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特許7271565情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230501BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G61/00 546
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020549889
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 JP2018037808
(87)【国際公開番号】W WO2020075250
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058790(JP,A)
【文献】特開2002-304559(JP,A)
【文献】特開2016-076243(JP,A)
【文献】特開2003-237947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 61/00
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理装置であって、
前記ストッカは、発送用の物品の収容にも利用され、発送用の物品を集荷する集荷業者が定められており、
前記納品庫に保管されている物品が所定の滞留期間を超えたと判定したときには、該物品の管理ステータスを保管から発送に切り替え、該物品に対応した発送先の情報を出力する情報制御部、を備え、
前記情報制御部は、前記ストッカに配設された表示操作部に集荷を受け取る依頼が入力されたと判定すると、前記管理ステータスが保管から発送に切り替えられた物品があるか否かを判定し、前記物品があると判定した場合には前記管理ステータスが保管から発送に切り替えられた前記物品がある旨のメッセージを出力し、前記集荷業者の識別情報を認証すると、該物品を保管する納品庫の扉を開放する、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報制御部は、前記集荷業者が利用する発送ラベルを出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報制御部は、前記集荷業者が集荷処理を行う際に、前記管理ステータスを保管から発送に切り替えた物品があるときには、該管理ステータスを切り替えた物品が収容されている納品庫の識別情報を、前記発送先の情報と共に、又は発送先の情報とは別に出力する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ストッカは、物品の発送用の納品庫、物品の受け渡し用の納品庫、一時的に物品を保管するコインロッカーのうち1以上の納品庫に利用され、
前記情報制御部は、利用されている態様の納品庫に対応付けられた前記発送先の情報を出力する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ストッカは、印刷媒体に印字可能な印刷部を備えており、
前記情報制御部は、前記管理ステータスを保管から発送に切り替えた物品の発送先の情報を発送ラベルとして前記印刷部に印刷出力させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
施錠可能であり操作者の操作により解錠される納品庫と、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
を備えたストッカ。
【請求項7】
施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理方法であって、
前記ストッカは、発送用の物品の収容にも利用され、発送用の物品を集荷する集荷業者が定められており、
(a)前記納品庫に保管されている物品が所定の滞留期間を超えたと判定したときには、該物品の管理ステータスを保管から発送に切り替え、該物品に対応した発送先の情報を出力するステップと、
(b)前記ストッカに配設された表示操作部に集荷を受け取る依頼が入力されたか否かを判定するステップと、
(c)集荷を受け取る依頼が入力されたと判定した場合に、前記管理ステータスが保管から発送に切り替えられた物品があるか否かを判定するステップと、
(d)前記ステップ(c)で前記物品があると判定した場合に、前記管理ステータスが保管から発送に切り替えられた前記物品がある旨のメッセージを出力するステップと、
(e)前記集荷業者の識別情報を認証し、該物品を保管する納品庫の扉を開放するステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、ストッカとしては、例えば、顧客が発注した商品が配送され入庫すると、施錠された状態で保管し、サーバから通知されたパスワードが入力及び照合された場合に解錠するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このストッカでは、顧客に対するプライバシーの確保と利便性の向上を図ることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-58790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のストッカでは、顧客が商品を期限までに受け取りに来ない場合は、管理サーバが回収用パスワードを発行し、商品の回収依頼を配送業者へ通知し、長期滞留品の回収を行うものであった。このような回収処理は、手間がかかるため、何らかの対処を行うことが望まれていた。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、納品庫に滞留した物品に対する手間をより抑制することができる情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法を提供することを主目的とする。
