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特許7271601バイポーラ電池アセンブリに有用な電池プレート及び調製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】バイポーラ電池アセンブリに有用な電池プレート及び調製方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/02 20060101AFI20230501BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20230501BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20230501BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H01M4/02 Z
H01M4/70 A
H01M50/414
H01M10/04 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021072406
(22)【出願日】2021-04-22
(62)【分割の表示】P 2019563043の分割
【原出願日】2018-05-18
(65)【公開番号】P2021114474
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】62/508,681
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514105033
【氏名又は名称】アドバンスト バッテリー コンセプツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】エドワード オー.シャッファー ツー
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ホブデイ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン アール.スターデバント
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エル.アドキンス
(72)【発明者】
【氏名】アダム ヴイ.カデナ
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101202356(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0183203(US,A1)
【文献】特表2014-534582(JP,A)
【文献】特開昭59-196560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/02
H01M 4/70
H01M 50/414
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池プレートを組み立てる方法であって、
a)移送シートを電極モールド内の可動プレート上に配置することであって、前記可動プレートは、前記電極モールド内の開口部の反対側に配置され、前記電極モールド内の前記開口部の方向へ前記開口部を通して移動可能である、前記移送シートを前記電極モールド内の前記可動プレート上に配置することと、
b)少なくとも前記可動プレートにより形成される形状で活物質が層を形成するように、前記活物質をペーストの形態で前記可動プレート上の前記移送シートの上に射出することと、
c)前記活物質を配置することが望まれる基板の表面のうちの一表面の領域が、前記モールド内の前記活物質と整列するように、前記基板を前記モールドの前記開口部の上に配置することと、
d)前記活物質を前記基板に接触させて接合することと、
e)前記基板の前記表面のうちの一表面に、前記活物質が接合して残り、前記基板の前記表面のうちの一表面に接合した前記活物質の表面の反対側の前記活物質の表面に、前記移送シートが接合して残るように、前記可動プレートを前記基板から引き離すことと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記可動プレートを前記モールドの前記開口部を通して延ばして、前記活物質を前記基板に接触させて接合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可動プレートを前記基板から引き離すことには、前記可動プレートを前記基板から引き離して前記モールド内に戻すことが含まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記電池プレートは、第1の表面、それに対向する第2の表面、及び1つ以上の非平面構造を有する基板を備える、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記電池プレートは非導電性ポリマーで構成される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記基板の第1の表面、第2の表面、または両表面から1つ以上の突出部が延在し、前記1つ以上の突出部は、前記基板と一体である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記活物質を前記基板に付着させている間に、前記活物質は、前記基板から突出する前記1つ以上の突出部に順応する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記活物質を前記基板に付着させた後、前記1つ以上の突出部は、前記活物質内に配置され、前記活物質を超えて延在しない、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モールドは、前記モールドの周縁に側壁を有し、前記側壁は、前記可動プレートの移動方向に対し略垂直であり、
前記モールドは、前記モールド内の前記開口部上に配置することができるカバーを有し、前記カバーは、前記モールド内に電極を形成することが可能な前記活物質を射出する1つ以上のオリフィスを有し、
前記方法は、
i)前記移送シートを前記モールド内に配置した後、前記モールド上に前記カバーを閉じることと、
ii)前記カバーの前記1つ以上のオリフィスを通して、前記活物質を前記移送シート上に射出することと、
iii)前記可動プレートを延ばす前に、前記モールド上から前記カバーを取り外すことと、
を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
f)第2の移送シートを前記電極モールド内の同じまたは異なる可動プレート上に配置することであって、前記可動プレートは、前記電極モールド内の開口部の反対側に配置され、前記電極モールド内の前記開口部の方向へ前記開口部を通して移動可能である、前記第2の移送シートを前記電極モールド内の同じまたは異なる可動プレート上に配置することと、
g)少なくとも前記可動プレートにより形成される形状で活物質が層を形成するように、前記活物質をペーストの形態で前記可動プレート上の前記第2の移送シートの上に射出することと、
h)前記活物質が既に接合された前記表面の反対側にあり、前記活物質を配置することが望まれる前記基板の前記表面のうちの一表面の領域が、前記モールド内の前記活物質と整列するように、前記基板を前記モールドの前記開口部の上に配置することと、
)対向表面上に既に接合された前記活物質とは反対側において、前記基板に前記活物質を接触させて接合することと、
j)前記基板の前記表面のうちの一表面に、前記活物質が接合して残り、前記基板の前記表面のうちの一表面に接合した前記活物質の表面の反対側の前記活物質の表面に、前記第2の移送シートが接合して残るように、前記可動プレートを前記基板から引き離すことと、
をさらに含む、請求項1または9に記載の方法。
【請求項11】
前記可動プレートを前記モールドの前記開口部を通して延ばして、既に接合された前記活物質とは反対側において、前記活物質を前記基板に接触させて接合することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記可動プレートを前記基板から引き離すことには、前記可動プレートを前記基板から引き離して前記モールド内に戻すことが含まれる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板の一表面上の前記活物質は、カソードを形成し、前記基板の反対表面上の前記活物質は、アノードを形成する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記モールドは、1つ以上の挿入部を含み、前記1つ以上の挿入部は、前記モールド内に前記活物質を射出する際、前記活物質内に1つ以上のボイドを形成するように機能し、
前記方法は、前記モールド内に前記移送シートを配置する際、前記移送シートの1つ以上の開口部を通して、前記1つ以上の挿入部を延ばすことを含み、
前記方法は、前記活物質を前記移送シート上に射出する際、前記活物質内に前記1つ以上のボイドを形成することを含む、
請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記活物質の前記1つ以上のボイド及び前記移送シートの前記1つ以上の開口部は、前記基板の1つ以上の突出部と合致し、前記活物質を前記基板上に配置する際、前記1つ以上の開口部及びボイドは、前記1つ以上の突出部を受け入れ通す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移送シートは、液体電解質が前記移送シートを通過することを可能にする一方、1つ以上の前記活物質が前記移送シートの複数の孔を通り抜けることは阻止するように適合された多孔質材料を含む、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記多孔質材料の前記複数の孔は、各々、35μm以上~2000μm以下の大きさである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記移送シートは、織られた、織られていない、押し出された、またはこれらの任意の組み合わせのガラス、ポリマー、またはその両方から成るシートを含む、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記基板は、前記基板の周縁にあるフレームを有し、
前記活物質及び前記移送シートが、前記フレームの内側に配置されるように、前記活物質及び前記移送シートは、前記フレームの前記内側の断面積より小さい断面積を有する、
請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してバイポーラ電池アセンブリに有用な電池プレート及びそのようなアセンブリの調製方法に関する。本開示は、非平面構造を有する電池プレートの調製において特定の効用を発見し得る。
【背景技術】
【0002】
バイポーラ電池は当技術分野において周知であり、Tatematsu(立松)による米国第2009/0042099号を参照されたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。バイポーラ電池は、拡張性、比較的高いエネルギー密度、高い電力密度、及び設計柔軟性など、他の電池設計より優れた利点を提供する。バイポーラ電池は、多数のバイポーラプレートと、2つのモノポーラエンドプレートとを備える。バイポーラプレート及びモノポーラプレートは、基板の対向表面の一方または両方に活物質を塗布することにより形成される。バイポーラプレートは、基板の一表面に正極活物質(PAM)とよく称されるカソード材料を、基板の対向表面に負極活物質(NAM)とよく称されるアノード材料を塗布することにより形成される。モノポーラプレートは、カソード電極またはアノード電極をそれぞれ作るように、基板の一表面に正極活物質または負極活物質のいずれかの活物質を塗布して形成される。基板と、アノード材料またはカソード材料との間には、導電性シートが配置され得る。1つのプレートのアノード材料が次のプレートのカソード材料に面するように、バイポーラプレートは積層される。ほとんどのアセンブリには、隣接するプレートの間に、カソード材料からアノード材料へ電解質が流れることを可能にする電池セパレータが設置される。アノード材料とカソード材料との間を電子及びイオンが流れることを可能にする材料である電解質が、プレート間の空間に配置される。セパレータとのバイポーラプレートの隣接表面、及びプレート間に配置された電解質は、電気化学セルを形成し、アノード材料とカソード材料との間で、電子及びイオンが交換される。電解質がセルから流出することを防ぐために、バイポーラプレートにより形成される各セルを密封するように電池構造は配置される。各電気化学セルを密封するために使用される構造は、基板上にアノード材料またはカソード材料を有さないプレートの部分と接触している。加えて、セルの密封を支援するために、電池セパレータは、アノード材料及びカソード材料が上に配置された基板の部分を越えて延在し得る。各セルは、セルに接続された電流導体を有し、セルから1つ以上の端子へ電子が送られ、1つ以上の端子から、本質的に電子を電気の形態で利用する別のシステムである負荷に対し、電子が送られる。従来の設計では、電池プレートのスタックは筐体の中に配置され、筐体は、プレートのスタックの周りが密封され、1対以上の正極端子及び負極端子が電池の外側に設置される。各対は、電流導体に接続され、さらに電流導体は、本明細書で説明されるような1つ以上のセルに接続される。
【0003】
バイポーラ電池の性能において重要なことは、バイポーラプレートまたはモノポーラプレートの基板上のペーストの重量及びペーストの厚さを制御することである。従来、ペースト装置を使用して、鉛合金グリッドに活性ペーストが塗布され、ペースト装置は、好適な金属グリッドがベルトで支持されて装置の下を通る時に、オリフィスを通してペーストを送り出す。このプロセスは、ペーストの厚さ及び重量を制御するために、ペーストをグリッドの厚さに塗布するように設計される。バイポーラプレート上に活性ペーストを付けるのに、ベルトペースト装置が使用され得る。通常、バイポーラプレートは、平らなプレートとして設計される。平らなバイポーラプレートは、ペーストの高さを制御するために設置されたシューを有するペーストボックス下を通過することができる。通常、バイポーラプレートは、最初に正極活物質が塗布され、次に裏返されて第2のペーストライン下を通過して、負極活物質が堆積される。ペーストフレームを有するバイポーラプレートは、ベルトペースト装置を使用して、ペーストされ得る。ペーストフレームを有するモノポーラプレートは、ベルトペースト装置を使用して、ペーストされ得る。ペーストボックスの下を通過する時に、バイポーラプレート及び/またはモノポーラプレートのフレームにより形成されたポケットに、ペーストが堆積される。バイポーラプレートに対しペーストが高圧で送り出されることから、バイポーラプレートがペーストボックスの下を通過する際、バイポーラプレートの撓みを最小限にするために、ポケットの底部にシムを追加する必要があり得る。バイポーラプレートは裏返すことができ、プレートの負極側のポケットにペーストを塗布することができる。電池プレートがボックスの下を通過すると、バイポーラプレートのフレームの前縁及び後縁は、薄いペースト層でコーティングされるが、これは、形成された電池が作動中にショートする可能性を最小限に抑えるために、取り除く必要がある。いくつかのグループでは、バイポーラプレートの中または上に収まるサイズの、場合によってはプラスチック製であるグリッドに対し、ペースト付けが行われる。これにより、フレームの前縁及び後縁をきれいにする必要はなくなるが、しかしコストの増加及びエネルギー密度の低下という欠点が生じる。結果、これらのプロセスで有用なバイポーラプレートの設計は、突起のない平坦な表面であり、さらにいずれの平面機構も通常、ペーストの厚さと一致する。従って、バイポーラプレートの密封またはバイポーラプレートから成る電池の動作を妨げ得るペーストの粉塵または膜が存在しないことを確保するために、二次洗浄作業が必要となる。これらのプロセスでは、電池プレートスタックの端部に配置されたモノポーラプレートの製造に関しても、同様の問題が起こる。
【0004】
電池プレートが非平面であり得る、すなわち、湾曲したまたは部分的に湾曲した表面を含む、ペーストを越えて突起することでペースト及びペーストの粉塵が実質的にない突起部を有する、及び基板に対するペーストの接合性を高めるために突起部がプレートに組み込まれているなどの、バイポーラプレート及びモノポーラプレートの調製を可能にするプロセスが求められている。このような電池プレートの調製を促進するプロセスが求められている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、a)第1の表面、それに対向する第2の表面、及び1つ以上の非平面構造を有する基板と、b)第1の表面、第2の表面、または第1の表面と第2の表面の両方に配置された1つ以上の活物質と、を備える電池プレートに関し、電池プレートは、i)基板の第1の表面、第2の表面、または両表面から延在する1つ以上の突出部であって、活物質内に配置され、活物質を越えて延在しない1つ以上の突出部、ii)基板から延在し活物質を越えて突出する1つ以上の突出部であって、活物質を越える1つ以上の突出部の表面には、活物質または活物質から成る粉塵が実質的にない1つ以上の突出部、及び/または、iii)基板の周縁にあるフレームであって、フレームまたはその一部は、活物質が堆積された1つ以上の表面に対し横断方向に、活物質を越えて突出し、活物質または活物質から成る粉塵が実質的にはないフレーム、以上の特徴のうちの1つ以上を有し、電池プレートは、電池アセンブリ内の1つ以上の電気化学セルの一部分を形成するように適合される。
【0006】
本開示はさらに、複数の電池プレートの1つ以上のスタックを含む電池アセンブリに関し、1つ以上のスタックは、a)基板を備える1つ以上のバイポーラプレートであって、基板は、i)アノードとして機能するように第1の表面に配置された第1の活物質であって、第1の表面の反対側に第1の移送シートが接合された第1の活物質、及びii)カソードとして機能するように第2の表面に配置された第2の活物質であって、第2の表面の反対側に第2の移送シートが接合された第2の活物質を有する、1つ以上のバイポーラプレートと、b)アノードとして機能するように第1の表面に配置された第1の活物質であって、第1の表面の反対側に第1の移送シートが接合され、対向する第2の表面は活物質を全く含まない、第1の活物質を有する基板を備える第1のモノポーラプレートと、c)活物質を全く含まない第1の表面と、カソードとして機能するように第2の表面に配置された第2の活物質であって、第2の表面の反対側に第2の移送シートが接合された第2の活物質とを有する基板を備える第2のモノポーラプレートと、d)各対の隣接する電池プレートの間に配置された液体電解質であって、液体電解質は、対の電池プレートの間の空間に設置されたアノード及びカソードと共に機能して電気化学セルを形成する、液体電解質と、を備え、複数の電池プレートは、カソードが配置された基板の表面が、アノードが堆積された別の電池プレートの表面に面するように配置され、第1及び第2のモノポーラプレートは、各電池プレートスタックの両端に設置され、各移送シートは、液体電解質が移送シートを通過することを可能にする一方、活物質が移送シートの孔を通り抜けることは阻止するように適合された多孔質材料を含む。
