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特許7271530所定の微細構造を有する熱分解炭素を製造する方法
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  • 特許-所定の微細構造を有する熱分解炭素を製造する方法 図1
  • 特許-所定の微細構造を有する熱分解炭素を製造する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】所定の微細構造を有する熱分解炭素を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/05 20170101AFI20230501BHJP
   C23C 16/26 20060101ALI20230501BHJP
   D06M 13/144 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
C01B32/05
C23C16/26
D06M13/144
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020522005
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 FR2018052606
(87)【国際公開番号】W WO2019077284
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】1759870
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299213
【氏名又は名称】サフラン・セラミックス
(73)【特許権者】
【識別番号】311016455
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
(73)【特許権者】
【識別番号】311015001
【氏名又は名称】コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドルウーズ,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ロリオー,アマンディーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マイユ,ロランス
(72)【発明者】
【氏名】ダビド,パトリック
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101439981(CN,A)
【文献】米国特許第04544599(US,A)
【文献】特開2000-143368(JP,A)
【文献】Emji et al.,Exploratory Studies on Production of C/C Composites by Ethanol Pyrolysis,Novel Char Materials,2008年12月31日,Vol.23, No.4,pp.314-318
【文献】REGIANI, Inacio et al.,Deferences in pyrocarbon matrices made by FB-CVI with organic precursors,Ceramic Engineering and Science Proceedings,2014年12月19日,pp.237-244
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00-32/991
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのC-Cアルコール又はポリアルコールの前駆体からの温熱方法によって熱分解炭素を形成する工程を含む熱分解炭素の製造方法であって、前記前駆体がエタノールであり、温熱中に1250℃~1325℃の温度を課すことによって粗層状熱分解炭素が得られる、方法。
【請求項2】
少なくとも以下の工程、
請求項1に記載の方法を実行することにより、基材の表面に熱分解炭素コーティングを形成する工程
を含む、基材をコーティングする方法。
【請求項3】
少なくとも以下の工程、
請求項1に記載の方法を実行することにより、繊維プリフォームの孔に熱分解炭素マトリックスを形成する工程
を含む、繊維プリフォームを高密度化する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
シクロヘキサンなどの炭化水素前駆体から熱分解炭素を形成するために、温熱(calefaction)技術を使用することが知られている。
【0002】
特に、液体状態のシクロヘキサンの浴に基材を含浸し、この基材を前駆体の分解温度より高い温度に加熱することによる温熱によってこの基材の外面上に熱分解炭素コーティングを堆積させることが可能である。
【0003】
液体は、高温の表面と接触すると気化し、「温熱膜」と呼ばれる気体の膜を形成する。基材が前駆体の分解温度を超えて加熱されると、温熱膜に含まれる蒸気が分解し、基材の表面と気相との間の不均一反応によって堆積物が形成される。
【0004】
