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特許7271467自動運転の制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】自動運転の制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/095 20120101AFI20230501BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20230501BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B60W30/095
B60W40/02
G08G1/16 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020048113
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021054388
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-03-18
(31)【優先権主張番号】201910944865.6
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ トンチュン
(72)【発明者】
【氏名】リュイ レイピン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ チンチン
(72)【発明者】
【氏名】チュー ファン
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-087139(JP,A)
【文献】特開平10-105891(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090097(WO,A1)
【文献】特開2013-120574(JP,A)
【文献】特開2011-248445(JP,A)
【文献】特表2021-504812(JP,A)
【文献】特開2016-192164(JP,A)
【文献】特表2020-516971(JP,A)
【文献】特表2012-513651(JP,A)
【文献】特表2019-533609(JP,A)
【文献】国際公開第2013/042260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 - 60/00
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/017
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転の制御方法であって、
歩行者の移動データを取得することであって、前記移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含み、前記歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間は、前記車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分の方向が、歩行者が存在する車線から車両が存在する車線へ、である場合、移動速度がゼロでないことを保持する持続期間である、取得することと、
歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することであって、歩行者の前記移動情報は、前記持続期間における歩行者の平均速度、歩行者と自動運転車両との間の距離、歩行者の移動速度の標準偏差を含む、決定することと、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することと、
を含み、
前記歩行者の移動データを取得することは、
予め設定された時間帯内における、複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
前記複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行い、平滑化処理後の速度成分を取得することと、
前記平滑化処理後の速度成分と前記歩行者が存在する車線の位置とに従って、前記歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、
を含むことを特徴とする自動運転の制御方法。
【請求項2】
前記歩行者の移動データを取得することは、
歩行者が存在する車線の位置及び歩行者の移動速度を取得することと、
歩行者の前記移動速度を車線の延びる方向及び車線の横幅方向に分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分、及び車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
前記車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、前記歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記歩行者が存在する車線の位置を取得することは、
自動運転車両の周辺の環境画像を撮影することと、
前記環境画像から、車線の分布位置、車線横幅、及び車線方向を含む車線情報を抽出することと、
前記車線情報に従って、歩行者が存在する車線の位置を決定することと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記走行ストラテジに従って、自動運転車の走行を制御することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することは、
グレディアンブーストの決定木(GBDT)モデルを含む決定木モデルを構築することと、
歩行者の前記移動データと前記移動情報とを前記決定木モデルに入力し、決定木モデルにより歩行者の移動方向を出力することであって、歩行者の前記移動方向は、車線の延びる方向、車線を左に切り込む方向、及び車線を右に切り込む方向を含む、入力及び出力することと、
を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することは、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することであって、前記走行ストラテジは、走行速度調整と走行方向調整とを含む、生成すること、
を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
歩行者の前記移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の前記移動情報に従って、自動運転車両の回避ストラテジを決定することであって、ここで、前記自動運転車両の走行情報は、自動運転車両の走行速度、自動運転車両が存在する車線の位置情報、及び、自動運転車両と歩行者との間の距離を含む、決定することと、
前記走行ストラテジに従って、自動運転車の走行を制御することと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することは、
歩行者の前記移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の前記移動情報に従って、前記自動運転車両が前記歩行者の存在する位置を通過している時に、前記歩行者が既に前記自動運転車両が存在する車線の横断を完了したと決定した場合、前記自動運転車両の走行ストラテジを生成することであって、生成された走行ストラテジは、前記自動運転車両の現在の走行ストラテジを調整しないものである、生成すること、
を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
自動運転の制御装置であって、
歩行者の移動データを取得することに用いられる取得モジュールであって、前記移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含み、前記歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間は、前記車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分の方向が、歩行者が存在する車線から車両が存在する車線へ、である場合、移動速度がゼロでないことを保持する持続期間である、取得モジュールと、
歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することに用いられる決定モジュールであって、歩行者の前記移動情報は、前記持続期間における歩行者の平均速度、歩行者と自動運転車両との間の距離、歩行者の移動速度の標準偏差を含む、決定モジュールと、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することに用いられる制御モジュールと、
を含み、
前記取得モジュールは、
予め設定された時間帯内における、複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
前記複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行い、平滑化処理後の速度成分を取得することと、
前記平滑化処理後の速度成分と前記歩行者が存在する車線の位置とに従って、前記歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、に用いられる、ことを特徴とする自動運転の制御装置。
【請求項10】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサ、及び
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを含み、
前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能であり、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法を実行することを可能にする命令を記憶することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
コンピュータ命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶することを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、データ処理技術の分野における自動運転技術に関し、特に自動運転の制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車両の走行中には、自動運転車両が走行経路に従って走行できるように、自動運転車両の走行経路が計画される。しかしながら、実際の自動運転車両の走行中には、歩行者が頻繁に現れ、歩行者の移動が自動運転車両の走行に影響を与える。そのため、歩行者及び自動運転車両の安全を確保するために、自動運転車両が歩行者を回避することができるように、歩行者の移動軌跡を予測する必要がある。
【0003】
従来、歩行者の移動軌跡を予測する場合、歩行者の進路情報や速度情報を用いて歩行者の移動を予測し、歩行者の移動軌跡を得ることが多い。
【0004】
しかしながら、従来技術では、歩行者の進路が突然変化するため、すなわち、歩行者の進路が瞬間的に変化するので、歩行者の移動予測に影響を与える。結果として、歩行者の移動の正確な予測と、自動運転車両のタイムリーな走行ストラテジの調整とを不能とし、交通事故を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
歩行者の移動方向を正確に予測することができ、自動運転車両による歩行者の回避を容易にし、走行の安全を確保することができる自動運転の制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本願の実施例は、自動運転の制御方法を提供し、該方法は
歩行者の移動データを取得し、前記移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含むことと、
歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することと、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することと、を含む。
【0007】
本実施例において、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間、及び、歩行者の移動情報を取得することで、歩行者の移動方向を決定して、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することにより、歩行者の瞬間的な移動の方向を正確に予測して、歩行者が片側から自動運転車両の走行軌跡に切り込むか否かを判定することができ、自動運転車両がより良い走行ストラテジを選択し易くなり、歩行者の回避を実現して運転の安全を確保することができる。
【0008】
1つの可能な設計において、歩行者の前記移動データを取得することは、
歩行者が存在する車線の位置及び歩行者の移動速度を取得することと、
歩行者の移動速度を車線の延びる方向及び車線の横幅方向に分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分、及び車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、を含む。
【0009】
本実施例において、歩行者の移動速度を分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分と、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分とを取得し、そして、歩行者が存在する車線の位置に基づいて、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を正確に算出することができ、該持続期間に従って、歩行者が自動運転車両の走行軌跡に切り込む可能性を判定することができ、自動運転車両が良好な回避ストラテジを講じることができるようにし、走行の安全性を確保することができる。
【0010】
1つの可能な設計では、前記歩行者が存在する車線の位置を取得することは、
自動運転車両の周辺の環境画像を撮影することと、
前記環境画像から、車線の分布位置、車線横幅、及び車線方向を含む車線情報を抽出することと、
前記車線情報に従って、歩行者が存在する車線の位置を決定することと、を含む。
【0011】
本実施例において、自動運転車両に搭載された画像収集手段(例えば、カメラ)により、自動運転車両の周辺の環境画像を収集し、環境画像から車線の分布位置、車線横幅、車線方向等の情報を抽出し、それらと画像内の歩行者の現れる位置とを合わせ用いて、歩行者の存在する車線の位置を決定することができる。それにより、歩行者の位置を正確に測位することができ、歩行者の移動情報を容易に収集することができる。
【0012】
1つの可能な設計では、前記車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することは、
予め設定された時間帯内における、複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
前記複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行い、平滑化処理後の速度成分を取得することと、
前記平滑化処理後の速度成分と歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、を含む。
【0013】
本実施例において、予め設定された時間帯内における、複数の時刻における車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行って、平滑化処理後の速度成分を取得し、そして、平滑化処理後の速度成分と歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定する。それにより、予め設定された時間帯内における歩行者の体の左右の揺れ等によるかく乱を除去することができ、収集された情報をより正確にすることができる。
【0014】
1つの可能な設計では、歩行者の前記移動情報は、前記持続期間における歩行者の平均速度、歩行者と自動運転車両との間の距離、歩行者の移動速度の標準偏差を含む。
【0015】
本実施例において、十分な歩行者の移動情報が取得されているため、それを決定の基礎として使用することができ、自動運転車両による走行ストラテジを実際の道路状況により適合させ、安全な運転の前提を確保し、制御ストラテジの有効性を高める。
【0016】
1つの可能な設計において、さらに
前記走行ストラテジに従って、自動運転車の走行を制御することを含む。
【0017】
本実施例において、走行ストラテジは、減速ストラテジ、車線変更ストラテジ、加速ストラテジ等であってよい。例えば、歩行者が既に自動運転車両の走行経路に切り込んでおり、しかも他の車線に車両が存在する場合には、減速ストラテジを取る。歩行者と車両との間の距離が遠く、しかも歩行者が自動運転車両の走行経路に切り込んでいない場合には、加速ストラテジを取る。それにより、歩行者の移動方向に従って、歩行者を回避し、自動運転車両及び歩行者の安全を確保することができる。
