(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】ドローン搭乗ルートの処理方法、装置、デバイス及び読み取り可能な媒体
(51)【国際特許分類】
G05D 1/10 20060101AFI20230501BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230501BHJP
G01C 21/24 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
G05D1/10
G06Q50/30
G01C21/24
(21)【出願番号】P 2021563657
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2020080154
(87)【国際公開番号】W WO2020238347
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】201910452768.5
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519274389
【氏名又は名称】北京京▲東▼尚科信息技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG SHANGKE INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8TH FLOOR OF BUILDING, NO. 76, ZHICHUN ROAD, HAIDIAN DISTRICT, BEIJING 100086, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】517241916
【氏名又は名称】北京京東世紀貿易有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG CENTURY TRADING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 201, 2/F, Block C, No.18, Kechuang 11th Street, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】王▲凱▼斌
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513456(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107506959(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローン搭乗ルートの処理方法であって、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定することと、
各搭乗候補車両の現在地に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定することと、
前記搭乗飛行ルートに基づき、前記ドローンが少なくとも1台の前記搭乗候補車両に搭乗するように制御することと、を含
み、
前記飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定することは、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、前記自律飛行ルートに対応するジオフェンスを計算することと、
初期候補車両として、走行ルートの少なくとも一部が前記ジオフェンス内にある車両を選択することと、
前記初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別することと、を含み、
前記初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別することは、
前記初期候補車両の前記ジオフェンスにおける領域走行方向、領域直線距離及び領域実際距離を計算することと、
前記初期候補車両の前記ジオフェンスにおける領域実際距離、及び、平均走行速度に基づき、前記初期候補車両の前記ジオフェンス内における予定走行時間を計算することと、
前記初期候補車両の前記ジオフェンス内における予定走行時間、及び、前記初期候補車両の前記ジオフェンスにおける領域直線距離に基づき、前記初期候補車両の前記ジオフェンス内における領域直線速度を計算することと、
前記初期候補車両の前記ジオフェンスにおける領域走行方向に基づき、前記初期候補車両の領域直線速度の前記ドローンの自律飛行方向での速度成分を計算することと、
前記速度成分が第2の速度のしきい値より大きい車両を搭乗候補車両とすることと、を含むことを特徴とするドローン搭乗ルートの処理方法。
【請求項2】
前記初期候補車両の前記ジオフェンスにおける領域走行方向、領域直線距離及び領域実際距離を計算することは、
前記初期候補車両の前記ジオフェンス内における方向始点と方向終点を決定することと、
前記初期候補車両の前記ジオフェンスにおける領域走行方向を前記方向始点から前記方向終点へ指すことと、
前記領域直線距離を前記方向始点から前記方向終点までの直線の長さにすることと、
前記領域実際距離を走行ルートに沿って前記方向始点から前記方向終点までの前記初期候補車両の実際の走行の長さにすることと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記方向始点は、前記初期候補車両の走行ルートにおける、前記ジオフェンス内にあるルートの一部の開始点であり、
前記方向終点は、前記初期候補車両の走行ルートにおける、前記ジオフェンス内にあるルートの一部の終止点であることを特徴とする請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の速度のしきい値は、所定の比率値と前記ドローンの平均飛行速度との積であることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の方法。
【請求項5】
各搭乗候補車両の現在地に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定することは、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定することを含むことを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを計算して得ることは、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点を計算することと、
前記各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算することと、
各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、最後の候補離陸点、及び前記ドローンの候補乗り換えルートに基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成することと、を含むことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算することは、
走行ルートにおける、前記最初の候補搭乗点を含む各搭乗候補車両を候補乗り換え目標として、各前記最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートを計算することであって、前記最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートとは、当該最初の候補搭乗点に対応する走行ルートにおける第1の途中離陸点より、1つの候補乗り換え目標の走行ルートにおける第1の途中搭乗点までの飛行ルートのことであることと、
走行ルートにおける、前記最後の候補離陸点を含む各搭乗候補車両を候補乗り換え目標として、前記最初の候補乗り換えルートに基づき、各前記最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートを計算することであって、前記最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートとは、当該最初の候補乗り換えルートの第1の途中搭乗点に対応する走行ルートにおける第2の途中離陸点より、1つの候補乗り換え目標の走行ルートにおける第2の途中搭乗点までの飛行ルートのことであることと、を含むことを特徴とする請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点を計算することは、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける搭乗候補点を計算し、前記ドローンを前記飛行始点から前記搭乗候補点まで飛ばせると同時に、各搭乗候補車両が対応する前記搭乗候補点まで走行することと、
搭乗候補車両の走行ルートには搭乗候補点が複数ある場合、当該複数の搭乗候補点に対応するドローン搭乗乗り換え時間を計算し、対応するドローン搭乗乗り換え時間が最も短い搭乗候補点を当該搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点とすることと、を含み、
