IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーベーベー・シュバイツ・アーゲーの特許一覧

特許7271657圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法
<>
  • 特許-圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法 図1
  • 特許-圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法 図2
  • 特許-圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法 図3a
  • 特許-圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法 図3b
  • 特許-圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法 図4
  • 特許-圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】圧力逃がしシステム、圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、およびコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/28 20060101AFI20230501BHJP
   H02B 13/025 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H02B1/28 G
H02B13/025 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021512617
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019073735
(87)【国際公開番号】W WO2020049114
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】18192873.0
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスター ペアス
(72)【発明者】
【氏名】レト シュタードラー
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107979018(CN,A)
【文献】特開2001-197618(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第03014497(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 - 1/38
1/46 - 7/08
13/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気設備(105)を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル(110)のための、能動的に駆動される圧力逃がしシステム(100)であって、該圧力逃がしシステム(100)は、パネル(101)を含み、
前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクルの前記電気設備内のアーク障害を検出するための障害検出デバイス(102)と、
前記障害検出デバイスによるアーク障害の検出に応じて前記パネル(101)用の開放信号をトリガするトリガユニット(103)と、
破壊的な方式で前記パネルを開放可能なパネル開放機構(108)と、
を備え、
前記破壊的な方式の前記パネル開放機構は、開放後に前記パネル(101)が前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクル(110)のハウジングを完全に閉じることができないように、不可逆的な方式で前記パネル(101)を開放させる、
能動的に駆動される圧力逃がしシステム(100)。
【請求項2】
前記障害検出デバイス(102)が、アーク検出デバイス、過電流検出デバイス、逆電流検出デバイス、または圧力上昇検出デバイスのうちの少なくとも1つを備える、請求項1記載の能動的に駆動される圧力逃がしシステム(100)。
【請求項3】
前記トリガユニット(103)が、前記障害検出デバイス(102)の一部である、請求項1または2記載の能動的に駆動される圧力逃がしシステム(100)。
【請求項4】
1つ以上の電気デバイスを含む電気設備(105)を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル(110)であって、前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャまたは前記キュービクル(110)が、
前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャまたは前記キュービクル(110)の少なくとも1つの壁(111、112、114、115)または天井(113)の一部であるパネルと、
請求項1からまでのいずれか1項記載の能動的に駆動される圧力逃がしシステム(100)と、
を備える、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル(110)。
【請求項5】
前記パネル(101)が、アーク障害のリスクが最も高い前記電気設備(105)の前記電気デバイスに最も近い前記壁または前記天井に配置されている、請求項記載のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル。
【請求項6】
