(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-28
(45)【発行日】2023-05-11
(54)【発明の名称】端末装置、基地局装置、通信方法、および、集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20230501BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20230501BHJP
【FI】
H04W72/0457 110
H04W16/32
(21)【出願番号】P 2022077763
(22)【出願日】2022-05-10
(62)【分割の表示】P 2017117491の分割
【原出願日】2017-06-15
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】堀 貴子
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Slice availability[online],3GPP TSG RAN WG2 #97bis,3GPP,2017年04月07日,R2-1702552,検索日[2021.05.07],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97bis/Docs/R2-1702568.zip>
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell, AT & T,Tight interworking of evolved LTE and NR[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_01_NR,3GPP,2017年01月19日,R2-1700508,検索日[2023.03.23],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_01_NR/Docs/R2-1700508.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EN-DCをサポートする基地局装置であって、
DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを端末装置に送信する通信部を備え、
前記DRB設定は、前記EN-DCのMCGベアラを確立する処理において使用する設定であり、
前記DRB設定は、DRB識別子、及び、前記DRB識別子と関連付けられたPDCPエンティティ設定を含み、
前記PDCPエンティティ設定は、NR用PDCPエンティティ設定である
基地局装置。
【請求項2】
EN-DCをサポートする基地局装置によって実行される方法であって、
前記方法は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを端末装置に送信し、
前記DRB設定は、前記EN-DCのMCGベアラを確立する処理において使用する設定であり、
前記DRB設定は、DRB識別子、及び、前記DRB識別子と関連付けられたPDCPエンティティ設定を含み、
前記PDCPエンティティ設定は、NR用PDCPエンティティ設定である
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、基地局装置、通信方法、および、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ-移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution(LTE:登録商標)」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access:EUTRA」と称する。)、及びコアネットワーク(以下、「Evolved Packet Core:EPC」)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)において検討されている。
【0003】
また、3GPPにおいて、第5世代のセルラ-システムに向けた無線アクセス方式および無線ネットワーク技術として、LTEの拡張技術であるLTE-Advanced Proおよび新しい無線アクセス技術であるNR(New Radio technology)の技術検討及び規格策定が行われている(非特許文献1)。また第5世代セルラーシステムに向けたコアネットワークである、5GC(5 Generation Core Network)の検討も行われている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP RP-170855,”Work Item on New Radio (NR) Access Technology”
【文献】3GPP TS 23.501,“System Architecture for the 5G System; Stage 2”
【文献】3GPP TS 36.300, “Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA)and Evolved Universal Terestrial Radio Access Network (E-UTRAN);Overall description; Stage 2”
【文献】3GPP TS 36.331,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications”
【文献】3GPP TS 36.323,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification”
【文献】3GPP TS 36.322,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Link Control (RLC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 36.321,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Medium Access Control (MAC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 37.340,“EvolvedUniversal Terestrial Radio Access (E-UTRA)and NR; Multi-Connectivity; Stage 2”
【文献】3GPP TS 38.300, “NR;NR and NG-RAN Overall description; Stage 2”
【文献】3GPP TS 38.331,“NR;Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications”
【文献】3GPP TS 38.323,“NR;Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification”
【文献】3GPP TS 38.322,“NR;Radio Link Control (RLC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 38.321,“NR;Medium Access Control (MAC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 23.401 v14.3.0,“General Packet Radio Service (GPRS) enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN) access”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRの技術検討の一つとして、E-UTRAとNRの両方のRAT(Radio Access Technology)のセルをRAT毎にセルグループ化してUEに割り当て、端末装置と1つ以上の基地局装置とが通信する仕組み(MR-DC:Multi-RAT Dual Connectivity)が検討されている(非特許文献8)。
【0006】
しかしながら、E-UTRAとNRとで利用する通信プロトコルのフォーマットや機能が異なるため、RATとしてE-UTRAのみを用いる従来のLTEでのDual Connectivityに比べ、プロトコル処理が複雑になり、基地局装置と端末装置との通信を効率的に行うことができないという課題があった。
【0007】
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みてなされたもので、基地局装置との通信を効率的に行うことができる端末装置、該端末装置と通信する基地局装置、該端末装置に用いられる通信方法、該基地局装置に用いられる通信方法、該端末装置に実装される集積回路、該基地局装置に実装される集積回路を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の一態様は、EN-DCをサポートする基地局装置であって、DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを端末装置に送信する通信部を備え、前記DRB設定は、前記EN-DCのMCGベアラを確立する処理において使用する設定であり、前記DRB設定は、DRB識別子、及び、前記DRB識別子と関連付けられたPDCPエンティティ設定を含み、前記PDCPエンティティ設定は、NR用PDCPエンティティ設定である。また、本発明の一態様は、EN-DCをサポートする基地局装置によって実行される方法であって、前記方法は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを端末装置に送信し、前記DRB設定は、前記EN-DCのMCGベアラを確立する処理において使用する設定であり、前記DRB設定は、DRB識別子、及び、前記DRB識別子と関連付けられたPDCPエンティティ設定を含み、前記PDCPエンティティ設定は、NR用PDCPエンティティ設定である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、端末装置および基地局装置は、プロトコル処理の複雑さを軽減し、効率的に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の各実施の形態に係る通信システムの概略図。
【
図2】本発明の各実施の形態における、E-UTRAにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック図。
【
図3】本発明の各実施の形態における、NRにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック図。
【
図4】本発明の各実施の形態におけるRRCコネクション再設定手順のフローの一例を示す図。
【
図5】本発明の各実施の形態における端末装置(UE)のブロック図。
【
図6】本発明の実施の形態1におけるDRB設定受信及び設定の一例を示す図。
【
図7】本発明の各実施の形態におけるDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図の一部(一枚目)。
【
図8】本発明の各実施の形態におけるDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図の別の一部(二枚目)。
