(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】電子タグ付属システム
(51)【国際特許分類】
B65C 9/42 20060101AFI20230501BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B65C9/42
B65C9/26
(21)【出願番号】P 2019117851
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2021-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592094519
【氏名又は名称】ダイオーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮人
(72)【発明者】
【氏名】野口 竣太郎
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-111365(JP,A)
【文献】特開2007-031043(JP,A)
【文献】特開2013-112403(JP,A)
【文献】国際公開第2012/157086(WO,A1)
【文献】特開2003-036295(JP,A)
【文献】特開2010-116218(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0150219(US,A1)
【文献】国際公開第2005/115890(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/10 - 57/16
B65C 1/00 - 11/06
B65G 1/137
B65G 61/00
G06F 17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タグの付属対象である対象物を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ライン上の前記対象物に、第1識別情報が書き込まれた電子タグを付属させるタグ付属部と、
前記搬送ラインにおける前記タグ付属部よりも下流側で、前記搬送ライン上の前記対象物に取り付けられた電子タグから、電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置と、
前記搬送ラインにおける前記タグ付属部よりも下流側で、前記搬送ライン上の前記対象物から、前記電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出部と、
を備え、
前記第2識別情報は、前記第1識別情報と同様式の情報であ
り、
前記電子タグは、前記対象物に貼付するための粘着部を有し、
前記対象物を、所定の移動軌跡を描くように搬送する搬送ラインを有し、
前記タグ付属部は、前記搬送ラインにおける所定の貼付位置で前記対象物に前記電子タグを貼付するものであるとともに、その貼付位置を移動する移動装置を有するものであり、
前記対象物を指定するための指定情報と、前記貼付位置とが関連付けて記憶された、記憶部を有し、
前記対象物を指定する入力装置を有し、
前記入力装置により入力された対象物に応じて、対応する前記貼付位置を前記記憶部から読み出し、前記移動装置により前記タグ付属部の貼付位置を前記記憶部から読み出した貼付位置に自動変更する、
ことを特徴とする電子タグ付属システム。
【請求項2】
電子タグの付属対象である複数の対象物を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ライン上の前記対象物に、第1識別情報が書き込まれた電子タグを順次付属させるタグ付属部と、
前記搬送ラインにおける前記タグ付属部よりも下流側で、前記搬送ライン上の前記対象物に取り付けられた電子タグから、電子タグに書き込まれた第1識別情報を順次読み取る読取装置と、
前記読取装置と読取対象でない電子タグとの間を遮蔽する遮蔽体と、
前記搬送ラインにおける前記タグ付属部よりも下流側で、前記搬送ライン上の前記対象物から、前記電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を順次取得する取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出部と、
を備え、
前記第2識別情報は、前記第1識別情報と同様式の情報であり、
前記読取装置の通信範囲が前記遮蔽体により一つの電子タグに制限された、
ことを特徴とする電子タグ付属システム。
【請求項3】
前記タグ付属部は、同一の前記第1識別情報が書き込まれた複数の電子タグを有する供給体を有し、この供給体の電子タグを順次前記対象物に付属させるものであり、
前記供給体が交換可能である、
請求項1又は2記載の電子タグ付属システム。
【請求項4】
電子タグの付属対象である対象物を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ライン上の前記対象物に、第1識別情報が書き込まれた電子タグを付属させるタグ付属部と、
前記対象物に付属させる前の電子タグから、電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置と、
前記電子タグを付属させる前の前記対象物から、前記電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出部と、
を備え、
前記第2識別情報は、前記第1識別情報と同様式の情報であ
り、
前記電子タグは、前記対象物に貼付するための粘着部を有し、
前記タグ付属部は、前記搬送ラインにおける所定の貼付位置で前記対象物に前記電子タグを貼付するものであるとともに、
前記検出部により前記不一致が検出されたときには、前記タグ付属部が前記電子タグを前記対象物に付属させないように、前記搬送ラインの停止及び前記タグ付属部の動作の停止の少なくとも一方を行うように構成された、
ことを特徴とする電子タグ付属システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タグ付属システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、電子タグ(RFタグ、ICタグ、RFラベル等ともいわれる)は、情報の記憶及び読み出しを近距離無線通信により非接触で行うためにICチップとこれに接続されたアンテナとを有するものである。また、電子タグは対象物に貼付するために裏面が粘着面となっているものや、粘着面がなく、紐等により商品に付加されるものが一般的である。RFID(Radio frequency identification)は、このような電子タグを利用し、電子タグに対する対象物に関する情報の書き込み、及び電子タグに記憶された情報の読み取りを、無線通信により行う自動認識システムである。
【0003】
電子タグは、様々な検討及び提案がなされており、実現しているものもあれば、実現していないものもある。例えば、電子タグは、バーコード等の光学的に読取可能なタグに代わるものとして商品の個品管理への応用が期待されている。我が国では、特定の小売業での電子タグの利用は知られているが、多くの小売業では利用されていないのが現状である。この主な原因は、電子タグの単価が高いことにあるが、読み取り精度の問題(商品の内容物に含まれる水や金属製商品容器等による電波の遮断)や、個別商品に対する電子タグの付属技術の未完成等も、普及の足かせになっている。
【0004】
このうち、電子タグの付属技術については、予め又は付属時に一定の情報(例えば、製造情報、トラック積載情報、在庫情報、販売情報、ロス情報、配送情報、消費期限情報、消費情報)が書き込まれた電子タグを、多数の同一の商品に取り付ける技術は提案されている(例えば特許文献1~4参照)。
【0005】
しかし、従来の電子タグ付属システムは、対象商品に対し、異なる商品に関する情報が書き込まれた電子タグを取り付けてしまうおそれがあり(不一致)、これを検査するものがなかった。このような不一致の防止は、商品管理を実現する上で極めて重要である。
【0006】
