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  • 特許-ヘアケア組成物および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】ヘアケア組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20230501BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/892 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230501BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/891
A61K8/892
A61K8/89
A61K8/31
A61K8/34
A61Q5/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020517159
(86)(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 US2018047911
(87)【国際公開番号】W WO2019060089
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】62/562,653
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020258
【氏名又は名称】インノスペック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INNOSPEC LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】クリジシク、デュアン
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス、ロバート
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-096736(JP,A)
【文献】特開2012-092040(JP,A)
【文献】特表2013-510151(JP,A)
【文献】特開2011-105631(JP,A)
【文献】ID 573472,DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL,2006年08月
【文献】ID 2452005,DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL,2014年06月
【文献】ID 707129,DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL,2007年05月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-99
A61Q1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性組成物であって、前記流動性組成物は洗浄成分を含んでおらずかつ、
a)少なくとも2.5重量%のプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン混和性の揮発性液体キャリア成分と、
を含み、
前記流動性組成物を縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同流動性組成物と接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記流動性組成物は毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時に前記流動性組成物と接触した前記縮れた毛髪および前記流動性組成物と接触させなかった前記縮れた毛髪をデジタル画像解析することによって測定されるものである、流動性組成物。
【請求項2】
前記ポリシロキサン流体成分がアモジメチコン成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
c)アルキルシロキシシリケート成分さらに含、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アルキルシロキシシリケート成分が、トリメチルシロキシシリケート成分、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート成分およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記アルキルシロキシシリケート成分がトリメチルシロキシシリケート成分を含み、前記トリメチルシロキシシリケート成分がトリメチルシロキシシリケートベースの樹脂シリコーンポリマーに含まれる、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記シリコーン混和性の揮発性液体キャリア成分が、揮発性シロキシ成分、揮発性炭化水素および揮発性アルコールからなる群より選択される成分を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記揮発性シロキシ成分が、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンの1つ以上から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
(d)ジメチコン成分、ジメチコノール成分およびフェニルシリコーン成分からなる群から選択される成分を含む不揮発性成分をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
着色剤成分、毛髪光沢成分、日焼け止め成分、美的改質剤成分、エッセンシャルオイル成分、植物成分、香り成分、核酸成分、特殊な抽出物成分およびビタミンからなる群より選択される1つ以上の成分をさらに含、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記美的改質剤成分が、増粘剤成分、防腐剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観改質剤、および抗酸化剤からなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
記シリコーン混和性の揮発性液体キャリア成分は、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンおよびこれらの成分の2つ以上の混合物からなる群から選択される揮発性成分を含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が無水である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
毛髪の縮れを低減または防止するための方法であって、前記方法は、
I)流動性組成物であって、洗浄成分を含んでおらず、かつ
a)少なくとも2.5重量%のプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン混和の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含み、
前記流動性組成物を縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同流動性組成物と接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記流動性組成物は毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時に前記流動性組成物と接触した前記縮れた毛髪および前記流動性組成物と接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析によって測定される方法。
【請求項14】
請求項13に記載の毛髪の縮れを低減または防止するための方法であって、前記方法は、
I)請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物を含む流動性組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物の使用であって、前記組成物を縮れた毛髪に適用することを含む、毛髪の縮れを少なくとも80%低減するための使用において、前記低減は、処理した縮れた毛髪と未処理の縮れた毛髪の両方を80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、6時間インキュベートした後に、未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較してデジタル画像解析によって測定されるものである、使用。
【請求項16】
前記シリコーン混和性の、揮発性液体キャリアが、揮発性シロキシ成分、揮発性炭化水素および揮発性アルコールからなる群から選択される成分を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリシロキサン流体成分がアモジメチコンを含むポリシロキサン成分を含む、請求項13または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アモジメチコンが、トリメチルシリルアモジメチコン成分およびアミノプロピルジメチコン成分からなる群より選択される成分を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の縮れを低減および防止するための組成物および方法に関する。そのような組成物は、限定されるものではないが、シャンプー、コンディショナー、スタイリングジェル、クリーム、セラム、スプレーおよび液体を含むヘアケア製品、並びに回復性ヘアケア製品を含み得る、および/またはそれらに含まれ得る。好ましくは、本発明の組成物は、主として、または実質的に単独で、縮れ防止ヘアトリートメントとして、特に、それだけではないが、長時間にわたり毛髪に残される組成物(本明細書では「リーブイン(leave -in)」または「リーブオン(leave-on)」ヘアケア製品と称される)として使用することができる。他の例では、本発明の組成物は多目的ヘアケア組成物の成分であってもよい。
【背景技術】
【0002】
毛髪の縮れは、特に湿度レベルおよび/または露点が高い場合に、全ての髪質において、特に波状の縮れた毛髪を持つ人において、一般に起こる問題であり、これは通常、夏季において、および熱帯の緯度において発生する。しかしながら、特定の温度での水蒸気の分圧と水の平衡蒸気圧との比である相対湿度は、温度と局所気圧の両方に依存し、高い相対湿度は、比較的少ない水蒸気を伴う低温で実現することができる。したがって、局所的な気圧に応じて、場合によっては、約50%を超える相対湿度であっても、毛髪の縮れを引き起こすのに十分に高い湿度であると考えられ得る。
【0003】
通常「毛髪」と考えられているもの(つまり、皮膚の下にある毛根の外側にある毛幹)は、ジスルフィド結合が毛の房(strands)を一緒に保持するタンパク質であるケラチンで構成されている。毛幹は、髄質、皮質、およびキューティクルの3つの層で構成されている。髄質(medulla)は、透明な細胞と空域の薄いコアである。皮質(cortex)は毛幹の大部分を形成し、通常、色素と長いケラチンフィラメントとを含み、これらはジスルフィド結合と水素結合とによって結合されている。
【0004】
キューティクルは、下向きの魚鱗のように組織化された、重なり合った細胞で構成される保護層である。外側のキューティクルは、結合によって毛包内の毛幹を保持している。キューティクルが健康であるとき、同キューティクルはまた下にある皮質の内外での水(水分)の移動を最小限にする。しかしながら、化学プロセスおよび風化作用は、キューティクルを皮質から持ち上げ、このバランスを乱す可能性がある。
【0005】
高い湿度により縮れが生じると、毛髪のキューティクル層が盛り上がる。毛髪のキューティクルは通常、毛髪の水分吸収を調節する。盛り上がったキューティクルは、天然にカールした毛髪の領域で発生し、同領域はカール状に曲がり、毛髪の皮質が水分を吸収する。その結果、(キューティクルが実際に乾いている可能性があるために)毛髪が乾いているように見える場合があり、毛幹の体積は、皮質による水分の取り込みにより増大し、毛髪が膨潤する。一般に、極端に波状でカールした毛髪は、ストレートの毛髪より縮れやすい傾向があるが、これは、毛髪が同毛髪によって吸収される水の量を適切に調節しないからである。
【0006】