【
図9】本発明の実施の形態1における端末装置の設定部におけるPDCP設定判断の一例を示す図。
【
図10】本発明の実施の形態2におけるEN-DCの基地局装置側の無線プロトコルアーキテクチャ(protocol architecture)とRBの関係を示す一例の図。
【
図11】本発明の実施の形態2における、MCGベアラ、又はSCGベアラをアンカセルグループのベアラとして確立する場合の、DRB設定受信及び設定の一例を示す図。
【
図12】本発明の実施の形態2における、CGベアラ又はSCGベアラから、スプリットベアラに変更する際の、追加セルグループのDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図。
【
図13】本発明の実施の形態3におけるDRB設定受信及び設定の一例を示す図。
【
図14】本発明の実施の形態3における、SDAP情報を含むDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図。
【
図15】本発明の実施の形態3における、SDAP情報を含むDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図。
【
図16】本発明の各実施の形態におけるDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図の一部(一枚目)。
【
図17】本発明の各実施の形態におけるDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図の別の一部(二枚目)。
【
図18】本発明の各実施の形態におけるDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例を示す図の更に別の一部(三枚目)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
LTE(およびLTE-A Pro)とNRは、異なるRATとして定義されてもよい。またNRは、LTEに含まれる技術として定義されてもよい。LTEは、NRに含まれる技術として定義されてもよい。また、NRとDual connectivityで接続可能なLTEは、従来のLTEと区別されてもよい。本実施形態はNR、LTEおよび他のRATに適用されてよい。以下の説明では、LTEおよびNRに関連する用語を用いて説明するが、他の用語を用いる他の技術において適用されてもよい。
【0013】
図1は本発明の各実施の形態に係る通信システムの概略図である。
【0014】
E-UTRA100は非特許文献3等に記載の無線アクセス技術であり、1つ又は複数の周波数帯域で構成するセルグループ(Cell Group:CG)から成る。eNB(E-UTRAN Node B)102は、E-UTRAの基地局装置である。EPC(Evolved Packet Core)104は、非特許文献14等に記載のコア網であり、E-UTRA用コア網として設計された。インタフェース112はeNB102とEPC104の間のインタフェース(interface)であり、制御信号が通る制御プレーン(Control Plane:CP)と、そのユーザデータが通るユーザプレーン(User Plane:UP)が存在する。
【0015】
NR106は現在3GPPにて検討している新しい無線アクセス技術であり、1つ又は複数の周波数帯域で構成するセルグループ(Cell Group:CG)から成る。gNB(g Node B)108は、NRの基地局装置である。5GC110は、現在3GPPにて検討しているNR用の新しいコア網であり、非特許文献2等に記載される。
【0016】
インタフェース114はeNB102と5GC110の間のインタフェース、インタフェース116はgNB108と5GC110の間のインタフェース、インタフェース118はgNB108とEPC104の間のインタフェース、インタフェース120はeNB102とgNB108の間のインタフェース、インタフェース124はEPC104と5GC110間のインタフェースである。インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、インタフェース124はCPのみ、又はUPのみ、又はCP及びUP両方を通すインタフェースであるが詳細は3GPPにおいて議論中である。また、インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、インタフェース124は、通信事業者が提供する通信システムに応じて存在しない場合もある。
【0017】
UE122はE-UTRA及びNR両方に対応した端末装置である。
【0018】
図2は本発明の各実施の形態における、E-UTRAにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック(Protocol Stack)図である。
【0019】
図2(A)はUE122がeNB102と通信を行う際に用いるUPのプロトコルスタック図である。
【0020】
PHY(Physical layer)200は、無線物理層であり、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供する。PHY200は、後述する上位のMAC(Medium Access Control layer)202とトランスポートチャネル(Transport Channel)で接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC202とPHY200の間でデ-タが移動する。UE122とeNB102のPHY間において、無線物理チャネルを介してデ-タの送受信が行われる。
【0021】
MAC202は、多様な論理チャネル(Logical Channel)を多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う。MAC202は、後述する上位のRLC(Radio Link Control layer)204と、論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ-ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC202は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY200の制御を行う機能、ランダムアクセス(Random Access)手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持つ(非特許文献7)。
【0022】
RLC204は、後述する上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol Layer)206から受信したデ-タを分割(Segmentation)し、下位層が適切にデ-タ送信できるようにデ-タサイズを調節する。また、RLC200は、各デ-タが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持つ。すなわち、RLC204は、デ-タの再送制御等の機能を持つ(非特許文献6)。
【0023】
PDCP206は、ユーザデータであるIPパケット(IP Packet)を無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP206は、デ-タの暗号化の機能も持ってもよい(非特許文献5)。
【0024】
なお、MAC202、RLC204、PDCP206において処理されたデータの事を、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDUと呼ぶ。また、MAC202、RLC204、PDCP206に上位層から渡されるデータの事を、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDUと呼ぶ。
【0025】
図2(B)はUE122がeNB102と通信を行う際に用いるCPのプロトコルスタック図である。
【0026】
CPのプロトコルスタックには、PHY200、MAC202、RLC204、PDCP206に加え、RRC(Radio Resource Control layer)208が存在する。RRC208は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行う。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデ-タ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。eNB102とUE122のRRC208間で各RBの設定が行われてもよい(非特許文献4)。
【0027】
前述のMAC202、RLC204、PDCP206、及びRRC208の機能分類は一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他の層に含まれてもよい。
【0028】
図3は本発明の各実施の形態における、NRにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック(Protocol Stack)図である。
【0029】
図3(A)はUE122がgNB108と通信を行う際に用いるUPのプロトコルスタック図である。
【0030】
PHY(Physical layer)300は、NRの無線物理層であり、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供してもよい。PHY300は、後述する上位のMAC(Medium Access Control layer)302とトランスポートチャネル(Transport Channel)で接続されてもよい。トランスポートチャネルを介して、MAC302とPHY300の間でデ-タが移動してもよい。UE122とgNB108のPHY間において、無線物理チャネルを介してデ-タの送受信が行われてもよい。詳細においてはE-UTRAの無線物理層PHY200とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0031】
MAC302は、多様な論理チャネル(Logical Channel)を多様なトランスポートチャネルにマッピングを行ってもよい。MAC302は、後述する上位のRLC(Radio Link Control layer)304と、論理チャネルで接続されてもよい。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ-ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられてもよい。MAC302は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY300の制御を行う機能、ランダムアクセス(Random Access)手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持ってもよい(非特許文献13)。詳細においてはE-UTRAのMAC202とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0032】
