通知部は、前記通信端末から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする災害時状況通知システム。
【請求項11】
センサ部を備える空気調和機と、
前記空気調和機と通信可能な通信端末と、
前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部と、を備え
前記情報通知部は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする災害時状況通知システム。
【請求項12】
センサ部を備える空気調和機と、
前記空気調和機と通信可能な通信端末と、
前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部と、を備え
前記情報通知部は、前記通信端末から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする災害時状況通知システム。
【請求項13】
空気調和機と通信可能な通信端末であって、前記空気調和機に備えられたセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を通知する情報通知部を含むサーバに対して、ユーザの指示を受け付けて前記メッセージ情報の通知を要求する情報要求部を備えることを特徴とする通信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機を含む災害時状況通知システムおよび情報通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能を持たせた家電を、専用のアプリケーションをダウンロードさせたスマートフォン等の通信端末から操作する技術があり、空気清浄機やエアコン等の空気調和機も操作対象に含まれる(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、サービス提供システムの一つとして、緊急地震速報等の災害情報をサーバが受信すると、それに応じた報知等をサーバに接続されている通信端末に送信するシステムもある。
【0004】
そして、災害と空気調和機とを結びつけた従来の技術として、特許文献2には、災害情報を受信して自機診断を行い、異常がある場合に運転を停止し、通信端末に通知する空気調和機が開示されている。また、特許文献3には、災害情報を受けて圧縮機等を自動停止させて二次災害を防止する空気調和機が開示されている。特許文献4には、空気調和機が設置されている室内の火災を検知して外部に報知する空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-345051号公報
【文献】特開2018-138844号公報
【文献】特開2011-202832号公報
【文献】特開2002-267233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自宅の近傍で地震や火災等の災害が発生したことを外出先で知る場合がある。このような場合に、外出先より自宅の状況を確認するためには、予めウェブカメラや専用の点検用設備を設置しておく必要があり、コスト的に簡単に導入できるものではない。
【0007】
特許文献2~4の技術によれば、空気調和機が故障した場合や火災が発生した場合に、空気調和機がこれを検知して通知するが、通知の対象が故障や火災に特化されている。
【0008】
本発明の一態様は、上記課題に鑑みなされたもので、コストを掛けることなく、災害発生時に自宅への影響を外出先から推測するのに役立つ情報を通信端末に通知する情報通知装置、災害時状況通知システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報通知装置は、空気調和機に備えられるセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末に通知する情報通知部を含み、前記情報通知部は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報通知装置は、空気調和機に備えられるセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末に通知する情報通知部を含み、前記情報通知部は、前記通信端末から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報通知装置は、空気調和機に備えられるセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末に通知する情報通知部を含み、前記空気調和機は空気清浄機であり、前記影響に、前記空気清浄機が設置されている室の窓が開いたかの状態、前記空気清浄機と同室のエアコンが停止したかの状態、前記空気清浄機と同室のものが倒れたかの状態、前記空気清浄機が転倒したかの状態、および前記空気清浄機の近傍に周囲のものが倒れたり落下したりしたかの状態、のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る災害時状況通知システムは、センサ部を備える空気調和機と、前記空気調和機と通信可能な通信端末と、前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部を含むサーバと、を備え、前記情報通知部は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする。
本発明の一態様に係る災害時状況通知システムは、センサ部を備える空気調和機と、前記空気調和機と通信可能な通信端末と、前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部を含むサーバと、を備え、前記情報通知部は、前記通信端末から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る別の災害時状況通知システムは、センサ部を備える空気調和機と、前記空気調和機と通信可能な通信端末と、前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部と、を備え、前記情報通知部は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする。