前記ドローン搭乗乗り換え時間とは、前記ドローンが前記飛行始点から当該搭乗候補点まで飛行するのに必要な時間であることを特徴とする請求項
6又は
7に記載の方法。
【請求項9】
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最後の候補離陸点を計算することは、
各搭乗候補車両の走行ルートにおける、ドローンを飛び去る可能にする道路区間において、前記飛行終点に最も近い点を最後の候補離陸点とすることを含むことを特徴とする請求項
6~
8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ドローンが前記搭乗飛行ルートに基づき、少なくとも1台の前記搭乗候補車両に搭乗するように制御することは、
所定の時間おきに、前記ドローンが次に搭乗しようとするターゲット車両の走行速度と所在地を取得することと、
前記ドローンの平均飛行速度と所在地に基づき、前記ドローンが前記ターゲット車両に搭乗する搭乗点位置を更新することと、
更新された前記搭乗点位置に基づき、前記ドローンが前記ターゲット車両に搭乗するように制御することと、を含むことを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ドローン搭乗ルートの処理装置であって、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定するための車両選択モジュールと、
各搭乗候補車両の現在地に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定するための搭乗ルート計算モジュールと、
前記搭乗飛行ルートに基づき、前記ドローンが少なくとも1台の前記搭乗候補車両に搭乗するように制御するための搭乗制御モジュールと、を含
み、
前記車両選択モジュールは、さらに、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、自律飛行ルートに対応するジオフェンスを計算し、初期候補車両として、走行ルートの少なくとも一部がジオフェンス内にある車両を選択し、初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別するために用いられ、
前記車両選択モジュールは、さらに、
初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向、領域直線距離及び領域実際距離を計算し、初期候補車両のジオフェンスにおける領域実際距離と平均走行速度に基づき、初期候補車両のジオフェンス内における予定走行時間を計算し、初期候補車両のジオフェンス内における予定走行時間、及び、初期候補車両のジオフェンスにおける領域直線距離に基づき、初期候補車両のジオフェンス内における領域直線速度を計算し、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向に基づき、初期候補車両の領域直線速度のドローンの自律飛行方向での速度成分を計算し、速度成分が第2の速度のしきい値より大きい車両を搭乗候補車両とするために用いられることを特徴とするドローン搭乗ルートの処理装置。
【請求項12】
ドローン搭乗ルートの処理デバイスであって、
メモリと、プロセッサと、前記メモリ内に記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~
10のいずれか1項に記載の方法を実現することを特徴とするドローン搭乗ルートの処理デバイス。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~
10のいずれか1項に記載の方法を実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年05月28日に中国特許局に提出した、出願番号が201910452768.5で、発明の名称が「ドローン搭乗ルートの処理方法、装置、デバイス及び読み取り可能な媒体」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
本発明の実施例は、ドローン技術分野に関し、特に、ドローン搭乗ルートの処理方法、装置、デバイス及び読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローン技術の発展につれ、ドローンは、物流分野にも応用されるようになった。現在、パッケージを配送するためのドローンの飛行は、独自の動力に依存して、既定の飛行ルートに従って始点から終点へと飛んでいく。
【0003】
しかし、通常の配送ルートが長く、ドローンのバッテリー容量が限られており、独自の動力に依存するドローンは、飛行距離が短く、配送ルートの長い片道又は往復の旅程を完成させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、従来技術において、ドローンバッテリー容量が限られており、独自の動力に依存するドローンの飛行距離が短い問題を解決するために、ドローン搭乗ルートの処理方法、装置、デバイス及び読み取り可能な媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の一態様では、ドローン搭乗ルートの処理方法を提供し、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定することと、
各搭乗候補車両の現在地に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定することと、
前記搭乗飛行ルートに基づき、前記ドローンが少なくとも1台の前記搭乗候補車両に搭乗するように制御することと、を含む。
【0006】
本発明の実施例の他の態様では、ドローン搭乗ルートの処理装置を提供し、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定するための車両選択モジュールと、
各搭乗候補車両の現在地に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定するための搭乗ルート計算モジュールと、
前記搭乗飛行ルートに基づき、前記ドローンが少なくとも1台の前記搭乗候補車両に搭乗するように制御するための搭乗制御モジュールと、を含む。
【0007】
本発明の実施例の他の態様では、ドローン搭乗ルートの処理デバイスを提供し、
メモリと、プロセッサと、前記メモリ内に記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、上記に記載のドローン搭乗ルートの処理方法を実施する。
【0008】
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記に記載のドローン搭乗ルートの処理方法を実施する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法、装置、デバイス及び読み取り可能な媒体は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定すること、及び、各搭乗候補車両の現在地に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定すること、及び、前記搭乗飛行ルートに基づき、前記ドローンが少なくとも1台の前記搭乗候補車両に搭乗し、前記飛行始点から前記飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、飛行始点から前記飛行終点まで走行する期間中に、ドローンが少なくとも1台の車両に搭乗することで、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間の大幅な短縮、大幅なドローン電気量消耗の節約、ドローンの配送距離の延長を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例一により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例二により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例二により提供されるドローン搭乗ルートの概略図である。
【
図4】本発明の実施例三により提供されるドローン搭乗ルートの処理装置の構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例五により提供されるドローン搭乗ルートの処理デバイスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の明確な実施例は、上記図面を用いて示されており、詳細な内容について、また後述する。これらの図面や文字の説明は、本願の実施例に係る構想範囲を如何なる方法で限定する目的ではなく、いくつかの実施例を参照して当業者のために本願の概念を説明している。
以下、図面で示す例示的な実施例について、詳細に説明する。以下、図面に関する説明において、別に明記されていない限り、異なる図面の中の同一の数字が、同一の又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例に記載する実施形態は、本願の実施例に一致するすべての実施形態の分だけを代表しない反面、添付される特許請求の範囲において詳細に説明する、本願の実施例のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例にすぎない。