RLC304は、後述する上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol Layer)206から受信したデ-タを分割(Segmentation)し、下位層が適切にデ-タ送信できるようにデ-タサイズを調節してもよい。また、RLC304は、各デ-タが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持っても良い。すなわち、RLC304は、デ-タの再送制御等の機能を持っても良い(非特許文献12)。詳細においてはE-UTRAのRLC204とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0033】
PDCP306は、ユーザデータであるIPパケット(IP Packet)を無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP306は、デ-タの暗号化の機能も持ってもよい(非特許文献11)。詳細においてはE-UTRAのPDCP206とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0034】
SDAP(Service Data Adaptation Protocol)310は、5GC110からgNB108に送られるデータ、及びgNBから5GC110に送られるデータのQoSと、RBのQoSとをマッピングする機能を持ってもよい。(非特許文献9)。SDAP310は、eNB102が直接的に5GC110に繋がる場合、即ちインタフェース114を介して5GCに繋がる場合、又はeNB102が間接的に5GC110に繋がる場合、即ちインタフェース120及びインタフェース116を介して5GCに繋がる場合、E-UTRAのPDCPであるPDCP206の上位層として存在しても良い。詳細においては3GPPにおいて議論中である。
【0035】
なお、MAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310において処理されたデータの事を、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDU、SDAP PDUと呼んでも良い。また、MAC202、RLC204、PDCP206に上位層から渡されるデータの事を、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDU、SDAP SDUと呼んでも良い。
【0036】
図3(B)はUE122がgNB108と通信を行う際に用いるCPのプロトコルスタック図である。
【0037】
CPのプロトコルスタックには、PHY300、MAC302、RLC304、PDCP306に加え、RRC(Radio Resource Control layer)308が存在する。RRC308は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行っても良い。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデ-タ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。gNB108とUE122のRRC208間で各RBの設定が行われてもよい(非特許文献10)。
【0038】
前述のMAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310、及びRRC208の機能分類は一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他の層に含まれてもよい。
【0039】
なお、本発明の実施の形態では、以下E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別するため、MAC202、RLC204、PDCP206、及びRRC208を、それぞれE-UTRA用MAC、E-UTRA用RLC、E-UTRA用PDCP、及びE-UTRA用RRCと呼ぶ事もある。また、MAC302、RLC304、PDCP306、RRC308を、それぞれNR用MAC、NR用RLC、NR用PDCP、及びNR用RRCと呼ぶ事もある。
【0040】
また、
図1に示す通り、eNB102、gNB108、EPC104、5GC110は、インタフェース112、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、及びインタフェース114を介して繋がってもよい。このため、多様な通信システムに対応するため、
図2のRRC208は、
図3のRRC308に置き換えられてもよい。また
図2のPDCP206は、
図3のPDCP306に置き換えられても良い。また、
図3のRRC308は、
図2のRRC208の機能を含んでも良い。また
図3のPDCP306は、
図2のPDCP206であっても良い。
【0041】
図4は本発明の各実施の形態におけるRRCコネクション再設定手順のフローの一例を示す図である。
【0042】
RRCコネクション再設定手順(RRC connection reconfiguration)は、非特許文献4に記載の、E-UTRAにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセカンダリセルの、変更、解放等を行う他、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等のために用いられる手順であるが、NRにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセカンダリセルの追加、変更、解放、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等のために用いられても良く、非特許文献10に記載されてもよい。本発明の各実施の形態において、NRにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセルグループの追加、変更、解放、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等のために用いられ手順を、RRCコネクション再設定手順と呼ぶが、別の名称であっても良い。本発明の各実施の形態におけるRRCコネクション再設定手順はNRにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセルグループの追加、変更、解放、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等を含むRRCコネクション再設定手順であっても良い。
【0043】
図4に示す通り、eNB102又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、RRCコネクション再設定の必要が生じた際、UE122にRRCコネクション再設定要求メッセージ(RRCConnectionReconfigurationメッセージ)を送信する(S400)。RRCコネクション再設定要求メッセージを受信したUE122は、RRCコネクション再設定要求メッセージに含まれる情報(Information Element:IE)等に従って設定を行い、設定が完了した事を通知するため、RRCコネクション再設定要求メッセージの送信元であるeNB102又gNB108、又はeNB及びgNB両方にRRCコネクション再設定完了メッセージ(RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ)を送信しても良い(S402)。なお、RRCConnectionReconfigurationメッセージ及びRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージのメッセージ名は、この通りで無くても良い。また、UE122は、RRCコネクション再設定要求を送信した基地局装置がeNB102であるかgNB108であるかに関わらず、eNB102及びgNB108両方にRRCコネクション再設定完了メッセージを送信しても良い。また、UE122は、RRCコネクション再設定手順のみでなく、他のRRCに関する全て、又は一部の手段(RRCコネクション設定手段、RRCコネクション再設定手段等)に対し、eNB102又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方から送られる要求メッセージ(RRCConnectionSetup、RRCConnectionReestablishment等)に対し、要求メッセージを送信した基地局装置がeNB102であるかgNB108であるかに関わらず、eNB102及びgNB108両方に完了メッセージを送信しても良い。
【0044】
図5は本発明の各実施の形態における端末装置(UE)の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、
図5では、本発明と密接に関連する主な構成部のみを示す。
【0045】
図5に示すUE122は、eNB102、又はgNB108、又はeNB及びgNB両方より、RRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部500、及びRRCコネクション再設定要求メッセージにDRB設定情報(DRB設定)が含まれている場合、このDRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部502から成る。UE122には受信部500、設定部502以外の機能が含まれていても良い。
【0046】
(実施の形態1)
図1~
図9を用いて、本発明の実施の形態1を説明する。
【0047】
図6は本発明の実施の形態におけるDRB設定受信及び設定の一例を示す図である。eNB102、又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、UE122に要求するDRB設定を決定する(S600)。eNB102、又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、DRB設定をコア網(EPC104、又は5GC110、又はEPC104及び5GC110両方)からの情報、又はUE122の能力(Capability)、又はコア網からの情報及びUE122の能力に基づいて決定しても良い。なおコア網からの情報は、UE122が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件に基づいて決められても良い。次にeNB102、又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定要求(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを生成し、UE122へ送信する(S602)。UE122の受信部500は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信し、DRB設定を設定部502に渡す。
【0048】
図7、及び
図8はDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例である。3GPPにおいて、RRCに係る仕様書(非特許文献4、非特許文献10)は、RRCに係るメッセージ、及び情報(Information Element:IE)等をASN.1を用いて記述する。なお、
図7、及び
図8は、一つの図である。即ち
図7は、DRB設定に係るASN.1の一例を示す図のうちの一枚目であり、
図8はDRB設定に係るASN.1の一例を示す図のうちの二枚目である。
図7、及び
図8のASN.1の例で、<略>及び<中略>とは、ASN.1の表記の一部ではなく、他の情報を省略している事を示す。なお<略>又は<中略>という記載の無い所でも、情報が省略されていても良い。
【0049】
