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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】バスバーアッセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20230501BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H01B7/00 302
H01B13/00 515
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019117512
(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公開番号】P2021005458
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】龍見 翔太
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/044687(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/049687(WO,A1)
【文献】特開2011-159837(JP,A)
【文献】特開平6-251637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、
前記絶縁性樹脂層は、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材によって形成されていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項2】
前記複数の第1面側中央開口の各々における前記間隙に近接する側のエッジは、対応する前記バスバー及び前記間隙の境界に一致していることを特徴とする請求項1に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項3】
第1面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する複数の第1面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向一方側外方へ延びる仕切壁部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項4】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの厚み方向一方側の第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、
前記第1面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する前記第1面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向一方側外方へ延びる仕切壁部を有していることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項5】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの厚み方向一方側の第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、
前記絶縁性樹脂層は、完全硬化状態において透明な絶縁性樹脂材によって形成されていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項6】
前記第1面側積層部は、前記複数の第1面側中央開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う中央被覆領域と、前記中央被覆領域より径方向外方において前記バスバー連結体の第1面を露出させる周縁開口と、前記周縁開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う周縁被覆領域とを有していることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項7】
中央孔を有する筒状の枠体本体及び前記枠体本体の外周面を覆う絶縁性樹脂層を有する枠体を備え、
前記枠体は、前記複数の第1面側中央開口を平面視において囲むように前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁性樹脂層は、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面に設けられた第2面側積層部と、前記バスバー連結体の側面に設けられ、前記第1及び第2面側積層部を連結する側面側積層部とを有し、
前記第2面側積層部には、前記複数のバスバーの第2面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第2面側中央開口が設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項9】
前記複数の第2面側中央開口の各々における前記間隙に近接する側のエッジは、対応する前記バスバー及び前記間隙の境界に一致していることを特徴とする請求項8に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項10】
前記第2面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する複数の第2面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向他方側外方へ延びる仕切壁部を有していることを特徴とする請求項8又は9に記載のバスバーアッセンブリ。
【請求項11】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリの製造方法であって、
前記複数のバスバーを形成するバスバーアッセンブリ形成領域を有する導電性金属平板を用意する工程と、
前記バスバーアッセンブリ形成領域に、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面の間を貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位を画するスリット形成工程と、
前記スリット内及び前記バスバーアッセンブリ形成領域の第1面上の全域に、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材を設ける工程と、
前記絶縁性樹脂材を半硬化させる半硬化工程と、
半硬化状態の前記絶縁性樹脂材に対して、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの一方である第1バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第1中央開口に相当する第1中央開口形成領域、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの他方である第2バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第2中央開口に相当する第2中央開口形成領域、並びに、前記第1及び第2中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含む中央レーザー領域にレーザー光を照射して前記第1面側第1及び第2中央開口を形成するレーザー光照射工程と、
半硬化状態の前記絶縁性樹脂材を完全硬化させる完全硬化工程と、
前記バスバーアッセンブリ形成領域を前記導電性金属平板から切断する切断工程とを含むことを特徴とするバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項12】
前記第1面側積層部は、前記複数の第1面側中央開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う中央被覆領域と、前記中央被覆領域より径方向外方において前記バスバー連結体の第1面を露出させる周縁開口と、前記周縁開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う周縁被覆領域とを有し、
前記レーザー光照射工程は、前記中央レーザー領域に加えて、前記周縁開口に相当する周縁開口形成領域にもレーザー光を照射して前記周縁開口を形成することを特徴とする請求項11に記載のバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項13】
前記導電性金属平板は、前記スリットの長手方向に沿った第1方向に直列配置された複数の前記バスバーアッセンブリ形成領域と、隣接する前記バスバーアッセンブリ形成領域を連結する連結領域とを一体的に有しており、
一のバスバーアッセンブリ形成領域に形成されたスリットは、長手方向一端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向一方側に連接された連結領域内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向他方側に連接された連結領域内へ延びていることを特徴とする請求項11又は12に記載のバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項14】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層と、前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着された枠体とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられ、前記枠体は、中央孔を有する筒状の枠体本体と前記枠体本体の外周面を覆う絶縁性樹脂層とを有し、平面視において前記複数の第1面側中央開口を囲むように前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着されているバスバーアッセンブリの製造方法であって、
前記複数のバスバーを形成するバスバーアッセンブリ形成領域を有するバスバー用導電性金属平板を用意する工程と、
前記バスバーアッセンブリ形成領域に、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面の間を貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位を画するスリット形成工程と、
