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特許7271289コンテンツ表示装置、コンテンツ表示システム、及びコンテンツ表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】コンテンツ表示装置、コンテンツ表示システム、及びコンテンツ表示方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/442 20110101AFI20230501BHJP
   H04N 21/437 20110101ALI20230501BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H04N21/442
H04N21/437
G09G5/00 550C
G09G5/00 X
G09G5/00 550B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019081536
(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公開番号】P2020178326
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】矢原 英樹
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-114660(JP,A)
【文献】特開2014-072561(JP,A)
【文献】特開2010-164714(JP,A)
【文献】特開2003-259569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ再生装置から出力されるコンテンツのコンテンツデータに基づいて前記コンテンツを表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記コンテンツを前記表示部に表示する際の消費電力を取得する消費電力取得部と、
前記消費電力取得部により取得される前記消費電力の変化の波形を示す電力波形に、所定の波形パターンを示す特徴波形が含まれる場合に、前記コンテンツ再生装置及び前記表示部が正常であると判定し、前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記コンテンツ再生装置又は前記表示部が異常であると判定する異常判定部と、
を備えるコンテンツ表示装置。
【請求項2】
前記消費電力取得部により取得される前記消費電力の前記電力波形のうち同一周期で現れる波形パターンを前記特徴波形として抽出する特徴抽出部をさらに備える、
請求項1に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項3】
前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記表示制御部は、予め設定されたテスト画像を前記表示部に表示させ、
前記消費電力取得部は、前記表示制御部により前記テスト画像を前記表示部に表示する際の消費電力を取得し、
前記異常判定部は、前記消費電力取得部により取得される前記テスト画像に対応する前記消費電力の前記電力波形が予め設定された波形と一致しない場合に、前記表示部が異常であると判定し、前記テスト画像に対応する前記消費電力の前記電力波形が前記波形と一致する場合に、前記コンテンツ再生装置が異常であると判定する、
請求項1又は請求項2に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項4】
前記異常判定部により前記コンテンツ再生装置が異常であると判定された場合に、前記コンテンツ再生装置に再起動を指示する異常時処置部をさらに備える、
請求項3に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項5】
前記コンテンツ再生装置が再起動された後に、再び前記異常判定部により前記コンテンツ再生装置が異常であると判定された場合に、前記異常時処置部は、前記コンテンツ再生装置が異常であることを示す情報を、前記コンテンツを前記コンテンツ再生装置に配信するコンテンツ配信装置と、前記コンテンツ再生装置を管理する管理装置との少なくともいずれかに通知する、
請求項4に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項6】
前記異常判定部により前記表示部が異常であると判定された場合に、前記異常時処置部は、前記表示部が異常であることを示す情報を、前記コンテンツを前記コンテンツ再生装置に配信するコンテンツ配信装置と、前記表示部を管理する管理装置との少なくともいずれかに通知する、
請求項4又は請求項5に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項7】
前記特徴抽出部は、前記コンテンツ再生装置から出力される前記コンテンツの内容が変更される度に、前記特徴波形を抽出する処理を実行する、
請求項2に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項8】
コンテンツ配信装置から配信されるコンテンツを取得してコンテンツ表示装置に出力するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツ再生装置から出力される前記コンテンツを表示部に表示する前記コンテンツ表示装置とを備えるコンテンツ表示システムであって、