【0007】
本開示はさらに、電池プレートの組み立て方法に関し、方法は、a)移送シートを電極モールド内の可動プレート上に配置することであって、可動プレートは、電極モールド内の開口部の反対側に配置され、電極モールド内の開口部の方向へ開口部を通して移動可能である、移送シートを電極モールド内の可動プレート上に配置することと、b)少なくとも可動プレートにより形成される形状で活物質が層を形成するように、活物質をペーストの形態で可動プレート上の移送シートの上に射出することと、c)活物質を配置することが望まれる基板の表面のうちの一表面の領域が、モールド内の活物質と整列するように、基板をモールドの開口部の上に配置することと、d)活物質が基板に接触して接合するまで、可動プレートをモールドの開口部を通して延ばすことと、e)基板プレートの表面のうちの一表面に、活物質が接合して残り、基板の表面のうちの一表面に接合した活物質表面の反対側の活物質表面に、移送シートが接合して残るように、可動プレートを基板から引き離してモールド内に戻すことと、を含む。
【0008】
本発明で開示される電池プレートは、電気貯蔵用電池アセンブリに有用であり、様々な環境で使用する電気を生成するのに有用である。開示される電池アセンブリは、必要となる体積及び重量はより小さい状態で、高電力入力を提供し、従って高電力密度を提供する。電池アセンブリは、製品の外側表面に不適当な損傷を与えることなく、動作中に発生する圧力及び熱を処理し、液体電解質を製品内に含むように設計されている。開示される電池プレート及び電池アセンブリは、従来の材料、プロセスを使用して組み立てられ、利用可能な実装空間に基づいて異なる形状の空間に適合し、サイズを拡大縮小して様々なレベルのエネルギーを供給することを可能にし得る。デバイスは、ある部分が重力方向に下向きに配置される必要のある特定の上部及び底部による配向を、必要としない。開示される電池プレート及び方法により、活物質(例えばペースト)または活物質からの粉塵が、基板の1つ以上の非平面構造に接触することなく、電池プレートを調製することが可能となる。開示される電池プレート及び方法は、活物質を含まない非平面構造を有し、他の1つ以上の非平面構造と共に、間に活物質を含むことなくシールを形成することが可能となる点で、有利である。非平面構造間に活物質がないことにより、液体電解質及び/または気体の潜在的漏洩経路は防がれ、従って、電池アセンブリの潜在的短絡が回避される。方法は、より少ない運用資本を必要とし、より高い処理能力を可能とする。具体的には、表面にペーストを塗布するサイクル時間は、約2秒以上、約15秒以下、約10秒以下、または約6秒以下でさえあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電池プレートの斜視図である。
図2】電池プレートの斜視図である。
図3】バイポーラプレートの断面を示す。
図4】バイポーラプレートの断面を示す。
図5】ペーストを移送シートに移すモールドの平面図を示す。
図6】ペーストが塗布され、モールドの可動トレイ上に設置された移送シートの断面を示す。
図7】モールドで電池プレートを調製するプロセスを示す。
図8図8Aは、可動プレートを有するモールドを示す。図8Bは、モールド内に設置された移送シートにペーストを塗布することを示す。図8Cは、移送シート及びペーストを基板に付けて、電池プレートを形成することを示す。
図9】電池プレートのスタックの部分分解立体図である。
図10】電池プレートのスタックの斜視図である。
図11】電池アセンブリの断面を示す。
図12】エンドプレートを有する電池アセンブリの端部を示す。
図13】膜の取り付けを示す。
図14】電池アセンブリの斜視図である。
図15】セパレータの平面図である。
図16】電池アセンブリの斜視図である。
図17】電池アセンブリの平面図である。
図18図17のA-A断面に沿った電池アセンブリの断面である。
図19図17のB-B断面に沿った電池アセンブリの断面である。
図20図17のC-C断面に沿った電池アセンブリの断面である。
図21】電池アセンブリの平面図である。
図22図21のE-E断面に沿った電池アセンブリの断面である。
図23図21のF-F断面に沿った電池アセンブリの断面である。
図24図24Aは、セパレータの平面図である。図24Bは、図24Aのセパレータの挿入部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に提示される説明及び例示は、本教示、その原理、及びその実際的応用を当業者に知らせることを意図する。明示される本教示の特定の実施形態には、本教示を網羅するまたは限定する意図はない。本教示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲に沿って、特定されるべきである。特許出願及び公表文献を含む全ての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。下記の特許請求の範囲から集められるように、他の組み合わせも可能であり、これらもまた参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0011】
電池プレート(複数可)
【0012】
本開示は、バイポーラプレート、モノポーラプレート、デュアルポーラプレートなど、またはこれらの任意の組み合わせとして使用するのに有用な電池プレートに関する。電池プレートは、1つ以上の電極として機能し得る、1つ以上の電気活物質を含み得る、電気化学セルの一部であり得る、1つ以上の密封構造の一部分を形成し得る、またはこれらの任意の組み合わせを行い得る。複数の電池プレートは、電池アセンブリ内で電流(すなわちイオン及び電子の流れ)を伝導するように機能し得る。複数の電池プレートは、1つ以上の電気化学セルを形成し得る。例えば、間にセパレータ及び/または電解質を挟み得る1対の電池プレートは、電気化学セルを形成し得る。所望の電圧の電池を提供するために、存在する電池プレートの数が選ばれ得る。電池アセンブリの設計により、柔軟に電圧を生成することが可能となる。複数の電池プレートは、あらゆる所望の断面形状を有することができ、断面図は、使用環境で利用可能な実装空間に合うように設計することができる。断面形状とは、シートの面から見たプレートの形状を指し得る。柔軟な断面形状及びサイズにより、開示されるアセンブリの調製は、電池が利用されるシステムの必要な電圧及びサイズに対応することが可能となる。対向するエンドプレートは、その間に複数の電池プレートを挟み得る。1つ以上の電池プレートは、1つ以上の非平面構造を含み得る。
【0013】
非平面構造とは、電池プレートの表面の形状が、プレートが機能できる任意の形状であり得ることを意味し得る。非平面構造とは、電池プレートの平面部分から突出し及び/または平面部分内に陥凹する任意の機構であり得る。非平面構造は、電池プレートが非平面電池プレートであり得ることを意味し得る。非平面構造は、プレートにわたる任意の平面に関して、1つ以上の陥凹表面及び/または突起表面を含み得る。1つ以上の非平面構造は、規則的または不規則な形状であり得る。形状は、1つ以上の凹表面または凸表面を含み得る。非平面構造には、長方形、円柱、半球、ピラミッド、及び鋸歯などが含まれる。1つ以上の非平面構造は、1つ以上の挿入部、隆起部、フレーム、突出部、開口部、格縁部、波形構造、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。1つ以上の非平面構造は、1つ以上のシール、チャネル、またはその両方を形成するように機能し得る。1つ以上の非平面構造は、基板の一部であり得る。1つ以上の非平面構造は、基板、電池プレート、またはその両方の表面積全体を増大させるように機能し得る。例えば、波形表面を有する基板は、比較的平坦な表面を有する基板よりも大きい表面積を有し得る。表面積が大きくなると、より高い電圧、電流、またはその両方が可能となり得る。1つ以上の非平面構造は、電池プレートの任意の部分内に存在し得る。電池プレートのスタック内において、電池プレートが形成を支援する電気化学セルの効率的な機能を提供するために、電池プレートの平面及び/または非平面構造は、同一であり得る。複数の電池プレートは、1つ以上のモノポーラプレート、1つ以上のバイポーラプレート、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0014】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上のバイポーラプレートを含み得る。1つ以上のバイポーラプレートは、単一または複数のバイポーラプレートを含み得る。本明細書で使用される複数とは、プレートが2つ以上あることを意味する。バイポーラプレートは、基板を備える。基板は、2つの対向面を有するシートの形態であり得る。対向面上には、カソード及びアノードが配置される。カソード及びアノードは、基板上に付けられたペーストの形態であり得る。カソード、アノード、またはその両方は、移送シートを含み得る。1つのバイポーラプレートのカソードが、別のバイポーラプレートまたはモノポーラプレートのアノードに面し、各バイポーラプレートのアノードが、バイポーラプレートまたはモノポーラプレートのカソードに面するように、バイポーラプレートは、電池アセンブリ内に1つ以上のスタックで配置され得る。
【0015】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上のモノポーラプレートであり得る。1つ以上のモノポーラプレートは、単一または複数のモノポーラプレートを含み得る。1つ以上のモノポーラプレートは、複数の電池プレートの各対向端部に設置されたモノポーラプレートを含み得る。対向するモノポーラプレートは、その間に設置された1つ以上のバイポーラプレートを含み得る。1つ以上のモノポーラプレートは、1つ以上のエンドプレートに隣接して設置され得る、1つ以上のエンドプレートの一部であり得る、または1つ以上のエンドプレートであり得る。例えば、モノポーラプレートのそれぞれは、隣接するエンドプレートと、隣接するバイポーラプレートとの間に設置され得る。1つ以上のモノポーラプレートは、1つ以上のエンドプレートに取り付けられ得る。米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、及び米国特許出願公開第2017/0077545号のうちのいずれかに教示されるように、1つ以上のモノポーラエンドプレートはエンドプレートに取り付けられ得、これらの特許はその全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。1つ以上のモノポーラエンドプレートは、米国特許出願公開第2017/0077545号に開示されるような1つ以上の補強構造を含み得る。1つ以上のモノポーラプレートは、バイポーラプレートのうちの1つ以上で使用される同じ基板、アノード、及びカソードで、調製され得る。電池アセンブリの1つのモノポーラプレートは、カソードが上に配置された基板を有し得る。電池アセンブリの1つのモノポーラプレートは、アノードが上に配置された基板を有し得る。カソード、アノード、またはその両方は、基板上に付けられたペーストの形態であり得る。カソード、アノード、またはその両方は、移送シートを含み得る。アノードまたはカソードの反対側にある及び/またはエンドプレートに面するモノポーラプレートの表面または側面は、基板の露出面であり得る。
【0016】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上のデュアルポーラプレートを含み得る。デュアルポーラ電池プレートは、1つ以上の電池プレートスタックを、他の1つ以上の電池プレートスタックと電気的に接続しやすくする、2つ以上のスタックの製造及び組み立てを簡素化する、またはその両方を行うように、機能し得る。デュアルポーラプレートスタックを使用して、2つ以上の電池プレートスタックを電気的に接続することにより、個々の電池プレートスタックを標準サイズ(例えばプレート及び/または電気化学セルの数)で形成して、その後バイポーラ電池アセンブリを形成するように組み立てること、バイポーラ電池アセンブリにより生成される電力を増減するように、個々の電池プレートスタックの数を容易に変更すること、またはその両方が、可能となり得る。デュアルポーラプレートは、1つ以上の基板を含み得る。1つ以上の基板は、単一の基板または複数の基板を含み得る。1つ以上の基板は、1つ以上の導電性基板、1つ以上の非導電性基板、またはその両方の組み合わせを含み得る。複数の導電性基板は、第1の導電性基板と、第2の導電性基板を含み得る。例えば、デュアルポーラプレートは、第1の導電性基板と第2の導電性基板とを備え、これらの間に非導電性基板が設置され得る。別の例では、デュアルポーラプレートは、非導電性基板を備え得る。別の例では、デュアルポーラプレートは、単一の導電性基板を備え得る。デュアルポーラプレートの1つ以上の基板は、対向表面を含む。対向表面は、表面の一部に、アノード、カソード、電流導体、集電体、またはこれらの任意の組み合わせが堆積され得る及び/または接触し得る。デュアルポーラプレートの導電性基板は、一表面または対向する両表面上に、アノードまたはカソードが堆積され得る。対向する表面上に同じアノードまたはカソードを有することにより、1つ以上のスタックの電流導体(例えばモノポーラプレートの正極または負極の電流導体または端子)に対し1つの電気接続のみが必要となり(例えば別の正極または負極の電流導体を介する)、製造が簡素化され得る。デュアルポーラプレートの基板は、一表面または対向する両表面上に、集電体が配置され得る。集電体は、カソードまたはアノードと、基板の表面との間に配置され得る。例示的なデュアルポーラプレート及び電池アセンブリへの統合は、米国特許第9,685,677号、第9,825,336号、及び米国特許出願公開第2018/0053926号において開示され、これらの特許はその全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0017】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上の基板を含む。1つ以上の基板は、カソード及び/またはアノードに対し構造的支持を提供するように機能し、隣接する電気化学セルの間で電解質の流れを阻止するためのセル隔壁として機能し、他の電池構成要素と協働して電池プレートの縁部の周りに電解質密封シールを形成するように機能し、この電解質密封シールは電池の外側表面上に形成されてもよく、及びいくつかの実施形態では、一表面から他表面へ電子を送るように機能し得る。基板は、機能または電池の化学的性質に応じて、様々な材料で形成され得る。所望の電池プレートの支柱を提供するのに十分構造的に堅牢である材料であって、電池構造に使用される任意の導電性材料の融点を超える温度に耐える材料であって、基板が電解質(例えば硫酸溶液)と接触しても劣化しないように、電解質との接触中に化学的安定性が高い材料から、基板は形成され得る。基板は、好適な材料から形成され得、及び/または基板の一表面から反対側の基板表面へ電気伝達を可能にするように構成される。基板は、導電性材料、例えば金属材料から形成され得、または非導電性材料から形成され得る。例示的な非導電性材料には、熱硬化性ポリマー、弾性ポリマー、熱可塑性ポリマー、またはこれらの任意の組み合わせなどのポリマーが含まれ得る。基板は、一般的に非導電性の基板(例えば誘電体基板)を含み得る。非導電性基板は、その中またはその上に、導電的機構が構築され得る。採用され得るポリマー材料の例には、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン(ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを含む)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、バイオベースプラスチック/バイオポリマー(例えばポリ乳酸)、シリコン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはPC/ABS(ポリカーボネートとアクリロニトリルブタジエンスチレンの混合物)などのこれらの任意の組み合わせが挙げられる。複合基板を利用してもよい。複合材料は、当技術分野で一般的に知られる繊維または充填材などの強化材料、または熱硬化性コア、及び熱硬化性ポリマーの周縁にある熱可塑性シェルもしくは熱可塑性縁などの2つの異なるポリマー材料、または非導電性ポリマーに配置された導電性材料を、含み得る。基板は、接合可能、好ましくは融解接合可能な熱可塑性材料を、含み得る、またはプレートの縁部に有し得る。1つ以上の基板は、1つ以上の非平面構造を有し得る。1つ以上の非平面構造は、基板に統合され得る、または基板に取り付けられ得る。1つ以上の非平面構造は、基板の一部として成形され得る。1つ以上の非平面構造は、1つ以上の隆起縁部、フレーム、挿入部、突起部、突出部、開口部など、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0018】
電池プレートの積層及び電気化学セルの形成を促進するために、1つ以上の基板は、周縁に隆起縁部を有し得る。本文で使用される隆起縁部は、プレートの2つの対向表面のうち少なくとも一表面上の隆起縁部を意味する。隆起縁部は、別の基板材料の周りに形成された熱可塑性縁部を含み得る。隆起縁部は、本明細書に説明されるようなセパレータプレートとして機能し得る。基板または基板の周縁は、非導電性材料であり得、熱可塑性材料であり得る。1つ以上の基板は、フレームを含み得る。フレームは、隆起縁部を含んでも含まなくてもよい。基板の周りのフレームまたは基板に統合されたフレームは、熱可塑性材料などの非導電性材料で構成され得る。非導電性材料の使用により、電池スタックの外側の密封性が向上する。フレームは、フレーム内に形成された1つ以上の組み立て補助具を含み得る。組み立て補助具は、電池アセンブリを形成するために1つ以上の基板、セパレータ、またはその両方を、積層する間、所定の位置に合わせて保持する手助けをするように機能し得る。組み立て補助具は、1つ以上の突出部、陥凹部、またはその両方を含み得る。例えば、フレームの一表面からの1つ以上の雄突出部は、隣接する基板及び/またはセパレータのフレームの1つ以上の雌ウェル内に整列し、収まり得る。フレームの1つ以上の雌ウェルは、1つ以上の雄突出部とは反対側のフレーム表面上に設置され得る。
【0019】