前記スリット内及び前記バスバーアッセンブリ形成領域の第1面上の全域に、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材を設ける工程と、
前記絶縁性樹脂材を半硬化させる半硬化工程と、
半硬化状態の前記絶縁性樹脂材に対して、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの一方である第1バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第1中央開口に相当する第1中央開口形成領域、前記間隙を挟んで前記第1バスバーに隣接する第2バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第2中央開口に相当する第2中央開口形成領域、並びに、前記第1及び第2中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含む中央レーザー領域にレーザー光を照射して前記第1面側第1及び第2中央開口を形成するレーザー光照射工程と、
前記バスバー用導電性金属平板を用意する工程から前記レーザー光照射工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理であって、前記枠体本体の厚みと同一厚みを有し且つ平面視において前記バスバーアッセンブリ形成領域に対応した外周形状を有する枠体形成領域を含む枠体用導電性金属平板を用意する工程と、前記枠体形成領域のうち前記中央孔に相当する部分を打ち抜いて、前記枠体本体に相当する枠体本体形成部位を形成する打ち抜き工程と、前記枠体本体形成部位に絶縁性樹脂材を設ける工程とを含む枠体形成処理とを含む枠体形成処理と、
レーザー光照射工程後の前記バスバー用導電性金属平板に残っている絶縁性樹脂材、及び、前記枠体用導電性金属平板に設けられた絶縁性樹脂材の少なくとも一方が半硬化とされている状態で前記両金属平板を重合させて半硬化状態の絶縁性樹脂材を完全硬化させることで、両金属平板を固着させる組み付け工程と、
前記組み付け工程の後に、重合状態の前記バスバーアッセンブリ形成領域及び前記枠体形成領域を前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板から切断する切断工程とを含むことを特徴とするバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項15】
導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含むバスバー側絶縁性樹脂層と、前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着された枠体とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられ、前記枠体は、中央孔を有する筒状の枠体本体と前記枠体本体の外周面を覆う枠体側絶縁性樹脂層とを有し、平面視において前記複数の第1面側中央開口を囲むように前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着されているバスバーアッセンブリの製造方法であって、
前記複数のバスバーを形成するバスバーアッセンブリ形成領域を有するバスバー用導電性金属平板を用意する工程と、
前記バスバーアッセンブリ形成領域に、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面の間を貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位を画するスリット形成工程と、
前記スリット内及び前記バスバーアッセンブリ形成領域の第1面上の全域に、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材を設ける工程と、
前記絶縁性樹脂材を半硬化させる半硬化工程と、
半硬化状態の前記絶縁性樹脂材に対して、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの一方である第1バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第1中央開口に相当する第1中央開口形成領域、前記間隙を挟んで前記第1バスバーに隣接する第2バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第2中央開口に相当する第2中央開口形成領域、並びに、前記第1及び第2中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含む中央レーザー領域にレーザー光を照射して前記第1面側第1及び第2中央開口を形成するレーザー光照射工程と、
前記レーザー光照射工程後に前記バスバー用導電性金属平板に残っているバスバー側絶縁性樹脂材を完全硬化させて前記バスバー側絶縁性樹脂層を形成する工程と、
前記バスバー用導電性金属平板を用意する工程から前記バスバー側絶縁性樹脂材の完全硬化工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理であって、前記枠体本体の厚みと同一厚みを有し且つ平面視において前記バスバーアッセンブリ形成領域に対応した外周形状を有する枠体形成領域を含む枠体用導電性金属平板を用意する工程と、前記枠体形成領域のうち前記中央孔に相当する部分を打ち抜いて、前記枠体本体に相当する枠体本体形成部位を形成する打ち抜き工程と、前記枠体本体形成部位に絶縁性樹脂材を設ける工程と、前記枠体本体形成部位に設けられた前記絶縁性樹脂材を完全硬化させて前記枠体側絶縁性樹脂層を形成する工程を含む枠体形成処理と、
前記バスバーアッセンブリ形成領域及び前記枠体形成領域が重合されるように前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板を接着剤によって固着させる組み付け工程と、
前記組み付け工程の後に、重合状態の前記バスバーアッセンブリ形成領域及び前記枠体形成領域を前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板から切断する切断工程とを含むことを特徴とするバスバーアッセンブリの製造方法。
【請求項16】
前記バスバー用導電性金属平板は、前記スリットの長手方向に沿った第1方向に直列配置された複数の前記バスバーアッセンブリ形成領域と、隣接する前記バスバーアッセンブリ形成領域を連結する連結領域とを一体的に有しており、
前記枠体用導電性金属平板は、前記バスバー用導電性金属平板における前記複数のバスバーアッセンブリ形成領域に対応した複数の前記枠体形成領域と、隣接する前記枠体形成領域を連結する連結領域とを一体的に有しており、
一のバスバーアッセンブリ形成領域に形成されたスリットは、長手方向一端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向一方側に連接された連結領域内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向他方側に連接された連結領域内へ延びていることを特徴とする請求項14又は15に記載のバスバーアッセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバスバーが電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されてなるバスバーアッセンブリ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに対して電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されている複数のバスバーを備えたバスバーアッセンブリが提案され、種々の分野において利用されている。
【0003】
例えば、一の平板状バスバーと他の平板状バスバーとが互いに対して平行状態で上下に積層されてなる積層型のバスバーアッセンブリが提案されている(下記特許文献1及び2参照)。
【0004】
前記積層型バスバーアッセンブリは、一の平板状バスバーの対向平面と他の平板状バスバーの対向平面とが絶縁性樹脂層を挟んで全面的に対向配置されている為、絶縁性に関する信頼性を十分には確保し難いという問題がある。
特に、上下方向に関し小型化を図る為に前記一の平板状バスバーと前記他の平板状バスバーとの間の絶縁性樹脂層の厚みを薄くすると、両バスバー間にリーク電流が流れる恐れがある。
【0005】
前記積層型バスバーアッセンブリの問題点を解決する為に、本願出願人は、導電性金属平板の第1及び第2バスバーが同一平面内で並列配置されている平面型バスバーアッセンブリに関する出願を行っている(下記特許文献3及び4参照)。
【0006】
図19(a)に、前記平面型バスバーアッセンブリ500の一例の平面図を示す。
また、図19(b)に、図19(a)におけるXIX(b)-XIX(b)線に沿った断面図を示す。
【0007】
図19(a)及び(b)に示すように、前記平面型バスバーアッセンブリ500は、導電性金属平板の第1バスバー510aと、前記第1バスバー510aとの間に間隙515を存しつつ前記第1バスバー510aと同一平面内に配置された導電性金属平板の第2バスバー510bと、前記第1及び第2バスバー510a、510bを電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結する絶縁性樹脂層520とを備えている。
【0008】
前記絶縁性樹脂層520は、前記間隙515内に充填された間隙充填部525と、前記第1及び第2バスバー510a、510bが前記間隙充填部525によって連結されてなるバスバー連結体の表面上に積層された表面積層部とを有している。
【0009】
前記表面積層部は、前記バスバー連結体の厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面をそれぞれ覆う第1面側積層部530及び第2面側積層部540と、前記前記バスバー連結体の外側面を覆い、前記第1及び第2面側積層部530、540を連結する側面側積層部550とを有している。
【0010】
前記第1面側積層部530には、前記第1及び第2バスバー10a、10bのそれぞれの第1表面の所定部分を露出させて第1及び第2露出領域を形成する第1及び第2開口531a、531bが設けられている。
【0011】