図7、及び
図8のうちの
図8において、RRCConnectionReconfigurationメッセージの中に含まれる、DRB-ToAddModが、DRB設定のIEとなっている。
図7、及び
図8のうちの
図8に示す通り、DRB-ToAddModには、DRB識別子のIEであるDRB-Identity、及びDRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Configを含んでも良い。また、
図7、及び
図8のうちの
図8に示す通り、PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Configは、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-EUTRA-Config、又はNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-NR-Configを、選択(CHOICE)して含んでも良い。また
図7、及び
図8のうちの
図8に示す通り、PDCP-EUTRA-Config、及びPDCP-NR-Configには、PDCPのシーケンス番号(Sequence Number:SN)の長さを示すpdcp-SN-Size情報を含んでも良く、このpdcp-SN-Sizeは、7を含む整数であっても良い。
【0050】
図16、
図17、及び
図18は、DRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の別の一例である。なお、
図16、
図17及び
図18は、一つの図である。即ち
図16は、DRB設定に係るASN.1の別の一例を示す図のうちの一枚目であり、
図17はDRB設定に係るASN.1の別の一例を示す図のうちの二枚目であり、
図18はDRB設定に係るASN.1の別の一例を示す図のうちの三枚目である。
図16、
図17、及び
図18のASN.1の例で、<略>及び<中略>とは、ASN.1の表記の一部ではなく、他の情報を省略している事を示す。なお<略>又は<中略>という記載の無い所でも、情報が省略されていても良い。
【0051】
図16、
図17、及び
図18のうちの
図16において、RRCConnectionReconfigurationメッセージは、E-UTRA用RRCコネクション再設定要求のIEであるRRCConnectionReconfiguration-EUTRA-IE、又はNR用RRCコネクション再設定要求のIEであるRRCConnectionReconfiguration-NR-IEを、選択(CHOICE)して含んでも良い。
【0052】
図16、
図17、及び
図18のうちの
図16及び
図17に示す通り、E-UTRA用RRCコネクション再設定要求のIEが選択された場合、E-UTRA用DRB設定のIEである、DRB-ToAddMod-EUTRAを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17に示す通り、DRB-ToAddMod-EUTRAには、DRB識別子のIEであるDRB-Identity、及びDRB識別子に対応した、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-EUTRAを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17及び
図18に示す通り、EUTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-EUTRAは、E-UTRA用PDCPエンティティ設定として更に、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-EUTRA-Config、又はNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-NR-Configを、選択(CHOICE)して含んでも良い。また
図16、
図17、及び
図18のうちの
図18に示す通り、PDCP-EUTRA-Config、及びPDCP-NR-Configには、PDCPのシーケンス番号(Sequence Number:SN)の長さを示すpdcp-SN-Size情報を含んでも良く、このpdcp-SN-Sizeは、7を含む整数であっても良い。
【0053】
また
図16、
図17、及び
図18のうちの
図16及び
図17示す通り、NR用RRCコネクション再設定要求のIEが選択された場合、NR用DRB設定のIEである、DRB-ToAddMod-NRを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17に示す通り、DRB-ToAddMod-NRには、DRB識別子のIEであるDRB-Identity、及びDRB識別子に対応したNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-NRを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17及び
図18に示す通り、NR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-NRは、NR用PDCPエンティティ設定として更に、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-EUTRA-Config、又はNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-NR-Configを、選択(CHOICE)して含んでも良い。また
図16、
図17、及び
図18のうちの
図18に示す通り、PDCP-EUTRA-Config、及びPDCP-NR-Configには、PDCPのシーケンス番号(Sequence Number:SN)の長さを示すpdcp-SN-Size情報を含んでも良く、このpdcp-SN-Sizeは、7を含む整数であっても良い。
【0054】
なお、
図7、及び
図8、及び
図16、
図17、及び
図18におけるASN.1のメッセージ名、IE名、パラメータ名等は一例であり、他の名称でも良い。また、
図7、及び
図8、及び
図16、
図17、及び
図18において、E-UTRA用PDCPエンティティ、及びNR用PDCPエンティティを記述したのと同様の方法で、E-UTRA用RLCエンティティ、及びNR用RLCエンティティが記述されても良い。また、
図7、及び
図8及び
図16、
図17、及び
図18において、E-UTRA用PDCPエンティティ、及びNR用PDCPエンティティを記述したのと同様の方法で、E-UTRA用MACエンティティ(MACMainConfig(不図示)、logicalChannelConfig等)、及びNR用MACエンティティが記述されても良い。
【0055】
図6のS604において、UE122の設定部502がUE122の受信部500から渡されるDRB設定には、少なくともDRB識別子、及びDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定としてE-UTRA用PDCPエンティティ設定、又はNR用PDCPエンティティ設定のどちらかが含まれる。UE122の設定部502はDRB識別子、及びDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定に従い、PDCPエンティティを確立、又は再確立する。
【0056】
図9は本発明の実施の形態における端末装置の設定部におけるPDCP設定判断の一例である。UE122の設定部502は、DRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在するか否かを確認する(S900)。存在しない場合、このDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S902)、含まれる場合にはE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報に従って、E-UTRA用PDCPエンティティを確立する(S904)。一方、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、更にDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S906)、含まれる場合にはNR用PDCPエンティティ設定情報に従って、NR用PDCPエンティティを確立する(S908)。また、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、その他の設定を行う(S918)。
【0057】
また一方で、DRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在する場合、このDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S910)、含まれる場合にはE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報に従って、E-UTRA用PDCPエンティティを再確立する(S912)。一方、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、更にDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S914)、含まれる場合にはNR用PDCPエンティティ設定情報に従って、NR用PDCPエンティティを再確立する(S916)。また、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、その他の設定を行う(S918)。上記再確立処理により、E-UTRA用PDCPエンティティとNR用PDCPエンティティが切り替えられても良い。例えば、現在のUE122の設定に存在する、あるDRB識別子(DRB識別子1とする)と対応するPDCPエンティティ設定がE-UTRA用PDCPエンティティ設定である場合において、受信したRRCコネクション再設定メッセージに含まれるDRB設定に、上述のDRB識別子1が含まれ、このDRB識別子1に対応するPDCPエンティティ設定がNR用PDCPエンティティ設定である場合、DRB識別子1に対応するPDCPエンティティを、NR用PDCPエンティティとして再設定する。同様に、現在のUE122の設定に存在する、あるDRB識別子(DRB識別子2とする)と対応するPDCPエンティティ設定がNR用PDCPエンティティ設定である場合において、受信したRRCコネクション再設定メッセージに含まれるDRB設定に、上述のDRB識別子2が含まれ、このDRB識別子2に対応するPDCPエンティティ設定がE-UTRA用PDCPエンティティ設定である場合、DRB識別子2に対応するPDCPエンティティを、E-UTRA用PDCPエンティティとして再設定する。このようにE-UTRA用PDCPエンティティ設定とNR用PDCPエンティティ設定は、RRCコネクション再設定メッセージによって切り替えられても良い。
【0058】
UE122の設定部502で設定を終えた後、
図6でUE122は、eNB102又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方に、RRCコネクション再設定完了(RRCConnectionReconfigurationComplete)メッセージを送信する(S606)。
【0059】