電池プレートのうちの1つ以上は、カソードを含み得る。カソードは、電池のカソードとして機能することができる任意の材料であり得、電池で一般的に使用される任意の形態であり得る。バイポーラプレートは、アノードが上に堆積された表面に対向し、かつ別のバイポーラプレートまたはモノポーラプレートのアノードに対向する表面上に、カソードを含み得る。モノポーラプレートは、カソードまたはアノードの露出表面に対向する、またはエンドプレートに隣接する表面に対向する、またはその両方である表面上に、カソードが堆積され得る。カソードは、正極活物質(PAM)とも称される。正極活物質には、リチウムイオン、ニッケル水素、または鉛酸の二次電池で一般的に使用されるリチウム、鉛、炭素、または遷移金属の複合酸化物、硫酸塩化化合物、またはリン酸化合物が含まれ得る。複合酸化物の例には、LiCoOなどのLi/Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi/Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi/Mn系複合酸化物、及びLiFeOなどのLi/Fe系複合酸化物が挙げられる。遷移金属及びリチウムの例示的なリン酸化合物及び硫酸塩化化合物には、LiFePO、V、MnO、TiS、MoS、MoO、PbO、AgO、及びNiOOHなどが含まれる。カソード材料は、カソード材料が電気化学セル内のカソードとして機能することを可能にする任意の形態であり得る。例示的な形態には、ペースト状、既製のシートまたはフィルムの形成部分が含まれる。電池の鉛酸には、二酸化鉛(PbO)がカソード材料として好ましい。
【0020】
電池プレートのうちの1つ以上は、アノードを含み得る。アノードは、電池のアノードとして機能することができる任意の材料であり得、電池で一般的に使用される任意の形態であり得る。バイポーラプレートは、カソードが上に堆積された表面に対向し、かつ別のバイポーラプレートまたはモノポーラプレートのカソードに対向する表面上に、アノードを含み得る。モノポーラプレートは、カソードまたはアノードの露出表面に対向する、またはエンドプレートに隣接する表面に対向する、またはその両方である表面上に、アノードが堆積され得る。アノードは、負極活物質(NAM)とも称される。アノード材料には、鉛酸、ニッケル水素、及びリチウムイオンの電池を含む二次電池で使用される任意の材料が含まれる。アノードの構築に有用な例示的な材料には、鉛、並びに炭素またはリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えば酸化チタンまたはチタンとリチウムとの複合酸化物)などが含まれる。鉛酸電池のアノード材料は、スポンジ鉛であり得る。カソード材料は、カソード材料が電気化学セル内のカソードとして機能することを可能にする任意の形態であり得る。例示的な形態には、ペースト状、既製のシートまたはフィルムの形成部分が含まれる。ペースト組成物は、補強のためにフロックまたはガラス繊維、ペースト安定性のために様々なリガノ有機化合物(ligano-organic compound)、特に負極活物質のために炭素などの導電性添加剤を含む、数多くの有益な添加剤を含み得る。リン酸電池には、スポンジ鉛がアノード材料の形態として好ましい。電気化学セルを含む回路が一度形成されると、電気化学セルとして機能するために協働するアノード及びカソードが選ばれる。
【0021】
アノード及び/またはカソードは、任意の所望の形状または厚さから成り得る。アノード及び/またはカソードは、アノード及び/またはカソードが配置された基板、移送シート、またはその両方と、一致する、一致しない、相反的である、及び/または非相反的である形状を有し得る。アノード及び/またはカソードは、基板、移送シート、またはその両方と同様に形成された非平面構造を有し得る。アノード及び/またはカソードは、基板とは異なる形状を有してもよい。アノード及び/またはカソードが配置された基板、移送シート、またはその両方の1つ以上の陥凹部、突出部、開口部、格縁部、波形構造、またはこれらの組み合わせと一致し整列する、1つ以上の陥凹部、突起部、突出部、開口部、格縁部、波形構造、またはこれらの組み合わせが、アノード及び/またはカソードには形成され得る。アノード及び/またはカソードの一表面は、基板、移送シート、またはその両方と相反的であり得るが、対向表面は非相反的である。アノード及び/またはカソードの一表面は、基板、移送シート、またはその両方と相反的であり得るが、アノード及び/またはカソードの対向表面は、別の移送シート、基板、またはその両方と相反的である。例えば、基板上に配置されたアノード及び/またはカソードの表面は、基板表面と相反的であり得るが、移送シート上に配置された同じアノード及び/またはカソードの表面は、移送シートの表面と相反的であり得る。
【0022】
アノード及び/またはカソードは、それぞれ均一の厚さを有してもよく、または厚さが異なってもよい。アノード及び/またはカソードの厚さは、約0.3mm以上、約0.5mm以上、または約1mm以上でさえあり得る。アノード及び/またはカソードの厚さは、約3mm以下、約2mm以下、または約1.5mm以下でさえあり得る。基板の一表面と移送シートの表面との間に配置された負極活物質または正極活物質の層の厚さは、均一であってもよく、特定の電池アセンブリの要望に応じて変化してもよい。負極活物質、正極活物質、またはその両方の層全体の厚さは、約0%以上、約25%以上、または約50%以上も、変化し得る。負極活物質、正極活物質、またはその両方の層全体の厚さは、約90%以下、約80%以下、または約75%以下も、変化し得る。
【0023】
1つ以上の電池プレートは、1つ以上の移送シートを含み得る。移送シートは、モールドで形成される場合などは、負極活物質(例えばアノード)または正極活物質(例えばカソード)の一表面を画定するように、モールドから基板の表面へ負極活物質または正極活物質を移すことを促進するように、またはその両方を行うように、機能し得る。移送シートは、負極活物質または正極活物質の表面上に配置され得る。移送シートは、基板と接触する表面の反対側にある負極活物質または正極活物質の表面上に配置され得る。移送シートは、負極活物質または正極活物質の表面を実質的に覆い得る。移送シートの反対側にある負極活物質または正極活物質の表面は、基板と接触し得る。移送シートは、モールド、基板、正極活物質、負極活物質、またはこれらの組み合わせと協働するのに、任意の好適な形状を有し得る。移送シートは、平面、非平面、またはその両方であり得る。移送シートは、1つ以上の非平面構造を含み得る。非平面構造は、突起部、突出部、陥凹部、開口部、格縁部、波形構造、またはこれらの組み合わせであり得る。1つ以上の非平面構造は、基板の構造と相反的または非相反的に形成され得る。移送シートは、1つ以上の開口部を含み得る。1つ以上の開口部は、基板の1つ以上の開口部と整列し得る。開口部は、基板に関して説明された特徴と同じ特徴のうちの1つ以上を共有し得る。1つ以上の非平面構造は、基板の構造と非相反的であり得る。例えば、移送シートは波形構造を有し得るが、基板は一般的に平面である。波形構造により、移送シート上に塗布された正極活物質または負極活物質の表面は、相反する波形構造を有することが可能となり、一方、その対向表面は、実質的に平面であり、基板と一致する。モールドで形成される形状で負極活物質または正極活物質が基板に移される場合、負極活物質または正極活物質は、一表面が基材上に、対向表面が移送シート上に接合される。負極活物質または正極活物質の層は、基板の一表面と移送シートの一表面との間の比較的薄い層であり得る。従って、このような層の縁部は、比較的薄く、形成された構造により保護され得る。例えば、負極活物質、正極活物質、移送シート、またはこれらの任意の組み合わせの縁部は、電池プレート、基板、またはその両方のフレームにより、保護され得る。
【0024】
移送シートは、1つ以上の材料から調製され得る。1つ以上の材料は、腐食耐性を有するように、アノードからカソードへ及び/またはその逆方向のイオンの移動を可能にするように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。移送シートは、電解質の存在下で劣化し得ない任意の材料から調製され得る。硫酸などの電解質は、腐食性が非常に高くあり得る。移送シートは、多孔質であり得る。イオンを含む電解質が移送シートを通過することを可能にする点で、多孔質材料は有利であり得る。電解質が通過することを可能にすることにより、移送シートは、電気化学セルの一部として協働して、アノード及びカソードが集合的に電子を生成するよう機能することを可能にする。孔は、移送されるペーストが移送シートを通過しないような好適なサイズであり得る。移送シートは、電解質への暴露に耐えることができ、モールドベースから離れて負極活物質及び正極活物質に接合することができ、正極活物質及び負極活物質が移送シートを通過することを阻止することができ、所望の孔を形成することができる、任意の材料を含み得る。移送シートの孔は、所望の孔径を提供する任意の手段により形成され得る。所望の孔径は、μmの範囲内であり得る。移送シートの孔の孔径は、約35μm以上、約150μm以上、約250μm以上、または約500μm以上でさえあり得る。移送シートの孔の孔径は、約2000μm以下、約1500μm以下、約1000μm以下、または約800μm以下でさえあり得る。移送シートは、織構造及び非織構造から形成され得る。移送シートは、孔を導入するために処理される好適な材料のシートから形成され得る。孔を導入するプロセスには、化学的孔形成剤、穿孔、及び削孔などが含まれ得る。このような構造の例には、吸収性ガラスマット、貼り付け紙、及びセルロースなどが挙げられる。移送シートは、ガラスまたはポリマー材料から調製され得る。有用なポリマー材料は、ポリエステル、ポリオレフィン、天然または合成ゴム、天然セルロース、及び合成セルロースなどであり得る。移送シートを調製することができる。例示的な材料には、ポリエチレンセパレータ、多孔質ゴムセパレータ、またはその両方が挙げられる。好適なポリエチレンセパレータには、Entek社のRhinoHide及び様々なDaramic社の材料が含まれ得る。好適な多孔質ゴムセパレータは、Amerace社、AGM社、及びHollingworth & Vose社などの多孔質ゴムセパレータであり得る。移送シートは、活物質を所定の位置に保持するように機能する、モールドから基板への移動を可能にする、電解質及びイオンが移送シートを通って移動することを可能にする、またはこれらの任意の組み合わせを行う、任意の厚さを有し得る。移送シートの厚さは、約10μm以上、約250μm以上、または約500μm以上でさえあり得る。移送シートの厚さは、約4mm以下、約2mm以下、または約1mm以下でさえあり得る。
【0025】
表面上に負極活物質または正極活物質を有するバイポーラプレートまたはモノポーラプレートは、活物質に接合した移送シートを有し得る。活物質は、電気活物質、カソード、アノード、カソードまたはアノードに接合した移送シート、またはこれらの任意の組み合わせを指し得る。電池プレート及び電池アセンブリの組み立ての前に、移送シートは、活物質を保護するように、モールドから基板へ活物質を移すことを支援するように、活物質内に1つ以上の非平面構造を形成することを可能にするように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。電池プレートが電池アセンブリの一部として一旦組み立てられると、1つ以上の移送シートは、1つ以上の電気化学セル内に存在し得る。1つ以上の移送シートは、セパレータと連動して、またはセパレータの代わりに、セパレータの機能を実行するように働き得る。
【0026】
電池アセンブリ
【0027】
電池アセンブリは、1つ以上の電気化学セルを含み得る。電気化学セルは、間に対向するアノード及びカソードの対を有する1対の対向する電池プレートで形成され得る。1つ以上の電気化学セルは、密封され得る。電気化学セルの空間(すなわち対向するアノード及びカソードの対の間)には、1つ以上のセパレータ、移送シート、電解質、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。例えば、電気化学セルの空間には、2つの移送シート、その間のセパレータ、及び電解質が含まれ得る。例えば、電気化学セルの空間には、2つの移送シート及び電解質が含まれるが、別個のセパレータは含まれない場合がある。電気化学セルは、1つ以上のチャネルの周りに形成された1つ以上のシールを介して、電池プレート、セパレータ、またはその両方の1つ以上のフレーム及び/または縁部を介して、または閉じられた電気化学セルを形成し得るこれらの任意の組み合わせを介して、密封され得る。閉じられた電気化学セルは、セルの漏洩及び短絡を防ぐために、環境から密封され得る。
【0028】
電池アセンブリは、電解質を含み得る。電解質は、電子及びイオンがアノードとカソードとの間を流れることを可能にし得る。電解質は、電気化学セル内に配置され得る。1つ以上の電気化学セルは密封され得るため、電解質は液体電解質であってもよい。電解質は、利用されるアノード及びカソードとの電気化学反応を促進する任意の液体電解質であり得る。電解質は、水系または有機系であり得る。本明細書で有用な有機系電解質は、有機溶媒に溶解した電解質塩を含む。リチウムイオン二次電池では、リチウムが電解質塩に含まれる必要がある。リチウム含有電解質塩には、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSOCF、及びLiN(CFSOが使用され得る。これらの電解質塩は、単独で、または2つ以上を組み合わせて、使用することができる。有機溶媒は、セパレータ、移送シート、カソード及びアノード、並びに電解質塩と適合する必要がある。高電圧を印加しても分解しない有機溶媒を使用することが好ましい。例えば、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル、及び炭酸エチルメチルなどの炭酸塩、テトラヒドロフラン(THF)、及び2-メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、1,3-ジオキソラン、及び4-メチルジオキソランなどの環状エステル、γ-ブチロラクトンなどのラクトン、スルホラン、3-メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシメタン、及びエチルジグリムを使用することが好ましい。これらの溶媒は、単独で、または2つ以上を組み合わせて、使用することができる。液体電解質中の電解質の濃度は、0.3~5mol/lであることが好ましい。通常、電解質は、1mol/l付近で最高の導電率を示す。液体電解質は、電解質が30~70重量パーセント、特に40~60重量パーセントを占めることが好ましい。水性電解質は、セルの機能を強化する酸または塩の溶液を含む。好ましい塩及び酸には、硫酸、硫酸ナトリウム塩、または硫酸カリウム塩が含まれる。塩及び酸は、セルの動作を促進するのに十分な量で存在する。濃度は、電解質の重量に基づいて、約0.5重量パーセント以上、約1.0重量パーセント以上、または約1.5重量パーセント以上であり得る。鉛酸電池の好ましい電解質は、硫酸溶液である。電解質は、電気化学セルの1つ以上のセパレータ、移送シート、またはその両方を通過することが可能であり得る。
【0029】
電池アセンブリは、1つ以上のセパレータを含んでも、含まなくてもよい。1つ以上のセパレータは、電気化学セルを区分する(すなわち電気化学セルのカソードを電気化学セルのアノードから分離する)ように、樹状突起形成によるセルの短絡を防ぐように、液体電解質、イオン、電子、またはこれらの要素の任意の組み合わせが通過することを可能にするように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。列挙された機能のうちの1つ以上を実行する任意の既知の電池セパレータが、本教示の電池アセンブリにおいて利用され得る。1つ以上のセパレータは、電気化学セルのアノードとカソードとの間に設置され得る。1つ以上のセパレータは、バイポーラプレート間、またはバイポーラプレートとモノポーラプレートとの間を含み得る隣接する1対の電池プレートの間に、設置され得る。セパレータは、多孔性ポリマーフィルム、ガラスマット、多孔性ゴム、イオン伝導性ゲル、または木材などの天然材料といった、非導電性材料から調製され得る。セパレータは、セパレータを貫通する孔または屈曲路を含み、これにより電解質、イオン、電子、またはこれらの組み合わせが、セパレータを通過することが可能となり得る。孔は、移送シートの孔径に関して本明細書に記載されているように、寸法が決定され得る。セパレータとして有用な例示的材料の中には、吸収性ガラスマット、及び多孔性超高分子量ポリオレフィン膜などがある。セパレータは、その周縁及び/またはその内部において、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、他のセパレータ、またはこれらの任意の組み合わせに、取り付けられ得る。セパレータは、1つ以上のポストを受け入れ通し得る。例えば、1つ以上のエンドプレート、1つ以上の電池プレート、及び/または1以上のセパレータのスタックを通って延在する1つ以上のポストは、複数の電池プレート及び1つ以上のセパレータのスタックを一緒に保持し得る。セパレータは、隣接するカソード及びアノードの面積よりも大きい断面積または表面積を有し得る。面積がより大きくなることで、アノードを同じ電気化学セルのカソードから隔離することが可能となり得る。セパレータは、セルのカソード部分をセルのアノード部分から、完全に分離し得る。セパレータの縁部は、隣接する電池プレートの周縁部と接触し得る。セルのアノード部分をセルのカソード部分から完全に分離するために、セパレータ、電池プレート、またはその両方の縁部には、アノードまたはカソードは配置され得ない。活物質を移送シートに塗布して、次に移送シートを基板に付けることは、セパレータ及び電池プレートの縁部に活物質が含まれないことを確保するのに、特に有利であり得る。電気化学セル内で1つ以上の移送シートを使用することにより、必要に応じて、電気化学セルにセパレータを配置しなくてもよくなり得る。
【0030】
1つ以上のセパレータは、フレームを含み得る。フレームは、隣接する電池プレートの縁部またはフレームと一致して、電気化学セルと電池の外側との間にシールを形成するように機能し得る。フレームは、セパレータに取り付けられ得る、またはセパレータに統合され得る。セパレータをフレームに接合し、かつ電解液への暴露に耐えることができる任意の手段を用いて、セパレータを形成するシートの周縁において、フレームはセパレータに取り付けられ得る。例えば、接着剤接合、融解接合、またはフレームをセパレータの周縁に成形することにより、フレームは取り付けられ得る。フレームは、例えば熱成形、射出成形、回転成形、ブロー成形、及び圧縮成形などの任意の既知の成形技術により、所定の位置に成形され得る。フレームは、射出成形によりセパレータシートの周りに形成され得る。フレームは、電池プレートの基板の周縁に配置された隆起縁部と一致するように適合された隆起縁部を含み得る。電池プレート基板及びセパレータのフレームの一方または両方の隆起縁部は、電池スタックの共通縁部を形成するように、及び電気化学セルと電池の外側との間のシールを強化するように、整合され得る。複数の電池プレート及び1つ以上のセパレータの縁部周りを密封して、電気化学セルからの電解質及び発生気体の漏洩を防ぎ、電気化学セルを隔離して短絡を防ぐために、製品は内骨格または外骨格密封システムを使用して密封され得、これは、共同所有の米国特許公開第2010/0183920号、第2014/0349147号、第2015/0140376号、及び第2016/0197373号に公開され、これらの特許はその全体が、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0031】
