(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/248 20060101AFI20230501BHJP
B65B 35/56 20060101ALI20230501BHJP
B65G 47/52 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B65G47/248 J
B65B35/56
B65G47/52 B
(21)【出願番号】P 2019122287
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】312017444
【氏名又は名称】ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小川 誠
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-095295(JP,A)
【文献】特開昭52-131365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/248
B65B 35/56
B65G 47/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の側面部と前記側面部に接続される底面部とを有するカップ状容器を搬送する搬送装置において、
前記カップ状容器を前記底面部が上面に当接した状態の正立状態で搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部の下流側に配置されるとともに、前記カップ状容器を前記側面部が上面に当接した状態の横転状態で搬送する第2搬送部と、
前記第2搬送部の上流端部から前記第1搬送部へ向けて延びるとともに、前記第1搬送部との間に隙間を空けて配置される板状部とを備え、
前記第1搬送部と前記第2搬送部との間には、前記第2搬送部の上流端部が前記第1搬送部の下流端部よりも下方へ位置するとともに、前記カップ状容器が前記第1搬送部の下流端部から前記第2搬送部の上流端部へ受け渡される際に前記カップ状容器を正立状態から横転状態へ向けて横転させる段差が設けられており、
前記板状部は、前記第1搬送部の下流端部よりも下方に位置している搬送装置。
【請求項2】
前記カップ状容器の前記底面部は、板状の底面と、前記底面よりも前記側面部と反対側へ向けて突出する筒状の底上げ部とを有し、
前記板状部は、前記カップ状容器が前記第1搬送部の下流端部から前記第2搬送部の上流端部へ受け渡される際に、前記底上げ部の内周面に当接する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記板状部の先端には、前記板状部の基端部よりも下方へ傾斜する傾斜部が設けられている請求項2に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、有底筒状のカップ状容器を搬送する搬送装置が開示されている。カップ状容器の底面部が接地した状態が正立状態であり、カップ状容器の底面部と反対側の開口部が接地した状態が倒立状態である。上記カップ状容器は、内部に内容物を入れた状態で開口部に蓋がされている。上記搬送装置は、1、3、4、6番目のレーンにおいて、第1搬送部でカップ状容器を正立状態で搬送するとともに、第1搬送部よりも下流側の第2搬送部でカップ状容器を倒立状態で搬送する。第1搬送部と第2搬送部との間には、カップ状容器を正立状態から倒立状態にするための段差が設けられている。この段差によって、カップ状容器が正立状態から倒立状態となるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送装置では、第1搬送部から第2搬送部へ受け渡される際に、カップ状容器を開口部が搬送方向へ向いた状態となるように横転させることがある。特許文献1の搬送装置のような第1搬送部と第2搬送部とをもってカップ状容器の横転を実現しようとする場合、カップ状容器に対する内容物の位置等に起因して、搬送方向とは逆の方向へ向いた状態に横転することがある。この場合、後続の工程をスムーズに実施できないおそれがある。