例えば、小売業者のように多種多様な商品に電子タグを取り付ける必要がある。この場合、複数種の商品に対し共通の電子タグ付属システムを用い、それぞれに対応した情報が書き込まれた電子タグを付属させることが現実的である。しかし、共通の電子タグ付属システムを用いると、対象商品が変わるときに電子タグと対象商品との不一致が発生するおそれがある。また、予め情報が書き込まれた電子タグを取り換えながら付属させる装置の場合、誤った電子タグを補給することにより対象商品との不一致が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-104521号公報
【文献】特開2007-091246号公報
【文献】特開2007-091298号公報
【文献】特開2008-044661号公報
【文献】特開2008-62965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、電子タグ及び対象物の不一致を検査可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した電子タグ付属システム等は以下のとおりである。
<第1の態様>
電子タグの付属対象である対象物を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ライン上の前記対象物に、第1識別情報が書き込まれた電子タグを付属させるタグ付属部と、
前記搬送ラインにおける前記タグ付属部よりも下流側で、前記搬送ライン上の前記対象物に取り付けられた電子タグから、電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置と、
前記搬送ラインにおける前記タグ付属部よりも下流側で、前記搬送ライン上の前記対象物から、前記電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出部と、
を備えたことを特徴とする電子タグ付属システム。
【0010】
(作用効果)
本電子タグ付属システムは、電子タグと、その付属対象である対象物との対応の適否を、電子タグに書き込まれた第1識別情報と、対象物が保有する情報に基づく第2識別情報との比較により行うものである。例えば、対象物たる商品に識別情報を含むバーコードが付されている場合、電子タグにバーコードと同じ識別情報を書き込み、これを商品に付属させることにより、電子タグを利用した商品管理を行うことができるようになる。この場合、電子タグに書き込まれた識別情報を第1識別情報として読み出し、商品に付されたバーコードに含まれる識別情報を第2識別情報として取得し、両者が一致しないときには、電子タグ及び対象物の不一致であると判断できる。
特に、本電子タグ付属システムでは、対象物を搬送しつつ、その搬送ライン上の対象物に電子タグを付属させ、その後に第1識別情報及び第2識別情報を読み取ることにより、多数の対象物に連続的に電子タグを付属させるとともにその不一致を検査することができる。また、予め同一の第1識別情報が書き込まれた複数の電子タグを順次付属させる場合だけでなく、付属時に電子タグに第1識別情報を書き込むことも可能となる。
【0011】
<第2の態様>
前記搬送ラインにおける前記読取装置の読取位置及び前記取得部の取得位置よりも下流側に、前記対象物を排出する排出装置を有し、
前記検出部により前記不一致を検出したときには、その不一致の対象物を前記排出装置により搬送ラインから排出する、
第1の態様の電子タグ付属システム。
【0012】
(作用効果)
第1の態様において、不一致を検出したときには装置を停止することもできるが、搬送ラインにおける読取装置の読取位置及び取得部の取得位置よりも下流側に、対象物を排出する排出装置を設けることにより、不一致の対象物と正常付属の対象物とを確実に分別することができるため好ましい。
<第3の態様>
前記タグ付属部は、同一の前記第1識別情報が書き込まれた複数の電子タグを有する供給体を有し、この供給体の電子タグを順次前記対象物に付属させるものであり、
前記供給体が交換可能である、
第1又は2の態様の電子タグ付属システム。
【0013】
(作用効果)
このように、予め同一の第1識別情報が書き込まれた複数の電子タグを有する供給体を対象物の種類に応じて交換することにより、対象物に応じた書き込み情報を有する電子タグを付属させる場合、交換時のヒューマンエラーにより電子タグ及び対象物の不一致が発生しやすい。よって、このような場合に前述の不一致の検出を行うことは特に意義がある。
【0014】
<第4の態様>
前記電子タグは、前記対象物に貼付するための粘着部を有し、
前記対象物を、所定の移動軌跡を描くように搬送する搬送ラインを有し、
前記タグ付属部は、前記搬送ラインにおける所定の貼付位置で前記対象物に前記電子タグを貼付するものであるとともに、その貼付位置を移動する移動装置を有するものであり、
前記対象物を指定するための指定情報と、前記貼付位置とが関連付けて記憶された、記憶部を有し、
前記対象物を指定する入力装置を有し、
前記入力装置により入力された対象物に応じて、対応する前記貼付位置を前記記憶部から読み出し、前記移動装置により前記タグ付属部の貼付位置を前記記憶部から読み出した貼付位置に自動変更する、
第1~3のいずれか1つの態様の電子タグ付属システム。
【0015】
(作用効果)
多数の同一の対象物を搬送ラインで順次搬送しつつ、その搬送ライン上の対象物に、同一の粘着部を有する電子タグを貼付する場合、所定の移動軌跡を描くように対象物を搬送するとともに、タグ付属部の貼付位置を対象物に合わせて固定した状態で、順次電子タグを貼付すると、タグ付属部としてロボットではなく、いわゆるラベラーのような簡素なものを用いることができるため好ましい。しかし、この場合、対象物が変わる度にタグ付属部の貼付位置を調整する必要があり、その作業は煩雑である。これに対して、本態様では、対象物が変わるときに対象物を指定することにより、タグ付属部の貼付位置を自動変更することができ、非常に簡易な作業で装置設定を変更することができる。
【0016】
<第5の態様>
電子タグの付属対象である対象物を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ライン上の前記対象物に、第1識別情報が書き込まれた電子タグを付属させるタグ付属部と、
前記対象物に付属させる前の電子タグから、電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置と、
前記電子タグを付属させる前の前記対象物から、前記電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出部と、
を備えたことを特徴とする電子タグ付属システム。
【0017】
(作用効果)
第1の態様のように、対象物に取り付けた電子タグから第1識別情報を読み取ると、予め同一の第1識別情報が書き込まれた複数の電子タグを順次付属させる場合だけでなく、付属時に電子タグに第1識別情報を書き込むことも可能となる。しかし、この場合、不一致を検出したときには既に電子タグが対象物に貼付されているため、電子タグが無駄になるだけでなく、対象物の外装が弱い場合には電子タグを剥がすときに外装を破壊するおそれもある。これに対して、本態様の場合、電子タグを付属させる前に、電子タグと対象物との不一致を検出することができ、電子タグが無駄になることがなく、対象物の外装破損のおそれもなくなる。
【0018】
<第6の態様>
電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置と、
電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出部と、
を備えたことを特徴とする、電子タグ検査システム。
【0019】
(作用効果)
本電子タグ検査システムは、電子タグと、その付属対象である対象物との対応の適否を、電子タグに書き込まれた第1識別情報と、対象物が保有する情報に基づく第2識別情報との比較により行うものである。例えば、対象物たる商品に識別情報を含むバーコードが付されている場合、電子タグにバーコードと同じ識別情報を書き込み、これを商品に付属させることにより、電子タグを利用した商品管理を行うことができるようになる。この場合、電子タグに書き込まれた識別情報を第1識別情報として読み出し、商品に付されたバーコードに含まれる識別情報を第2識別情報として取得し、両者が一致しないときには、電子タグ及び対象物の不一致であると判断できる。
【0020】
<第7の態様>
対象物に、第1識別情報が書き込まれた電子タグを付属させるステップと、
