(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】画像処理装置、および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/208 20060101AFI20230501BHJP
G06T 5/00 20060101ALI20230501BHJP
H04N 1/407 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H04N5/208
G06T5/00 740
H04N1/407
(21)【出願番号】P 2020205513
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2021-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉田 悠一
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-047246(JP,A)
【文献】特開2007-079587(JP,A)
【文献】特開2009-267902(JP,A)
【文献】特開2016-192584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0205867(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/208
G06T 5/00
H04N 1/407
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理部と、
前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部と、
前記第2の画像に対して、前記決定部が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部と
を備え
、
前記決定部は、前記画像情報として、
前記第1の画像の最大輝度よりも大きい輝度を有する前記第2の画像の画素数、または、前記第1の画像の最小輝度よりも小さい輝度を有する前記第2の画像の画素数に基づいて、前記輝度補正範囲を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理部と、
前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部と、
前記第2の画像に対して、前記決定部が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部と
を備え、
前記決定部は、
前記第1の画像または前記第2の画像における
前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲に含まれる輝度を有する画素数
に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、
前記第1の画像における輝度の上限値と、前記第2の画像における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値を決定し、
前記第1の画像における輝度の下限値と、前記第2の画像における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値を決定する
ことを特徴とす
る画像処理装置。
【請求項3】
入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理部と、
前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部と、
前記第2の画像に対して、前記決定部が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部と
を備え、
前記決定部は、
前記第1の画像または前記第2の画像における
前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲の広さ
に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、
前記第1の画像における輝度の上限値と、前記第2の画像における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値を決定し、
前記第1の画像における輝度の下限値と、前記第2の画像における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値を決定する
ことを特徴とす
る画像処理装置。
【請求項4】
前記決定部は
、
前記広
さが所定の値よりも大きい場合に、前記画像情報に応じて輝度補正範囲を決定する
ことを特徴とする請求項
3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理工程と、
前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定工程と、
前記第2の画像に対して、前記決定工程において決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正工程と
を含
み、
前記決定工程において、前記画像情報として、
前記第1の画像の最大輝度よりも大きい輝度を有する前記第2の画像の画素数、または、前記第1の画像の最小輝度よりも小さい輝度を有する前記第2の画像の画素数に基づいて、前記輝度補正範囲を決定することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理工程と、
