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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】含水ヘアケア組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20230501BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/892 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230501BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20230501BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/891
A61K8/892
A61K8/89
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/06
A61Q5/04
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020517191
(86)(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 US2018047875
(87)【国際公開番号】W WO2019060088
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】62/562,653
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020258
【氏名又は名称】インノスペック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INNOSPEC LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】クリジシク、デュアン
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-096736(JP,A)
【文献】特開2012-092040(JP,A)
【文献】特表2013-510151(JP,A)
【文献】ID 573472,DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL,2006年08月
【文献】ID 2452005,DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL,2014年06月
【文献】ID 707129,DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL,2007年05月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-99
A61Q1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の縮れを低減または防止するための方法であって、前記方法は、
I)洗浄性成分を欠いている流動性組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含み、
前記流動性組成物は:
-水含有縮れ防止用組成物であって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)水と、
を含む水含有縮れ防止用組成物;
-カチオン性水中油型縮れ防止用エマルジョンであって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)任意のアルキルシロキシシリケート成分と、
d)水と、
を含むカチオン性水中油型縮れ防止用エマルジョン;
-非イオン性水中油型エマルジョンであって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)脂肪族アルコールまたはその非イオン性乳化剤誘導体と、
d)水と、
を含む非イオン性水中油型エマルジョン;および
-非イオン性油中水型の縮れ防止用エマルジョンであって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)非イオン性脂肪族アルコールと、
d)水と、
を含む非イオン性油中水型の縮れ防止用エマルジョン;
から選択され、
前記ポリシロキサン成分がプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含み、
前記流動性組成物を縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同流動性組成物と接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記流動性組成物は毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時での前記流動性組成物と接触した前記縮れた毛髪および前記流動性組成物と接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析および比較によって測定される、方法。
【請求項2】
組成物を縮れた毛髪に適用することによって毛髪の縮れを低減するための前記組成物の使用において、前記組成物は洗浄性成分を欠いており、かつ:
-水含有縮れ防止用組成物であって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)水と、
を含む水含有縮れ防止用組成物;
-カチオン性水中油型縮れ防止用エマルジョンであって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
)アルキルシロキシシリケート成分と、
d)水と、
を含むカチオン性水中油型縮れ防止用エマルジョン;
-非イオン性水中油型エマルジョンであって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)脂肪族アルコールまたはその非イオン性乳化剤誘導体と、
d)水と、
を含む非イオン性水中油型エマルジョン;および
-非イオン性油中水型の縮れ防止用エマルジョンであって、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)非イオン性脂肪族アルコールと、
d)水と、
を含む、非イオン性油中水型の縮れ防止用エマルジョン;
から選択され、
前記ポリシロキサン成分がプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含み、
前記組成物を縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同組成物と接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記組成物は毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時での前記組成物と接触した前記縮れた毛髪および前記組成物と接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析および比較によって測定される、使用。
【請求項3】
洗浄性成分を欠いている水含有毛髪縮れ防止用組成物であって、前記組成物は、
a)2.5重量%以上のプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン成分を含む、ポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)水と、
を含み、
前記水含有毛髪縮れ防止用組成物を縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同水含有毛髪縮れ防止用組成物と接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記水含有毛髪縮れ防止用組成物は毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時での前記水含有毛髪縮れ防止用組成物と接触した前記縮れた毛髪および前記水含有毛髪縮れ防止用組成物と接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析および比較によって測定されるものである、組成物。
【請求項4】
前記ポリシロキサン成分が本質的にプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分のみからなる、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリシロキサン流体成分がアモジメチコン成分をさらに含む、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか一項に記載の組成物はアルキルシロキシシリケート成分をさらに含み、前記アルキルシロキシシリケート成分が、トリメチルシロキシシリケート成分、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート成分およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物を含、組成物。
【請求項7】
前記トリメチルシロキシシリケート成分が、トリメチルシロキシシリケートベースの樹脂シリコーンポリマーに含まれる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記シリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分が、シロキシ成分、炭化水素およびアルコールからなる群より選択される成分を含む、請求項3~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
メチコン成分、ジメチコノール成分およびフェニルシリコーン成分からなる群から選択される成分を含む不揮発性成分をさらに含む、請求項3~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
着色剤成分、毛髪光沢成分、日焼け止め成分、増粘剤成分、防腐剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観改質剤および抗酸化剤成分からなる群より選択される美的改質剤成分、エッセンシャルオイル成分、植物成分、香り成分、核酸成分、特殊な抽出物成分およびビタミンからなる群より選択される1つ以上の成分をさらに含、請求項3~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
記シリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分は、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンおよびこれらの成分の2つ以上の混合物からなる群から選択される成分を含む、
請求項3~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
1つ以上の脂肪族第四級アンモニウム塩、脂肪族アミンおよび/または脂肪族アルコール、および/または以下の成分:塩化セトリモニウム、塩化ステアラルコニム、塩化ベヘントリモニウム、メト硫酸ベヘントリモニウム、塩化ジセチルジモニウム、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウム、塩化リシノールアミドプロピルトリモニム、リシノールアミドプロピルトリモニムエトサルフェート、リシノールアミドプロピルトリモニムメトサルフェート、サフラワーアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、四級化ステアラミドプロピルアミン、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、の1つ以上、を含み;および/または、セルロース系増粘剤、グアーガム、カッシアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アカシアセネガルガム、カエサルピナスピノサガム、粘土、アクリルアミドプロピルトリモニウムの塩化物/アクリレートコポリマー、誘導体化および非誘導体化カルボマー、有機改質粘土、およびそれらの混合物、からなる群より選択される1つ以上の成分を含む1つ以上の水溶性増粘剤を含む、請求項3~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
カチオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンであって、前記エマルジョンは、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
)シリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)任意のアルキルシロキシシリケート成分と、
d)水と、
を含み、
前記ポリシロキサン成分がプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含み、
前記毛髪縮れ防止用エマルジョンを縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記毛髪縮れ防止用エマルジョンは毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時での前記毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触した前記縮れた毛髪および前記毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析および比較によって測定されるものである、カチオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項14】
第四級アンモニウム脂肪塩および脂肪族アミンからなる群から選択される成分を含む、請求項13に記載のカチオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項15】
