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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】多重偏波レーダユニット
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/02 20060101AFI20230501BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20230501BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20230501BHJP
【FI】
G01S7/02 210
G01S7/03 200
G01S7/03 210
G01S7/03 230
G01S13/931
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020532686
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018062249
(87)【国際公開番号】W WO2019125697
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】15/848,205
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】イザディアン,ジャマル
(72)【発明者】
【氏名】マ,フィリップ
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-122874(JP,A)
【文献】特開2010-014533(JP,A)
【文献】特開2015-190809(JP,A)
【文献】特表2016-516983(JP,A)
【文献】特開平07-191132(JP,A)
【文献】特開平08-194055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0353338(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
H01Q 3/00- 3/46
H01Q 21/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダユニットであって、
複数の送信アンテナであって、第1の偏波を有するレーダ信号を送信するように構成されている第1の送信アンテナ、第2の偏波を有するレーダ信号を送信するように構成されている第2の送信アンテナ、および第3の偏波と第4の偏波との間でレーダ信号を選択的に送信するように構成されている第3の送信アンテナを含み、前記第1の偏波、前記第2の偏波、前記第3の偏波、および前記第4の偏波は互いに異なる、複数の送信アンテナと、
複数の受信アンテナであって、前記第1の偏波、前記第2の偏波前記第3の偏波および前記第4の偏波のうちの少なくとも1つからレーダ信号の反射を受信するように構成されているそれぞれの受信アンテナを含む、複数の受信アンテナと、を備えるレーダユニット。
【請求項2】
前記第1の偏波は水平直線偏波であり、前記第2の偏波は垂直直線偏波である、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項3】
前記第1の偏波は、水平面から約+45度で放射するように構成されている第1の傾斜偏波であり、前記第2の偏波は、前記水平面から約-45度で放射するように構成されている第2の傾斜偏波である、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項4】
増幅器であって、前記複数の送信アンテナのうちのある送信アンテナに互いに異なる2つ以上の偏波チャネル間で選択的に送信させるように構成されている増幅器をさらに備える、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項5】
少なくとも第1の導波路チャネル、第2の導波路チャネルおよび第3の導波路チャネルを含む、複数の導波路チャネルをさらに備え、
前記第1の送信アンテナは、前記第1の導波路チャネルからの電磁エネルギーを使用してレーダ信号を送信するように構成され、前記第2の送信アンテナは、前記第2の導波路チャネルからの電磁エネルギーを使用してレーダ信号を送信するように構成され、前記第3の送信アンテナは、前記第3の導波路チャネルからの電磁エネルギーを使用してレーダ信号を送信するように構成されている、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項6】
前記複数の受信アンテナが4つの受信アンテナを含む、請求項に記載のレーダユニット。
【請求項7】
前記4つの受信アンテナおよび前記複数の送信アンテナが、単一のレーダチップ上に一緒に配置されている、請求項6に記載のレーダユニット。
【請求項8】
前記レーダユニットを車両に結合するように構成可能な1つ以上のコンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項9】
前記複数の送信アンテナに互いに異なる4つの偏波のうちの少なくとも1つで選択的に送信させるように構成されている制御ユニットをさらに備える、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記第3の偏波と前記第4の偏波との間で前記レーダ信号の前記送信を選択的に変更するように構成されている、請求項9に記載のレーダユニット。
【請求項11】
前記第3の偏波と前記第4の偏波との間で前記レーダ信号の前記送信から受信したレーダ信号に基づいて気象条件を判定するように構成されているプロセッサをさらに備える、請求項10に記載のレーダユニット。
【請求項12】
プロセッサをさらに備え、前記プロセッサは、
前記第1の偏波を有する第1のレーダ送信信号から受信した第1のレーダ反射送信に基づいて予備的な物体識別を判定し、
前記第2の偏波を有する第2のレーダ信号を送信させ、
前記第2のレーダ信号の前記送信から受信した第2の受信レーダ反射送信に基づいて物体識別を行うように構成されている、請求項10に記載のレーダユニット。
【請求項13】
前記複数の送信アンテナをハイブリッド送信モードで動作させるように構成可能な制御ユニットをさらに備え、前記ハイブリッド送信モードは、互いに異なる2つ以上の偏波で同時にレーダ信号を選択的に送信することを伴う、請求項1に記載のレーダユニット。
【請求項14】
レーダユニットを使用した信号送信の方法であって、
前記レーダユニットの第1の送信アンテナによって、第1の偏波を有するレーダ信号を送信することと、
前記レーダユニットの第2の送信アンテナによって、第2の偏波を有するレーダ信号を送信することと、
前記レーダユニットの第3の送信アンテナによって、第3の偏波と第4の偏波との間でレーダ信号を選択的に送信することと、
複数の受信アンテナを使用して前記レーダ信号の反射を受信することであって、前記複数の受信アンテナは、前記第1の偏波、前記第2の偏波前記第3の偏波および前記第4の偏波のうちの少なくとも1つからレーダ信号を受信するように構成されているそれぞれの受信アンテナを含む、受信することと、を含み、前記第1の偏波、前記第2の偏波、前記第3の偏波および前記第4の偏波は互いに異なる、方法。
【請求項15】
前記複数の受信アンテナを使用して受信した、前記選択的に送信された前記レーダ信号の反射に基づいて、前記レーダユニットの環境の気象条件を判定することと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の偏波を有する第1のレーダ送信信号から受信した第1のレーダ反射送信に基づいて予備的な物体識別を判定することと、
前記第2の偏波を有する第2のレーダ信号を送信させることと、
前記第2のレーダ信号の前記送信から受信した第2の受信レーダ反射送信に基づいて物体識別を行うことと、をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
水平直線偏波と垂直直線偏波との間でレーダ信号を選択的に送信することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
水平面から約+45度の第1の傾斜偏波と、前記水平面から約-45度で放射するように構成されている第2の傾斜偏波との間でレーダ信号を選択的に送信することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
レーダシステムであって、
複数の送信アンテナであって、水平直線偏波で送信するように構成されている第1の送信アンテナと、垂直水平直線偏波で送信するように構成されている第2の送信アンテナと、水平面から約+45度の第1の傾斜偏波と前記水平面から約-45度で放射するように構成されている第2の傾斜偏波との間で選択的に送信するように構成されている第3の送信アンテナとを含む、複数の送信アンテナと、
複数の受信アンテナであって、前記水平直線偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成されている第1の受信アンテナと、前記垂直水平直線偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成されている第2の受信アンテナと、前記第1の傾斜偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成されている第3の受信アンテナと、前記第2の傾斜偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成されている
第4の受信アンテナとを含む、複数の受信アンテナと、を備える、レーダシステム。
【請求項20】
前記第3の偏波は水平直線偏波であり、前記第4の偏波は垂直直線偏波である、請求項3に記載のレーダユニット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
無線検出および測距(RADAR)システムは、無線信号を発信し、環境内の表面から反射する戻り反射信号を検出することで、環境内の地物までの距離をアクティブに推定できる。その結果、電波を反射する地物までの距離は、送信と受信の間の時間遅延に従って判定できる。レーダシステムは、時間変化周波数ランプを有する信号など、時間とともに周波数が変化する信号を発信し、発信された信号と反射信号との間の周波数の差を距離推定に関連付けることができる。