前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定工程と、
前記第2の画像に対して、前記決定工程において決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正工程と
を含み、
前記決定工程において、
前記第1の画像または前記第2の画像における
前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲に含まれる輝度を有する画素数
に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、
前記第1の画像における輝度の上限値と、前記第2の画像における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値を決定し、
前記第1の画像における輝度の下限値と、前記第2の画像における輝度の下限値との前
記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値を決定する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理工程と、
前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定工程と、
前記第2の画像に対して、前記決定工程において決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正工程と
を含み、
前記決定工程において、
前記第1の画像または前記第2の画像における
前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲の広さ
に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、
前記第1の画像における輝度の上限値と、前記第2の画像における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値を決定し、
前記第1の画像における輝度の下限値と、前記第2の画像における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値を決定する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
請求項1
から3の何れか1項に記載の画像処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記画像処理部、前記決定部、及び前記輝度補正部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像信号に対して、ダイナミックレンジ伸長のような輝度補正を行う画像処理装置が知られている。一例として特許文献1には、オーバーシュート及びアンダーシュートが付加されることによってシャープネス処理が施された映像信号から、オーバーシュート及びアンダーシュートを除去したうえでダイナミックレンジ伸長を行う画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、映像信号から、オーバーシュート及びアンダーシュートを除去したうえでダイナミックレンジ伸長を一律に行っている。このため、オーバーシュート及びアンダーシュートが施されたシュートエリアの輝度が、表示装置で表示可能な輝度範囲を外れてしまい、シュートエリアの画像の輝度が潰れてしまうことがある。
【0005】
一方、このような問題を生じないように、映像信号から、オーバーシュート及びアンダーシュートを除去せずにダイナミックレンジ伸長を行う構成も考えられるが、そのような構成の場合、十分なダイナミック伸長を行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力画像に応じて、より好適な輝度補正を行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理装置は、入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理部と、前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部と、前記第2の画像に対して、前記決定部が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部とを備えている。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理方法は、入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理工程と、前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定工程と、前記第2の画像に対して、前記決定部が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正工程とを含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、入力画像に応じて、より好適な輝度補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る画像処理装置の要部構成の第1の例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す画像処理装置の要部構成の第2の例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す前段処理部による画像処理例を説明するための図である。