前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャまたは前記キュービクル(110)が、高電力整流器を備える、請求項または記載のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル。
【請求項7】
前記障害検出デバイス(102)および前記トリガユニット(103)が、前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクル(110)内の圧力上昇が閾値を超える前に前記パネル(101)の開放を可能にする、請求項からまでのいずれか1項記載のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル。
【請求項8】
前記システム(100)が、複数のパネル(101)を含む、請求項からまでのいずれか1項記載のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル。
【請求項9】
前記パネル(101)が、金属シートパネルである、請求項からまでのいずれか1項記載のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル。
【請求項10】
パネルと、コンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルの内部の電気設備とを備えたコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法であって、
障害検出デバイスによって前記電気設備内のアーク障害を検出するステップと、
前記障害検出デバイスによるアーク障害の検出に応じて、前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクルの前記パネル用の開放信号をトリガするステップと、
前記開放信号を前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクルの前記パネルに転送し、破壊的な方式で前記パネルを開放可能なパネル開放機構により、前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクルの前記パネルの前記破壊的な方式での前記開放を開始するステップと、
を含み、
前記破壊的な方式の前記パネル開放機構は、開放後に前記パネルが前記コンテナ、前記建物、前記エンクロージャ、または前記キュービクルのハウジングを完全に閉じることができないように、不可逆的な方式で前記パネルを開放させる、
方法。
【請求項11】
前記電気設備内のアーク障害を検出するステップが、アーク、過電流、逆電流、および圧力上昇のうちの少なくとも1つを検出することステップを含む、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に電気設備を有するコンテナ、建物、エンクロージャ、およびキュービクルにおける圧力逃がしパネルなどの、圧力逃がしパネルの分野に関する。特に、本発明は、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル内の、電気的障害によって誘発された過圧に応動する圧力逃がしパネルに関する。本発明はさらに、電気設備を有するコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから圧力を逃がすための方法、特に、電気的障害の場合にパネルによってコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから圧力を逃がすための方法に関する。
【0002】
背景技術
内部に電気設備を有するコンテナ、建物、エンクロージャ、およびキュービクル(まとめてハウジングとも呼ばれうる)は、損傷、特にアーク障害などの電気的障害に起因する損傷に対して特に保護されている。電気設備内のアーク障害は、多くの場合、設備および建物、コンテナ、エンクロージャ、またはキュービクルに対する深刻な損傷につながる。電気アークは過度の熱をもたらし、周囲のガスの量を増大させて圧力の上昇を引き起こす。一定の伝播時間の後、圧力波は、コンテナまたは建物の壁にぶつかる。アーク障害によって生じる過圧に耐えるために、設備、建物、コンテナ、またはキュービクルには、多くの場合、過圧解放フラップまたはパネルが装備されている。圧力逃がしフラップまたはパネルには、数平方メートルまでのカスタマイズされたサイズの事前に薄弱化された金属シートが含まれる。特定の定義された過圧において、事前に薄弱化された金属シートが壊れて過圧を排出する。
【0003】
従来の圧力逃がしパネルは、事前に定義された開放圧力を超えると開放し始めるパッシブデバイスである。圧力逃がしの重要な要因は、開放圧力および開放時間である。デバイスの効果を最大限に引き出すには、これら2つのパラメータを最小限に保つ必要がある。しかし、従来技術のパッシブパネルは、動作の開始に過圧を必要とするため、過圧が既に存在して、壁にぶつかったときに動作し始める。したがって、フラップの開放までに大幅な時間遅延が存在する。フラップが開放されて圧力を排出することができるまで圧力が上昇し続けるため、この時間遅延は問題になる。したがって、公知の技術には、フラップが開放されるまでの大幅な時間遅延が含まれ、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル内の圧力が依然として臨界レベルに達する可能性がある。
【0004】
上記を考慮して、能動的に駆動される圧力逃がしシステム、能動的に駆動される圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、および当技術分野における問題の少なくとも幾つかを克服する、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから圧力を逃がすための方法が提供される。