このため、カップ状容器を所定方向へ向けてより確実に横転させることのできる搬送装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する搬送装置は、筒状の側面部と前記側面部に接続される底面部とを有するカップ状容器を搬送する搬送装置において、前記カップ状容器を前記底面部が上面に当接した状態の正立状態で搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部の下流側に配置されるとともに、前記カップ状容器を前記側面部が上面に当接した状態の横転状態で搬送する第2搬送部と、前記第2搬送部の上流端部から前記第1搬送部へ向けて延びるとともに、前記第1搬送部との間に隙間を空けて配置される板状部とを備え、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間には、前記第2搬送部の上流端部が前記第1搬送部の下流端部よりも下方へ位置するとともに、前記カップ状容器が前記第1搬送部の下流端部から前記第2搬送部の上流端部へ受け渡される際に前記カップ状容器を正立状態から横転状態へ向けて横転させる段差が設けられており、前記板状部は、前記第1搬送部の下流端部よりも下方に位置している。
【0006】
上記構成では、第1搬送部の下流端部から第2搬送部の上流端部へカップ状容器が受け渡される際、カップ状容器の底面部が板状部に当接することから、カップ状容器の下方の部分は搬送方向へ移動し難くなる。一方、カップ状容器の上方の部分は、第1搬送部から第2搬送部へ搬送された際の慣性に従って、搬送方向へ向けて移動しようとする。このため、カップ状容器には、底面部と反対側の面が上方を向いた正立状態から当該面が搬送方向を向いた横転状態へと回転させる力が作用する。このため、カップ状容器を所定方向へ向けてより確実に横転させることができる。これにより、後続の工程をスムーズに実施できるようになる。
【0007】
上記の搬送装置において、前記カップ状容器の前記底面部は、板状の底面と、前記底面よりも前記側面部と反対側へ向けて突出する筒状の底上げ部とを有し、前記板状部は、前記カップ状容器が前記第1搬送部の下流端部から前記第2搬送部の上流端部へ受け渡される際に、前記底上げ部の内周面に当接することが好ましい。
【0008】
上記構成では、第1搬送部の下流端部から第2搬送部の上流端部へカップ状容器が受け渡される際、板状部がカップ状容器の底上げ部の内周面に当接する。これにより、カップ状容器の下方の部分が搬送方向へ移動することをより確実に規制することができる。
【0009】
上記の搬送装置において、前記板状部の先端には、前記板状部の基端部よりも下方へ傾斜する傾斜部が設けられていることが好ましい。
上記構成では、第1搬送部の下流端部から第2搬送部の上流端部へカップ状容器が受け渡される際、板状部の傾斜部がカップ状容器の底上げ部の内周面の中でもより下方の部分に当接する。これにより、カップ状容器の回転中心となる点と力の作用点との間の距離を長くとることができるため、カップ状容器を正立状態から横転状態へと回転させる回転モーメントを大きくすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の搬送装置によれば、カップ状容器を所定方向へ向けてより確実に横転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5】(a)、(b)、(d)は、第1搬送部から第2搬送部へ受け渡される際のカップ状容器の状態遷移を示す側面図、(c)は、
図5(b)の板状部の周辺を拡大した拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
搬送装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び
図2に示すように、搬送装置1は、搬送する搬送対象物である有底円筒状のカップ状容器100を搬送する。搬送装置1には、内部に内容物Cを入れた状態のカップ状容器100が搬入装置から搬入される。また、搬送装置1は、当該カップ状容器100をシュリンカー等の梱包装置へと搬出する。この梱包装置は、カップ状容器100の外面にフィルムを装着する。
【0013】
図3及び
図4に示すように、本実施形態の搬送装置1の搬送対象物は、カップ状容器100である。カップ状容器100は、円筒状の側面部110と、側面部110に接続される底面部120とを有している。底面部120は、円板状の底面121と、底面121よりも側面部110と反対側へ向けて突出する円筒状の底上げ部122とを有している。側面部110は、その軸方向において、底面部120から離れるほど内径及び外径が拡径するテーパ形状をなしている。側面部110における底面部120と反対側の部分には、開口部130が設けられている。開口部130は、側面部110の軸方向から見たとき、円形状をなしている。底面部120の底上げ部122は、側面部110の軸方向において、底面121から離れるほど内径及び外径が縮径するテーパ形状をなしている。側面部110及び底上げ部122は、側面部110の軸方向において、互いに接続されている。カップ状容器100の内部には、開口部130から内容物Cが収容される。内容物Cとしては、例えば、塊麺やスープ等の乾燥食品が挙げられる。カップ状容器100の開口部130には、内部に内容物Cを入れた状態で蓋部140が取り付けられている。蓋部140は、側面部110の軸方向から見たとき、円形状をなしている。