前記コンテンツ配信装置から配信される前記コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツ取得部により取得される前記コンテンツを、予め設定された再生スケジュールに基づいて前記コンテンツ表示装置に出力するコンテンツ再生処理部と、
前記コンテンツ再生処理部から出力される前記コンテンツを前記再生スケジュールに基づいて前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記コンテンツを前記表示部に表示する際の消費電力を取得する消費電力取得部と、
前記消費電力取得部により取得される前記消費電力の変化の波形を示す電力波形に、所定の波形パターンを示す特徴波形が含まれる場合に、前記コンテンツ再生装置及び前記表示部が正常であると判定し、前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記コンテンツ再生装置又は前記表示部が異常であると判定する異常判定部と、
を備えるコンテンツ表示システム。
【請求項9】
コンテンツ再生装置から出力されるコンテンツのコンテンツデータに基づいて前記コンテンツを表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップにより前記コンテンツを前記表示部に表示する際の消費電力を取得する消費電力取得ステップと、
前記消費電力取得ステップにより取得される前記消費電力の変化の波形を示す電力波形に、所定の波形パターンを示す特徴波形が含まれる場合に、前記コンテンツ再生装置及び前記表示部が正常であると判定し、前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記コンテンツ再生装置又は前記表示部が異常であると判定する異常判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサーにより実行するコンテンツ表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ表示装置、コンテンツ表示システム、及びコンテンツ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公共施設等に設置され、広告などのコンテンツを表示するデジタルサイネージと称されるコンテンツ表示システムが知られている(例えば特許文献1参照)。一般的に、コンテンツ表示システムは、予め設定されたスケジュールに基づいて前記コンテンツを繰り返し再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-117603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記コンテンツ表示システムは、主に、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置と、コンテンツ配信装置から配信される前記コンテンツを受信して映像信号に変換するコンテンツ再生装置と、コンテンツ再生装置から出力される前記映像信号に基づいて前記コンテンツを表示するコンテンツ表示装置とを備える。前記コンテンツ表示システムでは、以下の問題が生じる場合がある。例えば、前記コンテンツ配信装置、前記コンテンツ再生装置、又は前記コンテンツ表示装置に異常が生じると、前記コンテンツ表示装置の表示部には、前記コンテンツが正しく表示されず、本来の画像とは異なる画像が表示され続ける。このような異常が生じた場合であっても、前記コンテンツを管理する管理者は、前記コンテンツ表示装置が設置された場所にいない場合には、前記異常の状態を把握することが難しい。このため、修理、点検など前記異常に対する対応が遅れてしまう。
【0005】
本発明の目的は、コンテンツ表示システムの異常を適切に検出することが可能なコンテンツ表示装置、コンテンツ表示システム、及びコンテンツ表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係るコンテンツ表示装置は、コンテンツ再生装置から出力されるコンテンツのコンテンツデータに基づいて前記コンテンツを表示部に表示させる表示制御部と、前記表示制御部により前記コンテンツを前記表示部に表示する際の消費電力を取得する消費電力取得部と、前記消費電力取得部により取得される前記消費電力の変化の波形を示す電力波形に、所定の波形パターンを示す特徴波形が含まれる場合に、前記コンテンツ再生装置及び前記表示部が正常であると判定し、前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記コンテンツ再生装置又は前記表示部が異常であると判定する異常判定部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係るコンテンツ表示システムは、コンテンツ配信装置から配信されるコンテンツを取得してコンテンツ表示装置に出力するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツ再生装置から出力される前記コンテンツを表示部に表示する前記コンテンツ表示装置とを備えるコンテンツ表示システムであって、前記コンテンツ配信装置から配信