(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】自動車用の発光装置
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20230501BHJP
F21S 43/15 20180101ALI20230501BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20230501BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20230501BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230501BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20230501BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20230501BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20230501BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20230501BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20230501BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20230501BHJP
F21W 106/00 20180101ALN20230501BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230501BHJP
F21Y 105/10 20160101ALN20230501BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/15
F21V5/00 510
F21V5/04 350
F21S2/00 415
F21S2/00 413
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:10
F21W103:55
F21W102:00
F21W106:00
F21Y115:10
F21Y105:10
(21)【出願番号】P 2021545450
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2020052186
(87)【国際公開番号】W WO2020160982
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-09-01
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】イブ、グロムフェルド
(72)【発明者】
【氏名】ブレーズ、ジャル
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-058325(JP,A)
【文献】米国特許第06164799(US,A)
【文献】特開平10-021710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21S 43/15
F21V 5/00
F21V 5/04
F21S 2/00
F21W 103/00
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/10
F21W 103/55
F21W 102/00
F21W 106/00
F21Y 115/10
F21Y 105/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の光学部品(100)であって、
-
各々が第1の光入力面(110)を含む
複数の第1の部分(105)であって、前記第1の光入力面(110)が、第1の光源(205)から第1の光線を受光するとともに前記第1の光線を光出力面(115)に向かって直接透過させて、光が前記光学部品(100)を出るようにする、前記
複数の第1の部分(105)と、
-
各々が第2の光入力面(125)を含む
複数の第2の部分(120)であって、前記第2の光入力面(125)が第2の光源(210)から第2の光線を受光するとともに、前記第2の光線を前記光出力面(115)に向かって透過させて、前記第2の光線が前記光出力面(115)の第2のゾーン(220)を通って前記光学部品(100)から出る前に、前記光出力面(115)の第1のゾーン(215)で全内部反射によって少なくとも1回反射されるようにする、前記
複数の第2の部分(120)と、
を備え、
前記複数の第2の部分(120)は分離されており、かつ、マトリックス状に配置されていることを特徴とする、光学部品(100)。
【請求項2】
自動車用の光学部品(100)であって、
-
各々が第1の光入力面(110)を含む
複数の第1の部分(105)であって、前記第1の光入力面(110)が、第1の光源(205)から第1の光線を受光するとともに前記第1の光線を光出力面(115)に向かって直接透過させて、光が前記光学部品(100)を出るようにする、前記
複数の第1の部分(105)と、
-
各々が第2の光入力面(125)を含む