【0018】
1つの可能な設計では、歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することは、
グレディアンブーストの決定木(GBDT)モデルを含む決定木モデルを構築することと、
歩行者の前記移動データと前記移動情報とを前記決定木モデルに入力し、決定木モデルにより歩行者の移動方向を出力し、歩行者の前記移動方向は、車線の延びる方向、車線を左に切り込む方向、及び車線を右に切り込む方向を含むことと、を含む。
【0019】
本実施例において、構築された決定木モデルにより歩行者の移動方向を分類し、歩行者の移動データと歩行者の移動情報とに基づいて、歩行者の最も確からしい移動方向を判定する。決定木モデルに多くの因子が導入されるため、移動方向の判定結果をより正確にすることができる。
【0020】
1つの可能な設計では、歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することは、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成し、前記走行ストラテジは、走行速度調整と走行方向調整とを含む。
【0021】
本実施例において、歩行者の移動方向を決定した後、自動運転車両の走行速度及び/又は走行方向を調整でき、それにより、自動運転車両及び歩行者の安全性を確保する。
【0022】
1つの可能な設計において、
歩行者の前記移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の前記移動情報に従って、自動運転車両の回避ストラテジを決定することであって、前記自動運転車両の走行情報は、自動運転車両の走行速度、自動運転車両が存在する車線の位置情報、及び、自動運転車両と歩行者との間の距離を含む、決定することと、
前記走行ストラテジに従って、自動運転車の走行を制御することと、をさらに含む。
【0023】
本実施例において、歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、歩行者の移動情報等の情報を統合して、自動運転車両の回避ストラテジを決定することができる。それにより、自動運転車両は、歩行者の安全と運転の安全を保証した上で、最適な回避方式を用いて運転体験を向上させる。
【0024】
第2の態様では、本願の実施例は、自動運転の制御装置を提供し、該制御装置は
歩行者の移動データを取得することに用いられ、前記移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含む取得モジュールと、
歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することに用いられる決定モジュールと、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することに用いられる制御モジュールと、を含む。
【0025】
本実施例において、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間、及び、歩行者の移動情報を取得することで、歩行者の移動方向を決定して、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することにより、歩行者の瞬間的な移動の方向を正確に予測して、歩行者が片側から自動運転車両の走行軌跡に切り込むか否かを判定することができ、自動運転車両がより良い走行ストラテジを選択し易くなり、歩行者の回避を実現して運転の安全を確保することができる。
【0026】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、具体的に、
歩行者が存在する車線の位置及び歩行者の移動速度を取得することと、
歩行者の移動速度を車線の延びる方向及び車線の横幅方向に分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分、及び車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、に用いられる。
【0027】
本実施例において、歩行者の移動速度を分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分と、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分とを取得し、そして、歩行者が存在する車線の位置に基づいて、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を正確に算出することができ、該持続期間に従って、歩行者が自動運転車両の走行軌跡に切り込む可能性を判定することができ、自動運転車両が良好な回避ストラテジを講じることができるようにし、走行の安全性を確保することができる。
【0028】
1つの可能な設計では、前記取得モジュールは、
自動運転車両の周辺の環境画像を撮影することと、
前記環境画像から、車線の分布位置、車線横幅、及び車線方向を含む車線情報を抽出することと、
前記車線情報に従って、歩行者が存在する車線の位置を決定することと、にさらに用いられる。
【0029】
本実施例において、自動運転車両に搭載された画像収集手段(例えば、カメラ)により、自動運転車両の周辺の環境画像を収集し、環境画像から車線の分布位置、車線横幅、車線方向等の情報を抽出し、それらと画像内の歩行者の現れる位置とを合わせ用いて、歩行者の存在する車線の位置を決定することができる。それにより、歩行者の位置を正確に測位することができ、歩行者の移動情報を容易に収集することができる。
【0030】
1つの可能な設計では、前記車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することは、
予め設定された時間帯内における、複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
前記複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行い、平滑化処理後の速度成分を取得することと、
前記平滑化処理後の速度成分と歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、を含む。
【0031】
本実施例において、予め設定された時間帯内における、複数の時刻における車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行って、平滑化処理後の速度成分を取得し、そして、平滑化処理後の速度成分と歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定する。それにより、予め設定された時間帯内における歩行者の体の左右の揺れ等によるかく乱を除去することができ、収集された情報をより正確にすることができる。
【0032】
1つの可能な設計では、歩行者の前記移動情報は、前記持続期間における歩行者の平均速度、歩行者と自動運転車両との間の距離、歩行者の移動速度の標準偏差を含む。
【0033】
本実施例において、十分な歩行者の移動情報が取得されているため、それを決定の基礎として使用することができ、自動運転車両による走行ストラテジを実際の道路状況により適合させ、安全な運転の前提を確保し、制御ストラテジの有効性を高める。
【0034】
1つの可能な設計では、前記制御モジュールは、
前記走行ストラテジに従って、自動運転車の走行を制御することにさらに用いられる。
【0035】
本実施例において、走行ストラテジは、減速ストラテジ、車線変更ストラテジ、加速ストラテジ等であってよい。例えば、歩行者が既に自動運転車両の走行経路に切り込んでおり、しかも他の車線に車両が存在する場合には、減速ストラテジを取る。歩行者と車両との間の距離が遠く、しかも歩行者が自動運転車両の走行経路に切り込んでいない場合には、加速ストラテジを取る。それにより、歩行者の移動方向に従って、歩行者を回避し、自動運転車両及び歩行者の安全を確保することができる。
【0036】
1つの可能な設計では、前記決定モジュールは、具体的に
グレディアンブーストの決定木(GBDT)モデルを含む決定木モデルを構築することと、
歩行者の前記移動データと移動情報とを前記決定木モデルに入力し、決定木モデルにより歩行者の移動方向を出力することと、に用いられ、前記歩行者の走行方向は、車線の延びる方向、車線を左に切り込む方向、及び車線を右に切り込む方向を含む。