【0005】
発明の概要
上記を考慮して、請求項1に記載の能動的に駆動される圧力逃がしシステム、請求項5に記載の能動的に駆動される圧力逃がしシステムを含むコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル、および請求項11に記載の、パネルとコンテナ内部の電気設備とを備えた、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから圧力を逃がすための方法が提供される。本発明のさらなる態様、利点、および特徴は、従属請求項、発明の詳細な説明、および添付の図面から明らかである。
【0006】
本発明の一態様によれば、電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのための、能動的に駆動される圧力逃がしシステムが記載されている。能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、パネルを含み、さらに、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの電気設備内のアーク障害を検出するための障害検出デバイス、および障害検出デバイスによるアーク障害の検出に応じてパネル用の開放信号をトリガするトリガユニットを含む。
【0007】
さらなる態様によれば、1つ以上の電気デバイスを含む電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルが提供される。コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルには、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの少なくとも1つの壁または天井の一部であるパネル、および本明細書に記載された実施形態によるアクティブ圧力逃がしシステム、が含まれる。
【0008】
本明細書に記載された実施形態による能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、障害検出デバイス、例えば、アーク障害検出デバイスによって操作されうる、能動的に操作されるパネルを含む。その結果、圧力逃がしパネルは、既知のシステムよりも速く開放される。特に、本明細書に記載された実施形態によるパネルは、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル内の圧力が上昇したときに既に開放しうる。既知のシステムでは、上昇している圧力がパネルにぶつかるとパネルが開放される。したがって、本明細書に記載された実施形態による圧力逃がしシステムを使用する場合、圧力ピークが減少し、パネルの応動がより速くなる。圧力上昇は、電気設備を備えたコンテナ内、建物内、エンクロージャ内、またはキュービクル内のアーク障害の結果でありうる。例えば、アーク障害検出デバイスに接続されているトリガユニットを用いて、本明細書に記載された実施形態による圧力逃がしシステムをトリガすることによって、圧力逃がしフラップが、圧力上昇が発生するのと同時に、または発生する前に開放される。
【0009】
さらに、パネルまたはフラップの設置に利用可能な壁の面積は、多くの場合、限られている。パネルの応動および開放が速いため、本明細書に記載されたアクティブパネルまたはフラップは、既知のパッシブシステムよりも効果的である。アクティブパネルまたはフラップを使用することは、必要な総フラップ面積がより小さくなることを意味する。
【0010】
本明細書に記載された実施形態による能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、例えば、既知のシステムで使用されているパッシブ駆動パネルを用いてパネルが開放される前にコンテナ内で過圧が上昇した場合、コンテナの損傷を低減またはさらに回避するのに役立つ。損傷が低減または回避されると、材料を節約することができる。さらに、アーク障害後の修復時間もまた、本明細書に記載された実施形態による圧力逃がしシステムを用いて短縮することができる。したがって、本明細書に記載された実施形態による能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、時間およびコストを節約し、電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルをより安全にする。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、パネルと、コンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルの内部の電気設備とを備えた、コンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法が記載されている。方法は、障害検出デバイスによって電気設備内のアーク障害を検出することと、障害検出デバイスによるアーク障害の検出に応じて、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのパネル用の開放信号をトリガすることと、開放信号をコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのパネルに転送し、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのパネルの開放を開始することと、を含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルに、能動的に駆動される圧力逃がしシステムを装備するための方法が記載されている。方法は、1つ以上のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの1つ以上の壁または天井に1つ以上のパネルを設けることと、障害検出デバイスを、障害検出デバイスによるアーク障害の検出に応じてパネル開放信号をトリガするトリガユニットに接続することと、を含む。