なお、本実施の形態におけるDRB設定は、RRCコネクション再設定手順だけでなく、RRCコネクション設定(RRC Connection Establishment)手順や、RRCコネクション再設定(RRC Connection Re-Establishment)手順に含まれていても良い。また本実施の形態におけるPDCPエンティティの再確立とは、例えば非特許文献5に記載のハイパーフレーム番号(Hyper Frame Number:HFN)のゼロリセットや、ヘッダ圧縮の初期(Initialization and Refresh:IR)モードへの変更、指定された暗号アルゴリズム(algorithm)及び暗号鍵への変更などを含んでも良い。なお、非特許文献に記述されるハイパーフレーム番号(Hyper Frame Number:HFN)のゼロリセットや、ヘッダ圧縮の初期(Initialization and Refresh:IR)モードへの変更、指定された暗号アルゴリズム(algorithm)及び暗号鍵への変更はE-UTRA用であるが、NR用として適用されても良い。
【0060】
このように、本実施の形態では、端末装置(UE)が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件などに基づいて、E-UTRAの基地局装置(eNB)、又はNRの基地局装置(gNB)、又はeNB及びgNBが、UEとの通信において利用するPDCPエンティティが、E-UTRA用であるかNR用であるかを選択し、UEにRRCコネクション再設定メッセージを用いて通知する。よってUEが利用するアプリケーションサービスに適したPDCPエンティティを確立する事ができ、プロトコル処理の複雑さを軽減した、効率的な通信を行うことができる。
【0061】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、NRの技術の一つとして検討されている、E-UTRAとNRの両方の無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)のセルをRAT毎にセルグループ化してUEに割り当て、UEと1つ以上の基地局装置とが通信する仕組みである、MR-DC(Multi-RAT Dual Connectivity)において、特にEPCをコア網とし、E-UTRA側の基地局装置が後述のマスタ基地局装置となる、EN-DC(E-UTRAN supports Multi-RAT Dual Connectivity (MR-DC) via E-UTRA-NR Dual Connectivity)の場合のDRB設定を説明する。
【0062】
【0063】
図10は、本発明の実施の形態におけるEN-DCの基地局装置側の無線プロトコルアーキテクチャ(protocol architecture)とRBの関係を示す一例の図である。
【0064】
EN-DCは、EPCをコア網とし、E-UTRAの基地局装置をマスタ基地局(Master eNB:MeNB)とし、NRの基地局装置をセカンダリ基地局(Secondery gNB:SgNB)とする、2つの基地局装置がそれぞれ構成するセルグループ、すなわちMeNBが構成するマスタセルグループ(Master Cell Group:MCG)及びSgNBが構成するセカンダリセルグループ(Secondery Cell Group:SCG)の両方の無線リソースを利用してデータ通信を行う技術であっても良い。MR-DCにおいて、マスタ基地局とは、MR-DCに係る主なRRC機能、例えば、RBの確立、変更、及び解放、及びセカンダリセルなどの追加セルの追加、変更、解放、及びハンドオーバ等、を持つ基地局であっても良く、セカンダリ基地局とは、一部のRRC機能、例えばSCGの変更、及び解放等、を持つ基地局であっても良い。
【0065】
図10に示す通り、EN-DCでは送受信するデータのうち一部をSgNB側で送受信し、残りをMeNB側で送受信する。EN-DCのデータ送受信方法には、EPC内のノードがデータの分岐・合流点であるアンカポイント(anchor point)となり、MeNB及びSgNBそれぞれが、EPCとの間に論理経路であるベアラ(bearer)を確立してデータ送受信する、すなわちMeNB側でMCGベアラ、SgNB側でSCGベアラを用いてデータ送受信する方法、及びMeNB又はSeNBがアンカポイントなり、無線側のベアラである無線ベアラ(Radio Bearer:RB)がMeNBとSeNBでスプリット(split)する、スプリットベアラを用いてデータ送受信する方法があっても良い。スプリットベアラは、無線ベアラ確立の際に確立する方法と、MCGベアラ又はSCGベアラを確立した後、SCG側又はMCG側の無線ベアラを追加する形で、MCGベアラ又はSCGベアラをスプリットベアラに変更する方法とがあっても良い。MCGベアラ、SCGベアラ、スプリットベアラの確立、変更は、MeNBとUEとの間で行う送信するRRC(Radio Resource Control)コネクション再設定(Connection Reconfiguration)手続きにより、行っても良い。本実施の形態ではスプリットベアラのアンカポイントになる基地局装置のセルグループをアンカセルグループ(anchor cell Group)と呼び、スプリットベアラのアンカポイントにならない基地局装置のセルグループを追加セルグループ(additional cell group)と呼ぶ。アンカセルグループがMCGで、追加セルグループがSCGであっても良いし、アンカセルグループがSCGで、追加セルグループがMCGであっても良い。アンカセルグループがMCGである場合のスプリットベアラをMCGスプリットベアラ、アンカセルグループがSCGである場合のスプリットベアラをSCGスプリットベアラと呼んでも良い。
【0066】
EN-DCにおいて、スプリットベアラを用いてデータ送受信する場合、下りデータに関しては、EPCから転送される下りデータの一部をアンカセルグループの基地局装置が追加セルグループの基地局装置に配信し、追加セルグループの基地局装置がUEに伝送すると共に、残りのデータはマスタセルグループの基地局装置からUEに伝送しても良い。上りデータに関しては、UEは上りデータの一部を追加セルグループの基地局装置に伝送し、追加セルグループの基地局装置がこの上りデータの一部をマスタセルグループの基地局装置に配信すると共に、UEは残りのデータをマスタセルグループの基地局装置に伝送しても良い。
【0067】
図10に示す通り、スプリットベアラを用いる場合、マスタセルグループの基地局装置、及び追加セルグループの基地局装置との間で、PDCP PDUが送受信されても良い。
【0068】
図11は本発明の実施の形態における、MCGベアラ、又はSCGベアラをアンカセルグループのベアラとして確立する場合の、DRB設定受信及び設定の一例を示す図である。なおアンカセルグループとして確立する場合であっても、後にスプリットベアラに変更しなくても良い。eNB102は、UE122に要求するDRB設定を決定する(S1100)。eNB102は、DRB設定をコア網(EPC104)からの情報、又はUE122の能力(Capability)、又はコア網からの情報及びUE122の能力に基づいて決定しても良い。なおコア網からの情報は、UE122が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件に基づいて決められても良い。次にeNB102は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定要求(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを生成し、UE122へ送信する(S1102)。UE122の受信部500は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信し、DRB設定を設定部502に渡す。
【0069】
図7、及び
図8は実施の形態1で説明した、DRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例である。
【0070】
すなわち
図7、及び
図8のうちの
図8において、RRCConnectionReconfigurationメッセージの中に含まれる、DRB-ToAddModが、DRB設定のIEとなっている。
図7、及び
図8のうちの
図8に示す通り、DRB-ToAddModには、DRB識別子のIEであるDRB-Identity、及びDRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Configを含んでも良い。また、
図7、及び
図8のうちの
図8に示す通り、PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Configは、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-EUTRA-Config、又はNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-NR-Configを、選択(CHOICE)して含んでも良い。また
図7、及び
図8のうちの
図8に示す通り、PDCP-EUTRA-Config、及びPDCP-NR-Configには、PDCPのシーケンス番号(Sequence Number:SN)の長さを示すpdcp-SN-Size情報を含んでも良く、このpdcp-SN-Sizeは、7を含む整数であっても良い。
【0071】
図16、
図17、及び
図18は、実施の形態1で説明した、DRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の別の一例である。
【0072】
すなわち
図16、
図17、及び
図18のうちの
図16において、RRCConnectionReconfigurationメッセージは、E-UTRA用RRCコネクション再設定要求のIEであるRRCConnectionReconfiguration-EUTRA-IE、又はNR用RRCコネクション再設定要求のIEであるRRCConnectionReconfiguration-NR-IEを、選択(CHOICE)して含んでも良い。
【0073】
図16、
図17、及び
図18のうちの
図16及び
図17に示す通り、E-UTRA用RRCコネクション再設定要求のIEが選択された場合、E-UTRA用DRB設定のIEである、DRB-ToAddMod-EUTRAを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17に示す通り、DRB-ToAddMod-EUTRAには、DRB識別子のIEであるDRB-Identity、及びDRB識別子に対応した、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-EUTRAを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17及び
図18に示す通り、EUTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-EUTRAは、E-UTRA用PDCPエンティティ設定として更に、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-EUTRA-Config、又はNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-NR-Configを、選択(CHOICE)して含んでも良い。また
図16、
図17、及び
図18のうちの
