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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20230501BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20230501BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61B5/1455 ZDM
A61B5/02 310B
A61B5/02 310F
A61B5/0245 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021529029
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 US2020034292
(87)【国際公開番号】W WO2021236102
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーマ,ヨゲシュ
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-533509(JP,A)
【文献】特開平05-261106(JP,A)
【文献】特表2017-512581(JP,A)
【文献】特開平04-349141(JP,A)
【文献】米国特許第5629953(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
A61B 5/1455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長および第1強度を有する光を生成するように構成された光源と、
ープされた希土類金属を含み、前記第1波長および前記第1強度の光を受信しかつ第2強度を有する第2波長の光をユーザに向けて透過させるように構成された増幅層と、
前記ユーザから前記第2波長の光を受信する光検出器と、
少なくとも前記光検出器から受信した信号に基づいて前記ユーザの体調を判断するように構成されたプロセッサとを備え、
前記第1波長は、前記増幅層の励起周波数であり、
前記第2波長は、前記第1波長と異なり、
前記第2強度は、前記第1強度よりも高い、デバイス。
【請求項2】
前記増幅層は、第3波長の光をさらに透過し、
前記光検出器は、前記第3波長の光を受信
前記第3波長は、前記第1波長及び前記第2波長と異なる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2波長の光に基づいて血中酸素レベルを監視するように構成され、
前記プロセッサは、前記第3波長の光に基づいて心臓の状態を監視するように構成されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記光検出器は、受信した前記第2波長の光に応答して電気信号を生成する、請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光検出器に電気的に結合されたプロセッサをさらに備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プロセッサは、受信された前記第2波長の光子に基づいて前記ユーザの健康状態を評価するように構成されている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記増幅層上に、可視光を遮断する塗料をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1波長は、赤外波長である、請求項1~7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記増幅層は、エルビウムドープリン酸塩ガラスである、請求項1~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記増幅層は、0.4モルパーセントから0.6モルパーセントの間のエルビウムを有するエルビウムドープリン酸塩ガラスである、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2波長は、550nmから750nmの波長の範囲である、請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
ユーザの身体的パラメータを監視する方法であって、
起波長を有しかつ第2波長を生成するように構成された増幅層を提供することと、
光源によって前記励起波長に対応する第1波長の光を生成することと、
前記増幅層で前記第1波長の光を受信することと、
受信された前記第1波長の光に応答して前記増幅層で前記第2波長の光を生成することと、
前記増幅層からの前記第2波長の光を前記ユーザに送信することと、
光検出器で前記ユーザから前記第2波長の光を受信することと、
プロセッサによって、少なくとも前記光検出器で受信された前記第2波長の光に基づいて前記ユーザの健康状態を評価することとを含
前記第2波長は、前記第1波長と異なる、方法。
【請求項13】
前記身体的パラメータは、前記ユーザの心拍数である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記身体的パラメータは、前記ユーザの血中酸素レベルである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記増幅層で第3波長の光を生成することをさらに含