電池アセンブリは、1つ以上の挿入部を含み得る。1つ以上の挿入部は、複数の挿入部を含み得る。1つ以上の挿入部は、1つ以上の他の挿入部とかみ合うように、スタックを通る1つ以上のチャネルの一部を画定するように、1つ以上のチャネルに沿って漏洩防止シールを形成するように、1つ以上のバルブと協働するように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。1つ以上の挿入部は、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、セパレータ、またはこれらの任意の組み合わせの一部であり得る。1つ以上の挿入部には、活物質、移送シート、またはその両方が存在し得ない。1つ以上の挿入部は、電池プレート、エンドプレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせの1つ以上の挿入部とかみ合うため、チャネルの一部を形成するため、1つ以上のチャネルに沿って漏洩防止シールを形成するため、1つ以上のバルブと協働するため、またはこれらの任意の組み合わせを行うための任意のサイズ及び/または形状を有し得る。1つ以上の挿入部は、エンドプレート、電池プレートの基板、セパレータ、またはこれらの組み合わせに、形成され得る、または取り付けられ得る。1つ以上の挿入部は、電池プレート、セパレータ、エンドプレート、またはこれらの組み合わせの周縁内に設置され得る。1つ以上の挿入部は、基板、セパレータ、エンドプレート、またはこれらの組み合わせの表面から突出し、よって、1つ以上の隆起挿入部を形成する。1つ以上の挿入部は、電池プレートの基板、セパレータの中央部、またはその両方から突出し得る。1つ以上の挿入部は、基板、セパレータ、エンドプレート、またはこれらの組み合わせの表面から、実質的に直交してまたは斜めに突出し得る。1つ以上の挿入部は、電池プレート、セパレータ、エンドプレート、またはこれらの組み合わせの一部に、取り付けられ得る、または統合され得る。表面に統合され、表面から突出する挿入部は、隆起として画定され得る。挿入部が突出する表面の反対表面は、隆起の形成を可能にするために、相反的な陥凹部を有し得る。相反的な陥凹部は、中に別の挿入部を受け入れることができ、よって、チャネルの形成が可能となる。1つ以上の挿入部は、その中を通る1つ以上の開口部を有し得る。1つ以上の挿入部は、1つ以上の開口部と同心であり、1つ以上の開口部の周りに形成され得る。1つ以上の挿入部は、ある長さの開口部に延在し得る。1つ以上の開口部の外径と、1つ以上の挿入部の内側との間に、シール表面が形成され得る。例えば、基板、エンドプレート、及び/またはセパレータの表面は、挿入部と開口部との間に位置する電池アセンブリの長手方向軸に対して実質的に垂直であり得、シール表面であり得る。1つ以上の挿入部は、隣接する電池プレート、セパレータ、及び/またはエンドプレートの1つ以上の挿入部とかみ合って、チャネルの周りに漏洩防止シールを形成することができ得る。例えば、1つ以上の電池プレートは、挿入部とは反対の表面上に、セパレータ、電池プレート、及び/またはエンドプレートの隆起部、挿入部、スリーブ部、またはブッシング部に合致する陥凹部を有するように、機械加工または形成され得る。1つ以上の挿入部は、1つ以上の活物質、移送シート、またはその両方の1つ以上の非平面構造を通り得る。例えば、1つ以上の挿入部は、活物質及び移送シートの開口部(例えばボイド)を通り、隣接する挿入部とかみ合うことを可能にし得る。1つ以上の好適な挿入部は、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、及び米国特許出願公開第2017/0077545号に開示される挿入部であり得、これらの特許はその全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。1つ以上の挿入部は、1つ以上の通気穴を含み得る。1つ以上のセパレータの1つ以上の挿入部は、1つ以上の通気穴を含み得る。1つ以上の通気穴により、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルへ、選択された流体の連通が可能となり得る。電気化学セルのそれぞれは、個別に電気化学的に形成され得る。
【0032】
電池アセンブリは、1つ以上の開口部を含み得る。1つ以上の開口部は、複数の開口部を含み得る。開口部は、1つ以上のチャネルを形成するように、1つ以上のシールを収容するように、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、セパレータ、またはこれらの組み合わせを互いに固定するように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。1つ以上の開口部は、エンドプレート、電池プレート、セパレータ、活物質、移送シート、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上において形成され得る。エンドプレート、電池プレート、セパレータ、活物質、移送シート、またはこれらの組み合わせの1つ以上の開口部は、1つ以上の他のエンドプレート、電池プレート、セパレータ、活物質、移送シート、またはこれらの任意の組み合わせの1つ以上の開口部と、整列し得る(すなわち実質的に同心であり得る)。1つ以上の開口部は、電池アセンブリの長さにわたり、横方向に整列し得る。横方向は、製品の長手方向軸に対し実質的に並行であり得る。横方向は、カソード及び/またはアノードが堆積され得る基板の対向表面に対し、実質的に垂直であり得る。開口部は、機械加工(例えば平削り)され得る、基板の製造中に形成され得る(例えば成形または造形作業により)、または他の方法で製造され得る。ペーストの開口部は、以前の塗布プロセス中に形成され得る。開口部は、直線状の及び/または滑らかな内壁または表面を有し得る。基板に形成された開口部のサイズ及び出現頻度は、電池の抵抗率に影響を与え得る。1つ以上の開口部は、ポストを受け入れ通すことができる直径を有し得る。活物質及び/または移送シートの1つ以上の開口部は、ポスト、挿入部、またはその両方を受け入れ通すことができる直径を有し得る。開口部の直径は、約0.2mm以上、約1mm以上、約2mm以上、または約5mm以上でさえあり得る。開口部の直径は、約30mm以下、約25mm以下、または約20mm以下でさえあり得る。移送シート及び/または活物質(例えばペースト)の1つ以上の開口部の直径は、セパレータ、基板、電池プレート、エンドプレート、またはこれらの組み合わせの開口部及び/または挿入部の直径より、大きくあり得る。電池プレート及び/または基板の1つ以上の開口部は、同じ電池プレート及び/または基板の1つ以上の他の開口部より、大きい直径を有し得る。開口部の大きさは、別の開口部の大きさの少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、または少なくとも約2.5倍でさえあり得る。開口部の大きさは、別の開口部の大きさの約4倍以下、約3.5倍以下、または約3倍以下でさえあり得る。1cmあたり少なくとも約0.02個の開口部密度を有するように、開口部が形成され得る。1cmあたり約4個未満の開口部密度を有するように、開口部が形成され得る。1cmあたり約2.0個~1cmあたり約2.8個の開口部密度を有するように、開口部が形成され得る。
【0033】
1つ以上の開口部は、導電性材料、例えば金属含有材料で充填され得る。導電性材料は、基板の熱劣化温度より低い温度で相変態が起こる材料であり得ることから、相変態温度より低い電池アセンブリの作動温度において、誘電体基板は、基板の第1の表面と第2の表面との間の材料混合物を介して、導電経路を有する。さらに、相変態温度を超える温度では、導電性材料の混合物は相変態を起こし、これにより、導電性経路を介した導電性は無効となる。例えば、導電性材料は、はんだ材料であり得、またははんだ材料を含み得、はんだ材料の例としては、鉛、スズ、ニッケル、亜鉛、リチウム、アンチモン、銅、ビスマス、インジウム、または銀のうち少なくとも1つまたは任意の2つ以上の混合物を含むものが挙げられる。導電性材料は、いずれの鉛も実質的に含み得ない(すなわちせいぜい微量の鉛を含む)、または機能的に作動可能な量の鉛を含み得る。材料は、鉛とスズの混合物を含み得る。例えばこれは、大部分のスズと小部分の鉛(例えば約55~約65重量部のスズと、約35~約45重量部の鉛)を含み得る。材料が示し得る融解温度は、約240℃未満、約230℃未満、約220℃未満、約210℃未満、または約200℃未満(例えば約180~約190℃の範囲内)でさえある。材料は、共融混合物を含んでもよい。開口部を充填するための導電性材料としてはんだを使用することの特徴は、はんだが、使用されるはんだの種類に応じて、継続的な電池動作に危険であり得る温度では融解するように、調整することができる規定融解温度を有することである。一旦はんだが融解すると、融解したはんだを含む基板開口部は導電性を失い、電池プレート内で開回路が生じる。開回路は、バイポーラ電池内の抵抗を劇的に増大させるように作動し得、これにより、さらなる電気の流れを止めて、電池内の危険な反応を終了させる。従って、開口部を充填するのに選択される導電性材料の種類は、電池内にこのような内部終了機構を含むことは望ましいか否か、もし望ましい場合は、このような内部終了を生じるのに望ましい温度は何かに応じて、変わり得る。基板は、所定条件を超える作動状況の場合には、基板を通る導電性を途絶することにより、電池動作を無効にするよう機能するように、構成される。例えば、誘電体基板の穴を充填する導電性材料は、基板全体の導電性が途絶されるように、相変態を起こす(例えば融解する)。導電性の途絶は、基板を通る導電性の機能を部分的に無効化する、または完全に無効化さえする程度であり得る。
【0034】
電池アセンブリは、1つ以上のチャネルを含み得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上の通気、充填、及び/または冷却チャネルとして存在するように、1つ以上のポストを収容するように、電池アセンブリの内部全体に1つ以上のポストを配置するように、液体電解質が1つ以上のポストまたは他の構成要素と接触するのを防ぐように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上のエンドプレート、電池プレート、及び/またはセパレータの整列した1つ以上の開口部により形成され得る。1つ以上のチャネルは、活物質、移送シート、またはその両方の1つ以上の開口部を通って延在し得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上の統合チャネルと称され得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上の電気化学セル内を通り得る。1つ以上のチャネルは、液体電解質内を通り得る。電解質及び作動中の発生気体がチャネルに入るのを防ぐために、チャネルは密封され得る。この目的を達成する任意の密封方法が採用され得る。1つ以上のエンドプレート、電池プレート、及びセパレータの挿入部などの1つ以上のシールは、1つ以上のチャネルを連結し取り囲んで、液体電解質が1つ以上のチャネルに漏洩することを防ぎ得る。1つ以上のチャネルは、電池アセンブリを横方向に通って、1つ以上の横断チャネルを形成し得る。チャネルのサイズ及び形状は、1つ以上のポストを中に収容することができる任意のサイズまたは形状であり得る。チャネルの形状は、円形、楕円形、または正方形、長方形、六角形などの多角形であり得る。1つ以上のポストを収容するチャネルのサイズは、使用されるポストに対応して選ばれる。チャネルの直径は、1つ以上のチャネルを形成するように整列した開口部の直径と等しくあり得る。1つ以上のチャネルは、構成要素内に一連の開口部を備え、これら一連の開口部は、形成されたチャネル内にポストを配置することができるように、冷却のために及び/または通気及び充填のためにチャネルを通して流体を送ることができるように、配置されている。電解質及び作動中の発生気体の漏洩を防ぎ、作動中に生じる圧縮力が構成要素と個々の電気化学セルのシールとを損傷することを防ぐように、エンドプレート並びにエンドプレート、電池プレート、及びセパレータの縁部を支えるチャネルの数が選ばれる。作動中に生成される圧縮力を分散させるために、複数のチャネルが存在し得る。シールの疲労強度を超える縁部応力を最小限に抑えるのに十分な数及び設計のチャネルが設置される。複数のチャネルの位置は、作動中に生じる圧縮力を分散させるために選ばれる。応力によりよく対処するために、スタック全体に均一にチャネルが分散され得る。複数のチャネルの断面サイズは、約2mm以上、約4mm以上、または約6mm以上であり得る。チャネルの断面サイズの上限は、実用性に基づく。サイズが大きすぎる場合、アセンブリの効率は低下する。チャネルの断面サイズは、約30mm以下、約25mm以下、または約20mm以下でさえあり得る。チャネルの断面サイズが大きくとも、活物質の表面が非平面であることにより、効率を補償するまたは向上させることが可能となり得る。例えば、活物質の波形形態により、表面積が増加し、従って電池アセンブリの効率を向上させることが可能となり得る。
【0035】
電池アセンブリは、1つ以上のチャネルと1つ以上のポストとの間に、シールを備え得る。1つ以上のシールは、チャネル内に、チャネルの外側の周りに、及び/またはポストの周りに、設置され得る。シールは、電解質及び作動中の発生気体が、電気化学セルから漏洩することを防ぐ任意の材料または形態を含み得る。シールは、エンドプレート、電池プレート、及び/またはセパレータにおける膜、スリーブ部、または一連の整合された挿入部であり得る、またはチャネルに挿入され得る。膜は、弾性を有し得る。チャネルは、プレート及び/またはセパレータに挿入または統合された一連のスリーブ部、ブッシング部、挿入部、及び/または隆起部により形成され得る。チャネルに沿って漏洩防止シールを形成するように、挿入部及び/または隆起部は、圧縮可能であり得る、または互いにかみ合うことが可能であり得る。挿入部及び/または隆起部を所定の位置に成形することなどにより、挿入部及び/または隆起部は、電池プレート及び/またはセパレータ内の所定の位置に形成され得る。挿入部及び/または隆起部は、射出成形により、所定の位置に成形され得る。シールは、電解質への露出、電気化学セルの作動条件、及びポストの挿入またはチャネル内のポストにより加えられる力に、耐えることができる任意の材料から調製され得る。有用であると説明されたポリマー材料は、ポスト及び基板に好ましい。シールは、バイポーラプレートとモノポーラプレートとの間に配置されたスリーブ部、挿入部、またはブッシング部により、形成され得る。スリーブ部または挿入部は比較的に硬くあり得、ブッシング部は一般に弾性を有する。挿入部、隆起部、スリーブ部、及び/またはブッシング部は、バイポーラ及びモノポーラプレート、及び/またはセパレータの陥凹部内に合うように、またはプレートの開口部に挿入して1つ以上のチャネルを作る端部を有するように、適合され得る。デュアルポーラプレート、バイポーラプレート、及びモノポーラプレートは、隆起部、挿入部、スリーブ部、及び/またはブッシング部に合致する陥凹部を含むように、形成または機械加工され得る。プレートのスタックを隆起部、挿入部、スリーブ部、またはブッシング部と共に組み立てることで、チャネルを効果的に密封する締り嵌めが作られ得る。あるいは、隆起部、挿入部、スリーブ部、及び/またはブッシング部は、接合点でシールを形成するように、プレートに融解接合または接着剤接合され得る。あるいは、隆起部、挿入部、スリーブ部、及び/またはブッシング部は、チャネルを密封するように機能するコーティングで、内側を被覆され得る。上記のように、ポストは、チャネルを密封するように機能し得る。これらの密封方法の組み合わせは、単一のチャネルまたは異なるチャネルにおいて利用できると考えられる。デュアルポーラプレート、モノポーラプレート、バイポーラプレートを含むプレートのスタックの構成要素は、同じ形状及び共通の縁部を有することが好ましい。これにより、縁部の密封が容易となる。セパレータが存在する場合、セパレータは通常、横断チャネルの形成または作成に対応するために、電池プレートと同様の構造を有する。シールは、ボルトと横断チャネルとの間に注入されたエポキシ、ポリウレタン、またはアクリルポリマーなどの熱硬化性ポリマーであり得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上の電池プレート及び/または1つ以上のセパレータの開口部へ接着された、開口部内に接着された、または開口部と統合された、挿入部、隆起部、スリーブ部、及び/またはブッシング部で形成され得る。1つ以上のチャネル内の1つ以上のポストは、挿入部、穴、隆起部、スリーブ部、及び/またはブッシング部を所定の位置に保持して、密封された経路を形成するのに十分な圧力を加え得る。1つ以上のチャネルは、1つ以上の電池プレート及び1つ以上のセパレータに接着された及び/または統合された挿入部及び/または隆起部から形成され得る。1つ以上のポストは、接着剤接合により、熱可塑性ポリマーの融合により、またはその両方により、電池の1つ以上の挿入部、隆起部、及び/または基板に接合され得る。挿入部及び/または隆起部は、締り嵌めにより1つ以上の電池プレート及び/またはセパレータに挿入され得る、または接着剤により所定の位置に接合され得る。1つ以上のセパレータの挿入部及び/または隆起部は、1つ以上の電気化学セルと1つ以上のチャネルとの間の連通を可能とし得る1つ以上の通気穴を含み得る。1つ以上の通気穴により、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルへの気体の送達が可能となり、1つ以上の電気化学セルから1つ以上のチャネルへの1つ以上の液体(すなわち電解質)の送達は阻止され得る。
【0036】