【0012】
まず、本発明の実施例において及ばれている専門用語について解釈する。
【0013】
ジオフェンス(Geo-fencing)とは、LBS(Location Based Service、ロケーションベースのサービス)の新しい応用であり、仮想のフェンスを使用して仮想の地理的境界を囲むことである。携帯電話などのモバイル端末がジオフェンス内の地理的領域に出入りしたり、当該領域内に活動したりすると、モバイル端末は、自動通知及び警告情報を受信することができる。
【0014】
POIとは、「Point of Interest」の略語であり、「関心ポイント」とも呼ばれる。地図では、POIは、家屋、店舗、郵便ポスト、バス停などであってもよい。
【0015】
有向線分とは、方向を指定している線分のことである。有向線分は、一点から他方の点への方向を指しており、このとき、有向線分の両端が順序付きの両端であり、前の点が有向線分の始点と呼び、他方の点が有向線分の終点と呼ばれる。
【0016】
また、用語の「第1」、「第2」などは、目的の説明のためにのみ使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するか、または、示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解することができない。以下の各実施例の説明において、「複数」は、別に明記されていない限り、2つ以上を意味する。
【0017】
以下のいくつかの実施例は、組み合わせることができ、同一又は類似の概念又はプロセスについて、一部の実施例において繰り返して説明しない場合がある。以下、図面を参照しながら本願の実施例について説明する。
【0018】
実施例一
【0019】
図1は、本発明の実施例一により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法のフローチャートである。本発明の実施例は、従来技術において、ドローンバッテリー容量が限られており、独自の動力に依存するドローンの飛行距離が短い問題について、ドローン搭乗ルートの処理方法を提供する。本実施例に係る方法は、ドローン搭乗ルートの処理デバイスに適用され、当該ドローン搭乗ルートの処理デバイスは、ドローン、ドローン制御デバイスであるか、または、ドローンの飛行を制御及び管理するためのサーバなどであってもよく、他の実施例において、当該方法は、さらに、他のデバイスに適用することもでき、本実施例において、ドローン搭乗ルートの処理デバイスを例として例示的に説明する。
図1に示すように、当該方法の具体的なステップは、以下の通りになっている。
【0020】
ステップS101、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定する。
【0021】
本実施例において、まず、何の車両にも搭乗しない場合に、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートを取得する。本実施例は、物品を配送するためのドローンの旅程又は物品を目的地まで輸送させた後の帰り旅程に適用することができる。
【0022】
飛行始点は、ドローンの離陸地点で、飛行終点は、ドローンの目的地である。
【0023】
選択的に、飛行始点と飛行終点は、POIの形で示すことができる。例えば、飛行始点は、ドローン離陸前の所在地の緯度と経度に基づいて決定される始点POIで、飛行終点は、ドローンによる物品配送の配送先の住所に対応するドローンサイトの緯度と経度に基づいて決定される終点POIであり得る。
【0024】
ドローンの自律飛行ルートを決定した後、ドローンの自律飛行ルートに基づき、ドローン自律飛行ルートの両側の指定された幅内の領域を特定の地理的領域とすることにより、今回の自律飛行ルートに対応するジオフェンスを決定し、さらに、走行ルートの少なくとも一部が当該ジオフェンス内ある車両から、走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選択する。
【0025】
指定された幅は、今回の自律飛行ルートに基づいて計算して得られてもよく、もしくは、指定された幅は、当業者により実際の応用シーンに応じて設定されてもよく、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0026】
例えば、指定された幅は、プリセットのスケールパラメータに自律飛行ルートの長さをかけたものにされてもよく、プリセットのスケールパラメータは、当業者により実際の応用シーンに応じて設定されてもよく、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0027】
走行速度が満たす所定の条件は、車両の走行速度を速すぎたり遅すぎたりしないように制限するために用いられ、当業者により実際の応用シーン及び経験値に応じて設定されてもよく、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0028】
なお、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートを決定した後に、さらに、飛行始点、飛行終点及び自律飛行ルートを電子地図に表示することもできる。
【0029】
ステップS102、各搭乗候補車両の現在地に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを決定する。
【0030】
搭乗候補車両を決定した後に、各搭乗候補車両の現在地に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを決定することができる。
【0031】
例示的に、当該ステップの他の実行可能な実施形態として、
各搭乗候補車両とドローン飛行始点との間の距離を計算し、ドローン飛行始点との距離が所定の距離の値より小さい搭乗候補車両の現在地を最初の搭乗点として、これらの搭乗候補車両が今回自律飛行ルートに対応するジオフェンスを離れる位置を対応する最後の離陸点として、搭乗候補車両ごとに、搭乗候補飛行ルートを生成する。
【0032】
この実施形態において、ドローンが1台の車両のみに搭乗し、搭乗候補車両が現在地でドローンの搭乗を待ち、車両は、ドローンが車両に搭乗した後に、走行ルートに沿って走行する。
【0033】
例示的に、当該ステップの他の実行可能な実施形態として、
各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の搭乗点を決定し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の搭乗点が当該走行ルートにおけるドローンの飛行始点に最も近い位置であってもよく、これらの搭乗候補車両が今回自律飛行ルートに対応するジオフェンスを離れる位置を対応する最後の離陸点として、搭乗候補車両ごとに、搭乗候補飛行ルートを生成する。
【0034】
この実施形態において、ドローンが1台の車両のみに搭乗し、ドローンと搭乗候補車両が同時に最初の搭乗点に移動し、ドローンが先に最初の搭乗点に到達すれば、ドローンは搭乗候補車両が到達するのを待つが、搭乗候補車両が先に最初の搭乗点に到達すれば、搭乗候補車両は、ドローンが到達するのを待つ。ドローンは最初の搭乗点で車両に搭乗し、車両は、ドローンが車両に搭乗した後に、走行ルートに沿って走行する。
【0035】
例示的に、当該ステップの他の実行可能な実施形態として、
搭乗候補車両を決定した後に、各搭乗候補車両の現在地に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点を計算し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算し、さらに、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、ドローンの候補乗り換えルート、及び各搭乗候補車両の走行ルートにおける最後の候補離陸点に基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成し、そして、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートからドローンの搭乗飛行ルートとして最適なルートを選択する。
【0036】
この実施形態において、ドローンは、1台又は複数台の車両に搭乗することができる。
【0037】
例示的に、当該ステップの1つの実行可能な実施形態として、
搭乗候補車両を決定した後に、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点を計算し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算し、さらに、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、ドローンの候補乗り換えルート、及び各搭乗候補車両の走行ルートにおける最後の候補離陸点に基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成し、そして、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートからドローンの搭乗飛行ルートとして最適なルートを選択する。