前記第3波長は、前記第1波長及び前記第2波長と異なる、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2波長は、赤色の光に対応し、
前記第3波長は、緑色の光に対応する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサによる前記評価は、追加の基礎となる前記ユーザの健康状態を評価するための機械学習アルゴリズムの実行を含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
1波長および第1強度を有する光を生成するように構成された光源と、
ユーザの皮膚に隣接して配置されるように適合された後部を含むハウジングとを備え、前記後部は、増幅層で少なくとも部分的に構成されており、前記増幅層は希土類金属ドープガラスを含、前記増幅層は、前記第1波長および前記第1強度の光を受信しかつ第2強度を有する第2波長の光を前記ユーザに向けて透過させるように構成され、
前記ユーザから前記第2波長の光を受信する光検出器と、
少なくとも前記光検出器から受信した信号に基づいて前記ユーザの体調を判断するように構成されたプロセッサとを備え、
前記第1波長は、前記増幅層の励起周波数であり、
前記第2波長は、前記第1波長と異なり、
前記第2強度は、前記第1強度よりも高い、デバイス。
【請求項19】
前記希土類金属は、エルビウムである、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記増幅層は、可視光を遮断するためにインクで少なくとも部分的に塗装されている、請求項18または請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
フォトプレチィスモグラフィ(photoplethysmography:PPG)は、組織の体積の変化を測定する光学的測定方法であり、光源および光検出器を必要とする。典型的には、皮膚の表面またはその近くに配置される光検出器は、血管組織から光検出器に透過または反射される光を検出する。この光は、心拍数を監視するために使用される血液循環量の変動を測定することに対応する。脈拍または心周期によって引き起こされる体積の変化は、光の強度のピークまたはトラフとして測定可能である。この手法は、血液の酸素飽和度など、血流に関連する他の側面を測定するためにも使用可能である。PPG技術は、たとえばスマートフォンまたはスマートウォッチなどの個人消費者デバイスにおいて消費者の心拍を測定するために使用される。
【0002】
PPG技術の信頼性および有効性は、皮膚および血管組織を透過することに適した光の波長を使用することに依存している。すべての光の波長が血液に等しく吸収されるわけではない。たとえば、緑色の光に対応する波長は、血液中で最も強い吸収を示し、心拍に対応する最も高い脈動信号強度を与える。PPGの実際の実装では、光の様々な波長に対応するLEDが使用される。緑色LEDは、心拍を検出するために使用される。赤外線(IR)LEDは、睡眠中の心拍を検出するために使用され、赤色LEDは、酸素飽和度を検出するために使用される。消費電力に関しては、各LEDが異なる効率を有する。緑色LEDは、特定の光度の光を出力するためにより高い電力量を消費するが、赤外線LEDは、それと同じ光度を出力するためにその電力の一部を消費する。
【発明の概要】
【0003】
概要
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、フォトプレチィスモグラフィで使用するための光増幅のためのエルビウムドープガラスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、第1波長および第1強度を有する光を生成するように構成された第1光源と、第1面および第2面を有しかつドープされた希土類金属をさらに含み、第1波長および第1強度の光を受け取りかつ第2強度を有する第2波長の光を透過するように構成された増幅層と、ユーザから第2波長の光を受け取る光検出器と、少なくとも光検出器から受信した信号に基づいてユーザの体調を判断するように構成されたプロセッサとを備える、デバイスを提供する。第1波長は、増幅層の励起周波数であってもよく、第2強度は、第1強度よりも高くてもよい。
【0006】
本開示の追加の態様は、第1波長および第1強度を有する光を生成するように構成された第1光源と、第1面および第2面を有しかつドープされた希土類金属をさらに含み、第1波長および第1強度の光を受け取りかつ第2強度を有する第2波長の光を透過するように構成された増幅層と、ユーザから第2波長の光を受け取る光検出器と、少なくとも光検出器から受信した信号に基づいてユーザの体調を判断するように構成されたプロセッサとを備える、デバイスを提供する。第1波長は、増幅層の励起周波数であってもよく、第2強度は、第1強度よりも高くてもよい。増幅層はまた、第3波長の光を透過することができ、光検出器は、第3波長の光を受け取ることができる。プロセッサは、第2波長の光に基づいて血中酸素レベルを監視するように構成され、および/または、プロセッサはまた、第3波長の光に基づいて心臓の状態を監視するように構成され得る。光検出器は、受信する光に応答して電気信号を生成することができる。デバイスは、光検出器に電気的に結合されたプロセッサを備えることができる。プロセッサは、第2波長の受信された光子に基づいてユーザの健康状態を評価するように構成され得る。デバイスはまた、可視光スペクトルを遮断する塗料をさらに備え得る。塗料は、増幅層の第1面または第2面のいずれかにあり得る。第1波長は、赤外線スペクトル内にあり得る。第1増幅層は、エルビウムドープリン酸塩ガラスから生成され得る。第1増幅層は、0.4モルパーセントから0.6モルパーセントの間のエルビウムを有するエルビウムドープリン酸塩ガラスであり得る。第2波長は、550nmから750nmの波長の範囲であり得る。