【0002】
いくつかのシステムは、受信した反射信号のドップラー周波数シフトに基づいて、反射物体の相対運動を推定する場合もある。指向性アンテナは、信号の送信および/または受信に使用して、各距離推定をベアリングに関連付けることができる。より一般的には、指向性アンテナを使用して、放射エネルギーを所与の対象視野に集中させることもできる。測定された距離と方向情報を組み合わせることで、周囲の環境の地物を識別および/またはマッピングすることができる。
【0003】
いくつかの例の自動車レーダシステムは、IEEE W帯域(75~110ギガヘルツ(GHz))および/またはNATO M帯域(60~100GHz)の周波数で動作するように構成されていることもある。一例では、本システムは、77GHzの電磁波周波数で動作する場合もあり、これはミリメートル(mm)の電磁波波長(例えば、77GHzでは3.9mm)に対応する。これらのレーダシステムは、レーダシステムが高精度で、自律車両の周囲の環境などの環境を測定できるようにするために、放射エネルギーをビームに集中させることができるアンテナを使用する場合もある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本出願はレーダユニットについて説明する。レーダユニットは、複数の送信アンテナを含む。特に、複数の送信アンテナは、4つの偏波のうちの1つで送信するように構成されたそれぞれの送信アンテナを含む。レーダユニットは、さらに複数の受信アンテナを含む。複数の受信アンテナは、4つの偏波のうちの1つからレーダ信号を受信するように構成されたそれぞれの受信アンテナを含む。
【0005】
別の態様では、本出願は、レーダシステムについて説明する。レーダシステムは、複数の送信アンテナを含む。複数の送信アンテナは、水平直線偏波で送信するように構成された第1の送信アンテナと、垂直水平直線偏波で送信するように構成された第2の送信アンテナと、水平面から約+45度の第第1の傾斜偏波と、水平面から約-45度で放射するように構成された第2の傾斜偏波との間で選択的に送信するように構成された第3の送信アンテナとを含む。レーダシステムは、さらに複数の受信アンテナを含む。複数の受信アンテナは、水平直線偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第1の受信アンテナと、垂直水平直線偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第2の受信アンテナと、第1の傾斜した反時計回り偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第3の受信アンテナと、第2の傾斜偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第4の受信アンテナとを含む。
【0006】
さらに別の態様では、本出願は、レーダシステムを用いた信号送信の方法について説明する。この方法は、複数の送信アンテナを使用してレーダ信号を送信することを伴う。特に、複数の送信アンテナは、4つの偏波のうちの1つで送信するように構成されたそれぞれの送信アンテナを含む。この方法はまた、複数の受信アンテナを使用してレーダ信号を受信することも伴う。複数の受信アンテナは、4つの偏波のうちの1つからレーダ信号を受信するように構成されたそれぞれの受信アンテナを含む。
【0007】
さらなる態様では、本出願は、レーダシステムで信号送信するための手段を備えたシステムについて説明する。システムは、複数の送信アンテナを使用してレーダ信号を送信するための手段を含んでいてもよい。特に、複数の送信アンテナは、4つの偏波のうちの1つで送信するように構成されたそれぞれの送信アンテナを含む。システムはまた、複数の受信アンテナを使用してレーダ信号を受信するための手段を含んでいてもよい。複数の受信アンテナは、4つの偏波のうちの1つからレーダ信号を受信するように構成されたそれぞれの受信アンテナを含む。
【0008】
前述の概要は例示にすぎず、決して限定することを意図したものではない。上記の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の「発明を実施するための形態」を参照することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】例示的な実施形態による、レーダユニットの上部の組立図を示す。
図1B】例示的な実施形態による、レーダユニットの底部の組立図を示す。
図2A】例示的な実施形態による、レーダユニットの例示的な第1の層を示す。
図2B】例示的な実施形態による、レーダユニットの例示的な第2の層を示す。
図2C】例示的な実施形態による、導波路の等角断面図を示す。
図3A】例示的な実施形態による、別のレーダユニットの上部の組立図を示す。
図3B】例示的な実施形態による、追加のレーダユニットの上部の組立図を示す。
図3C】例示的な実施形態による、さらに別のレーダユニットの上部の組立図を示す。
図4A】例示的な実施形態による、レーダユニット用の送信および受信アンテナのレイアウトを示す。
図4B】例示的な実施形態による、レーダユニット用の送信および受信アンテナの別のレイアウトを示す。
図4C】例示的な実施形態による、レーダユニット用の送信および受信アンテナのさらなるレイアウトを示す。
図4D】例示的な実施形態による、レーダユニット用の送信および受信アンテナの追加のレイアウトを示す。
図5】例示的な実施形態による、組み立てられたアンテナの内部に形成される概念的な導波路チャネルを示す。
図6】例示的な実施形態による、アンテナの波放射部分を示す。
図7】多重偏波アンテナを使用する例示的な実施形態による、レーダシステムを用いた信号送信の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図では、特に文脈で述べない限り、同様の記号は通常、同様のコンポーネントを指している。詳細な説明、図、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更も行なうことができる。本明細書で概して説明され、かつ図に例証されている、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計することができ、そのすべてが本明細書で明示的に企図されることは容易に理解されよう。
【0011】
レーダシステムは、1つまたは複数の送信アンテナを使用してレーダ信号を所定の方向に発信し、環境の特徴を測定できる。環境内の表面と接触すると、レーダ信号は多方向に反射または散乱でき、一部のレーダ信号はある程度表面に貫通する。ただし、他のレーダ信号は反射してレーダシステムに戻り、1つまたは複数の受信アンテナによって捕捉される。受信した反射信号を処理して、レーダシステムに対する表面の位置、ならびに環境の他の特徴(例えば、環境内の物体の動き)を判定できる。
【0012】
地物までの距離ならびに環境内の移動する地物の動きを測定できるため、レーダシステムは、車両のナビゲーションや安全性を支援するために使用することがますます増えている。特に、車両は、自律または半自律運転中にレーダシステムを利用して、車両制御システムが、車両を取り囲む環境内の地物の中でもとりわけ、付近の車両、道路境界、気象条件、交通標識や信号、および歩行者を検出できるようにすることができる。例えば、レーダは、センサー情報によって示される障害物を回避するために、自律または半自律型車両制御システムによって使用してもよい。車両レーダシステムの数が増え続けるにつれて、車両の環境の正確な測定値を提供できる手頃な価格のレーダユニットが望まれている。
【0013】
本明細書に提示される例示的な実施形態は、車両の様々な位置および配向に取り付けて、車両の環境の正確な測定値を取り込むことができる低コストのレーダユニットを含む。一例として、レーダユニットは、送信アレイおよび受信アレイを含んでいてもよく、各アレイは、特定の偏波でレーダ信号を送信または受信するように構成された1つまたは複数のアンテナからなる。偏波は、振動の幾何学的配向を指定する横波(例えば、電磁レーダ信号)に適用されるプロパティを表す。直線偏波とは、電界ベクトルを伝播方向に沿って所与の面に閉じ込めることである。例えば、レーダ信号が垂直である(信号が進行するにつれて交互に上下する)場合、放射は垂直直線偏波であるという。
【0014】
例として、現在開示されている偏波により、レーダユニットが互いに直交する複数の信号を送信(および受信)できるようにしてもよい。各信号を別の信号とは独立して分解できる場合は、その信号は別の信号に直交している。例えば、レーダユニットが垂直偏波信号と水平偏波信号の両方を送信している場合、これらの信号は互いに直交している場合がある。実際には、送信される2つの直交は、環境内の物体によって反射される場合がある。レーダユニットはこれらの信号反射を受信してもよい。垂直偏波反射信号は、垂直偏波アンテナによって受信してもよい。同様に、水平偏波反射信号は、水平偏波アンテナによって受信されてもよい。垂直偏波信号は水平偏波信号と直交しているため、垂直偏波アンテナは水平偏波信号をまったく(または非常に小さい割合しか)受信せず、水平偏波アンテナは垂直偏波信号をまったく(または非常に小さい割合しか)受信しない場合がある。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態は、水平直線偏波、垂直直線偏波、および傾斜直線偏波(例えば、水平面から約±45度)などの複数の偏波でレーダ信号を放射できるレーダユニットについて説明する。例えば、例示的なレーダユニットの送信アレイは、水平直線偏波で進行するレーダ信号を送信するように構成された第1の送信アンテナと、垂直直線偏波で進行するレーダ信号を送信するように構成された第2の送信アンテナとを含んでいてもよい。送信アレイはまた、傾斜偏波で送信するように構成された送信アンテナを含んでいてもよい。例えば、アレイは、信号が水平面から約+45度で放射する第1の傾斜偏波でレーダ信号を送信するように構成されたアンテナと、信号が水平面から約-45度で放射する第2の傾斜偏波でレーダ信号を送信するように構成されたアンテナとを含むことができる。その結果、送信アレイはレーダ信号を4つの異なる偏波で送信して、環境を測定することができる。
【0016】