カールした、または波状の毛髪に加えて、化学処理(矯正、パーマネントウェーブ、染毛または脱色など)、熱(ブローによる乾燥や平アイロンまたはカーリングアイロンの使用など)、機械的損傷(過度のコーミングやブラッシングによるなど)および環境による損傷(日光、空気または水質汚染、塩素など)により損傷を受けた毛髪はキューティクルの損傷を引き起こし、水が皮質に進入し、毛髪がより多くの水分を吸収するようになる。
【0007】
歴史を通じて、天然由来の油は縮れを抑制するために使用されてきた。一般的な天然由来の油のいくつかには、アーモンド、オリーブ、ココナッツ、モリンガ、アボカド、シアバター、アルガン、ヒマワリ油などが含まれる。さらに、鉱油と脂肪が使用されてきた。しかしながら、油は毛髪を濡れたように見せ、毛髪を脂っこく、油っぽい感触にさせ、寝具や衣服に簡単に移る傾向がある。
【0008】
最近では、縮れを抑えるために種々のコンディショナーおよび「リーブイン」製品が製剤化されている。これらの製品は一般に4つのカテゴリに分類される:
a)ジェル、クリーム、ヘアムース、ヘアスプレーなどのスタイリング製品であって、毛髪をその位置に保持するスタイリング製品。しかしながら、これらのような有機スタイリング樹脂は、毛髪に不自然で硬い感じを与える。
【0009】
b)脂肪族第四級アンモニウム成分、脂肪族アルコール、天然または石油ベースの油を含む水およびアルコールベースの製品。これらはまた、毛髪への製品の分布を改善し、コーミングを改善し、スタイリングプロセスを改善し、そして乾燥した毛髪の感触を同毛髪に与えるために、いくらかの量のシクロメチコンおよびジメチコンを含み得る。
【0010】
c)シクロメチコン、ジメチコンおよびアルキル変性シリコーンを含むアルコールベースのセラムおよびスプレー。これらの製品において、揮発性成分(エタノールや揮発性シリコーンなどの成分を含み得る)が毛髪の皮質の脱水に役立ち、揮発性成分の蒸発後、不揮発性シリコーンと他の成分との膜がキューティクル上に形成され、毛髪を水分からシールする。
【0011】
d)シクロメチコン、ジメチコン、およびジメチコンガムおよびジメチコノールガムのようなかなりの濃度の高分子量および/または高粘度のシリコーンを含有するシリコーンセラム(serums)。アルコールベースのセラムおよびスプレーと同様に、これらの製品では、適用後に、低分子量の揮発性シリコーンが毛髪の水分を置換し、蒸発し、毛髪に高分子量の不揮発性シリコーンのフィルムを残して毛髪を水分からシールすることを助ける。典型的なセラム製剤は、約500センチポアズ(cps)(0.5Pa・s)~約5,000cps(5Pa・s)の範囲の粘度を有する。
【0012】
ソン(Song)他の特許文献1および特許文献2は、水中での乳化重合により製造されたアモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーを含む組成物を記載している。
【0013】
ウエハラ(Uehara)他の特許文献3は、高粘度、中粘度、および低粘度のシリコーンの混合物;アミドアミン;酸;高融点脂肪化合物および水、を含む組成物を開示している。
【0014】
リチャーズ(Richards)の特許文献4は、3種類のシリコーン:アルキル変性シリコーン、例えばポリジメチルシロキサンガムを含む第2のシリコーン、およびアミノ官能化シリコーン(例えばアモジメチコン)などの官能化シリコーン;を含む水性組成物を開示している。
【0015】
ショルツ(Scholz)の特許文献5は、高粘度シリコーンポリマー、不揮発性キャリア流体、および揮発性シリコーンベースのキャリア流体を含むヘアケア組成物を開示している。
【0016】
ギャリソン(Garrison)他の、特許文献6は、疎水性粒子材料、シリコーンベースの疎水性フィルム形成剤、および揮発性炭化水素またはシリコーン流体を含む組成物を開示している。
【0017】
シンガー(Singer)他の特許文献7は、化粧品として許容可能なキャリア中に、:モノエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびエチレンジアミンから選択される少なくとも1つの非水酸化物塩基;尿素および/またはヒドロキシエチル尿素などの1つ以上のタンパク質変性剤;アルコキシシラン;場合により、少なくとも1つの脂肪物質、を含む組成物を開示している。
【0018】
これらの製品はさまざまな程度の効果を示すが、これらの製品の多くのユーザーは、上記した技術が提供する制限された程度の縮れの抑制に満足してはいない。
従って、排他的ではないが、消費者に受け入れられる「リーブイン」製剤において、高性能の縮れ抑制製品が必要である。そのような製剤は理想的には、良好な適用感(重さ、硬さ、脂っぽさ、または「水っぽい」感触がない)、毛髪上に滑らかに分散および広がる良好な能力を提供し、乾燥すると、そのような製剤は理想的には毛髪を扱いやすい状態にし、そして自然に感じて見えるものであろう。本発明の縮れ防止成分を含む他の製剤は、湿った毛髪または乾いた毛髪を梳かす能力を改善するコンディショナーのような毛髪用コンディショナーを含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】米国特許出願公開第2016/0374932号明細書
【文献】国際公開第WO2015/200778号
【文献】国際公開第WO2004/030646号
【文献】国際公開第WO2010/003793号
【文献】米国特許出願公開第2002/0197227号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0110991号明細書
【文献】米国特許第8591872号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、毛髪から縮れを低減または除去するための組成物であって良好な適用感触(毛髪に滑らかに分配し、かつ広がる良好な能力を有し、乾燥した場合、毛髪を扱いやすい状態にするためのもの)を有する組成物、およびそのような組成物の製造方法および使用方法を対象とする。
【0021】
一実施形態によれば、
a)2重量%以上の、アルコキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性(flowable)組成物が提供される。
【0022】
第2の実施形態によれば、
a)2重量%以上の、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0023】
第3の実施形態によれば、
a)2重量%以上の、トリメチルシリルシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0024】
第4の実施形態によれば、
a)2重量%以上の、アミノプロピルシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0025】
第5の実施形態によれば、
a)2重量%以上のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0026】
第6の実施形態によれば、
a)以下の構造
【0027】
【化1】
【0028】
(式中、X+Yは約50~約500であり、RはC~Cアルキレン基である)
を含む、2重量%以上のポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0029】
第7の実施形態によれば、
a)2重量%以上の、アミノプロピルジメチコンを含むポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0030】
第8の実施形態によれば、毛髪の縮れを低減または防止する方法が提供され、同方法は、
I)第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む。
【0031】
第9の実施形態によれば、カールメモリ(curl memory)を増加させる方法が提供され、同方法は、
I)第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む。
【0032】
第10の実施形態によれば、毛髪の縮れを低減するために第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物の使用が提供される。
第11の実施形態によれば、80°F(26.7℃)および80%の湿度に保持された場合に、第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物で処理されていないがそれ以外は同様に処理された実質的に同一の毛髪と比較して、毛髪の縮れを80%超、低減する前記組成物の使用が提供される。
【0033】
第12の実施形態によれば、第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物で処理されていないがそれ以外は同様に処理された実質的に同一の毛髪と比較して、カールメモリを増加させるために前記組成物の使用が提供される。
【0034】
第13の実施形態によれば、第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物であって無水である組成物が提供される。
第14の実施形態によれば、組成物が無水である、毛髪の縮れを低減するための第8の実施形態~第12の実施形態のいずれかの方法または使用が提供される。
【0035】
本発明は、上記した実施形態に限定されず、さらなる実施形態が本明細書の開示において開示されている。
本明細書に記載のアミノ置換ポリシロキサン流体成分であって、2重量%以上、または約2.1重量%以上、または約2.2重量%以上、または約2.3重量%以上、または約2.4重量%以上、約2.5重量%以上の濃度でのアミノ置換ポリシロキサン流体成分と、1つ以上のシリコーン適合性の非水性揮発性キャリアとの組み合わせが、毛髪の縮れを、前記組成物と接触していない、同一のおよびその他の点では同一に処理された毛髪と比較して、50%超、60%超、70%超、80%超、または85%超、の低減を提供するという、課題を解決することが明らかにされている。
【0036】
本明細書に開示される方法および組成物は、人工的に着色される(例えば、染められる、漂白される、または着色される)ことのない毛髪、或いは人工的に着色された毛髪に使用できる。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明は、第1の実施形態~第7の実施形態および第13の実施形態の組成物の使用に関し、同組成物は、そのような組成物で処理されていないがその他の点では同一の染めた毛髪と比較して、人工的に染められた毛髪を処理してその色を保持するために、
a)2重量%以上のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明は、第1の実施形態~第7の実施形態および第13の実施形態の組成物の使用に関し、同組成物は、前記組成物で処理されていないがその他の点では同一であり、かつ同一に処理された毛髪と比較して、同組成物で処理された毛髪のカール保持および/またはカールメモリ特性を増大させるために、
a)2重量%以上のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む。
【0039】
さらなる実施形態において、1つ以上のシリコーン適合性非水性揮発性キャリアおよび150,000cSt(センチストークス)(150,000mm/s)超の粘度を有する5重量%を超える濃度のジメチコンまたはジメチコノール成分および/または5重量%を超えるトリメチルシロキシシリケートを伴って、2.5重量%以上の濃度のアミノ置換ポリシロキサンを含有する組成物は、同一の試験条件下で、未処理ではあるがその他の点では同一である毛髪と比較して、高湿度縮れ抑制試験法(以下の実施例のセクションを参照)という見出しの下に記載されている手順に従って測定されているように、毛髪の縮れの大幅な低減を提供するとともに、カール保持およびカールメモリ特性(例えば、以下の実施例10に記載されている手順に従って測定されるように)をさらに提供する。
【0040】
縮れの低減を決定するための様々な適切な方法が、当技術分野で利用可能である。好ましい方法については、高湿度縮れ抑制試験法という見出しの下で以下に詳細に説明する。
本明細書で使用される場合、流体の粘度は、センチポアズ(cP)またはセンチストーク(cSt)として表され、cSt=cPを流体の比重(SG)で割ったものである。一般的に、成分の粘度はcStで表され、製剤の粘度はcPで表される。温度が言及されていない場合、粘度は25℃で測定される。
【0041】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ(at least one)」は、1つ以上を意味し、したがって個々の成分ならびに成分の混合物および/または組み合わせを含む。