【0007】
本開示の追加の態様は、第1励起波長を有しかつ第2励起波長を生成するように構成された増幅層を提供するステップと、光源によって第1励起波長に対応する第1波長の光を生成するステップと、増幅層で第1波長の光を受け取るステップと、受信された第1波長の光に応答して増幅層で第2波長の光を生成するステップと、増幅層からの第2波長の光をユーザに送信するステップと、光検出器でユーザから第2波長の光を受け取るステップと、プロセッサによって、少なくとも光検出器で受信された第2波長の光に基づいて第1ユーザの健康状態を評価するステップとを含む、ユーザの身体的パラメータを監視することを提供する。
【0008】
本開示の追加の態様は、第1励起波長を有しかつ第2励起波長を生成するように構成された増幅層を提供するステップと、光源によって第1励起波長に対応する第1波長の光を生成するステップと、増幅層で第1波長の光を受け取るステップと、受信された第1波長の光に応答して増幅層で第2波長の光を生成するステップと、増幅層からの第2波長の光をユーザに送信するステップと、光検出器でユーザから第2波長の光を受け取るステップと、プロセッサによって、少なくとも光検出器で受信された第2波長の光に基づいて第1ユーザの健康状態を評価するステップとを含む、ユーザの身体的パラメータを監視することを提供する。身体的パラメータは、ユーザの心拍数であり得る。身体的パラメータは、ユーザの血中酸素レベルであり得る。増幅層は、第3波長の光を生成するように構成され得る。第2波長は、赤色の光に対応し、第3波長は、緑色の光に対応し得る。プロセッサによる評価は、追加の基礎となるユーザの健康状態を評価するための機械学習アルゴリズムの実行を含み得る。
【0009】
本開示の追加の態様は、ハウジングと、第1光源と、増幅層と、光検出器と、プロセッサとを含むデバイスを提供する。ハウジングは、ユーザの皮膚に隣接して配置されるように適合された後部を含むことができ、後部は、希土類金属でドープされたガラスで少なくとも部分的に構成され得る。第1光源は、第1波長および第1強度を有する光を生成するように構成され得る。増幅層は、希土類金属がドープされ得る。増幅層は、第1面および第2面を有し、第1波長および第1強度の光を受け取りかつ第2強度を有する第2波長の光を透過するように構成され得る。光検出器は、ユーザから第2波長の光を受け取ることができる。プロセッサは、少なくとも光検出器から受信した信号に基づいてユーザの体調を判断するように構成され得る。第1波長は、増幅層の励起周波数であり、第2強度は、第1強度よりも高くてもよい。希土類金属は、エルビウムでもよい。ガラスは、可視光スペクトルを遮断するためにインクで少なくとも部分的に塗装され得る。
【0010】
添付図面は、縮尺で描かれることを意図しているわけではない。様々な図面における同様の参照番号および指定は、同様の要素を示す。明確にする目的で、全ての図面において全ての構成要素がラベル付けされているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の態様による例示的なエルビウムドープガラス板の波長および強度のグラフである。
図2】本開示の態様による例示的なエルビウムドープガラス板の波長および強度のグラフである。
図3A】本開示の態様によるユーザデバイスの図である。
図3B】本開示の態様によるユーザインターフェースの図である。
図3C】本開示の態様によるユーザインターフェースの図である。
図4A】本開示の態様によるエルビウムドープガラス板を有するデバイスの図である。
図4B】本開示の態様によるエルビウムドープガラス板を有するデバイスの図である。
図5】本開示の態様による例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本開示は、概して、光増幅器および波長シフタとしてエルビウムドープガラスを使用する、方法、システム、およびデバイスに関する。特に、希土類金属はフォトルミネッセンスを示す。フォトルミネッセンスは、ある波長で光が材料に吸収され、別の波長で光が再放射されるといった現象である。特に、ドープされた材料を使用すると、フォトプレチィスモグラフィ(PPG)などの特定の最適な目的に適した光の波長をダウンコンバートしかつ増幅することができる。エルビウムドープガラスなどのドープされた材料を使用すると、光を増幅し、デバイスの電力消費効率または特性を向上させることができる。エルビウムドープガラスにおいては、様々なドーピングレベルが存在することがあり、材料の重量、重量パーセンテージ、体積パーセンテージ、またはモルパーセンテージによって測定され得る。モルパーセントは、特定の成分の合計モルのパーセンテージであり、「モル%」と注釈付けされ得る。本開示において使用されるエルビウムは、エルビウムおよびエルビウム酸化物Erなどのエルビウム化合物の両方を指すと理解されたい。
【0013】
フォトルミネッセンスとは、光子、光または電磁放射を吸収した後のあらゆる形態の物質からの光の再放出のことである。希土類イオンおよび希土類イオンがドープされたガラスなどの特定の材料において、フォトルミネッセンス材料によって放出される光の強度またはルーメンは、吸収された強度よりも高い。
【0014】
エルビウムドープガラスは、ナトリウムスルホリン酸塩ガラスのクラスであり得る。強いフォトルミネッセンス効果を示すドープガラスおよびその他の材料が発見されている。そのような材料のスペクトル分析は、特に、977nm励起で、NPbPEr-0.5ガラスが、強化された緑色発光を発することを明らかにしている。他のドープガラスもまた、同様の挙動を示し得る。