複数の第2の部分(120)であって、前記第2の光入力面(125)が第2の光源(210)から第2の光線を受光するとともに、前記第2の光線を前記光出力面(115)に向かって透過させて、前記第2の光線が前記光出力面(115)の第2のゾーン(220)を通って前記光学部品(100)から出る前に、前記光出力面(115)の第1のゾーン(215)で全内部反射によって少なくとも1回反射されるようにする、前記
複数の第2の部分(120)と、
を備え、
前記光出力面(115)が複数の湾曲部分(130)を備えていることを特徴とする、光学部品(100)。
【請求項3】
自動車用の光学部品(100)であって、
-
各々が第1の光入力面(110)を含む
複数の第1の部分(105)であって、前記第1の光入力面(110)が、第1の光源(205)から第1の光線を受光するとともに前記第1の光線を光出力面(115)に向かって直接透過させて、光が前記光学部品(100)を出るようにする、前記
複数の第1の部分(105)と、
-
各々が第2の光入力面(125)を含む
複数の第2の部分(120)であって、前記第2の光入力面(125)が第2の光源(210)から第2の光線を受光するとともに、前記第2の光線を前記光出力面(115)に向かって透過させて、前記第2の光線が前記光出力面(115)の第2のゾーン(220)を通って前記光学部品(100)から出る前に、前記光出力面(115)の第1のゾーン(215)で全内部反射によって少なくとも1回反射されるようにする、前記
複数の第2の部分(120)と、
を備え、
光出力面(115)が複数の中空部分(135)を備えていることを特徴とする、光学部品(100)。
【請求項4】
前記中空部分(135)の各々は回転対称であ
り、頂点を有する円錐形を有し、各中空部分(135)は関連付けられた第2の部分(120)と対向し、円錐形の頂点はその関連する第2の部分(120)の中心軸上に中心合わせされていることを特徴とする、請求項
3に記載の光学部品(100)。
【請求項5】
前記光出力面(115)が複数の湾曲部分(130)をさらに備え、
前記湾曲部分(130)が、マトリックス状に、かつ
前記中空部分(135)と交互に配置されていることを特徴とする、
請求項4に記載の光学部品(100)。
【請求項6】
前記第2の部分は、前記第1の部分から突出していることを特徴とする、
請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の光学部品(100)。
【請求項7】
前記第1の光入力面
が、ピローおよび/またはフルートおよび/またはコーンおよび/またはグレイニングを含
む光学パターンを備えていることを特徴とする、
請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の光学部品(100)。
【請求項8】
前記複数の第1の部分(105)の複数の第1の入力面(110)が1つの連結された面を形成していることを特徴とする、
請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の光学部品(100)。
【請求項9】
- 請求項
1から8のうちのいずれか一項に記載の光学部品(100)と、
- 各々が、第1の部分(105)の関連付けられた第1の光入力面(110)に対向している複数の第1の光源(205)と、
- 各々が、第2の部分(120)の関連付けられた第2の光入力面(125)に対向している複数の第2の光源(210)と、
を備え、
第1の光入力面(110)の各々が1つの第1の光源(205)に関連付けられ、第2の光入力面(125)の各々が1つの第2の光源(210)に関連付けられている、発光モジュール。
【請求項10】
前記複数の第1の光源(205)は、前記複数の第2の光源(210)によって放出される光束とは異なる光束を放出するように適合されていることを特徴とする、請求項
9に記載の発光モジュール。
【請求項11】
- 前面開口部を有するハウジングと
- 前記ハウジングに配置された、請求項
9または10に記載の少なくとも1つの発光モジュールと、
を備えた発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の発光装置は、自動車の外部に配置され、特にセキュリティ目的のために、他の道路ユーザに対して、車両の存在を表示するとともに、車両の運転者の意図、例えばブレーキング、運転方向の変更、後退を表示する。他の装置は、車両の内部に配置され、乗客を照明し、乗客が車両に入ることを歓迎し、あるいは車室内に特別な環境光を発生させる。
【0003】
より多くの制約がこれらの装置に適用される。自動車製造業者は、実際には、その照明された外観の均質性に関して要求を増加させてきた。さらに、それらを車両に設置するのに利用可能な容積は、厚さであろうが幅であろうが、どんどん低減されてきている。さらに、このような装置は、同じ発光面上において、大きな光束振幅を有する機能と、非常に異なる光束を同時に放出するいくつかの機能とを生成することができなければならない。
【0004】
しかしながら、良好な均質性を有する公知の発光装置は一般に嵩張る。逆に、嵩張るものではないものは均質性が悪い。さらに、それらは、いくつかの光機能を放出するときに良好な均質性を確保するのにも不十分である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、自動車の公知の発光装置の上述した欠点を解決することである。特に、本発明の目的は、嵩張らず、いくつかの照明および/またはシグナリング機能、例えばテール点灯機能およびターンインジケータ機能を実行する場合に、良好な均質性を確保することができる発光装置を提供することである。