前記電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取ステップと、
前記電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得ステップと、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出ステップと、
を含む
ことを特徴とする電子タグ付属方法。
【0021】
(作用効果)
本方法によれば、対象物に対する電子タグを付属させるだけでなく、電子タグ及び対象物の不一致を検査することができる。
【0022】
<第8の態様>
電子タグに書き込まれた第1識別情報を読み取る読取ステップと、
電子タグの付属対象である対象物が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得ステップと、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ及び対象物の不一致として検出する検出ステップと、
を含むことを特徴とする、電子タグ検査方法。
【0023】
(作用効果)
本方法によれば、電子タグ及び対象物の不一致を検査することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電子タグ及び対象物の不一致が検査可能となる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図5】電子タグの例を示す(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図である。
【
図6】電子タグを貼付した対象物を示す斜視図である。
【
図7】電子タグの例を示す(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図である。
【
図8】電子タグを貼付した対象物を示す斜視図である。
【
図16】読取装置を含む要部を概略的に示す右側面図である。
【
図17】取得装置を含む要部を概略的に示す正面図である。
【
図18】取得装置を含む要部を概略的に示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<基本的事項>
図1は電子タグ検査システムの一例を示している。この電子タグ検査システム1は、電子タグ10に書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置60と、対象物50が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部70と、第1識別情報と第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ10及び対象物50の不一致として検出する検出部90と、全体を制御する制御部100とを備えている。
【0027】
この電子タグ検査システム1は、電子タグ10と、その付属対象である対象物50との対応の適否を、電子タグ10に書き込まれた第1識別情報と、対象物50が保有する情報に基づく第2識別情報との比較により行うものである。例えば、対象物50たる商品に識別情報を含むバーコードが付されている場合、電子タグ10にバーコードと同じ識別情報を書き込み、これを商品に付属させることにより、電子タグ10を利用した商品管理を行うことができるようになる。この場合、電子タグ10に書き込まれた識別情報を第1識別情報として読み出し、商品に付されたバーコードに含まれる識別情報を第2識別情報として取得し、両者が一致しないときには、電子タグ10及び対象物50の不一致であると判断することができる。当然に、両者が一致するときには、電子タグ10及び対象物50が一致していることになる。
【0028】
また、
図2及び
図3は、第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を対象物50に付属させるタグ付属部40と、電子タグ検査システム1とを備えた電子タグ付属システム2の一例を示している。
【0029】
図2に示す例は、読取装置60が対象物50に取り付けられた電子タグ10から、第1識別情報を読み取るものとなっており、取得部70が電子タグ10を付属させた後の対象物50から第2識別情報を取得するものとなっている。このように、対象物50に電子タグ10を付属させた後に第1識別情報を読み取ることにより、対象物50及び電子タグ10の不一致を容易に検査することができる。また、予め同一の第1識別情報が書き込まれた複数の電子タグ10を順次付属させる場合だけでなく、付属時に電子タグ10に第1識別情報を書き込むことも可能となる。取得部70は、電子タグ10を付属させる前の対象物50から第2識別情報を取得するものであってもよい。
【0030】
一方、
図3に示す例は、読取装置60が対象物50に付属させる前の電子タグ10から第1識別情報を読み取るものとなっており、取得部70が電子タグ10を付属させる前の対象物50から第2識別情報を取得するものとなっている。
図2に示す例では、不一致を検出したときには既に電子タグ10が対象物50に貼付されているため、電子タグ10が無駄になるだけでなく、対象物50の外装が弱い場合には電子タグ10を剥がすときに外装を破壊するおそれもある。これに対して、
図3に示す例の場合、電子タグ10を付属させる前に、電子タグ10と対象物50との対応の適否を検出することが可能となる。
【0031】
(制御部)
電子タグ検査システム1及びこれを備えた電子タグ付属システム2は、それぞれの動作のために、必要に応じて情報の入出力や演算を行いつつ各構成要素と通信を行い、各構成要素を制御する制御部100を有する。したがって、制御部100は、入出力装置、演算装置、通信装置、記憶装置等を有するものとすることができる。このような制御部100は、シーケンサ(PLC)やコンピュータ(PC、マイクロコントローラ)等の公知の産業用制御装置を単独で用いて、又は機能等に応じて複数組み合わせて構成することができる。例えば後述する応用例の場合、搬送ライン30の各コンベヤや、タグ付属部40(ラベラー及びその移動装置)等の基本制御及びインターフェースはシーケンサにより実現し、情報処理やそれに基づくシーケンサに対する指令(モード設定やパラメータ設定、動作開始の指示等)はコンピュータで実現する構成とすることができる。
【0032】
図4に示すように、制御部100は、作業員による入力を行うための入力装置81を備え、この入力に応じてシステムの各種動作(情報取得、書き込み等)を行うことができる。入力装置81は、キーボードやマウス、又は専用のスイッチとすることができる。作業員が処理を選択するために、処理を実行するためのボタン等のグラフィカルユーザーインターフェースを表示する表示装置82を備えているのも好ましい。この場合、後述する応用例のように、入力装置81と表示装置82とが一体化されたタッチパネルディスプレイを備え、表示装置82に表示された処理実行ボタン等をタッチすることにより処理の選択入力を行うようになっていると特に好ましい。また、図示しないが、表示装置82及び入力装置81を有するスマートフォン等の携帯端末を、制御部100に対してネットワークや近距離無線通信、又は有線通信により接続可能とし、この携帯端末の表示装置82及び入力装置81を利用して、処理の選択を行うように構成することもできる。
【0033】
(検出部)
検出部90は、読取装置60から入力される第1識別情報と、取得部70から入力される第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ10及び対象物50の不一致として検出するものである。検出部90は情報の比較処理が可能であれば特に限定されるものではないが、コンピュータで実現することが好ましい。検出部90は、制御部100と同一の機器上に構成することが好ましいが、別の機器上に構成してもよい。検出部90は、電子タグ10及び対象物50の不一致を検出したときには、その検出情報を制御部100に送信し、これを受信した制御部100は、搬送ラインやタグ付属部40の動作を停止したり、後述する応用例の排出装置35を作動させたりするようになっていると好ましい。
【0034】
(電子タグ)