本発明の一態様に係る別の災害時状況通知システムは、センサ部を備える空気調和機と、前記空気調和機と通信可能な通信端末と、前記センサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末に通知する情報通知部と、を備え、前記情報通知部は、前記通信端末から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る通信端末は、空気調和機と通信可能な通信端末であって、前記空気調和機に備えられたセンサ部から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を通知する情報通知部を含むサーバに対して、ユーザの指示を受け付けて前記メッセージ情報の通知を要求する情報要求部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、コストを掛けることなく、災害発生時に自宅への影響を外出先から推測するのに役立つ情報を通信端末に通知する災害時状況通知システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る災害時状況通知システムの概略構成を示す図である。
図2】上記災害時状況通知システムの構成を示すブロック図である。
図3】上記災害時状況通知システムに含まれるサーバの情報通知部が、センサ部の検出情報に基づいて空気清浄機の設置空間の災害による影響を推定する手法およびメッセージ情報の例を示す説明図である。
図4】上記災害時状況通知システムに含まれる通信端末の表示部に通知Iのメッセージ情報がノーティフィケーション機能で表示された画面の一例を示す図である。
図5】上記通信端末の表示部に表示されたお知らせ一覧画面の一例を示す図である。
図6】上記通信端末の表示部に表示された履歴画面の一例を示す図である。
図7】上記通信端末の表示部に表示された操作画面の一例を示す図である。
図8】第3の実施形態に係る災害時状況通知システムにおける、通信端末の表示部に表示されたホーム画面の一例を示す図である。
図9】通信端末の表示部に表示されたホーム画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、図1図7を用いて詳細に説明する。
【0016】
(災害時状況通知システム1の概略構成)
図1は、本実施形態に係る災害時状況通知システム1の概略構成を示す図である。図1に示すように、災害時状況通知システム1は、ユーザ宅41に設置された空気調和機としての空気清浄機10とサーバ20と空気清浄機10のユーザの通信端末30とを備え、それぞれが通信ネットワーク42を介して接続されている。なお、図1では、災害時状況通知システム1におけるあるユーザ宅41にある1台の空気清浄機10が設置されている部分を示しているが、実際には、複数のユーザ宅に設置された複数の空気清浄機がサーバ20に接続されている。
【0017】
空気清浄機10は、通信ネットワーク42に接続してサーバ20と通信する。ユーザ宅41には、通信ネットワーク42の一部をなす無線LAN(Wireless Local Area Network)等が整備されている。無線LANの中継器40は、インターネットを含む通信ネットワーク42と接続されている。中継器40は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFi(登録商標)アクセスポイント等の通信機器である。なお、ここでは、通信ネットワーク42としてインターネットを含む構成を例示しているが、電話回線網、移動体通信網、CATV(CAble TeleVision)通信網、衛星通信網等を利用することもできる。通信端末30と通信ネットワーク42におけるインターネットとの間は、4G(4th Generation)、LTE(Long Term Evolution)、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイント等を利用して接続される。
【0018】
サーバ20は、空気清浄機10と通信端末30との組み合わせ(紐付け)を登録している。サーバ20は、組み合わせが登録された(紐付けられた)通信端末30による空気清浄機10の操作(遠隔操作)を可能にする。サーバ20には、空気清浄機10より空気清浄機10の運転の内容を示す運転データ、室温や湿度等の後述するセンサ部15による検出情報を受信する。
【0019】
また、サーバ20は通信ネットワーク42を介して外部サービスのサーバある外部サーバ43とも接続されている。サーバ20は、外部サーバ43から災害情報を取得する。災害情報には、地震情報、土砂災害情報、洪水情報、竜巻情報等の自然災害の情報の他、火災や暴動の発生等の人的災害の情報が含まれる。
【0020】
そして、サーバ20は、後述する情報通知部24(図2参照)を備えた情報通知装置でもある。つまり、サーバ20は、空気清浄機10に備えられるセンサ部15から取得される検出情報に基づいて空気清浄機10が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を空気清浄機10と通信可能な通信端末30に通知する情報通知部24を含んでいる。
【0021】
通信端末30は、空気清浄機10のユーザのスマートフォンやタブレット等の通信端末である。通信端末30には、空気清浄機10を操作するための専用のアプリケーションがダウンロードされている。
【0022】
空気清浄機10は、空気を浄化する空清運転(空気清浄運転)を行う装置であり、サーバ20を介して通信端末30からの指示を受け付けると、該指示に基づいて、空清運転を行う。また、本実施形態において、空気清浄機10は加湿機能を有しており、加湿を伴う加湿空清運転も実行可能である。
【0023】