【
図4】
図1に示す前段処理部に入力される第1の画像信号のヒストグラムと、前段処理部による画像処理が施された第2の画像信号のヒストグラムとを示す図である。
【
図5】第1、第2の重み係数α、βの算出例を示す図である。
【
図6】
図1に示す補正部による処理例を説明するための図である。
【
図7】
図1に示す画像処理装置による効果を説明するための図である。
【
図8】
図1に示す画像処理装置による画像処理方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図1に示す画像処理装置を備える、テレビジョン受像機、及びタブレット端末の外観図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図9を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る画像処理装置は、入力される画像信号に対して輝度補正を行う画像処理装置である。ここで、本実施形態に係る画像処理装置が行う輝度補正の一例としてダイナミック伸長を挙げることができる。
【0012】
本実施形態に係る画像処理装置は、画像処理装置単体で実現される構成としてもよいし、表示パネル等と共に表示装置内に実装される構成としてもよい。
図9は、本実施形態に係る画像処理装置を備えるテレビジョン受像機100、及び、本実施形態に係る画像処理装置を備えるタブレット端末200の外観図を示す図である。
【0013】
(画像処理装置の構成例1)
図1は、本実施形態に係る画像処理装置1の要部構成の第1の例を示すブロック図である。
図1に示すように、画像処理装置1は、前段処理部11と、補正部12と、後段処理部13とを備える。また、補正部12は、決定部121と、輝度補正部122とを備える。本実施形態において、前段処理部11は、特許請求の範囲における画像処理部に相当する。本実施形態において、「画像」とは、静止画像であってもよいし動画像であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0014】
前段処理部11は、画像処理装置1に入力される画像を示す第1の画像信号IMG_1に対して所定の画像処理を行うことにより、第2の画像信号IMG_2を生成する。また、
図1に示すように、第1の画像信号IMG_1は、補正部12にも入力される。なお、ここでいう「所定の画像処理」とは、例えばスケーリング処理やシャープネス処理等のことを指すが、これらの処理に限定されるものではない。
【0015】
前段処理部11による画像処理の結果、第2の画像信号IMG_2における高輝度範囲及び低輝度範囲が定まる。前段処理部11による画像処理が、オーバーシュート及びアンダーシュートを付加する処理を含む場合、上記高輝度範囲とは、上記オーバーシュートに対応する輝度範囲のことを指し、上記低輝度範囲とは、上記アンダーシュートに対応する輝度範囲のことを指す。
【0016】
(画像処理装置の構成例2)
図2は、本実施形態に係る画像処理装置1の要部構成の第2の例を示すブロック図である。なお、説明の便宜上、
図1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0017】
図2に示すように、画像処理装置1aは、第1の特徴量取得部14と、前段処理部11と、第2の特徴量取得部15と、補正部12aと、後段処理部13とを備える。また、補正部12aは、決定部121aと、輝度補正部122とを備える。
【0018】
第1の特徴量取得部14は、画像処理装置1aに入力される画像を示す第1の画像信号IMG_1の特徴量を取得して補正部12aに出力する。第2の特徴量取得部15は、前段処理部11により生成された第2の画像信号IMG_2の特徴量を取得して補正部12aに出力する。ここでいう「特徴量」とは、例えば各画像信号の輝度等を指す。
【0019】
決定部121aは、第1の数値決定部1211と、第2の数値決定部1212と、第1係数設定部1213と、第2係数設定部1214とを備えている。第1の数値決定部1211、第2の数値決定部1212、第1係数設定部1213、第2係数設定部1214の有する各機能については後述する。
【0020】
図3は、前段処理部11による画像処理例を説明するための図である。
図3の左側のグラフは、前段処理部11に入力される第1の画像信号IMG_1の輝度と、画素の座標との関係を模式的に示している。また、
図3の右側のグラフは、前段処理部11による画像処理後の画像信号である第2の画像信号IMG_2の輝度と画素の座標との関係を模式的に示している。
【0021】
図3に示す例では、第1の画像信号IMG_1は、最大輝度Ymax_1及び最小輝度Ymin_1を有している。一方、第2の画像信号IMG_2は、前段処理部11による画像処理によって付加されたオーバーシュート及びアンダーシュートに起因して、最大輝度Ymax_2及び最小輝度Ymin_2を有するものとなっている。
【0022】
図3に示す例では、前段処理部11による画像処理によって、高輝度範囲として、Ymax_1からYmax_2までの輝度範囲が定まり、低輝度範囲として、Ymin_2からYmin_1までの輝度範囲が定まっている。
【0023】
決定部121(構成例2では決定部121a)は、前段処理部11による画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する。輝度補正部122は、前記第2の画像信号IMG_2に対して、前記決定部が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う。そして、輝度が補正された画像である第3の画像信号IMG_3が、補正部12(構成例2では補正部12a)から上述の後段処理部13に入力される。