電子タグ10は、対象物に付属するものであれば、その形状、構造は特に限定されるものではなく、公知の電子タグ10を適宜使用することができる。電子タグ10は、例えば、値札、荷札等のように対象物に外的に付加されるものの他、対象物の容器、蓋、包装箱、搬送用段ボール箱に内蔵されるものであってもよい。対象物に外的に付加される電子タグ10は、粘着面や紐、タグピン等により対象物に固定又は連結されていてもよいが、対象物とともに処理される(取り扱われる)限り、対象物に固定又は連結されておらず、自由に移動可能なものであってもよい。
【0035】
例えば、粘着面を有するタイプの電子タグ10の形状は、
図5(a)~(c)示す例や、
図7(a)~(c)示す例のように角をとった長方形のものが一般的であるが、これに限定されるものではない。また、電子タグ10の代表的なものの一つは、例えば
図5(c)及び
図7(c)に示すように、インレット10a,10iとしてICチップ10iとこれに接続されたアンテナ10aとを有するパッシブタイプの電子タグ10であるが、これに限定されるものでもない。
【0036】
電子タグ10は、通信品質の低下を防止するために、少なくともアンテナ10aの一部を対象物50から離間させることが望ましい。例えば、粘着面11を有する電子タグ10の場合、
図7(a)~(c)に示すように、電子タグ10のアンテナ10aを含む一部分を折り位置10pで折り畳み、粘着面11同士を貼り合わせた粘着不能化部分12と、粘着面11が露出する残粘着部分13とを形成し、
図8に示すように、残粘着部分13の粘着面11により対象物50に貼付することができる。このような電子タグ10の折り畳みは、タグ付属部40を備えた電子タグ付属システム2の場合には、タグ付属部40内の機構により行ってもよい(例えば特許文献5参照)し、予め一部が折り畳まれた電子タグ10を本電子タグ検査システム1に供給してもよい。
【0037】
(書き込み情報)
電子タグ10の書き込み情報は、電子タグ10と紐づけされる対象物50を識別するための第1識別情報を含む。第1識別情報は、JAN(EAN)、UPC、ISBN、GTIN、又はASINのような商品コードが好適であるが、特に限定されるものではなく、製品のシリアルナンバー、型番、ロット番号等であってもよい。
【0038】
電子タグ10の書き込み情報は、第1識別情報以外の情報として、他の識別情報又は非識別情報を含んでいてもよい。非識別情報としては、例えば対象物50の特徴や性質等を表す属性情報(出荷順、製造年月日、消費期限、商品名等の商標の他、商品や包装の色、さらには商品重量等)や、属性以外の付属情報(製造に要した時間等の時間情報、製造時の気温等の温度情報、製造時の湿度等の湿度情報、占いやくじの当り外れ等に関する乱数情報等)を例示することができる。
【0039】
(対象物)
対象物は、電子タグの付属対象である限り、その形状、素材、電子タグの付属の仕方等、特に限定されるものではない。例えば、対象物は、店頭陳列される個々の商品等の、個々に取り扱われる物品(箱、袋、容器等により包装されていてもよいし、包装されていなくてもよい)であってもよいし、一つ又は複数の同一又は異なる物品を輸送用に段ボール箱等の梱包材で梱包した状態のものであってもよい。
【0040】
(保有情報)
対象物50は、第2識別情報を取得するのに必要な保有情報51を有している。第2識別情報は、第1識別情報と同様式の情報であり、第1識別情報に対する一致及び不一致を比較可能な情報である。したがって、第1識別情報がJANコードの場合には、第2識別情報もJANコードとなる。
【0041】
対象物50の保有情報は、第2識別情報そのものであっても、第2識別情報を二次的に取得可能な一次情報であってもよい。対象物50の保有情報は、
図6にも示すように、一次元コードや二次元コードとして、又はそのままの文字や絵等として対象物50に印刷等により付加されている情報であると、対象物50から容易に取得できるため好ましいが、これに限定されるものではない。
【0042】
(取得部)
取得部70は、対象物50の保有情報51そのものを第2識別情報として取得するもののほか、対象物50の保有情報51を一次情報として取得し、この一次情報に基づいて二次情報としての第2識別情報を取得するものを含む。
【0043】
取得部70は、対象物50から保有情報51を検出する保有情報センサ71を含み、検出した保有情報51を検出部90に入力するものである。保有情報センサ71は、対象物50からその保有情報51を検出できるものである限り、特に限定されるものではない。
【0044】
保有情報センサ71は、コードリーダ、光学的文字読取装置、磁気センサ、NFC通信機等の少なくとも一つとすることができる。例えば、第1識別情報及び第2識別情報を商品コードとし、第2識別情報が一次元コードや二次元コードとして対象物50の外面に付加されている場合、保有情報センサ71を一次元コードや二次元コード等のコードリーダとし、保有情報センサ71により第2識別情報そのものを検出し、これを第1識別情報と比較することにより電子タグ10及び対象物50の不一致を検査することができる。同様に、第2識別情報が英数字等の文字列として対象物50の外面に付加されている場合、保有情報センサ71を光学的文字読取装置とし、保有情報センサ71により第2識別情報そのものを検出し、これを第1識別情報と比較することにより電子タグ10及び対象物50の不一致を検査することができる。
【0045】
対象物50が、チケット、小切手(MICR)、通帳、クレジットカード等の磁気ストライプ付きのものである場合、保有情報センサ71を磁気センサとし、その磁気記録情報を対象物50の保有情報51として読み取ることができる。
【0046】
コードリーダや光学的文字読取装置は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像センサ(イメージセンサ)を用いて実現することが好ましい。撮像センサを用いた方式では、広範囲の検出が可能になるだけでなく、複数種類の検出対象を検出する多目的リーダとして活用することができる。つまり、この場合、検出対象別にセンサを設けることなく、一つのセンサで一次元コード又は二次元コード、文字及び色を検出することも可能となる。もちろん、保有情報センサ71はイメージセンサに限られるものではなく、例えばコードリーダの場合にはレーザスキャン方式等の公知の各種センサを用いることができる。
【0047】
保有情報センサ71は、後述する応用例のように、対象物50の生産、物流の過程で使用される搬送ライン30に設置するか、又は既存の搬送ライン30に保有情報センサ71を備えた搬送ライン30を増設し、搬送ライン30により搬送中の対象物50から保有情報51を検出すると好ましい。
【0048】
保有情報センサ71をハンディタイプ装置(ハンディタイプコードリーダ等)とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員がこれを手で持って対象物50にかざすことにより、複数の対象物50の保有情報51を順次検出することもできる。また、保有情報センサ71を据置きタイプの装置とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員が対象物50を手で持って据置きタイプの保有情報センサ71にかざすことにより、複数の対象物50の保有情報51を順次検出することもできる。
【0049】
取得部70は、例えばイメージセンサ、NFC通信機等の保有情報センサ71を備えたコンピュータ(PC、マイクロコントローラ、タブレット端末、スマートフォン)により構成することができる。また、取得部70は、検出部90や制御部100と同一の機器上に構成することが好ましいが、別の機器上に構成してもよい。
【0050】
(記憶部)
取得部70により、対象物50の保有情報51を一次情報として取得し、この一次情報に基づいて二次情報としての第2識別情報を取得するために、電子タグ検査システム1は、一次情報と二次情報(第2識別情報)とが関連付けて記憶された記憶部80を備えることができる。この場合、取得部70は、保有情報センサ71により対象物50の保有情報51を検出した後、その保有情報51と対応する第2識別情報を記憶部80から読み出すことにより、第2識別情報を取得する。
【0051】
記憶部80は、取得部70、検出部又は制御部100を構成する機器に内蔵又は外付けされたハードディスク、SSD等の記憶装置により構成する他、ローカルネットワークやインターネットを介して接続されたネットワークアクセスストレージ、クラウドストレージ、その他のストレージサーバ、データベースサーバにより構成することができる。記憶部80は、POSシステム等の物流システム、生産管理システム等の記憶部であったり、又はそれら別システムの記憶部の情報から複製された情報や、その情報に変更や付加を行った情報を含むものであったりしてもよい。