空気清浄機10は、図示してはいないが、室温センサ(温度センサ)、湿度センサ、ほこりセンサ、においセンサ、PM2.5センサ、照度センサ、加湿タンクの水量センサ、後ろパネルセンサ、PCIイオンユニットセンサ等の複数のセンサを備えている。空気清浄機10は、搭載しているセンサが検出した検出情報、および運転データをサーバ20に送信する。運転データには、運転種別(空気清浄、加湿空気清等)、運転モード(自動モード、風力設定モード等)、電源オン(運転開始)、電源オフ(停止)等の情報が含まれている。
【0024】
(空気清浄機10の構成)
図2は、災害時状況通知システム1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、空気清浄機10は、空清制御部11、通信部12、記憶部13、空清運転部14、センサ部15、入力部16等を備えている。
【0025】
通信部12は、空気清浄機10と外部装置(サーバ20等)との通信を可能にする。記憶部13は、空気清浄機10の動作に必要な各種の情報・プログラムを記憶している。空清運転部14は、空清運転、加湿空清運転等の機能を有し、空清制御部11の制御により、適宜それら動作を行う。
【0026】
センサ部15は、前述した室温センサ、湿度センサ、ほこりセンサ、においセンサ、PM2.5センサ、照度センサ、加湿タンクの水量センサ、後ろパネルセンサ、PCIイオンユニットセンサ等である。後ろパネルセンサは、空気清浄機10における後ろパネルが適切にセットされているかを検出するセンサであり、PCIイオンユニットセンサは、空気清浄機10におけるPCIイオンユニットが適切にセットされているかを検出するセンサである。なお、これら全てのセンサを備える必要はない。
【0027】
入力部16は、空気清浄機10に対する運転開始、運転停止、運転種別、運転モードの変更等のユーザ指示を受け付ける。入力部16は、リモコン信号を受け付けるものであってもよい。
【0028】
空清制御部11は、空気清浄機10の各部の動作を制御する。空清制御部11は、例えば、CPUや専用プロセッサ等の演算処理部等により構成されるコンピュータ装置からなり記憶部13に記憶されている情報・プログラムに従い、空気清浄機10の各部の動作を制御する。
【0029】
空清制御部11は、入力部16又は通信部12を介して通信端末30より受け付けたユーザ指示に応じて、空清運転部14を制御し、運転開始、運転停止、運転種別の変更、運転モードの変更等を行う。また、空清制御部11は、空気清浄機10の動作状態(運転中、停止中、運転中の運転種別、運転中の運転モード)の情報、およびセンサ部15が備える各種のセンサの検出情報を、通信部12を介してサーバ20に送信する。
【0030】
空清制御部11は、所定時間毎(例えば15分毎)に、通信部12を介してサーバ20に情報を送信する。空清制御部11は、検出情報にイレギュラーな変化があった場合、および運転開始、運転停止、運転種別の変更、運転モードの変更等が行われた場合、その都度サーバ20に情報を送信する。
【0031】
(サーバ20の構成)
図2に示すように、サーバ20は、サーバ20の各部の動作を制御するサーバ制御部21、通信部22、記憶部23等を備えている。通信部22は、サーバ20と外部装置(通信端末30、外部サーバ43、空気清浄機10等)との通信を可能にする。記憶部23は、サーバ20の動作に必要な各種の情報・プログラムを記憶している。
【0032】
サーバ制御部21は、例えば、CPUや専用プロセッサ等の演算処理部等により構成されるコンピュータ装置からなり記憶部23に記憶されている情報・プログラムに従い、サーバ20の各部の動作を制御する。サーバ制御部21には、上述した情報通知部24が構築される。
【0033】
情報通知部24は、前述したように、空気清浄機10に備えられるセンサ部15から取得される検出情報に基づいて空気清浄機10が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を空気清浄機10と通信可能な通信端末30に通知する。推定手法等については後述するが、情報通知部24は、災害発生前後におけるセンサ部15の検出情報を比較し、変化の有無、又は変化とその度合いを加味して、災害による影響を推定する。情報通知部24は、推定に基づいて推定に応じたメッセージ情報として、災害発生時に自宅への影響を外出先から推測するのに役立つ情報を通知する。
【0034】
また、本実施形態においては、情報通知部24は、空気清浄機10が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を外部サーバ43から受信すると、災害発生後に取得される検出情報に基づいて影響を推定し、メッセージ情報を通知する。
【0035】
サーバ20に空気清浄機10と通信端末30との組み合わせを登録する際に郵便番号を入力する仕組みの場合は、郵便番号に基づいて、ユーザ宅41が位置する地域が災害発生情報の地域に含まれているかを判断できる。また、災害発生後に取得した検出情報であるかは、災害発生情報に含まれる発生時間の情報と、検出情報の取得時間の情報とを比較することで判断できる。なお、情報通知部24が判断や、推定、およびメッセージ情報の送信に必要な情報は、記憶部23に格納されている。
【0036】
情報通知部24は、このようなメッセージ情報の通知を、災害情報受信後の短い時間、例えば5分以内に行う。これにより、メッセージ情報の通知を受けたユーザは、災害発生後の短い時間内に自宅への影響を外出先から推測して、必要な対処を講じることができる。
【0037】
また、本実施形態においては、情報通知部24は、必要な対処の一つとして、メッセージ情報の通知と共に空気清浄機10の停止を提案し、停止指示を受け付けるようになっている。つまり、ユーザが停止を選択すると、アプリケーションを起動して空気清浄機10を停止させる操作を受け付ける後述する操作画面(図7参照)を表示する。
【0038】
また、本実施形態においては、情報通知部24は、メッセージ情報と共に、センサ部15に含まれるセンサの最新の検出値、あるいは検出値の変化情報を通知するようになっている。これにより、通知を受けたユーザは、検出値を確認することができるので、自宅への影響をより精度よく推測することができる。