送信アンテナの構成、位置、および配向、ならびにその下層の導波路チャネルは、アンテナがレーダ信号を送信する偏波、送信の幅および距離、ならびに送信アンテナの動作方向に影響を与えることができる。このように、本明細書では、レーダユニットの位置に対して異なる距離で物体を測定することができるレーダユニットを含む、様々なタイプの動作が可能なレーダユニットを示す、異なるレイアウトのレーダユニットが提示される。例えば、いくつかのレーダユニットは、レーダユニットの近距離内の環境の特徴を測定するように構成された近距離レーダユニットとして動作してもよい。同様に、他のレーダユニットは、中距離および/または遠距離レーダユニットとして動作するように構成してもよい。さらなる例では、レーダユニットは、他の可能な要因の中でもとりわけ、レーダユニットに提供される電力に応じて異なる距離を測定するように構成してもよい。
【0017】
例示的なレーダユニットはまた、特定の偏波でレーダユニットに戻って進行する反射レーダ信号を受信するように構成された1つまたは複数の受信アンテナからなる受信アレイを含んでいてもよい。例えば、受信アレイは、上述の4つの偏波のうちの1つで進行する反射レーダ信号をそれぞれ受信するように構成された4つの受信アンテナを含んでいてもよい。受信アンテナの構成、位置、および配向は、アンテナが反射レーダ信号を受信する偏波、受信幅、受信距離、およびアンテナの動作方向に影響を与えることができる。
【0018】
他の実施形態では、例示的なレーダユニットは、複数の偏波で送信および受信するように構成されたアンテナを含む他の構成を有することができる。例えば、レーダユニットは、複数の偏波の間で選択的に送信するように構成された1つまたは複数の送信アンテナを含んでいてもよい。一例として、送信アンテナは、垂直直線偏波または水平直線偏波のいずれかで進行するレーダ信号を選択的に送信するように構成してもよい。同様に、送信アンテナはまた、水平面から約45度で放射するように構成された第1の傾斜偏波と、水平面から約-45度で放射するように構成された第2の傾斜偏波との間で選択的に送信するように構成してもよい。
【0019】
上述の送信アンテナと同様に、いくつかの例示的なレーダユニットは、複数の偏波の間で反射レーダ信号を受信するように構成された受信アンテナを含んでいてもよい。単一のアンテナを使用して複数の偏波の間で選択的に送信または受信するこの機能により、本明細書で提示するいくつかの例示的なレーダユニットは、4つの異なる偏波で送信または受信可能でありながら、含まれる送信または受信アンテナを4つ未満とすることもできる。場合によっては、レーダユニットは、特定の偏波でレーダ信号を送受信するように構成された1つ以上のアンテナを含んでいてもよい。
【0020】
さらなる例示的な実施形態では、レーダユニットは、4つより少ない偏波で動作するように構成してもよい。例えば、レーダユニットは、水平直線、垂直直線、および水平面から約-45度で放射するように構成された傾斜偏波などの3つの偏波で送信および/または受信するように構成してもよい。
【0021】
複数の偏波で動作可能なレーダユニットは、複数の車両またはデバイスが同じエリアでレーダを使用する場合に発生するかもしれない干渉または妨害を減らすのに役立つ場合がある。干渉または妨害により、レーダユニットは、レーダユニットの観点から環境を正確に表さないレーダ信号を受信する可能性がある。例えば、車両に位置付けられたレーダユニットは、別の車両のレーダシステムによって同じ距離および偏波で送信されたレーダ信号を不必要に受信する場合がある。さらに、レーダ信号の異なる送信と反射はすべて、レーダユニットの性能に影響を与えるノイズを生成する場合がある。
【0022】
2つ以上の偏波で送受信できるレーダユニットの例では、近くのレーダシステムで使用されている偏波とは異なる偏波でレーダ信号を送受信することにより、妨害や干渉を回避できる可能性がある。いくつかの例では、レーダシステムは、別のレーダシステムからの干渉の可能性の検出に応答して、レーダ信号の偏波を切り替えてもよい。例えば、車両レーダシステムは、別の車両および/または別のレーダシステムの検出に応答して、偏波を調整するか、または複数の偏波でレーダを使用してもよい。他の例では、レーダシステムは、干渉の可能性を検出する前に、1つまたは複数の偏波でレーダを使用してもよい。
【0023】
同様に、レーダユニットは、複数の偏波(例えば、4つすべて)でレーダ信号を送信することができ、受信しようと試みることができる。レーダシステムは、複数の偏波からの累積した測定値を使用して、環境を測定してもよい。レーダユニットで使用する偏波の組合せは変えることができる(例えば、4つすべてを同時に、2つの偏波を切り替えるなど)。よって、レーダユニットは、1つ以上の偏波でレーダユニットの視野を撮像できる場合もある。
【0024】
さらに、複数の偏波で動作するレーダユニットにより、環境をさらに分析することができる場合がある。例えば、レーダシステムは、複数の偏波におけるレーダ測定に基づいて、道路上または道路の近くに位置付けられた水(例えば、水たまりおよび/または気象条件)を検出することができる。一部の例では、レーダを介して検出可能な気象条件のタイプは、使用するレーダの偏波に応じて変えることができる。同様に、複数の偏波でのレーダ信号の測定により、一時停止標識や道路標識などの金属製の交通標識の検出を支援することができる。例えば、複数の偏波で金属製の交通標識のエッジで反射するレーダ信号は、レーダシステムが位置を検出し、標識の境界を推定するのを支援することができる。いくつかの例では、レーダシステムは、レーダシステムが測定するように指示され得る環境の望ましい特徴に応じて、1つまたは複数のレーダユニットによって使用される偏波を調整してもよい。
【0025】
以下の詳細な説明は、単一入力単一出力、単一入力複数出力(SIMO)、複数入力単一出力(MISO)、複数入力複数出力(MIMO)、および/または合成開口レーダ(SAR)レーダアンテナアーキテクチャの形を取り得る1つまたは複数のアンテナアレイを有する装置で使用してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、レーダアンテナアーキテクチャは、「デュアルオープンエンド導波路」(DOEWG)アンテナを含んでいてもよい。いくつかの例では、「DOEWG」という用語は、本明細書では、水平導波路チャネルの短いセクションと、2つの部分に分割される垂直チャネルとを指してもよく、垂直チャネルの2つの部分のそれぞれは、アンテナに入る電磁波の少なくとも一部を放射するように構成された出力ポートを含む。さらに、複数のDOEWGアンテナをアンテナアレイに配置してもよい。本明細書で説明されるレーダユニットアーキテクチャは、複数のアンテナアレイを含んでいてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、レーダユニットアーキテクチャは、コンピュータ数値制御(CNC)で機械加工され、適切に整列されて、一緒に接合できる複数の層(例えば、アルミニウムプレート)から構成してもよい。例えば、第1の層は、入力導波路チャネルの前半を含んでいてもよく、第1の導波路チャネルの前半は、電磁波(例えば、77GHzミリ波)を第1の導波路チャネルに受信するように構成できる入力ポートを含む。
【0028】
第1の層はまた、複数の波分割チャネルの前半を含んでいてもよい。複数の波分割チャネルは、入力導波路チャネルから分岐し、入力導波路チャネルから電磁波を受け取り、電磁波を電磁波の複数の部分に分割し(すなわち、電力分割器)、電磁波のそれぞれの部分を複数の波放射チャネルのそれぞれの波放射チャネルに伝搬するように構成され得るチャネルのネットワークを含んでいてもよい。2つ以上の層を一緒に組み立てて、分割ブロックアセンブリを形成してもよい。かかるアンテナは、コンパクトで効率的であり(すなわち、アンテナの熱に対するエネルギー損失が77GHzというほんの少しであるか、または反射して送信機の電子機器に戻る)、安価で製造が容易である。
【0029】
いくつかの例では、アンテナアーキテクチャの電力分割要素は、導波路の二次元または三次元分割ネットワークであってもよい。導波路の分割ネットワークは、電力を分割するために導波路ジオメトリを使用してもよい。例えば、フィード導波路は、所定の高さおよび幅を有していてもよい。所定の高さおよび幅は、レーダユニットの動作の周波数に基づいていてもよい。分割ネットワークは、所望のテーパープロファイルを達成するために、フィード導波路の所定の高さおよび幅とは高さおよび/または幅が異なる導波路を含んでいてもよい。
【0030】
さらに、レーダユニットは、放射要素(すなわち、アンテナ要素)に信号を提供するフィード導波路を含むこともでき、分割ブロックアセンブリの上部と下部との間で分割してもよい。さらに、フィード導波路はすべて、フィード導波路の高さの中点がすべてのフィード導波路に共通である共通の平面に配置してもよい。
【0031】
導波路の分割ネットワークは、部分的にはフィード導波路と同じ平面に、部分的には少なくとも1つの他の平面に配置してもよい。例えば、導波路の分割ネットワークの一部の全高を、分割ブロックアセンブリの第1または第2の部分のいずれかに機械加工してもよい。2つのブロック片を合わせると、他のブロック部分の表面は、2つのブロックセクションのうちの1つに完全に高さが収まる、導波路の部分または分割ネットワークのエッジを形成することができる。いくつかの例では、これらの導波路キャビティおよびカットの垂直部分は、分割ブロックの継ぎ目に対して対称となる。導波路システムを操作するとき、様々な信号が導波路システムを介して伝播される場合がある。導波路システムは、それぞれがアンテナブロックの上面に少なくとも1つのアンテナ要素を有する導波路のネットワークを含んでいてもよい。各アンテナ要素は、それに供給される電磁エネルギーの一部またはすべてを放射してもよい。
【0032】
導波路とは、電磁エネルギーを1つの場所から別の場所に伝導する構造である。場合によっては、導波路で電磁エネルギーを伝導することには、他の伝導手段よりも損失が少ないという利点がある。電磁エネルギーは非常に低損失の媒体を介して伝導されるため、導波路は通常、他の伝導手段よりも損失が少なくなる。例えば、導波路の電磁エネルギーは、空気または低損失誘電体を通して伝導されてもよい。
【0033】