【0052】
記憶情報が複数種ある場合にはその種類別に記憶部80を設ける他、すべての記憶情報を記憶する単一の記憶部80を設けることもできる。例えば後述する応用例の場合、第2識別情報及び貼付位置情報は、図示例では単一の記憶部80に記憶することを想定しているが、これに限られるものではない。
【0053】
後述する応用例のように、記憶部80に記憶された情報は、制御部100の入力装置81により適宜選択して読み出すことができる。
【0054】
(読取装置)
読取装置60は、電子タグ10に書き込まれた情報を読み取り可能なもの(いわゆるリーダライタ)であり、その設置位置等は適宜定めることができる。例えば、電子タグ10に対して一定の距離から読み取りを行う場合には、読取装置60は、電子タグ10の移動経路に固定設置し、移動中又は移動の一時停止中の電子タグ10に順次読み取りを行うことができる。この場合、電子タグ10は対象物50に付属された後のものでも、対象物50に付属する前のものでもよい。前者の場合、
図1(b)及び
図2に示す例のように、対象物50を搬送する搬送ライン30に読取装置60を設置することができ、後者の場合、
図3に示す例のように、タグ付属部40に読取装置60を設置することができる。
【0055】
電子タグ10に対し、読取装置60を近付けて読み取りを行う場合には、読取装置60をハンディタイプ装置(ハンディタイプコードリーダ等)とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員がこれを手で持って電子タグ10にかざすことにより、複数の電子タグ10に対して順次読み取りを行うことができる。読取装置60をロボット等の移動機構により移動自在に支持し、読取装置60を電子タグ10に対して近付け、読み取りを行うこともできる。
【0056】
また、読取装置60を据置きタイプの装置とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員が対象物50を手で持って据置きタイプの読取装置60にかざすことにより、複数の電子タグ10に順次読み取りを行うこともできる。
【0057】
読取装置60による読み取り処理は、公知の方法を特に限定なく採用することができる。
【0058】
(タグ付属部)
電子タグ検査システム1は、
図1に示す例のように、予め電子タグ10が付属された対象物50について、不一致か否かを検査するだけの単機能装置であってもよいし、
図2及び
図3に示す例のように、第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を付属させるタグ付属部40を備えた電子タグ付属システム2に組み込まれていてもよい。タグ付属部40は、粘着面11を有する電子タグ10の場合には、後述する応用例のラベラー20や、その他の公知の貼付装置(例えば特許文献4記載のロボット等)を採用することができる。タグ付属部40は、作業員が手にもって対象物50に押し付けることにより電子タグ10の貼付を行うハンディタイプの貼付装置(ハンディラベラー)であってもよい。粘着面11を有しない電子タグ10の場合、タグ付属部40は、紐やタグピン等を介して電子タグ10を衣類等の対象物50に取り付けるタグ付け装置であったり、商品の包装箱内に電子タグ10を投入する投入装置であったりしてもよい。対象物50への電子タグ10の付属は、作業員が手作業で行ってもよい。
【0059】
(機器構成)
電子タグ検査システム1及び電子タグ付属システム2の各々は、構成要素のすべてが一つの機器として一体化されたものであってもよいし、一つ又は複数の構成要素からなる機器が複数組み合わされたものであってもよい。特に取得部70、検出部90、制御部100、記憶部80等の構成要素のように、一つの機器上にハードウェア又はソフトウェアの組合せとして構築できるものは、一部又はすべてを一つの機器上に構築することが好ましい。また、構成要素の一部又は全部が全体として連動するために、有線又は無線で一方向又は双方向に通信(ネットワークを介しないものの他、ネットワークを介するものを含む)可能とすることができる。さらに、構成要素の一部は、他の構成要素から独立して動作するものであってよい。
【0060】
電子タグ検査システム1及び電子タグ付属システム2の各々は、全体として一つのハンディタイプの機器であっても、机上に設置できる程度、又は小売店のレジスター程度の据置きタイプの機器であってもよい。また、後述する応用例のように、コンベヤ31~33やラベラー20を含む、より大きな機器であってもよい。また、電子タグ検査システム1が複数の機器で構成される場合、及び電子タグ付属システム2が複数の機器で構成される場合、各機器は、それぞれ一つのハンディタイプの機器であっていても、机上に設置できる程度、又は小売店のレジスター程度の据置きタイプの機器であっても、それ以上の大きさの機器であってもよい。
【0061】
以下、機器構成等の具体例について説明する。
<第1の例>
図1は、電子タグ検査システム1の例を示している。本例は、前述のように、電子タグ10に書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置60と、対象物50が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部70と、第1識別情報と第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ10及び対象物50の不一致として検出する検出部90と、全体を制御する制御部100とを備えるものである。
【0062】
第1の例において、取得部70は前述したいずれのものであってもよいが、
図1(a)に示す例は保有情報センサ71により対象物50の保有情報51そのものを第2識別情報として取得するものである。一方、
図1(b)に示す例の取得部70は、保有情報センサ71により対象物50の保有情報51を一次情報として取得し、この一次情報に基づいて二次情報としての第2識別情報を記憶部80から取得するものとなっている。本例の場合、全体を据置きタイプの1つの機器E0とすることが好ましいが、記憶部80を別の機器として、それ以外の機器から話して設置したりすることもできる。
【0063】
第1の例のシステムは、
図1(a)に示すように、全体をハンディタイプ又は据置きタイプの単一の機器E0とし、当該機器と対象物とを作業員が手作業で近付けて第1識別情報及び第2識別情報を取得するものとすることができる。この場合、機器E0により第1識別情報及び第2識別情報の両者を同時又は順に取得し、その都度、自動で検出部90が電子タグ10及び対象物50の不一致・一致を検出し、その結果(少なくとも不一致)を制御部100により表示装置82等の出力装置に出力させることができる。
【0064】
また、
図1(b)に示す例のように、全体を据置きタイプの単一の機器E0とし、対象物50を搬送する搬送ライン30を設け、この搬送ライン30に読取装置60及び取得部70を設置し、搬送ライン30上を搬送される対象物50から第1識別情報及び第2識別情報を自動的に取得するようにしてもよい。この場合、対象物50を搬送しつつ、その搬送ライン30上の対象物50から第1識別情報及び第2識別情報の両者を同時又は順に取得し、その都度、自動で検出部90が電子タグ10及び対象物50の不一致・一致を検出し、その結果を制御部100により表示装置82等の出力装置に出力させるほか、検出部90により不一致を検出したときには制御部100により搬送ライン30を停止させることができる。このような搬送ライン30を有する電子タグ検査システム1では、後述する応用例のように、搬送ライン30における読取装置60の読取位置及び取得部70の取得位置よりも下流側に、対象物50を排出する排出装置35を設け、検出部90により不一致を検出したときには、その不一致の対象物50を搬送ライン30から排出するようにするとよい。
【0065】
図1に示す例では、電子タグ10が付属された対象物50から、第1識別情報及び第2識別情報を取得しているが、対象物50に付属される前の電子タグ10から第1識別情報を読み取ってもよいし、電子タグ10が付属される前の対象物50から保有情報51を取得し、この保有情報51に基づいて第2識別情報を取得してもよい。