【0024】
ここで、上記画像情報とは、一例として、
・前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲に含まれる輝度を有する画素数、及び、
・前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲の広さ
の少なくとも何れかが含まれる情報である。本実施形態に係る画像情報の詳細については後述する。
【0025】
後段処理部13は、前記第3の画像信号IMG_3に対して、色調整などの後段処理を行い、第4の画像信号IMG_4を出力する。出力された第4の画像信号IMG_4は、一例として不図示の表示パネル等に供給される。
【0026】
このように、本実施形態に係る画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)は、入力される画像を示す第1の画像信号IMG_1に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像信号IMG_2を生成する前段処理部11と、前段処理部11による画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部121(構成例2では決定部121a)と、第2の画像信号IMG_2に対して、決定部121(構成例2では決定部121a)が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部122を備えている。このため、本実施形態に係る画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)によれば、入力される画像に応じて好適に輝度補正を行うことができる。
【0027】
(前段処理部11による処理例)
続いて、参照する図面を替えて、本実施形態に係る前段処理部11による画像処理について具体的に説明する。
【0028】
図4は、前段処理部11に入力される第1の画像信号IMG_1のヒストグラムと、前段処理部11による画像処理が施された第2の画像信号IMG_2のヒストグラムとを示している。
【0029】
図4の左側に示すように、第1の画像信号IMG_1は、最大輝度Ymax_1及び最小輝度Ymin_1を有している。一方、
図4の右側に示すように、第2の画像信号IMG_2は、前段処理部11による画像処理によって付加されたオーバーシュート及びアンダーシュートに起因して、最大輝度Ymax_2及び最小輝度Ymin_2を有するものとなっている。
【0030】
図3に示す例では、前段処理部11による画像処理によって、高輝度範囲R_highとして、Ymax_1からYmax_2までの輝度範囲が定まり、低輝度範囲R_lowとして、Ymin_2からYmin_1までの輝度範囲が定まる。
【0031】
(決定部121(構成例2では決定部121a)による処理例1)
以下、
図5を参照しながら決定部121(構成例2では決定部121a)による第1の処理例を説明する。
図5は、第1、第2の重み係数α、βの算出例を示す図である。
【0032】
本例では、決定部121は、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における高輝度範囲R_high又は低輝度範囲R_lowに含まれる輝度を有する画素数に応じた第1の重み係数α及び第2の重み係数βを設定する。
【0033】
構成例2の構成では、第1係数設定部1213が、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における高輝度範囲R_highに含まる輝度を有する画素数に応じた第1の重み係数αを設定する。
【0034】
ここで、第1係数設定部1213は、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における低輝度範囲R_lowに含まれる輝度を有する画素数に応じて第1の重
み係数αを設定してもよい。
【0035】
また、構成例2では、第2係数設定部1214が、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における低輝度範囲R_lowに含まれる輝度を有する画素数に応じた第2の重み係数βを設定する。
【0036】
ここで、第2係数設定部1214は、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における高輝度範囲R_highに含まれる輝度を有する画素数に応じて第2の重み係数βを設定してもよい。
【0037】
具体的には、決定部121(構成例2では、第1係数設定部1213)は、ヒストグラムにおいて、第1の画像信号IMG_1が有する最大輝度Ymax_1を上回った領域(換言すれば、第2の画像信号IMG_2における高輝度範囲R_high)における度数(画素数)の、ヒストグラム全体に対する割合に応じて、第1の重み係数αを設定する。例えば、最大輝度Ymax_1を上回った領域における度数の、ヒストグラム全体に対する割合が0%(オーバーシュートが存在しない)の場合、第1の重み係数αを1に設定し、当該割合が例えば5%の場合、第1の重み係数αを0に設定してもよい。
【0038】
図5の左側のグラフには、決定部121(構成例2では、第1係数設定部1213)によって設定された第1の重み係数αの一例を示している。