【0006】
本開示の情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の情報処理装置は、
施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理装置であって、
前記納品庫に保管されている物品が所定の滞留期間を超えたと判定したときには、該物品の管理ステータスを保管から発送に切り替え、該物品に対応した発送先の情報を出力する情報制御部、
を備えたものである。
【0008】
この情報処理装置では、ストッカの納品庫に保管されている物品が所定の滞留期間を超えたと判定したときには、この物品(滞留品とも称する)の管理ステータスを保管から発送に切り替え、この物品に対応した発送先を出力する。即ち、この情報処理装置は、物品を発送物として処理するよう設定を変更し、長期滞留品は、発送業者により発送処理されるので、別途、物品の回収依頼などの回収処理を行う必要がない。このように、この情報処理装置では、納品庫に滞留した物品に対する手間をより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】物品管理システム10及びストッカシステム11の一例を表す概略説明図。
図2】記憶部53に記憶された情報の一例を表す説明図。
図3】保管管理処理ルーチンの一例を表すフローチャート。
図4】滞留品ステータス切替処理ルーチンの一例を表すフローチャート。
図5】一部の管理ステータスが発送に切り替えられた利用状況情報57の説明図。
図6】表示操作部42に表示する報知画面70の一例を表す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本開示の一実施形態である物品管理システム10及びストッカシステム11の構成の一例を表す概略説明図である。図2は、制御装置50の記憶部53に記憶された対応情報56及び利用状況情報57の一例を表す説明図である。物品管理システム10は、物流を管理するシステムであり、ストッカシステム11及び配送システム60を含む。
【0011】
ストッカシステム11は、ストッカ管理装置30と、1又は2以上のストッカ40とを備えている。ストッカ管理装置30は、ストッカ40の使用状況などを管理するサーバとして構成されており、ネットワーク13を介してストッカ40と情報のやりとりを行う。ストッカ管理装置30は、制御部31と、通信部38とを備えている。制御部31は、CPU32、記憶部33などにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部38は、ストッカ40などの外部機器と通信を行うものである。記憶部33には、ストッカ情報34や利用情報データベース(DB)35などが記憶されている。ストッカ情報34には、例えば、ストッカシステム11が有するストッカ40の識別番号や配置場所などの情報が含まれる。利用情報DB35には、各ストッカ40に記憶されている対応情報56や利用状況情報57などの情報が集約されて記憶されている。この利用情報DB35は、ストッカ40の現在の利用状況のほか、利用記録も記憶される。
【0012】
ストッカ40は、利用者14が、所望の送り先に物品17を発送する際に郵便ポストのように用いられると共に、配送集荷場69から配送された物品17を利用者14へ受け渡す際に用いられる装置である。また、ストッカ40は、利用者14が一時的に物品17を保管するコインロッカーとしても利用可能である。ストッカ40は、多数の利用者14が利用可能であり、通勤、通学などの外出時に物品17を受け取ることができるよう、コンビニエンスストアなどの店舗21、オフィス、各種公共施設など様々な場所に設置されている。このストッカ40は、施錠可能な複数(例えば11個)の納品庫41を備えている。納品庫41の各々は、物品17を収容可能な内部空間を有しており、前面の扉44と、扉44の施錠及び解錠を行うロック機構45と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ46と、扉44の開閉を検出する開閉センサ47とを備えている。物品センサ46は、光を用いた非接触式のセンサとしてもよいし、素子を用いた接触式のセンサとしてもよい。この納品庫41のひとつには、情報処理装置としての制御装置50が収容され、その扉44には、表示操作部42と、読取装置43と、印刷部49とが配設されている。表示操作部42は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルであり、物品17の配達集荷者19及び利用者14への各種情報の表示や配達集荷者19及び利用者14からの各種操作の入力を行う。読取装置43は、利用者14や配達集荷者19などが納品庫41の解錠に用いる解錠コード(例えばパスワード)やIDを読み取るコードリーダである。