しかしながら、形成された熱分解炭素の微細構造を制御すること、及び既知の温熱技術が使用される場合に均質な微細構造を得ることは比較的困難である。より具体的には、粗層状タイプの熱分解炭素の制御された製造は、比較的困難な場合がある。さらに、従来技術での温熱によって得られた熱分解炭素は、亀裂などの構造上の欠陥を有する可能性があり、その存在の程度は低減されるべきである。
【0005】
別の問題は、既知の温熱前駆体が一般に再生不可能な資源(例えば、油)に由来することである。これにより、最終的にはこれらの化合物の利用可能性の問題及び環境への悪影響につながる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の欠点を解決することを目的とし、少なくとも1つのC-Cアルコール又はポリアルコール前駆体からの温熱方法によって熱分解炭素を形成する工程を含む熱分解炭素の製造方法に関する。
【0007】
「アルコール」は、単一のアルコール官能基を有する化合物を意味する。「ポリアルコール」とは、いくつかのアルコール官能基を有する化合物を意味する。
【0008】
-Cアルコール又はポリアルコール前駆体の使用は、均質で制御された微細構造を有し、従来技術と比較して構造上の欠陥が少ない熱分解炭素を得ることを可能にする。より正確には、この前駆体は、温熱中に課される温度に従って、所定の微細構造を有する熱分解炭素を選択的に得ることを可能にする。上記で記載の前駆体の使用は、温熱中に表面が加熱される温度を変化させることにより、この処理された表面上に形成される熱分解炭素について得られる微細構造を調整することを可能にする。
【0009】
さらに、ここで考慮されるアルコール又はポリアルコールは、大量に利用可能であり、再生可能な資源から得ることができる化合物であり、したがって、上記で記載の前駆体は、既知の前駆体よりも大きな利用可能性を与える。
【0010】
一実施形態では、前駆体は脂肪族アルコール又はポリアルコールである。
【0011】
一実施形態では、前駆体は、C又はCアルコール又はポリアルコールである。
【0012】
又はC前駆体の使用が有利であるが、それは、温熱中に課される温度を変化させることにより、熱分解炭素のすべての既存の微細構造へのアクセスを可能にし、したがって、特に、粗層状タイプの熱分解炭素を制御された方法で得ることができるからである。特に、前駆体は、Cアルコール又はジオールであり得る。前駆体はエタノール又はプロパノールであってよい。
【0013】
上記で記載の前駆体から形成された熱分解炭素は、様々な用途で使用することができる。
【0014】
したがって、本発明はまた、少なくとも以下の工程、
-上記で記載のような方法を実行することにより、基材の表面に熱分解炭素コーティングを形成する工程
を含む、基材をコーティングする方法に関する。
【0015】
代替的に、本発明はさらに、少なくとも以下の工程、
-上記で記載のような方法を実行することにより、繊維プリフォームの孔に熱分解炭素マトリックスを形成する工程
を含む、繊維プリフォームを高密度化する方法に関する。
【0016】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図1及び図2を参照して、非限定的な以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に従う方法の例として得られた複数の熱分解炭素堆積物の偏光光学顕微鏡による観察を示す図である。
図2】本発明に従う方法の例として得られた複数の熱分解炭素堆積物の偏光光学顕微鏡による観察を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
熱分解炭素は、前駆体C-Cアルコール又はポリアルコールからの温熱によって形成される。特に、熱分解炭素マトリックスは、繊維プリフォームの孔に形成されてもよく、又は熱分解炭素コーティングは、基材の外面に形成されてもよい。
【0019】
この場合、高密度化される繊維プリフォーム又はコーティングされる基材は、アルコール又はポリアルコール前駆体を含む液体浴に含浸される。次いで、プリフォーム又は基材は、例えば誘導によって加熱される。加熱されたプリフォーム又は基材と接触すると、前駆体は気化して温熱膜を形成し、その内部で分解して熱分解炭素堆積物を形成し、マトリックス又はコーティングを形成する。
【0020】
アルコール又はポリアルコールは、直鎖、分岐鎖又は環状鎖を有し得る。一例によれば、前駆体は、アルコール又は脂肪族ポリアルコールであってよい。
【0021】
一実施形態では、前駆体は、エタノール、エチレングリコール、プロパノール、グリセロール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、フェノール又はこれらの化合物の混合物から選択される。本発明者らはまた、他の分子が、温熱方法によって熱分解炭素を形成するための有用な前駆体として使用され得ることを見出した。このように、前駆体は、メタノール又はエーテル、例えば、エトキシエタン又はメトキシプロパンであり得る。
【0022】
一実施形態では、アルコール又はポリアルコールは、C-Cアルコール又はポリアルコールである。アルコール又はポリアルコールは、C又はCアルコール又はポリアルコールであることができる。特に、前駆体はエタノール又はプロパノールである。
【0023】
温熱方法の間、所望の微細構造の熱分解炭素を得るために、プリフォーム又は基材に所定の温度が課される。
【0024】