【0037】
本実施例において、構築された決定木モデルにより歩行者の移動方向を分類し、歩行者の移動データと歩行者の移動情報とに基づいて、歩行者が最も確からしい移動方向を判定する。決定木モデルに多くの因子が導入されるため、移動方向の判定結果をより正確にすることができる。
【0038】
1つの可能な設計では、前記制御モジュールは、具体的に、
前記歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することに用いられ、前記走行ストラテジは、走行速度調整と走行方向調整とを含む。
【0039】
本実施例において、歩行者の移動方向を決定した後、自動運転車両の走行速度及び/又は走行方向を調整でき、それにより、自動運転車両及び歩行者の安全性を確保する。
【0040】
1つの可能な設計では、前記制御モジュールは、
前記歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の移動情報に従って、自動運転車両の回避ストラテジを決定することであって、ここで、前記自動運転車両の走行情報は、自動運転車両の走行速度、自動運転車両が存在する車線の位置情報、及び、自動運転車両と歩行者との間の距離を含む、決定することと、
前記走行ストラテジに従って、自動運転車の走行を制御することと、にさらに用いられる。
【0041】
本実施例において、歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、歩行者の移動情報等の情報を統合して、自動運転車両の回避ストラテジを決定することができる。それにより、自動運転車両は、歩行者の安全と運転の安全を保証した上で、最適な回避方式を用いて運転体験を向上させる。
【0042】
第3の態様では、本願は、プロセッサと、メモリとを含む電子機器を提供し、メモリは、前記プロセッサの実行可能命令を記憶し、ここで、前記プロセッサは、前記実行可能命令を実行することにより、第1の態様のいずれか1項に記載の自動運転の制御方法を実行する。
【0043】
第4の態様では、本願は、第1の態様のいずれかに記載の自動運転の制御方法を、プロセッサに実行させると実現するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体である。
【0044】
第5の態様では、本願は、可読記憶媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含むプログラム製品を提供する。サーバの少なくとも1つのプロセッサは、可読記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取ることができ、前記少なくとも1つのプロセッサがコンピュータプログラムを実行することより、サーバは、第1の態様のいずれかに記載の自動運転の制御方法を実行できる。
【0045】
第6の態様では、本願は、自動運転の制御方法をさらに提供し、該方法は、
歩行者の移動データを取得することと、
歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することと、
歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することと、を含む。
【0046】
本実施例において、歩行者の移動データを取得することと、歩行者の前記移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することと、歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することとにより、歩行者の移動方向を正確に予測して、自動運転車両による歩行者の回避を容易にし、走行の安全を確保する。
【発明の効果】
【0047】
上記の本願の1つの実施例は、次の利点または有益な効果を持っており、歩行者の移動方向を正確に予測し、自動運転車両による歩行者の回避を容易にし、走行の安全性を確保することができる。歩行者の移動データを取得し、歩行者の前記移動データと移動情報に従って、歩行者の移動方向を決定し、歩行者の前記移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成するという技術的手段を採用するため、歩行者の移動方向を正確に予測できないという技術的課題を克服し、歩行者の移動方向を正確に予測することで、自動運転車両が歩行者を回避して走行の安全を確保するという技術的効果を実現する。
【0048】
上記の選択的な形態が備えている他の効果は、以下の具体的な実施例と併せて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図面は、本発明の解決手段をより良く理解するために使用され、本発明を限定するものではない。
図1図1は、本願の実施例に係る自動運転の制御方法が実行されるシナリオの図である。
図2図2は、本願の第1実施例による模式図である。
図3図3は、本願に係る歩行者の移動速度の分解の模式図である。
図4図4は、本願の第2実施例による模式図である。
図5図5は、本願の第3実施例による模式図である。
図6図6は、本願の実施例に係る自動運転の制御方法を実行するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、図面を参考にして、本願の例示的な実施形態を説明するが、理解を容易にするために、本発明の実施例の詳細な内容は含まれて、その詳細な内容は例示的なものにすぎない。したがって、当業者は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に様々な変更及び修正を加えることができることを認識するであろう。
【0051】
また、説明の明確化及び簡略化のため、以下の記載では、周知の機能及び構成についての記載は省略する。
【0052】
本出願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記の図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、存在する場合、類似の対象を区別するために使用され、特定の順序又は順序を説明するために使用される必要はない。そのように使用されるデータは、本明細書に記載される本開示の実施形態が、例えば、本明細書に図示又は記載されるもの以外の順序で実施され得るように、適切に交換され得ることを理解すべきである。さらに、「含む」および「有する」という用語ならびにそれらの任意の変形は、排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品または機器は、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップまたはユニットに限定されるものではなく、明確に列挙されていないまたはそれらのプロセス、方法、製品または機器に固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0053】
以下、具体的な実施例を挙げて本願の技術的手段を詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施形態は、互いに組み合わせることができ、同一または類似の概念またはプロセスについて、ある実施形態では再度説明しない場合がある。
【0054】
本願は、従来技術に存在する技術課題に鑑みてなされたものであり、歩行者の移動方向を正確に予測して、自動運転車両による歩行者の回避を容易にし、走行の安全を確保することができる自動運転の制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供することを提供する。
【0055】