される前記コンテンツを取得するコンテンツ取得部と、前記コンテンツ取得部により取得される前記コンテンツを、予め設定された再生スケジュールに基づいて前記コンテンツ表示装置に出力するコンテンツ再生処理部と、前記コンテンツ再生処理部から出力される前記コンテンツを前記再生スケジュールに基づいて前記表示部に表示させる表示制御部と、前記表示制御部により前記コンテンツを前記表示部に表示する際の消費電力を取得する消費電力取得部と、前記消費電力取得部により取得される前記消費電力の変化の波形を示す電力波形に、所定の波形パターンを示す特徴波形が含まれる場合に、前記コンテンツ再生装置及び前記表示部が正常であると判定し、前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記コンテンツ再生装置又は前記表示部が異常であると判定する異常判定部と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様に係るコンテンツ表示方法は、コンテンツ再生装置から出力されるコンテンツのコンテンツデータに基づいて前記コンテンツを表示部に表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにより前記コンテンツを前記表示部に表示する際の消費電力を取得する消費電力取得ステップと、前記消費電力取得ステップにより取得される前記消費電力の変化の波形を示す電力波形に、所定の波形パターンを示す特徴波形が含まれる場合に、前記コンテンツ再生装置及び前記表示部が正常であると判定し、前記電力波形に前記特徴波形が含まれない場合に、前記コンテンツ再生装置又は前記表示部が異常であると判定する異常判定ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行するコンテンツ表示方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンテンツ表示システムの異常を適切に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムで使用される特徴波形情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムで計測される消費電力の変化の波形の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムで計測される消費電力の変化の波形の他の例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムで計測される消費電力の変化の波形の他の例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムにおいて実行される特徴抽出処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システムにおいて実行される異常判定処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0012】
本発明に係るコンテンツ表示システムは、店舗、駅、街頭、オフィスなど様々な場所において、広告などの映像及び音声で構成されるコンテンツを表示(再生)するシステムに適用される。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツ表示システム100の概略構成を示す図である。コンテンツ表示システム100は、コンテンツ配信装置3と、コンテンツ再生装置1と、コンテンツ表示装置2とを含んでいる。コンテンツ配信装置3とコンテンツ再生装置1とはネットワークN1を介して通信可能に接続されており、同様に、コンテンツ配信装置3とコンテンツ表示装置2とはネットワークN1を介して通信可能に接続されている。ネットワークN1は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網である。また、コンテンツ再生装置1とコンテンツ表示装置2とはネットワークN2を介して通信可能に接続されている。ネットワークN2は、有線LAN又は無線LANなどの通信網、又はRS232CやI2C等の機器間通信線である。なお、コンテンツ再生装置1とコンテンツ表示装置2とは一体に形成されてもよく、この場合、コンテンツ再生装置1とコンテンツ表示装置2とにより一つの機器(コンテンツ再生/表示装置10)を構成する。
【0014】
また、コンテンツ表示システム100には、複数のコンテンツ再生装置1及び複数のコンテンツ表示装置2が含まれてもよい。コンテンツ表示システム100が複数のコンテンツ再生装置1及び複数のコンテンツ表示装置2を含む場合、各コンテンツ再生装置1は異なる場所に1台ずつ配置され、各コンテンツ表示装置2はコンテンツ再生装置1に対応して異なる場所に1台ずつ配置される。またコンテンツ配信装置3は、例えば複数のコンテンツ再生装置1及び複数のコンテンツ表示装置2を監視及び制御し、各コンテンツ再生装置1にコンテンツを配信する。コンテンツ配信装置3は、1台であってもよいし複数台であってもよい。
【0015】