-Cアルコール又はポリアルコール前駆体を温熱中に使用する場合、第1の温度を課すと、第1の微細構造を有する熱分解炭素が選択的に形成され、第1とは異なる第2の温度を課すと、第1とは異なる第2の微細構造を有する熱分解炭素が選択的に形成される。形成される熱分解炭素の所望の用途に応じて、ある熱分解炭素の微細構造を別の熱分解炭素よりも優先することが望ましい場合がある。
【0025】
例として、エタノールが前駆体として使用される場合、
-アモルファス熱分解炭素は、温熱中に1050℃~1150℃の温度を課すことにより得られる、
-暗層状熱分解炭素は、温熱中に1175℃~1225℃の温度を課すことにより得られる、
-粗層状熱分解炭素は、温熱中に1250℃~1325℃の温度を課すことにより得られる、
-平滑な層状熱分解炭素は、温熱中に1350℃~1425℃の温度を課すことにより得られる。
【0026】
前駆体が使用される場合、温熱中に課される温度に従って熱分解炭素の微細構造を調整できるだけでなく、制御された方法で粗層状熱分解炭素を得ることも可能であることに留意すべきである。
【0027】
例として、前駆体としてプロパノールが使用される場合、
-アモルファス熱分解炭素は、温熱中に1050℃~1150℃の温度を課すことにより得られる、
-暗層状熱分解炭素は、温熱中に1175℃~1220℃の温度を課すことにより得られる、
-粗層状熱分解炭素は、温熱中に1220℃~1250℃、例えば1230℃~1250℃の温度を課すことにより得られる、
-平滑な層状熱分解炭素は、温熱中に1275℃~1425℃の温度を課すことにより得られる。
【0028】
前駆体が使用される場合、温熱中に課せられる温度に従って熱分解炭素の微細構造を調整するだけでなく、制御された方法で粗層状熱分解炭素を得ることも可能であることに留意すべきである。
【0029】
例として、ブタノールが前駆体として使用される場合、
-アモルファス熱分解炭素は、温熱中に1050℃~1150℃の温度を課すことにより得られる、
-平滑な層状熱分解炭素は、温熱中に1175℃~1225℃の温度を課すことにより得られる。
【0030】
例として、ペンタノールが前駆体として使用される場合、
-暗層状熱分解炭素は、温熱中に1050℃~1225℃の温度を課すことにより得られる、
-平滑な層状熱分解炭素は、温熱中に1275℃~1425℃の温度を課すことにより得られる。
【0031】
例として、ヘキサノールを前駆体として使用される場合、
-暗層状熱分解炭素は、温熱中に1050℃~1225℃の温度を課すことにより得られる、
-平滑な層状熱分解炭素は、温熱中に1275℃~1425℃の温度を課すことにより得られる。
【0032】
本発明による試験例の結果の偏光光学顕微鏡観察を図1に提供する。
【0033】
図1に対応する試験は、基材S上に熱分解炭素の4つの層C1、C2、C3及びC4を温熱により連続的に堆積することで構成された。
【0034】
エタノールを使用して、熱分解炭素前駆体として層C1~C4のそれぞれを形成した。層C1~C4のそれぞれを形成する場合、温熱中に異なる温度が課された。
【0035】
したがって、層C1は、49分間、1100℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C1は、アモルファス熱分解炭素層であり、偏光光学顕微鏡で観察した場合、7.32μmの厚さ及び1.4°の消光角を有していた。
【0036】
層C2は、19分間、1200℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C2は、暗層状熱分解炭素層であり、偏光光学顕微鏡で観察した場合、8.21μmの厚さ及び4.2°の消光角を有していた。
【0037】
層C3は、7分間、1300℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C3は、粗層状熱分解炭素層であり、偏光光学顕微鏡で観察した場合、7.36μmの厚さ及び21.7°の消光角を有していた。
【0038】
層C4は、2分12秒間、1400℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C4は平滑な層状熱分解炭素層であり、偏光光学顕微鏡で観察した場合に9.02μmの厚さ及び8.4°の消光角を有していた。
【0039】
他の試験は、前駆体としてエタノールを使用して行われた。図2に示す試験は、基材S上の5つの熱分解炭素層C11、C21、C31、C41、及びC51の連続的な温熱堆積からなっていた。
【0040】
結果として得られる熱分解炭素の微細構造を変化させるために、これらの5つの層の堆積の間に、温熱中に課せられる温度が調整された。
【0041】
したがって、層C11及びC51は、13分39秒間、1200℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C11及びC51は、厚さ5μmの暗層状熱分解炭素層であった。
【0042】
層C21及びC41は、5分39秒間、1300℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C21及びC41は、厚さ4.5μmの粗層状熱分解炭素層であった。
【0043】
層C31は、1分34秒間、1400℃の温熱中の温度を課すことによって得られた。層C31は平滑な層状熱分解炭素層であり、厚さは4μmであった。