【0015】
図1は、λexcと表示された特定の波長の光にさらされたときに、エルビウムドープガラスから放出される光の波長および強度または光度のグラフ100を示す。励起波長は、紫外線、可視、または赤外線といった光の波長であり得る。材料がそのような波長の光にさらされ、異なる波長の光が再放出される物理現象は、フォトルミネッセンスとして知られている。エルビウムドープガラスは、露出した光を吸収し、様々な波長および強度の光を放射する。横軸105は、放出される光の波長を示し、ナノメートル(nm)の単位で測定される。縦軸110は、任意の単位で放射される光の強度を示す。グラフ100には、いくつかのピーク121~123もまた示されている。これらは、およそ400nm近くのピーク121、475nm近くのピーク122、およそ540nm近くのピーク123など、様々な波長における強度のピークである。グラフ100においては、ラベル付けされていない他のより小さなピークが見られる。フォトルミネッセンスのプロセスを通して、放出される光の振幅は、特定の波長でエルビウムドープガラスを励起する光の振幅よりも大きな振幅または強度を有する。ピークは、特定の波長の光子によって電子が励起されて2つの電子軌道状態間をジャンプし、別の軌道状態に戻り、それによって別の波長の光子を放出するときに発生する特定の励起および発光に対応する。
【0016】
エルビウムドープガラスは、溶融急冷(急速冷却)法によって形成または合成され得る。(20-x)NaSO-20PbO-60P-xEr(x=0.1,0.3,0.5,0.7,1.0モル%)の組成など、ガラスの特定のモル組成を選択した後、材料が溶かされて型に注がれ、アニールされ、徐々に常温に戻され得る。xは、Erのモル濃度に応じて従来の組成で調整され得る変数である。
【0017】
図2は、特定の波長λexcの光にさらされたときに、2つのエルビウムドープガラスの波長および強度のグラフ200を示す。上記の図1の例と同様に、励起波長は、紫外線、可視、または赤外線といった光の波長であり得る。2つの励起曲線、曲線220および曲線230が示されている。曲線220は、ガラスの0.5モル%をエルビウムが構成するエルビウムドープガラスに対応する。曲線230は、ガラスの0.1モル%をエルビウムが構成するエルビウムドープガラスに対応する。曲線220および曲線230は、一般的に、ピークの位置などの特性を共有するが、グラフは、フォトルミネッセンス効果によって生成された光の異なる振幅を反映する。エルビウムまたは使用される他のドーピング材料の「ドーピング率」または量は、ドープされた材料の異なるレベルにおいて異なる曲線をもたらす。いくつかの例において、ガラスは、グラフ200に示される様々な励起ピークの高さを最適化する程度までドープされてもよい。他の例においては、ガラスは、フォトルミネッセンス効果によって生成される光が特定の波長のものになるようにドープされてもよい。特定のモルパーセンテージについて2つのグラフが示されているが、他のモルパーセンテージに対して他の曲線が経験的に導き出され、特定の用途に最も適した曲線が選択され得ることを理解されたい。図2から分かるように、「Er-0.5」は、緑色光に対応するおよそ550nmの範囲と、赤色光に対応するおよそ約640-680nmの範囲で最も強い効果をもたらす。図2から分かるように、ドープガラスは、ドープガラスを励起するために使用される赤外線信号の振幅の100-1000倍の大きさの緑色光を生成する。
【0018】
図3は、ユーザ399などのユーザによって使用され得るユーザデバイス300を示す。ユーザデバイスは、ハウジング301とストラップ302とを含み得る。ハウジング301は、ユーザ399の皮膚と接触する背面部分などの構成要素を有し得る。背面部分は、背面部分に光を通過させるガラス部分を含み得る。たとえば、光源など、ハウジング301内に含まれる他の構成要素から、光が生成され得る。ユーザデバイス300およびハウジング301はまた、ユーザ399にユーザデバイス300からの情報を相互作用および閲覧させるユーザインターフェースを有し得る。ユーザインターフェースは、タッチスクリーンまたは他のデバイスの一部であり得る。ユーザデバイス300またはハウジング301に含まれ得る追加の構成要素は、図4Aおよび図4Bを参照して以下でさらに説明される。ハウジングは、さらに、図4Aおよび図4Bに記載された構成要素を含むために適切な厚さであり得る。ストラップ302は、金属、皮革、布、または他の材料で作られたものなど、ユーザデバイスをユーザが保持するためのストラップであり得る。たとえば、ユーザデバイス300は、スマートウォッチ、健康センサ、耳栓、イヤホン、オーバーイヤーヘッドホン、インイヤーヘッドホン、または他のウェアラブル、指輪、アンクレット、ネックレス、または他の宝飾品類であり得る。
【0019】
図3Bおよび図3Cは、ディスプレイ303上にユーザの体調に関する情報を表示する様々な例示的なフォーマットを示す。ディスプレイ303は、以下で説明されるディスプレイ495と同様であり得る。たとえば、図3Aは、方法500などの本開示の態様を通して得られる情報をグラフ形式で示す。図3Bは、デバイス400などのデバイスのユーザの現在の心拍数のグラフを示す。このグラフ表示は、ユーザの心拍の末尾の秒数を表示するために、リアルタイムで更新され得る。いくつかの例において、情報は、視覚的または聴覚的な方法を通してユーザに伝えられ得る。図3Cは、ユーザの体調についての情報をテキスト形式で表示することを示す。たとえば、図3Bは、1分間あたりの拍数(beats-per-minute:BPM)における現在の心拍数、現在の血中酸素飽和度、および不整脈などのユーザにとって価値のあるその他の状態を示す。示されている例は、心臓血管の状態に関するものだが、心臓の他の側面が監視され得る。図3Cはまた、スマートフォンなどの別のユーザデバイスに情報を同期する機能、または、インターネットまたはクラウドなどの別のストレージユニットに情報を保存する機能など、他のオプションを示す。