【0039】
また、本実施形態においては、情報通知部24は、空気清浄機10との通信が途絶している場合は通知が回復するまで待機し、通信が回復すると、回復後に取得される検出情報に基づいて災害による影響を推定し、メッセージ情報を通知する。
【0040】
これは、災害時にユーザ宅41において停電が発生した場合を想定している。停電が発生すると、中継器40が通信不能となり、空気清浄機10とサーバ20との通信が途絶する。その場合、災害後の検出情報がサーバ20に送信されないため、災害発生後に取得した検出情報を取得できず、情報通知部24は災害による影響を推定することができない。
【0041】
したがって、通信が途絶した場合は、通信の回復時に、回復後に取得した検出情報に基づいて災害による影響を推定してメッセージ情報を通知することで、通信途絶時にも、ユーザに役立つメッセージ情報を通知することができる。
【0042】
なお、ここでは、情報通知部24が、通信の回復を判断して通信回復時に影響を推定しれメッセージ情報を送信するが、例えば、空気清浄機10が通信の回復を判断して、通信回復時に、検出情報と共に、情報通知部24に対してメッセージ情報の通知するよう指示してもよい。
【0043】
さらに、本実施形態においては、情報通知部24は、メッセージ情報を通知した時点から所定時間経過すると、メッセージ情報を通知した後に取得される検出情報に基づいて災害による影響を推定し、推定に応じた続報のメッセージ情報を通知する。メッセージ情報を通知した後に取得される検出情報とは、所定時間経過時点で既に取得している検出情報、あるいは、その時点新たに取得し直した検出情報である。
【0044】
このような続報の通知は、例えば、災害情報受信後の所定時間後、例えば1h後とすることができる。続報の通知は、ユーザが外出中の状態で受け取ることで意味がある。したがって、第一報の通知後、30分から1時間程度とすることが好ましい。なお、続報の通知は、複数回行われてもよい。
【0045】
続報のメッセージ情報が通知されることで、ユーザは、新しい情報に基づいて自宅への影響を推測することができる。したがって、帰宅するまでの間に、より効果的な対処を行うことができ、また、影響が改善された場合は、そのことを早く知ることができる。
【0046】
(通信端末30の構成)
通信端末30は、通信端末30の各部の動作を制御する端末制御部31、通信部32、記憶部33、表示部34、入力部35、音声出力部36、発振部37等を備えている。通信部32は、通信端末30と外部装置(サーバ20、他の通信端末等)との通信を可能にする。記憶部33は、通信端末30の動作に必要な各種の情報・プログラムを記憶している。
【0047】
表示部34、音声出力部36、発振部37は、ユーザに情報を報知する報知部である。表示部34は文字や画像等の表示にて、音声出力部36は音や音声にて、発振部37は通信端末30を振動させることで、通知情報の内容もしくは通知情報の存在を報知する。入力部35は、ユーザからの指示入力を受け付けるものであり、キーやボタンによる入力、表示部34を用いたタッチ操作による入力、マイクによる音声入力等である。
【0048】
端末制御部31は、例えば、CPUや専用プロセッサ等の演算処理部等により構成されるコンピュータ装置からなり記憶部33に記憶されている情報・プログラムに従い通信端末30の各部の動作を制御する。端末制御部31には、空清操作部38および報知制御部39が構築される。
【0049】
空清操作部38は、空気清浄機10の操作を受け付ける。空清操作部38は、通信端末30にダウンロードされた専用のアプリケーション等により構築される。空清操作部38は、空気清浄機10を操作するための操作画面を表示部34に表示し、操作画面を用いて指示入力を受け付ける。空清操作部38が受け付けた指示内容は、サーバ20を介して空気清浄機10に送信され、空気清浄機10が指示された動作を実行する。
【0050】
報知制御部39は、上述した報知部(表示部34、音声出力部36、発振部37)を制御して、サーバ20よりメッセージ情報が通知されると、これを受信したタイミングでメッセージ情報を能動的に報知する。ここで、能動的に報知するとは、例えば、通信端末30における通知機能を使って表示部34の画面に表示することである。通知機能を使って表示するとはノーティフィケーションとして通知することである。
【0051】
これにより、空気清浄機10を操作するための専用のアプリケーションが起動していない状態(操作画面が開かれていない状態)や、画面がロックされている状態、あるいは画面に他のアプリケーションの画像が表示されている場合でも、サーバ20より受信したメッセージ情報をユーザに報知することができる。
【0052】
この場合、より好ましくは、音声出力部36又は発振部37又はその両方を用いて、着信音又は振動又はその両方と共に、メッセージ情報を表示部34に表示することである。報知部にLED等の発光部を備えている場合は、併せて発光部を用いてもよい。
【0053】
また、報知制御部39は、空気清浄機10の操作画面が表示されている状態でメッセージ情報が通知された場合も、メッセージ情報を操作画面にポップアップ表示させる等して目立つように表示する。
【0054】
(情報通知部24による推定とメッセージ情報)
次に、図3を用いて、情報通知部24による推定の手法、および推定に応じたメッセージ情報について説明する。図3は、情報通知部24が、センサ部15の検出情報に基づいて空気清浄機10の設置空間の災害による影響を推定する手法およびメッセージ情報の例を示す説明図である。
【0055】
図3に示すように、情報通知部24は、空気清浄機10のセンサ部15に含まれる、室温センサ、湿度センサ、ほこりセンサ、においセンサ、PM2.5センサ、照度センサ、加湿タンクの水量センサ、後ろパネルセンサ、およびPCIイオンユニットセンサから取得する出力値(検出値)の変化、又は変化とその度合いに基づいて、設置空間の災害による影響を推定する。例えば、室温および湿度の変化状態から以下のように推定する。
【0056】
図3のNo.1,No.2参照>