【0066】
<第2の例>
図2は、第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を付属させるタグ付属部40を有する電子タグ付属システム2に、第1の例の電子タグ検査システム1を組み込んだものの構成例を示している。
図2(a)の電子タグ付属システム2には、
図1(a)の電子タグ検査システム1が、また、
図2(b)の電子タグ付属システム2には、
図1(b)の電子タグ検査システム1が組み込まれている。これにより、電子タグ10を対象物50に付属させた後に、電子タグ10と対象物50との不一致を検査することができる。
【0067】
この場合、図示例のように、対象物50を搬送する搬送ライン30を設け、この搬送ライン30上の対象物50に、第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を付属させるタグ付属部40を設けるとともに、搬送ライン30におけるタグ付属部40よりも下流側に読取装置60及び取得部70を設置すると、対象物50を搬送しつつ、その搬送ライン30上の対象物50に電子タグ10を付属させ、その後に第1識別情報及び第2識別情報を読み取ることにより、多数の対象物50に連続的に電子タグ10を付属させるとともにその不一致を検査することができる。検査の結果は、制御部100により表示装置82等の出力装置に出力させるほか、検出部90により不一致を検出したときには制御部100により搬送ライン30を停止させることができる。
【0068】
図示しないが、取得部70を、搬送ライン30における付属部40による付属位置よりも上流側に設けることができる。
【0069】
搬送ライン30は、
図2(a)に示すように、タグ付属部40の位置から、電子タグ検査システム1の検査位置まで連続的に対象物50を搬送するものであっても、
図2(b)に示すように、タグ付属部40及び電子タグ検査システム1の各々に個別に設けられ、両者の間は非連続的に搬送するものであってもよい。本例の場合、全体を据置きタイプの1つの機器E0とすることが好ましいが、記憶部80を別の機器として、それ以外の機器から話して設置したりすることもできる。
【0070】
その他は、基本的に第1の例と同様である。
【0071】
<第3の例>
図3は、第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を付属させるタグ付属部40を有する電子タグ付属システム2に、電子タグ検査システム1を組み込んだものである点では第2の例と同様である。ただし、第3の例は、取得部70は、電子タグ10を付属させる前の対象物50から第2識別情報を取得するものであり、読取装置60は、対象物50に付属させる前の電子タグ10から、第1識別情報を読み取るものである点で、第2の例と異なっている。したがって、電子タグ10を付属させる前に、電子タグ10と対象物50との不一致を検出することができ、電子タグ10が無駄になることがなく、対象物50の外装破損のおそれもなくなる。
【0072】
この場合、図示例のように、対象物50を搬送するコンベヤ等の搬送ライン30を設け、この搬送ライン30上の対象物50から第2識別情報を取得する取得部70を設けるとともに、取得部70よりも下流側に第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を付属させるタグ付属部40を設け、タグ付属部40に、対象物50に付属させる前の電子タグ10から第1識別情報を読み取る読取装置60を設けることができる。
【0073】
本例の場合、全体を据置きタイプの1つの機器E0とすることが好ましいが、
図3(b)に示すように、記憶部80を別の機器として、それ以外の機器から
離して設置したりすることもできる。
【0074】
本例では、検出部90により不一致が検出されたときには、タグ付属部40が電子タグ10を対象物50に付属させないように、制御部100により搬送ライン30の停止やタグ付属部40の動作を停止を行うのが好ましい。この場合、電子タグ10及び対象物50のいずれかを正しく一致するものに変更した後、装置を再稼働することができる。
【0075】
その他は、基本的に第1の例、及び第2の例と同様である。
【0076】
<他の例>
第1の例から第3の例までの各例の部分的構成は、他の例の基本的構成を損ねない範囲であれば、他の例に応用することができる。また、後述する応用例の部分的構成も、第1の例から第3の例に対して、その例の基本的構成を損ねない範囲内で応用することができる。例えば、後述する応用例のタグ付属部40のみを省略し、予め電子タグ10が付属された対象物50の検査を行い、不一致品を排出装置35により排出するようにしてもよい。
【0077】
<電子タグ付属システムの応用例>
図9及び
図10は、上述の第2の例を応用した電子タグ付属システム2を示している。この電子タグ付属システム2は、粘着面11を有する電子タグ10を商品等の対象物50に貼付するものであり、対象物50を搬送する搬送ライン30と、搬送ライン30上の対象物50に、第1識別情報が書き込まれた電子タグ10を貼付する付属部40とを備えている。また、この電子タグ付属システム2は、搬送ライン30における付属部よりも下流側で、電子タグ10及び対象物50の不一致を検査する電子タグ検査システム1を備えている。すなわち、この電子タグ検査システム1は、搬送ライン30におけるタグ付属部40よりも下流側に設置された、電子タグ10に書き込まれた第1識別情報を読み取る読取装置60と、同じく搬送ライン30におけるタグ付属部40よりも下流側に設置された、電子タグ10の付属対象である対象物50が保有する情報に基づいて第2識別情報を取得する取得部70と、第1識別情報と第2識別情報とを比較し、異なる場合を電子タグ10及び対象物50の不一致として検出する前述の検出部90(
図9及び
図10には図示されていない)とを有するものである。
【0078】
第1識別情報、第2識別情報、検出部90、取得部70、システムの制御部100等の詳細については前述のとおりである。
【0079】
本電子タグ付属システム2では、作業員やロボット、その他の供給装置が搬送ライン30に対象物50を載せると、対象物50が搬送ライン30により搬送される過程で、付属部により搬送ライン30上の対象物50に電子タグ10を自動的に貼付することができる。さらに、本電子タグ付属システム2は、電子タグ10を貼付した後に第1識別情報及び第2識別情報を読み取ることにより、多数の対象物50に連続的に電子タグ10を付属させるとともにその不一致を検査することができる。以下、各部について順に説明する。
【0080】
(付属部)
付属部40は、搬送ライン30により搬送中の対象物50に対し、電子タグ10を順次貼付しうる限り、ロボットを利用した貼付装置等、特に限定なく用いることができる。図示例は、より安価な付属部40を採用するものであり、搬送ライン30における所定の貼付位置で、所定の移動軌跡で搬送される対象物50に電子タグ10を順次貼付するラベラー20と、このラベラー20を移動する移動装置41とを有するものである。
【0081】
(ラベラー)
ラベラー20は特に限定されるものではないが、
図13は、電子タグロール23R(供給体)を取り付けて使用するラベラー20の一例を示している。電子タグロール23Rは、連続帯状の電子タグシート15がロール状に巻き取られたものであり、電子タグシート15は連続帯状の剥離シート16の連続方向に所定の間隔で繰り返し貼り付けられた電子タグ10を有するものである。同一の電子タグロール23Rのすべての電子タグ10には、同一の第1識別情報が書き込まれており、対象物50の種類に応じて電子タグロール23Rを交換することにより、対象物50に応じた書き込み情報を有する電子タグ10を、複数の同一の対象物50に対して自動的に順次貼付することができる。電子タグロール23Rは、図示しない回転軸に回転可能に支持される。
【0082】
