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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】送風装置、空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/056 20060101AFI20230501BHJP
   F24F 1/0025 20190101ALI20230501BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
F04D29/056 B
F24F1/0025
F04D29/66 N
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019133879
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2021017847
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山崎 良信
(72)【発明者】
【氏名】尾関 宏隆
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-107046(JP,A)
【文献】特開2017-214978(JP,A)
【文献】実開昭59-164829(JP,U)
【文献】特開2004-324633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/056
F24F 1/0025
F04D 29/04
F16C 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの駆動力を伝える回転軸と、
前記回転軸に軸止された送風ファンと、
前記回転軸の前記送風ファンを介して前記モータと反対側の端部で、当該回転軸を受ける軸受部と、
前記軸受部が着脱される本体と、を有し、
前記軸受部は、
前記回転軸を回転自在に受ける軸受け部材と、
第1固定部材と第2固定部材とで挟み込むことで前記軸受け部材を固定する固定部と、を含み、
前記固定部は、前記回転軸に直交する面および平行な面で前記軸受け部材を固定し、
前記軸受け部材は、前記本体に対して着脱自在に設けられ、
前記軸受け部材が前記本体に対して装着された状態において、前記第1固定部材の少なくとも一部および前記第2固定部材の少なくとも一部が、前記本体の係合穴に挿入されていることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記第1固定部材と前記第2固定部材とは、
前記軸受け部材における前記回転軸と直交する2面を両側から挟み込み、当該軸受け部材を固定することを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記軸受部は、前記本体に対して前記回転軸と直交する方向に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
送風装置を備える空気調和機であって、
前記送風装置は、請求項1~3の何れか1項に記載の送風装置であることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エアコン等の空気調和機に搭載される送風装置には、クロスフローファンが用いられている。この場合、送風装置内部には、クロスフローファンの軸(回転軸)を軸支する軸受け部材と、この軸受け部材を支持する支持部材とで構成された軸受け部が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された軸受け部は、支持部材がヒンジ部を介して回転軸に直交する方向に開閉自在な両半割体で構成され、この両半割体を略円弧状に形成すると共に、両半割体内に軸受け部材を組み込んで当該半割体を嵌合している。さらに、この軸受け部は、室内ユニットの底フレームに着脱可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-107046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の軸受け部は、軸受け部材を回転軸に平行な面で挟み込むように支持部材である両半割体によって支持されている。このため、回転軸に直交する方向では軸受け部材を安定して固定できるものの、回転軸に平行な方向では軸受け部材を安定して固定できない。従って、従来の軸受け部では、回転軸を安定して軸支することができないという問題が生じる。