【0042】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、1つ以上を意味し、したがって、個々の成分ならびに成分の混合物および/または組み合わせを含む。
【0043】
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、示された数のプラスまたはマイナス10%、またはプラスまたはマイナス15%を意味する。
本明細書で使用される「毛髪(hair)」という用語は、ケラチン繊維を意味する。使用される場合、「毛髪」という用語は、生体上にある「生きている」毛髪を含む場合があり、または「生きていないもの(non-living)」、即ち、かつら、ヘアピース、またはテキスタイルやファブリックで使用されるもののような、生きていない線維の他の集合体であってもよい。様々な実施形態において、哺乳類の毛髪、例えばヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、動物の毛(犬または馬など)、羊毛、毛皮および他のケラチン繊維は、本明細書に記載の方法および組成物での使用に適している。
【0044】
本明細書で使用される「無水」という用語は、組成物の重量に基づいて、例えば約1重量%以下、例えば約0.5重量%以下のような、組成物が非結合水を完全に含まないか、または微量の非結合水のみを含有することを意味することを意図している。
【0045】
本明細書で使用される場合、毛髪および/または皮膚への「損傷を最小限に抑える」という語句は、毛髪の破損が低減または排除されていること、および/または15分間さらされた後に水ですすぐことによって、皮膚が実質的に刺激されないこと、を意味することを意図している。
【0046】
本明細書で使用される場合、「即使用可能な(ready-to-use)組成物」という用語は、未修飾形態でケラチン繊維に適用すること、すなわち、使用前に未修飾形態で保存され得るか、または2つ以上の組成物の即時の混合により生じ得ることを意図した組成物を意味する。
【0047】
本明細書で使用する場合、組成物を毛髪に「適用すること」または組成物で毛髪を「処理すること」という用語は、ヘアケア用の組成物を毛髪に接触させ、分配することを意味することを意図している。
【0048】
本明細書で使用される場合、「化粧品として許容される(cosmetically acceptable)」とは、問題の品目がヒトまたは動物の皮膚または毛髪に適合することを意味する。
【0049】
本明細書で使用する場合、「化粧品として許容されるキャリア(carrier)」とは、ヒトまたは動物の皮膚または毛髪に適合し、不快な臭いがなく快適に感じるキャリアを意味する。
【0050】
本明細書で使用する場合、「コンディショニング(conditioning)」とは、少なくとも1つのケラチン繊維に、「櫛通り性(combability)」(濡れた毛髪または乾いた毛髪を簡単に櫛でとかすことができる能力)、扱いやすさ、光沢、および柔軟性から選択される少なくとも1つの特性を付与することを意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「カール明確性(curl definition)」とは、個々の毛髪が全体として房(tress)に識別可能なカール形状を与えるのに十分な程度に互いに整列するカールした毛髪の房を指す。
【0052】
本明細書で使用される「カールメモリ」とは、カールが引き伸ばされて解放された後の、そのカールが反発して元の形状に戻る(snaps back into)カールした毛髪の房を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「カール疲労(curl fatigue)」とは、初期カールメモリを有するカールが、同カールが約3回以上引き伸ばされて解放された後に、反発して元の形状に戻らないことを意味する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「カール疲労の欠如」とは、カールが約3回以上引き伸ばされて解放された後に、初期カールメモリを有するカールが反発して元の形状に戻り続けることを意味する。
【0055】
本明細書で使用される場合、「カール保持」とは、毛髪を組成物で処理した場合に、未処理ではあるが他は同一である毛髪と比較して、明確な(defined)カールを有する、または明確なカールを有する、カールメモリを有するように誘導される、毛髪の能力を意味する。
【0056】
本明細書で使用される場合、「シリコーン適合性(silicone-compatible)」とは、シリコーン混和性を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「縮れ(frizz)」または「縮れた(frizzy)」毛髪は、毛髪が突き出た(例えば、毛髪が同毛髪の全長に沿って、分かれているかまたはそうでないもの)および毛髪の本体から離れるように突き出ている短い毛を意味し、この種類は、なめらかなスタイルを実現しようとしているストレートヘアの女性に特に顕著である。さらに、「縮れ」は、明確なウェーブまたはカールを形成するために他と整列しない波状またはカール状の毛髪の房を指すために使用される場合がある。
【0057】
本明細書で使用される場合、「流動性」なる用語は、非固体の実質的に流体であり、力の作用を受けたときに比較的安定した速度で形状を変化させる特性を有することを意味する。
【0058】
本明細書で使用される場合、毛髪に関して「乾燥が許容される(permitted to dry)」という用語は、毛髪に適用された揮発性成分を蒸発させて、普通の人が毛髪を触ると乾燥していると考える点まで蒸発させることを意味する。
【0059】
本明細書において使用される場合、「揮発性(volatile)」なる用語は、成分の少なくとも約60重量%が、約100分の時間内に約100kPa(1bar)の圧力にて約40℃の温度で蒸発することを意味する。
【0060】
本明細書において使用される場合、「向上した光沢」、「高められた光沢」、および光沢の増加に関する同様の用語は、未処理の毛髪が、1つ以上の化合物で処理されたとき、写真画像分析技術を使用して、同じ化合物で処理されていない同一または類似の毛髪と比較して、光の反射の増加(例えば、光沢および艶の増加)を主観的に、または半客観的に、示すことを意味する。
【0061】
本明細書において使用される場合、「ジメチコン(dimethicone)」なる用語は、その末端にM個のシロキシド単位((CHSiO-)を含む任意に置換されたポリジメチルシロキサン(PDMS)を意味する。さらに、本明細書または特許請求の範囲において別段の指示がない限り、本明細書で使用される場合、「ジメチコン(dimethicone)」は、式[(CHSiO]を有するシクロメチコンを指すこともある。
【0062】
本明細書において使用される場合、「ジメチコノール」なる用語は、各末端にメチル基ではなくヒドロキシル基を有する任意に置換されたポリジメチルシロキサンを意味する。
特に明記しない限り、特許請求の範囲を含む本明細書に記載されている値(濃度、粘度など)のそれぞれ、およびすべての範囲は、エンドポイントだけではなく範囲全体を具体的に含むことを意図している。たとえば、0~10と記載されている範囲は、0~10までのすべての数字(例えば、1、2、3、4など)、0から10から有効数字三桁のすべての小数(例えば、1.5、2.3、4.57など)およびエンドポイントである0および10を開示することが意図されている。また、例えば「C~C炭化水素」などの化学置換基に関連する範囲は、C炭化水素およびC炭化水素ならびにC炭化水素、C炭化水素、およびC炭化水素を具体的に含めて開示することを意図している。
【0063】
本明細書に記載されているように、ポリシロキサンを本発明の組成物にて使用してもよい。
これらには、ジメチコンやジメチコノールなどの化合物が含まれ、これらはそのエンドキャップが異なり、
【0064】
【化2】
【0065】
nおよびmはそれぞれ1以上であり、R=CHの場合、構造はジメチコンであり、R=OHの場合、構造はジメチコノールである。粘度は鎖長の増加とともに増加し、粘度の好ましい範囲は約0.65cSt(0.65mm/s)から300万cSt(300万mm/s)超にわたる。
【0066】
特に明記しない限り、所定のジメチコンと同一または実質的に同一の構造を有するジメチコノールは、本発明の組成物中の所定のジメチコンの代わりに使用することができ、逆も同様である。
【0067】
ジメチコン、ジメチコノールおよびそれらの誘導体は、本明細書に開示される組成物において様々なまたは複数の機能を有し得る。
キャリア成分として、揮発性の低粘度のジメチコン、ジメチコノール、フェニルシリコーン(またはそれらの誘導体)は、べたついた感じまたはワックスのような感じになることはなく、広がりやすさを与える。そのような化合物には、トリシロキサン、テトラシロキサンおよびペンタシロキサン(これらの直鎖、環状、フェニル誘導体を含む)が含まれるか、それらから選択され、低分子量ジメチコンが含まれていてもよく、(粘度によって識別される)1cSt(1mm/s)、1.5cSt(1.5mm/s)、2cSt(2mm/s)のような調製物に含まれ、およびジメチコン(5cSt)(5mm/s)およびジメチコン(6cSt)(6mm/s)のような不均一なシロキサン調製物の不純物として含まれる。これらは、単独で、または1つ以上の揮発性炭化水素またはアルコールと組み合わせて使用することができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、ジメチコン、ジメチコノール、およびフェニルシリコーンなどの不揮発性の高分子量ポリシロキサン、ならびにそれらの誘導体および混合物を、さらなる縮れ低減剤、毛髪光沢成分および美的改質剤として使用することができる。そのような成分は、例えば、6~5000cSt(6~5000mm/s)の間の粘度を有する「低粘度」(低分子量)シロキサン成分、例えば、5000~60,000cSt(5000~60,000mm/s)の粘度を有する「中粘度」(中分子量)シロキサン成分、および、例えば>60,000cSt(60,000mm/s)の粘度を有する「高粘度」(高分子量)シロキサン成分、に分けられてもよい。さらに、異なる分子量および/または構造のシロキサン成分を混合して、所望の粘度、および/または縮れ低減、毛髪の光沢、美的な望ましさ、および扱いやすさのバランスを有する組成物が達成され得る。さらに、いくつかのポリシロキサン誘導体は、脂肪酸含有部分、アルケニル含有部分などのような基を有するコポリマーまたはクロスポリマーを含み得る。
【0069】
本発明の組成物には、1つ以上の追加の成分を添加することができる。たとえば、そのような添加物には、限定されるものではないが;
・化粧品として承認されたシリコーン可溶性染料を含むがこれに限定されない着色剤;
・フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、鉱油または天然油、安息香酸アルキルなどを含むが、これらに限定されない毛髪光沢成分(Hair shine ingredients)であって、油またはトリグリセリドが本発明の組成物に使用される場合、それらの濃度は十分に低く維持され(例えば、約10%未満または約5%未満または約2%未満または約1.5%未満)、毛髪がべたついり、毛髪を濡らしたりすることなく、輝きを追加する毛髪光沢成分;
・染色処理された毛髪のような毛髪を日焼け、変色、退色から保護するために、そして毛髪の染色を保つための、限定されるものではないが、TiOや酸化亜鉛などの日焼け止め成分;
・限定されるものではないが、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコンクロスポリマー、アルキルシリコーン、ステアロキシトリメチルシラン、エチレン-ジメチコンコポリマー、ポリエチルシロキサン、カプリリルメチコン、ラウリルメチコンおよびステアロキシメチコンを含むアルキルシリコーンなどを含む、美的改質剤、
が含まれる。
【0070】
美的改質剤には、増粘剤成分、防腐剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観調整剤または酸化防止成分が含まれる。そのような美的改質剤成分は、一般に、毛髪に適用したときに、例えば、活性成分の広がりを助ける、活性成分を希釈する、活性成分を安定化させる、および/または組成物の外観および感触を改善すること、により、機能性成分の送達をより許容可能にすることを助ける成分を含む。
【0071】