コンテンツ配信装置3は、コンテンツを配信及び管理し、またコンテンツ再生装置1及びコンテンツ表示装置2を監視して保守情報(保守用信号)を送受信する。以下、コンテンツ表示システム100の具体的な構成について説明する。以下の実施形態では、コンテンツ表示システム100の一例として、コンテンツ配信装置3がコンテンツデータCAをコンテンツ再生装置1に配信し、コンテンツ表示装置2がコンテンツ再生装置1から出力される映像信号DAに基づいて前記コンテンツを表示する構成を説明する。なお、本発明のコンテンツ表示システム100は上記構成に限定されず、コンテンツ配信装置3がコンテンツデータCAをコンテンツ再生/表示装置10に配信し、コンテンツ再生/表示装置10が前記コンテンツを表示する構成であってもよい。
【0016】
[コンテンツ配信装置3]
図1に示すように、コンテンツ配信装置3(コンテンツ管理装置)は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える。コンテンツ配信装置3は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0017】
通信部34は、コンテンツ配信装置3を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介してコンテンツ再生装置1及びコンテンツ表示装置2との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部33は、例えばコンテンツ配信装置3の管理者の操作を受け付ける。なお、管理者は、配信するコンテンツの管理を行う権限を有する。
【0019】
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、制御部31に各種の処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、USB(登録商標)メモリ、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、これら記録媒体からコンテンツ配信装置3の記憶部32に記憶される。
【0020】
また記憶部32には、コンテンツ表示装置2に表示させるコンテンツに対応するコンテンツデータが記憶される。また記憶部32には、前記コンテンツに関連付けて、前記コンテンツを表示させるコンテンツ表示装置2の識別情報、前記コンテンツの表示日時(表示開始日時、表示終了日時、再生所要時間)及び表示順などを示す再生スケジュールの情報などが記憶される。
【0021】
例えば、コンテンツ配信装置3の管理者は、操作表示部33において、前記コンテンツデータを記憶部32に登録したり、前記コンテンツの再生スケジュールを設定したりする。
【0022】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりコンテンツ配信装置3を制御する。
【0023】
具体的に、制御部31は、所定のコンテンツのコンテンツデータCAと当該コンテンツに対応する前記再生スケジュールとをコンテンツ再生装置1に配信する。なお、制御部31は、前記再生スケジュールに基づいて、前記コンテンツデータをコンテンツ再生装置1に配信してもよい。コンテンツ配信装置3は、周知の構成を適用することができる。
【0024】
[コンテンツ再生装置1]
図1に示すように、コンテンツ再生装置1は、制御部11、記憶部12、操作部13、及び通信部14などを備える。コンテンツ再生装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0025】
通信部14は、コンテンツ再生装置1を有線又は無線でネットワークN1,N2に接続し、ネットワークN1を介してコンテンツ配信装置3との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行し、ネットワークN2を介してコンテンツ表示装置2との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0026】
操作部13は、コンテンツ再生装置1に対するユーザの各種操作を受け付けるマウス又はキーボードなどのインターフェースである。なお、コンテンツ表示装置2がタッチパネルを備える場合、操作部13は、タッチパネルからユーザの各種操作を受け付けてもよい。
【0027】
記憶部12は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に各種の処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、USB(登録商標)メモリ、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、これら記録媒体からコンテンツ再生装置1の記憶部12に記憶される。
【0028】
また記憶部12には、コンテンツ配信装置3から配信されるコンテンツデータCA及び前記再生スケジュールなどのデータが記憶される。
【0029】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりコンテンツ再生装置1を制御する。
【0030】
具体的に、制御部11は、コンテンツ取得部111とコンテンツ再生処理部112とを含む。コンテンツ取得部111は、コンテンツ配信装置3から配信される前記コンテンツのコンテンツデータCAと前記再生スケジュールとを取得する。コンテンツ取得部111は、取得した前記コンテンツデータCA及び前記再生スケジュールを記憶部12に格納する。コンテンツ取得部111は本発明のコンテンツ取得部の一例である。
【0031】