【0038】
この実施形態において、ドローンは、1台又は複数台の車両に搭乗することができ、この実施形態は、搭乗候補車両の走行ルートと速度を組み合わせて、ドローンの搭乗飛行ルートを決定することにより、ドローンの搭乗飛行ルートをより合理的に調整することができ、その結果、ドローンができる限り車両に搭乗し、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間を削減させる、。
【0039】
ステップS103、搭乗飛行ルートに基づき、ドローンが少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗するように制御する。
【0040】
ドローンの搭乗飛行ルートを決定した後に、ドローンが搭乗飛行ルートに従って、1台又は複数台の搭乗候補車両に搭乗して飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、ドローンが車両に搭乗して今回の旅程を完成するように実現させる。
【0041】
本発明の実施例は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定し、各搭乗候補車両の現在地に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを決定し、搭乗飛行ルートに基づき、ドローンが少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して、飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、飛行始点から飛行終点まで走行する期間中に、ドローンが少なくとも1台の車両に搭乗することで、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間の大幅な短縮、大幅なドローン電気量消耗の節約、ドローンの配送距離の延長を実現させる。
【0042】
実施例二
【0043】
図2は、本発明の実施例二により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法のフローチャートであり、
図3は、本発明の実施例二により提供されるドローン搭乗ルートの概略図である。上記実施例一に基づき、本実施例において、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定することは、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、自律飛行ルートに対応するジオフェンスを計算することと、初期候補車両として、現在の走行ルートの少なくとも一部がジオフェンス内にある車両を取得することと、初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別することと、を含む。なお、本実施例において、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを計算して得る。具体的に、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点を計算し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、最後の候補離陸点、及びドローンの候補乗り換えルートに基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成するような方法を採用して実現することができる。
図2に示すように、当該方法の具体的なステップは、以下の通りである。
【0044】
ステップS201、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、自律飛行ルートに対応するジオフェンスを計算する。
【0045】
本実施例において、ドローンの自律飛行ルートに基づき、ドローン自律飛行ルートの両側の指定された幅内の領域を特定の地理的領域とすることにより、今回自律飛行ルートに対応するジオフェンスを決定することができる。例えば、指定された幅が2kmであると、自律飛行ルートに対応するジオフェンスが自律飛行ルートの両側の2km幅内の領域となる。
【0046】
例えば、ジオフェンスの仮想境界は、ドローン自律飛行ルートに平行して、自律飛行ルートと指定された幅の間隔を置いた曲線(又は直線)と、飛行始点での自律飛行ルートの垂直線と、飛行終点での自律飛行ルートの垂直線で囲まれた境界線と、を含むことができる。
【0047】
指定された幅は、今回の自律飛行ルートに基づいて計算して得られてもよく、もしくは、指定された幅は当業者により実際の応用シーンに応じて設定されてもよく、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0048】
選択的に、例えば、指定された幅は、プリセットのスケールパラメータに自律飛行ルートの長さをかけたものにされてもよく、プリセットのスケールパラメータは、当業者により実際の応用シーンに応じて設定されてもよく、本実施例において、これは、具体的に限定されない。例えば、指定された幅は、ドローン自律飛行ルートの長さの二分の一であってもよい。
【0049】
ステップS202、初期候補車両として、走行ルートの少なくとも一部がジオフェンス内にある車両を選択する。
【0050】
当該ステップでは、まず、ドローンを載せる能力を持つ走行中の車両の、平均走行速度、現在地、目的地位置、及び走行ルートを含むリアルタイムなデータを取得する。車両の走行ルートとは、車両が現在地から目的地位置まで走行する走行ルートのことである。
【0051】
車両の現在地と目的地位置は、緯度と経度との値であってもよく、もしくは、緯度と経度との値によって決定されるPOI情報であってもよい。
【0052】
選択的に、車両の現在地と目的地位置を取得した後に、車両の現在地と目的地位置に基づき、車両が現在地から目的地位置まで走行する走行ルートを計算して得ることができる。
【0053】
例えば、車両の現在地の緯度と経度及び目的地の緯度と経度に基づき、車両の現在地点POIと目的地POIを生成し、そして、車両の現在地点POIから目的地POIまでの走行ルートを計算する。
【0054】
選択的に、各車両の走行ルートを決定した後に、各車両の現在地、目的地位置及び走行ルートを電子地図に表示することができる。
【0055】
本実施例において、車両の走行ルートがジオフェンス内にまったくない場合、車両の走行ルートがドローンの自律飛行ルートから大きく外れていることを証明し、これらの車両は、ドローンの搭乗目標車両とされることができない。
【0056】
当該ステップでは、各車両の走行ルートに基づき、初期候補車両として、少なくとも一部の走行ルートがジオフェンス内にある車両を選別する。
【0057】
ステップS203、初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別する。
【0058】
当該ステップでは、搭乗候補車両を選別するとき、車両の走行速度が満たす所定の条件は、少なくとも、車両の平均走行速度が第1の速度のしきい値より大きいことを含む。
【0059】
第1の速度のしきい値は、当業者により実際の必要に応じて設定されることができ、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0060】
さらに、初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別することは、さらに、
初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向、領域直線距離及び領域実際距離を計算することと、初期候補車両のジオフェンスにおける領域実際距離と平均走行速度に基づき、初期候補車両のジオフェンス内にある予定走行時間を計算することと、初期候補車両のジオフェンス内にある予定走行時間、及び、初期候補車両のジオフェンスにおける領域直線距離に基づき、初期候補車両のジオフェンス内にある領域直線速度を計算することと、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向に基づき、初期候補車両の領域直線速度のドローンの自律飛行方向での速度成分を計算することと、速度成分が第2の速度のしきい値より大きい車両を搭乗候補車両とすることと、を含むことができる。
【0061】
第2の速度のしきい値は、所定の比率値とドローンの平均飛行速度との積であり、所定の比率値は、当業者により実際の応用シーンと経験によって設定されることができ、本実施において、これは、具体的に限定されない。
【0062】
具体的に、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向、領域直線距離及び領域実際距離を計算することは、
初期候補車両のジオフェンス内における方向始点と方向終点を決定し、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向を方向始点から方向終点へ指し、領域直線距離を方向始点から方向終点までの直線の長さにし、領域実際距離を走行ルートに沿って方向始点から方向終点までの初期候補車両の実際の走行の長さにするような方法を採用して実施されることができる。