図18に示す通り、PDCP-EUTRA-Config、及びPDCP-NR-Configには、PDCPのシーケンス番号(Sequence Number:SN)の長さを示すpdcp-SN-Size情報を含んでも良く、このpdcp-SN-Sizeは、7を含む整数であっても良い。
【0074】
また
図16、
図17、及び
図18のうちの
図16及び
図17に示す通り、NR用RRCコネクション再設定要求のIEが選択された場合、NR用DRB設定のIEである、DRB-ToAddMod-NRを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17に示す通り、DRB-ToAddMod-NRには、DRB識別子のIEであるDRB-Identity、及びDRB識別子に対応したNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-NRを含んでも良い。また、
図16、
図17、及び
図18のうちの
図17及び
図18に示す通り、NR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-Config-NRは、NR用PDCPエンティティ設定として更に、E-UTRA用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-EUTRA-Config、又はNR用PDCPエンティティ設定情報であるPDCP-NR-Configを、選択(CHOICE)して含んでも良い。また
図16、
図17、及び
図18のうちの
図18に示す通り、PDCP-EUTRA-Config、及びPDCP-NR-Configには、PDCPのシーケンス番号(Sequence Number:SN)の長さを示すpdcp-SN-Size情報を含んでも良く、このpdcp-SN-Sizeは、7を含む整数であっても良い。
【0075】
なお、実施の形態1で説明した通り、
図7、及び
図8、及び
図16、
図17、及び
図18におけるASN.1のメッセージ名、IE名、パラメータ名等は一例であり、他の名称でも良い。また、
図7、及び
図8、及び
図16、
図17、及び
図18において、E-UTRA用PDCPエンティティ、及びNR用PDCPエンティティを記述したのと同様の方法で、E-UTRA用RLCエンティティ、及びNR用RLCエンティティが記述されても良い。また、
図7、及び
図8、及び
図16、
図17、及び
図18において、E-UTRA用PDCPエンティティ、及びNR用PDCPエンティティを記述したのと同様の方法で、E-UTRA用MACエンティティ(MACMainConfig(不図示)、logicalChannelConfig等)、及びNR用MACエンティティが記述されても良い。
【0076】
図11のS1104において、UE122の設定部502がUE122の受信部500から渡されるDRB設定には、少なくともDRB識別子、及びDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定としてE-UTRA用PDCPエンティティ設定、又はNR用PDCPエンティティ設定のどちらかが含まれる。UE122の設定部502はDRB識別子、及びDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定に従い、PDCPエンティティを確立、又は再確立する。
【0077】
図9は本実施の形態1で説明した通り、端末装置の設定部におけるPDCP設定判断の一例である。すなわちUE122の設定部502は、DRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在するか否かを確認する(S900)。存在しない場合、このDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S902)、含まれる場合にはE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報に従って、E-UTRA用PDCPエンティティを確立する(S904)。一方、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、更にDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S906)、含まれる場合にはNR用PDCPエンティティ設定情報に従って、NR用PDCPエンティティを確立する(S908)。また、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、その他の設定を行う(S918)。
【0078】
また一方で、DRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在する場合、このDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S910)、含まれる場合にはE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報に従って、E-UTRA用PDCPエンティティを再確立する(S912)。一方、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にE-UTRA用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、更にDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれるかを確認し(S914)、含まれる場合にはNR用PDCPエンティティ設定情報に従って、NR用PDCPエンティティを再確立する(S916)。また、DRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定の中にNR用PDCPエンティティ設定情報が含まれない場合には、その他の設定を行う(S918)。上記再確立処理により、E-UTRA用PDCPエンティティとNR用PDCPエンティティが切り替えられても良い。例えば、現在のUE122の設定に存在する、あるDRB識別子(DRB識別子1とする)と対応するPDCPエンティティ設定がE-UTRA用PDCPエンティティである場合において、受信したRRCコネクション再設定メッセージに含まれるDRB設定に、上述のDRB識別子1が含まれ、このDRB識別子1に対応するPDCPエンティティ設定がNR用PDCPエンティティ設定である場合、DRB識別子1に対応するPDCPエンティティ設定を、NR用PDCPエンティティとして再設定する。同様に、現在のUE122の設定に存在する、あるDRB識別子(DRB識別子2とする)と対応するPDCPエンティティ設定がNR用PDCPエンティティである場合において、受信したRRCコネクション再設定メッセージに含まれるDRB設定に、上述のDRB識別子2が含まれ、このDRB識別子2に対応するPDCPエンティティ設定がE-UTRA用PDCPエンティティ設定である場合、DRB識別子2に対応するPDCPエンティティ設定を、E-UTRA用PDCPエンティティとして再設定する。このようにE-UTRA用PDCPエンティティ設定とNR用PDCPエンティティ設定は、RRCコネクション再設定メッセージによって切り替えされても良い。
【0079】
UE122の設定部502で設定を終えた後、
図11でUE122は、eNB102に、RRCコネクション再設定完了(RRCConnectionReconfigurationComplete)メッセージを送信する(S1106)。
【0080】
なお、本実施の形態におけるDRB設定は、RRCコネクション再設定手順だけでなく、RRCコネクション設定(RRC Connection Establishment)手順や、RRCコネクション再設定(RRC Connection Re-Establishment)手順に含まれていても良い。また本実施の形態におけるPDCPエンティティの再確立とは、例えば非特許文献5に記載のハイパーフレーム番号(Hyper Frame Number:HFN)のゼロリセットや、ヘッダ圧縮の初期(Initialization and Refresh:IR)モードへの変更、指定された暗号アルゴリズム(algorithm)及び暗号鍵への変更などを含んでも良い。なお、非特許文献に記述されるハイパーフレーム番号(Hyper Frame Number:HFN)のゼロリセットや、ヘッダ圧縮の初期(Initialization and Refresh:IR)モードへの変更、指定された暗号アルゴリズム(algorithm)及び暗号鍵への変更はE-UTRA用であるが、NR用として適用されても良い。
【0081】
次にMCGベアラ又はSCGベアラから、スプリットベアラへの変更について説明する。
【0082】
図12はMCGベアラ又はSCGベアラから、スプリットベアラに変更する際の、追加セルグループのDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の一例である。
図12のASN.1の例で、<略>及び<中略>とは、ASN.1の表記の一部ではなく、他の情報を省略している事を示す。なお<略>又は<中略>という記載の無い所でも、情報が省略されていても良い。
図12に示すASN.1の例は、
図7、及び
図8、又は
図16、
図17、及び
図18に示すANS.1の例の一部であっても良い。
図12に示す、DRB-ToAddModADDCG-NR IEは、追加セルグループのDRB設定に関するものであり、別の名称であっても良い。また
図12に示すDRB-ToAddModADDCG-NR IEは、追加セルグループ設定に関する上位IEの一部であっても良い。
【0083】
図11において、eNB102は、UE122に要求するアンカセルグループのDRB設定、及び追加セルグループのDRB設定を決定する(S1100)。ただしアンカセルグループのDRB設定は変更しなくても良い。アンカセルグループのDRB設定を変更する場合には、アンカセルグループのDRB設定にDRB識別子と、それに対応した変更するPDCPエンティティ設定などのエンティティ設定情報を含んでも良い。またアンカセルグループのDRB設定を変更しない場合には、アンカセルグループのDRB設定にDRB識別子のみ持たせても良い。eNB102は、アンカセルグループのDRB設定を変更するか否かをコア網(EPC104)からの情報、又はUE122の能力(Capability)、又はコア網からの情報及びUE122の能力に基づいて決定しても良い。なおコア網からの情報は、UE122が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件に基づいて決められても良い。次にeNB102は、アンカセルのDRB設定、及び追加セルのDRB設定を含むRRCコネクション再設定要求(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを生成し、UE122へ送信する(S1102)。UE122の受信部500は、アンカセルのDRB設定、及び追加セルのDRB設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信し、アンカセルのDRB設定、及び追加セルのDRB設定を設定部502に渡す。
【0084】
UE122の設定部502では、アンカセルグループのDRB設定に含まれるDRB識別子の値が、現在のUE122の設定に存在する場合、かつアンカセルグループのDRB設定に含まれるDRB識別子が、追加セルグループのDRB設定に含まれるDRB識別子である場合、つまり、アンカセルグループのDRB識別子の値と追加セルグループのDRB識別子の値が同じである場合、かつ追加セルグループのDRBタイプ(