図1は、本願の実施例に係る自動運転の制御方法を実行するシナリオの図であり、図1に示すように、現実の環境では歩行者の進路が急に変化し、走行中の車両に影響を与える。ここで、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分は、車両の走行方向と平行であり、同一車線を走行する車両にのみ影響を与える。一方、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分は、車両の走行方向に垂直であり、歩行者が車両の走行経路に切り込む意図を示し、自動運転車両に与える影響が大きい。本願では、主に、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を考慮する。自動運転車両は、まず、歩行者が存在する車線の位置と歩行者の移動速度vを取得し、次に、歩行者の移動速度を車線の両方向に分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の移動速度の速度成分である速度成分v_sと、車線の横幅方向に沿った歩行者の移動速度の速度成分である速度成分v_lとを取得する。そして、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定する。この持続期間に従って、歩行者が自動運転車両の走行軌跡に切り込む可能性を判定することができる。そして、自動運転車両は、構築された決定木モデルによって歩行者の移動方向を分類し、歩行者の移動データ及び歩行者の移動情報に基づいて、歩行者の最も確からしい移動方向を判定することで、歩行者の瞬時的な移動方向を正確に予測し、歩行者が片側から自動運転車両の走行軌跡に切り込むか否かを判定することができる。理論的には他の分類モデルによって方向の判定を行うことも可能である。決定木モデルに多くの因子が導入されるため、移動方向の判定結果をより正確にすることができる。歩行者の移動方向が決定された後、自動運転車両の走行速度及び/又は走行方向が調整されて、自動運転車両及び歩行者の安全が確保され得る。
【0056】
上記方法を適用することにより、歩行者の移動方向を正確に予測することができないという技術的課題を克服し、歩行者の移動方向を正確に予測することにより、自動運転車両が歩行者を回避して走行の安全を確保するという技術的効果を実現することができる。
【0057】
図2は、本願の第1実施例に係る模式図であり、図2に示すように、本実施例における方法は、
S101、歩行者の移動データを取得する。
【0058】
本実施例において、自動運転車両は、まず、歩行者の移動データを取得する。ここで、移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含む。
【0059】
具体的には、現実の環境において歩行者の進路が突然変化して、走行中の車両に影響を与える。ここで、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分は、車両の走行方向と平行であり、同一車線を走行する車両にのみ影響を与える。一方、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分は、車両の走行方向に垂直であり、歩行者が車両の走行経路に切り込む意図を示し、自動運転車両に与える影響が大きい。本願では、主に、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を考慮する。例えば、3車線の道路では、自動運転車両が中央車線を走行し、最右側車線に歩行者が存在し、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分の方向が右から左である場合、歩行者が自動運転車両の走行経路に切り込み、自動運転車両に影響を与えるため、車両の走行速度や走行方向を調整する必要がある。なお、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とは、片側から自動運転車両の走行経路に切り込む移動速度がゼロでないことを保持する持続期間であり、車線横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って決定され得る。具体的な判断方法については、後に詳細に説明するため、ここでは説明しない。歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間は、歩行者が車両の走行経路に切り込む意図を示す。例えば、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間が短い場合、歩行者が障害物を回避して自動運転車両の走行経路に侵入しない可能性がある。一方、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間が一定の閾値を超えると、歩行者が自動運転車両の走行経路に侵入する可能性が高いことを意味し、歩行者を回避するように運転ストラテジを調整する必要がある。本願は、主に歩行者の瞬時的な移動の方向を正確に予測し、歩行者が片側から自動運転車両の走行軌跡に切り込むか否かを判定することで、自動運転車両がより良い走行ストラテジを選択しやすくなり、歩行者の回避を実現し、運転の安全を確保する。
【0060】
選択的に、歩行者の移動データを取得するのは、歩行者が存在する車線の位置及び歩行者の移動速度を取得するステップと、歩行者の移動速度を車線の延びる方向及び車線の横幅方向に分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分及び車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得するステップと、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分及び歩行者が存在する車線の位置に従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定するステップと、を含む。
【0061】
具体的には、自動運転車両は、まず、歩行者が存在する車線の位置と歩行者の移動速度とを取得する。そして、歩行者の移動速度を、車線の両方向に分解する。
【0062】
図3は、本願に係る歩行者の移動速度の分解の模式図であり、図3に示すように、車線の両方向は、車線の延びる方向(車線に沿った方向)、車線の横幅方向(車線に切り込む方向)である。車線の延びる方向に沿った歩行者の移動速度の速度成分である第1の速度ベクトルv_sと、車線の横幅方向に沿った歩行者の移動速度の速度成分である第2の速度ベクトルv_lとを取得する。最後に、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定する。該持続期間に従って、自動運転車両の走行軌跡に歩行者が切り込む可能性を判定することができ、自動運転車両が良好な回避ストラテジを講じることができようにし、走行の安全性を確保することができる。例えば、3車線の道路では、自動運転車両は中央車線を走行し、最右側車線には歩行者が存在する。歩行者の移動速度を車線の延びる方向と車線の横幅方向とに分解する。時刻t1において、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分の方向が左から右である場合、歩行者は自動運転車両の走行経路に切り込みそうもない。時刻t2において、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分の方向が右から左である場合、歩行者は自動運転車両の走行経路に切り込みそうである。したがって、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間はt2-t1である。
【0063】
なお、本実施例は、自動運転車両が歩行者の存在する車線位置を取得する形態、及び自動運転車両が歩行者の移動速度を取得する形態に限定されず、当業者は、実状に応じて取得形態を適宜選択できる。例えば、車両の画像センサにより、車両の周辺の環境画像を撮像し、環境画像を画像認識することで、歩行者の位置や、歩行者が存在する車線の位置を取得することができる。前時刻の歩行者の位置との比較により、歩行者の移動速度を取得する。あるいは、オートレーダにより決定された、車両に対する歩行者の位置と、地図データ中の道路情報とを合わせ用いて、歩行者の存在するレーンの位置を取得してもよい。前時刻の歩行者位置と比較することにより、歩行者の移動速度を取得する。
【0064】
選択的に、歩行者が存在する車線の位置を取得するのは、自動運転車両の周辺の環境画像を撮像するステップ、環境画像から車線の分布位置、車線横幅、車線方向を含む車線情報を抽出するステップ、及び、車線情報に従って、歩行者が存在する車線の位置を決定するステップを含む。
【0065】
具体的には、自動運転車両は、車両に搭載された画像センサ(例えば、カメラ)により、車両の周辺の環境画像を撮像し、環境画像を画像認識することにより、車線の分布位置、車線横幅、車線方向等の車線情報を抽出することができる。そして、車線情報と歩行者位置とに従って、歩行者が存在する車線の位置を決定する。それにより、歩行者の位置を正確に測位することができ、歩行者の移動情報を容易に収集することができる。
【0066】
選択的に、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定するのは、予め設定された時間帯内における、複数の時刻に対応する車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得するステップと、複数の時刻に対応する車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して平滑化処理を行って、平滑化処理後の速度成分を取得するステップと、平滑化処理後の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定するステップと、を含む。