前記ポリシロキサン流体成分がトリメチルシロキシシリケート成分をさらに含む、請求項13または請求項14に記載のカチオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項16】
非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンであって、前記エマルジョンは、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
)シリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)脂肪族アルコールまたはその非イオン性誘導体と、
d)非イオン性乳化剤と、
e)水と、
を含み、
前記ポリシロキサン成分がプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含み、
前記非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンを縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンは毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時での前記非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触した前記縮れた毛髪および前記非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析および比較によって測定されるものである、非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項17】
記脂肪族アルコールまたは非イオン性誘導体がポリエチレングリコールの脂肪族エーテルを含む、請求項16に記載の非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項18】
脂肪族アルコール、および/または、アクリロジメチルタウレートサブユニットを含むポリマー、および/またはヒドロキシエチルアクリレート/アクリロジメチルタウレートコポリマー、を含む、請求項16または請求項17に記載の非イオン性水中油型毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項19】
非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンであって、前記エマルジョンは、
a)2.5重量%以上の複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
)シリコーン混和性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)非イオン性脂肪族アルコールと、
d)水と、
を含み、
前記ポリシロキサン成分がプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含み、
前記非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンを縮れた毛髪と接触させて、その後80°F(26.7℃)および80%の湿度において6時間維持させるときに、同非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触させていないことを除いては同一に処理された縮れた毛髪と比較して、前記非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンは毛髪の縮れにおける少なくとも80%の低減を提供し、前記毛髪の縮れの低減は、前記6時間の期間の終了時での前記非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触した前記縮れた毛髪および前記非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンと接触させなかった前記縮れた毛髪のデジタル画像解析および比較によって測定されるものである、非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項20】
請求項19に記載の非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョンは、非イオン性乳化剤および水溶性増粘剤からなる群からそれぞれ独立して選択される1つ以上の成分を含む、および/または、デタングリング補助剤、毛髪光沢成分、保湿剤、日焼け止め成分、香料成分、可塑剤成分、抗酸化剤成分、エッセンシャルオイル、核酸、タンパク質、アミノ酸およびビタミンからなる群よりそれぞれ独立して選択される1つ以上の成分を含む、非イオン性油中水型の毛髪縮れ防止用エマルジョン。
【請求項21】
前記組成物は請求項3~20のいずれか一項において定義された組成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物は請求項3~20のいずれか一項において定義された組成物である、請求項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の縮れを低減および防止するための水含有組成物および方法に関する。そのような組成物は、限定されるものではないが、シャンプー、コンディショナー、スタイリングジェル、クリーム、セラム、スプレーおよび液体を含むヘアケア製品、並びに回復性ヘアケア製品を含み得る、および/またはそれらに含まれ得る。好ましくは、本発明の組成物は、主として、または実質的に単独で、縮れ防止ヘアトリートメントとして、特に、それだけではないが、長時間にわたり毛髪に残される組成物(本明細書では「リーブイン(leave -in)」または「リーブオン(leave-on)」ヘアケア製品と称される)として使用することができる。他の例では、本発明の組成物は多目的ヘアケア組成物の成分であってもよい。
【背景技術】
【0002】
縮毛は、特に湿度レベルおよび/または露点が高い場合に、波状の縮れた毛髪を持つ人に一般に起こる問題であり、これは通常、夏季において、および熱帯の緯度において発生する。しかしながら、特定の温度での水蒸気の分圧と水の平衡蒸気圧との比である相対湿度は、温度と局所気圧の両方に依存し、高い相対湿度は、比較的少ない水蒸気を伴う低温で実現することができる。したがって、局所的な気圧に応じて、場合によっては、約50%を超える相対湿度が、毛髪の縮れを引き起こすのに十分に高い湿度であると考えられ得る。
【0003】
通常「毛髪」と考えられているもの(つまり、皮膚の下にある毛根の外側にある毛幹)は、ジスルフィド結合が毛(strands)を一緒に保持するタンパク質であるケラチンで構成されている。毛幹は、髄質、皮質、およびキューティクルの3つの層で構成されている。髄質(medulla)は、透明な細胞と空域の薄いコアである。皮質(cortex)は毛幹の大部分を形成し、通常、色素と長いケラチンフィラメントとを含み、これらはジスルフィド結合と水素結合とによって結合されている。
【0004】
キューティクルは、下向きの魚鱗のように組織化された、重なり合った細胞で構成される保護層である。外側のキューティクルは、結合によって毛包内の毛幹を保持している。キューティクルが健康であるとき、同キューティクルはまた下にある皮質の内外での水(水分)の移動を最小限にする。しかしながら、化学プロセスおよび風化作用は、キューティクルを皮質から持ち上げ、このバランスを乱す可能性がある。
【0005】
高い湿度により縮れが生じると、毛髪のキューティクル層が盛り上がる。毛髪のキューティクルは通常、毛髪の水分吸収を調節する。盛り上がったキューティクルは、天然にカールした毛髪の領域で発生し、同領域はカール状に曲がり、毛髪の皮質が水分を吸収する。その結果、(キューティクルが実際に乾いている可能性があるために)毛髪が乾いているように見える場合があり、毛幹の体積は、皮質による水分の取り込みにより増大し、毛髪が膨潤する。一般に、極端に波状でカールした毛髪は、ストレートの毛髪より縮れやすい傾向があるが、これは、毛髪が同毛髪によって吸収される水の量を適切に調節しないからである。
【0006】
カールした、または波状の毛髪に加えて、化学処理(矯正、パーマネントウェーブ、染毛または脱色など)、熱(ブローによる乾燥や平アイロンまたはカーリングアイロンの使用など)、機械的損傷(過度のコーミングやブラッシングによるなど)および環境による損傷(日光、空気または水質汚染、塩素など)により損傷を受けた毛髪はキューティクルの損傷を引き起こし、水が皮質に進入し、毛髪がより多くの水分を吸収するようになる。
【0007】
歴史を通じて、天然由来の油は縮れを抑制するために使用されてきた。一般的な天然由来の油のいくつかには、アーモンド、オリーブ、ココナッツ、モリンガ、アボカド、シアバター、アルガン、ヒマワリ油などが含まれる。さらに、鉱物油と脂肪が使用されてきた。しかしながら、油は毛髪を濡れたように見せ、毛髪を脂っこく、油っぽい感触にさせ、寝具や衣服に簡単に移る傾向がある。
【0008】
最近では、縮れを抑えるために種々のコンディショナーおよび「リーブイン」製品が製剤化されているが、これは、波状かつカールした毛髪の人が平アイロンとホルムアルデヒドとを使用して毛髪を真っ直ぐにすること(しばしば「ブラジリアンブローアウト」と称される)を思いとどまらせて、自身の自然なカールを受け入れる傾向によるものである。特殊な製品はこのカテゴリに入り、それらの中にはリーブイン水性コンディショニング製品がある。このような製品は主としてラテン系およびアフリカ系の人向けに販売されてきたが、近年では、太いカール状または波状の毛髪を有する女性の一般的な集団でもより人気が出ている。非常に波状から非常にカールした太い毛髪は、高湿度の縮れに非常に敏感である。このような製品は、一般に4つのカテゴリに分類される。
【0009】
a)ジェル、クリーム、ヘアムース、ヘアスプレーなど、毛髪をその位置に保持するスタイリング製品。しかしながら、これらのような有機スタイリング樹脂は、毛髪に不自然で硬い感じを与える。
【0010】
b)脂肪族第四級アンモニウム成分、脂肪族アルコール、天然または石油ベースの油を含む水およびアルコールベースの製品。これらの製品には、ある程度の量のシクロメチコンとジメチコンが含まれている場合がある。
【0011】
c)シクロメチコン、ジメチコンおよびアルキル変性シリコーンを含む無水アルコールベースのセラムおよびスプレー。これらの製品において、揮発性成分(エタノールや揮発性シリコーンなどの成分を含み得る)が毛髪の皮質の脱水に役立ち、揮発性成分の蒸発後、不揮発性シリコーンと他の成分との膜がキューティクル上に形成され、毛髪を水分からシールする。
【0012】
d)無水縮れ防止用のセラム(serums)、スプリッツ(spritzes)、およびスプレー。そのような無水のセラムは、シクロメチコン、ジメチコン、およびかなりの濃度の高分子量および/または高粘度のシリコーン(例えばジメチコンガムおよびジメチコノールガム)を含み得る。アルコールベースのセラムおよびスプレーと同様に、これらの製品では、適用後に、低分子量の揮発性シリコーンが毛髪の水分を置換し、蒸発し、毛髪に高分子量の不揮発性シリコーンのフィルムを残して毛髪を水分から密封することを助ける。典型的なセラム製剤は、約500センチポアズ(cP)(0.5Pa・s)~約5,000cP(5Pa・s)の範囲の粘度を有し、一方、スプレー製品は、典型的に200cP(0.2Pa・s)未満の粘度を有する。
【0013】
ソン(Song)他の特許文献1および特許文献2は、水中での乳化重合により製造されたアモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーを含む組成物を記載している。
【0014】
ウエハラ(Uehara)他の特許文献3は、高粘度、中粘度、および低粘度のシリコーンの混合物;アミドアミン;酸;高融点脂肪化合物および水、を含む組成物を開示している。
【0015】
リチャーズ(Richards)の特許文献4は、3種類のシリコーン:アルキル変性シリコーン、例えばポリジメチルシロキサンガムを含む第2のシリコーン、およびアミノ官能化シリコーン(例えばアモジメチコン)などの官能化シリコーン;を含む水性組成物を開示している。
【0016】
ショルツ(Scholz)の特許文献5は、高粘度シリコーンポリマー、不揮発性キャリア流体、および揮発性シリコーンベースのキャリア流体を含むヘアケア組成物を開示している。
【0017】
ギャリソン(Garrison)他の、特許文献6は、疎水性粒子材料、シリコーンベースの疎水性フィルム形成剤、および揮発性炭化水素またはシリコーン流体を含む組成物を開示している。
【0018】
シンガー(Singer)他の特許文献7は、化粧品として許容可能な担体中に、:モノエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびエチレンジアミンから選択される少なくとも1つの非水酸化物塩基;尿素および/またはヒドロキシエチル尿素などの1つ以上のタンパク質変性剤;アルコキシシラン;場合により、少なくとも1つの脂肪物質、を含む組成物を開示している。
【0019】
これらの製品はさまざまな程度の効果を示すが、これらの製品の多くのユーザーは、上記した技術が提供する制限された程度の縮れの抑制に満足してはいない。従って、排他的ではないが、消費者に受け入れられる「リーブイン」製剤において、高性能の水ベースの縮れ抑制製品が必要である。そのような製剤は理想的には、良好な適用感(重さ、硬さ、脂っぽさ、または「水っぽい」感触がない)、毛髪上に滑らかに分散および広がる良好な能力を提供し、乾燥すると、そのような製剤は理想的には毛髪を扱いやすい状態にし、そして自然に感じて見えるものであろう。そのような製品は、一般的にコーミングクリーム、コーミングローション、コーミングスプレーとして知られている。
【0020】
コーミングクリーム、ローションおよびスプレー、並びに同様の製品は、毛髪に過度の「重さ」または油っぽい、またはペースト状の外観を与えることなく、毛幹の潤滑性を高めることが望ましいであろう。潤滑性が向上すると、髪の毛の表面が互いの関係で滑るようになり、結果として毛髪のもつれを解くのに役立ち、カールした毛髪または波状の毛髪を簡単に櫛でとく能力を高め、毛髪をコーミング(combing)やブラッシングによる機械的損傷から保護することになる。コーミングクリームおよびコーミングローションは、通常、瓶、ボトル、またはチューブから手に注がれ、コーミングスプレーは毛髪上にスプレーされる。好ましくは、そのような製品/製剤は、有効量で濡れた毛髪に(またはタッチアップコンディショナーとして)適用することができ、毛髪をくしで通して髪の毛のそれぞれの根元から先端まで毛髪を適切にコーティングすることができる。そのようなコーミング製品は、理想的には、一日中毛髪に残すのに適しているものであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】米国特許出願公開第2016/0374932号明細書