室温センサおよび湿度センサについては、検出値の変化を組み合わせて、窓割れやエアコンの停止を推定する。
【0057】
室温および湿度が共に低→高に変化した場合、「夏場に窓が割れたかも?」と推定する。つまり、このような状態変化は、夏場の冷房の効いた室内に外気が入り込んで状態であり、窓が開いている、または割れていると推定できる。
【0058】
室温および湿度が共に高→低に変化した場合、「冬場に窓が割れたかも?」と推定する。つまり、このような状態変化は、冬場の暖房の効いた室内に外気が入り込んで状態であり、窓が開いている、または割れていると推定できる。
【0059】
このような推定を行うと、情報通知部24は、「気温と湿度が急に変化しています(窓が開いているかもしれません) しばらく様子を見ます」といったメッセージ情報を通知する(通知I)。
【0060】
室温が低→高に変化し、湿度が高→低に変化した場合、「夏場に同じ部屋のエアコンが停止したかも?」と推定する。つまり、このような状態変化は、夏場にエアコンが停止して室温が上昇し、室内の絶対湿度は変わらないが、室温が上昇した分相対湿度が下がった状態であり、エアコンが停止したと推定できる。
【0061】
室温が高→低に変化し、湿度が低→高に変化した場合、「冬場に同じ部屋のエアコンが停止したかも?」と推定する。つまり、このような状態変化は、冬場にエアコンが停止して室温が低下し、室内の絶対湿度は変わらないが、室温が低下した分相対湿度が上がった状態であり、エアコンが停止したと推定できる。
【0062】
このような推定を行うと、情報通知部24は、「気温と湿度が急に変化しています(エアコンが停止したかもしれません) しばらく様子を見ます」といったメッセージ情報を通知する(通知I)。
【0063】
また、通知Iには、メッセージ情報と共に、最新の検出値、あるいは検出値の変化情報も通知されており、後述する上記メッセージ情報を表示しているお知らせ一覧画面(図5参照)において、メッセージ文の下線が付与されている「気温と湿度が急に変化」部分をタッチすると、後述する履歴画面(図6参照)が表示され、最新の検出値や、検出値の変化情報がグラフ等で表示され、視覚的に視認できるようになっている。
【0064】
そして、通知Iを通知後所定時間経過すると(ここでは、災害情報受信後1h)、その時点で取得している検出情報と通知Iを通知した時の検出情報とを比較し、通知Iの状態が解決したと考えられるような変化が有れば通知Iの状態は解決したと推定する。このような推定を行うと、情報通知部24は、「先ほど通知した状態が解決しました 御確認下さい」といった続報のメッセージ情報を通知する(通知II)。一方、通知Iの状態が解決したと考えられるような変化が無ければ通知Iの状態は続いていると推定する。このような推定を行うと、情報通知部24は、「先ほど通知した状態が続いています 御確認下さい」といったメッセージ情報を通知する(通知II)。
【0065】
また、通知IIにも、メッセージ情報と共に、最新の検出値、あるいは検出値の変化情報も通知されており、メッセージ情報を表示しているお知らせ一覧画面(図5参照)において、メッセージ文の下線が付与されている「御確認下さい」部分をタッチすると、履歴画面(図6参照)が表示され、最新の検出値や、検出値の変化情報がグラフ等で表示され、視覚的に視認できるようになっている。
【0066】
図3のNo.3~No.5参照>
ほこりセンサ、においセンサ、PM2.5センサについては、検出値の変化に対し同様の解釈の元、室内のものの転倒や、窓割れ、火事の発生などを推定する。
【0067】
検出値が低→高に小変化した(1)場合、「室内のものが何か倒れたかも?」と推定する。また、検出値が低→高に大変化した(2)場合、「火事の恐れあり」と推定する。また、(1)(2)のどちらにおいても、「窓が割れたかも?」と推定する。室内のものが倒れたり、窓が割れたりすると、ほこりやPM2.5センサが舞い上がったり室内に入り込んだりして検出値が上昇する。また、火事が発生すると、けむりにてこれらの検出値が大きく上昇する。したがって、このような検出値の変化から、室内のものの転倒や、窓割れ、火事の発生などを推定できる。これらのセンサの検出値の変化は、室温・温度と組み合わせて推定することで、推定の精度を上げることができる。
【0068】
このような推定を行うと、情報通知部24は、利用したセンサに応じて「ほこり(又はにおい又はPM2.5)が急に大きく変化しています 御確認下さい」といったメッセージ情報を通知する(通知I)。そして、この場合も、メッセージ情報を表示しているお知らせ一覧画面(図5参照)において、メッセージ文の下線が付与されている「御確認下さい」部分をタッチすると、履歴画面(図6参照)が表示され、最新の検出値や、検出値の変化情報がグラフ等で表示され、視覚的に視認できる。
【0069】
そして、通知Iを通知後所定時間経過すると、上述した室温・湿度と同様に、その時点で取得している検出情報と通知Iを通知した時の検出情報とを比較し、通知Iの状態は解決したかを推定し、推定に応じた続報のメッセージ情報を通知する(通知II)。
【0070】
図3のNo.6~No.9参照>
照度センサ、加湿タンクの水量センサ、後ろパネルセンサ、およびPCIイオンユニットセンサからは、検出値の変化より空気清浄機10の転倒を推定する。
【0071】
照度センサの検出値が明→暗、または暗→明に変化すると、空気清浄機10が転倒した、または近傍のものが倒れたり落ちたりしたと推定する。つまり、照度センサの検出値がこのように状態変化することは、空気清浄機10が受ける光量が変化したことであり、空気清浄機10が転倒したり、近傍のものが倒れたり落ちたりしたと推定できる。
【0072】
水量センサの検出値が、あり→なし、または、なし→あり、に変化すると、空気清浄機10が転倒したと推定する。水量センサの検出値が、災害情報の受信前後にこのように状態変化することは、水を検知するフロートが重力に逆らって動いた、つまり、空気清浄機10が転倒したと推定できる。
【0073】
後ろパネルセンサの検出値が正常→取付異常に変化すると、空気清浄機10が転倒したと推定する。つまり、災害情報の受信前後で、このように状態変化することは、後ろパネルが外れた、又は空気清浄機10が転倒したと推定できる。