(限定されるものではないが)、エッセンシャルオイル、植物、香料、核酸、特殊な抽出物、タンパク質、アミノ酸、ビタミンなど、組成物を消費者にアピールするのに有効な他の成分。本明細書を考慮すると、本発明の低粘度の非エアロゾルスプレー製剤は、効果を損なうことなく噴射剤を使用してエアロゾルとして適用できることも当業者には明らかであろう。さらに、本発明の組成物は非常に好ましくは無水であるが、他の、現在あまり好ましくない例において、本発明の無水組成物の例は、付随的に、または代替的に、縮れ防止用クレームおよび/またはローションとして、シリコーン中水型エマルジョンおよび水中シリコーン型エマルジョン中に存在してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている無水組成物をベース(base)として使用し、その後、そのベースを、好ましくは1つ以上の乳化および安定化界面活性剤を、そして場合によっては塩を含有する水相と混合し、エマルジョンを形成して、そのようなシリコーン中水型エマルジョンまたは水中シリコーン型エマルジョンを容易に製造できる。エマルジョンは、相の完全な混合によって形成される通常のエマルジョンであってもよく、または透明または半透明に見える安定したマイクロエマルジョンであってもよい。特定の場合、水またはプロピレングリコールなどの屈折率整合剤を使用して、相の屈折率を整合させることができる。
【0073】
他の、あまり好ましくない、実施形態において、本発明の無水組成物に使用される成分の1つ以上は、代わりに、かかる成分(複数可)を含むシリコーン相および水相を含む分散剤またはエマルジョンで別々に提供されてもよい。2つ以上のそのような分散剤またはエマルジョンは、特定の状況下で組み合わせられて、さらに乳化して、シリコーン相「ベース」として上記した方法で好ましい無水組成物を使用して、水相と混合することによって、作製されるものと同等のエマルジョンを作製することができる。
【0074】
したがって、特定の実施形態において、本発明はシリコーン相を有するエマルションを含むことができ、同シリコーン相は、
a)少なくとも2重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の、揮発性液体のキャリア成分と、
を含む。
【0075】
本発明の、非排他的であるが好ましい例において、本発明の組成物は、「リーブイン」ヘアケア製品であり、これは日中にまたはその一時的な間に、毛髪に適用されて残されるものである。例えば、リーブイン縮れ防止用組成物は、毛髪をシャンプーした後に適用されて、毛髪上で乾燥させてもよい。他のリーブイン用途において、本発明の組成物は、エアロゾルまたは非エアロゾルのタッチアップ縮れ防止用製品として、日中に毛髪にスプレーされるか、または他の方法で適用することができる。
【0076】
以下の実施例は、本発明の特定の例示であり、それにより限定されるものではないことを理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】80%の相対湿度および80°F(26.7℃)に6時間暴露した後の、未処理の毛髪の房と、縮れ防止用組成物で処理した毛髪の房との外観の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明は、毛髪の縮れを低減するための方法、組成物および使用に関する。
次に、本発明の好ましい特徴について説明する。
本発明の好ましい実施形態において、
a)少なくとも約2.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性の、場合により無水の組成物が提供される。
【0079】
成分a)は、適切にはアモジメチコン(「アミノ官能化ジメチコン」の略-アミノ官能化ジメチコンおよびジメチコノールのファミリー)であってもよく、その属にはトリメチルシリルアモジメチコン、またはアミノプロピルジメチコンが含まれ得る。以下の構造を参照されたい。
【0080】
【化3】
【0081】
式中、X+Yは約50~約500の間であり、RはC~Cアルキレン基である。そのような化合物は、ダウコーニング社によって、DOW CORNING(登録商標)X2-8200、DOW CORNING(登録商標)X2-8107、Q2-8220、X2-8123、X2-8124、X2-8120、軟化剤CSFおよびX2-8130のような名称にて販売されている。トリメチルシリルアモジメチコンにおいて、すぐ上の構造において、R=-(CH-である。アミノプロピルジメチコンは、同じジメチルシロキサン骨格構造を有し、ペンダント基が-(CH-NHであり、ダウコーニング社からも入手可能である。好ましい実施形態において、トリメチルシリルアモジメチコンおよび/またはアミノプロピルジメチコンは、本発明の非縮れ用組成物において、後述するように、複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分と併せて、または複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の代わりに使用できる。
【0082】
したがって、成分a)は、複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を適切に含むことができる。
このようなヒンダードアミン側鎖は、ポリシロキサン側鎖の少なくとも1つのSi原子から垂れ下がった一般式(式1)を有する。
【0083】
【化4】
【0084】
式中、Rは、H、OH、またはC~C炭化水素であり、XはC~C10炭化水素、ヘテロ原子、または
【0085】
【化5】
【0086】
であり、Zはヘテロ原子であり、dは0~約6である。好ましくは、ZはN、O、SおよびPから選択される。好ましい実施形態において、Zは酸素であり、dは約3である。
好ましくは、環状部分は5員環または6員環(例えば、ピロリジニル環またはピペリジニル環)であり、特に好ましくは、環状部分は6員環である。
【0087】
側鎖の環状部分は、飽和、部分的に飽和、または不飽和であり得る。
好ましくは、環状部分は飽和している。好ましい例において、側鎖は式2の構造を有する:
【0088】
【化6】
【0089】
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立してH、C~C10炭化水素、エステル、カルボキシルまたはハロゲンであり、XはC~C10炭化水素、ヘテロ原子、または
【0090】
【化7】
【0091】
であり、Zはヘテロ原子であり、dは0~約6である。
いくつかの例において、XはC~C炭化水素またはN、O、Si、PおよびSから選択されるヘテロ原子のようなヘテロ原子であり、好ましくはOである。他の好ましい例において、Xは
【0092】
【化8】
【0093】
であり、Zはヘテロ原子であり、dは0~約6である。
好ましくは、dは1~4であり、最も好ましくは3である。
好ましくは、ZはN、O、SおよびPから選択され、最も好ましくはOである。
【0094】
いくつかの好ましい例において、RはHである。
いくつかの好ましい例において、R、R、RおよびRはそれぞれメチルである。
【0095】
いくつかの好ましい例において、R、R、RおよびRはそれぞれHである。
いくつかの好ましい例において、RはHであり、R、R、RおよびRはそれぞれメチルである。
【0096】
いくつかの好ましい例において、RはHであり、R、R、RおよびRはそれぞれメチルであり、Xは
【0097】
【化9】
【0098】
であり、Zはヘテロ原子、好ましくは酸素であり、dは0~約6、好ましくは1~4、好ましくは3である。
好ましい例において、R、R、R、R、およびRはHであり、R、R、R、およびRはメチルである。
【0099】
好ましい例において、R、R、R、R、およびRはHであり、R、R、R、およびRはメチルであり、Xは
【0100】
【化10】
【0101】
であり、Zはヘテロ原子、好ましくは酸素であり、dは0~約6、好ましくは1~4、好ましくは3である。
複数のヒンダードアミン側鎖を含む好ましいポリシロキサン成分は、アルコキシテトラメチルピペリジニルジメチコンであり、特に好ましくは、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン(「HNH」とも称される)である。HNHの構造を以下に示し、ここでmおよびnはそれぞれ1以上であり、好ましい調製物において、m+nは、2より大きい、または約5より大きい、または約10より大きい、または約20より大きい、または約30より大きい、または約40より大きい、または約50より大きい、または約40より大きい、または約50より大きい。好ましくは、m+nは、約700未満、または約600未満、または約500未満、または約50~約500の間である。
【0102】
【化11】
【0103】
好ましいアルコキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むそのようなポリシロキサンヒンダードアミン化合物は、10cP~1,000,000cP(0.01Pa・s~1000Pa・s)、好ましくは100cP~100,000cP(0.1Pa・s~100Pa・s)のような粘度範囲を有する分子量範囲で調製または取得することができ、例えば、ある調製物は約200cP(0.2Pa・s)の粘度を有することができる一方で、別の調製物は約10,000cP(10Pa・s)の粘度を有し、さらに別の調製物は約30,000cP(30Pa・s)または90,000cP(90Pa・s)の粘度を有し得る。組成物を所望の最終粘度にするのを助けるために、異なる粘度を有するHNH調製物のブレンドを作ることができる。
【0104】
成分a)は、適切には、1つ以上のピペリジニル部分および/またはピロリジニル部分を含む複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分であり得る。いくつかの例において、成分a)は、少なくとも2つまたは複数の側鎖を含むポリシロキサン成分を含み、少なくとも1つの側鎖はピペリジニル部分を含み、別の側鎖は少なくとも1つのピロリジニル部分を含む。
【0105】
適切には、いくつかの例において、成分a)は、1つ以上のポリシロキサンヒンダードアミン化合物と1つ以上のアモジメチコンとの組み合わせを含み得る。
いくつかの例において、成分a)は、単一分子の一部としてアモジメチコン型側鎖と複数のヒンダードアミン側鎖との両方を含むポリシロキサン成分を含み得る。
【0106】
本発明の好ましい組成物は、少なくとも2重量%、または少なくとも約2.1重量%、または少なくとも約2.2重量%、または少なくとも約2.3重量%、または少なくとも約2.4重量%の;好ましくは少なくとも約2.5重量%のポリシロキサン流体成分a)を含む。
【0107】
好ましくは、組成物は、最大約25重量%、または最大約20重量%、または最大約18重量%、または最大約15重量%のポリシロキサン流体成分a)を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、または少なくとも約5重量%のポリシロキサン流体成分a)を含み得る。
【0108】
成分b)は、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分である。成分b)は、低分子量の揮発性シロキシ成分、揮発性炭化水素、および揮発性アルコールから独立して選択される1つ以上の成分を含み得る。
【0109】
成分b)は、成分a)および本明細書に記載される他の成分を含む、本明細書に記載される縮れ防止用組成物の不揮発性成分のための揮発性液体キャリアを提供する。
いくつかの実施形態において、成分b)は、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、およびこれらの成分の2つ以上の混合物、から選択される揮発性シロキシ成分を含むシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を含み得る。通常、揮発性シロキシ成分の粘度は6cSt(6mm/s)未満であり、たとえば、0.65cSt(0.65mm/s)~3cSt(3mm/s)の間、1cSt(1mm/s)~3cSt(3mm/s)などである。一般に、これらの粘度範囲内のシロキシ成分の市販の調製物は、シロキシ成分の記載された粘度を中心とする低粘度成分および高粘度成分の分配を含む。0.65cSt(0.65mm/s)~2cSt(2mm/s)のシロキシ成分は揮発性であり、3cSt(3mm/s)のシロキシ成分調製物は、部分的に揮発性であり得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、成分b)は、イソドデカンなどの揮発性炭化水素を含むシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を含み得る。
いくつかの実施形態において、成分b)は、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物などの揮発性アルコールを含むシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を含み得る。