図5の左側のグラフにおいて、「A」は、第2の画像信号IMG_2のヒストグラム全体における度数を示しており、「B」は、第2の画像信号IMG_2のヒストグラムにおいて、高輝度範囲R_highに含まれる度数を示している。したがって、
図5に左側のグラフの横軸である「B/A」は、ヒストグラムにおいて、第1の画像信号IMG_1が有する最大輝度Ymax_1を上回った領域における度数の、ヒストグラム全体に対する割合を示している。
【0039】
一方、決定部121(構成例2では、第2係数設定部1214)は、ヒストグラムにおいて、第1の画像信号IMG_1が有する最小輝度Ymin_1を下回った領域(換言すれば、第2の画像信号IMG_2における低輝度範囲R_low)における度数(画素数)の、ヒストグラム全体に対する割合に応じて、第2の重み係数βを設定する。例えば、最小輝度Ymin_1を下回った領域における度数の、ヒストグラム全体に対する割合が0%(アンダーシュートが存在しない)の場合、第2の重み係数βを1に設定し、割合が例えば4%の場合、第2の重み係数βを0に設定してもよい。
【0040】
図5の右側のグラフには、決定部121(構成例2では、第2係数設定部1214)によって設定された第2の重み係数βの一例を示している。
図5の右側のグラフにおいて、「A」は、第2の画像信号IMG_2のヒストグラム全体における度数を示しており、「C」は、第2の画像信号IMG_2のヒストグラムにおいて、低輝度範囲R_lowに含まれる度数を示している。したがって、
図5に右側のグラフの横軸である「C/A」は、ヒストグラムにおいて、第1の画像信号IMG_1が有する最低輝度Ymin_1を下回った領域における度数の、ヒストグラム全体に対する割合を示している。
【0041】
そして、決定部121(構成例2では、第1の数値決定部1211)は、第1の画像信号IMG_1における輝度の上限値Ymax_1と、第2の画像信号IMG_2における輝度の上限値Ymax_2との第1の重み係数αを用いた加重平均によって輝度補正範囲の上限値MAX(後述の
図6を参照)を決定する。
【0042】
具体的には、輝度補正範囲の上限値MAXを決定するには、下記の式1を用いる。
【0043】
MAX=Ymax_1×α+Ymax_2×(1-α) (式1)
一方、決定部121(構成例2では、第2の数値決定部1212)は、第1の画像信号IMG_1における輝度の下限値Ymin_1と、第2の画像信号IMG_2における輝度の下限値Ymin_2との第2の重み係数βを用いた加重平均によって輝度補正範囲の下限値MIN(後述の
図6を参照)を決定する。
【0044】
具体的には、輝度補正範囲の下限値MINを決定するには、下記の式2を用いる。
【0045】
MIN=Ymin_1×β+Ymin_2×(1-β) (式2)
(決定部121(構成例2では決定部121a)による処理例2)
以下、決定部121による第2の処理例を説明する。上述した処理例1では、決定部121は、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、高輝度範囲R_high又は低輝度範囲R_lowに含まれる輝度を有する画素数に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、輝度補正範囲の上、下限値を決定することを説明したが、本例では、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、高輝度範囲R_high又は低輝度範囲R_lowの広さに応じた第1及び第2の重み係数を設定し、輝度補正範囲の上、下限値を決定してもよい。
【0046】
具体的には、決定部121は、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、ヒストグラム中の高輝度範囲R_highの広さ、又はヒストグラム中の低輝度範囲R_lowの広さに応じた第1の重み係数α及び第2の重み係数βを設定する構成としてもよい。
【0047】
構成例2の構成では、第1係数設定部1213が、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、ヒストグラム中の高輝度範囲R_highの広さに応じた第1の重み係数αを設定する構成とする。
【0048】
ここで、第1係数設定部1213が、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、ヒストグラム中の低輝度範囲R_lowの広さに応じた第1の重み係数αを設定する構成としてもよい。
【0049】
また、構成例2では、第2係数設定部1214が、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、ヒストグラム中の低輝度範囲R_lowの広さに応じた第2の重み係数βを設定する構成とする。
【0050】
ここで、第2係数設定部1214が、第1の画像信号IMG_1または第2の画像信号IMG_2における、ヒストグラム中の高輝度範囲R_highの広さに応じた第2の重み係数βを設定する構成としてもよい。
【0051】
一例として、決定部121(構成例2では第1係数設定部1213)は、第1の重み係数αを、高輝度範囲R_highの広さである
Ymax_2-Ymax_1
に応じて設定し、決定部121(構成例2では第2係数設定部1214)は、第2の重み係数βを、低輝度範囲R_lowの広さである
Ymin_1-Ymin_2
に応じて設定する構成としてもよい。
【0052】