コンテンツ再生処理部112は、前記再生スケジュールに基づいて、コンテンツデータCAを所定の信号形式の映像信号DA(例えばHDMI(登録商標)信号)に変換してコンテンツ表示装置2に出力する。例えば、コンテンツID「0001」のコンテンツC1の再生所要時間が3分である場合に、コンテンツ再生処理部112は、コンテンツC1のコンテンツデータCAを映像信号DAに変換して、所定期間(例えば一週間の各日の所定時間帯)に、同一周期(ここでは3分)で繰り返しコンテンツ表示装置2に出力する。コンテンツ再生装置1は、周知の構成を適用することができる。
【0032】
[コンテンツ表示装置2]
図1に示すように、コンテンツ表示装置2は、制御部21、記憶部22、表示部23、通信部24などを備える。
【0033】
通信部24は、コンテンツ表示装置2を有線又は無線でネットワークN1,N2に接続し、ネットワークN1を介してコンテンツ配信装置3との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行し、ネットワークN2を介してコンテンツ再生装置1との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0034】
表示部23は、コンテンツ再生装置1から出力される広告などの前記コンテンツ、及び各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部23は、本発明の表示部の一例である。なお、コンテンツ表示装置2は、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部を備えてもよい。
【0035】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述の特徴抽出処理(図6参照)を実行させるための特徴抽出プログラム、異常判定処理(図7参照)を実行させるための異常判定プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記特徴抽出プログラム及び前記異常判定プログラムは、USB(登録商標)メモリ、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、これら記録媒体からコンテンツ表示装置2の記憶部22に記憶される。また前記特徴抽出プログラム及び前記異常判定プログラムは、コンテンツ配信装置3からネットワークN1を介してコンテンツ表示装置2の記憶部22にダウンロードされてもよい。
【0036】
また、記憶部22には、前記特徴抽出処理において抽出される特徴波形に関する情報を示す特徴波形情報D1が記憶される。図2は、特徴波形情報D1の一例を示す図である。特徴波形情報D1には、「コンテンツID」、「特徴波形」、「周期」の情報が含まれる。「コンテンツID」は、映像信号DAに対応する前記コンテンツの識別情報である。「特徴波形」は、映像信号DAに対応する前記コンテンツを表示部23に表示する際の消費電力の波形を示す電力波形に含まれる所定の波形であり、例えば、同一周期で現れる波形パターンである。特徴波形情報D1には、波形パターンの情報が登録される。「周期」は、前記特徴波形が現れる周期を示す情報である。特徴波形情報D1は、前記特徴抽出処理が実行される度に、制御部21により登録されたり更新されたりする。
【0037】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりコンテンツ表示装置2を制御する。
【0038】
具体的に、制御部21は、表示制御部211、消費電力取得部212、特徴抽出部213、異常判定部214、異常時処置部215などの各種の処理部を含む。表示制御部211は本発明の表示制御部の一例であり、消費電力取得部212は本発明の消費電力取得部の一例であり、特徴抽出部213は本発明の特徴抽出部の一例であり、異常判定部214は本発明の異常判定部の一例であり、異常時処置部215は本発明の異常時処置部の一例である。
【0039】
なお、制御部21は、前記特徴抽出プログラム及び前記異常判定プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記特徴抽出プログラム及び前記異常判定プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0040】
表示制御部211は、コンテンツ再生装置1から出力される映像信号DAに基づいて前記コンテンツを表示部23に表示させる。具体的には、表示制御部211は、前記再生スケジュールに従ってコンテンツ再生装置1から出力される映像信号DAに基づいて前記コンテンツを表示部23に表示させる。
【0041】
また、表示制御部211は、コンテンツ表示装置2の電源がオン状態になったときに実行される初期検査処理において所定のテストパターン画像(本発明のテスト画像に対応)を表示部23に表示させる。例えば、初期検査処理では、前記テストパターン画像が適切に表示されるか否かを判定し、前記テストパターン画像が適切に表示される場合に正常と判断して、通常動作モードに移行する。また前記テストパターン画像が適切に表示されない場合に異常と判断して、メンテナンスモードに移行する。前記初期検査処理は、周知の技術を適用することができる。
【0042】