【0013】
制御装置50は、制御部51と、通信部58とを備えている。制御部51は、CPU52、記憶部53などにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部53は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部58は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行うものである。記憶部53には、図2に示すように、対応情報56や利用状況情報57などが記憶されている。この対応情報56や利用状況情報57は、利用情報DB35に含まれるものと同様である。ストッカ管理装置30とストッカ40とは、通信を行うことにより、これらの情報を最新のものに同期させる。対応情報56は、業者名と、業者ID(識別情報)と、滞留期間と、滞留時の発送先とが対応付けられた情報である。滞留期間は、物品17が受け取られずに放置された状態で物品17の回収を要する期間として各業者ごとに定められている。この滞留期間は、例えば、生鮮食料品を扱う配送業者であれば1日など、生鮮品以外を扱う配送業者であれば1週間など、コインロッカーとしての一時保管であれば3日などに定められている。滞留時の発送先は、滞留期間を過ぎた物品17(滞留品とも称する)の送り先の情報であり、例えば、配送品では、配送した業者の配送集荷場69の住所としてもよいし、一時保管では、遺失物保管場所(例えば警察署など)の住所としてもよい。利用状況情報57には、納品庫名(納品庫ID)と管理ステータスと、保管している物品17に対応付けられた保管IDと、保管管理を開始した日時の情報と、この物品17を取り扱う業者のIDと、滞留時の発送先の情報などの情報が含まれる。納品庫IDは、納品庫を特定可能な情報であり、例えば、納品庫番号などが挙げられる。管理ステータスは、現状の物品17の状況を示す情報であり、例えば、一時保管中や受け取りを待つ「保管」、集荷を待つ「発送」、納品庫41の「未使用」などが含まれる。この管理ステータスには、例えば、受取待ちや集荷待ち、一時保管など、より詳細な情報を含むものとしてもよい。保管IDは、物品17が納品庫41に収納され、ストッカ40での保管管理が開始されるときに他の物品17と区別可能なようにストッカ40が付与する識別情報である。管理開始日時は、滞留期間の起算に利用される。取扱い業者のIDは、この物品17の移動を担当する業者を特定する情報であり、対応情報56に含まれるものと同じである。滞留時の発送先は、この物品17の移動を担当する業者に応じて定められており、対応情報56に含まれるものと同じである。この利用状況情報57は、所定期間ごとに最新の情報に更新される。
【0014】
配送システム60は、物品17を配送、集荷する際の管理に利用されるシステムである。なお、図1では、1つの業者を示しているが、業者1、業者2のように、複数あるものとしてもよい。配送管理PC61は、配送集荷場69に配設されたコンピュータであり、物品17の流通状態での情報を管理する。配送管理PC61は、制御部62と、記憶部63と、通信部68とを備えている。制御部62は、CPU、ROM及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部63は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部68は、インターネットなどのネットワーク12、13を介して、他の配送管理PC61やストッカ管理装置30などと通信を行うものである。業者は、この配送管理PC61から、ストッカ管理装置30へストッカ40の使用要求などを送信する。また、業者は、配達集荷者19により、配送集荷場69からストッカ40へ物品17を配送させ、ストッカ40から配送集荷場69へ物品17を集荷する。
【0015】
次に、ストッカシステム11の動作、特に、納品庫41へ物品17を収納し、納品庫41から物品17を取り出す際の処理について説明する。図3は、ストッカ40の制御装置50によって実行される保管管理処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部53に記憶され、ストッカ40の起動後に所定間隔ごとに繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、制御装置50のCPU52は、まず、表示操作部42に入力があったか否かを判定し(S100)、入力がないときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、S100で表示操作部42への入力があったときには、CPU52は、入力内容が物品17の受け付けであるか受け取りであるかを判定する(S110)。CPU52は、例えば、表示操作部42に表示されている画面の入力内容に基づいてこの判定を行うことができる。
【0016】