【0006】
本発明は、本発明による光学部品を備えた発光モジュールを提案する。
【0007】
より具体的には、本発明は、
- 第1の光入力面を含む少なくとも1つの第1の部分であって、前記第1の光入力面が、第1の光源から第1の光線を受光するとともに前記第1の光線を光出力面に向かって直接透過させて、光が光学部品を出るようにする、前記第1の部分と、
- 第2の光入力面を含む少なくとも1つの第2の部分であって、前記第2の光入力面が第2の光源から第2の光線を受光するとともに、前記第2の光線を前記光出力面に向かって透過させて、前記第2の光線が前記光出力面の第2のゾーンを通って前記光学部品から出る前に、前記光出力面の第1のゾーンで全内部反射(total internal reflection)によって少なくとも1回反射されるようにする、前記第2の部分と、を備えた自動車用光学部品を提案する。
【0008】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、前記少なくとも1つの第2の部分は、前記少なくとも1つの第1の部分から突出している。
【0009】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第2の光入力面は、第1の部分から突出する第2の部分の一端に配置されている。
【0010】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第2の光入力面は平坦である。
【0011】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第2の光入力面は、湾曲しているか、及び/又は、コリメータを構成する。
【0012】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第1の光入力面は平坦である。
【0013】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第1の光入力面は湾曲している。
【0014】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第1の光入力面は、光学的パターン、特にピロー(pillows 枕状)、及び/又は、フルート(flutes 溝状)、及び/又は、コーン(cones 円錐状)、及び/又は、グレイニング(graining シボ状)、を含む。
【0015】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、第1の光入力面は、(複数の)中空円錐(hollow cone)を構成する。
【0016】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、円錐は、それぞれの回転軸線に対して30°から60°の間、好ましくは45°の頂角を有する。
【0017】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、円錐は、0.15mmと0.3mmの間、特に0.2mmの深さを有する。
【0018】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、出力面は湾曲している。
【0019】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、光学部品は、各々が第1光入力面を備える複数の第1の部分と、各々が第2の光入力面を備える複数の第2の部分とを備えている。
【0020】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、(複数の)第1の部分の(複数の)第1入力面が1つの連結された面を形成している。
【0021】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、(複数の)第2の部分は分離されている(バラバラになっている)。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、(複数の)第2の部分はマトリックス状に配置されている。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、第2の部分の各々は、円柱(cylinder)または円錐(cone)の形状を有する。
【0024】
本発明の他の実施形態によれば、第2の部分の各々は回転対称である。
【0025】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、出力面は、複数の湾曲部分を備える。
【0026】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、出力面は、複数の中空部分を備える。
【0027】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、中空部分はそれぞれ回転対称であり、特に、頂点を有する円錐形の形態を有している。
【0028】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、円錐の母線(generating curve)は湾曲している。
【0029】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、(複数の)中空部分は分離されている(バラバラになっている)。