また、表示制御部211は、後述の異常判定処理(図6参照)において、前記テストパターン画像を表示部23に表示させる。前記テストパターン画像は、任意のロゴマークの画像、消費電力が最大値となる画像、消費電力が最小値となる画像、消費電力が中間値となる画像などを用いることができる。前記テストパターン画像は、予め記憶部22に記憶される。
【0043】
消費電力取得部212は、表示制御部211により前記コンテンツを表示部23に表示する際の消費電力を取得する。例えば、消費電力取得部212は、表示部23(表示パネル)を駆動する駆動電源の電力をリアルタイムで計測して、前記消費電力を取得する。前記駆動電源の電力は、例えば、制御基板(タイミングコントローラ基板など)に供給される。
【0044】
消費電力取得部212は、取得した前記消費電力の情報を記憶部22に順次記録していく。記憶部22には、時刻に応じた前記消費電力の情報(計測日時、計測値など)が記録される。図3は、前記消費電力の変化の波形を示す電力波形である。図3に示す例は、コンテンツC1(図2に示すコンテンツID「0001」参照)の電力波形を示している。コンテンツC1では、波形パターンA(特徴波形)が所定の周期Taで繰り返し現れる。
【0045】
図4に示す例は、コンテンツC2(図2に示すコンテンツID「0002」参照)の電力波形を示している。コンテンツC2では、波形パターンB(特徴波形)が所定の周期Tbで繰り返し現れる。隣り合う2つの波形パターンBの間には、互いに異なる波形パターンP1,P2が現れる。例えば、波形パターンP1は、ユーザX(事業者X)の広告コンテンツに対応する電力波形であり、波形パターンP2は、ユーザY(事業者Y)の広告コンテンツに対応する電力波形である。この場合、波形パターンBは、例えば予め設定された初期画像(例えば、アイキャッチ画像)に対応する電力波形である。
【0046】
特徴抽出部213は、コンテンツ再生装置1から出力される映像信号DAの前記コンテンツに対応する電力波形において、同一周期で現れる所定の波形パターンである前記特徴波形と、前記周期とを抽出する処理(特徴抽出処理)を実行する。例えば、特徴抽出部213は、コンテンツ表示装置2の電源がオン状態になったときに実行される前記初期検査処理において、前記特徴波形及び前記周期を抽出する。また例えば、特徴抽出部213は、コンテンツ表示装置2が前記コンテンツを正常に表示している表示期間に、前記特徴波形及び前記周期を抽出してもよい。このように、特徴抽出部213は、コンテンツ再生装置1から正常に前記コンテンツが出力され、前記コンテンツが表示部23で正常に表示される場合に、前記コンテンツに対応する電力波形に含まれる、同一周期で現れる特徴的な波形パターンを前記特徴波形として抽出する。
【0047】
特徴抽出部213は、抽出した前記特徴波形及び前記周期を記憶部22の特徴波形情報D1(図2参照)に記録する。なお、特徴抽出部213は、予め、コンテンツ再生装置1から前記特徴波形及び前記周期を取得して特徴波形情報D1に記録してもよい。特徴抽出部213は、コンテンツ再生装置1から出力される前記コンテンツの内容が変更される度に前記特徴抽出処理を実行する。特徴抽出部213は、前記特徴抽出処理を繰り返し実行することにより、前記特徴波形を機械学習により算出してもよい。
【0048】
異常判定部214は、消費電力取得部212により取得される前記消費電力に対応する前記電力波形(図3参照)に、所定の波形パターンを示す前記特徴波形が含まれるか否かを判定する。また異常判定部214は、前記電力波形に前記特徴波形が含まれると判定した場合に、コンテンツ再生装置1及び表示部23が正常であると判定する。例えば、図3に示す電力波形には、特徴波形情報D1(コンテンツID「0001」)に登録されている特徴波形である、同一周期Taで現れる波形パターンAが含まれる。この場合、コンテンツID「0001」のコンテンツは、コンテンツ再生装置1から正常に出力され、表示部23において正常に表示されていると判断できるため、異常判定部214は、コンテンツ再生装置1及び表示部23が正常であると判定する。
【0049】
これに対して、異常判定部214は、前記電力波形に前記特徴波形が含まれないと判定した場合に、コンテンツ再生装置1又は表示部23が異常であると判定する。例えば、図5に示す電力波形では、特徴波形情報D1(コンテンツID「0001」)に登録されている特徴波形である波形パターンAが一定の周期Taで現れない(時刻T3~T4)。この場合、コンテンツID「0001」のコンテンツは、コンテンツ再生装置1から正常に出力されていないか、又は、表示部23において正常に表示されていないと判断できるため、異常判定部214は、コンテンツ再生装置1又は表示部23が異常であると判定する。
【0050】
異常判定部214によりコンテンツ再生装置1又は表示部23が異常であると判定された場合、制御部21はさらに以下の処理を実行する。
【0051】
具体的には、表示制御部211が、予め設定された前記テストパターン画像を表示部23に表示させる。次に消費電力取得部212が、表示制御部211により前記テストパターン画像を表示部23に表示する際の消費電力を取得する。
【0052】
そして、異常判定部214は、消費電力取得部212により取得される前記テストパターン画像に対応する前記消費電力の電力波形が予め設定された波形(基準波形)と一致しない場合に、表示部23が異常であると判定する。一方、異常判定部214は、前記テストパターン画像に対応する前記消費電力の前記電力波形が前記波形(基準波形)と一致する場合に、コンテンツ再生装置1が異常であると判定する。なお、前記基準波形は、所定期間の消費電力の変化を示す波形であってもよいし、消費電力の最大値、最小値、又は中間値であってもよい。