【0111】
いくつかの例において、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分b)は、シロキシ成分と炭化水素成分、シロキシ成分とアルコール成分、アルコール成分と炭化水素成分、または、シロキシ成分、アルコール成分および炭化水素成分、とを含み得る。
【0112】
したがって、本発明の好ましい一実施形態において、
a)少なくとも約2.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)低分子量の揮発性シロキシ成分、炭化水素、およびアルコールから選択されるシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む、流動性組成物が提供される。
【0113】
好ましくは、そのような組成物は無水である。しかしながら、本発明の組成物の特定の実施形態において、水相が存在していてもよい。
好ましくは、ポリシロキサン流体成分は、少なくとも2.0重量%、または少なくとも約2.5重量%、または少なくとも約5重量%、または少なくとも約10重量%から、約15重量%まで、または約18重量%まで、または約20重量%までの量で存在する。
【0114】
シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分は、好ましくは、約22重量%~約97.5重量%の量で存在する。場合によっては、アルキルシロキシシリケート成分は、0%から約15重量%までの濃度で存在する。
【0115】
場合によっては、特に(排他的ではないが)セラムについては、60,000cP(60Pa・s)を超える粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約3重量%~約15重量%の量で存在している。特定の場合において、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0116】
場合によっては、特に(ただし排他的ではないが)低粘度の縮れ防止用セラム、スプリッツまたはスプレーブレンドの場合、約5cSt(5mm/s)~約1000cP(1Pa・s)の間の粘度を有する不揮発性のジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約0.1重量%~約20重量%の量にて存在している。特定の場合、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0117】
本発明の別の好ましい実施形態において、
a)少なくとも約2.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン成分、の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、イソドデカン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの成分の2つ以上の混合物、から選択されるシリコーン適合性、揮発性液体キャリア成分と、
を含む流動性組成物が提供される。
【0118】
好ましくは、そのような組成物は無水である。しかしながら、本発明の組成物の特定の実施形態において、水相が存在していてもよい。
好ましくは、ポリシロキサン流体成分は、少なくとも2.0重量%、または少なくとも約2.5重量%、または少なくとも約5重量%、または少なくとも約10重量%から、約15重量%まで、または約18重量%まで、または約20重量%までの量で存在する。
【0119】
シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分は、好ましくは、約22重量%~約97.5重量%の量で存在する。
場合によっては、アルキルシロキシシリケート成分は、0重量%より多く、約15重量%までの濃度で存在している。
【0120】
場合によっては、特に(排他的ではないが)セラムについては、60,000cP(60Pa・s)を超える粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約3重量%~約15重量%の量で存在している。特定の場合において、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0121】
場合によっては、特に(ただし排他的ではないが)低粘度の縮れ防止用セラム、スプリッツまたはスプレーブレンドの場合、約5cSt(5mm/s)~約1000cP(1Pa・s)の間の粘度を有する不揮発性のジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約0.1重量%~約20重量%の量にて存在している。特定の場合、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0122】
存在する場合、任意のアルキルシロキシシリケート成分は、トリメチルシロキシシリケート成分、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート成分またはそれらの混合物を含むことが好ましい場合がある。最も好ましくは、アルキルシロキシシリケート成分は、トリメチルシロキシシリケート成分を含む。
【0123】
好ましい例において、アルキルシロキシシリケート成分は、MQ樹脂として知られているトリメチルシロキシシリケートベースのQ樹脂シリコーンポリマーを含む。
トリメチルシロキシシリケートの基本構造は(CH-Si-O-Si-(OH)であり、(CH-Si-Oユニットは「M」ユニットとして知られており、SiOは「Q」ユニットとして知られている。MQ樹脂は、MユニットとQユニットから構築され、水に不溶性の分岐したケージ様のオリゴシロキサン構造を形成する。そのような樹脂は当業者に知られており、ダウコーニング社から入手可能であり、DOW CORNING(登録商標)MQ-1600およびDOW CORNING(登録商標)MQ-1640などの商品名で販売されている。
【0124】
したがって、本発明の好ましい一実施形態において、
a)少なくとも約2.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖のポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
c)c)トリメチルシロキシシリケートベースの樹脂シリコーンポリマーと、
を含む流動性組成物が提供される。
【0125】
好ましくは、そのような組成物は無水である。しかしながら、本発明の組成物の特定の実施形態において、水相が存在していてもよい。
好ましくは、ポリシロキサン流体成分は、少なくとも2.0重量%、または少なくとも約2.5重量%、または少なくとも約5重量%、または少なくとも約10重量%から、約15重量%まで、または約18重量%まで、または約20重量%までの量で存在する。
【0126】
シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分は、好ましくは約22重量%~約97.5重量%の量で存在する。
アルキルシロキシシリケート成分は、好ましくは0重量%より大きく、約15重量%までの濃度で存在している。
【0127】
特に(排他的ではないが)セラムについては、60,000cP(60Pa・s)を超える粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約3重量%~約15重量%の量で存在していてもよい。特定の場合において、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0128】
特に(ただし排他的ではないが)低粘度の縮れ防止用セラム、スプリッツ、またはスプレーのブレンドについて、約5cSt(5mm/s)~約1000cP(1Pa・s)の粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約0.1重量%~約20重量%の量にて存在していてもよい。特定の場合、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0129】
したがって、いくつかの好ましい実施形態において、本発明は、
a)少なくとも2.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性揮発性液体キャリア成分と、
c)トリメチルシロキシシリケートベースの樹脂シリコーンポリマーと、
d)ジメチコン、ジメチコノールおよびフェニルシリコーンの1つ以上から選択される不揮発性成分と、
を含む流動性組成物を提供する。
【0130】
不揮発性成分d)は、単一の成分または成分の混合物を含んでいてもよく、約6cSt(6mm/s)~数百万cSt(数百万mm/s)の範囲の粘度を有していてもよい。
【0131】
不揮発性成分d)は、例えば6~5000cSt(6~5000mm/s)の間の粘度を有する低粘度(低分子量)と、例えば5000~60,000cSt(5000~60,000mm/s)の間の粘度を有する中粘度(中分子量)、例えば>60,000cSt(60,000mm/s)の粘度を有する高粘度(高分子量)として典型的に称されるジメチコン、ジメチコノールおよびフェニルシリコーン成分の1つ以上を含み得る。不揮発性成分は、クロスポリマーまたはコポリマーの一部として存在し得る。
【0132】
成分d)が高粘度のジメチコン、ジメチコノールおよびフェニルシリコーン成分の1つ以上を含む実施形態において、粘度は60,000cSt(60,000mm/s)~数百万cSt(数百万mm/s)の間であり得る。いくつかの実施形態において、粘度は60,000cSt(60,000mm/s)~4,000,000cSt(4,000,000mm/s)の間であり得る。いくつかの実施形態において、例えば、ジメチコンガムまたはジメチコノールガムなどの高分子量ガムを使用する場合、粘度は60,000cSt(60,000mm/s)~35,000,000cSt(35,000,000mm/s)の間であってもよい。
【0133】
成分d)が1つ以上のフェニルシリコーンを含む実施形態において、フェニルシリコーンは、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを含み得る。
【0134】
いくつかの実施形態において、成分b)は、成分a)、任意の成分c)、および/または任意の成分d)を含む不揮発性縮れ防止成分のための揮発性液体キャリアを提供する。
したがって、本発明のいくつかの実施形態において、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサンおよび/またはトリシロキサンのような低分子量の揮発性ジメチコン成分は、不揮発性縮れ防止成分(不揮発性ポリシロキサンおよび/またはトリメチルシロキシシリケートおよびプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンなどのヒンダードアミンシロキサン)のための揮発性キャリアに含まれ得る。
【0135】
本発明の「セラム」縮れ防止用組成物は、一般に、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアと、高分子量かつ高粘度(例えば、60,000cSt(60,000mm/s)~約3,000,000cSt(3,000,000mm/s))のジメチコン、ジメチコノールまたはその2つの混合物と、の組み合わせを含む。セラムの最終粘度は一般に、は約500cSt(500mm/s)~1000cSt(1000mm/s)、または約2500cSt(2500mm/s)、または約3500cSt(3500mm/s)~約7,500cSt(7,500mm/s)、または約7,000cSt(7,000mm/s)の範囲である。
【0136】
高粘度ポリシロキサン成分は、適用の制御、美的な適用のために縮れ防止用セラムを濃縮し(thickens)、さらに、それが毛髪繊維上にフィルムまたはコーティングを形成するようにする。シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアを配合すると、ポリシロキサン成分がスムーズに塗布され、キャリアが蒸発した後に、優れた毛髪の感触が得られる。
【0137】
より高濃度にて組成物に配合すると、特にトリメチルシロキシシリケートと組み合わせた場合、高粘度ポリシロキサン成分は予想外にもカール明確性の向上に役立ち、1.5グラムの房を組成物で処理し、80°F(26.7℃)および80%の相対湿度にて6時間で評価した場合(例えば実施例10を参照)、高湿度条件下でカールメモリも保持される。理論に制限されることを望むものではないが、適用時に毛幹の皮質から水を除去すること、および/または水が毛髪に取り込まれることを防ぐこと、そしてまた、毛髪の繊維間の摩擦を低減することにより、毛幹が互いに整列し、カール明確性が増大することになり、より大きなカール明確性およびカールメモリが達成されると考えられる。