【0067】
具体的に、歩行者は、移動中に体が左右に揺れたり、進路が直線的でなかったりする場合がある。これらの要因によるかく乱の影響を除去するために、歩行者の移動をサンプリングしながら、予め設定された時間帯(例えば1秒)内における車線の横幅方向に沿った歩行者の複数の速度成分を取得することができる。そして、複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行い、平滑化処理後の速度成分を取得する。例えば、既存の平滑化フィルタを用いて平滑化処理を行ってもよいし、指数加重平均により平滑化処理を行ってもよい。
【0068】
S102、歩行者の移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定する。
【0069】
本実施例において、歩行者の移動情報は、歩行者の持続期間における平均速度、歩行者と自動運転車両との間の距離、及び、歩行者の移動速度の標準偏差を含む。自動運転車両は、構築された決定木モデルによって歩行者の移動方向を分類し、歩行者の移動データ及び歩行者の移動情報に基づいて、歩行者の最も確からしい移動方向を判定することができる。理論的には他の分類モデルによって方向の判定を行うことも可能である。決定木モデルに多くの因子が導入されるため、移動方向の判定結果をより正確にすることができる。
【0070】
選択的に、歩行者の移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定するのは、グレディアンブーストの決定木(GBDT)モデルを含む決定木モデルを構築するステップと、歩行者の移動データと移動情報とを前記決定木モデルに入力し、決定木モデルが歩行者の移動方向を出力するステップであって、前記歩行者の移動方向は、車線の延びる方向、車線を左に切り込む方向、及び車線を右に切り込む方向を含む、ステップと、を含む。
【0071】
具体的には、グレディアンブーストの決定木(GBDT)モデルを構築し、歩行者の移動データと移動情報を決定木モデルに入力してもいい。決定木モデルにより、判定を行い、歩行者の移動方向を出力する。決定木の動作原理は従来技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0072】
S103、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成する。
【0073】
本実施例において、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成し、走行ストラテジは、走行速度調整と、走行方向調整とを含む。例えば、S102において、歩行者の移動方向が車線の延びる方向であると判定された場合には、自動運転車両に影響を与えないため、走行速度や走行方向の調整を行う必要がない。S102において、歩行者の移動方向が車線を左に切り込む方向であると判定された場合、自動運転車両に影響を与えるため、減速する、又は歩行者から離れるように左に車線を変更することで、歩行者を回避できる。S102において、歩行者の移動方向が車線を右に切り込む方向であると判定された場合、自動運転車両に影響を与えるため、減速する、又は歩行者から離れるように右に車線を変更することで、歩行者を回避できる。
【0074】
本実施例は、歩行者の移動データを取得し、移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含むことと、歩行者の移動データと移動情報に従って、歩行者の移動方向を決定することと、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することとにより、歩行者の移動方向を正確に予測することができ、自動運転車両による歩行者の回避を容易にして、走行の安全を確保することができる。
【0075】
図4は、本願の第2実施形態による模式図であり、図4に示すように、本実施例における方法はS201ないしS204を含む。
【0076】
S201、歩行者の移動データを取得する。
【0077】
S202、歩行者の移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定する。
【0078】
S203、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成する。
【0079】
ここで、本実施例におけるステップS201ないしステップS203の具体的な実現手順及び実現原理については、図2に示すステップS101ないしステップS103の説明を参照にしてよく、ここでその説明が省略される。
【0080】
S204、歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の移動情報に従って、自動運転車両の回避ストラテジを決定する。
【0081】
本実施例において、自動運転車両の走行情報は、自動運転車両の走行速度、自動運転車両が存在する車線の位置情報、及び、自動運転車両と歩行者との間の距離を含む。
【0082】
具体的には、自動運転車両の走行速度、及び自動運転車両と歩行者との間の距離に従って、車両が歩行者位置に到達するまでに必要な時間を算出してもよい。そして、自動運転車両が存在する車線の位置情報と、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分とに従って、歩行者が車両の走行経路に侵入するか否かを算出することで、自動運転車両の回避ストラテジを決定する。例えば、ステップS202において、歩行者の移動方向が車線を左に切り込む方向であると判定された場合、自動運転車両に影響を与える。歩行者の移動方向と、自動運転車両の走行情報と、歩行者の移動情報とに基づく計算により、車両が歩行者の存在する位置を通過している時に、歩行者が既に道路横断を完了したと決定した場合、車両に影響を与えないため、車両の走行ストラテジを調整しなくてもよい。計算により、車両が歩行者の存在位置を通過しているときに、歩行者が車両経路の左側に既に存在していると決定した場合、右に車線を変更するように車両を制御すると、歩行者から離れられるため、回避ストラテジは右に車線を変更することに決定される。
【0083】
本実施例は、歩行者の移動データを取得し、移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含むことと、移動データと歩行者の移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することと、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することと、歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の移動情報に従って、自動運転車両の回避ストラテジを決定することとにより、歩行者の移動方向を正確に予測することができ、自動運転車両による歩行者の回避を容易にして、走行の安全を確保することができる。
【0084】
図5は、本願の第3実施例による模式図であり、図5に示すように、本実施例における装置は、取得モジュール31、決定モジュール32、及び制御モジュール33を含む。
【0085】
取得モジュール31は、歩行者の移動データを取得することに用いられ、移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含む。
【0086】
決定モジュール32は、移動データと歩行者の移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することに用いられる。
【0087】
制御モジュール33は、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することに用いられる。
【0088】
本実施例において、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間、及び、歩行者の移動情報を取得することで、歩行者の移動方向を決定して、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成する。それにより、歩行者の瞬間的な移動の方向を正確に予測して、歩行者が片側から自動運転車両の走行軌跡に切り込むか否かを判定することができ、自動運転車両がより良い走行ストラテジを選択し易くなり、歩行者の回避を実現して運転の安全を確保することができる。