【0053】
異常時処置部215は、異常判定部214によりコンテンツ再生装置1又は表示部23が異常であると判定された場合に、異常を解消するための所定の処置を実行する。
【0054】
具体的には、異常時処置部215は、異常判定部214によりコンテンツ再生装置1が異常であると判定された場合に、コンテンツ再生装置1に再起動を指示する。コンテンツ再生装置1は、再起動の指示を取得すると再起動を実行して、再び前記コンテンツに対応する映像信号DAの出力処理を実行する。コンテンツ再生装置1が再起動された後に再び異常判定部214によりコンテンツ再生装置1が異常であると判定された場合には、異常時処置部215は、コンテンツ再生装置1が異常であることを外部に通知する。例えば、異常時処置部215は、コンテンツ再生装置1に異常が発生したことを示すメッセージ(異常通知)、コンテンツ再生装置1の修理依頼などを、コンテンツ配信装置3に通知する。なお、異常時処置部215は、前記異常通知及び前記修理依頼を、コンテンツ再生/表示装置10の修理、保守、点検などを行う管理センタ、サービスセンタ、メンテナンスセンタなどに配置され、コンテンツ再生/表示装置10(例えばコンテンツ再生装置1)を管理する管理装置(外部装置)に通知してもよい。前記異常通知及び前記修理依頼が前記管理装置に通知されると、例えば修理担当者は、コンテンツ再生装置1が設置された場所に赴きコンテンツ再生装置1の修理等の作業を行う。異常時処置部215は、前記異常通知及び前記修理依頼を、コンテンツ配信装置3及び管理装置の少なくともいずれかに通知する。
【0055】
また、異常時処置部215は、異常判定部214により表示部23が異常であると判定された場合に、表示部23が異常であることをコンテンツ配信装置3に通知する。例えば、異常時処置部215は、コンテンツ表示装置2の表示部23に異常が発生したことを示すメッセージ、コンテンツ表示装置2の修理依頼などを、コンテンツ配信装置3に通知する。なお、異常時処置部215は、前記異常通知及び前記修理依頼を、コンテンツ再生/表示装置10の修理、保守、点検などを行う管理センタ、サービスセンタ、メンテナンスセンタなどに配置され、コンテンツ再生/表示装置10(例えばコンテンツ表示装置2の表示部23)を管理する管理装置(外部装置)に通知してもよい。前記異常通知及び前記修理依頼が前記管理装置に通知されると、例えば修理担当者は、コンテンツ表示装置2が設置された場所に赴きコンテンツ表示装置2の表示部23の修理等の作業を行う。異常時処置部215は、前記異常通知及び前記修理依頼を、コンテンツ配信装置3及び管理装置の少なくともいずれかに通知する。
【0056】
[特徴抽出処理]
以下、図6を参照しつつ、コンテンツ表示装置2の制御部21によって実行される特徴抽出処理の手順の一例について説明する。前記特徴抽出処理の一部は、コンテンツ再生装置1の制御部11によって実行されてもよい。ここでは、コンテンツ再生装置1及びコンテンツ表示装置2がともに正常に動作し、コンテンツを正常に表示しているときに前記特徴抽出処理が実行されるものとする。
【0057】
なお、本発明は、前記特徴抽出処理に含まれる一又は複数のステップを実行する特徴抽出方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記特徴抽出処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記特徴抽出処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって前記特徴抽出処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記特徴抽出処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0058】
先ずステップS11において、制御部21は、前記コンテンツを表示部23に表示する際の消費電力を取得する。例えば、制御部21は、表示部23を駆動する駆動電源の電力をリアルタイムで計測して、前記消費電力を取得する。
【0059】
次にステップS12において、制御部21は、取得した前記消費電力の電力波形において、同一周期で現れる所定の波形パターンである特徴波形と、前記周期とを抽出する。
【0060】
次にステップS13において、制御部21は、抽出した前記特徴波形及び前記周期を記憶部22の特徴波形情報D1(図2参照)に記録する。制御部21は、前記特徴抽出処理を繰り返し実行することにより、前記特徴波形を機械学習により算出してもよい。以上のようにして、前記特徴抽出処理が実行される。
【0061】
[異常判定処理]
以下、図7を参照しつつ、コンテンツ表示装置2の制御部21によって実行される前記異常判定処理の手順の一例について説明する。前記異常判定処理は、コンテンツ再生装置1及びコンテンツ表示装置2がともに動作している間、継続して実行される。なお、制御部21は、予め設定された判定条件(判定開始条件、判定周期など)に基づいて判定処理を実行してもよい。
【0062】