空気を充填した導波路などの一実施形態では、導波路は金属製の外部導体を有する。しかしながら、他の実施形態では、導波路は、エネルギーが伝播する誘電媒体のみによって形成してもよい。いずれの実施形態でも、導波路の寸法および形状が、電磁エネルギーの伝播を決定する。例えば、電磁エネルギーは、導波路の金属壁内に含まれていてもよい。他の実施形態では、誘電媒体は、電磁エネルギー(光ファイバ伝送など)を完全に含んでいてもよい。
【0034】
導波路の形状および材料に基づいて、電磁エネルギーの伝搬は変化する。導波路の形状および材料が、電磁エネルギーの境界条件を決定する。境界条件は、導波路のエッジでの電磁エネルギーの既知の条件である。例えば、金属導波路では、導波路の壁がほぼ完全に導電性であると仮定すると、境界条件は、壁の側面のいずれにも接線方向に向けられた電界がないことを規定する。境界条件が判明したら、マクスウェルの方程式を使用して、電磁エネルギーが導波路をどのように伝播するかを判定できる。
【0035】
マクスウェルの方程式は、所与の導波路のいくつかの動作モードを定義する。各モードは、電磁エネルギーが導波路を介して伝播できる1つの特定の方法を定義する。各モードには、関連付けられたカットオフ周波数がある。電磁エネルギーの周波数がカットオフ周波数より低い場合、モードは導波路でサポートされない。(i)導波路寸法および(ii)動作周波数の両方を適切に選択することにより、電磁エネルギーは、特定のモードで導波路を通って伝搬することができる。多くの場合、導波路は、設計周波数で1つの伝搬モードのみがサポートされるように設計されている。
【0036】
導波路伝搬モードには、横電気(TE)モード、横磁気(TM)モード、横電磁(TEM)モード、およびハイブリッドモードの4つの主なタイプがある。TEモードでは、電磁エネルギーは、電磁エネルギーの伝搬の方向に電界を持たない。TMモードでは、電磁エネルギーは電磁エネルギーの伝播方向に磁場を持たない。TEMモードでは、電磁エネルギーは、電磁エネルギーの伝播方向に電界も磁界も持たない。ハイブリッドモードでは、電磁エネルギーは、電磁エネルギーの伝播方向に電界と磁場の両方の一部を有する。
【0037】
TE、TM、およびTEMモードは、さらに、幅方向や高さ方向など、伝播方向に直交する2つの方向に対応する2つの接尾番号を使用して指定できる。ゼロ以外の接尾番号は、導波路の幅および高さに等しい電磁エネルギーの半波長のそれぞれの数を示す。ただし、接尾番号が0の場合は、その方向に関してフィールドの変化がないことを示す。例えば、TE10モードは、導波路の幅が半波長であり、高さ方向に電界変動がないことを示す。典型的には、接尾番号がゼロに等しい場合、それぞれの方向における導波路の寸法は、波長の半分未満である。別の例では、TE21モードは、導波路の幅が1波長(つまり2つの半波長)であり、高さが半波長であることを示す。
【0038】
導波路をTEモードで操作する場合、接尾番号は、導波路のそれぞれの方向に沿った最大電界の数も示す。例えば、TE10モードは、導波路が幅方向に最大で電界を1つ、高さ方向に最大ゼロの電界を持つことを示す。別の例では、TE21モードは、導波路が幅方向に最大で2つの電界と、高さ方向に最大で1つの電界を持つことを示す。
【0039】
ここで、本開示の範囲内の例示的なシステムをより詳細に説明する。本明細書に記載されるレーダユニットが使用し得る例示的なシステムは、自動車、レーダを有する自動車のレーダ能力を試験するためのシステム、および任意のタイプの導波路システムにおいて実装され得る、またはその形態をとり得る。しかしながら、例示的なシステムはまた、車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、アースムーバ、ボート、スノーモービル、航空機、レクリエーション車両、遊園地車両、農機具、建設機械、トラム、ゴルフカート、電車、およびトロリーなどの、他の車両に実装され得るか、または他の車両の形態をとり得る。導波路を使用する他の物体は、本明細書に提示される例示的なレーダユニットを使用することが可能である。
【0040】
いくつかの例では、車両レーダシステムは、1つまたは複数の調整可能なレーダユニットを含んでいてもよい。例えば、レーダユニットは、車両の一部に接続され、取り外され、車両の別の部分に再接続されてもよい。さらに、場合によっては、レーダユニットは車両コンポーネントの一部でもよい。例えば、車両のバンパー、サイドミラー、または車両の他のコンポーネントは、その内部に組み込まれたレーダユニットを含んでいてもよい。
【0041】
図1Aは、レーダユニット100の上部の組立図を示す。図示のように、レーダユニット100は、整列ピン、ねじ、および他のタイプの締結具の使用を可能にすることができる多数の穴112(貫通孔および/または止まり穴)で構成される第1の層110および第2の層120を含む。他の例では、レーダユニット100は、より多いまたはより少ない数の穴112を含んでいてもよい。さらなる例では、レーダユニット100は穴を含まなくてもよい。
【0042】
上で示すように、レーダユニット100は、第1の層110および第2の層112を含む。両方の層は、ポリマーや金属材料(例えば、金属、合金、化合物)を含む様々なタイプの材料で存在し得る。第1の層110は、第2の層120の穴112と整列する穴(図示せず)を含んでいてもよい。第2の層120は、様々なタイプの材料にも存在し得る。このように、2つの層は共通の平面で接合することができる(すなわち、2つの層は継ぎ目で接合することができる)。
【0043】
図1Aに示されるように、アレイ106は、DOEWG放射要素102と放射スロット104のアレイを表す場合もある。アレイ106は、送信アンテナ、受信アンテナ、またはそれらの組み合わせさえ表すことができる。要素102および放射スロット104の数量および構成は変わり得る。例えば、数量は、レーダユニット100用に構成されたDOEWGおよびチャネルの数に依存し得る。DOEWGアレイの放射要素102は、線形アレイ(図示)、二次元アレイ、単一要素、または放射要素の他の構成であってよい。
【0044】
放射スロット104は、レーダユニット100の上面に機械加工することができる特徴を表す。このように、各スロットの深さは変えることができる。例えば、1つ以上の放射スロット104の深さは、レーダユニット100の最上層120の厚さよりも浅くてもよい。他の実施形態では、放射スロット104の長さ、深さ、位置、間隔、および他のパラメータは、表面波を放射するときの放射スロット10の所望の性能に応じて異なり得る。
【0045】
いくつかの例では、要素102および放射スロット104は、レーダユニット100の表面のコンピュータ数値制御(CNC)機械加工によって作成される。特に、放射スロット104は、部分的または完全に誘電体材料で充填でき、高さを調整することもできる。例えば、1つ以上の放射スロット104を効果的に除去して、高さがゼロになるように高さを調整してもよい。放射スロット104は、同様に他の方法で作成してもよい。
【0046】
レーダユニット100は、送信アレイ106および受信アレイ108を含む。送信アレイ106は、レーダユニット100の動作中にレーダ信号を送信するように構成された1つ以上の送信アンテナを含む。同様に、受信アレイ108は、反射レーダ信号を受信するように構成された1つ以上の受信アンテナを含む。放射スロット104または他のコンポーネントを受信アレイ108の近くに配置することにより、受信アレイ108の受信特性も同様に改善され得る。同様に、他の実施形態では、放射スロット104を送信アレイ106の近くに位置付けて、送信アンテナの送信特性を向上させることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1および第2の層110、120を接合する場合、2つの層の合わせ表面間にエアギャップまたは他の不連続性が生じる可能性がある。このような実施形態では、このギャップまたは不連続性は、アンテナ装置の長さの中心に近接している(例えば、可能な限り近く)場合があり、例えば、約0.05mm以下の寸法を有していてもよい。
【0048】
図1Bは、レーダユニット100の底部の組立図を示す。図示のように、第1の層110は、整列ピン、ねじなどを収容するように構成された穴124(貫通孔および/または止まり穴)を含んでいてもよい。例えば、1つまたは複数の穴124は、第2の層120の対応する穴と整列させてもよい。レーダユニット100の底部は、車両もしくはデバイスの一部、または処理システムなどの他のコンポーネントに結合してもよい。
【0049】
図1Bに示すように、レーダユニット100は、さらに、レーダユニット100がレーダユニット100内に配置された1つ以上の導波路チャネルにおいて電磁波を受信できるようにすることができるポート126、128を含む。ポート126、128は、電磁波を、後続の処理に向けることもできる。このように、ポート126、128により、信号をレーダユニット100の内外に転送する双方向動作が可能になり得る。
【0050】
図2Aは、アンテナ(例えば、レーダユニット100)の第1の層200を示す。導波路の破線(全体で使用)は、フィード導波路のビーム形成コンポーネントを示している。図2Aおよび図2Bのアンテナの例は、ビーム形成ネットワークの可能な構成を示している。このように、第1の層200は、複数の長手のセグメント204を含む1つ以上の導波路チャネル202を含む。各長手のセグメント204の第1の端部206に、多数の同一直線上の波指向部材208が位置付けられる。部材208の寸法および構成は異なっていてもよい。例えば、いくつかの例では、部材208は均一な構成を有していてもよい。他のものでは、いくつかの部材208は、他の部材208と比較して、寸法および構成が異なっていてもよい。
【0051】
第1の端部206の反対側に位置付けられたチャネル202の第2の端部210において、1つまたは複数の長手のセグメント204は、貫通孔212(すなわち、入力ポート)を含んでいてもよい。所与の量の電力を使用して、対応する量の電磁波(すなわち、エネルギー)を装置に供給してもよく、貫通孔212は、これらの波を装置に供給される位置としてもよい。
【0052】
装置に入ると、電磁波は、図示のように、電力分割器214のアレイ(すなわち、「ビーム形成ネットワーク」)に向かって概ね+x方向に進行してもよい。アレイ214は、電磁波を分割し、波のそれぞれの部分を各長手のセグメント204のそれぞれの第1の端部206に伝搬するように機能してもよい。より具体的には、波は、アレイ214を離れて波指向部材208に向かった後、+x方向に伝搬し続けてもよい。上記の説明に沿って、導波路チャネルのアレイ214セクションは、本明細書では波分割チャネルと呼ぶこともある。