【0006】
本発明の一態様は、回転軸を安定して軸支できる軸受け部を備えた送風装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る送風装置は、モータと、前記モータの駆動力を伝える回転軸と、前記軸受部が着脱される本体と、を有し、前記軸受部は、前記回転軸を回転自在に受ける軸受け部材と、第1固定部材と第2固定部材とで挟み込むことで前記軸受け部材を固定する固定部と、を含み、前記固定部は、前記回転軸に直交する面および平行な面で前記軸受け部材を固定し、前記軸受け部材は、前記本体に対して着脱自在に設けられ、前記軸受け部材が前記本体に対して装着された状態において、前記第1固定部材の少なくとも一部および前記第2固定部材の少なくとも一部が、前記本体の係合穴に挿入されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、回転軸を安定して軸支できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る送風装置の斜視図である。
図2図1に示す送風装置を構成する送風部の斜視図である。
図3図1に示す送風装置を構成するキャビネットの斜視図である。
図4図1に示す送風装置が備える軸受け部の一部を構成する第1固定部材の斜視図である。
図5図1に示す送風装置が備える軸受け部の一部を構成する第2固定部材の斜視図である。
図6図1に示す送風装置が備える軸受け部の第1固定部材と第2固定部材とがヒンジを介して開放した状態を示す斜視図である。
図7図1に示す送風装置が備える軸受け部の第1固定部材と第2固定部材とがヒンジを介して閉じた状態を示す斜視図である。
図8図1に示す送風装置が備える軸受け部の第1固定部材と第2固定部材とがヒンジを介して開放した状態から閉じた状態に遷移する工程の一部を示す図である。
図9図1に示す送風装置が備える軸受け部の第1固定部材と第2固定部材とがヒンジを介して開放した状態から閉じた状態に遷移する工程の一部を示す図である。
図10図1に示す送風装置が備える軸受け部の第1固定部材と第2固定部材とがヒンジを介して開放した状態から閉じた状態に遷移する工程の一部を示す図である。
図11図1に示す送風装置が備える軸受け部の第1固定部材と第2固定部材とがヒンジを介して開放した状態から閉じた状態に遷移する工程の一部を示す図である。
図12図3に示すキャビネットに軸受け部を装着する工程の一部を示す図である。
図13図3に示すキャビネットに軸受け部を装着した状態を示す図である。
図14】軸受け部の斜視図である。
図15図14に示した軸受け部をキャビネットに装着した状態を示す図である。
図16】軸受け部をキャビネットに装着した状態の全体を示す図である。
図17】軸受け部のキャビネットへの着脱機構を説明するための図である。
図18】軸受け部の斜視図である。
図19図18に示した軸受け部をキャビネットに装着した状態を示す図である。
図20】軸受け部をキャビネットに装着した状態の全体を示す図である。
図21】軸受け部のキャビネットへの着脱機構を説明するための図である。
図22】本発明の実施形態2に係るエアコンの室内機の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
(送風装置の構造)
図1は、本実施形態に係る送風装置の概略斜視図である。図2は、図1に示す送風装置が備える送風部の斜視図である。図3は、図1に示す送風装置を構成するキャビネットの斜視図である。
【0012】
本実施形態に係る送風装置1は、図1に示すように、キャビネット10と、キャビネット10内の長手方向に、4つの送風ファン13と、駆動モータ33とが配置された送風部とを含んでいる。駆動モータ33は、4つの送風ファン13の間に配置され、両側の2つの送風ファン13にそれぞれ回転力を伝達するようになっている。つまり、この場合の駆動モータ33は、左右に回転軸32を有する両軸モータである。
【0013】
送風ファン13は、図2に示すように、2台の羽根車13aを互いのディスク壁13bで接続した構成のシロッコファンである。すなわち、送風ファン13は、所定の方向に羽根車13aが回転することにより当該羽根車13aの上記回転軸32に平行な方向の端面13cから空気を吸込み、当該羽根車13aの回転面13dから空気を排出するようになっている。本実施形態では、ディスク壁13bとして金属プレートを例に説明するが、金属プレートに限定されるものではなく、樹脂プレートであってもよいし、他のプレートであってもよい。