なお、本発明は、前記異常判定処理に含まれる一又は複数のステップを実行する異常判定方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記異常判定処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記異常判定処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって前記異常判定処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記異常判定処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0063】
先ずステップS21において、制御部21は、特徴波形情報D1(図2参照)を参照して、表示中又は表示すべきコンテンツの特徴波形及び周期を取得する。
【0064】
次にステップS22において、制御部21は、前記コンテンツを表示部23に表示する際の消費電力を取得する。例えば、制御部21は、表示部23を駆動する駆動電源の電力をリアルタイムで計測して、前記消費電力を取得する。
【0065】
次にステップS23において、制御部21は、取得した前記消費電力に対応する電力波形に、前記周期で現れる前記特徴波形が含まれるか否かを判定する。前記電力波形に前記特徴波形が含まれると判定された場合(S23:YES)、処理はステップS22に戻る。一方、前記電力波形に前記特徴波形が含まれないと判定された場合(S23:NO)、処理はステップS24に移行する。
【0066】
ステップS24において、制御部21は、予め設定されたテストパターン画像を表示部23に表示させる。
【0067】
次にステップS25において、制御部21は、前記テストパターン画像に対応する消費電力の電力波形が予め設定された波形(基準波形)と一致するか否かを判定する。前記電力波形が前記基準波形と一致する場合(S25:YES)、処理はステップS26に移行する。一方、前記電力波形が前記基準波形と一致しない場合(S25:NO)、処理はステップS30に移行する。ステップS25は、本発明の異常判定ステップの一例である。
【0068】
ステップS26において、制御部21は、コンテンツ再生装置1に再起動を指示する。コンテンツ再生装置1は、再起動の指示を取得すると再起動を実行して、再び前記コンテンツの出力処理を実行する。
【0069】
次にステップS27において、制御部21は、再び前記コンテンツを表示部23に表示する際の消費電力を取得する。ステップS27は、本発明の消費電力取得ステップの一例である。
【0070】
次にステップS28において、制御部21は、取得した前記消費電力に対応する電力波形に、前記周期で現れる前記特徴波形が含まれるか否かを判定する。前記電力波形に前記特徴波形が含まれると判定された場合(S28:YES)、処理はステップS22に戻る。一方、前記電力波形に前記特徴波形が含まれないと判定された場合(S28:NO)、処理はステップS29に移行する。ステップS28は、本発明の異常判定ステップの一例である。
【0071】
ステップS29において、制御部21は、コンテンツ再生装置1が異常であることをコンテンツ配信装置3に通知する。例えば、制御部21は、コンテンツ再生装置1が異常であること示すメッセージ及び修理依頼をコンテンツ配信装置3に通知する。
【0072】
一方、ステップS30では、制御部21は、表示部23が異常であることをコンテンツ配信装置3に通知する。例えば、制御部21は、コンテンツ表示装置2の表示部23が異常であることを示すメッセージ及び修理依頼をコンテンツ配信装置3に通知する。
【0073】
以上のように、本実施形態に係るコンテンツ表示システム100によれば、コンテンツ表示装置2の表示部23における消費電力の波形に、同一周期で繰り返し出現すべき特徴波形(波形パターン)が出現しない場合に、コンテンツ再生装置1又はコンテンツ表示装置2に異常が発生していることを検出することができる。また、異常の発生場所が、コンテンツ再生装置1側であるか、又はコンテンツ表示装置2側であるかを判定することができる。また、コンテンツ再生装置1に異常が生じた場合にコンテンツ表示装置2がコンテンツ再生装置1に再起動を指示することにより、コンテンツ再生装置1を正常に復帰させることが可能となり、管理者、修理担当者の負担を軽減することができる。
【0074】
また、コンテンツ再生装置1又はコンテンツ表示装置2において修理を要する異常が生じた場合には、異常通知及び修理依頼などの情報がコンテンツ配信装置3に通知されるため、管理者、修理担当者は迅速に対応することが可能となる。なお、前記特徴波形は、デジタルサイネージで再生するコンテンツに特有の波形であるため、本発明のコンテンツ表示システム100は、デジタルサイネージシステムに好適である。
【符号の説明】
【0075】
1 :コンテンツ再生装置
2 :コンテンツ表示装置
3 :コンテンツ配信装置
10 :コンテンツ再生/表示装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作部
14 :通信部
21 :制御部
22 :記憶部
23 :表示部
24 :通信部
31 :制御部
32 :記憶部
33 :操作表示部
34 :通信部
100 :コンテンツ表示システム
111 :コンテンツ取得部
112 :コンテンツ再生処理部
211 :表示制御部
212 :消費電力取得部
213 :特徴抽出部
214 :異常判定部
215 :異常時処置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7