【0013】
本明細書に記載された実施形態は、内部に電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのための圧力逃がしシステムのより速く、かつより安全な動作を可能にする。コンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルの電気設備に障害が発生した場合、メンテナンスおよび修理のコストが低減される。
【0014】
本発明の主題は、図面に示されている好ましい例示的な実施形態を参照して、以下の本文でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本明細書に記載された実施形態による、能動的に駆動される圧力逃がしシステムおよびパネルの概略図である。
図2】本明細書に記載された実施形態による、パネルおよび能動的に駆動される圧力逃がしシステムを備えたコンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルの概略図である。
図3a本発明の理解にとって有用な例による、能動的に駆動される圧力逃がしシステムおよびパネルの正面ビューを示す概略図である。
図3b本発明の理解にとって有用な例による、能動的に駆動される圧力逃がしシステムおよびパネルの側面ビューを示す概略図である。
図4】本明細書に記載された実施形態による、能動的に駆動される圧力逃がしシステム用のパネルの概略図である。
図5】本明細書に記載された実施形態による、コンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルから圧力を逃がすための方法のフローチャートである。
【0016】
図面で使用される参照符号、およびその意味は、参照符号のリストに要約形式で列挙している。原則として、図面において、同一の部品には同じ参照符号が付されている。
【0017】
発明を実施するための形態
本明細書に記載された実施形態によれば、能動的に駆動される圧力逃がしシステムが提供され、これは特に、電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、およびキュービクルにおいて使用することができる。例えば、能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、電力システムにおいて、電力グリッドにおいて、設備製品において、半導体用途において、電力変換器、開閉装置、回路遮断器、モータおよび発電機とともに、また別の産業用途においても、使用されうる。典型的には、本明細書に記載された能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、高電力整流器および高電流整流器に使用されうる。
【0018】
図1は、本明細書に記載された実施形態による、能動的に駆動される圧力逃がしシステム100およびパネル101の概略図を示している。図1に示される能動的に駆動される圧力逃がしシステム100は、障害検出デバイス102、特にアーク障害検出デバイス、およびトリガユニット103を有する。能動的に操作される圧力逃がしシステム100は、幾つかの実施形態では、信号をトリガユニットからコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのパネルに転送するための、またはトリガユニットから能動的に操作される圧力逃がしシステムの開放機構に信号を転送するためのインタフェース104を含む。図1にさらに示されているのは、電気設備105であり、これは通常、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル(図1には示されていない)内に配置されている。電気設備は、本明細書に記載された実施形態による能動的に駆動される圧力逃がしシステムを使用することができる、上記で列挙した種類の電気設備でありうる。能動的に操作される圧力逃がしシステムは、駆動電子機器をさらに含みうる。幾つかの実施形態によれば、パネル101は、建物、コンテナ、またはキュービクルの壁の一部として機能する金属シートのセクションを含みうる。アーク障害の場合、アーク検出デバイス(または他の適切な障害検出デバイス)がパネルの開放をトリガする。
【0019】
障害検出デバイス102は、電気設備105内のアーク障害を検出することができるように、電気設備105にリンクされている。例えば、障害検出デバイス102は、アーク障害を検出するために電気設備の構成要素に物理的に接続されうる。一例では、障害検出デバイスは、電気設備を制御し、かつアーク障害が発生しているかどうかをチェックするために、電気設備の1つ以上のパラメータを測定することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせうる幾つかの実施形態によれば、検出デバイスは、過電流、逆電流、圧力上昇、温度上昇、環境中のガスの透明度などの有用なパラメータを感知および測定するためのそれぞれのセンサを含みうる。幾つかの実施形態によれば、障害検出デバイスは、障害検出デバイスによって制御されるパラメータに対する閾値を記憶するためのメモリを含みうる。例えば、メモリは、圧力、温度、過電流などに対する閾値を含みうる。幾つかの実施形態によれば、圧力上昇の閾値は、典型的には約0.5kPa~約15kPa、より典型的には約1kPa~約15kPa、さらにより典型的には約1kPa~約10kPaでありうる。幾つかの実施形態では、電気設備自体が、電気設備の動作を制御するためのそのような測定ユニットを有しうる。幾つかの実施形態によれば、電気設備および障害検出デバイスは、特に無線方式で、電気設備の動作およびアーク障害の出現に関する情報を交換することができる。