【0053】
電磁波の一部が導波路チャネル202の各長手のセグメント204の第1の端部206で波指向部材208に到達すると、波指向部材208は、電磁エネルギーのそれぞれの下位部分を通って導波路チャネルの後半(つまり、図示のように+z方向)に伝播する場合がある。例えば、電磁エネルギーは、まず、さらに第1の層200内に凹んだ、または機械加工された波指向部材(すなわち、ポケット)に到達する場合がある。その凹型部材は、第1の端部206のさらに下にある、凹型部材ではなく突出した部材であり得る後続の部材のそれぞれよりも少ない割合の電磁エネルギーを伝搬するように構成してもよい。
【0054】
さらに、後続の各部材は、第1の端部206でその特定の長手のセグメント204を進行する電磁波のうち、その前の部材より多くの割合を伝搬するように構成してもよい。このように、第1の端部206の遠位端にある部材は、最も高い割合の電磁波を伝搬するように構成してもよい。各波指向部材208は、様々な寸法を有する様々な形状をとってもよい。他の例では、2つ以上の部材を凹ましてもよい(またはどの部材も凹ませなくてもよい)。さらに他の例も可能である。加えて、様々な数量の長手のセグメントが可能である。
【0055】
第2の金属層は、1つ以上の導波路チャネルの後半を含んでいてもよく、1つ以上の導波路チャネルの後半のそれぞれの部分は、1つ以上の導波路チャネルの前半の長手のセグメントと略整列した長手のセグメントを含み、長手のセグメントの端部では、少なくとも一対の貫通孔は、少なくとも1つの波指向部材と部分的に整列し、第2の金属層の少なくとも1つの波指向部材から伝播する電磁波を放射するように構成されている。
【0056】
例では、2つのセグメントが閾値距離内にある場合、またはセグメントの中心が閾値距離内にある場合、後半の長手のセグメントは、前半の長手のセグメントと略整列するとみなしてもよい。例えば、2つのセグメントの中心が互いに約±0.051mm以内にある場合、セグメントは略整列しているとみなしてもよい。
【0057】
別の例では、両半分を結合する場合(つまり、2つの金属層を接合する場合)、セグメントの前半のエッジと、それに対応するセグメントの後半のエッジが互いに約±0.051mm以内である場合、そのセグメントのエッジは略整列しているとみなしてもよい。
【0058】
さらに他の例では、2つの金属層を接合するとき、それらの側面が互いに面一にならないように、一方の層を他方の層に対して角度を付けてもよい。かかる他の例では、この角度オフセットが約0.5度未満である場合、2つの金属層、したがってセグメントの両半分は、略整列しているとみなしてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、少なくとも一対の貫通孔は、1つ以上の導波路チャネルの後半の長手のセグメントに垂直であってもよい。さらに、少なくとも一対の貫通孔のそれぞれの対は、第1の部分および第2の部分を含んでいてもよい。このように、所与の一対の貫通孔が第1の部分で合わさって単一のチャネルを形成することができる。その単一のチャネルは、対応する波指向部材によって伝搬された電磁波の少なくとも一部を受信し、電磁波の少なくとも一部を第2の部分に伝搬するように構成してもよい。さらに、第2の部分は、ダブレットとして構成された2つの出力ポートを含んでいてもよく、一対の貫通孔の第1の部分から電磁波の少なくとも一部を受信し、電磁波の少なくともその部分を2つの出力ポートから外に伝搬するように構成してもよい。
【0060】
図2Bは、レーダユニット100の第2の層220を示す。第2の層220は、図2Aに示す第1の層200の導波路チャネル202の一部(例えば、入力導波路チャネルの後半、波分割チャネル、および波放射チャネル)を含んでいてもよい。図示のように、導波路チャネル202は、チャネルの両半分を適切に整列しやすくするために、チャネルの前半の一般的な形態をとってもよい。後半222の長手のセグメントは、電力分割器224のアレイの後半を含んでいてもよい。
【0061】
上述したように、電磁波はアレイ224を通って進行することができ、そこでそれらは複数の部分に分割され、その後、その複数の部分は長手のセグメント222の後半のそれぞれの端部226に(すなわち、図示のように+x方向に)進行する。さらに、所与の長手のセグメントの端部226は、第1の金属層200の波指向部材208と少なくとも部分的に整列し得る、複数対の貫通孔228を含んでいてもよい。より具体的には、貫通孔の各対は、反射要素とも呼ばれる対応する波指向部材と少なくとも部分的に整列させることができ、それにより、電磁波の所与の下位部分が第1の層200から第2の層220に上述のように伝播されると、それらの下位部分は、図示のように-z方向に貫通孔の対(すなわち、一対の出力ポート)から放射される。この場合も、所与の波指向部材と対応する出力ポートの対との組み合わせは、上記のようにDOEWGを形成することができる。
【0062】
さらに、すべてのDOEWGの組み合わせは、本明細書ではDOEWGアレイと称される場合がある。アンテナ理論では、アンテナの放射口径が大きい場合(つまり、アンテナのどれだけの表面領域が放射するか、表面領域のどこにDOEWGアレイが含まれるか)、そのアンテナは、ゲイン(dB)がより高く、ビーム幅が狭くなる場合がある。このように、いくつかの実施形態では、ゲインの高いアンテナは、チャネルあたりのDOEWGが多い、より多くのチャネル(すなわち、長手のセグメント)を含んでいてもよい。図2Aおよび図2Bに示されているアンテナの例は、自律車両の目的に適している場合があるが(例えば、セグメントごとに5つのDOEWGを備えた6つの長手のセグメント)、他の実施形態も可能であり、かかる他の実施形態では、限定はしないが、自動車のレーダを含む様々なアプリケーションに合わせて設計/機械加工してもよい。
【0063】
例えば、かかる他の実施形態では、アンテナは最低で、単一のDOEWGを含んでいてもよい。この配置では、出力ポートは全方向にエネルギーを放射する場合がある(つまり、低ゲイン、広いビーム幅)。概ね、セグメント/DOEWGの上限は、第1および第2の金属層に使用される金属のタイプによって判定してよい。例えば、高い抵抗を有する金属は、電磁波が導波路チャネルを下方に進行するときに電磁波を減衰させることがある。このように、より大きく、高抵抗のアンテナが設計される場合(例えば、チャネルが多く、セグメントが多く、DOEWGが多いなど)、入力ポートを介してアンテナに注入されるエネルギーは、アンテナから放射されるエネルギーがあまり多くない程度まで減衰される場合がある。したがって、より大きなアンテナを設計するためには、抵抗の少ない(および導電性の高い)金属を第1および第2の金属層に使用する場合がある。例えば、本明細書に記載の実施形態では、第1および第2の金属層の少なくとも一方はアルミニウムであってもよい。
【0064】
さらに、他の実施形態では、第1および第2の金属層のうちの少なくとも一方は、銅、銀、または別の導電性材料であってもよい。さらに、アルミニウム金属層は、アンテナ性能を向上させるために、銅、銀、または他の低抵抗/高導電性材料でメッキしてもよい。他の例も可能である。
【0065】
アンテナは、第1の金属層を第2の金属層に接合して、1つ以上の導波路チャネルの前半を1つ以上の導波路チャネルの後半に整列させて1つ以上の導波路チャネルを形成する(すなわち、複数の波分割チャネルの前半を複数の波分割チャネルの後半と整列させ、複数の波放射チャネルの前半を複数の波放射チャネルの後半と整列させる)ように構成された少なくとも1つの締結具を含んでいてもよい。いくつかの実施形態においてこれを容易にするために、第1の金属層、第1の複数の貫通孔(図2Aには図示せず)は、少なくとも1つの締結具を収容するように構成してもよい。さらに、第2の金属層において、第2の複数の貫通孔(図2Bには図示せず)は、第1の複数の貫通孔と略整列し、第2の金属層を第1の金属層に接合するための少なくとも1つの締結具を収容するように構成してもよい。かかる実施形態では、少なくとも1つの締結具を、整列された第1および第2の複数の貫通孔に設け、2つの金属層が互いに接合されるような方式で固定してもよい。
【0066】
いくつかの例では、少なくとも1つの締結具は複数の締結具であってよい。ねじや整列ピンなどの機械的締結具(および締結を容易にするために使用される技術)を使用して、2つの金属層を互いに接合(例えば、ねじ留め)してもよい。さらに、いくつかの例では、2つの金属層は、接着剤層を間に挟まずに、互いに直接接合してもよい。さらに、2つの金属層は、拡散接合、はんだ付け、ろう付けなどの接着とは異なる方法を使用して互いに接合してもよい。しかしながら、他の例では、既知または未知の、金属層を接合するための任意の方法に加えて、または代替的に、かかる方法を使用し得ることが可能である。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2の金属層の複数の貫通孔に加えて、または代替的に、1つ以上の止まり穴を第1の金属層および/または第2の金属層に形成してもよい。かかる実施形態では、1つ以上の止まり穴は、締結(例えば、ハウジングねじまたは整列ピン)に使用してもよく、または他の目的に使用してもよい。
【0068】
図2Cは、導波路240の等角断面図を示す。導波路240は、継ぎ目246で結合された上部242および下部244で形成される。導波路はさらに、導波路240の動作中に電磁エネルギーが伝搬するキャビティ248と、電磁エネルギーをキャビティ248に提供するか、または電磁エネルギーを導波路240から放出させるように構成されたフィード249を含む。継ぎ目246はキャビティ248の高さの中間点に位置付けられて示されているが、上部242および下部244は、導波路240の所与の軸に沿った他の位置で一緒に結合することができる。
【0069】
図3Aは、レーダユニット300の上部の組立図を示す。レーダユニット300は、一緒に結合された第1の層302および第2の層304を含む。第2の層304は、送信または受信アンテナを構成する放射要素をそれぞれが有する送信アレイ306および受信アレイ308を含む。
【0070】