【0030】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、各中空部分は、それと関連付けられた第2の部分と対向している。
【0031】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、円錐の頂点は、その関連する第2の部分の中心軸上に中心合わせされている。
【0032】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、(複数の)湾曲部分はマトリックス状に配置され、(複数の)中空部分と交互に配置されている。
【0033】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、発光モジュールは、
- 本発明による光学部品と、
- 前記少なくとも1つの第1の部分の第1の光入力面に対向して配置された少なくとも1つの第1の光源と、
- 前記少なくとも1つの第2の部分の第2の光入力面に対向して配置された少なくとも1つの第2の光源と、
を備えている。
【0034】
本発明の別の実施形態によれば、発光モジュールは、
- 複数の第1の部分と複数の第2の部分とを備えている本発明による光学部品と、
- 各々が、第1の部分の関連付けられた第1の光入力面に対向している複数の第1の光源と、
- 各々が、第2の部分の関連付けられた第2の光入力面に対向している複数の第2の光源と、
を備えている。
【0035】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、各第1の光入力面は、1つの第1の光源に関連付けられている。
【0036】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、各第2の入力面は、1つの第2の光源に関連付けられている。
【0037】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第1の光源および複数の第2の光源は、半導体光源、特に発光ダイオードである。
【0038】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第1の光源は、複数の第2の光源によって放出される光束とは異なる光束を放出するように適合されている。
【0039】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第1の光源および複数の第2の光源は、赤色、琥珀色、黄色または白色から選ばれた光色を発するように構成されている。
【0040】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第1の光源は、複数の第2の光源によって放出される光色とは異なる光色を放出するように適合されている。
【0041】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第1の光源は、共通の支持体上に配置されている。
【0042】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第2の光源は、共通の支持体上に配置されている。
【0043】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、複数の第1の光源および複数の第2の光源は、1つの共通の支持体上に配置されている。
【0044】
また、本発明は、
- 前面開口部を有するハウジングと、
- ハウジングに配置された本発明による少なくとも1つの発光モジュールと、
を備えた発光装置を提案する。
【0045】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、発光装置は、ハウジングの前面開口部を閉じるアウターレンズをさらに備えており、少なくとも1つの発光モジュールは、ハウジングとアウターレンズによって形成される容積(空間)内に配置されている。
【0046】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、発光装置は、自動車のリアランプ、ヘッドランプ、または内部照明装置である。
【0047】
本発明の非限定的な一実施形態によれば、発光装置は、自動車の内部照明装置であり、光学部品は、ハウジングの前面開口部を閉塞する。
【0048】
すなわち、本発明は、嵩張らず、複数の光機能を発光させたときに良好な均質性を確保できる発光装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
説明を完成させるために、また、本発明をよりよく理解するために、一連の図面を提供する。前記図面は、本明細書の不可欠な部分を形成し、本発明の実施形態を示しているが、これは本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単に本発明をどのように実施することができるかの例示として解釈されるべきである。図面は、以下の特徴を備える。
【0050】
【
図1a】
図1aは、本発明の一実施形態に係る光学部品の斜視図である。
【
図1b】
図1bは、本発明の一実施形態による、
図1aの光学部品の底面図である。
【
図1c】
図1cは、本発明の一実施形態による、
図1bに示した光学部品の底面部分の拡大図である。
【
図1d】
図1dは、本発明の一実施形態による、
図1aの光学部品の上面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による、