【0063】
方向始点は、初期候補車両の走行ルートのうち、ジオフェンス内にあるルートの一部の開始点であり、方向終点は、初期候補車両の走行ルートのうち、ジオフェンス内にあるルートの一部の終止点である。
【0064】
具体的に、初期候補車両の現在地に基づき、初期候補車両の現在地がジオフェンス内にある場合、当該初期候補車両のジオフェンス内における方向始点は、当該初期候補車両の現在地となるが、初期候補車両の現在地がジオフェンス内にない場合、当該初期候補車両のジオフェンス内における方向始点は、当該初期候補車両が走行線路に沿って走行してジオフェンスに入る最初の点となる。
【0065】
初期候補車両の目的地位置に基づき、初期候補車両の目的地位置がジオフェンス内にある場合、当該初期候補車両のジオフェンス内における方向終点は、当該初期候補車両の目的地位置となるが、初期候補車両の目的地位置がジオフェンス内にない場合、当該初期候補車両のジオフェンス内における方向終点は、当該初期候補車両が走行線路に沿って走行してジオフェンスを出る最後の点となる。
【0066】
さらに、初期候補車両のジオフェンスにおける領域実際距離を平均走行速度で割ると、初期候補車両のジオフェンス内における予定走行時間を計算して得ることができる。
【0067】
初期候補車両のジオフェンス内における予定走行時間に基づき、初期候補車両のジオフェンスにおける領域直線距離を当該予定走行時間で割ると、初期候補車両のジオフェンス内における領域直線速度を計算することができる。
【0068】
ドローンの飛行始点と飛行終点に基づき、飛行始点から飛行終点へ指しているドローンの自律飛行方向を決定することができ、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向と組み合わせて、初期候補車両の領域直線速度のドローンの自律飛行方向での速度成分を計算する。
【0069】
例えば、ドローンの飛行始点と飛行終点をそれぞれEとFで示すと仮定すると、ドローンの自律飛行方向は方向(EF)→となり、1台の初期候補車両のジオフェンス内における方向始点と方向終点をそれぞれAとBに仮定すると、当該初期候補車両のジオフェンス内における領域直線速度の方向は(AB)→となり、当該初期候補車両のジオフェンス内における領域直線速度の方向(EF)→での成分を計算し、当該初期候補車両の領域直線速度のドローンの自律飛行方向での速度成分を得ることができる。
【0070】
さらに、速度成分が第2の速度のしきい値より大きい車両を搭乗候補車両とすることができる。
【0071】
ステップS204、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点を計算する。
【0072】
最初の候補搭乗点とは、ドローンが飛行始点から直接に1台の車両へと飛んで今回の飛行の中の最初の搭乗を実行する位置点のことである。
【0073】
最後の候補離陸点とは、ドローンが現在搭乗している車両から離れて飛行し、直接に飛行終点へと飛んでいくときの位置点のことである。
【0074】
本実施例において、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点を計算することは、具体的に、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける搭乗候補点を計算し、ドローンを飛行始点から搭乗候補点まで飛ばせると同時夷、各搭乗候補車両が対応する搭乗候補点まで走行する。搭乗候補車両の走行ルートには搭乗候補点が複数ある場合、当該複数の搭乗候補点に対応するドローン搭乗乗り換え時間を計算し、対応するドローン搭乗乗り換え時間が最も短い搭乗候補点を当該搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点とするような方法を採用して実現されることができる。
【0075】
ドローン搭乗乗り換え時間とは、ドローンが飛行始点から当該搭乗候補点まで飛行するのに必要な時間のことである。
【0076】
例えば、現時点より、ドローンが飛行始点から1つの搭乗候補車両の走行ルートにおける1つの位置点まで飛行する飛行時間をtn1に、当該搭乗候補車両が現在地から当該位置点まで走行する走行時間をtn2に仮定し、tn1=tn2の場合、当該位置点は、すなわち、ドローンが当該搭乗候補車両に搭乗する1つの搭乗候補点になる。
【0077】
なお、ドローンが飛行始点から1つの搭乗候補車両の走行ルートにおける1つの位置点まで飛行する飛行時間は、ドローンと当該1つの点との間の飛行距離をドローンの平均飛行速度で割ることによって計算して得られることができる。
【0078】
搭乗候補車両が現在地から1つの位置点まで走行する走行時間は、搭乗候補車両が現在地から1つの位置点まで走行する距離を当該搭乗候補車両の平均走行速度で割ることによって得られることができる。
【0079】
選択的に、ステップS203で決定される搭乗候補車両に基づき、すべての搭乗候補車両にその唯一の番号を分配し、電子地図にジオフェンスを表示し、ジオフェンス内にある搭乗候補車両の走行ルートを表示することができ、搭乗候補車両の唯一の番号で走行ルートをマークすることができる。
【0080】
好ましくは、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける搭乗候補点を計算した後に、さらに、搭乗候補点を選別し、具体的に、自律飛行ルートに対応するジオフェンス内にない搭乗候補点を取り除き、ドローンが搭乗不可な位置での搭乗候補点を取り除く。
【0081】
さらに、各搭乗候補車両の走行ルートにおける搭乗候補点を決定した後に、1つの搭乗候補車両までのドローンの搭乗候補点が複数あれば、当該搭乗候補車両の候補搭乗点として、ドローンが飛行始点から搭乗候補点まで飛行する飛行時間が最も短い最初の候補搭乗点を選択する。
【0082】
選択的に、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点を電子地図に表示し、搭乗候補車両の唯一の番号でマークを付けることができる。
【0083】
当該ステップでは、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最後の候補離陸点を計算することは、具体的に、
各搭乗候補車両の走行ルートにおける、ドローンを飛び去る可能にする道路区間において、飛行終点に最も近い点を最後の候補離陸点とするような方法を採用して実現されることができる。
【0084】
具体的に、各搭乗候補車両を循環させ、各搭乗候補車両の走行ルートにおける、ドローンを飛び去る可能にする道路区間において、ドローンの飛行終点に最も近い点を各搭乗候補車両の走行ルートにおける最後の候補離陸点とすることができる。
【0085】
選択的に、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点を電子地図に表示し、搭乗候補車両の唯一の番号でマークを付けることができる。
【0086】
また、本実施例において、ドローンの平均飛行速度は、その場の気象条件(晴れ、雨、雪、霧、風速などの関連情報を含む)によって、履歴データから同じ気象条件下でのドローンの平均飛行速度を得ることができる。
【0087】
ステップS205、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算する。
【0088】
本実施例において、ドローンは、飛行始点から飛行終点へ走行中に、1台又は複数台の車両に搭乗して走行することができる。
【0089】
飛行始点から飛行終点へ走行中に、搭乗車両が多くなるほど、途中で変数が大きくなる(例えば、車両走行が速すぎたり遅すぎたりすることなど)。ドローン搭乗ルートの有効性を向上させるために、飛行始点から飛行終点へ走行中に、ドローンが搭乗する車両は、通常、所定の搭乗数を超えない数である。所定の搭乗数は、当業者により実際の応用シーンと経験によって設定されることができ、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0090】
選択的に、所定の搭乗数は3であってもよく、この場合に、ドローンの候補乗り換えルートを2回計算することができる。
【0091】
当該ステップでは、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算することは、具体的に、
走行ルートにおける、最初の候補搭乗点を含む各搭乗候補車両を候補乗り換え目標として、各最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートを計算し、最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートとは、当該最初の候補搭乗点に対応する走行ルートにおける第1の途中離陸点より、1つの候補乗り換え目標の走行ルートにおける第1の途中搭乗点までの飛行ルートのことであり、走行ルートにおける、最後の候補離陸点を含む各搭乗候補車両を候補乗り換え目標として、最初の候補乗り換えルートに基づき、各最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートを計算し、最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートとは、当該最初の候補乗り換えルートの第1の途中搭乗点に対応する走行ルートにおける第2の途中離陸点より、1つの候補乗り換え目標の走行ルートにおける第2の途中搭乗点までの飛行ルートのことであるような方法を採用して実現されることができる。