【0089】
1つの可能な設計では、取得モジュール31は、具体的に、
歩行者が存在する車線の位置及び歩行者の移動速度を取得することと、
歩行者の移動速度を車線の延びる方向及び車線の横幅方向に分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分、及び車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、に用いられる。
【0090】
本実施例において、歩行者の移動速度を分解して、車線の延びる方向に沿った歩行者の速度成分と、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分とを取得し、そして、歩行者が存在する車線の位置に基づいて、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を正確に算出することができる。該持続期間に従って、歩行者が自動運転車両の走行軌跡に切り込む可能性を判定することができ、自動運転車両が良好な回避ストラテジを講じることができるようにし、走行の安全性を確保することができる。
【0091】
1つの可能な設計では、取得モジュール31は、
自動運転車両の周辺の環境画像を撮影することと、
環境画像から、車線の分布位置、車線横幅、及び車線方向を含む車線情報を抽出することと、
車線情報に従って、歩行者が存在する車線の位置を特定することと、に用いられる。
【0092】
本実施例において、自動運転車両に搭載された画像収集手段(例えば、カメラ)により、自動運転車両の周辺の環境画像を収集し、環境画像から車線の分布位置、車線横幅、車線方向等の情報を抽出し、それらと画像内の歩行者の現れる位置とを合わせ用いて、歩行者の存在する車線の位置を決定することができる。それにより、歩行者の位置を正確に測位することができ、歩行者の移動情報を容易に収集することができる。
【0093】
1つの可能な設計では、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することは、
予め設定された時間帯内における、複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分を取得することと、
複数の時刻に対応する、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行い、平滑化処理後の速度成分を取得することと、
平滑化処理後の速度成分と歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定することと、を含む。
【0094】
本実施例において、予め設定された時間帯内における、複数の時刻における車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分に対して、平滑化処理を行って、平滑化処理後の速度成分を取得し、そして、平滑化処理後の速度成分と歩行者が存在する車線の位置とに従って、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間を決定する。それにより、予め設定された時間帯内における歩行者の体の左右の揺れ等によるかく乱を除去することができ、収集された情報をより正確にすることができる。
【0095】
1つの可能な設計では、歩行者の移動情報は、歩行者の持続期間内における平均速度、歩行者と自動運転車両との間の距離、及び歩行者の移動速度の標準偏差を含む。
【0096】
本実施例において、十分な歩行者の移動情報が取得されているため、それを決定の基礎として使用することができ、自動運転車両による走行ストラテジを実際の道路状況により適合させ、安全な運転の前提を確保し、制御ストラテジの有効性を高める。
【0097】
1つの可能な設計では、決定モジュール32は、具体的に、
グレディアンブーストの決定木(GBDT)モデルを含む決定木モデルを構築することと、
移動データと歩行者の移動情報とを前記決定木モデルに入力し、決定木モデルにより歩行者の移動方向を出力することと、に用いられ、ここで、前記歩行者の移動方向は、車線の延びる方向、車線を左に切り込む方向、及び車線を右に切り込む方向を含む。
【0098】
本実施例において、構築された決定木モデルにより歩行者の移動方向を分類し、歩行者の移動データと歩行者の移動情報とに基づいて、歩行者が最も確からしい移動方向を判定する。決定木モデルに多くの因子が導入されるため、移動方向の判定結果をより正確にすることができる。
【0099】
1つの可能な設計では、制御モジュール33は、具体的に、
歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することに用いられ、走行ストラテジは、走行速度調整と走行方向調整とを含む。
【0100】
本実施例において、歩行者の移動方向を決定した後、自動運転車両の走行速度及び/又は走行方向を調整でき、それにより、自動運転車両及び歩行者の安全性を確保する。
【0101】
1つの可能な設計では、制御モジュール33は、さらに、
歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、及び歩行者の移動情報に従って、自動運転車両の回避ストラテジを決定することに用いられ、ここで、自動運転車両の走行情報は、自動運転車両の走行速度、自動運転車両が存在する車線の位置情報、及び、自動運転車両と歩行者との間の距離を含む。
【0102】
本実施例において、歩行者の移動方向、自動運転車両の走行情報、歩行者の移動情報等の情報を統合して、自動運転車両の回避ストラテジを決定することができる。それにより、自動運転車両は、歩行者の安全と運転の安全を保証した上で、最適な回避方式を用いて運転体験を向上させる。
【0103】
本実施例の自動運転の制御装置は、図2図4とに示す方法の技術的解決手段を実行することができ、その具体的な実現手順及び技術的原理については、図2図4とに示す方法の関連説明を参照にしてよく、ここでその詳しい説明が省略される。
【0104】
本実施例は、歩行者の移動データを取得し、移動データは、車線の横幅方向に沿った歩行者の速度成分と、歩行者により片側から自動運転車両の走行経路に切り込む持続期間とを含むことと、歩行者の移動データと移動情報とに従って、歩行者の移動方向を決定することと、歩行者の移動方向に従って、自動運転車両の走行ストラテジを生成することとにより、歩行者の移動方向を正確に予測することができ、自動運転車両による歩行者の回避を容易にして、走行の安全を確保することができる。
【0105】
図6は、本願の実施例に係る自動運転の制御方法を実行するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図される。電子機器はまた、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、及び他の同様のコンピューティング装置など、様々な形態のモバイル装置を表し得る。本明細書に示される構成要素、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、単なる例であり、本明細書に記載される及び/又は請求される本開示の実施を限定することを意図しない。
【0106】
図6に示すように、該電子機器は、1または複数のプロセッサ501と、メモリ502と、インターフェースとを含み、インターフェースは、高速インターフェース及び低速インターフェースを含み、各構成要素を接続するために用いられる。各構成要素は、異なるバスで接続され、共通のマザーボード上に実装されてもよいし、必要に応じてインストールされてもよい。プロセッサは、外部入出力デバイス(例えば、インターフェースに結合されたディスプレイ機器)上にGUIのグラフィカル情報を表示するために、メモリ内またはメモリ上に記憶された命令を含む、電子デバイス内で実行される命令を処理し得る。他の実施形態では、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが、必要に応じて、複数のメモリとともに使用され得る。また、複数の電子機器が接続され、(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバの集合、マルチプロセッサシステムなどとするように)各機器が必要な動作の一部を提供してもよい。図6では、1つのプロセッサ501を例に挙げている。
【0107】