電池アセンブリは、膜を含み得る。膜は、1つ以上のエンドプレート、複数の電池プレート、1つ以上のセパレータ、1つ以上の移送シート、1つ以上のチャネル、またはこれらの任意の組み合わせの縁部の周りを密封するように機能し得る。エンドプレート、電池プレート、及びセパレータの縁部を密封して1つ以上の電気化学セルを隔離する任意の手段により、膜は、1つ以上のエンドプレート、複数の電池プレート、及び/または1つ以上のセパレータの縁部に接合され得る。例示的な接合方法は、数ある中でも、接着剤接合、融解接合、振動溶接、RF溶接、及びマイクロ波溶接を含む。膜は、エンドプレート、モノポーラプレート、及びバイポーラプレートの縁部を密封することができ、電解質への暴露及び電池が内面的外面的にさらされる状況に耐えることができるポリマー材料のシートであり得る。電池プレートの基板に有用な同じ材料が、膜に利用され得る。膜は、モノポーラプレート及びバイポーラプレートの基板の周りに融解接合、振動溶接、または成形され得る熱可塑性ポリマーであり得る。同じ熱可塑性ポリマーが、モノポーラ基板、バイポーラ基板、及び膜に利用され得る。例示的な材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、及びポリエステルが挙げられ、ABSが最も好ましい。膜は、膜が接合されるスタックの側面のサイズを有し得、膜は、スタックの各側面に接合される。隣接する膜の縁部は、密封され得る。縁部は、接着剤、融解接合、または成形プロセスを用いて密封され得る。膜は、スタックの全周縁に巻き付けられた1つの統一シートを含み得る。膜は、前縁と後縁とを有し得る。前縁は、スタックと接触する最初の縁であり得る。後縁は、スタックに付けられた膜の端、すなわち最後の部分であり得る。前縁及び後縁を、スタックに接合し、互いに接合し、またはその両方を行って、スタックの周りの膜のシールは完成され得る。これは、接着剤の使用、融解接合、また成形プロセスにより行われ得る。融解接合では、膜及び/またはスタックの縁部の表面は、それらのうちの1つまたは両方の表面が融解して、表面が溶解している間に、膜とスタックの縁部とが接触する状態にさらさられる。表面が凝固すると、膜及びスタックの縁部は接合し、構成要素を一緒に密封することができる接合が形成される。膜は、膜材料の連続シートから、所望の長さに切り取られ得る。膜の幅は、モノポーラプレート及びバイポーラプレートのスタックの高さと一致し得る。膜は、モノポーラ及びバイポーラシートのスタックの縁部を密封してセルを隔離するのに、十分な厚さを有する。膜はまた、スタックの縁部を囲む保護筐体としても機能し得る。膜の厚さは、約1mm以上、約1.6mm以上、または約2mm以上であり得る。膜の厚さは、約5mm以下、4mm以下、または約2.5mm以下であり得る。膜をスタックの縁部に接合する場合、電解質への暴露及びセルの作動条件に耐えることができる任意の接着剤が使用され得る。例示的な接着剤には、プラスチックセメント、エポキシ、シアノアクリレート接着剤、またはアクリレート樹脂が挙げられる。あるいは、膜は、電池プレートのスタックの一部または全ての周りに、熱可塑性または熱硬化性材料を成形することにより、形成され得る。熱成形、反応射出成形、射出成形、回転成形、ブロー成形、及び圧縮成形などを含む任意の既知の成形方法が使用され得る。膜は、電池プレートのスタックの一部または全ての周りに膜を射出成形することにより、形成され得る。膜がプレートのスタックの一部の周りに形成される場合、電池プレートまたは電池プレートとセパレータの縁部の周りに形成され得る。
【0037】
形成された電池を保護するために、密封された電池アセンブリは、筐体の中に配置され得る。あるいは、電池の筐体として、スタックの端部にあるモノポーラプレートを覆う保護カバーと合わせて、膜が使用され得る。モノポーラプレートは、アノードまたはカソードの反対側の表面に、好適な保護カバーが取り付けられ得る、または接合され得る。カバーは、膜と同じ材料である得る、または膜に接着剤接合もしくは融解接合することができ、膜に関して列挙された範囲内の厚さを有することができる材料であり得る。カバーは、プレートの端部に取り付けられる場合、重複部分を有するポストを含む任意の機械的連結により、取り付けられ得る。筐体は、電池プレートのスタック及び/またはモノポーラプレートの両側面の周りに、膜を成形することにより、形成され得る。
【0038】
電池アセンブリは、1つ以上のポストを含み得る。1つ以上のポストは、構成要素の損傷またはスタックの構成要素の縁部間のシールの破損を防ぐ方法で構成要素のスタックを一緒に保持するように、セパレータ材料にわたり均一な圧迫を確保するように、及びセパレータ材料の均一な厚さを確保するように、機能し得る。1つ以上のポストは各端に、各エンドプレートの密封面など対向するエンドプレートの外側表面に係合する重複部分を有し得る。重複部分は、構成要素の損傷またはスタックの構成要素の縁部間のシールの破損を防ぎ、電池作動中にスタックの張り出しまたは他の変位を防ぐような方法で、対向するエンドプレートの外側表面上に圧力を加えるように、機能し得る。重複部分は、エンドプレートの密封表面と接触し得る。スタックは、モノポーラプレート上に別個の構造または保護エンドピースを有し得、重複部分は、構造または保護エンドピースの外側表面と接触する。重複部分は、ポストと共に、構成要素の損傷またはスタックの構成要素の縁部間のシールの破損を防ぐ任意の構造を有し得る。例示的な重複部分には、ボルトヘッド、ナット、成形ヘッド、ブラッド、コッターピン、及びシャフトカラーなどが挙げられる。ポストは、スタック全体を通る長さを有するが、このような長さは、電池の所望容量に応じて異なる。ポストは、チャネルを埋める断面形状及びサイズを有し得る。ポストが1つ以上のチャネルの締り嵌めを形成するように、ポストは、1つ以上のチャネルの断面サイズより大きい断面サイズを有し得る。電解質及び作動中の発生気体の漏洩を防ぎ、作動中に生じる圧縮力が構成要素と個々の電気化学セルのシールとを損傷することを防ぎ、シールの疲労強度を超える縁部応力を最小限に抑えるように、エンドプレート及び基板の縁部を支援するポストの数が選ばれる。作動中に生成される圧縮力を分散させるために、複数のポストが存在し得る。チャネルの1つ以上が冷却チャネルまたは通気/充填チャネルとして利用されるチャネルより、少ない数のポストが存在し得る。例えば、4つのチャネルが存在し得、そのうち3つのチャネルは内部にポストが設置され、1つのチャネルは冷却、通気、及び/または充填チャネルとして使用され得る。ポストは、必要な機能を実行する任意の材料を含み得る。チャネルを密封するためにポストが利用される場合、使用される材料は、セルの作動条件に耐え、電解質に暴露されても腐食せず、セルの作動中に発生する温度及び圧力に耐えることができるものが選ばれる。ポストが密封機能を果たす場合、ポストは、列挙された条件に耐えることができるポリマーまたはセラミック材料を含み得る。この実施形態では、セルの短絡を防ぐために、材料は非導電性でなければならない。ポストは、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性材料などのポリマー材料を含み得る。ポストは、熱可塑性材料を含み得る。例示的な熱可塑性材料には、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー)、ポリプロピレン、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、ポリオレフィン、複合熱可塑性樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。ABSが最も好ましい。チャネルが別々に密封される場合、ポストは、所望の機能を実行するのに構造的完全性を有する任意の材料を含み得る。上記のポリマー材料のうち、セラミック、及び金属が利用され得る。好適な金属は、鋼、真鍮アルミニウム、及び銅などであり得る。ポストには、成形ポスト、ねじ切りされたポスト、または1つ以上の端部取り付け部を有するポストが含まれ得る。ポストは、スタックの一部、例えばチャネル内の基板、挿入部、または隆起部などに、接合され得る。接合は、熱可塑性材料などのポリマー材料の接着または融合から、形成され得る。1つ以上の開口部は、ねじ切りされた表面を有し得る。ねじ切りである場合、ねじ切りされた開口部と係合するように、1つ以上のポストもねじ切りされ得る。ポストは、ナット、ブラッド用穴、コッターピンなど、またはこれらの組み合わせに対向する一端に、ヘッドまたはナットを含み得る。これは通常、非成形ポストの場合である。ポストは、短くすることはできるが長くすることはできない一方向ラチェットデバイスとなるように構築され得る。このようなポストは所定の位置に配置され、スタックが圧縮されると、ポストは、スタック上の圧力を維持するように短くなる。この実施形態でのポストは、ポストが結束バンドのような構造の一部として機能することできるように、ラチェットを容易にするリッジを有し得る。ポストと共に、合致するナット及び/またはワッシャーが使用され、これらは、所定の位置にある時に隣接するプレートを圧縮し得る。ナット及び/または、ワッシャーは、ポスト上を一方向に通過し、リッジは、ナット及び/またはワッシャーがポストに沿って他の方向に移動することを防ぐために存在し得る。使用時、ポスト内の穴は、列挙された機能を実行するのに好適なブラッド、及びコッターピンなどを有する。ポストが成形される場合は、個別にまたは所定の位置に成形され得る。所定の位置、本来の位置に成形される場合、融解プラスチックを所定の位置に保持するために、チャネル内にシールの存在が必要となり得る。シールは、かみ合う挿入部、チャネル内の別個のシール、またはその両方により、形成され得る。ねじ切りされた非導電性ポストが使用されてもよく、これは必要なシールを提供することができる。あるいは、予め成形される非導電性ポリマーポストは、チャネルを密封する方法でチャネル内に締り嵌めを形成するように、設計され得る。ポストは、射出成形などの成形により、所定の位置に形成され得る。
【0039】
電池アセンブリは、1つ以上のバルブを含み得る。1つ以上のバルブは、電池アセンブリの内部を真空に引くように、電池アセンブリを電解質で満たすように、及び/または作動中に電池アセンブリを通気するように、機能し得る。1つ以上のバルブには、圧力開放バルブ、チェックバルブ、充填バルブ、安全バルブなど、またはこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。1つ以上のバルブは、エンドプレート、電池プレート、セパレータ、またはこれらの任意の組み合わせの1つ以上の開口部により形成される1つ以上のチャネルと、接続し得る、及び/または連通し得る。1つ以上のバルブは、ポストが中を通るチャネル、またはポストを有さないチャネルなど、チャネルと連通し得る。製品は、米国特許出願公開第2014/0349147号に説明されるように、1つ以上のバルブを含み得、この特許はその全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。アセンブリは、セルが危険な内圧に達した場合に圧力を解放するために、セルの1つ以上に対し、圧力解放バルブを含み得る。圧力解放バルブは、電池が使用されるシステムに損傷を与えるような破壊的な故障を防ぐように設計される。圧力解放バルブが一旦解放されると、電池は機能しなくなる。開示されるアセンブリは、危険な圧力に達した時または達する前に、アセンブリ全体から圧力を解放する1つのチェックバルブを含み得る。いくつかの例示的な好適なバルブが、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、第9,685,677号、第9,825,336号、及び米国特許出願公開第2018/0053926号に開示されており、これらの特許はその全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0040】
製品は、1つ以上の端子を含み得る。アセンブリは、1つ以上の対の導電端子を含み得、各対は、正端子及び負端子に接続される。1つ以上の端子は、電気化学セルにおいて生成された電子を、生成された電子を電気の形態で利用するシステムに送るように機能し得る。端子は、各電池スタックを、負荷、本質的にセルで生成された電気を利用するシステムに接続するように適合される。1つ以上の端子は、1つ以上のエンドプレート、1つ以上の電池プレート、膜、及び/または筐体を通り得る。1つ以上の端子は、エンドプレートから外部まで電池プレートを通り得る、またはエンドプレートの平面に本質的に平行なアセンブリの周りの筐体または膜の側面を通り得る。端子は、モノポーラプレート、デュアルポーラプレート、バイポーラプレート、またはこれらの組み合わせのアノードまたはカソードの極性に一致する。端子は、アセンブリ内の導電性導管と接触する。モノポーラプレートのカソード、及びカソード集電体を有するバイポーラプレートのうち1つ以上のバイポーラプレートのカソードは、独立した正端子に接続され得る。モノポーラプレートのアノード、及びアノード集電体を有するバイポーラプレートのうち1つ以上のバイポーラプレートのアノードは、独立した負端子に接続され得る。カソード集電体は接続され得、アノード集電体は並列に接続され得る。単一の接続された正端子及び単一の接続された負端子のみ露出させた状態で、個々の端子は膜に覆われ得る。いくつかの例示的な好適な端子アセンブリが、米国特許第8,357,469号、第9,553,329号、第9,685,677号、第9,825,336号、及び米国特許出願公開第2018/0053926号に開示されており、これらの特許はその全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0041】
電池アセンブリは、1つ以上の導電性導管を含み得る。導電性導管は、カソードと接触している集電体から1つ以上の正端子へ、電子を送るように機能し得る。典型的なバイポーラ電池は、基板を通してセルからセルへ電子を流す。基板は、少なくとも部分的に導電性材料を含む、または基板を通る導電性経路を含む。セルを含む回路が閉じている場合、電子は、セルからセルへ基板を通って正端子へ流れる。アセンブリでは、基板及びセルを通して、集電体を通して電流導体まで、またはその両方で、電子が流れ得ると考えられる。2つ以上のスタックを有する本明細書で開示される電池では、各スタックは、アノードと接触している集電体を負端子とつなぐ電流導体及び/または導電性導管と、カソードと接触している集電体を正端子とつなぐ電流導体及び/または導電性導管とを有する。2つ以上のスタックからの導電性導管は、並列または直列に配置され得る。並列回路は、互いに接続されていない2つ以上の回路を含む。直列回路は、電子が順番に回路を流れるように配置された2つ以上の回路を含む。導電性導管が直列構成で配置された場合、電池は、1つの負端子及び1つの正端子のみを有し得る。導電性導管が並列に配置された場合、電池は、単一の正端子及び負端子を有し得、各回路は負端子または正端子のそれぞれと接続する。あるいは、各回路は、別個の負端子及び正端子を有し得る。端子は、通常電池に蓄えられた電気を利用する負荷に接続され得る。カソードと接触している集電体と接触している並列配置の電流導体及び/または導電性導管のそれぞれは、別個の正端子と接触し得る。アノードと接触している集電体と接触している並列配置の電流導体及び/または導電性導管のそれぞれは、別個の負端子と接触し得る。
【0042】
形成された電池を保護するために、密封されたスタックは、筐体の中に配置され得る。あるいは、電池の筐体として、スタックの端部にあるモノポーラプレートを覆う保護カバーと合わせて、膜が使用され得る。モノポーラプレートは、アノードまたはカソードの反対側の表面に、好適な保護カバーが取り付けられ得る、または接合され得る。カバーは、膜と同じ材料である得る、または膜に接着剤接合もしくは融解接合することができ、膜に関して列挙された範囲内の厚さを有することができる材料であり得る。カバーは、プレートの端部に取り付けられる場合、重複部分を有するポストを含む任意の機械的連結により、取り付けられ得る。筐体は、電池プレートのスタック及び/またはモノポーラプレートの両側面の周りに、膜を成形することにより、形成され得る。
【0043】
電池アセンブリの使用
【0044】
本明細書に開示される電池アセンブリは、負荷に取り付けるのに、及び電気化学セルを含む回路を形成するのに、特に有用である。電子は、端子から負荷へ流れ、負荷から端子へ流れ戻り得る。負荷は、電気を使用するシステムであり得る。この流れは、セルが電気を生成できる限り保持される。セルのスタックが完全に放電した場合、さらなる使用の前に、電池に対し充電ステップを行う必要があり得る。バイポーラプレートの基板が、導電性材料混合物を、その相変態温度より低い電池アセンブリの作動温度で含む場合、基板は、基板の第1の表面と対向する第2の表面との間に、材料混合物による導電性経路を有し、導電性材料混合物の相変態温度より高い温度では、導電性材料混合物に相変態が生じ、これは導電性経路による導電性を無効にする。これにより、不都合な結果が生じる前に、電池を無効にすることが可能となる。一旦電池が放電されると、電子源により回路を形成することで、電池は再充電され得る。充電中、電極の機能は変化し、放電中のアノードはカソードになり、放電中のカソードはアノードになる。本質的に、電気化学セルは、放電する場合とは反対の方向に、電子及びイオンを流す。
【0045】
電解質及び発生気体がセルから漏洩することを防ぎ、個々のセルを隔離してセルの短絡を防ぐために、電池プレート及びセパレータプレートの縁部は密封され得る。縁部は、任意の既知の電池密封方法を使用して、密封され得る。アセンブリの縁部は、Shaffer, IIらによる「Bipolar Battery Assembly」と題する共同所有の米国特許出願第2010/0183920A1号に開示される内骨格または外骨格密封システムを使用して密封され得、この特許はその全体が、参照により本明細書に組み込まれるものとする。Shaffer, IIらにより開示される密封システムは、前述の構造など、バイポーラ電池積層構造用の独特な構造を検討する。上記の方法に基づくかどうかにかかわらず、構造は一般に、第1のセパレータフレームと、1つ以上の縁部及び支持グリッド構造を有する負極ペーストフレーム部材であって、支持グリッド構造は1つ以上の負極ペーストフレーム縁部間に延在する、該負極ペーストフレーム部材と、負極集電体箔と、複数の開口部が形成された基板と、正極集電体箔と、1つ以上の縁部を有する正極ペーストフレーム部材と、1つ以上の正極ペーストフレーム縁部と第2のセパレータフレームとの間に延在する支持グリッド構造とを備える。第1のセパレータフレームは、1つ以上の縁部を含み得る。負極ペーストフレーム部材は、負極ペーストフレーム部材の少なくとも1つの縁部がセパレータフレームの少なくとも1つの縁部と平面接触するように、1つ以上の縁部を有し得る。基板も、基板の少なくとも1つの縁部が負極ペーストフレーム部材の少なくとも1つの縁部と平面接触するように、1つ以上の縁部を有し得る。正極ペーストフレーム部材は、正極ペーストフレーム部材の少なくとも1つの縁部が基板の少なくとも1つの縁部と平面接触するように、1つ以上の縁部を有し得る。第2のセパレータフレームは、セパレータフレームの少なくとも1つの縁部が正極ペーストフレーム部材の少なくとも1つの縁部と平面接触するように、1つ以上の縁部を有し得る。セパレータフレーム、負極ペーストフレーム部材、正極ペーストフレーム部材、及び基板の縁部の平面接触により、電池上に外部シールが形成され、これにより、その中に導入された電解質は電池内から漏洩しない。ペーストフレーム部材の縁部はさらに、セパレータフレームの縁部に設置された位置合わせピンまたは支持部材を受け入れる開口部を含み得る。ペーストフレーム部材の開口部内に位置合わせピンを配置することにより、外部シールの形成はさらに容易になり得る。電池セルの内部構造が、いずれの液体または気体(空気)も電池から漏れさせない外部シールを作るように、1つ以上のセパレータフレーム及び1つ以上のペーストフレームを、基板と組み合わせて、隣接するフレーム及び/または基板と平面接触するようにそれぞれ配置するフレーム構造が使用され得ることも想定される。ペーストフレーム部材の縁部はさらに、セパレータフレームの縁部に設置された位置合わせピンまたは支持部材を受け入れる開口部を含み得る。ペーストフレーム部材の開口部内に位置合わせピンを配置することにより、外部シールの形成はさらに容易になり得る。従って、電池内に導入された電解質は、電池漏洩及びそれに続く電池障害のリスクなしに、安全に保持される。さらに、効果的に電池を密封するために、重いエンドプレートまたは外部支持構造が必要になることはない。上記のように、ペーストフレーム部材はさらに、ペーストフレーム部材の縁部間に設置された支持部材(例えばピン)を含み得る。支持部材の使用は、電池内の圧縮応力及びその結果生じる不要な縁部/剥離応力の問題に対処する1つの手法にすぎない。さらに、必要に応じて、フレーム部材の外周または縁部にピンを追加して、分離するフレーム部材の位置を合わせることができ、これにより、フレーム部材は、圧縮中に上下または前後に滑るように動くことが可能となる。必要に応じて、内骨格及び外骨格構築手法の組み合わせを使用して、バイポーラ電池が構築され得る。例えば、バイポーラ電池は、前述のように内部支持ピンを使用して、構築することができる。これに加えてまた、フレーム構造が、モノポールの端子側に配置され得る。この外部電池構築は、審美的ボックスの一環として、エンドカバーにより補強され得る。電池プレート用の基板は、基板の周縁に隆起縁部(例えばフレーム)を有し得、これは、互いに封着するペーストフレームとして機能する。隆起縁部は、利用される場合、外側の膜にも封着し得る。