本ラベラー20では、電子タグロール23Rから繰り出された電子タグシート15が、対象物50に貼付するタイミングで断続的に移送されて、折り返しガイド23G(図示例のような板状のもののほか、回転する軸や回転しない軸でもよい)に送り込まれる。折り返しガイド23Gでは、剥離シート16が、電子タグ10を有する側と反対側に折り返されるように案内される。そして、この折り返しの際に、剛性のある電子タグ10が剥離シート16から自然に剥離し、対象物50に貼付される。図示しないが、対象物50に貼付した電子タグ10を押し付けるローラやエアー吹付装置を有しているのも好ましい。電子タグ10が剥離された後に残る剥離シート16は、巻取軸23Wに巻き取られる。巻取軸23Wは、図示しないステッピングモータで回転駆動されるようになっており、対象物50に貼付するタイミングで、一枚ずつ電子タグ10が剥離シート16から剥離されて対象物50に貼付されるように、断続的に巻取りがなされる。
【0083】
対象物50に電子タグ10を貼付するタイミングは適宜定めることができる。例えば、ラベラー20による貼付位置又はその近傍に対象物50を検出する図示しない対象物センサを設け、その検出タイミングを基準にして定まる適宜のタイミングで、対象物50に電子タグ10を貼付することができる。対象物センサとしては、透過型センサや反射型センサ等の公知の非接触型センサの他、公知の接触型センサを用いることもできる。
【0084】
(移動装置)
移動装置41は、特に限定されるものではないが、例えば
図9、
図10の他、
図14にも示すように、搬送ライン30のCD方向両側に設けられた一対の支柱41Pと、この支柱41P間にかけ渡され、支柱41Pに対して昇降自在に支持された梁41Bと、この梁41Bに対してCD方向に往復自在に支持された移動体41Mと、梁41Bを昇降駆動するための図示しない駆動装置と、移動体41Mを往復駆動するための図示しない駆動装置とを備えている。ラベラー20は、移動体41Mに取り付けられる。したがって、ラベラー20は、移動体41Mの往復移動によりCD方向の貼付位置を調節することができ、また、梁41Bの昇降により貼付高さを調節することができる。
【0085】
移動装置41は、作業員がラベラー20の位置を確認しながら操作してもよいが、対象物50を指定するための指定情報と貼付位置とが関連付けて記憶された記憶部80と、対象物50を指定する入力装置81とを有し、入力装置81により入力された対象物50に応じて、対応する貼付位置を記憶部80から読み出し、移動装置41によりタグ付属部40の貼付位置を記憶部80から読み出した貼付位置に自動変更するようになっていると好ましい。なお、記憶部80や、入力装置81については前述のとおりであるが、図示例では、入力装置81と表示装置82とが一体化されたタッチパネルディスプレイ83を備えており、表示装置82に表示された対象物指定ボタン等をタッチすることにより、対象物の指定入力を行うようになっている。
【0086】
(搬送ライン)
搬送ライン30は、図示例のように複数のコンベヤ31~33をつなげて構成するほか、図示しないが一つのコンベヤのみにより構成することもできる。コンベヤ31~33としては、移動体を搬送方向に移動し、移動体上の対象物50を搬送しうる限り公知のあらゆるコンベヤを用いることができ、例えば、上面が積載面となるベルトコンベヤやプレートコンベヤ等を好適に用いることができる。コンベヤ31~33は、対象物50よりも幅広の積載面を有すると、例えば作業員が大きさの異なる多品種の対象物50を位置や向きを意識せずに載せることができるため好ましい。もちろん、コンベヤ31~33は、対象物50の種類及び積載位置(向きを含む)が一定のものであってもよい。またコンベヤ31~33への対象物50の積載を機械的に行うこともできる。
【0087】
付属部40が、前述のラベラー20と移動装置41の組合せのように、所定の貼付位置で連続処理を行うものの場合、搬送ライン30における付属部40よりも上流側に整列コンベヤ31を設け、この整列コンベヤ31の下流側に、付属部40を経て読取装置60及び取得部70よりも下流側に至る検査コンベヤ32を接続し、CD方向における対象物50の位置を一定にしてから検査コンベヤ32により付属部40に通すと、所定の貼付位置に電子タグ10を貼付できるため好ましい。
【0088】
搬送ライン30では、対象物50を一定の速度で連続的に搬送を行うことが望ましいが、電子タグ10の貼付タイミング等、各種のタイミングを合わせるために適宜の位置での待機時間を挟んで断続的に駆動することもできる。
【0089】
検出部90により不一致を検出したときには装置を停止することもできるが、搬送ライン30における読取装置60の読取位置及び取得部70の取得位置よりも下流側に、対象物50を排出する排出装置35を設け、検出部90により不一致を検出したときには、制御部100により排出装置を動作させ、その不一致の対象物50を搬送ライン30から排出するようになっていると好ましい。これにより、不一致の対象物50と正常付属の対象物50とを確実に分別することができる。
【0090】
排出装置35は、搬送ライン30から不良品を排出する公知の技術を特に限定なく利用することができる。図示例の排出装置35は、搬送ライン30における読取装置60の読取位置及び取得部70の取得位置よりも下流側で、対象物50を搬送ライン30側方に排出するものである。この排出装置35は、MD方向に間隔を空けて3以上配置された、横向きの駆動ローラ36と、排出スロープ37とを有するものである。駆動ローラ36は、図示しない駆動源により駆動され、上流側の検査コンベヤ32から下流側の正常品コンベヤ33に対象物50を受け渡すようになっている。排出スロープ37は、駆動ローラ36のCD方向一方側の支軸により揺動自在に支持された桟状部材であり、制御部100により制御される図示しない駆動装置により、駆動ローラ36の間に隠れる第1の位置(
図9及び
図10に示す位置)と、駆動ローラ36よりも上方でCD方向一方側から他方側に傾斜した第2の位置(
図11及び
図12に示す位置)との間で揺動可能となっている。
【0091】
(取得部)
本例の取得部70は、コンベヤにおける付属部40と排出装置35との間に設けられた保有情報センサ71を有している。排出装置35を有しない場合には、付属部40よりも下流側の任意の位置に保有情報センサ71を設けることができる。また、図示例の保有情報センサ71はコンベヤの上方に設けられており、対象物50の上面の保有情報51を取得するようになっているが、保有情報センサ71は、対象物50の保有情報51の位置に応じて適宜の位置に配置することができる。例えば、保有情報センサ71をコンベヤの側方に配置し、対象物50の側面の保有情報51を取得するようになっていてもよい。
【0092】
保有情報センサ71は、ラベラー20と同様に移動装置41により、CD方向の位置及び高さの少なくとも一方が調節可能になっていてもよいが、図示例のように、手動調節できる程度であってもよい。すなわち、図示例では、コンベヤのCD方向両側に一対の支柱71Pが設けられるとともに、この支柱71P間に梁71Bがかけ渡され、このコンベヤ上を横切る梁71Bに保有情報センサ71が下向きにねじ止めされている。
【0093】
保有情報センサ71は、対象物50のあらゆる面を検出できることが好ましい。このため、対象物50を搬送ライン30により搬送しつつ保有情報センサ71による検出を行う場合、
図17等に示す装置構成とするのも好ましい。すなわち、第1コンベヤ32Aと、この第1コンベヤ32Aの下流側に隙間を空けて連なり、第1コンベヤ32Aから送り出される対象物50を受け取り搬送する第2コンベヤ32Bとにより、検査コンベヤ32を構成し、保有情報センサ71は、第1コンベヤ32Aと第2コンベヤ32Bとの隙間を通して、対象物50の下方から対象物50の保有情報51を検出する下方センサ71Lと、ロボットの貼付可能範囲よりも上流側で対象物50の上方から対象物50の保有情報51を検出する上方センサ71Uとを含むものである。
【0094】
このように、第1コンベヤ32A及び第2コンベヤ32Bの受渡部分の隙間を利用することにより、上下両方から対象物50の保有情報の検出を行うことができるため、対象物50における保有情報の位置が上下異なる複数種の対象物50を、上下の向きを意識することなく連続処理することができる。
【0095】
特に、保有情報センサ71に撮像センサを用いて広範囲での検出が可能な場合、
図18に示すように、CD方向一方の斜め上から検出を行う上方センサ71Uと、CD方向他方の斜め上から検出を行う上方センサ71Uと、直下から検出を行う下方センサ71Lとを設けることにより、3つのセンサで対象物50の4面の検出を行うことができるため好ましい。つまり、
図10(a)(b)(c)に示すように、対象物50の上面、側面、及び下面のいずれに保有情報51が存在していても、これを検出することができる。なお、MD方向は機械方向(搬送方向)を意味し、CD方向はMD方向と直交する横方向を意味する。