【0020】
幾つかの実施形態によれば、障害検出デバイス102は、アーク検出デバイス、過電流検出デバイス、逆電流検出デバイス、または圧力上昇検出デバイスを含みうる。さらなるパラメータが、検出デバイス102によって検出されてもよく、これは、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルにおける今後の圧力上昇を示す。
【0021】
図1に示される能動的に駆動される圧力逃がしシステム100は、トリガユニット103をさらに含む。典型的には、トリガユニット103は、障害検出デバイス102に関連して位置するか、または例えば無線方式で、アーク検出デバイス102と情報を交換することができる。本明細書に記載された実施形態では、トリガユニット103は、アーク障害が障害検出デバイス102によって検出されると、パネル101を開放させるための開放信号をトリガする。トリガユニット103によって生成およびトリガされた開放信号は、例えば、電気信号、ラジオ信号、無線信号などでありうる。
【0022】
幾つかの実施形態では、トリガユニット103は、障害検出デバイス102の一部であってもよく、例えば、障害検出デバイスおよびトリガユニットは、両方を含む1つのユニットである。一例では、検出デバイス102の一部は、トリガ信号を生成することができ、したがって、トリガユニット103の機能を担当しうる。幾つかの実施形態によれば、トリガユニットは、例えば、能動的に駆動されるパネルに配置、接続、または取り付けられていることによって、パネルの一部であってもよい。幾つかの実施形態では、検出デバイスおよびトリガユニットは、例えば、パネルに配置されているか、またはパネルに取り付けもしくは接続されていることによって、パネルに含まれてもよい。
【0023】
図1に見られうるように、能動的に駆動される圧力逃がしシステム100は、幾つかの実施形態では、トリガユニットから、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのパネル101に信号を転送するためのインタフェース104を含みうる。インタフェース104は、トリガユニット103からの信号がパネル101に到達することを可能にする接続でありうる。幾つかの実施形態によれば、インタフェースはまた、信号を転送および変換することができうる。幾つかの実施形態では、インタフェース104は、トリガユニット103からパネル101への適切な転送を確実にすることができうる。幾つかの実施形態によれば、インタフェース104は、(図3aおよび図3bに関して以下で詳述されるように)パネルを開放させるための機構に接続されうる。
【0024】
上記で説明したように、かつ本明細書に記載された実施形態によれば、障害検出デバイス102、およびトリガユニット103は、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル110内の大幅な(かつ損傷を与える)圧力上昇の前にパネル101の開放を可能にする。
【0025】
本明細書に記載された実施形態によるコンテナ110は、図2に見ることができる。コンテナ110は幾つかの壁を有し、そのうちの壁111、112、114、115、および天井113は、図2に見ることができる。図2に示されるコンテナは、コンテナの異なる壁に2つのパネルまたはフラップ101を含む。幾つかの実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態によるコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルは、3つ以上のパネルを含みうるか、または1つのパネルのみを含みうる。幾つかの実施形態では、1つ以上のパネルは、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの1つの壁または天井に配置されうる。他の実施形態では、パネルまたはフラップは、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの異なる壁または天井に分散されている。フラップサイズまたはパネルサイズは、特定の建物、コンテナ、エンクロージャ、またはキュービクルに適合させることができる。サイズが異なる1つ以上のフラップも設置することができる。幾つかの実施形態では、従来のパッシブフラップとアクティブフラップまたはパネルとの組み合わせもまた考慮することができる。幾つかの実施形態では、フラップは、典型的には、アーク障害のリスクが最も高い機器の近くに配置される。さらに、フラップを、壁と場合によっては天井の間に分散させて、過圧を効率的に排出することができる。
【0026】
図2では示されていないが、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル110は、電気設備、および図1に関して示されて説明された能動的に駆動される圧力逃がしシステム100などの能動的に駆動される圧力逃がしシステムを含む。電気設備に障害、特にアーク障害が現れた場合、本明細書に記載された実施形態による能動的に駆動される圧力逃がしシステムの検出デバイスおよびトリガユニットは、パネルの開放を開始する。信号の生成および信号の転送は、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル内の圧力上昇よりも速い。このように、既知のシステムでは、過圧がコンテナの壁または天井にぶつかると、コンテナ内の圧力がパネル(以下パッシブパネルと呼ばれる)を開放させるが、本明細書の実施形態に記載のパネルは、圧力がコンテナの壁または天井に到達する前に開放されうる。
【0027】