【0046】
電池アセンブリは、内部圧力による漏洩または歪みなしに10psi以上、約20psi以上、約50psi以上、及び約100psi以下の内部圧力に耐えることができ得る。電池アセンブリは、約6psi~約10psiの内部圧力に耐えることができる。電池アセンブリは、約34ワット時間/キログラム、約40ワット時間/キログラム、または約50ワット時間/キログラムのエネルギー密度を提供し得る。本教示の電池アセンブリは、6、12、24、48、または96ボルトなどの所望の任意の電圧を生成し得る。さらに高い電圧も可能であるが、約200ボルトが実質的な上限である。
【0047】
電池プレート(複数可)を調製する方法(複数可)
【0048】
本明細書で開示される1つ以上の電池プレート、電池アセンブリ、またはその両方は、以下のステップにより調製され得る。
【0049】
バイポーラプレート、デュアルポーラプレート、モノポーラプレート、またはこれらの組み合わせに有用な基板は、形成され得る、または形状に切断され得る。基板が非導電性材料を含む場合、基板は、複合基板に変換され得る。複合基板は、従来のバイポーラ電池アセンブリに特に有用であり得る。基板を複合基板に変換するために、1つ以上の穴(例えば開口部)が基板内に形成され得る。穴の形成は、基板内に穴を成形すること、基板を機械加工して穴を形成すること、他の任意の好適なプロセス、またはこれらの組み合わせにより、行われ得る。開口部は、導電性材料で充填され得る。導電性材料は、本明細書で前述されたような規定温度で融解するものであり得る。利用される場合、1つ以上の導体が、基板の片面または両面(例えば表面)に接着され得る。1つ以上の導体は、1つ以上の金属シート、スクリーン、ワイヤ、箔など、または任意の組み合わせを含み得る。米国特許第9,553,329号は、電気化学セル内で電子を分散させるためのこのような導体の使用を開示し、この特許はその全体が、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれるものとする。金属シート、箔、またはその両方が、接着剤を使用して基板に接合され得る。例えば、接着剤は、ニトリル系ゴムセメントであり得る。
【0050】
1つ以上の活物質が、基板に付着され得る。電池プレート、基板、またはその両方が電極プレートとして機能できるように、基板上の活物質は機能する。活物質は、基板の片面または両面(例えば表面)上に配置され得る。活物質は、基板に直接付着され得る、または基板上に設置された導体(例えば金属シート、スクリーン、ワイヤ、及び/または箔)に付着され得る。活物質には、正極活物質(例えばカソード)、負極活物質(例えばアノード)、またはその両方が含まれ得る。1つの極性(例えば正極または負極)のみの活物質が、モノポーラプレートの一表面上にのみ配置され得る。バイポーラプレートの対向する表面上には、異なる極性の活物質が配置され得る。デュアルポーラプレートの対向する表面上には、同じ極性の活物質が配置され得る。1つ以上の活物質は、基板、電池プレート、またはその両方に、ペーストとして付けられ得る。活物質を基板上に配置するために、ペースト形態の活物質(例えばアノード、カソード)が、移送シートに塗布され得る。ペーストが移送シートに塗布される時、移送シートは、モールド内に配置され得る。モールドに活物質を塗布した後、ペーストを上部に有する移送シートは、基板、基板上の導体、またはその両方と接触するように、モールドから移動され得る。活物質は、基板、導体、またその両方と接触すると、基板、導体、またはその両方に接合し得る。モールドは、移送シート、活物質、またはその両方にさらなる圧力を加えて、活物質を基板、導体、またはその両方に接合することを支援し得る。電池プレートの一部として活物質を付けた後、移送シートは、活物質に接合した状態で残り得る、または取り除かれ得る。移送シートは、電池プレート(例えば基板、導体、またはその両方)に接合された活物質(例えばペースト)の表面の反対側の表面で、活物質上に配置され得る。例えば、1つ以上のバイポーラプレートの場合、移送シートが接合されたカソードペーストは、基板の一方の表面に付けられ、移送シートが接合されたアノードペーストは、基板のもう一方の対向表面に付けられる。別の例として、1つ以上のモノポーラプレートの場合、移送シートが接合されたカソードペーストまたはアノードペーストは、基板の一表面に付けられ、一方、基板の対向表面は活物質がない状態に保たれる。別の例では、1つ以上のデュアルポーラプレートの場合、移送シートが接合されたカソードペーストまたは移送シートが接合されたアノードペーストは、基板の表面に接合され、移送シートが接合された同じ極性(例えば正極または負極)のペーストは、基板の反対表面に付けられる。活物質を基板に付着させている間に、活物質内の1つ以上の非平面構造は、基板の1つ以上の非平面構造を受け入れ得る、基板の1つ以上の非平面構造と整列し得る、基板の1つ以上の非平面構造と組み入り得る、またはこれらの任意の組み合わせを行い得る。活物質内に形成された1つ以上の開口部は、基板の1つ以上の開口部、挿入部、またはその両方と、整列し得る(例えば同心を有し得る)。活物質内に形成された1つ以上の開口部は、1つ以上の挿入部を受け入れ通し得る。活物質内に形成された1つ以上の陥凹部、ウェル、またはその両方は、基板の1つ以上の突起部または突出部を受け入れ得る。基板の1つ以上の突起部または突出部は、硬化中に、活物質が基板に接合した状態を保つことを支援し得る。活物質を基板に付着させている間に、活物質は、基板の1つ以上の非平面構造に順応し得る。例えば、基板から突起する1つ以上の突出部は、活物質の一部を圧縮し得る、変位し得る、またはその両方を行い得る。突出部及び/または陥凹部のいくつかは、活物質を通し得ず、活物質が基板、電池プレート、またはその両方に接合することを強化するように機能し得る。活物質の取り付けの間及び/または後、活物質は、基板、電池プレート、またはその両方の1つ以上の部分と、接触しない状態を保ち得る。活物質は、活物質の1つ以上の非平面構造と接触しない状態を保ち得る。活物質は、1つ以上の非平面構造と接触しない状態を保つことにより、電池アセンブリの1つ以上の構成要素の密封または接合を妨げ得ない。活物質は、基板の1つ以上のフレーム、隆起縁部、突出部、挿入部、開口部、またはこれらの任意の組み合わせと、接触しない状態を保ち得る。移送シートの使用により、基板上への活物質の配置の制御が可能となり、活物質は、基板、電池プレート、またはその両方の1つ以上の部分と接触しない状態を保つことが可能となり得る。
【0051】
活物質のペーストは、移送シートに塗布される。ペーストは、モールド内に配置された移送シートに塗布され得る。これにより、ペーストが塗布された移送シートが、非平面機構が形成された基板に、または両方に、後で容易に接合することが可能となり得る。モールドは、1つ以上の可動プレートを備え得る。可動プレートは、移送シート、活物質、またはその両方を移動させるように機能し得る。可動プレートは、ペーストが塗布されるように、ペースト塗布位置(例えばノズル、押し出し機)の下で移送シートを動かし得る。可動プレートは、移送シート、活物質、またはその両方を、基板へ移動させ得る、モールドのキャビティ(例えばネスト)から遠ざけ得る、またはその両方を行い得る。可動プレートは、1つ以上の搬送要素により、モールド内で移動可能であり得る。1つ以上の搬送要素は、可動プレートの下、可動プレートに隣接して、または可動プレートの上に、設置され得る。移送シート、活物質、またはその両方を可動プレート上に配置することができるように、可動プレートが基板に向かって移動することができるように、可動プレートが移送シート、活物質、またはその両方に圧力を加えて、基板、電池プレート、導電体に接合させることができるように、またはこれらの任意の組み合わせを行うことができるように、任意の好適な場所に、1つ以上の搬送要素は設置され得る。1つ以上の搬送要素には、1つ以上の別個のボール移送ユニット(すなわちドロップイン型、フランジマウント型、埋め込み型、及び/またはスタッドマウント型など)、ボール移送テーブル、ボール移送レール、1つ以上の重力ローラ、1つ以上の自動ローラ、ローラコンベヤ、フラットトップコンベヤなど、またはこれらの任意の組み合わせなど、1つ以上の転動要素が含まれ得る。可動プレートは、モールドの搬送システム上に設置され得る。搬送システムにより、可動プレートは、モールドの押し出し部分(例えばノズル)に対し、近づく、離れる、またはその両方を行うことが可能となり得る。可動プレートは、1つ以上の延長要素により、モールド内で移動可能であり得る。1つ以上の延長要素は、可動プレートをキャビティ内から引き上げるように、可動プレートをキャビティ内に引き込むように、可動プレートをキャビティの外側に引き上げるように、可動プレートを基板、電池プレート、またはその両方に向かって引き上げるように、可動プレートに圧力を加えて移送シート及び/または活物質に圧力を加えるように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。キャビティの外側に可動プレートを引き上げて、可動プレートが移動シート及び活物質を電池プレート上に移動させることを可能にするのに好適な任意の場所に、1つ以上の延長要素は設置され得る。1つ以上の延長要素は、可動プレートの下に、キャビティ、移送シート、活物質、またはこれらの組み合わせの反対側、またはこれらの任意の組み合わせに、設置され得る。1つ以上の延長要素は、油圧式、機械式、及び/または空気圧式の持ち上げ機構を含み得る。可動プレートは、モールドのベース内に配置され得る。可動プレートは、形成された電極ペーストをモールドの外へ完全に移動させて基板と接触させるのに、十分遠く移動し得る。基板は、モールドの開口部の反対側に配置され得る。開口部は、モールドのネストの開口部であり得る。
【0052】
可動プレートは、活物質がつけられる基板の形状に一致する形状を有し得る。一致とは、基板の形状と実質的に相反する形状を有することを意味し得る。可動プレートには、基板の構造と実質的に一致する1つ以上の非平面構造が形成され得る。可動プレートは、1つ以上の突出部、陥凹部、挿入部、フレーム、隆起縁部、開口部など、またはこれらの任意の組み合わせを含み得、これらは基板の1つ以上の同様の機構と一致する。可動プレートは、基板の断面積以下の断面積及び/または表面積を有し得る。断面積及び/または表面積は、基材、移送シート、またはその両方に面する表面の面積であり得る。可動プレートは、基板、電池プレート、またはその両方の1つ以上のフレーム、隆起縁部、またはその両方の内側により画定される断面積より小さい断面積を有し得る。可動プレートは、基板、導体、電池プレート、またはこれらの組み合わせの上に活物質を配置する時、1つ以上のフレーム、隆起縁部、またはその両方により画定される領域内に収まることができ得る。フレーム、隆起縁部、またはその両方により画定される断面積または表面積よりも小さい断面積または表面積を有することにより、可動プレートは、活物質とフレーム、隆起縁部、またはその両方との接触を阻止することができる。可動プレートの一部は、実質的に平坦であり得る。可動プレートは、1つ以上の異なる挿入部を受け入れるように適合され得る。1つ以上の挿入部は、モールドのキャビティ内に延び得る。
【0053】
モールドはさらに、可動プレートが存在するキャビティを含み得る。キャビティは、可動プレート、挿入部、移送シート、活物質、またはこれらの任意の組み合わせを保持するように機能する。キャビティは、1つ以上の壁により画定される。1つ以上の壁は、可動プレートの外周を取り囲み、キャビティを画定し得る。1つ以上の壁は、可動プレートに対して実質的に垂直または斜めであり得る。壁の角度は、移送シート、基板、電池プレート、キャビティ内、またはこれらの任意の組み合わせに面する可動プレートの表面に対して測定され得る。モールドの壁は、本明細書に説明される電池プレートの形状に一致するように、任意の所望の形状の電極を形成し得る。充填ステップ中にモールドが移動する場合、モールドの壁は、壁が分配ノズルの下にある時に電極ペーストの分配を阻止するのに十分な厚さを有し得、ノズルが壁と接触していない時には、ペーストがモールドに分配される。キャビティは、ネストと定義され得る。ネストは、可動プレート、移送シート、活物質、またはこれらの組み合わせを保持するのに、特に有用であり得る。ネストは、活物質が移送シート上に置かれるように、活物質を配置する領域であり得る。
【0054】
モールドは、1つ以上のカバーを有し得る。カバーは、モールド、キャビティ、またはその両方を部分的に閉じるように、キャビティ、可動プレート、移送シート、活物質、またはこれらの組み合わせを破片及び汚染物質から保護するように、モールドの押し出し部分と協働するように、活物質を受け入れ通すように、活物質の分散を導くように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。各キャビティは、それぞれのカバーを有し得る、またはカバーを共有し得る。カバーは、可動プレートの反対側に設置され得る。カバーは、キャビティを少なくとも部分的に閉じ得る。カバーは、キャビティ内の活物質に形状を与え得る。活物質がカバーと接触するように、活物質はキャビティを充填し得る。カバーは、活物質が付けられる基板、電池プレート、またはその両方の形状に実質的に一致する形状を有し得る。一致とは、基板、電池プレート、またはその両方の形状と実質的に相反する形状を有することを意味し得る。カバーには、基板の構造と実質的に一致する1つ以上の非平面構造が形成され得る。モールドの1つ以上の挿入部は、カバーと接触し得る、またはカバーに近接し得る。カバーは、1つ以上の挿入部と協働して、活物質内に1つ以上の非平面構造を形成し得る。カバーは、1つ以上のオリフィスを含み得る。1つ以上のオリフィスは、活物質を受け取るように、モールドの押し出し部分と協働するように、キャビティ内に活物質を射出できるように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、適合され得る。1つ以上のオリフィスの形状及びサイズは、モールドにペーストを塗布するプロセスに合わせて調整され得る。充填中にモールドが静止する場合、このプロセスに合わせて、オリフィスの数及びオリフィスのサイズが調整され得る。カバーは、単一のオリフィスまたは複数のオリフィスを含み得る。複数のオリフィスは、カバー全体に均等に分散され得、これにより、キャビティ内に活物質を均等に分配することが可能となる。充填中にモールドが動く場合、1つ以上のオリフィスは伸ばされ得る。伸ばされたオリフィスは、モールドの長さにわたって、移動方向に延び得る。モールドは、電極の設計基準に従って、活物質を均一な厚さまたは異なる厚さに形成するように設計され得る。
【0055】
活物質(例えば活性)を電池プレートの一表面に付けるプロセスは、一般に、a)移送シートをモールド内の可動プレート上に配置することと、b)モールド上にカバーを閉じることと、電気活物質がモールド壁、可動プレート、及びカバーにより作られる形状の層を形成するように、カバーの1つ以上のオリフィスを通して、可動プレート上の移送シートの上に、電極を形成することができる物質を射出することと、モールド上からカバーを取り外すことと、電極物質を配置することが望まれる基板の表面のうちの一表面の領域が、モールド内の活物質と整列するように、電極基板をモールドの開口部の上に配置することと、活物質が基板に接触して、基板と接合を形成するまで、可動プレートをモールドの開口部を通して移動させることと、基板プレートの表面のうちの一表面に、活物質が接合して残り、基板の表面のうちの一表面に接合した活物質表面の反対側の活物質表面に、移送シートが接合されるように、可動プレートを基板から離してモールドの底部に移動させることと、を含む。バイポーラプレートの調製において、プロセスはさらに、第2の移送シートを第2のモールドの第2の可動プレート上に配置することと、第2のモールド上に、第2のモールドのカバーを配置することと、第2の活物質が第2のモールド壁、第2の可動プレート、及び第2のモールドのカバーにより作られる形状の層を形成するように、第2のモールドのカバーの1つ以上のオリフィスを通して、第2の可動プレート上の第2の移送シートの上に、電極を形成することができる第2の活物質を射出することと、第2のモールド上からカバーを取り外すことと、第1の活物質が接合された表面とは反対の、第2の活物質を配置することが望まれる基板の第2の表面の領域が、第2のモールド内の第2の活物質と整列するように、電極基板を第2のモールドの開口部の上に配置することと、第2の電極物質が基板の対向表面と接触して、基板の対向表面と接合を形成するまで、第2の可動プレートを第2のモールドの開口部を通して移動させることと、基板プレートの対向表面のうちの一表面に、第2の電極物質が接合して残り、基板の対向表面に接合した電極物質表面の反対側の第2の電極物質に、第2の移送シートが接合するように、可動プレートを基板から離してモールドの底部に移動させることと、を含む。表面にペーストを塗布するサイクル時間は、約2秒以上、約15秒以下、約10秒以下、または約6秒以下でさえあり得る。
【0056】
移送シートは、可動プレート全体を覆って、ペーストが可動プレートの表面と接触するのを阻止し、ペーストが完全に基板に移ることを可能にし得る。移送シートの挿入後、カバーはモールド上で閉じられ得る。次いで、ペーストを射出する1つ以上の射出ノズルを使用して、カバーの1つ以上のオリフィスを通して、ペーストがモールド内に射出され得る。モールドへのペーストの流れを制御するために、1つ以上のノズルは、1つ以上のオリフィスの周りで密封される。コンベヤベルト上などでモールドが移動する場合、モールドは射出ノズルの下を移動し得、オリフィスは移動方向に伸ばされ得る。モールドは、射出されたペーストを、電池プレートと使用するための所望の形状の活物質に、成形し得る。モールドへの押し出しは、1つ以上のオリフィスを通して活物質をポンプで送り込むことで、開始され得る。モールドへの押し出しは、ポンプ動作を停止することで、終了し得る。活物質は、比較的低い圧力でモールド(例えばキャビティ)に射出され得る。活物質がモールドに射出される圧力は(例えばモールドラインなどを介して)、約50psi以下、約40psi以下、または約30psi以下でさえあり得る。活物質がモールド移送プレートに射出される圧力は、約10psi以上、約15psi以上、または約20psi以上でさえあり得る。活物質が射出され、活物質が所望の形状に形成された後、モールドからカバーが取り外され得る。基板がモールドの反対側に配置され、ペーストが基板及び/または基板上に配置された電極と接触するまで、可動プレートが基板の方向に移動される。基板及び/または基板上の電極の表面を粗面化して、表面へのペーストの接合性を高めるように、基板及び/または基板上の電極は処理され得る。これらの表面を粗面化する任意の既知の方法が利用され得る。基板は、活物質が基板上の所望の位置に配置されるように、可動プレートと並べられ得る。可動プレートは、活物質と基板及び/または電池プレートとの間に接合を形成するのに十分な時間、基板及び/または電池プレートとの接触した状態が保持される。その後、可動プレートは、モールド(例えばキャビティ)内に引き戻され得、活物質は、基板及び/または基板上の電池プレートに接合された状態で残される。電池プレートから可動プレートが引き戻された後、移送シートは、活物質に接合した状態で保たれ得る。電池プレート、基板、またはその両方の一表面に活物質が塗布される場合、モノポーラプレートとなり得る。