第1の層302および第2の層304は、可能性のある様々な材料のうち、とりわけ、アルミニウム、チタン、プラスチック、および合金などから生成してもよい。このように、第1の層302および第2の層304は、送信アレイ306および受信アレイ308における放射要素の動作を可能にする導波路を含む、レーダユニット300のコンポーネントを収容してもよい。例えば、導波路は、第1の層302と第2の層304との間に位置付けることができる。
【0071】
送信アレイ306は、送信アンテナ310、312、314、および316を構成する放射要素を含む。各送信アンテナは、特定の偏波でレーダ信号を送信してもよい。例えば、送信アンテナ310は、第1の偏波(例えば、水平面から+45度)で進行するレーダ信号を送信するように構成してもよく、他の送信アンテナ312~316は、同じまたは他の偏波(例えば、水平面から-45度、水平直線、垂直直線)で動作するように構成してもよい。他の例では、放射要素のいくつかは、同じ送信アンテナに対応してもよい。例えば、送信アンテナ310および送信アンテナ312の放射要素を、単一の送信アンテナを形成するために組み合わせてもよい。
【0072】
受信アレイ308は、受信アンテナ318、320、322、および324を構成する放射要素を含む。各受信アンテナは、特定の偏波で進行している反射レーダ信号を受信してもよい。一例として、受信アンテナ318~324はそれぞれ、上述の4つの偏波のうちの1つから反射レーダ信号を受信してもよい。
【0073】
送信アンテナ310~316および受信アンテナ318~324は共に、第1の層302および第2の層304内に位置付けられた導波路を利用してもよい。特に、電磁波は、導波路チャネルに沿って進み、送信アンテナ310~316を介して指向性レーダ信号として出射してもよい。同様に、受信したレーダ信号内の電磁波は、後続の処理のために、導波路チャネルを介して受信アンテナ318~324から進行してもよい。
【0074】
さらに、送信アンテナ310~316および受信アンテナ318~324は、レーダユニット300の単一のレーダチップによって操作してもよい。実際には、レーダチップは、複数の独立した送信および受信チャネルで構成してもよい。各チャネルは、レーダユニットが送受信でき得る1つの信号に対応する。
【0075】
1つの例示的なレーダチップは、4つの受信チャネルおよび3つの送信チャネルを有していてもよい。よって、例示的なチップは、3つの信号を送信し、4つの信号を同時に受信することができるようにしてもよい。したがって、この例示的なレーダチップは、レーダユニットの4つの偏波すべてから同時に信号を受信できるようにしてもよい。さらに、例示的なレーダチップは、3つのレーダ信号を同時に送信できるようにしてもよい。したがって、レーダユニットが4つの異なる偏波で同時に送信するために、レーダユニットは、(i)2つ以上のレーダチップ、または(ii)レーダチップ出力のうちの1つを2つの送信信号に分割する方法で構成してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のレーダユニット300または他のレーダユニットは、1つまたは複数の送信アンテナが2つ以上の偏波チャネル間で選択的に送信するように構成される増幅器または別のコンポーネントをさらに含むことができる。一例では、増幅器は、(レーダチップなどからの)単一の入力および2つの出力を有していてもよい。レーダチップの各出力は、選択的に有効または無効にすることができるようにしてもよい。したがって、3つの出力を有するレーダチップを有するレーダユニットは、増幅器を使用して、3つの出力信号を2つの信号に分割してもよい。よって、3つの出力および増幅器を備えた信号レーダチップを使用して、レーダユニットによって送信するための4つのレーダ信号を作成してもよい。
【0077】
さらに、レーダユニット300は、利用可能な様々な偏波の間でレーダ信号の送信を選択的に変更するように構成された制御ユニットなどの他のコンポーネントを含むことができる。例えば、制御ユニットは、送信のために1つから4つすべての偏波を選択的に有効にすることができてもよい。いくつかの例では、制御ユニットは、送信された偏波を反復的に変更するように構成してもよい。レーダユニット300はまた、入射するレーダ測定値に基づいて環境に関する情報を判定するように構成されたプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサは、レーダユニット300上に位置付けるか、または有線もしくは無線接続を介して結合してもよい。いくつかの例では、1つまたは複数のプロセッサが、レーダユニット300および他のレーダユニットからの測定値を使用して、周囲環境の気象条件を判定してもよい。例えば、1つまたは複数のプロセッサは、複数の偏波(例えば、2つ以上の偏波)で放射されたレーダ信号の測定値を使用して、気象条件ならびに環境内の他の地物を検出してもよい。いくつかのさらなる例では、プロセッサは、受信したレーダ情報(または受信したレーダ情報の欠如)を使用して、どの偏波を有効または無効にするかを判定してもよい。さらなる例では、レーダユニット300は、単一のレーダチップとしてレーダユニット300上に一緒に配置された4つの受信アンテナおよび3つの送信アンテナを含んでいてもよい。
【0078】
図3Bは、レーダユニット330の上部の組立図を示す。レーダユニット300と同様に、レーダユニット330は、第1の層332および第2の層334を含む。第2の層334は、送信アレイ336および受信アレイ338を含み、それぞれが送信または受信アンテナの一部を構成する放射要素を有する。
【0079】
送信アレイ336は、送信アンテナ340、342、344を構成する放射要素を含む。各送信アンテナは、特定の偏波でレーダ信号を送信してもよい。一例として、送信アンテナ340および342は、それぞれ、水平面から±45度の傾斜偏波でレーダ信号を送信してもよい。さらに、送信アンテナ344は、水平直線偏波または垂直直線偏波などの特定の偏波で送信してもよい。いくつかの実施形態では、下層の導波路チャネルは、送信アンテナ344(または別の送信アンテナ)が複数の偏波の間で選択的に送信することができるようにしてもよい。例えば、送信アンテナ344は、水平直線偏波または垂直直線偏波で放射する送信レーダ信号の間で選択的に切り替えてもよい。
【0080】
受信アレイ338は、受信アンテナ346、348、350、352を構成する放射要素を含む。各受信アンテナは、特定の偏波で進行している反射レーダ信号を受信してもよい。一例として、受信アンテナ346~352はそれぞれ、上述の4つの偏波のうちの1つから反射レーダ信号を受信してもよい。例えば、受信アンテナ346は、傾斜偏波で放射している反射信号を受信してもよい。下層の導波路チャネルおよび他の可能なコンポーネントにより、各受信アンテナが特定の偏波で放射するレーダ信号を受信する場合がある。さらに、導波路チャネルの構成(例えば、長さ、幅)は、受信の幅および受信アンテナがレーダ信号をその中で受信する距離に影響を与える場合がある。
【0081】
図3Cは、レーダユニット360の上部の組立図を示す。図示のように、レーダユニット360は、第1の層362および第2の層364で構成され、送信アレイ366および受信アレイ368をさらに含む。送信アレイ366は送信アンテナ370で構成され、受信アレイ368は受信アンテナ372で構成される。これらのアンテナはそれぞれ、アンテナに広範囲の環境から送信または受信させ得る単一の放射要素を含んでいる。
【0082】
レーダユニット300、330、および360は、複数の偏波で動作可能なレーダユニットの例示的な構成を表している。このように、他の実施形態は、異なる構成のレーダユニットを伴ってもよい。これらの構成により、所与のレーダユニットが所与の時間に4つ以上またはそれ以下の偏波で動作できるようにしてもよい。これらのレーダユニットならびに他のレーダユニットは、車両または他のデバイスが環境を測定するのを支援するように構成されたレーダシステムの一部であってもよい。このように、例示的なレーダユニットは、物体の検出および識別を支援するように構成されているプロセッサ(複数可)(例えば、コンピューティングシステム)を含んでいてもよい。例えば、プロセッサは、第1の偏波を有するレーダ送信信号から受信した1つまたは複数のレーダ反射送信に基づいて予備的な物体識別を判定し、また、第1の偏波とは異なる第2の偏波を有する第2のレーダ信号を送信してもよい。このように、プロセッサは、第2のレーダ信号の送信から受信した第2の受信したレーダ反射送信に基づいて物体識別を行ってもよい。
【0083】
例示的なレーダユニットはまた、プロセッサまたは他のコンポーネントに対応し得る制御ユニットを含んでいてもよい。所与の制御ユニットは、送信アンテナをハイブリッド送信モードで動作させるように構成可能であってもよい。ハイブリッド送信モードは、水平直線偏波、垂直直線偏波、傾斜偏波などの2つ以上の偏波でレーダ信号を同時に選択的に送信する1つ以上の送信アンテナを伴い得る。
【0084】
さらなる例示的な実施形態では、レーダシステムは、水平直線偏波で送信するように構成された第1の送信アンテナと、垂直水平直線偏波で送信するように構成された第2の送信アンテナと、水平面から約+45度の第1の傾斜偏波と水平面から約-45度で放射するように構成された第2の傾斜偏波との間で選択的に送信するように構成された第3の送信アンテナとからなる送信アンテナを含んでいてもよい。レーダシステムは、また、水平直線偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第1の受信アンテナと、垂直水平直線偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第2の受信アンテナと、第1の傾斜偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第3の受信アンテナと、第2の傾斜偏波で送信されたレーダ信号の反射を受信するように構成された第4の受信アンテナとからなる受信アンテナを含む。
【0085】