【文献】国際公開第WO2015/200778号
【文献】国際公開第WO2004/030646号
【文献】国際公開第WO2010/003793号
【文献】米国特許出願公開第2002/0197227号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0110991号明細書
【文献】米国特許第8591872号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、毛髪から縮れを低減または除去するための、コーミングクリーム、ローション、ムース、ゲルおよびスプレーなどの水含有組成物であって良好な適用感触(毛髪に滑らかに分配し、かつ広がる良好な能力を有し、乾燥した場合、毛髪を扱いやすい状態にするためのもの)を有する水含有組成物、およびそのような組成物の製造方法および使用方法を対象とする。
【0023】
第1の実施形態によれば、
a)3.0重量%以上のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン、からなる群より選択される成分を含有するポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
を含む水含有流動性組成物が提供される。
【0024】
「ポリシロキサン成分(polysiloxane component)」とは、置換および/または非置換シロキサンの単位を含む化合物であって、:ケイ素原子と酸素原子が交互になった1つ以上の鎖で、しばしば炭素または水素または両方と結合している、化合物を意味する。特に明記しない限り、「ポリシロキサン」という用語は、ジメチコノールおよび末端鎖ヒドロキシル基を有する他のシロキサンを含むことを意味する。
【0025】
第2の実施形態において、本発明は、
a)少なくとも3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分、からなる群より選択される成分を含有するポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
c)任意のシリコーン適合性の、揮発性または不揮発性の液体キャリア成分と、
を含有する水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンを含む。
【0026】
本明細書における「シリコーン適合性の、揮発性または不揮発性の液体キャリア成分」とは、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分またはシリコーン適合性の不揮発性液体キャリア成分のいずれかを意味する。
【0027】
用語「水中油型」または「油中水型」とは、不混和性の水相および油相を含む多相系を意味する。「油」には、シリコーン含有液体が含まれることを意味することが理解されよう。
【0028】
本発明の好ましい実施形態は、例えば以下に列挙するように、少なくとも1つの揮発性成分を含む「シリコーン適合性の、揮発性液体キャリア成分」を含むことができ、特に明記しない限り、それは、不揮発性成分も同様に含むことができる。
【0029】
本発明の他の実施形態は、1つ以上の不揮発性成分を含み、かつ揮発性成分を全く含まない「シリコーン適合性の、不揮発性液体キャリア成分」を含むことが理解されるであろう。
【0030】
また、本発明の範囲は、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を列挙する本明細書に含まれる各実施形態とその他の点では同一の追加の実施形態を含むように拡張され、シリコーン適合性液体キャリア成分はシリコーン適合性の、不揮発性液体キャリア成分である追加の実施形態を含むように拡張されることも理解されるであろう。
【0031】
第3の実施形態において、本発明は、
a)少なくとも3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分、からなる群より選択される成分を含有するポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
c)任意のシリコーン適合性の、揮発性または不揮発性の液体キャリア成分と、
d)トリメチルシロキシシリケートのようなアルキルシロキシシリケートと、
を含む水含有縮毛防止用組成物を含む。
【0032】
第4の実施形態によれば、
a)3.0重量%以上のプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
c)任意のシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む水含有縮毛防止用組成物が提供される。
【0033】
第5の実施形態によれば、
a)3.0重量%以上のトリメチルシリルアモジメチコン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
含む水含有縮毛防止用組成物が提供される。
【0034】
第6の実施形態によれば、
a)3.0重量%以上のアミノプロピルシロキサン成分を含むポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
c)任意のシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む水含有縮毛防止用組成物が提供される。
【0035】
第7の実施形態によれば、
a)以下の構造
【0036】
【化1】
【0037】
(式中、X+Yは約50~約500であり、RはC~Cアルキレン基である)
含む、3.0重量%以上のポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
c)任意のシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
を含む水含有縮毛防止用組成物が提供される。
【0038】
第8の実施形態によれば、毛髪の縮れを低減または防止する方法が提供され、同方法は、
a)第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物を毛髪に適用するステップと、
b)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む。
【0039】
第9の実施形態によれば、カールメモリ(curl memory)を増加させる方法が提供され、同方法は、
I)第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物を毛髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む。
【0040】
第10の実施形態によれば、毛髪の縮れを低減するために第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物の使用が提供される。
第11の実施形態によれば、80°F(26.7℃)および湿度80%に保持された場合に、前記組成物で処理されていないがそれ以外は同様に処理された実質的に同一の毛髪と比較して、毛髪の縮れを70%超、低減する第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物の使用が提供される。
【0041】
第12の実施形態によれば、前記組成物で処理されていないがそれ以外は同様に処理された実質的に同一の毛髪と比較して、カールメモリを増加させるために第1の実施形態~第7の実施形態のいずれかの組成物の使用が提供される。
【0042】
第13の実施形態によれば、毛髪の縮れを低減するための第8の実施形態~第12の実施形態のいずれかの方法または使用が提供される。
本発明は、上記した実施形態に限定されず、さらなる実施形態が本明細書の開示において開示されている。
【0043】
本明細書に記載のアミノ置換ポリシロキサン流体成分であって、3.0重量%以上、または約3.1重量%以上、または約3.2重量%以上、または約3.3重量%以上、または約3.4重量%以上、または約3.5重量%以上、または約3.6重量%以上、または約3.7重量%以上、または約3.8重量%以上重量、または約3.9重量%以上、または約4.0重量%以上、約4.1重量%、または約4.0重量%以上、または約4.1重量%以上、または約4.2重量%以上、または約4.3重量%以上、または約4.4重量%以上、または約4.5重量%以上、または約4.6重量%以上、または約4.7重量%以上、または約4.8重量%以上、または約4.9重量%以上、または約5.0重量%以上の濃度でのアミノ置換ポリシロキサン流体成分と、任意に1つ以上のシリコーン適合性の非水揮発性のキャリアと、の組み合わせが、毛髪の縮れを低減する(前記組成物と接触していない、同一のおよびその他の点では同一に処理された毛髪と比較して、50%超、60%超、70%超、80%超、または85%超であると判定されるように)という課題を解決することが明らかにされている。
【0044】
本明細書に開示される方法および組成物は、人工的に着色される(例えば、染められる、漂白される、または着色される)ことのない毛髪、或いは人工的に着色された毛髪に使用できる。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明は、そのような組成物で処理されていないがその他の点では同一の染めた毛髪と比較して、人工的に染められた毛髪を処理してその色を保持するための、第1の実施形態~第7の実施形態の組成物の使用に関する。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明は、前記組成物で処理されていない同一のおよび他の点では同一に処理された毛髪と比較して、同組成物で処理した毛髪のカール保持および/またはカールメモリ特性を増大させるための、第1の実施形態~第7の実施形態の組成物の使用に関する。
【0047】
さらなる実施形態において、1つ以上のシリコーン適合性非水性揮発性キャリアおよび150,000cSt(センチストークス)(150,000mm/s)超の粘度を有する5重量%を超える濃度のジメチコンまたはジメチコノール成分および/または5重量%を超えるトリメチルシロキシシリケートを伴って、3.0重量%以上の濃度のアミノ置換ポリシロキサンを含有する水含有組成物は、同一の試験条件下で、未処理ではあるがその他の点では同一である毛髪と比較して、高湿度縮れ抑制試験法(以下の実施例のセクションを参照)という見出しの下に記載されている手順に従って測定されているように、毛髪の縮れの大幅な低減を提供するとともに、カール保持およびカールメモリ特性(例えば、以下の実施例10に記載されている手順に従って測定されるように)を提供する。
【0048】
縮れの低減を決定するための様々な適切な方法が当技術分野で利用可能である。好ましい方法については、高湿度縮れ抑制試験法という見出しの下で以下に詳細に説明する。以下の実施例のセクションを参照されたい。
【0049】
本明細書で使用される場合、流体の粘度は、センチポアズ(cP)またはセンチストーク(cSt)として表され、cSt=cPを流体の比重(SG)で割ったものである。一般的に、成分の粘度はcStで表され、製剤の粘度はcPで表される。温度が言及されていない場合、粘度は25℃で測定される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ(at least one)」は、1つ以上を意味し、したがって個々の成分ならびに成分の混合物および/または組み合わせを含む。
【0051】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、1つ以上を意味し、したがって、個々の成分ならびに成分の混合物および/または組み合わせを含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、「約(about)」という用語は、示された数のプラス10%またはマイナス10%を意味する。
本明細書で使用される「毛髪(hair)」という用語は、ケラチン繊維を意味する。使用される場合、「毛髪」という用語は、生体上にある「生きている」毛髪を含む場合があり、または「生きていないもの(non-living)」、即ち、かつら、ヘアピース、またはテキスタイルやファブリックで使用されるもののような、生きていない線維の他の集合体であってもよい。様々な実施形態において、哺乳類の毛髪、例えばヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、動物の毛(犬または馬など)、羊毛、毛皮および他のケラチン繊維は、本明細書に記載の方法および組成物での使用に適している。
【0053】
本明細書で使用される「含水(hydrous)」または「水含有(water-containing)」という用語は、組成物が、同組成物の重量に基づいて、例えば、約1重量%以上、または約2.5重量%以上、約5重量%以上、のような、微量の非結合水を含有することを意味することを意図している。
【0054】
本明細書で使用される場合、毛髪および/または皮膚への「損傷を最小限に抑える」という語句は、毛髪の破損が低減または排除されていること、および/または参照組成物に15分間さらされた後に水ですすぐことによって、皮膚が実質的に刺激されないこと、を意味することを意図している。
【0055】
本明細書で使用される場合、「即使用可能な(ready-to-use)組成物」という用語は、未修飾形態でケラチン繊維に適用すること、すなわち、使用前に未修飾形態で保存され得るか、または2つ以上の組成物の即時の予備混合により生じ得ることを意図した組成物を意味する。
【0056】
本明細書で使用する場合、組成物を毛髪に「適用すること」または組成物で毛髪を「処理すること」という用語は、ヘアケア用の組成物を毛髪に接触させ、分配することを意味することを意図している。
【0057】
本明細書で使用される場合、「化粧品として許容される(cosmetically acceptable)」とは、問題の品目がヒトまたは動物の皮膚または毛髪に適合することを意味する。
【0058】
本明細書で使用する場合、「化粧品として許容されるキャリア(carrier)」とは、ヒトまたは動物の皮膚または毛髪に適合し、不快な臭いがなく快適に感じるキャリアを意味する。