【0138】
縮れ防止用セラム、スプリッツまたはスプレーの粘度を意図される用途に対する所望の粘度内に維持するために、約6cSt(6mm/s)~60,000cSt(60,000mm/s)の粘度のような低粘度および中粘度のジメチコンは、高分子量のシロキサン(例えば、ジメチコンまたはジメチコノール)の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されてもよく;セラムはシャンプーおよび/またはコンディショニング後にリーブイン剤として一般的に使用される一方で、スプレーおよび「スプリッツ」は一般的に日中のタッチアップとして使用される。
【0139】
さらに、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコンなどのフェニルシリコーンは、例えば、低粘度の用途において、高粘度、中粘度、または低粘度のジメチコン、ジメチコノール、揮発性炭化水素および/またはアルコールの代わりに、あるいはそれらと組み合わせて使用されてもよい。上記のシロキサンと同様に、これらの材料は、毛髪への組成物の適用の容易さ(「広がりやすさ」)を改善し、毛髪の光沢を改善することができる。
【0140】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上の追加の成分を任意選択で含有してもよい。たとえば、追加の成分は、以下からなる群から選択される1つ以上の成分を含み得る:
・着色剤成分(化粧品として承認されたシリコーン可溶性染料など)、
・毛髪光沢成分(フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、鉱油または天然油、および安息香酸アルキルから選択される1つ以上の成分)、
・日焼け止め成分(酸化チタン、酸化亜鉛など)、
・美的改質剤成分(例えば、増粘剤成分、防腐剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観調整剤および/または酸化防止剤成分)(そのような薬剤は、以下の中分子量~高分子量シリコーン成分の1つ以上を含んでいてもよい:ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコンクロスポリマー、アルキルシリコーン、ステアロキシトリメチルシラン、エチレン-ジメチコンコポリマー、ポリエチルシロキサン、カプリリルメチコン、ラウリルメチコンおよびステアロキシメチコンを含むアルキルシリコーン)、
・エッセンシャルオイル成分、
・植物成分、
・香り成分、
・核酸成分、
・特殊な抽出物成分、および
・ビタミン。
【0141】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物は、人工的に染色または着色されていない毛髪に使用されてもよい。
他の実施形態において、開示された方法および組成物は、例えば毛髪の色を保持するために、人工的に染色または着色された毛髪に使用されてもよい。
【0142】
いくつかの例において、組成物は、水性溶媒を含む油中水型または水中油型エマルション中にポリシロキサン成分を含み得るが、他の好ましい例では、本発明の組成物は、無水または実質的に無水である。
【0143】
現在あまり好ましくないいくつかの例において、本発明の組成物は、洗浄成分と組み合わせてポリシロキサン成分を含むことができる(例えば、「コンディショニングシャンプー」製剤の成分として)一方で、他のより好ましい例において、本発明の組成物はシャンプー製剤に配合されず、または毛髪または皮膚を洗浄するために使用されず、さらにより好ましくは、洗浄性成分を欠いている。「洗浄成分」とは、通常の石鹸またはシャンプーとして使用される場合、皮膚または毛髪から汚れまたは油を取り除くのに有効な界面活性剤濃度を含む組成物を意味する。
【0144】
いくつかの例において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同じ温度および湿度条件下で未処理であるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを低減させることができる。
【0145】
毛髪の縮れにおける低減を測定するための好ましい方法は、実施例で定義されている高湿度縮れ抑制試験法である。毛髪の縮れにおける低減は、同じ温度および湿度条件下、好ましくは80°F(26.7℃)の温度および80%の湿度にて、未処理の縮れた毛髪と比較して、適切に測定される。
【0146】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも70%低減させ得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも75%低減させ得る。
【0148】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも80%低減させ得る。
【0149】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも85%低減させ得る。
【0150】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも90%低減させ得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも95%低減させ得る。
【0152】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを約75%~95%低減させ得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを約80%~90%低減させ得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを約85%~90%低減させ得る。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態において、毛髪の縮れを低減または防止するための方法が提供され、同方法は、
I)本明細書に記載の組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む。
【0156】
本発明の別の実施形態において、本明細書に記載の組成物を使用して、毛髪の縮れを低減することが提供される。好ましい実施形態において、本発明は、毛髪の縮れを低減または防止する方法を提供し、同方法は、
I)本明細書に記載の組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含み、毛髪の縮れの低減は、同じ温度および湿度条件下で未処理の縮れた毛髪と比較して測定される。
【0157】
好ましい実施形態において、本発明は、毛髪の縮れを低減するための本明細書に記載の組成物の使用を提供し、毛髪の縮れの低減は、同じ温度および湿度条件下で未処理の縮れた毛髪と比較して測定される。
【0158】
以下に提供されるさらなる実施例は、本発明の様々な実施形態を例示することを意図しており、請求項の範囲を限定することを意図していない。したがって、本発明の範囲を定義するのは、その同等物を含む請求項のみである。
【0159】
一例において、本発明は、無水アルコール、揮発性シリコーンまたは揮発性炭化水素を含むキャリア;約60,000cSt(センチストーク)(60,000mm/s)~約400万cSt(400万mm/s)の間の粘度を有する高分子量(HMW)ジメチコン;トリメチルシロキシシリケートなどのアルキルシロキシシリケート;プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分(好ましくは約10,000cSt(10,000mm/s)~約100,000cSt(100,000mm/s)の粘度を有する)、含む無水ブレンドに関する。
【0160】
したがって、一例において、本発明は、高湿度によって引き起こされる毛髪の縮れを80%超低減する無水組成物に関し、前記組成物は、2重量%超、または約2.1重量%超、または約2.2重量%超、または約2.3重量%超、または約2.4重量%超、または約2.5重量%超、または約4重量%超、または約5重量%超、または約10重量%超、または約15重量%超のプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分からなる群より選択される縮れ防止成分を含有するセラムブレンドを含む。
【0161】
別の例において、本発明は、高湿度によって引き起こされる毛髪の縮れを約80%超低減する無水セラム組成物に関し、前記組成物は、2.0重量%、または約2.5重量%から約20重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;約3重量%から約15重量%までの少なくとも1つのジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約60,000cSt(60,000mm/s)を超える粘度を有するもの);トリメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される0%から約15重量%までの化合物を有するさらなる成分;および約50重量%から約94.5重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサン、トリメチコン、粘度が約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)のジメチコン、イソドデカン、無水アルコール、置換または非置換のC~Cアルキル鎖シロキサン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される。好ましくは、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサンは、ジエチルシロキサン、カプリリルメチコンおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0162】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供し、かつ約800cps(0.8Pa・s)未満の最終粘度を有する低粘度のセラム、スプリッツまたはスプレー組成物に関する。組成物は、2.0重量%から約20重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;約0重量%から約20重量%までの少なくとも1つのジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約5cSt(5mm/s)~約1000cSt(1000mm/s)の粘度を有するもの);トリメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される約0重量%から約20重量%までの化合物;および約40重量%から約97.5重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサン、トリメチコン、イソドデカン、粘度が約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)のジメチコン、置換または非置換のC~Cアルキル鎖シロキサン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される。好ましくは、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサンは、ジエチルシロキサン、カプリリルメチコンおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0163】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供し、かつ約800cps(0.8Pa・s)未満の最終粘度を有する低粘度のスプリッツまたはスプレーブレンドに関する。組成物は、2.0重量%または2.5重量%から約20重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;約0重量%から約15重量%までの少なくとも1つの不揮発性ジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約5cSt(5mm/s)~約10cSt(10mm/s)の粘度を有するもの);トリメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される約0.1重量%から約20重量%までの化合物;および約45重量%から約97.4重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサンまたはトリメチコン、粘度が約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)のジメチコン、無水エタノール、イソドデカン、およびこれらの成分の2つ以上のブレンドからなる群より選択される。好ましくは、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサンは、ジエチルシロキサン、カプリリルメチコンおよびそれらのブレンドからなる群より選択される。