【0014】
図1及び
図2に示すように、搬送装置1は、第1搬送部10と、第2搬送部20と、板状部30とを備えている。
第1搬送部10は、円筒状の第1上流側プーリ11、円筒状の第1下流側プーリ12、及び第1上流側プーリ11と第1下流側プーリ12との間に巻き掛けられている第1ベルト13を有している。第1搬送部10は、いわゆるベルトコンベアである。第1上流側プーリ11及び第1下流側プーリ12は、図示しない第1駆動モータからの回転トルクが伝達されることによって、その中心軸まわりに回転する。
図1中では、紙面方向から見たとき、第1上流側プーリ11及び第1下流側プーリ12は時計まわりに回転している。第1上流側プーリ11と第1下流側プーリ12とは同一の外径を有しており、第1ベルト13の上面は水平方向に延びている。第1ベルト13の上面は、第1搬送部10から第2搬送部20へ向かう搬送方向へ移動する。搬送装置1は、カップ状容器100を搬送方向へ移動させることで次の工程に向けて搬送する。
図1中では、紙面方向から見たとき、搬送方向は右に進む方向である。第1ベルト13の上流端部の上面に搬入されたカップ状容器100は、第1ベルト13の移動に伴って、第1ベルト13の上流端部から下流端部へと搬送される。この際、第1搬送部10は、カップ状容器100を底面部120が第1ベルト13の上面に当接した状態の正立状態で第2搬送部20へ向けて搬送する。
【0015】
第2搬送部20は、円筒状の第2上流側プーリ21、円筒状の第2下流側プーリ22、及び第2上流側プーリ21と第2下流側プーリ22との間に巻き掛けられている2つの第2ベルト23を有している。第2搬送部20は、いわゆるベルトコンベアである。第2上流側プーリ21及び第2下流側プーリ22は、図示しない第2駆動モータからの回転トルクが伝達されることによって、その中心軸まわりに回転する。
図1中では、紙面方向から見たとき、第2上流側プーリ21及び第2下流側プーリ22は時計まわりに回転している。第2上流側プーリ21と第2下流側プーリ22とは同一の外径を有しており、第2ベルト23の上面は水平方向に延びている。2つの第2ベルト23は、第2上流側プーリ21及び第2下流側プーリ22の軸方向において隙間を空けて配置されている。第1搬送部10と第2搬送部20との間には、水平方向において隙間Dが形成されている。すなわち、第1搬送部10の第1ベルト13における第2ベルト23側の部分と、第2搬送部20の第2ベルト23における第1ベルト13側の部分との間には、水平方向において隙間Dが形成されている。また、第2ベルト23の上流端部が第1ベルト13の下流端部よりも下方に位置するように、第1搬送部10と第2搬送部20との間には段差が設けられている。第2ベルト23の上流端部の上面と第1ベルト13の下流端部の上面との間には、高低差Hが形成されている。高低差Hは、カップ状容器100を横転させるために設定されている。一方、高低差Hは、カップ状容器100が落下したときにカップ状容器100に作用する衝撃を緩和するために、わずかな高低差に設定されている。高低差Hは、第1上流側プーリ11、第1下流側プーリ12、第2上流側プーリ21、及び第2下流側プーリ22の直径と比べて小さく設定されているとともに、隙間Dよりも小さく設定されている。
図1及び
図4では、便宜上、高低差Hを大きめに図示している。第1搬送部10によって第2搬送部20へ搬送されたカップ状容器100は、第2搬送部20の第2ベルト23の上流端部に搬入される。第2ベルト23の上流端部の上面に搬入されたカップ状容器100は、第2ベルト23の移動に伴って、第2ベルト23の上流端部から下流端部へと搬送される。この際、第2搬送部20は、カップ状容器100を側面部110が第2ベルト23の上面に当接した状態の横転状態で後続の梱包装置へ向けて搬送する。なお、第1搬送部10によるカップ状容器100の搬送速度と第2搬送部20によるカップ状容器100の搬送速度とは、同一である。
【0016】
図2に示すように、第2搬送部20における2つの第2ベルト23の間隙には、板状部30が配置されている。板状部30は、第2搬送部20の上流端部に設けられている。
図1及び