【0092】
具体的に、走行ルートに最初の候補搭乗点が含まれる各搭乗候補車両を循環させ、各最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートを計算する。そして、各搭乗候補車両を循環させ(走行ルートに最初の候補搭乗点が含まれない搭乗候補車両を含む)、最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートを計算する。
【0093】
さらに、最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートを計算するとき、最初の候補乗り換えルートの第1の途中離陸点と第1の途中搭乗点を決定するプロセスは、各最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートを計算するとき、二次候補乗り換えルートの第2の途中離陸点と第2の途中搭乗点を決定するプロセスに一致し、具体的に、
ドローンが第1の車両から第2の車両に乗り換える有向線分として、ドローンが飛び去る第1の車両の第1の時刻での第1の運動点と、他の第2の車両の第1の時刻後のT時刻での第2の運動点と、を繋いだ有向線分を決定するような方法を採用して実現されることができる。
【0094】
有向線分の始点は第1の運動点となり、対応する車両はドローンが飛び去る第1の車両となる。有向線分の終点は第2の運動点となり、対応する車両はドローンが乗り換える第2の車両となる。第1の車両は、ドローンが現在搭乗中の車両となり、第2の車両は乗り換え目標として使用できる他の車両となる。
【0095】
これらの有向線分は、ドローンが有向線分の始点から第1の車両を飛び去り、有向線分に沿って飛行し、T時間を経て、有向線分の終点に到達したとき、第2の車両がちょうど有向線分の終点まで走行し、ドローンが第2の車両に搭乗できるという条件を満たす。
【0096】
このように、1つの有向線分の始点と終点を途中離陸点と途中搭乗点とすることができ、当該有向線分を候補乗り換えルートとすることができる。
【0097】
Tは所定の期間であり、従来技術に係る方法を採用し、ドローンの平均飛行速度、第2の車両の平均走行速度、及び第2の車両の走行ルートに基づいて計算して得ることができ、本実施例において繰り返して説明しない。
【0098】
具体的に、第1の車両と第2の車両のセットに対して、第1の時刻は、ドローンが第1の車両に搭乗した時刻からであってもよく、つまり、有向線分の始点の初期状態は、ドローンが第1の車両に搭乗したばかりの位置点である。第1の車両と第2の車両の平均走行速度に基づいて第1の車両と第2の車両との有向線分の将来の変化状況をシミュレートし、ドローンが当該第1の車両から第2の車両に乗り換える乗り換えルートとして、有向線分のすべてがジオフェンス内にあり、長さが最も短い有向線分を選択する。当該有向線分の始点と終点をそれぞれ途中離陸点と途中搭乗点とする。
【0099】
第1の車両は、ドローンが飛行始点から飛行終点まで走行中に最初に搭乗する車両であれば、当該有向線分は、ドローンが当該第1の車両に搭乗する最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートとなる。
【0100】
第1の車両は、ドローンが飛行始点から飛行終点まで走行中に最初に乗り換える車両であれば、当該有向線分は、ドローンが当該第1の車両に乗り換える最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートとなる。
【0101】
ステップS206、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、最後の候補離陸点、及びドローンの候補乗り換えルートに基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成する。
【0102】
上記ステップに基づいて計算して得られる各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、最後の候補離陸点、及びドローンの候補乗り換えルートは、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを組み合わせる。
【0103】
具体的に、上記ステップに基づいて計算される最初の候補搭乗点、各最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルート、各最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルート、及び最後の候補離陸点は、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを組み合わせる。搭乗候補飛行ルートは、最初の候補乗り換えルートを含まなくてもよく、さらに、二次候補乗り換えルートを含まなくてもよい。
【0104】
例えば、
図3に示すように、EとFは、それぞれドローンの飛行始点と飛行終点を示し、ルートABは、搭乗候補車両car1のジオフェンス内における走行ルートを示し、ルートCDは、搭乗候補車両Car2のジオフェンス内における走行ルートを示し、Iは、搭乗候補車両car1の走行ルートにおける最初の候補搭乗点であり、Lは、搭乗候補車両car1の走行ルートにおける最後の候補離陸点であり、Mは、搭乗候補車両Car2の走行ルートにおける最初の候補搭乗点であり、Hは、搭乗候補車両Car2の走行ルートにおける最後の候補離陸点である。有向線分(JK)
→は、car1の走行ルートにおける最初の候補搭乗点Iに対応する最初の候補乗り換えルートである。そこで、ドローンの搭乗候補飛行ルートは、少なくとも、
ドローンが飛行始点EからEI方向に沿って飛行し、ドローンが点Iに到達するとき、car1もちょうど点Iに到達し、ドローンがcar1に搭乗し、点Jに到達すると、ドローンがcar1から飛び去り、JK方向に沿ってK点まで飛行して到達するとき、car2もちょうどK点に到達し、ドローンがK点においてcar2に乗り換え、点Hに到達すると、ドローンがcar2から飛び去り、HF方向に沿って飛行終点Fへと飛んでいく搭乗候補飛行ルート1(「EI-JK-HF」で示され得る)と、
ドローンが飛行始点EからEI方向に沿って飛行し、ドローンが点Iに到達するとき、car1もちょうど点Iに到達し、ドローンがcar1に搭乗し、car1が点Lに到達すると、ドローンがcar1から飛び去り、LF方向に沿って飛行終点Fへと飛んでいく搭乗候補飛行ルート2(「EI-LF」で示され得る)と、
ドローンが飛行始点EからEM方向に沿って飛行し、ドローンが点Mに到達するとき、car2もちょうど点Mに到達し、ドローンがcar2に搭乗し、car2が点Hに到達すると、ドローンがcar2から飛び去り、LF方向に沿って飛行終点Fへと飛んでいく搭乗候補飛行ルート3(「EM-HF」で示され得る)と、を含む。
【0105】
ステップS207、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートからドローンの搭乗飛行ルートとしてルートを1本選択する。
【0106】
本実施例において、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、最後の候補離陸点、及びドローンの候補乗り換えルートに基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成した後に、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートからドローンの搭乗飛行ルートとしてルートを1本選択する。
【0107】
具体的に、ドローンの平均飛行速度と各搭乗候補車両の平均走行速度に基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートでの合計走行時間を計算し、合計走行時間が飛行限定時間より長い搭乗候補飛行ルートを取り除く。
【0108】
搭乗候補飛行ルートでの合計走行時間は、ドローンの飛行時間とドローンが車両に搭乗している時間との和であり、搭乗候補飛行ルート、ドローンの平均飛行速度、及びドローンが搭乗する車両の平均走行速度に基づいて計算して得られることができる。
【0109】
飛行限定時間は、
現時点からドローンが飛行終点に到達する予定到着時点までの残り時間を計算し、ドローンが今回飛行始点から飛行終点に到達する最大合計時間を取得し、残り時間と最大合計時間の中の最小値をドローンが今回飛行始点から飛行終点に到達する飛行限定時間とするような方法を採用して計算して得られることができる。
【0110】
ドローンが今回飛行始点から飛行終点に到達する最大合計時間は、当業者により、ドローンの後続の飛行任務の必要などに応じて設定されることができ、本実施例において、これは、具体的に限定されない。
【0111】
さらに、合計走行時間が飛行限定時間より長い搭乗候補飛行ルートを取り除いた後に、さらに、式であるZ=aX+bYを採用して少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートの最終インデックス値を計算し、最終インデックス値が最も小さい搭乗候補飛行ルートをドローンの搭乗飛行ルートとする。