図1aに示す光学部品の断面図である。
【
図3a】
図3aは、本発明の一実施形態にしたがって、
図1aの光学部品によって実行される第1の照明/シグナリング機能を表す図である。
【
図3b】
図3bは、本発明の一実施形態にしたがって、
図1aの光学部品によって実行される第2の照明/シグナリング機能を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0052】
本発明は、いくつかの照明および/または合図機能、例えば、テール機能とターンインジケータ機能、テール機能とストップ機能、ポジションまたはパーキング機能とDRL(「Daytime Running Lamp」の略)機能、ポジションまたはパーキング機能とターンインジケータ機能のために光を発する際に、良好な均質性を確保する、発光装置を提供するものである。
【0053】
図1aは、本発明の一実施形態による発光装置の光学部品の斜視図である。
図1bは、本発明の一実施形態による
図1aの光学部品の底面図である。
図1cは、本発明の一実施形態による
図1bに示す光学部品の底面部分の拡大図である。
図1dは、本発明の一実施形態による
図1aの光学部品の上面図である。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、自動車の光学部品100は、第1の光入力面110を含む少なくとも1つの第1の部分105であって、第1の光入力面110が、第1の光源205(
図2に示す)から第1の光線を受光するとともに第1の光線を光出力面115に向かって直接透過させて、第1の光線が光学部品100を出るようにする、第1の部分105を備えている。光学部品100は、さらに、第2の光入力面125を含む少なくとも1つの第2の部分120であって、第2の光入力面125が第2の光源210(
図2に示す)から第2の光線を受光するとともに、第2の光線を光出力面115に向かって透過させて、第2の光線が光出力面115の第2のゾーン220(
図2に示す)を通って光学部品100から出る前に、光出力面115の第1のゾーン215(
図2に示す)で全内部反射によって少なくとも1回反射されるようにする、第2の部分120を備えている。一実施形態では、光出力面115は湾曲形状である。
【0055】
図1aから分かるように、光学部品100の前記少なくとも1つの第2の部分120は、光学部品100の前記少なくとも1つの第1の部分105から突出している。さらに、前記少なくとも1つの第2の部分120は、円錐(錐)形または円筒(筒)形の形態を有している。第2の光入力面125は、第1の部分105から突出している第2の部分120の一端に位置している。
【0056】
一実施形態では、第2の光入力面125は、
図1aに示すように、平坦な形状であってもよい。別の実施形態では、第2の光入力面は、湾曲形状であってもよく、および/または、第2の光源210から放出された光をコリメートするコリメータ(図示せず)を含んでいてもよい。
【0057】
一実施形態では、第1の光入力面110は、
図1aに示すように平坦な形状であってもよい。別の実施形態では、第1の光入力面110は、湾曲した形状であってもよく、および/または、第2の光源210から放出された光をコリメートするコリメータ(図示せず)を含んでいてもよい。さらに、第1の光入力面110は、
図1bにはっきりと見える光学パターン145を含んでいてもよい。光学パターン145は、ピローおよび/またはフルートおよび/またはコーンおよび/またはグレイニングであってもよい。
【0058】
さらに、一実施形態では、第1の光入力面110は、
図1cに示すように、(複数の)中空の円錐(cone)140を備えていてもよい。各コーン140は、頂角または半開角を有する。半開角は、円錐の回転軸に対して、30°~60°、好ましくは45°である。各円錐140は、0.15mmから0.3mmの間、特に0.2mmの深さを有する。
【0059】
本発明の別の実施形態によれば、光学部品100は、複数の第1の部分105と、複数の第2の部分120とを備えている。各第1の部分105は、第1の光源205からの第1の光線を受光するための第1の光入力面110を備えている。さらに、各第2の部分120は、第2の光源210からの第2の光線を受光するための第2の光入力面125を備えている。
【0060】
第1の部分105の第1の入力面110は1つの連結された面を形成し、第2の部分120はバラバラになっている(分離されている)。第2の部分120は、行と列で格子状に編成されたマトリックスに配置されていてもよい。各第2の部分120は、円柱(cylinder)または円錐(cone)の形状を有しており、各第2の部分120は回転対称である。一実施形態では、すべての第2の部分が同じ形状を有している。
【0061】
一実施形態では、各第1の部分105は、複数の第2の部分120に関連付けることができ、すなわち、複数の第2の部分120から来る光を1つの所定の第1の部分の出力面115に向けることができる。
【0062】
光出力面115は、複数の湾曲部分130と、複数の中空部分135とで構成されている。各中空部分135は、回転対称であり、特に、頂点を有する円錐形の形状を有している。さらに、出力面115の(複数の)中空部分135は、
図1aに示すように、ばらばらになっており(分離されており)、各中空部分135は、関連する第2の部分120と対向しており、中空部分135の円錐形の頂点は、その関連する第2の部分120の中心軸「C」と中心合わせされている。さらに、一態様では、光出力面115の湾曲部分130は、