【0044】
ここで、使用することができる繊維プリフォーム及び基材の詳細について説明する。
【0045】
繊維プリフォームは、耐火性糸、例えばセラミック若しくは炭素糸、又はセラミック及び炭素糸の混合物を含んでいてもよい。セラミック糸は、例えば、炭化ケイ素糸又は耐火性酸化物糸、例えばアルミナから選択されてもよい。
【0046】
例として、プリフォームは、「Nicalon」、「Hi-Nicalon」、又は「Hi-Nicalon Type S」の名前で日本企業NGSによって供給される炭化ケイ素糸から形成することができる。プリフォームは、Nextelという名前で3Mから提供されたアルミナワイヤから形成できる。このプリフォームを形成するために使用できる炭素糸は、例えば、TorayからToraycaT300 3Kとして供給されている。
【0047】
繊維プリフォームは、少なくとも1つの織物操作から得られる。繊維プリフォームは、得られるべき部品の繊維強化を構成することを目的としている。繊維プリフォームは、特に、多層又は多次元織り、例えば三次元、3D直交、3D極性又は4Dによって得ることができる。
【0048】
「三次元織り」又は「3D織り」は、少なくともいくつかの縦糸が複数の横糸層にわたって横糸を結合する織り方として理解されるべきである。このテキストでは、縦糸及び横糸の役割を逆にすることが可能であり、特許請求の範囲でもカバーされていると見なされるべきである。
【0049】
繊維プリフォームは、例えば、マルチサテン織り、すなわち横糸のいくつかの層で三次元織りにより得られた布地を有していてもよく、各層の基本織りは、従来のサテンタイプの織りと同等であるが織りの特定の点では横糸の層と共に結合する。代替的に、繊維プリフォームはインターロック織りを有してもよい。「インターロック織り又はインターロック布地」とは、縦糸の各層が横糸のいくつかの層と連結し、同じ縦カラムのすべての糸は織りの平面内で同じ動きをする3D織りを意味する。繊維プリフォームを形成するために使用できる多層織りの異なるモードは、WO2006/136755に記載されている。
【0050】
最初に二次元布地又は一方向ウェブなどの繊維織物を形成し、そのような繊維織物を型にドレープすることにより繊維プリフォームを得ることも可能である。これらの織物は、例えば、糸を縫う又は埋め込むことによって一緒に結合して、繊維プリフォームを形成することができる。
【0051】
繊維プリフォームを形成する糸は、熱分解炭素マトリックスの形成前にコーティングされてもよく又はされなくてもよい。
【0052】
特に、糸は、単層又は多層の中間相でコーティングすることができる。この中間相は、熱分解炭素(PyC)、窒化ホウ素(BN)、シリコンをドープした窒化ホウ素(BNSi)(シリコンの質量割合は5%~40%(残りは窒化ホウ素である))又はホウ素をドープした炭素(BC、5原子%~20原子%のB、残りはCである)の少なくとも1つの層を含んでいてもよい。
【0053】
ここでの中間相の役割は、複合材料の脆弱性を少なくすることであり、これにより、マトリックス内で伝播した後に中間相に到達する可能性のある亀裂の偏向が促進され、このような亀裂による糸の破断を防止又は遅延する。
【0054】
中間相の厚さは、10nm~1000nm、例えば10nm~100nmであることができる。中間相は、それ自体既知の方法で、既に形成されたプリフォームの糸に化学気相含浸によって形成することができる。代替的に、中間相は、プリフォームを形成する前に糸に化学気相蒸着によって形成され、次いで、このようにしてコーティングされた糸からプリフォームを形成することができる。
【0055】
一例によれば、前駆体からの熱分解炭素マトリックスの形成前に、繊維プリフォームを部分的に高密度化することができることに留意されたい。この予備高密度化は、それ自体既知の方法で行うことができる。繊維プリフォームは、炭素又はセラミック材料の予備高密度化段階によって予備高密度化できる。この場合、予備高密度化されたプリフォームの残留孔は、全体的又は部分的に、前駆体から形成された熱分解炭素マトリックスによって満たされる。代替的に、得られる複合材料部品のマトリックスは、アルコール又はポリアルコール前駆体から得られる熱分解炭素マトリックスによって一体的に形成される。後者の場合、繊維プリフォームは予備高密度化されていない。
【0056】
前駆体C-Cのアルコール又はポリアルコールからの温熱方法によって形成されたマトリックスは、繊維プリフォームの初期の孔の少なくとも50%、又は少なくとも75%を占め得る。プリフォームの初期の孔は、高密度化工程が実行される前のプリフォームによって示される孔に対応する。
【0057】
基材の外面に熱分解炭素コーティングを形成する場合は、本発明の範囲を超えない。この場合、コーティングされた部品が得られ、これは、基材と、アルコール又はポリアルコール前駆体からその上に形成された熱分解炭素コーティングとを含む。
【0058】
コーティングされた基材は、セラミックマトリックス複合材料又は炭素マトリックス複合材料などの既に高密度化された複合材料で作られた部品であることができる。代替的に、コーティングされた基材は、モノリシック耐火材料、セラミック又は炭素のブロックであることができる。
【0059】
「・・・~・・・(between・・・and・・・)」という表現は、境界を含むと理解されるべきである。
図1
図2