【0074】
後ろパネルセンサと同様に、PCIイオンユニットセンサの検出値が正常→取付異常に変化すると、空気清浄機10が転倒したと推定する。つまり、災害情報の受信前後で、このように状態変化することは、PCIイオンユニットが外れた、又は空気清浄機10が転倒したと推定できる。
【0075】
このような推定を行うと、情報通知部24は、「空気清浄機または周囲の物が倒れたり落下したりしているかもしれません 運転を停止する場合はこちら」、あるいは「空気清浄機の部品がはずれました 空気清浄機が転倒したかもしれません 運転を停止する場合はこちら」といったメッセージ情報を通知する(通知I)。そして、この場合、メッセージ情報を表示しているお知らせ一覧画面(図5参照)において、メッセージ文の下線が付与されている「運転を停止する場合はこちら」部分をタッチすると、後述する空気清浄機10を停止させる操作を受け付ける操作画面(図7参照)が表示される。
【0076】
そして、空気清浄機10が停止されなかった場合は、通知Iを通知後所定時間経過すると、その時点で取得している検出情報に基づいて、空気清浄機10周辺の状態を推定し、推定に応じた続報のメッセージ情報を通知する(通知II)。例えば、「空気清浄機周辺の現在の状態はこちらです」を通知する。この場合も、続報のメッセージ情報を表示しているお知らせ一覧画面(図5参照)において、メッセージ文の下線が付与されている「こちら」部分をタッチすると、空気清浄機10の現在の状況を確認できる操作画面(図7参照)が表示される。なお、通知Iにおいて、空気清浄機10が停止された場合は、続報のメッセージ情報の通知は行われない。
【0077】
図3のNo.10参照>
情報通知部24は、センサ部15の検出情報に、災害による影響ありを推定し得る状態変化が見られなか場合は、通知Iにおいて「お部屋の環境変化はみつかっていません 引き続き確認します」といったメッセージ情報を通知する。
【0078】
そして、所定時間経過後の推定にて、何れかのセンサの出力値に災害による影響ありを推定し得る状態変化が見られた場合は、通知Iの推定に戻り、通知Iを行う。一方、ここでも災害による影響ありを推定し得る状態変化が見られなかった場合は、続報のメッセージ情報として、例えば「お部屋の環境変化はみつかりませんでした 空気清浄機周辺の現在の状態はこちらです」を通知する(通知II)。また、この場合も、続報のメッセージ情報を表示しているお知らせ一覧画面(図5参照)において、メッセージ文の下線が付与されている「こちら」部分をタッチすると、空気清浄機10の現在の状況を確認できる操作画面(図7参照)が表示される。
【0079】
(通信端末30における各種画面の説明)
図4は、通信端末30の表示部34に通知Iのメッセージ情報がノーティフィケーション機能で表示された画面の一例を示す図である。図4の例では、「エアコンが停止したかもしれません しばらく様子を見ます」といった、メッセージ情報が表示されている。メッセージ情報は、通信端末30がスリープ状態のとき待ち受け画面に通知が表示される。通信端末30がスリープでないとき、使用中の他のアプリケーションの画面やホーム画面などに覆いかぶさる形で画面上部等に表示される。
【0080】
このような表示は、いわゆるノーティフィケーション機能による通知である。このように通知することで、空気清浄機10を操作するための専用のアプリケーションの起動状態に関わらず、たとえ画面がロックされていても、また、他のアプリケーションの画像が表示されている場合でも、メッセージ情報を迅速にユーザに通知することができる。
【0081】
ノーティフィケーション機能にて届いたメッセージ通知の表示部分を選択(タッチ、タップ)すると、図5に示すお知らせ一覧画面が表示される。図5は、通信端末30の表示部34に表示されたお知らせ一覧画面の一例を示す図である。お知らせ一覧画面を表示するには、空気清浄機10を操作するための専用のアプリケーションを起動する必要がある。そのため、専用のアプリケーションが起動されていない状態で、メッセージ情報の通知を受けた場合は、メッセージ通知の表示部分を選択することで専用のアプリケーションが起動する。
【0082】
図5に示すように、お知らせ一覧画面においては、「気温と湿度が急に変化しています」といった、履歴画面に遷移するメッセージ情報も表示されている。下線が付与されている「気温と湿度が急に変化」部分をタッチすると、図6に示す履歴画面が表示され、最新の検出値や、検出値の変化情報がグラフ等で表示される。図6は、通信端末30の表示部34に表示された履歴画面の一例を示す図である。履歴画面においては、一日単位で過去一週間の各種センサの反応、温度・湿度の履歴が確認できる。
【0083】
図7は、通信端末30の表示部34に表示された操作画面の一例を示す図である。操作画面は、空気清浄機10の現在の状況を確認でき、空気清浄機10を停止させる操作を受け付ける。温度、湿度、明るさの確認、ほこり、PM2.5、においなどのセンサに対する反応状態、運転開始/停止、運転モード変更(風量 弱、中、強、おまかせ運転(加湿も含めて自動制御する)など)、加湿の入/切等を操作できる。
【0084】
以上のように、上記構成によれば、情報通知部24が、空気清浄機10から取得された検出情報に基づいて空気清浄機10が設置されている空間(設置空間)の災害による影響を推定し、推定に応じたメッセージ情報を通信端末30に通知する。
【0085】
これにより、空気清浄機10のユーザは、コストを掛けることなく、災害発生時に自宅への影響を外出先から推測するのに役立つメッセージ情報の通知を得ることが可能となり、通知を受けたユーザは、自宅への影響を推測して、外出先から必要な対処を講じることができる。
【0086】
また、上記構成によれば、情報通知部24は、空気清浄機10が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を外部サーバ43から受信すると、災害発生後に取得される検出情報に基づいて影響を推定し、メッセージ情報を通知する。これにより、空気清浄機10のユーザは、自宅近くでの災害の発生を知らなかったとしても、サーバ20から自動的に通知されるメッセージ情報にて知ることが可能となり、より迅速に必要な対処を講じることができる。