図4Aは、レーダユニットの送信および受信アンテナのレイアウト400を示す。図示のように、レイアウト400は、受信アレイ402および送信アレイ404を含む。受信アレイ402は、受信アンテナ406、408、410、および412を含む。各受信アンテナは、特定の偏波から反射レーダ信号を受信するように構成されている。例えば、受信アンテナ406は、水平面から約-45度の傾斜偏波などの傾斜偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよい。受信アンテナ408は、水平直線偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよく、受信アンテナ410は、垂直直線偏波または別の偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよい。受信アンテナ412は、水平面から約+45度の傾斜偏波などの傾斜偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよい。
【0086】
下層の導波路の長さまたは構成は、各受信アンテナの性能に影響を与える可能性がある。図示のように、受信アンテナ406~412は、本明細書に記載される他のアンテナの導波路と比較して長さが短い導波路を有する。これらの導波路の長さは、所与の受信アンテナが受信するように設計され得る受信の程度に影響を与える可能性がある。特に、各受信アンテナのための短い長さの導波路は、受信アンテナが広い焦点領域からの反射信号を受け入れるように構成されていることを信号送信してもよい。
【0087】
図4に示されるように、送信アレイ404は、送信アンテナ414、416、418、および420を含む。各送信アンテナは、特定の偏波でレーダ信号を送信するように構成されている。例えば、送信アンテナ416は、水平直線偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよく、送信アンテナ414は、垂直直線偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよい。さらに、送信アンテナ420は、水平面から約-45度の傾斜偏波などの傾斜偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよい。同様に、送信アンテナ418は、水平面から約+45度の傾斜偏波などの傾斜偏波で反射レーダ信号を受信するように構成してもよい。
【0088】
受信アンテナの導波路と同様に、下層の導波路の長さまたは構成は、送信アンテナの性能に影響を与える可能性がある。図示のように、送信アンテナ414、416、418、および420は、本明細書で説明される他のアンテナの導波路と比較して長さが短い導波路を有する。これらの導波路の長さは、レーダユニットの所与の送信アンテナアレイが送信し得る送信のビーム幅に影響を与える可能性がある。特に、アレイの短い長さは、送信アンテナが信号を広い領域(すなわち、広いビーム幅)にわたって外向きに送信する原因となり得る。逆に、長いアレイは、ビーム幅が狭くなる場合がある。
【0089】
図4Bは、レーダユニットの送信および受信アンテナの別のレイアウトを示している。レイアウト400と同様に、レイアウト430は、受信アレイ432および送信アレイ434を含む。他の実施形態では、受信アレイ432および送信アレイ434は、アンテナの構成および位置を切り替えることができる。
【0090】
受信アレイ432は、受信アンテナ434、436、438、および440を含む。いくつかの実施形態では、受信アンテナ434および受信アンテナ440は両方とも、それぞれ特定の傾斜した偏波で反射レーダ信号を捕捉するように構成してもよい。例えば、受信アンテナ434は、水平面から約+45度の傾斜偏波などの傾斜偏波で反射レーダ信号を受信してもよい。この例では、受信アンテナ440は、水平面から約-45度の傾斜偏波でレーダ信号を受信するように構成してもよい。
【0091】
受信アンテナ436は、垂直直線偏波で進行するレーダ信号を受信するように構成されてもよく、受信アンテナ438は、水平直線偏波で進行するレーダ信号を受信するように構成してもよい。他の実施形態では、受信アンテナ436は、反射された水平直線偏波信号を受信するように構成してもよく、受信アンテナ438は、反射された垂直直線偏波信号を受信するように構成してもよい。
【0092】
上記のように、下層の導波路の長さまたは構成は、受信アンテナの性能に影響を与える可能性がある。図示のように、受信アンテナ434~440はすべて、本明細書に記載される他のアンテナの導波路(例えば、送信アレイ434の送信アンテナの導波路)と比較して長さが長い導波路を有する。これらの導波路の長さまたは構成は、所与の受信アンテナが受信するように設計され得る受信のビーム幅に影響を及ぼす可能性がある。特に、各受信アンテナのための長い導波路は、受信アンテナが、より狭い受信のビーム幅からの反射信号を受け入れるように構成されていることを信号送信してもよい。この狭いビーム幅は、受信アンテナに向かって狭い領域を進行する反射レーダ信号に集中できる。
【0093】
レイアウト430の送信アレイ434は、図4Aに示される送信アレイ404の構成に類似する送信アンテナ442、444、446、448の組み合わせを含む。送信アレイ404と同様に、送信アレイ434の送信アンテナ442~448は、特定の偏波でレーダ信号の広いビームを送信するように構成してもよい。
【0094】
図4Cは、レーダユニットのための送信および受信アンテナのさらなるレイアウト450を示す。レイアウト450は、図4Bに示す受信アレイ432に類似する受信アレイ452を含む。
【0095】
レイアウト450は、送信アンテナ464、466、468、および470を含む送信アレイ454も含む。図示のように、送信アンテナ464~470は、各送信アンテナに、集束方向において狭いビームであるレーダ信号を送信させることができる長い導波路を利用する。例えば、送信アンテナ464は、水平面から約-45度で傾斜偏波に向けられた狭いビームでレーダ信号を送信するように構成してもよい。他の実施形態では、送信アンテナ464は、別の偏波(例えば、水平直線)で進行するレーダ信号を送信してもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、送信アンテナ466および送信アンテナ468は、環境の狭い焦点に向けてレーダ信号を送信するように構成してもよい。これらの送信されたレーダ信号は、それぞれ水平直線偏波および垂直直線偏波などの特定の偏波で進行する場合がある。さらに、送信アンテナ470は、水平面からおよそ45度の偏波で傾斜偏波に向けられた狭いビームでレーダ信号を送信するように構成してもよい。
【0097】
図4Dは、レーダユニット用の送信および受信アンテナの追加のレイアウト472を示す。レイアウト472は、受信アレイ474および送信アレイ476を含む。図4Dに示されるように、受信アレイ474は、特定の偏波でレーダユニットに向かって進行する反射レーダ信号をそれぞれ受信するように構成し得る受信アンテナ478、480、482、および484を含む。同様に、送信アレイ476は、導波路チャネルを介してリンクされた送信アンテナ488、490、492、および494を含む。これらの送信アンテナのそれぞれは、アンテナアレイの長さに起因して、狭いビームにおいて特定の偏波で進行するレーダ信号を送信するように構成してもよい。さらに、送信アレイ476は、エネルギー損失を低減し、送信アンテナ488~494の動作を改善することができる寄生要素486も含む。他の実施形態では、上述の受信アレイ474または他の送信/受信アレイは、レーダユニットの受信または送信特性を向上させるために1つまたは複数の寄生要素を含んでいてもよい。
【0098】
図5は、組み立てられた例示的なアンテナの内部に形成された概念的な導波路チャネル500を示す。より具体的には、導波路チャネル500は、図2Aおよび図2Bの導波路チャネル202の構成を表す。例えば、導波路チャネル500は、入力導波路チャネル564への入力ポート562を含む。導波路チャネル500はまた、波分割チャネル566および複数の放射ダブレット568(すなわち、DOEWGアレイ)を含む。
【0099】
上述したように、電磁波が入力ポート562で導波路チャネル500に入ると、電磁波は入力導波路チャネル564を通って+x方向に進行して、次に波分割チャネル566(例えば、電力分割器)によって部分に分割されてもよい。次に、電磁波のそれらの部分は、+x方向にそれぞれの放射ダブレット568に進行してもよく、それらの複数の部分の下位部分は、例えば、放射ペア570などの対の出力ポートを通して各DOEWGから放射される。
【0100】
特定の波放射チャネルにおいて、電磁波の一部は、上述のように、まず、凹んだ波指向部材572(すなわち、逆ステップ、または「ウェル」)を備えた第1のDOEWGを通って伝播されてもよい。この凹んだ波指向部材572は、特定の波放射チャネルのDOEWGのすべての部材のエネルギーの最小割合を放射するように構成してもよい。一部の例では、後続の各波指向部材574は、後続の各DOEWGが、残りのエネルギーをその前に来たDOEWGよりもより多くの割合で放射できるように(例えば、凹むのではなく、突出するように)形成してもよい。別の言い方をすれば、各波指向部材572、574は、概ね、水平(+x方向)チャネル(すなわち、波放射チャネル、または上記のように、「長手のセグメント」の「第1の端」)への「ステップカット」として形成され、アンテナによって使用されて、放射されるエネルギー量対アンテナからさらに下に送信されるエネルギー量を修整してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、所与のDOEWGは、閾値レベルを超えるエネルギーを放射することができず、閾値レベル未満のエネルギーを放射することができない場合がある。これらの閾値は、DOEWGコンポーネント(例えば、波指向部材、水平チャネル、垂直チャネル、2つの出力ポート間のブリッジなど)の寸法に基づいて変えてもよく、またはアンテナに関連付けられた他の要因に基づいて変えてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の金属層は、導波路チャネル500の様々な側面が、例えば、エッジ576、578、および580などの丸いエッジを有するように機械加工してもよい。
【0102】