【0164】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供し、かつ約500cps(0.5Pa・s)未満の最終粘度を有する低粘度のスプリッツまたはスプレーブレンドに関する。組成物は、2.5重量%から約20重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;約0重量%から約20重量%までの少なくとも1つの不揮発性ジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約5cSt(5mm/s)超、かつ約10cSt(10mm/s)未満の粘度を有するもの);および約60重量%から約97.4重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサンまたはトリメチコン、約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)にわたる粘度を有するジメチコン、無水エタノール、イソドデカン、およびこれらの成分の2つ以上のブレンドからなる群より選択される。好ましくは、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサンは、ジエチルシロキサン、カプリリルメチコンおよびそれらのブレンドからなる群より選択される。
【0165】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供するセラムブレンドを含む組成物に関する。組成物は、2.0重量%または2.5重量%から約20重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;約3重量%から約15重量%までの少なくとも1つのジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約60,000cSt(60,000mm/s)を超える粘度を有するもの);0.1重量%から約15重量%までのフェニル変性シリコーン;トリメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される約0重量%から約15重量%までの化合物;および約35重量%から約94.4重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサンまたはトリメチコン、粘度が約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)のジメチコン、ジエチルシロキサン、イソドデカン、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサン、およびこれらの成分の2つ以上のブレンドからなる群より選択される。好ましくは、C~Cアルキル鎖シロキサンはカプリリルメチコンを含む。好ましくは、フェニルジメチコンは、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンおよびフェニルジメチコンからなる群より選択される化合物を含む。
【0166】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供し、かつ約800cps(0.8Pa・s)未満の最終粘度を有する低粘度のセラム、スプリッツまたはスプレー組成物を含む組成物に関する。組成物は、2.0重量%または2.5重量%から約20重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;約0重量%から約8重量%までの第1のジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約60,000cSt(60,000mm/s)を超える粘度を有するもの);0.1重量%から約15重量%までの第2の不揮発性ジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約5cSt(5mm/s)~約1000cSt(1000mm/s)の粘度を有するもの);0.1重量%から約15重量%までのフェニル変性シリコーン;トリメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される約0重量%から約20重量%までの化合物;および約22重量%から約97.3重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、フェニル変性シリコーンは、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルジメチコンおよびそれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサン、トリメチコン、イソドデカン、約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)にわたる粘度を有するジメチコン、ジエチルシロキサン、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される。好ましくは、C~Cアルキル鎖シロキサンはカプリリルメチコンを含む。
【0167】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供し、かつ約800cps(0.8Pa・s)未満の最終粘度を有する低粘度のスプリッツまたはスプレー組成物を含む組成物に関する。組成物は、2.0重量%または2.5重量%から約15重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;0重量%から約15重量%までの不揮発性ジメチコン成分および/またはジメチコノール成分(約5cSt(5mm/s)~約10cSt(10mm/s)の粘度を有するもの);0.1重量%から約15重量%までのフェニル変性シリコーン;トリメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される約0.1重量%から約20重量%までの化合物;および約35重量%から約97.3重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、フェニル変性シリコーンは、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルジメチコンおよびそれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサン、トリメチコン、イソドデカン、約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)にわたる粘度を有するジメチコン、ジエチルシロキサン、無水エタノール、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサン、およびこれらの成分の2つ以上の混合物からなる群より選択される。好ましくは、C~Cアルキル鎖シロキサンはカプリリルメチコンを含む。
【0168】
別の例において、本発明は、高湿度縮れの80%超の低減を提供し、かつ約500cps(0.5Pa・s)未満の最終粘度を有する高光沢(high shine)のセラム、スプリッツまたはスプレーブレンド組成物を含む組成物に関する。組成物は、2.0重量%または2.5重量%から約15重量%までのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;0.1重量%から約15重量%までのフェニル変性シリコーン;および約65重量%から約97.4重量%までのシリコーン適合性の非水性揮発性キャリア、を含む。好ましくは、フェニル変性シリコーンは、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルジメチコンおよびそれらの成分の2つ以上の混合物からなる群より選択される。好ましくは、シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアは、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリシロキサン、トリメチコン、イソドデカン、約1.5cSt(1.5mm/s)~約4cSt(4mm/s)にわたる粘度を有するジメチコン、ジエチルシロキサン、無水エタノール、置換または非置換C~Cアルキル鎖シロキサン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される。好ましくは、C~Cアルキル鎖シロキサンはカプリリルメチコンを含む。
【0169】
2.0重量%以上、または約2.5重量%以上の濃度でのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン(「HNH」とも称される)の使用、および1つ以上のシリコーン適合性非水性揮発性キャリアの使用は、上記した例のほとんどにおいて共通する成分である。本発明の1つの主要な例において、発明者らは、驚くべきことに、これら2つの成分の組み合わせが、特に(しかしながら、それのみではないが)、約60,000cSt(60,000mm/s)~約35,000,000cSt(35,000,000mm/s)の高分子量もしくは中分子量のジメチコンまたは他のメチルもしくはヒドロキシで末端がブロックされたガムと組み合わせた場合、湿度により誘因される毛髪の縮れを80%以上低減する組成物の能力に強く寄与していることを発見した。
【実施例
【0170】
高湿度縮れ抑制試験法(High Humidity Frizz Control Test Method)
約1.5グラム(毛髪の重量)の巻き毛(ブラジル人)[国際髪輸入業者;8729Myrtle Ave;Glendale New York 11385]は、10重量%のSLES-2(平均2モルのエチレンオキシドを有するラウリルエトキシ硫酸ナトリウム)水溶液で2回予備洗浄した。湿った毛髪の房は、80°F(26.7℃)/80%相対湿度(RH)に設定された温度/湿度チャンバー内に一晩吊り下げた。
【0171】
次に、房をチャンバーから取り外し、コード化し、高解像度カメラで写真を撮影した。写真は、カール、縮れ毛、アフリカ人の髪質の光学特性の数値解析、および2次元フーリエ変換による毛髪繊維アライメントの測定を可能にする画像解析ソフトウェアを使用した最初の縮れ値解析のベースラインとして使用した。[Image-Pro Plus(登録商標)、バージョン7.0;Media Cybernetics社、4340 East-West Highway、Suite 400、Bethesda、MD 20814]。
【0172】
写真を撮影後、毛髪の房を流水で10秒間、予備湿潤させ(pre-wet)、タオルで乾かした。各試験製剤の50μlを、根端から下に手動にて房に適用した。試験製剤は、毛髪に沿って可能な限り均等に分配した。
【0173】
試験製剤の適用後、房を80°F(26.7℃)/80%RHに設定された湿度チャンバーに6時間吊り下げた。
処理後の毛髪の写真を撮影した。処理前と処理後の写真を、Image Pro Plus(登録商標)ソフトウェアと組み合わせて使用した。写真を使用してこれらの画像を比較し、縮れ低減率(%)の数値を得るために、未処理の加湿された房の縮れ値に対する、処理した房(縮れの保護)の縮れ値の低減を分析した。
【0174】
実施例1
いくつかの市販の縮れ防止用製品の製剤を購入し、縮れの抑制について評価し、以下の表1に示した。
【0175】
【表1】
【0176】
表1に示されるように、製剤A~Eはいずれも、未処理の房と比較して、75%を超えるレベルにて、縮れの低減をもたらすことはなかった。製剤Aには、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、ココナッツ油の精製した、フラクション化した誘導体が含有されている。製剤BおよびCには鉱油が含まれている。すでに述べたように、油には実用の面および美的な面において欠点が存在する。それらは、布地(衣類、シーツ、枕カバーなど)を汚す傾向があり、重い感触を有し、望ましくない滑らかな「濡れた」外観を毛髪に残す場合がある。