【0059】
本明細書で使用する場合、「コンディショニング(conditioning)」とは、少なくとも1つのケラチン繊維に、「櫛通り性(combability)」(濡れた毛髪または乾いた毛髪を簡単に櫛でとかすことができる能力)、扱いやすさ、光沢、および柔軟性から選択される少なくとも1つの特性を付与することを意味する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「カール明確性(curl definition)」とは、個々の毛髪が全体として房(tress)に識別可能なカール形状を与えるのに十分な程度に互いに整列するカールした毛髪の房を指す。
【0061】
本明細書で使用される「カールメモリ」とは、カールが引き伸ばされて解放された後の、そのカールが反発して元の形状に戻る(snaps back into)カールした毛髪の房を指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、「カール疲労(curl fatigue)」とは、初期カールメモリを有するカールが、同カールが約3回以上引き伸ばされて解放された後に、反発して元の形状に戻らないことを意味する。
【0063】
本明細書で使用される場合、「カール疲労の欠如」とは、カールが約3回以上引き伸ばされて解放された後に、初期カールメモリを有するカールが反発して元の形状に戻り続けることを意味する。
【0064】
本明細書で使用される場合、「カール保持」とは、毛髪を組成物で処理した場合に、未処理ではあるが他は同一である毛髪と比較して、明確な(defined)カールを有する、または明確なカールを有する、カールメモリを有するように誘導される、毛髪の能力を意味する。
【0065】
本明細書で使用される場合、「シリコーン適合性(silicone-compatible)」とは、シリコーン混和性を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「縮れ」または「縮れた」毛髪は、毛髪が突き出た(例えば、毛髪が同毛髪の全長に沿って、分かれているかまたはそうでないもの)および毛髪の本体から離れるように突き出ている短い毛を含むことを意味し、この種類の縮れは、なめらかなスタイルを実現しようとしているストレートヘアの人に特に顕著である。さらに、「縮れ」は、明確なウェーブまたはカールを形成するために他と整列しない波状またはカール状の毛を指すために使用される場合がある。
【0066】
本明細書で使用される場合、「流動性」なる用語は、非固体の実質的に流体であり、力の作用を受けたときに比較的安定した速度で形状を変化させる特性を有することを意味する。
【0067】
本明細書で使用される場合、毛髪に関して「乾燥が許容される(permitted to dry)」という用語は、毛髪に適用された揮発性成分を蒸発させて、普通の人が毛髪を触ると乾燥していると考える点まで蒸発させることを意味する。
【0068】
本明細書において使用される場合、「揮発性(volatile)」なる用語は、成分の少なくとも約60重量%が、約100分の時間内に約100kPa(1bar)の圧力にて約40℃の温度で蒸発することを意味する。
【0069】
本明細書において使用される場合、「向上した光沢」、「高められた光沢」、および光沢の増加に関する同様の用語は、未処理の毛髪が1つ以上の化合物で処理されて、写真画像分析技術を受けた場合、同じ化合物で処理されていない同一または類似の毛髪と比較して、光の反射の増加(例えば、光沢および艶の増加)を示すことを意味する。
【0070】
本明細書において使用される場合、「ジメチコン(dimethicone)」なる用語は、その末端にM個のシロキシド単位((CHSiO-)を含む任意に置換されたポリジメチルシロキサン(PDMS)を意味する。さらに、本明細書または特許請求の範囲において別段の指示がない限り、本明細書で使用される場合、「ジメチコン(dimethicone)」は、式[(CHSiO]を有するシクロメチコンを指すこともある。
【0071】
本明細書において使用される場合、「ジメチコノール」なる用語は、各末端にメチル基ではなくヒドロキシル基を有する任意に置換されたポリジメチルシロキサンを意味する。
特に明記しない限り、特許請求の範囲を含む本明細書に記載されている値(濃度、粘度など)のそれぞれ、およびすべての範囲は、エンドポイントだけではなく範囲全体を具体的に含むことを意図している。たとえば、0~10と記載されている範囲は、0~10までのすべての数字(例えば、1、2、3、4など)、0から10から有効数字三桁のすべての小数(例えば、1.5、2.3、4.57など)およびエンドポイントである0および10、並びにエンドポイントとしてこれらの番号を有する部分的な範囲(例えば、「3~5」、「2.3~7.1」のような部分的な範囲)を開示することが意図されている。同様に、特定の値の「最大」、「少なくとも」、「より大きい」(またはより小さい)として表現される範囲は、その値と、文脈に応じて、可能な最高値または可能な最低値(パーセンテージで表される場合は100%(または0%)、角度で表される場合は360または0など)との間に及ぶ値の範囲を意味する。このような部分的な範囲には、必要に応じて、指定された値と可能な最高(または最低)の値との間の二桁の有効数字に対するすべての整数および小数も含まれる。また、例えば「C~C炭化水素」などの化学置換基に関連する範囲は、C炭化水素およびC炭化水素ならびにC炭化水素、C炭化水素、およびC炭化水素を具体的に含めて開示することを意図している。
【0072】
本明細書に記載されているように、ポリシロキサンを本発明の組成物に使用してもよい。これらには、ジメチコンやジメチコノールなどの化合物が含まれ、これらはそのエンドキャップが異なり、
【0073】
【化2】
【0074】
nおよびmはそれぞれ1以上であり、R=CHの場合、構造はジメチコンであり、R=OHの場合、構造はジメチコノールである。粘度は鎖長の増加とともに増加し、粘度の好ましい範囲は約0.65cSt(0.65mm/s)から300万cSt(300万mm/s)超にわたる。
【0075】
特に明記しない限り、所定のジメチコンと同一または実質的に同一の構造を有するジメチコノールは、本発明の組成物中の所定のジメチコンの代わりに使用することができ、逆も同様である。
【0076】
ジメチコン、ジメチコノールおよびそれらの誘導体は、本明細書に開示される組成物において様々なまたは複数の機能を有し得る。
キャリア成分として、揮発性の低粘度のジメチコン、ジメチコノール、フェニルシリコーン、またはそれらの誘導体は、べたついた感じまたはワックスのような感じになることはなく、広がりやすさを与える。そのような化合物には、トリシロキサン、テトラシロキサンおよびペンタシロキサン(これらの直鎖、環状、フェニル誘導体を含む)が含まれるか、それらから選択され、低分子量ジメチコンが含まれていてもよく、(粘度によって識別される)1cSt(1mm/s)、1.5cSt(1.5mm/s)、2cSt(2mm/s)のような調製物に含まれ、およびジメチコン(5cSt)(5mm/s)およびジメチコン(6cSt)(6mm/s)のような不均一なシロキサン調製物の不純物として含まれる。これらは、単独で、または1つ以上の揮発性炭化水素またはアルコールと組み合わせて使用することができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態において、ジメチコン、ジメチコノール、およびフェニルシリコーンなどの不揮発性の高分子量ポリシロキサン、ならびにそれらの誘導体および混合物を、さらなる縮れ低減剤、毛髪光沢成分および美的改質剤として使用することができる。そのような成分は、例えば、6~5000cSt(6~5000mm/s)の間の粘度を有する「低粘度」(低分子量)シロキサン成分、例えば、5000~60,000cSt(5000~60,000mm/s)の粘度を有する「中粘度」(中分子量)シロキサン成分、および、例えば>60,000cSt(60,000mm/s)の粘度を有する「高粘度」(高分子量)シロキサン成分、に分けられてもよい。さらに、異なる分子量および/または構造のシロキサン成分を混合して、所望の粘度、および/または縮れ低減、毛髪の光沢、美的な望ましさ、および扱いやすさのバランスを有する組成物が達成され得る。さらに、いくつかのポリシロキサン誘導体は、脂肪酸含有部分、アルケニル含有部分などのような基を有するコポリマーまたはクロスポリマーを含み得る。
【0078】
本発明の組成物には、1つ以上の追加の成分を添加することができる。たとえば、そのような添加物には、限定されるものではないが;
・化粧品として承認されたシリコーン可溶性染料を含むがこれに限定されない着色剤;
・フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、鉱物油または天然油、安息香酸アルキルなどを含むが、これらに限定されない毛髪光沢成分(Hair shine ingredients)であって、油またはトリグリセリドが本発明の組成物に使用される場合、それらの濃度は十分に低く維持され(例えば、約10%未満または約5%未満または約2%未満または約1.5%未満)、毛髪がべたついり、毛髪を濡らしたりすることなく、輝きを追加する毛髪光沢成分;
・染色処理された毛髪のような毛髪を日焼け、変色、退色から保護するために、そして毛髪の染色を保つための、限定されるものではないが、TiOや酸化亜鉛などの日焼け止め成分;
・限定されるものではないが、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコンクロスポリマー、アルキルシリコーン、ステアロキシトリメチルシラン、エチレン-ジメチコンコポリマー、ポリエチルシロキサン、カプリリルメチコン、ラウリルメチコンおよびステアロキシメチコンを含むアルキルシリコーンなどを含む、美的改質剤、
が含まれる。
【0079】
美的改質剤には、増粘剤成分、防腐剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観調整剤または酸化防止成分が含まれる。そのような美的改質剤成分は、一般に、毛髪に適用したときに、例えば、活性成分の広がりを助ける、活性成分を希釈する、活性成分を安定化させる、および/または組成物の外観および感触を改善すること、により、機能性成分の送達をより許容可能にすることを助ける成分を含む。
【0080】
さらに、(限定されるものではないが)、エッセンシャルオイル、植物、香料、核酸、特殊な抽出物、タンパク質、アミノ酸、ビタミンなど、組成物を消費者にアピールするのに有効な他の成分も存在し得る。本明細書を考慮すると、本発明の低粘度の非エアロゾルスプレー製剤は、効果を損なうことなく噴射剤を使用してエアロゾルとして適用できることも当業者には明らかであろう。
【0081】
いくつかの実施形態において、無水の縮れ防止用濃縮物をベース(base)として使用し、その後、そのベースを、好ましくは1つ以上の乳化および安定化界面活性剤を、そして場合によっては塩を含有する水相と混合し、エマルジョンを形成して、シリコーン中水型エマルジョンまたは水中シリコーン型エマルジョンを容易に製造できる。エマルジョンは、相の完全な混合によって形成される通常のエマルジョンであってもよく、水の制御された添加によって水中油型エマルジョンに反転される油中水型エマルジョンとして形成されてもよく、または透明または半透明に見える安定したマイクロエマルジョンであってもよい。特定の場合、水またはグリコールなどの屈折率整合剤を使用して、相の屈折率を整合させることができる。
【0082】
他の(あまり好ましくない)実施形態において、本発明の含水組成物に使用される成分の1つ以上は、かかる成分(複数可)を含むシリコーン相および水相を含む分散剤またはエマルジョンで別々に提供されてもよい。2つ以上のそのような分散剤またはエマルジョンは、特定の状況下で組み合わせられて、さらに乳化して、シリコーン相「ベース」として上記した方法で無水組成物を使用して、水相にて混合することによって、作製されるものと同等のエマルジョンを作製することができる。
【0083】
特に、しかしそれだけではないが、濃縮物としてまたはエマルジョンの一部として使用される場合、本発明の組成物は、シリコーン適合性の不揮発性液体キャリア成分を含むことができる。
【0084】
したがって、特定の実施形態において、本発明は、シリコーン相を有する水中シリコーン型エマルジョンを含むことができ、同シリコーン相は、
a)少なくとも3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
を含む。
【0085】
本発明の、非排他的であるが好ましい例において、本発明の組成物は、「リーブイン」ヘアケア製品であり、これは日中にまたはその一時的な間に、毛髪に適用されて残されるものである。例えば、リーブイン縮れ防止用組成物は、毛髪をシャンプーした後に適用されて、毛髪上で乾燥させてもよい。他のリーブイン用途において、本発明の組成物は、エアロゾルまたは非エアロゾルのタッチアップ縮れ防止用製品として、日中に毛髪にスプレーされるか、または他の方法で適用することができる。
【0086】
以下の実施例は、本発明の特定の例示であり、それにより限定されるものではないことを理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図1A図1Aは、毛髪の房を80%の相対湿度および80°F(26.7℃)に6時間暴露した後、縮れ防止用組成物で処理した状態の、ジメチコンを含む水性エマルジョンで処理した毛髪の房の外観を示す。
図1B図1Bは、80%の相対湿度および80°F(26.7℃)に6時間暴露した後、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンを含む水性エマルジョンで処理した毛髪の房の外観を示す。
図1C図1Cは、80%の相対湿度および80°F(26.7℃)に6時間暴露した後、未処理の洗浄された毛髪の房の外観を示す。
【発明を実施するための形態】
【0088】
本発明は、毛髪の縮れを低減するための水含有の方法、組成物および使用に関する。
次に、本発明の好ましい特徴について説明する。
本発明の好ましい実施形態において、
a)少なくとも約3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)任意のシリコーン適合性の、揮発性または不揮発性液体のキャリア成分と、
c)水と、
を含む水含有縮れ防止用組成物が提供される。
【0089】
本発明の別の好ましい実施形態において、
a)少なくとも約3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)水と、