【0057】
バイポーラプレート、デュアルポーラプレート、またはその両方を調製するために、後続のモールド(例えばキャビティ)で活物質が成形され得る。後続のモールドで調製される活物質は、基板、電池プレート、またはその両方の対向表面上に配置された活物質であり得る。異なる極性または同じ極性の活物質が、第2の、すなわち後続のモールド(例えばキャビティ)に射出され得る。バイポーラプレートを形成するためには、活物質は、プレート上に既に付けられている活物質とは異なる反対の極性であり得る。デュアルポーラプレートを形成するためには、活物質は、プレート上に既に付けられている活物質と同じ極性であり得る。カソードまたはアノードを形成するのに有用ないずれかの極性の活物質を使用して、第1のモールドから第1の電極が調製され、第2のモールドを使用して、アノードまたはカソードの反対の電極が形成される。いずれの電極でも最初に塗布されてよいが、従来ではカソードが最初に塗布され得る。第2の電極が、第1の電極と同様に形成され得る。電極は、両側で同じ厚さまたは形状を有し得る。電極は、両側で異なる形状または厚さを有し得る。第2の電極の形成後、活物質が配置されていない基板及び/または電極の表面が第2のモールドの反対側となる位置に、基板は移動される。その後、第2の電極は、電池プレートの第2の表面及び/または電極と接触する。基板に第1の電極を付ける場合と第2の電極を付ける場合では、電池プレートは180度回転され得る。
【0058】
電池プレートまたはフレームの表面の突起部、陥凹部、または開口部は、それらを成形プロセスにより形成する時、またはその後の共通の成形プロセスにより追加される時、構造内に成形され得る。モールドの1つ以上の挿入部を使用して、移送シート、活物質、またはその両方の表面は、基板の表面と実質的に相反するように、基板の1つ以上の部分を受け入れ通すように、またはその両方を行うように、形成され得る。1つ以上の挿入部は、基板の1つ以上の突起部、突出部、陥凹部、開口部、格縁部、波形構造、またはこれらの任意の組み合わせに、対応し得る。1つ以上の挿入部は、可動プレートの一部、モールドの1つ以上の壁、カバーの一部、モールドのキャビティ内への他の任意の突出部、モールドのキャビティから離れる他の任意の陥凹部、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。可動プレートの1つ以上の挿入部は、可動プレートから離れる方向にモールドのキャビティまたはネストに突出し得る、モールドのキャビティまたはネストから離れる方向に可動プレート内に陥凹し得る、またはその両方であり得る。1つ以上の挿入部は、活物質(例えばペースト)内に、1つ以上の非平面構造を形成するように機能し得る。1つ以上の挿入部は、活物質内に、1つ以上のボイド、陥凹部、突出部、格縁部、波形構造、またはこれらの任意の組み合わせを作成するように機能し得る。モールドの1つ以上の挿入部は、活物質内に、1つ以上の陥凹部またはウェルを作成し得る。活物質内の1つ以上の陥凹部またはウェルは、基板、電池プレート、またはその両方からの1つ以上の突出部を受け入れ得る。モールドの1つ以上の挿入部は、移送シートの1つ以上のボイド(例えば開口部)を通して延び得る、移送シートに1つ以上のボイドを作成し得る、またはその両方を行い得る。1つ以上の挿入部は、移送シートに対する活物質(例えばペースト)の配置を阻止する、または案内する。例えば、移送シートの1つ以上の開口部(例えばボイド)を通して延びるモールドの1つ以上の挿入部は、ペーストが1つ以上の開口部に入ることを阻止し、従って活物質に開口部(例えばボイド)を形成する。活物質の開口部は次に、移送シートと位置を合わせられる。1つ以上のボイドは、基板、電池プレート、またはその両方の1つ以上の挿入部用の空間をその中に形成する及び/または1つ以上の挿入部を受け入れ通すように、基板、電池プレート、またはその両方の1つ以上の挿入部と活物質との接触を阻止するように、1つ以上のチャネルが中を通って延びるように、またはこれらの任意の組み合わせを行うように、機能し得る。言い換えると、第1のモールドまたは第1及び第2のモールドは、モールド内に射出された第1及び/または第2の活物質にボイドを形成するように機能する挿入部を含む。1つ以上の挿入部の直径の大きさは、1つ以上の基板、電池プレート、またはその両方の1つ以上の開口部、挿入部、またはその両方の直径の大きさと比べて、より小さくあり得る、ほぼ等しくあり得る、またはより大きくあり得る。モールドの1つ以上の挿入部は、基板の挿入部の直径より大きい直径を有し得る。より大きい直径を有することで、電気活性層内に作られるボイドは、挿入部及び/またはチャネルを、最小限の接触でまたは接触なしで通せることになり得る。挿入部は、移送シート、活物質層(例えばカソードペースト層、アノードペースト層)、またはこれらの任意の組み合わせの厚さと比べて、大体より小さい、等しい、またはより大きい高さを有し得る。突起部のうちのいくつかは、ペーストを貫通し得る。突起部と合致するボイドを活物質内に形成することにより、突起部が活物質と接触することなく、電池プレートを電池に組み立てることが可能となり、突起部が活物質で汚れることが回避される。接触を回避することにより、費用のかかる洗浄作業は阻止される。加えて、このような突起部上に活物質が存在することで電池アセンブリの作動に悪影響が与えられるリスクが、接触を回避することにより防止される。作動に対する悪い影響には、電池アセンブリの密封不良及び短絡が含まれ得る。このような突起部は、実質的に活物質を含み得ない。実質的に含まないとは、活物質を越えて延在する突起部の表面積の約5%以下、約1%以下、またはさらに約0.1%以下が、その表面上に活物質または活物質の粉塵を含み得ることを意味し得る。実質的に含まないとは、活物質を越えて延在する突起部の表面積の約0%以上、約0.01%以上、またはさらに約0.05%以上が、その表面上に配置された活物質または活物質の粉塵を含み得ることを意味し得る。
【0059】
電池アセンブリを調製する方法(複数可)
【0060】
本開示はさらに、本明細書で開示される複数の電池プレートを使用して電池アセンブリを調製する方法に関する。方法は、表面のうちの一表面上に活物質を有し、対向表面上に活物質を有する複数の基板のスタックを形成することを含み得る。方法は、対の基板の間に、1つ以上のセパレータを配置する(例えば積層する)ことを含み得る。1つ以上のセパレータの1つ以上の挿入部、開口部、または他の非平面構造は、1つ以上の電池プレート、基板、セパレータ、活物質、移送シート、またはこれらの任意の組み合わせの1つ以上の挿入部、開口部、または他の非平面構造と、整列し得る。方法は、対の基板の間に、1つ以上のセパレータを配置することが不要である場合がある。移送シートが活物質に接合した状態で残る場合、1つ以上の移送シートが隣接する対の活物質の間に配置されて、1つの電池プレートの活物質と隣接する電池プレートの活物質との接触を阻止することができることから、セパレータは、基板及び/または電池プレートの間に配置され得ない。方法は、電池アセンブリまたは電池プレートのスタックを、1つ以上の活物質が硬化する条件にさらすことを含み得る。活物質を、約15℃以上、約20℃以上、約30℃以上、またはさらに約40℃以上の温度にさらすことにより、活物質は硬化され得る。活物質を、約95℃以下、約90℃以下、約80℃以下、またはさらに約70℃の温度にさらすことにより、活物質は硬化され得る。例えば、ペースト形態の活物質は、第1の温度である約40℃~約70℃に約12~約48時間さらされて、硬化され得る。活物質を第2の温度にさらして乾燥させることにより、活物質は硬化され得る。活物質を、約25℃以上、約30℃以上、約40℃以上、またはさらに約50℃以上の温度にさらすことにより、活物質は乾燥され得る。活物質を、約105℃以下、約100℃以下、約90℃以下、またはさらに約80℃の温度にさらすことにより、活物質は乾燥され得る。例えば、ペースト形態の活物質は、第2の温度以上である約50℃~約80℃に約24~約72時間さらされて、乾燥され得る。
【0061】
横断チャネルの穴は、基板、金属シートまたは箔、セパレータ、アノード、カソード、移送シート、及び他の任意の存在する構成要素に、事前に形成され得る、または機械加工され得る。活物質が移送シートに塗布されている間に、活物質にボイドを形成することで、活物質に穴が形成され得る。活物質のボイドは、移送シートの1つ以上の開口部と整列し得る。スリーブ部、挿入部、及び隆起部などを使用してチャネルが形成される場合、それらは電池プレート及び/またはセパレータに挿入され得る。挿入部が所定の位置に成形される場合、既知の成形プロセスを用いて、挿入部は電池プレート及び/またはセパレータに成形される。
【0062】
以下のステップを用いて、セパレータまたは電池プレート基板の中または上に、フレーム及び/または挿入部が成形され得る。セパレータシートは、サイズ(ダイパンチ、スリット、型打ちなど)に合わせて、切り取られ得る。セパレータの必要な厚さに合わせて、1つ以上のシートが積層され得る。シートを固定位置に配置するモールド内に、シートは配置され得る。モールドは、セパレータの周りの周縁フレーム、必要に応じて横断チャネルの任意の内部機構(例えばブッシング部、挿入部、隆起部)、またはその両方を形成し得る。さらに、モールドは、セパレータ材料を過度に圧縮しないように、及びプラスチックがセパレータ材料を損傷するのを防ぐように、設計される。プラスチックはモールド内に射出され、一旦プラスチックが冷却すると、その部分は取り出される。
【0063】
次に、プレートごとにアノードが別のプレートのカソードに面するように、構成要素が積層される。基板の縁部が他の任意のフレーム構成要素の縁部に沿って整列するように、シートが積層されることが好ましい。スタックを支えるために、2つ以上のガイドピンまたはボルトを備えたプレートが使用され得る。組み立ての間にスタックを支えるために、1つの電池プレートの1つ以上の組み立て補助具が、隣接する電池プレートの他の1つ以上の組み立て補助具と整列し得る。例えば、フレームから突出する1つ以上のポストは、隣接するフレームの1つ以上のウェルとかみ合い、その中に居留し得る。構成要素は、本明細書の開示と一致する好適な順序で、ガイドピンによりプレート上に積層される。横断チャネルのうちの2つ以上は、位置合わせピンまたはボルトに使用され得る。スタックが一旦完了すると、弾性膜またはスリーブ部が、横断チャネル内に挿入され得る。プレートの穴の間に配置されたブッシング部、挿入部、またはプラスチックスリーブでチャネルが密封される場合、チャネルの内部、穴の内部、スリーブ部、挿入部、及び/またはブッシング部にコーティングが施され得る。プレートの穴の内部がねじ切りされる必要がある場合、既知の技術を用いて、組み立ての前または組み立ての後に、穴の内部はねじ切りされる。隣接する電池プレート及び/または基板の挿入部がかみ合って、チャネルを密封及び形成するため、チャネル内に追加のシールが配置されなくてもよい。
【0064】
1つ以上のポストが、スタックに挿入され得る。1つ以上のポストは、重複部分により、モノポーラプレートの反対側の密封表面に固定され得る。重複部分が機械的連結構造である場合、そのような連結構造は、ポストに固定される。ポストが所定の位置に射出成形される場合、熱可塑性の融解材料がチャネル内に挿入され、融解材料の重複部分が、両端の密封表面上に形成される。チャネルの内側表面を溶かすようにチャネルの表面が加熱され、この実施形態では、射出された熱可塑性材料がチャネルの内側によく接合する。熱可塑性材料は、冷却され得る。チャネルは、チャネル内に挿入された形態と、各端部に形成された重複部分の形態を有し得る。次に、二部熱硬化性材料がチャネルに追加され、ポストを形成するように硬化され得る。ポストが締り嵌めによりチャネル内に収まるように設計されている場合、ポストは好適な力で挿入される。一旦ポストが固定され安定すると、スタックはガイドピンから取り外され、ガイドピンに使用されていたチャネル内にポストが挿入され得る。
【0065】
電池アセンブリを組み立てる方法はさらに、膜を付けることを含み得る。膜がスタックの縁部表面に付けられる場合、膜またはスタックの縁部のどちらかまたはその両方に接着剤が塗布され、膜とスタックの縁部は、一緒に接合するように接触した状態にされる。膜は、接着剤が固まるまたは硬化する間、既知の機械的手段を使用して、所定の位置に保持され得る。膜の縁部は、モノポーラプレートの反対側の表面上にある他の膜シートもしくは膜またはエンドプレートの未封着の縁部に封着され得る。封着は、接着剤により、または融解接合により、行われ得る。あるいは、膜は、融解接合により付着され得る。融解接合では、スタックの縁部、及び縁部に接合する膜の表面の両方が、膜またはスタックの構造的完全性に悪い影響を与えることなく表面が融解するような条件にさらされる。これは、それぞれを高温の表面、プラテン、高温の流体、空気、放熱、及び振動などに当てて、その後、融解した表面に沿って膜とスタックの縁部とを接触させ、融解表面が冷却して一緒に接合することを可能にすることにより、達成され得る。膜は、特定の縁部に合うように切り取られてもよく、またはスタックの縁部周りに巻き付けられた連続シートであり得る。膜の前縁及び後縁は、それらが接触する場所で、好ましくは融解接合により、一緒に接合される。膜は、モノポーラプレートの場合、モノポーラプレートの外側表面上の膜またはエンドプレートに封着され得る。ケースが使用される場合、アセンブリはケース内に挿入され得る。膜がケースとして機能することが好ましい。融解接合の実施形態では、膜及びスタックの縁部は、それぞれの表面を融解するのに十分な時間、それぞれの表面が融解し融解状態となる温度または条件にさらされる。選ばれる温度は、膜及び/または基板、並びに他の任意の構造要素に使用される材料の融解温度よりも高くあることが好ましい。使用される温度は、好ましくは約200℃以上、より好ましくは約220℃以上、最も好ましくは約230℃以上である。使用される温度は、好ましくは約300℃以下、より好ましくは約270℃以下、最も好ましくは約240℃以下である。
【0066】
アセンブリはさらに、電気化学セルのうちの1つ以上に通じる1つ以上の空気穴を備え得る。空気穴により、電気化学セルから気体を排出し、電気化学セルに液体電解質を導入することが可能となり得る。液体をセル内に移動させるために、圧力が加えられ得る、または空気穴を通してセル内に電解質を引き込むために、電気化学セルに対し真空引きが行われ得る。真空を使用して電解質が導入される場合、各電気化学セルは、2つの通気穴を有し得る。1つの通気穴には、真空が適用され得、もう1つの通気穴からは、電解質がセル内に引き込まれ得る。または、電気化学セルは、単一の通気穴を有し、真空チャンバー内に存在してもよい。真空引きが行われ得、次いで同じ通気穴から電解質が引き込まれ得る。通気穴は、マニホールドとチャネルの任意の組み合わせと接触し得る。通気穴は、各電気化学セルと接触し得る。通気穴は、各セルの電池セパレータと接触し得る。アセンブリは、マニホールドを備え得る。1つ以上の通気穴は、マニホールドと接触し得、マニホールドは、全ての通気穴に共通ヘッドスペースを形成し得る。マニホールドには、1つ以上のポートが形成されており、マニホールドポートには、チェックバルブなどの1つ以上のバルブが配置され得る。電池はさらに、充填バルブを備え得る。充填バルブは、マニホールド内に設置され得る、または横断チャネルに接続され得る。製品はさらに、1つ以上の統合充填及び/または通気チャネルを備え得る。このようなチャネルは、電池スタックの中央付近に形成され、セパレータが設置されたカソードとアノードとの間の領域と連通しており、電解質が領域に追加されると、この領域が電気化学セルを形成する領域となる。組み立ての前に、セパレータ及び電池プレートに穴またはスロットを形成し、次いで穴またはスロットを整列させることにより、チャネルは形成され得る。電気化学セルとしての使用に適合した領域とチャネルが連通する限り、横断チャネルに関して本明細書で論述されるように、挿入部、スリーブ部、または隆起部が使用され得る。チャネルは、2つの場所で電池スタックの外側と連通することが好ましい。これにより、電池を電解質で充填することが容易になる。電気化学セルを電解質で充填した後、開口部のうちの1つは充填され得る、または閉じられ得る。もう1つの開口部は、電池及び電気化学セルの通気に使用される。充填中、1つの外部穴に対し真空引きが行われ、電解質はもう1つの穴を通して引き込まれる。あるいは、単一の穴が使用され、電気化学セルは、本明細書に後述されるように充填される。この実施形態では、一旦密封電池が形成されると、単一の穴またはポートに真空引きが行われ、セル内に低圧環境が作られる。電気化学セル内の圧力は、50Torr以下であり得る、または10Torr以下であり得る。次に真空が切断され、電解質源が穴またはポートに接続され、セル内の低圧により、電解質が素早く電池を充填する。真空から電解質源への切り替えが効率的に行われるように、真空装置及び電解質源は、切り替え可能なバルブを介して接続され得る。隆起部、挿入部、またはスリーブ部のノッチなどの通気穴が電気化学セルに接触するスリーブ部、挿入部、及び/または隆起部から、1つの横断チャネルが形成される場合に、このシステムは使用され得る。このシステムにより、電気化学セルを新たな電解質で充填することさえも可能となる。これらの条件での充填は、約600秒以下、または約300秒以下で行われ得る。チェックバルブ、安全バルブ、及び圧力開放バルブなどのバルブが、充填後に残りの穴に挿入され得る。スタックの組み立ての後に、チャネルは事前にねじ切りまたはねじ立てされ得る。
【0067】