【0112】
Zは、搭乗候補飛行ルートの最終インデックス値であり、Xは、搭乗候補飛行ルートでの合計走行時間であり、Yは、搭乗候補飛行ルートにおけるドローンの飛行距離又は飛行時間であり、aとbは、プリセットの重み値で、a>=0、b>=0である。
【0113】
選択的に、ドローンの搭乗飛行ルートを決定した後に、電子地図に当該ドローンの搭乗飛行ルートを表示することができる。
【0114】
ステップS208、ドローンが搭乗飛行ルートに基づき、少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御する。
【0115】
ドローンの搭乗飛行ルートを決定した後に、ドローンが搭乗飛行ルートに従って、1台又は複数台の搭乗候補車両に搭乗して飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、ドローンが車両に搭乗して今回の旅程を完成するように実現させる。
【0116】
本実施例において、ドローンが搭乗飛行ルートに基づいて走行するように制御する間に、所定の時間おきに、ドローンが次に搭乗しようとするターゲット車両の走行速度と所在地をリアルタイムに取得し、ドローンの平均飛行速度と所在地に基づき、ドローンが当該ターゲット車両に搭乗する搭乗点位置を更新し、更新された搭乗点位置に基づき、ドローンがターゲット車両に搭乗するように制御する。
【0117】
さらに、更新された搭乗点位置と更新前の搭乗点位置との間のオフセット距離がプリセットのオフセット値より大きい場合、ドローンの現在地を新たな飛行始点として、本実施例により提供される方法を採用し、現在地から飛行終点までの直線をドローンの新たな自律飛行ルートとして、新たな自律飛行ルートに基づいてジオフェンスを更新し、ドローンの搭乗飛行ルートを再計算する。
【0118】
本発明の実施例は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定し、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを計算して得て、ドローンが搭乗飛行ルートに基づき、少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、飛行始点から飛行終点まで走行する期間中に、ドローンが少なくとも1台の車両に搭乗することで、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間の大幅な短縮、大幅なドローン電気量消耗の節約、ドローンの配送距離の延長を実現させる。
【0119】
実施例三
【0120】
図4は、本発明の実施例三により提供されるドローン搭乗ルートの処理装置の構造概略図である。本発明の実施例により提供されるドローン搭乗ルートの処理装置は、ドローン搭乗ルートの処理方法の実施例により提供される処理フローを実行することができる。
図4に示すように、当該ドローン搭乗ルートの処理装置40は、車両選択モジュール401と、搭乗ルート計算モジュール402と、搭乗制御モジュール403と、を含む。
【0121】
具体的に、車両選択モジュール401は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定するために用いられる。
【0122】
搭乗ルート計算モジュール402は、各搭乗候補車両の現在地に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを決定するために用いられる。
【0123】
搭乗制御モジュール403は、搭乗飛行ルートに基づき、ドローンが少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して、飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御するために用いられる。
【0124】
本発明の実施例により提供される装置は、具体的に、上記実施例一により提供される方法の実施例を実行するために用いられることができ、具体的な機能は、本明細書で繰り返して説明しない。
【0125】
本発明の実施例は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定し、各搭乗候補車両の現在地に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを決定し、搭乗飛行ルートに基づき、ドローンが少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して、飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、飛行始点から飛行終点まで走行する期間中に、ドローンが少なくとも1台の車両に搭乗することで、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間の大幅な短縮、大幅なドローン電気量消耗の節約、ドローンの配送距離の延長を実現させる。
【0126】
実施例四
【0127】
上記実施例三に基づき、本実施例において、車両選択モジュールは、さらに、
飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、自律飛行ルートに対応するジオフェンスを計算し、初期候補車両として、走行ルートの少なくとも一部がジオフェンス内にある車両を選択し、初期候補車両から走行速度が所定の条件を満たす車両を搭乗候補車両として選別するために用いられる。
【0128】
選択的に、車両選択モジュールは、さらに、
初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向、領域直線距離及び領域実際距離を計算し、初期候補車両のジオフェンスにおける領域実際距離と平均走行速度に基づき、初期候補車両のジオフェンス内における予定走行時間を計算し、初期候補車両のジオフェンス内における予定走行時間、及び、初期候補車両のジオフェンスにおける領域直線距離に基づき、初期候補車両のジオフェンス内における領域直線速度を計算し、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向に基づき、初期候補車両の領域直線速度のドローンの自律飛行方向での速度成分を計算し、速度成分が第2の速度のしきい値より大きい車両を搭乗候補車両とするために用いられる。
【0129】
選択的に、車両選択モジュールは、さらに、
初期候補車両のジオフェンス内における方向始点と方向終点を決定し、初期候補車両のジオフェンスにおける領域走行方向を方向始点から方向終点へ指し、領域直線距離を方向始点から方向終点までの直線の長さにし、領域実際距離を走行ルートに沿って方向始点から方向終点までの初期候補車両の実際の走行の長さにするために用いられる。
【0130】
選択的に、方向始点は、初期候補車両の走行ルートにおける、ジオフェンス内にあるルートの一部の開始点であり、方向終点は、初期候補車両の走行ルートにおける、ジオフェンス内にあるルートの一部の終止点である。
【0131】
選択的に、第2の速度のしきい値は、所定の比率値とドローンの平均飛行速度との積である。
【0132】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、前記ドローンの搭乗飛行ルートを決定するために用いられる。
【0133】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点を計算し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点と最後の候補離陸点に基づき、ドローンの候補乗り換えルートを計算し、各搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点、最後の候補離陸点、及びドローンの候補乗り換えルートに基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートを生成するために用いられる。
【0134】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
走行ルートにおける、最初の候補搭乗点を含む各搭乗候補車両を候補乗り換え目標として、各最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートを計算し、最初の候補搭乗点に対応する最初の候補乗り換えルートとは、当該最初の候補搭乗点に対応する走行ルートにおける第1の途中離陸点より、1つの候補乗り換え目標の走行ルートにおける第1の途中搭乗点までの飛行ルートのことであり、走行ルートにおける、最後の候補離陸点を含む各搭乗候補車両を候補乗り換え目標として、最初の候補乗り換えルートに基づき、各最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートを計算するために用いられ、最初の候補乗り換えルートに対応する二次候補乗り換えルートとは、当該最初の候補乗り換えルートの第1の途中搭乗点に対応する走行ルートにおける第2の途中離陸点より、1つの候補乗り換え目標の走行ルートにおける第2の途中搭乗点までの飛行ルートのことである。