【0020】
図4Aは、PPGを実行するために使用され得るデバイス、デバイス400を示す。デバイス400は、光源410などの光源、光を検出可能な光検出器420Aおよび420Bなどの1または複数の光センサ、層433などの赤外線を透過させ得るインク層、光源410から受け取った光を増幅する増幅層432などのガラス層、および背面ガラス431などのガラス保護層、および電子機器499を備え得る。電子機器499は、図4Bを参照して以下に説明される電子機器499の特徴の一部または全部であり得る。図4において、光は、ラベル付けされていない実線の矢印で示され、矢印は、光の進行方向を示す。光は、皮膚450などの真皮に入射し得る。皮膚450が示されているが、たとえば爪または軟組織など、人体の他の部分にデバイスは適用され得る。層431~433は、それぞれ第1面および第2面を有することができ、光源に対して異なる順列で配置され得る。
【0021】
図4Aは、光源410を示す。光源の一例は、発光ダイオード(LED)である。LEDは、電流を流すと光を発する半導体光源である。半導体中の電子は正孔と再結合し、光子の形でエネルギーを放出する。LEDは、特定の波長または波長範囲で光を放出するために設計または選択され得る。他の例において、光源410は、特別に設計された半導体、白熱灯、無電極ランプ、またはハロゲンランプなどの市販の光源で作られ得る。他の例において、光源310は、660nmの波長に近い赤色光を生成するように構成されたLED、530nmの波長に近い緑色光を生成するように構成されたLEDなど、異なる波長の光を生成するように構成された1または複数の光源でさらに作成され得る。PPGを実行するときに、心血管系の異なる側面を測定するために、これらの異なる光源が選択されてもよい。たとえば、循環器システム内でのこれらの色の相対的な吸収と反射のために、緑色光は心拍に関する情報を提供する一方で、赤色光は血中酸素飽和度についての情報を提供してもよい。光源410は、増幅層432の励起波長に対応する光を生成するために構成または選択され得る。たとえば、977nmの赤外線が選択され得る。赤外線の使用は、他の高周波/低波長の光の生成と比較すると、よりエネルギー効率がよい。これは、赤外線がより少ない電力を使って生成されかつ単一の光源から生成される一方で、フォトルミネッセンスを通して1つよりも多い波長の光を依然として生じさせるためである。以下でさらに説明するように、光源は、皮膚450に到達する前に増幅層432によって増幅され得る。
【0022】
光検出器420Aまたは420Bなどの光検出器は、光を電流に変換する半導体デバイスであり得る。光検出器は、表面に当たる光子の数に比例した電流を生成できる。光検出器に光子が吸収されたときに電気が発生するため、光検出器は、光のセンサとして機能することができる。光検出器は、光の強度および/または波長を感知できる任意のデバイスであり得る。光検出器420Aおよび420Bは、フォトダイオードまたは光センサであり得る。いくつかの例において、光検出器420Aおよび光検出器420Bは、特定の波長の光に対してより感度が高くなるように選択され得る。いくつかの例において、光検出器420Aは、緑色光に対してより高感度であるか、または緑色光のみに感度を有すように選択または構成される一方で、光検出器420Bは、赤色光に対してより高感度であるか、または赤色光のみに感度を有するように構成され得る。光検出器420Aおよび光検出器420Bは、光検出器のアレイで作ることもできる。追加の回路、較正、または電子機器は、より良い信号対雑音比を確保しかつ周囲光の影響を低減するために、光検出器または電子機器499に組み込まれ得る。
【0023】
また、図4Aにおいては、皮下層451、真皮層452、および表皮層453を有する皮膚450が示されている。表皮層453は、皮膚のより薄い層であり、光を透過させることができる。皮膚は、静脈460および動脈470などの静脈および動脈を含む。光源410から生成された光は、デバイス400から皮膚450に放射され得る。放射された光は、表皮層453、真皮層452を通過し、静脈460または動脈470などの皮膚内の静脈および動脈で反射され、光検出器420Aまたは420Bに戻され得る。皮膚450に当たる光は、光の入射角に応じて皮膚内の様々な層で反射する。浅い角度で皮膚に当たる光は、最上層または表皮層453で反射する。この反射光は、動脈と相互作用しないため、心拍情報をほとんどまたは全く含まない。より急な角度で皮膚に当たる光は、皮膚の最上層を透過して、静脈460および動脈470などの血液を運ぶ静脈および動脈が集中している皮下層451または真皮層452などの他の層に侵入する。これらの層で反射する光は心拍信号を運び、PPGの目的のために役立つ。ここに記載された増幅層などの様々な構成要素は、受信された情報または信号を改善するために光が皮膚450に入射する角度を改善するように形成され得る。光検出器に送信された光の変化は、心拍数、脈拍、血液中の酸素飽和度、またはその他の健康関連情報など、心血管系の様々な側面を決定するために使用され得る。いくつかの例において、波形は、光検出器420Aによって受信された光の連続的またはほぼ連続的な監視から導き出され得る。光源410および光検出器420Aおよび420Bは、光の放射を制御しかつ皮膚450から受け取った光を監視および分析するために電子機器499に接続され得る。