図1aに示すように、マトリックス状に、中空部分135と交互に配置されてもよい。
【0063】
図2を参照して、光学部品100からの光の経路を説明する。
図2は、本発明の一実施形態による、
図1aに示す光学部品100の断面図である。断面は、光学部品100の包括的な延伸面に垂直な面であってかつ2つの第2の部分120の中心を通る面によって得られる。前述したように、本発明の光学部品100は、複数の照明機能および/または合図機能、例えば、テールライティング機能とターンインジケータ機能、テール機能とストップ機能、ポジションまたはパーキング機能とDRL(「Daytime Running Lamp」の略)機能、ポジションまたはパーキング機能とターンインジケータ機能のために光を発する場合に、良好な均質性を確保する。
【0064】
複数の第1の光源205および複数の第2の光源210は、複数の照明および/または合図機能を実行するために、赤色、琥珀色、黄色、または白色から選択された光色を放出するように構成されている。異なる照明および/または合図機能を実行するために異なる色を発光する目的は、当業者には知られており、したがって、本明細書では詳細に説明しない。
【0065】
第1の光源205から放出された第1の光線230の経路は、破線の矢印Aで示されている。なお、
図2および
図3bでは、分かりやすくするために、第1の光線の半分のみが示されている。しかし、光源を中心とした表記されていない垂直軸に対して対称な光線も存在する。第1の光源205から出射された第1の光線は、第1の光入力面110を介して光学部品100に入射し、光出力面115に直接伝送される。すなわち、第1の光線は、光出力面115の湾曲部分130から光学部品100を出る。第2の光源210から出射された第2の光線240は、第2の光入力面125から光学部品100に入り、第2の部分120を通過して光出力面115の第1のゾーン215に向けて透過する。第2の部分120から、透過した第2の光線は、光出力面115の中空部分135に出会い、そこで少なくとも1回反射されて、光出力面115の第2のゾーン220を通って光学部品100から出る。なお、
図2の破線矢印Bは、第2の光源210から出射された第2の光線の経路を示している。このように、提案された光学部品100の構造では、各光源からの光が均一に流れるようになっている。
【0066】
第1の照明/シグナリング機能を実行するために第1の光源205から出射される光線の経路と、第2の照明/シグナリング機能を実行するために第2の光源210から出射される光線の経路は、
図3aと
図3bに別々に示されている。すなわち、本発明によれば、複数の機能を実行するために複数の部品を使用するのではなく、単一の光学部品を使用して複数の照明および/またはシグナリング機能を実行することができる。
【0067】
本発明の別の実施形態によれば、発光モジュールが開示される。発光モジュールは、既述の実施形態で述べたように、少なくとも1つの第1の部分105と少なくとも1つの第2の部分120とを有する光学部品100を備えている。発光モジュールは、前記少なくとも1つの第1の部分105の第1の光入力面110に対向して配置された少なくとも1つの第1の光源205をさらに備えている。さらに、発光モジュールは、前記少なくとも1つの第2の部分120の第2の光入力面125に対向して配置された第2の光源210を含んでいる。
【0068】
本発明の別の実施形態によれば、複数の第1の部分105および複数の第2の部分120を有する発光モジュールが開示される。発光モジュールは、第1の部分105の関連する第1の光入力面110にそれぞれ対向する複数の第1の光源205と、第2の部分120の関連する第2の光入力面125にそれぞれ対向する複数の第2の光源210とを備えている。各第1の部分105は、(1つの)第1の光源205に関連付けられ、各第2の部分120は、(1つの)第2の光源210に関連付けられている。
【0069】
また、複数の第1の光源205および複数の第2の光源210は、例えば発光ダイオードなどの半導体光源である。さらに、複数の第1の光源205は、複数の第2の光源210が放出する光束(light flux)とは異なる光束を放出するように適合されている。さらに、複数の第1の光源205は、複数の第2の光源210が発する光の色とは異なる光の色を発するように適合されている。一側面では、複数の第1の光源205は、共通の支持体上に配置され、複数の第2の光源210は、別の共通の支持体上に配置されている。別の態様では、複数の第1の光源205と複数の第2の光源210の両方が、単一の共通の支持体上に配置されている。
【0070】
一実施形態によれば、本発明は、開口部を有するハウジングと、上記実施形態で説明した少なくとも1つの発光モジュールとを備える発光装置を開示する。前記少なくとも1つの発光モジュールは、ハウジング内に配置される。発光装置は、ハウジングの前面開口部を閉じるアウターレンズをさらに備え、前記少なくとも1つの発光モジュールは、ハウジングとアウターレンズとで形成される容積(空間)内に配置される。発光装置は、自動車のリアランプまたはヘッドランプのいずれかであってもよい。一態様では、発光装置は、自動車の内部照明装置であり、光学部品は、ハウジングの前面開口部を閉塞する。
【0071】
本発明の発光装置は、単一の光学部品を用いて複数の照明機能および/または信号機能を実行することができるため、従来の発光装置と比較して、占有スペースをより少なくすることができる。