【0014】
送風ファン13には、駆動モータ33からの回転力を伝達するための回転軸32に接続するためのジョイント部材31が各羽根車13aの端面から突出するように設けられている。このジョイント部材31は、羽根車13a毎に設けられている。それぞれのジョイント部材31は、当該羽根車13a同士の接続部であるディスク壁13bに設けられたボス(図示せず)を介して接続されている。
【0015】
駆動モータ33からの回転力を伝達するための回転軸32は、送風ファン13のジョイント部材31に挿入され、当該ジョイント部材31に形成されたねじ穴31aを利用してネジ締めによって固定される。さらに、送風ファン13の駆動モータ33と反対側に設けられたジョイント部材31に挿入された別の回転軸32が隣接する送風ファン13のジョイント部材31に挿入され、当該ジョイント部材31に形成されたねじ穴31aを利用してネジ締めによって固定されている。駆動モータ33と反対の両側では、それぞれ軸受け部34に軸支された回転軸32が当該送風ファン13のジョイント部材31に挿入され、当該ジョイント部材31に形成されたねじ穴31aを利用してネジ締めによって固定される。
【0016】
軸受け部34は、キャビネット10に着脱自在に設けられている。つまり、軸受け部34は、回転軸32を軸支した状態、すなわち送風ファン13および駆動モータ33を一体化した状態で、キャビネット10に対して着脱自在となっている。
【0017】
キャビネット10は、図3に示すように、長手方向の両側の端部10aに軸受け部34を嵌め込む嵌合部35が形成されている。図2に示す状態の送風ファン13および駆動モータ33をキャビネット10の所定の位置に装着する際、軸受け部34が嵌合部35の嵌合穴35aに挿入される。つまり、軸受け部34は、送風装置1本体に対して回転軸32と直交する方向に着脱自在に設けられている。
【0018】
(軸受け部34)
図4は、軸受け部34を構成する第1固定部材134の斜視図、図5は、軸受け部34を構成する第2固定部材135の斜視図、図6は、軸受け部34の第1固定部材134と第2固定部材135とを開放した状態を示す斜視図で、図7は、軸受け部34の第1固定部材134と第2固定部材135とを閉じた状態を示す斜視図である。図8図11は、図1に示す送風装置1が備える軸受け部34の第1固定部材134と第2固定部材135とがヒンジ136を介して開放した状態から閉じた状態に遷移する工程を示す図である。
【0019】
軸受け部34は、軸受け部材36と、軸受け部材36を所定の位置で固定するための第1固定部材(固定部)134、第2固定部材(固定部)135とを含んでいる。軸受け部34は、第1固定部材134と第2固定部材135によって、回転軸32に直交する面(後述する底面134c,底面134c)および平行な面(後述する側面134d,側面134d)で軸受け部材36を固定するようになっている。
【0020】
軸受け部材36は、ゴム製の略円板状の部材からなり、中心に軸穴36aが形成されている。軸穴36aは、貫通されておらず、また、内径は、回転軸32の振動を抑えるため、当該回転軸32の外径とほぼ同じである。さらに、軸穴36aの内周面は、回転軸32の回転を妨げない程度に摩擦抵抗が小さくなっている。つまり、軸受け部材36の素材としては、回転軸32の振動を抑えることが可能であり、摩擦抵抗が小さい素材が好ましい。なお、軸受け部材36は、少なくとも表面の素材がゴムであればよい。
【0021】
第1固定部材134は、図4に示すように、一端にヒンジ部136aが形成された樹脂成形体からなり、第2固定部材135と合わせる面のヒンジ部136a側に軸受け部材36を軸穴36aと直交する向きに嵌め込む嵌合穴134aが形成され、ヒンジ部136aと反対側に第2固定部材135を合わせた際に当該第2固定部材135を固定するための2つの爪部134b・134bが形成されている。
【0022】
嵌合穴134aは、図4に示すように、底面134cと、当該底面134cの外周に垂直に形成された側面134dとを含んでいる。なお、側面134dは、回転軸32を中心とする円柱の側面に対応する曲面である。また、底面134cは、外径が軸受け部材36の外径よりも小さく形成されている。これにより、ゴムからなる軸受け部材36を嵌合穴134aにて確実に固定することができる。さらに、底面134cには、中央部が軸受け部材36の軸穴36aを露出するために略円形状に開口されている。これにより、軸受け部材36が嵌合穴134aに嵌合された場合、底面134cと軸受け部材36の軸穴36aに垂直な面とが接触し、側面134dと軸受け部材36の軸穴36aに平行な外周面が接触する。すなわち、嵌合穴134aに軸受け部材36が嵌合された状態で、底面134cは回転軸32(軸穴36a)に垂直な面になり、側面134dは回転軸32(軸穴36a)に平行な面になる。