メモリ502は、本開示において提供される非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。ここで、メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本発明の開示によって提供される図6の自動運転の制御方法を実行させるために、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する。本発明の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、本発明の開示によって提供される図6の自動運転の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ命令を記憶する。
【0108】
メモリ502は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として機能し、非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能プログラム、及び、モジュール、例えば、本願の実施例における図6の自動運転の制御方法に対応するプログラム命令/モジュールを記憶するために用いされ得る。プロセッサ501は、メモリ502に記憶された非一時的ソフトウェアプログラム、命令、及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理、すなわち、上記方法の実施例における図6の自動運転の制御方法を実行する。
【0109】
メモリ502は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶することができるプログラム記憶領域と、図6の自動運転の制御方法による電子機器の使用によって生成されたデータなどを記憶することができるデータ記憶領域とを含んでもよい。さらに、メモリ502は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、また、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の非一時的ソリッドステートメモリデバイスなどの、非一時的メモリを含んでもよい。幾つかの実施例では、メモリ502は、プロセッサ501に対して遠隔に配置されたメモリを任意で含み、これらのメモリは、ネットワークを介して、図6の自動運転の制御方法の電子機器に接続されてもよい。上記ネットワークの例としては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
図6の自動運転の制御方法に係る電子機器は、入力装置503と、出力装置504とをさらに含んでもよい。プロセッサ501、メモリ502、入力装置503、および出力装置504は、バスまたは他の方式で接続されてもよく、図6では、バスを介して接続される例が示される。
【0111】
入力装置503は、入力された数字又は文字情報を受信し、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ以上のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置のような、図6の自動運転の制御方法の電子機器のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができる。出力装置504は、ディスプレイ機器、補助照明装置(例えば、LED)、及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを含んでもよい。該表示機器は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示機器はタッチスクリーンであってもよい。
【0112】
本明細書で説明するシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路、集積回路、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実行され得る。これらの様々な実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラムで実行され、該1つ以上のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行および/または解釈でき、該プログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであり得、データおよび命令を、ストレージ・システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置から受信することができ、また、そのデータおよび命令を、該ストレージ・システム、該少なくとも1つの入力装置、および該少なくとも1つの出力装置に送信できる。
【0113】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、これらのコンピュータプログラムは、高レベルのプロシージャおよび/またはオブジェクト指向プログラミング言語、及び/またはアセンブリ/機械語で実行され得る。本明細書で使用される場合、用語「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含み、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、および/または装置(例えば、磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、プログラム可能論理デバイス(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために用いられる任意の信号を指す。
【0114】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載されたシステムおよび技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実行され得る。他の種類の装置を使用して、ユーザとのインタラクションを提供してもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、ユーザからの入力は、(サウンド入力、音声入力、または触覚入力を含む)任意の形態で受信され得る。
【0115】
本明細書に記載のシステム及び技術は、バックエンド構成要素を含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェア構成要素を含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンド構成要素を含むコンピューティングシステム(例えば、ユーザが本明細書に記載のシステム及び技術の実施形態とインタラクションを行い得るグラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ)、又はそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、又はフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実施され得る。システムの構成要素は、任意の形式または媒体(例えば、通信ネットワーク)のデジタルデータ通信によって互いに接続され得る。通信ネットワークとしては、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット等が挙げられる。
【0116】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含み得る。クライアントとサーバは、一般に、互いから離れており、通常、通信ネットワークを介してインタラクションをする。互いにクライアントとサーバの関係を有する、対応するコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバの関係が生成される。
【0117】
上記に示された様々な形態のプロセスを用いることができ、ステップの順序変更、追加、または削除してもよいと理解すべきである。例えば、本出願に記載された各ステップは、並列に実行されても、順次的に実行されても、異なる順序で実行されてもよく、本明細書に開示された技術的解決手段の所望の結果を実現できる限り、本明細書に限定されない。
【0118】
上記の詳細な説明は、特許請求の範囲を制限するようには構成されない。本発明の属する技術の分野における当業者は、設計要件およびその他の要因に応じて、様々な変更、組み合わせ、サブミックスおよび置換が可能であることを理解すべきである。本出願の精神および原則の範囲内で行われた変更、同等の置換および改善は、本願の保護の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6