図19(c)に、前記バスバーアッセンブリ500にLED等の半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール600の縦断面図を示す。
図19(c)に示すように、前記半導体素子110は、第1電極層(下側電極層)が前記第1及び第2露出領域の一方(図19(c)においては前記第1露出領域)に、例えば、メッキ層(図示せず)を介して機械的且つ電気的に接続され、且つ、第2電極層(上側電極層)が前記第1及び第2露出領域の他方(図19(c)においては前記第2露出領域)にワイヤボンディング120を介して電気的に接続される。
【0012】
図20(a)~(d)に、前記平面型バスバーアッセンブリ500の製造方法の一例の工程図を示す。
前記製造方法は、前記第1及び第2バスバー510a、510bを前記間隙515を存しつつ同一平面内に配置させる工程(図20(a))と、前記間隙515内並びに前記第1及び第2バスバー510a、510bの表面上に絶縁性樹脂部材を塗布し、前記絶縁性樹脂部材を硬化させて前記絶縁性樹脂層520を形成する工程(図20(b))と、前記絶縁性樹脂層520の第1面側積層部530にレーザー加工によって前記第1及び第2開口531a、531bを設ける工程(図20(c)及び(d))とを有している。
【0013】
図20(e)に、図20(d)におけるXX(e)部拡大図を示す。
ここで、前記半導体素子110を含む半導体モジュール600の板面方向(平面方向)の小型化を図る為には、前記第1及び第2開口531a、531bの前記間隙515に近接する側のエッジを、対応するバスバー510a、510b及び前記間隙515の境界に可及的に近接乃至は一致させる必要がある。
【0014】
その為には、前記第1及び第2開口531a、531bを形成する際に、前記第1開口531aにおける前記間隙515に近接する側のエッジを前記第1バスバー510aにおける前記間隙515に近接する側の端部(内端部)に可及的に近接させ、且つ、前記第2開口531bにおける前記間隙515に近接する側のエッジを前記第2バスバー510bにおける前記間隙515に近接する側の端部(内端部)に可及的に近接させるように、レーザー加工を行う必要がある(図21(a)及び(b)参照)。
【0015】
図21(c)に、図21(b)におけるXXI(c)部拡大図を示す。
しかしながら、このようにレーザー加工を行うと、図21(c)に示すように、前記間隙充填部525の一部がレーザー光によって熔融されて、前記間隙充填部525にピンホール527が生じ得る。
前記ピンホール527は、前記第1及び第2バスバー510a、510b間の絶縁性能の悪化及び連結強度の悪化を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特許第4432913号公報
【文献】特許第6487769号公報
【文献】特開2019-042678号公報
【文献】特開2019-050090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させる複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、前記間隙を挟んで隣接するバスバー間の絶縁性及び連結強度を良好に維持しつつ、前記第1面側中央開口の前記間隙に近接する側のエッジを対応するバスバー及び前記間隙の境界に可及的に近接乃至は一致させ得るバスバーアッセンブリの提供を目的とする。
また、本発明は、前記バスバーアッセンブリを効率的に製造し得る製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、本発明の第1態様は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、前記絶縁性樹脂層は、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材によって形成されているバスバーアッセンブリを提供する。
【0019】
好ましくは、前記複数の第1面側中央開口の各々における前記間隙に近接する側のエッジは、対応する前記バスバー及び前記間隙の境界に一致される。
【0020】
好ましくは、第1面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する複数の第1面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向一方側外方へ延びる仕切壁部を有し得る。
【0021】
また、本発明の第2態様は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの厚み方向一方側の第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、前記第1面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する前記第1面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向一方側外方へ延びる仕切壁部を有しているバスバーアッセンブリを提供する。
【0022】
また、本発明の第3態様は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの厚み方向一方側の第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリであって、前記絶縁性樹脂層は、完全硬化状態において透明な絶縁性樹脂材によって形成されているバスバーアッセンブリを提供する。
【0023】
前記第1~第3態様に係るバスバーアッセンブリにおいて、前記第1面側積層部は、前記複数の第1面側中央開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う中央被覆領域と、前記中央被覆領域より径方向外方において前記バスバー連結体の第1面を露出させる周縁開口と、前記周縁開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う周縁被覆領域とを有するものとされる。
【0024】
これに代えて、前記第1~第3態様に係るバスバーアッセンブリは、中央孔を有する筒状の枠体本体及び前記枠体本体の外周面を覆う絶縁性樹脂層を有する枠体を備え得る。
前記枠体は、前記複数の第1面側中央開口を平面視において囲むように前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着される。
【0025】
前記種々の構成において、前記絶縁性樹脂層は、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面に設けられた第2面側積層部と、前記バスバー連結体の側面に設けられ、前記第1及び第2面側積層部を連結する側面側積層部とを有するものとされ、前記第2面側積層部には、前記複数のバスバーの第2面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第2面側中央開口が設けられる。
【0026】
好ましくは、前記複数の第2面側中央開口の各々における前記間隙に近接する側のエッジは、対応する前記バスバー及び前記間隙の境界に一致される。
【0027】
好ましくは、前記第2面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する複数の第2面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向他方側外方へ延びる仕切壁部を有し得る。
【0028】
また、本発明は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられているバスバーアッセンブリの第1の製造方法であって、前記複数のバスバーを形成するバスバーアッセンブリ形成領域を有する導電性金属平板を用意する工程と、前記バスバーアッセンブリ形成領域に、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面の間を貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位を画するスリット形成工程と、前記スリット内及び前記バスバーアッセンブリ形成領域の第1面上の全域に、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材を設ける工程と、前記絶縁性樹脂材を半硬化させる半硬化工程と、半硬化状態の前記絶縁性樹脂材に対して、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの一方である第1バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第1中央開口に相当する第1中央開口形成領域、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの他方である第2バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第2中央開口に相当する第2中央開口形成領域、並びに、前記第1及び第2中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含む中央レーザー領域にレーザー光を照射して前記第1面側第1及び第2中央開口を形成するレーザー光照射工程と、半硬化状態の前記絶縁性樹脂材を完全硬化させる完全硬化工程と、前記バスバーアッセンブリ形成領域を前記導電性金属平板から切断する切断工程とを含むバスバーアッセンブリの第1製造方法を提供する。
【0029】
前記第1製造方法において、前記第1面側積層部が、前記複数の第1面側中央開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う中央被覆領域と、前記中央被覆領域より径方向外方において前記バスバー連結体の第1面を露出させる周縁開口と、前記周縁開口を平面視において囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う周縁被覆領域とを有する場合には、前記レーザー光照射工程は、前記中央レーザー領域に加えて、前記周縁開口に相当する周縁開口形成領域にもレーザー光を照射して前記周縁開口を形成するように構成される。
【0030】
前記第1製造方法において、好ましくは、前記導電性金属平板は、前記スリットの長手方向に沿った第1方向に直列配置された複数の前記バスバーアッセンブリ形成領域と、隣接する前記バスバーアッセンブリ形成領域を連結する連結領域とを一体的に有するものとされる。
【0031】