そして、決定部121は、第1の画像信号IMG_1における輝度の上限値と、第2の画像信号IMG_2における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値MAXを決定し、第1の画像信号IMG_1における輝度の下限値と、第2の画像信号IMG_2における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値MINを決定してもよい。
【0053】
構成例2の構成では、第1の数値決定部1211が、第1の画像信号IMG_1における輝度の上限値と、第2の画像信号IMG_2における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値MAXを決定する構成としてもよい。また、構成例2では、第2の数値決定部1212が、第1の画像信号IMG_1における輝度の下限値と、第2の画像信号IMG_2における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値MINを決定する構成としてもよい。
【0054】
具体的には、上記のように算出した第1の重み係数α及び第2の重み係数βを用いて、上述した式1及び式2を用いて輝度補正範囲の上限値MAX及び下限値MINを算出する構成としてもよい。
【0055】
(決定部121(構成例2では決定部121a)による処理例3)
上記処理例1及び2において、決定部121(構成例2では決定部121a)は、上述した画像情報に含まれる前記画素数、及び前記広さの少なくとも何れかが所定の値よりも大きい場合に、前記画像情報に応じて輝度補正範囲を決定してもよい。
【0056】
例えば、決定部121は、処理例1において説明したB/Aが0%以上1%以下であれば輝度補正範囲の上限値MAXをB/Aに依らずに決定し、B/Aが1%より大きい場合に、輝度補正範囲の上限値MAXをB/Aに応じて決定する構成としてもよい。
【0057】
構成例2の構成では、第1の数値決定部1211が、処理例1において説明したB/Aが0%以上1%以下であれば輝度補正範囲の上限値MAXをB/Aに依らずに決定し、B/Aが1%より大きい場合に、輝度補正範囲の上限値MAXをB/Aに応じて決定する構成としてもよい。
【0058】
同様に、決定部121、121aは、処理例1において説明したC/Aが0%以上1%以下であれば輝度補正範囲の下限値MINをC/Aに依らずに決定し、C/Aが1%より大きい場合に、輝度補正範囲の下限値MINをC/Aに応じて決定する構成としてもよい。
【0059】
構成例2の構成では、第2の数値決定部1212が、処理例1において説明したC/Aが0%以上1%以下であれば輝度補正範囲の下限値MINをC/Aに依らずに決定し、C/Aが1%より大きい場合に、輝度補正範囲の下限値MINをC/Aに応じて決定する構成としてもよい。
【0060】
(輝度補正部122による処理例)
以下、
図6を参照しながら、輝度補正部122による処理例を説明する。
【0061】
上述したように、輝度補正部122は、第2の画像信号IMG_2に対して、決定部121が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う。
図6に示すように、一例として、輝
度補正部122は、第2の画像信号IMG_2に対して、上限値MAX及び下限値MINによって規定される輝度補正範囲を、表示パネルの有する最大の輝度範囲に伸長することによって、第3の画像信号IMG_3を生成する。ここで、
図6に示すように、第3の画像信号IMG_3の輝度の上限値をYmax_3と表記し、第3の画像信号IMG_3の輝度の下限値をYmin_3と表記する。一例として、輝度補正部122は、Ymax_3の値を、表示パネルが表示可能な最大輝度となるように、かつ、Ymin_3の値を、表示パネルが表示可能な最小輝度(すなわち0)となるように、第2の画像信号IMG_2に対して輝度補正範囲の伸長を行う。
【0062】
これにより、
図6に示すように、第2の画像信号IMG_2が有する補正前の輝度特性(補正前特性)が、第3の画像信号IMG_3が有する補正後の輝度特性(補正後特性)に変換される。
【0063】
(画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)による効果)
以下、
図7を参照しながら、画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)による効果について具体的に説明する。
図7における表記Ymax_1、Ymax_2、MAX、及びMINについては上述した通りである。
図7の左側のグラフは、前段処理部11による画像処理により、オーバーシュートが付加された第2の画像信号IMG_2の例を模式的に示している。
【0064】
この第2の画像信号IMG_2に対して、仮に、Ymax_1=MAX、又はYmax_1とMAXがほぼ等しくなるように輝度補正範囲の上限値MAXを設定した場合、
図7の中央のグラフに示す画像領域Raの範囲に含まれる画素の輝度が、輝度潰れを起こしてしまう。
【0065】
一方で、第2の画像信号IMG_2に対して、仮に、Ymax_2=MAX、又はYmax_2とMAXがほぼ等しくなるように輝度補正範囲の上限値MAXを設定した場合、
図7の右側のグラフに示すように、輝度潰れを生じることはないが、その代わり、十分な輝度補正の伸長幅が得られないという問題が生じる。
【0066】