電気設備は、1つ以上の電気デバイスを含む。例えば、電気設備は、高電力整流器、高電流整流器、電力変換器、開閉装置、回路遮断器、モータ、発電機などを含みうる。幾つかの実施形態によれば、本明細書で言及される電気設備の電力範囲は、典型的には約5MVA~約350MVA、より典型的には約5MVA~約300MVA、さらにより典型的には約10MVA~約250MVAでありうる。幾つかの実施形態では、電気設備は、約10MVAの範囲にある変電所を指す場合がある。典型的に、整流器は、幾つかの実施形態では、約250MVAの範囲にありうる。
【0028】
幾つかの実施形態によれば、能動的に開放されうるパネルは、アーク障害のリスクが最も高い電気設備の電気デバイスに最も近い、コンテナ、建物、エンクロージャまたはキュービクルの壁または天井に配置される。例えば、アーク障害のリスクが最も高い電気設備のデバイスがコンテナの天井に最も近い場合、本明細書に記載された実施形態による能動的に操作される圧力逃がしパネルを天井に配置することができる。幾つかの実施形態では、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル内の電気設備の幾つかのデバイスがアーク障害の同様のリスクを有する場合、または各デバイスのリスクが定義されたしきい値を超えている場合、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの壁および/または天井に、複数の能動的に駆動されるパネルを設けてもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、定義されたアーク障害のリスクを有する電気設備内の各電気デバイスは、本明細書に記載された実施形態による能動的に操作される圧力逃がしシステムに接続されている。それぞれのパネルは、特定のデバイスに最も近い壁に配置されてもよい。このようにして、電気設備の非常に安全で迅速に応動する動作が可能になる。他の実施形態では、用途および電気設備の種類に応じて、電気設備内の幾つかの電気デバイスに対して、能動的に駆動される唯一の圧力逃がしシステムを設けることができる。
【0030】
幾つかの実施形態によれば、能動的に駆動される圧力逃がしシステムの動作後、パネルは手動で閉じることができ、システムは再び動作する準備が整う。これにより、多くの場合、使用後に交換または修理しなければならないパッシブフラップと比較して、時間およびコストが節約される。
【0031】
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる幾つかの実施形態では、本明細書に記載された能動的に駆動される圧力逃がしシステムは、パネル開放機構またはフラップ開放機構を含む。幾つかの実施形態によれば、トリガユニットは、パネルを開放させるパネル開放機構用の信号を生成するように適合されている。また、インタフェース104は、トリガユニット103とパネル開放機構との間のインタフェースでありうる。特に、インタフェース104は、トリガユニットとパネル開放機構とを接続するように適合されうる。
【0032】
幾つかの、本発明の理解にとって有用な例では、パネル開放機構は、パネルを破壊することなく、すなわち、非破壊的な方式でパネルを開放させるように適合されうる。そのようなパネル開放機構の例を以下に示す。例えば、本明細書に記載された実施形態によるフラップまたはパネルは、以下に説明する図3aおよび図3bに見られうるように、一方の側をヒンジで固定し、他方の側を機械的構成でロックすることができる。
【0033】
図3aは、本発明の理解にとって有用な例による、能動的に操作される圧力逃がしパネル101の概略的な正面図を示している。パネル101は、フラップ130を含み、これは、例えば、金属、または例えば、内部に電気設備を備えたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの壁または天井の一部として使用するのに適した、任意の他の適切な材料のシートでありうる。パネルの形状は、それぞれの用途、使用されるコンテナの種類、取り付けられる壁または天井の種類、材料、周囲、電気設備、および電気設備の動作の対応するパラメータなどによって変わりうる。本明細書に記載された、幾つかの実施形態によるパネル101は、フレーム107を含んでもよく、それによって、パネルは、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの壁または天井に取り付けられうる。幾つかの実施形態では、例えば、トリガユニットおよび/または検出デバイスがパネルの一部である実施形態では、トリガユニットおよび/または検出デバイスは、パネルのフレームに取り付けられうるか、または例えばパネルの一部としてパネルに(直接)接続されてもよい。フレーム107は、パネルを完全に取り囲んでいてよく、幾つかの実施形態では、上述の能動的に駆動される圧力逃がしパネル101の構成要素が取り付けられるように適合されてもよい。図3aに示されるでは、フレーム107は、例えば、ヒンジ106をフラップ130に取り付けるために使用される。他の実施形態では、ヒンジ106は、フレームなしでフラップに取り付けられうる。
【0034】
本明細書に記載された、幾つかの実施形態による能動的に操作される圧力逃がしシステムは、図3aに示されるように、パネル101に取り付けられているパネル開放機構108などのパネル開放機構をさらに含む。図3aに示される能動的に操作される圧力逃がしパネルの例では、パネル開放機構は、解放ソレノイド131を含む。図3bでは、図3aの能動的に操作される圧力逃がしパネル101が側面図で示されている。図3bは、フラップ130、ヒンジ106、能動的に操作される圧力逃がしシステム100のパネル開放機構108、およびパネル開放機構108とトリガユニット103とを電気的に接続するインタフェース104(図3aおよび図3bには示されていない)を示している。図3bに示されるパネル開放機構108は、フラップ130を開放させるためのソレノイド131、シャフト132、およびばね133を含む。また、パネル101が取り付けられている壁111を、図3bに見ることができる。