組み立て後、必要に応じて、封着された膜を通して、吸収性ガラスマットセパレータの厚さの中央に設置された各セルに、通気穴が開けられ得る。次いで、マニホールドを電池アセンブリの上部に取り付けて、通気穴の上に共通ヘッドスペースが形成され得る。マニホールドには、単一のポートが作られ得る。単一のマニホールドポートは、真空パージポート及び電解質充填ポートとして使用され得る。真空ポンプを介して約29インチHgなどの低圧までマニホールドポートに真空がかけられ、次に真空源バルブは止められ、充填バルブが電解質源に接続され開かれ、これにより電解質が電池の全てのセルを同時に充填することが可能となる。フレームが組み立てられるまたは成形される場合、セパレータの周りのフレームに、通気穴が形成され得る。電池プレートに使用されるセパレータ及び基板のフレームに穴を事前に開けるまたは形成することにより、統合通気チャネルが形成され得る。これらの穴は、チャネルを形成するように整列され得る。このチャネルは、電気化学セルと連通する通気穴と連通し得る。統合通気チャネルは、横断チャネルのうちの1つであり得、横断チャネルは、電気化学セルのそれぞれと連通する通気穴を有する。各電気化学セルと連通する通気穴を有する2つの統合チャネルが存在し得る。統合チャネルの形成は、横断チャネル内の膜または挿入部に、各電気化学セル用の通気穴を設けることにより達成され得る。チャネルは、電気化学セルと連通する通気穴を有するまたは通気穴を形成する挿入部、スリーブ部、または隆起部から形成され得る。統合チャネルは、電解質の逆流を防ぐために加圧され得る。統合チャネルは、アセンブリの内部圧力を制御するバルブで終端され得る。使用前に、チャネルを用いて電気化学セルが電解質で充填され得る。エンドプレートのうちの1つに、バルブが配置され得る。チャネルは、組み立て後にねじ切りされ得る、またはバルブを挿入するために、組み立て前に事前にねじ切りされ得る。バルブは、挿入及び保持のための任意の既知の手段を用いて、挿入及び保持され得る。本明細書で開示される製品で使用される構成要素のうちのいくつかは、開示される他の構成要素に隣接して配置されるように適合される。他の構成要素の隣に配置されるように設計された構成要素は、部品を好適な相互関係で保持するために、当技術分野で既知の構成要素または技術を有するまたは利用し得る。構成要素を相互関係で保持するために使用する特定の構成要素または技術は、本開示のアセンブリを設計または組み立てる当業者の構成要素、関係、及び設計の好みに基づいて選択される。
【0068】
例示的な実施形態
【0069】
下記の図の説明は、本明細書の教示を例示するために提供されるが、その範囲を限定することを意図するものではない。1つの図に示される1つ以上の特徴は、別の図の1つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0070】
図1及び図2は両方とも、電池プレート10を示す。電池プレート10は、基板11を含む。基板11は、その周縁にフレーム20を含む。フレーム20は、基板11から突出する。基板11は、基板から突出する挿入部41を含む。挿入部41は、開口部40を含む。挿入部41は、ボイド128a、bを通って突出する。ボイド128a、bは、ペースト105及び移送シート103の両方に形成される。挿入部41は、ペースト105及び移送シート103を越えて突出する。図1では、移送シート103は略平面として示される。図2では、移送シート103は、波形表面を含む。
【0071】
図3及び図4は両方とも、バイポーラプレートとして構成された電池プレート10を示す。電池プレート10は、基板11を含む。基板11は、その縁部に配置されたフレーム20を含む。例えば、フレーム20は、基板11の周縁に存在し得る。フレーム20は、隆起縁部などの非平面機構を含む。隆起縁部20a、bは、基板11及び活物質12、13から離れる方向に延びる。隆起縁部20a、bは、電池プレート10が隣接する電池プレート(図示せず)と積層することを可能にするのに有用であり得る。活物質は、カソード13及びアノード12を含む。カソード13及びアノード12はそれぞれ、ペースト105を含む。図4では、基板11から突出部114が延びる。突出部114は、ペースト105の表面下に配置される。
【0072】
図5は、移送シート103(図示せず)上にペースト105(図示せず)を塗布するためのモールド101を示す。移送シート103上にペースト105が塗布されるように、移送シート103は、モールド101の可動プレート102のネスト130に配置することができる。ネスト130は、可動プレート102内のくぼみまたはキャビティとして形成される。モールド101は、挿入部124を含む。挿入部124が可動プレート102から離れる方向に突出するように、挿入部124はネスト130内に配置される。挿入部124は、ネスト130内で突出するポストに類似し得る。モールド101は、押し出しノズル106を含む。押し出しノズル106は、ラム120を含む。ラム120は、ペーストボックス122内に存在するペースト105(図示せず)上に、一定の低圧を加える。ペースト105が移送シート103の表面上に塗布されるように、ペースト105は、押し出しノズル106を通してモールド領域104へ押し出される。ペースト105が塗布されると、可動プレート102は、ペースト105が上に塗布された移送シート103を、押し出しノズル106から離れる移動方向107に移動させる。複数の搬送要素132は、移動方向107への可動プレート102の移動をもたらす。
【0073】
図6は、モールド101の可動プレート102を示す(図5に示されるように)。可動プレート102は、ネスト130を含む。ネスト130内には、移送シート103が存在する。移送シート103上には、ペースト105が配置される。例えば、ペースト105が、押し出しノズル106を介して移送シート103に塗布された後である(図5に示されるように)。モールド101は、挿入部124を含む。挿入部124は、可動プレート102から離れる方向にネスト130内に突出する。挿入部124は、移送シート103の開口部128aを通って突出する。開口部128aは、移送シート103がネスト130に配置される前に、移送シート103に形成される。挿入部124は、移送シート103の上面134を越えて突出する。ペースト105が移送シート103の上面134に塗布される時、挿入部124は、ペースト105が開口部128aを充填することを阻止し、結果、ペースト105内に開口部128bが形成される。ペースト105の開口部128bは従って、移送シート103の開口部128aと整列する。移送シート103及びペースト105が電池プレート10に組み立てられる時(図1または図2に示されるように)、開口部128a、bは他の開口部と整列して、1つ以上のチャネルが形成され得る。
【0074】
図7は、モールド101で電池プレート10を調製し、次いで電池プレート10のスタックを組み立てて、電池アセンブリを形成するプロセス200を示す。電池プレート10は、バイポーラプレートであり得るが、プロセスは、モノポーラプレートに関しても同様である。第1のステップ202は、モールド101内に移送シート103を配置することを含む。移送シート103は、正極移送シートであり得る。第2のステップ204は、ペースト105を移送シート103に塗布することを含む。ペースト105は、正極活物質(PAM)である。移送シート103と正極活物質(PAM)であるペースト105との組み合わせは、カソード13を形成する。第3のステップ206は、移送シート103及びペースト105、すなわちカソード13を、モールド101から取り出し、基板11へ移すことを含む。第4のステップ208は、モールド101内に移送シート103を配置することを含む。移送シート103は、負極移送シートであり得る。第5のステップ210は、ペースト105を移送シート103に塗布することを含む。ペースト105は、負極活物質(NAM)である。移送シート103と負極活物質(NAM)であるペースト105との組み合わせは、アノード12を形成する。第6のステップ212は、移送シート103及びペースト105、すなわちアノード12を、モールド101から取り出し、基板11へ移すことを含む。アノード12は、カソード13とは反対側の基板11の表面上に配置される。第1のステップ202から第3のステップ206は、第4のステップ208から第6のステップ212の前に、後に、またはこれらと並行して、実行することができる。電池プレート10は、その上にアノード12及びカソード13が一旦配置されると、バイポーラプレートとして組み立てられる。第7のステップ214は、電池プレートのスタックに、組み立てられた電池プレート10を移し追加することを含む。第1のステップ202から第7のステップ214は、所望のスタックサイズに達するまで、必要に応じて何度も繰り返され得る。最後のステップ218は、組み立てられた電池プレートのスタックを硬化させることを含む。スタックは、組み立てラインまたはステーションから硬化エリアへなど、移動される必要があり得る。
【0075】
図8A図8Cは、可動プレート102を有するモールド101を使用して、カソード13及びアノード12を形成し、バイポーラプレートなどの電池プレート10を調製する一連のステップを示す。図8Aは、可動プレート102上に配置された移送シート103を有するモールド101を示す。移送シート103は、モールド101の成形領域104内に配置される。図8Bは、成形領域104内にペースト105が射出される様子を示す。ペースト105は、押し出しノズル106を介して射出される。ペースト105は、移送シート103が通過する時に、成形領域104を充填するように、低圧によりオリフィスを通して押し出される。押し出しノズルに対するモールド101の移動方向は、矢印107で示される。図8Cは、ペースト105が基板11と接触するように、可動プレート102が基板11に向かって延びる様子を示す。従って、ペースト105及び移送シート103は基板11と組み合わされ、電池プレート10の部分が形成され得る。ペースト105及び移送シート103は、基板11のフレーム20内に配置され得る。
【0076】
図9及び図10は、電池アセンブリ1を形成する電池プレート10及びセパレータ14のスタックを示す。図9は、スタックの部分分解立体図を示し、一方図10は、スタックの斜視図を示す。端子穴42と、ボルト及びナット19の形態のポスト17用の穴39とを有するエンドプレート25が示される。隆起縁部を伴うフレーム20を有するモノポーラプレート43である電池プレート10が、エンドプレート25に隣接する。モノポーラプレート43は、隆起挿入部41を有し、これは、横断チャネル16を形成するために使用される穴40と穴の中のポスト17とを囲む。モノポーラプレート43に、セパレータ14が隣接する。セパレータ14は、その周縁にフレーム34を有する。セパレータ14は、フレーム34内の中央部分を含む吸収性ガラスマット36を含む。横断チャネル16を形成する成形挿入穴37を囲む成形挿入部35が示される。セパレータ14に、バイポーラプレート44が隣接する。バイポーラプレート44は、その周縁にフレーム20を含む。フレーム20は、隆起表面である。隆起挿入部41は、横断チャネル16を形成するように隆起している。隆起挿入部41は、横断チャネル用の隆起挿入穴40を形成する。図10は、電池プレート10及びセパレータ14のスタックを示す。エンドプレート25、電池プレート基板フレーム20、セパレータフレーム34、ポスト17、及びポスト17の周りのナット19が示される。エンドプレート25の端子穴42には、電池端子33が配置される。
【0077】
図11は、電池アセンブリ1を形成する電池プレート10のスタックの側面図を示す。電池プレート10は、電池プレート10のスタックの対向する端部にあるモノポーラプレート43を含む。対向するモノポーラプレート43の間に、複数のバイポーラプレート44が存在する。電池プレート10のそれぞれは、基板11を含む。バイポーラプレート44の各基板11に、アノード12及びカソード13が隣接する。各対のアノード12及びカソード13の間に、セパレータ14が配置される。セパレータ14は、液体電解質を吸収した吸収性ガラスマットとして示される。各対のアノード12及びカソードは、間に電解質を挟んで、電気化学セルを形成する。横断チャネル16も示される。横断チャネル16内には、チャネルシール15が配置される。チャネルシール15は、ゴム管として形成されている。チャネルシール15の内側に、ポスト17が配置される。ポスト17は、ねじ切りされたボルトの形態である。ポスト17の端部には、ボルトヘッド18及びナット19の形態の重複部分が存在する。モノポーラプレート43及びバイポーラプレート44の両方の基板11の縁部の周りには、フレーム20が存在する。
【0078】
図12は、エンドプレート25を示す。エンドプレート25は、モノポーラプレート43の基板11上に配置される。エンドプレート25は、モノポーラプレート43の基板11上に配置されたアノード12またはカソード13の反対側に配置される。エンドプレート25は、ナット19などのポスト17の露出した重複部分の上に、配置される。ポスト17上のナット19とモノポーラプレート43との間に、シール22が配置される。シール22は、密封表面23を含む。密封表面23は、モノポーラプレート43の対向表面24と接触する。
【0079】
図13は、電池アセンブリ1の一部としての膜27の取り付けを示す。膜27は、電池プレート10のスタックの縁部の周りに付けられる。エンドプレート25が、ポスト17の端部上の離間した4つのナット19と共に示される。電池プレート10のスタックの各端部上に、エンドプレート25は示される。基板11の周りには、フレーム20が配置される。基板11のフレーム20の間には、セパレータ14のフレーム34が存在する。電池プレート10のスタックの基板フレーム20及びセパレータフレーム34部分の縁部に、膜27を封着するように、熱26及び圧力28の供給源を使用して、膜27が基板フレーム20及びセパレータフレーム34に付けられる。
【0080】
図14は、電池アセンブリ1を示す。電池アセンブリ1は、電池プレート10のスタックを含む。電池プレート10のスタックは、セパレータ14のフレーム34が散在する基板11のフレーム20を含む。エンドプレート25が示される。1つのエンドプレート25には、離間する4つのナット19が示される。通気穴30も示される。通気穴30は、電気化学セルに開けられる。通気穴30を覆うように、マニホールド31が適合される。マニホールド31は、通気穴30用の共通ヘッドスペースを形成するように適合される。チェックバルブ32も示される。チェックバルブ32は、共通ヘッドスペースと接触してマニホールド31上に配置されるが、この様子は図示されていない。2つの端子ポスト33も示される。端子ポスト33は、電池アセンブリ1の負端子及び正端子である。
【0081】
図15は、セパレータ14を示す。セパレータ14は、フレーム34を含む。フレーム34は、セパレータ14の一部として一体的に成形される。セパレータ14はまた、4つの挿入部35を含む。挿入部35も、セパレータ14の一部として一体的に成形される。挿入部35は、その中を通る穴37を含む。穴27は、複数の横断チャネル16(図示せず)の一部を形成するように適合される。フレーム34は、吸収性ガラスマット36の周りに配置される。
【0082】
図16は、電池アセンブリ1を示す。電池アセンブリ1は、その中に成形されたポスト38を含み、ポスト38は、成形されたヘッド47を有する。成形されたヘッド47は、エンドプレート25上に配置される。
【0083】
図17は、電池アセンブリ1を示す。エンドプレート25上に、ポスト17及びナット19が示される。エンドプレート25は、端子33が内部に配置された端子穴42を含む。電池アセンブリは、マニホールド31及びチェックバルブ32を含む。電池プレート10のスタック(図示せず)の周縁に、電池アセンブリ1の一部として膜27が配置される。
【0084】
図18は、横断チャネル16を通る図17の線A-Aにより示される平面に沿った断面図を示す。基板11及びカソード13を有し、基板11の端部にフレーム20を有するモノポーラプレート43が示される。各端部上にフレーム34を有するセパレータ14が、モノポーラプレート43のカソード13に隣接する。アノード12を有するバイポーラプレート44が、セパレータ14に隣接する。基板11上にアノード12が配置され、基板11の反対側の表面にはカソード13が存在し、この図では端部にフレーム20が配置される。この図では、説明されたように配置された、いくつかのバイポーラプレート44が存在する。バイポーラプレート44の間には、セパレータ14が存在する。スタックの反対側の端部には、モノポーラプレート43が存在し、モノポーラプレート43は、この図では端部に示されるフレーム20を伴う基板11と、セパレータ14に面するアノード12とを有する。電池プレートの対は、電気化学セルを形成し、セル内にはセパレータ14が配置される。また横断チャネル16も示され、横断チャネル16は、その中にチャネルシール15及びポスト17が配置され、ポスト17の端部にナット19を有する。図19は、図17の線B-Bに沿った電池アセンブリ1の端部の部分的な断面図を示す。通気穴30が示される。図20は、C-C断面に沿った図17のアセンブリの断面図を示す。C-C断面は、電気化学セルへの通気穴30を通って取られる。電池アセンブリ1の各電気化学セルに対する通気穴30が示される。
【0085】
図21は、電池アセンブリ1を示す。電池アセンブリ1は、エンドプレート25にバルブ50を含む。バルブ50は、統合チャネル46(図示せず)と連通する。統合チャネル46(図示せず)は、複数の通気穴30(図示せず)と連通する。図22は、E-E断面に沿った図21のアセンブリの断面図を示す。電池アセンブリ1は、統合チャネル46を含む。統合チャネル46は、通気穴30と連通する。各通気穴30は、電気化学セルと連通する。統合チャネル46は、電池アセンブリ1の電池プレートのスタックの端部にあるバルブ50と連通する。図23は、F-F断面に沿った図21のアセンブリの断面図を示す。F-F断面は、統合チャネル46を通る。統合チャネル46は、通気穴30と連通する。
【0086】
図24Aは、セパレータ14を示す、図24Bはセパレータ14の通気口51の拡大図を示す。セパレータ14は、吸収性ガラスマット36を有する。セパレータ14は、セパレータ14内に成形された複数の挿入部35を含む。各挿入部35は、その中を通る穴37を含む。挿入部35のうちの1つは、通気口(通気穴)を含む。通気口51は、セパレータの穴37と吸収性ガラスマット36との間を連通する。セパレータ14の周りのフレーム34も示される。図24Bは、穴37及び通気口51を有する挿入部35の拡大図である。通気口51は、セパレータ14の穴37と吸収性ガラスマット36との間を連通する。
【0087】
本出願に詳述されるいずれの数値も、任意の低い値と任意の高い値との間に少なくとも2単位の分離がある場合、低い値から高い値まで1単位増分の全ての値を含む。これらは具体的に意図された例にすぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値の全ての可能な組み合わせは、本出願において同様に明示的に記載されるとみなされるべきである。特に明記しない限り、全ての範囲は、両端点及び端点間の全ての数値を含む。組み合わせを説明する「~から本質的に成る」という用語は、特定された要素、成分、構成要素、またはステップ、及び組み合わせの基本的特性及び新しい特性に実質的に影響を与えないこのような他の要素、成分、構成要素、またはステップを含む。本明細書の要素、成分、構成要素、またはステップの組み合わせを説明する用語「備える」または「含む」の使用は、要素、成分、構成要素、またはステップから本質的に成る実施形態も意図する。複数の要素、成分、構成要素、またはステップは、単一の統合された要素、成分、構成要素、またはステップにより提供することができる。あるいは、単一の統合された要素、成分、構成要素、またはステップは、複数の別個の要素、成分、構成要素、またはステップに分けられてもよい。要素、成分、構成要素、またはステップを説明する「a」または「one」の開示は、追加の要素、成分、構成要素、またはステップを除外することを意図するものではない。
図1
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