この場合、一のバスバーアッセンブリ形成領域に形成されたスリットは、長手方向一端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向一方側に連接された連結領域内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向他方側に連接された連結領域内へ延びる。
【0032】
また、本発明は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層と、前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着された枠体とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられ、前記枠体は、中央孔を有する筒状の枠体本体と前記枠体本体の外周面を覆う絶縁性樹脂層とを有し、平面視において前記複数の第1面側中央開口を囲むように前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着されているバスバーアッセンブリの第2製造方法であって、前記複数のバスバーを形成するバスバーアッセンブリ形成領域を有するバスバー用導電性金属平板を用意する工程と、前記バスバーアッセンブリ形成領域に、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面の間を貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位を画するスリット形成工程と、前記スリット内及び前記バスバーアッセンブリ形成領域の第1面上の全域に、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材を設ける工程と、前記絶縁性樹脂材を半硬化させる半硬化工程と、半硬化状態の前記絶縁性樹脂材に対して、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの一方である第1バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第1中央開口に相当する第1中央開口形成領域、前記間隙を挟んで前記第1バスバーに隣接する第2バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第2中央開口に相当する第2中央開口形成領域、並びに、前記第1及び第2中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含む中央レーザー領域にレーザー光を照射して前記第1面側第1及び第2中央開口を形成するレーザー光照射工程と、前記バスバー用導電性金属平板を用意する工程から前記レーザー光照射工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理であって、前記枠体本体の厚みと同一厚みを有し且つ平面視において前記バスバーアッセンブリ形成領域に対応した外周形状を有する枠体形成領域を含む枠体用導電性金属平板を用意する工程と、前記枠体形成領域のうち前記中央孔に相当する部分を打ち抜いて、前記枠体本体に相当する枠体本体形成部位を形成する打ち抜き工程と、前記枠体本体形成部位に絶縁性樹脂材を設ける工程とを含む枠体形成処理とを含む枠体形成処理と、レーザー光照射工程後の前記バスバー用導電性金属平板に残っている絶縁性樹脂材、及び、前記枠体用導電性金属平板に設けられた絶縁性樹脂材の少なくとも一方が半硬化とされている状態で前記両金属平板を重合させて半硬化状態の絶縁性樹脂材を完全硬化させることで、両金属平板を固着させる組み付け工程と、前記組み付け工程の後に、重合状態の前記バスバーアッセンブリ形成領域及び前記枠体形成領域を前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板から切断する切断工程とを含むバスバーアッセンブリの第2製造方法を提供する。
【0033】
また、本発明は、導電性平板状部材によって形成され、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含むバスバー側絶縁性樹脂層と、前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着された枠体とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられ、前記枠体は、中央孔を有する筒状の枠体本体と前記枠体本体の外周面を覆う枠体側絶縁性樹脂層とを有し、平面視において前記複数の第1面側中央開口を囲むように前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着されているバスバーアッセンブリの第3製造方法であって、前記複数のバスバーを形成するバスバーアッセンブリ形成領域を有するバスバー用導電性金属平板を用意する工程と、前記バスバーアッセンブリ形成領域に、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面の間を貫通し且つ前記間隙と同一幅を有する一又は複数のスリットを形成して、前記複数のバスバーに対応した複数のバスバー形成部位を画するスリット形成工程と、前記スリット内及び前記バスバーアッセンブリ形成領域の第1面上の全域に、半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材を設ける工程と、前記絶縁性樹脂材を半硬化させる半硬化工程と、半硬化状態の前記絶縁性樹脂材に対して、前記間隙を挟んで隣接するバスバーの一方である第1バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第1中央開口に相当する第1中央開口形成領域、前記間隙を挟んで前記第1バスバーに隣接する第2バスバーの第1面の所定部分を露出させる第1面側第2中央開口に相当する第2中央開口形成領域、並びに、前記第1及び第2中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含む中央レーザー領域にレーザー光を照射して前記第1面側第1及び第2中央開口を形成するレーザー光照射工程と、前記レーザー光照射工程後に前記バスバー用導電性金属平板に残っているバスバー側絶縁性樹脂材を完全硬化させて前記バスバー側絶縁性樹脂層を形成する工程と、前記バスバー用導電性金属平板を用意する工程から前記バスバー側絶縁性樹脂材の完全硬化工程までの処理の前又は後、若しくは、並行して行う枠体形成処理であって、前記枠体本体の厚みと同一厚みを有し且つ平面視において前記バスバーアッセンブリ形成領域に対応した外周形状を有する枠体形成領域を含む枠体用導電性金属平板を用意する工程と、前記枠体形成領域のうち前記中央孔に相当する部分を打ち抜いて、前記枠体本体に相当する枠体本体形成部位を形成する打ち抜き工程と、前記枠体本体形成部位に絶縁性樹脂材を設ける工程と、前記枠体本体形成部位に設けられた前記絶縁性樹脂材を完全硬化させて前記枠体側絶縁性樹脂層を形成する工程を含む枠体形成処理と、前記バスバーアッセンブリ形成領域及び前記枠体形成領域が重合されるように前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板を接着剤によって固着させる組み付け工程と、前記組み付け工程の後に、重合状態の前記バスバーアッセンブリ形成領域及び前記枠体形成領域を前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板から切断する切断工程とを含むバスバーアッセンブリの第3製造方法を提供する。
【0034】
前記第2及び第3製造方法において、好ましくは、前記バスバー用導電性金属平板は、前記スリットの長手方向に沿った第1方向に直列配置された複数の前記バスバーアッセンブリ形成領域と、隣接する前記バスバーアッセンブリ形成領域を連結する連結領域とを一体的に有するものとされ、且つ、前記枠体用導電性金属平板は、前記バスバー用導電性金属平板における前記複数のバスバーアッセンブリ形成領域に対応した複数の前記枠体形成領域と、隣接する前記枠体形成領域を連結する連結領域とを一体的に有するものとされる。
【0035】
この場合、一のバスバーアッセンブリ形成領域に形成されたスリットは、長手方向一端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向一方側に連接された連結領域内へ延び且つ長手方向他端側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域の第1方向他方側に連接された連結領域内へ延びる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の第1態様に係るバスバーアッセンブリは、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられており、前記絶縁性樹脂層が半硬化状態では透明で且つ完全硬化状態では非透明となる絶縁性樹脂材によって形成されている。
【0037】
前記バスバーアッセンブリによれば、前記バスバー連結体の第1面の全域に設けた前記絶縁性樹脂材を半硬化状態とした上で、前記複数の第1面側中央開口にそれぞれ相当し且つ前記間隙を挟んで隣接する第1面側中央開口形成領域及び隣接する前記複数の第1面側中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含むレーザー領域にレーザー光を照射することで、前記間隙充填部にピンホールが生じることを可及的に防止乃至は低減しつつ、前記第1面側中央開口の前記間隙に近接する側のエッジを対応するバスバー及び間隙の境界に可及的に近接乃至は実質的に一致させることができる。従って、隣接するバスバー間の絶縁性及び連結強度を維持しつつ、前記バスバーアッセンブリに載置される半導体素子を前記間隙に可及的に近接配置することができる。
【0038】
本発明の第2態様に係るバスバーアッセンブリは、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられており、前記第1面側積層部は、前記間隙を挟んで隣接する前記第1面側中央開口によって挟まれる領域において前記間隙充填部から前記バスバー連結体の厚み方向一方側外方へ延びる仕切壁部を有している。
【0039】
前記バスバーアッセンブリによれば、前記第1面側中央開口によって露出された領域に直接又はメッキ層を介して間接的に半導体素子を装着する際に、前記仕切壁部をストッパーとして用いることができる。従って、隣接するバスバーの一方に装着される半導体素子が、隣接するバスバーの他方に意に反して接触することを有効に防止しつつ、前記半導体素子を前記間隙に可及的に近接配置することができる。