【0035】
コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル内の電気設備でアーク障害が検出されると、検出デバイスは障害を検出して、トリガユニットに通知し、それによってトリガユニットは信号を生成する。信号は、インタフェース104(図3bに転送ラインとして示されている)を介して、パネル開放機構108、特にソレノイド131に転送される。ソレノイド131は、トリガユニットからの信号の受信に応じて、パネルを壁111に保持しているシャフト132を開放または移動させるように適合されている。シャフト132が解放されると、予荷重を与えられたばね133がパネル130を大きく開放させ、したがって、電気設備がアーク障害を生じさせたコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから圧力を解放する。ヒンジ106により、パネル130は、壁から解放されるときにスイングして開いて、失われたり壊れたりすることはない。したがって、本発明の理解にとって有用な例による能動的に操作される圧力逃がしシステムの開放機構は、非破壊的な方式で作動する。
【0036】
ソレノイドおよびばねを含む開放機構を用いる例とは別に、パネル開放機構の他の実施形態として、電気アクチュエータ、ソレノイド、火工式デバイス、圧縮ガス、または予荷重を与えられた機械式ばねなどを使用することができる。一般に、パネル開放機構に対して、2つの異なる解決策が考えられうる。第1の解決策は、電気アクチュエータ、ソレノイド、火工式デバイスなどによって駆動される解放機構によって、コンテナ構造からパネルを解放して開放させることである。第2の解決策は、トリガ時に金属シートを破裂させる火工式デバイスを用いたパネルを準備することである。したがって、第2の解決策では、開放時にパネルは破壊されうる。本明細書に記載された能動的に操作される圧力逃がしパネルを第2の解決策で起動させた後には、パネルは交換されなければならない。第1の解決策(その例が図3aおよび図3bに示されている)では、本発明の理解にとって有用な例による能動的に操作される圧力逃がしシステムを起動させた後、パネルを再利用することができる。
【0037】
図4は、パネルの破壊可能な開口部の一例を示している。図4には、能動的に操作される圧力逃がしパネル101が示されている。図3aに関して上述したように、パネルはフレーム107によって取り囲まれている。パネル上には、火工式装薬120が配置されている。典型的には、火工式装薬は、インタフェース104を介してトリガ信号を受信すると、パネルを破裂させることができるように選択される。
【0038】
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる実施形態によれば、ハウジング(コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル)は、流体密(特に気密)である。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる実施形態によれば、閉じた状態のパネルは、(破壊的な方式で開放される前に)ハウジングの内側の容積とハウジングの外側の環境との間にバリアを提供する。バリアは、特に流体密、特に気密であってよく、かつ/またはバリアを横断した圧力平衡を妨げうる。バリアが除去されることで、例えば、破壊的な方式でパネルを開放させることにより、圧力平衡が可能になる。
【0039】
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる実施形態によれば、破壊的な方式でのパネル開放のためのパネルは、少なくとも2つの材料の接触点においてパネルの破壊を容易にするための少なくとも2つの材料の組み合わせを含みうる。少なくとも2つの材料は、例えば、パネル開放機構でパネルを破裂させるために、パネル内に所定の破断線または破断点を形成してもよい。所定の破断点または破断線は、規則的な形状またはランダムな形状を有してもよい。
【0040】
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる幾つかの実施形態によれば、パネル開放機構は、例えば、パネルを穿刺、引き裂き、または破断することによってパネルを破壊するように構成されうる。
【0041】
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる幾つかの実施形態によれば、パネル開放機構は、パネルの少なくとも一部またはパネル全体を吹き飛ばしてもよい。パネルの少なくとも一部は、パネルへの交換可能なインサートであってもよく、またはパネル全体が交換可能な部品であってもよい。
【0042】
破壊的な方式での開放は、その後にパネルがハウジングを完全に閉じることができないように、不可逆的な方式でパネルに影響を与える任意の開放を含む。
【0043】
破壊的な方式でパネルを開放させることは、応動時間が特に速いという利点を有する。また、典型的にメンテナンスを必要とするアーク障害の指標を提供する。アーク障害はいずれにせよメンテナンスが必要なため、破壊的な開放では、安全性および信頼性を高めながらも、メンテナンス要件を大幅に増やすことはない。
【0044】