【0087】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0088】
第1の実施形態においては、情報通知部24は、外部サーバ43から受信する災害発生情報を用いてメッセージ情報を通知していた。これに対し、本実施形態においては、空気清浄機10との間の通信が所定の期間途絶すると、通信回復時にメッセージ情報を通知する。つまり、サーバ20がメッセージ情報の通知を行うトリガのみが異なる。
【0089】
具体的には、本実施形態において情報通知部24は、空気清浄機10との間の通信が所定の期間途絶すると、その回復時に、回復後に取得されるセンサ部15の検出情報に基づいて災害による影響を推定し、メッセージ情報を通知する。
【0090】
このような構成では、外部サーバ43から受信する災害発生情報を利用することなく、メッセージ情報を通知することができる。メッセージ情報を通知するトリガとなり得る通信の途絶期間は、25分~120分程度である。
【0091】
地震や悪天候等の災害発生時、瞬間的な停電が起こることがある。このような瞬間的な停電が起こると、中継器40(図1参照)は一旦停止して再起動するため、この再起動と、空気清浄機10とサーバ20との間の通信のタイミングが衝突すると空気清浄機10とサーバ20との間の通信は失敗する。この失敗が1回発生した場合、定期的な通信が1回スキップされ本来約15分毎の通信間隔が約30分に延びる。途絶期間の下限値25分は、このような瞬間的な停電による通信途絶を検出し得るように設定している。途絶期間の上限値120分は、メッセージ情報の必要性に基づいて設定している。このようなメッセージ情報の通知は、ユーザが外出先から自宅に戻るまでに行われることで効果があるため、メッセージ通知の効果が期待できる120分程度までの途絶時に通知することが好ましい。
【0092】
〔第3の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0093】
第1の実施形態においては、情報通知部24は、外部サーバ43から受信する災害発生情報をメッセージ情報を通知するトリガとして用い、第2の実施形態においては、空気清浄機10とサーバ20との間の所定期間の通信途絶をトリガとして用いていた。
【0094】
これに対し、本実施形態においては、通信端末30からサーバ20の情報通知部24に対してメッセージ情報の通知を要求する構成となっている。つまり、自宅近くで災害が発生したことを知ったユーザが、通信端末30を用いて、自らの主導にて災害による影響を推定させ、メッセージ情報を通知させる。なお、この構成は第1、第2の実施形態のサーバ20が主体で行う構成と組み合わせてもよい。
【0095】
具体的には、本実施形態において、通信端末30には、空気清浄機10に備えられたセンサ部15から取得される検出情報に基づいて空気清浄機10が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を通知する情報通知部24を含むサーバ20に対して、ユーザの指示を受け付けてメッセージ情報の通知を要求する情報要求部が設けられ、情報通知部24は、通信端末30からメッセージ情報の通知の要求を受信すると、センサ部15の検出情報に基づいて災害による影響を推定し、メッセージ情報を通知する。このような構成では、ユーザ主導にて災害発生時にメッセージ情報を通知させることができる。
【0096】
メッセージ情報の通知要求を受け取った時に、空気清浄機10との通信が途絶している場合、情報通知部24は、通知が回復するまで待機し、通信が回復すると、回復後に取得した検出情報に基づいて災害による影響を推定し、メッセージ情報を通知する。
【0097】
図8は、本実施形態における、通信端末30の表示部34に表示されたホーム画面の一例を示す図である。ホーム画面は、空気清浄機10を操作する専用のアプリケーションの起動時に表示される。画面上部右の鈴マークを押すと、前述したお知らせ一覧画面(図5参照)が表示される。空気清浄機10が複数は有る場合、サービスに登録したときに選択する設置場所を基にしてグループ化される。図8の例では、空気清浄機10の設置場所は「寝室」となっており、寝室に2台の空気清浄機10が登録されている。
【0098】
このようなホーム画面における「設置場所」を表す部分に、情報要求部によるメッセージ情報の通知を要求する異常確認ボタン50が配置されている。情報要求部は、通信端末30における端末制御部31に構築される。
【0099】
情報通知部24は、設置場所に属する空気清浄機10の検出情報に基づいてメッセージ通知を行う。図8の例のように、設置場所に2台の空気清浄機10が登録されている場合は、2台の検出情報に基づいてメッセージ通知を行う。2台の空気清浄機10の検出情報が同等で、メッセージ情報として通知する内容が同じである場合、メッセージ情報の通知は1台分の1通に絞る。例えばリストの一番上の空気清浄機10の状況として通知する。なお、上述した第1、第2の実施形態においては特に言及していなかったが、ユーザ宅41の複数の空気清浄機10が設置され、サーバ20に登録されていた場合も同様である。
【0100】
また、別の例として、図9に示すように、ホーム画面における空気清浄機10を表すリストの上に、メッセージ情報の通知を要求する異常確認ボタン50を配置してもよい。空気清浄機10を表すリストには、異常確認ボタン50と、空気清浄機10の運転を開始/停止させる電源ボタン51が表示されている。リストにおけるこれらボタン部分以外をタッチ(選択)すると、前述した操作画面(図7参照)に遷移する。リスト上の電源ボタン51を押すと、操作画面に遷移せずにリストのまま運転開始/停止が可能である。
【0101】
以上説明した第1~第3の実施形態においては、情報通知部24をサーバ20が備える構成を例示したが、通信端末30、又は空気清浄機10が備える構成としてもよい。また、情報通知部24は、複数台のサーバに分かれて備えられていても、サーバ20と通信端末30又は空気清浄機10と別れて備えられていてもよい。つまり、推定する機能と、推定に応じたメッセージ情報を通知する機能とが、分かれた装置に搭載されていてもよい。