を含む水含有縮れ防止用組成物が提供される。
【0090】
多くの場合、ポリシロキサン流体成分は、キャリア流体に微細な液滴として分散されており、これは、ポリシロキサン流体成分を髪に均一に分配するのに役立つ。
成分a)は、適切にはアモジメチコン(「アミノ官能化ジメチコン」の略-アミノ官能化ジメチコンおよびジメチコノールのファミリー)であってもよく、その属にはトリメチルシリルアモジメチコン、またはアミノプロピルジメチコンが含まれ得る。以下の構造を参照されたい。
【0091】
【化3】
【0092】
式中、X+Yは約50~約500の間であり、RはC~Cアルキレン基である。そのような化合物は、ダウコーニング社によって、DOW CORNING(登録商標)X2-8200、DOW CORNING(登録商標)X2-8107、Q2-8220、X2-8123、X2-8124、X2-8120、軟化剤CSFおよびX2-8130のような名称にて販売されている。トリメチルシリルアモジメチコンにおいて、すぐ上の構造において、R=-(CH3-である。アミノプロピルジメチコンは、同じジメチルシロキサン骨格構造を有し、ペンダント基が-(CH-NHであり、ダウコーニング社からも入手可能である。好ましい実施形態において、トリメチルシリルアモジメチコンおよび/またはアミノプロピルジメチコンは、本発明の非縮れ用組成物において、後述するように、複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分と併せて、または複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の代わりに使用できる。
【0093】
したがって、成分a)は、複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分を適切に含むことができる。
このようなヒンダードアミン側鎖は、ポリシロキサン側鎖の少なくとも1つのSi原子から垂れ下がった一般式(式1)を有する。
【0094】
【化4】
【0095】
式中、Rは、H、OH、またはC~C炭化水素であり、XはC~C10炭化水素、ヘテロ原子、または
【0096】
【化5】
【0097】
であり、
Zはヘテロ原子であり、dは0~約6である。好ましくは、ZはN、O、SおよびPから選択される。好ましい実施形態において、Zは酸素であり、dは約3である。
【0098】
好ましくは、環状部分は5員環または6員環(例えば、ピロリジニル環またはピペリジニル環)であり、特に好ましくは、環状部分は6員環である。
側鎖の環状部分は、飽和、部分的に飽和、または不飽和であり得る。
【0099】
好ましくは、環状部分は飽和している。好ましい例において、側鎖は式2の構造を有する:
【0100】
【化6】
【0101】
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立してH、C~C10炭化水素、エステル、カルボキシルまたはハロゲンであり、XはC~C10炭化水素、ヘテロ原子、または
【0102】
【化7】
【0103】
であり、
Zはヘテロ原子であり、dは0~約6である。
いくつかの例において、XはC~C炭化水素またはN、O、Si、PおよびSから選択されるヘテロ原子のようなヘテロ原子であり、好ましくはOである。他の好ましい例において、Xは
【0104】
【化8】
【0105】
であり、Zはヘテロ原子であり、dは0~約6である。
好ましくは、dは1~4であり、最も好ましくは3である。
好ましくは、ZはN、O、SおよびPから選択され、最も好ましくはOである。
【0106】
いくつかの好ましい例において、RはHである。
いくつかの好ましい例において、R、R、RおよびRはそれぞれメチルである。
【0107】
いくつかの好ましい例において、R、R、RおよびRはそれぞれHである。
いくつかの好ましい例において、RはHであり、R、R、RおよびRはそれぞれメチルである。
【0108】
いくつかの好ましい例において、RはHであり、R、R、RおよびRはそれぞれメチルであり、Xは
【0109】
【化9】
【0110】
であり、Zはヘテロ原子、好ましくは酸素であり、dは0~約6、好ましくは1~4、好ましくは3である。
好ましい例において、R、R、R、R、およびRはHであり、R、R、R、およびRはメチルである。
【0111】
好ましい例において、R、R、R、R、およびRはHであり、R、R、R、およびRはメチルであり、Xは
【0112】
【化10】
【0113】
であり、Zはヘテロ原子、好ましくは酸素であり、dは0~約6、好ましくは1~4、好ましくは3である。
複数のヒンダードアミン側鎖を含む好ましいポリシロキサン成分は、アルコキシテトラメチルピペリジニルジメチコンであり、特に好ましくは、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン(「HNH」とも称される)である。HNHの構造を以下に示し、ここでmおよびnはそれぞれ1以上であり、好ましい調製物において、m+nは、2より大きい、または約5より大きい、または約10より大きい、または約20より大きい、または約30より大きい、または約40より大きい、または約50より大きい、または約40より大きい、または約50より大きい。好ましくは、m+nは、約700未満、または約600未満、または約500未満、または約50~約500の間である。
【0114】
【化11】
【0115】
好ましいアルコキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分を含むそのようなポリシロキサンヒンダードアミン化合物は、10cP~1,000,000cP(0.01Pa・s~1000Pa・s)、好ましくは100cP~100,000cP(0.1Pa・s~100Pa・s)のような粘度範囲を有する分子量範囲で調製または取得することができ、例えば、ある調製物は約200cP(0.2Pa・s)の粘度を有することができる一方で、別の調製物は約10,000cP(10Pa・s)の粘度を有し、さらに別の調製物は約30,000cP(30Pa・s)または90,000cP(90Pa・s)の粘度を有し得る。組成物を所望の最終粘度にするのを助けるために、異なる粘度を有するHNH調製物のブレンドを作ることができる。
【0116】
成分a)は、適切には、1つ以上のピペリジニル部分および/またはピロリジニル部分を含む複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分であり得る。いくつかの例において、成分a)は、少なくとも2つまたは複数の側鎖を含むポリシロキサン成分を含み、少なくとも1つの側鎖はピペリジニル部分を含み、別の側鎖は少なくとも1つのピロリジニル部分を含む。
【0117】
適切には、いくつかの例において、成分a)は、1つ以上のポリシロキサンヒンダードアミン化合物と1つ以上のアモジメチコンとの組み合わせを含み得る。
いくつかの例において、成分a)は、単一分子の一部としてアモジメチコン型側鎖と複数のヒンダードアミン側鎖との両方を含むポリシロキサン成分を含み得る。
【0118】
本発明の好ましい組成物は、少なくとも3重量%、または少なくとも約3.1重量%、または少なくとも約3.2重量%、または少なくとも約3.3重量%、または少なくとも約3.4重量%、好ましくは、少なくとも約3.5重量%、または少なくとも約3.6重量%、または少なくとも約3.7重量%、または少なくとも約3.8重量%、または少なくとも約3.9重量%、または少なくとも約4.0重量%、または少なくとも約4.1重量%、または少なくとも約4.2重量%、または少なくとも約4.3重量%、または少なくとも約4.4重量%;好ましくは、少なくとも約4.5重量%、または少なくとも約4.6重量%、または少なくとも約4.7重量%、または少なくとも約4.8重量%、または少なくとも約4.9重量%、または少なくとも約5.0重量%のポリシロキサン流体成分a)を含む。好ましくは、組成物は、最大約25重量%、または最大約20重量%、または最大約18重量%、または最大約15重量%のポリシロキサン流体成分a)を含む。
【0119】
成分b)は、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分である。成分b)は任意であるが、毛髪上のポリシロキサン流体成分a)の広がりやすさを促進するために好ましい場合がある。成分b)は、低分子量の揮発性シロキシ成分、揮発性炭化水素、および揮発性アルコールから独立して選択される1つ以上の成分を含み得る。
【0120】
成分b)は、成分a)および本明細書に記載の他の成分を含む本明細書に記載される縮れ防止用組成物の不揮発性成分のための揮発性または不揮発性液体キャリアを提供する。
いくつかの実施形態において、成分b)は、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、およびこれらの成分の2つ以上の混合物、から選択される揮発性シロキシ成分を含むシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を含み得る。通常、揮発性シロキシ成分の粘度は6cSt(6mm/s)未満であり、たとえば、0.65cSt(0.65mm/s)~3cSt(3mm/s)の間、1cSt(1mm/s)~3cSt(3mm/s)などである。一般に、これらの粘度範囲内のシロキシ成分の市販の調製物は、シロキシ成分の記載された粘度を中心とする低粘度成分および高粘度成分の分配を含む。0.65cSt(0.65mm/s)~2cSt(2mm/s)のシロキシ成分は揮発性であり、3cSt(3mm/s)のシロキシ成分調製物は、部分的に揮発性であり得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、成分b)は、イソドデカンなどの揮発性炭化水素を含むシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を含み得る。
いくつかの実施形態において、成分b)は、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物などの揮発性アルコールを含むシリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分を含み得る。
【0122】
いくつかの例において、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分b)は、シロキシ成分と炭化水素成分、シロキシ成分とアルコール成分、アルコール成分と炭化水素成分、または、シロキシ成分、アルコール成分および炭化水素成分、とを含み得る。
【0123】
したがって、本発明の好ましい一実施形態において、
a)少なくとも約3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)任意に、低分子量の揮発性シロキシ成分、炭化水素、およびアルコールから選択されるシリコーン適合性の揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)水と、
を含む、含水縮れ防止用組成物が提供される。
【0124】
好ましくは、ポリシロキサン流体成分は、少なくとも3重量%、または少なくとも約3.1重量%、または少なくとも約3.2重量%、または少なくとも約3.3重量%、または少なくとも約3.4重量%、好ましくは、少なくとも約3.5重量%、または少なくとも約3.6重量%、または少なくとも約3.7重量%、または少なくとも約3.8重量%、または少なくとも約3.9重量%、または少なくとも約4.0重量%、または少なくとも約4.1重量%、または少なくとも約4.2重量%、または少なくとも約4.3重量%、または少なくとも約4.4重量%;好ましくは、少なくとも約4.5重量%、または少なくとも約4.6重量%、または少なくとも約4.7重量%、または少なくとも約4.8重量%、または少なくとも約4.9重量%、または少なくとも約5.0重量%、または少なくとも約10重量%の量にて存在している。いくつかの実施形態において、ポリシロキサン流体成分は、最大約15重量%、または約18重量%、または約20重量%までの量で存在する。
【0125】
任意のシリコーン適合性揮発性液体キャリア成分は、好ましくは、約22重量%~約97.5重量%の量で存在する。
場合により、アルキルシロキシシリケート成分は、0重量%~約15重量%の間の濃度で存在する。
【0126】
場合により、特に(排他的ではないが)セラムについては、60,000cP(60Pa・s)を超える粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約3重量%~約15重量%の量で存在する。特定の場合において、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0127】
場合により、特に(ただし排他的ではないが)低粘度の縮れ防止用セラム、スプリッツまたはスプレーブレンドの場合、約5cSt(5mm/s)~約1000cP(1Pa・s)の間の粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約0.1重量%~約20重量%の量にて存在している。特定の場合、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0128】
本発明の別の好ましい実施形態において、
a)少なくとも約3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)任意で、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、イソドデカン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの成分の2つ以上の混合物、から選択されるシリコーン適合性、揮発性または不揮発性液体キャリア成分と、
c)水と、
を含む含水縮れ防止用組成物が提供される。
【0129】
好ましくは、ポリシロキサン流体成分は、少なくとも3重量%、または少なくとも約3.1重量%、または少なくとも約3.2重量%、または少なくとも約3.3重量%、または少なくとも約3.4重量%、好ましくは、少なくとも約3.5重量%、または少なくとも約3.6重量%、または少なくとも約3.7重量%、または少なくとも約3.8重量%、または少なくとも約3.9重量%、または少なくとも約4.0重量%、または少なくとも約4.1重量%、または少なくとも約4.2重量%、または少なくとも約4.3重量%、または少なくとも約4.4重量%;好ましくは、少なくとも約4.5重量%、または少なくとも約4.6重量%、または少なくとも約4.7重量%、または少なくとも約4.8重量%、または少なくとも約4.9重量%、または少なくとも約5.0重量%、または少なくとも約10重量%の量にて存在している。いくつかの実施形態において、ポリシロキサン流体成分は、最大約15重量%、または約18重量%、または約20重量%までの量で存在している。