図12のdrb-Type-NR等)がスプリットである場合、既に存在するMCGベアラ又はSCGベアラをスプリットベアラに変更すると判断する。なお、既に存在するMCGベアラ又はSCGベアラをスプリットベアラに変更する判断方法は、この通りとは限らず、別の方法であっても良い。
【0085】
UE122の設定部502は、追加セルグループのDRB設定に従い、追加セルグループのDRBを確立すると共に、アンカセルグループのDRB設定に、DRB識別子に対応するPDCPエンティティ設定が存在する場合、そのPDCPエンティティ設定に従って、PDCPエンティティを再確立しても良い。上記再確立処理により、E-UTRA用PDCPエンティティとNR用PDCPエンティティが切り替えられても良い。例えば、現在のUE122の設定に存在する、あるDRB識別子(DRB識別子1とする)と対応するPDCPエンティティ設定がE-UTRA用PDCPエンティティである場合において、受信したRRCコネクション再設定メッセージに含まれるDRB設定に、上述のDRB識別子1が含まれ、このDRB識別子1に対応するPDCPエンティティ設定がNR用PDCPエンティティ設定である場合、DRB識別子1に対応するPDCPエンティティを、NR用PDCPエンティティとして再設定する。同様に、現在のUE122の設定に存在する、あるDRB識別子(DRB識別子2とする)と対応するPDCPエンティティ設定がNR用PDCPエンティティである場合において、受信したRRCコネクション再設定メッセージに含まれるDRB設定に、上述のDRB識別子2が含まれ、このDRB識別子2に対応するPDCPエンティティ設定がE-UTRA用PDCPエンティティ設定である場合、DRB識別子2に対応するPDCPエンティティを、E-UTRA用PDCPエンティティとして再設定する。このようにE-UTRA用PDCPエンティティ設定とNR用PDCPエンティティ設定は、RRCコネクション再設定メッセージによって切り替えされても良い。
【0086】
このように、本実施の形態では、EN-DCの場合であっても端末装置(UE)が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件などに基づいて、アンカセルグループが、UEとの通信において利用するPDCPエンティティが、E-UTRA用であるかNR用であるかを選択し、UEにRRCコネクション再設定メッセージを用いて通知する。よってEN-DCであってもUEが利用するアプリケーションサービスに適したPDCPエンティティを確立する事ができ、プロトコル処理の複雑さを軽減した、効率的な通信を行うことができる。
【0087】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、コア網が5GC110である場合における、SDAPエンティティ設定を含むDRB設定について説明する。実施の形態3において、UE122はgNBを介して5GC110と通信を行っても良いし、eNBを介して5GCと通信を行っても良いし、gNB及びeNB両方をするMR-DCを用いて5GCと通信を行っても良い。
【0088】
【0089】
図13は本発明の実施の形態におけるDRB設定受信及び設定の一例を示す図である。eNB102、又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、UE122に要求するSDAPエンティティ設定を含むDRB設定を決定する(S1300)。eNB102、又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、DRB設定をコア網(EPC104、又は5GC110、又はEPC104及び5GC110両方)からの情報、又はUE122の能力(Capability)、又はコア網からの情報及びUE122の能力に基づいて決定しても良い。なおコア網からの情報は、UE122が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件に基づいて決められても良い。また、DRB設定には、SDAPヘッダ長などの、SDAPに関する情報が含まれていても良い。またSDAPに関する情報は、SDAPエンティティ設定に含まれていても良いし、PDCPエンティティ設定など他のエンティティ設定に含まれていても良い。次にeNB102、又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定要求(RRCConnectionReconfiguration)メッセージを生成し、UE122へ送信する(S1302)。UE122の受信部500は、DRB設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信し、DRB設定を設定部502に渡す。
【0090】
図14及び
図15は、本発明の実施の形態における、SDAP情報を含むDRB設定に係るASN.1(Abstract Syntax Notation One)の例である。
図14及び
図15のASN.1の例で、<略>及び<中略>とは、ASN.1の表記の一部ではなく、他の情報を省略している事を示す。なお<略>又は<中略>という記載の無い所でも、情報が省略されていても良い。
【0091】
図14は、SDCPエンティティ設定の中に、SDCPのヘッダ長情報が含まれる例であり、
図15は他のPDCPエンティティ設定の中にSDCPのヘッダ長が含まれる例である。SDCPヘッダ長情報は、SDCPエンティティ設定、又はPDCPエンティティ設定のどちらか一方に含まれる情報であっても良く、又はSDCPエンティティ設定、及びPDCPエンティティ設定の両方に含まれる情報であっても良い。SDAPヘッダ長はゼロ(zero:0)を含む8の倍数長であっても良い。たとえば
図14及び
図15の例で、“len0bits”、“len8bits”、“len16bits”、“len24bits”はそれぞれ、0ビット、8ビット、12ビット、24ビットであっても良い。また、これに変えて、“len0bytes”、“len1bytes”、“len2bytes”、“len3bytes”などのバイト(byte)又はオクテット(octet)単位の表記であっても良い。なおSDAPヘッダ長がゼロとは、SDAPヘッダが存在しない事を意味しても良い。またSDAPヘッダ長の表記や名称はこれに限らず、別の表記や名称であっても良い。また
図14、及び
図15におけるASN.1のメッセージ名、IE名、パラメータ名等は一例であり、他の名称でも良い。また、
図14、及び
図15に示すASN.1の例は、
図7、及び
図8、又は
図16、
図17、及び
図18に示すASN.1の例の一部であっても良い。
【0092】
図14の例、すなわちSDAPエンティティ設定の中にSDAPヘッダ長がある場合の例を用いて、UE122の設定部502を説明する。
図13のS1304において、UE122の設定部502がUE122の受信部500から渡されるDRB設定には、少なくともDRB識別子、及びDRB識別子と対応したSDAPエンティティ設定が含まれ、SDAPエンティティ設定にはSDAPヘッダ長が含まれる。UE122の設定部502はDRB識別子、及びDRB識別子と対応したSDAPエンティティ設定に従い、SDAPエンティティを確立、又は再確立する。すなわち、受信部500から渡されたDRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在しない場合には、SDAPエンティティを確立し、受信部500から渡されたDRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在する場合には、SDAPエンティティを再確立しても良い。なお、SDAPヘッダ長がゼロの場合、SDAPエンティティは確立するが、SDAPヘッダは存在しないという処理であっても良いし、SDAPエンティティを確立しないという処理であっても良い。
【0093】
図15の例、すなわちPDCPエンティティ設定の中にSDAPヘッダ長がある場合の例を用いて、UE122の設定部502を説明する。
図13のS1304において、UE122の設定部502がUE122の受信部500から渡されるDRB設定には、少なくともDRB識別子、及びDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定が含まれ、PDCPエンティティ設定にはSDAPヘッダ長が含まれる。UE122の設定部502はDRB識別子、及びDRB識別子と対応したPDCPエンティティ設定に従い、PDCPエンティティを確立、又は再確立する。すなわち、受信部500から渡されたDRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在しない場合には、PDCPエンティティを確立し、受信部500から渡されたDRB識別子の値が現在の端末装置の設定に存在する場合には、PDCPエンティティを再確立しても良い。確立、又は再確立されたPDCPエンティティは、SDAPヘッダ長の情報から、SDAP SDU、即ちIPパケットの開始位置を特定し、ヘッダ圧縮処理を行っても良い。なお、PDCPエンティティは、SDAPヘッダ長がPDCPエンティティ設定には含まれず、SDAPエンティティ設定に含まれる場合においても、SDAPエンティティ設定に含まれるSDAPヘッダ長の情報から、SDAP SDU、即ちIPパケットの開始位置を特定し、ヘッダ圧縮処理を行っても良い。
【0094】
UE122の設定部502で設定を終えた後、
図13でUE122は、eNB102又はgNB108、又はeNB102及びgNB108両方に、RRCコネクション再設定完了(RRCConnectionReconfigurationComplete)メッセージを送信する(S1306)。
【0095】
なお、本実施の形態におけるDRB設定は、RRCコネクション再設定手順だけでなく、RRCコネクション設定(RRC Connection Establishment)手順や、RRCコネクション再設定(RRC Connection Re-Establishment)手順に含まれていても良い。また本実施の形態におけるPDCPエンティティの再確立とは、例えば非特許文献5に記載のハイパーフレーム番号(Hyper Frame Number:HFN)のゼロリセットや、ヘッダ圧縮の初期(Initialization and Refresh:IR)モードへの変更、指定された暗号アルゴリズム(algorithm)及び暗号鍵への変更などを含んでも良い。なお、非特許文献に記述されるハイパーフレーム番号(Hyper Frame Number:HFN)のゼロリセットや、ヘッダ圧縮の初期(Initialization
and Refresh:IR)モードへの変更、指定された暗号アルゴリズム(algorithm)及び暗号鍵への変更はE-UTRA用であるが、NR用として適用されても良い。
【0096】
また、本実施の形態におけるDRB設定は、コア網が5GCである場合を想定しているが、コア網がEPCの場合にも適応されても良い。
【0097】
このように、本実施の形態では、端末装置(UE)が要求する、音声通話などのアプリケーションサービスの条件などに基づいて、E-UTRAの基地局装置(eNB)、又はNRの基地局装置(gNB)、又はeNB及びgNBが、UEとの通信に置いて利用する、SDAPヘッダ長を含むSDAPエンティティ設定、又はSDAPヘッダ長を含むPDCPエンティティ設定を行い、UEにRRCコネクション再設定メッセージを用いて通知する。よってUEが利用するアプリケーションサービスに適したSDAPヘッダ長を利用し、かつ必要に応じてPDCPエンティティによるヘッダ圧縮を行う事ができ、プロトコル処理の複雑さを軽減した、効率的な通信を行うことができる。