【0023】
一方、第2固定部材135は、図5に示すように、一端にヒンジ部136bが形成された樹脂成形体からなり、第1固定部材134と合わせる面のヒンジ部136b側に軸受け部材36を軸穴36aと直交する向きに嵌め込む嵌合穴135aが形成され、ヒンジ部136bと反対側の端部135bは、第1固定部材134を合わせた際に当該第1固定部材134の2つの爪部134b・134bが係合するようになっている。
【0024】
嵌合穴135aは、図5に示すように、底面135cと、当該底面135cの外周に垂直に形成された側面135dとを含んでいる。なお、側面135dは、回転軸32を中心とする円柱の側面に対応する曲面である。また、底面135cは、外径が軸受け部材36の外径よりも小さく形成されている。これにより、ゴムからなる軸受け部材36を嵌合穴135aにて確実に固定することができる。さらに、底面135cには、中央部が軸受け部材36の軸穴36aに対向する部分を露出するために略円形状に開口されている。これにより、軸受け部材36が嵌合穴135aに嵌合された場合、底面135cと軸受け部材36の軸穴36aに垂直な面とが接触し、側面135dと軸受け部材36の軸穴36aに平行な外周面が接触する。すなわち、嵌合穴135aに軸受け部材36が嵌合された状態で、底面135cは回転軸32(軸穴36a)に垂直な面になり、側面135dは回転軸32(軸穴36a)に平行な面になる。
【0025】
図6に示すように、第1固定部材134のヒンジ部136aと第2固定部材135のヒンジ部136bとは接続され一つのヒンジ136を形成している。これにより、図7に示すように、ヒンジ136を回動中心として第1固定部材134と第2固定部材135とで軸受け部材36を挟み込むようになっている。つまり、第1固定部材134と第2固定部材135は、軸受け部材36における回転軸32と直交する2面を両側から挟み込み、当該軸受け部材36を固定する。
【0026】
すなわち、図8に示すように、第1固定部材134と第2固定部材135とが開放された状態で、第2固定部材135の嵌合穴135aに軸受け部材36を、軸穴36aが上を向くように置く。その後、図9図10に示すように、第2固定部材135を、ヒンジ136を中心にして第1固定部材134側に回動させて、図11に示すように、第2固定部材135を第1固定部材134に重ね合わせる。このとき、第2固定部材135の端部135bが第1固定部材134の2つの爪部134b・134bに係合されることで、当該第2固定部材135が第1固定部材134に固定され、軸受け部34を形成する。
【0027】
軸受け部34は、図7に示すように、軸受け部材36を、軸穴36aの周囲以外を覆うようにして第1固定部材134と第2固定部材135とで挟み込むようにして固定している。ここで、第1固定部材134の嵌合穴134aと第2固定部材135の嵌合穴135aとは、軸受け部材36を嵌合した状態で、当該軸受け部材36が軸穴36aに直交する方向、平行な方向にずれないように完全に固定できる内径および深さになるように形成されている。
【0028】
(軸受け部の着脱(1))
図12は、キャビネット10に軸受け部34を装着する工程の一部を示す図である。図13は、キャビネット10に軸受け部34を装着した状態を示す図である。図14は、軸受け部34の斜視図である。図15は、図14に示した軸受け部34をキャビネット10に装着した状態を示す図である。図16は、軸受け部34をキャビネット10に装着した状態の全体を示す図である。図17は、軸受け部34のキャビネット10への着脱機構を説明するための図である。なお、図12図17では、説明の便宜上、キャビネット10、嵌合部35、軸受け部34のみを示し、送風ファン13、駆動モータ33等については省略している。
【0029】
軸受け部34は、図12に示すように、キャビネット10の長手方向両側に設けられた嵌合部35の嵌合穴35aに対して、ヒンジ136側から挿入し、図13に示すように、嵌合部35への挿入が完了する。このとき、軸受け部34の第1固定部材134がキャビネット10の内面に向かうようにして嵌合部35に挿入することで、軸受け部材36の軸穴36aがキャビネット10の内面側に露出される。
【0030】