図6は、例示的なアンテナの波放射部分600を示す。図6の波放射部分600は、例示的なアンテナの例示的な波放射ダブレットを示す。より具体的には、図6は、例示的なDOEWG600の断面を示す。上記のように、DOEWG600は、水平フィード(すなわち、チャネル)、垂直フィード(すなわち、ダブレットネック)、および波指向部材604を含んでいてもよい。垂直フィードは、水平フィードからのエネルギーを2つの出力ポート602に結合するように構成されてもよく、その各々は、DOEWG600から電磁波の少なくとも一部を放射するように構成される。いくつかの実施形態では、入力ポートから最も遠いDOEWGは、位置606にバックストップを含んでいてもよい。バックストップは、それぞれの導波路の端または終端であり得る。最後のDOEWGの前に来るDOEWGは、単に位置606で開いてればよく、電磁波はその位置606を介して後続のDOEWGに伝播することができる。例えば、複数のDOEWGは、水平フィードが複数のDOEWGにわたって共通である場合、直列に接続してもよい。図6は、放射要素に結合する電磁信号の振幅および/または位相を修整ために調整できる様々なパラメータを示している。
【0103】
DOEWG600などのDOEWGを修整するために、垂直フィード幅、vfeed_a、およびステップ604の様々な寸法(例えば、dw、dx、およびdz1)を修整して、DOEWG600からの放射エネルギーの異なる割合を達成できる。ステップ604は、水平フィードを下って垂直フィードに伝播する電磁波の一部を反射するので、反射コンポーネントと称されることもある。さらに、いくつかの例では、反射コンポーネントの高さdz1は負であり得、すなわち、水平フィードの底より下に延在し得る。同様の修整メカニズムを使用して、寄生コンポーネントを修整することもできる。例えば、寄生コンポーネントは、垂直幅、および高さの様々な寸法(例えば、dw、dx、およびdz1)のいずれかを含んでいてもよい。
【0104】
いくつかの例では、DOEWG600の各出力ポート602は、関連付けられた位相および振幅を有していてもよい。各出力ポート602について所望の位相および振幅を達成するためには、様々なジオメトリのコンポーネントを調整すればよい。前述のように、ステップ(反射コンポーネント)604は、垂直フィードを通して電磁波の一部を導くことができる。それぞれのDOEWG600の各出力ポート602に関連付けられた振幅を調整するために、各出力ポート602に関連付けられた高さを調整することができる。さらに、各出力ポート602に関連付けられる高さは、出力ポート602のこのフィードセクションの高さまたは深さでもよく、高さまたは深さの調整でよいだけでなく、一般に、これらの変化もしくはステップの多様性、または高さもしくは深さの増減でもよい。
【0105】
図6に示されるように、高さdz2および高さdz3は、2つの出力ポート602に関して振幅を制御するように調整してもよい。高さdz2と高さdz3を調整すると、ダブレットネックの物理的な寸法が変わる場合がある(図6の垂直フィードなど)。ダブレットネックは、高さdz2と高さdz3に基づいた寸法を有していてもよい。よって、高さdz2および高さdz3が様々なダブレットに対して変更されると、ダブレットネックの寸法(すなわち、ダブレットネックの少なくとも片側の高さ)が変化する可能性がある。一例では、高さdz2が高さdz3より大きいので、高さdz2に関連付けられた(すなわち、隣接して配置される)出力ポート602は、高さdz3に関連付けられた出力ポート602によって放射される信号の振幅よりも大きな振幅で放射し得る。
【0106】
図7は、レーダシステムで信号送信する方法700を示すフローチャートである。方法700は、上述の例示的なレーダユニットまたはシステムのいずれかを使用して実行してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、方法700は、(放射ではなく)電磁波を受信するために疑似逆に実行することもできる。方法700は、例えば、自律車両に取り付けられたレーダシステムを使用して自律車両のナビゲーションを支援するために実行してもよい。上述のように、レーダユニットは、異なる配向を含む車両の様々な部分に取り付けることができる。例えば、レーダユニットは、レーダユニットの所望の性能に応じて、垂直、水平、直角、またはその他の異なる配向で車両に結合することができる。レーダユニットを車両に結合するには、様々なコンポーネントを使用することを伴う場合がある。他の例では、レーダユニットは車両コンポーネントの一部に組み込まれる場合もある。代替的に、無線通信技術を使用して通信するために方法700を実行してもよい。
【0107】
ブロック702では、方法700は、複数の送信アンテナを使用してレーダ信号を送信することを伴う。例えば、複数の送信アンテナは、4つの偏波のうちの1つで送信するように構成された送信アンテナを含むことができる。
【0108】
一例として、送信アンテナは、3つの送信アンテナのセットを含んでいてもよい。第1の送信アンテナは、水平直線偏波で進行するレーダ信号を送信してもよく、第2の送信アンテナは、垂直直線偏波で進行するレーダ信号を送信してもよい。このセットは、水平面から約+45度の第1の傾斜偏波および水平面から約-45度の第2の傾斜偏波のような2つの偏波の間でレーダ信号を選択的に送信するように構成された第3の送信アンテナをさらに含んでいてもよい。
【0109】
ブロック704では、方法700は、複数の受信アンテナを使用してレーダを受信することを含む。複数の受信アンテナは、4つの偏波のうちの1つで進行するレーダ信号を受信するように構成された送信アンテナを含むことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、方法700は、少なくとも2つの偏波の間で選択的に送信された1つまたは複数のレーダ信号を受信することをさらに伴い得る。受信したレーダ信号を使用して、レーダシステムの環境の気象条件を判定できる。例えば、車両は、レーダシステムを使用して検出された気象条件に基づいてナビゲーション操作を実行してもよい。このように、車両制御システムは、気象条件が安全なナビゲーションにあまり適していない場合に制御戦略を調整してもよい。場合によっては、車両制御システムはレーダシステムを利用して、雨、雪、道路の水たまりの存在、またはナビゲーションに影響を与える可能性のあるその他の気象条件を検出できる。
【0111】
さらなる実施形態では、方法700は、第1の偏波を有する第1のレーダ送信から受信した第1のレーダ反射送信に基づいて予備的な物体識別を判定することをさらに伴い得る。実施形態は、第1の偏波とは異なる第2の偏波を有する第2のレーダ信号の送信を引き起こし、第2のレーダ信号の送信から受信した第2の受信レーダ反射送信に基づいて物体識別を行うことをさらに伴ってもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、レーダシステムの送信アンテナは、複数の偏波の間で選択的にレーダ信号を送信してもよい。例えば、送信アンテナは、水平直線偏波と垂直直線偏波との間で選択的に送信してもよい。他の例では、送信アンテナは、水平面から約+45度の第1の傾斜偏波と、水平面から約-45度で放射するように構成された第2の傾斜偏波との間でレーダ信号を選択的に送信してもよい。
【0113】
さらなる例では、レーダシステムに関連付けられたプロセッサは、レーダ信号を使用して気象条件を判定してもよい。特に、プロセッサは、複数の偏波(例えば、少なくとも2つの偏波)のレーダに基づいて気象条件を判定してもよい。
【0114】
導波路チャネル、導波路チャネルの部分、導波路チャネルの側面、波指向部材などの他の形状および寸法も可能であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波路チャネルの矩形形状または角丸矩形形状は、製造するのに非常に便利であり得るが、同等またはそれ以上の利便性で導波路チャネルを製造するために既知またはまだ知られていない他の方法が実施されてもよい。
【0115】
さらに、図に示されている様々な要素は、他のレイアウト、配置、数量、または寸法も可能であることを理解されたい。例えば、アンテナまたはアンテナシステムの所与の用途が、図に示される偏波回転オーバーレイユニットセルの様々な機械加工部分、および/または本明細書に記載のアンテナ(複数可)およびアンテナシステム(複数可)のその他の機械加工された(または機械加工されていない)部分/コンポーネントの適切な大きさおよび寸法(例えば、チャネル寸法、金属層の厚さなど)を判定し得ることを理解されたい。例えば、上述のように、いくつかの例示的なレーダシステムは、77GHzの電磁波周波数で動作するように構成してもよく、これは、ミリメートル電磁波波長に対応する。この周波数では、装置のチャネル、ポートなどは、77GHzの周波数に適した所与の寸法のものでよい。他の例のアンテナおよびアンテナアプリケーションも可能である。
【0116】
さらに、「アンテナ」という語は、電磁スペクトルの無線周波数内のみの電磁波を伴う用途に限定されるべきではない。「アンテナ」という用語は、本明細書では、電磁波を送信および/または受信することができるデバイスを説明するために広く使用している。例えば、本明細書に記載されているアンテナまたはアンテナのコンポーネントのいずれも、光を送信および/または受信することが可能であり得る。さらに、本明細書で説明するアンテナまたはアンテナのコンポーネントのいずれも、光源(例えば、光ファイバまたは光レーザ)によって給電することが可能であり得る。かかる例示的なアンテナは、例えば、コンピューティングデバイス内の光相互接続として使用してもよい。さらに、そのようなアンテナ内のコンポーネントの対応する形状と寸法は、波長に応じて変えてもよい(例えば、光学の実施形態で使用されるコンポーネントは、無線の実施形態のミリメートルの形状とは対照的に、数百ナノメートルの縮尺の形状を有し得る)。
【0117】
本明細書において説明される配置は、例示のみを目的としていることを理解されたい。このようなことから、当業者であれば、他の配置および他の要素(例えば、機械、装置、インターフェース、機能、順序、および機能のグループ化など)が代わりに使用でき、いくつかの要素は、所望の結果に応じて一括して省略してもよいことを理解するであろう。さらに、説明される要素の多くは、個別のコンポーネントもしくは分散したコンポーネントとして、または他のコンポーネントと共に、任意の適切な組み合わせおよび場所で実装してもよい。
【0118】
様々な態様および実施形態が本明細書において開示されているが、当業者には、その他の態様および実施形態が明らかとなるであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例証を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7