【0024】
ガラス層431は、光を通過させかつデバイス400の他の構成要素を覆うガラスの層であり得る。ガラス層431は、ソーダライムガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸塩などのケイ酸塩ガラスから形成され、または、アモルファス金属もしくはポリマーガラスなどのシリカを含まないガラスから形成される。分子液体または溶融塩はまた、ガラス層431を構成するためにも使用され得る。ガラス層431は、さらなる耐久性、および、引っかき、亀裂、または粉砕に対する耐性を提供するために、硬化または緩和され得る。他の例において、アルカリアルミノケイ酸塩などの化学的に強化された市販のガラスが使用され得る。
【0025】
増幅層432は、希土類金属ドープガラスで作られ得る。いくつかの例において、希土類金属はエルビウムであり得る。増幅層432は、特定の励起波長および強度の光を受け取り、フォトルミネッセンスのプロセスを通じて、他の波長のより高い強度の光を再放出する。たとえば、図2に戻って参照すると、増幅層432を構成するために、放出された光の振幅を最大化するためにドープされたガラスが選択され得る。他の例において、増幅層432は、ドープされている1または複数の光ガラスファイバから作られ得る。さらに他の例において、増幅層432は、1つよりも多い種類のドープされたガラスで作成される可能性があり、それは、デバイスのより柔軟な設計を可能にし、または1つよりも多い強い発光ピークを必要とするアプリケーションを可能にするだろう。エルビウムドープガラスは、任意の形状または構成に形成され得るため、増幅層はまた、任意の使用事例に合わせて成形され得る。いくつかの例において、皮膚450への光のより良い入射を保証するために、ガラスがより湾曲されていてもよい。いくつかの例において、エルビウムドープガラスは、光ファイバとして形成され得る。いくつかの例において、一部のみから放出されるように光をさらに方向付けるために、増幅層がいくつかの側面において反射面でコーティングされ得る。他の例において、光ファイバは、光を皮膚450に向けるために、増幅層432に埋め込まれ得る。他の例において、増幅層432の形状は、増幅された光が増幅層の表面で均一な束でより広がることを確実にすることができる。
【0026】
層433は、選択的に特定の波長の光を通過させ、他の波長の光を遮断する層であり得る。いくつかの例において、層433は、赤外線を通過させるが、他の波長の光が透過することを妨げる。たとえば、層433は、赤外線透過インクが塗装されたガラスで作られ得る。層433は、増幅層432またはガラス層431の長さに沿って延在し得る。他の例において、層433は、光源410または光検出器420Aが見え得るガラス層431の部分にのみ延在することができる。したがって、ユーザデバイスに組み込まれると、デバイス400の使い易さに影響を与えることなく、内部構成要素は、ユーザに見えなくなる。赤外線透過インクは、市販の塗料から選択されるか、赤外線以外の光を遮断する材料から特別に作り込まれ得る。
【0027】
層431~433は、連続する長方形の隣接層として示されているが、層の配置、サイズ、形状、連続性を変え得ることを理解されたい。たとえば、デバイス300などのスマートウォッチの他のデバイスに適合できるように、層が湾曲され得る。いくつかの例において、手首を模倣するデバイスまたはハウジングに層をより適切に組み込むために、層は、人間の手首または他の身体部分の曲率に従うことができる。他の例において、スマートフォンのカメラレンズなどのモールディングの周りにフィットするように層が形成され得る。いくつかの例において、追加の構造剛性、増幅、熱放散、または靭性を提供するために、追加の層が層内または中間層に挿入され得る。他の例において、層の間の結合力を増加させたり、熱膨張および熱収縮のための追加のスペースを可能にしたりするために、真空が層の間に存在し得る。いくつかの例において、デバイス400の一端からデバイスの他端まで異なる順列で配置され得る複数の層が使用され得る。さらに、層の周囲または層の間に、光学フィルタなどの他の構成要素が含まれ得る。いくつかの例において、光学フィルタは、ユーザの体調を監視するために使用されない光に対応することができる。
【0028】
デバイス400は、特定の構成で示されているが、これらの構成要素の他の配置が本開示の範囲内であることを理解されたい。たとえば、いくつかの例において、これらの構成要素は、機械式時計、スマートウォッチ、スマートリング、携帯電話、イヤホン、ヘッドフォン、アームバンド、またはラップトップコンピュータなどのユーザデバイスに配置され得る。他の例において、デバイス400は、ペンダント、ネックレス、バングル、イヤリング、アームバンド、リング、アンクレット、または他の宝飾品などの宝飾品に統合され得る。さらに他の例において、デバイス400および/またはその構成要素は、ポンプベースの血圧計などの医療デバイスに統合され得る。
【0029】