本実施形態に係る画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)によれば、入力される画像を示す第1の画像信号IMG_1に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像信号IMG_2を生成する前段処理部11と、前段処理部11による画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部121と、第2の画像信号IMG_2に対して、決定部121が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部122とを備えている。このため、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、入力される画像に応じて好適に輝度補正を行うことができる。
【0067】
(画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)による画像処理の流れ)
以下、
図8を参照しながら画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)による画像処理の流れを説明する。
図8は、
図1又は
図2に示す画像処理装置による画像処理方法を示すフローチャートである。
【0068】
(ステップS11)
ステップS11において、補正部12により、第2の画像信号IMG_2のヒストグラム、最小輝度Ymin_2、および最大輝度Ymax_2を取得する。
【0069】
構成例2の構成では、第2の特徴量取得部15が第2の画像信号IMG_2のヒストグラム、最小輝度Ymin_2、および最大輝度Ymax_2を取得し、取得した情報を補正部12に提供する。
【0070】
(ステップS12)
続いて、ステップS12において、補正部12により、第1の画像信号IMG_1の最小輝度Ymin_1、および最大輝度Ymax_1を取得する。
【0071】
構成例2の構成では、第1の特徴量取得部14が第1の画像信号IMG_1の最小輝度Ymin_1、および最大輝度Ymax_1を取得し、取得した情報を補正部12に提供する。
【0072】
(ステップS13)
続いて、ステップS13において、補正部12における決定部121(構成例2では決定部121a)により、輝度補正範囲の上限値MAX、および下限値MINを決定する。ここで、輝度補正範囲の上限値MAX、および下限値MINの決定処理の具体例については上述した通りである。
【0073】
(ステップS14)
続いて、ステップS14において、補正部12における輝度補正部122により、決定部121(構成例2では決定部121a)が決定した輝度補正範囲の上限値MAX、および下限値MINに基づいた輝度補正を行う。輝度補正処理の具体例については上述した通りである。
【0074】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0075】
実施形態1に係る画像処理装置1(構成例2では画像処理装置1a)では、決定部121(構成例2では決定部121a)が、前段処理部11による画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する構成について説明したが、本明細書に記載の態様はこれに限定されるものではない。
【0076】
一例として、本実施形態では、決定部121が、画像信号IMG_1が表すコンテンツのジャンルに応じて、輝度補正範囲を決定する構成について説明する。
【0077】
本実施形態に係る画像処理装置の構成は、実施形態1において説明した画像処理装置1に加え、ジャンル特定部を備えている。当該ジャンル特定部は、画像信号IMG_1が表すコンテンツのジャンル情報に基づき、当該コンテンツのジャンルを特定する。そしてジャンル特定部は、特定したジャンルを示す情報を、決定部121に供給する。
【0078】
なお、ジャンル特定部は、ジャンル情報に代えて、画像信号IMG_1のフレームレートに応じてジャンルを特定する構成としてもよい。一例として、画像信号IMG_1のフレームレートが24Hzであった場合、ジャンル特定部は、当該コンテンツのジャンルを映画と特定してもよい。
【0079】
本実施形態に係る決定部121は、ジャンル特定部から取得したジャンルを示す情報に応じて、輝度補正範囲(より具体的には実施形態1において説明したMAX、及びMIN)を決定する。
【0080】
一例として、ジャンルが映画である場合、決定部121は、第2の画像信号IMG_2の上限値Ymax_2を輝度補正範囲の上限値MAXに設定し、第2の画像信号IMG_2の下限値Ymin_2を輝度補正範囲の下限値MINに設定してもよい。
【0081】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置は、映画のようなディテールを尊重すべきコンテンツに対して、ディテールを尊重しつつ輝度補正を行うことができる。
【0082】
また、本実施形態に係る画像処理装置は、ジャンル特定部に代えて、又はジャンル特定部に加えて、モード特定部を備える構成としてもよい。ここで、モード特定部は、一例として、ユーザ又は管理者からの受け付けた入力に応じてモードを特定することができる。一例として、モード特定部は、複数のモードに関する選択肢を表示パネルに表示させ、当該表示に対するユーザからの入力を受け付け、受け付けた入力に応じてモードを特定する。モード特定部は、特定したモードを示す情報を、決定部121に供給する。
【0083】
本実施形態に係る決定部121は、モード特定部から取得したモードを示す情報に応じて、輝度補正範囲(より具体的には実施形態1において説明したMAX、及びMIN)を特定する。
【0084】
一例として、モードが「店頭デモ」モードである場合、決定部121は、第1の画像信号IMG_1の上限値Ymax1を輝度補正範囲の上限値MAXに設定し、第1の画像信号IMG_1の下限値Ymin1を輝度補正範囲の下限値MINに設定してもよい。