図5は、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから圧力を逃がすための方法のフローチャートを示している。コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルは、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルから過圧を解放するために、壁または天井のうちの少なくとも1つに金属シートフラップなどのパネルを有する。コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルは、電気設備の一部である1つ以上の電気デバイスを備えた電気設備をさらに含む。図5に示される方法200は、ブロック201において、障害検出デバイスによる電気設備内のアーク障害の検出を含む。特に、障害検出デバイスは、上記の実施形態に記載されているような障害検出デバイスであってもよい。幾つかの例では、障害検出デバイスは、アーク検出デバイス、過電流検出デバイス、逆電流検出デバイス、または圧力上昇検出デバイスでありうる。検出は、障害検出デバイスの電気設備の電気デバイスとの物理的接続を介して行われてもよいし、またはそのような接続なしで例えば無線で、もしくは圧力、温度、透明度などの電気デバイスの周囲のパラメータを測定することによって行われてもよい。
【0045】
方法200は、ブロック202において、パネル用の開放信号のトリガを含む。例えば、検出デバイスがアーク障害を検出した場合、トリガユニットはパネル用の開放信号を生成しうる。開始信号は、電気信号、ラジオ信号、無線信号などであってよい。トリガユニットは、図1に関して説明したトリガユニットでありうる。特に、トリガユニットは、検出ユニットに接続されてもよい。幾つかの実施形態では、トリガユニットは、検出ユニットの一部でありうる。
【0046】
ブロック203では、パネル用の開放信号が転送される。本明細書に記載された幾つかの実施形態によれば、信号は、トリガユニットと、能動的に操作される圧力逃がしパネルの開放機構との間のインタフェースによって転送されうる。さらに、ブロック203は、コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルのパネルの開放を開始することを含む。幾つかの実施形態では、図3aおよび図3bに関して詳述したように、開放は、パネル開放機構を起動させる開放信号、例えばソレノイド、電気アクチュエータ、圧縮ガス、予荷重を与えられた機械式ばね、または火工式デバイスもしくはパネルを吹き飛ばす材料を起動させる開放信号によって開始されうる。
【0047】
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせうる幾つかの実施形態によれば、電気設備においてアーク障害を検出することは、アーク、過電流、逆電流、および圧力上昇を検出することを含む。例えば、これらのパラメータを検出することには、一定の間隔でまたは継続的に、これらのパラメータを感知および測定することを含みうる。
【0048】
幾つかの実施形態では、内部に電気設備を有するコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルに、能動的に駆動される圧力逃がしシステムを装備するための方法である第2の方法が提供される。第2の方法は、1つ以上のコンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの壁または天井に1つ以上のパネルを設けることを含む。1つ以上のパネルは、電気設備の電気デバイスにアーク障害が現れたときの高過圧を防ぐように、サイズ決めされ、形状付けられ、かつ配置されうる。さらに、第2の方法は、電気設備に障害検出デバイス、例えば、上記の実施形態で詳述されているような障害検出デバイスを装備することを含む。第2の方法は、障害検出デバイスを、障害検出デバイスによるアーク障害の検出に応じてパネル開放信号をトリガするトリガユニットに接続することをさらに含む。典型的には、トリガユニットは、上記の実施形態に記載されているようなトリガユニットであってもよく、(例えば)検出デバイスの一部でありうる。加えて、第2の方法は、幾つかの実施形態では、インタフェースを介してトリガユニットをパネルに接続することを含みうる。特に、トリガユニットによってトリガされた信号は、インタフェースを介してパネルに転送されうる。幾つかの実施形態では、インタフェースは、図3a、図3b、および図4に関して例示的に説明されるように、パネルの開放機構に接続されている。詳細については、上記で詳細に説明した実施形態を参照する。
【0049】
幾つかの実施形態では、電気設備に障害検出デバイスを装備することは、電気設備にアーク検出デバイス、過電流検出デバイス、逆電流検出デバイス、および圧力上昇検出デバイスを装備することを含みうる。
【0050】
本発明を、幾つかの好ましい実施形態に基づいて説明してきたが、当業者であれば、これらの実施形態が本発明の範囲を決して制限してはならないことを理解すべきである。本発明の精神および概念から逸脱することなく、実施形態に対する任意の変形および修正は、当該技術分野における通常の知識および技能を有する者の理解の範囲内にあるべきであり、したがって、添付された特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
100 能動的に操作される圧力逃がしシステム
101 能動的に操作される圧力逃がしパネル
102 障害検出デバイス
103 トリガユニット
104 インタフェース
105 電気設備
110 コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクル
111、112、114、115 コンテナ、建物、エンクロージャ、またはキュービクルの壁
106 ヒンジ
107 フレーム
108 開放機構
120 火工式装薬
130 フラップまたはパネル
131 ソレノイド
132 シャフト
133 ばね
200 方法
201、202、203 ブロック
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5