入力内容が物品17の保管を受け付ける依頼であるときには、CPU52は、納品庫41に空きがあるか否かを利用状況情報57に基づいて判定し(S120)、納品庫41に空きがないときには、このルーチンを終了する。このとき、納品庫41に空きがない旨のメッセージを表示操作部42へ表示出力する。一方、納品庫41に空きがあるときには、CPU52は、受付画面を表示操作部42へ表示出力させ、入力された情報に基づいて物品17の保管に関する情報を取得する(S130)。例えば、操作者が一般の利用者14であり物品17を発送するときには、CPU52は、所望の発送先へ物品17を発送する依頼の情報を取得する。この依頼情報には、発送先の住所や、物品17の種別、依頼者の氏名や住所などが含まれる。また、操作者が一般の利用者14であり物品17を一時保管するときには、CPU52は、一時保管する依頼の情報を取得する。また、操作者が配達集荷者19であるときには、その業者のIDや配送品のID、受取用のパスワードなどを含む依頼情報を取得してもよい。次に、CPU52は、使用可能な1つの納品庫41を解錠し(S130)、扉44が閉じられたか否かを開閉センサ47の信号に基づいて判定し(S200)、扉44が閉じられていないときには、そのまま待機する。一方、扉44が閉じられたときには、CPU52は、利用状況情報57を更新し、更新した利用状況情報57をストッカ管理装置30へ送信出力し(S210)、このルーチンを終了する。なお、CPU52は、扉44が閉じられた際に、物品センサ46の信号に基づいて物品17があるか否かを確認し、物品17が検出できないときには、その旨のエラー画面を表示操作部42に表示出力する。また、利用状況情報57の更新において、CPU52は、受け付けた納品庫41及び物品17に対応する管理IDを新たに付与し、現在の管理ステータスを「保管」とし、該当する納品庫IDに対応付けて利用状況情報57に記憶させる。また、CPU52は、一時保管を受け付けた場合、解錠時に用いる情報(例えばパスワードや二次元コードなど)を印刷部49で印刷出力する。
【0017】
一方、S110で入力内容が物品17を受け取る依頼であるときには、CPU52は、受け取り内容が配送品の受け取り、一時保管の受け取り、及び集荷の受け取りであるかを判定する(S150)。集荷の受け取りであると判定されると、CPU52は、保管から発送へ切り替えられた物品17があるか否かを判定する(S160)。ここで、管理ステータスの切替処理について説明する。
【0018】
図4は、滞留品ステータス切替処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部53に記憶され、ストッカ40の起動後に、保管管理処理ルーチンと並列に、所定間隔ごとに繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、制御装置50のCPU52は、利用状況情報57を読み出し(S300)、判定対象の納品庫41を設定し(S310)、設定された納品庫41の物品の保管に関する情報を取得する(S320)。判定対象の設定は、例えば、利用状況情報57の使用状態である納品庫41の番号順に設定するものとしてもよい。次に、CPU52は、該当する物品17を取り扱う業者に定められた滞留期間を、この物品17が超えているか否かを判定する(S330)。滞留期間を超えているときには、管理ステータスを保管から発送へ切り替える(S340)。S340のあと、または、該当する物品17が滞留期間を超えていないときには、CPU52は、全ての納品庫41に対して上記判定を行ったか否かを判定し(S350)、全ての納品庫41を判定していないときには、S310以降の処理を実行する。即ち、S310で次の納品庫41を設定し、該当する物品17が滞留期間を超えているときには管理ステータスを保管から発送に切り替える。一方、S350で全ての納品庫41を判定したときには、CPU52は、上記発送へ切替えた結果を含む利用状況情報57の更新を行い、ストッカ管理装置30へ更新後の利用状況情報57を送信出力し(S360)、このルーチンを終了する。図5は、「納品庫2」の管理ステータスが発送に切り替えられた利用状況情報57の説明図である。この利用状況情報57では、管理ステータスが発送に切り替えられたものについては、その旨の情報が管理ステータスに含まれる。このように、ストッカ40では、自動処理で、滞留品のステータスを保管状態から発送状態に切り替えるのである。
【0019】
さて、保管管理処理ルーチンのS160で、保管から発送に切り替えられた物品17があるときは、CPU52は、滞留時の発送先の情報を発送ラベルとして印刷部49に印刷出力させ(S170)、メッセージを表示操作部42に表示出力する(S180)。図6は、表示操作部42に表示する報知画面70の一例を表す説明図である。この報知画面70には、メッセージ表示欄71や入力キー72が配置されている。入力キー72には、例えば、処理を終了させる終了キーや、処理を中止する中止キー、内容の確認を入力する確認キーなどがある。メッセージ表示欄71には、管理ステータスが保管から発送に切り替えられた滞留品がある旨のメッセージと、その滞留品が収容された納品庫IDと、印刷された発送ラベルを用いて発送処理する旨のメッセージが表示出力される。配達集荷者19は、このメッセージに基づいて、特定の納品庫41に滞留品があり、その集荷、発送を行うことを認識する。
【0020】