図4Bは、電子機器499の追加の態様を示す。電子機器499は、電源490と、プロセッサ491と、メモリ492と、データ493と、ユーザインターフェース494と、ディスプレイ495と、通信インターフェース497と、指示部498とを備えていてもよい。電源は、バッテリ、化学セル、コンデンサ、ソーラーパネル、または誘導充電器などの電気を発生させる任意の適切な電源であってもよい。プロセッサ491は、市販のマイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC)などの従来のプロセッサであってもよい。メモリは、プロセッサによって実行される命令およびデータを含み、プロセッサによってアクセス可能な情報を格納してもよい。メモリ492は、プロセッサによってアクセス可能な情報を格納するために動作する種類のメモリであってもよく、非一時的なコンピュータ可読媒体、または、ハードドライブ、メモリカード、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、光ディスク、およびその他の書き込み可能および読み取り専用メモリなど、電子デバイスの助けで読み取ることができるデータを格納する他の媒体を含んでいてもよい。ここに開示される主題は、前述の異なる組み合わせを含んでいてもよく、それにより、命令およびデータの異なる部分が異なる種類の媒体に格納される。電子機器499のデータ493は、指示部498に従ってプロセッサによって取得、保存、または変更され得る。たとえば、本開示は特定のデータ構造によって限定されないが、データ493は、複数の異なるフィールドおよびレコード、XML文書、またはフラットファイルを有するテーブルとして、リレーショナルデータベース内のコンピュータレジスタに格納され得る。データ493はまた、バイナリ値、ASCII、またはユニコードなどであるがこれらに限定されず、コンピュータ可読フォーマット内でフォーマットされ得る。さらに、データ493は、番号、説明テキスト、所有権コード、ポインタ、他のメモリ(他のネットワークロケーションを含む)に格納されたデータへの参照、または関連データを計算するために関数によって使用される情報など、関連情報を識別するのに十分な情報を備えていてもよい。
【0030】
指示部498は、デバイス400の様々な構成および機能を制御してもよい。たとえば、指示部498は、光源410を選択的に起動するか、光検出器420によって得られた情報を処理するために実行され得る。いくつかの例において、アルゴリズムは、電子機器499に含まれる指示部498のサブセットとして、またはその一部として含められ得る。指示部498は、光検出器で受け取られた光線を通じて受け取られた情報もしくは光線を分析することによって生成された情報、またはメモリに格納された情報など、受け取られた情報を解釈または処理するアルゴリズムを含み得る。たとえば、ユーザの身体的パラメータは、アルゴリズムを介して抽出または分析され得る。アルゴリズムは、波の形状、周波数、周期、信号のフーリエ解析、高調波解析、パルス幅、パルス面積、ピーク-ピーク間隔、パルス間隔、光検出器によって受信された光の強度もしくは量、波長シフト、光検出器420Aまたは420Bによって生成または受信された信号の1次または2次導光など、波形に関する任意のまたは全ての情報を、制限なく使用することができる。オキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンにおける酸素の吸収、心臓不整脈、心拍数、心室の早期収縮、拍動の欠落、収縮期および拡張期ピーク、大動脈硬化指数を計算するために、他のアルゴリズムが含められ得る。さらに他の例において、人工学習または機械学習アルゴリズムは、血圧およびストレスレベルなどのユーザの体調に関連する情報を(心拍数の変動から)抽出するために、決定論的および非決定論的な方法の両方で使用され得る。PPGはまた、一定の距離だけ離れた皮膚上の2点間の脈波伝播速度を計算することによって、血圧を測定するために使用され得る。脈波伝播速度は、血圧に比例し、その関係は、血圧を計算するために使用され得る。いくつかの例において、アルゴリズムは変更することができ、または、ユーザの体重、身長、年齢、コレステロール、遺伝情報、体脂肪率、もしくは他の身体的パラメータなど、ユーザによって電子機器499のメモリに入力された情報を使用することができる。他の例において、光検出器および/またはプロセッサによって生成された情報に基づいて不整脈などの既知または未検出の健康状態を検出および監視するために、機械学習アルゴリズムが使用され得る。
【0031】
ユーザインターフェース494は、タッチスクリーンまたはボタンなど、デバイス400に対してユーザを交流させるスクリーンであってもよい。ディスプレイ495は、LCD、LED、携帯電話ディスプレイ、電子インク、またはデバイス400に関する情報を表示する他のディスプレイであり得る。ユーザインターフェース494は、ユーザからの入力およびユーザへの出力の両方を可能にする。通信インターフェース497は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、電波、および/または他のアナログおよびデジタル通信規格などの規格を介したデータ通信を可能にするハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。通信インターフェース497は、電子機器499を更新し、デバイス400によって生成された情報を他のデバイスと共有することができる。いくつかの例において、通信インターフェース497は、メモリ492に格納された履歴情報を、表示、保存、またはさらなる分析のための別のユーザデバイスに送信することができる。他の例において、通信インターフェース497は、光検出器によって生成された信号を、そのデバイス上に表示するために、リアルタイムまたはその後に別のユーザデバイスに送信することができる。
【0032】
図5は、ユーザの身体的パラメータを監視する例示的な方法500のフローチャートを示す。
【0033】