【0130】
シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分は、好ましくは約0.5重量%~約97.5重量%の量で存在している。
場合によっては、アルキルシロキシシリケート成分は、0重量%より多く、約15重量%までの濃度で存在している。
【0131】
場合によっては、特に(排他的ではないが)セラムについては、60,000cP(60Pa・s)を超える粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約3重量%~約15重量%の量で存在している。特定の場合において、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0132】
場合によっては、特に(ただし排他的ではないが)低粘度の縮れ防止用セラム、スプリッツまたはスプレーブレンドの場合、約5cSt(5mm/s)~約1000cP(1Pa・s)の間の粘度を有する不揮発性のジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約0.1重量%~約20重量%の量にて存在している。特定の場合、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0133】
存在する場合、任意のアルキルシロキシシリケート成分は、トリメチルシロキシシリケート成分、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート成分またはそれらの混合物を含むことが好ましい場合がある。最も好ましくは、アルキルシロキシシリケート成分は、トリメチルシロキシシリケート成分を含む。
【0134】
好ましい例において、アルキルシロキシシリケート成分は、MQ樹脂として知られているトリメチルシロキシシリケートベースのQ樹脂シリコーンポリマーを含む。トリメチルシロキシシリケートの基本構造は(CH-Si-O-Si-(OH)であり、(CH-Si-Oユニットは「M」ユニットとして知られており、SiOは「Q」ユニットとして知られている。MQ樹脂は、MユニットとQユニットから構築され、水に不溶性の分岐したケージ様のオリゴシロキサン構造を形成する。そのような樹脂は当業者に知られており、ダウコーニング社から入手可能であり、DOW CORNING(登録商標)MQ-1600およびDOW CORNING(登録商標)MQ-1640などの商品名で販売されている。
【0135】
したがって、本発明の好ましい一実施形態において、
a)少なくとも約3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)任意選択的に、シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分と、
c)トリメチルシロキシシリケートベースの樹脂シリコーンポリマーと、
d)水と、
を含む含水縮れ防止用組成物が提供される。
【0136】
好ましくは、ポリシロキサン流体成分は、少なくとも3重量%、または少なくとも約3.1重量%、または少なくとも約3.2重量%、または少なくとも約3.3重量%、または少なくとも約3.4重量%、好ましくは、少なくとも約3.5重量%、または少なくとも約3.6重量%、または少なくとも約3.7重量%、または少なくとも約3.8重量%、または少なくとも約3.9重量%、または少なくとも約4.0重量%、または少なくとも約4.1重量%、または少なくとも約4.2重量%、または少なくとも約4.3重量%、または少なくとも約4.4重量%;好ましくは、少なくとも約4.5重量%、または少なくとも約4.6重量%、または少なくとも約4.7重量%、または少なくとも約4.8重量%、または少なくとも約4.9重量%、または少なくとも約5.0重量%、または少なくとも約10重量%の量にて存在している。いくつかの実施形態において、ポリシロキサン流体成分は、最大約15重量%、または約18重量%、または約20重量%までの量で存在している。
【0137】
シリコーン適合性の揮発性液体キャリア成分は、好ましくは約0.5重量%~約97.5重量%の量で存在している。
アルキルシロキシシリケート成分は、好ましくは0重量%より大きく、約15重量%までの濃度で存在している。
【0138】
特に(排他的ではないが)、60,000cP(60Pa・s)を超える粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約3重量%~約15重量%の量で存在している。特定の場合において、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0139】
特に(ただし排他的ではないが)低粘度の縮れ防止用スプリッツ・スプレー・ブレンドについて、約5cSt(5mm/s)~約1000cP(1Pa・s)の粘度を有する不揮発性ジメチコンおよび/またはジメチコノール成分が約0.1重量%~約20重量%の量にて存在していてもよい。特定の場合、ジメチコンまたはジメチコノール成分は、コポリマーまたはクロスポリマーに含まれていてもよい。
【0140】
したがって、いくつかの好ましい実施形態において、本発明は、
a)少なくとも3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分と、
b)シリコーン適合性液体キャリア成分と、
c)トリメチルシロキシシリケートベースの樹脂シリコーンポリマーと、
d)ジメチコン、ジメチコノールおよびフェニルシリコーンの1つ以上から選択される不揮発性成分と、
e)水と、
を含む含水縮れ防止用組成物を提供する。
【0141】
不揮発性成分d)は、単一の成分または成分の混合物を含んでいてもよく、約6cSt(6mm/s)~数百万cSt(数百万mm/s)の範囲の粘度を有していてもよい。
【0142】
不揮発性成分d)は、例えば6~5000cSt(6~5000mm/s)の間の粘度を有する低粘度(低分子量)と、例えば5000~60,000cSt(5000~60,000mm/s)の間の粘度を有する中粘度(中分子量)、例えば>60,000cSt(60,000mm/s)の粘度を有する高粘度(高分子量)として典型的に称されるジメチコン、ジメチコノールおよびフェニルシリコーン成分の1つ以上を含み得る。不揮発性成分は、クロスポリマーまたはコポリマーの一部として存在し得る。
【0143】
成分d)が高粘度のジメチコン、ジメチコノールおよびフェニルシリコーン成分の1つ以上を含む実施形態において、粘度は60,000cSt(60,000mm/s)~数百万cSt(数百万mm/s)の間であり得る。いくつかの実施形態において、粘度は60,000cSt(60,000mm/s)~4,000,000cSt(4,000,000mm/s)の間であり得る。いくつかの実施形態において、例えば、ジメチコンガムまたはジメチコノールガムなどの高分子量ガムを使用する場合、粘度は60,000cSt(60,000mm/s)~35,000,000cSt(35,000,000mm/s)の間であってもよい。
【0144】
成分d)が1つ以上のフェニルシリコーンを含む実施形態において、フェニルシリコーンは、フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを含み得る。
【0145】
いくつかの実施形態において、成分b)は、成分a)、任意の成分c)、および/または任意の成分d)を含む不揮発性縮れ防止用成分のための液体キャリアを提供する。
したがって、本発明のいくつかの実施形態において、ヘキサメチルシロキサン、ジシロキサンおよび/またはトリシロキサンのような低分子量の揮発性ジメチコン成分は、不揮発性縮れ防止用成分(不揮発性ポリシロキサンおよび/またはトリメチルシロキシシリケートおよびプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンなどのヒンダードアミンシロキサン)のための揮発性キャリアに含まれ得る。
【0146】
高粘度ポリシロキサン成分は、適用の制御、美的な適用のために縮れ防止用セラムを濃縮し(thickens)、さらに、それが毛髪繊維上にフィルムまたはコーティングを形成するようにする。シリコーン適合性の非水性揮発性キャリアを配合すると、ポリシロキサン成分がスムーズに塗布され、キャリアが蒸発した後に、優れた毛髪の感触が得られる。
【0147】
より高濃度にて組成物に配合すると、特にトリメチルシロキシシリケートと組み合わせた場合、高粘度ポリシロキサン成分は予想外にもカール明確性の向上に役立ち、1.5グラムの房を組成物で処理し、80°F(26.7℃)および80%の相対湿度にて6時間評価した場合、高湿度条件下でカールメモリも保持される。
【0148】
理論に制限されることを望むものではないが、適用時に毛幹の皮質から水を除去すること、および/または水が毛髪に取り込まれることを防ぐこと、そしてまた、毛髪の繊維間の摩擦を低減することにより、毛幹が互いに整列し、カール明確性が増大することになり、より大きなカール明確性およびカールメモリが達成されると考えられる。
【0149】
縮れ防止用セラム、スプリッツまたはスプレーの粘度を意図される用途に対する所望の粘度内に維持するために、約6cSt(6mm/s)~60,000cSt(60,000mm/s)の粘度のような低粘度および中粘度のジメチコンは、高分子量のシロキサン(例えば、ジメチコンまたはジメチコノール)の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されてもよく;セラムはシャンプーおよび/またはコンディショニング後にリーブイン剤として一般的に使用される一方で、スプレーおよび「スプリッツ」は一般的に日中のタッチアップとして使用される。
【0150】
フェニルメチコン、フェニルメチコノール、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、およびジフェニルシロキシフェニルトリメチコンなどのフェニルシリコーンは、例えば、低粘度の用途において、高粘度、中粘度、または低粘度のジメチコン、ジメチコノール、揮発性炭化水素および/またはアルコールの代わりに、あるいはそれらと組み合わせて使用されてもよい。上記のシロキサンと同様に、これらの材料は、毛髪への組成物の適用の容易さ(「広がりやすさ」)を改善し、毛髪の光沢を改善することができる。
【0151】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上の追加の成分を任意選択で含有してもよい。例えば、追加の成分は、以下からなる群から選択される1つ以上の成分を含み得る:
・着色剤成分(化粧品として承認されたシリコーン可溶性染料など)、
・毛髪光沢成分(フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、鉱油または天然油、および安息香酸アルキルから選択される1つ以上の成分)、
・日焼け止め成分(酸化チタン、酸化亜鉛など)、
・美的改質剤成分(例えば、増粘剤成分、防腐剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観調整剤および/または酸化防止剤成分)(そのような薬剤は、以下の中分子量~高分子量シリコーン成分の1つ以上を含んでいてもよい:ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコンクロスポリマー、アルキルシリコーン、ステアロキシトリメチルシラン、エチレン-ジメチコンコポリマー、ポリエチルシロキサン、カプリリルメチコン、ラウリルメチコンおよびステアロキシメチコンを含むアルキルシリコーン)、
・エッセンシャルオイル成分、
・植物成分、
・香り成分、
・核酸成分、
・特殊な抽出物成分、および
・ビタミン。
【0152】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物は、人工的に染色または着色されていない毛髪に使用されてもよい。
他の実施形態において、開示された方法および組成物は、例えば毛髪の色を保持するために、人工的に染色または着色された毛髪に使用されてもよい。
【0153】
現在あまり好ましくないいくつかの例において、本発明の組成物は、洗浄成分と組み合わせてポリシロキサン成分を含むことができる(例えば、「コンディショニングシャンプー」製剤の成分として)一方で、他のより好ましい例において、本発明の組成物はシャンプー製剤に配合されず、または毛髪または皮膚を洗浄するために使用されず、さらにより好ましくは、洗浄性成分を欠いている。「洗浄成分」とは、通常の石鹸またはシャンプーとして使用される場合、皮膚または毛髪から汚れまたは油を取り除くのに有効な界面活性剤濃度を含む組成物を意味する。
【0154】
いくつかの例において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同じ温度および湿度条件下で未処理であるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを低減させることができる。
【0155】
毛髪の縮れにおける低減を測定するための好ましい方法は、実施例で定義されている高湿度縮れ抑制試験法である。本願において、同一の温度および湿度条件下、好ましくは80°F(26.7℃)の温度および80%の湿度にて、未処理の縮れた毛髪と比較して、この試験を使用して毛髪の縮れの低減が適切に測定される。
【0156】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも70%低減させ得る。
【0157】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも75%低減させ得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも80%低減させ得る。
【0159】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも85%低減させ得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも90%低減させ得る。