S180のあと、または、S160で発送に切り替えられた物品17がないとき、あるいは、S150で配送品又は一時保管の受け取りであると判定されたあと、CPU52は、認証を伴った解錠処理を行い、扉44を開放させる(S190)。CPU52は、発送品の集荷においては、例えば集荷する業者のIDやパスワードなどを入力させて認証し、発送品や一時保管の受取処理では、利用者14に受取用のIDとパスワードとを入力させ、認証し、解錠させる。CPU52は、入力されたIDやパスワードが認証できない場合はその旨のエラー画面を表示する。扉44を開放したあと、CPU52は、上述と同様に、S200で、扉44が閉鎖されるまで待機し、S210で、利用状況情報57を更新し、更新した利用状況情報57をストッカ管理装置30へ送信出力し、このルーチンを終了する。利用状況情報57の更新において、CPU52は、受け取りが完了した納品庫41の管理ステータスを未使用に変更し、管理IDを削除させる。配達集荷者19は、もともとの発送品と共にこの滞留品も集荷し、予め定められた滞留品の発送先へ発送させるのである。
【0021】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のストッカ40が本開示のストッカに相当し、制御装置50が情報処理装置に相当し、納品庫41が納品庫に相当し、納品庫IDが納品庫41の識別情報に相当し、CPU52が情報制御部に相当し、表示操作部42が表示部に相当し、印刷部49が印刷部に相当する。また、利用者14及び配達集荷者19が操作者に相当する。更に、ストッカ40の動作を説明することにより、本開示の情報処理方法を開示する。
【0022】
以上説明した実施形態のストッカ40の制御装置50は、納品庫41に保管されている物品17が所定の滞留期間を超えたと判定したときには、この物品17(滞留品とも称する)の管理ステータスを保管から発送に切り替え、この物品に対応した発送先の情報を表示出力及び印刷出力する。即ち、この制御装置50は、物品17を発送物として処理するよう設定を変更し、長期滞留品は、発送業者により発送処理されるので、別途、物品の回収依頼などの回収処理を行う必要がない。このように、この制御装置50では、納品庫41に滞留した物品17に対する手間をより抑制することができる。
【0023】
また、ストッカ40は、発送用の物品17の収容にも利用され、発送用の物品17を集荷する集荷業者が定められており、制御装置50は、集荷業者が利用する発送ラベルを出力する。この制御装置50では、集荷業者が予め定められているので、物品17を回収するという他の処理方法を用いずに、通常と同様の集荷、発送という処理により、滞留した物品17を納品庫41から送り出すことができる。更に、制御装置50は、集荷業者が集荷処理を行う際に、管理ステータスを保管から発送に切り替えた物品17があるときには、管理ステータスを切り替えた物品17が収容されている納品庫ID(識別情報)を、発送先の情報と別に表示出力する。この制御装置50では、納品庫41の識別情報も表示出力されるため、集荷業者は、滞留した物品17をより確実に把握することができ、その取り扱いを間違えにくい。
【0024】
また、ストッカ40は、物品17の発送用の納品庫41、物品17の受け渡し用の納品庫41、一時的に物品を保管するコインロッカーのうち1以上に利用され、制御装置50は、利用されている態様の納品庫41に対応付けられた発送先の情報を出力する。この制御装置50では、滞留品17を適切な発送先へ発送することができる。例えば、制御装置50は、滞留品17が受け渡し用の納品庫41にある場合は物品41の送付元の情報を出力し、滞留品がコインロッカーとしての納品庫41にある場合は遺失物保管場所(例えば警察署など)の情報を出力する。なお、制御装置50は、滞留品17が発送用の納品庫41にある場合は発送依頼者の情報を出力してもよい。更に、ストッカ40は、印刷媒体に印字可能な印刷部49を備えており、制御装置50は、管理ステータスを保管から発送に切り替えた物品17の発送先の情報を発送ラベルとして印刷部に印刷出力させる。この制御装置50では、出力された発送ラベルをそのまま利用することができ、発送の手間をより省略することができる。
【0025】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0026】
例えば、上述した実施形態では、管理ステータスが切り替えられた物品17の発送先の情報を集荷業者が利用する発送ラベルとして印刷部49で印刷するものとしたが、発送先の情報を出力するものとすれば特にこれに限定されず、例えば、配達集荷者19が携帯する、印刷部を備えた携帯端末に発送ラベルの情報として送信出力するものとしてもよい。この場合、配達集荷者19は、携帯端末で印刷し、発送ラベルとして利用可能である。また、制御装置50は、発送先の情報を、発送ラベル以外の態様、例えばレシートや集荷リストなどとして印刷出力するものとしてもよい。あるいは、この印刷処理を省略してもよい。なお、制御装置50において、発送先の情報などは、表示出力してもよいし、印刷出力してもよいし、音声出力してもよい。なお、そのまま利用可能であるので、発送ラベルとして発送先の情報を印刷した方がより好ましい。
【0027】
上述した実施形態では、納品庫IDは、発送先の情報とは別に表示出力されるものとしたが、発送先の情報と共に印刷出力されてもよい。あるいは、制御装置50は、納品庫IDの出力を省略してもよい。
【0028】