ブロック505において、光源は、光ビームまたは光子などの光を生成することができる。たとえば、光源は、光源410とすることができる。生成された光は、希土類金属の既知の励起波長に対応し得る第1励起波長を有することができる。生成された光は、増幅層432などの増幅層の1つの表面に入射することができる。光を生成するプロセスはエネルギー集約的であるため、高強度の光を生成することは、より多くのエネルギーを要求し、これにより、デバイス400などのデバイスが、より大きな電源に対応するためにかさばったり、再充電が必要になるまでの機能時間が短くなったりし得る。さらに、単一の光源においては光の波長を厳密に制御できないため、より大きな波長スペクトルの光が生成されるか、赤と緑の光に対応する専用の光源が必要になり得る。以下でさらに説明するように、励起波長に対する特定の応答を備えて設計されたドープガラス板の使用は、緑色と赤色の光を生成することができ、ユーザの身体的パラメータを監視するために使用され得る。
【0034】
ブロック510において、ブロック505で生成された光は、増幅層432または図1および図2で参照されるエルビウムドープガラス板などのフォトルミネッセンス材料によって吸収され得る。フォトルミネッセンス材料によって受け取られた光は、増幅層432によって増幅され得る。このプロセス中に、強度および波長のスペクトルを持つ光は、増幅層432によって生成され得る。増幅は、数回行われ得る。
【0035】
ブロック515において、増幅層432によって生成された光が放出され得る。光は、増幅層の1または複数の面を透過し得る。いくつかの例において、増幅層は、光が増幅層の一方の表面のみを通過するように形成され得る。
【0036】
ブロック520において、光は、真皮450などの真皮に伝達され得る。ブロック520において、光は、静脈460、動脈470、または他の毛細血管などの表皮内のシステムおよび器官からさらに反射され得る。増幅された光は、真皮に入射し、光の一部は、真皮からまたは真皮を介して反射して戻され得る。
【0037】
ブロック525において、光は、光検出器420Aおよび420Bなどの光検出器によって検出され得る。受信された光は、光検出器によってデジタルまたはアナログの電気信号に変換され、電子機器499などの電子機器に送信され得る。
【0038】
ブロック530において、受信信号、および光検出器から受信した光は、電子機器499などの電子機器によって分析され得る。上記の図4Bを参照すると、電子機器499は、ブロック525で受信された光を通して収集された情報からユーザの身体的パラメータの側面を分析することができるアルゴリズムを含み得る。
【0039】
方法500は特定の順序で以下に説明されるが、動作は異なる順序または同時に実行されてもよいことを理解されたい。さらに、動作は追加または省略してもよい。
【0040】
上記の開示を参照して説明したように、ドープされたフォトルミネッセンス材料の使用は、ユーザから受け取った信号を増加させ、ユーザの体調を監視するためにデバイスのエネルギー要件を減らすことができる。この開示内で使用されているように、光の粒子/波動の二元性、光のビーム、光線、光子、または光は、波長および振幅を有する光の量子を伝達することを意図しており、交換可能に使用され得る。
【0041】
本開示は多くの特定の実装の詳細を含むが、これらは、請求できる範囲の限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実装に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。個別の実装のコンテキストにおいてこの明細書で説明されている特定の機能はまた、単一の実装で組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実装のコンテキストで説明されている様々な機能はまた、複数の実装で個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで機能するものとして上記で説明され、最初はそのように主張されている場合もあるが、請求された組み合わせからの1または複数の特徴は、場合によっては組み合わせから削除され、請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0042】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示されている特定の順序または連続する順序で実行されること、または示されている全ての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況において、マルチタスクおよび並列処理が有利であってもよい。
【0043】
「または」への言及は、「または」を使用して説明されるあらゆる用語が、単一、複数、および全ての説明された用語のいずれかを示し得るように、包括的であると解釈され得る。「第1の」、「第2の」、「第3の」などのラベルは、必ずしも順序を示すことを意味するものではなく、一般的に、類似または類似のアイテムまたは要素の間を区別するために単に使用され得る。
【0044】
本開示に記載された実装に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、ここで定義される一般的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実装に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装に限定されることを意図するものではなく、本開示、ここに開示される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられ得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5