【0177】
実施例2
以下の表2に示すように、サンプルの縮れ防止用セラム製剤を作成した。特に明記しない限り、成分は重量パーセントで示されており、本特許出願に記載されているすべての濃度パーセントは重量パーセントである。成分を単に合わせた後に完全に混合して溶液を形成する。
【0178】
【表2】
【0179】
製剤1~6は、「リーブオン」縮れ防止用セラム組成物の典型的な粘度に向けられている。製剤は、2つの平均粘度(約30,000cP(30Pa・s)または約10,000cP(10Pa・s))のうちの一方にて10%のプロポキシテトラメチルピペリジニジメチコン(HNH)と;2cSt(2mm/s)の粘度を有する低分子量ジメチコンを含む少なくとも70%の揮発性キャリアと;約19,000,000cP(19,000Pa・s)~約35,000,000cP(35,000Pa・s)の典型的な粘度範囲を有する10%の高分子量の不揮発性ジメチコンガムと、を含有している。さらに、製剤1および3~5は、10%または5%のトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂を含有している。
【0180】
製剤1~6のそれぞれで処理された毛髪は、未処理の房に比べて少なくとも80%の縮れの低減を示し、この縮れの低減の程度は、従来の製剤1A~1Cによって提供された縮れの低減よりもかなり大きい。製剤1~6で処理した毛髪の縮れ低減率は、それぞれ94%、95%、89%、85%、90%、90%である。これらのサンプルの中で、最高の縮れ低減率(95%)をもたらした製剤は製剤2であり、同製剤2は、より低い粘度(10,000cP(10Pa・s))のHNH成分のみを含有し、最も高い割合(80%)のジメチコンキャリアを含み、トリメチルシロキシシリケートを欠いていた。
【0181】
実施例3
表3は、さらなる一組のサンプルのセラム製剤を示す。各製剤は、成分を一緒に合わせて無水溶液を形成することによって作成した。
【0182】
【表3】
【0183】
製剤7~10は、別の一組の比較的低粘度の縮れ防止用調製物である。これらの製剤は、2つの平均粘度(約30,000cP(30Pa・s)または約10,000cP(10Pa・s))のうちの一方にて10%のHNHと;1.5cSt(1.5mm/s)の粘度を有する低分子量ジメチコンを含む少なくとも70%の揮発性キャリアと;約19,000,000cP(19,000Pa・s)~約35,000,000cP(35,000Pa・s)の典型的な粘度範囲を有する10%の高分子量の不揮発性ジメチコンガムと、を含有している。さらに、製剤7、8および10は、10%または5%のいずれかのトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂を含有している。
【0184】
製剤7~10のそれぞれで処理された毛髪は、未処理の房に比べて少なくとも85%の縮れの低減を示す。製剤G~Jで処理した毛髪の縮れ低減率は、それぞれ85%、90%、90%および86%である。
【0185】
実施例4
表4は、さらなる一組のサンプルのセラム製剤を示す。各製剤は、成分を一緒に合わせて無水溶液を形成することによって作成した。
【0186】
【表4】
【0187】
製剤11~16は、一組の低粘度~中粘度の縮れ防止用製剤である。これらの製剤は、約30,000cP(30Pa・s)の平均粘度にて種々の濃度のHNHと;約59%から約77%までのシクロペンタシロキサンを含む揮発性キャリアと;約19,000,000cP(19,000Pa・s)~約35,000,000cP(35,000Pa・s)の典型的な粘度範囲を有する約6.5%から20%までの高分子量の不揮発性ジメチコンと、を含有している。さらに、製剤11~16は、約6.7%から約14.8%までのトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂を含有している。
【0188】
製剤11~16のそれぞれで処理された毛髪は、未処理の房に比べて少なくとも83%の縮れの低減を示し、製剤11は83%の縮れの低減率をもたらし、製剤15は92%の縮れの低減率をもたらす。シクロメチコンなどの揮発性キャリアと;約0.65cSt(0.65mm/s)~約4cSt(4mm/s)の粘度を有する揮発性ジメチコンと;揮発性炭化水素および/またはメタノールやイソドデカンなどのアルコールベースのキャリアと;のブレンドは、同様の縮れ低減効果を有すると予想される。
【0189】
実施例5
別の一組の低粘度セラム縮れ防止用製剤は、以下のように、成分を合わせた後に均質になるまで混合することにより確立される。
【0190】
【表5】
【0191】
表5に示される実施例において、製剤17~19は、以下の成分:約72.5%~約87.5%の揮発性シリコーン適合性キャリアとしてのシクロペンタシロキサンまたは低分子量ジメチコン(粘度2cSt(2mm/s))のいずれかと;約30,000cP(30Pa・s)の粘度を有する2.5%~約14.17%のHNHと;2.5~約5.8%のジメチコンガムと;約4.8%~20%のトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂と、を用いて作成された。
【0192】
表5の製剤で房を個々に処理すると、それらは、未処理の房と比較して80%を超える縮れ低減率を示し、製剤32の82%の低減率から製剤19の90%の低減率であった。
実施例6
表6は、以下の成分を使用して作成され、成分を合わせた後に均質になるまで混合することにより作成された噴霧可能な製剤20~25を示す。
【0193】
【表6】
【0194】
製剤20~25は、以下の成分:約80%~約97.5%の揮発性シリコーン適合性キャリアとしてのシクロペンタシロキサンまたは低分子量ジメチコン(粘度2cSt(2mm/s))のいずれかと;約30,000cP(30Pa・s)の粘度を有する2.5%~約11.25%のHNHもしくは約10,000cP(10Pa・s)の粘度を有する10%のHNHと;0%~約10%のトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂と、を用いて作成された。
【0195】
表6の製剤のいずれかで房を個々に処理すると、それらは、未処理の房と比較して80%を超える縮れ低減率を示し、製剤24および25の80%の低減率から製剤21の約93%の低減率であった。
【0196】
実施例7
表7は、縮れ防止用セラム型製剤26~30を示し、これらの製剤の各々は、示された成分を合わせた後に均質になるまで混合することによって作成される。
【0197】
【表7】
【0198】
上記した製剤26~30の各々は、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン(HNH)、ジメチコンガム、およびトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂を含有している。製剤26および28の揮発性キャリア成分は、炭化水素イソドデカンを含み、製剤27~30では、揮発性キャリア成分はトリシロキサンを含んでいる。製剤28は、低分子量ジメチコン(粘度6cSt(6mm/s))とトリシロキサンとの混合物を含む揮発性キャリア成分を有する。製剤29および30は、低分子量ジメチコン(粘度2cSt(2mm/s))およびトリシロキサンの混合物を含む揮発性キャリア成分を有する。
【0199】
いずれの場合にも、表7の製剤のいずれかを用いて毛髪の房を個別に処理したとき、未処理の房に比べて約80%以上の縮れ低減率を示す。
実施例8
表8は、一組のセラム、スプリッツおよび/またはスプレー製剤を示す。
【0200】
【表8】
【0201】
上記に示した製剤31~34の各々は、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン(HNH)およびトリメチルシロキシシリケートMQ樹脂を含有している。
製剤32の揮発性キャリア成分は、シクロメチコンと無水エタノールとの混合物を含み;製剤32はジメチコンガムを含まないが、粘度が6cSt(6mm/s)のジメチコンを含有している。製剤34において、揮発性キャリア成分は、無水エタノールとイソドデカンとの混合物を含み、ジメチコンガムは含んでいないが、5cSt(5mm/s)の粘度を有するジメチコンを含有している。プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン(または異なる粘度を有するHNH種の混合物)の粘度は、約250cP(0.25Pa・s)~30,000cP(30Pa・s)の範囲内、または約10,000cP(10Pa・s)の範囲内の任意の濃度にすることができる。
【0202】
製剤31および33は、イソドデカンと低分子量ジメチコン(2cSt(2mm/s))との混合物を含む揮発性キャリア成分を有し、両方がジメチコンガムを含有している。製剤31はまた、5cSt(5mm/s)の粘度のジメチコンを含む一方で製剤33は、6cSt(6mm/s)の粘度のジメチコンを有する。
【0203】
いずれの場合にも、表8の製剤のいずれかを用いて毛髪の房を個別に処理したとき、未処理の房に比べて約80%以上の縮れ低減率を示す。
実施例9
表9は、縮れ防止用、非エアゾールスプレー製剤35~40を含む。
【0204】
【表9】
【0205】
製剤35~40は、ジメチコンガムおよびトリメチルシロキシシリケートを欠くが、すべてがプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンを含み、シクロメチコン、低分子量ジメチコン、イソドデカン、無水エタノール、またはそれらの混合物であり得る揮発性キャリア成分を高パーセンテージで含む。
【0206】
製剤35~40の各々は、未処理の房に比べて約80%以上の縮れ低減率を示す。
実施例10
図1は、同様にシャンプーし、拭き取り乾燥し、その後様々な方法で処理した、実質的に同一の巻き毛(ブラジル人)[国際髪輸入業者;8729Myrtle Ave;Glendale New York 11385]の3つの房の比較を示す。
【0207】
図1の左側の房は未処理のままにした。
図1の中央の房は、以下の重量百分率で以下の成分を含有する50μlの組成物で処理された:85%ジメチコン(1.5cSt(1.5mm/s));5%プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン;5%ジメチコンガムおよび5%トリメチルシロキシシロキサン。
【0208】
図1の最も右の房は、以下の重量百分率で以下の成分を含有する50μlの組成物で処理された:72.5%ジメチコン(1.5cSt(1.5mm/s));14.17%プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンおよび13.33%トリメチルシロキシシロキサン。
【0209】
処理された房のそれぞれについて、組成物は、根端から下に手動にて房に適用した。試験製剤は、毛髪に沿って可能な限り均等に分配した。これらの組成物を処理した房へ適用後、写真撮影を行う前に、3つの房の全てを80%の相対湿度かつ80°F(26.7℃)にて湿度チャンバーに6時間吊り下げた。
【0210】
単一の整列されていない巻き毛の房(strands)の塊を含む未処理の房とは異なり、両方の処理された房は、毛髪の房が良好に整列されている明確である自然なカールを示す。中央の房はやわらかいナチュラル感があり、毛髪の整列も圧縮されておらず柔らかく自然である。最も自然なカール明確性を示す一番右側の房は、毛髪の整列が密で幾分硬く、かつ中央の房よりもいくらか良好にその形状を保持していた。
【0211】
開示された実施形態を参照して本発明の態様を説明してきたが、開示された特定の実施例はこれらの態様の単なる例示であり、決して本発明を限定しないことを当業者は容易に理解するであろう。本発明の精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。本明細書に記載のありとあらゆる特徴、およびそのような特徴の2つ以上のありとあらゆる組み合わせは、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。さらに、本発明の任意の組成物または装置は、請求項の1つ以上の要素を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなると理解され、さらに、請求項の要素として特に含まれないありとあらゆる要素は、その否定的な制限において、その請求項から特に除外されるべき根拠を本明細書に有するものとして考慮される。
【0212】
本明細書で引用された任意のおよび全ての特許、刊行物、または特許出願は、本明細書の一部としてその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1