上述した実施形態では、ストッカ40は、物品の発送用の納品庫41、物品の受け渡し用の納品庫41、一時的に物品を保管するコインロッカーとして利用されるものとしたが、いずれか1以上を省略してもよい。
【0029】
上述した実施形態では、本開示の情報処理装置の機能を有する制御装置50を、ストッカ40が備えるものとしたが、保管情報の管理を行う制御装置50の機能はいずれにあってもよく、ストッカ管理装置30が制御装置50の機能を備えてもよいし、配送システム60の配送管理PC61が制御装置50の機能を備えてもよいし、店舗21に管理PCを設置し、この管理PCが制御装置50の機能を備えてもよい。こうしても、納品庫に滞留した物品に対して回収などを行う必要が無いため、手間をより抑制することができる。また、上述した実施形態では、本開示の情報処理装置の機能を制御装置50として説明したが、情報処理方法としてもよいし、情報処理方法を実現するプログラムとしてもよい。
【0030】
ここで、本開示の情報処理装置は、以下のように構成してもよい。本開示の情報処理装置において、前記ストッカは、発送用の物品の収容にも利用され、発送用の物品を集荷する集荷業者が定められており、前記情報制御部は、前記集荷業者が利用する発送ラベルを出力するものとしてもよい。この情報処理装置では、集荷業者が予め定められているので、物品を回収するという他の処理方法を用いずに、通常と同様の集荷、発送という処理により、滞留した物品を納品庫から送り出すことができる。この情報処理装置において、前記情報制御部は、前記集荷業者が集荷処理を行う際に、前記管理ステータスを保管から発送に切り替えた物品があるときには、該管理ステータスを切り替えた物品が収容されている納品庫の識別情報を、前記発送先の情報と共に、又は発送先の情報とは別に出力するものとしてもよい。この情報処理装置では、納品庫の識別情報も出力されるため、集荷業者は、滞留した物品をより確実に把握することができ、その取り扱いを間違えにくい。ここで、「納品庫の識別情報」は、納品庫を特定可能な情報であるものとし、例えば、納品庫番号などが挙げられる。
【0031】
本開示の情報処理装置において、前記ストッカは、物品の発送用の納品庫、物品の受け渡し用の納品庫、一時的に物品を保管するコインロッカーのうち1以上の納品庫に利用され、前記情報制御部は、利用されている態様の納品庫に対応付けられた前記発送先の情報を出力するものとしてもよい。この情報処理装置では、滞留した物品を適切な発送先へ発送することができる。例えば、情報制御部は、滞留した物品が発送用の納品庫にある場合は発送依頼者の情報を出力してもよいし、滞留した物品が受け渡し用の納品庫にある場合は物品の送付元の情報を出力してもよいし、滞留した物品がコインロッカーとしての納品庫にある場合は遺失物保管場所(例えば警察署など)の情報を出力してもよい。
【0032】
本開示の情報処理装置において、前記ストッカは、印刷媒体に印字可能な印刷部を備えており、前記情報制御部は、前記管理ステータスを保管から発送に切り替えた物品の発送先の情報を発送ラベルとして前記印刷部に印刷出力させるものとしてもよい。この情報処理装置では、出力された発送ラベルをそのまま利用することができ、発送の手間をより省略することができる。
【0033】
本開示のストッカは、施錠可能であり操作者の操作により解錠される納品庫と、上述したいずれかに記載の情報処理装置と、を備えたものである。このストッカは、上述した情報処理装置と同様に、納品庫に滞留した物品に対する手間をより抑制することができる。
【0034】
本開示の情報処理方法は、施錠可能であり操作者の操作により解錠する納品庫を有するストッカに用いられる情報処理方法であって、前記納品庫に保管されている物品が所定の滞留期間を超えたと判定したときには、該物品の管理ステータスを保管から発送に切り替え、該物品に対応した発送先の情報を出力するステップ、を含むものである。
【0035】
この情報処理方法では、上述した情報処理装置と同様に、納品庫に滞留した物品に対する手間をより抑制することができる。なお、この情報処理方法において、上述した情報処理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した情報処理装置の各機能を実現するような構成を追加してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本開示の情報処理装置、ストッカ及び情報処理方法は、商品を配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 物品管理システム、11 ストッカシステム、12,13 ネットワーク、14 利用者、17 物品、19 配達集荷者、21 店舗、30 ストッカ管理装置、31 制御部、32 CPU、33 記憶部、34 ストッカ情報、35 利用情報DB、38 通信部、40 ストッカ、41 納品庫、42 表示操作部、43 読取装置、44 扉、45 ロック機構、46 物品センサ、47 開閉センサ、50 制御装置、51 制御部、52 CPU、53 記憶部、56 対応情報、57 利用状況情報、58 通信部、60 配送システム、61 配送管理PC、62 制御部、63 記憶部、68 通信部、69 配送集荷場、70 報知画面、71 メッセージ表示欄、72 入力キー。
図1
図2
図3
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図5
図6