ここで、軸受け部34には、図14に示すように、ヒンジ136側において、第2固定部材135の表面から突出した爪部34aが形成されている。この爪部34aは、第2固定部材135と一体的に形成されており、図15および図16に示すように、軸受け部34がキャビネット10の嵌合部35に嵌合された状態で、当該嵌合部35に形成された係合穴35bに係合するようになっている。
【0031】
従って、軸受け部34をキャビネット10に装着する場合、軸受け部34を嵌合部35に対して、ヒンジ136側から差し込む。このとき、軸受け部34の爪部34aと嵌合部35の係合穴35bとが係合して「カチッ」という音が鳴るまで、軸受け部34を嵌合部35の奥に差し込む。軸受け部34の爪部34aと嵌合部35の係合穴35bとの係合が確認された後、ビス37によって軸受け部34をキャビネット10にビス止めする。これにより、軸受け部34は嵌合部35(キャビネット10)に確実に固定される。
【0032】
一方、図17に示す状態から軸受け部34をキャビネット10から取りはずときには、まず、符号1903に示すビス37を外し、爪部34aを嵌合部35に向かって押し込み、爪部34aと係合穴35bとの係合を解除する。その後、軸受け部34を嵌合35の開口部側にスライドさせて、キャビネット10から取り外す。
【0033】
軸受け部34は、ヒンジ136から嵌合部35に挿入するようになっている。このため、軸受け部34が嵌合部35に完全に嵌合された状態では、ヒンジ136は当該嵌合部35内部でキャビネット10に覆われるようにして固定されている。これにより、軸受け部34がヒンジ136を回動中心として第1固定部材134と第2固定部材135とが開放できないようになっているため、さらに、軸受け部材36を安定して固定することになり、回転軸32のブレを低減することができる。
【0034】
(効果)
上記構成の送風装置1によれば、軸受け部34が軸受け部材36を軸穴36aに直交する方向から、当該軸穴36aの周囲以外を覆うようにして挟み込むようにして固定しているため、従来のように、軸受け部材36の軸穴36aに平行な方向からのみ挟み込む場合よりも軸心がズレにくく安定して回転軸32を支持することができる。
【0035】
また、軸受け部34は、キャビネット10に対して着脱可能に構成されているため、送風ファン13および駆動モータ33を一体化した状態で、キャビネット10から着脱可能となり、メンテナンスがし易い。
【0036】
しかも、軸受け部34のヒンジ136が嵌合部35の嵌合された状態では、キャビネット10内部で固定された状態となるため、軸受け部材36をさらに安定して固定することができる。これにより、回転軸32のブレや振動を軸受け部材36によって十分に吸収できるようになるため、送風ファン13の回転時に生じる騒音を低減できるという効果もそうする。
【0037】
なお、軸受け部の着脱機構は、以下のような機構であってもよい。
【0038】
(軸受け部の着脱(2))
図18は、軸受け部234の斜視図である。図19は、図18に示した軸受け部234をキャビネット10に装着した状態を示す図である。図20は、軸受け部234をキャビネット10に装着した状態の全体を示す図である。図21は、軸受け部234のキャビネット10への着脱機構を説明するための図である。なお、図18図21では、説明の便宜上、キャビネット10、嵌合部235、軸受け部234のみを示し、送風ファン13、駆動モータ33等については省略している。
【0039】
軸受け部234は、図18に示すように、前記の軸受け部34とほぼ同じ形状をしているが、爪部234aの位置が異なる。すなわち、軸受け部234の爪部234aは、ヒンジ236側ではなく、ヒンジ236と反対側で且つ、当該軸受け部234の側面において外側に突出するように設けられている。従って、図19および図20に示すように、キャビネット10の嵌合部235には、前記の嵌合部35と同じ位置に係合穴は形成さていない。このため、図21に示すように、軸受け部234の爪部234aに係合する係合穴235bは、嵌合部235の側面に形成されている。
【0040】
従って、軸受け部234をキャビネット10に装着する場合、軸受け部234を嵌合部235の嵌合穴235aに対して、ヒンジ136側から差し込む。このとき、軸受け部234の爪部234aと嵌合部235の係合穴235bとが係合して「カチッ」という音が鳴るまで、軸受け部234を嵌合部235の奥に差し込む。軸受け部234の爪部234aと嵌合部35の係合穴235bとの係合が確認された後、ビス237によって軸受け部34をキャビネット10にビス止めする。これにより、軸受け部234は嵌合部235(キャビネット10)に確実に固定される。