【0040】
本発明の第3態様に係るバスバーアッセンブリは、互いの間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部を含む絶縁性樹脂層とを備え、前記第1面側積層部には、前記複数のバスバーの第1面の所定部分をそれぞれ露出させて複数の露出領域を形成する複数の第1面側中央開口が設けられており、前記絶縁性樹脂層が完全硬化状態において透明となる絶縁性樹脂材によって形成されている。
【0041】
前記バスバーアッセンブリによれば、前記バスバー連結体の第1面の全域に設けた前記絶縁性樹脂材を完全硬化させた状態で、前記複数の第1面側中央開口にそれぞれ相当し且つ前記間隙を挟んで隣接する第1面側中央開口形成領域及び隣接する前記複数の第1面側中央開口形成領域によって挟まれる中間領域を含むレーザー領域にレーザー光を照射することで、前記間隙充填部にピンホールが生じることを可及的に防止乃至は低減しつつ、前記第1面側中央開口の前記間隙に近接する側のエッジを対応するバスバー及び間隙の境界に可及的に近接乃至は実質的に一致させることができる。従って、隣接するバスバー間の絶縁性及び連結強度を維持しつつ、前記バスバーアッセンブリに載置される半導体素子を前記間隙に可及的に近接配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係るバスバーアッセンブリの平面図である。
図2図2は、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリの底面図である。
図3図3(a)は、図1におけるIII(a)-III(a)線に沿った断面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるIII(b)部拡大図である。
図4図4(a)は、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリにLED等の半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるIV(b)部拡大図である。
図5図5は、同一平面内に並列配置された第1及び第2バスバーの間隙内に絶縁性樹脂材が充填され、且つ、前記第1及び第2バスバーが前記間隙内の絶縁性樹脂材によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面の全域に絶縁性樹脂材が設けられた状態を示す平面図である。
図6図6は、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリの製造方法(第1製造方法)において用いられるバスバー用導電性金属平板の平面図であって、前記第1製造方法におけるスリット形成工程完了状態を示している。
図7図7(a)は、図6におけるVII(a)部拡大図であり、図7(b)は、図7(a)におけるVII(b)-VII(b)線に沿った断面図である。
図8図8は、絶縁性樹脂材を設けた状態の前記バスバー用導電性金属平板の平面図である。
図9図9(a)は、図8におけるIX(a)部拡大図であり、図9(b)は、図9(a)におけるIX(b)-IX(b)線に沿った断面図である。
図10図10は、図8におけるIX(a)部の底面図である。
図11図11(a)は、前記バスバー用導電性金属平板のバスバー形成領域の平面図であり、前記第1製造方法における完全硬化工程後の状態を示している。図11(b)は、図11(a)におけるXI(b)-XI(b)線に沿った断面図である。
図12図12は、本発明の実施の形態2に係るバスバーアッセンブリの平面図である。
図13図13(a)は、図12におけるXIII(a)-XIII(a)線に沿った断面図であり、図13(b)は、前記実施の形態2に係るバスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図14図14(a)は、前記実施の形態2に係るバスバーアッセンブリの製造方法(第2製造方法)において用いられるバスバー用導電性金属平板におけるバスバーアッセンブリ形成領域の平面図であり、前記第2製造方法における半硬化工程後の状態を示している。図14(b)は、図14(a)におけるXIV(a)-XIV(a)線に沿った断面図である。
図15図15(a)は、図14(a)に示された前記バスバーアッセンブリ形成領域の平面図であり、前記第2製造方法におけるレーザー光照射工程後の状態を示している。図15(b)は、図15(a)におけるXV(b)-XV(b)線に沿った断面図である。
図16図16は、前記第2製造方法において用いる枠体用導電性金属平板の平面図であり、前記第2製造方法における絶縁性樹脂材の設置工程後の状態を示している。
図17図17(a)は、図16におけるXVII(a)部拡大図であり、図17(b)は、図17(a)におけるXVII(b)-XVII(b)線に沿った断面図である。
図18図18は、前記第2製造方法における組み付け工程後の前記バスバー用導電性金属平板及び前記枠体用導電性金属平板の平面図である。
図19図19(a)は、従来の平面型バスバーアッセンブリの平面図であり、図19(b)は、図19(a)におけるXIX(b)-XIX(b)線に沿った断面図である。図19(c)は、図19(a)及び(b)に示す前記バスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図20図20(a)~(d)は、前記従来の平面型バスバーアッセンブリの製造方法の工程図であり、図20(e)は、図20(d)におけるXX(e)部拡大図である。
図21図21(a)は、前記従来の平面型バスバーアッセンブリの製造方法におけるレーザー光照射工程を示す断面図であり、図21(b)は、前記レーザー光照射工程後の断面図である。図31(c)は、図21(b)におけるXXI(c)部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
実施の形態1
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に、それぞれ、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1の平面図及び底面図を示す。
また、図3(a)に、図1におけるIII(a)-III(a)線に沿った断面図を示す。
さらに、図3(b)に、図3(a)におけるIII(b)部拡大図を示す。
【0044】
図1図3に示すように、前記バスバーアッセンブリ1は、導電性平板状部材によって形成された複数のバスバー10であって、互いの側面間に間隙19が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバー10と、前記複数のバスバー10に固着された絶縁性樹脂層30とを有している。
本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1は、前記複数のバスバー10として、第1及び第2バスバー10a、10bの2つのバスバーを有している。
【0045】
図3(a)及び(b)に示すように、前記第1及び第2バスバー10a、10bは、厚み方向に沿った縦断面視において、厚み方向一方側の第1面11と、厚み方向他方側の第2面12と、互いに対して対向する対向側面13と、互いに対して反対方向を向く外側面14とを有している。
前記第1及び第2バスバー10a、10bは、Cu等の導電性金属によって形成される。
【0046】
図4(a)に、前記バスバーアッセンブリ1にLED等の半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール101の一例の縦断面図を、図4(b)に、図4(a)におけるIV(b)部拡大図を、それぞれ示す。
前記半導体モジュール101においては、前記第1及び第2バスバー10a、10bは、一方が正極側電極として作用し、他方が負極側電極として作用する。
【0047】
即ち、前記半導体素子110は、厚み方向一方側の下面及び厚み方向他方側の上面にそれぞれ第1及び第2電極層111、112を有し、前記第1及び第2電極層111、112の間に素子本体115を有している。
【0048】
前記半導体素子110は、第1電極層111が前記一方のバスバー(例えば第1バスバー10a)の第1面11に電気的に接続状態で固着され、第2電極層112がワイヤボンディング等の電気接続部材120を介して他方のバスバー(例えば第2バスバー10b)の第1面11に電気的に接続される。
【0049】
詳しくは、前記半導体素子110は、前記第1電極層111が前記一方のバスバーの第1面11に設けられたメッキ層(図示せず)に電気的に接続されるようにダイボンディングされ、且つ、前記第2電極層112が前記他方のバスバーの第1面11に設けられたメッキ層(図示せず)にワイヤボンディング120を介して電気的に接続される。
【0050】
なお、図4(a)及び(b)中の符号130は、前記バスバーアッセンブリ1に装着された前記半導体素子110及び前記電気接続部材120等の部品を保護する為に、前記バスバーアッセンブリ1の第1面に固着される封止樹脂層である。
前記封止樹脂層130は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の透明樹脂が用いられる。
【0051】
本実施の形態においては、前記絶縁性樹脂層30は、耐熱性及び絶縁性を有する樹脂であって、半硬化状態においては透明で且つ完全硬化状態においては非透明とされる絶縁性樹脂材によって形成されている。
前記絶縁性樹脂材としては、例えば、インシュリード(登録商標)が好適に利用される。
【0052】
なお、前記「透明」とは、後述するレーザー光(例えば波長1064nm)に対して透過性を有することを意味し、且つ、前記「非透明」とは、レーザー光の照射によって発熱・溶融されるようにレーザー光に対する吸収性を有することを意味する。
【0053】
図1図3に示すように、前記絶縁性樹脂層30は、前記第1及び第2バスバー10a、10bの対向側面13間の前記間隙19に充填されて前記第1及び第2バスバー10a、10bを電気的には絶縁状態で機械的に連結する間隙充填部31と、前記第1及び第2バスバー10a、10bが前記間隙充填部31によって連結されてなるバスバー連結体の外表面に設けられた表面積層部とを有している。
【0054】
斯かる構成の前記バスバーアッセンブリ1によれば、前記第1及び第2バスバー10a、10bが同一平面内に配置されているので、上下方向(厚み方向)に関し可及的に小型化を図ることができる。