【0135】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、各搭乗候補車両の走行ルートにおける搭乗候補点を計算し、ドローンを飛行始点から搭乗候補点まで飛ばせると同時に、各搭乗候補車両が対応する搭乗候補点まで走行し、搭乗候補車両の走行ルートには搭乗候補点が複数ある場合、当該複数の搭乗候補点に対応するドローン搭乗乗り換え時間を計算し、対応するドローン搭乗乗り換え時間が最も短い搭乗候補点を当該搭乗候補車両の走行ルートにおける最初の候補搭乗点とするために用いられ、ドローン搭乗乗り換え時間とは、ドローンが飛行始点から当該搭乗候補点まで飛行するのに必要な時間である。
【0136】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
自律飛行ルートに対応するジオフェンス内にない搭乗候補点を取り除き、ドローンが搭乗不可な位置での搭乗候補点を取り除くために用いられる。
【0137】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
各搭乗候補車両の走行ルートにおける、ドローンを飛び去ることが可能な道路区間において、飛行終点に最も近い点を最後の候補離陸点とするために用いられる。
【0138】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
ドローンの平均飛行速度と各搭乗候補車両の平均走行速度に基づき、少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートでの合計走行時間を計算し、合計走行時間が飛行限定時間より長い搭乗候補飛行ルートを取り除くために用いられる。
【0139】
選択的に、搭乗ルート計算モジュールは、さらに、
式であるZ=aX+bYを採用して少なくとも1本の搭乗候補飛行ルートの最終インデックス値を計算し、Zが搭乗候補飛行ルートの最終インデックス値であり、Xが搭乗候補飛行ルートでの合計走行時間であり、Yが搭乗候補飛行ルートにおけるドローンの飛行距離又は飛行時間であり、aとbがプリセットの重み値で、a>=0、b>=0であり、最終インデックス値が最も小さい搭乗候補飛行ルートをドローンの搭乗飛行ルートとするために用いられる。
【0140】
選択的に、搭乗制御モジュールは、さらに、
所定の時間おきに、ドローンが次に搭乗しようとするターゲット車両の走行速度と所在地を取得し、ドローンの平均飛行速度と所在地に基づき、ドローンがターゲット車両に搭乗する搭乗点位置を更新し、更新された搭乗点位置に基づき、ドローンがターゲット車両に搭乗するように制御するために用いられる。
【0141】
本発明の実施例により提供される装置は、具体的に、上記実施例二により提供される方法の実施例を実行するために用いられることができ、具体的な機能は、本明細書で繰り返して説明しない。
【0142】
本発明の実施例は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定し、各搭乗候補車両の現在地、走行ルート及び走行速度に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを計算して得て、ドローンが搭乗飛行ルートに基づき、少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、飛行始点から飛行終点まで走行する期間中に、ドローンが少なくとも1台の車両に搭乗することで、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間の大幅な短縮、大幅なドローン電気量消耗の節約、ドローンの配送距離の延長を実現させる。
【0143】
実施例五
【0144】
図5は、本発明の実施例五により提供されるドローン搭乗ルートの処理デバイスの構造概略図である。
図5に示すように、当該ドローン搭乗ルートの処理デバイス50は、プロセッサ501と、メモリ502と、メモリ502に記憶されており、プロセッサ501により実行可能なコンピュータプログラムと、を含む。
【0145】
プロセッサ501は、メモリ502に記憶されたコンピュータプログラムを実行すると、上記いずれの方法の実施例により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法を実現する。
【0146】
本発明の実施例は、飛行始点から飛行終点までのドローンの自律飛行ルートに基づき、搭乗候補車両を決定し、各搭乗候補車両の現在地に基づき、ドローンの搭乗飛行ルートを決定し、搭乗飛行ルートに基づき、ドローンが少なくとも1台の搭乗候補車両に搭乗して、飛行始点から飛行終点まで走行して到達するように制御することにより、飛行始点から飛行終点まで走行する期間中に、ドローンが少なくとも1台の車両に搭乗することで、独自の動力に依存するドローンの飛行距離と時間の大幅な短縮、大幅なドローン電気量消耗の節約、ドローンの配送距離の延長を実現させる。
【0147】
なお、本発明の実施例は、さらに、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記いずれの方法の実施例により提供されるドローン搭乗ルートの処理方法を実現する。
【0148】
本発明により提供されるいくつかの実施例において、開示される装置及び方法は、その他の形態によって実現されてもよいことを理解するべきである。例えば、上記に説明した装置の実施例は、例示的なものにすぎず、例えば、前記ユニットの分割は、ロジック機能上の分割にすぎず、実際に実現する場合に、その他の分割方法を用いて行うことができ、例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせてもよく、または、他のシステムに集積されてもよく、または、一部の特徴が反映又は実行されなくてもよい。また、表示又は検討される相互間のカップリング又は直接カップリング又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はユニットを介した間接カップリング又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又はその他の形であってもよい。
【0149】
前記分離される部品として説明されるユニットは、物理的に分離されてもよいし、分離されなくてもよい。ユニットとして示される部品は、物理的なユニットであってもよいが、物理的なユニットでなくてもよい。即ち、同一の場所に設けられてもよいが、複数のネットワークユニットに配置されてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部を選択するか、又はすべてのユニットを選択して本実施例に係る技術案の目的を達成することができる。
【0150】
なお、本発明の各実施例における各機能ユニットは1つの処理ユニットに集積されるか、各ユニットが単独で物理的に存在するか、2つ又は2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されることもできる。上記集積されたユニットはハードウェアの形で実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアを加える機能ユニットの形で実現されてもよい。
【0151】
ソフトウェアの機能ユニットの形で実現される上記集積ユニットは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。上記ソフトウェアの機能ユニットは、1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータデバイス(パソコン又はサーバ又はネットワーク機器などであってもよい)又はプロセッサ(processor)に本発明の各実施例に記載の方法のステップの一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能なさまざまな媒体を含む。
【0152】
当業者は、説明の便宜と簡潔さのため、上記各機能モジュールの分割について例を挙げて説明するが、実際の応用には、上記機能を必要に応じて異なる機能モジュールに割り当てて完成させることができ、すなわち、以上に説明した機能のすべて又は一部を完成させるために、装置の内部構造を異なる機能モジュールに分割することを明確に理解することができる。上記に説明した装置の具体的な作業プロセスは、前述した方法の実施例における対応するプロセスを参照することができ、本明細書では繰り返して説明しない。
【0153】
当業者は、本明細書を考慮して本明細書に開示される発明を実践した後に、本発明のその他の実施手段を容易に想到し得る。本発明は、本発明に係るいかなる変形、用途又は適応的変化をカバーすることを目的としており、これらの変形、用途又は適応的変化は、本発明に係る一般的な原理に遵うものであり、本発明により開示されていない本技術分野における周知の常識又は慣用の技術手段を含む。明細書及び実施例は、例示的なものと見なされ、本発明の実の範囲及び精神は、下記の特許請求の範囲により指摘される。
【0154】
本願は、上記に説明した、図面で示された精確な構造に限定されず、本願の範囲から逸脱せずに行われるさまざまな修正及び変更が可能であることを理解すべきである。本願の範囲は、添付される特許請求の範囲のみによって限定される。