【0098】
なお、本発明の各実施の形態におけるRRCに関する記述、例えばRRCコネクション再設定要求メッセージなどのメッセージ、及びASN.1等、は、NR用RRC(例えば非特許文献9、非特許文献10に記載されるRRC)を想定しているが、LTEの拡張向けであっても良く、E-UTRA用基地局装置とMR-DCに対応した端末装置との間で送受信されても良い。
【0099】
また、本発明の各実施の形態におけるPDCPエンティティ等の各エンティティの再確立は、ハンドオーバ時のRRCコネクション再設定手順によって行われても良い。また本発明の各実施の形態におけるPDCPエンティティ等の各エンティティの再確立の際、セキュリティに関する設定も再設定されても良い。
【0100】
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュ-タを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0101】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュ-タで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュ-タが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュ-タシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここでいう「コンピュ-タシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュ-タシステムであって、オペレ-ティングシステムや周辺機器等のハ-ドウェアを含むものとする。また、「コンピュ-タが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであってもよい。
【0102】
さらに「コンピュ-タが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュ-タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュ-タシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0103】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントロ-ラ、マイクロコントロ-ラ、またはステ-トマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0104】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0105】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0106】
以上のように、基地局装置と通信する端末装置であって、基地局装置からDRB(Data Radio Bearer)設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記DRB設定は、DRB識別子、及び前記DRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定を含み、前記DRB識別子の値は、現在の端末装置の設定には存在せず、前記PDCPエンティティ設定情報には、E-UTRA用PDCPエンティティ設定、およびNR用PDCPエンティティ設定の内の一つを含み、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記E-UTRA用PDCPエンティティ設定の情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを確立し、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記NR用PDCPエンティティ設定情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを確立する。
【0107】
また、本発明の一態様は、基地局装置と通信する端末装置であって、基地局装置からDRB(Data Radio Bearer)設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記DRB設定は、DRB識別子、及び前記DRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定を含み、前記DRB識別子の値は、現在の端末装置の設定に存在し、前記PDCPエンティティ設定情報には、E-UTRA用PDCPエンティティ設定、およびNR用PDCPエンティティ設定の内の一つを含み、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記E-UTRA用PDCPエンティティ設定の情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを再確立し、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記NR用PDCPエンティティ設定情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを確立する。
【0108】
また、本発明の一態様は、E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)及びNR(New Radio)へのMR-DC(Multi Radio Access Technology Dual
Connectivity)に対応した端末装置であって、前記E-UTRAがマスタセルグループとなる場合において、マスタ基地局装置からアンカセルグループのDRB(Data Radio Bearer)設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記DRB設定は、DRB識別子、及び前記DRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定を含み、前記DRB識別子の値は、現在の端末装置の設定には存在せず、前記PDCPエンティティ設定情報には、E-UTRA用PDCPエンティティ設定、およびNR用PDCPエンティティ設定の内の一つを含み、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記E-UTRA用PDCPエンティティ設定の情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを確立し、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記NR用PDCPエンティティ設定情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを確立する。
【0109】
また、本発明の一態様は、E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)及びNR(New Radio)へのMR-DC(Multi Radio Access Technology Dual Connectivity)に対応した端末装置であって、前記E-UTRAがマスタセルグループとなる場合において、マスタ基地局装置からアンカセルグループのDRB(Data Radio Bearer)設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記DRB設定は、DRB識別子、及び前記DRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定を含み、前記DRB識別子の値は現在の端末装置の設定に存在し、前記PDCPエンティティ設定情報には、E-UTRA 用PDCPエンティティ設定、およびNR用PDCPエンティティ設定の内の一つを含み、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記E-UTRA 用PDCPエンティティ設定の情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを再確立し、前記PDCPエンティティ設定情報に、前記NR用PDCPエンティティ設定情報が含まれる場合、前記PDCPエンティティ設定情報に従って、PDCPエンティティを再確立する。
【0110】
また、本発明の一態様は、E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)及びNR(New Radio)へのMR-DC(Multi Radio Access Technology Dual
Connectivity)に対応した端末装置であって、前記E-UTRAがマスタセルグループとなる場合において、マスタ基地局装置からアンカセルグループのDRB(Data Radio Bearer)設定、及び追加セルグループのDRB設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記アンカセルグループのDRB設定は、アンカセルグループのDRB識別子、及び前記アンカセルグループのDRB識別子に対応したPDCPエンティティ設定を含み、前記追加セルグループのDRB設定は、前記アンカセルグループのDRB識別子、及びDRBタイプがスプリットであるという情報を含み、前記アンカセルグループのDRB識別子に対応するアンカセルグループのDRB設定に含まれるPDCPエンティティ設定情報に従って、アンカセルグループのPDCPエンティティを再確立する。
【0111】
また、本発明の一態様は、基地局装置と通信する端末装置であって、基地局装置からDRB(Data Radio Bearer)設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記DRB設定は、DRB識別子、及び前記DRB識別子に対応したSDAPエンティティ設定を含み、前記DRB識別子の値は、現在の端末装置の設定には存在せず、前記SDAPエンティティ設定はSDAPヘッダ長を含み、前記SDAPヘッダ長はゼロを含む8の整数倍の値のうち一つ又は複数であり、前記SDAP設定情報に従ってSDAPエンティティを確立する。
【0112】
また、本発明の一態様は、基地局装置と通信する端末装置であって、基地局装置からDRB(Data Radio Bearer)設定を含むRRCコネクション再設定要求メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に従ってDRBの設定を行う設定部と、を備え、前記DRB設定は、DRB識別子、及び前記DRB識別子に対応したSDAPエンティティ設定を含み、前記DRB識別子の値は、現在の端末装置の設定に存在し、前記SDAPエンティティ設定はSDAPヘッダ長を含み、前記SDAPヘッダ長はゼロを含む8の整数倍の値のうち一つ又は複数であり、前記SDAP設定情報に従ってSDAPエンティティを再確立する。
【0113】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
100 E-UTRA
102 eNB
104 EPC
106 NR
108 gNB
110 5GC
112、114、116,118、120、124 インタフェース
122 UE
200、300 PHY
202、302 MAC204、304 RLC
206、306 PDCP
208、308 RRC
310 SDAP
500 受信部
502 設定部