【0102】
〔ソフトウェアによる実現例〕
災害時状況通知システム1における空清制御部11、サーバ制御部21、端末制御部31は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0103】
後者の場合、災害時状況通知システム1に含まれる空気清浄機10、サーバ20、通信端末30は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等をさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0104】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報通知装置(サーバ20)は、空気調和機(空気清浄機10)に備えられるセンサ部15から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記空気調和機と通信可能な通信端末30に通知する情報通知部24を含むことを特徴とする情報通知装置。
【0105】
本発明の態様2に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様1において、前記情報通知部24は、前記空気調和機が設置されている地域において災害が発生したことを示す災害発生情報を受信すると、災害発生後に取得される前記検出情報に基づいて影響を推定し、前記メッセージ情報を通知する構成とすることもできる。
【0106】
本発明の態様3に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様1において、前記情報通知部24は、前記空気調和機との間の通信が所定の期間途絶すると、その回復時に、回復後に取得される前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知する構成とすることもできる。
【0107】
本発明の態様4に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様1において、前記情報通知部24は、前記通信端末30から前記メッセージ情報の通知の要求を受信すると、前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知する構成とすることもできる。
【0108】
本発明の態様5に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様2又は4において、前記情報通知部24は、前記空気調和機との通信が途絶している場合は通知が回復するまで待機し、通信が回復すると、回復後に取得される前記検出情報に基づいて災害による影響を推定し、前記メッセージ情報を通知する構成とすることもできる。
【0109】
本発明の態様6に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様1から5の何れかにおいて、前記情報通知部24は、前記メッセージ情報を通知した時点から所定時間経過すると、前記メッセージ情報を通知した後に取得される前記検出情報に基づいて、再度、災害による影響を推定し、推定に応じた続報のメッセージ情報を通知する構成とすることもできる。
【0110】
本発明の態様7に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様1から6の何れかにおいて、前記情報通知部24は、前記メッセージ情報と共に、前記センサ部15に含まれるセンサの最新の検出値、あるいは検出値の変化情報を通知する構成とすることもできる。
【0111】
本発明の態様8に係る情報通知装置(サーバ20)は、上記態様1から7の何れかにおいて、前記センサ部15は、温度センサ、湿度センサ、ほこりセンサ、においセンサ、PM2.5センサのうちの少なくとも1つを含む構成とすることもできる。
【0112】
本発明の態様9に係る災害時状況通知システム1は、センサ部15を備える空気調和機(空気清浄機10)と、前記空気調和機と通信可能な通信端末30と、前記センサ部15から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末30に通知する情報通知部24を含むサーバ20と、を備えることを特徴とする。
【0113】
本発明の態様10に係る災害時状況通知システムは、センサ部15を備える空気調和機(空気清浄機10)と、前記空気調和機と通信可能な通信端末30と、前記センサ部15から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を前記通信端末30に通知する情報通知部24と、を備えることを特徴とする。
【0114】
本発明の態様11に係る通信端末30は、空気調和機(空気清浄機10)と通信可能な通信端末30であって、前記空気調和機に備えられたセンサ部15から取得される検出情報に基づいて前記空気調和機が設置されている空間の災害による影響を推定し、該推定に応じたメッセージ情報を通知する情報通知部24を含むサーバ20に対して、ユーザの指示を受け付けて前記メッセージ情報の通知を要求する情報要求部(端末制御部31)を備えることを特徴とする。
【0115】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 災害時状況通知システム
20 サーバ(情報通知装置)
10 空気清浄機(空気調和機)
11 空清制御部
12、22、32 通信部
13、23、33 記憶部
14 空清運転部
15 センサ部
16、35 入力部
21 サーバ制御部
24 情報通知部
30 通信端末
31 端末制御部
34 表示部
36 音声出力部
37 発振部
38 空清操作部
39 報知制御部
40 中継器
41 ユーザ宅
42 通信ネットワーク
43 外部サーバ
50 異常確認ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9