【0041】
一方、図21に示す状態から軸受け部234をキャビネット10から取りはずときには、まず、符号2301に示すビス237を外し、2箇所の爪部34aをつまんで、2つの爪部234aと2つの係合穴235bとの係合をそれぞれ解除する。その後、軸受け部234を嵌合235の嵌合穴235aの開口部側にスライドさせて、キャビネット10から取り外す。
【0042】
上記の場合も、軸受け部234は、ヒンジ236から嵌合部235に挿入するようになっている。このため、軸受け部234が嵌合部235に完全に嵌合された状態では、ヒンジ236は当該嵌合部235内部でキャビネット10に覆われるようにして固定されている。これにより、軸受け部材36を安定して固定することになり、回転軸32のブレを低減することができるという効果を奏する。
【0043】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0044】
本実施形態では、前記実施形態1に記載の送風装置1を空気調和機(室内機)に適用し例について説明する。
【0045】
図22は、図1に示した送風装置1を備えた空気調和機の室内機の縦断面図である。
【0046】
室内機は、図2に示すように、上部に第1吸込み口11を有し、下部に第2吸込み口12を有し、内部に送風装置を構成する送風ファン13および熱交換器14を有し、前部に吹出し口17を有している。
【0047】
また、室内機は、第1吸込み口11の内側(下側)に第1フィルタ15を有し、第2吸込み口12の内側(上側)に第2フィルタ16を有している。第1フィルタ15は、例えばプレフィルタに相当する機能を有するフィルタであり、第2フィルタ16よりも低性能であり、第2フィルタ16よりも通風抵抗が小さいフィルタである。第2フィルタ16は、例えばHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)であり、第1フィルタ15よりも高性能であり、第1フィルタ15よりも通風抵抗が大きいフィルタである。
【0048】
室内機では、第1吸込み口11から吸い込まれた空気は、第1フィルタ15、送風装置1および熱交換器14を経て吹出し口17から吹き出される。また、第2吸込み口12から吸い込まれた空気は、第2フィルタ16、送風装置1および熱交換器14を経て吹出し口17から吹き出される。
【0049】
このように、前記実施形態1の送風装置1が室内機に搭載されているため、当該室内機を駆動する際に、送風装置1内の回転軸のブレや振動を抑えることができるので、当該送風装置1を駆動させた場合の騒音を低減することができる。しかも、送風装置1を構成している軸受け部34は室内機内のキャビネット10から着脱自在であるため、メンテナンスもし易い。
【0050】
なお、前記実施形態1,2では、送風装置1の送風手段として、シロコファンの例について説明したが、これに限定されるものではなく、クロスフローファンであっても、本発明を適用することができる。また、本発明は、回転軸を有する送風装置であれば、どのような送風装置にも適用することができる。
【0051】
さらに、回転軸を軸支するための軸受け部材36の素材としてゴムの例について説明したが、軸受け部材36の素材としてはゴムに限定されるものではない。例えば、前記実施形態1でも説明した通り、回転軸32の振動を抑えることが可能であり、摩擦抵抗が小さい素材であればよい。
【0052】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 送風装置
10 キャビネット
10a 端部
13 送風ファン
13a 羽根車
13b ディスク壁
13c 端面
13d 回転面
14 熱交換器
15 第1フィルタ
16 第2フィルタ
31 ジョイント部材
32 回転軸
33 駆動モータ
34 軸受け部
34a 爪部
35 嵌合部
35a 嵌合穴
35b 係合穴
36 軸受け部材
36a 軸穴
134 第1固定部材(固定部)
134a 嵌合穴
134b 爪部
134c 底面(回転軸に垂直な面)
134d 側面(回転軸に平行な面)
135 第2固定部材(固定部)
135a 嵌合穴
135b 端部
135c 底面(回転軸に垂直な面)
135d 側面(回転軸に平行な面)
136 ヒンジ
136a ヒンジ部
136b ヒンジ部
234 軸受け部
234a 爪部
235 嵌合部
235a 嵌合穴
235b 係合穴
236 ヒンジ
図1
図2
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図22