図2に示すように、板状部30は、第2上流側プーリ21の上方に位置している。第2ベルト23の上流端部の上面と板状部30の上面とは、同一平面上に配置されている。板状部30は、第2搬送部20の上流端部から第1搬送部10の下流端部へ向けて延びている。板状部30を上方から見たとき、板状部30の先端と第1ベルト13とは重なる位置にある。板状部30の先端と第1ベルト13との間には、隙間が形成されている。板状部30は、第1ベルト13の下流端部の上面よりも下方に位置している。板状部30の基端には、水平方向に延びる基端部31が設けられている。板状部30の先端には、傾斜部32が設けられている。傾斜部32は、板状部30の基端部31よりも下方へ傾斜している。傾斜部32は、基端部31に対して例えば25度の角度をなしている。傾斜部32が基端部31よりも下方へ傾斜している量は、カップ状容器100の底上げ部122の長さに基づいて設定されている。板状部30は、カップ状容器100が第1搬送部10の第1ベルト13の下流端部から第2搬送部20の第2ベルト23の上流端部へ受け渡される際に、カップ状容器100の底上げ部122の内周面に当接する。この場合、板状部30の傾斜部32は、カップ状容器100の底上げ部122の内周面のうち搬送方向と反対側の部分と当接する。板状部30の幅は、カップ状容器100の底上げ部122の内径よりも小さく設定されている。第2ベルト23の上流端部の上面と第1ベルト13の下流端部の上面との間で高低差Hが形成されていること、及び板状部30が底上げ部122の内周面に当接することによって、カップ状容器100を正立状態から横転状態へ回転させている。搬送装置1においてカップ状容器100を搬送する工程の実施後、梱包装置においてカップ状容器100を梱包する工程が実施される。梱包装置は、横転状態のカップ状容器100に対して梱包を実施する。搬送装置1の第2搬送部20は、後続の工程をスムーズに実施するべく、カップ状容器100を横転状態で搬送する。
【0017】
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)
図5(a)に示すように、第1搬送部10は、カップ状容器100を正立状態で上流端部から下流端部へ搬送する。第1搬送部10は、第1搬送部10から第2搬送部20へ搬送された際のカップ状容器100の慣性に従って、下流端部に到達したカップ状容器100を第2搬送部20の上流端部へと送り出す。
【0018】
図5(b)及び
図5(c)に示すように、第1搬送部10から送り出されたカップ状容器100は、第1搬送部10から第2搬送部20へ搬送される際のカップ状容器100の慣性、及び第1搬送部10と第2搬送部20との間の段差によってカップ状容器100に作用する重力に従って、搬送方向かつ下方へ移動する。このように移動したカップ状容器100は、その底上げ部122の内周面が板状部30の傾斜部32と当接する。これにより、カップ状容器100の下方の部分は搬送方向へ移動し難くなる。このため、カップ状容器100には、開口部130が上方を向いた正立状態から当該開口部が搬送方向を向いた横転状態へと横転させる力が作用する。この力は、
図5(b)において、紙面方向から見たとき、カップ状容器100を時計まわりに回転させる方向に作用する。
【0019】
図5(d)に示すように、カップ状容器100は、正立状態から横転状態へと横転することにより、その側面部110が第2ベルト23の上流端部の上面に当接する。
このようにすることで、第1搬送部10から第2搬送部20へと受け渡されたカップ状容器100を所定方向すなわち開口部130が搬送方向を向くようにより確実に横転させることができる。これにより、梱包装置によってカップ状容器100を梱包する工程をスムーズに実施できるようになる。
【0020】
(2)第1搬送部10の第1ベルト13の下流端部から第2搬送部20の第2ベルト23の上流端部へカップ状容器100が受け渡される際、板状部30の傾斜部32がカップ状容器100の底上げ部122の内周面に当接する。これにより、カップ状容器100の下方の部分が搬送方向へ移動することをより確実に規制することができる。
【0021】
(3)第1搬送部10の第1ベルト13の下流端部から第2搬送部20の第2ベルト23の上流端部へカップ状容器100が受け渡される際、板状部30の傾斜部32がカップ状容器100の底上げ部122の内周面の中でもより下方の部分に当接する。これにより、カップ状容器100の回転中心となる点と力の作用点との間の距離を長くとることができるため、カップ状容器100を正立状態から横転状態へと横転させる回転モーメントを大きくすることができる。
【0022】
(4)仮に、板状部30の上面と第2搬送部20の第2ベルト23の上面との間に高低差があると、搬送方向へ搬送されるカップ状容器100が当該高低差によって転がるおそれがある。このため、第2搬送部20を上方から見たとき、カップ状容器100の側面部110の軸方向と搬送方向とがずれやすくなる。この点、本実施形態では、板状部30の上面と第2搬送部20の第2ベルト23の上面とが同一平面上にあることから、カップ状容器100が第2ベルト23の上面で転がることが抑えられている。このため、第2搬送部20を上方から見たとき、カップ状容器100の側面部110の軸方向と搬送方向とを一致させやすくなる。