【0055】
また、前記第1及び第2バスバー10a、10bは前記対向側面13において対向するように配置されているので、複数のバスバーが上下に積層されている積層型バスバーアッセンブリに比して、前記第1及び第2バスバー10a、10bが互いに対して対向する面積を可及的に小さくすることができ、これにより、前記第1及び第2バスバー10a、10b間にリーク電流が流れることを有効に防止乃至は低減することができる。
【0056】
本実施の形態においては、前記表面積層部は、前記バスバー連結体の板厚方向一方側の第1面に設けられた第1面側積層部40と、前記バスバー連結体の板厚方向他方側の第2面に設けられた第2面側積層部50と、前記バスバー連結体の側面に設けられ、前記第1及び第2面側積層部40、50を連結する側面側積層部55とを有している。
【0057】
図1図3に示すように、前記第1面側積層部40は、前記バスバー連結体の平面視中央において前記第1及び第2バスバー10a、10bの第1面11の所定部分をそれぞれの露出させて第1及び第2中央露出領域を形成する第1面側第1及び第2中央開口41a、41bと、前記第1面側第1及び第2中央開口41a、41bを囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う中央被覆領域43とを有している。
【0058】
ここで、本実施の形態においては、図1及び図3(a)に示すように、前記第1面側第1中央開口41aにおける前記間隙19に近接する側のエッジが、前記第1バスバー10a及び前記間隙19の境界に実質的に一致している。即ち、前記第1面側第1中央開口41aにおける前記間隙19に近接する側のエッジと、前記第1バスバー10aにおける前記間隙19に近接する側の端部(内端部)とが実質的に一致している。
【0059】
同様に、前記第1面側第2中央開口41bにおける前記間隙19に近接する側のエッジが、前記第2バスバー10b及び前記間隙19の境界に実質的に一致している。即ち、前記第1面側第2中央開口41bにおける前記間隙19に近接する側のエッジと、前記第2バスバー10bにおける前記間隙19に近接する側の端部(内端部)とが実質的に一致している。
【0060】
図5に、前記間隙19内及び前記バスバー連結体の厚み方向一方側の第1面に、前記絶縁性樹脂層30を形成する絶縁性樹脂材240が設けられた状態の前記バスバー連結体の平面図を示す。
【0061】
前記絶縁性樹脂材240が半硬化状態においては透明で且つ完全硬化状態においては非透明とされる場合には、前記絶縁性樹脂材240を半硬化とさせた状態において、前記第1面側第1中央開口41aに相当する第1面側第1中央開口形成領域241a、前記第1面側第2中央開口41bに相当する第1面側第2中央開口形成領域241b、並びに、前記第1面側第1及び第2中央開口形成領域241a、241bによって挟まれる第1面側中間領域241cを含む第1面側中央レーザー領域241にレーザー光を照射することによって、前記第1面側中央レーザー領域241のうち、直下に前記第1及び第2バスバー10a、10bが存在する部分(即ち、前記第1面側第1及び第2中央開口形成領域241a、241b)を、前記第1面側中間領域241cよりも早く熔融させることができる。
【0062】
そして、前記第1面側第1及び第2中央開口形成領域241a、241bを熔融除去させた後に、前記絶縁性樹脂材を完全硬化させて、前記絶縁性樹脂層30を形成することができる。
【0063】
これによれば、前記間隙充填部31にピンホールが生じることを有効に防止乃至は低減しつつ、前記第1面側第1中央開口41aにおける間隙19に近接する側のエッジを前記第1バスバー10a及び前記間隙19の境界に実質的に一致させ、且つ、前記第1面側第2中央開口41bにおける前記間隙19に近接する側のエッジを前記第2バスバー10b及び前記間隙19の境界に実質的に一致させることができる。
【0064】
さらに、前記絶縁性樹脂材240が半硬化の状態で前記第1面側中央レーザー領域241にレーザー光を照射しても、直下に前記バスバー10が存在しない前記間隙充填部31の熔融は実質的に防止乃至は低減されるので、本実施の形態においては、図3(b)に示すように、前記第1面側積層部40は、前記第1面側第1及び第2中央開口41a、41bによって挟まれる領域において前記間隙充填部31から前記バスバー連結体の厚み方向一方側外方へ延びる第1面側仕切壁部42を有するように構成される。
【0065】
前記第1面側仕切壁部42は、前記第1面側第1及び第2中央開口41a、41bによって露出される前記第1面側第1及び第2中央露出領域に半導体素子110を接着剤で固着する際に、前記半導体素子110の位置ズレを防止するストッパーとして作用する。
【0066】
従って、図4(b)に示すように、前記半導体素子110を前記間隙19に可及的に近接させた状態で、対応する露出領域(図示の形態においては前記第1面側第1中央露出領域)に固着させることができる。
【0067】
図1等に示すように、本実施の形態においては、前記第1面側積層部40は、さらに、前記中央被覆領域43を囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を露出させる周縁開口45と、前記周縁開口45を囲む領域において前記バスバー連結体の第1面を覆う第1面側周縁被覆領域47とを有している。
【0068】
前記周縁開口45は、前記中央被覆領域43及び前記第1面側周縁被覆領域47との共働下に第1面の側へ開く凹部(溝部)を形成しており、前記周縁開口45及び前記第1面側周縁被覆領域47の間の段差が前記封止樹脂130の堰き止め構造を形成している。
【0069】
即ち、前述の通り、前記バスバーアッセンブリ1に装着された前記半導体素子110及び必要な電気接続部材等の部品を保護する為の前記封止樹脂層130(図4(a)及び(b)参照)は、前記部品を囲繞するように当該封止樹脂層130を形成する樹脂を前記バスバーアッセンブリ1の第1面上に塗布して、硬化させることによって設けられるが、その際に、当該樹脂が流れ出ることを防止する堰き止め構造を備える必要がある。
【0070】
図4(a)に示すように、本実施の形態においては、前記中央被覆領域43、前記周縁開口45及び前記第1面側周縁被覆領域47によって形成される凹部(溝部)が前記堰き止め構造を構成している。
【0071】
図2等に示すように、前記第2面側積層部50は、底面視中央において前記第1及び第2バスバー10a、10bの第2面12を露出させる第2面側中央開口51と、前記第2面側中央開口51を囲む領域において前記バスバー連結体の第2面を覆う第2面側周縁被覆領域53とを有している。
【0072】
本実施の形態においては、前記第2面側中央開口51は、前記第1及び第2バスバー10a、10bの第2面をそれぞれ露出させる第2面側第1及び第2中央開口51a、51bを有している。
【0073】
図3(b)及び図4(b)に示すように、前記第2面側積層部50は、さらに、前記第2面側第1及び第2中央開口51a、51bによって挟まれる領域において前記間隙充填部31から前記バスバー連結体の厚み方向他方側外方へ延びる第2面側仕切壁部52を有している。
【0074】
前記バスバー連結体の第2面側に対しても、前記絶縁性樹脂材240の半硬化状態でレーザー光を照射することによって、前記間隙充填部31にピンホールが生じることを有効に防止乃至は低減しつつ、前記第2面側第1中央開口51aにおける間隙19に近接する側のエッジを前記第1バスバー10a及び前記間隙19の境界に実質的に一致させ、且つ、前記第2面側第2中央開口51bにおける前記間隙19に近接する側のエッジを前記第2バスバー10b及び前記間隙19の境界に実質的に一致させることができる。
【0075】
次に、前記バスバーアッセンブリ1の製造方法(以下、第1製造方法という)について説明する。
図6に、前記第1製造方法において用いられるバスバー用導電性金属平板200の平面図を示す。
また、図7(a)に、図6におけるVII(a)部拡大図を、図7(b)に、図7(a)におけるVII(b)-VII(b)線に沿った断面図を、それぞれ示す。
【0076】
図6及び図7に示すように、前記第1製造方法は、前記第1及び第2バスバー10a、10bと同一厚みのバスバーアッセンブリ形成領域210を有するバスバー用導電性金属平板200を用意する工程と、前記バスバーアッセンブリ形成領域210に、厚み方向一方側の第1面211及び厚み方向他方側の第2面212の間を貫通するスリット215を形成するスリット形成工程とを有している。
図6は、前記スリット形成工程完了後の状態を示している。
【0077】
なお、前述の通り、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1は、前記複数のバスバー10として、前記第1及び第2バスバー10a、10bの2つのバスバーを有している。その為、前記バスバーアッセンブリ形成領域210に1つの前記スリット215が形成される。
例えば、3つのバスバーが並列配置されてなるバスバーアッセンブリを製造する際には、2つのスリットが形成される。
【0078】
図7(a)及び(b)に示すように、本実施の形態においては、前記バスバー用導電性金属平板200は、当該導電性金属平板200が位置するX-Y平面内のX方向に沿って直列配列された複数の前記バスバーアッセンブリ形成領域210と、X方向に隣接するバスバーアッセンブリ形成領域210の間を連結する連結領域230とを含むバスバー列205を有しており、前記複数のバスバーアッセンブリ形成領域210に対して加工処理を同時に行えるようになっている。
【0079】
本実施においては、前記バスバー用導電性金属平板200は、前記バスバー列205の長手方向(X方向)一方側及び他方側にそれぞれ連結された一対の把持片207を有しており、前記一対の把持片207には位置合わせ孔208が設けられている。
【0080】
なお、複数の前記バスバー列205をY方向に並列配置させ、Y方向に並列配置された複数のバスバー列205を前記一対の把持片207、207によって一体的に保持することも可能である。
かかる変形構成によれば、より多くのバスバーアッセンブリ1を同時に製造することができる。
【0081】
本実施の形態においては、前記バスバーアッセンブリ形成領域210は、X方向長さが前記バスバーアッセンブリ1の前記間隙19に平行な方向の長さと同一とされ、且つ、前記バスバー形成部位210のY方向長さが前記バスバーアッセンブリ1の前記間隙19とは直交する方向の長さと同一なるように、X方向及びY方向の長さが設定されている。
【0082】
前記スリット215は、前記バスバーアッセンブリ1における前記間隙19を形成するものであり、前記間隙19と同一幅とされる。