【0161】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、80°F(26.7℃)および80%の湿度にて、同一の温度および湿度条件下での未処理ではあるがその他は同一である縮れた毛髪と比較して、毛髪の縮れを少なくとも95%低減させ得る。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態において、毛髪の縮れを低減または防止するための方法が提供され、同方法は、
I)本明細書に記載の組成物を髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含む。
【0163】
本発明の別の実施形態において、本明細書に記載の組成物を使用して、毛髪の縮れを低減することが提供される。
好ましい実施形態において、本発明は、毛髪の縮れを低減または防止する方法を提供し、同方法は、
I)本明細書に記載の組成物を髪に適用するステップと、
II)前記組成物を複数の毛幹に沿って分配するステップと、
を含み、毛髪の縮れの低減は、同じ温度および湿度条件下で未処理の縮れた毛髪と比較して測定される。
【0164】
好ましい実施形態において、本発明は、毛髪の縮れを低減するための本明細書に記載の組成物の使用を提供し、毛髪の縮れの低減は、同じ温度および湿度条件下で未処理の縮れた毛髪と比較して測定される。
【0165】
以下に提供されるさらなる実施例は、本発明の様々な実施形態を例示することを意図しており、請求項の範囲を限定することを意図していない。したがって、本発明の範囲を定義するのは、その同等物を含む請求項のみである。
【0166】
一例において、本発明は、リーブイン縮れ防止カチオン性水中油型エマルジョンに関し、同エマルジョンは、
a)少なくとも3.0重量%のポリシロキサン流体成分であって、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択されるポリシロキサン流体成分を含む第1成分と、
i)脂肪族アルコール、ii)脂肪族の四級塩(fatty quaternium salt)、およびiii)脂肪族アミン、の1つ以上を含む第2の成分と、
を含む。
【0167】
適切な脂肪族第四級アンモニウム塩には、限定されるものではないが、塩化セトリモニウム、塩化ステラルコニム、塩化ベヘントリモニウム(塩化ドコシルトリメチルアンモニウムとしても知られる)、メト硫酸ベヘントリモニウム、塩化ジセチルジモニウム(塩化ジセチルジメチルアンモニウムとしても知られる)、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウム、塩化リシノールアミドプロピルトリモニム、リシノールアミドプロピルトリモニムエトサルフェート、リシノールアミドプロピルトリモニムメトサルフェート、サフラワーアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(saffloweramidopropyl ethyldimonium ethosulfate)、四級化ステアラミドプロピルアミンなど、およびそれらの混合物が含まれる。
【0168】
脂肪族アルコールは、カチオン性水中油型エマルジョンの油相で一般的に使用される。それらは、脂肪族四級塩とともに、コーミングの向上と絹のような毛髪の感触を提供し、エマルジョンの粘度にも貢献する。適切な脂肪族アルコールには、限定されるものではないが、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびそれらの混合物が含まれる。
【0169】
脂肪族アルコールとポリエチレングリコールとのエステル化生成物(例えば、Laureth、Trideceth、Parethの「PEG化」製品など)のような脂肪族アルコール誘導体は、多くの場合、油中水型または水中油型エマルジョンにおいて、乳化剤、可溶化剤および非イオン性界面活性剤として、使用され得る。
【0170】
場合によっては、水溶性増粘剤を使用してエマルジョンの粘度を制御し、許容できる粘度を提供するとともにエマルジョンの安定性を高めることができる。適切な水溶性増粘剤には、セルロース系増粘剤、グアーガム、カッシアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アカシアセネガルガム、カエサルピナスピノサガム、シリカ、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの粘土、アクリルアミドプロピルトリモニウムの塩化物/アクリレートコポリマー、誘導体化および非誘導体化カルボマー、四級化粘土などの有機改質粘土など、およびそれらの混合物、が含まれる。一例において、本発明は、水、脂肪族四級化塩、脂肪族アルコール、エトキシ化脂肪族アルコール、フェニル変性シリコーン、アルコール、揮発性シリコーンおよび/または揮発性炭化水素を含むキャリア;約1cSt(センチストーク)(1mm/s)~約5000cSt(5000mm/s)の間の粘度を有するジメチコン;トリメチルシロキシシリケートなどのアルキルシロキシシリケート;およびプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分(好ましくは約200cSt(200mm/s)~約100,000cSt(100,000mm/s)の粘度を有するもの)、を含む、水含有カチオン性エマルジョンに関する。そのようなエマルジョンは、リーブイン縮れ防止用コンディショナーまたはコーミングクリームとしての使用に適している。
【0171】
この例において、本発明は、高湿度によって引き起こされる毛髪の縮れの70%、または75%、または80%超の低減を提供する水含有カチオン性エマルジョンに関し、前記組成物は、3重量%超、または約3.1重量%超、または約3.2重量%超、または約3.3重量%超、または約3.4重量%超、または約3.5重量%超、または4重量%超、または約5重量%超、または約10重量%超、または約15重量%超のプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン成分からなる群より選択される縮れ防止成分を含有するエマルジョンを含む。一般的に、ただし常にではないが、縮れ防止成分(例えば、複数のヒンダードアミン側鎖を含むアモジメチコンまたはポリシロキサン成分)の濃度範囲の上限は、約20重量%、または約18重量%、または約15重量%、または約12重量%、または約10重量%、または約8重量%である。
【0172】
さらなる実施例が以下に開示される。そのような開示に照らして、当業者は、特許請求の範囲内の多数のさらなる実施例を直ちに認識するであろう。
【実施例
【0173】
以下に示すすべての実施例において、特に明記しない限り、様々な製剤成分の量は重量パーセントで示されている。
高湿度縮れ抑制試験法(High Humidity Frizz Control Test Method)
約1.5グラム(毛髪の重量)の巻き毛(ブラジル人)[国際髪輸入業者;8729Myrtle Ave;Glendale New York 11385]は、10重量%のSLES-2(平均2モルのエチレンオキシドを有するラウリルエトキシ硫酸ナトリウム)水溶液で2回予備洗浄した。湿った毛髪の房は、80°F(26.7℃)/80%相対湿度(RH)に設定された温度/湿度チャンバー内に一晩吊り下げた。
【0174】
次に、房をチャンバーから取り外し、コード化し、高解像度カメラで写真を撮影した。写真は、カール、縮れ毛、アフリカ人の髪質の光学特性の数値解析、および2次元フーリエ変換による毛髪繊維アライメントの測定を可能にする画像解析ソフトウェアを使用した最初の縮れ値解析のベースラインとして使用した。[Image-Pro Plus(登録商標)、バージョン7.0;Media Cybernetics社、4340 East-West Highway、Suite 400、Bethesda、MD 20814]。
【0175】
写真を撮影後、毛髪の房を流水で10秒間、予備湿潤させ(pre-wet)、タオルで乾かした。各試験製剤の50μlを、根端から下に手動にて房に適用した。試験製剤は、毛髪に沿って可能な限り均等に分配した。
【0176】
試験製剤の適用後、房を80°F(26.7℃)/80%RHに設定された湿度チャンバーに6時間吊り下げた。
処理後の毛髪の写真を撮影した。処理前と処理後の写真を、Image Pro Plus(登録商標)ソフトウェアと組み合わせて使用した。写真を使用してこれらの画像を比較し、縮れ低減率(%)の数値を得るために、未処理の加湿された房の縮れ値に対する、処理した房(縮れの保護)の縮れ値の低減を分析した。
【0177】
実施例A
いくつかの市販の縮れ防止用製品の製剤を購入し、縮れの抑制について評価し、以下の表Aに示した。
【0178】
【表1】
【0179】
製剤Aには、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、ココナッツ油の精製した、フラクション化した誘導体が含有されている。製剤BおよびCには鉱油が含まれている。すでに述べたように、油には実用の面および美的な面において欠点が存在する。それらは、布地(衣類、シーツ、枕カバーなど)を汚す傾向があり、重い感触を有し、望ましくない滑らかな「濡れた」外観を毛髪に残す場合がある。製剤Eのみが水ベースであり、縮れ防止用製剤として販売されているこの製剤は、実際に17%の活性を超えて縮れの低減を示すことはできない。
【0180】
実施例1
以下のように2つのエマルジョン製剤を作成した。
【0181】
【表2】
【0182】
Laureth-4およびLaureth-23は、ラウリルアルコールおよびPEG(ポリエチレングリコール)からなる合成ポリマーであり、それらは、モル当たりのエチレンオキシドの数が相違している。
【0183】
これらの製剤のそれぞれから、試験用の縮れ防止製剤を次のように作成した。
【0184】
【表3】
【0185】
ブラジル人由来の実質的に同一の3つの縮れた毛髪の房を、上述の高湿度縮れ抑制試験法の記載に従って洗浄し、その後、製剤試験1(5wt%ジメチコンを含む)および製剤試験2(5wt%プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンを含む)を適用し、毛髪が濡れている間にこれらの毛髪の房のうちの2本のそれぞれに分配し、3番目の房は未処理のままとした。3つの房を、80°F(26.7℃)/80%相対湿度(RH)に設定された温度/湿度チャンバー内で一晩吊り下げ、房を評価してから、未処理の対照房(図1C)と比較した縮れ率(%)の低減について高湿度縮れ抑制試験法の説明に記載されているように評価した。試験1製剤でのジメチコンの使用は、処理された房において66%の縮れ低減のみを提供した(図1A)一方で、試験2製剤でのプロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンの使用は、処理された房において80%の縮れ低減を与えた(図1B)。
【0186】
実施例2
プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンを含有する2つの試験製剤(試験製剤Aおよび試験製剤B)を以下のように作成した。
【0187】
【表4】
【0188】
これらの試験製剤を縮れた毛髪に適用し、得られた房に高湿度縮れ抑制試験法を行い、次いで縮れの低減を実施例1に記載されているように決定した。
【0189】
【表5】
【0190】
HNH-HVエマルジョンは、Laureth-4およびLaureth-23で乳化した水中の50%プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンからなる。
**Microsil(登録商標)HAFは、水中の20%プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコンと、Trideceth-6およびC11-15 Pareth-7とのマイクロエマルジョンからなる。
【0191】
実施例3
カチオン性水中油製剤は、以下の表4に示すように作成した。成分は重量パーセントで示されており、特に明記しない限り、本特許出願に記載されているすべての濃度パーセントは重量パーセントである。一般的に言えば、カチオン性水中油型エマルジョンは、水、カチオン性脂肪族クオタニウム(quaternium)乳化剤、および油相を含んでいる。カチオン性水中油型エマルジョンは、以下のプロセスで形成される:
1)引き続く油相の追加を可能にするのに適した容器に水を添加する。処方の親水性成分を一緒に水に添加して、均一になるまで混合する。すべての親水性成分を可溶化する必要がある場合、水相は、カチオン性乳化剤または組成物の最も高い融点を有する材料の融点よりわずかに高い温度に加熱する。
【0192】
2)カチオン性乳化剤、疎水性成分、およびアミン官能性シリコーン縮れ抑制成分を水に加える一方で、最も高い融点を有する成分の融点よりわずかに高い温度を維持する。アミン官能性シリコーン縮れ抑制成分は、その使用目的に基づいて粘度を有し、たとえば、最終製品がローションの場合、粘度は約3000cP(3Pa・s)であり、最終製品がクリームの場合、粘度は約10,000cP(10Pa・s)であり、最終製品がペーストの場合、粘度は約20,000cP(20Pa・s)以上であり得る。
【0193】
3)追加の成分の温度許容値に基づいて、混合物を適切な温度の室温まで冷却し、香料、防腐剤、または高温で分解する材料を含む揮発性成分のようないくつかの成分は、冷却後に追加されるか、または追加されるべきである。
【0194】
4)次に、最終製品のpHを、適切なまたは望ましいpH(通常3.5~5.5)に調整する。
【0195】
【表6】
【0196】
製剤1~製剤7のそれぞれは、高湿度縮れ抑制試験法を使用して評価される房に適用された場合、未処理の対照と比較して70%より大きい縮れ低減活性を有することが明らかとなった。
【0197】
別の試験では、製剤1~製剤6のそれぞれをコーミングすることにより処理した毛髪は、未処理の房と比較して、少なくとも70%の縮れの低減が明らかとなった。
実施例4
表5は、製剤1~製剤7のコーミングクリームと比較して噴霧に適した低粘度を有する、リーブインカチオン性エマルジョンスプレーとして製剤化された一組の縮れ防止用組成物を示す。この粘度の減少は、脂肪成分の使用を減らすことによって達成される。このような組成物は、ポンプ式の非エアロゾルスプレーアプリケーターでの使用に適しているのみならず、噴射剤の使用によるエアロゾルとしても適している。一般に、そのようなスプレーの製造方法は、他の点では製剤1~製剤7の組成物の製造方法と同様である。
【0198】
【表7】
【0199】