【0096】
保有情報センサ71による第2識別情報の取得タイミングは、保有情報センサ71の種類により適宜定めることができる。例えば、十分な速度で連続撮像(静止画の連射及び動画撮影の両者を含む)が可能な撮像センサを保有情報センサ71に用いた場合、撮像データを画像認識処理することにより保有情報の有無を常時監視し、保有情報を検出することができる。もちろん、対象物が保有情報センサ71に到達したときにのみ、保有情報センサ71を作動させてもよい。例えば、保有情報センサ71による第2識別情報の取得位置又はその近傍に対象物50を検出する図示しない対象物センサを設け、その検出タイミングを基準にして定まる適宜のタイミングで、保有情報センサ71を作動させてもよい。対象物センサとしては、透過型センサや反射型センサ等の公知の非接触型センサの他、公知の接触型センサを用いることもできる。前述したように、ラベラー20による貼付位置又はその近傍に対象物センサを設ける場合には、これを保有情報センサ71による第2識別情報のタイミング取得に利用し、保有情報センサ71による第2識別情報の取得位置又はその近傍に対象物センサを設けなくてもよい。
【0097】
(読取装置)
読取装置60は、搬送ライン30における付属部40と排出装置35との間に設けられている。排出装置35を有しない場合には、付属部40よりも下流側の任意の位置に読取装置60を設けることができる。図示例の読取装置60は、保有情報センサ71と同じ梁71Bに取り付けているが、保有情報センサ71よりも上流側又は下流側に設置することもできる。読取装置60は、保有情報センサ71とは異なり読取可能エリアが広いため、その設置位置はコンベヤの上方や側方以外でもよい。また、読取装置60の位置は、取得部と同様に手動調節できる程度であってもよいが、ラベラー20と同様の移動装置により、
図16に示すようにCD方向の位置及び高さの少なくとも一方が調節可能になっていてもよい。
【0098】
読取装置60の通信範囲を制限するために、
図16に示すように、読取装置60と読取対象でない電子タグ10との間を遮蔽する遮蔽体61(マスク)を設け、読取装置60の通信範囲を一つの電子タグ10に制限するのは好ましい。遮蔽体61は、電波を遮蔽する金属板等の素材を用いて形成することができ、その形状は特に限定されないが、例えば読取装置60と所定の読取位置との間に孔を有し、所定の読取位置の周囲に孔を有しない板又は箔とすることができる。
【0099】
読取装置60による第1識別情報の取得タイミングは、適宜定めることができる。例えば、読取装置60による第1識別情報の取得位置又はその近傍に対象物50を検出する図示しない対象物センサを設け、その検出タイミングを基準にして定まる適宜のタイミングで、読取装置60を作動させることができる。対象物センサとしては、透過型センサや反射型センサ等の公知の非接触型センサの他、公知の接触型センサを用いることもできる。前述したように、ラベラー20による貼付位置又はその近傍や、保有情報センサ71による第2識別情報の取得位置又はその近傍に対象物センサを設ける場合には、これらのいずれか一方を読取装置60による第1識別情報のタイミング取得に利用し、読取装置60による第1識別情報の取得位置又はその近傍に対象物センサを設けなくてもよい。
【0100】
<応用例の動作の流れ>
本電子タグ10取付装置を使用する際には、先ず作業員がタッチパネルディスプレイ83により対象物50を指定する。これにより、制御部100は入力された対象物50の貼付位置を記憶部80から読み出し、移動装置41を作動させてその貼付位置(例えば
図14に示す対象物50に対応する位置)にラベラー20を移動させる。また、作業員等が、その対象物50に対応する第1識別情報が書き込まれた電子タグロール23Rをラベラー20に取り付ける。
【0101】
以上の準備が完了した後、作業員が入力装置81により取付開始を入力すると、その入力を受けた制御部100はコンベヤを始動させ、電子タグ10の取付けが開始可能となる。作業員は、
図11及び
図12に示すように、搬送ライン30におけるラベラー20よりも上流側に、同一の対象物50(同一商品)を順次載せる。これにより、各対象物50は先ずラベラー20において電子タグ10が貼付された後、読取装置60及び取得部70を通過する。この際、読取装置60により第1識別情報が検出され、取得部70により第2識別情報が取得され、検出部90に入力される。
【0102】
検出部90は、第1識別情報と前記第2識別情報とを比較する。その結果、両情報が一致する場合には、電子タグ10及び対象物50が一致しているため、対象物50はそのまま排出装置35を通過して正常品コンベヤ33に移され、正常品コンベヤ33により搬送される。正常品は、作業員が正常品コンベヤ33から取り出してもよいし、ロボットや適宜の排出装置35により排出するようにしてもよい。
【0103】
一方、検出部90により、第1識別情報と前記第2識別情報とを比較した結果、異なる場合には、電子タグ10及び対象物50の不一致であるため、対象物50は排出装置35により排出装置35により搬送ライン30外に排出され、正常品コンベヤ33には移されない。すなわち、図示例の排出装置35の場合、検出部90により不一致を検出しないときには、排出スロープ37は第1の位置(
図9及び
図10に示す位置)に保持され、対象物50は駆動ローラ36により下流側に接続された正常品コンベヤ33に移される。一方、検出部90により不一致を検出したときには、その結果が制御部100に入力され、制御部100は排出装置35を作動させ、不一致対象物50xが排出スロープ37上に位置するタイミングで排出スロープ37を第2の位置(
図11及び
図12に示す位置)に起こし、不一致対象物50xを駆動ローラ36から浮上させて、排出スロープ37上を搬送ライン30側方に滑り落とした後、排出スロープ37を第1の位置(
図9及び
図10に示す位置)に復帰させる。
【0104】
また、読取装置60により第1識別情報を検出できなかった場合、対象物50に電子タグ10が付属されていないことになる。つまり、本電子タグ付属システム2の場合、付属装置で電子タグ10の付属に失敗したことになる。この場合にも、第1識別情報及び第2識別情報が不一致となる。もちろん、読取装置60により第1識別情報を検出できなかったときには、第1識別情報及び第2識別情報の比較をせずに、上記不一致の場合と同様の処理を行うことができる。また、取得部70により第2識別情報を取得できなかった場合にも、読取装置60により第1識別情報を検出できなかった場合と同様の処理を行うことができる。
【0105】
このようにして、多数の対象物50に連続的に電子タグ10を付属させるとともにその不一致を検査することができる。
【0106】
対象物50が変わるときには、作業員等が、ラベラー20に取り付けられた電子タグロール23Rを、対応する第1識別情報が書き込まれた電子タグロール23Rに交換する。また、入力装置81により対象物50の指定をやり直す。これにより、例えば、ラベラー20の位置が
図14に示す対象物50に対応する位置から、
図15に矢印で示すように、次の対象物50に対応する位置に変化する。以降は、前述の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、電子タグを商品等の対象物に付属させるにあたり、又は電子タグを対象物に付属させた後に、電子タグ及び対象物の不一致を検査するために利用できる。
【符号の説明】
【0108】
1…電子タグ検査システム、2…電子タグ付属システム、10…電子タグ、10a,10i…インレット、10a…アンテナ、10i…ICチップ、11…粘着面、12…粘着不能化部分、13…残粘着部分、15…電子タグシート、16…剥離シート、20…ラベラー、23G…折り返しガイド、23R…電子タグロール、23W…巻取軸、30…搬送ライン、31…整列コンベヤ、32…検査コンベヤ、33…正常品コンベヤ、35…排出装置、36…駆動ローラ、37…排出スロープ、40…付属部、41…移動装置、41P…支柱、41B…梁、41M…移動体、50…対象物、51…保有情報、60…読取装置、70…取得部、71…保有情報センサ、71L…下方センサ、71U…上方センサ、80…記憶部、81…入力装置、82…表示装置、83…タッチパネルディスプレイ、90…検出部、100…制御部、E1…第1の機器、E2…第2の機器、E0…1つの機器。