なお、前記間隙19の幅は、前記バスバーアッセンブリ1の仕様に応じて定まる。
【0083】
本実施の形態においては、一のバスバーアッセンブリ形成領域210aに形成されたスリット215は、長手方向(X方向)一方側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域210aの長手方向(X方向)一方側に連結された一の連結領域230(1)内へ延び、且つ、長手方向(X方向)他方側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域230aの長手方向(X方向)他方側に連結された他の連結領域230(2)内へ延びている。
【0084】
そして、前記スリット形成工程後の状態において、前記一のバスバーアッセンブリ形成領域210aに形成されたスリット215を介して対向する第1及び第2バスバー形成部位220a、220bは、前記一の連結領域230(1)及び前記他の連結領域230(2)を介して、互いに対して繋がった状態に維持されるように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記スリット215(前記間隙19)を精度良く形成することができる。
【0085】
前記第1製造方法は、前記スリット形成工程後に、前記スリット215内及び前記バスバー形成領域210の厚み方向一方側の第1面211に、前記絶縁性樹脂層30を形成する絶縁性樹脂材240を設ける工程を有している。
【0086】
図8に、前記絶縁性樹脂材240を設けた状態の前記バスバー用導電性金属平板200の平面図を示す。
また、図9(a)に、図8におけるIX(a)部拡大図を、図9(b)に、図9(a)におけるIX(b)-IX(b)線に沿った断面図を、それぞれ示す。
【0087】
図9(b)に示すように、本実施の形態においては、前記絶縁性樹脂材240は、前記スリット215内及び前記バスバー形成領域210の第1面211上に加えて、前記バスバー形成領域210の第2面212及び外周面213にも設けられている。
【0088】
前記絶縁性樹脂材240は、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂であって、前述の通り、半硬化状態においてはレーザー光を透過させる透明となり、且つ、完全硬化状態においてはレーザー光を吸収する非透明となる絶縁性樹脂とされ、好適には、インシュリード(登録商標)が用いられる。
【0089】
前記絶縁性樹脂材240の設置は、例えば、当該絶縁性樹脂材240を含む塗料を電着塗装することによって行うことができる。
これに代えて、前記絶縁性樹脂材240の粉体を静電粉体塗装することも可能である。
若しくは、前記スリット215内への樹脂の充填性を十分に担保できる場合には、前記絶縁性樹脂材240を含む塗料をスプレー塗装することも可能である。
【0090】
前記第1製造方法は、さらに、前記絶縁性樹脂材240を半硬化させる半硬化工程と、半硬化させた前記絶縁性樹脂材240に対してレーザー光を照射するレーザー光照射工程とを有している。
【0091】
前記半硬化工程は、例えば、前記絶縁性樹脂材240を所定温度及び所定時間で加熱処理することによって行われる。
【0092】
前記レーザー光照射工程におけるレーザー光は、半硬化状態の前記絶縁性樹脂材240に対して透過する波長とされ、例えば、波長1064nmとされる。
【0093】
前記レーザー光照射工程においては、図9(a)に示すように、前記バスバーアッセンブリ形成領域210の第1面211上の前記絶縁性樹脂材240のうち、前記第1面側第1中央開口41aに相当する第1面側第1中央開口形成領域241a、前記第1面側第2中央開口41bに相当する第1面側第2中央開口形成領域241b、並びに、前記第1面側第1及び第2中央開口形成領域241a、241bによって挟まれる第1面側中間領域241cを含む第1面側中央レーザー領域241に対して、レーザー光が照射される。
【0094】
これにより、実質的に前記第1面側中間領域241cは残された状態で、直下に前記第1及び第2バスバー形成部位220a、220bが存在する領域(即ち、前記第1面側第1中央開口形成領域241a及び前記第1面側第2中央開口形成領域241b)だけが熔融されて、前記第1面側第1中央開口41a及び前記第1面側第2中央開口41bが形成される。
【0095】
この際、前記第1面側第1中央開口41aにおけるスリット215(間隙19)に近接する側のエッジは前記第1バスバー形成部位210a及び前記スリット215(間隙19)の境界に実質的に一致され、且つ、前記第1面側第2中央開口41bにおけるスリット215(間隙19)に近接する側のエッジは前記第2バスバー形成部位210b及び前記スリット215(間隙19)の境界に実質的に一致され、さらに、前記第1面側仕切壁部42が設けられる(図3(a)参照)。
【0096】
本実施の形態においては、レーザー光照射工程は、前記第1面側中央レーザー領域241に加えて、前記周縁開口45に相当する周縁開口形成領域245にもレーザー光を照射するものとされている。
【0097】
さらに、本実施の形態においては、レーザー光照射工程は、前記バスバーアッセンブリ形成領域210の第2面212上にもレーザー光を照射するように構成されている。
【0098】
図10に、図8におけるIX(a)部の底面図を示す。
詳しくは、前記バスバーアッセンブリ形成領域210の第2面212上の絶縁性樹脂材240のうち、前記第2面側第1中央開口51aに相当する第2面側第1中央開口相当領域251a、前記第2面側第2中央開口51bに相当する第2面側第2中央開口相当領域251b、並びに、前記第2面側第1及び第2中央開口相当領域251a、251bによって挟まれる第2面側中間領域251cを含む第2面側中央レーザー領域251に対して、レーザー光が照射される。
【0099】
これにより、実質的に前記第2面側中間領域251cは残された状態で、直下に前記第1及び第2バスバー形成部位220a、220bが存在する領域(即ち、前記第2面側第1中央開口形成領域251a及び前記第2面側第2中央開口形成領域251b)だけが熔融されて、前記第2面側第1中央開口51a及び前記第2面側第2中央開口51bが形成される。
【0100】
この際、前記第2面側第1中央開口51aにおけるスリット215(間隙19)に近接する側のエッジは前記第1バスバー形成部位210a及び前記スリット215(間隙19)の境界に実質的に一致され、且つ、前記第2面側第2中央開口51bにおけるスリット215(間隙19)に近接する側のエッジは前記第2バスバー形成部位210b及び前記スリット215(間隙19)の境界に実質的に一致され、さらに、前記第2面側仕切壁部52が設けられる(図3(b)参照)。
【0101】
前記第1製造方法は、さらに、前記レーザー光照射工程によって所定の開口が設けられた前記絶縁性樹脂材240を完全硬化させて、前記絶縁性樹脂層30を形成する完全硬化工程を有している。
【0102】
前記完全硬化工程は、例えば、半硬化状態の前記絶縁性樹脂材240を所定温度及び所定時間で加熱処理することによって行われる。
【0103】
図11(a)に、前記完全硬化工程後の前記バスバー形成領域210aの平面図を、図11(b)に、図11(a)におけるXI(b)-XI(b)線に沿った断面図を、それぞれ示す。
【0104】
前記第1製造方法は、さらに、前記完全硬化工程後に、前記一対のバスバー形成部位220a、220bの露出領域にメッキ層(図示せず)を形成するメッキ工程を有することができる。
【0105】
前記第1製造方法は、さらに、前記絶縁性樹脂層30が設けられた前記バスバー形成領域210を前記バスバー用導電性金属平板200から切断して、前記バスバーアッセンブリ1を取り出す切断工程を有している。
【0106】
前述の通り、本実施の形態においては、前記バスバーアッセンブリ形成領域210は、X方向長さが前記バスバーアッセンブリ1の前記間隙19に沿った方向の長さと同一とされ、且つ、前記バスバー形成部位210のY方向長さが前記バスバーアッセンブリ1の前記間隙19とは直交する方向の長さと同一なるように、X方向及びY方向の長さが設定されている。
【0107】
その上で、一のバスバーアッセンブリ形成領域210aに形成されたスリット215は、長手方向(X方向)一方側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域210aの長手方向(X方向)一方側に連結された一の連結領域230(1)内へ延び、且つ、長手方向(X方向)他方側が当該一のバスバーアッセンブリ形成領域210aの長手方向(X方向)他方側に連結された他の連結領域230(2)内へ延びている。
【0108】
この場合、前記切断工程は、図11(a)に示すように、前記バスバーアッセンブリ形成領域210のX方向一方側及び他方側のエッジ210(1)、210(2)にそれぞれ沿った切断線C1、C2で切断するように構成される。
【0109】
斯かる構成を備えた製造方法によれば、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1を効率良く製造することができる。
【0110】
即ち、前記製造方法においては、前記第1及び第2バスバー10a、10bを形成する一対のバスバー形成部位220a、220bの相対位置が固定された状態のままで、前記一対のバスバー形成部位220a、220bの間の前記スリット215が前記間隙充填部31によって充填され且つ前記一対のバスバー形成部位220a、220bの第1面上に前記第1面側積層部40が設けられ、その後に、前記第1面側積層部40の不要部分が除去される。
【0111】
この状態において、前記連結領域230によって機械的に連結された状態で前記一対のバスバー形成部位220a、220bが前記バスバー用導電性金属平板200から切断されて、前記バスバーアッセンブリ1が製造される。
【0112】
従って、前記第1及び第2バスバー10a、10b間の電気的絶縁性を確実に確保しつつ、前記第1及び第2バスバー10a、10bが所望相対位置に正確に位置されたバスバーアッセンブリ1を効率良く安価に製造することができる。
【0113】
実施の形態2
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ2の平面図を示す。
また、図13(a)に、図12におけるXIII(a)-XIII(a)線に沿った断面図を示す。
さらに、図13(b)に、前記バスバーアッセンブリ2に半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール102の縦断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0114】