毛髪を軽くスプレーし、製剤8~製剤12のいずれかでコーミングすると、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減を示した。
実施例5
表6は、リーブインの、非エアロゾル縮れ防止用ヘアスタイリングムース製剤の例を示す。各製剤は、成分を所定の順序で組み合わせて混合することにより製造される:
【0200】
【表8】
【0201】
コカミドプロピルベタインは、界面活性剤および発泡剤として使用される第四級アンモニウム脂肪族カルボン酸塩である。
Trideth-6は、トリデシルアルコールのポリエチレングリコール(PEG)エーテルであり、分子内に6ユニットのエチレンオキシドを有する。
【0202】
C11-15 Pareth-7は、合成C11-15脂肪族アルコールと平均7モルのエチレンオキシドとの混合物のポリエチレングリコールエーテルである。
処理された毛髪を、製剤13~製剤15のうちの1つでコーミングし、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減が示された。
【0203】
実施例6
以下のリーブイン、縮れ防止用ヘアスタイリングムース製剤は、エアロゾル用の濃縮物として使用するためのものである。成分は、表7に示す順序で追加および混合した。
【0204】
【表9】
【0205】
ポリクオタニウム-11(Polyquaternium-11)は、硫酸ジエチルと、ビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマーと、の反応により形成される4級アンモニウムポリマーである。
【0206】
**アクリル酸アンモニウムコポリマーは、2-プロペン酸または1つ以上のそれらの単純なエステルとコンジュゲートした2-メチル-2-プロペン酸ポリマーのアンモニウム塩である。それは、帯電防止剤、皮膜形成剤および粘度調整製品である。
【0207】
処理された毛髪は、製剤16~製剤18のうちの1つでコーミングされ、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減が示された。
非イオン性水中油型エマルジョン
本発明の水中油型エマルジョンは、必ずしもカチオン性エマルジョンである必要はない。非イオン性水中油型エマルジョンも、本発明の製剤の送達ビヒクルまたはキャリアとして使用することができる。これらの非イオン性エマルジョンの利点は、高粘度のアミノ官能性シリコーンが毛髪と直接接触し、毛髪に良好な膜を形成して、より高いレベルの縮れの抑制を提供することである。
【0208】
大まかに言えば、本発明の非イオン性水中油型エマルジョンは、水、非イオン性シリコーン乳化剤およびシリコーン相、ならびに任意の添加成分を含む。
一般的なスキームでは、非イオン性の水中油型エマルジョンは、以下に示すように形成され得る。
【0209】
1)相A:疎水性成分を、水相成分を後から追加するのに十分な大きさの適切な容器に添加する。疎水性成分は、固体成分を融解する必要がある場合、最も高い融解温度を有する成分の融解温度よりわずかに高い温度に加熱し、混合する。
【0210】
2)相B:別の容器で、水と任意の他の親水性成分とを合わせて均一になるまで混合する。
3)約10%(wt)の相Bを添加し、相Aの疎水性成分と混合して、均一で濃厚な油中水ペーストを形成する。
【0211】
4)次いで、残りの水性親水相を、適切に混合しながら油中水型エマルジョンにゆっくりと添加して、エマルジョンを油中水型エマルジョンから非イオン性の水中油型エマルジョンに反転させる。
【0212】
適切な非イオン性乳化剤には、限定されるものではないが、エトキシ化脂肪族アルコール、第二級アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレン界面活性剤、カルボン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、アンヒドロソルビトールエステルおよび誘導体、脂肪酸のグリコールエステル、カルボン酸アミド、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が含まれる。
【0213】
脂肪族アルコールは、非イオン性の水中油型エマルジョンの油相で一般的に使用されている。それらはコーミングと髪の感触を向上させ、エマルジョンの粘度にも貢献する。適切な脂肪族アルコールには、限定されるものではないが、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ビフェニルアルコール、それらの非イオン性誘導体(例えば、脂肪アルコールがポリエチレングリコールなどの非極性ポリマー基にコンジュゲートしているもの)およびこれらの任意の2つ以上の混合物が含まれる。
【0214】
場合によっては、水溶性増粘剤を使用してエマルションの粘度を調整し、許容可能な粘度を提供し、エマルジョンの安定性を高めることができる。通常、これらの成分は水相に添加されるが、一部の製剤では、油相に添加し、水相の添加時に水和する方が適切な場合がある。適切な水溶性増粘剤には、セルロース系増粘剤、グアーガム、カッシアガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アカシアセネガルガム、カエサルピナスピノサガム、粘土および有機改質粘土、カルボマー、アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド/ポリアクリレートクロスポリマー-6、ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、アクリルアミド/アクリル酸アンモニウムコポリマー、ポリアクリレート-13、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウレート/ジメチルアクリルアミドクロスポリマー、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸/シメチルアクリルアミドクロスポリマー等が含まれる。
【0215】
本発明の組成物のいずれかに、1つ以上のさらなる成分を添加してもよい。例えば、そのような添加剤は、制限なく、以下の1つ以上を含み得る:
デタングリング補助剤(Detangling aids)であって:
・限定されるものではないが、ポリクオタニウム、カチオン性グアー、カチオン性カッシア、カチオン性澱粉など、およびそれらの混合物を含む非脂肪族第四級アンモニウムコンディショニングおよびデタングリング剤;
・油および炭化水素であって、限定されるものではないが、石油由来の油(鉱油など)、イソヘキサデカン、イソドデカン、合成油、天然および合成油ならびにそれらの誘導体、アボカド油、ココナッツ油、オリーブ油、ベニバナ油、グレープシード油、ヒマシ油、パーム核油、ラノリンなど、およびそれらの混合物を含む、油および炭化水素;
・脂肪酸エステルであって、限定されるものではないが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ステアリン酸イソセチル、セチルエステル、パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリル、C12-15安息香酸アルコールなど、およびそれらの混合物を含む脂肪酸エステル;
・有機置換シリコーンポリマーであって、限定されるものではないが、アルキル官能性シロキサン、グリコール官能性シロキサン、フェニル官能性シロキサン、ビニルシリコーン、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコンクロスポリマー、アルキルシリコーン、ステアロキシトリメチルシラン、エチレン-ジメチコンコポリマー、ポリエチルシロキサン、カプリリルメチコン、ラウリルメチコンおよびステアロキシメチコンなどを含むアルキルシリコーン、およびそれらの混合物を含む、有機置換シリコーンポリマー;
を含むデタングリング補助剤。
【0216】
本発明の性能に影響を与えることなく、他のヘアケアの利点を提供するために、これらの製剤に追加の添加剤を加えてもよい。そのような添加物には以下が含まれる:
・フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、鉱物油または天然油、安息香酸アルキルなどを含むがこれらに限定されない毛髪光沢成分。油またはトリグリセリドが本組成物に使用される場合、それらの濃度は非常に好ましくは、毛髪を脂っこくしたり湿らせたりすることなく同毛髪に輝きを加えるのに十分低く維持される(例えば、約10%未満または約5%未満または約2%未満または約1.5%未満)。
【0217】
・グリセリン、ヒアルロン酸およびその塩、プロピレングリコール、ブチレングリコールなど、およびそれらの混合物を含む保湿剤。
・限定されるものではないが、例えば、染色処理された毛髪および毛髪の色を保持するためのような、毛髪を日焼け、変色、または退色から保護するための、二酸化チタン、酸化亜鉛、および有機日焼け止めのうちの1つ以上のような日焼け止め成分。
【0218】
・製剤美的調整剤には、増粘剤成分、香料成分、pH調整成分、可塑剤成分、外観調整剤、または抗酸化成分が含まれる。そのような美的改質剤成分は、例えば、活性成分の広がりを助ける、活性成分を希釈する、活性成分を安定化する、および/または毛髪への適用時に組成物の外観および感触を改善することにより、機能性成分の送達をより許容しやすくするのに役立ち得る。
【0219】
・エッセンシャルオイル、植物、香料、核酸、特殊な抽出物、タンパク質、アミノ酸、藻類誘導体、アミノ酸およびビタミンなど、組成物を消費者にアピールするのに有効なその他の成分。
【0220】
実施例7
一組の非イオン性エマルジョンは、上記した一般的な方法に従って、油中水型エマルジョンを水中油型エマルジョンに反転させることにより調製される。
【0221】
【表10】
【0222】
処理された毛髪は、製剤19~製剤12のいずれかでコーミングされ、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減が示された。
【0223】
【表11】
【0224】
処理された毛髪は、製剤23~製剤26のうちのいずれかでコーミングされ、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減が示された。
油中水型エマルジョンの縮れ防止用リーブインコンディショナー/コーミングクリーム
油中水型のリーブインコンディショナーは、疎水性のコーミング成分と縮れ防止成分とを毛髪の表面により直接的かつ完全に堆積させ、毛髪にこれらの成分のより均一な膜をもたらすので、水中油型エマルジョンコンディショナーよりも優れている。
【0225】
一般的に言えば、非イオン性油中水型エマルジョンは、水、非イオン性シリコーン乳化剤、およびシリコーン相を含む。非イオン性油中水型エマルジョンは、次のように形成される:
1)相A:疎水性成分を、水相成分を追加するのに十分な大きさの適切な容器に添加する。最も高い融点を有する成分の融点よりわずかに高い温度に加熱する。均一になるまで混合する。
【0226】
2)相B:別の容器において、水と親水性成分とを均一になるまで一緒に混合する。
3)ホモジナイゼーションを使用して相Bを相Aにゆっくりと加え、水の液滴サイズを1μl以下に下げ、均一になるまで混合する。
【0227】
実施例7
表10は、非イオン性油中水型リーブコンディショナーの例示的な製剤を示す。
【0228】
【表12】
【0229】
処理された毛髪は、製剤35~製剤40のうちの1つでコーミングされ、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減が示された。
実施例8
表11の製剤は、非イオン性油中水型リーブインコンディショナーとしても使用できる。これらの製剤は同様の方法で製造されるが、これらの油中水型エマルジョンでは、最終的なホモジナイゼーションステップは必要ではない。
【0230】
【表13】
【0231】
処理された毛髪は、製剤41~製剤43のうちの1つでコーミングされ、未処理の房と比較して少なくとも70%の縮れの低減が示された。
本開示に鑑みて、当業者は、本発明の現在開示されている実施形態のいずれかが、水ベースのヘアスタイリング製品であって、同製品が、i)アモジメチコン成分、およびii)複数のヒンダードアミン側鎖を含むポリシロキサン成分の1つ以上から選択される少なくとも2.5重量%のポリシロキサン流体成分を用いて製剤化された水ベースのヘアスタイリング製品として毛髪に縮れの抑制を提供できることを理解するであろう。
【0232】
ヘアスタイリング製品には、ゲル、クリーム、ローション、ペースト、パテ、スプレー、ムースなどを含む複数の製剤の種類がある。これらの製品のいくらかには、毛髪固定剤(hair fixative)も含まれている場合がある。毛髪固定剤は、毛髪繊維を一緒に「接着」することにより、毛髪の保持またはスタイル保持の特性を付与するポリマーである。そのような製品に含まれる適切な固定ポリマーには、ポリビニルピロリドン(PVP)およびその誘導体、ポリクオタニウムポリマーおよびその誘導体、アクリレートコポリマーおよびその誘導体、ポリアクリレートポリマーおよびその誘導体、ポリアクリレートクロスポリマーおよびその誘導体、ビニルアルコール(VP)ポリマーおよびその誘導体、VPコポリマーおよびその誘導体、これらの成分の2つ以上を含む混合物などが含まれる。
【0233】
開示された実施形態を参照して本発明の態様を説明してきたが、開示された特定の実施例はこれらの態様の単なる例示であり、決して本発明を限定しないことを当業者は容易に理解するであろう。本発明の精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。本明細書に記載のありとあらゆる特徴、およびそのような特徴の2つ以上のありとあらゆる組み合わせは、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。さらに、本発明の任意の組成物または装置は、請求項の1つ以上の要素を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなると理解され、さらに、請求項の要素として特に含まれないありとあらゆる要素は、その否定的な制限において、その請求項から特に除外されるべき根拠を本明細書に有するものとして考慮される。
【0234】
本明細書で引用された任意のおよび全ての特許、刊行物、または特許出願は、本明細書の一部としてその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C