【0023】
(5)比較例として、高低差Hを比較的大きく設定するとともに、板状部30を設けない場合を説明する。高低差Hを大きく設定すると、第1搬送部10から第2搬送部20へ搬送される際のカップ状容器100の慣性、及び第1搬送部10と第2搬送部20との間の段差によって、第1搬送部10から送り出されたカップ状容器100を横転させることの確実性が高まる。一方、高低差Hを大きく設定すると、第1搬送部10から送り出されたカップ状容器100が高低差Hだけ落下して第2搬送部20に着地する際に、カップ状容器100に作用する衝撃が大きくなる。カップ状容器100に作用する衝撃が大きくなると、側面部110や底面部120に凹み等が生じるおそれがある。また、カップ状容器100に作用する衝撃が大きくなる場合には、カップ状容器100の内部に収容される内容物Cに加わる衝撃も大きくなる。このため、内容物Cの形の崩れ等が生じるおそれがある。
【0024】
本実施形態では、板状部30を設けることによって、高低差を小さく設定したとしても、カップ状容器100を所定方向すなわち開口部130が搬送方向を向くようにより確実に横転させることができる。そして、高低差Hを小さく設定できることから、第1搬送部10から送り出されたカップ状容器100が高低差Hを落下して第2搬送部20に着地する際に、カップ状容器100に作用する衝撃を小さくすることができる。カップ状容器100に作用する衝撃が小さくなることから、側面部110や底面部120に凹み等が生じることを抑制でき、内容物Cの形の崩れ等を抑制できる。
【0025】
上記実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・カップ状容器100は、有底円筒状のものに限らず、その形状は適宜変更可能である。例えば、カップ状容器100は、有底四角筒状等の他の形状のものであってもよい。また、側面部110及び底面部120の底上げ部122は、テーパ形状をなしていなくてもよい。また、底面部120は、底上げ部122を有していなくてもよい。
【0026】
・板状部30の傾斜部32は基端部31よりも下方へ傾斜していたが、これに限らない。傾斜部32は、第1ベルト13の下流端部の上面よりも下方に位置していればよく、基端部31よりも上方へ傾斜していてもよいし、傾斜部32を設けなくてもよい。
【0027】
・カップ状容器100の開口部130には、蓋部140が取り付けられていたが、蓋部140を取り付けなくてもよい。
・板状部30を上方から見たとき、板状部30の先端と第1ベルト13とは重なる位置にあったが、これらは重ならない位置にあってもよい。
【0028】
・板状部30は、カップ状容器100が第1搬送部10の第1ベルト13の下流端部から第2搬送部20の第2ベルト23の上流端部へ受け渡される際に、カップ状容器100の底上げ部122の外周面に当接するようにしてもよい。すなわち、板状部30は、カップ状容器100の底面部120が搬送方向へ移動されるのを抑制できるのであれば、カップ状容器100への当接箇所は変更可能である。
【0029】
・搬送装置1によってカップ状容器100を搬送した後の工程は梱包装置によって梱包する工程に限らず、カップ状容器100の良品判定を行う工程等の他の工程であってもよい。また、梱包装置によってカップ状容器100を梱包する工程は、搬送装置1がカップ状容器100を搬送する工程の前であってもよい。
【0030】
・第1ベルト13の上面及び第2ベルト23の上面は水平方向に延びていたが、これに限らない。第1ベルト13の上流端部が下流端部よりも下方に位置するように第1ベルト13の上面を傾斜させてもよいし、上流端部が下方端部よりも上方に位置するように第1ベルト13の上面を傾斜させてもよい。また、第2ベルト23の上流端部が下流端部よりも下方に位置するように第1ベルト13の上面を傾斜させてもよいし、第2ベルト23の上流端部が下流端部よりも上方に位置するように第2ベルト23の上面を傾斜させてもよい。
【0031】
・第1搬送部10及び第2搬送部20は、いわゆるベルトコンベアとして構成されたが、これに限らない。例えば、第1搬送部10及び第2搬送部20は、搬送方向に沿って延びるレール上を可動ユニットが移動するような構成であってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…搬送装置、10…第1搬送部、20…第2搬送部、30…板状部、31…基端部、32…傾斜部、100…カップ状容器、110…側面部、120…底面部、121…底面、122…底上げ部、130…開口部、140…蓋部、C…内容物、D…隙間、H…高低差。