本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ2は、前記封止樹脂130の堰き止め構造に関し、前記実施の形態1に係る前記バスバーアッセンブリ1と異なる構成を有している。
【0115】
即ち、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリ1においては、前記第1面側積層部40に形成された前記周縁開口45が前記堰き止め構造を構成している。
【0116】
これに対し、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ2は、図12図13(a)及び(b)に示すように、前記第1及び第2バスバー10a、10bが連結されてなるバスバー連結体とは別体形成され且つ前記バスバー連結体の第1面に固着された枠体60を有しており、前記枠体60が前記堰き止め構造を構成している。
【0117】
詳しくは、前記枠体60は、前記バスバーアッセンブリ2の板厚方向に貫通された中央孔66を有する筒状の枠体本体65と、前記枠体本体65の外周面を覆う枠体側絶縁性樹脂層70とを有している。
【0118】
前記枠体60は、平面視において前記第1面側第1中央開口41a及び前記第1面側第2中央開口41bを囲繞する状態で前記バスバー連結体の第1面の周縁領域に固着されている。
【0119】
前記枠体本体60は、例えば、当該枠体本体60の厚みに応じた厚みを有する金属平板を用い、前記金属平板に対してプレス加工によって前記中央孔61を形成することにより、形成され得る。
【0120】
前記枠体側絶縁性樹脂層65は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の絶縁性樹脂材を用いて形成される。
【0121】
本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ2は、例えば、下記製造方法(以下、第2製造方法という)によって製造される。
【0122】
前記第2製造方法は、前記半硬化工程までは、前記第1製造方法と同一とされる。
【0123】
前記第2製造方法は、前記半硬化工程の後にレーザー光照射工程を行う点は、前記第1製造方法と同じであるが、レーザー光の照射範囲に関し前記第1製造方法とは異なっている。
【0124】
図14(a)に、前記第2製造方法における前記半硬化工程後の状態の前記一のバスバーアッセンブリ形成領域210aの拡大平面図を、図14(b)に、図14(a)におけるXIV(a)-XIV(a)線に沿った断面図を、それぞれ示す。
【0125】
前記第2製造方法においては、図14(a)に示すように、前記第1面側積層部40に対しては、前記第1面側中央レーザー領域241にのみレーザー光が照射される。
図15(a)に、前記レーザー光照射工程後の前記一のバスバーアッセンブリ形成領域210aの拡大平面図を、図15(b)に、図15(a)におけるXV(b)-XV(b)線に沿った断面図を、それぞれ示す。
なお、前記第2面側積層部50に対しては、前記第1製造方法におけると同様、前記第2面側中央レーザー領域251にレーザー光が照射される。
【0126】
前記第2製造方法は、前記バスバー用導電性金属平板200を用意する工程から前記レーザー光照射工程までの処理に並行して、若しくは、前記処理の前又は後に、前記枠体60を形成する枠体形成処理を行うように構成されている。
【0127】
図16に、前記枠体形成処理において用いられる枠体用導電性金属平板300の平面図を示す。
さらに、図17(a)に、図16におけるXVII(a)部拡大図を、図17(b)に、図17(a)におけるXVII(b)-XVII(b)線に沿った断面図を、それぞれ示す。
【0128】
図16及び図17に示すように、前記枠体形成処理は、前記枠体本体65の厚みと同一厚みを有し且つ平面視において前記バスバーアッセンブリ形成領域210に対応した外周形状を有する枠体形成領域310を含む枠体用導電性金属平板300を用意する工程と、前記枠体形成領域310における枠体本体形成部位320が残るように前記枠体形成領域310の中央を打ち抜く打ち抜き工程と、前記枠体本体形成部位320の外周面に絶縁性樹脂材270を設ける工程とを備えている。
図16は、前記枠体本体形成部位320の外周面に前記絶縁性樹脂材270を設ける工程後の状態を示している。
【0129】
前記枠体用導電性金属平板300は、前記バスバー用導電性金属平板200に重合させた際に、前記枠体形成領域310が前記バスバーアッセンブリ形成領域210に位置合わせされるように構成されている。
【0130】
詳しくは、前述の通り、前記バスバー用導電性金属平板200は、X方向に沿って直列配列された複数の前記バスバーアッセンブリ形成領域210と、X方向に隣接するバスバーアッセンブリ形成領域210の間を連結する連結領域230とを含むバスバー列205を有している。
【0131】
従って、前記枠体用導電性金属平板300は、図16に示すように、前記複数のバスバーアッセンブリ形成領域210と同一ピッチでX方向に直列配置された複数の前記枠体形成領域310と、X方向に隣接する枠体形成領域310の間を連結する連結領域330とを含む枠体列305を有している。
【0132】
なお、前述の通り、前記バスバー用導電性金属平板200は、前記バスバー列205の長手方向(X方向)一方側及び他方側にそれぞれ連結された一対の把持片207を有しており、前記一対の把持片207には位置合わせ孔208が設けられている。
【0133】
これに応じて、図16に示すように、前記枠体用導電性金属平板300にも、前記枠体列305の長手方向(X方向)一方側及び他方側にそれぞれ連結された一対の把持片307が設けられ、前記一対の把持片307には前記位置合わせ孔208に対応した位置合わせ孔308が設けられている。
【0134】
前記打ち抜き工程においては、前記枠体形成領域310を前記バスバーアッセンブリ形成領域210に重合させた際に、前記枠体本体形成部位320が前記第1面側第1中央開口41a及び前記第1面側第2中央開口41bを囲繞するように、前記中央孔66が形成される。
【0135】
前記枠体本体形成部位320への絶縁性樹脂材270の設置は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂を含む塗料を電着塗装することによって行うことができる。
これに代えて、前記絶縁性樹脂材270の粉体を静電粉体塗装することも可能である。
若しくは、前記絶縁性樹脂材270を含む塗料をスプレー塗装することも可能である。
【0136】
好ましくは、前記枠体本体形成部位320に絶縁性樹脂材270を設ける工程は、前記バスバー形成領域210に絶縁性樹脂材240を設ける工程と同時に同一方法で行うことができる。
【0137】
即ち、前記バスバー形成領域210に電着塗装によって絶縁性樹脂材240を設ける場合には、前記枠体本体形成部位320にも電着塗装によって絶縁性樹脂材270を設けることができ、前記バスバー形成領域210に静電粉体塗装によって絶縁性樹脂材240を設ける場合には、前記枠体本体形成部位320にも静電粉体塗装によって絶縁性樹脂材270を設けることができる。
斯かる構成によれば、製造効率の向上を図ることができる。
【0138】
前記第2製造方法は、レーザー光照射工程後の前記バスバー用導電性金属平板200に残っている絶縁性樹脂材240、及び、前記枠体用導電性金属平板300に設けられた絶縁性樹脂材270の少なくとも一方が半硬化とされている状態で両金属平板200、300を重合させて半硬化状態の絶縁性樹脂材を完全硬化させることで、両金属平板200、300を固着させる組み付け工程を備えている。
図18に、前記組み付け工程後の前記バスバー用導電性金属平板200及び前記枠体用導電性金属平板300の平面図を示す。
【0139】
なお、前記バスバー用導電性金属平板200及び前記枠体用導電性金属平板300の絶縁性樹脂材240、270の少なくとも一方が半硬化の状態で両金属平板200、300を重合させる代わりに、レーザー光照射工程後の前記導電性金属平板200に残っている絶縁性樹脂材240、及び、前記枠体用導電性金属平板300に設けられた絶縁性樹脂材270を完全硬化させた後に、両金属平板200、300を接着剤によって固着させることも可能である。
【0140】
図18に示すように、前記第2製造方法は、前記組み付け工程の後に、重合状態の前記バスバーアッセンブリ形成領域210及び前記枠体形成領域310を前記切断線C1、C2で切断して、前記バスバー用導電性金属平板200及び前記枠体用導電性金属平板300から取り出す切断工程を有している。
【0141】
前記各実施の形態においては、前記バスバー連結体に設けられる前記絶縁性樹脂層30を、半硬化状態においては透明で且つ完全硬化状態においては非透明となる絶縁性樹脂材240によって形成しているが、これに代えて、前記絶縁性樹脂層30を完全硬化状態において透明となる絶縁性樹脂材によって形成することも可能である。
【0142】
この場合には、前記絶縁性樹脂材を完全硬化させた後に、前記レーザー光照射工程を実行することができる。
なお、当然ながら、前記絶縁性樹脂層30を完全硬化状態において透明となる絶縁性樹脂材によって形成する場合においても、前記絶縁性樹脂材が半硬化状態の際に、前記レーザー光照射工程を実行することも可能である。
【0143】
前記各実施の形態においては、第1及び第2バスバー10a、10bの2つのバスバーが並列配置された場合を例に説明したが、本発明は斯かる構成に限定されるものでは無く、3つ以上のバスバーが並列配置された場合も含む。
【符号の説明】
【0144】
1、2 バスバーアッセンブリ
10a、10b 第1及び第2バスバー
19 間隙
30 絶縁性樹脂層
31 間隙充填部
40 第1面側積層部
41a、41b 第1面側第1及び第2中央開口
42 仕切壁部
43 中央被覆領域
45 周縁開口
47 第1面側周縁被覆領域
50 第2面側積層部
51a、51b 第2面側第1及び第2中央開口
52 第2面側仕切壁部
55 側面側積層部
60 枠体
65 枠体本体
66 中央孔
70 枠体側絶縁性樹脂層
200 バスバー用導電性金属平板
210 バスバーアッセンブリ形成領域
215 スリット
230 連結領域
240 絶縁性樹脂材
241 第1面側中央レーザー領域
241a、241b 第1面側第1及び第2中央開口形成領域
241c 第1面側中間領域
245 周縁開口形成領域
270 絶縁性樹脂材
300 枠体用導電性金属平板
310 枠体形成領域
320 枠体本体形成部位
図1
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