【0085】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置は、視聴者にインパクトを与えることが望まれる「店頭デモ」の状況において、視聴者に対してメリハリのある画像を表示することができる。
【0086】
〔実施形態1、2に関する付記事項〕
実施形態1、2において、「最大」「最小」「上限」「下限」との表現を用いたが、これらの表現は上記実施形態を過度に限定するものではない。例えば、厳密な意味での最小値が0であり、厳密な意味での最大値が100である場合に、本実施形態に係る構成において、最小値を2、最大値を98などのように、厳密な最大値及び厳密な最小値に十分近い値として設定したとても、本明細書に記載の発明は十分な効果を奏する。「上限」「下限」についても同様である。
【0087】
したがって、本明細書における「最大」「最小」「上限」「下限」との表現は、設計上又は数学上の厳密な意味に限定して解釈されるべきではなく、それぞれの厳密な値から数パーセント程度のずれをも包含する概念である。
【0088】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像処理装置1の制御ブロック(特に前段処理部11、補正部12および後段処理部13)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0089】
後者の場合、画像処理装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0090】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る画像処理装置(1)は、入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理部(11)と、前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定部(121)と、前記第2の画像に対して、前記決定部(121)が決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正部(122)とを備えている。
【0091】
上記の構成によれば、入力画像に応じて、より好適な輝度補正を行うことができる。
【0092】
本発明の態様2に係る画像処理装置(1)は、上記態様1において、前記決定部(121)は、前記第1の画像または前記第2の画像における、前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲に含まれる輝度を有する画素数、及び、前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲の広さ、の少なくとも何れかが含まれる前記画像情報に基づいて、前記輝度補正範囲を決定してもよい。
【0093】
本発明の態様3に係る画像処理装置(1)は、上記態様2において、前記決定部(121)は、前記第1の画像または前記第2の画像における、前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲に含まれる輝度を有する画素数、に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、前記第1の画像における輝度の上限値と、前記第2の画像における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値を決定し、前記第1の画像における輝度の下限値と、前記第2の画像における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値を決定してもよい。
【0094】
本発明の態様4に係る画像処理装置(1)は、上記態様2において、前記決定部(121)は、前記第1の画像または前記第2の画像における、前記高輝度範囲又は前記低輝度範囲の広さ、に応じた第1及び第2の重み係数を設定し、前記第1の画像における輝度の上限値と、前記第2の画像における輝度の上限値との前記第1の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の上限値を決定し、前記第1の画像における輝度の下限値と、前記第2の画像における輝度の下限値との前記第2の重み係数を用いた加重平均によって前記輝度補正範囲の下限値を決定してもよい。
【0095】
本発明の態様5に係る画像処理装置(1)は、上記態様2から4の何れかにおいて、前記決定部(121)は、前記画像情報に含まれる前記画素数、及び前記広さの少なくとも何れかが所定の値よりも大きい場合に、前記画像情報に応じて輝度補正範囲を決定してもよい。
【0096】
本発明の態様6に係る画像処理方法は、入力される画像を示す第1の画像に対して所定の画像処理を行った画像である第2の画像を生成する画像処理工程と、前記画像処理に応じて定まる高輝度範囲又は低輝度範囲における画像情報に基づいて輝度補正範囲を決定する決定工程と、前記第2の画像に対して、前記決定工程において決定した輝度補正範囲の輝度値の補正を行う輝度補正工程とを含んでいる。
【0097】
上記の構成によれば、態様1と同様な効果を奏する。
【0098】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0099】
1、1a 画像処理装置
11 前段処理部(画像処理部)
12、12a 補正部
121、121a 決定部
1211 第1の数値決定部
1212 第2の数値決定部
1213 第1係数設定部
1214 第2係数設定部
122 輝度補正部
13 後段処理部
14 第1の特徴量取得部
15 第2の特徴量取得部
100 テレビジョン受像機
200 タブレット端末